説明

駐車案内システム

【課題】駐車場内の駐車し易い空き駐車スペースに案内する駐車案内システムを提供することを課題とする。
【解決手段】駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを案内する駐車案内システム1であって、駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを検出する検出手段20,22と、検出手段20,22で空き駐車スペースを検出した場合、当該空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースでの車両の動きを判断する判断手段20,22,34とを備え、判断手段20,22,34で空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがあると判断した場合、当該空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースに案内する駐車案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
混雑する駐車場では、大規模になるほど、空き駐車スペースを探すのが困難である。そこで、駐車場内に進入した車両に対して空き駐車スペースを案内するシステムが開発されている。例えば、特許文献1に記載の駐車場内ナビゲーションシステムでは、駐車車両が発車するという情報及びその車両(又は駐車スペース)の位置情報を空き駐車スペースを探している車両に送信し、その情報を受信した車両側で車両が発進した後の空き駐車スペースまで案内する。
【特許文献1】特開2006−209429号公報
【特許文献2】特開平9−171594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記システムによって駐車案内された空き駐車スペースに隣接する駐車スペースに駐車している車両の乗員が降車あるいは乗車している場合、その車両のドアが開閉したり、その車両の周囲に乗員が存在する。そのため、空き駐車スペースに駐車案内された車両は、駐車し難くなり、状況によっては降車や乗車が終わるまで駐車できないこともある。特に、駐車が苦手のドライバにとっては、隣接する駐車スペースに人がいたり、車両のドアが開いていると、非常に煩わしいく、駐車に時間を要する。
【0004】
そこで、本発明は、駐車場内の駐車し易い空き駐車スペースに案内する駐車案内システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る駐車案内システムは、駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを案内する駐車案内システムであって、駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを検出する検出手段と、検出手段で空き駐車スペースを検出した場合、当該空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースでの車両の動きを判断する判断手段とを備え、判断手段で空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがあると判断した場合、当該空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げることを特徴とする。
【0006】
この駐車案内システムでは、検出手段により駐車場内の空き駐車スペースを検出する。空き駐車スペースを検出すると、駐車案内システムでは、判断手段によりその空き駐車スペースに隣接する左側及び/又は右側の駐車スペースでの車両の動きを判断する。空き駐車スペースに隣接する駐車スペースに駐車している車両で乗降中あるいはその駐車スペースで車両が発進中や駐車中などの車両に動きがある場合、その空き駐車スペースへの駐車は難しい状況になる。そこで駐車案内システムでは、空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがある場合にはその空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げる。これによって、この駐車案内システムでは、駐車が難しい状況にある空き駐車スペースよりも駐車し易い状況にある空き駐車スペースを優先して駐車案内することができ、駐車案内されたドライバはスムーズに車両を駐車させることができる。
【0007】
なお、車両の動きは、車両の動き(発進動作、駐車動作、ドアの開閉、ドアミラーの動き、ライトの消灯や点灯など)の他にその車両の乗員の動き(乗員の乗降、乗員の車両への接近、車両内の座席に座っているなど)も含み、また、現在の動きの他に予測される将来的な動きも含む。
【0008】
