説明

駆動回路

【課題】エンハンスメント型、またはディプレッション型のいずれかに変動する駆動回路
であっても、回路内の誤動作を低減できる駆動回路を提供する。
【解決手段】パルス出力回路には、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのソース
端子と、低電源電位を供給する配線との間に、ソース端子の電位を低電源電位より昇圧す
るための回路が設けられており、ソース端子の電位を低電源電位にするためのスイッチを
有し、スイッチは、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタがエンハンスメント型、
またはディプレッション型であるかを判定する判定回路によって、制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路(シフトレジスタ回路ともいう)に関する。または、画素部と同じ基
板に形成される駆動回路を有する表示装置に関する。または、当該表示装置を具備する電
子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶テレビなどの大型表示装置の普及に伴い、より付加価値の高い製品が求
められており、開発が進められている。特に、チャネル領域が非晶質半導体、特に酸化物
半導体によって構成される薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、画素部と同じ基板に走
査線駆動回路などの駆動回路を構成する技術は、活発に開発が進められている。
【0003】
チャネル領域が非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタは、単極性の回路構成
によって駆動回路を構成することが多く、一例としては、特許文献1に記載の構成が挙げ
られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−251348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チャネル領域が非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタを単極性の駆動回路に
用いる場合、しきい値電圧のばらつき等により、動作に不具合が生じる場合がある。具体
的にしきい値電圧のばらつきにより生じる問題点について、図11を示し詳述する。
【0006】
図11(A)に示す単極性回路は一例として特許文献1の図1に記載のシフトレジスタを
構成するパルス出力回路の1段目について示した回路であり、トランジスタTr11、ト
ランジスタTr12、トランジスタTr13、トランジスタTr14、トランジスタTr
15、トランジスタTr16、容量素子CAを有するものである。また図11(A)中、
NAはトランジスタTr12のゲート端子のノード、NBはトランジスタTr13のゲー
ト端子のノード、NCは出力端子のノードについて、示すものである。また図11(A)
では、トランジスタTr12に第1のクロック信号CK1が入力され、トランジスタTr
14に第2のクロック信号CK2が入力され、トランジスタTr11及びトランジスタT
r15にスタートパルスVstが入力され、トランジスタTr13、トランジスタTr1
5、トランジスタTr16に低電源電位(Vss)が供給される構成が開示されている。
また図11(A)で信号GS_(1)は、1段目のパルス出力回路の信号について示すも
のである。また図11(B)に示すタイミングチャートは、特許文献1の図2に記載の図
11(A)に示す回路のタイミングチャートである。図11(A)中の各素子は、図11
(B)の信号に応じて動作することとなる。
【0007】
図11(A)中のノードNAでは、出力信号を高電源電位の信号(H信号ともいう)にす
るために、定期的に、電気的にフローティング状態(浮遊状態)及び所定の電位が入力さ
れる状態がある(図11(B)中、NAで点線の期間がフローティング状態の期間、実線
の期間が所定の電位が入力される期間)。同様に、図11(A)中のノードNBでは、出
力信号を低電源電位の信号(L信号ともいう)に保持するために、定期的に、電気的にフ
ローティング状態及び所定の電位が入力される状態がある(図11(B)中、NBで点線
の期間がフローティング状態の期間、実線の期間が所定の電位が入力される期間)。
【0008】
上述したように、チャネル領域が非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタを単
極性の駆動回路に用いる場合、しきい値電圧のばらつきを生じることで、トランジスタが
エンハンスメント型(ノーマリーオフともいう)、ディプレッション型(ノーマリーオン
ともいう)になることがある。ノーマリーオンの場合には、ノードNAの電位が、特に図
11(B)中、Aの期間で、トランジスタTr16からのリーク電流により低下し、出力
信号をH信号に保持できないといった問題がある。同様に、ノーマリーオンの場合には特
に図11(B)中、Bの期間で、ノードNBの電位がトランジスタTr15からのリーク
電流により低下し、ゲート電位がLレベルであっても、出力信号をL信号に保持できない
といった問題がある。また、トランジスタがノーマリーオンとなることを抑制するために
、各端子に入力する電位を調整することで対策をとった場合、トランジスタがノーマリー
オフとなった場合には所望の動作が得られないといった問題が生じる。
【0009】
なお、図11(A)、(B)に示す例に限らずに、ダイナミック駆動により、順次パルス
を出力する駆動回路の場合には、リーク電流の増加が誤動作の原因になる。また、パルス
出力回路を具備する駆動回路を生産する上で、エンハンスメント型、またはディプレッシ
ョン型となるかが基板毎に異なるといったバラツキが生じることもあり、その際予めエン
ハンスメント型、またはディプレッション型の一方となる際の対策を講じた回路設計では
、エンハンスメント型、またはディプレッション型の他方となった際の対応が難しくなる
といった問題もあり得る。そのため、薄膜トランジスタの特性がエンハンスメント型、ま
たはディプレッション型であるに関わらず、誤動作のない駆動回路となる回路設計である
ことが求められる。
【0010】
そこで本発明の一態様は、チャネルが非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタ
を単極性の駆動回路に用いる際、薄膜トランジスタの作製条件等に起因するしきい値電圧
のばらつきによって、エンハンスメント型、またはディプレッション型のいずれかに変動
する駆動回路であっても、回路内の誤動作を低減できる駆動回路を提供することを課題の
一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、複数段のパルス出力回路を有する駆動回路において、パルス出力回
路は、第1のノード、第2のノードの電位に応じて出力信号を出力するための第1の回路
と、第1のノードに、前段のパルス出力回路の出力信号に応じた信号を供給する第2の回
路と、第2のノードに間欠的に高電源電位の信号を供給するための第3の回路と、第2の
ノードがゲートに電気的に接続され、第2のノードの電位に応じて、第1のノードの電位
を制御するための第1のトランジスタと、前段のパルス出力回路の出力信号に応じた信号
がゲートに供給され、第2のノードの電位を制御するための第2のトランジスタと、を有
し、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのソース端子と、低電源電位を供給する
配線との間には、ソース端子の電位を低電源電位より昇圧するための第4の回路が設けら
れており、ソース端子の電位を低電源電位にするためのスイッチを有し、スイッチは、第
1のトランジスタ及び第2のトランジスタがエンハンスメント型、またはディプレッショ
ン型であるかを判定する判定回路によって、制御されることを特徴とする駆動回路である

【0012】
本発明の一態様において、第4の回路は、ゲートとドレイン端子が電気的に接続され、ソ
