説明

高い耐引掻性と耐候性とを有する被覆剤

本発明は、(d)反応基を有する少なくとも1種の結合剤(A)と;(e)架橋すると共に結合剤(A)の反応基と反応し得る少なくとも1種の架橋剤(B)と、シラン基を架橋させるための少なくとも1種の触媒(C)とを含む被覆剤であって、1種又は1種より多い成分(A)及び/又は(B)、及び/又は被覆剤の少なくとも1種の更なる成分が、加水分解性シラン基を含み、触媒(C)が、≧3のpKb値及び>1000℃の沸点を有するアミンでブロック化されるリン酸化合物、特にリン酸又はホスホン酸であることを特徴とする被覆剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(a)少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)と、
(b)遊離及び/又はブロック化イソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物(B)と、
(c)シラン基の架橋のための少なくとも1種の触媒(C)と、
を含む被覆剤であって、
1種又は1種より多い成分(A)及び/又は(B)、及び/又は被覆剤の少なくとも1種の更なる成分が、加水分解性シラン基を含む、被覆剤に関する。
【0002】
WO−A−01/98393には、アルコキシシリル基で部分的に官能化されたポリオール結合剤成分とポリイソシアネート架橋剤成分とを含む2K(2−成分)被覆剤が記載されている。これらの被覆剤は、プライマーとして使用され、金属基体、とりわけアルミニウム基体への付着のために最適化される。これらの被覆剤上に、OEM仕上げ又は再仕上げの一部として、ベースコート/クリアコート系を塗布することが可能である。耐引掻性及び耐候安定度に関して、WO01/98393の被覆剤は、最適化されていない。
【0003】
EP−A−0994117には、好ましくはアスパルテートに対して反応したモノアルコキシシリルアルキルアミンと部分的に反応することができるポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含む湿気硬化性混合物が記載されている。かかる混合物から形成される被覆は、特定の硬度を有するにもかかわらず、耐候安定度及び特に耐引掻性に関してOEM塗布の適合性が全く不十分である。
【0004】
US−A−2006/0217472には、ヒドロキシ官能性アクリレートと、低分子量ポリオール成分と、ポリイソシアネートと、アミノ官能性アルコキシシリル成分、好ましくはビスアルコキシシリルアミンとを含むことができる被覆剤が記載されている。かかる被覆剤は、ベースコート/クリアコート系におけるクリアコートとして使用され、引掻耐性のある被覆をもたらす。しかしながら、この種の被覆剤は、保存性が非常に不十分であり、得られる被覆は、特に湿潤/乾燥サイクルにおける紫外線に対して耐候安定度が低い。
【0005】
WO2006/042585には、OEM仕上げに適切であり、且つ、主な結合剤成分として、イソシアネート基が好ましくは90モル%超の程度にビスアルコキシシリルアミンと反応するポリイソシアネートを含むクリアコートが記載されている。この種のクリアコートは、優れた耐引掻性と高い耐化学性及び耐候性とを合わせ持つ。しかし、高いレベルの引掻耐性を維持しつつ、特に湿潤/乾燥サイクルにおけるUV照射の下でのクラッキングに関して、耐候安定度の更なる改善の必要性が依然としてある。
【0006】
EP−A−1273640には、ポリオール成分と、0.1〜95モル%の遊離イソシアネート基が最初にビスアルコキシシリルアミンとの反応を示す脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートから成る架橋剤成分とから構成される2K被覆剤が記載されている。これらの被覆剤は、OEM仕上げのために使用することが可能であり、完全に硬化した場合、良好な耐引掻性と環境の影響に対する有効な耐性とを合わせ持つ。しかし、これらの被覆剤は、後架橋への特に強い傾向を有し、その結果、−完成に向けた熱硬化の直後の−被覆の不十分な耐引掻性を伴う。著しい後架橋は、ストレスクラックのリスクが増大することから、同様に耐候安定度に悪影響を及ぼす。
【0007】
自動車の最初の仕上げのためには、その時点で自動車の車体がいかなる温度感受性部品も含まないことから、相対的に高い硬化温度を用いることが可能である。再仕上げに関する状況は様々である。例えば、既に塗装された自動車の欠陥がライン製造における部分修繕を必要とする場合、或いは、その後に小さな損傷が生じた場合に表面の一部だけが再仕上げしなければならない場合、タイヤやプラスチック製部品等の温度感受性部品を危険にさらさないためには、低温で硬化する被覆材料を使用する必要がある。シラン処理された系は、相対的に低い温度で硬化することが可能であるが、一般にイソシアネート架橋は高温でのみ十分である。
【0008】
ウレタンの形成を伴って更にポリイソシアネートにより架橋された部分的にシラン処理された系の場合、触媒としてブロック化リン酸エステル誘導体を使用することが一般的である。これらの系において、リン酸エステルの酸の作用は、塩基性成分によって中和される。通常、ブロック化は、例えばトリエチルアミン等のアミンを使用して生じる。特定の温度を超えると、ブロック化が消滅し、リン化合物がアルコキシシラン化合物の酸加水分解をもたらし、トリエチルアミンが、その低蒸気圧のために被覆からなくなる。この場合、一般的に言って、イソシアネート−ポリオール反応の酸触媒作用はない。
【0009】
課題
高度な耐候安定度を有する網状組織につながる、特にOEM仕上げ及び自動車の再仕上げにおけるクリアコート層のための被覆剤であって、高耐酸性を確保するために加水分解及び天候に対して不安定な部分の望ましくない形成が非常に大きく抑制されている被覆剤を提供することが、本発明の目的であった。更に、被覆剤は、熱硬化の直後の引掻耐性が高度であり、且つ、特に引掻曝露後の光沢の保持率が高い被覆につながるべきである。その上、被覆及び被覆系、とりわけクリアコート系は、>40μmの膜厚でもストレスクラックが生じることなく製造することが可能であるべきである。これは、自動車OEM仕上げの技術的且つ審美的に特に要求が厳しい分野における、被覆及び被覆系、特にクリアコート系の使用のための主要な要件である。
【0010】
特に意図するところは、顕著な引掻耐性と共に、湿潤/乾燥サイクルにおける紫外線を伴う天候の下での、特にクラッキングに対する高い耐性を特徴とするクリアコート系を提供することであった。
【0011】
更に、新規な被覆剤は、容易に且つ非常に良好な再現性で製造可能であるべきであり、且つ、被覆材料の塗布の間にいかなる環境問題も示すべきではない。
【0012】
本発明の前に現れる主要な課題は、アルコキシシラン化合物の加水分解により、及び更にヒドロキシル基とのイソシアネート基の反応により硬化する被覆材料のための低温での完全な架橋を達成することである。驚くべきことに、この課題は、リン酸触媒をブロック化するために二環式アミンを使用することにより解決することができることが分かった。
【0013】
課題の解決
従って、本発明は、当初は特定された種類の被覆剤であって、触媒(C)が、≧3のpKbと>100℃の沸点とを有するアミンでブロック化されるリン酸化合物、殊にリン酸又はホスホン酸である被覆剤を提供するものである。
【0014】
アミンは、有利には二環式アミンである。
【0015】
本発明の更に有利な実施形態は、従属請求項から明らかであろう。
【0016】
本発明の被覆剤の架橋は、イソシアネート基と加水分解性シラン基との反応を同時に経て達成される。シラン基は、化合物(A)及び/又は(B)の一部であってよい。被覆剤についての他の可能性は、シラン基の担体である更なる成分を含むことである。
【0017】
pKbの決定は、付記に記載される。
【0018】
本発明により付加される二環式アミンは、即ちトリエチルアミンより高い沸点を有する。この結果、二環式アミンは、非ブロック化の後に被覆膜内に残り、更にイソシアネート−アルコール反応を触媒する。適切な高沸点の第三級アミンの例は、ジアザビシクロオクタン(DABCO)である。ヒドロキシル基を有するイソシアネート基の反応に対するかかる第三級アミンの触媒効果は、それ自体公知である。しかしながら、リン酸エステルアミン錯体の塩様の性質のために、ポリオールによるイソシアネートの架橋が、例えば60℃等の低温でも遊離ジアザビシクロオクタンによる場合と同様に触媒されるということは、驚くべきことであり、且つ、予見不可能であった。
【0019】
先行技術に鑑みて、本発明が基づく前記目的が、本発明の被覆剤によって達成され得るということは、当業者にとって驚くべきことであり、且つ、予見不可能であった。
【0020】
本発明の成分は、特に容易に且つ非常に良好な再現性で製造することが可能であり、被覆材料の塗布の間にいかなる著しい毒性問題や環境問題も引き起こさない。
【0021】
本発明の被覆剤によって、新規な被覆及び被覆系、とりわけクリアコート系が製造され、それらは、高い引掻耐性があり、且つ、一般の高度に架橋した引掻耐性系とは対照的に耐酸性がある。その上、本発明の被覆及び被覆系、とりわけクリアコート系は、>40μmの膜厚でもストレスクラックが生じることなく製造することが可能である。従って、本発明の被覆及び被覆系、特にクリアコート系は、自動車OEM仕上げの技術的且つ審美的に特に要求が厳しい分野において使用され得る。その文脈において、それらは、特に高い耐洗車性及び耐引掻性を特徴とする。特に、前記被覆は、完成に向けた被覆の硬化の直後により高い耐引掻性を有し、それによって、完成に向けた硬化の直後に問題が生じることなく被覆が処理される。CAM180試験(DIN EN ISO 11341 Feb 98及びDIN EN ISO 4892−2 Nov 00による)における紫外線及び湿潤/乾燥サイクルの下でのクラッキングに対する本発明の被覆の耐性は、更に高耐引掻性と共に顕著である。
【0022】
特に、本発明の被覆剤及び被覆系、とりわけクリアコート系は、とりわけ自動車車体、特にトップクラスの自動車の車体のための載置プラスチック部品の被覆のための、例えばルーフ、テールゲート、フード、ウィング、フェンダ、スポイラ、シル、保護ストリップ、サイドトリムエレメント等の製造のための自動車(OEM)仕上げの特に技術的且つ審美的に要求が厳しい分野において、及び更に自動車の再仕上げにおいて使用される。
【0023】
プラスチック部品は、典型的には、ASA、ポリカーボネート、ASAとポリカーボネートとの配合物、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート又は耐衝撃性改質されたポリメチルメタアクリレートから構成され、殊に、>40%、とりわけ>50%のポリカーボネート分率で好ましくは使用されるASAとポリカーボネートとの配合物から構成される。
【0024】
一般に、ASAは、ポリアルキルアクリレートゴム上の、ビニル芳香族化合物、とりわけスチレンと、シアン化ビニル、とりわけアクリロニトリルとのグラフトコポリマーが、特にスチレン及びアクリロニトリルから構成されるコポリマーマトリックス中に存在する耐衝撃性改質されたスチレン/アクリロニトリルポリマーを意味する。
【0025】
発明の詳細な説明
適切なリン触媒(C)の例は、好ましくは非環式ホスホン酸ジエステル、環式ホスホン酸ジエステル、非環式ジホスホン酸ジエステル及び環式ジホスホン酸ジエステルから成る群からの、置換されたホスホン酸ジエステル及びジホスホン酸ジエステルである。この種類の触媒は、例えば独国特許出願DE−A−102005045228に記載されている。
【0026】
しかしながら、殊に触媒として、好ましくは非環式リン酸ジエステル及び環式リン酸ジエステルから成る群からの置換されたリン酸モノエステル及びリン酸ジエステル、より好ましくはリン酸モノエステル及びリン酸ジエステルのアミン付加物が使用される。
【0027】
非環式リン酸ジエステル(C)は、殊に、一般式(IV):
【化1】

