説明

駐車監視方法及びその監視装置

【課題】少ないカメラで広い範囲の路上駐車車輌を正確に監視できるようにすることである。
【解決手段】広域監視カメラ装置21により一定区域内を継続して撮影し、撮影画像から車輌の位置を特定する。監視用車輌22は、移動カメラ27で路上駐車車輌23のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの大きさから駐車監視車輌22から路上駐車車輌23までの距離を算出する。GPS装置28から取得した位置情報と算出した距離から路上駐車車輌23の位置を算出する。算出した位置情報に基づいて同一の車輌か否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車違反の取締りを行うための駐車監視方法とその監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
路上駐車車輌の取り締まりでは、同じ場所に同一車輌が長時間駐車していることを確認するために、車輌の駐車位置と駐車時間を特定する必要がある。そのため、人手により違法路上駐車を取り締まる場合には、図1に示すように、路上駐車車輌のタイヤとそのタイヤが接地する地面とを繋ぐ線をマーキングすると共に時刻を記録しておく。そして、駐車違反として取り締まるのに十分な時間が経過した後、再巡回時に、駐車車輌のマークした線がずれていないことで同一車輌が長時間駐車していたものと判断していた。
【0003】
従来、駐車違反を取り締まるためには、監視員が、車輌の駐車位置と時間をマーキングし、その後、同じ場所に行って同一車輌が駐車されていることを確認する必要があった。
しかしながら、監視員が1回目の巡回でマーキングした車輌の全てが、2回目の巡回時まで駐車されているとは限らないので、巡回が無駄になってしまうことが多く、違法駐車を監視する作業の効率が悪かった。
【0004】
上記の問題を解決するために、画像認識技術を用いて路上駐車車輌を監視することが考えられている。
特許文献1には、以下のことが記載されている。巡回中に駐車車輌を発見した場合に、駐車車輌のナンバープレートと駐車車輌を特定できる背景を一緒に撮影する。そして、判別装置が、複数の撮影画像に特定の車輌が存在するか否かを判定し、存在する場合には、撮影時刻の時間差が一定時間以上のとき駐車違反と判定する。
【0005】
図2は、従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。図2において、監視員は監視用車輌11で巡回を行う。監視用車輌11は、路上駐車車輌12のナンバープレートと路上駐車車輌12の背景又は路面をカメラ13で撮影し、撮影時刻を記憶する。そして、2回目の巡回時にも駐車車輌12と背景を撮影し、一致するナンバープレートが記憶されているか否かを判定する。ナンバープレートが一致する場合には、各巡回時に撮影した2枚の画像の背景部の特徴点と車輌部の特徴点の位置関係を比較し、車輌が移動していない場合には、撮影時刻の時間差が駐車違反となる時間以上か否かにより駐車違反の取締りを行う。
【0006】
特許文献2には、次のことが記載されている。車輌検出装置は、駐車違反車輌を検出すると、地図上の位置を示す位置情報と車輌検出信号を中央局に送信する。中央局は、駐車違反車輌の近傍の取締官のコードを特定し、そのコードに対応する端末装置に駐車違反車輌の位置情報を送信する。取締官は、端末装置により駐車違反車輌の位置を確認すると、現場に急行して駐車違反車輌の処置を行う。
【0007】
図3は、従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。図3において、監視用車輌11は、カメラ13とGPS装置14を有し、カメラ13で路上駐車車輌12を撮影し、認識装置でナンバープレートを読み取り、車輌を特定する。さらに、GPS装置14から自装置の位置情報を取得して中央局に送信する。路上駐車車輌12の位置情報は、中央局から近傍の取締官の端末装置に送信され、取締官が該当する位置に路上駐車車輌12があることを確認したなら駐車違反車輌として検挙する。
【0008】
上述した方法は、駐車車輌へのマーキングの手間は省けるが、監視員が複数回巡回する
必要がある点では変わりがない。また、上記の方法では、過去の巡回時と同一の車輌が駐車していることは分かるが、その車輌が継続して駐車していたか否かは分からないという問題点がある。
【0009】
特許文献3には、次のことが記載されている。駐車禁止エリア全体をカメラで撮影し、違反車輌の画像とナンバープレートの読取結果を駐車開始時刻を記憶し、一定時間経過後に駐車している違反車輌の車輌画像とナンバープレート読取結果を中央装置に送信する。これにより、駐車違反の車輌の検出精度を向上させると共に、取締りに必要な情報収集を自動的に行うことが可能となる。
【0010】
図4は、従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。この路上駐車車輌の監視方法は、駐車禁止区域に路上カメラ15を設置し、その路上カメラ15により路上駐車車輌12のナンバープレートを撮影する。そして、撮影したナンバープレートの画像に対して文字認識処理を施し、ナンバープレートの認識結果と駐車開始時刻を対応付けた情報16を記録する。これにより、同一車輌が一定時間以上継続して駐車したことが分かるので、駐車違反の取締りを1回の巡回で行うことができる。
【0011】
しかしながら、ナンバープレートの数字と文字を画像認識するためには、ナンバープレートの画像が一定以上の画像サイズとなるように撮影する必要があり、そのため撮影可能な範囲が狭くなる。その結果、1台のカメラで監視できる範囲は車輌1台分程度になり、監視対象範囲が広い場合には多数のカメラが必要となる。
【特許文献1】特開平04−090100号公報
【特許文献2】特許第2751955号公報
