説明

高効能の持続性ベータ2−アゴニストを他の活性成分と組み合わせて含んでなる薬剤

本発明は、呼吸器疾患ならびに特に喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置のための気管支拡張剤の、1種もしくはそれより多いさらなる活性成分と組み合わされた使用、ならびに該活性成分を含有する製薬学的組成物に関する。特に、本発明は、気管支拡張剤としての長時間−作用性β−アゴニスト、8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル−2(1H)−キノリノン及び/又はその生理学的に許容され得る塩及び/又は溶媒和物の、他の活性成分と組み合わされた使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
喘息は、ますます流行しつつある疾患であり、且つ最も普通の子供の疾患である。再発性のぜん鳴及び断続的に空気流が制限されることによりそれを同定することができる。その理解における多くの進歩にかかわらず、該病理学はあまり理解されない、そして多くの場合にあまり処置されない疾患のままである。以前には、気道平滑筋の収縮が喘息の最も重要な特徴であるとみなされてきた。最近、喘息が慢性炎症性疾患として認識されることに由来して、喘息を処置する方法が顕著に変化した。抑制されない気道の炎症は粘膜損傷及び構造的変化に導き、気道を不可逆的に狭くし、肺組織の線維症を生じ得る。従って、治療は、正常な生活が可能であるように症状を抑制することを目指し、且つ同時に基となる炎症の処置のための基礎を与えなければならない。
【0002】
第一世代β−アドレノセプターアゴニスト、例えばサルブタモル(salbutamol)、フェノテロル(fenoterol)及びテルブタリン(terbutalin)又は特に夜行性喘息を有する患者のために、短い作用の持続時間の欠点を克服する第二世代のもの、例えばフォルモテロル(formoterol)及びサルメテロル(salmeterol)(長時間−作用性β−アゴニスト)により症状を抑制することができる。代わって、予防的治療は、典型的にはコルチコステロイド(corticosteroids)、例えばベクロメタゾンジプロピオネート(beclometasone dipropionate)、フルチカゾンプロピオネート(fluticasone propionate)、モメタゾンフロエート(mometasone furoate)及びブデソニド(budesonide)により与えられる。
【0003】
発生率が世界中で安定して増加している他の呼吸器疾患は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。COPDを有するほとんどの患者は、喫煙を介して肺疾患を煩っている。喫煙における傾向に依存して、それは2020年までに世界的に第5番目に優勢な障害の原因にのぼると評価される(非特許文献1)。
【0004】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性気管支炎又は気腫の故の空気流の閉塞の存在により特徴付けられる疾患状態として定義される。
【0005】
慢性気管支炎は気管支粘液の過剰な分泌により特徴付けられ、気腫は、終末細気管支より末梢の気腔の異常な永久的拡大を示し、それらの壁の破壊が伴い、明らかな線維症はない(American Thoracic Society)。それぞれの状態は特異的疾患として処置される。
【0006】
慢性閉塞性細気管支炎は、細気管支における炎症の結果としての末梢気道の閉塞による。
【0007】
喘息及びCOPDのような肺疾患の処置を目的とする薬剤は、現在肺的送達により投与され、それは、薬剤物質が肺に到達できるように、口及び咽喉を介するエアゾールの吸入に頼っている。それらを水性又はヒドロアルコール性(hydroalcoholic)調剤としてネブライザーを介して、乾燥粉末吸入器により乾燥粉末として、あるいはハロゲン化炭化水素プロペラント中で投与することができる。プロペラントに基づくシステムは、作動毎に計量された投薬量の薬剤を放出する適した加圧計量投薬吸入器(pressurized metered−dose inhalers)(pMDIs)を必要とする。
【0008】
種々の投薬及び装置を用いる複雑な治療は患者の劣ったコンプライアンスに、従って処置−不足(under−treatment)に、そして代わって彼らの生命の質への負の影響に導き得る。これは、特に即時の症状の軽減を与えない吸入ステロイドのような予防的処置を用いる慢性喘息の長期管理の場合に劇的に明らかである。最近の治療戦略は、長時間−作用性β−アゴニスト及びコルチコステロイドの固定された組み合わせによる症状の抑制及び炎症の軽減の両方を目的とする。
【0009】
乾燥粉末及びHFA調剤の形態下の両方においてサルメテロル及びフルチカゾンプロピオネートを含有する組み合わせは、現在、Seretideの商品名の下に市販されている。組み合わせ調剤の各投薬量は1日に2回投与される。粉末調剤からの各吸入は、50マイクログラムのrac−サルメテロルキシナフォエート(salmeterol xinafoate)及びフルチカゾンプロピオネートの3つの投薬量100、250及び500マイクログラムの1つの公称投薬量を送達することができる。HFA調剤を用いると、吸入器からの各ひと吹きは、25マイクログラムのサルメテロル及び50、125又は250マイクログラムのフルチカゾンの公称投薬量を送達することができる。