本発明の上記駐車案内システムでは、判断手段で空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがあると判断した場合、当該空き駐車スペースへの駐車案内を中止する構成としてもよい。これによって、駐車が難しい状況にある空き駐車スペースへ駐車案内することがなくなり、常時、駐車し易い駐車スペースへ駐車案内できる。
【0009】
本発明の上記駐車案内システムでは、判断手段で判断する車両の動きは、空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースに駐車している車両への乗降であると好適である。空き駐車スペースに隣接する駐車スペースに駐車している車両の乗員が乗車や降車している場合、ドアの開閉や車外の人の存在などによって最も駐車し難い状況になるので、その空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げる必要がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、空き駐車スペースに隣接している駐車スペースで車両の動きがある場合にはその空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げることにより、駐車し易い空き駐車スペースを優先して駐車案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る駐車案内システムの実施の形態を説明する。
【0012】
本実施の形態では、本発明に係る駐車案内システムを、駐車場の情報提供装置と車両に搭載される駐車案内装置とからなる駐車案内システムに適用する。本実施の形態に係る情報提供装置は、駐車場内の空き駐車スペースへの駐車案内に必要な情報を検知し、その各種情報を駐車案内装置に提供する。本実施の形態に係る駐車案内装置は、情報提供装置から各種情報を取得し、その各種情報に基づいて駐車場内の空き駐車スペースへ駐車案内する。
【0013】
図1を参照して、本実施の形態に係る駐車案内システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る駐車案内システムの構成図である。
【0014】
駐車案内システム1は、駐車場の情報提供装置2と各車両の駐車案内装置3との間で通信可能であり、情報提供装置2で検知した情報に基づいて駐車案内装置3によって車両のドライバに空き駐車スペースを案内する。特に、駐車案内システム1では、駐車場内の空き駐車スペースの中で駐車し易い空き駐車スペースを優先して案内する。なお、駐車スペースは、駐車場内における1台の車両を駐車するために確保されたスペースである。
【0015】
情報提供装置2について説明する。情報提供装置2は、駐車場内の空き駐車スペース及び各空き駐車スペースに隣接する駐車スペースにおける車両での乗降に関する情報を検知し、それらの検知した情報及び駐車場の配置情報を駐車場内に進入した車両の駐車案内装置3に提供する。そのために、情報提供装置2は、カメラ20、通信装置21、処理装置22を備えている。
【0016】
カメラ20は、駐車場内に設置され、1台又は複数台のカメラからなる。カメラ20の個数については、駐車場の大きさや形状(立体駐車場、平面駐車場など)、カメラの性能、カメラの設置可能な場所などを考慮して決定される。各カメラ20では、駐車場内の割り当てられた領域を撮像し、その撮像画像を処理装置22に送信する。
【0017】
通信装置21は、各種情報を送受信する無線の通信装置であり、アンテナ、送信部、受信部を備えている。通信装置21では、アンテナで各種信号を送受信する。送信する場合、通信装置21では、送信部で送信データを変調し、送信信号をアンテナから送信する。受信する場合、通信装置21では、アンテナで受信信号を受信し、受信部で受信信号を復調して受信データを取り出す。特に、通信装置21では、処理装置22からの各種情報を変調し、その各種情報を送信信号として駐車場内に進入した車両の駐車案内装置3に送信する。なお、通信装置21は、送信機能だけを有する通信装置でもよい。
【0018】
処理装置22は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなり、情報提供装置2を統括制御する電子制御ユニットである。処理装置22では、各カメラ20から撮像画像を受信し、その撮像画像から駐車場内の空き駐車スペースに関する情報及び各空き駐車スペースに隣接する駐車スペースにおける駐車車両での乗降に関する情報を検知する。そして、処理装置22では、検知した各種情報を通信装置21に送信する。また、処理装置22では、駐車場の配置情報を通信装置21に送信する。配置情報は、駐車場内の車両の走行路の情報、駐車スペースの位置情報、出口の情報、入口の情報などである。
【0019】
各種情報の検知方法を具体的に説明する。処理装置22では、各カメラ20からの撮像画像に基づいて、駐車場内の全ての駐車スペースの中から車両が駐車されていない空き駐車スペースを検知し、検知した各空き駐車スペースの位置情報(緯度経度、駐車場内での基準点からの相対的な位置など)を検出する。
【0020】
