説明

高絶縁性プレコートアルミニウム材

【課題】自動車部品や電気・電子部品などで高電圧が印加される箇所に用いられ、絶縁性に優れるとともに、曲げ加工性にも優れた高絶縁性プレコートアルミニウム材を提供する。
【解決手段】アルミニウム板の少なくとも一方の面に化成皮膜を形成させ、さらに、樹脂皮膜を形成させたプレコートアルミニウム板であって、樹脂皮膜はビスフェノールA型エポキシ樹脂とメチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂とを反応させたものであり、樹脂皮膜の膜厚は18μm〜46μmであり、樹脂皮膜のガラス転移温度は110℃〜150℃であり、絶縁破壊電圧が3kV〜6kVであることを特徴とする高絶縁性プレコートアルミニウム板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品や電気・電子部品などで高電圧が印加される箇所に用いられ、絶縁性に優れるとともに、曲げ加工性にも優れた高絶縁性プレコートアルミニウム材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車部品や電気・電子部品等において、軽量化やコストダウン等を目的として、プレコートアルミニウム材の適用が検討されている。インバータ、モーター、IGBTモジュール、太陽電池用基板、蓄電システム等を構成する部材は高電圧下で使用される為、絶縁皮膜には、優れた電気特性が求められる。
【0003】
プレコートアルミニウム材は、導体であるアルミニウム材の表面に、通常、絶縁体の樹脂皮膜を形成させた材料である。その為、数Vの電圧を印加しても、樹脂皮膜の厚さ方向には電流が流れない。この現象は、バンド理論を用いて説明される。バンド理論において、絶縁体は、価電子帯と伝導帯の間に大きなバンドギャップが存在する状態を示す物質であり、数Vの電圧を印加しても、電子が励起して伝導帯に遷移しない為に電流が流れない。
【0004】
ところが、ある十分に高い電圧が印加されると、電子が伝導帯まで励起するのに十分なエネルギーが与えられる。この際に、自由な電荷担体が強い電場によって加速され、それが衝突した原子をイオン化して電子を飛び出させるのに十分な速度となる。そのようにして自由になった電子とイオンも加速し別の原子に衝突するので、さらに電荷担体が生み出されるという連鎖反応(電子雪崩)が起きる。このようにして、絶縁体は瞬時に電荷担体で満たされ、電流が流れる。この現象が絶縁破壊であり、絶縁破壊した電圧を絶縁破壊電圧という。本発明でいう高絶縁性とは、JIS C2110−1に準じて測定される絶縁破壊電圧が3kV〜6kVであることをいう。
【0005】
絶縁性を向上させた樹脂皮膜として、特許文献1〜特許文献3が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−44824号公報
【特許文献2】特開2001−261959号公報
【特許文献3】特開2009−129566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、高純度のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、ジアミノジフェニルメタンで硬化させた樹脂皮膜が開示されているが、ガラス転移温度が164℃〜240℃と高い為に樹脂皮膜が脆く、曲げ加工性(180度曲げ 3T剥離なし)を満足しないという問題がある。特許文献2において、ポリフェニレンスルフィドを用いた樹脂皮膜が開示されているが、絶縁破壊電圧が1kV未満であり、高絶縁性を満足しないという問題がある。特許文献3において、絶縁電線に用いられるポリウレタン、ポリエステルイミドを用いた樹脂皮膜が開示されているが、溶剤に特有の強い臭いを発するクレゾールを含む為、塗装作業性において問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記事情に鑑み鋭意検討を行った結果、高絶縁性プレコートアルミニウム板について、ある特定の樹脂皮膜のガラス転移温度を制御すると共に膜厚を調整することで、高電圧下で樹脂皮膜の温度が上昇しても、電子雪崩がおきにくく、JIS C2110−1に準じて測定される絶縁破壊電圧が3kV〜6kVで高絶縁性を有し、かつ、曲げ加工性(3T 剥離なし)が良好となることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
従って本発明は、アルミニウム板の少なくとも一方の面に化成皮膜を形成させ、さらに、樹脂皮膜を形成させたプレコートアルミニウム板であって、樹脂皮膜はビスフェノールA型エポキシ樹脂とメチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂とを反応させたものであり、樹脂皮膜の膜厚は18μm〜46μmであり、樹脂皮膜のガラス転移温度は110℃〜150℃であり、絶縁破壊電圧が3kV〜6kVであることを特徴とする高絶縁性プレコートアルミニウム板を提供する。
【0010】