【0010】
乾燥粉末の形態においてフォルモテロル及びブデソニドを含有する組み合わせは、現在、Symbicortの商品名の下に市販されており、各単投薬量は1日に2回投与される。各吸入は6マイクログラムのrac−フォルモテロルフマレート及び100もしくは200マイクログラムのブデソニドの公称投薬量を送達することができる。
【0011】
科学的文献中のいくつかの論文は、他の種類の薬剤、特にコルチコステロイド及び抗コリン作動薬との組み合わせにおけるβ−アゴニストの使用を扱っている。
【0012】
さらに、特許文献において種々の種類の組み合わせが提案されている。
【0013】
それにもかかわらず、組み合わせ治療における長時間−作用性β−アゴニスト(LABA)の使用により、気管支拡張及び抗−炎症有効性の両方の増大が達成され、治療効果に影響せずに投薬量を減少させることを可能にできると、先行技術において示されたことはない。
【0014】
これに関し、例えばβ−アゴニスト及び:i)作用の迅速な開始を保持しながら、調剤を1日1回投与してβ−アゴニストに対する耐性の出現の可能性を遅らせることができるように、より長い作用の持続時間を有し、且つ患者の、特に慢性及び夜行性喘息を有する患者のコンプライアンスの大きな向上を有し;ii)コルチコステロイドの投薬量を減少させることを可能にするステロイドの組み合わせを提供することは、非常に有利である。
【0015】
2(1H)−キノロン誘導体は過去に、例えば特許文献1及び特許文献2において開示され、種々の慢性閉塞性肺疾患の処置又は予防のために有用な有力な持続性気管支拡張剤として特徴付けられた。
【0016】
炎症性又は閉塞性気道疾患の処置のための特定の2(1H)−キノリノン誘導体LABA及びコルチコステロイドを含んでなる薬剤は、最近、特許文献3に開示された。記述中に、該組み合わせを用い、与えられる治療効果のために必要なコルチコステロイドの投薬量を、コルチコステロイドのみでの処置を用いて必要な投薬量と比較して減少させることができると、一般的な用語で(in general terms)記載されているが、支持する証拠は報告されていない。
【0017】
治験コードTA 2005を以って既知の8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル−2(1H)−キノリノン塩酸塩は、迅速な作用の開始によっても特徴付けられる高効能の長時間−作用性β−アゴニストであり、特許文献1において最初に開示された。記述中に、化合物を経口的又は非経口的に投与することができると記載されている。1日の投薬量に関する限り、非常に広い一般的範囲のみ、すなわち体重のkg当たり0.01〜30μg、特に0.01〜3μgが報告されている(約0.7〜2100μg、特に0.7〜210μgに相当する)。特許文献4は、吸入による抗−炎症薬としてのその使用に言及しているが、この場合でさえ、投薬量の広い一般的範囲、すなわち1〜20μg、例えば約3〜10μgが報告されている。
【0018】
非特許文献2に、2つの臨床的研究の結果が示された。後者(P1300)において、穏やかな喘息患者が1週間の間隔で、計量投薬ネブライザーシステムから6及び9μgのTA 2005及びプラシーボの単投薬量を吸入した。これらの2つの投薬量レベルにおいて、TA 2005は迅速且つ持続性の気管支拡張を生じた。前者(P1301)は無作為化、二重拘束(double bind)、プラシーボ−標準、増加投薬量安全性研究に関する。0.8、1.6、3.2、6.4、9.6、12.8μgの単投薬量が健康
な男性のボランティアにより計量投薬ネブライザーシステムから吸入された。TA 2005は用量−依存的な心拍数、振せん及び肺機能における向上ならびに血漿カリウムにおける減少を引き起こした。著者に従うと、TA 2005の悪影響なしの最大投薬量は9.6μgであった。従って0.8〜9.6μgの非常に大きな治療ウィンドウ(therapeutic window)が示唆されたが、有効且つ安全な投薬量は同定されなかった。
【0019】
特許文献5において、出願人は、薬剤の十分な保存寿命を保証するために、見掛けのpHが2.5〜5.0に調整されたHFAプロペラント及び補助−溶媒中の溶液における、フェニルアルキルアミノ誘導体の種類に属するβ−アゴニストを含んでなるエアゾール製薬学的組成物を記載した。記述中で、TA 2005調剤が有利には2〜10μg/投薬量、好ましくは3〜5μg/投薬量を送達するのに適しているであろうと記載されている。12%w/wのエタノール及び1.0%のIPMを含有する3.5μg/投薬量のHFA 134a調剤が実施例7に報告されている。
【0020】
いくつかの他の特許又は特許出願、すなわち特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12及び特許文献13は、コルチコステロイド、抗コリン作動薬又はホスホジエステラーゼ−4−阻害剤のような他の種類の薬剤を含んでなる組成物中における可能なβ−アゴニストのリストにおいて、TA 2005を挙げている。