複数の空き駐車スペースを検知できた場合、処理装置22では、空き駐車スペース毎に、各カメラ20からの撮像画像に基づいて、空き駐車スペースに隣接する左右の各駐車スペースにおける車両への乗降に関する情報を検知する。乗降に関する情報としては、その駐車スペースに駐車しているあるいは駐車しようとしている車両の有無、車両が存在している場合にはその駐車スペース付近における人の有無、車両内の人の有無(空き駐車スペース側の席のみの人のみを対象としてもよい)、車両のドアが開いている否か(僅かでも開いていれば開いていると判断)などである。特に、ドアの開情報は、現在の乗降に関する情報となる。駐車スペース付近における人の存在や車両内の人の存在情報は、将来の乗降に関する情報となる。なお、将来の乗降に関する情報を取得できる他の手段を備えている場合、その手段も利用して乗降に関する情報を検知するとよい。
【0021】
駐車案内装置3について説明する。駐車案内装置3は、情報提供装置2から駐車場内の空き駐車スペースに関する情報、各空き駐車スペースに隣接する駐車スペースにおける車両の乗降に関する情報及び駐車場内の配置情報を取得し、それらの情報に基づいて駐車し易い空き駐車スペースに案内する。そのために、駐車案内装置3は、通信装置30、GPS[Global Positioning System]受信機31、スピーカ32、ディスプレイ33及びECU[Electronic Control Unit]34を備えている。
【0022】
なお、本実施の形態では、情報提供装置2のカメラ20と処理装置22が特許請求の範囲に記載する検出手段に相当し、情報提供装置2のカメラ20と処理装置22及び駐車案内装置3のECU34が特許請求の範囲に記載する判断手段に相当する。
【0023】
通信装置30は、上記の通信装置21と同様の通信装置である。特に、通信装置30では、車両が駐車場内に進入すると、情報提供装置2から送信された送信信号を受信し、その送信信号を復調して、その復調した情報をECU34に送信する。なお、通信装置30は、受信機能だけを有する通信装置でもよい。
【0024】
GPS受信機31は、GPSアンテナや処理装置などを備えており、自車両の現在位置などを推定する。GPS受信機31では、GPSアンテナでGPS衛星からのGPS信号を受信する。そして、GPS受信機31では、処理装置でそのGPS信号を復調し、その復調された各GPS衛星の位置データに基づいて自車両の現在位置(緯度、経度)などを算出する。そして、GPS受信機31では、自車両の現在位置情報などをECU34に送信する。ちなみに、現在位置を算出するためには3つ以上のGPS衛星の位置データが必要となるで、GPS受信機31では、異なる3つ以上のGPS衛星からのGPS信号をそれぞれ受信している。なお、車両にナビゲーションシステムが搭載される場合、ナビゲーションシステムのGPS受信機を共有するか、あるいは、ナビゲーションシステムから現在位置を取得する。
【0025】
スピーカ32、ディスプレイ33は、車両に搭載されている他のシステムと共有して使用するスピーカとディスプレイである。特に、スピーカ32とディスプレイ33は、駐車案内装置3における駐車場案内に利用される。スピーカ32では、ECU34から音声信号を受信すると、その音声信号に応じて音声を出力する。ディスプレイ33では、ECU34から画像信号を受信すると、その画像信号に応じた表示画像を表示する。なお、ディスプレイが搭載されていない車両の場合、スピーカからの音声案内だけでもよい。
【0026】
ECU34は、CPU、ROM、RAMなどからなり、駐車案内装置3を統括制御する電子制御ユニットである。ECU34では、通信装置30で受信した情報提供装置2の各種情報を取得するとともに、GPS受信機31で検知した現在位置情報を取得する。そして、ECU34では、情報提供装置2からの各種情報に基づいて空き駐車スペースの案内の優先度を決定し、最も優先度の高い空き駐車スペースへスピーカ32とディスプレイ33を用いて案内する。
【0027】
ECU34での処理をより具体的に説明する。ECU34では、情報提供装置2からの空き駐車スペースに関する情報に基づいて、駐車場内に空き駐車スペースが複数存在するか否かを判定する。空き駐車スペースが1つの場合、ECU34では、その空き駐車スペースに対して最も高い優先度を付与する。
【0028】
空き駐車スペースが複数の場合、ECU34では、GPS受信機31からの自車両の現在位置情報及び情報提供装置2からの各空き駐車スペースの位置情報と駐車場の配置情報に基づいて、空き駐車スペース毎に自車両から空き駐車スペースまでの距離(直線距離、駐車場内の走行路に沿った空き駐車スペースまでの予想走行距離など)を算出する。そして、ECU34では、空き駐車スペースまでの距離に基づいて各空き駐車スペースに対して優先度を付与する。この優先度の付与では、例えば、距離が近いほど高い優先度を付与する。空き駐車スペースまでの距離以外にも、他のパラメータを用いて優先度を付与してもよい。ちなみに、車両が存在する駐車スペースに対しては、最も低い優先度が付与される。
【0029】