[式中、基R10及びR11は:
−置換及び非置換の、1〜20個、好ましくは2〜16個、殊に2〜10個の炭素原子を有するアルキル−、3〜20個、好ましくは3〜16個、殊に3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル−、及び5〜20個、好ましくは6〜14個、殊に6〜10個の炭素原子を有するアリール−、
−置換及び非置換のアルキルアリール−、アリールアルキル−、アルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキル−、アリールシクロアルキル−、シクロアルキルアリール−、アルキルシクロアルキルアリール−、アルキルアリールシクロアルキル−、アリールシクロアルキルアルキル−、アリールアルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキルアリール−及びシクロアルキルアリールアルキル−(その中に存在するアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、各場合において前述の炭素原子数を含む);及び
−酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子、殊に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から成る群から選択される少なくとも1個、殊に1個のヘテロ原子を含有し;且つ水素(部分エステル化)を表すことも可能な前述の種類の置換及び非置換の基−
から成る群から選択される]の非環式リン酸ジエステル(C)から成る群から選択される。
【0028】
リン酸エステルがブロック化されるアミンの例としては、DABCOの他に、例えばN−ジメチルベンジルアミンやN−メチルモルホリンが挙げられる。
【0029】
触媒は、本発明の被覆剤の不揮発性成分に対して、好ましくは0.01〜20質量%の分率で、より好ましくは0.1〜10質量%の分率で使用される。この文脈において、触媒の部分に対する相対的に低いレベルの活性が、それに応じてより高い量が用いられることにより部分的に補償され得ることから、使用する触媒の量もまた、架橋に対して特定の影響を及ぼす。
【0030】
加水分解性シラン基を有する構造単位
被覆剤の1種又は1種より多い成分が加水分解性シラン基を含有することは、本発明にとって必須である。被覆剤の1種又は1種より多い成分が、式(I)
【化2】