【特許文献3】特開2004−288113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、少ないカメラで広い範囲の路上駐車車輌を正確に監視できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示の駐車監視方法は、広域監視カメラにより一定区域内の車輌を継続して撮影し、前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌の位置を算出すると共に、駐車開始時刻を記録し、移動カメラにより前記路上駐車車輌を撮影し、撮影画像に基づいて前記移動監視カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、算出した距離と前記移動カメラの位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する。
【0014】
開示の駐車監視方法によれば、少ない台数のカメラで広い範囲の路上駐車車輌を監視することができる。また、駐車違反を監視するための巡回回数を少なくできる。
【発明の効果】
【0015】
開示の駐車監視方法によれば、少ない台数のカメラで広い範囲の路上駐車車輌を監視することができる。さらに、駐車違反を監視するための巡回回数を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。図5は、実施の形態の駐車監視方法の説明図である。
この駐車監視方法では、広域監視カメラ装置21により一定区域(駐車禁止区域)内を継続して撮影する(連続または一定時間毎に撮影する)。車輌が駐車禁止区域内に入り停止した場合には、駐車開始時刻を記録すると共に、撮影画像から車輌の位置を特定する。
車輌の位置の特定方法としては、例えば、撮影画像の画像空間の上の位置と実空間上の位置を対応付けた情報(座標テーブルなど)を記憶しておき、その情報を参照して実空間における位置を算出する。
【0017】
監視用車輌22は、移動カメラ27とGPS装置28を搭載している。移動カメラ27で路上駐車車輌23のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの大きさに基づいて移動カメラ27から路上駐車車輌23までの距離を算出する。そして、GPS装置28から位置情報を取得し、取得した位置情報と算出した距離から路上駐車車輌23の絶対位置を算出する。
【0018】
広域監視カメラ装置21の撮影画像から算出される路上駐車車輌23の位置と、監視用車輌22の撮影画像から算出される路上駐車車輌23の位置が一致するか否かにより、対象車輌が同一か否かを判定することができる。同一の車輌と判定された場合には、駐車開始時刻と現在時刻から駐車時間を算出して駐車違反か否かを判定することができる。
【0019】
この実施の形態の駐車監視方法によれば、広域監視カメラ装置21により一定区域内の路上駐車車輌23を継続して撮影することで、路上駐車車輌23が停車後に他の場所に移動していないことを証明できる。さらに、広域監視カメラ装置21の撮影画像から算出する路上駐車車輌23の位置情報と、移動カメラ27の撮影画像から算出する路上駐車車輌23の位置情報を比較することで同一の車輌か否か判定できる。この場合、広域監視カメラ25の撮影画像は路上駐車車輌23の位置のみが特定できれば良いので、複数台の車輌を1台のカメラで撮影することができ、監視用カメラの台数を少なくできる。
【0020】
なお、図5の例は、広域監視カメラ装置21のカメラが1台の場合であるが、監視区域が広い場合には、複数台のカメラを用いても良い。また、カメラは固定設置に限らず、回転して撮影できるようにしても良い。
【0021】
図6は、第1の実施の形態の路上駐車監視装置20を示す図である。路上駐車監視装置20は、広域監視カメラ装置21と監視用車輌22とサーバ24を有する。
広域監視カメラ装置21は、広域監視カメラ25と画像処理装置26を有する。広域監視カメラ25は、一定区域(駐車禁止区域)全体を撮影できる位置に設置されており、一定区域内の車輌を継続して撮影する。
【0022】
画像処理装置26は、広域監視カメラ25の撮影画像から車輌が駐車禁止区域で駐車したことを検出すると、そのときの時刻を駐車開始時刻として記録する。
画像処理装置26は、広域監視カメラ25の撮影画像における車輌の位置を特定し、画像空間上の位置から実空間上の位置を算出する。画像処理装置26は、第1の算出手段に対応する。
【0023】
例えば、広域監視カメラ25で撮影される画像空間における観測点の位置と、実空間における位置を対応付けた情報を予め画像処理装置26に記憶しおき、その情報を用いて実空間上の位置を算出する。
【0024】
図7は、実空間と画像空間の対応付けの説明図である。広域監視カメラ25で撮影した画像空間の観測点が実空間のどの点に対応するかは、広域監視カメラ25の設置時に予め計測、あるいは計算により求めておくことができる。従って、撮影画像から車輌が画像空間のどの位置に存在するかが分かれば、その車輌の実空間における位置(絶対位置)を算出することができる。
【0025】
図6に戻り、広域監視カメラ装置21は、算出した路上駐車車輌23の位置情報(また
は画像)と駐車開始時刻をサーバ24に送信する。
なお、広域監視カメラ装置21の画像処理装置26が、位置を算出する機能を持たずに、撮影画像または画像空間上の位置をサーバ24に送信し、サーバ24側で実空間上の位置を算出するようにしても良い。
【0026】
監視用車輌22は、移動カメラ27と、GPS装置(位置情報装置)28と、ナンバープレート認識装置29を有する。
移動カメラ27は、路上駐車車輌23のナンバープレートを撮影し、撮影した画像をナンバープレート認識装置29に出力する。
【0027】
ナンバープレート認識装置29は、撮影画像のナンバープレートの大きさ(縦または横幅)を計算し、実際のナンバープレートの大きさと撮影画像のナンバープレートの大きさから、移動カメラ27から路上駐車車輌23までの距離Lを算出する。ナンバープレート認識装置29は、GPS装置28から取得する位置情報と算出した距離Lから、路上駐車車輌23の位置を算出する。また、ナンバープレート認識装置29は、ナンバープレートの撮影画像に対して画像認識処理を施し、ナンバープレートの数字及び文字を読み取る。さらに、撮影時点の時刻を記録する。ナンバープレート認識装置29は、距離算出手段と第2の算出手段に対応する。
