説明

高圧流体のための流通隔離弁

【課題】高圧流体の切換装置に於いて、流体の回動切替面のシール性を損なうことなしに切り替え可能な装置を提供する。
【解決手段】静止部材、可動部材50を有し、静止部材の表面が可動部材50の表面とインタフェース接続し、さらに少なくとも1つのピン隔離弁56、78を有する流通隔離弁100。ピン隔離弁56、78は、流通内部導管58,82を有し、内部導管58、82が、可動部材の少なくとも1つのブランク開口88と、および可動部材50の流通内部導管40と流体連絡できるように移動可能である。移動は、回転、直線または曲線並進運動による。少なくとも1つのピン隔離弁56が、通常は面シール弁のサンプルループ20と、または高圧液体を供給するポンプと、または高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁から液体を放出するカラムと、または直接的に面シール弁と流体結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年3月5日に出願の米国仮特許出願第60/550,923号に対する優先権を主張する。その出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概ね高圧流体の分野に関し、特に流体源からの流れを中断せずに、代替流路の導入を可能にする隔離弁に関する。
【背景技術】
【0003】
面シール弁とも呼ばれ、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)で使用される従来の6ポート面剪断弁は、サンプルとインタフェース接続するポート、シリンジ、ポンプ、カラム、およびサンプルループの2つの端部を提供する。このような面シール弁は、一方のポートから別のポートへと切り替わるために回転しなければならない。高圧下で面シールが回転すると、本質的にプラスチックの対合面に損傷を引き起こす。なぜなら流体ポート開口が、回転子表面に対して摺動しなければならず、回転子材料に疲労を引き起こすからである。その結果、面シール弁の寿命が短縮される。
【0004】
必要とされるのは、高圧下で切り換え、または回転する必要がないように、面シール弁を保護する中間隔離弁である。隔離弁は、切り換え中に流れの停止を引き起こしてはならず、したがってほぼ均一で中断しない流体導入流路を提供しなければならない。
【0005】
以上およびその他の問題に対処するために、本発明は、HPLC用途での使用に特に適切な、高圧流体の流通高圧隔離弁について説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回転子材料の疲労を引き起こす回転子表面に対する流体ポート開口の摺動がないので、高圧で面剪断弁に本質的な面損傷を最小限に抑えることが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
より高いクロマトグラフィ圧力(>15,000psigまたは100MPa)では、高圧で切り換え(回転し)なくて済むように、流通隔離弁を使用して、従来の「流通隔離」注入弁を保護することができる。
【0008】
本発明の特定の態様では、本発明は、流通隔離弁に向けられ、流通隔離弁は、静止部材と、可動部材とを備え、静止部材の表面は、可動部材の表面とインタフェース接続し、流通隔離弁はさらに、少なくとも1つのピン隔離弁を備える。少なくとも1つのピン隔離弁は、流通内部導管を有し、内部導管が可動部材の少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、可動状態で配置され、かつピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の流通導管と流体連絡可能であるように、可動状態で配置される。可動部材は、回転軸を中心に回転することによって、または直線並進および曲線並進運動のうち少なくとも一方によって移動する。少なくとも1つのピン隔離弁は、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁のサンプルループと流体結合されることができるか、高圧液体をHPLCシステムの面シール弁に供給するポンプと流体結合されることができるか、または高圧液体をHPLCシステムの面シール弁から放出するカラムに流体結合されることができる。
【0009】
本発明の特定の態様では、本発明は、流通隔離弁に向けられ、流通隔離弁は、回転軸の周囲に配置され、回転軸の周囲に配置された少なくとも2つの対向する弁端部と、弁端部の間に配置された回転子とを備え、回転子の回転軸は、ほぼ隔離弁の回転軸と平行で、隔離弁の回転軸と一致する軸であり、回転子は、回転子の方向を回転子の回転軸を中心とする回転によって変更できるように配置される。回転子は、上に少なくとも第1および第2の開口を有する外面と、それぞれ外面と交差する少なくとも2つの表面とを有する。第1の流通導管は、外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口と、外面の第1の開口と一致する外面の開口、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口を有する。第2の流通導管は、外面の第2の開口と一致する外面の開口、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する。外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の少なくとも1つのブランク開口、外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の少なくとも1つのブランク開口があり、外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口を密封する第1の密封環、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を密封する第2の密封環がある。流通隔離弁は、内部導管を有する第1のピン隔離弁も有し、第1のピン隔離弁は、隔離弁の回転軸に沿って弁端部の一方を通して移動するように配置され、内部導管が、外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、可動状態で配置され、内部導管が、外面の開口、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する流通導管と流体連絡可能であるように、可動状態で配置される。流通隔離弁は、第2のピン隔離弁も含み、第2のピン隔離弁は、隔離弁の回転軸に沿って弁端部のうち別の端部を通して移動するように配置され、ピン隔離弁は、内部導管を含み、内部導管が、外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、可動状態で配置され、第2のピン隔離弁内の内部導管が、外面の開口、および外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する流通導管と流体連絡可能であるように、可動状態で配置される。
【0010】
回転子の回転軸は、回転子の中心線でよく、隔離弁の回転軸は、隔離弁の中心線でよい。回転子はさらに、外面および内面を有する回転子クランプを備え、内面は、回転子の外面の少なくとも一部を囲み、回転子はさらに、回転子の外面の第1の開口と一致するように、回転子クランプを貫通する回転子クランプの外面の第1の開口と、回転子の外面の第2の開口と一致するように、回転子クランプを貫通する回転子クランプの外面の第2の開口とを備える。流通隔離弁はさらに、(a)第3のピン隔離弁と、(b)第4のピン隔離弁のうち少なくとも一つを備えることができる。第3のピン隔離弁は、内部導管を有し、第3のピン隔離弁の内部導管が、外面の開口、および回転子の外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口を有する流通導管の外面の開口と流体連絡すべく配置されるように、回転子クランプの外面の第1の開口内に配置される。第4のピン隔離弁は、内部導管を有し、第4のピン隔離弁の内部導管が、外面の開口、および回転子の外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する流通導管の外面の開口と流体連絡すべく配置されるように、回転子クランプの外面の第2の開口内に配置される。
【0011】
回転子クランプはさらに、回転子の回転軸を中心に回転するように、回転子を駆動する駆動手段を備える。駆動手段は、ギア駆動オペレータまたはハンドルオペレータを備えることができる。弁端部の少なくとも1つは、通常、少なくとも1つのピン隔離弁を囲む固定子を備え、固定子は回転子に隣接し、弁端部の少なくとも1つはさらに、固定子内に囲まれ、かつ少なくとも1つのピン隔離弁を密封するために、少なくとも1つのピン隔離弁を囲む密封層と、皿ばねワッシャと、皿ばねと、負荷ワッシャと、球形ナットとを備え、皿ばねワッシャ、皿ばね、負荷ワッシャ、および球形ナットは、ピン隔離弁を囲む密封層を密封するために軸力を加えるように軸方向に配置構成される。
【0012】
