説明

高圧放電ランプ、ランプユニット、画像表示装置および高圧放電ランプの製造方法

【課題】小型で輝度の高いランプユニットを作製することのできる高圧放電ランプを提供する。
【解決手段】内部に放電空間6を有する本体部4と、前記本体部4の一箇所に連設された封止部5とからなる放電容器2と、一方の端部が前記放電空間6内に配置され、他方の端部側が前記封止部5に封止された一対の電極8と、前記電極8の他方の端部にそれぞれ接続され、主面12が互いに略対向する状態で前記封止部5に封止された一対の金属箔9と、前記金属箔9にそれぞれ接続され、一方の端部側が前記封止部5外に導出された一対の外部リード線10とを備える高圧放電ランプとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水銀ランプ等の高圧放電ランプ、当該高圧放電ランプを備えたランプユニットおよび画像表示装置、並びに、高圧放電ランプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高圧水銀ランプを用いたランプユニットは、小型化、高輝度化が進んでいる。図16に示す所謂ダフルエンド形の高圧水銀ランプ200(以下、「従来例1の高圧水銀ランプ200」と称する)は、本体部201と当該本体部201の両側に連設された一対の封止部202a,202bとからなる放電容器203を有し、前記一対の封止部202a,202bには、電極204、金属箔205および外部リード線206からなる電極組立体207が1本ずつ封止されている。当該高圧水銀ランプ200は、例えば、反射面211とランプ取付孔212とを有する反射鏡210に、一方の封止部202aを前記ランプ取付孔212に差し込むようにして取り付けられ、ランプユニット220として使用される。このようなランプユニット220は、高圧水銀ランプ200の他方の封止部202bが本体部201よりも光出射方向側に位置するために全長(光出射方向の寸法)W2が長く、当該ランプユニット220が大型である。
【0003】
このような問題に対処した高圧水銀ランプとして、特許文献1には、図17に示すような所謂シングルエンド型の高圧水銀ランプ300(以下、「従来例2の高圧水銀ランプ300」と称する)が開示されている。従来例2の高圧水銀ランプ300は、本体部301と当該本体部301の一箇所に連設された封止部302とからなる放電容器303を有し、前記封止部302には、電極304、金属箔305および外部リード線306からなる電極組立体307が2本まとめて封止されている。
【0004】
従来例2の高圧水銀ランプ300は、封止部302を反射鏡310のランプ取付孔312に差し込むようにしてランプユニット320を組み立てると、本体部301よりも光出射側に封止部が位置することがない。したがって、従来例2に係るランプユニット320の全長W3は、従来例1に係るランプユニット220の全長W2よりも短く、従来例2に係るランプユニット320は従来例1のものよりも小型である。
【特許文献1】特開2002−100323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例1の高圧水銀ランプ200の放電容器203は、外径および内径が図18において二点鎖線で示すようなガラス管230を用いて作製される。当該ガラス管230の内径は、金属箔205の幅よりも一回り大きい。
一方、従来例2の高圧水銀ランプ300の放電容器303は、外径および内径が図19において二点鎖線で示すようなガラス管330を用いて作製される。当該ガラス管330の内径は、2本の電極組立体307を、それらの金属箔305の一方の主面同士が略一平面内に含まれるように並列配置した姿勢で挿入可能な大きさである。
【0006】
従来例2に係るガラス管330は従来例1のものより大径であるため、ガラス管330を加熱・収縮して形成する封止部302も従来例1のものより大型である。すなわち、図18に示す従来例1に係る封止部202aの幅D4よりも、図19に示す従来例2に係る封止部302の幅D5の方が大きい。なお、放電容器を作製に適したガラス管の肉厚はある程度決まっているため、ガラス管の内径を大きくしようとすると当該ガラス管が必然的に大径になる。
【0007】
このように封止部302が大型であると、それに対応して反射面311の中央に設けるランプ取付孔312を大きくしなければならないため、そのぶん前記反射面311の面積が小さくなり、ランプユニット320の輝度が低下する。
本発明は、上記の課題に鑑み、小型で輝度の高いランプユニットを作製することのできる高圧放電ランプ、当該高圧放電ランプを備えたランプユニットおよび画像表示装置、並びに、前記高圧放電ランプの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する本体部と、前記本体部の一箇所に連設された封止部とからなる放電容器と、一方の端部が前記放電空間内に配置され、他方の端部側が前記封止部に封止された一対の電極と、前記電極の他方の端部にそれぞれ接続され、主面が互いに略対向する状態で前記封止部に封止された一対の金属箔と、前記金属箔にそれぞれ接続され、一方の端部側が前記封止部外に導出された一対の外部リード線とを備える構成を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る高圧放電ランプは、所謂シングルエンド型の高圧放電ランプであるため、反射鏡に取り付けてランプユニットを作製した際に、所謂ダブルエンド型の高圧放電ランプのように本体部の光出射方向側に封止部が位置することがない。したがって、ランプユニットの全長を短くすることができ、当該ランプユニットをより小型にすることができる。また、封止部に封止されている一対の金属箔が、それらの主面が互いに略対向する状態で配置されているため、それらの主面が略一平面内に含まれる状態で配置される従来のシングルエンド型の高圧放電ランプと比べて、封止部が小型である。したがって、封止部を差し込むためのランプ取付孔を小さくすることができ、引いては反射面を広く確保することができるため、輝度の高いランプユニットを作製することができる。
