説明

高オクタン価ガソリン基材及び該基材を含有するガソリン組成物

【課題】 安定して供給できる接触分解ガソリンを活用し、高オクタン価、低硫黄分、かつ低ベンゼンのガソリン基材を得ること、及びそのような高オクタン価ガソリン基材を含有する環境対応型ガソリン組成物を提供すること。
【解決手段】 接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる高オクタン価ガソリン基材、及び該ガソリン基材を含有するガソリン組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ガソリン基材及び該基材を含有するガソリン組成物に関し、詳しくは接触分解装置から生ずる分解ガソリンを利用して得られる高オクタン価ガソリン基材及び該基材を含有するガソリン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
JIS K 2202によれば、2号ガソリン(いわゆるレギュラーガソリン)のリサーチ法オクタン価(以下「RON」と略記することがある)は89.0以上、1号ガソリン(いわゆるプレミアムガソリン)のRONは96.0以上と規定されている。したがって、レギュラーガソリンのRONは、89以上、96未満の範囲のガソリンである。一方、市場におけるレギュラーガソリンのRONは、前記規格の範囲であるが、およそ90のものが多く、新たに開発されるレギュラーガソリンも同程度のRONのものが殆どである(例えば、特許文献1、2の実施例参照)。このような事情から、レギュラーガソリンの原料としては、RONが比較的低い分解ガソリンが主要な基材として使用されている。
ところが、地球温暖化対策として二酸化炭素の排出量を低減することが必要であり、その目的達成のためにレギュラーガソリンのRONをこれまでより高く、例えば93以上にしたいという要請がある。また、排気ガス対策として、排気ガス中のSOXやベンゼン濃度を考慮するとガソリン中の硫黄分や、ベンゼンなどの芳香族分をさらに低減する必要がある。
【0003】
しかしながら、前記レギュラーガソリンの主要基材である分解ガソリンは、RONが90〜92程度であり、硫黄分やベンゼンなどの含有量も多い。また、この分解ガソリンを低硫黄化すべく、水素化脱硫処理をすると、分解ガソリン中のオレフィン分が水素化されることによってそのオクタン価がさらに低下する現象が生ずる。その上、ベンゼン含有量を低減する課題も解決できない。
そのような背景から、レギュラーガソリンの主要原料として、高オクタン価、低硫黄、低ベンゼン等の性状を満たし、かつ安定して供給できるガソリン基材が求められる。また、同時に、前記比較的高いオクタン価であり、低硫黄、低ベンゼン等を満たし、地球温暖化や排気ガス規制等の環境汚染を解決した環境対応型ガソリンの開発が要望されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−73074号公報
【特許文献2】特開2001−288483
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況下でなされたもので、安定して供給できる接触分解ガソリンを活用し、高オクタン価、低硫黄、かつ低ベンゼンのガソリン基材を得ると共に、そのような高オクタン価ガソリン基材を含有する環境対応型ガソリン組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、接触分解ガソリンを3留分に分留し、そのうちの中質留分について脱硫処理等を施すことによって、目的のガソリン基材を得ることができ、またそのようなガソリン基材を含有する組成物がその目的を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる高オクタン価ガソリン基材、
2.前記中質留分の沸点範囲が75〜180℃である前記1に記載の高オクタン価ガソリン基材、
3.オクタン価が98以上、硫黄分が5質量ppm以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である前記1又は2に記載の高オクタン価ガソリン基材、
4.前記1〜3のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材を含有するガソリン組成物、
5.さらに前記軽質留分と重質留分との混合物を基材として配合した前記4に記載のガソリン組成物、
6.オクタン価が91以上96未満である請求項4又は5に記載のガソリン組成物、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高オクタン価ガソリン基材は、オクタン価が高い上に、低硫黄、低ベンゼンであり、しかも安定して入手できる分解ガソリンを原料とする。そのためこれを含有する本発明のガソリン組成物は、高められたオクタン価を有し、低硫黄、低ベンゼンであり、地球温暖化や排気ガス汚染などを抑制できる環境対応型ガソリンである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記のとおり、本発明におけるガソリン基材は、接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる高オクタン価ガソリン基材である。