代替実施形態では、流通隔離弁は、静止部材および可動部材を備える。静止部材および可動部材は、表面でインタフェース接続し、可動部材は、表面に沿って摺動するように配置され、静止部材と可動部材の間に室が配置される。室は、表面によって境界を区切られ、可動部材は、室とインタフェース接続する開口、および室とインタフェース接続しない可動部材の表面の開口を有する第1の流通導管と、室とインタフェース接続する開口、および室とインタフェース接続しない可動部材の表面の開口を有する第2の流通導管とを有し、表面の第1のブランク開口が、室と境界を接し、表面の第2のブランク開口が、室と境界を接する。流通隔離弁はさらに、内部導管を有する第1のピン隔離弁を備えることができ、第1のピン隔離弁は、室とインタフェース接続しない可動部材の表面の第1の流通導管の開口内に配置され、第1のピン隔離弁の内部導管は、第1の流通導管と流体連絡するものであり、流通隔離弁はさらに、内部導管を有する第2のピン隔離弁を備えることができ、第2のピン隔離弁は、室とインタフェース接続しない可動部材の表面の第2の流通導管の開口内に配置され、第2のピン隔離弁の内部導管は、第2の流通導管と流体連絡するものである。
【0013】
流通隔離弁はさらに、(a)第3のピン隔離弁と、(b)第4のピン隔離弁のうち少なくとも1つを備えることができる。第3のピン隔離弁は、内部導管を有し、第3のピン隔離弁の内部導管が、室とインタフェース接続する開口、および室とインタフェース接続しない静止部材の表面の開口と流体連絡すべく可動状態で配置されるように、室とインタフェース接続する静止部材内の開口内に配置され、内部導管は、室と境界を接する表面の第1のブランク開口と流体連絡すべく、可動状態で配置される。第4のピン隔離弁は、内部導管を有し、第4のピン隔離弁の内部導管が、室とインタフェース接続する開口、および室とインタフェース接続しない静止部材の表面の開口と流体連絡すべく可動状態で配置されるように、室とインタフェース接続する静止部材内の開口内に配置され、第4のピン隔離弁の内部導管は、室と境界を接する表面の第2のブランク開口と流体連絡すべく、可動状態で配置される。流通隔離弁はさらに、静止部材および可動部材を囲むハウジング、または静止部材および可動部材および少なくとも1つのピン隔離弁を囲むハウジングを備えてよく、少なくとも1つのピン隔離弁の内部導管は、ハウジングを貫通する導管に流体結合される。第3および第4のピン隔離弁の開口の少なくとも1つは、リップシールによって密封される。リップシールは、自動付勢式であることが好ましい。可動部材は、(a)金属、(b)ポリマー、および(c)サファイアのうち少なくとも1つで構成される。
【0014】
流通隔離弁の操作方法において、流通隔離弁は、可動部材を備え、可動部材は、第1および第2のピン隔離弁の内部導管とインタフェース接続する第1および第2の導管を有する。内部導管は、可動部材の表面に対して開口し、第1および第2のピン隔離弁の内部導管とインタフェース接続する第1および第2のブランク開口があり、
(A)(a)流体の流れを提供する第1のピン隔離弁が、第1のブランク開口とインタフェース接続する、および(b)流体の流れを排出する第2のピン隔離弁が、第2のブランク開口とインタフェース接続することのうち、少なくとも一方であるように、弁は、流れを隔離する初期位置にあり、方法は、
(I)第1のピン隔離弁が、第1のブランク開口とインタフェース接続する場合は、(1)前記第1のピン隔離弁を第1のブランク開口から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第1の導管とインタフェースをとるように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(II)第2のピン隔離弁が、第2のブランク開口とインタフェース接続する場合は、(1)第2のピン隔離弁を第2のブランク開口から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第2のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第2の導管とインタフェース接続するように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(B)(a)流体の流れを提供する第1のピン隔離弁が、第1の導管とインタフェース接続し、および(b)流体の流れを排出する第2のピン隔離弁が、第2の導管とインタフェース接続することのうち少なくとも一方であるように、弁は、流れのスループットの初期位置にあり、方法は、
(III)前記第1のピン隔離弁が、第1の導管とインタフェースをとる場合は、(1)第1のピン隔離弁を第1の導管から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、第1のブランク開口とインタフェースをとるように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(IV)第2のピン隔離弁が、第2の導管とインタフェース接続する場合は、(1)第2のピン隔離弁を第2の導管から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第2のピン隔離弁内の内部導管が、第2のブランク開口とインタフェース接続するように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含む。
【0015】
この方法は、流通隔離弁が、流体の流れを高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムに供給する場合に適用することができ、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムは、流通隔離弁および面シール弁を備え、第1のシール弁は、高圧流体を受け取る第1のポートと、第1のポートおよびサンプルループの入口端のうち少なくとも一方と流体結合可能である第2のポートと、サンプル供給部、およびサンプルループの入口端およびサンプルを吸引するためにシリンジに流体結合可能な第4のポートのうち少なくとも一方とに流体結合可能な第3のポートと、高圧流体を排出するために、第4のポートおよびサンプルループの出口端のうち少なくとも一方と、および第6のポートとに流体結合可能な第5のポートとを有し、流通隔離弁は、第1のポートと第1の導管を結合する第1の導管によって、および第6のポートと第2の導管を結合する第2の導管によって、面シール弁に流体結合され、方法はさらに、
(A’)流通隔離弁が、流れを隔離する初期位置にある負荷段階中は、
(1’)第2のポートを第3のポートに結合するステップと、(2’)第5のポートを第4のポートに結合するステップと、(3’)シリンジを操作することによって、サンプル液体をサンプルループ内に吸引するステップとを含み、
(B’)流通隔離弁が、流れを隔離する初期位置に留まる遷移段階では、方法はさらに、 (1’)高圧液体を受け取るために、第2のポートの結合を第3のポートから第1のポートへと移すステップと、(2’)高圧液体を放出するために、第5のポートの結合を第4のポートから第6のポートへと移すステップとを含み、
(C’)面シール弁が、サンプルループを通る流れのスループットの位置にある注入段階では、
(I)第1のピン隔離弁が、第1のブランク開口とインタフェース接続する場合は、方法がさらに、
(1)第1のピン隔離弁を第1のブランク開口から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第1の導管とインタフェース接続するように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(II)第2のピン隔離弁が、第2のブランク開口とインタフェース接続する場合は、
(1)第2のピン隔離弁を第2のブランク開口から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第2のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第2の導管とインタフェース接続するように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含む。
【0016】
面シール弁が、サンプルループを通る流れのスループットの位置にある注入段階(C’)の後に、方法はさらに、
(B)(a)流体の流れを提供する第1のピン隔離弁が、第1の導管とインタフェース接続し、および(b)流体の流れを排出する第2のピン隔離弁が、第2の導管とインタフェース接続することのうち少なくとも一方であるように、流通隔離弁が流れのスループットの初期位置では、
(III)第1のピン隔離弁が、第1の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)第1のピン隔離弁を第1の導管から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、第1のブランク開口とインタフェース接続するように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(IV)第2のピン隔離弁が、第2の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)第2のピン隔離弁を第2の導管から離して移動させるステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、(3)第2のピン隔離弁内の内部導管が、第2のブランク開口とインタフェース接続ように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させるステップとを含むことができる。
【0017】
面シール弁が、サンプルループを通る流れのスループットの位置にある遷移段階(B’)の後に、方法はさらに、