ース端子が低電源電位が供給される配線に電気的に接続されたトランジスタを有する回路
である駆動回路でもよい。
【0013】
本発明の一態様において、第4の回路を構成するトランジスタのL/Wは、第1のトラン
ジスタ及び第2のトランジスタのL/Wより大きい駆動回路でもよい。
【0014】
本発明の一態様において、判定回路は、定電流源、トランジスタ、コンパレータ、及びバ
ッファ回路を有する駆動回路でもよい。
【0015】
本発明の一態様において、スイッチはトランジスタである駆動回路でもよい。
【0016】
本発明の一態様において、駆動回路を構成するトランジスタは、酸化物半導体層でなる半
導体層を有する駆動回路でもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様により、チャネルが非晶質半導体によって構成される薄膜トランジスタを
単極性の駆動回路に用いる際、薄膜トランジスタの作製条件等に起因するしきい値電圧の
ばらつきによって、エンハンスメント型、またはディプレッション型のいずれかに変動す
る駆動回路であっても、回路内の誤動作を低減できる駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】パルス出力回路の一例を示す図。
【図2】判定回路の一例を示す図。
【図3】パルス出力回路を構成する各回路の一例を示す図。
【図4】パルス出力回路及びシフトレジスタの一例を示す図。
【図5】シフトレジスタのタイミングチャートを示す図。
【図6】パルス出力回路の動作を説明するフローチャート図。
【図7】表示装置の断面図の一例を示す図。
【図8】表示装置のブロック図の一例を示す図。
【図9】シフトレジスタのブロック図及びタイミングチャートの一例を示す図。
【図10】表示装置の一例を示す図。
【図11】従来の回路の課題について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発
明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0020】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明
瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定
されない。
【0021】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成
要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記す
る。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態では、まず、複数段のパルス出力回路を有する駆動回路でのパルス出力回
路の一段の構成について図面を参照して説明する。
【0023】
本実施の形態で示すパルス出力回路100は、第1の回路101、第2の回路102、
第3の回路103、第4の回路104A及び104B、第1のトランジスタ105、第2
のトランジスタ106、スイッチ107A及び107Bを有する。なおパルス出力回路1
00を構成する各トランジスタはnチャネル型の薄膜トランジスタである。
【0024】
なおパルス出力回路100を構成する各トランジスタの半導体層として、酸化物半導体を
用いてもよい。酸化物半導体を用いたトランジスタはアモルファスシリコン等のシリコン
系半導体材料を用いたトランジスタと比較して電界効果移動度が高い。なお酸化物半導体
としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)なども用いることができ
る。また、ZnOにInやGaなどを添加することもできる。
【0025】
酸化物半導体としてInMO(ZnO)(x>0)で表記される薄膜を用いることが
できる。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(M
n)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えば
Mとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記
金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金
属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸
化物が含まれているものがある。例えば、酸化物半導体層としてIn−Ga−Zn−O系
膜を用いることができる。
【0026】
酸化物半導体(InMO(ZnO)(x>0)膜)としてIn−Ga−Zn−O系膜
のかわりに、Mを他の金属元素とするInMO(ZnO)(x>0)膜を用いてもよ
い。また、酸化物半導体として上記の他にも、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Z
n−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系
、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、
Zn−O系の酸化物半導体を適用することができる。
【0027】
なお、第1の回路101は、第1のノードNA、第2のノードNBの電位に応じて高電源
電位の信号または低電源電位の信号を出力信号として出力するための回路であり、第1の
ノードNA、第2のノードNBの電位に応じて当該段(図1ではN段目)の出力信号OU
T_(N)とする回路である。
【0028】
なお高電源電位とは、基準電位より高い電位のことであり、低電源電位とは基準電位以下
の電位のことをいう。なお高電源電位及び低電源電位ともに、トランジスタが動作できる
程度の電位、すなわち高電源電位がゲートに印加されることで理想的なトランジスタ(し
きい値電圧が0V)がオン状態となり、低電源電位が印加されることで理想的なトランジ
スタオフ状態となる電位であることが望ましい。
【0029】
なお、電圧とは、ある電位と、基準の電位(例えばグラウンド電位)との電位差のことを
示す場合が多い。よって、電圧、電位、電位差を、各々、電位、電圧、電圧差と言い換え
ることが可能である。
【0030】
なお、薄膜トランジスタの構成は、様々な形態をとることができ、特定の構成に限定され
ない。例えば、ゲート電極が2個以上のマルチゲート構造を適用することができる。
【0031】
また、チャネル領域の上下にゲート電極が配置されている構造を適用することができる。
なお、チャネル領域の上下にゲート電極が配置される構成にすることにより、複数の薄膜
トランジスタが並列に接続されたような構成とすることも可能である。
【0032】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接
続されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続さ
れている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回
路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係
、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続
関係以外のものも含むものとする。
【0033】
なお第1のノードNAとは、第1の回路101、第2の回路102、及び第1のトランジ
スタ105に接続されるノードであり、第2のノードNBとは、第1の回路101、第3
の回路103、第1のトランジスタ105、第2のトランジスタ106に接続されるノー
ドである。
【0034】
第2の回路102は、第1のノードNAに、前段のパルス出力回路の出力信号OUT_(
N−1)(1段目であれば、スタートパルスSP)に応じた信号を供給するための回路で
ある。また第2の回路102は、前段のパルス出力回路の出力信号OUT_(N−1)を
、第2のトランジスタ106のゲートに出力するための回路である。
【0035】