【0021】
先行技術の文献のいずれにおいても、本発明の組み合わせ製品のような有益な薬理学的側面を備えたTA 2005と他の活性成分との特定の組み合わせ製品は開示されていない。
【特許文献1】欧州特許第147719号明細書
【特許文献2】国際公開第00/75114号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/45703号パンフレット
【特許文献4】日本特許第09−309830号明細書
【特許文献5】欧州特許第1157689号明細書
【特許文献6】米国特許第6221398号明細書
【特許文献7】米国特許第5874063号明細書
【特許文献8】米国特許第6030604号明細書
【特許文献9】国際公開第98/41193号パンフレット
【特許文献10】国際公開第98/31352号パンフレット
【特許文献11】国際公開第01/78693号パンフレット
【特許文献12】国際公開第01/89480号パンフレット
【特許文献13】国際公開第03/080939号パンフレット
【非特許文献1】Leckie M et al著,Exp Opin Invest Drugs,9,2000年,3−23
【非特許文献2】Eur.Resp J 8(Suppl 19),1995年,258s
【発明の開示】
【0022】
発明の目的
本発明は、個別に又は一緒に、8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル−2(1H)−キノリノン及び/又はその生理学的に許容され得る塩及び/又は溶媒和物(化合物A)ならびに1種もしくはそれより多いさらなる活性成分を含んでなる薬剤を提供し、ここで該さらなる活性成分は好ましくはコルチコステロイド、抗コリン作動薬/抗ムスカリン薬又はホスホジエステラーゼ−4−阻害剤から選ばれる。
【0023】
【化1】

【0024】
喘息又はCOPDのような炎症性又は閉塞性気道疾患の予防もしくは処置における同時、逐次的もしくは個別投与のための、炎症性又は閉塞性気道疾患の処置のために有用なコルチコステロイドは、ブデソニド(budesonide)及びそのエピマー、ベクロメタゾンジプロピオネート(beclometasone dipropionate)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカゾンプロピオネート(fluticasone propionate)、シクレソニド(ciclesonide)、トリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetonide)、ロフレポニドパルミテート(rofleponide palmitate)及びモメタゾンフロエート(mometasone furoate)の群から好適に選ばれることができる。
【0025】
抗コリン作動薬/抗ムスカリン薬は、イプラトロピウムブロミド(ipratropium bromide)、オキシトロピウムブロミド(oxitropium bromide)又はチオトロピウムブロミド(tiotropium bromide)あるいは他の選択的抗ムスカリンM3薬のような市場で入手可能な化合物から選ばれることができる。
【0026】
グリコピロレート(glycopyrrolate)又はその3R−2’Rエピマーも適した抗ムスカリン薬である。
【0027】
好ましいホスホジエステラーゼ−4−阻害剤は、シクロミラスト(ciclomilast)及びロフルミラスト(roflumilast)である。
【0028】
さらなる側面において、本発明は前記で定義された(A)及び前記で定義された1種もしくはそれより多いさらなる活性物質の有効量を一緒に、場合により少なくとも1種の製薬学的に許容され得る担体と一緒に含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0029】
本発明は、さらに、(A)及び他の活性物質の同時、逐次的もしくは個別投与による、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の予防又は処置のための製薬学的組成物又はキットの調製における、前記で定義された1種もしくはそれより多いさらなる活性物質と組み合わされた前記で定義された(A)の使用を提供する。
【0030】
好ましい組み合わせ製品の1つは、塩酸塩としての化合物A(治験コードCHF 4226の下でも既知のTA 2005)及びコルチコステロイドを含んでなる。そのようなβ−アゴニスト及びコルチコステロイドを組み合わせると、気管支拡張及び抗−炎症効果の両方が向上することが実際に見出された。
【0031】
COPDのための現在の薬理学的治療は、症状を軽減し、且つ病状再燃を減少させることを目的とする。気管支拡張剤は肺活量測定において小さい向上しか生じないが、症状及び運動許容性(exercise tolerance)を改善し、感染再燃を減少させることができる。
【0032】
COPDの患者において抗コリン作動薬/抗ムスカリン薬の寄与は重要であり、それは、それらが迷走神経のコリン作動性緊張の故の気道収縮を軽減するからである。
【0033】