[式中、
G=同じ又は異なる加水分解基、
X=有機基、殊に1〜20個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分枝状アルキレン基又はシクロアルキレン基、非常に好ましくはX=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、
R’’=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’’=アルキル基、殊に1〜6C原子を有するアルキル基、
x=0〜2、好ましくは0〜1、より好ましくはx=0]の1つ又はそれより多い同様の又は異なる構造単位を少なくとも部分的に含有する被覆剤は、この文脈において特に適切である。
【0031】
これらのシラン基の構造も、反応性に影響を及ぼし、従って被覆の硬化の間の非常に重要な反応に及ぼすので、極めて低い後架橋指数(PCI)の確立に影響を及ぼす。
【0032】
シランの相溶性及び反応性に関しては、3個の加水分解基を有する、即ちx=0のシランを使用することが好ましい。
【0033】
加水分解基Gは、ハロゲン、殊に塩素及び臭素の群から、アルコキシ基の群から、アルキルカルボニル基の群から、及びアシルオキシ基の群から選択され得る。特に、アルコキシ基(OR’)が好ましい。
【0034】
それぞれの好ましいアルコキシ基(OR’)は、同様又は異なってよいが;しかしながら、基の構造について重大な意味を持つものは、加水分解性シラン基の反応性に影響する程度である。好ましくは、R’は、殊に1〜6C原子を有するアルキル基である。特に好ましい基R’は、シラン基の反応性を増大させるもの、即ち良好な脱離基を表すものである。この点で、メトキシ基はエトキシ基よりも好ましく、更にエトキシ基はプロポキシ基よりも好ましい。特に好ましくは、R’=エチル及び/又はメチル、殊にメチルである。
【0035】
また、有機官能性シランの反応性は、更に、改質成分との反応に役立つシラン官能価と有機官能基との間のスペーサXの長さによっても著しく影響され得る。この例としては、Si原子と官能基との間に、「ガンマ」シランの場合に存在するプロピレン基の代わりにメチレン基があるWacker社から入手可能な「アルファ」シランを挙げることができる。これを示すために、加水分解性シラン基を被覆剤に導入するためにメタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン(「アルファ」シラン、例えばWackerからの商品GENIOSIL(登録商標)XL33)がメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(「ガンマ」シラン、例えばWackerからの商品GENIOSIL(登録商標)GF31)よりも好ましく使用されることが述べられる。
【0036】
非常に一般に、シランの反応性を増加させるスペーサは、シランの反応性を低下させるスペーサよりも好ましい。
【0037】
更に、シランの官能価は、同様に後架橋指数に影響を及ぼす。この文脈における官能価は、1分子当たりの式(I)の基の数を意味する。従って、単官能性シランという用語は、1個のシラン分子につき、各場合において改質すべき成分に式(I)の1個の基を導入するシランをいう。二官能性シランという用語は、1個のシラン分子につき、各場合において前記成分に式(I)の2個の基を導入するシランをいう。
【0038】
本発明によれば、前記成分が単官能性シランと二官能性シランとの混合物で改質された被覆剤が特に好ましい。この文脈において使用される二官能基シランは、殊に以下に記載される式(IIa)のそれらのアミノ官能性ジシランであり、使用される単官能性シランは、殊に以下で後述される式(IIIa)のそれらのシランである。
【0039】
最後に、構造単位(I)若しくは(II)若しくは(III)を導入するために用いられる有機官能性シラン上の非官能性置換基は、加水分解性シラン基の反応性に影響を及ぼす可能性もある。これは、一例として、アミン官能性シランの反応性を低下させ得るアミン官能基上の巨大で多量の置換基を挙げることにより示すことができる。この背景に対して、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランは、構造単位(III)の導入のためのN−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシランよりも好ましい。
【0040】
非常に一般に、シランの反応性を増大させる基は、シランの反応性を低下させる基よりも好ましい。
【0041】
式(I)の構造単位は、異なる方法で被覆剤の成分に導入することが可能である。しかしながら、各種の方法に共通の特徴は、構造単位の導入が、改質が意図される前記成分の官能基とシランの相補性官能基との間の反応を経て達成されることである。従って、例として、ヒドロキシル基を含有し且つ必要に応じて更なる反応基も含有する化合物(A)に及び/又はイソシアネート基を含有する化合物(B)に構造単位(I)を導入することの様々な可能性については、以下で述べられる。
【0042】
殊に、マイケル付加の文脈において、例えば第一級アミノシラン(例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(例えばWacker Chemieから商品名Geniosil(登録商標)GF93の下で入手可能)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(例えばWacker Chemieから商品名Geniosil(登録商標)GF96の下で入手可能)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(例えばWacker Chemieから商品名Geniosil(登録商標)GF9及び更にGeniosil(登録商標)GF91の下で入手可能)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(例えばWacker Chemieから商品名Geniosil(登録商標)GF95の下で入手可能)等)が使用される。
【0043】
殊に、イソシアネート官能性化合物への付加の文脈において、例えば第二級アミノシラン(例えば、ビス−(2−トリメトキシシリルエチル)アミン、ビス−(2−トリエトキシシリルエチル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン(Degussaから商標名Dynasylan(登録商標)1122の下で入手可能)、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(Degussaから商標名Dynasylan(登録商標)1124の下で入手可能)、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)アミン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Degussaから商標名Dynasylan(登録商標)1189の下で入手可能)、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Wacker Chemieから商品名Geniosil(登録商標)GF92の下で入手可能)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(商標名Geniosil(登録商標)XL924の下でWacker Chemieから入手可能)、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン(商標名Geniosil(登録商標)XL926の下でWacker Chemieから入手可能)、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン(商標名Geniosil(登録商標)XL973の下でWacker Chemieから入手可能)等)が使用される。
【0044】
エポキシ官能性シランは、殊にカルボン酸又は無水物官能価を有する化合物への付加のために使用され得る。適切なエポキシ官能性シランの例は、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(商標名Dynasylan(登録商標)GLYMOの下でDegussaから入手可能)、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(商標名Dynasylan(登録商標)GLYEOの下でDegussaから入手可能)等である。
【0045】
無水物官能性シランは、殊にエポキシ官能性化合物への付加のために使用され得る。挙げることが可能な無水物官能価を有するシランの例は、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物(商標名Geniosil(登録商標)GF20の下でWacker Chemieから入手可能)である。
【0046】
この種類のシランは、ミカエル反応の文脈において或いは金属触媒反応の文脈において使用され得る。例示されるものは、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(例えば商標名Dynasilan(登録商標)MEMOの下でDegussaから又は商標名Geniosil(登録商標)GF31の下でWacker Chemieから入手可能)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL10の下でWacker Chemieから入手可能)、ビニルジメトキシメチルシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL12の下でWacker Chemieから入手可能)、ビニルトリエトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)GF56の下でWacker Chemieから入手可能)、(メタクリロイルオキシメチル)メチルジメトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL32の下でWacker Chemieから入手可能)、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL33の下でWacker Chemieから入手可能)、(メタクリロイルオキシメチル)メチルジエトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL34の下でWacker Chemieから入手可能)、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン(とりわけ商標名Geniosil(登録商標)XL36の下でWacker Chemieから入手可能)である。
【0047】
イソシアネート官能基又はカルバメート官能基を有するシランは、特にヒドロキシ官能性化合物との反応の文脈において用いられる。イソシアネート官能基を有するシランの例は、例えばWO07/03857に記載されている。
【0048】
適切なイソシアナトアルキルトリアルコキシシランの例は、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジイソプロポキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリメトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジメトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジエトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリエトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリイソプロポキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジイソプロポキシシラン、イソシアナトイソアミルトリメトキシシラン、イソシアナトイソアミルメチルジメトキシシラン、イソシアナトイソアミルメチルジエトキシシラン、イソシアナトイソアミルトリエトキシシラン、イソシアナトイソアミルトリイソプロポキシシランおよびイソシアナトイソアミルメチルジイソプロポキシシランである。多くのイソシアナトアルキルトリアルコキシシラン及びイソシアナトアルキルジアルコキシシランは、例えばOSi Specialties,Inc.,Witco Corporation社からSILQUEST(登録商標)の名称の下で市販されている。
【0049】
使用されるイソシアナトプロピルアルコキシシランは、高度な純度、殊に少なくとも95%の純度を有することが好ましく、且つ、望ましくない副反応につながる可能性のあるエステル交換触媒等の添加剤を含まないことが好ましい。
【0050】
特に、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン(商品名Geniosil(登録商標)XL42の下でWacker−Chemieから入手可能)、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(商品名Geniosil(登録商標)XL40の下でWacker−Chemieから入手可能)及びN−ジメトキシ(メチル)シリルメチルO−メチルカルバメート(商品名Geniosil(登録商標)XL65の下でWacker−Chemieから入手可能)が使用される。
【0051】
本発明によれば、少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)と少なくとも1種のイソシアナト含有化合物(B)とを含む被覆剤であって、被覆剤の1種又は1種より多い成分が、更なる官能性成分として、構造単位(II)及び(III)の全体に対して2.5〜97.5モル%の式(II)
【化3】

[式中、
R’=水素、アルキル又はシクロアルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’=エチル及び/又はメチル、X、X’=1〜20個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分枝状アルキレン又はシクロアルキレン基、好ましくはX、X’=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、
R’’=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、基酸素、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’’=アルキル基、殊に1〜6C原子を有するアルキル基、
n=0〜2、m=0〜2、m+n=2、及びx,y=0〜2]の少なくとも1つの構造単位と、構造単位(II)及び(III)の全体に対して2.5〜97.5モル%の式(III)
【化4】