【0010】
ここで、前記一対の金属箔は、対向する主面間の距離D1が前記主面間の略全域に亘って略一定である構成とすることができる。この構成とすれば、封止部をより小型にすることができるため、より輝度の高いランプユニットを作製することができる。
ここで、前記本体部の外表面における前記封止部側に保温膜が形成されている構成とすることができる。この構成とすれば、放電容器の本体部に生じる最冷点の温度を上げることができ、より輝度の高い高圧放電ランプを得ることができる。
【0011】
また、前記一対の電極は、前記放電空間内に突出する部分における根元部と前記一方の端部との間に、互いの距離が縮められた近接部をそれぞれ有し、前記近接部間の距離L1は、前記根元部間の距離L2よりも短く、かつ、前記一方の端部間の距離L3よりも長い構成とすることができる。この構成によれば、ランプ始動時に近接部間においても放電を生じさせることができるため、ランプ始動を容易にすることができる。
【0012】
また、前記一対の外部リード線は、少なくとも前記封止部外に導出された部分における封止部側が、それぞれ電気的絶縁被膜で被覆されている構成とすることができる。この構成とすれば、外部リード線同士の電気的絶縁性が確保されるため、ショートが起こる虞れがなく安全性が高いと共に、電圧がリークしてランプが不点になることもない。また、一対の外部リード線をより近づけて配置することができ、当該外部リード線を備える電極組立体をより接近させて配置することができるため、封止部をより小型にすることができる。
【0013】
また、前記一対の外部リード線の前記封止部外に導出された部分間における最短距離をD2[mm]とし、組み合わされる点灯回路の始動パルス電圧をV[kV]とした場合、D2[mm]≧0.4×V[kV]、なる関係を満たす構成とすることができる。この構成とすれば、外部リード線に電気的絶縁処理を施すことなく、ショートや不点を防止することができる。
【0014】
本発明に係るランプユニットは、上記高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプの射出光を反射する反射面を有する反射鏡とを備える構成を有する。したがって、小型で輝度の高いランプユニットとすることができる。
本発明に係る画像表示装置は、上記高圧放電ランプを備える構成を有する。したがって、小型で輝度の高い画像表示装置とすることができる。
【0015】
本発明に係る高圧放電ランプの製造方法は、内部に放電空間を有する本体部、および、前記本体部の一箇所に連設された封止部からなる放電容器と、一方の端部が前記放電空間内に配置された一対の電極、前記電極の他方の端部側にそれぞれ接続された一対の金属箔、および、前記一対の金属箔にそれぞれ接続された一対の外部リード線からなり、前記封止部に封止されている一対の電極組立体とを備えた高圧放電ランプの製造方法であって、前記本体部となる本体部形成予定部と、前記封止部となる封止部形成予定部とを有するガラス管を用意する第1の工程と、前記封止部形成予定部内に、前記一対の電極組立体を、前記一対の金属箔の主面が互いに略対向した状態となるよう挿入する第2の工程と、前記封止部形成予定部を加熱・収縮させ前記電極組立体を封止する第3の工程とを含むことを特徴とする。したがって、小型で輝度の高い高圧放電ランプを製造することができる。
【0016】
また、前記第2の工程では、前記封止部形成予定部に前記電極組立体を挿入した状態において、前記一対の電極組立体の前記封止部に埋設される部分間にガラス製の間仕切り板を介在させることができる。これにより、電極組立体同士の接触を確実に防止することができる。また、封止の際に金属箔が潰れ難く、従来はピンチシール方式でなければ封止できなかったところシュリンク封止方式で封止することができ、より耐圧性の高い封止が可能である。
【0017】
また、前記第2の工程では、前記封止部形成予定部に前記電極組立体を挿入した状態において、少なくとも一方の前記電極組立体の前記封止部に埋設される部分をガラス製の管体に収容することができる。これにより、電極組立体同士の接触を確実に防止することができる。
また、前記第2の工程では、前記一対の電極組立体の前記封止部に埋設される部分の外表面をそれぞれガラスで被覆し、さらに前記ガラス同士を連結した後、前記一対の電極組立体を前記封止部形成予定部内に挿入することができる。これにより、電極組立体同士の接触を確実に防止することができる。また、一対の電極の先端同士の位置決めが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る高圧放電ランプ、ランプユニット、画像表示装置および高圧放電ランプの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
<高圧放電ランプについて>
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図であり、図2は、第1の実施形態に係る高圧放電ランプの封止部の横断面図である。
【0019】
図1に示すように、第1の実施形態に係る高圧放電ランプは、所謂シングルエンド型の高圧水銀ランプ1であって、石英ガラス製の放電容器2と、一対の電極組立体3とを備える。
放電容器2は、本体部4と、前記本体部4の一箇所に連設された一つの封止部5とからなる。本体部4は、外径が約9mmの略球状であって、内部に放電空間6を有する。放電空間6には、発光物質である水銀7、始動補助用としてのアルゴン等の希ガス(不図示)、および、臭素などのハロゲン物質(不図示)が封入されている。封止部5は、外径D3が約5mm、長さが約20mmの略円柱状であって、一対の電極組立体3が封止されている。
