説明

駆動装置、駆動回路、LEDヘッド及び画像形成装置

【課題】駆動装置内で生じるノイズ電圧を抑制した上で、駆動装置全体を小型化し、且つ、生産コストを低下させることが可能な駆動装置等を提供する。
【解決手段】LEDヘッド31は、LEDアレイCHP1,・・・に対応して形成されたドライバIC1,・・・を備え、ドライバIC1,・・・は、それぞれ、駆動回路DRVと、LEDアレイCHP1,・・・の温度に応じた基準電圧VREFを発生させる基準電圧発生回路261と、基準電圧VREFから制御電圧Vcontを発生させ駆動回路DRVに供給する制御電圧発生回路183と、制御電圧発生回路183と基準電圧発生回路261との間に形成されたアナログスイッチ素子291と、アナログスイッチ素子291を駆動するラッチ素子187とを備え、制御電圧発生回路183は、アナログスイッチ素子183を介して他のドライバICの基準電圧発生回路261と接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、駆動回路、LEDヘッド及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばLEDアレイ等の被駆動素子を駆動させる駆動装置にかかる技術としては、特許文献1に記載された技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−332494公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、温度補償回路を有する駆動回路に、それぞれデカップリングコンデンサを接続することでノイズ電圧を低減させた駆動装置が記載されている。具体的には、温度補償回路は、サイズの異なる2個のバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧を用いて温度検出を行う。そして、2個のバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の電圧の差は、熱電圧Vに比例することを利用して基準電圧を算出する。そして、算出された基準電圧を被駆動素子に供給することで、被駆動素子を駆動させることとしている。このとき熱電圧Vは、室温時には約26mVと極めて微小な信号レベルであるから、駆動回路内で生じる僅かなノイズ電圧による影響を排除する為に、駆動装置は、各駆動回路に対応させてデカップリングコンデンサを接続することで、かかるノイズ電圧による影響を低減させることとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の温度補償回路を有する駆動回路を用いた場合、被駆動素子を駆動させる際に使用される基準電圧は、それぞれの被駆動素子に対応させて算出されることとなる。すなわち、従来用いられていた技術では、駆動回路毎に温度補償処理を行うこととしていたことに起因して、全ての駆動回路に対応させてデカップリングコンデンサを接続する必要があった。例えばLEDヘッドを例に挙げると、図26に示す様に、従来用いられていたLEDヘッド601は、所定の基板上に配列された被駆動素子としての26個のLEDアレイチップを組み合わせて構成されるLEDアレイと、LEDアレイチップに対応して配列された駆動回路IC1,IC2,・・・,IC26とを備える。また、LEDヘッド601は、各駆動回路IC1,IC2,・・・,IC26に対応させて、デカップリングコンデンサ605,607,・・・,657を備える。そして各デカップリングコンデンサ605,607,・・・,657は、自身と近接して配置された各駆動回路IC1,IC2,・・・,IC26に接続され、それぞれの温度補償回路において生じるノイズ電圧を除去する。
【0006】
そしてこの様な構成の駆動装置を用いた場合、複数のデカップリングコンデンサを用いる必要があり、駆動装置のコストが著しく増大してしまうという問題があった。また、同図に示す様に、略長方形状に形成された基板は、短手方向にL2の長さを有するが、デカップリングコンデンサを駆動回路IC1,IC2,・・・,IC26に近接させてデカップリングコンデンサを配置すると、基板の短手方向の長さL2を一定の長さ以上とする必要が生じる。そして、これに起因して駆動装置全体が大型化し、駆動装置の小型化を図ることが困難であった。
【0007】
そこで本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、駆動装置内で生じるノイズ電圧を抑制した上で、駆動装置全体を小型化し、且つ、生産コストを低下させることが可能な駆動装置、駆動回路、LEDヘッド、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に、本発明にかかる駆動装置は、所定の基板上に配列された複数の被駆動回路に対応して形成された複数の駆動回路を備え、前記複数の駆動回路は、それぞれ、前記被駆動回路を駆動する駆動制御部と、前記被駆動回路の温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧に基づいて前記被駆動回路を駆動させる為の制御電圧を発生させて前記駆動制御部に供給する制御電圧発生部と、前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、入力された制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して他の前記駆動回路が備える前記基準電圧発生部と接続されたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、スイッチ素子に制御信号を入力することにより、複数の駆動回路に備えられた基準電圧発生部のうち、各駆動回路に供給する基準電圧を発生させる基準電圧発生部を選択することができる。すなわち駆動装置は、特定の駆動回路内で発生させた基準電圧を、他の駆動回路に供給することができる。そして、該選択した基準電圧発生部にノイズ抑制処理を施すことで、被駆動回路についてもノイズ電圧が発生することを抑制することができる。
【0010】
また、上記課題を解決する為に、本発明にかかる駆動回路は、被駆動素子を駆動する駆動制御部と、前記被駆動素子の温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧又は外部から供給された基準電圧に基づいて前記被駆動素子を駆動させる為の制御電圧を発生させて前記素子駆動部に供給する制御電圧発生部と、前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、入力された制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して前記外部から供給された基準電圧の供給元と接続されたことを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、スイッチ素子を駆動することによって制御電圧発生部に入力される基準電圧の供給元を、基準電圧発生部又は外部における基準電圧の供給元の何れかとすることができる。そして、基準電圧発生部又は外部における基準電圧の供給元とノイズ抑制処理を施すことで、被駆動素子についてもノイズ電圧が発生することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
この様に、本発明によれば、駆動装置内で生じるノイズ電圧を抑制した上で、駆動装置全体を小型化し、且つ、生産コストを低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
第1の実施の形態にかかるプリンタの駆動装置としてのLEDヘッドは、複数の駆動回路が備える、温度補償回路として機能する基準電圧発生部同士を接続して構成される。そして複数の駆動回路のうち、少なくとも1個の駆動回路をデカップリングコンデンサと接続し、該デカップリングコンデンサが接続された駆動回路において発生した基準電圧を他の駆動回路に供給する。そして他の駆動回路は、供給された基準電圧を用いてLED素子を駆動する。
【0015】
以下、この様なプリンタの具体的な構成について詳細な説明を行う。
【0016】
図1に示す様に、プリンタ1は、プリンタ1全体のシーケンス制御を行う印刷制御部3を備える。印刷制御部3は、図示せぬ上位コントローラから送信された制御信号SG1、及びドットマップデータを一次元的に配列して構成されるビデオ信号SG2に基づいてプリンタ1の動作を制御する。具体的には、印刷制御部3に制御信号SG1が入力されると印刷制御部3は、定着器温度センサ5の検出結果に基づいて定着器7が使用可能な温度範囲内にあるか否かを判断する。そして、定着器7の表面温度が定着可能温度に達していない場合には、印刷制御部3は、定着器7に内蔵されたヒータ9に通電して定着器7を加熱する。そして定着器7が定着可能温度に到達した後、印刷制御部3は、現像ドライバ11を介して現像/転写プロセス用モータ13を駆動させて図示せぬ現像ローラ等の駆動を開始させる。またこれと同時に印刷制御部3は、図示せぬ帯電ローラ及び感光体ドラムを帯電させる帯電用高圧電源15に対してチャージ信号SGCを供給する。これにより帯電用高圧電源15は、高圧電源を発生させて現像器17を帯電させる。
【0017】
また、印刷制御部3は、用紙残量センサ19及び用紙サイズセンサ21を用いて図示せぬスタッカ内の用紙の残量及びサイズを検出し、入力された印刷データに対応する用紙を選択する。そして、印刷制御部3は、搬送ドライバ23を介して用紙送りモータ25を駆動させ、選択した用紙の搬送を開始する。そして印刷制御部3は、用紙搬送経路に形成された用紙吸入口センサ27及び用紙排出口センサ29の検出結果に基づいて用紙の搬送状態を監視する。
【0018】
また、印刷制御部3は、用紙が印刷可能な位置に到達した時点で、上位コントローラに対して主走査同期信号及び副走査同期信号からなるタイミング信号SG3を送信する。これに応じて上位コントローラは、印刷制御部3に対してビデオ信号SG2を入力する。そして印刷制御部3は、入力されたビデオ信号SG2を、4ビット幅の印刷データ信号HD−DATA3〜0として、駆動装置としてのLEDヘッド31に入力する。また印刷制御部3は、印刷データ信号HD−DATA3〜0の他に、主走査同期信号HD−HSYNC−N、小振幅差動信号HD−CLK−P,HD−CLK−N、ラッチ信号HD−LOAD、及びストローブ信号HD−STB−NをLEDヘッド31に順次入力し、LEDヘッド31の駆動を制御する。具体的には印刷制御部3は、印刷ライン毎の印刷データ信号HD−DATA3〜0をLEDヘッド31に入力する。そしてLEDヘッド31に印刷データ信号HD−DATA3〜0が入力されるとLEDヘッド31は、入力された印刷データ信号HD−DATA3〜0に応じてLEDアレイを駆動させる。そしてLEDアレイの光が、マイナス電位に帯電した感光体ドラムに照射されると該当部分の電位が上昇し、ドットとして潜像化される。そしてプリンタ1は、潜像化されたドット上にトナーを付着させることで感光体ドラムの表面にトナー像を形成する。その後印刷制御部3は、転写用高圧電源33に対して転写信号SG4を入力することで転写器35をプラス電位に帯電させる。そして印刷制御部3は、搬送された用紙を転写器35及び感光体ドラムの間を通過させることで用紙上にトナー像を転写させる。そしてトナー像が転写された用紙は、定着器7まで搬送され、定着器7は用紙上に転写されたトナー像を用紙に定着させる。そしてプリンタ1は、この様な動作を繰り返し行うことで用紙上に画像を印刷する。