長時間−作用性β−アドレノセプターアゴニスト、例えばTA 2005及び抗ムスカリン薬を含んでなる組み合わせ製品は、COPDのための非常に興味深い治療の可能性がある。本発明の組み合わせ製品において、TA 2005及びチオトロピウムブロミド
の間の相乗効果が、試験管内及び生体内の両方の動物モデルにおいて、気管支痙攣抑制に関して示された。
【0034】
炎症媒介物質にTA 2005と相乗的に作用することができるコルチコステロイドの添加により、組み合わせの有効性を強化することができる。事実、下記の実施例において示す通り、TA 2005は気道における血漿滲出の抑制において相乗的相互作用を生ずる。
【0035】
これに関し、他の有用な組み合わせは、気道平滑筋を弛緩させることができ、特異的炎症細胞の活性化を抑制することができ、肺神経の活性を変えることができるホスホジエステラーゼ−4−阻害剤を含む。
【0036】
従って、本発明の組み合わせ製品において、いずれかの活性成分に関し、各成分に関して薦められる投薬量を治療効果への影響なく減少させ、その使用に伴う副作用の出現の危険を減少させることが可能であり得る。
【0037】
特定の側面において、本発明は、化合物(A)が、喘息又はCOPDのような炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置における1日1回もしくは2回、好ましくは1日1回の同時、逐次的もしくは個別投与のために、0.5〜8μg、有利には1〜6μg、好ましくは1〜4μgに含まれる1日の投薬量を与えるのに適した量において、組み合わせ中で塩酸塩(TA 2005)として存在する薬剤を提供する。
【0038】
有用な組み合わせ製品はTA 2005ならびにコルチコステロイド及び/又は抗コリン作動薬/抗ムスカリン薬及び/又はホスホジエステラーゼ−4−阻害剤を含有する。
【0039】
組み合わせ製品の好ましい例には:
−TA 2005ならびにブデソニド及びシクレソニドから選ばれるアセタールコルチコステロイド;
−TA 2005ならびに選択的M1及びM3ムスカリン受容体アンタゴニストとしてのチオトロピウムブロミド;
−TA 2005+コルチコステロイド+抗ムスカリン薬;
−TA 2005+抗ムスカリン薬+ホスホジエステラーゼ−4−阻害剤
が含まれる。
【0040】
組み合わせ製品中のTA 2005の有効な投薬量は0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4μgであることができる。
【0041】
事実これらの投薬量濃度で、TA 2005は吸入されると治療的に有効であることが見出された。
【0042】
肺活量測定により測定される1秒間に及ぶ努力呼気肺活量(FEV1)におけるベースラインからの増加として定義されるTA 2005の気管支拡張有効性が、喘息患者の小さいグループにおける予備的臨床試験で評価された。
【0043】
結果は、1μgの単投薬量の投与に続いてすでに、ベースラインより約30%大きいFEV1の平均の且つ永続的な増加を得ることができることを示した。
【0044】
前に記載した通り、化合物(A)はその塩酸塩(TA 2005)の形態で好適に用いられる。化合物(A)の他の適した生理学的塩には、ブロミド、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メシレート、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩又はグルコン酸塩が含まれる。塩の溶媒和物、例えば水和物、半水和物又は製薬学的に許容され得る有機溶媒との他の溶媒和物も本発明に含まれる。
【0045】
コルチコステロイドの中で、アセタールコルチコステロイド、例えばブデソニド及びその22R−エピマー、ロフレポニド及びシクレソニドが特に好ましい。本発明の薬剤は、COPDの処置のために特に有効な薬剤を与えるために、抗コリン作動性アトロピン−様誘導体、例えばイプラトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、チオトロピウムブロミド又はグリコピロレートもしくはその3R,2’R−エナンチオマーを含んでなることができる。
【0046】
好ましい抗コリン作動性抗ムスカリン薬はチオトロピウムブロミドである。
【0047】
本発明の組み合わせ中で化合物(A)及びコルチコステロイドを用いることができる比
率は可変である。ステロイドの選択に依存して、本発明の範囲内で用いることができる重量比は種々のステロイドの種々の分子量及びそれらの種々の力価に基づいて変わる。
【0048】
本発明に従う製薬学的組み合わせは、1:3200〜1:10の範囲の重量比で化合物(A)及びコルチコステロイドを含有することができる。特に、ブデソニド及びシクレソニドの場合、重量比は1:1600〜1:50、好ましくは1:1000〜1:50の範囲である。
【0049】
組み合わせ中で有利に用いられ得る他のコルチコステロイドはモメタゾンフロエートであり、この場合、重量比は1:800〜1:50、好ましくは1:400〜1:100、より好ましくは1:200〜1:100の範囲であろう。
【0050】
チオトロピウムブロミドの場合、重量比は1:100から、好ましくは1:50から、より好ましくは1:20からの範囲である。
【0051】