ここで接触分解装置から得られる分解ガソリンとは、間接脱硫装置から留出する留分を処理する流動接触分解装置、又は重油直接脱硫装置から留出する留分を処理する重油流動接触分解装置から留出する分解ガソリンをいい、それら流動接触分解装置から得られる分解ガソリンと重油流動接触分解装置から得られる分解ガソリンの混合物であってもよい。
この分解ガソリンの沸点範囲は通常およそ10〜230℃であり、オクタン価はおよそ88〜93、硫黄分はおよそ0〜100質量ppm,芳香族分はおよそ5〜50容量%、ベンゼン含有量はおよそ0.5〜2.5容量%、オレフィン分はおよそ0〜50容量%等の性状を有する。
【0010】
本発明のガソリン基材においては、上記分解ガソリンを、軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、その中質留分を利用する。この場合中質留分の沸点範囲は、およそ75〜180℃であることが好ましく、さらには80〜170℃、特に90〜160℃であることが好ましい。
上記分解ガソリンの軽質留分及び重質留分は、本発明のガソリン基材には利用しないが、後述する本願発明のガソリン組成物の基材の一つとして利用することができる。この軽質留分の沸点範囲はおよそ10〜90℃が好ましく、35〜75℃がより好ましい。また重質留分の沸点範囲はおよそ160〜230℃が好ましく、さらには170〜230℃、特に180〜230℃が好ましい。
【0011】
本発明のガソリン基材は、前記分解ガソリンの中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られるものである。
ここでいう脱硫処理や接触改質処理は通常公知の方法で行えばよい。すなわち脱硫処理については、通常の水素化脱硫触媒、例えば、コバルト、ニッケルなどの第VIII族金属、及びタングステン、モリブデンなどの第VIB族金属を担持した触媒を用い、反応温度100〜500℃、好ましくは250〜350℃、反応圧力0.5〜10MPa、好ましくは1〜5MPa、空間速度1〜20h-1、好ましくは5〜10h-1の条件で水素化脱硫を行えばよい。
【0012】
また、これに続いて行う接触改質処理は、例えば、アルミナ上に白金を担持した一般的な改質触媒を用い、反応温度300〜1000℃、好ましくは450〜550℃、反応圧力0.1〜10MPa、好ましくは0.2〜5MPa、空間速度0.1〜10h-1、好ましくは0.5〜4h-1の条件で反応させる。
【0013】
続いて、接触改質処理で得られた留分について脱ベンゼン処理を行う。
脱ベンゼン処理方法は特に制限はないが、ベンゼン留分を蒸留によって取り除く方法が好ましく、取り除くベンゼン留分の沸点範囲については、ベンゼンの沸点を含む10℃以上にわたる沸点範囲の留分とするのが好ましい。例えば、およそ75〜85℃、70〜90℃、或いはおよそ70〜100℃などとする。このように広い沸点範囲の留分を除去することによって、ベンゼンの除去率を高め、かつオクタン価(RON)を高めることができる。
【0014】
以上のようにして得られた高オクタン価ガソリン基材は、好ましくは次の性状を有する。
オクタン価は95以上、より好ましくは98以上、さらには100以上、特に好ましくは102以上である。硫黄分は5質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下、芳香族分は90容量%以下、より好ましくは85容量%以下、ベンゼン含有量は1容量%以下、より好ましくは0.5容量%以下である。また、沸点範囲はおよそ70〜180℃である。
【0015】
次に、本発明のガソリン組成物においては、上記高オクタン価ガソリン基材を含有することが必要である。
これによって、オクタン価を高めたレギュラーガソリンであって、地球温暖化や排気ガス規制などを解消する環境対応型ガソリンが容易に製造できる。
【0016】
本発明のガソリン組成物における、前記高オクタン価ガソリン基材の含有量は、特に制限はないが、2〜80容量%含有することが好ましく、より好ましくは3〜70容量%、さらに好ましくは3〜50容量%である。高オクタン価ガソリン基材の含有量が2〜80容量%であれば、オクタン価を高めるとともに、硫黄分、ベンゼン含有量の低減などを達成でき、後述する排出ガス指数も低く保つことができる。
【0017】
本発明のガソリン組成物においては、前記高オクタン価ガソリン基材とともに、上記分解ガソリンを分留した際に得られた軽質留分と重質留分との混合物を基材として配合することが好ましい。この混合基材は、沸点範囲が、およそ20〜220℃、RONが90〜99、硫黄分が1〜20質量ppm,ベンゼン含有量が0.1〜2容量%などの性状を有するものである。
この混合基材の配合量は0〜98容量%であることが好ましく、10〜90容量%がより好ましい。
【0018】