【0019】
以下、LEDヘッド31の構成について、図2を参照しながら詳細な説明を行う。尚、以下では説明の便宜上、プリンタ1はA4サイズの用紙に対して600dpi(Dot Per Inch)の解像度で印刷するものとして詳細な説明を行う。
【0020】
LEDヘッド31は、192個のLED素子からなるLEDアレイCHP1,CHP2,・・・,CHP26を26個配列して構成される。そしてLEDヘッド31は、LEDアレイCHP1,CHP2,・・・,CHP26を構成するLED素子のうち、データシフト方向から奇数番目に配列されたLED素子のカソード端子同士を接続し、さらに偶数番目に配列されたLED素子のカソード端子同士を接続して構成される。そしてLEDヘッド31は、奇数番目のLED素子のカソード端子と接続されたパワーMOSトランジスタ51、及び偶数番目のLED素子のカソード端子と接続されたパワーMOSトランジスタ53を相互に駆動することで、奇数番目のLED素子と偶数番目のLED素子とを時分割駆動させる。
【0021】
また、各LEDアレイCHP1,CHP2,・・・CHP26は、各LEDアレイCHP1,CHP2,・・・,CHP26に対応して配列された26個の駆動回路としてのドライバIC1,IC2,・・・,IC26から入力された駆動信号に基づいて駆動する。ドライバIC1,IC2,・・・,IC26は、印刷制御部3から入力された印刷データ信号HD−DATA3〜0等に基づいて、自身に対応するLEDアレイCHP1,CHP2,・・・CHP26に駆動信号を入力してLED素子を駆動させる。そしてこの様なドライバIC1,IC2,・・・,IC26は、略同一の回路により構成され、隣接するドライバICとカスケード接続して構成される。また、配列された26個のドライバIC1,IC2,・・・,IC26のうち、上流側に位置するドライバIC1及びドライバIC2は、それぞれパワーMOSトランジスタ51,53のゲート端子と接続されたKDRV端子を備える。そしてドライバIC1及びドライバIC2は、後述する方法によりKDRV端子からゲート端子信号EVEN,ODDを出力してパワーMOSトランジスタ51,53を駆動させ、コモンカソード接続されたLED素子を時分割駆動させる。以下、ドライバIC1,IC2,・・・,IC26の構成について詳細な説明を行うが、説明の便宜上「ドライバIC」と総称して詳細な説明を行う。
【0022】
ドライバICは、図3に示す様に、フリップフロップ回路によって構成されるシフトレジスタと、ラッチ回路によって構成されるラッチ回路と、メモリセル回路MEM2と、マルチプレクサ回路MUX2と、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192の駆動回路DRVとを接続して構成される。
【0023】
シフトレジスタは、入力端子DATAI3〜0を介して入力された印刷データ信号DATA3〜0を段階的にシフトさせる。そしてこの様なシフトレジスタは、印刷データ信号HD−DATA0が入力されるフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25と、印刷データ信号HD−DATA1が入力されるフリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25と、印刷データ信号HD−DATA2が入力されるフリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25と、印刷データ信号HD−DATA3が入力されるフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25とを備える。そしてこの様なシフトレジスタを構成するフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25のうち、最初の段に形成されたフリップフロップ回路FFA1の入力端子Dには、ディレイ回路61を介して印刷データ信号HD−DATA0が入力される。そして、フリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25のうち、最後の段に形成されたフリップフロップ回路FFA25の出力端子Qは、セレクタ回路63の入力端子B0と接続される。さらにフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25のうち、最後の段の一段手前にあるフリップフロップ回路FFA24の出力端子Qは、次段のフリップフロップ回路FFA25の入力端子Dと接続されると共に、セレクタ回路63の入力端子A0と接続される。そして他のフリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25についても同様の構成により、ディレイ回路65,67,69、及びセレクタ回路63の入力端子B1,B2,B3,A1,A2,A3と接続される。またセレクタ回路63の出力端子Y0,Y1,Y2,Y3は、バッファ71,73,75,77を介して隣接するドライバICの一段目のフリップフロップ回路FFA1,FFB1,FFC1,FFD1に入力される。そしてこの様なシフトレジスタでは、セレクタ回路63から隣接するドライバICに出力される信号を切り替えることにより、シフト段数を24段又は25段に切り替えることができる。また、LEDヘッド31は、この様なシフトレジスタを有するドライバICを26個備える為、LEDヘッド31全体では、24×26段又は25×26段のシフトレジスタ回路を構成する。
【0024】
また、ドライバICは、フリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25、フリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25に入力するクロック信号を生成する入力回路79を備える。入力回路79は、印刷制御部3から入力された小振幅差動信号HD−CLK−P,HD−CLK−NをドライバIC内部で使用される理論振幅に変換する。そして、入力回路79の出力結果は、バッファ81を介してフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25、フリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25に入力される。そしてこのときフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25、フリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25に入力されるクロック信号には、入力回路79及びバッファ81によって印刷データ信号HD−DATA3〜0に対する遅延が生じるが、印刷データ信号HD−DATA3〜0の経路上にディレイ回路61,65,67,69を配置することによってかかる信号遅延による影響を軽減させる。
【0025】
また、ドライバICは、フリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA23,FFA25に格納された印刷データ信号HD−DATA0をラッチするラッチ回路LTA1,LTA2,・・・,LTA24と、フリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB23,FFB25に格納された印刷データ信号HD−DATA1をラッチするラッチ回路LTB1,LTB2,・・・,LTB24と、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC23,FFC25に格納された印刷データ信号HD−DATA2をラッチするラッチ回路LTC1,LTC2,・・・,LTC24と、フリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD23,FFD25に格納された印刷データ信号HD−DATA3をラッチするラッチ回路LTD1,LTD2,・・・,LTD24とを備える。ラッチ回路LTA1,LTA2,・・・,LTA24は、それぞれ対応するフリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA23,FFA25の出力端子Qと接続され、印刷制御部3から入力されたラッチ信号HD−LOADに基づいて印刷データ信号HD−DATA0をラッチする。また、ラッチ回路LTB1,LTB2,・・・,LTB24、ラッチ回路LTC1,LTC2,・・・,LTC24、及びラッチ回路LTD1,LTD2,・・・,LTD24についても同様に、対応するフリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB23,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC23,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD23,FFD25に保持された印刷データ信号HD−DATA3〜1をラッチする。
【0026】
また、ドライバICは、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192の光量を補正する為のドット補正データを格納するメモリセル回路MEM2を備える。そしてLEDヘッド31は、各LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に対応させて96個のメモリセル回路MEM2を備える。そしてLEDヘッド31は、メモリセル回路MEM2に格納された光量の補正データに基づいて、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に供給する駆動電流を16段階に調整することで光量補正を行う。以下、メモリセル回路MEM2の具体的な構成について詳細な説明を行う。
【0027】
図4に示す様に、メモリセル回路MEM2は、奇数番目のドットの補正データを格納するメモリセル回路91と、偶数番目のドットの補正データを格納するメモリセル回路93とを備える。そして奇数番目のドットの補正データを格納するメモリセル回路91、及びそれに隣接する偶数番目のドットの補正データを格納するメモリセル回路93は、それぞれバッファ回路95の出力端子と、バッファ回路95の出力信号と相補関係にあるデータ信号を発生させるインバータ97とに接続される。バッファ回路95の入力端子Dは、対応するフリップフロップ回路の出力端子と接続される。そしてメモリセル回路91は、直列に接続されたN型MOSトランジスタ99,101と、N型MOSトランジスタ103,105との間に、補正メモリセルを構成するインバータ107,109を接続して構成される。さらにメモリセル回路91は、これらN型MOSトランジスタ99,101,103,105及びインバータ107,109により構成されるメモリ回路を、各補正データに対応させて4個配列して構成される。そして、メモリセル回路91では、N型MOSトランジスタ99,101,103,105及びインバータ107,109により構成されるメモリ回路によって補正データODD0を格納する。また、メモリセル回路91では、N型MOSトランジスタ111,113,115,117及びインバータ119,121により構成されるメモリ回路によって補正データODD1を格納し、N型MOSトランジスタ123,125,127,129及びインバータ131,133により構成されるメモリ回路によって補正データODD2を格納し、N型MOSトランジスタ135,137,139,141及びインバータ143,145により構成されるメモリ回路によって補正データODD3を格納する。