(1”)第5のポートの結合を第6のポートから第4のポートへと移すステップと、(2”)第2のポートの結合を第1のポートから第3のポートへと移すステップと、(3”)シリンジを操作することによって、サンプル液体をサンプルループ内に吸引するステップとを含むことができる。方法はさらに、
弁が、流れの隔離の初期位置にあるステップ(A)で、(I)第1のピン隔離弁が、第1のブランク開口とインタフェース接続する場合、および(II)第2のピン隔離弁が、第2のブランク開口とインタフェース接続する場合に、(1)第1のピン隔離弁を第1のブランク開口から離して移動させることと、第2のピン隔離弁を第2のブランク開口から離して移動させることとを同時に実行するステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、それによって(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第1の導管とインタフェース接続するように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させることと、第2のピン隔離弁内の内部導管が、可動部材の表面へと開口する第2の導管とインタフェース接続するように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させることとを、同時に実行するステップとを含むことができる。方法はさらに、弁が、流れのスループットの初期位置にあるステップ(B)で、(III)第1のピン隔離弁が、第1の導管とインタフェース接続する場合、および(IV)第2のピン隔離弁が、第2の導管とインタフェース接続する場合に、(1)第1のピン隔離弁を第1の導管から離して移動させることと、第2のピン隔離弁を第2の導管から離して移動させることとを、同時に実行するステップと、(2)可動部材を移動させるステップと、それによって(3)第1のピン隔離弁内の内部導管が、第1のブランク開口とインタフェース接続するように、第1のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させることと、第2のピン隔離弁内の内部導管が、第2のブランク開口とインタフェース接続をするように、第2のピン隔離弁を可動部材に向かって移動させることとを、同時に実行するステップとを含むことができる。
【0018】
本発明のこれらおよびその他の特徴、利点、および長所は、以下の文章および図面を参照することによって明白になり、同様の参照符号は、図面を通して同様の構造を指す。
【0019】
本出願は、参照により同時に出願した同時係属仮出願(Attorney Docket No.WAA−359)を組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】面シール弁とインタフェース接続する負荷段階にある、本発明の流通隔離弁の部分的実施形態を示す。
【図1B】遷移段階にある、図1Aの流通隔離弁の部分的実施形態を示す。
【図1C】注入段階にある、図1Aの流通隔離弁の部分的実施形態を示す。
【図2】図1Aから図1Cの流通隔離弁の部分的実施形態の回転子の斜視図を示す。
【図3A】図2の流通隔離弁の回転子の端面図である。
【図3B】図2の流通隔離弁の回転子の平面図である。
【図3C】図3Cの中心線3C−3C’に沿って切り取った断面図である。
【図4】図1Aから図1Cの流通隔離弁の部分的実施形態の第1の変形の回転子および固定子および他の構成要素の組立分解図である。
【図5A】本発明の流通隔離弁の第2の変形の完全な実施形態の斜視図である。
【図5B】図5Aの流通隔離弁の側面図である。
【図5C】図5Bの流通隔離弁の端面図である。
【図5D】図5Bの断面線5C−5C’に沿って切り取った断面図である。
【図6A】本発明の流通隔離弁の部分的第2の実施形態の斜視図を示す。
【図6B】図6Aの断面線6B−6B’に沿って切り取った本発明の部分的第2の実施形態の断面斜視図である。
【図7】面シール弁とインタフェース接続する直線流通隔離弁300の本発明の第3の実施形態の立面断面図である。
【図8】図6Aおよび図6Bで示した回転子の概ね円筒形の第2の実施形態と同様の構成を有する、直線流通隔離弁の本発明の第4の実施形態の断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、高圧流体システム、特に高圧液体クロマトグラフィで従来使用されている面剪断弁で生じるような一時的遮断がない状態で、別の流路へと切り換えることができ、高圧流体システムで使用する隔離弁および回転子について記載する。弁および回転子は、流体の流れを中断せずに、面剪断弁からカラムへの高圧注入を可能にする。サンプル流体注入回路は、HPLCシステムの残りの部分から隔離されることができる。隔離弁は、自身を通るボアを有するハウジング、およびボア内で回転可能な円筒形回転子を含む。
【0022】
ボア壁は、軸方向に隔置された2つの穴を含む。第1の穴は、サンプル注入器または弁への入力部として働き、第2の穴はサンプル注入器または弁からの出口として働く。回転子は、流体をポンプから送出する第1の端、および流体をサンプル回路から受け取る第2の端を含む。
【0023】
回転子の外面には、ポンプから流体を受け取る第1のポートがあり、第1のポートは、ポンプから流体を送出するために第1の端に流体結合され、さらにサンプル回路から受け取った流体をHPLCカラムに送出する第2のポートがあり、第2のポートは、サンプル回路から流体を受け取るために第2の端に流体結合される。回転子は、回転子が流体流位置に位置決めされている場合に、ハウジングの第1および第2のポートと位置合わせされ、軸方向に隔置された1対のポートも含む。ポートは、回転子の外面上で相互から約90°の角度だけずれていることが好ましいが、ポートは、相互に隣接するように位置合わせしてもよい。
【0024】
通常は直角であるボアは、回転子内で第1の端と、回転子の軸方向に隔置されたポート対のうち第1のポートとの間に延在し、通常は直角である別のボアは、回転子内で、第2の端と、回転子の軸方向に隔置されたポート対のうち第2のポートとの間に延在する。回転子の第1の端および第2の端の両方にそれぞれ、軸方向に隔置されたポートの対に対して45°角度で位置決めすることが好ましい、軸方向に隔置された流体止めポートをさらに設ける。
【0025】
回転子が流体流位置にある場合、流体は、ポンプから隔離弁を通り、サンプル注入器回路へと流れ、弁の別の部分を通って戻り、次にカラムへと流れる。回転子を好ましくは90°回転することにより、流体止めポートは、流体の流れを防止し、サンプル回路をHPLCシステムの残りの部分から隔離する。
【0026】
特に図1Aでは、従来の面シール弁10は、6つのポート1、2、3、4、5、および6を有する。図示のように、ポート1は、高圧ポンプ(図示せず)から供給され、ポート2は、サンプルループ20の一方端とインタフェース接続し、ループ20の他方端は、ポート5とインタフェース接続する。ポート3は、サンプル供給管24とインタフェース接続し、ポート4は、シリンジ管26とインタフェース接続する。ポート6は、HPLC毛管カラム(図示せず)に結合される。面シール弁10は、時計回りまたは反時計回りに回転して、当業者に知られているように隣接するポート接続部間で切り換える。図1Aでは、面シール弁10が負荷位置にある。というのは、サンプル供給管24が、ポート2を通してループ20の一方端と流体結合されたポート3を通してインタフェース位置にあるからである。ループ20の他方端は、ポート5およびポート4を通してシリンジ26に流体結合される。
【0027】
流通隔離弁100の本発明の部分的実施形態では、負荷段階中に、ループ20は、別の方法で導管配管32からポート1へと流れる高圧流体から切り離される。導管配管32は、少なくとも隔離弁のピン56内で内部導管58とインタフェース接続する一方端42に沿って、可撓性であることが好ましい。結合部62が、可撓管42を隔離弁ピン56に結合する。負荷段階中に、隔離弁ピン56は、回転子50の側部にあるブランクポート88とインタフェース接続するように位置決めされる。回転子50は、中心線の回転軸100CLを有する。サンプル流体が、内部導管38によって高圧ポンプ(図示せず)から継ぎ手34を通って提供される。継ぎ手34は、ポート52で回転子50と直接接触する。負荷段階中に、内部導管38は、高圧流体を回転子50内の内部導管40を通して開口ポート60に提供し、開口ポート60は、環状通路84と流体結合されている。隔離弁ピン56は、ブランクポート88とインタフェース接続するので、高圧ポンプから面シール弁10のポート1への高圧流体の流れが、効果的に隔離される。
【0028】
同様に、面シール弁10からのポート6からの流れは、他の方法で、ポート6で毛管カラムに排出され、導管配管66に入る。導管配管66も、少なくともピン隔離弁78内の内部導管82とインタフェース接続する一方端22に沿って、可撓性であることが好ましい。導管配管66は、結合部70によってピン隔離弁78と結合される。負荷段階中に、ピン隔離弁78は、回転子50の反対側にあるブランクポート92とインタフェース接続する位置決めされる。回転子50内の内部導管76によって、流体の流れは、HPLCカラムの隔離ピン弁98を通って流れることができ、内部導管76は、カラムの継ぎ手ピン98内の内部導管96と流体結合される。内部導管76は、回転子50のブランクポート92と同じ側にポート80を有する。負荷段階中に、ピン隔離弁78が、開口ポート80ではなくブランクポート92とインタフェース接続するので、隔離ピン弁98を通るHPLCカラムへの流れが、効果的に隔離される。
