説明

香りを放つ(BLOOMING)固形石鹸

定義された強い印象を与える(成分)を含む香料組成物、及び該香料組成物を含んで成るパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸を提供する。好ましい態様では、前記香料組成物は、シャワー時のように、水に暴露したときに芳香剤を放出するように、デンプンなどにカプセル封入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料組成物、及び該香料組成物を含むパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
香料などの芳香剤は、固形石鹸のようなパーソナルクレンジング組成物にしばしば直接添加される。しかしながら、香料をニートオイルとして前記製品に混合するときには、いくつかの不利益がある。一つの問題は、ある種の香料成分が石鹸マトリックス中で安定でなく、そのために損傷及び/又は減損しやすいことである。これらの香料成分は、(例えば、酸素、光、熱などによって)酸化反応又は他の化学反応をして、それらを含有する製品の望ましくない退色を引き起こすこともある。
【0003】
香料をベースとなる石鹸組成物へ直接添加することによって生じる更なる不利益は、香料構成成分が、一般に揮発性であるために、加工又は貯蔵中に製品から容易に失われることである。非常に揮発性の高い香料画分の損失が特に大きい。結果として、パーソナルクレンジングバーは、従来、該バーの加工及び貯蔵中に芳香剤の残存を最大にし、それによって、使用中及び使用後の芳香剤のより良い効果を提供するために、揮発性のより低い香料構成成分から成る香料を主に使う傾向があった。しかしながら、このことは、最も望ましい状態ではなかった。というのも、ある種の揮発性で低沸点の香料成分はさわやかで清潔な印象を与えることができ、しかもこれらの成分がパーソナルクレンジング製品に含まれていることは非常に望ましいためである。これは、シャワー中に香りを放つ揮発性の高い物質でもある。従って、これら(香料成分)を香料組成物から取り除くことは、香りプロファイル(fragrance profile)を固形石鹸などの現在のパーソナルクレンジング製品よりも悪化させることになる。
【0004】
香料をベースとなる組成物に直接添加することによって生じるもう一つの問題は、原製品(例えば、前記バー)において、また該製品の使用中において、香りの露呈を同時に最適化する適応性が無いことである。例えば、使用中に最適となる芳香剤濃度は、原製品では匂いが強すぎることがある。同様に、原製品において最適な芳香剤濃度は、使用中に満足感の低い結果を導くことがある。原製品において及び使用中とでそれぞれ独自に香りの露呈を調整できることが望ましい。
【0005】
香料は、通常、審美的に魅力のある香気を与えるためにパーソナルクレンジング組成物に添加される。使用者に様々な印象を与えるように香料を設計し、選択することが可能である。残念なことに、ある特定の香料は、典型的には、単独の又は連続した全体的なメッセージのみを伝え、多機能クレンジング製品の複数の機能をはっきりと伝えなかったり、製品の前記機能を増強するように製品の使用中にそれを高められないかもしれない。そのために、二元的な香りの特徴(dual fragrance characters)を放出して、製品の示唆性、又は製品の複数の相異する機能を伝えることが非常に望ましい。特に、一般に心地よい香りを有するのみならず、濡らしたときに「香りを放って」、消費者に望まれているさわやかで清潔な印象を与えることも、パーソナルクレンジング製品においては好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者ら以外の人々は、改良された香りの放出を提供しようと試みている。例えば、米国特許第5,336,665号(ガーナー−グレイ(Garner-Gray)ら、1994年8月9日発行)には、析出用の疎水性無機キャリアを用いた、芳香剤複合体が開示されている。しかしながら、これらキャリアは、洗浄過程中に有意義な芳しい香りを放出するようには設計されていない。
【0007】
EP,0,902,679には、二元式芳香剤と組み合わせて親水性無機キャリアを固形石鹸中に用いた芳香剤複合体が開示されているが、増強された芳しい香りを放出する物資の選択については開示されていない。
【0008】
EP,0,965,326には、芳香剤キャリアと組み合わせて、選択された芳香剤物質を使用することが開示されている。しかしながら、この発明は、長続きする香りの効果を洗濯物、特に乾燥した布地に与えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願人らの発明の第1の態様では、
a)(1)少なくとも10重量%の、少なくとも1つのクラス1の強い印象を与える(「HIA」)香料成分であって、クラス1香料成分が、101kPa(760mmHg)での275℃以下の沸点、(2)少なくとも2.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)を有するもの;及び
b)(1)0.01重量%〜30重量%未満の、少なくとも1つのクラス2の強い印象を与える(「HIA」)香料成分であって、クラス2の香料成分が、101kPa(760mmHg)での275℃より高い沸点、(2)少なくとも4.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)を有するものを含む香料組成物が提供される。
【0010】
本発明の香料の、低い臭気検出閾値に部分的に起因する、強い印象とは、該香料が先行技術の芳香剤に関連する問題に煩わされないことを意味する。
【0011】
好ましい実施態様によれば、前記香料組成物は、カプセル封入された形態で存在する。本発明の二番目の態様によれば、前記第1の態様の香料組成物を含むパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸が提供される。
【0012】
本発明の前述及びその他の特徴、態様、ならびに利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