【0028】
監視用車輌22は、路上駐車車輌23の位置情報と、撮影時刻と、ナンバープレートの数字及び文字(以下、ナンバープレート情報と呼ぶ)をサーバ24に送信する。
サーバ24は、広域監視カメラ装置21から送信されてくる、位置情報と駐車開始時刻と、監視用車輌22から送信されてくる、位置情報とナンバープレート情報を解析し、それらの情報を統合した情報を作成する。そして、同じ位置情報を有する車輌が一定時間以上駐車しているか否かを監視し、一定時間以上駐車している場合には、その車輌を駐車違反車輌として監視用車輌22に通知する。監視用車輌22の監視員は、その情報により駐車違反車輌の取締りを行うことができる。
【0029】
図8(A)〜(C)は、車載カメラ情報31、広域監視カメラ情報32及びそれらを統合した情報のデータ構成を示す図である。
図8(B)は、広域監視カメラ25の撮影画像から作成される広域監視カメラ情報32のデータ構成を示す図である。広域監視カメラ情報32は、撮影画像から算出される路上駐車車輌23の位置情報(例えば、経度aa/緯度bb)と駐車開始時刻が対応付けられている。
【0030】
図8(A)は、車載カメラ情報31のデータ構成を示す図である。車載カメラ情報31は、移動カメラ27の撮影画像から算出される路上駐車車輌23の位置情報(例えば、緯度aa/経度bb)とナンバープレート情報が対応づけられている、
図8(C)は、上記の車載カメラ情報31と広域監視カメラ情報32を統合した統合情報33のデータ構成を示す図である。
【0031】
統合情報33は、位置情報が一致する車載カメラ情報31と、広域監視カメラ情報32が統合されたものである。位置情報が一致する広域監視カメラ情報32の駐車開始時刻と、車載カメラ情報31のナンバープレート情報が、同一車輌の情報として位置情報と対応付けて記録される。統合情報33は、例えば、サーバ24により作成される。
【0032】
図8(C)の例では、位置情報aa/bbの車輌の駐車開始時刻が14時で、現在時刻が15時であることから、その車輌が1時間以上駐車していることが分かるので、駐車違反の対象となるか否かを自動的に判定することができる。
【0033】
図9は、第1の実施の形態の広域監視カメラ装置21の画像処理のフローチャートである。以下の処理は、広域監視カメラ装置21の画像処理装置26により実行される。
広域監視カメラ25の撮影画像から車輌を抽出する(S11)。この場合の抽出数をNとする。
【0034】
車輌を指定するカウンタnに初期値「1」を設定し、管理テーブルの追跡フラグをリセットする(S12)。
次に、カウンタnの値が車輌の抽出数N以下か否かを判定する(S14)。カウンタnの値が抽出数N以下のときには(S13、YES)、ステップS14に進み、カウンタnで指定される車輌の追跡判定処理を実行する。この追跡判定処理では、カウンタnで指定される車輌の前回撮影時の位置と今回撮影時の位置から車輌の軌跡を追跡する。
【0035】
他方、カウンタnの値が車輌の抽出数Nより大きいときには(S13、NO)、抽出した全ての車輌の処理が終了したことになるので管理テーブルを更新して処理を終了する。
ステップS14の追跡判定において、前回撮影時に該当する車輌が存在しないと判定された場合には(S14、NO)、ステップS17に進み、カウンタnで指定される車輌を管理テーブルに新規登録する。これにより、監視区域内に入った新たな車輌を管理テーブルに登録することができる。なお、図示していないが、管理テーブルには、カウンタnの値順に車輌の位置情報と駐車開始時刻が登録されている。
【0036】
該当する車輌が前回撮影時に存在する場合には(S14、YES)、ステップS16に進み、移動判定処理を実行する(S16)。ステップS16の移動判定処理は、前回の撮影画像と今回の撮影画像を比較して車輌が移動しているか否かを判定する。
【0037】
ステップS16の移動判定において、車輌が移動していると判定された場合には(S16、YES)、ステップS18に進み、駐車フラグがオンか否かを判定する。駐車フラグとは、カウンタnで指定される車輌毎に設けられるフラグであり、車輌が駐車しているときオンに設定され、車輌が移動中のときオフに設定される。
【0038】
ステップS18の判定において、駐車フラグがオンと判定されたときには(S18、オン)、ステップ19に進み、駐車フラグをオフに設定し、駐車時刻をリセットし、該当する車輌の位置情報と、駐車フラグがオフとなったことをサーバに通達する。その後、ステップS21に進み、カウンタnの値をインクリメントして上述した処理を繰り返す。
【0039】
上記のステップS19の処理により、それまで駐車していた車輌が移動を開始した場合には、例えば、広域監視カメラ情報32(図8)の車輌の位置情報に対応する駐車時刻がリセットされる。さらに、サーバ24にその位置情報に対応する車輌の駐車が終了したことが通知される。
【0040】
ステップS18の判定において、駐車フラグがオフと判定されたときには(S18、オフ)、ステップS20に進み、撮影画像から車輌の位置を算出して、管理テーブルの広域監視カメラ情報32の該当する車輌の位置情報を更新する。その後、ステップS21に進む。
【0041】
他方、ステップS16の移動判定において、車輌が停止していると判定された場合には(S16、NO)、ステップS22に進み、駐車フラグがオンか否かを判定する。
ステップS22の判定において、駐車フラグがオンと判定されたときには(S22、オン)、その車輌は駐車状態を継続しているのでデータの更新を行わず、ステップS21に進む。
【0042】
ステップS22の判定において、駐車フラグがオフと判定されたときには(S22、オフ)、ステップS23に進み、駐車フラグをオンに設定し、駐車開始時刻を登録する。さらに、撮影画像から車輌の位置を算出し、算出した位置情報と駐車開始時刻をサーバに通達する。その後、ステップS21に進む。
【0043】