【0029】
環状通路84に加えて、環状通路86が、回転子50の開口ポート80と同じ側に設けられ、内部回転子通路90によって、流体がポンプからカラムへと直接流れることができるようにする。
【0030】
したがって、負荷段階中に、高圧ポンプからの高圧流体、およびカラムへの流れを効果的に隔離している流通隔離弁100は、高圧を受けずに面シール弁10が自由に回転できるようにする。外部漏れを防止する高い動作圧力のせいで、隔離弁ピン56および78は、当業者に知られている手段で外部漏れをほぼ防止するような方法で、ポート88および92にしっかり挿入される。
【0031】
図1Bは、遷移段階にある流通隔離弁100の部分的実施形態を示す。遷移段階とは、負荷段階と注入段階との間の中間段階である。遷移段階中に、流通隔離弁100の位置および方向は、図1Aに関して前述した負荷段階と同じままである。しかし、面シール弁10のポート1は、ここではポート2でループ20の一方端に流体結合され、ポート5の他方端は、ポート6に流体結合される。
【0032】
図1Cは、注入段階にある流通隔離弁100の部分的実施形態を示す。注入段階では、面シール弁10の位置および方向は、遷移段階中と同じままである。しかし、流通隔離弁100の位置および方向は、以下の通りに変化される。回転子50は、中心線の回転軸100CLを中心に好ましくは90°回転する。隔離弁ピン56は、隔離弁ピン56内の内部導管58が、回転子50の内部導管40と流体連絡するように、ポート60とインタフェース接続すべく位置決めされる。したがって、ピン隔離弁34から発する高圧流体は、ここではポート1および2、および面シール弁10のループ20と流体連絡する。それに対応して、隔離弁ピン78は、隔離弁ピン78内の内部導管76が、ポート5および6を通してループ20と流体結合し、それによって高圧流体を隔離弁ピン98内の内部導管96を通してカラムに注入できるように、ポート80とインタフェース接続するべく位置決めされる。
【0033】
図1Cで示した注入段階の後に、流通隔離弁100は、動作を図1Bに示した遷移段階に、その後に図1Aに示した負荷段階に戻す逆の操作によって、負荷段階に復帰させることができることが、当業者には認識される。
【0034】
図2は、ポート52および74を示す回転子50の斜視図であり、ポートの少なくとも1つは、通常、回転子50の外面の上部分で向けられている。ポート52および74は、相互にすぐ隣接すべく回転子50の外面の上部分で位置合わせすることができるが、ポート52および74は、外部漏れを防止するために必要な接続部を含むことが好ましく、隔離弁ピン34および98のためにシールを位置決めする必要があるので、ポート52および74は、相互から90°ずれていることが好ましい。ポート52は、高圧ポンプからポート60への流れを可能にする。反対端の対応するポート80(図示せず)は、ポート74を通って前方へ、クロマトグラフィのカラムへの流れを可能にする。ブランクポート88が設けられ、通常は、ポート60と回転子の中心点100CLとブランクポート88とによって形成される角度が、90°であるように位置決めされる。剪断弁10、すなわちポート1への流れを可能にするピン56を、ポート60から離して移動させると、回転子50を90°回転することができ、したがってピン56は、ブランクポート88に挿入されることができ、それによって流体の流れを剪断弁10から隔離することができる。これで、流体は、後述するように環状通路84を通って循環することができる。
【0035】
図3Aは、図2の回転子50の端面図であり、高圧ポンプから流れを受け取るポート60、ブランクポート88、内部回転子通路90、および環状通路84を示す。
【0036】
図3Bは、図2の回転子50の平面図である。ポート52および74が、平面図で見える。
【0037】
図3Cは、図3Bの中心線3C−3Cに沿って切り取った回転子50の断面図である。ポート52および60は、内部導管40で結合された状態で図示され、内部導管76がポート74と80を結合する。ブランク流体流止めポート88は、回転子50の反対端の対応するブランク流体流止めポート92と対向して位置決めされる。前述したように、回転子50のいずれかの端部に環状通路84および86を設けて、回転子内部通路90によって、流体がポンプからカラムへと直接流れることができるようにする。回転子内部通路90内の連続流のせいで、通常は停滞状態が発生せず、したがって一般的に回転子内部通路90に洗浄システムを設ける必要がない。
【0038】
図4は、流通隔離弁100の実施形態の第1の変形を備える構成要素の一部の組立分解図である。ポンプ供給継ぎ手34は、回転子50のポート52とインタフェース接続し、カラム継ぎ手98への出口供給部は、回転子50内のポート74とインタフェース接続する。面シール弁の供給ピン56は、固定子120に囲まれて、回転子50の一方端とインタフェース接続し、面シール弁の放出ピン78は、固定子122に囲まれて、回転子50の反対端とインタフェース接続する。正常な動作中に、固定子120および122に囲まれたピン56および78のみが、回転子50から離れて移動され、または回転子50に向かって移動される。ポンプ供給継ぎ手34およびカラム継ぎ手98への出口供給部は、それらが回転子50の回転と共に回転されることを除いて、通常は所定の位置に維持される。回転子50および回転子クランプ54は、駆動ギア105によって中心線100CLを中心に回転される。
【0039】
回転子50が流体の流れる位置にある場合、流体は、別個の高圧ポンプから隔離弁100を通って、面シール弁10のサンプル注入器回路へ流れ、隔離弁100の別の部分を通って戻り、次にカラムへと流れる。
【0040】
回転子50が、駆動ギア105によって中心線100CLを中心に好ましくは90°の角度で回転されると、ピン56および78は、ブランク流体流止めポート88および92に再位置決めされ、これらのポートは、流体の流れを防止し、面シール弁10のサンプル回路を、HPLCシステムの残りの部分から隔離する。駆動ギア105が、回転子クランプ54とは別個のユニットであるか、あるいは駆動ギア105が、回転子クランプ54と、さらには回転子50と結合した一体構造でもよいことが、当業者には認識される。また、駆動ギアとして図示されているが、例えば操作ハンドルのような当業者に知られている他の手段を使用することもできる。
【0041】
図5Aは、本発明の流通隔離弁100の別の変形の完全な実施形態の斜視図である。回転子50は、回転子クランプ54に囲まれる。回転子クランプ54は、ここではハンドル110によって操作され、これによって回転子50が、弁の中心線100CLを中心に回転されることができるように接続される。固定子120および122は、回転子50の反対端で位置決めされる。
【0042】
図5Bは、図5Aの流通隔離弁100の側面図である。弁100の構成要素は、中心線100CLに中心合わせされる。特に、回転子50は、固定子120および122が回転子50のいずれかの端部に配置されるように、位置決めされる。皿ばね150および152は、回転子50に作用する中心線100CLに沿った軸方向負荷を偏向する。皿ばね150および152は、負荷ワッシャ140および142によって両方の固定子120および122の端部に装着される。負荷ワッシャは、球形ナット130および132によって所定の位置にロックされる。
【0043】
図5Cは、図5Bの流通隔離弁100の端面図であり、これは球形ナット132、負荷ワッシャ142、および回転子ハンドル110を示す。
【0044】
図5Dは、図5Bの断面線5C−5Cに沿って切り取った断面図である。回転子50は、それぞれピン56および78の周囲に設定された3つの密封層160および162の組で密封される。密封層の好ましい材料は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、およびPEEKで構成される。密封層160および162の両組は、皿ばねワッシャ170および172、皿ばね150および152、および負荷ワッシャ140および142それぞれによって軸方向力が抑制される。転子50は、PEEKまたはPEEK混合物で構成することが好ましい。回転子クランプ54および固定子120および122は、タイプ316のステンレス鋼で構成することが好ましい。
【0045】
流通隔離弁100の個々の弁端部180および182は、固定子120および122、密封層160および162、皿ばねワッシャ170および172、皿ばね150および152、負荷ワッシャ140および142、および球形ナット130および132を備えるように見なすことができる。
【0046】
図6Aで示すような第2の実施形態では、軸方向中心線200CLを有する流通隔離弁200の回転子202は、回転子202の外面に配置された流れポート206および208を備える。図6Bは、図6Aの断面線6B−6B’に沿って切り取った流通隔離弁200の断面図である。流れポート206に結合される流体止めポート210、および流れポート208に結合される流体止めポート212もそれぞれ、回転子202の外面に配置される。
【0047】
図1Aから図1Cと比較すると、ポンプ隔離ピン弁34は、ここでは回転子202のポート206の上に装着される。カラム隔離ピン弁68は、ここでは回転子202のポート208の上に装着される。ポート224は、内部導管232を通してポート206とインタフェース接続し、したがって注入モード中に、隔離弁ピン34は、ポンプおよびサンプルループ20への面シール弁10のポート1および2と流体連絡する。