【0028】
そしてこの様なメモリ回路のうち、インバータ107,109、インバータ119,121、インバータ131,133、及びインバータ143,145に隣接して接続されたN型MOSトランジスタ101,103,113,115,125,127,137,139のゲート端子は、それぞれセル選択回路151のメモリセル選択端子W0,W1,W2,W3に接続される。また、メモリ回路を構成する他のN型MOSトランジスタ99,105,111,117,123,129,135,141のゲート端子には、それぞれセル選択回路151から出力された、奇数番目のドットのデータ書込みを許可するイネーブル信号E1が入力される。そしてこの様なメモリセル回路91は、イネーブル信号E1がN型MOSトランジスタ99,105,111,117,123,129,135,141のゲート端子に入力された状態でセル選択回路151のメモリセル選択端子W0,W1,W2,W3から書込み制御信号W0〜W3が入力されると、選択されたメモリセル回路に補正データが格納される。そして格納された補正データは、出力端子ODD0〜3を介して読み出される。またメモリセル回路93は、メモリセル回路91と同一の構成を備え、セル選択回路151から入力された書込み制御信号W0〜W3及びイネーブル信号E2に基づいて補正データの格納を行う。そしてメモリセル回路93に格納された補正データは、出力端子EVN0〜3を介して読み出される。
【0029】
セル選択回路151は、図5に示す様に、それぞれラッチ信号LOAD−P及びストローブ信号STB−Pが入力されるフリップフロップ回路153,155を備える。フリップフロップ回路153,155のクロック端子には、それぞれストローブ信号STB−Pが入力される。また、フリップフロップ回路153,155の出力端子Qは、NOR回路157と接続される。そして、フリップフロップ回路153の出力端子Qからは出力信号Q1が、フリップフロップ回路155の出力端子Qからは出力信号Q2がそれぞれNOR回路157に入力される。そしてNOR回路157の出力端子は、フリップフロップ回路153の入力端子Dと接続される。また、フリップフロップ回路153の出力端子Qは、フリップフロップ回路155の入力端子、及びフリップフロップ回路159のクロック端子と接続される。また、フリップフロップ回路159の出力端子Qは、AND回路161の一方の入力端子と接続される。そしてAND回路161の一方の入力端子には、フリップフロップ回路159の出力端子Qから出力される出力信号Q3が入力される。また、フリップフロップ回路159の出力端子QNは、自身の入力端子D及び、AND回路163の一方の入力端子と接続される。そして、フリップフロップ回路159、及びAND回路161,163には、それぞれラッチ信号LOAD−Pが入力される。そしてAND回路161,163は、入力されたラッチ信号LOAD−Pに基づいてそれぞれの理論積をイネーブル信号E1,E2として出力する。また、AND回路161から出力されたイネーブル信号E1は、フリップフロップ回路165,167のクロック端子に入力される。フリップフロップ回路165の出力端子QNは、フリップフロップ回路167の入力端子Dと接続される。また、フリップフロップ回路167の出力端子Qは、フリップフロップ回路165の入力端子Dと接続される。そしてこれらフリップフロップ回路165,167は、イネーブル信号E1が入力される度に状態遷移し、出力端子Q,QNからの出力信号Q4,Q5等を、書込み制御信号W0〜W3を出力するAND回路169,171,173,175に入力する。
【0030】
AND回路169,171,173,175の入力端子は、それぞれフリップフロップ回路155の出力端子Qと接続される。さらにAND回路169,171,173,175の入力端子は、それぞれフリップフロップ回路165,167の出力端子Q,QNの何れかと接続される。具体的には、書込み制御信号W0を出力するAND回路169は、フリップフロップ回路165の出力端子QN及びフリップフロップ回路167の出力端子QNと接続される。そしてAND回路169は、フリップフロップ回路165の出力端子QN及びフリップフロップ回路167の出力端子QN、及びフリップフロップ回路155の出力端子Qから出力された出力信号Qの理論積を書込み制御信号W0として全てのメモリセル回路MEM2に出力する。また、書込み制御信号W1を出力するAND回路171は、フリップフロップ回路165の出力端子Q及びフリップフロップ回路167の出力端子QNと接続される。そしてAND回路171は、フリップフロップ回路165の出力端子Q、フリップフロップ回路167の出力端子QN、及びフリップフロップ回路155の出力端子Qから出力された出力信号Qの理論積を書込み制御信号W1として全てのメモリセル回路MEM2に出力する。また、書込み制御信号W2を出力するAND回路173は、フリップフロップ回路165の出力端子Q及びフリップフロップ回路167の出力端子Qと接続される。そしてAND回路173は、フリップフロップ回路165の出力端子Q、フリップフロップ回路167の出力端子Q、及びフリップフロップ回路155の出力端子Qから出力された出力信号Qの理論積を書込み制御信号W2として全てのメモリセル回路MEM2に出力する。また、書込み制御信号W3を出力するAND回路175は、フリップフロップ回路165の出力端子QN及びフリップフロップ回路167の出力端子Qと接続される。そしてAND回路175は、フリップフロップ回路165の出力端子QN、フリップフロップ回路167の出力端子Q、及びフリップフロップ回路155の出力端子Qから出力された出力信号Qの理論積を書込み制御信号W3として全てのメモリセル回路MEM2に出力する。
【0031】
また、この様なセル選択回路151から出力された書込み制御信号W0〜W3及びイネーブル信号E1は、メモリセル回路MEM2と併設されたメモリ回路181に入力される。メモリ回路181の入力端子Dは、シフトレジスタの最後段に配置されたフリップフロップ回路FFD25の出力端子Qと接続される。そして、メモリ回路181は、セル選択回路151から出力された書込み制御信号W0〜W3及びイネーブル信号E1に応じて入力されたデータを格納する。そしてメモリ回路181に格納されたデータは、制御電圧発生回路183によって読み出される。
【0032】
また、セル選択回路151から出力されたイネーブル信号E1及び書込み制御信号W3は、AND回路185の入力端子に接続される。そしてAND回路185の出力端子は、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192の制御電圧の切り替えに用いる信号を出力するラッチ素子187の入力端子Gと接続される。
【0033】
またドライバICは、メモリセル回路MEM2に格納された補正データを読み出し、駆動回路DRVに補正データを入力するマルチプレクサ回路MUX2を備える。この様なマルチプレクサ回路MUX2は、各LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に対応して配列される。そして各マルチプレクサ回路MUX2には、制御回路CTRL2より出力される選択制御信号S1N,S1P,S2N,S2Pが入力される。この様なマルチプレクサ回路MUX2は、図6に示す様に、P型MOSトランジスタ191,193,・・・,205を配列して構成される。そして、奇数番目の補正データODD0,ODD1,ODD2,ODD3が入力されるP型MOSトランジスタ191,195,199,203のゲート端子には、それぞれ制御回路CTRL2より選択制御信号S1Nが入力される。また、偶数番目の補正データEVN0,EVN1,EVN2,EVN3が入力されるP型MOSトランジスタ193,197,201,205のゲート端子には、それぞれ制御回路CTRL2より選択制御信号S2Nが入力される。そしてマルチプレクサ回路MUX2にこれら選択制御信号S1N,S2Nが交互に入力されると、マルチプレクサ回路MUX2は、補正データODD0,ODD1,ODD2,ODD3及び補正データEVN0,EVN1,EVN2,EVN3に応じて、出力端子Q0,Q1,Q2,Q3を介して駆動回路DRVに補正データを出力する。尚、マルチプレクサ回路MUX2の作用及び効果については、基準電圧発生回路の構成と合せて詳細な説明を行う。
【0034】
制御回路CTRL2は、図7に示す様に、ラッチ信号LOAD−P及び主走査同期信号HYSYNCが入力されるフリップフロップ回路211を備える。フリップフロップ回路211の入力端子Dは、自身の出力端子QNと接続される。またフリップフロップ回路211の出力端子Qは、バッファ回路213と接続される。さらにフリップフロップ回路211の出力端子QNは、バッファ回路215と接続される。そしてこの様なフリップフロップ回路211及びバッファ回路213,215は、入力された主走査同期信号HYSYNC及びラッチ信号LOAD−Pに基づいて、選択制御信号S1N,S2Nを出力する。
【0035】
またドライバICは、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192を駆動する駆動回路DRVを備える。駆動回路DRVは、各LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に対応して配置され、マルチプレクサ回路MUX2を介して出力される補正データ、ストローブ信号STB−P、及び制御電圧発生回路183から供給された制御電圧Vcontに基づいて駆動する。この様な駆動回路DRVは、図8に示す様に、それぞれのソース端子が電源VDDと接続されたP型MOSトランジスタ221,223,225,227,229を備える。そしてこれらP型MOSトランジスタ221,223,225,227,229ドレーン端子は、出力端子DOと接続される。また、5個のN型MOSトランジスタ221,223,225,227,229のうち、4個のP型MOSトランジスタ221,223,225,227のそれぞれのゲート端子は、マルチプレクサ回路MUX2から供給された補正データODD3,ODD2,ODD1,ODD0又は補正データEVN3,EVN2,EVN1,EVN0が入力されるNAND回路231,233,235,237の出力端子と接続される。そしてこれらP型MOSトランジスタ221,223,225,227は、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に供給する駆動電流を調整してLED素子LED1,LED2,・・・,LED192の光量を調整する為の補助駆動トランジスタとして機能する。一方、P型MOSトランジスタ229は、インバータを構成するP型MOSトランジスタ239及びN型MOSトランジスタ241と接続される。そしてインバータを構成するP型MOSトランジスタ239のソース端子は電源VDDと接続され、N型MOSトランジスタ241のソース端子には制御電圧Vcontが供給される。そしてP型MOSトランジスタ229のゲート端子には、P型MOSトランジスタ239及びN型MOSトランジスタ241で構成されるインバータの出力電圧が供給される。そしてP型MOSトランジスタ229は、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192に主たる駆動電流を供給する主駆動トランジスタとして機能する。
