説明

高アルカリスラリー処理方法及びシステム

【課題】高アルカリ性の廃棄物を特別管理一般廃棄物等の規定値のpHに調整すると共に、重金属を除去して、高アルカリスラリーを効率よく高濃度に濃縮することができる高アルカリスラリーの処理方法を提供すること。
【解決手段】高アルカリスラリーの処理方法は、pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物をスラリー化して処理する方法である。高アルカリスラリーの処理方法は、廃棄物に5〜20倍の水を加えてスラリーを生成して、廃棄物中の可溶性成分を溶出させる溶出工程S1と、スラリーに強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する強酸液混合工程S2と、高分子凝集剤を添加する凝集反応工程S3と、スラリーの濃縮及び脱塩を行う濃縮工程S4と、所定レベルに濃縮した濃縮スラリーをラリー濃縮槽から排出する濃縮スラリー排出工程S5と、濃縮スラリーを脱水ケーキにする脱水工程S6と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、都市ゴミ等の焼却時に採取された焼却飛灰、金属、土石類等のからなる高アルカリ性の廃棄物をスラリー化して処理する高アルカリスラリー処理方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スラリーは、工業上の使用目的や対象物等によって種々なものがある。そのスラリーの濃縮目的、処理方法及びその処理装置も千差万別である。塩類成分及び重金属成分を含有する焼却飛灰が混合されたスラリーを処理する方法としては、例えば、特許文献1に記載された焼却飛灰処理方法及び装置が知られている。
特許文献1に記載の焼却飛灰処理装置は、水素イオン濃度がpH11〜14pHの高アルカリ性で塩類成分及び重金属成分を含有する焼却飛灰と、酸性物質とを混合して水素イオン濃度がpH7〜9pHの範囲のスラリーとする混合手段と、その下流にスラリーを脱水して焼却飛灰に含有されていた塩類を溶出させて除去して脱水ケーキを生成する脱水手段と、を連設して構成されている。
【0003】
また、金属等の固体粒子と水が混じったスラリーを濃縮する方法としては、例えば、特許文献2に記載されたスラリー濃縮方法が知られている。
そのスラリー濃縮方法は、原料粉体が収納された原料槽と、凝集剤が収容された凝集剤供給装置と、原料槽内の原料粉体と凝集剤供給装置内の凝集剤とが供給されて攪拌される凝集反応槽と、凝集反応槽で攪拌されたスラリーが供給されて、そのスラリー濃縮させる沈降槽と、沈降槽で得た濃縮スラリーを脱水する脱水機とによって焼却飛灰を処理する方法である。
特許文献1のスラリー濃縮方法では、凝集反応槽でスラリー中に凝集剤を添加して攪拌させたスラリーをスラリー濃縮槽(沈降槽)で、スラリー中の固体粒子(スラッジ等の粉体)を自重により沈降させて固液分離させることによって濃縮スラリーを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3735789号公報(特許請求の範囲、段落0020,0027)
【特許文献2】特開2006−212569号公報(特許請求の範囲、段落0034〜0037、0056)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載された焼却飛灰処理装置の混合手段では、高アルカリ性で塩類成分及び重金属成分を含有する焼却飛灰と酸性物質とを混合してpH7〜pH9の範囲のスラリーを得ている。
しかしながら、高アルカリスラリー処理方法では、焼却飛灰等の高アルカリ性の廃棄物を、それぞれの自治体で特別管理一般廃棄物等の規定で定めているpHの基準値を満たすようにすることはもちろんのこと、さらに、重金属を除去し、効率的に塩類成分を脱塩すると共に、焼却飛灰等を含む各種のスラリーを、高濃度に均一に濃縮して効率よく最終処理をすることが可能な高アルカリスラリー処理方法及びシステムが望まれている。
また、特許文献1の焼却飛灰処理装置では、重金属成分の溶出量が極めて小さく、スラリーから重金属を取り除くことができないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、高アルカリ性の廃棄物を特別管理一般廃棄物等の規定値のpHに調整すると共に、重金属を除去して、高アルカリスラリーを効率よく高濃度に濃縮することができる高アルカリスラリー処理方法及びシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の高アルカリスラリー処理方法は、pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物をスラリー化して処理する高アルカリスラリー処理方法において、前記廃棄物に5〜20倍の水を加えてスラリーを生成して、前記廃棄物中の可溶性成分を溶出させる溶出工程と、前記スラリーに強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する強酸液混合工程と、前記強酸液混合工程で前記強酸液が加えられた前記スラリーを凝集反応槽に送り、高分子凝集剤を添加する凝集反応工程と、前記凝集反応工程で前記高分子凝集剤が添加された前記スラリーをスラリー濃縮槽に送り、所定レベルに濃縮すると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーを得る濃縮工程と、前記スラリー濃縮槽内の前記濃縮スラリーのスラリーレベルを検出して、そのスラリーレベルが予め設定した前記所定レベルになったときに、該濃縮スラリーを排出ポンプによって前記スラリー濃縮槽から排出する濃縮スラリー排出工程と、前記スラリー濃縮槽から排出された前記濃縮スラリーを脱水機で脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、高アルカリスラリー処理方法は、まず、溶出工程で、廃棄物に5〜20倍の水を加えてスラリーを生成すると共に、廃棄物中の重金属等の可溶性成分を溶出させて取り除く。強酸液混合工程では、それぞれの自治体で定める特別管理一般廃棄物等の規定のpHの基準値を満たすようにするために、pHを9.1〜10.9に調整する。次の凝集反応工程では、強酸液混合工程で強酸液が加えられたスラリーを凝集反応槽で高分子凝集剤を添加して凝集する。次の濃縮工程では、そのスラリーをスラリー濃縮槽で、固液分離して所定レベルに均一に濃縮すると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーを得る。その濃縮スラリーは、次の濃縮スラリー排出工程でスラリー濃縮槽内の濃縮スラリーのスラリーレベルを検出して、そのスラリーレベルが予め設定した所定レベルになったときに、スラリー濃縮槽内の濃縮スラリーを排出ポンプによって排出する。次の脱水工程で脱水機によって濃縮スラリーを脱水し脱水ケーキにする際には、前記濃縮工程でスラリーを均一に高濃度に濃縮してあるので、効率よく脱水を行うことができる。