すべての引用文献は、その全体を本明細書に参考として組み込まれる。更には、百分率は、特に明記されない限りすべて総組成物の重量を基準とするものであり、そして比率は、特に明記されない限りすべて重量比である。
【0014】
実際に測定した値の特定の例を提示する場合を除いて、本明細書で言及される数値は、「約」という言葉で修飾されていると考えるべきである。
【0015】
本発明の第1の態様の香料組成物は、少なくとも2つの分類の香料成分を含む:最初の強い印象を与える(「HIA」)香料成分は、(1)101kPa(760mmHg)での275℃以下の沸点、(2)少なくとも2.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)であり、また、二番目の強い印象を与える(「HIA」)香料成分は、(1)101kPa(760mmHg)での275℃より高い沸点、(2)少なくとも4.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)である。
【0016】
HIA香料成分は、それぞれの沸点(B.P.)、オクタノール/水の分配係数(P)及び臭気検出閾値(「ODT」)により特徴づけられる。
【0017】
香料成分のオクタノール/水の分配係数とは、オクタノール中の平衡濃度と水中の平衡濃度との比である。
【0018】
標準気圧(101kPa(760mmHg))での多くの香料成分の沸点は、例えば「香料及び香味料化学物質(Perfume and Flavor Chemicals)(芳香性化学物質(Aroma Chemicals))」(ステファン・アークタンダー(Steffen Arctander)著及び出版)に示されている。
【0019】
多くの香料成分のlogP値が報告されており、例えば、ポモナ(Pomona)92データベース(デイライト化学情報システム社(Daylight Chemical Information Systems,Inc.)(デイライトCIS社))(米国カリフォルニア州アーバイン(Irvine,California)から入手可能)では、原文献への引用と共に多くのlogP値を記載している。しかし、logP値は、最も簡便には、同様にデイライトCIS社(Daylight CIS)から入手可能な「CLOGP」プログラムにより計算される。このプログラムはまた、ポモナ92データベースにおいて入手可能な場合には、実測logP値も一覧にしている。「算出されたlogP値」(ClogP値)は、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)のフラグメント手法により求められる(エイ・レオ(A.Leo)の著、「総括医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、シー・ハンシュ(C.Hansch)、ピー・ジー・サメンス(P.G.Sammens)、ジェイ・ビー・テイラー(J.B.Taylor)及びシー・エイ・ラムスデン(C.A.Ramsden)編、295頁、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)、1990年を参照のこと)。このフラグメント手法は、各香料成分の化学構造を基にして、原子の数と種類、原子の連結性、及び化学結合を考慮に入れている。この物理化学的特性のために最も信頼できかつ広く用いられている推定値であるClogP値は、好ましくは、本発明で有用な香料成分の選択において実測logP値の代わりに用いられる。
【0020】
臭気検出閾値は、ガスクロマトグラフを用いて求められる。ガスクロマトグラフは、濃度及び鎖長分布がわかっている炭化水素標準を用いて、シリンジにより注入された物質の正確な容量、精密なスプリット比、及び炭化水素の反応性を測定できるように較正する。空気の流速を正確に測定し、ヒトの吸入持続時間を12秒続くと仮定して、試料の容量を算出する。適時どの時点でも検出器における精密な濃度が分かるので、吸入された容量当たりの質量が分かり、それによって物質の濃度が求められる。物質が50ppb未満の閾値を有するかどうかを決定するために、逆算した濃度で、溶液を嗅ぎ口(sniff port)に運ぶ。パネリストはGC流出液を嗅ぎ、臭気を感知した時の保持時間を確認する。パネリスト全員の平均を感知可能閾値と決定する。
【0021】
検出器における50ppbの濃度を達成するために、必要な検体量をカラムに注入する。臭気検出閾値を決定するための典型的なガスクロマトグラフのパラメータは以下に記載のとおりである。
【0022】
GC:FID検出器の付いた5890シリーズII
7673オートサンプラー
カラム:ジェイ・アンド・ダブリュー・サイエンティフィック社(J&W Scientific)製のDB−1
長さ30m ID0.25mm 膜厚1ミクロン
方法:
スプリット・インジェクション:スプリット比17/1
オートサンプラー:1回の注入当たり1.13μL
カラム流量:1.10mL/分
空気流:345mL/分
入口温度 245℃
検出器温度 285℃
温度情報
初期温度:50℃
(昇温)速度:5℃/分
最終温度:280℃
測定時間:6分
指示条件:
(i)1回の嗅ぎ時間は12秒
(ii)GC 空気はサンプル希釈剤に加えること
最初の分類の香料成分に関し、本発明のクラス1のHIA香料成分はそれぞれ、標準的な標準気圧101kPa(760mmHg)で求められる275℃以下の沸点、そして10億分の50部(ppb)以下のODTを有する。本発明の香料成分の分配係数は大きい値であるため、その10を底とする対数、つまりlogPの形で示すとより便利であって、本発明の香料成分のClogP値は2以上である。
【0023】
表1に、クラス1のHIA香料成分のいくつかの非限定的な例を示す。
【0024】
【表1−1】

【0025】
【表1−2】

本発明の香料組成物は、確かに、クラス1のHIA香料成分を1以上含みうる。
【0026】
最初の分類のHIA香料成分は、あふれんばかりであり、しかも製品の使用時に非常に顕著である。所定の香料組成物中の香料成分のうち、少なくとも10%、好ましくは15〜75%、より好ましくは15〜50%は、クラス1のHIA香料成分である。