【0036】
また、NAND回路231,233,235,237の他方の入力端子は、NOR回路243と接続される。そしてNOR回路243は、ラッチ回路からの印刷データ信号が入力される入力端子E、及びストローブ信号STB−Pが入力される入力端子Sと接続される。この様なストローブ信号STB−Pは、図3におけるストローブ信号入力端子STBに入力され、プルアップ素子245、及びインバータ回路247を介してNAND回路249に入力される。そしてNAND回路249には、ストローブ信号STB−Pの他に、インバータ回路251を介してラッチ信号LOAD−Pが入力される。そしてNAND回路249の出力端子は、駆動回路DRVの入力端子Sと接続され、NAND回路249の演算結果は、入力端子Sを介してNOR回路243に入力される。そして駆動回路DRVは、入力されたストローブ信号STB−Pに基づいてLED素子LED1,LED2,・・・,LED192のオン/オフを制御する。
【0037】
そして、NOR回路243による演算結果は、それぞれNAND回路231,233,235,237に入力される。また、NAND回路231,233,235,237及びNOR回路243の電源は、電源VDDと接続され、NAND回路231,233,235,237及びNOR回路239のグラウンドは、制御電圧Vcontが入力される端子Vと接続される。
【0038】
そしてこの様な駆動回路DRVは、P型MOSトランジスタ229のドレーン電流を主電流とし、かかる主電流に、選択された補助駆動トランジスタのドレーン電流を加算した駆動電流をLED素子LED1,LED2,・・・,LED192に駆動することでその光量を制御する。具体的には、駆動回路DRVでは、P型MOSトランジスタ221,223,225,227の何れかが駆動している状態においては、NAND回路231,233,235,237の出力は、制御電圧Vcontに略等しいレベルのローレベル信号となる。そしてこれによりP型MOSトランジスタ221,223,225,227のゲート電位は、制御電圧Vcontと略等しくなる。またこのときP型MOSトランジスタ239はオフ状態となり、N型MOSトランジスタ241はオン状態となる為、P型MOSトランジスタ229のゲート電位についても、制御電圧Vcontと略等しくなる。すなわち、駆動回路DRVは、P型MOSトランジスタ221,223,225,227,229のドレーン電流値を、制御電圧Vcontにより一括して制御することができる。そしてこのときNAND回路231,233,235,237は、電源VDDを電源とし、制御電圧Vcontをグランドとして動作する為、NAND回路231,233,235,237に入力される信号の電位は電源VDDによる電位及び制御電圧Vcontによる電位に即した電位であれば良く、入力されるローレベル信号が必ずしも0Vであることを必要としない。
【0039】
また、ドライバICは、温度補償回路として機能する基準電圧発生回路261を備える。基準電圧発生回路261は、各ドライバICに1回路ずつ形成される。そして基準電圧発生回路261で発生した基準電圧VREFは、制御電圧発生回路183に入力される。この様な基準電圧発生回路261は、LED素子の温度に基づいて基準電圧を発生させる。具体的には基準電圧発生回路261は、図9に示す様に、それぞれのソース端子が電源VDDと接続されたP型MOSトランジスタ263,265,267を備える。そしてP型MOSトランジスタ263,265,267のゲート端子は、一括してP型MOSトランジスタ265のドレーン端子に接続される。また、P型MOSトランジスタ263のドレーン端子は、抵抗269の一端と接続される。さらに、抵抗269の他端は、抵抗271の一端及びNPNトランジスタ273のベース端子と接続される。また、抵抗271の他端は、NPNトランジスタ273のコレクタ端子と接続され、NPNトランジスタ273のエミッタ端子は、グランドと接続される。そしてこの様に構成されるP型MOSトランジスタ263、抵抗269、抵抗271、及びNPNトランジスタ273には、電流I1が流れる。また、P型MOSトランジスタ265のドレーン端子は、N型MOSトランジスタ275のドレーン端子と接続される。そしてN型MOSトランジスタ275のゲート端子は、図示せぬバイアス回路と接続され、電圧VBが印加される。そして、N型MOSトランジスタ275のソース端子は、NPNトランジスタ277のコレクタ端子と接続される。またNPNトランジスタ277のベース端子は、NPNトランジスタ273のコレクタ端子と接続される。そしてNPNトランジスタ277のエミッタ端子は、グランドと接続される。そしてこの様に構成されるP型MOSトランジスタ265、N型MOSトランジスタ275、及びNPNトランジスタ277には、電流I2が流れる。
【0040】
このときNPNトランジスタ273,277の素子面積比は、1:K(K>1)に設定されることが好ましい。そしてこのとき値Kは、整数とすることが好ましく、NPNトランジスタ277としては、NPNトランジスタ273と同一形状のPNPトランジスタをK個並列に接続して構成することも可能である。
【0041】
また、P型MOSトランジスタ267のドレーン端子は、抵抗279の一端、及び演算増幅器281の非反転入力端子と接続される。そして抵抗279の他端は、グランドと接続される。そして、P型MOSトランジスタ267のドレーン端子からは、電流I3が流れる。また、演算増幅器281の出力端子は、自身の反転入力端子と接続され、ボルテージフォロワ回路を構成する。そして演算増幅器281の出力端子からは、基準電圧VREFが出力される。
【0042】
そしてこれらP型MOSトランジスタ263,265,267は、ドレーン電流を等しくする為に、それぞれのゲート長とゲート幅が等しくなる様に形成される。そして、P型MOSトランジスタ263,265,267のゲート・ソース間電圧は等しくなる様に接続され、カレントミラーの関係を構成する。この結果、上述した電流I1,I2,I3の値は、略等しくなる。
【0043】
この様な基準電圧発生回路261において、NPNトランジスタ273のベース電流は無視できる程小さいのでNPNトランジスタ273のエミッタ電流Ieは、
Ie≒Io×exp(q×Vbe273/(kT)) (式1)
により算出される。このとき、「Io」は飽和電流[A]を示し、「Vbe273」はNPNトランジスタ273のベース・エミッタ間電圧[V]を示し、「k」はボルツマン定数(k=1.38×10−23[J/K])を示し、「q」は電子の電荷(q=1.6×10−19[C])を示し、「T」は絶対温度[K]を示す。そして、上記式1を変形すると、
Vbe273=(kT/q)×ln(Ie/Io) (式2)
となる。
【0044】
そして、上述の如く、NPNトランジスタ277は、NPNトランジスタ273と比較してK倍の面積を有する為、NPNトランジスタ277のベース・エミッタ間電圧Vbe277は、
Vbe277=(kT/q)×ln(Ie/(K×Io)) (式3)
となる。そしてこのとき、抵抗271の両端子間の電圧は、NPNトランジスタ273とNPNトランジスタ277とのベース・エミッタ間電圧の差に等しくなり、両者の差をΔVbeとすると、
ΔVbe=(kT/q)×ln(Ie/Io)−(kT/q)×ln(Ie/(K×Io)) (式4)
となり、
ΔVbe=(kT/q)ln(K) (式5)
となる。そして、このときNPNトランジスタ273のベース電流は無視できる程小さいのでNPNトランジスタ273のエミッタ電流の電流値とコレクタ電流の電流値とは略等しくなると共に、電流I1は、
I1=ΔVbe/R1 (式6)
となり、
I1=kT/(q×R1)×ln(K) (式7)
となる。
【0045】
そして上述の如く、電流I1と電流I3とは略等しい為、抵抗271の抵抗値をR1とし抵抗279の抵抗値をR2とした場合に、抵抗279の端子電位Vref0は、
Vref0=kT/q×(R2/R1)×ln(K) (式8)
となる。そして、抵抗271と抵抗279とを同一の材料で形成することで抵抗比(R2/R1)の間で温度依存性が生じなくなる。すると、抵抗279の端子電位Vref0は、絶対温度Tと比例して増加する温度特性を有することが判る。そして、演算増幅器281の非反転入力端子には、端子電位Vref0が入力され、ボルテージフォロワ回路からは端子電位Vref0と略等しい出力電圧が基準電圧VREFとして出力されることとなる。そしてこの様な基準電圧発生回路によれば、温度上昇に比例させて出力電圧を増加させることができ、LED素子の温度上昇による発光パワーの現象を補正することができる。
【0046】
そしてこの様な基準電圧発生回路261から出力された基準電圧VREFは、ラッチ素子187の出力端子Qの出力値に基づいて制御されるアナログスイッチ素子291に入力される。この様なアナログスイッチ素子291は、基準電圧発生回路261と制御電圧発生回路183との間、及び基準電圧発生回路261と他のドライバICが備える制御電圧発生回路との間を選択的に導通させる。そして、ラッチ素子187の出力端子Qからアナログスイッチ素子291にOE(Output Enable)信号としてハイレベル信号が入力されると、アナログスイッチ素子291の第1端子及び第2端子間は導通し、基準電圧発生回路261から出力された基準電圧VREFが、制御電圧発生回路183に入力されると共に、基準電圧端子VREFを介して他のドライバICに入力される。
【0047】
制御電圧発生回路183は、図10に示す様に、基準電圧発生回路261から入力された基準電圧VREFが入力される演算増幅器301を備える。具体的には、基準電圧VREFは、演算増幅器301の反転入力端子に入力される。そして演算増幅器301の非反転入力端子は、マルチプレクサ回路303の出力端子Yと接続される。
【0048】