なお、脱水ケーキは、溶出工程で重金属が取り除かれ、pHも規定値内に調整されているので、特別な処理を行うことなく、そのまま廃棄しても環境を汚染することはない。
【0009】
請求項2に記載の高アルカリスラリー処理方法は、請求項1に記載の高アルカリスラリー処理方法であって、前記濃縮工程では、前記凝集反応槽からスラリー供給路を介して供給された前記スラリーを前記スラリー濃縮槽の中央部に配置したセンターウェル内を旋回させながら下降させて内底部に向けて送って、自重により固液分離させると共に、前記内底部上に沈下した固体粒子を掻き取るスクレーパと、前記内底部内に配置された攪拌翼と、を攪拌駆動モータによって回転させることにより、前記内底部内の濃縮スラリーを流動させることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、濃縮工程では、凝集反応槽から供給されたスラリーをスラリー濃縮槽内で固液分離させると共に、内底部上に沈下した固体粒子をスクレーパで掻き取りながら、攪拌翼も回転させることによって濃縮スラリーを流動させることにより、堆積させることなく、均一に濃縮させることができる。
【0011】
請求項3に記載の高アルカリスラリー処理方法は、請求項2に記載の高アルカリスラリー処理方法であって、請求項2に記載の高アルカリスラリー処理方法であって、前記濃縮工程では、少なくとも、前記スラリーを濃縮させた前記濃縮スラリーと、水溶性塩を含む上澄み液とに分離させると共に、前記上澄み液は、前記スラリー濃縮槽の上部に設けたオーバーフロー部から前記スラリー濃縮槽外に排出され、前記濃縮スラリーは、前記スラリー濃縮槽に設けられたレベルセンサによって、前記内底部上に沈降した当該濃縮スラリーのスラリーレベルが検出されて、前記レベルセンサで検出したスラリーレベルに基づいた駆動信号によって、前記内底部に設けた排出口に連通するスラリー搬送管に設置された排出ポンプが回転され、前記内底部の前記濃縮スラリーが前記排出口から排出されることにより、当該濃縮スラリーの濃度を200g/L〜1000g/Lに濃縮させることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、濃縮工程では、スラリーを固液分離させることによって、スラリー中に溶出した水溶性塩を含む上澄み液を分離させて、オーバーフロー部から排出させることができる。このため、スラリー濃縮槽内のスラリーは、上澄み液が除去された分だけ、固体粒子が緻密な泥状の状態に集め寄せられて高濃度に均一に濃縮された濃縮スラリーとなる。さらに、濃縮工程では、レベルセンサで濃縮スラリーのスラリーレベルを検出して、200g/L〜1000g/Lに濃縮された濃縮スラリーを、排出ポンプによって排出口から吸引してスラリー搬送管から所定の場所へ送ることができる。
【0013】
請求項4に記載の高アルカリスラリー処理方法は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の高アルカリスラリー処理方法であって、前記溶出工程では、前記廃棄物中に含有されているZn、Pb及びCdを溶出させることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、溶出工程では、廃棄物中に含有されているZn、Pb及びCdを溶出させることにより、廃棄物中の重金属を除去したスラリーを得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の高アルカリスラリー処理システムは、pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物に当該廃棄物の5〜20倍の水を加えたスラリーを生成すると共に、前記廃棄物中の可溶性成分を溶出させるスラリー生成手段と、前記スラリーに強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する強酸液混合手段と、前記強酸液混合手段で前記強酸液が加えられた前記スラリーを凝集反応槽に送り、高分子凝集剤を添加して凝集する凝集反応手段と、前記凝集反応手段で前記高分子凝集剤が添加された前記スラリーをスラリー濃縮槽に送り、当該濃縮スラリーの濃度を200g/L〜1000g/Lに濃縮させると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーを得る濃縮手段と、前記スラリー濃縮槽内の前記濃縮スラリーのスラリーレベルを検出するスラリーレベル検出手段と、前記スラリーレベル検出手段で検出したスラリーレベルが予め設定した前記所定レベルになったときに、スラリー濃縮槽内の濃縮スラリーを排出ポンプで排出する濃縮スラリー排出手段と、前記排出ポンプによって前記スラリー濃縮槽から排出された前記濃縮スラリーを脱水機で脱水して脱水ケーキを得る脱水手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、高アルカリスラリー処理システムは、スラリー生成手段によって、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物に5〜20倍の水を加えたスラリーを生成する際に、廃棄物中の重金属等の可溶性成分を溶出させる取り除くことができる。また、強酸液混合手段は、pHが11〜14の高アルカリ性の廃棄物のスラリーに強酸液を加えることにより、pHを9.1〜10.9に調整して、pHを特別管理一般廃棄物等の規定の基準内の値にすることができる。
また、濃縮手段は、凝集反応手段で高分子凝集剤が添加されたスラリーをスラリー濃縮槽に送り、濃縮スラリーの濃度を200g/L〜1000g/Lに濃縮させると共に、溶解浸出によって脱塩させることができる。
さらに、スラリー濃縮槽内の濃縮スラリーのスラリーレベルをスラリーレベル検出手段で検出して、前記所定レベルになった濃縮スラリーを排出ポンプで脱水機に送って、効率よく濃縮スラリーを脱水して低水分のフレーク状の脱水ケーキを得ることができると共に、脱水機の脱水能力を向上させることができる。
【0017】
請求項6に記載の高アルカリスラリー処理システムは、請求項5に記載の高アルカリスラリー処理システムであって、前記濃縮手段は、前記スラリー濃縮槽の内底部上に沈下した固体粒子を掻き取るスクレーパと、前記内底部内に配置された攪拌翼と、前記スクレーパ及び前記攪拌翼を回転させる攪拌駆動モータと、を備えて、前記内底部内の濃縮スラリーを流動させる攪拌手段を有することを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、濃縮手段は、スラリー濃縮槽の内底部上に沈下した固体粒子をスクレーパで掻き取りながら、攪拌翼で底部内の濃縮スラリーを流動させることで、固体粒子が堆積するのを抑制し、均一に高濃度に濃縮した濃縮スラリーを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、高アルカリ性の廃棄物を特別管理一般廃棄物等の規定値のpHに調整すると共に、重金属を除去して、高アルカリスラリーを効率よく高濃度に濃縮して、効率よく最終処理をすることができる高アルカリスラリー処理方法及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る高アルカリスラリー処理システムを示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る高アルカリスラリー処理システムのスラリー濃縮槽を示す概略拡大断面図である。
