説明

骨関節炎のための高処理量機能的ゲノムスクリーニング法

軟骨細胞の骨関節炎(OA)の病因に関連する遺伝子および遺伝子産物を同定する高処理量機能的スクリーニングアッセイを提供する。加えて、かかる機能的アッセイにより同定される遺伝子および遺伝子産物も提供する。ここで提供される遺伝子および遺伝子産物は、なかんずく、個体におけるOAの診断に、そして、OAの処置用の薬物を同定するための薬物標的として、有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨関節炎(OA)に関連する核酸を同定する方法であって:
(a)細胞を核酸で形質移入し、その核酸がその細胞により発現されるようにすること;および
(b)その細胞による1またはそれ以上のマーカー核酸の発現を検出すること、ここで、該1またはそれ以上のマーカー核酸の各々は、OAに関連するものである;
を含み、
ここで、その細胞による1またはそれ以上のマーカー核酸の発現は、細胞に形質移入された核酸をOAに関連する核酸と同定するものである、
方法。
【請求項2】
細胞が軟骨細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞がヒト軟骨細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1またはそれ以上のマーカー核酸の少なくとも1つが、アグリカナーゼ−1、MMP−13、I型コラーゲン、IIa型コラーゲン、X型コラーゲン、iNOS、Cox−2、アグリカンおよびデコリンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1またはそれ以上のマーカー核酸の少なくとも1つが、C17、SMOC2、OSF−2、MARCKS、レチノイン酸受容体ベータ、Zic1、BASP1およびDIM1からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1またはそれ以上のマーカー核酸の発現がRT−PCRにより検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
骨関節炎(OA)に関連する核酸を同定する方法であって:
(a)細胞を核酸で形質移入し、その核酸がその細胞により発現されるようにすること;および
(b)その細胞による1またはそれ以上のマーカーポリペプチドの発現を検出すること、ここで、該1またはそれ以上のマーカー核酸の各々は、OAに関連するものである;
を含み、
ここで、その細胞による1またはそれ以上のマーカーポリペプチドの発現は、細胞に形質移入された核酸をOAに関連する核酸と同定するものである、
方法。
【請求項8】
細胞が軟骨細胞である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
細胞がヒト軟骨細胞である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
マーカーポリペプチドが、アグリカナーゼ−1、MMP−13、I型コラーゲン、IIa型コラーゲン、X型コラーゲン、iNOS、Cox−2、アグリカンおよびデコリンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
骨関節炎(OA)に関連するポリペプチドを同定する方法であって:
(a)ポリペプチドをコードする核酸で細胞を形質移入し、そのポリペプチドがその細胞により発現されるようにすること;および
(b)その細胞による1またはそれ以上のマーカー核酸の発現を検出すること、ここで、該1またはそれ以上のマーカー核酸の各々は、OAに関連するものである;
を含み、
ここで、その細胞による1またはそれ以上のマーカー核酸の発現は、細胞に形質移入された核酸により発現されるポリペプチドを、OAに関連するポリペプチドと同定するものである、
方法。
【請求項12】
細胞が軟骨細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
細胞がヒト軟骨細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
マーカー核酸の少なくとも1つが、アグリカナーゼ−1、MMP−13、I型コラーゲン、IIa型コラーゲン、X型コラーゲン、iNOS、Cox−2、アグリカンおよびデコリンからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
1またはそれ以上のマーカー核酸の少なくとも1つが、C17、SMOC2、OSF−2、MARCKS、レチノイン酸受容体ベータ、Zic1、BASP1およびDIM1からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
マーカー核酸の発現がRT−PCRにより検出される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
骨関節炎(OA)に関連するポリペプチドを同定する方法であって:
(a)ポリペプチドをコードする核酸で細胞を形質移入し、そのポリペプチドがその細胞により発現されるようにすること;および
(b)その細胞による1またはそれ以上のマーカーポリペプチドの発現を検出すること、ここで、該1またはそれ以上のマーカー核酸の各々は、OAに関連するものである;
を含み、
ここで、その細胞による1またはそれ以上のマーカーポリペプチドの発現は、その核酸により発現されるポリペプチドを、OAに関連するポリペプチドと同定するものである、
方法。
【請求項18】
細胞が軟骨細胞である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
細胞がヒト軟骨細胞である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
マーカーポリペプチドが、アグリカナーゼ−1、MMP−13、I型コラーゲン、IIa型コラーゲン、X型コラーゲン、iNOS、Cox−2、アグリカンおよびデコリンからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
骨関節炎(OA)に関連する核酸を同定する方法であって:
(a)軟骨細胞を核酸で形質移入し、その核酸が軟骨細胞により発現されるようにすること;および
(b)軟骨細胞の増殖を検出すること;
を含み、
ここで、軟骨細胞の増殖は、その核酸がOAに関連することを示すものである、
方法。
【請求項22】
軟骨細胞がヒト軟骨細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
軟骨細胞の増殖が、
(i)軟骨細胞を培養すること、および、
(ii)該細胞培養中の軟骨細胞のクラスターを同定すること、ここで、該クラスターは、細胞増殖を示すものである、
を含む方法により検出される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
骨関節炎(OA)に関連するポリペプチドを同定する方法であって:
(a)ポリペプチドをコードする核酸で軟骨細胞を形質移入し、そのポリペプチドが軟骨細胞により発現されるようにすること;および
(b)軟骨細胞の増殖を検出すること;
を含み、
ここで、軟骨細胞の増殖は、その核酸をOAに関連する核酸と同定するものである、
方法。
【請求項25】
軟骨細胞がヒト軟骨細胞である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
軟骨細胞の増殖が、
(i)軟骨細胞を培養すること、および、
(ii)該細胞培養中の軟骨細胞のクラスターを同定すること、ここで、該クラスターは、細胞増殖を示すものである、
を含む方法により検出される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
骨関節炎(OA)を有する個体を同定する方法であって、
(a)個体からの軟骨または軟骨細胞中の候補遺伝子または遺伝子産物を検出すること、ここで、該候補遺伝子または遺伝子産物は、表VまたはVIに記載の遺伝子または遺伝子産物である;および
(b)その個体の該候補遺伝子または遺伝子産物のレベルを、骨関節炎を有さない個体の候補遺伝子または遺伝子産物のレベルと比較すること;
を含み、
ここで、該個体に由来する軟骨または軟骨細胞における候補遺伝子または遺伝子産物のレベルの上昇は、その個体がOAを有することを示すものである、
方法。
【請求項28】