マルチプレクサ回路303には、メモリ回路181に格納されたチップ補正データが入力される。この様なマルチプレクサ回路303は、アナログ電圧が入力される16個の入力端子P0,P1,・・・,P15と、メモリ回路181に格納されたデータが入力される入力端子S3〜S0とを備える。また、制御電圧発生回路183は、直列に配列された抵抗R01,R02,・・・,R15を備える。そして抵抗R15の一端は、P型MOSトランジスタ305を介して電源VDDと接続される。そしてP型MOSトランジスタ305のゲート端子は、演算増幅器301の出力端子と接続される。そして、マルチプレクサ回路303の入力端子P15,P14,・・・,P0は、それぞれ抵抗列を構成する抵抗R01,R02,・・・,R15間の接続中点と接続される。そしてマルチプレクサ回路303は、入力端子S3〜S0を介して入力される4本の論理信号に基づいて何れかの入力端子P15,P14,・・・,P0を選択し、選択した入力端子と出力端子Yとの間を導通させる。
【0049】
そしてこの様なマルチプレクサ回路303は、演算増幅器301と、抵抗列を構成する抵抗R01,R02,・・・,R15と、P型MOSトランジスタ305によって構成されるフィードバック回路を備える。そしてこれにより、演算増幅器301の非反転入力端子の電位は、基準電圧VREFと略等しくなる様に制御される。そしてこれにより、P型MOSトランジスタ305のドレーン電流は、マルチプレクサ回路331により選択された入力端子P15,P14,・・・,P0とグラウンド間の合成抵抗値と、演算増幅器301に入力された基準電圧VREFに基づいて決定される。この結果、入力信号S3〜S0によりP型MOSトランジスタ305のドレーン電流を16通りに変化させることができる。
【0050】
そして、演算増幅器301の出力は、P型MOSトランジスタ305のゲート端子に供給されると共に、制御電圧Vcontとして駆動回路DRVに供給される。
【0051】
次に、図6の説明に戻り、この様にして駆動回路DRVに入力される制御電圧Vcontと、マルチプレクサ回路MUX2の構成の関係について詳細な説明を行う。
【0052】
上述したマルチプレクサ回路MUX2の構成によれば、マルチプレクサ回路をP型MOSトランジスタのみで構成することができる。そしてこの様なマルチプレクサ回路MUX2を用いることによって、動作上の支障を防止しつつ、使用される素子数を削減することができる。
【0053】
具体的には、補正データODD0に対応するP型MOSトランジスタ191をオン状態とする為に、選択制御信号S1Nをローレベル信号とする。そして補正データODD0として入力される信号をハイレベル信号とした場合には、補正データODD0としてP型MOSトランジスタに入力された電圧レベルと略等しい電圧が出力端子Q0から出力される。一方で、補正データODD0として略0Vのローレベル信号がP型MOSトランジスタ191に入力された場合には、P型MOSトランジスタの第2端子の電位は、P型MOSトランジスタの閾値電圧に近い電圧まで降下するものの、略0Vまで降下することがない。このため、図6に示すマルチプレクサ回路においては、ローレベル信号の伝達機能に欠点が生じる。そこで従来用いられていた技術では、この様な伝達機能の欠点を防止すべく、P型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタとを接続したアナログスイッチを構成し、かかるアナログスイッチをデータ選択の為のスイッチ手段として利用していた。そしてこの様な構成によるマルチプレクサ回路においては、入力電位と略等しい出力電位を得ることができる。しかしながら、この様なアナログスイッチを構成する場合、補正データのデータ信号1本につき、P型MOSトランジスタ及びN型MOSトランジスタの対からなるアナログスイッチを設ける必要があり、使用する素子数が増加してしまい、回路の専有面積が増大して製造コストが増大するという問題があった。
【0054】
一方で、図6のマルチプレクサ回路MUX2を用いた場合、P型MOSトランジスタのみでマルチプレクサ回路MUX2を構成することが可能となる。具体的には、上述の如く、駆動回路DRVにおいてハイレベル信号としてVDD電位と略等しい入力電圧を要するのに対して、ローレベル信号としては、その電圧値が制御電圧Vcontにまで降下していれば十分であり、ローレベル信号の電位を略0Vにまで降下させる必要がない。よって、この様な駆動回路DRVの構成に起因して、マルチプレクサ回路MUX2をP型MOSトランジスタで構成し、ローレベル信号の電位を略0Vにまで降下させることができない回路構成を用いたとしても駆動回路DRVの駆動に支障をきたすことがなく、且つ、マルチプレクサ回路MUX2の小型化を図ることが可能となる。
【0055】
次に、この様なドライバICを備えるLEDヘッド31の構成について詳細な説明を行う。
【0056】
図11に示す様に、LEDヘッド31は、所定のプリント配線基板311の長手方向に沿って配列された26個のドライバIC1,IC2,・・・,IC26、及びプリント配線基板311の長手方向に沿って配列された26個のLEDアレイCHP1,CHP2,・・・CHP26を備える。尚、以下ではドライバIC及びLEDアレイは、データシフト方向の上流側から下流側に向けてドライバIC及びLEDアレイに付した符号の数値が大きくなる様に配列されたものとする。また、LEDヘッド31は、上述した各種制御信号の端子や電源端子が収容されたコネクタ端子部313を備える。そしてプリント配線基板311上には、配列されたドライバIC1,IC2,・・・,IC26と平行して、図12及び図13に示す様に、ドライバICに印刷データを入力する為の印刷データ信号入力端子HD−DATAI3〜0、ラッチ信号入力端子、クロック信号入力端子、ストローブ信号入力端子、同期信号入力端子、印刷データ信号を隣接するドライバICに向けて出力する印刷データ出力端子HD−DATAO3〜0等が配列される。そして各端子は、ボンディングワイヤー315によって、ドライバIC1,IC2,・・・,IC26と接続される。また、各ドライバIC1,IC2,・・・,IC26におけるデータシフト方向の下流に形成された印刷データ出力端子HD−DATAO3〜0は、プリント配線317によって隣接するドライバICの入力端子HD−DATAI3〜0と接続される。
【0057】
また、各ドライバIC1,IC2,・・・,IC26の駆動回路DRVの出力端子DOは、ボンディングワイヤー319を介してLEDアレイCHP1,CHP2,・・・CHP26を構成するLED素子LED1,LED2,・・・,LED192のアノード端子と接続される。そしてLED素子LED1,LED2,・・・,LED192のカソード端子は、ボンディングワイヤー321を介して、プリント配線基板311上に配置された図示せぬカソードパッドと接続される。
【0058】
また、LEDヘッド31は、一直線状に配列されたドライバIC1,IC2,・・・,IC26におけるデータシフト方向の最上流側に形成されたドライバIC1近傍、及びデータシフト方向の最下流側に形成されたドライバIC26近傍に、それぞれデカップリングコンデンサ323,325を備える。具体的には、デカップリングコンデンサ323,325は、配列されたドライバIC1,IC2,・・・,IC26と略一直線状に配置される。
【0059】
この様なデカップリングコンデンサ323は、ドライバIC1の電源VDDとグランドとの間に接続される。また、デカップリングコンデンサ325も同様に、ドライバIC26の電源VDDとグランドとの間に接続される。そして、この様な構成でデカップリングコンデンサ323,325を設けることによって、LEDヘッド31は、ノイズ電圧がLED素子LED1,LED2,・・・,LED192の発光に与える影響を抑制すると共に、LEDヘッド31の小型化を実現することができる。
【0060】
以下、この様な効果が生じる理由について、プリンタ1の動作と合せて詳細な説明を行う。
【0061】
印刷を実行するにあたり、印刷制御部3は、奇数番目の印刷データ及び偶数番目の印刷データを交互にLEDヘッド31に入力する。そして、印刷データがラッチ回路LTA1,LTA2,・・・,LTA24、ラッチ回路LTB1,LTB2,・・・,LTB24、ラッチ回路LTC1,LTC2,・・・,LTC24、及びラッチ回路LTD1,LTD2,・・・,LTD24にラッチされた後、印刷制御部3は、ストローブ信号STB−PをLEDヘッド31に入力し、LED素子LED1,LED2,・・・,LED192の光量を調整しながらLED素子LED1,LED2,・・・,LED192を駆動する。
【0062】
具体的には、印刷制御部3は、補正データODD3,ODD2,ODD1,ODD0及び補正データEVN3,EVN2,EVN1,EVN0をLEDヘッド31に入力するに先立って、図14に示す様にA部においてラッチ信号HD−LOADをハイレベル信号に遷移させる。そしてこれによりLEDヘッド31は、引き続くデータが補正データODD3,EVN3,ODD2,EVN2,ODD1,EVN1,ODD0,EVN0であることを認識することができる。
【0063】
そして印刷制御部3は、クロック信号HD−CLK−Pに同期させて奇数番目の補正データ信号ODD3,ODD2,ODD1,ODD0、及び偶数番目の補正データEVN3,EVN2,EVN1,EVN0を交互にLEDヘッド31に入力する。具体的には、印刷制御部3は、先ず、クロック信号HD−CLK−Pに同期させて補正データ信号ODD3をLEDヘッド31に入力する。これにより補正データ信号ODD3は、フリップフロップ回路FFA1,FFA2,・・・,FFA25、フリップフロップ回路FFB1,FFB2,・・・,FFB25、フリップフロップ回路FFC1,FFC2,・・・,FFC25、及びフリップフロップ回路FFD1,FFD2,・・・,FFD25により構成されるシフトレジスタにシフト入力される。そして補正データのシフト入力が完了した後、印刷制御部3は、B部において3パルス分のストローブ信号HD−STB−PをLEDヘッド31に入力する。そしてセル選択回路151に1パルス目のストローブ信号HD−STB−Pが入力されると、C部においてフリップフロップ回路153の出力端子Qからの出力信号Q1は、ハイレベル信号に遷移する。そして、出力信号Q1がハイレベル信号に遷移すると、D部においてフリップフロップ回路159の出力端子Qからの出力信号Q3もハイレベル信号に遷移する。そして、出力信号Q3がハイレベル信号に遷移してAND回路161に入力されると、E部においてAND回路161から出力されるイネーブル信号E1がハイレベル信号に遷移し、メモリセル回路MEM2に入力される。さらにフリップフロップ回路159の出力端子Qからの出力信号Q3がハイレベル信号に遷移すると、フリップフロップ回路159の出力端子QNからAND回路163に入力される出力信号がローレベル信号に遷移し、F部においてAND回路163から出力されるイネーブル信号E2がローレベル信号に遷移する。これにより、メモリセル回路MEM2は、奇数番目の補正データODD3を格納することができる状態となる。また、AND回路161の出力信号がハイレベル信号に遷移してフリップフロップ回路165,167のクロック端子に入力されると、G部においてフリップフロップ回路167のQ端子からの出力信号Q4がハイレベル信号に遷移する。そして、セル選択回路151に2パルス目のストローブ信号HD−STB−Pが入力されると、H部においてフリップフロップ回路155の出力端子Qからの出力信号Q2がハイレベル信号に遷移する。そして、このときフリップフロップ回路167のQ端子からの出力信号Q4及びフリップフロップ回路165の出力端子QNからの出力信号は、ハイレベル信号として維持されている為、出力信号Q2がハイレベル信号に遷移することによって、I部においてAND回路175から出力される書込み制御信号W3がハイレベル信号に遷移する。そして1パルス目の書込み制御信号W3が入力されると、インバータ143,145に相当するメモリ回路に補正データODD3が格納される。