【図3】図2に示すスラリー濃縮槽の下部の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態に係る高アルカリスラリー処理システムのスラリー濃縮槽を示す概略拡大平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る高アルカリスラリー処理方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図5を参照して発明を実施するための形態を説明する。
なお、高アルカリスラリー処理システム1で濃縮するスラリーAは、都市ゴミ等の焼却時に採取された焼却飛灰、金属、セラミック、汚泥、土石等の鉱物等の種々の廃棄物を細かい固体粒子にした後、その粒子状の廃棄物に水を加えてスラリー化されたスラリーAを濃縮するものであって、固体粒子を含有するものであれば、特にその廃棄物や原料等は限定されない。以下、廃棄物の一例として、高アルカリ性の焼却飛灰を粒子化し、スラリー化したスラリーAを濃縮する場合を例に挙げて説明する。
まず、高アルカリスラリー処理システム1を説明する前に、焼却飛灰(以下、単に「飛灰」という。)及びスラリーAを説明する。
【0022】
≪飛灰及びスラリーの説明≫
飛灰は、水素イオン濃度pHが11〜14の高アルカリ性の高温焼却飛灰からなる粉状の固体粒子であり、塩類成分及び重金属成分(例えば、亜鉛Zn、鉛Pb、カドニウムCd等)が含有されている。スラリーAは、飛灰に水を加えて泥状にしたものである。
【0023】
≪高アルカリスラリー処理システムの構成≫
図1に示すように、高アルカリスラリー処理システム1は、飛灰をスラリー化して可溶性成分を溶出させると共に、強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する水洗槽11と、スラリーAを凝集反応させる凝集反応槽3と、凝集反応槽3から供給されたスラリーAを固液分離して200g/L〜1000g/Lの濃度に濃縮させた濃縮スラリーBを得るためのスラリー濃縮槽2と、スラリー濃縮槽2内に配置された攪拌装置6と、スラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーBを排出するスラリー排出装置7と、スラリー濃縮槽2内で固液分離されたうちの上澄み液Cをスラリー濃縮槽2外に排出するオーバーフロー部25と、スラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーB(固体粒子)のスラリーレベルを検出するレベルセンサ71と、レベルセンサでスラリーレベルを検出しながら前記濃度に濃縮スラリーBを調整するレベル制御装置8と、スラリー排出装置7によって吸引された濃縮スラリーBが供給される脱水機9と、電源10と、を備えている。
【0024】
≪水洗槽の構成≫
水洗槽11(スラリー生成手段、強酸液混合手段)は、飛灰と水と強酸液とが供給される貯留槽である。この水洗槽11では、飛灰を再資源化するために、飛灰にその量の約5〜20倍の水で洗浄して、飛灰に含有されている可溶性成分の阻害物質を溶出させると共に、さらに、強酸液を加えて、水素イオン濃度がpH9.1〜10.9に調整されたスラリーA(混濁液)が生成される。そのスラリーAは、水洗槽11に設けられた供給路12によって、スラリー入口32から、凝集反応槽3内に供給される。
【0025】
≪凝集反応槽の構成≫
図1に示すように、凝集反応槽3(凝集反応手段)は、スラリーAに高分子凝集剤Fを添加して凝集反応される反応槽である。凝集反応槽3は、スラリーAを貯溜する凝集槽31と、スラリー供給用ポンプ等(図示省略)により凝集槽31に供給されるスラリー入口32と、高分子凝集剤供給用ポンプ等(図示省略)により凝集槽31に供給される凝集剤受入口33と、スラリーA等を凝集槽31外に排出するためのドレン口34と、凝集槽31内のスラリーAを掻き混ぜる凝集反応槽用スクレーパ35と、凝集反応槽用スクレーパ35を回転させる凝集反応槽用攪拌モータ36と、凝集槽31内の上層部のスラリーAを凝集槽31外に排出するためのスラリー出口37と、を備えて構成されている。
【0026】
凝集槽31は、上側開口部が越液防止蓋38で閉塞された有底円筒状の槽である。凝集槽31は、下層部に、スラリー入口32と凝集剤受入口33とドレン口34とが同じ高さの位置に互いに向きを変えて設置され、上層部に、スラリー出口37が設置され、中層部に、凝集反応槽用スクレーパ35が配置されている。
【0027】
凝集反応槽用スクレーパ35は、凝集反応槽用攪拌モータ36によって回転される回転軸35aと、回転軸35aの下端に設けられた軸受部35bと、回転軸35aに設けられたスクレーパ支持部材35dと、スクレーパ支持部材35dを介在して回転軸35aに固定されるスクレーパ本体35cと、を備えて構成されている。
回転軸35aは、凝集槽31の中心線に沿って上下に向けて延在され、下端が軸受部35bに軸支され、上端部が架台35eに支持されている。軸受部35bは、凝集槽31の内底の中央部に設置されている。スクレーパ本体35cは、回転軸35aに平行に上下に向けて延設された二本の棒状部材からなり、凝集槽31の内壁に沿って回転するように配置されている。スクレーパ支持部材35dは、互いに対称位置に配置された二本のスクレーパ本体35cをそれぞれ固定するための部材であり、回転軸35aの下方部位と、回転軸35aの中間層部位との二箇所に設置されている。架台35eは、越液防止蓋38に載設されて、凝集反応槽用攪拌モータ36を保持する部材である。
【0028】
凝集反応槽用攪拌モータ36は、ロータの回転を減速して回転軸35aに伝達する減速機構を内蔵したモータ駆動装置であり、越液防止蓋38の上面中央部に配置されている。
スラリー出口37は、凝集槽31内のスラリーAを凝集槽31外に排出するために凝集槽31の上部に配置されている。このスラリー出口37から溢れたスラリーAは、スラリー供給路4に流れ込むように設けられている。
【0029】
≪スラリー供給路の構成≫
