説明

駆動制御回路およびフォーカス制御回路

【課題】PWM駆動電流に起因するノイズを低減する。
【解決手段】イコライザ30は、対象物の状態に係る目標値とその実測値との差分をもとに、対象物の状態を目標値に合わせるための制御信号を生成する。PWM変調部40は、イコライザ30により生成される制御信号に応じたPWM信号を生成する。Hブリッジ駆動部50は、PWM変調部40により生成されたPWM信号に応じて、対象物の状態を変化させる駆動素子12を駆動するための駆動電流を生成する。スルーレート制御部60は、制御信号に応じて、Hブリッジ駆動部50の電流駆動能力を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を駆動をする駆動素子を駆動するための駆動制御回路、および対象物とすべきレンズを移動させて焦点位置を決定するフォーカス制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物の状態を制御するための駆動素子は、PWM駆動信号により駆動されることが多い。たとえば、カメラのレンズ位置を調整するためのモータ、各種筐体内の温度を管理するためのファン、明るさを調整するためのライトなど、PWM駆動電流により駆動されることが多い。一般に、PWM駆動電流はHブリッジ回路により生成される(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−27924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、カメラのレンズ位置を調整するためのボイスコイルモータが高周波のPWM駆動電流により駆動される場合、そのコイルの電磁波や電源のノイズにより撮像素子にノイズが発生し、画像信号の品質を低下させる可能性がある。このノイズは主に、PWM駆動電流の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの急峻な電流変化に起因する。カメラ以外の分野でも、通信機器の分野など、当該ノイズが対象物に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、PWM駆動電流に起因するノイズを低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の駆動制御回路は、対象物の状態に係る目標値とその実測値との差分をもとに、対象物の状態を目標値に合わせるための制御信号を生成するイコライザと、イコライザにより生成される制御信号に応じたPWM信号を生成するPWM変調部と、PWM変調部により生成されたPWM信号に応じて、対象物の状態を変化させる駆動素子を駆動するための駆動電流を生成するHブリッジ駆動部と、制御信号に応じて、Hブリッジ駆動部の電流駆動能力を変化させるスルーレート制御部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、フォーカス制御回路である。このフォーカス制御回路は、レンズと、当該レンズの位置を調整するための駆動素子と、当該レンズの位置を検出するための位置検出素子と、を備える撮像装置に搭載されるフォーカス制御回路であって、位置検出素子の出力信号により特定されるレンズの位置と、外部から設定されるレンズの目標位置との差分をもとに、レンズの位置を目標位置に合わせるための制御信号を生成するイコライザと、イコライザにより生成される制御信号に応じたPWM信号を生成するPWM変調部と、PWM変調部により生成されたPWM信号に応じて、駆動素子を駆動するための駆動電流を生成するHブリッジ駆動部と、制御信号に応じて、Hブリッジ駆動部の電流駆動能力を変化させるスルーレート制御部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様は、撮像装置である。この装置は、レンズと、レンズを透過した光を電気信号に変換する撮像素子と、レンズの位置を調整するための駆動素子と、レンズの位置を検出するための位置検出素子と、撮像素子の出力信号をもとに、レンズの目標位置を決定する画像信号処理部と、駆動素子を駆動するための上述したフォーカス制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、PWM駆動電流に起因するノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係るフォーカス制御回路を搭載した撮像装置の構成を示す図である。