【0048】
相応して、ポート226は、内部導管234を通してポート280とインタフェース接続し、したがって注入モード中に、隔離弁ピン68および78は、サンプルループ20からカラムへの面シール弁10のポート5および6と流体連絡する。
【0049】
回転子202はさらに、平坦な表面242がある端部240を備え、これは例えば駆動レバー(図示せず)または当業者に知られている操作ハンドルのような他の操作装置によって、回転子202を回転させることができる。
【0050】
隔離弁ピン34および68は、負荷および遷移段階中に、止めポート210および212とインタフェース接続するように位置決めされ、面シール弁10は、図1Aおよび図1Bで説明したのと同じ方法で操作されることが、当業者には認識される。
【0051】
図7は、図1Aから図1Cに示したものと同じ方法で、面シール弁10とインタフェース接続する直線流通隔離弁300の本発明の第3の実施形態の立面断面図を示す。直線流通隔離弁300は、静止内部部材302および可動内部部材304を備える。2つの部材302および304は、表面306でインタフェース接続をする。静止部材302が所定の位置に留まる一方、可動部材304は表面306に沿って摺動する。この実施形態は、高圧ポンプ(図示せず)からのピン隔離弁34が、可動部材304のポート322に挿入され、当業者に知られている手段で外部漏れを防止するために密封することが好ましいという点で、第1および第2の実施形態とは異なる。可撓導管316および結合部312によって、高圧ポンプから継ぎ手56への流れが提供される。継ぎ手56内の内部導管38は、可動部材304内の内部導管340、およびインタフェース表面306の開口ポート360と流体連絡する。開口ポート360は、インタフェース表面306に境界を接する静止部材302内の室308と流体連絡する。静止部材302および可動部材304は、室308を密封するように作用する。隔離弁ピン34は、貫通部322で静止部材302を貫通し、したがって弁ピン34が、上下に直線運動することができる。
【0052】
結合部62によって、弁ピン34内の内部導管58は、面シール弁10への導管配管32と流体連絡する。面シール弁10からの導管配管66は、このように、結合部70によって隔離弁ピン98の内部導管82と流体結合する。同様に、隔離弁ピン98は、貫通部324で静止部材302を貫通し、したがって弁ピン98が、上下に直線運動することができる。このように、隔離弁ピン98内の内部導管82が、インタフェース表面306と境界を接する静止部材302内の室308と流体連絡する。弁ピン98は、インタフェース表面306上で開口ポート380とインタフェースをとるように位置決めされる。開口ポート380は、室308と流体連絡する。
【0053】
隔離弁ピン34および98それぞれには通常、図5Bから図5Dで示し、前述したものと同じ弁端部(図7では図示せず)を設けることが、当業者には認識される。
【0054】
注入段階中に、隔離弁ピン98内の内部導管82は、可動部材304内の内部導管376および可動部材304の反対端の開口ポート374とも流体連絡する。継ぎ手78は、開口ポート374に挿入され、したがって継ぎ手78内の内部導管96は、面シール弁10のサンプルループ20と流体連絡する。ピン継ぎ手78内の内部導管96は、結合部314によって継ぎ手78と結合された可撓性導管318によって、カラムと流体連絡する。
【0055】
負荷段階中に、隔離弁ピン98は、可動部材304の表面306のブランクポート392とインタフェース接続するように位置決めされる。同様に、隔離弁ピン34は、可動部材304の表面306のブランクポート388とインタフェース接続するように位置決めされる。これらの動作は、高圧ポンプから面シール弁10へ、およびカラムへの流れを、第1および第2の実施形態について以前に検討したのと同じ方法で効果的に隔離する。
【0056】
静止部材302と可動部材304との間のインタフェース表面306で発生し得る流体の漏れを阻止し、かつ室308内の圧力のせいで可動部材304から静止部材302を分離する傾向がある力を平衡させるためにも、1つの手段は、静止部材302および可動部材304ならびに継ぎ手56および78を囲む外部ハウジング350を提供することである。可撓性導管316および318は、外部ハウジング貫通部382および384それぞれを通して外部ハウジング350を貫通することができる。隔離弁ピン34および98に関して、固定子120および122または可撓性導管32および66は、外部ハウジング貫通部336および338それぞれで囲むことができる。圧力を等しくするために、外部ハウジング350に、室308内の流体の動作圧力と等しい、またはそれよりわずかに高い圧力で加圧した液体または気体を充填することができる。
【0057】
可動部材を横方向に動作させる手段を提供し、これは、例えば可動部材304に結合され、ピン34および98を、開口ポート360および380とブランクポート388および392との間でそれぞれシフト可能にするリニアモータ360であるが、それに制限されない。リニアモータ360には、電源362からの電力を、電気接続部364および366で外部ハウジング貫通部368および370それぞれを通して供給することができる。
【0058】
第3の実施形態の別の変形は、可動部材304がさらに、ポンプおよびカラム、または第2のポンプおよびカラムのためにポートおよび内部導管を備え、第2の面シール弁に同時に供給できるように、二重または鏡像設計として、静止部材302および可動部材304を設計することである。
【0059】
第4の実施形態では、図8は、図6Aおよび図6Bで示した回転子202の概ね円筒形の第2の実施形態と同様の構成を有する直線流通隔離弁800を示す。前記と同様に、直線流通隔離弁800は、静止部材802および可動部材804で構成される。可動部材804は、回転運動で移動するのではなく、可動部材804が、静止部材802を通って直線に摺動することによって移動することを除いて、回転子202と同様である。可動部材804は、例えば楕円形または隅部が滑らかで丸まった正方形などであるが、それに制限されない任意の他のタイプの断面を有することができる。回転部材804は、金属またはポリマーまたはサファイアで作成することが好ましい。
【0060】
静止部材802は、可動スライダ部材804を囲む2つの表面806aおよび806bで構成される。2つの表面806aおよび806bはそれぞれ、リップシール808aおよび808bを含む。静止部材802は、可動部材を囲むインタフェース表面810も形成する。
【0061】
第3の実施形態の場合と同様に、高圧ポンプ(図示せず)からの継ぎ手56が、可動部材804のポート352に挿入され、ここで外部漏れをほぼ防止するような方法で密封される。可撓性導管316および結合部312によって、高圧ポンプから継ぎ手56への流れを提供する。継ぎ手56内の内部導管38は、可動部材804内の内部導管840およびインタフェース表面810上の開口ポート860と流体連絡する。開口ポート360は、インタフェース表面810と境界を接する静止部材802内の空間812の容積と流体連絡する。静止部材802内の空間812の容積および可動部材804は、端部シール808およびAおよびBによって密封される。隔離弁ピン34は、貫通部822にて静止部材802を貫通し、したがって弁ピン34は上下に直線運動することができる。
【0062】
結合部62によって、弁ピン34内の内部導管58は、第3の実施形態と同様の方法で面シール弁10への導管配管32と流体連絡する。これで、面シール弁10からの導管配管66は、結合部70によって隔離弁ピン96の内部導管82と流体結合される。同様に、隔離弁ピン96は、貫通部324にて静止部材802を貫通し、したがって弁ピン78は、上下に直線運動することができる。これで、隔離弁ピン96内の内部導管82は、インタフェース表面810と境界を接する静止部材802内の空間812の容積と流体連絡する。弁ピン96は、インタフェース表面310の開口ポート880とインタフェース接続するように位置決めされる。開口ポート880は、空間812の容積と流体連絡する。
【0063】
隔離弁ピン34および96を密封するために、静止部材802は、自動付勢式リップシール820aおよび820bそれぞれを含む。リップシールは、ニューヨーク州Hoosick FallsのFuron,Inc.から市販されている。
【0064】
第3の実施形態と同様の方法で、注入段階中に、隔離弁ピン96内の内部導管82は、可動部材804内の内部導管876および可動部材304の反対端の開口ポート374とも流体連絡する。継ぎ手78内の内部導管98が、面シール弁10のサンプルループ20と流体連絡するように、継ぎ手78が、開口ポート874に挿入される。継ぎ手78内の内部導管98は、結合部314によって継ぎ手78と結合される可撓性導管318によって、カラムと流体連絡する。
【0065】
負荷段階中に、隔離弁ピン96は、可動部材804の表面810のブランクポート892とインタフェース接続するように位置決めされる。同様に、隔離弁ピン34は、可動部材804の表面810のブランクポート888とインタフェース接続するように位置決めされる。これらの動作は、高圧ポンプから面シール弁10およびカラムへの流れを、第1および第2の実施形態について以前に検討したのと同じ方法で効果的に隔離する。
【0066】
高圧流体への適用に関して説明してきたが、本発明の第1、第2、および第3の実施形態は、大気圧以下、つまり真空用途も含む任意の使用圧力の流体にも適用することができる。
【0067】