第3の回路103は、第2のノードNBに対し、クロック信号の入力等によって得られる
所定のタイミングに応じて、間欠的に高電源電位の信号を供給するための回路である。
【0036】
第1のトランジスタ105は、第2のノードNBがゲートに接続され、ドレイン端子が第
1のノードNAに接続され、第2のノードNBの電位に応じて、第1のノードNAの電位
を制御するためのトランジスタである。
【0037】
第2のトランジスタ106は、前段のパルス出力回路の出力信号OUT_(N−1)に応
じた信号がゲートに供給され、ドレイン端子が第2のノードNBに接続され、第2のノー
ドNBの電位を制御するためのトランジスタである。
【0038】
なお、薄膜トランジスタは、ゲート端子と、ドレイン端子と、ソース端子とを含む少なく
とも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有
しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことが出来る
。本明細書においては、高電源電位を供給するための配線側に接続される端子をドレイン
端子、低電源電位が供給される配線側に接続される端子をソース端子として説明すること
とする。なお、ソース端子とドレイン端子を、第1端子、第2端子と表記する場合がある

【0039】
第4の回路104Aは、第1のトランジスタ105のソース端子と、低電源電位を供給す
る配線110との間に設け、第1のトランジスタ105のソース端子の電位を配線110
の電位より昇圧させる回路である。また第4の回路104Bは、第4の回路104Aと同
様に、第2のトランジスタ106のソース端子と、低電源電位を供給する配線110との
間に設け、第2のトランジスタ106のソース端子の電位を配線110の電位より昇圧さ
せる回路である。
【0040】
なお本実施の形態で示す構成において、第4の回路104Aとして第3のトランジスタ1
08A、第4のトランジスタ109Aを設け、それぞれのトランジスタのゲートとドレイ
ン端子を短絡するように接続している。その結果、第1のトランジスタ105のソース端
子、すなわち第3のノードN1の電位を配線110の電位より第3のトランジスタ108
Aと第4のトランジスタ109Aとのしきい値電圧の和の分だけ高くすることができる。
同様に、第4の回路104Bとして第3のトランジスタ108B、第4のトランジスタ1
09Bを設け、それぞれのトランジスタのゲートとドレイン端子を短絡するように接続し
ている。その結果、第2のトランジスタ106のソース端子、すなわち第3のノードN2
の電位を配線110の電位より第3のトランジスタ108Bと第4のトランジスタ109
Bとのしきい値電圧の和の分だけ高くすることができる。なお第4の回路104A及び第
4の回路104Bは、いずれか一方を省略してもよいし、さらに複数のトランジスタで冗
長化してもよい。
【0041】
なお、第4の回路104A及び第1のトランジスタ105、並びに第4の回路104B及
び第2のトランジスタ106は、第1の回路101を制御するためにフローティング状態
とするノードの数に応じて設けられるものである。本実施の形態では一例として、第1の
ノードNA及び第2のノードNBの2つの構成を示すものである。また本実施の形態では
、第4の回路104Aとして第3のトランジスタ108A及び第4のトランジスタ109
Aの2つ、並びに第4の回路104Bとして第3のトランジスタ108B及び第4のトラ
ンジスタ109Bの2つを配置する構成としたが、更にトランジスタ数を増やして、第3
のノードN1、N2の電位を高くするようにする構成としてもよい。また、第4の回路1
04A、104Bを構成するトランジスタである第3のトランジスタ108A、第4のト
ランジスタ109A、及び第3のトランジスタ108B、第4のトランジスタ109Bの
トランジスタの抵抗値を、さらなるオフ電流の低減のために、第1のトランジスタ105
、第2のトランジスタ106よりも高くなるように予めすることが好ましい。
【0042】
すなわち第4の回路を構成するトランジスタである第3のトランジスタ108A、第4の
トランジスタ109A、及び第3のトランジスタ108B、第4のトランジスタ109B
のトランジスタのL/W比を、第1のトランジスタ105、第2のトランジスタ106の
L/W比より大きくすることが好ましい。また、第4の回路を構成するトランジスタであ
る第3のトランジスタ108A、第4のトランジスタ109A、及び第3のトランジスタ
108B、第4のトランジスタ109Bの半導体層の膜厚を、第1のトランジスタ105
、第2のトランジスタ106の半導体層の膜厚より小さくすることが好ましい。なおゲー
ト長Lはトランジスタのゲートと半導体層が重なる領域でのソース、ドレイン間の長さに
相当し、ゲート幅Wはトランジスタのゲートと半導体層が重なる領域でのソース、ドレイ
ン間の幅に相当する。従って、L/W比は、ゲート長とゲート幅の比に相当する。
【0043】
スイッチ107Aは、第1のトランジスタ105のソース端子、すなわち第3のノードN
1を低電源電位が供給される配線110と短絡するための回路である。スイッチ107B
は、第1のトランジスタ105のソース端子及び第2のトランジスタ106のソース端子
、すなわち第3のノードN2を低電源電位が供給される配線110と短絡するための回路
である。なおスイッチ107A、107Bとしては、第1乃至第4のトランジスタと同様
に作製されるトランジスタで形成すればよい。また、スイッチ107A、107Bのオン
またはオフは、外部に設けられた判定回路111により供給される判定信号により制御さ
れる。なおスイッチ107A、107Bをトランジスタで作製する場合には、判定回路1
11からの信号は当該トランジスタを確実にオン又はオフできる電位の信号であることが
好ましい。なお、スイッチ107A、Bと同様の機能を有するスイッチをさらに複数設け
る構成としてもよい。
【0044】
すなわち第1のトランジスタ105及び第2のトランジスタ106がノーマリーオンの場
合には、第4の回路104A、104Bにより第3のノードN1、N2を低電源電位Vs
sより高くして、第1のトランジスタ105及び第2のトランジスタ106を電流が流れ
にくくし、ノーマリーオフのときにはスイッチ107A、107Bを短絡させて第3のノ
ードN1、N2の電位を低電源電位に下げることで第1のトランジスタ105及び第2の
トランジスタ106を電流が流れやすくし、ノーマリーオンでもノーマリーオフでも問題
なく動作させることができるものとなる。なお、スイッチ107A、107Bをトランジ
スタで構成する場合には、ノーマリーオンであると動作が不安定になるので、外部回路で
ある判定回路111よりスイッチ107A、107Bとなるトランジスタのゲートに十分
な電圧レベルの信号を印加する構成とすることが好ましい。
【0045】
次いで判定回路111の構成例について図2を用いて説明する。
【0046】
判定回路111は、定電流源201、トランジスタ202、コンパレータ203(比較回
路ともいう)、バッファ回路204を有する。なお、定電流源201と、トランジスタ2
02、及びコンパレータ203が接続されるノードを、説明のため、ノードNEと呼ぶこ
とにする。
【0047】
図2において、定電流源201は一方の端子が高電源電位Vddを供給する配線に接続さ
れ、他方の端子がノードNEに接続される。トランジスタ202はドレイン端子がノード
NEに接続され、ゲート及びソース端子が低電源電位Vssを供給する配線に接続される
。コンパレータ203は、入力端子がノードNEに接続され、出力端子がバッファ回路2
04の入力端子に接続される。バッファ回路204の出力端子は、スイッチ107A、1
070Bとなるトランジスタのゲートに接続される。
【0048】
なお、バッファ回路204は、トランジスタでなるスイッチ107A、107Bまでの距
離が長い場合に、各段のパルス出力回路に入力するための信号の電荷供給能力を高めるた
めに設けるものであり、省略してもよい。
【0049】
判定回路111ではトランジスタ202が、駆動回路を構成するトランジスタのノーマリ
ーオンまたはノーマリーオフを判定するためのトランジスタであり、同一基板上に同じ条