[式中、
Z=−NH−、−NR−、−O−、ここで
R=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、
x=0〜2、及び
X、R’、R’’は、式(II)について定義される通りである]の少なくとも1つの構造単位とを含む被覆剤が、より好ましい。
【0052】
被覆剤の1種又は1種より多い成分が、各場合において構造単位(II)及び(III)の全体に対して5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、非常に特に30〜70モル%の式(II)の少なくとも1つの構造単位と、各場合において構造単位(II)及び(III)の全体に対して5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、非常に特に30〜70モル%の式(III)の少なくとも1つの構造単位とを含有する被覆剤が非常に特に好ましい。
【0053】
ヒドロキシル基含有化合物(A)
ヒドロキシル基含有化合物(A)として、低分子量ポリオール及び更にオリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオールを使用することが好ましい。
【0054】
使用される低分子量ポリオールは、例えば、ジオール(例えば、好ましくは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール)や、更にポリオール(例えば、好ましくは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールヘキサン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリトール)である。
【0055】
この種類の低分子量ポリオールは、好ましくは、オリゴマー及び/又はポリマーポリオール成分(A)に対する小さな比率で混合される。
【0056】
好ましいオリゴマー及び/又はポリマーポリオール(A)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定される通りの、>500ダルトン、好ましくは800〜100000ダルトン、特に1000〜50000ダルトンの質量平均分子量Mwを有する。ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリシロキサンポリオール、並びに特に、ポリアクリレートポリオール及び/又はポリメタクリレートポリオール、及び以下でポリアクリレートポリオールと呼ばれるそれらのコポリマーが特に好ましい。ポリオールは、好ましくは、30〜400mgKOH/g、特に100〜300KOH/gのOH数を有する。DSC(示差熱分析)で測定される通りのポリオールのガラス転移温度は、好ましくは−150〜100℃、より好ましくは−120℃〜80℃である。
【0057】
適切なポリエステルポリオールは、例えばEP−A−0994117及びEP−A−1273640に記載されている。ポリウレタンポリオールは、好ましくはポリエステルポリオールプレポリマーを適切なジイソシアネート又はポリイソシアネートと反応させることによって製造され、例えばEP−A−1273640に記載されている。適切なポリシロキサンポリオールは、例えばWO−A−01/09260に記載されており、その中で列挙されているポリシロキサンポリオールは、好ましくは更なるポリオール、とりわけ相対的に高いガラス転移温度を有するものと組み合わせて用いることが可能である。
【0058】
本発明において非常に特に好ましいポリアクリレートポリオールは、一般にコポリマーであり、好ましくは、ポリスチレン標準品に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって各場合において測定される1000〜20000ダルトン、特に1500〜10000ダルトンの質量平均分子量Mwを有する。前記コポリマーのガラス転移温度は、一般に−100〜100℃、特に−50〜80℃(DSC測定によって測定される)である。ポリアクリレートポリオールは、60〜250mgKOH/g、特に70〜200KOH/gのOH数と、0〜30mgKOH/gの酸価とを有することが好ましい。
【0059】
水酸基数(OH数)は、水酸化カリウムのどれくらいのmgが、アセチル化の間に1gの物質が結合した酢酸の量に相当するかを示す。決定のためには、酢酸無水物−ピリジンと共に試料を沸騰させ、形成される酸を水酸化カリウム溶液(DIN53240−2)で滴定する。本明細書における酸価は、成分(b)のそれぞれの化合物1gを中和する際に消費される水酸化カリウムのmgの数を示す(DIN EN ISO2114)。
【0060】
使用されるヒドロキシル基含有モノマー単位は、好ましくは、ヒドロキシアルキルアクリレート及び/又はヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート並びに特に4−ヒドロキシブチルアクリレート及び/又は4−ヒドロキシブチルメタクリレートである。
【0061】
ポリアクリレートポリオールに使用される更なるモノマー単位は、好ましくは、アルキルメタクリレート及び/又はアルキルメタクリレート、例えば、好ましくは、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルアクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルアクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート又はラウリルメタクリレート、シクロアルキルアクリレート及び/又はシクロアルキルメタクリレート、例えばシクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート又は特にシクロヘキシルアクリレート及び/又はシクロヘキシルメタクリレートである。
【0062】
ポリアクリレートポリオールに使用され得る更なるモノマー単位は、ビニル芳香族炭化水素、例えばビニルトルエン、α−メチルスチレン又は特にスチレン、アクリル酸又はメタアクリル酸のアミド又はニトリル、ビニルエステル又はビニルエーテル、及び微量において、特にアクリル酸及び/又はメタアクリル酸である。
【0063】
本発明の更なる一実施形態において、ヒドロキシル基含有化合物A並びにヒドロキシル基は、式(I)及び/又は式(II)及び/又は式(III)の構造単位を含む。
【0064】
式(II)の構造単位は、かかる構造単位を含有するモノマー単位の取り込みによって、又は、式(IIa)
【化5】

[式中、置換基は、上記定義の通りである]の化合物との更なる官能基を含有するポリオールの反応によって化合物(A)に導入され得る。化合物(IIa)とのポリオールの反応のために、ポリオールは、対応して、特に酸性基やエポキシ基等の化合物(IIa)の第二級アミノ基と反応する更なる官能基を有する。本発明の好ましい化合物(IIa)は、ビス(2−エチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミン、ビス(4−ブチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(2−エチルトリエトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミン及び/又はビス(4−ブチルトリエトキシシリル)アミンである。ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンが、とりわけ好ましい。この種のアミノシランは、例えば、DEGUSSAからの商品名DYNASILAN(登録商標)又はOSIからのSilquest(登録商標)の下で入手可能である。
【0065】
構造要素(II)を担持するモノマー単位は、好ましくは、上述した化合物(IIa)とのアクリル酸及び/又はメタアクリル酸或いはエポキシ含有アルキルアクリレート及び/又はメタクリレートの反応生成物である。
【0066】
式(III)の構造単位は、かかる構造単位を含有するモノマー単位の取り込みによって、又は、式(IIIa)
【化6】