本明細書では、本発明を特定の例示的実施形態について説明してきた。本発明の範囲から逸脱することなく、特定の変更および修正が当業者には明白である。例示的な実施形態は例証するものであり、請求の範囲によって規定された本発明の範囲を制限するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通隔離弁であって、
静止部材と、
可動部材とを備え、前記静止部材の表面が、前記可動部材の表面とインタフェース接続し、前記流通隔離弁がさらに、
少なくとも1つのピン隔離弁を備え、
前記少なくとも1つのピン隔離弁が、流通内部導管を有し、
前記内部導管が、前記可動部材の少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、前記少なくとも1つのピン隔離弁が、可動状態で配置され、
前記ピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の流通導管と流体連絡可能であるように、前記少なくとも1つのピン隔離弁が、可動状態で配置される流通隔離弁。
【請求項2】
前記可動部材が、回転軸を中心に回転することによって移動する、請求項1に記載の流通隔離弁。
【請求項3】
前記可動部材が、直線並進および曲線並進のうち少なくとも一方によって移動する、請求項1に記載の流通隔離弁。
【請求項4】
前記少なくとも1つのピン隔離弁の1つが、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁のサンプルループと流体結合される、請求項1に記載の流通隔離弁。
【請求項5】
前記少なくとも1つのピン隔離弁の1つが、高圧液体を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁に供給するポンプと流体結合される、請求項1に記載の流通隔離弁。
【請求項6】
前記少なくとも1つのピン隔離弁の1つが、高圧液体を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁から放出するカラムと流体結合される、請求項1に記載の流通隔離弁。
【請求項7】
流通隔離弁であって、
前記流通隔離弁が、回転軸の周囲に配置され、前記流通隔離弁が、
前記回転軸の周囲に配置された少なくとも2つの対向する弁端部と、
前記弁端部の間に配置された回転子とを備え、前記回転子の回転軸は、前記流通隔離弁の回転軸と平行で、前記流通隔離弁の回転軸と一致する軸であり、前記回転子は、前記回転子の方向が、前記回転子の回転軸を中心とする回転によって変更できるように配置され、前記回転子が、
上に少なくとも第1および第2の開口を有する外面と、
それぞれ前記外面と交差する少なくとも2つの表面と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口とを有する流通導管と、
前記外面の前記第1の開口と一致する前記外面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第1の表面の開口を有する流通導管と、
前記外面の前記第2の開口と一致する前記外面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の開口を有する流通導管と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第1の表面の少なくとも1つのブランク開口と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の少なくとも1つのブランク開口と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第1の表面の前記開口を密封する第1の密封環と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の前記開口を密封する第2の密封環と、
内部導管を有する第1のピン隔離弁とを有し、
前記第1のピン隔離弁が、前記隔離弁の前記回転軸に沿って前記弁端部の一方を通って移動するように配置され、
前記内部導管が、前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第1の表面の前記少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、前記第1のピン隔離
弁が、可動状態で配置され、
前記内部導管が、前記外面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する前記流通内部導管と流体連絡可能であるように、前記第1のピン隔離弁が、可動状態で配置され、
前記回転子がさらに、
第2のピン隔離弁を有し、前記第2のピン隔離弁が、前記隔離弁の回転軸に沿って前記弁端部のうち別の端部を通して移動するように配置され、前記第2のピン隔離弁が、内部導管を含み、
前記内部導管が、前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の前記少なくとも1つのブランク開口と流体連絡可能であるように、前記第2のピン隔離弁が、可動状態で配置され、
前記第2のピン隔離弁内の内部導管が、前記外面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の開口を有する前記流通導管と流体連絡可能であるように、前記第2のピン隔離弁が、可動状態で配置される、流通隔離弁。
【請求項8】
前記回転子の回転軸が、前記回転子の中心線である、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項9】
前記流通隔離弁の回転軸が、前記流通隔離弁の中心線である、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項10】
前記回転子がさらに、
外面および内面を有する回転子クランプを備え、内面が、前記回転子の外面の少なくとも一部を囲み、前記回転子がさらに、
前記回転子の外面の前記第1の開口と一致するように、前記回転子クランプを貫通する前記回転子クランプの外面の第1の開口と、
前記回転子の外面の前記第2の開口と一致するように、前記回転子クランプを貫通する前記回転子クランプの外面の第2の開口とを備える、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項11】
さらに、(a)第3のピン隔離弁と、(b)第4のピン隔離弁のうち少なくとも一つを備え、
前記第3のピン隔離弁が、内部導管を有し、前記第3のピン隔離弁の前記内部導管が、外面の開口、および前記回転子の外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口を有する前記流通導管の外面の前記開口と流体連絡すべく配置されるように、前記第3のピン隔離弁が、前記回転子クランプの前記外面の前記第1の開口内に配置され、
前記第4のピン隔離弁が、内部導管を有し、前記第4のピン隔離弁の前記内部導管が、外面の開口、および前記回転子の外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち前記第2の表面の開口を有する前記流通導管の外面の前記開口と流体連絡すべく配置されるように、前記第4のピン隔離弁が、前記回転子クランプの外面の前記第2の開口内に配置される、請求項10に記載の流通隔離弁。
【請求項12】
前記回転子クランプがさらに、前記回転子の回転軸を中心に回転するように、前記回転子を駆動する駆動手段を備える、請求項10に記載の流通隔離弁。
【請求項13】
前記回転子クランプ駆動手段が、ギア駆動オペレータを備える、請求項12に記載の流通隔離弁。
【請求項14】
前記回転子クランプ駆動手段が、ハンドルオペレータを備える、請求項12に記載の流通隔離弁。
【請求項15】
前記弁端部の少なくとも1つが、
少なくとも1つのピン隔離弁を囲む固定子を備え、前記固定子が、前記回転子に隣接し、前記弁端部の少なくとも1つがさらに、
前記固定子内に囲まれ、かつ前記少なくとも1つのピン隔離弁を密封するために、前記少なくとも1つのピン隔離弁を囲む密封層と、
皿ばねワッシャと、
皿ばねと、
負荷ワッシャと、
球形ナットとを備え、
前記皿ばねワッシャ、前記皿ばね、前記負荷ワッシャ、および前記球形ナットが、前記ピン隔離弁を囲む前記密封層を密封するために軸力を加えるように軸方向に配置構成される、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項16】
前記密封層が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)およびPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の少なくとも1つで構成される、請求項15に記載の流通隔離弁。
【請求項17】
前記回転子が、PEEK混合物で構成される、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項18】
前記回転子クランプが、ステンレス鋼で構成される、請求項8に記載の流通隔離弁。
【請求項19】
前記ステンレス鋼が、タイプ316のステンレス鋼である、請求項18に記載の流通隔離弁。
【請求項20】
前記第1および第2のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)の面密封弁のサンプルループに流体結合される、請求項7に記載の流通隔離弁。
【請求項21】