【図2】画像信号処理部による、レンズの目標位置の決定処理について説明するための図である。
【図3】実施の形態に係るHブリッジ駆動部の構成例を示す図である。
【図4】スルーレート制御部が選択すべき複数の区分について説明するための図である。
【図5】図5(a)〜(d)は、Hブリッジ駆動部により生成される電流波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書では駆動制御回路の例として、撮像装置に搭載されるレンズを駆動する駆動素子を制御するオートフォーカス制御回路を説明する。図1は、実施の形態に係るフォーカス制御回路100を搭載した撮像装置500の構成を示す図である。撮像装置500は、レンズ10、駆動素子12、位置検出素子14、撮像素子16、画像信号処理部(ISP;Image Signal Processor)70およびフォーカス制御回路100を備える。ここでは、画像符号化エンジンや記録媒体など、オートフォーカス制御に関連しない構成要素は省略して描いている。
【0012】
撮像素子16は、光学部品であるレンズ10を透過した光信号を電気信号に変換し、画像信号処理部70に出力する。撮像素子16には、CCDセンサまたはCMOSイメージセンサを採用することができる。
【0013】
駆動素子12は、レンズ10の位置を調整する素子であり、フォーカス制御回路100から供給される駆動信号に応じて、レンズ10を光軸方向に移動させる。これにより、レンズ10と撮像素子16の焦点距離が調整される。駆動素子12には、ボイスコイルモータ(VCM)を採用することができる。
【0014】
位置検出素子14は、レンズ10の位置を検出するための素子である。位置検出素子14には、ホール素子を採用することができる。以下、駆動素子12および位置検出素子14は、ボイスコイルモータとホール素子を含むアクチュエータで構成される例を説明する。
【0015】
画像信号処理部70は、撮像素子16から出力される画像信号を処理する。本実施の形態では、主に、撮像素子16から出力される画像信号をもとに、レンズ10の目標位置を決定する。
【0016】
図2は、画像信号処理部70による、レンズ10の目標位置の決定処理について説明するための図である。シャッターボタンが半押しされるなど、オートフォーカス機能が有効化されると、画像信号処理部70は、レンズ10を所定のステップ幅で移動させるための制御信号をフォーカス制御回路100に送信する。その際、画像信号処理部70は、レンズ10の各位置において撮像された各画像信号のシャープネスを算出する。たとえば、シャープネスは各画像信号にハイパスフィルタをかけて、各画像信号のエッジ成分を抽出し、各画像信号のエッジ成分を積算することにより、求めることができる。画像信号処理部70は、シャープネスが最大値となるレンズ10の位置を、合焦位置と決定する。
【0017】
図1に戻り、フォーカス制御回路100は、差動増幅回路20、ローパスフィルタ22、アナログ/デジタル変換回路(ADC)24、イコライザ30、PWM変調部40、Hブリッジ駆動部50およびスルーレート制御部60を備える。なお、フォーカス制御回路100がワンチップLSIで構成される場合、ローパスフィルタ22はチップ外に設けられてもよい。
【0018】
イコライザ30およびスルーレート制御部60の構成は、ハードウェア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
差動増幅回路20は、位置検出素子14(ここでは、ホール素子)の出力端子間の電位差を増幅し、位置信号として出力する。当該ホール素子は、レンズ10に備えられたマグネットにより作られる磁界の磁束密度に応じた電圧を出力する。レンズ10の移動により磁束密度が変化すると、当該ホール素子の出力電圧もその変化に比例して変化する。したがって、当該ホール素子の出力電圧から、レンズ10の位置を推測することができる。
【0020】
ローパスフィルタ22は、差動増幅回路20から出力される位置信号の高周波数成分を除去する。アナログ/デジタル変換回路24は、ローパスフィルタ22から出力される位置信号を、アナログ値からデジタル値に変換する。
【0021】