【0020】
各電極組立体3は、電極8、金属箔9および外部リード線10を備える。
各電極8は、例えばタングステン製であって、一方の端部(以下、「先端部」と称する)にコイル11を有する。一対の電極8は、先端部が放電空間6内で互いに略対向するように配置されている。また、一対の電極8は、先端部とは反対側が封止部5内に埋設されており、前記先端部とは反対側の端部に金属箔9が溶接等によって接続されている。
【0021】
各金属箔9は、例えばモリブデン製であって、横幅が約1.5mm、長さが約17mm、肉厚が約15μmの短冊状である。各金属箔9の電極8側とは反対側の端部には、例えばモリブデン線からなる外部リード線10が溶接等によって接続されている。各金属箔9の全体と、各外部リード線10の金属箔8側とは、それぞれ封止部5内に埋設されている。一方、各外部リード線10の金属箔8側とは反対側は、それぞれ封止部5外に導出されている。なお、金属箔9が封止部5に封止されることにより、気密性を確保している。
【0022】
一対の金属箔9は、一方の主面同士が互いに略対向する状態で封止部5内に封止されている。より具体的には、一対の金属箔9は、対向する主面間の距離D1が前記主面間の略全域に亘って略一定となるよう配置されている。すなわち、図2に示すように、金属箔9を当該金属箔9の短手方向に沿って切断した切断面において、前記金属箔9の互いに略対向する主面12が略平行を保つよう配置されている。さらに、一対の金属箔9は、それら金属箔9を主面と直交する方向Aから見た場合に、それら一対の金属箔9の輪郭が略重なり合うように配置されている。ここで、金属箔9の主面同士が互いに略対向する状態という場合における「略」とは、金属箔9を封止部5に封止する際、金属箔9がわずかにねじれていたり、波打っていたりする場合も含まれることを意味する。
【0023】
図2における二点鎖線は、一対の金属箔9を上記配置で挿入可能な内径を有するガラス管30であって、その内径は約2mm、外径は約6mm、肉厚は約2mmである。当該ガラス管30は、図18において二点鎖線で示す従来例1に係るガラス管230と同型である。すなわち、高圧水銀ランプ1は、シングルエンド型の高圧水銀ランプであるにも拘わらず、ダブルエンド型の高圧水銀ランプ200に使用されるガラス管230と同型のガラス管30を使用している。したがって、高圧水銀ランプ1の封止部5の外径D3は、シングルエンド型であるにも拘わらず、図18に示すダブルエンド型の封止部205の外径D4と略同じ寸法である。
【0024】
なお、一対の金属箔9の配置は、上記配置に限定されず、一対の金属箔9の主面12が互いに略対向する状態であれば良い。図3は、変形例に係る高圧放電ランプの封止部の横断面図である。例えば、図3(a)に示すように、金属箔9aを当該金属箔9aの短手方向に沿って切断した切断面において、前記金属箔9aの互いに略対向する主面12aが略平行になっておらず、角度Bをなすように傾いていて配置されていても良い。ただし、封止部5aを小型にするためには、角度Bは45°以下であることが好ましい。
【0025】
また、図3(b)に示すように、一対の金属箔9bは、それら金属箔9bを主面と直交する方向A’から見た場合に、それら一対の金属箔9bの輪郭が完全には重なり合わず、ずれて配置されていても良い。なお、封止部5bを小型にするためには、ずれが小さいことが好ましい。
外部リード線10は、封止部5外に導出されている部分の外表面が電気的絶縁被膜13で被覆されている。電気的絶縁被膜13の材料としては、低融点ガラス、アルミナ、シリカ系のセラミック材料もしくは樹脂等の有機材料等が考えられる。例えば、電気的絶縁被膜13が低融点ガラスからなる場合、外部リード線10とランプコネクタ(不図示)を接続した後、低融点ガラスをコーティング、乾燥して外部リード線10の外表面に形成する。
【0026】
なお、電気的絶縁被膜13は、必ずしも外部リード線10の封止部5外に導出された部分の全体を被覆するように形成されている必要はなく、電気的な絶縁性を確保しなければならない部分にのみ形成されていれば良い。したがって、封止部5外に導出された部分のうちの一対の外部リード線10同士の距離が近い部分、例えば、封止部5外に導出された部分の根元付近にのみ電気的絶縁被膜13を形成すれば足りる場合もある。
【0027】
また、電気的絶縁被膜13は、外部リード線10の封止部5に埋設されている部分をも被覆するように形成されていても良い。このような構成であれば、電極組立体3を封止部5に封止する前に、予め外部リード線10に電気的絶縁物質13を形成しておくことができ、前記電気的絶縁被膜13を容易に形成することができる。
なお、一対の外部リード線10の電気的絶縁性は、電気的絶縁被膜13を形成する以外の方法によって確保しても良い。例えば、図1に示す外部リード線10の封止部5外に導出された部分間における最短距離D2[mm]を、所定距離以上にすることによっても電気的絶縁性を確保することができる。ここで、前記最短距離D2[mm]は、高圧水銀ランプ1に組み合わされる点灯回路の始動パルス電圧をV[kV]とした場合、D2[mm]≧0.4×V[kV]、なる関係を満たすことが必要である。
【0028】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態に係る高圧放電ランプについて説明する。第2の実施形態に係る高圧放電ランプは、放電容器に保温膜が形成されている点以外は、基本的に第1の実施形態に係る高圧放電ランプと同様の構成を有している。したがって、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付してその説明は省略し、前記保温膜を中心に説明する。