[式中、置換基は、上記定義の通りである]の化合物との更なる官能基を含有するポリオールの反応によって化合物(A)に導入され得る。化合物(IIIa)とのポリオールの反応のために、ポリオールは、対応して、特に酸性基、エポキシ基、エステル基等、化合物(IIIa)の官能基−ZHと反応する更なる官能基を有する。本発明の好ましい化合物(IIIa)は、オメガ−アミノアルキルトリアルコキシシラン又はオメガ−ヒドロキシアルキルトリアルコキシシラン、例えば、好ましくは、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシランおよび4−ヒドロキシブチルトリエトキシシランである。特に好ましい化合物(IIa)は、N−(2−(トリメトキシシリル)−エチル)アルキルアミン、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アルキルアミン、N−(4−(トリメトキシシリル)ブチル)アルキルアミン、N−(2−(トリエトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)アルキルアミン及び/又はN−(4−(トリエトキシシリル)ブチル)アルキルアミンである。N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンが、とりわけ好ましい。この種のアミノシランは、例えば、DEGUSSAからの商品名DYNASILAN(登録商標)又はOSIからのSilquest(登録商標)の下で入手可能である。
【0067】
構造要素(III)を担持するモノマー単位は、好ましくは、とりわけ上述したヒドロキシ官能性アルコキシシリル化合物及び/又はアミノ官能性アルコキシシリル化合物(IIIa)との、アクリル酸及び/又はメタアクリル酸或いはエポキシ含有アルキルアクリレート及び/又はエポキシ含有アルキルメタクリレートの反応生成物、及び更に、ヒドロキシ官能性アルコキシシリル化合物の場合、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレートのエステル交換生成物である。
【0068】
イソシアネート含有化合物(B)
成分(B)として、本発明の被覆剤は、遊離、即ち非ブロック化、及び/又はブロック化イソシアネート基を有する1種又は1種より多い化合物を含む。好ましくは、本発明の被覆剤は、遊離イソシアネート基を有する化合物(B)を含む。しかしながら、イソシアナト含有化合物Bの遊離イソシアネート基は、ブロック化形態で使用してもよい。これは、好ましくは、本発明の被覆剤が一成分系として使用される場合である。
【0069】
本発明により好ましくは使用されるイソシアナト含有化合物(B)のためのコア構造体としての役割を果たすジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートは、好ましくは従来の置換又は非置換の芳香族、脂肪族、脂環式及び/又は複素環式ポリイソシアネートである。好ましいポリイソシアネートの例は、以下の通りである:2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエンジイソシアネート、テトラメチレン1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン1,4−ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(例えば、Bayer AGからのDesmodur(登録商標)W)、テトラメチルキシリルジイソシアネート(例えば、American CyanamidからのTMXDI(登録商標))及び上述のポリイソシアネートの混合物。更に、好ましいポリイソシアネートは、上述のジイソシアネートのビウレットダイマー及びイソシアヌレートトリマーである。
【0070】
特に好ましいポリイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、それらのビウレットダイマー及び/又はイソシアヌレートトリマーである。
【0071】
本発明の更なる一実施形態において、ポリイソシアネートは、ポリオールを化学量論的過剰量の上述のポリイソシアネートと反応させることによって得られるウレタン構造単位を含有するポリイソシアネートプレポリマーである。この種類のポリイソシアネートプレポリマーは、例えばUS−A−4,598,131に記載されている。
【0072】
構造単位(II)及び(III)で官能化される、本発明においてとりわけ好ましいイソシアナト含有化合物(B)は、好ましくは、上述のジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを上述の化合物(IIa)及び(IIIa)と反応させることによって、即ち、コアポリイソシアネート構造における2.5〜90モル%、好ましくは5〜85モル%、より好ましくは7.5〜80モル%のイソシアネート基を少なくとも1種の化合物(IIa)と反応させ、コアポリイソシアネート構造における2.5〜90モル%、好ましくは5〜85モル%、より好ましくは7.5〜80モル%のイソシアネート基を少なくとも1種の化合物(IIIa)と反応させることによって製造される。
【0073】
ポリイソシアネート化合物(B)において化合物(IIa)及び(IIIa)と反応するイソシアネート基の総分率は、コアポリイソシアネート構造におけるイソシアネート基の5〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは15〜85モル%である。特に高度なシラン化の場合、即ち、高比率のイソシアネート基、殊に少なくとも50モル%が化合物(IIa)/(IIIa)と反応した場合、イソシアネート基は、有利には化合物(IIa)及び(IIIa)の混合物と反応する。
【0074】
特に好ましい化合物(IIa)は、ビス(2−エチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミン、ビス(4−ブチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(2−エチルトリエトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミン及び/又はビス(4−ブチルトリエトキシシリル)アミンである。ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンが、とりわけ好ましい。この種のアミノシランは、例えば、DEGUSSAからの商品名DYNASILAN(登録商標)又はOSIからのSilquest(登録商標)の下で入手可能である。
【0075】
好ましい化合物(IIIa)は、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン及び4−ヒドロキシブチルトリエトキシシランである。
【0076】
特に好ましい化合物(IIIa)は、N−(2−(トリメトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アルキルアミン、N−(4−(トリメトキシシリル)ブチル)アルキルアミン、N−(2−(トリエトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)アルキルアミン及び/又はN−(4−(トリエトキシシリル)ブチル)アルキルアミンである。N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンが、とりわけ好ましい。この種のアミノシランは、例えば、DEGUSSAからの商品名DYNASILAN(登録商標)又はOSIからのSilquest(登録商標)の下で入手可能である。
【0077】
とりわけ好ましいイソシアナト含有化合物(B)は、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミン及びN−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンとのヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネート、及び/又はそれらのイソシアヌレートトリマーの反応生成物である。化合物(IIa)及び(IIIa)とのイソシアナト含有化合物(B)の反応は、100℃以下、好ましくは60℃以下の温度で、好ましくは不活性気体中で起きる。
【0078】
イソシアナト含有化合物Bの遊離イソシアネート基は、ブロック化形態で使用することも可能である。これは、好ましくは、本発明の被覆剤が一成分系として使用される場合である。ブロック化の目的のためには、ポリイソシアネートをブロック化するために使用することが可能であり、且つ、十分に低い非ブロック化温度を有する任意のブロック化剤を使用することが原則として可能である。この種のブロック化剤は、当業者によく知られている。EP−A−0626888及びEP−A−0692007に記載される通りのブロック化剤を使用することが好ましい。
【0079】
成分A及びBの組み合わせ、及び被覆剤の更なる成分
イソシアナト含有化合物Bの質量分率に対する用いられるヒドロキシル基含有化合物Aの質量分率は、ポリオールのヒドロキシ当量と、ポリイソシアネートBの遊離イソシアネート基の当量とに依存する。
【0080】
本発明の被覆剤において、1種又は1種より多い成分が、構造単位(II)及び(III)の合計に対して2.5〜97.5モル%の少なくとも1つの構造単位(II)と、構造単位(II)及び(III)の合計に対して2.5〜97.5モル%の少なくとも1つの構造単位(III)とを含有することが好ましい。
【0081】
本発明の被覆剤は、被覆剤における不揮発性物質の量に対して好ましくは2.5質量%〜97.5質量%、より好ましくは5質量%〜95質量%、非常に好ましくは10質量%〜90質量%、特に20質量%〜80質量%のヒドロキシル基含有化合物(A)と、被覆剤における不揮発性物質の量に対して好ましくは2.5質量%〜97.5質量%、より好ましくは5質量%〜95質量%、非常に好ましくは10質量%〜90質量%、特に20質量%〜80質量%のイソシアナト含有化合物(B)とを含有する。
【0082】
ヒドロキシル基及びイソシアネート基の分率と、更に構造要素(I)及び/又は(II)及び/又は(III)の分率とから得られる、本発明の被覆剤における架橋に重要な官能基の合計に対して、構造要素(I)及び/又は(II)及び/又は(III)は、好ましくは2.5〜97.5モル%、より好ましくは5〜95モル%、非常に好ましくは10〜90モル%の分率で存在する。
【0083】
本発明の更なる一実施形態において、構造要素(I)、(II)及び/又は(III)は、更に、成分(A)及び(B)とは異なる1種又は1種より多い更なる成分(D)の一部であってもよく、その場合、適用される基準は上記で特定されるものである。例えば、成分(D)として、構造要素(III)の担体として例えば特許及び特許出願US−A−4,499,150、US−A−4,499,151又はEP−A−0571073において特定されるポリ(メタ)アクリレート等のアルコキシシリル基を含有するオリゴマー又はポリマーを使用すること、又は、構造要素(II)の担体としてWO−A−2006/042585において特定される化合物を使用することが可能である。一般的に言って、この種の成分(D)は、被覆剤の不揮発性成分に対して最高40質量%、好ましくは最高30質量%、より好ましくは最高25質量%の分率で使用される。
【0084】
ポリオールA及びポリイソシアネートBの質量分率は、ヒドロキシル基含有化合物(A)のヒドロキシル基に対するイソシアネート含有化合物(B)の未反応のイソシアネート基のモル当量比が0.9:1〜1:1.1、好ましくは0.95:1〜1.05:1、より好ましくは0.98:1〜1.02:1であるように選択されることが好ましい。