【0064】
また、印刷制御部3からLEDヘッド31に補正データ信号EVN3が入力された後、J部においてストローブ信号HD−STB−Pが入力されると、K部においてセル選択回路151はイネーブル信号E1,E2を反転させ、偶数番目の補正データEVN3を格納することができる状態となる。そして、LEDヘッド31は、2パルス目のストローブ信号HD−STB−Pに応じて出力信号Q2を遷移させることで、補正データEVN3を格納するメモリ回路に2パルス目の書込み制御信号W3を入力する。そしてこれにより補正データEVN3は、メモリセル回路MEM2のメモリセル回路93に格納される。そして印刷制御部3及びLEDヘッド31は、同様の処理を繰り返すことで、補正データODD2,ODD1,ODD0、及び補正データEVN2,EVN1,EVN0をメモリセル回路MEM2に格納する。
【0065】
そして奇数番目の補正データODD3,ODD2,ODD1,ODD0及び偶数番目の補正データEVN3,EVN2,EVN1,EVN03がメモリセル回路MEM2に格納された後、印刷制御部3はN部においてラッチ信号HD−LOADをローレベル信号に遷移させる。そしてこれによりLEDヘッド31は、印刷データが入力可能な状態となる。
【0066】
次に、印刷制御部3は、O部においてLEDヘッド31に主走査同期信号HD−HSYNC−Nを入力する。これにより、LEDヘッド31は、引き続くデータが奇数番目の印刷データ信号HD−DATA3〜0であることを認識する。
【0067】
そして印刷制御部3は、クロック信号HD−CLKに同期させて印刷データ信号HD−DATA3〜0を順次LEDヘッド31に入力する。具体的には、印刷制御部3は、P部において1ライン目の印刷データのうち、奇数番目のドットに対応する印刷データをLEDヘッド31に入力する。そして、当該印刷データの入力が終了すると、印刷制御部3は、Q部においてラッチ信号HD−LOADをLEDヘッド31に入力する。これにより当該印刷データは、シフトレジスタからラッチ回路LTA1,LTA2,・・・,LTA24、ラッチ回路LTB1,LTB2,・・・,LTB24、ラッチ回路LTC1,LTC2,・・・,LTC24、及びラッチ回路LTD1,LTD2,・・・,LTD24にラッチされる。そしてR部において印刷制御部3は、LEDヘッド31にストローブ信号HD−STB−Nを入力する。そして駆動回路DRVにストローブ信号HD−STB−Nが入力されると、駆動回路DRVは、印刷データに対応するLED素子LED1,LED3,・・・,LED191を、ストローブ信号HD−STB−Nがローレベルを維持している時間だけ駆動させる。そしてプリンタ1は、この様な動作を繰り返し実行することで、潜像画像を形成する。
【0068】
次に、補正データODD3,EVN3がLEDヘッド31に入力される際の具体的なデータ構造について、図15を参照しながら詳細な説明を行う。また、S部及びT部において補正データODD2,EVN2が入力される際のデータ構造については図16を、U部及びV部において補正データODD1、EVN1が入力される際のデータについては図17を、W部及びX部において補正データODD0,EVN0が入力される際のデータ構造については図18をそれぞれ参照しながら詳細な説明を行う。また、図15乃至図18においては説明の便宜上、1チップ分のドライバICを用いて詳細な説明を行う。
【0069】
図15に示す様に、B部において入力端子DATAI3に入力される奇数番目の補正データの先頭には、チップ補正データChip−b3が割り当てられる。一方、J部において入力端子DATAI3に入力される偶数番目の補正データの先頭には、この様なチップ補正データは割り当てられない。これは、ドライバICごとに設定されるチップ補正データは、奇数番目又は偶数番目のデータ転送時の何れか一方において行えば足りるからである。そして、この際、B部において入力端子DATAI1,DATAI0に入力される補正データ列は、25段の構成となる為、入力端子DATAI1,DATAI0に入力される補正データの先頭には、それぞれDummyデータが割り当てられる。一方、J部においては、各入力端子DATAI3〜0に入力されるデータのデータ列は24段の構成となる為、シフトレジスタの構成は、イネーブル信号E2の切り替えにより24段となる。
【0070】
また、入力端子DATAI2に入力される補正データの先頭には、ラッチ素子187に入力されるOEビットが割り当てられる。そして、この様な25段の構成の補正データが入力される際には、セル選択回路151からセレクタ回路63にイネーブル信号E2を入力してシフトレジスタの段数を25段に切り替える。そして、B部において25パルス目のクロック信号HD−CLKがLEDヘッド31に入力されると、前記OEビットはラッチ素子187の入力端子Dに入力される。そしてこのときOEビットに値1が割り当てられているとすると、ラッチ素子187からアナログスイッチ素子291に入力されるOE信号はハイレベル信号となり、アナログスイッチ素子291の両端子間は導通する。そして、アナログスイッチ素子291の両端子間が導通すると、基準電圧発生回路261の基準電圧出力端子VREFから基準電圧VREFが、制御電圧発生回路183及び他のドライバICに供給される。一方、OEビットに値0が割り当てられている場合、ラッチ素子187の出力端子Qから出力されるOE信号はローレベル信号となる。そしてこの場合、アナログスイッチ素子291の両端子間は非導通状態となる。これにより、OEビットに値0が割り当てられた補正データを入力されたドライバICからは、基準電圧VREFが発生しなくなる。そして、当該ドライバICの制御電圧発生回路183には、OEビットに値1が割り当てられた他のドライバICから供給された基準電圧VREFが入力される。この様に、プリンタ1では、補正データのデータ列の先頭にOEビットとして値1又は値0を割り当てることで、自身を含めた何れのドライバICから基準電圧VREFを取得するかを選択することができる。
【0071】
次に、本発明の効果を明確にすべく、LEDヘッドにおいて発生するノイズについて図19を参照しながら詳細な説明を行う。
【0072】
図19は、LED31において、各ドライバICに対してOEビットとして値1を入力し、自身の備える基準電圧発生回路261において発生した基準電圧VREFを用いて制御電圧発生回路183から駆動回路DRVに制御電圧を入力した場合における、各ドライバICの電源VDDに生じるノイズ電圧を示した図である。尚、本図は、各ドライバICの基準電圧出力端子VREFに、図12に示すボンディングワイヤーを接続していない状態におけるノイズ電圧を示す。
【0073】
同図に示す様に、デカップリングコンデンサ323と近接して配置され、接続されたドライバIC1、及びデカップリングコンデンサ325と近接して配置され、接続されたドライバIC26の電源VDDに生じるノイズ電圧は、ドライバIC1とドライバIC26との略中間に配置されたドライバIC13の電源VDDに生じるノイズ電圧と比較して小さいことが判る。これは、各ドライバIC1,IC2,・・・,IC26の電源VDDにおいて生じるノイズ電圧の大きさが、電源端子を収容するコネクタ端子部313との間の距離又はデカップリングコンデンサ323,325との間の距離に応じて増加することに起因する。
【0074】
そして、この様なLEDヘッド31に対して、各ドライバICの基準電圧出力端子VREF間を接続しておき、例えばドライバIC1に対してのみ、OEビットを値1とした補正データを入力し、他のドライバIC2,IC3,・・・,IC26に対しては、OEビットを値0とした補正データを入力することで、最もノイズ電圧が少ないドライバIC1が基準電圧VREFを発生させることができる。そしてドライバIC1で発生した基準電圧VREFは、基準電圧出力端子VREFを介して各ドライバIC2,IC3,・・・,IC26に供給される。
【0075】
そして本発明にかかるプリンタ1では、アナログスイッチ素子291を用いて制御電圧発生回路183に供給される基準電圧VREFの供給元を切り替えることができる為、ノイズ電圧が最も小さいドライバIC1において発生させた基準電圧VREFを、他のドライバIC2,IC3,・・・,IC26の制御電圧発生回路183に供給することで、LEDヘッド31の耐ノイズ性を向上させることができる。そしてこのとき、デカップリングコンデンサ等のノイズ抑制手段を、電源端子を収納するコネクタ端子部313に最も近接したドライバICの近傍に少なくとも1個配置することでかかる効果を得ることができる。またこれにより、各ドライバIC2,IC3,・・・,IC26に対応させてデカップリングコンデンサを配置する必要がなくなり、LEDヘッド31の短手方向の長さL1を、従来技術と比較して短くし、LEDヘッドの小型化を図ることができる。またこれに伴い、使用するデカップリングコンデンサの数を減らすことができる為、LEDヘッド31のコストを削減することができる。
【0076】
また、図11に示した例の如く、配列されたドライバIC1,IC2,・・・,IC26の両端部に、それぞれデカップリングコンデンサ323,325を配置することによって、LEDヘッド31のサイズを大型化することなく、より好適にノイズ電圧を抑制することができる。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第2の実施の形態にかかるプリンタは、上述したプリンタ1と同一の構成を有する箇所がある為、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0078】
第2の実施の形態にかかるプリンタは、プリンタ1の構成に加え、基準電圧発生回路による基準電圧VREFの発生を無効化させる手段を備える。
【0079】
具体的には、図20に示す様に、プリンタが備えるドライバICは、基準電圧発生回路261に代えて、基準電圧発生回路401を備える。
【0080】
基準電圧発生回路401は、図21に示す様に、上述した基準電圧発生回路261の構成に加え、演算増幅器403に接続されたパワーダウン入力端子PDを備える。パワーダウン入力端子PDは、ラッチ素子187の出力端子Qと接続され、ラッチ素子187の出力端子からのOE信号を演算増幅器403に入力する。そして演算増幅器403は、入力されたOE信号に基づいて基準電圧発生回路401における消費電力を低下させる。そしてこの様な演算増幅器403は、入力されたOE信号がローレベル信号である場合、すなわちアナログスイッチ素子291の両端子間を非導通状態とし、基準電圧発生回路401から制御電圧発生回路183に基準電圧VREFを供給しない場合には、基準電圧発生回路401から出力される基準電圧VREFを抑制する。そしてこれにより、基準電圧発生回路401の非動作時における消費電力を低減させることができる。
【0081】