【0029】
図4は、第2の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図である。図4に示すように、第2の実施形態に係る高圧放電ランプとしての高圧水銀ランプ40は、本体部4と封止部5からなる放電容器2と、電極8、金属箔9および外部リード線10を有する電極組立体3とを備える。
保温膜41は、本体部4の外表面における封止部5側、および、前記封止部5の外表面における本体部4側に形成されている。具体的には、保温膜41は、本体部4と封止部5との境界42から本体部4側に向けて約1mm、および、前記境界42から前記封止部5側に向けて約2mmの幅で形成されている。
【0030】
保温膜41は、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、黒鉛および窒化硼素等を、溶媒に懸濁させるなどして放電容器2に塗布し、乾燥、焼付けして形成することが考えられる。また、保温膜41は、放電容器2の外表面にサンドブラスト処理やエッチング処理を施すことにより形成することも考えられる。さらに、保温膜41は、熱反射材料からなる熱反射膜として形成しても良い。
【0031】
一般に、高圧放電ランプ40の放電容器2は、電極組立体3を封止した封止部5の温度が低くなり易い。特に、シングルエンド型の高圧放電ランプ40は、2本の電極組立体3が1つの封止部5に封止されているため、当該封止部5の温度が低くなり易い。そのため、本体部4も封止部5に近い部分の温度が低くなり易く、前記封止部5に近い部分に最冷点が生じ易い。
【0032】
これに対し、高圧水銀ランプ40は、最冷点が生じ易い部分に保温膜41が形成されているため、前記最冷点の温度を上げることができる。これにより、放電空間6内に封入されている水銀7等の蒸気圧の低下を抑制し、高圧水銀ランプ40の発光効率の向上や演色性の向上を図ることができる。
なお、保温膜41を形成する位置および範囲や、保護膜41を形成する方法は、上記に限定されず、高圧水銀ランプ40の寸法や用途に合わせて適宜変更することができる。ただし、最冷点が生じ易い本体部の封止部側に少なくとも形成することが効果的である。
【0033】
(3)第3の実施形態
次に、第3の実施形態に係る高圧放電ランプについて説明する。第3の実施形態に係る高圧放電ランプは、電極の形状が異なる点以外は、基本的に第1の実施形態に係る高圧放電ランプと同様の構成を有している。したがって、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付してその説明は省略し、前記電極の形状を中心に説明する。
【0034】
図5は、第3の実施形態に係る高圧放電ランプの電極の先端部付近を示す拡大図である。図5に示すように、第3の実施形態に係る高圧放電ランプの一対の電極50a,50bは、放電空間6内に突出する部分の根元部51a,51bと先端部52a,52bとの間に、互いの距離が縮められた近接部(図中において網掛けで示す部分)53a,53bをそれぞれ有する。一対の電極50a,50bの近接部53a,53b間の距離L1は、根元部51a,51b間の距離L2よりも短く、先端部52a,52b間の距離L3よりも長い。
【0035】
一対の電極50a,50bの形状について具体的に説明すると、一対の電極50a,50bの放電空間6に突出した部分は、その間隔が2段階に縮められている。一対の電極50a,50bは、まず一対の根元部51a,51bからその間隔を距離L2に保ちながら放電空間6中央側へ向けて延出し、一対の近接部53a,53bにおいてその間隔を距離L1に縮め、さらに間隔を距離L1に保ちながら放電空間6の中央へ到達し、一対の先端部52a,52bの間隔が距離L3になるように形成されている。このような電極50a,50bの先端部52a,52b間には、電極組立体3の長手方向と略直交する向きに放電路が形成される。
【0036】
近接部53a,53b間の距離L1は、約2mmであって、ランプ始動時に放電が生じる距離である。第3の実施形態に係る高圧放電ランプは、ランプ始動時において、先端部52a,52b間だけでなく近接部53a,53b間においても放電が生じ得る。このように放電が生じ得る領域が広いため、ランプ始動時に放電が起こり易く、ランプ始動が容易である。なお、近接部53a,53b間で生じた放電は、より放電距離が短い先端部52a,52b間に移動する。
【0037】
なお、電極50a,50bの先端部52a,52b間の距離L3は、ランプを点光源に近づけるため、0.5mm〜3.0mmであることが好ましい。また、根元部51a,51b間の距離L2は、それら根元部51a,51b間で生じる根元放電を抑えるために、3mm〜4mmであることが好ましい。したがって、近接部53a,53b間の距離L1は、L2よりも短くL3よりも長い2mm以上、3mm以下に設計されていることが好ましい。
【0038】
近接部53a,53bは、電極50a,50bの放電空間51内に突出する部分を曲げ加工することによって形成されている。なお、近接部53a,53bを有する電極50a,50bは、溶接、打ち抜き、或いは一体成形等の方法によっても形成することができる。
第3の実施形態に係る高圧放電ランプの電極の形状は、上記の形状に限定されず、一対の電極がそれぞれ近接部を有し、前記近接部間の距離L1が、根元部間の距離L2よりも短く、かつ、先端部間の距離L3よりも長ければ良い。したがって、例えば図6に示すような形状の電極を備えた高圧水銀ランプであっても良い。
【0039】