本発明のガソリン組成物は、上記以外のガソリン基材を使用することができる。例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、接触分解法や水素化分解法で得られる分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン中のベンゼンを取り除いた留分(脱ベンゼン改質ガソリン)、オレフィンの重合により得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加して得られるアルキレート、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、脱n―パラフィン油、ナフサの熱分解によって得られる熱分解ガソリン、及びこれらの特定範囲の留分、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素、イソパラフィン類、さらにアルコール、エーテルなどの含酸素化合物などが挙げられる。
【0019】
また、本発明のガソリン組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系やアミン系などの酸化防止剤、シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性剤、有機リン化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、多価アルコール及びエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両面界面活性剤などの帯電防止剤、アルケニルコハク酸のエステルなどのさび止め剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油、合成香料などの着臭剤、アゾ染料などの着色剤など、公知のガソリン添加剤が挙げられ、これらの添加剤を1種又は2種以上添加することができる。また、これら添加剤の添加量は状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は添加剤の合計量としてガソリン組成物に対して0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0020】
本発明のガソリン組成物は、次の性状を有することが好ましい。
本発明のガソリン組成物におけるRONは89以上が好ましく、より好ましくは91以上、さらには92以上、特に好ましくは93以上である。RONの上限値については特に制限はないが、通常およそ96未満、さらには95以下である。RONが89以上であれば、ノッキングを生ずる恐れがなく良好な運転性能が確保できる。また、RONが93以上、96未満であれば、車両から二酸化炭素の排出量を低減する効果も期待できる。なおこのリサーチ法オクタン価は、JIS K 2280により測定した値である。
また、本発明のガソリン組成物は、硫黄分が10質量ppm以下が好ましく、より好ましくは5質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppm以下であれば、排ガス中のSOxの増加や、三元触媒の活性低下による排気ガス中のCO、炭化水素、NOxなどの増加を抑制できる。なお、硫黄分の含有量はJIS K 2541の微量電量滴定式酸化法に従って測定した値である。
【0021】
本発明のガソリン組成物は、芳香族分が60容量%以下、好ましくは50容量%以下である。芳香族分が60容量%以下であれば、点火プラグがくすぶりを生ずる恐れがなく、良好な運転性能が得られる。一方、芳香族分の下限については特に制限はないが、運転性能の低下を防止する観点から、10容量%以上であることが好ましく、15容量%以上が更に好ましい。なお、芳香族分は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法で測定した値である。
【0022】
本発明のガソリン組成物は、ベンゼン含有量が1容量%以下、より好ましくは0.7容量%以下である。ベンゼンが1容量%以下であれば排気ガス中のベンゼン含有量を抑制できる。なお、ベンゼン含有量は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」のガスクロマトグラフィーによる全成分試験方法によって測定した値である。
【0023】
さらに、本発明のガソリン組成物は、以下の蒸留性状を有する。すなわち、50%留出温度(T50)が、65〜115℃さらには70〜110℃、70%留出温度(T70)が100〜145℃、さらには105〜135℃、90%留出温度(T90)が110〜170℃さらには、120〜160℃などである。このような蒸留性状を有すれば、加速性などの運転性能が良好に保たれる。
なお、上記T50、T70、及びT90は、JIS K 2254に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
【0024】
また、本発明の高性能ガソリンは、通常さらに次の性状を有することが好ましい。すなわち、MTBE(メチル−tert−ブチルエーテル)の含有量が0.1容量%以下であることが好ましい。MTBEが0.1容量%を超えると、地下水の汚染など環境問題を招来する恐れがある。なお、MTBEの含有量は、JIS K 2536「石油製品成分試験方法」によって測定した値である。
【0025】
また、モータ法オクタン価(MON)が79以上、さらには82以上、特に84以上であることが好ましい。MONが79以上であると高速においてノッキングを生ずるおそれがなく、運転性能に影響を及ぼすことがない。一方、MONの上限値については特に制限はないが、通常およそ89である。