【0085】
被覆剤が一成分型被覆剤である場合、遊離イソシアネート基が上記のブロック化剤でブロック化されたイソシアナト含有化合物(B)が選択される。
【0086】
本発明の好ましい2−成分(2K)被覆剤の場合、ヒドロキシル基含有化合物(A)と更に以下に記載される更なる成分とを含む被覆成分は、従来は、イソシアナト含有化合物(B)を含み、適切な場合、更に以下に記載される成分の更なる被覆成分と混合されるが、この混合は、被覆剤が塗布される直前に行い;一般的に言って、化合物(A)を含む被覆成分は、触媒と更に溶媒の一部とを含む。
【0087】
本発明の被覆剤に適切な溶媒は、特に、被覆剤において、化合物(A)及び(B)に対して化学的に不活性であり、且つ、更に、被覆剤が硬化する際に(A)及び(B)と反応しないものである。かかる溶媒の例は、脂肪族炭化水素及び/又は芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、Solvesso100、Hydrosol(登録商標)(ARALから))、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン)、エステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテート、エチルエトキシプロピオネート)、エーテル、上述の溶媒の混合物である。非プロトン性溶媒又は溶媒混合物は、溶媒に対して1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下の含水率を有することが好ましい。
【0088】
化合物(A)、(B)及び(D)の他に、好ましくは、化合物(A)のヒドロキシル基と、及び/又は、化合物(B)の遊離イソシアネート基と、及び/又は、化合物(A)、(B)及び/又は(D)のアルコキシシリル基と反応し、網状組織点を形成することが可能な更なる結合剤(E)を使用することが更に可能である。
【0089】
例えば、成分(D)としてアミノ樹脂及び/又はエポキシ樹脂を使用することが可能である。適切なアミノ樹脂は、典型的な公知のアミノ樹脂であり、そのメチロール基及び/又はメトキシメチル基の一部は、カルバメート基又はアロファネート基によって非官能化することが可能であった。この種の架橋剤は、特許US−A−4710542及びEP−B−0245700並びに、更に、B.Singh and coworkers,"Carbamylmethylated Melamines,Novel Crosslinkers for the Coatings Industry"in Advanced Organic Coatings Science and Technology Series,1991,Volume13,193〜207ページによる論文に記載されている。
【0090】
一般的に言って、かかる成分(E)は、被覆剤の不揮発性成分に対して最高40質量%、好ましくは最高30質量%、より好ましくは最高25質量%の分率で使用される。
【0091】
本発明の被覆剤は、少なくとも1種の典型的な公知の被覆添加剤を、有効量で、即ち、各場合において被覆剤の不揮発性成分に対して好ましくは最高30質量%、より好ましくは最高25質量%、特に最高20質量%の量で更に含んでよい。
【0092】
適切な被覆添加剤の例は:
−特にUV吸収剤;
−特に光安定剤(例えば、HALS化合物、ベンゾトリアゾール、オキサラニリド);
−遊離基捕捉剤;
−滑性付与剤;
−重合防止剤;
−泡制止剤;
−先行技術から周知であり且つ好ましくは−Si(OR)3基に対して不活性である種類の反応性希釈剤;
−湿潤剤(例えば、シロキサン、フッ素化合物、カルボン酸モノエステル、リン酸エステル、ポリアクリル酸及びそれらのコポリマー、ポリウレタン);
−付着促進剤(例えば、トリシクロデカンジメタノール);
−流れ調整剤;
−膜形成助剤(例えば、セルロース誘導体);
−充填剤(例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムに基づくナノ粒子;詳しくは、Roempp Lexikon"Lacke und Druckfarben"Georg Thieme Verlag,Stuttgart,1998,250〜252ページを参照すること;
−レオロジ制御添加剤(例えば、特許WO94/22968、EP−A−0276501、EP−A−0249201又はWO97/12945から知られている添加剤);例えばEP−A−0008127に開示される通りの架橋ポリマー微小粒子;無機フィロシリケート(例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モンモリロナイト型のナトリウム−マグネシウム及びナトリウム−マグネシウム−フッ素−リチウムフィロシリケート);シリカ(例えば、Aerosils);又はイオン基及び/又は会合基を含有する合成ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン酸無水物コポリマー又はエチレン−マレイン酸無水物コポリマー及びそれらの誘導体、疎水的に改質されたエトキシル化ウレタン又はポリアクリレート);
−及び/又は難燃剤である。
【0093】
本発明の更なる一実施形態において、本発明の被覆剤は、更なる顔料及び/又は充填剤を更に含むことができ、且つ、着色トップコートの製造に役割を果たすことができる。この目的のために用いられる顔料及び/又は充填剤は、当業者に知られている。
【0094】
本発明の被覆剤から製造された本発明の被覆は、既に硬化した電気コート、サーフェイサーコート、ベースコート系又は典型的な公知のクリアコート系にも優れて付着するので、自動車のOEM仕上げにおける使用だけでなく、自動車の再仕上げ、又は、既に塗装された自動車車体に対するモジュール引掻耐性の付与にも適切である。
【0095】
本発明の被覆剤は、例えば、スプレー、ナイフ被覆、展延、注入、浸漬、含浸、散布、圧延等の典型的な塗布方法のいずれかによって塗布することが可能である。かかる塗布の間、被被覆基材は、塗布機器又はユニットを移動させつつ、それ自身は静止してよい。或いは、被被覆基材、特にコイルは、塗布ユニットを基材に対して静止させるか若しくは適切に移動させつつ、移動させることが可能である。
【0096】
圧縮エアスプレー、エアレススプレー、高速回転、静電スプレー塗布(ESTA)等のスプレー塗布方法を、単独で又は例えばホットエアスプレー等のホットスプレー塗布と共に用いることが好ましい。
【0097】
本発明の塗布された被覆剤は、特定の静止時間の後、硬化させることができる。静止時間は、例えば、被覆膜の水平化及び脱揮発或いは溶媒等の揮発成分の蒸発のための役割を果たす。静止時間は、高温を適用することにより、及び/又は、低湿度により、これが例えば早発の完全架橋等の被覆膜に対するいかなる損傷や変化も伴わない限り、促進及び/又は短縮され得る。
【0098】
被覆剤の熱硬化は、方法に関する特色を有さないが、その代わり、強制空気オーブンにおける加熱やIRランプによる照射等、典型的な公知の方法に従って起こる。熱硬化は、段階的に起こる場合もある。別の好ましい硬化方法は、近赤外(NIR)放射によって硬化させるものである。熱硬化は、自動車の再仕上げに用いられる温度、好ましくは30〜90℃の場合、より長い硬化時間を用いることができるにもかかわらず、1分間〜10時間まで、より好ましくは2分間〜5時間まで、特に3分間〜3時間の時間、30〜200℃、より好ましくは40〜190℃、特に50〜180℃の温度で有利には起こる。
【0099】
本発明の被覆剤により、新規な硬化被覆、とりわけ被覆系、殊にクリアコート系;成形品、とりわけ光学成形品;及び自立膜が製造されるが、それらの全ては、高い引掻耐性があり、特に化学物質及び天候に対して安定である。本発明の被覆及び被覆系、とりわけクリアコート系は、特に、>40μmの膜厚でもストレスクラックが生じることなく製造することが可能である。
【0100】
これらの理由により、本発明の被覆剤は、輸送手段(とりわけ自動二輪車、バス、トラックまたは自動車等の自動車両)の本体又はそれらの部品;建物(内部及び外部);調度品、窓及びドア;プラスチック成形品、とりわけCD及び窓;小さな工業用部品(コイル、容器及び包装品);白物家電;膜;光学部品、電気部品及び機械部品;及び中空ガラス器や日用品における装飾的、保護的及び/又は効果付与的で、高い引掻耐性がある被覆及び被覆系として、優れた適合性がある。
【0101】
本発明の被覆剤及び被覆系、とりわけクリアコート系は、特に、自動車のOEM仕上げ及び更に自動車の再仕上げの技術的且つ審美的に特に要求が厳しい分野において用いられる。特に好ましくは、本発明の被覆剤は、多段階被覆方法、特に、最初に着色ベースコート層を、場合によりプレコートされた基材に塗布し、その後、本発明の被覆剤を有する層を塗布する方法において使用される。
【0102】
水希釈性ベースコートだけでなく、有機溶媒系ベースコートもまた使用され得る。適切なベースコートは、例えば、EP−A−0692007及びその3欄50行目以下に引用された文献に記載されている。好ましくは、塗布されたベースコートを最初に乾燥させ、即ち、有機溶媒及び/又は水の少なくとも一部が、蒸発相においてベースコート層から剥離される。乾燥は、好ましくは室温〜80℃までの温度で達成される。乾燥の後、本発明の被覆剤が塗布される。続いて、自動車の再仕上げに用いられる温度、好ましくは30〜90℃でより長い硬化時間を用いることもできるにもかかわらず、1分間〜10時間まで、より好ましくは2分間〜5時間まで、特に3分間〜3時間の時間、30〜200℃、より好ましくは40〜190℃、特に50〜180℃の温度で、好ましくは自動車のOEM仕上げに用いられる条件下で、ツーコート系が焼成される。
【0103】
本発明の被覆剤で製造されるコートは、特に、とりわけ高い化学的安定性及び耐候安定度、更に非常に良好な洗車耐性及び引掻耐性、特に引掻耐性と湿潤/乾燥サイクルにおける紫外線に対する耐候安定度との優れた組み合わせで注目に値する。
【0104】
本発明の更なる好ましい一実施形態において、本発明の被覆剤は、プラスチック基材、とりわけ透明プラスチック基材の被覆のための透明クリアコートとして使用される。この場合、被覆剤としては、UV吸収剤が挙げられ、前記UV吸収剤はまた、量及び種類に関して、プラスチック基材の効果的なUV保護のために設計されている。本明細書においては、同様に、被覆剤は、引掻耐性と湿潤/乾燥サイクルにおける紫外線に対する耐候安定度との顕著な組み合わせで注目に値する。しかるに被覆されたプラスチック基材は、自動車構造におけるガラス部品の代わりとして使用されることが好ましく、前記プラスチック基材は、好ましくはポリメチルメタアクリレート又はポリカーボネートから構成される。
【0105】
調製例
シラン処理された硬化剤1:
バッチ:
−品目1:HDI(ヘキサメチル−1,6−ジイソシアネート)からの57.30g(0.100モル)のポリイソシアヌレート(Basonat(登録商標)HI 100)
−品目2:63.74gのソルベントナフサ(芳香族炭化水素の混合物)
−品目3:51.23g(0.150モル)のビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン(Dynasilan 1124(登録商標))
【0106】
手法:
撹拌磁石と内部温度計と滴下漏斗とを備えた250mL三つ口フラスコに、品目1及び2を投入する。窒素を生成しつつ還流下で室温で、透明で無色の溶液を撹拌する。品目3を、温度が60℃を超えて上昇しないような速度で徐々に滴下する。品目3の終了後、透明な帯黄色の溶液が存在する。温度は56℃であり、加熱された撹拌プレート及び油浴を使用して、温度を50〜60℃に4時間保つ。滴定によって遊離イソシアネート含量を決定する。31μm篩を使用して生成物を密封する。
【0107】
特性:
【表1】