図6は、第3の実施形態に係る高圧放電ランプの電極の先端部付近を示す拡大図である。図6に示す一対の電極60a,60bは、放電空間6に突出した部分の形状が互いに異なっている。具体的には、まず一対の根元部61a,61bから間隔を距離L2に保ちながら放電空間6中央側へ向けて延出し、近接部(図中において網掛けで示す部分)63a,63bにおいて一方の電極60aが他方の電極60bに近づくことによってそれらの間隔が距離L1に縮め、さらに一方の電極60aは放電空間6の中央に向け延出し、他方の電極60bは迂回により一方の電極60aとは反対側から前記中央に近づき、前記中央で一対の先端部62a,62bの間隔が距離L3になるように形成されている。このような電極60a,60bの先端部62a,62b間には、電極組立体3の長手方向と略並行な向きに放電路が形成される。
【0040】
(4)第4の実施形態
次に、第4の実施形態に係る高圧放電ランプについて説明する。第4の実施形態に係る高圧放電ランプは、電極の放電空間に突出する部分の根元部に水銀停留部材が設けられている点以外は、基本的に第1の実施形態に係る高圧放電ランプと同様の構成を有している。したがって、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付してその説明は省略し、水銀停留部材を中心に説明する。
【0041】
図7は、第4の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図である。図7に示すように、第4の実施形態に係る高圧放電ランプ70には、電極8の放電空間6に突出する部分の根元部に水銀停留部材の一例としてのコイル71が設けられている。コイル71は、タングステン製の素線を直接電極8に巻き付けることによって、或いは、前記素線をコイル状に成形したのち電極8に溶接することによって、封止部5との間に約0.5mmの隙間が空く位置に設けられている。
【0042】
電極組立体3は、熱伝導性の良い材料で構成されており、また一端が外部に接続されるため、放熱性が良い。したがって、ランプ消灯後の放電空間6においては、電極8の根元部分の温度が最も低くなり易く、前記根元部分には水銀が集まり易い。このような水銀の集まり易い根元部分にコイル71を設けることによって、前記根元付近に集まる水銀を前記コイル71に停留させることができる。これにより、ランプ点灯開始時の根元放電によって電極8の根元部分の温度が上がった際、前記根元部分に停留している水銀を早期に気化させることができる。
【0043】
なお、水銀停留部材は、コイル71に限定されず、リングを複数個重ねるように組み合わせた部材や、有底または無底筒状の部材であっても良く、それらは溶接やかしめ等によって電極に設けることが考えられる。
以上、本発明に係る高圧放電ランプを実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る高圧放電ランプは、上記構成に限定されない。
【0044】
<ランプユニットについて>
図8は、実施の形態に係るランプユニットを示す断面図である。図8に示すように、本実施の形態に係るランプユニット80は、第1の実施形態に係る高圧水銀ランプ1と、前記高圧放電ランプ1の射出光を反射する反射面81を有する反射鏡82とを備える。なお、本発明に係るランプユニットに使用する高圧放電ランプは、第1の実施形態に係る高圧水銀ランプ1に限定されず、上記第2から第4の実施形態に係る高圧水銀ランプ等であって良い。
【0045】
反射鏡82は、例えば漏斗形状のダイクロイック反射鏡であって、開口径が小さい側、すなわち反射面81の略中央に高圧水銀ランプ1の封止部5を挿入するためのランプ取付孔83が形成されている。高圧水銀ランプ1は、封止部5をランプ取付孔83に挿入し、一対の電極8先端間が所定位置に配置するように位置決めした後、セメント84により反射鏡82に固定される。
【0046】
高圧水銀ランプ1の位置決めは、理想的には反射鏡の設計上の第1焦点と高圧水銀ランプ1の設計上の光中心(一対の電極8の先端部間の中央に位置する点)P1とが略一致するのが理想である。実際には、高圧水銀ランプ1を図8の紙面に向かって左右・上下・前後方向にスライドさせ、反射鏡82前方の照度が最大となる位置に位置決めする。
ところで、図17に示すような従来例2の高圧水銀ランプ300では、光中心P3から発せられた射出光が、反射鏡310の第2の焦点P4に高い精度で集光しない。すなわち、従来例2の高圧水銀ランプ300は、上述の通り、放電容器303作製用に大径のガラス管330を用いなければならないため、前記高圧水銀ランプ300の光出射方向の幅を短くするためには本体部301が楕円球状に成形されていなければならない。このように本体部301が楕円球状の場合、光中心P3からの射出光の一部が反射面311の予定する位置に照射されずに例えばP5などに集光してしまう。
【0047】
これに対して、高圧水銀ランプ1は、放電容器2を作製用に小径のガラス管30を用いることができるため、前記高圧水銀ランプ1の光出射方向の幅を短くしても本体部2を略球状に成形することができる。このような本体部2が略球状の高圧水銀ランプ1を備えたランプユニット80は、光中心P1から発せられた射出光を、反射面81で反射させて、反射鏡82の第2の焦点P2に高い精度で集光させることができる。
【0048】
なお、反射鏡82の反射面81は、高圧水銀ランプ1から出射光を反射して一点に集光する曲面を有するものに限定されず、出射光を反射して平行光にする曲面を有するものであっても良い。
ランプユニット80は、第1の実施形態に係る高圧水銀ランプ1を備えているため、前記ランプユニットの全長W1、すなわち光出射方向(P1とP2とを結ぶ方向)の寸法が図17に示す従来例2の高圧水銀ランプ300の全長W3と同等である。しかも、第1の実施形態に係る高圧水銀ランプ1の封止部5は、従来例2の高圧水銀ランプ300の封止部305よりも外径D3が小さいため、反射鏡82のランプ取付孔83がより小さく、したがって反射面81がより広いため、従来例2の高圧水銀ランプ300よりも高輝度である。