上述した広域監視カメラ装置21の画像処理により、車輌が画像空間上のどの位置に停車しているか画像認識等により特定することができるので、実空間上の対応する位置(経度、緯度)を算出することができる。
【0044】
図10は、第1の実施の形態の監視用車輌22の画像処理のフローチャートである。この処理は、ナンバープレート認識装置29により実行される。
移動カメラ27の撮影画像から車輌を抽出する(S31)。車輌が抽出された場合には(S31、YES)、ステップS32に進み、ナンバープレートの大きさ、数字及び文字の認識を行う。車輌が抽出されない場合には、次フレームの処理に進む。
【0045】
次に、撮影画像のナンバープレートの大きさ(例えば、横幅)と、実際のナンバープレートの大きさから移動カメラ27から路上駐車車輌23までの距離Lを算出する(S33)。また、GPS装置28から撮影地点の位置情報を取得する(S34)。
【0046】
移動カメラ27から路上駐車車輌23までの距離Lと、GPS装置28から取得する位置情報から路上駐車車輌23の位置を算出する(S35)。
次に、路上駐車車輌23の位置情報と、ナンバープレートの数字と文字の認識結果であるナンバープレート情報と、撮影時刻をサーバ24に送信(通達)する(S36)。その後、次フレーム(次の撮影画像)の処理を実行する。
【0047】
図11は、対象車輌のナンバープレートまでの距離Lの算出方法の説明図である。
監視用車輌22の進行方向を基準にした移動カメラ27の光軸の角度をδ、ナンバープレートの中心の角度をθ、実空間座標のx軸との角度をαとする。また、監視用車輌22の進行方向は、対象車輌のナンバープレートの面に対して垂直であるとする。
【0048】
この場合、移動カメラ27からナンバープレートまでの距離Lと角度θは、以下の式で表せる
L=f・Wp・cosθ/wp
θ=δ+tan−1(pc/f)
f:レンズの焦点距離
wp:撮影画像のナンバープレートの横幅
Wp:実際のナンバープレートの横幅
δ:監視用車輌22の進行方向に対する移動カメラ27の光軸の角度
pc:撮影画像面における、画像の中心からナンバープレートの中心までの距離
上記の式から距離Lと角度θが求まれば、ナンバープレートの中心の実空間座標における位置は、x=L・cos(θ+α)、y=L・sin(θ+α)、から求めることができる。そして、移動カメラ27の位置は、GPS装置28から取得する位置と等しいので、対象車輌の実空間上の位置を算出することができる。
【0049】
上述した監視用車輌22の画像処理により、対象車輌のナンバープレートの撮影画像から対象車輌の絶対位置を算出することができる。
次に、図12及び図13は、第1の実施の形態のサーバ24の処理を示すフローチャート(1)及び(2)である。
【0050】
図12において、サーバ24は、広域監視カメラ装置21からデータを受信する(S4
1)。ステップS41の処理では、例えば、広域監視カメラ装置21から一定区域内の車輌の位置情報と駐車開始時刻と駐車フラグを受信する。
【0051】
次に、受信したデータの駐車フラグがオンか否かを判定する(S42)。駐車フラグがオンのときには(S42、オン)、ステップS43に進み、車輌の位置情報と駐車開始時刻を管理テーブルに登録する。
【0052】
駐車フラグがオフのときには(S42、オフ)、ステップS44に進み、管理テーブルに位置情報と対応付けて登録されているデータを削除する。ステップS44の処理は、車輌が監視区域内で駐車した後、移動して駐車フラグがオフになったときに、車輌を監視対象から除外するための処理である。
【0053】
図13において、サーバ24は、監視用車輌22からデータを受信する(S51)。ステップS51の処理は、例えば、監視用車輌22から車輌の位置情報とナンバープレート情報と撮影時刻を受信する。
【0054】
次に、管理テーブルを照合して同じ位置情報を有する車輌が登録されているか否かを調べる(S52)。
同じ位置情報の車輌が登録されている場合には、その車輌の駐車開始時刻と、監視用車輌22の撮影時刻から、その車輌が一定時間以上路上駐車している違反車輌か否かを判定する(S53)。
【0055】
次に、ナンバープレート情報によりデータベース照合して対象車輌に関する情報を取得する(S54)。
次に、監視用車輌22に対象車輌の位置情報、ナンバープレート情報、違反判定結果等を送信する(S55)。
【0056】
監視用車輌22の監視員は、サーバ24から送信されてくる情報に基づいて駐車違反の取締りを行うことができる。
上述した第1の実施の形態によれば、広域監視カメラ装置21の監視区域内の車輌を継続して撮影し、撮影画像から車輌の位置を算出することで、各車輌が継続して駐車していたか否かが分かる。さらに、監視用車輌22の撮影画像から車輌の位置を算出し、算出した位置情報が広域監視カメラ装置21で撮影した車輌の位置情報と一致するか否かを判定することで、該当する車輌の駐車時間を正確に計測することができる。これにより、対象車輌が同じ位置に一定時間以上駐車していたか否かを正確に監視することができる。
【0057】
また、第1の実施の形態においては、広域監視カメラ25で車輌のナンバープレートを認識できるような画像を撮影する必要が無いので、1台のカメラで多数の車輌を同時に撮影することができる。これにより、一定区域内の車輌を撮影するためのカメラの台数を少なくできる。
【0058】
さらに、広域監視カメラ25で撮影された路上駐車車輌の駐車時間が一定時間以上経過した段階で、違反判定結果、あるいは駐車時間が一定時間以上経過したことを監視用車輌22に通知することができる。これにより、監視用車輌22が違反車輌を摘発することができるので、駐車違反を監視するための巡回回数を少なくできる。
【0059】
次に、図14は、第2の実施の形態の路上駐車監視装置40を示す図である。この第2の実施の形態は、広域監視カメラ装置41が、監視用車輌42の位置を認識することで、監視用車輌42が位置情報装置を搭載しなくともよいようにしたものである。
【0060】
路上駐車監視装置40は、広域監視カメラ装置41と監視用車輌42とサーバ43を有する。