意図される投薬量管理は1日2回又は1回、好ましくは1日1回であり、ここで化合物(A)の適した1日の投薬量は、有利には患者(年令、体重など)ならびに疾患の種類及び重度に依存して、0.5〜8μg、好ましくは1〜4μg、より好ましくは1〜2μg又は2〜4μgの範囲内である。
【0052】
本発明の組み合わせは吸入により好適に投与される。吸入可能な調製物には吸入可能な粉末、プロペラント−含有計量エアゾール又はプロペラント−非含有吸入可能調剤が含まれる。
【0053】
乾燥粉末としての投与のために、先行技術から既知の単−もしくは多−投薬量吸入器を用いることができ、その中に粉末をゼラチン、プラスチックもしくは他のカプセル、カートリッジ又はブリスターパック中で、あるいは貯蔵器(reservoir)中で充填することができる。
【0054】
一般に無毒性であり、且つ薬剤に対して化学的に不活性な希釈剤又は担体、例えばラクトース又は呼吸できる割合を増すのに適した他の添加剤を粉末薬剤に加えることができる。
【0055】
ヒドロフルオロアルカンのようなプロペラントガスを含有する吸入エアゾールは、溶液中又は分散された形態において本発明の組み合わせの活性成分を含有することができる。
【0056】
プロペラント−駆動調剤は補助−溶媒、安定剤及び場合により他の賦形剤のような他の成分も含有することができる。
【0057】
本発明の組み合わせを含んでなるプロペラント−非含有吸入可能調剤は、水性、アルコール性又はヒドロアルコール性媒体中の溶液又は懸濁液の形態にあることができ、先行技術から既知のジェット又は超音波ネブライザーにより、あるいはRespimatのようなソフト−ミストネブライザー(soft−mist nebulizers)によりそれらを送達することができる。
【0058】
本発明に従う炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置は、症状的(symptomatic)又は予防的であることができる。特許請求されている組み合わせを適用できる炎症性もしくは閉塞性気道疾患には、内因性(非−アレルギー性)喘息及び外因性(アレルギー性)喘息の両方、穏やかな喘息、中度の喘息、重度の喘息、気管支炎性喘息、運動−誘導喘息、職業的喘息(occupational asthma)及びバクテリア感染に続いて誘導される喘息を含むいずれの型もしくは起源の喘息も含まれる。喘息の処置は、ぜん鳴の症状を示し、医学的に非常に重要な確立された患者の範疇である「ぜいぜいする乳児」として診断されたかもしくは診断され得る、例えば4又は5歳未満の年令の患者の処置も包含すると理解されるべきである。喘息の処置における予防的有効性は、症状的発作の、例えば急性喘息もしくは気管支収縮発作の頻度又は重度の低下、肺機能の向上又は気道高反応性の改善(improved airways hyperreactivity)により証明されるであろう。他の症状的治療に対する必要性の減少により、それをさらに証明することができる。喘息における予防的利益は、特に「モーニングディッピング(morning dipping)」の傾向のる患者において明らかであるかも知れない。「モーニングディッピング」は認められた喘息症候群であり、喘息患者の実質的パーセンテージに共通であり、例えば大体午前4〜6時、すなわち通常以前に施された症状的
喘息治療から実質的に遠い時間における喘息発作により特徴付けられる。
【0059】
本発明を適用できる他の炎症性もしくは閉塞性気道疾患及び状態には急性肺損傷(ALI)、成人呼吸促進症候群(ARDS)、慢性気管支炎及び気腫を含む慢性閉塞性肺(pulmonary)、気道もしくは肺(lung)疾患(COPD、COAD又はCOLD)、細気管支炎、気管支拡張症及び他の薬剤治療、特に他の吸入される薬剤治療の結果としての気道高反応性の再燃が含まれる。
【0060】
本発明を適用できるさらに別の炎症性もしくは閉塞性気道疾患には、例えばアルミニウム肺、炭粉症、石綿肺症、石粉症、睫毛脱落症、鉄症、珪肺症、タバコ肺及び綿肺症を含むいずれかの型もしくは起源の塵肺(多くの場合に慢性もしくは急性の気道閉塞を伴い、繰り返される塵埃の吸入が誘引となる炎症性の通常は職業的な肺の疾患)が含まれる。
【0061】
本発明はさらに、有効量での(A)及び組み合わせ化合物の投与に適した個別単位投薬形態物における前記の化合物(A)及び少なくとも1種のさらなる化合物(組み合わせ化合物)を含んでなる製薬学的キットを提供する。そのようなキットは、適切にはさらに(A)及び組み合わせ化合物の投与のための1つもしくはそれより多い吸入装置を含んでなる。例えばキットは、投薬単位の(A)を含んでなる乾燥粉末を含有するカプセル及び投薬単位の組み合わせ化合物を含んでなる乾燥粉末を含有するカプセルと一緒に、カプセルから乾燥粉末を送達するように適応させられた1個もしくはそれより多い乾燥粉末吸入装置を含んでなることができる。他の例においてキットは、貯蔵器中に(A)を含んでなる乾燥粉末を含有する多投薬量乾燥粉末吸入装置(multidose dry powder inhalation device)ならびに貯蔵器中に組み合わせ化合物を含んでなる乾燥粉末を含有する多投薬量乾燥粉末吸入装置を含んでなることができる。他の例においてキットは、プロペラント中に(A)を含んでなるエアゾールを含有する計量投薬量吸入器及びプロペラント中に組み合わせ化合物を含んでなるエアゾールを含有する計量投薬量吸入器を含んでなることができる。