【0049】
以上、本発明に係るランプユニットを実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るランプユニットは、上記構成に限定されない。
<画像表示装置>
(1)第1の実施形態
図9は、第1の実施形態に係る画像表示装置を示す一部破断斜視図である。図9に示すように、第1の実施形態に係る画像表示装置の一例としてのフロントプロジェクタ90は、前方に設置したスクリーン(不図示)に向けて画像を投影する投射型画像表示装置である。なお、図9は、筐体91の天板を取り除いた状態のフロントプロジェクタ90を示している。
【0050】
フロントプロジェクタ90は、DLP(登録商標)方式を採用したプロジェクタであり、筐体91に、光源である高圧水銀ランプ1を備えたランプユニット80、DMD(登録商標)や3色のカラーフィルタからなるカラーホイール(いずれも不図示)等を有する光学ユニット92、前記DMD等を駆動制御する制御ユニット93、投射レンズ94、冷却ファンユニット95、および、商用電源から供給される電力を前記制御ユニット93や前記ランプユニット80に適した電力に変換して供給する電源ユニット96等が収納された構成を有する。
【0051】
高圧水銀ランプ1は、フロントプロジェクタ90を水平面に設置すると、一対の電極8が水平に並び、かつ、前記高圧水銀ランプ1の光出射方向Cが水平方向を向くように取り付けられている。また、フロントプロジェクタ90は、当該フロントプロジェクタ90を水平面に設置すると、当該フロントプロジェクタ90の光出射方向Dが水平方向に向くように設計されている。
【0052】
(2)第2の実施形態
図10は、第2の実施形態に係る画像表示装置を示す斜視図である。図10に示すように、第2の実施形態に係る画像表示装置の他の一例としてのリアプロジェクタ100は、投射型画像表示装置である。
リアプロジェクタ100は、光源としてのランプユニット80、光学ユニット、投射レンズおよびミラー(いずれも不図示)等が筐体101内に収納された構成を有しており、前記投射レンズから投射され前記ミラーで反射された画像が、透過式スクリーン102の裏側から投影されて画像表示する。
【0053】
以上、本発明に係る画像表示装置を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る画像表示装置は、上記構成に限定されない。
<高圧放電ランプの製造方法>
(1)第1の実施形態
次に、第1の実施形態に係る製造方法を説明する。第1の実施形態に係る製造方法は、第1の工程としてのガラス管成形工程と、第2の工程としての電極組立体挿入工程と、第3の工程としての封止工程とを含む。
【0054】
図11は、高圧放電ランプの製造方法の第1の工程を説明するための工程図である。第1の工程としてのガラス管成形工程では、図11(a)に示すようなガラス管119を、図11(c)に示すような放電容器2の本体部4となる本体部形成予定部111と、前記放電容器2の封止部5となる封止部形成予定部112とを有するガラス管110に成形する。
【0055】
まず、図11(a)に示すように、ガラス管119を、その管軸周りに回転させながら、本体部形成予定部111となる部分をバーナー113で外周から加熱し軟化させる。次に、図11(b)に示すように、上型と下型とからなり、閉じた状態で本体部形成予定部111の外周形状と同形状となるキャビティ部114a、114bを有する金型115a,115bで、前記軟化部分を挟持する。そして、図11(c)に示すように、開放端部から不活性ガスの圧搾気体を吹き込んで前記軟化部分を膨出させ、本体部形成予定部111となる部分の外周をキャビティ部114a、114bの内面に沿わせることによって、本体部形成予定部111を形成する。その後、両端を適当な位置でカットして、本体部形成予定部111と封止部形成予定部112とを有するガラス管110が完成する。なお、ガラス管110には、本管部形成予定部111の封止部形成予定部112側とは反対側に切除予定部116を有する。
【0056】
図12は、高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。第2の工程としての電極組立体挿入工程では、封止部形成予定部112内に、一対の電極組立体3を、一対の金属箔9の主面が互いに略対向した状態となるよう挿入する。
まず、図12(a)に示すように、ガラス管成形工程で得られたガラス管110の封止部形成予定部112内に、ガラス製の間仕切り板117を差し込む。次に、図12(b)に示すように、一対の電極組立体3が間仕切り板117の両側にそれぞれ位置するように、前記一対の電極組立体3を封止部形成予定部112内に挿入する。このとき、一対の電極組立体3における封止部5に埋設される部分間、すなわち一対の電極8の金属箔9側間、一対の金属箔9間、および、一対の外部リード線10の金属箔9側間に、間仕切り板117が介在するように前記一対の電極組立体3を配置する。また、一対の電極8の先端部が本体部形成予定部111内の略中央に位置するように一対の電極組立体3を配置する。
【0057】
図13は、高圧放電ランプの製造方法における第3の工程を説明するための工程図である。第3の工程としての封止工程では、封止部形成予定部112を加熱・収縮させ電極組立体3を封止する。
封止部形成予定部112を例えばバーナー118で加熱し軟化させると、軟化した部分が収縮し、前記封止部形成予定部112の内面の一部と電極組立体3とが密着して、前記電極組立体3が封止される。封止の際、間仕切り板117は、封止部形成予定部112と一体化する。なお、間仕切り板117を介在させているため、一対の電極組立体3は互いに接触することなく封止される。
【0058】