スラリー供給路4は、凝集反応槽3内のスラリーAを濃縮槽本体21内に供給するための供給路である。スラリー供給路4は、上流側が凝集反応槽3のスラリー出口37に接続され、下流側がスラリー濃縮槽2内に配置されたセンターウェル5の上部偏芯位置に接続されると共に、上流側から下流側に向かって下側に傾斜させて配置されている。スラリー供給路4の下流側の開口端部4a(図4参照)は、センターウェル5内の上部において、平面視してセンターウェル5の中心からずれた位置に配置されている。このため、スラリー供給路4から放出されたスラリーAは、センターウェル5の内壁面にガイドされてセンターウェル5内を下方向(矢印a方向)へ螺旋状に巻回しながら下降する。
【0030】
≪スラリー濃縮槽の構成≫
図2に示すように、スラリー濃縮槽2(濃縮手段)は、スラリーAを固液分離して200g/L〜1000g/Lの濃度に濃縮させると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーBを得る装置である。スラリー濃縮槽2は、前記スラリー供給路4から供給されたスラリーA中の固体粒子を重力で沈降させて、スラリーAの濃度が濃い濃縮スラリーBと、固体粒子を沈降させて浄化された上澄み液Cと、スラリーAの濃度が濃縮スラリーBと上澄み液Cとの中間の濃度の希薄スラリーDと、に固液分離して、濃縮された高濃度の濃縮スラリーBを得るための槽である。スラリー濃縮槽2は、このスラリー濃縮槽2の本体を形成する濃縮槽本体21と、前記スラリー供給路4と、濃縮槽本体21の中央部に配置されたセンターウェル5と、スラリーA及び濃縮スラリーB(固体粒子)を攪拌する攪拌装置6と、濃縮槽本体21内の濃縮スラリーB(固体粒子)のスラリーレベルを所定レベルに調整するためのレベル制御装置8(図1参照)と、を備えて構成されている。
【0031】
≪濃縮槽本体の構成≫
濃縮槽本体21は、上端部に開口部を有する略漏斗状に形成されて、スラリーAを一時的に貯溜させながら含有された固体粒子を沈降させて濃縮スラリーBを得るための槽本体である。濃縮槽本体21は、円筒状に形成された胴部22と、胴部22の下方に連続形成されたテーパ状の内底部23と、内底部23の下端部に形成された貯溜部26と、貯溜部26の内壁に形成された排出口24と、濃縮槽本体21の内側上縁に形成された堰27と、堰27から溢れた上澄み液Cの流路を形成する上澄み液回収路28と、上澄み液回収路28から上澄み液Cが外部に流れ出るオーバーフロー部25と、濃縮槽本体21を支える支柱29とを備えている。
濃縮槽本体21の内側には、センターウェル5と、回転軸63と、攪拌翼61と、スクレーパ64と、搬送用翼65と、レベルセンサ71とが設けられている。濃縮槽本体21の外側には、スラリー供給路4と、排出口24に接続されたスラリー搬送管73と、オーバーフロー部25に接続された配管(図示省略)と、レベル制御装置8等が設置されている。
【0032】
図2に示すように、胴部22は、上下方向に向けて円筒状に形成され、上端部に開口が形成され、下端部にコーン形状の内底部23が形成されている。胴部22内には、上部に上澄み液Cが貯留され、その下部に希薄スラリーD、最下端部に泥状の所定レベル(濃度)の濃縮スラリーBが貯溜される。胴部22の下端部には、センターウェル5の下端部と、レベルセンサ71の下端部と、スクレーパ64の胴掻取部64bとが配置されている。
【0033】
図3に示すように、内底部23は、濃縮槽本体21の上方から沈下した固体粒子を一時的に滞留させて、この内底部23上に一定の圧密状態のスラリーゾーンを確保するための部位である。内底部23は、この内底部23上に沈下した固体粒子が、内底部23上を下側に向かって流動し易い傾斜角度θ1を有した逆円錐形状に形成されている。その内底部23の傾斜角度θ1は、120〜60度以内、好ましくは105〜75度、さらに好ましくは約90〜80度である。内底部23は、この内底部23上に沈下した固体粒子が中央部の貯溜部26に向かって下方向(矢印d方向)に滑落するように急斜面に擂鉢状に形成されている。
【0034】
貯溜部26は、内底部23の中央部下端に有底円筒状に形成されて、濃縮スラリーBが一時的に貯留される部位であり、搬送用翼65が回転自在に内設されている。
排出口24は、貯溜部26の内壁部に形成され、濃縮された濃縮スラリーBを濃縮槽本体21外に排出するための吐出口である。
【0035】
図2に示す堰27は、濃縮槽本体21内がスラリーAで一杯になったときに、上澄み液C及びスカム等の固体粒子より質量の軽いものが濃縮槽本体21外に溢れる箇所であり、胴部22の上端周縁全体に亘って形成された複数の三角堰からなる。
上澄み液回収路28は、堰27の外周部に形成された断面凹状の流路であり、堰27から溢れた上澄み液C等がオーバーフロー部25に向かって流れるように形成されている。
オーバーフロー部25は、スラリー濃縮槽2内で固液分離されたうちの上澄み液回収路28内から溢れた上澄み液Cをスラリー濃縮槽2外に排出する装置である。オーバーフロー部25には、上澄み液Cをスラリー濃縮槽2外に設置された処理槽等に送るための配管(図示省略)が接続されている。
【0036】
≪センターウェルの構成≫
センターウェル5は、スラリー供給路4から流れ来たスラリーAが放出されるセンターウェルであり、濃縮槽本体21内の中央部の上部から胴部22の下端中央部に亘って垂設された円筒管からなる。
【0037】
≪攪拌装置の構成≫
攪拌装置6(攪拌手段)は、内底部23上に沈降した濃縮スラリーBを掻き落とすと共に、内底部23内の濃縮スラリーBを掻き回して攪拌し、固体粒子がスラリー濃縮槽2内で、堆積せずに、均一な濃度の状態で循環して流動するように底部から上方へ流動させるための装置である。攪拌装置6は、濃縮槽本体21内の中心線上の下端部から上端部に亘って配置され、濃縮槽本体21内の中央部に垂直に回転自在に配置されている。
攪拌装置6は、濃縮槽本体21の内側中央に上下方向に複数配置された攪拌翼61と、この攪拌翼61を回転させる攪拌駆動モータ62と、攪拌翼61を固定した回転軸63と、内底部23に沿ってその近傍を回転するスクレーパ64と、貯溜部26内に配置された搬送用翼65と、攪拌駆動モータ62を載設した架設部材66と、スクレーパ64を回転軸63に固定するスクレーパ支持部材67と、攪拌駆動モータ62の回転を制御するレベル制御装置8(図1参照)と、を備えて構成されている。なお、攪拌翼61とスクレーパ64と搬送用翼65と回転軸63とは、攪拌駆動モータ62によって一体に回転する。
【0038】
<攪拌翼の構成>
攪拌翼61は、内底部23内の濃縮スラリーBを攪拌する羽根部材であり、固体粒子が濃縮槽本体21内で不均一に沈降して堆積したり、濃縮スラリーBが高密度(高濃度)になり過ぎたりしないように、掻き回しながら上昇(矢印e,g方向)させて流動させる。攪拌翼61は、内底部23内の回転軸63に、上下方向及び水平方向に適宜な間隔を介して螺旋状な位置に、平面視して4枚あるいは3枚程度の数の翼を隙間を介して配置している。攪拌翼61は、スラリーAを上方向に流動させるために、例えば、軸方向に対して斜め45度傾けて回転軸63に設けられている。
【0039】
<攪拌駆動モータの構成>