件で作製され、同じトランジスタ特性を有するものである。そして定電流源201より流
れる電流がトランジスタ202を流れる際、トランジスタ202がノーマリーオンまたは
ノーマリーオフによって、ノードNEの電位の高低を判定することで、スイッチ107A
、107Bのオン又はオフを制御するものである。なお、トランジスタ202がノーマリ
ーオンとなるときには、トランジスタ202がノーマリーオフとなるときより、ノードN
Eの電位が低くなる。なおコンパレータ203では予め設定された参照電位(一例として
は、高電源電位Vddと低電源電位Vssとの中間電位)とノードNEの電位を比較し、
ノーマリーオフのときには、高電源電位の信号を出力し、ノーマリーオンのときには低電
源電位の信号を出力する。そしてバッファ回路204で、トランジスタでなるスイッチ1
07A、107Bのオン又はオフを十分制御できる電圧の信号(判定信号)となる。
【0050】
なお、駆動回路を構成するトランジスタがノーマリーオンであるかノーマリーオフである
かは、作製工程が同じであっても基板毎にばらつきが生じることもあり得る。そのため、
本実施の形態の構成によって、ノーマリーオンであるかノーマリーオフであるかを表示装
置となる基板毎に判定し、補正することのできる構成により、駆動回路での歩留まりの向
上を図ることができる。
【0051】
なおコンパレータ203で比較する参照電位は、ノーマリーオンとなる際のノードNEの
電位の上昇、及びノーマリーオフとなる際のノードNEの電位の低下を予めモニターして
おき、適宜設定される電位であってもよい。
【0052】
次いで、第1の回路101、第2の回路102、及び第3の回路103の一例について、
図3を用いて説明する。
【0053】
図3(A)に示す第1の回路101の一例としては、図11(A)と同様に、トランジス
タ301、トランジスタ302を設ける。そしてトランジスタ301のゲートを第1のノ
ードNAに接続し、トランジスタ302のゲートを第2のノードNBに接続し、トランジ
スタ301のドレイン端子をクロック信号CK1(第1のクロック信号ともいう)が供給
される配線に接続し、トランジスタ301のソース端子とトランジスタ302のドレイン
端子とを接続して出力信号OUT_Nを出力する端子とし、トランジスタ302のソース
端子を低電源電位Vssを供給する配線に接続する構成とすればよい。また、トランジス
タ301のゲートとソースの間に必要に応じて、容量素子303を設ける構成としてもよ
い。容量素子を設けることで、第1のノードがフローティング状態となった際に、ゲート
とソースの間でのブートストラップが起こりやすくなり好適である。
【0054】
次いで図3(B)に示す第2の回路102の一例としては、図11(A)と同様に、トラ
ンジスタ304を設ける。そして、トランジスタ304のゲートとドレイン端子、及び第
2のトランジスタ106のゲートが接続される端子を前段のパルス出力回路の出力信号O
UT_(N−1)が入力される端子に接続し、トランジスタ304のソース端子を第2の
ノードNBに接続する構成とすればよい。また図3(B)とは異なる第2の回路102の
別の構成としては、図3(C)に示すトランジスタ305を設ける構成がある。そして、
トランジスタ305のドレイン端子を高電源電位Vddが供給される配線に接続し、トラ
ンジスタ305のゲート及び第2のトランジスタ106のゲートが接続される端子を前段
のパルス出力回路の出力信号OUT_(N−1)が入力される端子に接続し、トランジス
タ305のソース端子を第2のノードNBに接続する構成とすればよい。
【0055】
次いで図3(D)に示す第3の回路103の一例としては、図11(A)と同様に、トラ
ンジスタ306を設ける。トランジスタ306のゲート及びドレイン端子をクロック信号
CK2(第2のクロック信号ともいう)が供給される配線に接続し、トランジスタ306
のソース端子を第2のノードNBに接続する構成とする。なお図3(D)でのクロック信
号CK2は、図3(A)でのクロック信号CK1の反転信号であることが好ましい。また
図3(D)とは異なる第3の回路103の別の構成としては、図3(E)に示すトランジ
スタ307及びトランジスタ308がある。トランジスタ307のゲートをクロック信号
CK2(第2のクロック信号ともいう)が供給される配線に接続し、トランジスタ307
のドレイン端子を高電源電位Vddが供給される配線に接続し、トランジスタ307のソ
ース端子とトランジスタ308のドレイン端子とを接続し、トランジスタ308のゲート
をクロック信号CK3(第3のクロック信号ともいう)が供給される配線に接続され、ト
ランジスタ308のソース端子が第2のノードNBに接続される構成とする。なお、図3
(D)でのクロック信号CK2は、図3(A)でのクロック信号CK1が1/4周期分遅
延した信号であり、図3(E)でのクロック信号CK3は、図3(E)でのクロック信号
CK2が1/4周期分遅延した信号であることが好ましい。
【0056】
また図1に示す構成は、第1の回路101、第2の回路102、及び第3の回路103の
他にも、別途回路を設ける構成としてもよい。例えば、図3(F)に示すトランジスタ3
09を有する回路を図1に示す第2のノードNBに接続して設ける。図3(F)に示すト
ランジスタ309は、ドレイン端子を高電源電位Vddが供給される端子に接続し、ゲー
トをパルス出力回路で2段後段の出力信号OUT_(N+2)が入力される端子に接続し
、ソース端子を第2のノードNBに接続する構成とすればよい。図3(F)に示す回路を
追加して設ける構成とすることで第2のノードNBの電位をより確実に制御することが出
来るため好適である。
【0057】
なお第1の回路101、第2の回路102、及び第3の回路103をそれぞれ複数個設け
る構成とすることも可能である。
【0058】
次いで、複数段のパルス出力回路を具備する駆動回路であるシフトレジスタの構成につい
て図4に示し、本実施形態で示す構成の効果等について詳述していく。なお、図4は、図
1における第1の回路101として図3(A)の回路とし、図1における第2の回路10
2として図3(C)の回路とし、図1における第3の回路103として図3(E)の回路
とし、第2のノードNBに図3(F)の回路を設ける構成について具体的に示した回路で
ある。なお図4では第1の回路101を複数設ける例について説明するものである。
【0059】
図4(A)に示すシフトレジスタは、第1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出
力回路10_N(N≧3の自然数)を有している。図4(A)に示すシフトレジスタの第
1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出力回路10_Nには、第1の配線11よ
り第1のクロック信号CK1、第2の配線12より第2のクロック信号CK2、第3の配
線13より第3のクロック信号CK3、第4の配線14より第4のクロック信号CK4が
供給される。また第1のパルス出力回路10_1では、第5の配線15からのスタートパ
ルスSP1(第1のスタートパルス)が入力される。また2段目以降の第nのパルス出力
回路10_n(nは、2≦n≦Nの自然数)では、一段前段のパルス出力回路からの信号
(前段信号OUT(n−1)という)が入力される。また第1のパルス出力回路10_1
では、2段後段の第3のパルス出力回路10_3からの信号が入力される。同様に、2段
目以降の第nのパルス出力回路10_nでは、2段後段の第(n+2)のパルス出力回路
10_(n+2)からの信号(後段信号OUT(n+2)という)が入力される。従って
、各段のパルス出力回路からは、後段及び/または二つ前段のパルス出力回路に入力する
ための第1の出力信号OUT(1)(SR)〜OUT(N)(SR)、別の回路等に入力
される第2の出力信号OUT(1)〜OUT(N)が出力される。また各段のパルス出力
回路には、第6の配線16より、判定回路111からの判定信号JSが供給される。ただ
し、図4(A)に示すように、シフトレジスタの最終段の2つの段には、後段信号OUT
(n+2)が入力されないため、一例としては、別途第7の配線17より第2のスタート