さらに、ECU34では、情報提供装置2からの空き駐車スペースに隣接する駐車スペースでの車両の乗降に関する情報に基づいて、空き駐車スペース毎に、設定時間以内に空き駐車スペースに隣接する駐車スペースで乗降が発生しそうな車両が存在するか否かを判定する。設定時間は、現在位置での自車両が空き駐車スペースでの駐車を完了するまでに要する予想時間であり、自車両が現在位置から空き駐車スペースに到達するまでに要する予想時間(空き駐車スペースまでの距離に応じた可変値など)と自車両がその空き駐車スペースに駐車するために要する時間(予め決められた一定値、ドライバに応じた可変値など)を加算した値である。
【0030】
つまり、自車両が案内された空き駐車スペースへの駐車が完了するまでに、その空き駐車スペースに隣接する駐車スペースで車両への乗降がある否かを判定する。特に、自車両が空き駐車スペースに到着し、駐車動作に移行後に、その駐車動作を阻害すると予想される乗降のみを考慮そればよい。なお、隣接する駐車スペースにおける車両での乗降の開始時間を予測するための情報(ワイヤレスキーのドアアンロック操作、スマートキーの電力検知、駐車車両の乗員の移動情報)を取得できる場合、その乗降の開始時間も考慮して判定するとよい。
【0031】
設定時間以内に隣接する駐車スペースに乗降が発生しそうな車両が存在する場合、ECU34では、その空き駐車スペースに対する優先度を下げる。例えば、優先度が1(最も低い優先度),・・・,10(最も高い優先度)の10段階の場合、3〜5段階程度下げる。
【0032】
なお、優先度を一律に下げるのではなく、各種条件に応じて段階的に下げるようにしてもよい。例えば、乗車中であるが、短時間後に発進する場合(隣接する駐車スペースがもうすぐ空く場合)、優先度を下げる度合いを通常より少なくする。また、空きスペースに対して左側又は右側の駐車スペースだけに乗降が発生しそうな車両が存在する場合と両側の駐車スペースに乗降が発生しそうな車両が存在する場合とで優先度を下げる度合いを変え、両側の駐車スペースに乗降が発生しそうな車両が存在する場合には優先度をより下げる。また、隣接する駐車スペースにおける車両内に乗員が存在する際に空き駐車スペース側の席に乗員が座っている場合と空き駐車スペースとは反対側に座っている場合とで優先度を下げる度合いを変え、空き駐車スペースとは反対側に座っている場合には優先度を下げる度合いを通常より少なくするかあるいは優先度を下げない。また、隣接する駐車スペースにおける車両のドアが開いている場合、車両内に乗員が存在する場合、車両の近傍に人がいる場合、人がいないが車両への乗車が予測される場合など、状況に応じて優先度を段階的に下げる。
【0033】
また、自車両のドライバの特性を勘案して段階的に下げるようにしてもよい。例えば、駐車の苦手なドライバなどが何度も切り返して駐車する様子を人に見られるのが嫌なドライバの場合、車両内に乗員が存在する場合だけで、車両のドアが開いている場合(車両の乗降がある場合)と同程度に優先度を下げる。
【0034】
逆に、各種条件に応じて優先度を上げるようにしてもよい。例えば、現在駐車しているが短時間後に発進して駐車スペースが空く場合にはその駐車スペースに対する優先度を最も低い優先度から上げる。
【0035】
最終的な優先度を決定すると、ECU34では、全ての空き駐車スペースの中から最も優先度の高い空き駐車スペースを選択する(空き駐車スペースが1つの場合にはその空き駐車スペースを無条件に選択)。そして、ECU34では、情報提供装置2からのその選択された空き駐車スペースについての位置情報と駐車場の配置情報(特に、走行路の情報)及びGPS受信機31からの現在位置情報を用いて、自車両の現在位置からその選択された空き駐車スペースまでの案内経路を算出する。さらに、ECU34では、GPS受信機31からの現在位置に応じて、案内経路に沿って走行するために必要な音声と表示画像を生成し、その音声を出力するための音声信号をスピーカ32に送信するとともにその表示画像を表示するための画像信号をディスプレイ33に送信する。
【0036】
図1を参照して、駐車案内システム1における動作について説明する。特に、情報提供装置2における動作については図2のフローチャートに沿って説明し、駐車案内装置3における動作については図3のフローチャートに沿って説明する。図2は、図1の情報提供装置における動作の流れを示すフローチャートである。図3は、図1の駐車案内装置における動作の流れを示すフローチャートである。
【0037】
駐車場の情報提供装置2では、一定時間毎に、各カメラ20で駐車場内の割り当てられた領域を撮像し、撮像画像を取得する(S10)。
【0038】
情報提供装置2の処理装置22では、一定時間毎に、各カメラ20の撮像画像から、駐車場内の空き駐車スペースを検知する(S11)。そして、処理装置22では、空き駐車スペースが複数存在するか否かを判定する(S12)。S12に空き駐車スペースが複数存在すると判定した場合、処理装置22では、各カメラ20の撮像画像から、各空き駐車スペースの隣接する左右両側の駐車スペースの車両への乗降に関する情報をそれぞれ検知する(S13)。