図1に示すように、攪拌駆動モータ62は、回転軸63、攪拌翼61、スクレーパ64及び搬送用翼65を低速(例えば、1〜6rpm程度)で回転させるための駆動源である。攪拌駆動モータ62は、濃縮槽本体21の上部に設置された架設部材66の中央部に載設され、回転軸63の上端部が連結されている。攪拌駆動モータ62は、レベル制御装置8からの駆動信号によって歯車減速機構等の減速機構(図示省略)を介在して回転軸63等を、センターウェル5内を螺旋状に回転しながら下降するスラリーAの螺旋方向(矢印a方向)と同じ方向(矢印c方向)に回転させる。攪拌駆動モータ62は、レベル制御装置8を介して電源10に接続されている。
【0040】
<回転軸の構成>
図2に示すように、回転軸63は、濃縮槽本体21内の中央部の上端部から下端部に亘って垂直に配置されて、攪拌駆動モータ62によって回転する棒状部材である。回転軸63は、上端が、減速機構(図示省略)を介在して濃縮槽本体21の上部の攪拌駆動モータ62に接続されて垂下した状態に配置され、中央部位が、センターウェル5内の中央部に挿通して配置され、下端部が、内底部23及び貯溜部26内に配置されている。
【0041】
<スクレーパの構成>
図3に示すように、スクレーパ64は、濃縮槽本体21の内底部23上に沈降して堆積した固体粒子を掻き取る部材であり、回転軸63にスクレーパ支持部材67を介在して固定されている。スクレーパ64は、例えば、内底部23の上方に所定間隔(10〜50mm程度)を介して平行(斜めに)に設置された2本の部材からなる。スクレーパ64は、内底部23に沿って設けられた内底掻取部64aと、内底掻取部64aの上側に垂直に連設された胴掻取部64bと、を側面視して略く字状に折曲形成してなる。内底掻取部64aは、内底部23の傾斜角度θ1と同じ角度θ2に傾けて設置されている。胴掻取部64bは、濃縮槽本体21の胴部22内に沿って所定間隔を介して配置されている。
【0042】
<搬送用翼の構成>
搬送用翼65は、貯溜部26内の濃縮スラリーBを、貯溜部26の内壁に形成された排出口24に送り出すためのプロペラであり、貯溜部26内に延設された回転軸63に固定されている。搬送用翼65は、スラリー排出装置7の一構成部品としての役目も果たす。
【0043】
<スクレーパ支持部材の構成>
スクレーパ支持部材67は、スクレーパ64を回転軸63に固定するための部材であり、上部保持部67aと、中部保持部67bと、下部保持部67cとから構成されている。スクレーパ支持部材67は、例えば、金属製パイプまたは角材を溶接や締結部材等によって連結してなる。
上部保持部67aは、スクレーパ64の上部を回転軸63に固定するための部材であり、回転軸63から外周方向に水平に延設された棒状部材からなる。中部保持部67bは、スクレーパ64に中央部分と回転軸63とを連結して保持する棒状部材であり、回転軸63と上部保持部67aとの連結部分から斜めに下がるように配置されている。下部保持部67cは、スクレーパ64の下端部を回転軸63に連結して保持する部位である。
【0044】
<架設部材の構成>
図2に示すように、架設部材66は、濃縮槽本体21の開口部の中央部上方に架設配置される略橋状の部材である。この架設部材66には、中央部に攪拌駆動モータ62が載設され、その外側にレベルセンサ71が設置されている。架設部材66には、作業員が登れるように形成され、この架設部材66の周囲に、安全手摺が設けられている。
【0045】
≪スラリー排出装置の構成≫
図1に示すように、スラリー排出装置7(濃縮スラリー排出手段)は、スラリー濃縮槽2内で濃縮された濃縮スラリーBをスラリー濃縮槽2内から抜き取って排水する装置であり、スラリー濃縮槽2と脱水機9との間に介在されている。スラリー排出装置7は、濃縮槽本体21内の濃縮スラリーB(固体粒子)のスラリーレベルを計測するレベルセンサ71と、上流側が排出口24に接続され、下流側が脱水機9上に配置されたスラリー搬送管73と、濃縮槽本体21内の濃縮スラリーBをスラリー搬送管73を介して下流側にある脱水機9へ流すための排出ポンプ72と、レベルセンサ71で検出した濃縮スラリーB中の固体粒子の圧密度の検出データが予め設定した所定のスラリーレベルになったときに、スラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーBを排出する排出ポンプ72を駆動制御するレベル制御装置8と、を備えて構成されている。
【0046】
<レベルセンサの構成>
レベルセンサ71(濃度検出手段)は、濃縮槽本体21内に沈降した濃縮スラリーB(固体粒子)のスラリーレベルを検出するセンサである。レベルセンサ71は、例えば、濃縮槽本体21内の上方から胴部22内の下端部に亘って垂直に配置された筒体71aと、センターウェル5及び胴部22内を沈降して筒体71a内に浸入した濃縮スラリーBの固体粒子の上側にある上澄み液Cの液面を検出する電極式の液位検出部71bと、液位検出部71bで検出した液面レベルから濃縮スラリーBの圧密度(濃度)を算出するレベル制御装置8と、を備えて構成されている。
つまり、図2に示すように、筒体71a内の液面の高さH2は、内底部23上に堆積するように収集された濃縮スラリーBの高さH1(図3参照)と希薄スラリーDの高さD2(図2参照)とによる圧力と、レベルセンサ71に外部より供給される工業用水等の清澄液(図示省略)による圧力との差により発生するので、濃縮槽本体21内の上澄み液Cの液面の高さより高くなる。
液位検出部71bは、筒体71a内の液面を検出する検出部であり、筒体71a内に上下方向に目盛状に所定間隔にずらして配置されてそれぞれの液位を検出する電極等からなる。なお、レベルセンサ71の各液位検出部71bは、レベル制御装置8がONしている場合に、連続的に検出データが送られている。
【0047】
<排出ポンプの構成>
図1に示すように、排出ポンプ72は、レベルセンサ71で検出した濃縮槽本体21内の濃縮スラリーBのスラリーレベルに基づくレベル制御装置8からの駆動信号で駆動する電動ポンプである。排出ポンプ72は、濃縮槽本体21内から内底部23に沈降した濃縮スラリーBを吸引して抜き取ることにより、濃縮スラリーBの濃度を調整することが可能である。排出ポンプ72は、レベル制御装置8を介して電源10に接続されている。
スラリー搬送管73は、スラリー濃縮槽2で濃縮された濃縮スラリーBを脱水機9に送るための配管である。スラリー搬送管73の先流側の下端部は、脱水機9の濾布91の上部に配置されて、濾布91上に濃縮スラリーBを吐出する濃縮スラリー供給口73aを有する。
【0048】
≪レベル制御装置の構成≫
レベル制御装置8は、レベルセンサ71で計測した濃縮スラリーBのスラリーレベルに基づいて、排出口24から排出される濃縮スラリーBのスラリーレベルが、予め設定した所定のスラリーレベルになるように凝集反応槽3の供給ポンプ(図示省略)、及び排出ポンプ72を駆動制御してスラリーAの流入量と濃縮スラリーBの抜取量を調整するレベルコントローラーである。レベル制御装置8は、筒体71a内の液面の部位に配置された液位検出部71bから発信された液位の検出信号により、その液面の高さH2から希薄スラリーDの平均的なスラリーレベル(高さ)及び圧密度を算出し、予め実測したデータに基づいて排出口24から排出される濃縮スラリーBの濃度を統計的に割り出している。