【0027】
香料成分の二番目の分類に関し、本発明のクラス2のHIA香料成分はそれぞれ、標準的な標準気圧約101kPa(760mmHg)で求められる275℃よりも高い沸点、また10億分の50部(ppb)以下のODTを有する。本発明の香料成分の分配係数は大きい値であるため、その10を底とする対数、つまりlogPの形で示すとより便利であって、本発明の香料成分のClogP値は少なくとも4である。
【0028】
表2に、クラス2のHIA香料成分のいくつかの非限定的な例を示す。
【0029】
【表2】

【0030】
本発明の香料組成物は、確かに、クラス2のHIA香料成分を1以上含みうる。
【0031】
二番目の分類のHIA香料成分は、皮膚に残り香を残す。所定の香料組成物中の香料成分のうち、0.01〜30%未満、好ましくは0.01〜25%は、クラス2のHIA香料成分である。
【0032】
本発明の第1の態様の香料組成物は、例えば、クラス1もしくはクラス2のいずれにも属さない他の香料成分、又は無臭の溶媒もしくは酸化防止剤、あるいはこれらの混合物のような、任意の常套の香料組成物物質を含んでいてもよい。本発明の第1の態様の香料組成物は、好ましくはクラス1及びクラス2のHIA香料成分を75%まで含んでいる。
【0033】
本発明の第1の態様の好ましい実施態様では、香料組成物は、カプセル封入されている。クレンジング又はコンディショニング工程において色々な時に香料の効果を放出できる、広く様々なカプセル封入物質が存在する。
【0034】
本発明の好適なカプセル封入物質としては、デンプン類、オリゴ糖類、シクロデキストリン類、ポリエチレン、ポリアミド類、ポリスチレン類、ポリイソプレン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアクリレート類、ビニルポリマー類ポリウレタン類(vinyl polymers polyurethanes)、非晶質シリカ、沈降シリカ、溶融シリカ、アルミノケイ酸塩(例えば、ゼオライト及びアルミナ)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。カプセル封入物質が非晶質シリカ、沈降シリカ、溶融シリカ又はアルミノケイ酸塩(例えば、ゼオライト及びアルミナ)を含む場合、その孔の容積は、少なくとも0.1mL/gであって、直径0.4〜10nm(4〜100Å)の孔を含んで成る。好ましくは非晶質シリカゲルが、その高い油吸収性に起因して使用される。
【0035】
本発明の香油をカプセル封入するのに適したデンプンとしては、アミロース、アミロペクチン及びこれらの混合物が挙げられる。前記デンプンは、原料デンプン、α−デンプン、塊茎からの加工デンプン、豆菓、穀物及びグレインから作られていてよく、例えば、とうもろこしデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ろう状のとうもろこしデンプン、オート麦デンプン、キャッサバデンプン、ろう状の大麦、ろう状の米デンプン、もち米デンプン、アミオカ(amioca)、芋デンプン、タピオカデンプン、オート麦デンプン、キャッサバデンプン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
本発明においてカプセル封入用マトリックスとして使用するのに適した加工デンプンには、加水分解デンプン、酸薄膜化デンプン(acid thinned starch)、長鎖炭化水素のデンプンエステル類、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、及びこれらの混合物が包含される。
【0037】
本明細書で使用する場合、「加水分解デンプン」という用語は、デンプンの酸及び/又は酵素加水分解によって通常得られるオリゴ糖型物質、好ましくはとうもろこしデンプンに言及する。本発明に包含するのに適した加水分解デンプンとしては、マルトデキストリン及び固形コーンシロップが挙げられる。デンプンエステル類の混合物と共に包含される加水分解デンプンは、デキストロース当量(DE)値が約10〜約36DEである。DE値は、デキストロースを参照し、パーセント(乾燥ベース)として表される加水分解デンプンの還元当量の尺度である。DE値が高いほど、還元糖が多く存在する。DE値を求める方法は、とうもろこし産業研究財団の加盟企業の標準分析法(Standard Analytical Methods of the Member Companies of Corn Industries Research Foundation)、第6版、とうもろこし精製協会(Corn Refineries Association,Inc.)、米国ワシントン、1980年、D−52に記載されている。
【0038】
約0.01%〜約10.0%の範囲の置換度を有するデンプンエステル類が、本発明の香油をカプセル封入するのに使用されうる。この加工エステルの炭水化物部分は、C5〜C16までの炭素鎖でなければならない。好ましくは、様々な種類のオクテニルコハク酸(OSAN)置換されたろう状のとうもろこしデンプンであって、例えば、1)ろう状のデンプン:酸薄膜化されかつOSAN置換されたもの、2)固形コーンシロップのブレンド:ろう状のデンプンであって、OSAN置換されかつデキストリン化されたもの、3)ろう状デンプン:OSAN置換されかつデキストリン化されたもの、4)固形コーンシロップ又はマルトデキストリンと、ろう状デンプンとのブレンド:酸薄膜化OSAN置換された後、加熱されかつ噴霧乾燥されたもの、5)ろう状デンプン:酸薄膜化されかつOSAN置換された後、加熱されかつ噴霧乾燥されたもの、ならびに6)高粘度及び低粘度の(酸処理レベルに基づく)上記修飾物なども、本発明で使用されうる。
【0039】
オクテニルコハク酸デンプンのように、乳化性及びエマルション安定性を有する加工デンプンは、デンプン加工剤の疎水性に起因して、香油液滴をエマルション中に取り込む能力を有する。香油は、使用時に溶け出すまで、熱力学要素(すなわち、立体障害を原因とするエマルションの疎水性の相互作用及び安定化)のせいで加工デンプン内に取り込まれたまま留まる。
【0040】