前記第3および第4のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁に高圧液体を供給するポンプに流体結合される、請求項11に記載の流通隔離弁。
【請求項22】
前記第3および第4のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁から放出するカラムと流体結合する、請求項11に記載の流通隔離弁。
【請求項23】
流通隔離弁の回転子であって、
前記流通隔離弁が回転軸の周囲に配置され、前記流通隔離弁が、
前記回転軸の周囲に配置された少なくとも2つの対向する弁端部を備え、
前記回転子が、前記弁端部の間に配置され、前記回転子の回転軸が、前記流通隔離弁の回転軸とほぼ平行で、前記流通隔離弁の回転軸と一致し、前記回転子は、前記回転子の方向を前記回転子の回転軸を中心とする回転によって変更できるように配置され、前記回転子が、
外面と、
それぞれ前記外面と交差する少なくとも2つの表面と、
前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口、および前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口とを有する流通導管と、
(a)前記外面の前記第1の開口と一致する前記外面の開口、および前記外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第1の表面の開口を有する流通導管、および
(b)外面の前記第2の開口と一致する外面の開口、および前記外面と交差する少なくとも2つの表面のうち第2の表面の開口を有する流通導管のうち少なくとも1つとを有する、回転子。
【請求項24】
さらに、外面上に少なくとも1つのブランク開口を備える、請求項23に記載の回転子。
【請求項25】
さらに、前記外面と交差する前記少なくとも2つの表面のうち第1および第2の表面の少なくとも一方の前記開口を密封する密封環を備える、請求項23に記載の回転子。
【請求項26】
外面および内面を有する回転子クランプをさらに備え、内面が、前記回転子の外面の少なくとも一部を囲み、
前記回転子の外面の第1および第2の開口のうち前記少なくとも1つと一致するように、前記回転子クランプを貫通する前記回転子クランプの外面の開口をさらに備える、請求項23に記載の回転子。
【請求項27】
前記回転子が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)混合物で構成される、請求項23に記載の回転子。
【請求項28】
流通隔離弁であって、
静止部材と、
可動部材とを備え、
前記静止部材および可動部材は、表面でインタフェース接続し、前記可動部材は、前記表面に沿って摺動するように配置され、前記流通隔離弁がさらに、
前記静止部材と前記可動部材の間に配置された室を備え、前記室は、表面によって境界を区切られ、
前記可動部材が、前記室とインタフェース接続する開口、および前記室とインタフェース接続しない前記可動部材の表面の開口を有する第1の流通導管を有し、
前記可動部材が、前記室とインタフェース接続する開口、および前記室とインタフェース接続しない前記可動部材の表面の開口を有する第2の流通導管を有し、前記流通隔離弁がさらに、
前記室と境界を接する前記表面の第1のブランク開口と、
前記室と境界を接する前記表面の第2のブランク開口とを備える、流通隔離弁。
【請求項29】
内部導管を有する第1のピン隔離弁をさらに備え、前記第1のピン隔離弁が、前記室とインタフェース接続しない前記可動部材の表面の前記第1の流通導管の前記開口内に配置され、前記第1のピン隔離弁の前記内部導管が、前記第1の流通導管と流体連絡することができ、
内部導管を有する第2ピン隔離弁をさらに備え、前記第2のピン隔離弁が、前記室とインタフェース接続しない前記可動部材の表面の前記第2の流通導管の前記開口内に配置され、前記第2のピン隔離弁の前記内部導管が、前記第2の流通導管と流体連絡することができる、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項30】
さらに、(a)第3のピン隔離弁と、(b)第4のピン隔離弁のうち少なくとも1つを備え
前記第3のピン隔離弁が、内部導管を有し、
前記第3のピン隔離弁は、前記第3のピン隔離弁の前記内部導管が、前記室とインタフェース接続する前記開口、および前記室とインタフェース接続しない前記静止部材の表面の開口と流体連絡すべく可動状態で配置されるように、前記室とインタフェース接続する前記静止部材内の開口内に配置され、
前記第3のピン隔離弁の前記内部導管が、前記室と境界を接する前記表面の前記第1のブランク開口と流体連絡すべく、可動状態で配置され、
前記第4のピン隔離弁が、内部導管を有し、
前記第4のピン隔離弁は、前記第4のピン隔離弁の前記内部導管が、前記室とインタフェース接続する前記開口、および前記室とインタフェース接続しない前記静止部材の表面の開口と流体連絡すべく可動状態で配置されるように、前記室とインタフェース接続する前記静止部材内の開口内に配置され、
前記第4のピン隔離弁の前記内部導管が、前記室と境界を接する前記表面の前記第2のブランク開口と流体連絡すべく、可動状態で配置される、請求項29に記載の流通隔離弁。
【請求項31】
さらに、前記静止部材および前記可動部材を囲むハウジングを備える、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項32】
さらに、前記静止部材および前記可動部材ならびに前記ピン隔離弁の少なくとも1つを囲むハウジングを備え、前記少なくとも1つのピン隔離弁の前記内部導管が、前記ハウジングを貫通する導管と流体結合される、請求項30に記載の流通隔離弁。
【請求項33】
前記可動部材が、電気リニアモータによって移動する、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項34】
前記第1および第2のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁のサンプルループと流体結合される、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項35】
前記第3および第4のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁に供給するポンプと流体結合される、請求項30に記載の流通隔離弁。
【請求項36】
前記第3および第4のピン隔離弁のいずれかが、高圧液体を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの面シール弁から放出するカラムと流体結合される、請求項30に記載の流通隔離弁。
【請求項37】
前記ハウジングが、大気圧より高い圧力を維持することができる、請求項31に記載の流通隔離弁。
【請求項38】
前記ハウジングが、大気圧より高い圧力を維持することができる、請求項32に記載の流通隔離弁。
【請求項39】
前記可動部材が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)混合物で構成される、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項40】
前記静止部材と前記可動部材の間の前記インタフェース表面が、少なくとも1つのリップシールによって密封される、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項41】
前記第3および第4のピン隔離弁の前記開口の少なくとも1つが、リップシールによって密封される、請求項30に記載の流通隔離弁。
【請求項42】
前記リップシールが、自動付勢式である、請求項40に記載の流通隔離弁。
【請求項43】
前記リップシールが、自動付勢式である、請求項41に記載の流通隔離弁。
【請求項44】
前記可動部材が、(a)金属、(b)ポリマー、および(c)サファイアのうち少なくとも1つで構成される、請求項28に記載の流通隔離弁。
【請求項45】
流通隔離弁の操作方法であって、流通隔離弁が、可動部材を備え、
前記可動部材が、
第1および第2のピン隔離弁の内部導管とインタフェース接続する第1および第2の導管を有し、
前記導管が、前記可動部材の表面に対して開口し、前記可動部材がさらに、
前記第1および第2のピン隔離弁の前記内部導管とインタフェース接続する第1および第2のブランク開口を有し、
(A)(a)流体の流れを提供する前記第1のピン隔離弁が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続し、および(b)前記流体の流れを排出する前記第2のピン隔離弁が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続することのうち、少なくとも一方であるように、弁は、流れを隔離する初期位置にあり、
前記流通隔離弁の操作方法は、
(I)前記第1のピン隔離弁が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1のブランク開口から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第1の導管とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(II)前記第2のピン隔離弁が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第2のピン隔離弁を前記第2ブランク開口から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第2導管とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(B)(a)流体の流れを提供する前記第1のピン隔離弁が、前記第1の導管とインタフェース接続し、および(b)前記流体の流れを排出する前記第2のピン隔離弁が、前記第2の導管とインタフェース接続することのうち少なくとも一方であるように、弁が、流れのスループットの初期位置にあり、