【0039】
そして、情報提供装置2では、一定時間毎に、通信装置21により空き駐車スペース情報、乗降情報及び駐車場の配置情報を送信する(S14)。
【0040】
自車両が駐車場内に進入すると、駐車案内装置3では、一定時間毎に、通信装置30により情報提供装置2から空き駐車スペース情報、乗降情報及び駐車場の配置情報を受信する(S20)。また、駐車案内装置3では、一定時間毎に、GPS受信機31でGPS衛星からのGPS信号を受信し、3つ以上のGPS衛星のGPS信号に基づいて自車両の現在位置などを算出する。
【0041】
駐車案内装置3のECU34では、一定時間毎に、情報提供装置2からの空き駐車スペース情報から空き駐車スペースが複数存在するか否かを判定する(S21)。S21にて空き駐車スペースが1つだけ存在すると判定した場合、ECU34では、その空き駐車スペースに対して最も高い優先度を付与する。なお、S21にて空き駐車スペースが存在しないと判定した場合、ECU34では、今回の処理を終了し、情報提供装置2からの次回の情報の送信を待つ。この際、自車両は、空き駐車スペースがないため、駐車場の入口付近での待ち状態となる。
【0042】
S21にて空き駐車スペースが複数存在すると判定した場合、ECU34では、GPS受信機31からの自車両の現在位置情報及び情報提供装置2からの各空き駐車スペースの位置情報と駐車場の配置情報から、自車両から各空き駐車スペースまでの距離をそれぞれを算出する(S22)。そして、ECU34では、各空き駐車スペースまでの距離に基づいて各空き駐車スペースに対して優先度をそれぞれ付与する(S23)。
【0043】
ECU34では、空き駐車スペース毎に、設定時間以内に空き駐車スペースに隣接する左右両側の駐車スペースに乗降しそうな車両が存在するか否かを判定する(S24)。S24にて乗降しそうな車両が存在すると判定した場合、ECU34では、隣接した駐車スペースに乗降しそうな車両が存在する空き駐車スペースの優先度をS23で付与した優先度から下げる(S25)。なお、S24にて乗降しそうな車両が存在しないと判定した場合、その空き駐車スペースについての優先度はS23で付与された優先度が維持される。
【0044】
全ての空き駐車スペースについての優先度の補正が終了した場合あるいはS21にて空き駐車スペースが1つと判定した場合、ECU34では、最も優先度の高い空き駐車スペースを選択する(S26)。そして、ECU34では、情報提供装置2からの空き駐車スペースの位置情報と駐車場の走行路の情報及びGPS受信機31からの現在位置情報を用いて、その選択された空き駐車スペースまで案内するための音声と表示画像を生成し、音声信号をスピーカ32に送信するとともに画像信号をディスプレイ33に送信する(S26)。この音声信号を受信すると、スピーカ32では、音声信号に従って空き駐車スペースまで案内するための音声を発生する(S26)。また、画像信号を受信すると、ディスプレイ33では、画像信号に従って空き駐車スペースまで案内するための案内画像を表示する(S26)。
【0045】
ドライバは、この音声や案内画像に従って、空き駐車スペースまで車両を走行させる。空き駐車スペースに到着すると、空き駐車スペースに隣接する駐車スペースには車両が駐車していないかあるいは車両が駐車していても乗降中でない。そのため、ドライバは、その空き駐車スペースに車両をスムーズに駐車させることができる。
【0046】
この駐車案内システム1によれば、空き駐車スペースに隣接する駐車スペースに乗降が発生しそうな車両が存在する場合にはその空き駐車スペースに対する駐車案内の優先度を下げるので、駐車し易い状況にある空き駐車スペースを優先して駐車案内することができ、駐車案内されたドライバはスムーズに車両を駐車させることができる。
【0047】
この駐車案内システム1では、空き駐車スペースに対して各種条件に従って優先度を付与することにより、そのときの状況において最適な空き駐車スペースに案内することができる。
【0048】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0049】
例えば、本実施の形態では駐車場の情報提供装置と車両に搭載される駐車案内装置とからなる駐車案内システムに適用したが、駐車案内システムの構成としてはどのような構成としてもよく、例えば、駐車場の装置だけで車両への駐車案内まで行う構成としてもよいし、駐車する車両自体で各種情報を取得する構成としてもよいし、空き駐車スペースの左右のスペースに駐車又は駐車しようとしている車両から車車間通信で各種情報を直接取得する構成としてもよいし、駐車場内の他の車両から車車間通信で各種情報を取得する構成としてもよいし、駐車場内の歩行者から歩車間通信で各種情報を取得する構成としてもよい。駐車する車両が空き駐車スペースに近づくことにより、その車両自体で駐車スペース付近の有人検知、車両のドア開検知、車両内の有人検知なども行うことができる。
【0050】