好ましくは、本発明の香料組成物は、加工デンプンでカプセル封入されて、加工デンプンカプセル封入物を形成する。より好ましくは、カプセル封入物質は、水溶性の加工デンプン固体マトリックスであって、有利には、デンプン原材料をオクテニル−コハク酸無水物で処理することにより修飾されたデンプン原材料である。より好ましくは、加工デンプンは、ポリヒドロキシ化合物と混合した後、オクテニル−コハク酸無水物で処理される。
【0041】
さらに好ましくは、加工デンプンは、ろう状のとうもろこしデンプンの、α化されかつデキストリン化されたものであって、ソルビトール又は一価もしくは多価のアルコール(例えば、グリセリン又はプロピレングリコール)、あるいは糖アルコールと混合された後、オクテニルコハク酸無水物で処理される。
【0042】
前記カプセル封入物質の好適な例は、ナショナル・スターチ社(National Starch)製のエヌ−ロック(N-Lok)(商標)、ナーレックス(Narlex)(商標)(ST及びST2)、及びカプセル・イー(Capsul E)(商標)である。これらのカプセル封入物質は、α化したろう状のとうもろこしデンプンと、任意にグルコースとを含んで成る。デンプンは、オクテニルコハク酸無水物などの一官能性の置換基群を付加することによって修飾される。
【0043】
本発明で使用されうる、更なるカプセル封入物質は、シクロデキストリンである。本明細書で使用される場合、「シクロデキストリン」という用語は、香料成分と共に包接錯体(inclusion complexes)を形成できる、6〜12のグルコース単位を含有する非置換シクロデキストリン類(特に、α−、β−、γ−シクロデキストリン、及びこれらの混合物)、及び/又はこれらの誘導体、及び/又はこれらの混合物などの、既知である任意のシクロデキストリンを包含する。α−、β−、及びγ−シクロデキストリンは、特に、アメリカン・メイズ・プロダクツ社(American Maize-Products Company)(アマイゾ(Amaizo))、とうもろこし加工事業部(Corn Processing Division)、インディアナ州ハモンド(Hammond,Ind.);及びロケッティ社(Roquette Corporation)、イリノイ州ガーニー(Gurnee,Ill)から入手可能である。シクロデキストリンの多数の誘導体が知られている。好ましくは、β−シクロデキストリンが用いられる。
【0044】
芳香剤とカプセル封入物質との比率は、通常、5:1〜1:10の範囲であるが、芳香剤キャリアの吸収性に依存する。典型的な比率の範囲を表3に記載する:
【0045】
【表3】

【0046】
本発明の二番目の態様によれば、パーソナルクレンジング組成物、例えば、ボディソープ(body washes)、シャンプー及び固形石鹸であって、香料組成物を含むもの、特に、本発明の第1の態様のカプセル封入された香料組成物を含むものが提供される。本発明の香料組成物は、固形石鹸に特定の用途を見出すものである。
【0047】
パーソナルクレンジング組成物に包含されるカプセル封入された香料の総量は、カプセル封入物質に依存する:シリカの場合、前記パーソナルクレンジング組成物は、0.01〜10%、好ましくは0.25〜5%、より好ましくは0.5〜3%のシリカ−カプセル封入された香料を含んでいてよく;ゼオライトの場合、前記パーソナルクレンジング組成物は、0.01〜25%、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは1〜10%のゼオライト−カプセル封入された香料を含んでいてよく;デンプンの場合、前記パーソナルクレンジング組成物は、0.01〜10%、好ましくは0.25〜5%、より好ましくは0.5〜3%のデンプン−カプセル封入された香料を含んでいてよく;β−シクロデキストリンの場合、前記パーソナルクレンジング組成物は、0.01〜25%、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは1〜10%のβ−シクロデキストリン−カプセル封入された香料を含んでいてよい。
【0048】
本発明のパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸は、約20%〜約99.9%、好ましくは約30%〜約99%、より好ましくは約40%〜約90%の界面活性剤を含み、これは、石鹸、合成界面活性剤、又はこれら両者の組み合わせを包含しうる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「石鹸」という用語は、pHが4〜11までの、動物脂又は植物油からのカルボン酸のアルカリ金属塩又はトリエタノールアミン(TEA)塩を包含するものと解されるべきである。典型的には、石鹸は、獣脂、ココヤシ油又はパーム油から得られる脂肪酸の混合物をベースとする。
【0050】
好適な合成界面活性剤としては、パーソナルクレンジング組成物での使用が知られた任意の界面活性剤、例えば、アニオン性、非イオン性、両性、双性イオン性の合成洗剤が挙げられる。低発泡性及び高発泡性でかつ水溶性に優れた界面活性剤及び乏しい界面活性剤がいずれも、本発明の組成物中で使用できる。発泡促進性(Suds boosting)合成洗剤界面活性剤、及び/又は硬水で形成されるカードソープ(soap curds)用の良好な分散剤として公知の合成洗剤界面活性剤が、特に望ましい。
【0051】
非限定的な例としては、有機、スルホン酸及び脂肪族硫酸エステルの水溶性の塩、好ましくは、炭素原子数が10〜22のアルキル基と、スルホン酸エステル基及び硫酸エステル基から成る群より選択される基とを分子構造中に有する有機硫酸反応生成物の水溶性の塩が挙げられる。
【0052】
特に重要な合成スルフェート洗剤は、通常は固体の、炭素原子数が10〜22の標準的な1級脂肪族アルコールの硫酸エステルのアルカリ金属塩である。従って、獣脂の還元によって又はココヤシ油、パーム油、パーム核油、パーム油ステアリン、ババス核油もしくはラウリン酸系の油(lauric oil group)などの他の油の還元によって生成される混合高級アルコールから得られるアルキル硫酸のナトリウム塩及びカリウム塩が本明細書で使用されうる。
【0053】