パルスSP2、第8の配線18より第3のスタートパルスSP3をそれぞれ入力する構成
でもよい。または別途、内部で生成された信号であってもよい。例えば、表示部へのパル
ス出力に寄与しない第(n+1)のパルス出力回路10(n+1)、第(n+2)のパル
ス出力回路10(n+2)を設け(ダミー段ともいう)、当該ダミー段より第2のスター
トパルス(SP2)及び第3のスタートパルス(SP3)に相当する信号を生成する構成
としてもよい。
【0060】
なお、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)は、一定の間隔で
H信号とL信号を繰り返す信号である。また、第1のクロック信号(CK1)〜第4のク
ロック信号(CK4)は、順に1/4周期分遅延している(すなわち、互いに90°位相
がずれている)。本実施の形態では、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信
号(CK4)を利用して、パルス出力回路の駆動の制御等を行う。なお、クロック信号は
、入力される駆動回路に応じて、GCK、SCKということもあるが、ここではCKとし
て説明を行う。
【0061】
第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nの各々は、第1の入力端
子21、第2の入力端子22、第3の入力端子23、第4の入力端子24、第5の入力端
子25、第1の出力端子26、第2の出力端子27、第6の入力端子28を有している(
図4(B)参照)。
【0062】
図4(B)に図4(A)で示したパルス出力回路10_nの一つを示す。第1の入力端
子21、第2の入力端子22及び第3の入力端子23は、第1の配線11〜第4の配線1
4のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図4(A)、(B)において、第1の
パルス出力回路10_1は、第1の入力端子21が第1の配線11と電気的に接続され、
第2の入力端子22が第2の配線12と電気的に接続され、第3の入力端子23が第3の
配線13と電気的に接続されている。また、第2のパルス出力回路10_2は、第1の入
力端子21が第2の配線12と電気的に接続され、第2の入力端子22が第3の配線13
と電気的に接続され、第3の入力端子23が第4の配線14と電気的に接続されている。
【0063】
また図4(A)、(B)において、第1のパルス出力回路10_1は、第4の入力端子2
4にスタートパルスが入力され、第5の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され
、第1の出力端子26より第1の出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力
端子27より第2の出力信号OUT(1)が出力され、第6の入力端子28より判定信号
JSが入力されていることとなる。
【0064】
次に、パルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図4(C)で説明する。
【0065】
第1のパルス出力回路10_1は、図1と同様に、第1の回路101A及び101B、
第2の回路102、第3の回路103、第4の回路104A及び104B、第1のトラン
ジスタ105、第2のトランジスタ106、トランジスタでなるスイッチ107A及び1
07Bを有している。また、図1の構成に加えて第2のノードNBに接続されるトランジ
スタ401を有する。トランジスタ401は後段信号OUT(n+2)がH信号となるタ
イミングに応じて、第2のノードNBの電位を上昇させるためのトランジスタである。ま
た、図1の構成に加えて第1のノードNAにおいて、トランジスタ402を挿入し、ゲー
トを高電源電位Vddが供給される配線に接続する構成としてもよい。トランジスタ40
2を第1のノードNAに挿入する構成とすることによって、第1の回路101Aでのトラ
ンジスタのゲートが、フローティング状態となりやすくなるため好適である。ここで第1
のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)は、一定の間隔でHレベルと
Lレベルを繰り返す信号であるが、HレベルのときVdd、LレベルのときVssである
とする。
【0066】
図4(C)におけるパルス出力回路が第1のパルス出力回路10_1の場合、第1の入
力端子21には第1のクロック信号CK1が入力され、第2の入力端子22には第2のク
ロック信号CK2が入力され、第3の入力端子23には第3のクロック信号CK3が入力
され、第4の入力端子24にはスタートパルスSPが入力され、第5の入力端子25には
後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26からは第1の出力信号OUT(1
)(SR)が出力され、第2の出力端子27からは第2の出力信号OUT(1)が出力さ
れ、第6の入力端子28からは判定信号JSが入力される。
【0067】
ここで、図4(C)に示したパルス出力回路を複数具備するシフトレジスタのタイミング
チャートについて図5に示す。なおシフトレジスタが走査線駆動回路である場合、図5中
の期間501は垂直帰線期間であり、期間502はゲート選択期間に相当する。
【0068】
図4(C)中のノードNAでは、出力信号OUT_(N)をH信号にするために、定期的
に、電気的にフローティング状態(浮遊状態)及び所定の電位が入力される状態がある。
図5中のNAで矢印A区間の期間がフローティング状態の期間であり、フローティング状
態となる際にリーク電流による電位の低下が問題となる期間である。同様に、図5中のノ
ードNBで矢印B区間の期間がフローティング状態の期間であり、フローティング状態と
なる際にリーク電流による電位の低下が問題となる期間である。具体的にいえば、フロー
ティング状態となる矢印A区間、及び矢印B区間での電位低下の度合いが、トランジスタ
がノーマリーオンまたはノーマリーオフかによって変化することが問題である。一方で、
単にノーマリーオンまたはノーマリーオフの状態を補正する回路を付加するだけでは、ノ
ーマリーオンまたはノーマリーオフの各状態が基板間でばらつく場合に、対策として不十
分である。
【0069】
次に、図6に図1で示したパルス出力回路の動作について説明する。そしてノーマリーオ
ンまたはノーマリーオフの各状態が基板間でばらつく場合に、いずれの状態であっても正
確な動作を補償できる図1のパルス出力回路を具備する駆動回路での動作による効果につ
いて説明する。
【0070】
まず、判定回路111で各回路を構成するトランジスタがノーマリーオンかノーマリーオ
フかの指標として、トランジスタ202がノーマリーオンかノーマリーオフの判定を行い
、第4の回路104A、104Bによる第3のノードN1、N2の電位の上昇を行うか否
かを判定する(図6、ステップ601)。
【0071】
次いで、図2に示す判定回路111は、ノードNEの電位が参照電位よりも高いかどうか
の判定を行う(図6、ステップ602)。トランジスタ202に流れる電流が大きく、ノ
ードNEの電位が参照電位よりも高くなる場合、トランジスタ202がノーマリーオフで
あると判定される(図6、ステップ603)。
【0072】
次いで、コンパレータ203及びバッファ回路204を介して判定回路111より、スイ
ッチ107A及び107BにH信号が出力される(図6、ステップ604)。スイッチ1
07A及び107Bがnチャネル型のトランジスタの場合には、スイッチ107A及び1
07Bがオン状態となる(図6、ステップ605)。その結果、第3のノードN1、N2
の電位が配線110の電位にあたる低電源電位Vssに低下する(図6、ステップ606
)。
【0073】
また逆に、トランジスタ202に流れる電流が小さく、ノードNEの電位が参照電位より
も低くなる場合、トランジスタ202がノーマリーオンであると判定される(図6、ステ
ップ607)。
【0074】
次いで、コンパレータ203及びバッファ回路204を介して判定回路111より、スイ
ッチ107A及び107BにL信号が出力される(図6、ステップ608)。スイッチ1