【0108】
シラン処理された硬化剤2:
バッチ:
−品目1:HDI(ヘキサメチル−1,6−ジイソシアネート)からの57.30g(0.100モル)のポリイソシアヌレート(Basonat(登録商標)HI 100)
−品目2:62.70gのソルベントナフサ(芳香族炭化水素の混合物)
−品目3:25.62g(0.075モル)のビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン(Dynasilan 1124(登録商標))
−品目4:17.65g(0.075モル)のN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ブチルアミン(Dynasilan 1189(登録商標))
【0109】
手法:
撹拌磁石と内部温度計と滴下漏斗とを備えた250mL三つ口フラスコに、品目1及び2を投入する。窒素を生成しつつ還流下で室温で、透明で無色の溶液を撹拌する。品目3及び4の混合物を、温度が60℃を超えて上昇しないような速度で徐々に滴下する。品目3及び4の終了後、透明でわずかに帯黄色の溶液が存在する。温度は56℃であり、加熱された撹拌プレート及び油浴を使用して、温度を50〜60℃に4時間保つ。滴定によって遊離イソシアネート含量を決定する。31μm篩を使用して生成物を密封する。
【0110】
特性:
【表2】

【0111】
ビス−及びモノシランアミンを同時に使用することにより、良好な耐候性と同時に向上した耐引掻性が得られる。純粋なビスシラン化合物と比較して、早発のクラッキングに関して促進耐候性及び必要な耐引掻性の向上が達成される。
【0112】
リン酸エステル触媒:
トリエチルアミン系触媒:
バッチ:
−品目1:10.62g(0.105モル)のトリエチルアミン
−品目2:32.24g(0.100モル)のビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート
−品目3:10.00g(0.100モル)のメチルイソブチルケトン
−品目4:10.00g(0.113モル)のエチルアセテート
【0113】
手法:
撹拌磁石と内部温度計と滴下漏斗とを備えた100mL三つ口フラスコに、品目2、3及び4を投入する。窒素を生成しつつ還流下で室温で、透明で無色の溶液を撹拌する。品目1を、温度が45℃を超えて上昇しないような速度で徐々に滴下する。品目1の終了後、透明で無色の溶液が存在する。温度は40℃であり、加熱された撹拌プレート及び油浴を使用して、温度を3時間保つ。続いて、65℃及び20mbarで回転蒸発器によって溶媒(品目3及び4)を留去する。これにより、透明で無色の溶液を得る。収量は40.20g(94%)である。次いで、それをイソプロパノールで25%のnfAに調整する。(nfA=130℃で1時間後に重さを再測定することにより決定される非揮発性物質含量)。
【0114】
特性:
−粘度η[mPas]:124.7mPas、T=23.0℃
−屈折率n:nD20=1.4488
−酸価AN[mgKOH/g]:144mgKOH/g
−pH:pH=6;T=24℃
【0115】
DABCO系触媒:
バッチ:
−品目1:11.78g(0.105モル)の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン[DABCO Crystal]
−品目2:32.24g(0.100モル)のビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート
−品目3:10.00g(0.100モル)のメチルイソブチルケトン
−品目4:20.00g(0.226モル)のエチルアセテート
【0116】
手法:
撹拌磁石と内部温度計と滴下漏斗とを備えた100mL三つ口フラスコに、品目1、3及び4を投入する。窒素を生成しつつ還流下で44℃で、品目1を撹拌し、溶解させる。品目2を、温度が50℃を超えて上昇しないような速度で徐々に滴下する。品目1の終了後、透明で淡黄色の溶液が存在する。温度は48℃であり、加熱された撹拌プレート及び油浴を使用して、温度を40℃に3時間保つ。続いて、65℃及び20mbarで回転蒸発器によって溶媒(品目3及び4)を留去する。これにより、室温で凝固する白色のゼラチン状の塊を得る。収量は41.00g(93%)である。
【0117】
特性:
−酸価AN[mgKOH/g]:134mgKOH/g
−pH:pH=7;T=24℃
【0118】
配合:
【表3】

X=DABCO系触媒:0.28
X=トリエチルアミン系触媒:0.26
【0119】
付記
pKbの決定:
1.要約
23℃及び約0.01Mの試験物質濃度での試験物質の解離定数(pKa)は:
【数1】

である。
【0120】
2.実験の詳細
参考文献:
決定は、"Dissociation Constants in Water"及び更に以下の研究書:
A.Albert,E.P.Serjeant,Determination of lonization Constants,Chapter2:Determination of ionization constants by potentiometric titration using a glass electrode,Chapman and Hall,London(1984)のラインに沿って行う。
【0121】
原理:
水中の塩基のイオン化について
解離定数Kbについて示すことが可能である:
【数2】

[式中、aは、モル/Lでの個々の種の活量を表す]。
【0122】
希薄溶液において、ある種の活量は、モル/Lでのその濃度cにほとんど一致する。その上、aH2Oは、一定であると考えることができる。従って:
【数3】

である。
【0123】
また、解離定数は、しばしば負の対数の形でも示される:
【数4】

【0124】
共役酸のイオン化定数を用いて、以下を定式化することができる:
【数5】

【0125】
式:
【数6】

を用いることにより、イオン化定数pKaを、以下の式:
【数7】

を用いて決定することが可能である。
【0126】
pKaが決定され得る方法の内の1つは、滴定法によるものである。
【0127】
この目的のためには、試験物質(例えば、塩基B)を水に溶解させる。この場合の濃度は、0.01モル/Lを超えるべきでない。
【0128】
その物質の溶解性が低いならば、適切な場合、低分率の水混和性溶媒(例えば、イソプロパノール)を添加する。
【0129】
試験溶液を、酸標準液で滴定する。
【0130】
この場合、温度は、20℃〜25℃であるべきであり、±1℃に維持されるべきである。
【0131】
評価は、以下の式:
【数8】