使用されうる他の脂肪族硫酸エステル類としては、高分子量の石鹸形成用カルボン酸で不完全にエステル化された多価アルコールの硫酸エステルの水溶性の塩が挙げられる。このような合成洗剤としては、高分子量脂肪酸モノグリセリドの硫酸エステルの水溶性アルカリ金属塩、例えば、1,2−ヒドロキシプロパン−3−硫酸エステルのココヤシ油脂肪酸モノエステルのナトリウム塩及びカリウム塩、モノミリストイルエチレングリコール硫酸ナトリウム及びカリウム、ならびにモノラウロイルジグリセロール硫酸ナトリウム及びカリウムが挙げられる。
【0054】
良好な、マイルドな発泡増強性の合成洗剤界面活性剤のいくつかの例は(米国特許第5,681,980号に記載されているような)ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、アルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS)、スルホン化脂肪エステル、スルホン化脂肪酸、及びナトリウムキャップされた(sodium topped)ココイルイセチオネートである。
【0055】
他の界面活性剤の例は、アルキルスルフェート、アニオン性アシルサルコシネート、メチルアシルタウレート、N−アシルグルタメート(N-acyI glutamates)、アシルイセチオネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルホスフェートエステル、エトキシル化アルキルホスフェートエステル、トリデセススルフェート、タンパク質縮合物、エトキシル化アルキルスルフェートとアルキルアミンオキシドとの混合物、ベタイン類、スルタイン類、ならびにこれらの混合物である。界面活性剤には、エトキシ基を1〜12個有するアルキルエーテルスルフェート、特にアンモニウム及びナトリウムラウリルエーテルスルフェートが包含される。
【0056】
これらの他の界面活性剤におけるアルキル鎖の炭素原子数は、8〜22、好ましくは10〜18であってよい。アルキルグルコシド類及びメチルグルコースエステル類は、本発明の組成物中で他のマイルドなアニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤と混合できる、好ましいマイルドな非イオン性物質である。アルキルポリグルコシド洗剤は、有用な発泡増強剤である。
【0057】
パーソナルクレンジング組成物が固形石鹸の場合、本発明は、(以下の)3種の広範な固形石鹸分類を含む:
(a)石鹸のみを含有するもの(すなわち、合成洗剤)
(b)石鹸と合成洗剤を2:1〜25:1の比で含有するもの。好適な比率の選択は、特定の合成洗剤、最終製品である固形石鹸の望ましい性能及び物理特性、温度、水分及び同様の加工条件に依存する。好ましい比率は、約3:1〜約7:1である。
【0058】
(c)合成洗剤と石鹸を約1:1〜約15:1の比で含有するもの。好適な比率の選択は、特定の合成洗剤、最終製品である固形石鹸の望ましい性能及び物理特性、温度、水分及び同様の加工条件に依存する。好ましい比率は、約2:1〜約7:1である。
【0059】
本組成物によれば、パーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸は、カプセル封入されていない、ベースとする芳香剤物質も含んでいてよい。本明細書で使用する場合、「芳香剤」という用語は、任意の香気のある物質を示すのに用いられる。化粧品組成物で使用するのに好適な任意の芳香剤物質が本明細書で使用されうるが、該芳香剤は、ほとんどの場合、周囲温度で液体である。一般に、芳香剤物質は、組成物総重量の約0.01重量%〜約15重量%の濃度で存在するであろう。好ましくは、芳香剤物質は、組成物総重量の約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で存在する。
【0060】
アルデヒド類、ケトン類、及びエステル類のような物質を包含する、多種多様な化学物質が香料用途として知られている。さらに一般的には、種々の化学成分の複合混合物を含んで成る、天然起源の植物油、動物油、及び滲出物も芳香剤として使用することが知られている。本明細書の芳香剤は、いずれかの所望の香りを提供するように選択されたものであって、単一の化学物質を含んで、その組成が比較的単純なものであるか、又は天然及び合成の化学成分の非常に複雑な複合混合物を含んでいてもよい。
【0061】
本発明の芳香剤物質は、好ましくは沸点(BP)が約500℃以下、より好ましくは約400℃以下、更に好ましくは約350℃以下であろう。多くの芳香剤物質のBPは、香料及び香味料化学物質(Perfume and Flavor Chemicals)(芳香性化学物質(Aroma Chemicals))、ステファン・アークタンダー(Steffen Arctander)著(1969年)に記載されている。本明細書で有用な芳香剤物質のClogP値は、好ましくは約0.1より大きく、より好ましくは約0.5より大きく、更に好ましくは約1.0より大きく、特に好ましくは約1.2より大きい。
【0062】
好適な芳香剤物質は、米国特許第A−4,145,184号、同第A−4,209,417号、同第A−4,515,705号、及び同第A−4,152,272号に見出される。本明細書で有用な芳香剤の例としては、ムスクオイル、シベット、カストリウム(海狸香)、アンバーグリースなどの動物性芳香剤;ナツメグ抽出物、カルダモン抽出物、ジンジャー抽出物、桂皮抽出物、パチョリ油、ゼラニウム油、オレンジ油、マンダリン油、オレンジフラワー抽出物、シーダー材、ベチバー(vetyver)、ラバンジン、イランイランノキ(ylang)抽出物、月下香抽出物、白檀油、ベルガモットオイル、ローズマリーオイル、スペアミントオイル、ペパーミントオイル、レモンオイル、ラベンダーオイル、シトロネラオイル、カモミールオイル、丁子油、セージオイル、ネロリオイル、ラブダナムオイル、ユーカリオイル、バーベナオイル、ミモザ抽出物、スイセン抽出物、キャロットシード抽出物、ジャスミン抽出物、オリバナム抽出物、バラ抽出物などの植物性芳香剤;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