07A及び107Bがnチャネル型のトランジスタの場合には、スイッチ107A及び1
07Bがオフ状態となる(図6、ステップ609)。その結果、第3のノードN1及びN
2の電位が低電源電位Vssより高い電位を保持することとなる(図6、ステップ610
)。
【0075】
上述の動作によって第1のトランジスタ105及び第2のトランジスタ106がノーマリ
ーオンであってもノーマリーオフであってもトランジスタがオン状態またはオフ状態をと
るのに十分なゲートとソースの間の電圧Vgsを得ることのできるパルス出力回路とする
ことができる。すなわちノーマリーオンのトランジスタの場合にはトランジスタのゲート
とソース端子との間にかかる電圧Vgsを上昇させることで、スイッチング特性の向上を
行い、ノーマリーオフのトランジスタの場合にはソース端子の電位を低下させて十分に高
い電圧Vgsを確保することができる。そのため、トランジスタがノーマリーオンである
かノーマリーオフであるかが基板毎にばらついても、より確度が高く誤動作を低減するこ
とのできる駆動回路とすることができる。すなわち、薄膜トランジスタの作製条件等に起
因するしきい値電圧のばらつきによって、エンハンスメント型、またはディプレッション
型のいずれかに変動する駆動回路であっても、回路内の誤動作を低減できる駆動回路を提
供することができる。
【0076】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0077】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した駆動回路、及び当該駆動回路によって制御
される表示部を具備する表示装置の断面図について、図7を用いて説明する。また本実施
の形態では、表示装置として液晶表示装置の一例について説明をおこなうが、有機EL素
子等の発光素子を具備するEL表示装置、または電気泳動素子を具備する電気泳動表示装
置にも適用することが可能である。なお、上記実施の形態で説明した構成は、表示装置の
駆動回路に限らず、光センサ用駆動回路等の他の装置にも適用可能である。
【0078】
本発明の一形態である液晶表示装置を図7に示す。図7の液晶表示装置は、薄膜トランジ
スタ701及び容量702を含む画素部、及び薄膜トランジスタ703を含む駆動回路部
、画素電極層704、配向膜として機能する絶縁層705が設けられた基板706と、配
向膜として機能する絶縁層707、対向電極層708、カラーフィルタとして機能する着
色層709が設けられた対向基板710とが液晶層711を挟持して対向している。また
、基板706及び対向基板710の液晶層711と反対側には、それぞれ偏光板(偏光子
を有する層、単に偏光子ともいう)712a、712bが設けられ、ゲート配線の端子部
には第1の端子713、接続電極714、及び接続用の端子電極715、ソース配線の端
子部には第2の端子716及び接続用の端子電極717が設けられている。
【0079】
駆動回路部において、薄膜トランジスタ703はゲート電極層721及びゲート絶縁層7
22上の半導体層723の上方の酸化物絶縁層724上に導電層718が設けられ、ドレ
イン電極層719bはゲート電極層と同工程で形成される導電層720と電気的に接続し
ている。また、画素部において、薄膜トランジスタ701のドレイン電極層は画素電極層
704と電気的に接続している。
【0080】
酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで形成することにより、製造コストを低減するこ
とができる。また酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタは電界効果移動度が高く表示装
置の画素部及び駆動回路を構成するものとして好適である。一方で、酸化物半導体は外因
性の不純物が添加されなくても、酸素が抜けた空孔欠陥によりn型化しやすいという性質
がある。酸化物半導体層に接して酸化物絶縁膜を形成することによって、安定した電気特
性を有する薄膜トランジスタを得ることができるが、仮に酸化物半導体がn型化してノー
マリーオンの薄膜トランジスタが形成された場合でも、本実施の形態の駆動回路を用いる
ことによって、駆動回路を安定に動作させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、酸化物半導体をチャネルに用いる薄膜トランジスタの例につい
て説明したが、実施の形態1で開示する構成は、駆動回路を構成する薄膜トランジスタが
ノーマリーオンまたはノーマリーオフでも動作することができるものである。従って、例
えば、非晶質シリコンを用いた薄膜トランジスタの半導体層において、意図的または非意
図的にn型の導電性を付与する不純物が含まれることによってノーマリーオンとして動作
するトランジスタにも、用いることができる。また、チャネル領域を形成する半導体層の
ゲート絶縁膜とは反対側(バックチャネル側)に電荷が蓄積されることによって寄生チャ
ネルが形成され、ノーマリーオンとして動作するトランジスタにおいても適用可能である

【0082】
半導体層のチャネル形成領域は高抵抗化領域であるので、薄膜トランジスタの電気特性は
安定化し、オフ電流の増加などを防止することができる。よって、電気特性が良好で信頼
性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置とすることが可能となる。
【0083】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、画素部または駆動回路
と同一基板上に保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、酸化物半導体層を用いた
非線形素子を用いて構成することが好ましい。例えば、保護回路は画素部と、走査線入力
端子及び信号線入力端子との間に配設されている。本実施の形態では複数の保護回路を配
設して、走査線、信号線及び容量バス線に静電気等によりサージ電圧が印加され、画素ト
ランジスタなどが破壊されないように構成されている。そのため、保護回路にはサージ電
圧が印加されたときに、共通配線に電荷を逃がすように構成する。また、保護回路は、走
査線に対して並列に配置された非線形素子によって構成されている。非線形素子は、ダイ
オードのような二端子素子又はトランジスタのような三端子素子で構成される。例えば、
画素部の薄膜トランジスタ701と同じ工程で形成することも可能であり、例えばゲート
端子とドレイン端子を接続することによりダイオードと同様の特性を持たせることができ
る。
【0084】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0085】
(実施の形態3)
本実施の形態では、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置する薄膜ト
ランジスタを作製する例について以下に説明する。なお基板上に配置する薄膜トランジス
タは、実施の形態2の断面図に示すよう形成すればよい。
【0086】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図8(A)に示す。表示装置の基
板5300上には、画素部5301、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動
回路5303、信号線駆動回路5304、判定回路5306を有する。画素部5301に
は、複数の信号線が信号線駆動回路5304から延伸して配置され、複数の走査線が第1
の走査線駆動回路5302、及び第2の走査線駆動回路5303から延伸して配置されて
いる。なお走査線と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス
状に配置されている。また、表示装置の基板5300はFPC(Flexible Pr
inted Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路5305(コン
トローラ、制御ICともいう)に接続されている。
【0087】