また、上記高絶縁性プレコートアルミニウム板において、上記樹脂皮膜については、フェノールフタレインを含有する食塩水中に樹脂皮膜を浸漬させて、12Vの電圧を1分間印加した時に発生するピンホールが50箇所の平均値で0.5個以下である高絶縁性プレコートアルミニウム板を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の高絶縁性プレコートアルミニウム板は、高電圧下で樹脂皮膜の温度が上昇しても、電子雪崩がおきにくく、JIS C2110−1に準じて測定される絶縁破壊電圧が3kV〜6kVで高絶縁性を有し、かつ、曲げ加工性(3T 剥離なし)が良好なものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の高絶縁性プレコートアルミニウム板は、以下の構成・製法によって得ることができる。
(A)アルミニウム板
本発明に用いられるアルミニウム板は、圧延用合金を好適に使用できるが、特に非熱処理型合金のうち、特に1000系アルミニウム、3000系アルミニウム、5000系アルミニウムが需要家の要求品質(加工性、耐食性等)を満足するとの観点から好ましい。板厚は0.1mm〜2.5mmであることが好ましい。板厚が薄すぎると板切れが生じる等の問題があり、厚すぎると張力が不足し、巻き取り困難等の問題が起こる場合がある。なお、高絶縁性プレコートアルミニウム板は用途により要求される機械的性質が異なる為、上記アルミニウム板の種類、調質、板厚は用途に応じて適宜調整することが好ましい。アルミニウム板は、一般的な圧延加工により製造される。直方体のスラブ(圧延用鋳塊)を面削し、均熱処理した後に、約400℃以上の高温で熱間圧延し、次いで室温で冷間圧延してアルミニウム板を製造する。
【0013】
(B)化成皮膜
(B−1)脱脂処理
本発明のアルミニウム板は、上記冷間圧延後のアルミニウム板の少なくとも一方の面に化成皮膜が形成されたものであるが、化成皮膜形成前に好ましくは脱脂処理される。脱脂処理としては、アルカリ脱脂処理液による処理が好ましい。アルカリ脱脂処理液は、界面活性剤とその脱脂性を確保するために添加されるアルカリビルダーを水に溶解又は分散させた溶液であり、pHが9〜13であることが好ましい。
【0014】
界面活性剤は冷間圧延後にアルミニウム板の表面に残留する油分を乳化分散させて除去し、乳化分散した油分のアルミニウム板表面への再付着を防止する効果を有する。これは、脱脂されたアルミニウム板表面に界面活性剤が単分子レベルで吸着するためと考えられている。このような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン系界面活性剤や高級アルコール系界面活性剤などが挙げられる。
【0015】
アルカリビルダーは、硬水中に存在する、或いは、アルカリビルダー中に混入してくるカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の多価カチオンをキレート化し、界面活性剤の不溶化を防ぐ効果を有する。アルカリビルダーとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、リン酸ナトリウムやリン酸水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩等が用いることができる。
【0016】
アルカリ脱脂処理液は、スプレー法によって、50〜80℃の温度で1〜30秒間、冷間圧延後のアルミニウム板表面の少なくとも一方の面にスプレーするのが好ましい。アルカリ脱脂処理後、直ちに水による洗浄を行うことが好ましい。これは後工程での処理液の汚染や、アルミニウム板表面に残存するアルカリ成分、界面活性剤及び反応残渣等を除去するためである。通常、蒸留水やイオン交換水をアルミニウム板表面にスプレーする方法が適用される。アルカリ脱脂処理には、このようなスプレー法の他に、アルカリ脱脂処理液中にアルミニウム板を浸漬する浸漬法を用いてもよい。なお、アルカリ脱脂処理又はその後の水洗処理を行った後に、必要に応じて、アルミニウム板表面を酸洗処理してもよい。
【0017】
(B−2)化成処理
本発明のアルミニウム板は化成処理された化成皮膜を有するものであるが、前処理として上記脱脂処理されたアルミニウム板に化成処理されることが好ましい。化成処理としては、リン酸クロメート処理液による処理を好適に挙げることができる。リン酸クロメート処理液は、クロム酸、オルトリン酸を含有する主剤とフッ化物を含有する副剤との混合物を水で希釈した溶液であり、pHが1.5〜3.0程度のものである。フッ化物としては、フッ化水素酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、ヘキサフルオロチタン酸、テトラフルオロホウ酸等が挙げられる。
化成処理は、上記処理液を35〜55℃の温度で1〜30秒間、脱脂処理されたアルミニウム板表面にスプレーするスプレー法を好適に採用することができる。処理後、直ちに水による洗浄を行うことが好ましい。アルミニウム板表面に形成されるリン酸クロメート皮膜の皮膜量は、Cr量換算で10mg/m〜50mg/mであることが好ましい。Cr量は蛍光X線元素分析法により測定される。なお、化成処理においても、スプレー法の他に、化成処理液中にアルミニウム板を浸漬する浸漬法を用いてもよく、化成処理方法は特に制限されるものではない。
【0018】
(C)樹脂皮膜
(C−1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂
本発明の樹脂皮膜は上記化成皮膜の上に形成される。樹脂皮膜はビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、エピクロロヒドリンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを縮合反応させて得られる樹脂を好適に用いることができる。本発明に用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂の数平均分子量は、1000〜4000の範囲にあることが好ましい。1000未満では硬化性が悪くなり、絶縁性や曲げ加工性が低下する。4000を超えると塗料粘度が高くなり、希釈溶剤の配合量が多くなり、塗装作業性に劣り、塗装欠陥が発生しやすく、絶縁性が低下する場合がある。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の軟化点は、90℃〜150℃の範囲が好ましい。90℃未満では、硬化性が劣り、絶縁性や曲げ加工性が低下する。150℃を超えると、曲げ加工性が低下する。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の軟化点は、環球法により測定される。
【0019】
(C−2)メチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂
本発明の樹脂皮膜は、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の硬化剤として、メチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種が使用される。具体的には、メチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒド水溶液とを、アルカリ性または酸性下で、脱水縮合反応させて得られる液状縮合物を、メタノール、又はブタノールによりアルキルエーテル化させて得られる。又、フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドを原料として触媒下において合成される。フェノール類としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、キシレノールなどの1分子中にベンゼン環を1個有するフェノール;フェニルo−クレゾール、p−フェニルフェノールなどの1分子中にベンゼン環を2個有するフェノール;ビスフェノールF、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができる。これら硬化剤の種類は特に制限されるものではないが、塗装性の観点からメチル化尿素樹脂又はブチル化尿素樹脂を好適に使用することができる。上記硬化剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂を1〜50質量部配合することが好ましい。1質量部未満では、樹脂皮膜のガラス転移温度が110℃未満となる可能性が高く、絶縁性が劣る場合がある。50質量部を超えると、樹脂皮膜のガラス転移温度が150℃を超える為に、曲げ加工性が劣る場合がある。
【0020】
(C−3)膜厚
本発明で用いられる樹脂皮膜の膜厚は18μm〜46μmである。より好ましくは、19μm〜34μmである。膜厚が薄すぎると所望の絶縁性が劣る。厚すぎると、曲げ加工時の変形に樹脂皮膜が追随できず、曲げ加工性が劣る。詳しくは後述するが、本発明で用いられる樹脂皮膜は、4回〜6回に重ね塗りすることにより形成されることが推奨される。1回の塗布の場合、樹脂皮膜にピンホールが認められる。膜厚を厚くするに従い、ピンホールは低減する傾向にあるが、わき等の目視外観上通常使用可能なレベルで10μm塗装し得られた樹脂皮膜にもピンホールが認められる。樹脂皮膜中にピンホールが認められると、絶縁性が劣る。重ね塗りをすることにより、1回の塗布で生成したピンホールと重ね塗りした樹脂皮膜に生成したピンホールが樹脂皮膜の厚さ方向で繋がらなくすることにより、絶縁性が向上させることができる。塗装回数が多い程、1回の塗布で発生するピンホールどうしが、連続的に繋がる確率を低減させることができる。本発明の樹脂皮膜については、4回以上塗布することにより、ピンホールどうしが連続的に繋がるのを少なくし、高絶縁性を得ることができる。
【0021】
(C−4)ガラス転移温度
本発明で用いられる樹脂皮膜のガラス転移温度は110℃〜150℃である。より好ましい範囲は、122〜142℃である。樹脂皮膜のガラス転移温度を示差走査熱量測定により測定する。110℃未満では、絶縁破壊試験において、高電圧が印加されて樹脂皮膜の温度が上昇し、電子雪崩がおき、絶縁性が劣る。150℃を超えると、曲げ加工時の変形に樹脂皮膜が追随できず、曲げ加工性が劣る。本発明で用いられる樹脂皮膜のガラス転移温度は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と反応させる硬化剤の種類、配合量、焼付温度及び塗装回数によって調整される。硬化剤の種類、配合量は前述した通りであり、焼付温度及び塗装回数は後述する。ビスフェノールA型エポキシ樹脂とメチル化尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂又はフェノール樹脂と反応させて、網目構造を形成させることにより、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と比較して、高分子鎖がたわみにくくなり、樹脂皮膜のガラス転移温度を高くさせる傾向にある。メチル化尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂と比較してフェノール樹脂はかさばりが大きく、樹脂皮膜のガラス転移温度を高くさせる傾向にある。硬化剤の配合量を増量させることにより、架橋点が増え、高分子鎖がたわみにくくなり、樹脂皮膜のガラス転移温度を高くさせる傾向にある。後述する通り、塗装焼付時の温度は、樹脂皮膜のガラス転移温度よりも高温である為、樹脂皮膜の上に重ね塗りすることにより、塗装時に残留した局部的な応力が開放されるとともに、樹脂皮膜中の残留未反応硬化剤も反応し、ガラス転移温度を高くさせる傾向にある。