【0049】
≪脱水機の構成≫
図1に示すように、脱水機9は、スラリー排出装置7によってスラリー濃縮槽2内から排出された濃縮スラリーB中の水分を脱水処理して脱水ケーキEを得るための装置である。脱水機9は、濃縮スラリーBをさらに脱水することができる装置であればよく、特に型式等は限定されない。以下、脱水機9の一例としては、濾布91上に濃縮スラリーBを注ぎ、この濃縮スラリーBと濾布91を上下一対の圧搾ロール93,94で搾って脱水する高圧搾型ロールプレス脱水機の場合を例に挙げて説明する。
【0050】
脱水機9は、前記濃縮スラリーBが注がれ搬送ベルト状に形成された濾布91と、濾布91を移動させるための搬送ロール92と、濾布91で搬送された濃縮スラリーBを圧搾して水分を除去する圧搾ロール93,94と、圧搾ロール93により脱水されて圧搾ロール93に転写して付着している脱水ケーキEを掻き落とす脱水機用スクレーパ95aと、脱水機用スクレーパ95aで掻き落した脱水ケーキEを所定位置に搬送するシュート95bと、濾布91に洗浄水を当てて洗浄する洗浄ノズル97と、濾布91から落下した洗浄水を受ける水受けシュート96と、洗浄水を含んだ濾布91の水分を圧搾して除去する脱水ロール98,98と、を備えている。脱水機9は、レベル制御装置8に接続されて、レベルセンサ71の検出信号及び手動スイッチ(図示省略)等によって駆動・停止する。
【0051】
<濾布の構成>
濾布91は、繊維で編み込まれた布あるいは不撚布からなる水分の吸収のよいフェルトで構成された搬送ベルトである。濾布91は、搬送ロール92によって定常速度で移動し、濾布91に載置した濃縮スラリーBを圧搾ロール93,94、洗浄ノズル97に搬送して、元の濃縮スラリー供給口73aの下まで所定速度で一定に移動する。
【0052】
<搬送ロール及び圧搾ロールの構成>
搬送ロール92は、巻き掛けられた濾布91を所定位置に移動させるためのロールである。搬送ロール92は、適所に設置された複数のロールからなり、ベルト掛けされた濾布91の弛みや張り具合を調整することが可能である。
圧搾ロール93,94は、濾布91の上下に配置されて所定の速度で回転する一対のロールからなり、一方の圧搾ロール94に濾布91が巻き掛けられている。一方の圧搾ロール94と他方の圧搾ロール93とは、濾布91及び濃縮スラリーBを圧搾して濃縮スラリーB中の水分を絞り落す。また、圧搾ロール94は、モーター(図示省略)により駆動されベルト掛けされた濾布91を走行させる。
【0053】
<脱水機用スクレーパ及び水受けシュートの構成>
脱水機用スクレーパ95aは、圧搾ロール93,94によりケーキ状態の脱水ケーキEを上側の圧搾ロール93に転写した脱水ケーキEを掻き落とす装置である。脱水機用スクレーパ95aによって掻き落された脱水ケーキEは、シュート95bにより所定位置に搬送されて回収される。
図1に示すように、水受けシュート96は、濾布91を洗浄するための洗浄液と脱水液とを回収するためのものである。
【0054】
<洗浄ノズル及び脱水ロールの構成>
洗浄ノズル97は、濾布91を洗浄する洗浄装置であり、濾布91に洗浄水を噴射して吹き付ける一対のノズルからなる。洗浄ノズル97は、水受けシュート96から上方へ引き上げられて搬送される濾布91の表裏を洗浄する一対のノズルからなる。噴射されたノズルの洗浄水は、落下して前記水受けシュート96に収集される。
脱水ロール98,98は、濾布91中の洗浄水等の水分を除去するための一対のロールからなり、一方の脱水ロール98に濾布91が巻き掛けられ、他方の脱水ロール98によって濾布91及び一方のロールを圧搾して濾布91中の水分を絞り落す。脱水ロール98は、水分を除去した濾布91を元の濃縮スラリー供給口73aの下方に移動させる。
【0055】
≪高アルカリスラリー処理システムの作用≫
次に、図1を主に、各図を参照しながら高アルカリスラリー処理システム1の作用を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る高アルカリスラリー処理方法の工程図である。
【0056】
<溶出工程>
まず、図1に示すように、pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有し、水洗槽11内の微粒子状に加工された飛灰(廃棄物)に、この飛灰の5〜20倍の水を加えてスラリー化しスラリーAを生成して(スラリー生成工程)、飛灰中の可溶性成分(Zn、Pb及びCd等の重金属)を溶出させる溶出工程(ステップS1)を行う。
【0057】
<強酸液混合工程>
次の強酸液混合工程では、水洗槽11内のスラリーAに強酸液を加えて、pHを9.1〜10.9に調整して、特別管理一般廃棄物等に規定するpHの基準値を満たす値に低下させる(ステップS2)。水洗槽11内のpHが低下されたスラリーAは、供給路12によって、次の凝縮反応工程が行われる凝集反応槽3に送られる。
【0058】
<凝集反応工程>
凝集反応工程では、汚濁液状の前記スラリーAがスラリー供給用ポンプ(図示省略)によりスラリー入口32から凝集反応槽3内に供給され、高分子凝集剤Fが高分子凝集剤供給用ポンプ(図示省略)によって凝集剤受入口33から凝集反応槽3内に供給される。凝集反応槽用攪拌モータ36が回転駆動することにより、凝集反応槽用スクレーパ35が回転して、凝集反応槽3内のスラリーAと高分子凝集剤Fとが混合されて凝集される(ステップS3)。この場合、凝集したスラリーAは、高比重粉体と低比重粉体とが均一に混合されて、凝集物相互間の比重差が存在しない状態になり、後工程のスラリー濃縮槽2内で均一な状態で沈降する濃縮スラリーBを得ることを可能にする。
凝集反応槽3内のスラリーAは、スラリー出口37の高さを超えると、凝集反応槽3内から溢れてスラリー出口37に流れ込み、スラリー供給路4から次の濃縮工程が行われるスラリー濃縮槽2内中央部のセンターウェル5の上部に供給される。
【0059】
<濃縮工程>
濃縮工程では、センターウェル5内に送られた例えば濃度が2g/L〜500g/L(固体粒子の種類によって相違する)のスラリーAが、図2に示すように、センターウェル5内を下方向(矢印a方向)に向かって螺旋状に旋回しながら下降してスラリー濃縮槽2の内底部23に向けて送られる。ステップS4の濃縮工程において、スラリー濃縮槽2内のスラリーAは、スラリーA中の固体粒子の自重で下側に向かって沈降して固液分離され、比重が重く濃縮された濃縮スラリーBの濃縮層B1と、濃縮スラリーBより比重の軽い希薄スラリーDの希薄層D1と、上澄み液Cの上澄み層C1とに分離された積層状態にすると共に、前記濃縮スラリーBを溶解浸出によって脱塩された状態にする。
【0060】
スラリー濃縮槽2の内底部23では、スクレーパ64と攪拌翼61と搬送用翼65とが攪拌駆動モータ62により低速回転して、濃縮スラリーBを流動させている。