広域監視カメラ装置41は、広域監視カメラ44と画像処理装置45を有する。広域監視カメラ44は、一定区域全体を撮影できる位置に設置されており、一定区域内の車輌を継続して(連続または一定時間毎)撮影する。
【0061】
画像処理装置45は、広域監視カメラ44の撮影画像から車輌が駐車したことを検出すると、車輌の位置と駐車開始時刻を記録する。また、画像処理装置26は、広域監視カメラ25で撮影した画像の中で回転灯を点滅させている監視用車輌42の位置を算出する。車輌の位置は、第1の実施の形態と同様に画像空間上の位置と実空間上の位置を対応付けた情報を参照して算出する。監視用車輌42を特定するためのものは回転灯に限らず、撮影した映像から監視用車輌42を特定できるものであればどのようなものでも良い。例えば、周期的に点滅するライト、車輌の屋根、側面等に書かれた文字等でも良い。
【0062】
監視用車輌42は、回転灯46と移動カメラ47とナンバープレート認識装置48を有する。
移動カメラ47は、路上駐車車輌23のナンバープレートを撮影し、撮影した画像をナンバープレート認識装置48に出力する。
【0063】
ナンバープレート認識装置48は、撮影画像のナンバープレートの大きさを算出し、実際のナンバープレートの大きさと撮影画像のナンバープレートの大きさから、移動カメラ47から路上駐車車輌23のまでの距離Lを算出する。また、ナンバープレート認識装置48は、撮影画像の画像認識を行い、ナンバープレートの数字及び文字を認識すると共に、撮影時点の時刻を記録する。
【0064】
監視用車輌42は、撮影時刻と、路上駐車車輌23までの距離Lと、ナンバープレート情報をサーバ43に送信する。
サーバ43は、広域監視カメラ装置41から送信されてくる、対象車輌の位置情報と、監視用車輌の位置情報と、駐車開始時刻と、監視用車輌42の撮影時刻を受信する。また、サーバ43は、監視用車輌42から送信されてくる距離Lと撮影時刻とナンバープレート情報を受信する。そして、それらの情報を位置情報により統合してメモリ等の記憶装置に格納する。
【0065】
図15は、第2の実施の形態の広域監視カメラ装置41の画像処理のフローチャートである。図15の画像処理は、図9の第1の実施の形態の画像処理をベースにして一部の処理を追加したものである。以下、図9の処理と異なる部分について説明する。
【0066】
車輌を指定するカウンタnの値が、車輌の抽出数N以下か否かを判定する(S61)。カウンタnの値がN以下のときには(S61、YES)、ステップS62に進み、カウンタnで指定される車輌が監視用車輌42か否かを判定する。監視用車輌42か否かの判定は、例えば、車輌が回転灯を有しているか否かにより行う。監視用車輌42か否かの判定の基準となるものは回転灯に限らず、画像認識により車輌を特定できるようなものであればどのようなものでも良い。
【0067】
カウンタnの値が抽出数Nより大きいときには(S61、NO)、ステップS63に進み、管理テーブルを更新する。ステップS63の管理テーブルの更新処理では、管理テーブルの各車輌の位置情報と駐車開始時刻等が、最新の撮影画像から算出された情報に更新される。
【0068】
ステップS62の判定処理において、監視用車輌42と判定されたときには(S62、
YES)、ステップS64に進み、監視用車輌42であることを示す監視用車輌フラグと、車輌の位置情報をサーバ43に送信する。その後、ステップS66に進み、カウンタnの値をインクリメントして上述した処理を繰り返す。
【0069】
他方、ステップS62の判定処理において、対象車輌が監視用車輌42ではないと判定されたときには(S62、NO)、ステップS65に進み、追跡判定処理を実行する。この追跡判定処理は、図9のステップS14の追跡判定処理と同じである。ステップS65の次には、図9のステップS16以降の処理を実行する。
【0070】
上述した広域監視カメラ装置41の画像処理により、広域監視カメラ44の撮影画像から路上駐車車輌23の位置と、監視用車輌42の位置が算出され、それらの位置情報と、駐車開始時刻と、監視用車輌42の撮影時刻がサーバ43に送信される。
【0071】
次に、図16は、第2の実施の形態の監視用車輌42の画像処理のフローチャートである。
移動カメラ47の撮影画像から画像認識により車輌のナンバープレートを抽出する(S71)。ナンバープレートが抽出された場合には(S71、YES)、ステップS72に進み、ナンバープレートの大きさ(例えば、横幅)を計算し、さらに、ナンバープレートの数字及び文字を認識する。ナンバープレートが抽出されない場合には、次フレームの処理に進む。
【0072】
次に、撮影画像のナンバープレートの大きさから、移動カメラ47から路上駐車車輌23までの距離Lを算出する(S73)。距離Lの算出は、第1の実施の形態の距離Lの算出方法と同じ方法で計算する。
【0073】
次に、移動カメラ47の撮影時刻と、路上駐車車輌23までの距離Lと、ナンバープレート情報をサーバ43に送信(通達)する(S74)。その後、次のフレームの処理が実行される。
【0074】
上記の監視用車輌42の画像処理により、移動カメラ27の撮影画像から路上駐車車輌23までの距離Lが算出され、算出された距離Lと、撮影時刻と、ナンバープレート情報がサーバ43に送信される。
【0075】
次に、図17及び図18は、第2の実施の形態のサーバ43の処理を示すフローチャート(1)及び(2)である。図17のフローチャートは、図12のフローチャートをベースにして一部の処理を追加したものである。以下、図12の処理と異なる部分について説明する。
【0076】
図17において、サーバ43は、広域監視カメラ装置41からデータを受信する(S81)。ステップS81の処理では、例えば、広域監視カメラ装置41から、一定区域内の車輌の位置情報と駐車開始時刻と駐車フラグと監視用車輌フラグを受信する。
【0077】
次に、受信したデータの内の監視用車輌フラグがオンか否かを判定する(S82)。