好適な香料物質の他の例としては、これらに限定するものではないが、アセトフェノン、アドキサル、C−12アルデヒド、C−14アルデヒド、C−18アルデヒド、カプリル酸アリル、ヘプタン酸アリル、アンブロキサン、酢酸アミル、ジメチルインダン誘導体、α−アミル桂皮アルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール及びエステル誘導体、プロピオン酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、β−,γ−ヘキサノール(beta gamma hexanol)、ボルネオール、酢酸ブチル、樟脳、カルビトール、カルボン、セタロックス(cetalox)、桂皮アルデヒド、酢酸シンナミル、シンナミルアルコール、シス−3−ヘキサノール及びエステル誘導体、シス−3−ヘキセニルメチルカーボネート、シスジャスモン、シトラール、シトロネロール及びエステル誘導体、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シクロガルバネート(cyclo galbanate)、ダマスコーン、デカラクトン、デカノール、デシルアルデヒド、エストラゴール、δ−ムセノン(delta muscenone)、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、6,8−ジメチル−2−ノナノール、ジメチルベンジルカルビニルブチレート、酢酸エチル、イソ酪酸エチル、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル(ethyl 2 Methyl Butyrate)、エチルマルトール、プロピオン酸エチル、カプリル酸エチル、ケイ皮酸エチル、ヘキサン酸エチル、吉草酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、エキサルトリド、フェンコン、フローラルオゾン、2−メチル酪酸エチルなどのフルーツ様のエステル(fruity ester)、ガラクソリド、γ−デカラクトン、ゲラニオール及びエステル誘導体、ヘジオン、ヘリオナール(helional)、2−ヘプトノン、ヘキセノール、酢酸ヘキシル、サリチル酸ヘキシル、α−ヘキシル桂皮アルデヒド、p−ヒドロキシフェニルブタノン、ヒドロキシシトロルネラル(hydroxycitrolnellal)、インドール、酢酸イソアミル、酢酸イソオイゲノール、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソEスーパー(iso E super)、リモネン、リナロール、酢酸リナロール、リリアール、酢酸リナリル、リラール、マジャントール(majantol)、マヨール(mayol)、メロナール、メントール、p−メチルアセトフェノン、アントラニル酸メチル、メチルセドリロン(methyl cedrylone)、メチルジヒドロジャスモネート、メチルオイゲノール、メチルイオノン、メチル−β−ナフチルケトン、メチルフェニルカルビニルアセテート(methylphenylcarbinyl acetate)、ムゲタノール(mugetanol)、γ−ノナラクトン、2,6−ノンジエナール(2-6 nonedienal)、オクタナール、パラヒドロキシフェニルブタノン、ポリサントール(polysantol)、フェノキシノール(phenoxynol)、フェニル酢酸エチル(phenyl ethyl acetate)、フェニル−アセトアルデヒドジメチルアセテート(phenyl-acetaldehyde dimethyl acetate)、イソ酪酸フェノキシエチル、フェニルエチルアルコール、ピネン、サンダロア(sandalore)、サンジノール(sanjinol)、サンタロール(santalol)、ステモン(stemone)、チモール、テルペン、トナリド(tonalide)、トリプラール(triplal)、クエン酸トリエチル、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、γ−ウンデカラクトン、ウンデカベルトール(undecavertol)、ウンデセナール、ウンデシレンアルデヒド、バニリン、ベロートーン(veloutone)、ヴァードックス(verdox)及びこれらの混合物などの化学物質が挙げられる。
【0064】
本発明のパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸は、水を1%〜85%、好ましくは1〜40%、より好ましくは5%〜20%含んでいてよい。
【0065】
本発明のパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸は、他の任意成分を含んでいてもよく、例えば、高分子皮膚柔軟助剤、充填剤、消毒剤又は抗菌剤、染料、防腐剤、相溶性塩及び塩水和物などが挙げられる。
【0066】
本明細書で定義されるパーソナルクレンジング組成物は、不織布物品上にホットメルト処理又は噴霧乾燥されて用いられてよい。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに詳しく説明し、実証するものである。本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるため、これらの実施例は例示を目的とするものだけであって、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0068】
【表4】

【0069】
【表5】

【0070】
カプセル封入された香料の製造
上記で定義した香料組成物を、以下に示す、カプセル封入香料組成物の好適な製造方法の非限定的な例によってカプセル封入した。
【0071】
デンプン−香料カプセル封入;
(1)CAPSUL加工デンプン(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch & chemical))225gを24℃で水450gに加える。
(2)この混合物を63rad.秒(600rpm)(タービンの羽根車直径5センチ(2インチ))で20分間攪拌する