【0062】
下記の実施例に言及して本発明を例示する。
【0063】
本発明に従うTA 2005とコルチコステロイドの組み合わせ製品の予想に反する特徴を、Kublin R et al著,Int Arch Allergy Immunol;98:1992年,266−272により報告された方法に従ってSephadex−誘導肺炎症の生体内モデルにおいて;Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pharmacol.,362:2000年,184−189に記載されているヒトU−937誘導マクロファージ細胞系についての試験管内アッセイにおいて;ならびにアセトアルデヒド誘導気管支収縮のモデル(Berti et al.著,Arzneim−Forsch/Drug Res;44:1994年,323−326)において示す。
【0064】
さらに、TA 2005及びムスカリンM3−受容体アンタゴニスト、チオトロピウムブロミドの間の薬理学的相互作用を試験管内及び生体内モデルにおいて示した。
【実施例1】
【0065】
ヒトU−937誘導マクロファージ細胞系についての本発明の組み合わせの抗−炎症有効性の試験管内アッセイ
U−937細胞を培養し、10ng/mlのホルボールミリステートアセテートにより48時間、マクロファージ−分化させた。
【0066】
次いで細胞を、1μg/mlのリポ多糖(LPS)又は濃度範囲のβ−アゴニスト、コルチコステロイド又は組み合わせと一緒のLPSとともにインキュベーションした。種々のインキュベーション時間の後、TNFα及びIL−10を測定した。次いで培地を集め、環状アデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)測定のために細胞をライシスした。
【0067】
培地中のTNFα及びIL−10を商業的に入手可能なELISAアッセイにより決定し、cAMPを市販のH−cAMP試験システムにより決定した。
【0068】
コルチコステロイドの用量−反応曲線を、TA 2005の不在下ならびに10−10及び10−8Mの濃度で与えられるTA 2005の存在下で決定した。ブデソニドは単独で、cAMP含有量に影響せずにTNFα及びIL−10放出の両方を妨げた。TA
2005の添加は、TNFαへの効果を有力にし、IL−10放出へのブデソニドの不の効果に対抗した。
【0069】
興味深いことに、TA 2005の添加はブデソニドによるcAMPの強い刺激を生じた。
【実施例2】
【0070】
Sephadex−誘導肺水腫モデルにおける本発明の組み合わせの抗−炎症有効性の生体内アッセイ
Sephadexにより誘導されるラット肺水腫は、炎症細胞浸潤及び持続性間隙性水腫に導くモデルである。単独の、及びブデソニドと組み合わされたTA 2005の抗炎症活性を、他の持続性β−アドレノセプターアゴニストであるフォルモテロルとの比較において評価した。
【0071】
麻酔されたラット(200〜250g)に、Sephadexビーズ(5mg/ml)を1ml/kgの投薬体積で気管内投薬した。標準グループには1ml/kgの食塩水を与えた。
【0072】
試験物質を食塩水中に懸濁させ、気管内投与してSephadex懸濁液中で適切に希釈した。
【0073】
投与から24時間後、動物を犠牲にし、肺を取り出し、秤量した。次いでSephadex−誘導水腫のパーセント抑制を決定した。
【0074】
Sephadexビーズの気管内滴注は、標準動物と比較して統計的に有意な肺重量における増加を誘導した(33±3%)。TA 2005(0.001、0.01、0.05及び0.1ナノモル/kg)、フォルモテロル(0.01、0.1、1及び2ナノモル/kg)及びブデソニド(15、30、60、120、240及び480ナノモル/kg)を用いる処置は、Sephadex誘導肺水腫の用量−依存性緩解を生じた。用量−反応曲線に基づき、非有効投薬量のTA 2005(0.01ナノモル/kg)及びフォルモテロル(0.1ナノモル/kg)を選び、低い非有効投薬量のブデソニド(15、30、60及び120ナノモル/kg)と組み合わせた。TA 2005の存在下で、ブデソニドは15ナノモル/kgのような低い投薬量ですでにSephadex−誘導肺水腫を有意に抑制することができたが、その不在下では240ナノモル/kgが必要であった。フォルモテロルの存在下で、有力化(potentiation)はそれよりずっとはっきりせず、それは、120ナノモル/kgの投薬量のコルチコステロイドを用いて初めて、Sephadex−誘導肺重量増加の有意な減少が観察されたからである。
【実施例3】
【0075】
モルモットにおけるアセトアルデヒドにより誘導される気管支収縮へのTA 2005及びブデソニドの組み合わせの効果
アセトアルデヒド(AcCHO)により誘引される気管支収縮及び神経性炎症を抑制するTA 2005の能力を、Berti et al.著,Arzneim−Forsch/Drug Res;44:1994年,323−326により記載されている実験モデルに従って、麻酔され人工的に通気されるモルモットにおいて調べた。
【0076】
AcCHOの静脈内注射は、用量−依存性気管支収縮を誘導し、血液ヒスタミンの増加及び気管組織におけるEvansブルー管外遊出を伴い、血管透過性の変更を示した。