内底部23上に沈下した濃縮スラリーB中の固体粒子は、内底部23が急斜面に形成されていることにより、その斜面を下方向(矢印d方向)に滑り落ちる。固体粒子が内底部23に堆積したとしても、内底部23の近傍を内底部23に沿って回転するスクレーパ64によって掻き落されて、下方向(矢印d方向)に滑り落ちる。
内底部23を下降した濃縮スラリーB中の固体粒子は、一部が濃縮槽本体21の最下部の貯溜部26内に流れ込み、他の固体粒子が攪拌翼61の回転により内底部23内の下層から上昇(矢印e方向)し、内底部23上に殆ど堆積することなく循環(矢印e,f,d方向)して流動している。つまり、内底部23の濃縮スラリーBは、攪拌翼61の回転によって攪拌されて、濃度が均一化される。
【0061】
濃縮スラリーBより比重が軽い希薄スラリーD及び上澄み液Cは、濃縮スラリーBから分離されて、攪拌翼61による上方向(矢印g方向)の流れにより、渦を巻きながら上側(矢印b方向)に向かって上昇して、濃縮槽本体21の下層の濃縮層B1の上側に希薄スラリーDが集まった希薄層D1を形成する。
さらに、希薄層D1内のスラリーA(固体粒子)は、固液分離されて、渦を巻くように流動しながら上側(矢印b方向)に上昇して浄化された上澄み液Cを生成し、希薄層D1の上に上澄み層C1を形成する。
【0062】
前記上澄み液Cは、混濁液状のスラリーAから固体粒子が分離して、溶出した水溶性塩類及び重金属を多く含んだ水の状態で、濃縮槽本体21内の上層側に流動し、水位の増加に伴って、浄化水となって堰27を越えて上澄み液回収路28に落ちる。上澄み液回収路28に流れ込んだ上澄み液Cは、オーバーフロー部25からスラリー濃縮槽2外に排水される。なお、オーバーフロー部25から排出された上澄み液Cは、スラリーAから除去した塩類及び重金属を含有し、pHを9.1〜10.9に低下させた処理液として処理槽(図示省略)に送られて処理または貯溜される。
【0063】
図1に示すように、濃縮槽本体21内に沈降した固体粒子のスラリーレベルは、レベルセンサ71によって計測され、その計測データがレベル制御装置8に継続的に送られる。
レベルセンサ71で計測される濃縮スラリーBのスラリーレベルが、予めレベル制御装置8に設定した所定レベル未満の場合、レベル制御装置8は、スラリー搬送管73に設けられた排出ポンプ72のOFF状態を維持すると共に、凝集反応槽3のスラリーA用の供給ポンプ(図示省略)及び高分子凝集剤F用の供給ポンプ(図示省略)のON状態を維持して継続してスラリーAがスラリー濃縮槽2に供給される。
【0064】
<濃縮スラリー排出工程>
スラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーBのスラリーレベルをレベルセンサ71で検出して、そのスラリーレベルが予め設定した所定レベル(濃度が200g/L〜1000g/L)以上になったときに、レベル制御装置8は、濃縮槽本体21内の濃縮スラリーBが所定レベルの濃度になったと判断して、排出ポンプ72及び脱水機9を駆動させ、スラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーBをその排出ポンプ72によって排出する(ステップS5)。
【0065】
前記貯溜部26の近傍に流れた濃縮スラリーBは、排出ポンプ72により吸引されて貯溜部26及び排出口24を介してスラリー搬送管73に送られる。この場合、内底部23内の固体粒子は、前述した攪拌翼61、スクレーパ64及び搬送用翼65が回転していることにより、常時、濃縮スラリーBが循環して流動しているので、固体粒子によるラットホールが形成されることがなく、また、堆積することなくスムースに流れて、次に脱水工程が行われる脱水機9に送られる。
【0066】
<脱水工程>
その脱水工程(ステップS6)では、スラリー濃縮槽2から排出された濃縮スラリーBを脱水機9で脱水して脱水ケーキEにする。つまり、排出ポンプ72の駆動によって貯溜部26内の濃縮スラリーBは、濃縮スラリーB等の重さと排出ポンプ72の吸引力とにより排出されて、スラリー搬送管73を通って濃縮スラリー供給口73aから脱水機9の濾布91上に供給される。
【0067】
濾布91に落下した濃縮スラリーBは、搬送ロール92の回転駆動によって濾布91と共に、圧搾ロール93,94によって圧搾されて脱水される。脱水された濃縮スラリーBは、フレーク状の脱水ケーキEとなり、脱水機用スクレーパ95aにより掻き落とされる。このように、高アルカリスラリー処理システム1は、スラリー濃縮槽2と、脱水機9を組み合わせたことにより、スラリーAを高濃度に濃縮することが可能なシステムを得ることができ、脱水機9の能力が向上される。脱水ケーキEは、フレーク状になり、再資源化に最適な水分を有し、再資源化し易い形状となって、シュート95bにより所定の保管場所に移される。
【0068】
脱水ケーキEが掻き落された濾布91は、搬送ロール92によって移動し、水受けシュート96で付着していた固体粒子が落される。さらに、濾布91は、洗浄水が洗浄ノズル97から噴射されて洗い流される。このため、水受けシュート96内の水は、固体粒子が混じった混濁液となる。この混濁液は、所定の場所に回収されて、処理される。
洗浄ノズル97からの洗浄水を含んだ濾布91は、脱水ロール98によって水分が搾り落されるので、濾布91の水分が濃縮スラリー供給口73aから濾布91上に供給された濃縮スラリーBに吸収されることがない。
【0069】
そして、スラリー排出装置7によってスラリー濃縮槽2内の濃縮スラリーBを抜き取ったことにより、濃縮スラリーBのスラリーレベルが所定レベルの濃度未満まで低下すると、レベルセンサ71がそれを検出して計測データをレベル制御装置8に送信する。レベル制御装置8は、濃縮スラリーBのスラリーレベルが所定レベル以下の濃度に低下したと判断して、直ちに、排出ポンプ72及び脱水機9を停止させる。
なお、濃縮スラリーBのスラリーレベルが所定レベル未満まで低下しない場合には、前記スラリー排出装置7及び脱水機9の駆動状態が維持される。そして、電源10をOFFすれば、高アルカリスラリー処理システム1が停止する。
【0070】
以上のように、本発明は、溶出工程でZn,Pb,Cd等の重金属を溶出させたスラリーAを生成して、強酸液混合工程でそのスラリーAのpHが9.1〜10.9の規定値に低減されているので、再資源化することができると共に、特別な処理を行うことなく、そのまま廃棄しても環境を汚染することはない。
濃縮工程では、スラリーAを固液分離して溶解浸出によって脱塩し重金属を含有した上澄み液Cをオーバーフロー部25から排出した分だけ、高濃度で塩類、重金属及びpHの少ない濃縮スラリーBを得ることができる。また、攪拌装置6により内底部23の濃縮スラリーBを均一の高濃度にし、さらに、レベルセンサ71及びレベル制御装置8によって予め設定した濃度(スラリーレベル)200g/L〜1000g/Lに高濃縮した濃縮スラリーBを、排出工程の排出ポンプ72で排出して得ることができる。