図8(A)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信号
線駆動回路5304、判定回路5306は、画素部5301と同じ基板5300上に形成
される。そのため、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図る
ことができる。また、基板5300外部に駆動回路を設けた場合の配線を延伸させること
による接続部での接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図る
ことができる。なお判定回路5306は、基板上に複数設けられていてもよく、一例とし
ては駆動回路毎に設けられる構成とすればよい。
【0088】
なお、タイミング制御回路5305は、第1の走査線駆動回路5302に対し、一例とし
て、第1の走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)(スタートパルスともいう)、走
査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する。また、タイミング制御回路530
5は、第2の走査線駆動回路5303に対し、一例として、第2の走査線駆動回路用スタ
ート信号(GSP2)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する。信号線
駆動回路5304に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロ
ック信号(SCK)、ビデオ信号用データ(DATA)(単にビデオ信号ともいう)、ラ
ッチ信号(LAT)を供給するものとする。なお各クロック信号は、周期のずれた複数の
クロック信号でもよいし、クロック信号を反転させた信号(CKB)とともに供給される
ものであってもよい。なお、第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆動回路53
03との一方を省略することが可能である。
【0089】
図8(B)では、判定回路5306及び第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆
動回路5303を画素部5301と同じ基板5300に形成し、信号線駆動回路5304
を画素部5301とは別の基板に形成する構成について示している。
【0090】
また、実施の形態1及び実施の形態2に示す薄膜トランジスタは、nチャネル型TFTで
ある。図9(A)、図9(B)ではnチャネル型TFTで構成する信号線駆動回路の構成
、動作について一例を示し説明する。
【0091】
信号線駆動回路は、シフトレジスタ5601、及びスイッチング回路5602を有する。
スイッチング回路5602は、スイッチング回路5602_1〜5602_N(Nは自然
数)という複数の回路を有する。スイッチング回路5602_1〜5602_Nは、各々
、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_k(kは自然数)という複数のトランジス
タを有する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、Nチャネル型TFTであ
る例を説明する。
【0092】
信号線駆動回路の接続関係について、スイッチング回路5602_1を例にして説明する
。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第1端子は、各々、配線5604_1
〜5604_kと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第2端子
は、各々、信号線S1〜Skと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_
kのゲートは、配線5605_1と接続される。
【0093】
シフトレジスタ5601は、配線5605_1〜5605_Nに順番にHレベル(H信号
、高電源電位レベル、ともいう)の信号を出力し、スイッチング回路5602_1〜56
02_Nを順番に選択する機能を有する。
【0094】
スイッチング回路5602_1は、配線5604_1と信号線S1との導通状態(第1端
子と第2端子との間の導通)を制御する機能、即ち配線5604_1の電位を信号線S1
に供給するか否かを制御する機能を有する。このように、スイッチング回路5602_1
は、セレクタとしての機能を有する。同様に、薄膜トランジスタ5603_2〜5603
_kは、各々、配線5604_2〜5604_kと信号線S2〜Skとの導通状態を制御
する機能、即ち配線5602_1〜5604_kの電位を信号線S2〜Skに供給する機
能を有する。このように、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、スイ
ッチとしての機能を有する。
【0095】
なお、配線5604_1〜5604_kには、各々、ビデオ信号用データ(DATA)が
入力される。ビデオ信号用データ(DATA)は、画像情報又は画像信号に応じたアナロ
グ信号である場合が多い。
【0096】
次に、図9(A)の信号線駆動回路の動作について、図9(B)のタイミングチャートを
参照して説明する。図9(B)には、信号Sout_1〜Sout_N、及び信号Vda
ta_1〜Vdata_kの一例を示す。信号Sout_1〜Sout_Nは、各々、シ
フトレジスタ5601の出力信号の一例であり、信号Vdata_1〜Vdata_kは
、各々、配線5604_1〜5604_kに入力される信号の一例である。なお、信号線
駆動回路の1動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲート選択
期間は、一例として、期間T1〜期間TNに分割される。期間T1〜TNは、各々、選択
された行に属する画素にビデオ信号用データ(DATA)を書き込むための期間である。
【0097】
期間T1〜期間TNにおいて、シフトレジスタ5601は、Hレベルの信号を配線560
5_1〜5605_Nに順番に出力する。例えば、期間T1において、シフトレジスタ5
601は、ハイレベルの信号を配線5605_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ
5603_1〜5603_kはオンになるので、配線5604_1〜5604_kと、信
号線S1〜Skとが導通状態になる。このとき、配線5604_1〜5604_kには、
Data(S1)〜Data(Sk)が入力される。Data(S1)〜Data(Sk
)は、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kを介して、選択される行に属
する画素のうち、1列目〜k列目の画素に書き込まれる。こうして、期間T1〜TNにお
いて、選択された行に属する画素に、k列ずつ順番にビデオ信号用データ(DATA)が
書き込まれる。
【0098】
以上のように、ビデオ信号用データ(DATA)が複数の列ずつ画素に書き込まれること
によって、ビデオ信号用データ(DATA)の数、又は配線の数を減らすことができる。
よって、外部回路との接続数を減らすことができる。また、ビデオ信号が複数の列ずつ画
素に書き込まれることによって、書き込み時間を長くすることができ、ビデオ信号の書き
込み不足を防止することができる。
【0099】
なお、走査線駆動回路の構成について説明する。走査線駆動回路は、シフトレジスタを有
している。また場合によってはレベルシフタやバッファ等を有していても良い。走査線駆
動回路において、シフトレジスタにクロック信号(CK)及びスタートパルス信号(SP
)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファに
おいて緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。走査線には、1ライン分の画素のト
ランジスタのゲート電極が接続されている。そして、1ライン分の画素のトランジスタを