具体的には演算増幅器403は、図22に示す様に、ソース端子が電源VDDと接続され、互いのゲート端子同士が接続されたP型MOSトランジスタ405,407,409を備える。また、演算増幅器403は、ゲート端子が反転入力端子と接続されたP型MOSトランジスタ411と、ゲート端子が非反転入力端子と接続されたP型MOSトランジスタ413とを備える。また、これらP型MOSトランジスタ411,413のソース端子は、P型MOSトランジスタ407のドレーン端子と接続される。そしてP型MOSトランジスタ411のドレーン端子は、ソース端子がグランドと接続されたN型MOSトランジスタ415のドレーン端子と接続される。一方、P型MOSトランジスタ413のドレーン端子は、ソース端子がグランドと接続されたN型MOSトランジスタ417のドレーン端子と接続される。また、N型MOSトランジスタ415とN型MOSトランジスタ417のゲート端子同士は互いに接続されると共に、P型MOSトランジスタ411のドレーン端子と接続される。また、非反転入力端子が接続されたP型MOSトランジスタ413のドレーン端子は、コンデンサ419の一方の端子、及びドレーン端子がコンデンサ419の他方の端子と接続されたN型MOSトランジスタ421と接続される。また、N型MOSトランジスタ421のドレーン端子は、P型MOSトランジスタ409のドレーン端子と接続される。また、P型MOSトランジスタ405のドレーン端子は、パワーダウン入力端子PDから入力されたOE信号に基づいて駆動するP型MOSトランジスタ423のドレーン端子、及び抵抗425の一方の端子と接続される。そして抵抗425の他方の端子は、OE信号に基づいて駆動するN型MOSトランジスタ427のドレーン端子と接続される。また、パワーダウン入力端子PDは、インバータ429の入力端子に接続される。そしてインバータ429の出力端子は、演算増幅器403の出力端子とグランド間に接続されたN型MOSトランジスタ431のゲート端子に接続される。そしてこの様な演算増幅器403においては、P型MOSトランジスタ405には電流I4が流れ、P型MOSトランジスタ407には電流I5が流れ、P型MOSトランジスタ409には電流I6が流れるものとする。
【0082】
この様な演算増幅器403のパワーダウン入力端子PDにOE信号としてハイレベル信号が入力されると、P型MOSトランジスタ423及びN型MOSトランジスタ427のゲート端子には、ハイレベル信号が入力される。そしてこれにより、P型MOSトランジスタ423のソース・ドレーン端子間は非導通状態となり、N型MOSトランジスタ427のソース・ドレーン端子間は導通状態となる。またこのときインバータ429の入力端子にもハイレベル信号が入力される為、N型MOSトランジスタ431のゲート端子にはローレベル信号が入力され、N型MOSトランジスタ431のソース・ドレーン端子間は、非導通状態となる。そしてこれにより、P型MOSトランジスタ405,407,409を流れる電流I4,I5,I6は所定の値を維持してソース・ドレーン端子間を流れる為、演算増幅器403からは基準電圧VREFとして一定の電圧を出力させることができる。
【0083】
一方で、パワーダウン入力端子PDにローレベル信号が入力された場合、P型MOSトランジスタ423のソース・ドレーン端子間は導通状態となり、N型MOSトランジスタ427のソース・ドレーン端子間は非導通状態となる。そしてこれにより、P型MOSトランジスタ407,409のソース・ドレーン端子間の電圧は略0Vになる為、電流I5,I6は略0Aとなる。また、N型MOSトランジスタ427のソース・ドレーン端子間が非導通状態となると、電流I4も略0Aとなる。そしてこのときN型MOSトランジスタ431のソース・ドレーン端子間が導通状態となる為、演算増幅器403の出力端子から出力される基準電圧VREFは0Vとなる。この様に、演算増幅器403は、アナログスイッチ素子291を駆動するOE信号に応じて、アナログスイッチ素子291の動作に合せて消費電流を低減させることができる。
【0084】
この様に、第2の実施の形態によれば、上述したプリンタ1の効果に加え、基準電圧VREFを制御電圧発生回路183供給する必要の無いドライバICの基準電圧発生回路401をパワーダウン状態に移行させることができる。そしてこれにより、省エネルギー性に優れたドライバIC、LEDヘッド、及びプリンタを提供することができる。
【0085】
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第3の実施の形態にかかるプリンタは、上述した第2の実施の形態にかかるプリンタと同一の構成を有する箇所がある為、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0086】
第3の実施の形態にかかるプリンタは、第2の実施の形態にかかるプリンタの構成に加え、図23に示す様に、ノイズ電圧が発生する前の状態で基準電圧Vref0を発生させて保持し、保持した電圧を基準電圧VREFとして制御電圧発生回路に供給する基準電圧発生回路501を備える。そして基準電圧発生回路501には、入力端子SHを介して入力されたラッチ信号LOAD−Pに基づいて保持した基準電圧VREFを制御電圧発生回路183に入力する。
【0087】
基準電圧発生回路501は、図24に示す様に、演算増幅器503と、入力端子SHと接続されたアナログスイッチ素子505と、演算増幅器507と、コンデンサ509とを備える。この様な基準電圧発生回路501は、演算増幅器503から出力された基準電圧VREFをコンデンサ509に保持させる。そして、アナログスイッチ素子505にラッチ信号LOAD−P及びOE信号が入力されると、コンデンサ509に保持された基準電圧VREFを出力する。
【0088】
具体的には、演算増幅器503の出力端子は、自身の反転入力端子の他に、アナログスイッチ素子505の一方の端子と接続される。この様な演算増幅器503は、上述した演算増幅器403と同一の構成を備え、入力されたOE信号に基づいて駆動する。そして演算増幅器503の出力結果は、アナログスイッチ素子505に入力される。
【0089】
アナログスイッチ素子505は、ラッチ信号LOAD−Pが入力される入力端子SHと接続される。また、アナログスイッチ素子505の他方の端子は、コンデンサ509と接続される。そして、アナログスイッチ素子505の両端子間が導通状態にあるときは、演算増幅器503の出力電圧は、コンデンサ509に保持される。また、コンデンサ509は、演算増幅器507の非反転入力端子と接続される。
【0090】
演算増幅器507は、演算増幅器403と同様にボルテージフォロワ回路を構成すると共に、演算増幅器403と同一の構成を備える。そして演算増幅器507は、OE信号が入力された際に、コンデンサ509に保持された基準電圧Vref0を基準電圧VREFとして出力端子から出力し、制御電圧発生回路183に供給する。
【0091】
コンデンサ509は、半導体製造プロセスを用いてドライバIC内に作成されたものであってもよく、また、コンデンサ509自体を個別部品として設け、その接続ノードをドライバIC内に設けられた電極パッドと接続する構成としても良い。そして、コンデンサ509を個別部品としてドライバICに対して外付けすることで、半導体製造プロセス時に発生する容量の制約を受けることを防止することができる。そして、コンデンサの容量を一定量以上とすることで、ドライバICにノイズ電圧が発生した場合においても出力電圧を安定して保つことが可能となる。
【0092】
この様な基準電圧発生回路501において、OE信号がハイレベルの状態にあるときに入力端子SHにハイレベル信号が入力されると、アナログスイッチ素子505の両端子間は導通状態となる。そして、抵抗279の一端に生じた基準電圧Vref0は、演算増幅器503から出力され、アナログスイッチ素子505を介してコンデンサ509に供給される。そして、コンデンサは、供給された基準電圧Vref0により充電される。そして、コンデンサ509の出力電圧は、演算増幅器507に供給される。そしてラッチ信号LOAD−Pが入力端子SHに入力されている間は、コンデンサ509に基準電圧Vref0が印加され続け、コンデンサ509の電位は追従される。
【0093】
一方、入力端子SHにローレベル信号が入力されると、アナログスイッチ素子505の両端子間は非導通状態となる。そしてこれにより、基準電圧Vref0は、演算増幅器503以降の回路には供給されない。そしてこのときコンデンサ509は、アナログスイッチ素子505が非導通状態となる直前に充電された基準電圧Vref0に相当する電荷を保持している状態となる。そしてかかる基準電圧Vref0は、演算増幅器507によって構成されるボルテージフォロワ回路に入力され、基準電圧発生回路501は、基準電圧VREFを制御電圧発生回路183に供給する。
【0094】
図25に示す様に、VDD電源におけるノイズ電圧は、クロック信号HD−CLKによってシフトレジスタを駆動させている際、すなわちAA部に示す印刷データ信号HD−DATA3〜0のシフト時に生じる。そして印刷データ信号HD−DATA3〜0のシフト時に基準電圧VREFを発生させようとすると、必然的に該電圧にもノイズ電圧が発生してしまう。
【0095】
一方、基準電圧発生回路501を使用した場合、基準電圧発生回路501から制御電圧発生回路183に基準電圧VREFが供給されるタイミングは、印刷データ信号HD−DATA3〜0の転送後の、印刷データ信号HD−DATA3〜0のラッチ時である。すなわち、印刷データ信号HD−DATA3〜0がシフトレジスタに格納されると、印刷制御部3は、クロック信号HD−CLKが停止し、AB部に示す様に印刷データ信号HD−DATA3〜0をラッチする為のラッチ信号LOAD−Pを発生させる。そして基準電圧発生回路501は、かかるタイミングで入力端子SHに入力されたラッチ信号LOAD−Pに基づいて、基準電圧VREFを制御電圧発生回路183に入力する。そしてこのタイミングでは、クロック信号HD−CLKが停止していることに起因してドライバIC内部においてデータ伝達が行われておらず、AC部に示す様に演算増幅器507に入力される基準電圧Vref0にはノイズ電圧が生じていない。
【0096】
また、基準電圧発生回路501では、基準電圧Vref0の発生時点と、基準電圧VREFの発生時点とにおいて一定の時間間隔が生じるが、かかる間隔はごく僅かであり、さらに、NPNトランジスタ273,277において検出されるドライバICの温度はAD部に示す様に検出しなおされて修正される為、基準電圧VREFに与える影響は少ない。さらにコンデンサ509に充電される電荷は、リーク電流によってゆっくりと放電することになるが、放電時定数は、印刷データ信号HD−DATA3〜0の転送周期と比較すると十分に大きいため、かかる電位の変動によって制御電圧の発生に与える影響は少ない。
【0097】
この様に、第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態の効果に加え、ノイズ電圧の少ない時点でチップ温度を検出して、その値を保持することとしているので、ノイズ電圧による影響をさらに低減させることができる。
【0098】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、各構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0099】