前記流通隔離弁の操作方法は、
(III)前記第1のピン隔離弁が、前記第1の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1の導管から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(IV)前記第2のピン隔離弁が、前記第2の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第2のピン隔離弁を前記第2の導管から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって動作させるステップとを含む方法。
【請求項46】
前記流通隔離弁が、流体の流れを高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムに供給し、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムが、
前記流通隔離弁と、
面シール弁とを備え、前記面シール弁が、
高圧流体を受け取る第1のポートと、
前記第1のポートおよびサンプルループの入口端のうち少なくとも一方と流体結合可能である第2のポートと、
サンプル供給部と、前記サンプルループの前記入口端およびサンプルを吸引するためにシリンジに流体結合可能な第4のポートのうち少なくとも1つとに流体結合可能な第3のポートと、
前記第4のポートおよび前記サンプルループの出口端のうち少なくとも一方と、高圧流体を排出するための第6のポートとに流体結合可能な第5のポートとを備え、
前記流通隔離弁が、前記第1のポートと前記第1の導管を結合する第1の導管によって、および前記第6のポートと前記第2の導管を結合する前記第2の導管によって前記面シール弁に流体結合され、
流通隔離弁の操作方法はさらに、
(A’)前記流通隔離弁が、流れを隔離する初期位置にある負荷段階中では、
(1’)前記第2のポートを前記第3のポートに結合するステップと、
(2’)前記第5のポートを前記第4のポートに結合するステップと、
(3’)シリンジを操作することによって、サンプル液体を前記サンプルループ内に吸引するステップとを含み、
(B’)前記流通隔離弁が、流れを隔離する初期位置に留まる遷移段階では、
(1’)高圧液体を受け取るために、前記第2のポートの結合を前記第3のポートから前記第1のポートへと移すステップと、
(2’)高圧液体を放出するために、前記第5のポートの結合を前記第4のポートから前記第6のポートへと移すステップとを含み、
(C’)前記面シール弁が、前記サンプルループを通る流れのスループットの位置にある注入段階では、
(I)前記第1のピン隔離弁が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1のブランク開口から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第1の導管とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(II)前記第2のピン隔離弁が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第2のピン隔離弁を前記第2のブランク開口から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第2の導管とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含む、請求項45に記載の流通隔離弁の操作方法。
【請求項47】
前記面シール弁が、前記サンプルループを通る流れのスループットの位置にある注入段階(C’)の後に、流通隔離弁の操作方法がさらに、
(B)(a)流体の流れを提供する前記第1のピン隔離弁が、前記第1の導管とインタフェース接続する、および(b)前記流体の流れを排出する前記第2のピン隔離弁が、前記第2の導管とインタフェース接続することのうち少なくとも一方であるように、流通隔離弁が、流れのスループットの初期位置では、
(III)前記第1のピン隔離弁が、前記第1の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1の導管から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含み、
(IV)前記第2のピン隔離弁が、前記第2の導管とインタフェース接続する場合は、
(1)前記第2のピン隔離弁を前記第2の導管から離して移動させるステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、
(3)前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させるステップとを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記面シール弁が、前記サンプルループを通る流れのスループットの位置にある遷移段階(B’)の後に、流通隔離弁の操作方法がさらに、
(1”)前記第5のポートの結合を前記第6のポートから前記第4のポートへと移すステップと、
(2”)前記第2のポートの結合を前記第1のポートから前記第3のポートへと移すステップとを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
さらに、(3”)シリンジを操作することによって、サンプル液体を前記サンプルループ内に吸引するステップを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
弁が、流れの隔離の初期位置にある前記ステップ(A)で、
(I)前記第1のピン隔離弁が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続する場合、および(II)前記第2のピン隔離弁が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続する場合に、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1のブランク開口から離して移動させることと、前記第2のピン隔離弁を前記第2のブランク開口から離して移動させることとを、同時に実行するステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、それによって、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第1の導管とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させることと、
前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記可動部材の表面へと開口する前記第2の導管とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させることとを同時に実行するステップとを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
弁が、流れのスループットの初期位置にある前記ステップ(B)で、
(III)前記第1のピン隔離弁が、前記第1の導管とインタフェース接続する場合、および(IV)前記第2のピン隔離弁が、前記第2の導管とインタフェース接続する場合に、さらに、
(1)前記第1のピン隔離弁を前記第1の導管から離して移動させることと、前記第2のピン隔離弁を前記第2導管から離して移動させることとを、同時に実行するステップと、
(2)前記可動部材を移動させるステップと、それによって、
(3)前記第1のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第1のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第1のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させることと、前記第2のピン隔離弁内の前記内部導管が、前記第2のブランク開口とインタフェース接続するように、前記第2のピン隔離弁を前記可動部材に向かって移動させることとを、同時に実行するステップとを含む、請求項45に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−229811(P2012−229811A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153714(P2012−153714)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【分割の表示】特願2007−501947(P2007−501947)の分割
【原出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)
【Fターム(参考)】