また、本実施の形態ではカメラによる撮像画像に基づいて駐車場内の空き駐車スペースを検知する構成としたが、空き駐車スペースの検知についてどのような手段を用いてもよく、例えば、レーザを用いた検知としてもよい。
【0051】
また、本実施の形態ではカメラによる撮像画像に基づいて空き駐車スペースの左右両側の駐車スペースでの車両の検知、その車両のドアの開検知、その車両内の有人検知、左右両側の駐車スペースに駐車しようとしている車両の検知、左右両側付近での有人検知などによって、空き駐車スペースに隣接する駐車スペースにおける車両での乗降に関する情報を検知する構成としたが、乗降に関する情報についてはどのような手段で検知してもよく、例えば、レーダなどを用いた検知、ワイヤレスキーなどによるドアアンロック操作の検知(この場合、まもなく乗り込みためのドア開発生)、スマートキーの電力検知(駐車車両近辺に人が居る)、無線IDタグなどを用いた有人検知(離れている場合、IDタグと車両との紐付けを行うことで接近するかどうかを検知あるいは当該車両への乗車行動を行うかどうかを判断。お店の場合、レジなどの会計時に判断できれば、もうすぐ買い物が終わって当該車両に戻ってくることが予測できる。また、携帯電話に無線IDタグが組み込まれている場合には携帯電話を利用した歩車間通信によって空き駐車スペース付近の有人を検知できる。)がある。これら情報を利用することにより、駐車車両のドアが開くまでの時間(乗車の開始時間)をより高精度に予測することができる。なお、ワイヤレスキーやスマートキーについては、ある程度離れていても検知可能なので、車両側でも検知可能である。
【0052】
また、本実施の形態では空き駐車スペース及びその左右両側の車両の乗降状況を検知し、駐車し易い空き駐車スペースに案内する構成としたが、車両への乗車を検知した場合には車両が発進して空き駐車スペースが新たに発生することを予測し、その予測結果も考慮して(例えば、その新たに空く駐車スペースに対して所定の優先度を設定)、駐車し易い空き駐車スペースに案内するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では隣接する駐車スペースに乗降が発生しそうな車両が存在する場合には空き駐車スペースに対する駐車案内の優先度を下げる構成としたが、乗降が発生しそうな車両が存在する場合にはその空き駐車スペースへの案内を中止する構成としてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では車両の動きとして乗降が発生しそうな車両が存在する場合に優先度を下げる構成としたが、車両の発車や駐車などの乗降以外の他の駐車がし難い状況の場合に優先度を下げる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施の形態に係る駐車案内システムの構成図である。
【図2】図1の情報提供装置における動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1の駐車案内装置における動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1…駐車案内システム、2…情報提供装置、3…駐車案内装置、20…カメラ、21…通信装置、22…処理装置、30…通信装置、31…GPS受信機、32…スピーカ、33…ディスプレイ、34…ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを案内する駐車案内システムであって、
駐車場内において駐車可能な空き駐車スペースを検出する検出手段と、
前記検出手段で空き駐車スペースを検出した場合、当該空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースでの車両の動きを判断する判断手段と
を備え、
前記判断手段で空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがあると判断した場合、当該空き駐車スペースへの駐車案内の優先度を下げることを特徴とする駐車案内システム。
【請求項2】
前記判断手段で空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースで車両に動きがあると判断した場合、当該空き駐車スペースへの駐車案内を中止することを特徴とする請求項1に記載する駐車案内システム。
【請求項3】
前記判断手段で判断する車両の動きは、空き駐車スペースの左側及び/又は右側の駐車スペースに駐車している車両への乗降であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する駐車案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−64276(P2009−64276A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231950(P2007−231950)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】