イコライザ30は、対象物の状態に係る目標値とその実測値との差分をもとに、対象物の状態を目標値に合わせるための制御信号を生成する。本実施の形態では、位置検出素子14の出力信号により特定されるレンズ10の位置と、外部(ここでは画像信号処理部70)から設定されるレンズ10の目標位置との差分をもとに、レンズ10の位置を目標位置に合わせるための制御信号を生成する。
【0022】
以下、より具体的に説明する。イコライザ30は、減算回路32およびサーボ回路34を含む。減算回路32は、位置検出素子14から出力される位置信号と、画像信号処理部70から入力される目標位置信号との差分を算出して、誤差信号として出力する。レンズ10の位置が目標位置に存在する場合、この差分はゼロとなる。サーボ回路34は、減算回路32から出力される誤差信号を打ち消すための信号を生成して、PWM変調部40およびスルーレート制御部60に出力する。
【0023】
PWM変調部40は、イコライザ30により生成される制御信号に応じたPWM信号を生成する。より具体的には、イコライザ30から入力される制御信号を、そのデジタル値に応じたデューティ比を持つパルス信号に変換する。Hブリッジ駆動部50は、PWM変調部40により生成されたPWM信号に応じて、対象物の状態を変化させる、すなわちレンズ10の位置を移動させる駆動素子12を駆動するための駆動電流を生成する。より具体的には、PWM変調部40から入力されるPWM信号に応じた、電流の向きおよび電流量を持つ駆動電流を生成し、駆動素子12に供給する。これにより、レンズ10を目標位置へ移動および収束させることができる。
【0024】
スルーレート制御部60は、イコライザ30により生成された制御信号に応じて、Hブリッジ駆動部50の電流駆動能力を変化させる。より具体的には、スルーレート制御部60は、目標値と実測値との差分が大きいほどHブリッジ駆動部50の電流駆動能力を大きくする。本実施の形態では、画像信号処理部70から入力される目標位置と位置検出素子14により検出された位置(以下、検出位置という)との差分が大きいほど当該電流駆動能力を大きくする。反対に、当該差分が小さいほどHブリッジ駆動部50の電流駆動能力を小さくする。
【0025】
図3は、実施の形態に係るHブリッジ駆動部50の構成例を示す図である。Hブリッジ駆動部50は、出力経路が共通の複数のHブリッジ回路(図3では、第1Hブリッジ回路51、第2Hブリッジ回路52および第3Hブリッジ回路53)を有する。
【0026】
第1Hブリッジ回路51は、第1−1トランジスタM11、第2−1トランジスタM12、第3−1トランジスタM13、第4−1トランジスタM14、第1−1容量C11および第2−1容量C12を含む。図3では、第1−1トランジスタM11および第2−1トランジスタM12はPチャンネルMOSFETで構成され、第3−1トランジスタM13および第4−1トランジスタM14はNチャンネルMOSFETで構成される。
【0027】
第1−1トランジスタM11および第2−1トランジスタM12のソース端子は電源電位Vddに接続され、第1−1トランジスタM11および第2−1トランジスタM12のゲート端子はPWM変調部40からそれぞれ正側のPWM駆動電圧および負側のPWM駆動電圧を受ける。
【0028】
第3−1トランジスタM13および第4−1トランジスタM14のソース端子はグラウンド電位に接続され、第3−1トランジスタM13および第4−1トランジスタM14のゲート端子はPWM変調部40からそれぞれ正側のPWM駆動電圧および負側のPWM駆動電圧を受ける。
【0029】
第1−1トランジスタM11のドレイン端子および第3−1トランジスタM13のドレイン端子は接続され、その接続点から駆動素子12に正側の駆動電流を供給する。また、当該接続点と所定の固定電位(図3ではグラウンド電位)との間に第1−1容量C11が接続される。
【0030】
第2−1トランジスタM12のドレイン端子および第4−1トランジスタM14のドレイン端子は接続され、その接続点から駆動素子12に負側の駆動電流を供給する。また、当該接続点と所定の固定電位(図3ではグラウンド電位)との間に第2−1容量C12が接続される。第1−1容量C11および第2−1容量C12の容量値により、当該駆動電流波形のエッジの鈍り具合を調整することができる。
【0031】