(3)香料組成物75gを、(攪拌している)デンプン溶液の渦の近くに加える
(4)形成されたエマルションを(63rad/秒(600rpm)で)更に20分間攪拌する
(5)香料の液滴寸法が15μm未満に達したところで、前記エマルションをポンプで噴霧乾燥塔に送り込み、乾燥用の並流気流によって回転盤の中を通して粉砕する。入口空気温度は、205〜210℃に設定し、また出口空気温度は98〜103℃に保つ
(6)乾燥させたデンプンカプセル封入香料組成物の粒子をドライヤーの出口で集める
出来上がったHIA香料粒子の分析(すべて、重量基準百分率(重量%))
油の合計 49.0%
カプセル封入した油 48.0%
遊離/界面油 1.0%
デンプン 48.25%
水分1.5%
βシクロデキストリン−香料カプセル封入;
水をビーカーに量り入れて、βシクロデキストリン(BCD)を1:1の比で加える。オーバーヘッド・スターラーを用いて混合する。香料をBCD/水混合液にゆっくりと添加し(BCD/水:香料の比は約10:1である)、混合物にとろみがつき始めるまでオーバーヘッド・スターラーで混合する。混合物にとろみがついたら、水を加えて、混合物を薄める混合物に再びとろみがつくまでオーバーヘッドミキサーで攪拌を続け、その後、混合物を平らな皿に展開して、薄膜を作成する。室温で一晩乾燥させる。乾燥させたら、使用前に微粉末に製粉又は粉砕する。
【0072】
シリカ−香料カプセル封入;
シリカ−香料カプセル封入物は、調理用ミキサーにおいて香料をシリカ粉末にゆっくりと添加して、遊離油を含まない自由流動性粉末が得られるまで全体的に混合することによって調製される。
【0073】
ゼオライト−香料カプセル封入;
ゼオライト−香料カプセル封入物は、香料をゼオライトにゆっくりと加えて、オーバーヘッドミキサーで2時間混合することによって調製される。
【0074】
固形石鹸の製造(実施例3、4、5関連)
ベースとする芳香剤とカプセル封入した芳香剤を、混合器において、乾燥した石鹸ヌードル(soap noodles)に混ぜ込む。この材料を、例えば3本ロールの石鹸ミルで粉砕することによって加工して、香料と石鹸の破砕片の均一な混合物を得る。次いで、この材料を押し出し機(plodder)で加工し、そして固形石鹸に型打ちする。
【0075】
以降のパーソナルクレンジング組成物において、省略された構成成分表示はそれぞれ以下の意味を表す:
HIA1 SEA:デンプン封入された(SEAとは「デンプン封入認容」を意味する)香料組成物実施例1からのHIA香料粒子であって、前記デンプンは、TUK2001及びTUK2002という名称で公知の、カプセル(CAPSUL)加工デンプン(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカルズ社(National Starch & Chemicals))である。
【0076】
HIA2 SEA:デンプン封入された香料組成物実施例2からのHIA香料粒子であって、前記デンプンは、TUK2001及びTUK2002という名称で公知の、CAPSUL加工デンプン(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカルズ社(National Starch & Chemicals))である。
【0077】
HIA1 BCD:香料組成物実施例1からのβシクロデキストリン(BCD)HIA香料粒子であって、前記BCDは、カーギル社(Cargill)、ベルギー国メッヘレン、ベトリーヘンラーン9,2800、カーギル・セレスター・ビー・ヴィ・ビー・エイ・オフィス・パーク・メッヘレン(Cargill Cerestar BVBA Office Park Mechelen,Bedrijvenlaan 9,2800 Mechelen,Belgium)製のセレスター(Cerestar)であるか、又はBCDは、ワッカー・バイオケム社(Wacker Biochem Corporation)(米国ミシガン州49221−9397、エイドリアン、サットン・ロード3301(3301 Sutton Road,Adrian,MI 49221-9397,USA))製のカヴァマックス(Cavamax)W7である。
【0078】
HIA2 BCD:香料組成物実施例2からのβシクロデキストリンHIA香料粒子であって、用いられるBCDは、カーギル社(Cargill)、ベルギー国メッヘレン、ベトリーヘンラーン9,2800、カーギル・セレスター・ビー・ヴィ・ビー・エイ・オフィス・パーク・メッヘレン(Cargill Cerestar BVBA Office Park Mechelen,Bedrijvenlaan 9,2800 Mechelen,Belgium)製のセレスター(Cerestar)であるか、又はBCDは、ワッカー・バイオケム社(Wacker Biochem Corporation)(米国ミシガン州49221−9397、エイドリアン、サットン・ロード3301(3301 Sutton Road,Adrian,MI 49221-9397,USA))製のカヴァマックス(Cavamax)W7である。
【0079】
HIA1 シリカ:香料組成物実施例1からのシリカHIA香料粒子であって、用いられるシリカは、ダブリュー・アール・グレース社(W.R.Grace & Co.)、(デーヴィソン化学事業部(Davison Chemical Division)、メリーランド州21203、バルチモア、私書箱2117号(P.O.Box 2117,Baltimore,Md.21203))製のシロイド(Syloid)R244である。
【0080】
HIA2 シリカ:香料組成物実施例2からのシリカHIA香料粒子であって、用いられるシリカは、ダブリュー・アール・グレース社(W.R.Grace & Co.)、(デーヴィソン化学事業部(Davison Chemical Division)、メリーランド州21203、バルチモア、私書箱2117号(P.O.Box 2117,Baltimore,Md.21203))製のシロイド(Syloid)R244である。
【0081】