ステップS82の判定処理で、監視用車輌フラグがオンと判定されたときには(S82、オン)、ステップS83に進み、監視用車輌42の位置を更新する。このステップS83の処理では、監視用車輌フラグが初めてオンになったときには、受信した監視用車輌42の位置情報を管理テーブルに登録し、管理テーブルに既に監視用車輌42の位置情報が登録されているときには位置情報を更新する。
【0078】
ステップS82の判定処理で、監視用車輌フラグがオフと判定されたときには(S82
、オフ)、ステップS84に進み、駐車フラグがオンか否かを判定する。以下、図12のステップS43以降の処理を実行する。
【0079】
図18のフローチャートは、図13のフローチャートをベースに一部の処理を追加したものである。以下、図13の処理と異なる部分について説明する。
図18において、サーバ43は、監視用車輌42からデータを受信する(S91)。ステップS91の処理では、例えば、監視用車輌42から路上駐車車輌23までの距離Lと、撮影時刻と、ナンバープレート情報を受信する。
【0080】
次に、監視用車輌42の位置を確認する(S92)。このステップS92の処理では、広域監視カメラ装置41から送信されてくる監視用車輌42の位置情報を管理テーブルに登録または更新する。
【0081】
次に、対象車輌を特定する(S93)。ステップS93の対象車輌特定処理では、監視用車輌42の位置と、監視用車輌42から送信されてくる対象車輌までの距離Lとから、路上駐車車輌23の位置を算出する。さらに、広域監視カメラ装置41の撮影画像から算出された路上駐車車輌23の位置情報と、算出した位置情報を比較して同じ位置情報を有するか否かを判定する。
【0082】
同じ位置情報を有する車輌を特定したなら、特定した車輌の駐車開始時刻と、監視用車輌42の対象車輌の撮影時刻から駐車違反か否かを判定する(S94)。その後、図13のステップS54以降の処理(第1の実施の形態の処理)を実行する。
【0083】
上述した第2の実施の形態によれば、広域監視カメラ44で監視区域内の車輌を継続して撮影し、撮影画像から車輌の位置を算出することで、対象車輌が監視区域内に継続して駐車していたか否かが分かる。また、広域監視カメラ44で監視用車輌42を撮影し、その撮影画像から監視用車輌42の位置を算出し、さらに、監視用車輌42の撮影画像から対象車輌までの距離Lを算出することで、対象車輌の位置を特定することができる。この場合、監視用車輌42は、位置情報装置を有する必要が無い。そして、広域監視カメラ44の撮影画像から算出した対象車輌の位置情報と、移動カメラ47と広域監視カメラ44の撮影画像から算出した位置情報が一致するか否かを判定することで、対象車輌が同一か否かを判断できる。これにより、対象車輌が同じ位置に一定時間以上駐車していたか否かを正確に監視することができる。
【0084】
また、第2の実施の形態においては、広域監視カメラ44は、車輌のナンバープレートを認識できるような画像を撮影する必要が無いので、1台のカメラで多数の車輌を同時に撮影することができる。これにより、一定区域内の車輌を撮影するためのカメラの台数を少なくできる。
【0085】
また、広域監視カメラ44で撮影された路上駐車車輌の中で駐車時間が一定時間以上経過した段階で、違反判定結果、あるいは駐車時間が一定時間以上経過したことを監視用車輌22に通知することができる。これにより、監視用車輌22が違反車輌を摘発することができるので、駐車違反を監視するための巡回回数を少なくできる。
【0086】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)上述した実施の形態では、サーバ24、43が、路上駐車車輌23の駐車開始時刻から駐車違反か否かを判定しているが、サーバ24、43が駐車違反の判定を行わなくとも良い。例えば、サーバ24、43が駐車位置情報が同一の車輌の駐車開始時刻とナンバープレート情報を監視用車輌22、42の表示装置に表示させ、監視員が、表示された情報から駐車違反か否かを判断しても良い。
(2)路上駐車監視装置20(または40)は、広域監視カメラ装置21(または41)と監視用車輌22(または42)とサーバ24(または43)とを有するものに限らない。例えば、路上駐車監視装置20が、広域監視カメラ装置21と監視用車輌22を有し、広域監視カメラ装置21が算出した位置情報、駐車開始時刻を、直接監視用車輌22に送信するようにしても良い。そして、監視用車輌22が、広域監視カメラ装置21から受信した位置情報と、移動カメラ27の撮影画像から算出した位置情報を比較するようにしても良い。このように構成することで、路上駐車監視装置20(または40)の構成が簡素になる。
(3)移動カメラ27、47は、監視用車輌22、42に搭載するものに限らず、監視員が移動カメラ27、47を携帯して路上駐車車輌23を撮影するようにしても良い。この場合、移動カメラ27、47が、撮影画像から路上駐車車輌23の位置を算出する機能を有すれば良い。撮影地点の位置情報は、携帯型のGPS装置等から取得しても良い。
【0087】
(付記1)
広域監視カメラにより一定区域内の車輌を継続して撮影し、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌の位置を算出すると共に、駐車開始時刻を記録し、
移動カメラにより前記路上駐車車輌を撮影し、撮影画像に基づいて前記移動監視カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、
算出した距離と前記移動カメラの位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する駐車監視方法。
(付記2)
前記広域監視カメラの撮影画像から算出された位置情報と、前記移動カメラの撮影画像から算出された位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する付記1記載の駐車監視方法。
(付記3)
前記移動カメラの前記位置情報を位置情報装置から取得する付記1または2記載の駐車監視装置。
(付記4)
前記一定区域の撮影画像の画像空間における位置と実空間における位置を対応付けた情報を記憶手段に記憶しておき、