骨関節炎(OA)を処置、予防または改善するために使用し得る化合物を同定する方法であって、
(a)試験化合物を細胞に接触させること;
(b)その細胞による候補遺伝子または遺伝子産物の発現を検出すること、ここで、該候補遺伝子または遺伝子産物は、表VまたはVIに記載の遺伝子または遺伝子産物である;および
(c)該試験化合物と接触させた細胞により発現される候補遺伝子または遺伝子産物のレベルを、試験化合物と接触させていない細胞による発現レベルと比較すること、
を含み、
ここで、該試験化合物と接触させた細胞による候補遺伝子または遺伝子産物の発現の減少は、その試験化合物をOAの処置に使用し得ることを示すものである、
方法。
【請求項29】
細胞が軟骨細胞である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
細胞がヒト軟骨細胞である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
OAを処置、予防または改善する方法であって、それを必要としている対象に、表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される1またはそれ以上の候補遺伝子の1またはそれ以上の調節物質の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項32】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子によりコードされる遺伝子産物の活性を阻害するものである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子の発現を阻害するものである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
該調節物質が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマー、siRNAおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される1またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質は該候補遺伝子の発現を阻害するように設計されている、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
該調節物質が、該候補遺伝子にコードされる遺伝子産物に対する1またはそれ以上の抗体またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントは、該遺伝子産物の活性を阻害できるものである、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
OAを処置、予防または改善する方法であって、それを必要としている対象に、表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される1またはそれ以上の候補遺伝子の1またはそれ以上の調節物質の有効量を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項37】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子によりコードされる遺伝子産物の活性を阻害するものである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子の発現を阻害するものである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
該調節物質が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマー、siRNAおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される1またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質は該候補遺伝子の発現を阻害するように設計されている、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
該調節物質が、該候補遺伝子にコードされる遺伝子産物に対する1またはそれ以上の抗体またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントは、該遺伝子産物の活性を阻害できるものである、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される1またはそれ以上の候補遺伝子の1またはそれ以上の調節物質を、OAの処置または改善を必要としている対象においてそれに有効な量で含む、医薬組成物。
【請求項42】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子によりコードされる遺伝子産物の活性を阻害するものである、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
該調節物質が、該対象において、該候補遺伝子の発現を阻害するものである、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項44】
該調節物質が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマー、siRNAおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される1またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質は該候補遺伝子の発現を阻害するように設計されている、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項45】
該調節物質が、該候補遺伝子にコードされる遺伝子産物に対する1またはそれ以上の抗体またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントは、該遺伝子産物の活性を阻害できるものである、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項46】
OAを処置、予防または改善する方法であって、
(a)表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される1またはそれ以上の候補遺伝子のmRNAレベルについて、対象をアッセイすること;および
(b)対照と比較してmRNAのレベルが上昇している対象に、1またはそれ以上の該候補遺伝子の調節物質を、OAを処置、予防または改善するのに十分な量で投与すること、
を含む方法。
【請求項47】
OAを処置、予防または改善する方法であって、
(a)表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される候補遺伝子によりコードされる1またはそれ以上の遺伝子産物のレベルについて、対象をアッセイすること;および
(b)対照と比較してレベルが上昇している対象に、1またはそれ以上の該遺伝子産物の調節物質を、OAを処置、予防または改善するのに十分な量で投与すること、
を含む方法。
【請求項48】
表Vおよび表VIに開示されるものからなる群から選択される候補遺伝子または遺伝子産物のmRNAレベルまたはタンパク質レベルを検出するための診断用キットであって、
(a)該候補遺伝子のポリヌクレオチドまたはそのフラグメント;
(b)(a)のものに相補的なヌクレオチド配列;
(c)該候補遺伝子の発現産物またはそのフラグメント;または
(d)該発現産物に対する抗体
を含み、
ここで、成分(a)、(b)、(c)または(d)は、実質的成分を含み得る、
キット。

【公表番号】特表2006−524497(P2006−524497A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505168(P2006−505168)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004055
【国際公開番号】WO2004/092413
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】