【0077】
TA 2005(0.1〜10ピコモル)、フォルモテロル(0.3〜30ピコモル)又はブデソニド(31.25〜500ナノモル)の保護活性を、単独の、又は組み合わされた気管内注入(intratracheal superfusion)の後に決定した。
【0078】
AcCHOのすべての効果はTA 2005及びフォルモテロルにより力強く拮抗された。しかしながら、気管支収縮、ヒスタミンの放出及び血漿管外遊出の防止において、TA 2005はほとんどフォルモテロルの2倍有力であった。TA 2005は、選ばれたすべての投薬量において有意により長い作用の持続時間も示した。例えば2種のβ2−アドレノセプターアゴニストをピークとほとんど効果が等しい投薬量(10及び30ピコモル)で比較すると、TA−2005の抗−気管支収縮効果は240分後にまだ完全に存在したが、フォルモテロルの効果は大体50%減少した。
【0079】
コルチコステロイド、ブデソニドもモルモット気道におけるAcCHOの効果を小さく
することができたが、予測された通り、その有効性はナノモル範囲内にあり、TA 2005及びフォルモテロルの両方を用いて観察された有効性より顕著に劣った。
【0080】
ブデソニドと組み合わされたTA 2005の気管注入(tracheal superfusion)は、モルモット気道におけるAcCHOの3つの主な効果、例えば気管支収縮、ヒスタミン放出及び血漿管外遊出の抑制における相乗的相互作用を生じた。パラメーター気管支収縮を考えると、単独のブデソニドのED50値(396ナノモル)は、それが0.1及び0.3ピコモルのTA 2005と組み合わされると、それぞれ5.3及び14.3分の1に低下した。コルチコステロイドにフォルモテロルを加えることによっても相乗的相互作用は達成された。しかしかながらこの組み合わせは、TA 2005を用いて得られたものより有効性が低かった。事実、ブデソニドのED50値は、それが0.3及び1ピコモルのフォルモテロルと組み合わされると、それぞれ3.0及び5.9分の1に低下した。
【実施例4】
【0081】
オボアルブミン−感作モルモットからの単離気管ストリップにおけるTA 2005−誘導脱感作へのブデソニドの効果
β−アゴニストの長期間の使用は、肺β−アデノセプターの下方−調節を生ずる。コルチコステロイドを用いる付随処理により、この現象に対抗することができる。
【0082】
本研究では、オボアルブミン−感作モルモット(100mg/kg腹腔内及び100mg/kg皮下、犠牲にする20日前)から得た気管ストリップを、超−最大濃度(supra−maximal concentration)のサルブタモル(5*10−6M)と20分間、2回接触させることにより、β−脱感作に供した。いくつかの実験では、犠牲にするより24及び1.5時間前のモルモットに50mg/kgのブデソニドを腹腔内に与えた。
【0083】
β−脱感作の後、TA 2005はカルバコール−誘導収縮の弛緩において約3倍小さい効力(about 3 times less potent)を生じた。ブデソニド予備処置は、TA 2005用量−反応曲線の右方への移動を逆転させ、その弛緩効果を約6倍有力化さえした。
【実施例5】
【0084】
単離されたモルモット気管ストリップにおけるカルバコール−誘導収縮へのTA 2005/チオトロピウムブロミドの組み合わせの効果
β−アドレノセプターアゴニスト、TA 2005及びM−レセプターアンタゴニスト、チオトロピウムブロミドの間の薬理学的相互作用を、カルバコールを用いて収縮した単離されたモルモット気管ストリップにおいて調べた。
【0085】
TA 2005(10−12M)及びチオトロピウムブロミド(3*10−10M)は、カルバコール−誘導収縮をそれぞれ29.3±6.1%及び17.1±2.2%抑制した。2つの処置を組み合わせると、弛緩はもっとずっと大きかった(59.1±7.7%)。
【0086】
結果を図1に示す(注:CHF 4226はTA 2005の同義語である)。
【実施例6】
【0087】
モルモットにおけるアセチルコリン−誘導気管支収縮の抑制におけるTA 2005及びチオトロピウムブロミドの組み合わせの効果
Konzett and Roessler著,Naunyn−Schmiedeberg’s Arch Pharmacol;195:1940年,556−557により最初に記載された通りに、モルモットを準備した。
【0088】
アセチルコリン(20μg/kg)の静脈内投与により、気管支収縮を誘導した。単独の、又は組み合わされた種々の濃度のチオトロピウロム(0.1〜30ピコモル)又はTA 2005(0.3〜100ピコモル)の抗気管支痙攣活性を調べた。
【0089】
TA 2005及びチオトロピウムの両方は、アセチルコリン−誘導気管支収縮に用量−依存的に拮抗することができた。チオトロピウムはTA 2005より5.2倍(p<0.001)有力であった(ED50=それぞれ3.2及び16.7ピコモル)。
【0090】
組み合わせると、相乗的相互作用が観察された(図2)。
【0091】
0.1ピコモルのチオトロピウムを3ピコモルのTA 2005と組み合わせた場合に、相互作用は特に明らかであった。この場合、アセチルコリンの効果は63%(P<0.