本発明のガソリン組成物は、上記のような性状を有するため、下記(I)式から計算される排出ガス指数(Y)が5以下の環境対応型ガソリンをえることができる。
Y=1.07BZ+0.12TO+0.11EB+0.05XY+0.03C9+A+0.005〔100−(BZ+TO+EB+XY+C9+A)〕
・・・・・・・・・(I)
〔式中、BZはベンゼン含有量、TOはトルエン含有量、EBはエチルベンゼン含有量、XYはキシレン含有量、C9+Aは炭素数9以上の芳香族分含有量(いずれもガソリン組成物中の含有量で容量%)を示す。〕
なお、各芳香族分の含有量は、ガスクロマトグラフ法によるガソリン組成物の全組成分析(石油学会法JPI−5S−90に準拠)から算出した値である。
【実施例】
【0026】
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、ガソリン組成物の性状及び性能は次の方法に従って求めた。
〔ガソリンの性状〕
・リサーチ法オクタン価:JIS K 2280に準拠して測定した。
・硫黄分:JIS K 2541の微量電量滴定酸化法によって測定した。
・芳香族分:JIS K 2536に準拠して測定した。
・ベンゼン、トルエン等芳香族化合物の含有量:JIS K 2536「石油製品成分試験方法」ガスクロマトグラフィーによる全成分試験方法により測定した。
・蒸留性状:JIS K 2541により測定した。
〔ガソリンの性能〕
・排出ガス指数:前記一般式(I)により求めた。
【0027】
実施例1、及び参考例1
接触分解装置から得られた下記に示す性状を有する分解ガソリンを分留し、軽質留分、中質留分、及び重質留分を得た。中間分留の沸点範囲は90〜160℃であった。
【0028】
分解ガソリンの性状
・沸点範囲:31.0〜187.5℃
・RON:91.6
・芳香族分:37.2容量%
・硫黄分:7質量ppm
【0029】
得られた中質留分について下記の条件で水素化脱硫処理をした。
水素化脱硫処理の条件
・触媒:アルミナ担体にコバルト、モリブデンを担持した触媒
・反応温度:300℃、
・反応圧力:1.5MPa
・液空間速度:9h-1
次いで、水素化脱硫処理して得られた留分について、下記の条件で接触改質処理をおこなった。
接触改質処理の条件
・触媒:アルミナに白金を担持した触媒
・反応温度:500℃、
・反応圧力:0.9MPa
・液空間速度:1.0h-1
【0030】
上記接触改質処理して得られた留分を、蒸留法によって脱ベンゼン処理をした。脱ベンゼン処理は、沸点範囲75〜105℃の留分を取除くことによって行った。
以上の方法で得られた高オクタン価ガソリン基材(「MFGPG」と略記する)を実施例1としてその性状を表1に示した。
また、参考のために従来の分解ガソリン(FG)を参考例1としてその性状を表1に示した。
【0031】
【表1】

【0032】
表1より、MFGPG(高オクタン価ガソリン基材)は、RONが104.5であって、FG(分解ガソリン)のRON91.6より高く、また、MFGPGの硫黄分が1質量ppm、ベンゼン含有量が0.3容量%であって、FGの硫黄分7質量ppm、及びベンゼン含有量0.7容量%より低いことが分る。
実施例2〜8
【0033】
表1に示す実施例1の高オクタン価ガソリン基材(MFGPG)、及びその他のガソリ
ン基材1,2を表2に示す割合で配合し、得られたガソリン組成物の性状及び排出ガス指数を表2に示した。
その他の基材1は、上記分解ガソリンを分留した際に得られた軽質留分(LFG)と重質留分(HFG)を混合して得られた基材であり(「LFG+HFG」と略記する)、その他の基材2は、軽質ナフサ(DLN)である。
【0034】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、高オクタン価、低硫黄、低ベンゼンであり、しかも安定して入手できる分解ガソリンを原料とするガソリン基材を得ることができ、そのガソリン基材を含有する本発明のガソリン組成物は、高められたオクタン価を有し、地球温暖化や排気ガス汚染などを抑制できる環境対応型レギュラーガソリンとして有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる高オクタン価ガソリン基材。
【請求項2】
前記中質留分の沸点範囲が75〜180℃である請求項1に記載の高オクタン価ガソリン基材。
【請求項3】
オクタン価が98以上、硫黄分が5質量ppm以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である請求項1又は2に記載の高オクタン価ガソリン基材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材を含有するガソリン組成物。
【請求項5】
さらに前記軽質留分と重質留分との混合物を基材として配合した請求項4に記載のガソリン組成物。
【請求項6】
オクタン価が91以上96未満である請求項4又は5に記載のガソリン組成物。


【公開番号】特開2006−182996(P2006−182996A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380825(P2004−380825)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】