上記正側のPWM駆動電圧および負側のPWM駆動電圧により、第1−1トランジスタM11と第4−1トランジスタM14がオン、および第2−1トランジスタM12と第3−1トランジスタM13がオフに制御されると、駆動素子12に正電流が流れ、第1−1トランジスタM11と第4−1トランジスタM14がオフ、および第2−1トランジスタM12と第3−1トランジスタM13がオンに制御されると、駆動素子12に負電流が流れる。
【0032】
第2Hブリッジ回路52および第3Hブリッジ回路53の構成は、第1Hブリッジ回路51の構成と同様である。なお、第2Hブリッジ回路52に含まれる第1−2トランジスタM21、第2−2トランジスタM22、第3−2トランジスタM23、第4−2トランジスタM24、第1−2容量C21および第2−2容量C22の仕様を、第1Hブリッジ回路51に含まれる対応する構成要素の仕様と変えてもよい。第3Hブリッジ回路53に含まれる第1−3トランジスタM31、第2−3トランジスタM32、第3−3トランジスタM33、第4−3トランジスタM34、第1−3容量C31および第2−3容量C32についても同様である。
【0033】
第1Hブリッジ回路51の正側の駆動電流、第2Hブリッジ回路52の正側の駆動電流および第3Hブリッジ回路53の正側の駆動電流は、キルヒホッフの電流則により加算されて、駆動素子12の正側端子に供給される。同様に、第1Hブリッジ回路51の負側の駆動電流、第2Hブリッジ回路52の負側の駆動電流および第3Hブリッジ回路53の負側の駆動電流は、キルヒホッフの電流則により加算されて、駆動素子12の負側端子に供給される。
【0034】
スルーレート制御部60は、イコライザ30により生成される制御信号に応じて、複数のHブリッジ回路のうち有効とすべきHブリッジ回路の数を決定する。より具体的には、当該制御信号の値を複数の区分に分類し、その区分に応じて、有効とすべきHブリッジ回路の数を決定する。あるHブリッジ回路を無効にするには、当該Hブリッジ回路の電源を遮断してもよいし、当該Hブリッジ回路を構成するすべてのトランジスタをオフして、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0035】
図4は、スルーレート制御部60が選択すべき複数の区分について説明するための図である。ここでは、イコライザ30により生成される制御信号の値を正規化して、当該正規化された制御信号の値を+100〜−100の範囲で描いている。レンズ10の目標位置と上記検出位置との差分がない場合が0であり、ニア(またはファー)方向に最も離れている場合が+100であり、ファー(またはニア)方向に最も離れている場合が−100である。
【0036】
スルーレート制御部60は、上記制御信号の値が±0〜33の場合、Hブリッジ回路を一つ有効化し、±34〜66の場合、Hブリッジ回路を二つ有効化し、±67〜100の場合、Hブリッジ回路を三つ有効化する。すなわち、上記検出位置が上記目標位置から離れているほど、大きな電流を駆動素子12に供給するよう制御する。反対に、上記検出位置が上記目標位置に近いほど、小さな電流を供給するよう制御する。
【0037】
図5は、Hブリッジ駆動部50により生成される電流波形の一例を示す図である。図5(a)は通常のPWM出力電流波形を示す。図5(b)はHブリッジ駆動部50に含まれるHブリッジ回路のうち一つが有効化された場合の出力電流波形を示す。図5(c)はHブリッジ駆動部50に含まれるHブリッジ回路のうち二つが有効化された場合の出力電流波形を示す。図5(d)はHブリッジ駆動部50に含まれるHブリッジ回路のうち三つが有効化された場合の出力電流波形を示す。
【0038】
以上説明したように本実施の形態によれば、PWM駆動電流により駆動される素子を備え、対象物の状態を所定の状態に維持するためにフィードバック制御する装置において、目標値と実測値との差分に応じて駆動電流能力を適応的に変化させることにより、PWM駆動電流に起因するノイズを低減することができる。すなわち、目標値と実測値との差分が小さい場合、PWM駆動電流波形のエッジの傾斜をなだからに調整することにより、当該エッジによる高周波ノイズを低減することができる。なお、当該差分が小さい場合、大きな駆動力が必要ないため、調整された駆動電流でも所期の目的を達成することが可能である。
【0039】
オートフォーカス制御回路に適用した場合、PWM駆動電流波形のエッジに起因する高周波ノイズにより、画像品質が低下することを抑制することができる。
【0040】
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0041】