一斉にONにしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが
用いられる。
【0100】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0101】
(実施の形態4)
本実施形態においては、上記実施の形態で説明した表示装置を表示部に具備する電子機器
の例について説明する。
【0102】
上記実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を様々な電子機器に適用するこ
とができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。そのような電子機
器として、ビデオカメラ、デジタルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビ
ゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュ
ータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又
は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Vers
atile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプ
レイを備えた装置)などが挙げられる。
【0103】
図10(A)はディスプレイであり、筐体1011、支持台1012、表示部1013を
含む。図10(A)に示すディスプレイは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像な
ど)を表示部に表示する機能を有する。なお、図10(A)に示すディスプレイが有する
機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0104】
図10(B)はカメラであり、本体1031、表示部1032、受像部1033、操作キ
ー1034、外部接続ポート1035、シャッターボタン1036を含む。図10(B)
に示すカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。なお、
図10(B)に示すカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することが
できる。
【0105】
図10(C)はコンピュータであり、本体1051、筐体1052、表示部1053、キ
ーボード1054、外部接続ポート1055、ポインティングデバイス1056を含む。
図10(C)に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を
表示部に表示する機能を有する。なお、図10(C)に示すコンピュータが有する機能は
これに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0106】
本実施形態の表示部に上記実施の形態で説明した表示装置を用いる構成とすることで、上
述の図10(A)乃至図10(C)の表示部を構成する画素に接続される信号線及び電源
線の数を削減することができる。そして信号線に接続された信号線駆動回路において、駆
動回路の素子数を削減することができ、低コスト化を図ることができ、表示部での高精細
な表示を行うことができる。
【0107】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0108】
10 パルス出力回路
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
16 配線
17 配線
18 配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
28 入力端子
100 パルス出力回路
101 第1の回路
102 第2の回路
103 第3の回路
105 第1のトランジスタ
104A 第4の回路
104B 第4の回路
106 第2のトランジスタ
107A スイッチ
107B スイッチ
110 配線
111 判定回路
201 定電流源
202 トランジスタ
203 コンパレータ
204 バッファ回路
301 トランジスタ
302 トランジスタ
303 容量素子
304 トランジスタ
305 トランジスタ
306 トランジスタ
307 トランジスタ
308 トランジスタ
309 トランジスタ
401 トランジスタ
402 トランジスタ
501 期間
502 期間
601 ステップ
602 ステップ
603 ステップ
604 ステップ
605 ステップ
606 ステップ
607 ステップ
608 ステップ
609 ステップ
610 ステップ
701 薄膜トランジスタ
702 容量
703 薄膜トランジスタ
704 画素電極層
705 絶縁層
706 基板
707 絶縁層
708 対向電極層
709 着色層
710 対向基板
711 液晶層
712a 偏光板
712b 偏光板
713 端子
714 接続電極
715 端子電極
716 端子
717 端子電極
718 導電層
719b ドレイン電極層
720 導電層
721 ゲート電極層
722 ゲート絶縁層
723 半導体層
724 酸化物絶縁層
1011 筐体
1012 支持台
1013 表示部
101A 第1の回路
101B 第1の回路
1031 本体
1032 表示部
1033 受像部
1034 操作キー
1035 外部接続ポート
1036 シャッターボタン
1051 本体
1052 筐体
1053 表示部
1054 キーボード
1055 外部接続ポート
1056 ポインティングデバイス
108A 第3のトランジスタ
108B 第3のトランジスタ
109A 第4のトランジスタ
109B 第4のトランジスタ
404B 回路
5300 基板
5301 画素部
5302 走査線駆動回路
5303 走査線駆動回路
5304 信号線駆動回路
5305 タイミング制御回路
5306 判定回路
5601 シフトレジスタ
5602 スイッチング回路
5603 薄膜トランジスタ
5604 配線
5605 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段のパルス出力回路を有する駆動回路において、
前記パルス出力回路は、
第1のノード、第2のノードの電位に応じて出力信号を出力するための第1の回路と、
前記第1のノードに、前段のパルス出力回路の出力信号に応じた信号を供給する第2の回路と、
前記第2のノードに間欠的に高電源電位の信号を供給するための第3の回路と、
前記第2のノードがゲートに電気的に接続され、前記第2のノードの電位に応じて、前記第1のノードの電位を制御するための第1のトランジスタと、
前記前段のパルス出力回路の出力信号に応じた信号がゲートに供給され、前記第2のノードの電位を制御するための第2のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのソース端子と、低電源電位を供給する配線との間には、前記ソース端子の電位を低電源電位より昇圧するための第4の回路が設けられており、
前記ソース端子の電位を低電源電位にするためのスイッチを有し、前記スイッチは、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタがエンハンスメント型、またはディプレッション型であるかを判定する判定回路によって、制御されることを特徴とする駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−30263(P2013−30263A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193861(P2012−193861)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2010−202554(P2010−202554)の分割
【原出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】