封止工程終了後は、ガラス管110の切除予定部116側から、本体部形成予定部111内に水銀7、希ガスおよびハロゲン物質(いずれも不図示)を導入し、前記切除予定部116を封着して本体部形成予定部111を気密封止する。そして最後に、不要な切除予定部116を切除する。
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法について説明する。第2の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法は、第2の工程以外は、基本的に第1の実施形態に係る製造方法と同様の構成を有する。したがって、第2の工程についてのみ説明する。
【0059】
図14は、第2の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。図14に示すように、第2の実施形態に係る第2の工程では、封止部形成予定部112に電極組立体3を挿入した状態において、一方の前記電極組立体3の封止部5に埋設される部分をガラス製の管体120に収容する。
すなわち、まず図14(a)に示すように、管体120に一方の電極組立体3を挿入し、電極8の金属箔9側、金属箔9全体および外部リード線10の金属箔9側が前記管体120内に収容された状態とする。次に、図14(b)に示すように、前記状態を維持しながら、前記管体120および電極組立体3を封止部予定部112内に挿入する。ガラス製の管体120は、封止工程において、封止部形成予定部112と一体化する。
【0060】
なお、先にガラス製の管体120を封止部形成予定部112に挿入しておいて、前記封止部形成予定部112に挿入後の前記管体120に、電極組立体3を差し込んでも良い。また、一対の電極組立体3の両方を、それぞれ別の管体120に収容する構成であっても良い。
このように、一方の電極組立体3の封止部5に封止される部分を管体120内に収容することによって、電極組立体3同士の接触を防止することができる。
【0061】
(3)第3の実施形態
次に、第3の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法について説明する。第3の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法は、第2の工程以外は、基本的に第1の実施形態に係る製造方法と同様の構成を有する。したがって、第2の工程についてのみ説明する。
図15は、第3の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。図15に示すように、第3の実施形態に係る第2の工程では、一対の電極組立体3の封止部5に埋設される部分の外表面をそれぞれガラス130で被覆し、さらに前記ガラス130同士を連結した後、前記一対の電極組立体3を前記封止部形成予定部112内に挿入する。
【0062】
具体的には、まず、一対の電極組立体3をそれぞれ別のガラス製の管体(不図示)に挿入し、それら管体をバーナーで加熱・軟化させ、図15(a)に示すように各電極組立体3の外表面をガラス130で被覆する。各電極組立体3は、封止部5に埋設される部分、すなわち電極8の金属箔9側、金属箔9全体および外部リード線10の金属箔9側が少なくともガラス130で被覆された状態とする。
【0063】
次に、図15(b)に示すように、ガラス130を、例えばガラスブロック131等を介して溶着等により連結する。その際、電極8の先端部が互いに対向するように位置合せする。このようにして得られた一対の電極組立体3を封止部予定部112内に挿入する。なお、ガラス130同士の連結は、それらガラス130同士を直接連結しても良い。
各電極組立体3はガラス体130で被覆されるため互いに接触することがない。また、一対の電極組立体3を封止部形成予定部112に挿入する前に、それら電極組立体3の先端部の位置合せを行うことができるため、それら先端部同士を高い精度で対向させることができる。
【0064】
以上、本発明に係る高圧放電ランプの製造方法を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る高圧放電ランプの製造方法は、上記の実施の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
高圧放電ランプは、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの高圧放電ランプ全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る高圧放電ランプの封止部の横断面図である。
【図3】変形例に係る高圧放電ランプの封止部の横断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図である。
【図5】第3の実施形態に係る高圧放電ランプの電極の先端部付近を示す拡大図である。
【図6】第3の実施形態に係る高圧放電ランプの電極の先端部付近を示す拡大図である。
【図7】第4の実施形態に係る高圧放電ランプを示す平面図である。
【図8】ランプユニットを示す断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る画像表示装置を示す一部破断斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像表示装置を示す斜視図である。
【図11】第1の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第1の工程を説明するための工程図である。
【図12】第1の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。
【図13】第1の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第3の工程を説明するための工程図である。