001)減少したが、チオトロピウムの不在下で、抑制はわずか18%となった。
【0092】
本結果から、麻酔されたモルモットの気管粘膜上に組み合わされて注入されたM−ムスカリンレセプターアンタゴニスト、チオトロピウム及びβ−アゴニスト、TA 2005は、アセチルコリン−誘導気管支収縮の制限において、相乗的相互作用を与えることが示された。
【実施例7】
【0093】
TA 2005及びブデソニドを含んでなる計量投薬吸入器のための調剤
以下の通りの組成を有する計量投薬吸入器のためのHFA調剤を調製した:
【0094】
【表1】

【0095】
適した量の鉱油を用い、調剤のpHを調整した。
【0096】
Teflonがコーティングされた内面を有し、63μlの計量室を有する計量バルブが取り付けられたアルミニウムキャニスター中に調剤を充填した(2段階圧力充填)(キャニスター当たり120回の作動、30回の作動の過剰)。
【実施例8】
【0097】
TA 2005及びブデソニドを含んでなる乾燥粉末吸入器のための粉末調剤
以下の通りの組成を有する乾燥粉末吸入器のための粉末調剤を調製した:
【0098】
【表2】

【0099】
調剤の調製
以下の通りに予備−ブレンド混合物を得た:50〜400μmの出発粒度を有するアルファ−ラクトース一水和物、SpheroLac 100(Meggle EP D30)及び3〜35μmの出発粒度を有するステアリン酸マグネシウムを98:2w/wの比率で、ジェットミル装置において共−磨砕した。
【0100】
約86%w/wのアルファ−ラクトース一水和物、CapsuLac(212〜355μm)を2.5 lのステンレススチール容器中に入れ、次いで約10%w/wの予備−ブレンド混合物を加えた。Turbulaミキサー中で、32r.p.m.において4時間、粉末を混合した。TA 2005及びブデソニドを粉末に加え、Turbulaミキサー中で混合し、それぞれ1μg及び400μgの活性成分対10mgの担体の比率を得た。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】カルバコールによる気管支収縮への薬剤の効果を示すグラフ。
【図2】TA 2005とチオトロピウムブロミドの相乗的相互作用を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性又は閉塞性気道疾患の処置における同時、逐次的もしくは個別使用のための:
−8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル−2(1H)−キノリノン(化合物A)及び/又はその生理学的に許容され得る塩及び/又は溶媒和物
−炎症性又は閉塞性気道疾患の処置に有用な少なくとも1種のさらなる活性成分
を含んでなる組み合わせ調製物であって、化合物(A)の1日の投薬量が0.5〜8μgの範囲である組み合わせ調製物。
【請求項2】
化合物(A)が塩酸塩の形態にある請求項1に従う調製物。
【請求項3】
1日の投薬量が1〜6μgの範囲内にある請求項1及び2に従う調製物。
【請求項4】
1日の投薬量が1〜2μgの範囲内にある請求項3に従う調製物。
【請求項5】
1日の投薬量が2〜4μgの範囲内にある請求項3に従う調製物。
【請求項6】
さらなる活性成分がブデソニド(budesonide)及びそのエピマー、ベクロメタゾンジプロピオネート(beclometasone dipropionate)、フルチカゾンプロピオネート(fluticasone propionate)、フルニソリド(flunisolide)、シクレソニド(ciclesonide)、トリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetonide)、ロフレポニドパルミテート(rofleponide palmitate)及びモメタゾンフロエート(mometasone furoate)から選ばれるコルチコステロイドを含んでなる請求項1〜5に従う調製物。
【請求項7】
コルチコステロイドがブデソニド、ブデソニドのエピマー22R、シクレソニド又はロフレポニドである請求項6に従う調製物。
【請求項8】
化合物(A)及びコルチコステロイドの間の重量比が1:3200〜1:10である請求項5に従う調製物。
【請求項9】
さらなる活性成分がイプラトロピウムブロミド(ipratropium bromide)、オキシトロピウムブロミド(oxitropium bromide)、チオトロピウムブロミド(tiotropium bromide)又はグリコピロレート(glycopyrrolate)の群から選ばれる抗コリン作動薬及び/又は抗ムスカリン薬を含んでなる請求項1〜5に従う調製物。
【請求項10】
抗ムスカリン薬がチオトロピウムブロミドである請求項9に従う調製物。
【請求項11】
さらなる活性成分がホスホジエステラーゼ−4−阻害剤を含んでなる請求項1〜5に従う調製物。
【請求項12】
さらなる活性成分がコルチコステロイド及び抗ムスカリン薬を含んでなる請求項1〜5に従う調製物。
【請求項13】
さらなる活性成分が抗ムスカリン薬及びホスホジエステラーゼ−4−阻害剤を含んでなる請求項1〜5に従う調製物。
【請求項14】
有効量の化合物(A)及び少なくとも1種のさらなる活性成分を、少なくとも1種の製薬学的に許容され得る担体と一緒に含んでなる吸入用製薬学的組成物。
【請求項15】
活性成分がプロペラントガス中の溶液又は懸濁液中にある、加圧計量投薬吸入器(pressurized metered dose inhalers)により投与されるべき請求項14に従う製薬学的組成物。
【請求項16】
水性、アルコール性又はヒドロアルコール性(hydroalcoholic)媒体中の化合物(A)及びコルチコステロイドの溶液又は懸濁液を含んでなるネブライザーにより投与されるべき請求項14に従う製薬学的組成物。
【請求項17】
化合物(A)及びさらなる活性成分が乾燥粉末形態にある、乾燥粉末吸入器により投与されるべき請求項14に従う製薬学的組成物。
【請求項18】
有効量での化合物(A)及びさらなる活性成分の投与に適した個別単位投薬形態物における化合物(A)及び少なくとも1種のさらなる活性成分を、(A)及びさらなる活性成分の投与のための1つもしくはそれより多い吸入装置と一緒に含んでなる製薬学的キット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−519204(P2006−519204A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501966(P2006−501966)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001960
【国際公開番号】WO2004/075896
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
【出願人】(591095465)キエシ・フアルマチエウテイチ・ソチエタ・ペル・アチオニ (12)
【Fターム(参考)】