に従って行う。
【0132】
式中:
pKa=解離定数の負の対数
pH=H+イオン活量(およそH+イオン濃度)の負の対数、式中:
pH=−logc+
c+=モル/LでのH+イオンの濃度(測定されたpHから算出される。pHが7を越える場合、結果を算出する際にc+を無視することができる。)
cOH-=モル/LでのOH-イオンの濃度(測定されたpHから算出される:pH+pOH=14。pHが7を下回る場合、結果を算出する際にcOH-を無視することができる。)
cS=初期質量によって与えられるモル/Lでの試験溶液における試験物質の総計濃度(固体濃度)
cMH=モル/Lでの滴定媒質MHの濃度[式中、Mは、一般にハロゲン(例えば、Cl、Br等)である]
【数9】

V=Lでの消費滴定媒質の量
c=モル/Lでの滴定媒質の目標濃度
t=滴定量
Vp=cSを調製する際のmLでの試料体積
【0133】
滴定媒質の消費量が5mL以下であり、Vpが約47〜48mL(例えば、47.5mL)である場合、式
【数10】

は、およそ=20に設定することができる。
【0134】
2.1 装置
2.1.1 天秤:Mettler AT 261 Wag 17
2.1.2 滴定装置:10mLの取替えユニットW20を備えたMetrohm DMS Titrino 716
2.1.3 複合ガラス電極:Metrohm 6.0203.100 EG 10
【0135】
2.2 試薬
2.2.1 標準溶液:塩酸、
モル濃度c(HCl)=0.1モル/L、製造業者:Bernd Kraft、物品番号1044、滴定量t=1.0016、滴定量番号98/08/32
2.2.2 水、脱イオン化、BASF(ELGA−Maxima超純水プラント)
【0136】
2.3 手法
約0.09gの試験物質を正確に秤量し(第2項参照)、磁気撹拌しながら47.5mLの水(2.2.2)に溶解させた。次いで、約0.01Mの濃度cSを有する得られた溶液を、等量の塩酸(2.2.1)と徐々に混合する。得られたpHを決定し、第2項で得られた式を使用して表形式で評価する。
【0137】
測定温度=23℃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)反応基を有する少なくとも1種の結合剤(A)と、
(b)架橋すると共に結合剤(A)の反応基と反応し得る少なくとも1種の架橋剤(B)と、
(c)シラン基を架橋させるための少なくとも1種の触媒(C)と、を含む被覆剤であって、1種又は1種より多い成分(A)及び/又は(B)、及び/又は前記被覆剤の少なくとも1種の更なる成分が、加水分解性シラン基を含み、前記触媒(C)が、≧3のpKb及び>100℃の沸点を有するアミンでブロック化されるリン酸化合物、殊にリン酸又はホスホン酸であることを特徴とする、前記被覆剤。
【請求項2】
前記アミンが二環式アミンであることを特徴とする、請求項1に記載の被覆剤。
【請求項3】
結合剤として少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)と、架橋剤として遊離イソシアネート基及び/又はブロック化イソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物(B)とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の被覆剤。
【請求項4】
触媒(C)が、置換されたリン酸モノエステル及びリン酸ジエステルの群から、好ましくは非環式リン酸ジエステル及び環式リン酸ジエステルから成る群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の被覆剤。
【請求項5】
触媒(C)が、アミンブロック化リン酸エチルヘキシル部分エステル及びアミンブロック化リン酸フェニル部分エステル、殊にアミンブロック化リン酸ビス(エチルヘキシル)エステルの群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の被覆剤。
【請求項6】
二環式アミンがジアザビシクロオクタンであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項7】
被覆剤の1種又は1種より多い成分が、式(I)
【化1】

[式中、
G=同じ又は異なる加水分解基、殊にG=アルコキシ基(OR’)、
X=有機基、殊に1〜20個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分枝状アルキレン基又はシクロアルキレン基、非常に好ましくはX=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、
R’’=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’’=アルキル基、殊に1〜6C原子を有するアルキル基、
x=0〜2、好ましくは0〜1、より好ましくはx=0]の1つ又はそれより多い同じ又は異なる構造単位を少なくとも部分的に含有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項8】
被覆剤の1種又は1種より多い成分が、構造単位(II)及び(III)の全体に対して2.5〜97.5モル%の式(II)
【化2】

[式中、
R’=水素、アルキル又はシクロアルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’=エチル及び/又はメチル、
X、X’=1〜20個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分枝状アルキレン又はシクロアルキレン基、好ましくはX、X’=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、
R’’=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、好ましくはR’’=アルキル基、殊に1〜6C原子を有するアルキル基、
n=0〜2、m=0〜2、m+n=2、及びx,y=0〜2]の少なくとも1つの構造単位と、
構造単位(II)及び(III)の全体に対して2.5〜97.5モル%の式(III)
【化3】

[式中、
Z=−NH−、−NR−、−O−、ここで
R=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル(炭素鎖が、隣接しない酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断され得、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル)、
x=0〜2、及び
X、R’、R’’は、式(II)について定義される通りである]の少なくとも1つの構造単位とを含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項9】
被覆剤の1種又は1種より多い成分が、各場合において構造単位(II)及び(III)の全体に対して5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、非常に特に30〜70モル%の式(II)の少なくとも1つの構造単位と、各場合において構造単位(II)及び(III)の全体に対して5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、非常に特に30〜70モル%の式(III)の少なくとも1つの構造単位とを含有することを特徴とする、請求項8に記載の被覆剤。
【請求項10】
ヒドロキシル基及びイソシアネート基の分率と、前記構造要素(II)及び(III)の分率とから得られる、各場合において前記被覆剤における架橋に重要な官能基の合計に対して、前記構造要素(II)及び(III)が、2.5〜97.5モル%、好ましくは5〜95モル%、より好ましくは10〜90モル%の分率で存在することを特徴とする、請求項8又は9に記載の被覆剤。
【請求項11】
前記ポリイソシアネート(B)が、前記構造単位(I)若しくは(II)若しくは(III)を有することを特徴とする、請求項7から10までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項12】
前記ポリイソシアネート(B)において、
コアポリイソシアネート構造における2.5〜90モル%のイソシアネート基が、構造単位(II)に反応しており、及び
コアポリイソシアネート構造における2.5〜90モル%のイソシアネート基が、構造単位(III)に反応しており、
及び、コアポリイソシアネート構造における、構造単位(II)及び(III)に反応したイソシアネート基の総分率が、5〜95モル%であることを特徴とする、請求項11に記載の被覆剤。
【請求項13】
前記コアポリイソシアネート構造が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、上述のポリイソシアネートのビウレットダイマー及び/又は上述のポリイソシアネートのイソシアヌレートトリマーの群から選択されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の被覆剤。
【請求項14】
前記ポリオール(A)が、少なくとも1種のポリ(メタ)アクリレートポリオールを含むことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項15】
前記触媒(C)が、前記被覆剤の固形物含量に対して0.1質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜3質量%の量で被覆剤中に存在することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項16】
着色ベースコート層を、場合によりプレコートされた基材に塗布し、その後、請求項1から15までのいずれか1項に記載の被覆剤から成る層を塗布することを特徴とする、多段階被覆方法。
【請求項17】
前記着色ベースコート層の塗布の後、塗布されたベースコートを最初に室温〜80℃までの温度で乾燥させ、請求項1から13までのいずれか1項に記載の被覆剤の塗布の後、1分間〜10時間までの時間、30〜200℃の温度で硬化させる、請求項16に記載の多段階被覆方法。
【請求項18】
クリアコートとしての、若しくは自動車のOEM仕上げ及び自動車の再仕上げのための請求項16又は17に記載の前記方法の適用としての、請求項1から14までのいずれか1項に記載の被覆剤の使用。

【公表番号】特表2011−509315(P2011−509315A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538458(P2010−538458)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010808
【国際公開番号】WO2009/077180
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】