【図14】第2の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。
【図15】第3の実施形態に係る高圧放電ランプの製造方法の第2の工程を説明するための工程図である。
【図16】従来例1に係る高圧放電ランプを備えたランプユニットを示す断面図である。
【図17】従来例2に係る高圧放電ランプを備えたランプユニットを示す断面図である。
【図18】従来例1に係る高圧放電ランプの封止部の断面図である。
【図19】従来例2に係る高圧放電ランプの封止部の断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 高圧放電ランプ
2 放電容器
3 電極組立体
4 本体部
5 封止部
6 放電空間
8 電極
9 金属箔
10 外部リード線
12 主面
13 電気的絶縁被膜
41 保温膜
53a,53b,63a,63b 近接部
80 ランプユニット
81 反射面
82 反射鏡
90,100 画像表示装置
110 ガラス管
111 本体部形成予定部
112 封止部形成予定部
117 間仕切り板
120 管体
130 ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に放電空間を有する本体部と、前記本体部の一箇所に連設された封止部とからなる放電容器と、
一方の端部が前記放電空間内に配置され、他方の端部側が前記封止部に封止された一対の電極と、
前記電極の他方の端部にそれぞれ接続され、主面が互いに略対向する状態で前記封止部に封止された一対の金属箔と、
前記金属箔にそれぞれ接続され、一方の端部側が前記封止部外に導出された一対の外部リード線と、
を備えることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項2】
前記一対の金属箔は、対向する主面間の距離D1が前記主面間の略全域に亘って略一定であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
前記本体部の外表面における前記封止部側に保温膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧放電ランプ。
【請求項4】
前記一対の電極は、前記放電空間内に突出する部分における根元部と前記一方の端部との間に、互いの距離が縮められた近接部をそれぞれ有し、前記近接部間の距離L1は、前記根元部間の距離L2よりも短く、かつ、前記一方の端部間の距離L3よりも長いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項5】
前記一対の外部リード線は、少なくとも前記封止部外に導出された部分における封止部側が、それぞれ電気的絶縁被膜で被覆されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項6】
前記一対の外部リード線の前記封止部外に導出された部分間における最短距離をD2[mm]とし、組み合わされる点灯回路の始動パルス電圧をV[kV]とした場合、D2[mm]≧0.4×V[kV]、なる関係を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプの射出光を反射する反射面を有する反射鏡とを備えることを特徴とするランプユニット。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の高圧放電ランプを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
内部に放電空間を有する本体部、および、前記本体部の一箇所に連設された封止部からなる放電容器と、
一方の端部が前記放電空間内に配置された一対の電極、前記電極の他方の端部側にそれぞれ接続された一対の金属箔、および、前記一対の金属箔にそれぞれ接続された一対の外部リード線からなり、前記封止部に封止されている一対の電極組立体と、
を備えた高圧放電ランプの製造方法であって、
前記本体部となる本体部形成予定部と、前記封止部となる封止部形成予定部とを有するガラス管を用意する第1の工程と、
前記封止部形成予定部内に、前記一対の電極組立体を、前記一対の金属箔の主面が互いに略対向した状態となるよう挿入する第2の工程と、
前記封止部形成予定部を加熱・収縮させ前記電極組立体を封止する第3の工程と
を含むことを特徴とする高圧放電ランプの製造方法。
【請求項10】
前記第2の工程では、前記封止部形成予定部に前記電極組立体を挿入した状態において、前記一対の電極組立体の前記封止部に埋設される部分間にガラス製の間仕切り板を介在させることを特徴とする請求項9記載の高圧放電ランプの製造方法。
【請求項11】
前記第2の工程では、前記封止部形成予定部に前記電極組立体を挿入した状態において、少なくとも一方の前記電極組立体の前記封止部に埋設される部分をガラス製の管体に収容することを特徴とする請求項9記載の高圧放電ランプの製造方法。
【請求項12】
前記第2の工程では、前記一対の電極組立体の前記封止部に埋設される部分の外表面をそれぞれガラスで被覆し、さらに前記ガラス同士を連結した後、前記一対の電極組立体を前記封止部形成予定部内に挿入することを特徴とする請求項9記載の高圧放電ランプの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−214069(P2007−214069A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35032(P2006−35032)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】