たとえば、スルーレート制御部60による上述した区分の切替にヒステリシスを持たせてもよい。たとえば、スルーレート制御部60は、所定の設定期間内に所定の設定回数、上記制御信号の値が現在の区分から特定の区分に突入したとき、その特定の区分に切り替え、当該設定回数に満たない場合、現在の区分に留まるよう制御してもよい。また、各区分間に現在の区分を維持する不感帯を設けてもよい。これらの制御により、PWM駆動電流波形が不必要に切り替えられる事態を抑制することができる。
【0042】
また、以上の実施の形態では、駆動素子12はボイスコイルモータとしたが、ピエゾ素子やステッピングモータなどを用いてもよい。また、位置検出素子14はホール素子としたが、MR素子またはフォトスクリーンダイオードなどを用いてもよい。また、Hブリッジ駆動部50に含まれるHブリッジ回路の数は3に限ることなく、2であってもよいし、4以上であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 レンズ、 12 駆動素子、 14 位置検出素子、 14a ホール素子、 16 撮像素子、 20 差動増幅回路、 22 ローパスフィルタ、 24 アナログ/デジタル変換回路、 30 イコライザ、 32 減算回路、 34 サーボ回路、 40 PWM変調部、 50 Hブリッジ駆動部、 51 第1Hブリッジ回路、 52 第2Hブリッジ回路、 53 第3Hブリッジ回路、 60 スルーレート制御部、 70 画像信号処理部、 100 フォーカス制御回路、 500 撮像装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の状態に係る目標値とその実測値との差分をもとに、前記対象物の状態を前記目標値に合わせるための制御信号を生成するイコライザと、
前記イコライザにより生成される制御信号に応じたPWM信号を生成するPWM変調部と、
前記PWM変調部により生成されたPWM信号に応じて、前記対象物の状態を変化させる駆動素子を駆動するための駆動電流を生成するHブリッジ駆動部と、
前記制御信号に応じて、前記Hブリッジ駆動部の電流駆動能力を変化させるスルーレート制御部と、
を備えることを特徴とする駆動制御回路。
【請求項2】
前記スルーレート制御部は、前記目標値と前記実測値との差分が大きいほど、前記電流駆動能力を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御回路。
【請求項3】
前記Hブリッジ駆動部は、出力経路が共通の複数のHブリッジ回路を有し、
前記スルーレート制御部は、前記複数のHブリッジ回路のうち、有効とすべきHブリッジ回路の数を決定することを特徴とする請求項1に記載の駆動制御回路。
【請求項4】
前記スルーレート制御部は、前記制御信号の値を複数の区分に分類し、その区分に応じて、前記有効とすべきHブリッジ回路の数を決定することを特徴とする請求項3に記載の駆動制御回路。
【請求項5】
レンズと、当該レンズの位置を調整するための駆動素子と、当該レンズの位置を検出するための位置検出素子と、を備える撮像装置に搭載されるフォーカス制御回路であって、
前記位置検出素子の出力信号により特定される前記レンズの位置と、外部から設定される前記レンズの目標位置との差分をもとに、前記レンズの位置を前記目標位置に合わせるための制御信号を生成するイコライザと、
前記イコライザにより生成される制御信号に応じたPWM信号を生成するPWM変調部と、
前記PWM変調部により生成されたPWM信号に応じて、前記駆動素子を駆動するための駆動電流を生成するHブリッジ駆動部と、
前記制御信号に応じて、前記Hブリッジ駆動部の電流駆動能力を変化させるスルーレート制御部と、
を備えることを特徴とするフォーカス制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−250539(P2011−250539A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119472(P2010−119472)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(311003743)オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド (166)
【Fターム(参考)】