さらに、脱水工程では、スラリー濃縮槽2で高濃度に濃縮され、重金属を取り除いて脱塩した濃縮スラリーBを、スラリー排出装置7により脱水機9に送って脱水することによって、脱水機9の脱水性能及び脱水効率を向上させることができると共に、そのままの状態でも再資源として利用可能で、かつ、利用し易い低水分のフレーク状の状態の脱水ケーキEを得ることができる。このため、その脱水ケーキは、容易に乾燥させることが可能である。
【0071】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0072】
例えば、スラリーAとして焼却飛灰の固体粒子を含有したものを濃縮する場合を例に挙げて説明したが、セラミック、汚泥、土石等の鉱物等の固体粒子が液中に懸濁している混濁液を濃縮する場合にも適用可能である。
なお、脱水機9は、真空ドラム式脱水機や遠心分離式脱水機等のその他の型式のものでも構わない。また、プロペラ状の攪拌翼61は、濃縮スラリーBを上方向へ流動させるものであればよく、例えば、スクリュウでも構わない。
また、レベルセンサ71は、濃縮スラリーBの濃度を計測できるものであればよく、例えば、超音波レベルセンサ等のその他のセンサであっても構わない。
【符号の説明】
【0073】
1 高アルカリスラリー処理システム
2 スラリー濃縮槽(濃縮手段)
3 凝集反応槽(凝集反応手段)
6 攪拌装置(攪拌手段)
7 スラリー排出装置(濃縮スラリー排出手段)
8 レベル制御装置
9 脱水機(脱水手段)
11 水洗槽(スラリー生成手段)(強酸液混合手段)
23 内底部
24 排出口
25 オーバーフロー部
61 攪拌翼
62 攪拌駆動モータ
63 回転軸
64 スクレーパ
65 搬送用翼
71 レベルセンサ(濃度検出手段)
72 排出ポンプ
73 スラリー搬送管
A スラリー
B 濃縮スラリー
C 上澄み液
D 希薄スラリー
E 脱水ケーキ
F 高分子凝集剤
S1 溶出工程
S2 強酸液混合工程
S3 凝集反応工程
S4 濃縮工程
S5 濃縮スラリー排出工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物をスラリー化して処理する高アルカリスラリーの処理方法において、
前記廃棄物に当該廃棄物の5〜20倍の水を加えてスラリーを生成して、前記廃棄物中の可溶性成分を溶出させる溶出工程と、
前記スラリーに強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する強酸液混合工程と、
前記強酸液混合工程で前記強酸液が加えられた前記スラリーを凝集反応槽に送り、高分子凝集剤を添加する凝集反応工程と、
前記凝集反応工程で前記高分子凝集剤が添加された前記スラリーをスラリー濃縮槽に送り、所定レベルに濃縮すると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーを得る濃縮工程と、
前記スラリー濃縮槽内の前記濃縮スラリーのスラリーレベルを検出して、そのスラリーレベルが予め設定した前記所定レベルになったときに、該濃縮スラリーを排出ポンプによって前記スラリー濃縮槽外に排出する濃縮スラリー排出工程と、
前記スラリー濃縮槽から排出された前記濃縮スラリーを脱水機で脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、
を含むことを特徴とする高アルカリスラリーの処理方法。
【請求項2】
前記濃縮工程では、前記凝集反応槽からスラリー供給路を介して供給された前記スラリーを前記スラリー濃縮槽の中央部に配置したセンターウェル内を旋回させながら下降させて内底部に向けて送って、自重により固液分離させると共に、
前記内底部上に沈下した固体粒子を掻き取るスクレーパと、前記内底部内に配置された攪拌翼と、を攪拌駆動モータによって回転させることにより、前記内底部内の濃縮スラリーを流動させることを特徴とする請求項1に記載の高アルカリスラリーの処理方法。
【請求項3】
前記濃縮工程では、少なくとも、前記スラリーを濃縮させた前記濃縮スラリーと、水溶性塩を含む上澄み液とに分離させると共に、
前記上澄み液は、前記スラリー濃縮槽の上部に設けたオーバーフロー部から前記スラリー濃縮槽外に排出され、
前記濃縮スラリーは、前記スラリー濃縮槽に設けられたレベルセンサによって、前記内底部上に沈降した当該濃縮スラリーのスラリーレベルが検出されて、前記レベルセンサで検出したスラリーレベルに基づいた駆動信号によって、前記内底部に設けた排出口に連通するスラリー搬送管に設置された排出ポンプが回転され、前記内底部の前記濃縮スラリーが前記排出口から排出されることにより、当該濃縮スラリーの濃度を200g/L〜1000g/Lに濃縮させることを特徴とする請求項2に記載の高アルカリスラリーの処理方法。
【請求項4】
前記溶出工程では、前記廃棄物中に含有されているZn、Pb及びCdを溶出させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の高アルカリスラリー処理方法。
【請求項5】
pHが11〜14の高アルカリ性で、塩類成分と重金属成分とを含有する廃棄物に当該廃棄物の5〜20倍の水を加えたスラリーを生成すると共に、前記廃棄物中の可溶性成分を溶出させるスラリー生成手段と、
前記スラリーに強酸液を加えてpHを9.1〜10.9に調整する強酸液混合手段と、
前記強酸液混合手段で前記強酸液が加えられた前記スラリーを凝集反応槽に送り、高分子凝集剤を添加して凝集する凝集反応手段と、
前記凝集反応手段で前記高分子凝集剤が添加された前記スラリーをスラリー濃縮槽に送り、当該濃縮スラリーの濃度を200g/L〜1000g/Lに濃縮させると共に、溶解浸出によって脱塩された濃縮スラリーを得る濃縮手段と、
前記スラリー濃縮槽内の前記濃縮スラリーのスラリーレベルを検出するスラリーレベル検出手段と、
前記スラリーレベル検出手段で検出したスラリーレベルが予め設定した前記所定レベルになったときに、スラリー濃縮槽内の濃縮スラリーを排出ポンプによって排出する濃縮スラリー排出手段と、
前記排出ポンプによって前記スラリー濃縮槽から排出された前記濃縮スラリーを脱水機で脱水して脱水ケーキを得る脱水手段と、
を備えたことを特徴とする高アルカリスラリーの処理システム。
【請求項6】
前記濃縮手段は、前記スラリー濃縮槽の内底部上に沈下した固体粒子を掻き取るスクレーパと、
前記内底部内に配置された攪拌翼と、
前記スクレーパ及び前記攪拌翼を回転させる攪拌駆動モータと、
を備えて、前記内底部内の濃縮スラリーを流動させる攪拌手段を有することを特徴とする請求項5に記載の高アルカリスラリーの処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−131129(P2011−131129A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290892(P2009−290892)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000221823)株式会社ティーディーイー (7)
【Fターム(参考)】