前記画像空間と実空間の位置を対応付けた前記情報を参照して、前記広域監視カメラの撮影画像の前記路上駐車車輌の実空間上の位置を算出する付記1、2または3記載の駐車監視方法。
(付記5)
前記移動カメラにより前記路上駐車車輌のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの大きさに基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、算出した距離と前記移動カメラの前記位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する付記1、2、3または4記載の駐車監視方法。
(付記6)
固定設置された前記広域監視カメラにより前記一定区域内の車輌の移動の有無を監視し、前記車輌が駐車しているか否かを示す駐車情報を記憶手段に記憶し、
前記駐車情報が、駐車状態であることを示す情報から移動中であることを示す情報に書き換えられたとき該当する車輌を駐車違反の監視対象から除外する付記1乃至5の何れか1項に記載の駐車監視方法。
(付記7)
広域監視カメラにより一定区域内の車輌を継続して撮影し、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌と監視用車輌の位置を算出すると共に、前記路上駐車車輌の駐車開始時刻を記録し、
前記監視用車輌に搭載されている移動カメラにより前記路上駐車車輌を撮影し、撮影画像に基づいて前記移動監視カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、
前記広域監視カメラの撮影画像から算出される前記監視用車輌の位置情報と、算出された距離とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する駐車監視方法。
(付記8)
前記広域監視カメラの撮影画像から算出された位置情報と、前記広域監視カメラの撮影画像及び前記移動カメラの撮影画像から算出された位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する付記7記載の駐車監視方法。
(付記9)
前記一定区域の撮影画像の画像空間における位置と実空間における位置を対応付けた情報を記憶手段に記憶しておき、
前記画像空間と実空間の位置を対応付けた前記情報を参照して、前記広域監視カメラの撮影画像の前記路上駐車車輌と前記監視用車輌の実空間上の位置を算出する付記7または8記載の駐車監視方法。
(付記10)
前記移動カメラにより前記路上駐車車輌のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの大きさに基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出する付記7、8または9記載の駐車監視方法。
(付記11)
一定区域内の車輌を継続して撮影する広域監視カメラと、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌の位置を算出すると共に、駐車開始時刻を計測する第1の算出手段と、
前記路上駐車車輌を撮影する移動カメラと、
前記移動カメラの撮影画像に基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により算出した距離と、前記移動カメラの位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する第2の算出手段とを備える駐車監視装置。
(付記12)
前記広域監視カメラの撮影画像から算出される位置情報と、前記移動カメラの撮影画像から算出される位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する監視手段を有する付記11記載の駐車監視装置。
(付記13)
前記第2の算出手段は、位置情報装置から前記移動カメラの前記位置情報を取得する付記12記載の駐車監視装置。
(付記14)
前記一定区域の撮影画像の画像空間における位置と実空間における位置を対応付けた情報を記憶する記憶手段を有し、
前記第1の算出手段は、前記記憶手段に記憶された画像空間と実空間の位置を対応付けた前記情報を参照して、前記広域監視カメラの撮影画像の前記路上駐車車輌の実空間上の位置を算出する付記11、12または13記載の駐車監視装置。
(付記15)
前記移動カメラは、前記路上駐車車輌のナンバープレートを撮影し、
前記第2の算出手段は、撮影画像のナンバープレートの大きさに基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、算出した距離と前記移動カメラの前記位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する付記11、12、13または14記載の駐車監視装置。
(付記16)
一定区域内の車輌を継続して撮影する広域監視カメラと、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌と監視用車輌の位置を算出すると共に、前記路上駐車車輌の駐車開始時刻を記録する第1の算出手段と、
前記監視用車輌に搭載され、前記路上駐車車輌を撮影する移動カメラと、
前記移動カメラの撮影画像に基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離
を算出する距離算出手段と、
前記広域監視カメラの撮影画像から算出される前記監視用車輌の位置情報と、前記路上駐車車輌までの距離とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する第2の算出手段とを備える駐車監視装置。
(付記17)
前記広域監視カメラの撮影画像から算出される位置情報と、前記広域監視カメラの撮影画像及び前記移動カメラの撮影画像から算出される位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する監視手段を有する付記16記載の駐車監視装置。
(付記18)