HIA1 ゼオライト:香料組成物実施例1からのゼオライトHIA香料粒子であって、用いられるゼオライトは、ダブリュー・アール・グレース社(W.R.Grace & Co.)、(デーヴィソン化学事業部(Davison Chemical Division)、メリーランド州21203、バルチモア、私書箱2117号(P.O.Box 2117,Baltimore,Md.21203))製のゼオライト(Zeolite)13X又は13Yである。
【0082】
HIA2 ゼオライト:香料組成物実施例2からのゼオライトHIA香料粒子であって、用いられるゼオライトは、ダブリュー・アール・グレース社(W.R.Grace & Co.)、(デーヴィソン化学事業部(Davison Chemical Division)、メリーランド州21203、バルチモア、私書箱2117号(P.O.Box 2117,Baltimore,Md.21203))製のゼオライト(Zeolite)13X又は13Yである。
【0083】
実施例3:
【0084】
【表6】

【0085】
実施例4:
【0086】
【表7】

【0087】
ケイ酸マグネシウムは、ルゼナック・アメリカ社(LUZENAC AMERICA)、米国ヒューストン(HOUSTON,USA)のオリエンタル・マイクロ/ステアシルク(ORIENTAL MICRO/STEASILK)である。
ラウレス−3 硫酸ナトリウム(Sodium Laureth 3 Sulfate)は、ステパン社(STEPAN)、メキシコ国タマウリパス州マタモロス(MEXICO,MATAMOROS,TAMPS,LA)のステオール(STEOL)SLE3Sである。
アルキル硫酸カリウムは、メキシコ国コグニス社(COGNIS MEXICO)のサルフォポン(SULFOPON)Kである。
その他(Misc.)は、種々雑多な未反応の原料及び二次副反応生成物を表す。
【0088】
実施例5:
【0089】
【表8】

ココイルイセチオン酸ナトリウム(STCI)は、クラリアント社((CLARIANT)−米国マウントホリー(MT HOLLY,USA))製のホスタポン(HOSTAPON)IPF M−4である。
パラフィンは、エクソン社((EXXON CO.)、米国バトン・リッジ(BATON RIDGE,USA))製のパラヴァン(PARVAN)138である
アルキルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウムは、ピー・アンド・ジー・ケミカルズ社((P&G CHEMICALS COMPANY)、カンサスシティ(KANSAS CITY))製のAGSである
イセチオン酸ナトリウムは、クラリアント社((CLARIANT)−米国マウントホリー(MT HOLLY,USA))製のホスタポン(HOSTAPON)SIである
PEG90Mは、ユニオン・カーバイド社((UNION CARBIDE)、アマコール(AMERCHOL))製のポリオックス(POLYOX)WSR−301である
二酸化チタンは、クロノス・カナダ社((KRONOS CANADA INC,)、カナダ国ヴァレインズ(VARANNES,CANADA))製のチタニウム・ジオキサイド(TITANIUM DIOXIDE)20−71−Uである


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)(1)少なくとも10重量%の、クラス1の強い印象を与える(「HIA」)香料成分であって、クラス1香料成分が、101kPa(760mmHg)での275℃以下の沸点、(2)少なくとも2.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)を有するもの;及び
b)(1)0.01重量%〜30重量%未満の、少なくとも1つのクラス2の強い印象を与える(「HIA」)香料成分であって、クラス2の香料成分が、101kPa(760mmHg)での275℃より高い沸点、(2)少なくとも4.0の算出されたClogP値、及び(3)50ppb以下の臭気検出閾値(「ODT」)を有するもの
を含む香料組成物。
【請求項2】
15〜75重量%、好ましくは15〜50重量%のクラス1からのHIAを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.01〜25重量%のクラス2からのHIAを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記香料が封入物質にカプセル封入されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記封入物質がデンプン、シクロデキストリン、ゼオライト、シリカ又はこれら物質の混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記香料材料をカプセル封入するのに使用される物質が、水溶性加工デンプン固体マトリックス、好ましくは、デンプン原材料であって、オクテニル−コハク酸無水物で前記デンプン原材料処理することにより修飾されているものである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記加工デンプンが、オクテニル−コハク酸無水物での処理前にポリヒドロキシ化合物と混合されている、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
界面活性剤及び請求項1〜7のいずれか一項に記載の香料組成物を含むパーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸。
【請求項9】
0.01重量%〜10重量%の、請求項6又は7に記載のカプセル封入された香料を含む、パーソナルクレンジング組成物、特に固形石鹸。


【公表番号】特表2006−528248(P2006−528248A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517250(P2006−517250)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/018828
【国際公開番号】WO2004/113485
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】