特に、上述の実施の形態においては、駆動回路として電子写真方式のプリンタのLED素子LED1,LED2,・・・,LED192の駆動回路を例に挙げ、また、駆動装置としてLEDヘッドを例に挙げて詳細な説明を行った。しかし、本発明の目的とするところは、複数のICを接続して当該IC間でデータ転送を行う際のノイズ電圧を低減する点にあるところから、例えばサーマルプリンタにおける発熱抵抗体や、液晶パネル等の表示装置に用いられる種々の駆動回路又は駆動装置について適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】第1の実施の形態にかかるプリンタのブロック図である。
【図2】同プリンタが備えるLEDヘッドのブロック図である。
【図3】同LEDヘッドが備えるドライバICの回路図である。
【図4】同ドライバICが備えるメモリセル回路の回路図である。
【図5】同ドライバICが備えるセル選択回路の回路図である。
【図6】同ドライバICが備えるマルチプレクサ回路の回路図である。
【図7】同ドライバICが備える制御回路の回路図である。
【図8】同ドライバICが備える駆動回路の回路図である。
【図9】同ドライバICが備える基準電圧発生回路の回路図である。
【図10】同ドライバICが備える制御電圧発生回路の回路図である。
【図11】同LEDヘッドの平面図である。
【図12】同LEDヘッドの要部を拡大した平面図である。
【図13】同LEDヘッドの立面図である。
【図14】同プリンタの動作を示すタイムチャートである。
【図15】同タイムチャートの要部を拡大したタイムチャートである。
【図16】同タイムチャートの要部を拡大したタイムチャートである。
【図17】同タイムチャートの要部を拡大したタイムチャートである。
【図18】同タイムチャートの要部を拡大したタイムチャートである。
【図19】同プリンタの動作とノイズの発生を示すタイムチャートである。
【図20】第2の実施の形態にかかるLEDヘッドの回路図である。
【図21】同LEDヘッドが備える基準電圧発生回路の回路図である。
【図22】同基準電圧発生回路が備える演算増幅器の回路図である。
【図23】第3の実施の形態にかかるLEDヘッドの回路図である。
【図24】同LEDヘッドが備える基準電圧発生回路の回路図である。
【図25】第3の実施の形態にかかるプリンタの動作とノイズの発生を示すタイムチャートである。
【図26】従来用いられていたLEDヘッドの平面図である。
【符号の説明】
【0101】
1 プリンタ
3 印刷制御部
31 LEDヘッド
51,53 パワーMOSトランジスタ
61,65,67,69 ディレイ回路
63 セレクタ回路
91,93 メモリセル回路
151 セル選択回路
181 メモリ回路
183 制御電圧発生回路
261 基準電圧発生回路
303 マルチプレクサ回路
311 プリント配線基板
313 コネクタ端子部
317 プリント配線
323,325 デカップリングコンデンサ
331 マルチプレクサ回路
401 基準電圧発生回路
501 基準電圧発生回路
605,607,・・・,657 デカップリングコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基板上に配列された複数の被駆動回路に対応して形成された複数の駆動回路を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、
前記被駆動回路を駆動する駆動制御部と、
前記被駆動回路の温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、
前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧に基づいて前記被駆動回路を駆動させる為の制御電圧を発生させて前記駆動制御部に供給する制御電圧発生部と、
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、
入力された制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、
前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して他の前記駆動回路が備える前記基準電圧発生部と接続されたこと
を特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記基板上に形成され前記複数の駆動回路が備える前記基準電圧発生部と外部電源とを接続するコネクタ部と、
前記複数の駆動回路のうち前記コネクタ部と最も近接して前記基板上に配置された駆動回路と接続されたノイズ電圧抑制部とを備えること
を特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記基板は略長方形に形成されており、
前記複数の駆動回路は、前記基板の長手方向に沿って配列され、
前記コネクタ部は、前記配列された複数の駆動回路により形成されるアレイの一方の端部近傍に形成され、
前記ノイズ電圧抑制部は、前記アレイの一方の端部に配置された前記駆動回路と接続されたこと
を特徴とする請求項2記載の駆動装置。
【請求項4】
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間が非導通状態にあるときに前記基準電圧発生部における消費電力を低下させる消費電力低減部を備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの項記載の駆動装置。
【請求項5】
ノイズ電圧が発生していないタイミングで前記基準電圧発生部において発生した基準電圧を保持する基準電圧保持部を備え、
前記制御電圧発生部は、前記基準電圧保持部に保持された前記基準電圧に基づいて前記制御電圧を発生させること
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの項記載の駆動装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、ノイズ電圧が発生していないタイミングで前記基準電圧発生部において発生した基準電圧を保持する基準電圧保持部を備え、
前記制御電圧発生部は、前記基準電圧保持部に保持された前記基準電圧に基づいて前記制御電圧を発生させること
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの項記載の駆動装置。
【請求項7】
被駆動素子を駆動する駆動制御部と、
前記駆動制御部に前記被駆動素子を駆動すべき旨又は停止すべき旨の指令を供給する駆動指令供給部と、
前記被駆動素子の温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、
前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧又は外部から供給された基準電圧に基づいて前記被駆動素子を駆動させる為の制御電圧を発生させて前記素子駆動部に供給する制御電圧発生部と、
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、
入力された制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、
前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して前記外部から供給された基準電圧の供給元と接続されたこと
を特徴とする駆動回路。
【請求項8】
所定の基板上に配列された複数のLEDアレイに対応して形成された複数の駆動回路を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、
前記LEDアレイを駆動する駆動制御部と、
前記LEDアレイの温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、
前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧で発生した基準電圧に基づいて前記LEDアレイを駆動させる為の制御電圧を発生させて前記駆動制御部に供給する制御電圧発生部と、
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、
入力された制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、
前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して他の前記駆動回路が備える前記基準電圧発生部と接続されたこと
を特徴とするLEDヘッド。
【請求項9】
所定の基板上に配列された複数のLEDアレイに対応して形成された複数の駆動回路を有するLEDヘッドと、
前記駆動回路に印刷データ信号を入力する印刷制御部とを備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、
前記LEDアレイを駆動する駆動制御部と、
前記LEDアレイの温度に応じた基準電圧を発生させる基準電圧発生部と、
前記基準電圧発生部から供給された前記基準電圧で発生した基準電圧に基づいて前記LEDアレイを駆動させる為の制御電圧を発生させて前記駆動制御部に供給する制御電圧発生部と、
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部との間に形成されたスイッチ素子と、
前記制御電圧発生部と前記基準電圧発生部とを導通させる制御信号に基づき前記スイッチ素子を駆動するスイッチ制御部とを備え、
前記制御電圧発生部は、前記スイッチ素子を介して他の前記駆動回路が備える前記基準電圧発生部と接続され、
前記印刷制御部は、前記複数の駆動回路の少なくとも1つの駆動回路の前記スイッチ制御部に対して前記制御信号を入力すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記LEDヘッドは、
前記基板上に形成され前記複数の駆動回路が備える前記基準電圧発生部と外部電源とを接続するコネクタ部と、
前記複数の駆動回路のうち前記コネクタ部と最も近接して前記基板上に配置された駆動回路と接続されたノイズ電圧抑制部とを備え
前記印刷制御部は、前記ノイズ電圧制御部と接続された前記駆動回路の前記スイッチ制御部に対して前記制御信号を入力すること
を特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御信号は、前記LEDアレイを構成するLED素子の光量を補正する補正データ信号のデータ列に割り当てられたこと
を特徴とする請求項9記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−72991(P2009−72991A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243255(P2007−243255)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】