前記広域監視カメラと前記第1の算出手段を有する広域監視カメラ装置と、前記移動カメラと前記第2の算出手段を有する監視装置と、前記広域監視カメラ装置と前記監視装置から送信されてくる位置情報と駐車開始時刻とナンバープレート情報を受信するサーバとを有する付記11乃至17の何れか1項に記載の駐車監視装置。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】路上駐車車輌へのマーキングの例を示す図である。
【図2】従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。
【図3】従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。
【図4】従来の路上駐車車輌の監視方法の説明図である。
【図5】実施の形態の路上駐車監視方法の説明図である。
【図6】第1の実施の形態の路上駐車監視装置を示す図である。
【図7】実空間と画像空間の位置の対応付けの説明図である。
【図8】車載カメラ情報、広域監視カメラ情報及びそれらを統合した情報のデータ構成を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の広域監視カメラ装置の画像処理のフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態の監視用車輌の画像処理のフローチャートである。
【図11】対象車輌のナンバープレートまでの距離Lの算出方法の説明図である。
【図12】第1の実施の形態のサーバの処理を示すフローチャート(1)である。
【図13】第1の実施の形態のサーバの処理を示すフローチャート(2)である。
【図14】第2の実施の形態の路上駐車監視装置を示す図である。
【図15】第2の実施の形態の広域監視カメラ装置の画像処理のフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態の監視用車輌の画像処理のフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態のサーバの処理を示すフローチャート(1)である。
【図18】第2の実施の形態のサーバの処理を示すフローチャート(2)である。
【符号の説明】
【0089】
20 路上駐車監視装置
21 広域監視カメラ装置
22 監視用車輌
23 路上駐車車輌
24 サーバ
25 広域監視カメラ
26 画像処理装置
27 移動カメラ
28 GPS装置
29 ナンバープレート認識装置
40 路上駐車監視装置
41 広域監視カメラ装置
42 監視用車輌
43 サーバ
44 広域監視カメラ
45 画像処理装置
46 回転灯
47 移動カメラ
48 ナンバープレート認識装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域監視カメラにより一定区域内の車輌を継続して撮影し、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌の位置を算出すると共に、駐車開始時刻を記録し、
移動カメラにより前記路上駐車車輌を撮影し、撮影画像に基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、
算出した距離と前記移動カメラの位置情報に基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する駐車監視方法。
【請求項2】
前記広域監視カメラの撮影画像から算出された位置情報と、前記移動カメラの撮影画像から算出された位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する請求項1記載の駐車監視方法。
【請求項3】
前記移動カメラの位置情報を位置情報装置から取得する請求項1または2記載の駐車監視方法。
【請求項4】
前記一定区域の撮影画像の画像空間における位置と実空間における位置を対応付けた情報を記憶手段に記憶しておき、
前記画像空間と実空間の位置を対応付けた前記情報を参照して、前記広域監視カメラの撮影画像の前記路上駐車車輌の実空間上の位置を算出する請求項1、2または3記載の駐車監視方法。
【請求項5】
前記移動カメラにより前記路上駐車車輌のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの大きさに基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出し、算出した距離と前記移動カメラの前記位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する請求項1、2、3または4記載の駐車監視方法。
【請求項6】
一定区域内の車輌を継続して撮影する広域監視カメラと、
前記広域監視カメラの撮影画像から路上駐車車輌の位置を算出すると共に、駐車開始時刻を記録する第1の算出手段と、
前記路上駐車車輌を撮影する移動カメラと、
前記移動カメラの撮影画像に基づいて前記移動カメラから前記路上駐車車輌までの距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により算出した距離と、前記移動カメラの位置情報とに基づいて前記路上駐車車輌の位置を算出する第2の算出手段とを備える駐車監視装置。
【請求項7】
前記広域監視カメラの撮影画像から算出される位置情報と、前記移動カメラの撮影画像から算出される位置情報が一致する車輌を同一車輌と判定して駐車時間を監視する監視手段を有する請求項6記載の駐車監視装置。

【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−39825(P2010−39825A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202975(P2008−202975)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】