【0022】
(D)樹脂皮膜形成用塗料
ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び、メチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂を前述した配合割合になるように有機溶剤に分散させて、塗料を作製する。有機溶剤には、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ナフタレン、1、2、3−トリメチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、イソブチルアルコール、1−ブタノール、エチルベンゼン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、高沸点ナフサ等を用いることが好ましい。特に、沸点が160℃〜210℃の範囲にあるエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを塗料中に1〜40%配合することが好ましい。1%未満であると、塗料を焼付乾燥中に塗料粘度が急激に上昇し、沸き等の塗装欠陥が発生し、ピンホールが0.5個を超える可能性が高く、絶縁性が劣る場合がある。40%を超えると、樹脂皮膜中の残留溶剤が多くなり、絶縁性が劣る場合がある。塗料には、必要に応じて、レベリング剤、潤滑剤、顔料等を配合しても良い。
【0023】
(E)塗装方法
前述した塗料を、化成皮膜を形成させたアルミニウム板の上に、ロールコートによって塗布する。ロールコートでは、塗料をパンに溜めておき、ピックアップロールでパンから塗料をかきあげ、アプリケーターロールに転写し、次いで、アルミニウム板表面の化成処理皮膜上に塗料を転写させる。アルミニウム板の搬送はバックアップロールを用いて行う。なお、焼付乾燥後における乾燥塗膜厚が3μm〜8μmとなるようにピックアップロールとアプリケーターロール間のニップ圧や塗料粘度、ロールの周速を適宜調整する。
【0024】
塗装回数は4回以上、特に4回〜6回であることが好ましく、最終膜厚が18μm〜46μmとなるように調整する。塗装回数が4回未満であると、最終膜厚を本発明の厚さに塗ることが困難になり後述するピンホールが0.5個を超える可能性が高くなる為に、絶縁性が劣る場合がある。なお、塗装回数が6回を超えると、絶縁性の向上効果が顕著にならない上、塗装コストが高くなる場合がある。
【0025】
本発明の樹脂皮膜は、1回の塗装回数毎に、カテナリー型熱風焼付炉の中を通板させて、乾燥させ、所望の厚さになるまで繰り返すことができる。最高到達温度200℃〜280℃にて焼付時間が30秒〜120秒の条件であることが好ましい。最高到達温度が200℃未満又は焼付時間が30秒未満では、残留溶剤が多く、硬化も不十分となり、絶縁性が劣る場合がある。一方、最高到達温度が280℃を超えるか又は焼付時間が120秒を超えると、樹脂皮膜が劣化し、ピンホールが0.5個を超える可能性が高くなり、絶縁性が劣る場合がある。
【0026】
(C−5)ピンホールの制御
本発明で用いられる樹脂皮膜はピンホールがないことが好ましく、後述する測定条件におけるピンホール個数の平均値は、0.5個以下であり、好ましくは、0.1個以下であることが好ましい。ピンホール個数の平均値は、樹脂皮膜を形成したプレコートアルミニウム板を幅6cm、長さ10cmに切断し、切断面をポリエステルテープでシールし、フェノールフタレインを含有する塩化ナトリウム水溶液中につけて、12V、1分間置いた時に発生する泡の個数を計測する。同じ条件で製造したプレコートアルミニウム板から50枚サンプリングし、各々について、泡の個数を計測し、平均値を算出し、樹脂皮膜のピンホール個数とする。樹脂皮膜のピンホールが0.5個を超えると、絶縁性が劣る場合がある。1回の塗布の場合、樹脂皮膜にピンホールが認められる場合がある。膜厚を厚くするに従い、ピンホールは低減する傾向にあるが、わき等の目視外観上通常使用可能なレベルで10μm塗装し、得られた樹脂皮膜にもピンホールが認められる場合がある。前述した方法で測定すると、19個認められた。重ね塗りをすることにより、1回の塗布で生成したピンホールと重ね塗りした樹脂皮膜に生成したピンホールが樹脂皮膜の厚さ方向で繋がらなくすることにより、絶縁性を向上させることができる。このためピンホールの個数は、上述した塗装条件に加え、塗装回数によっても制御できる。塗装回数が多い程、1回の塗布で発生するピンホールどうしが、連続的に繋がる確率を低減させることができる。前述した通り、本発明で用いられる樹脂皮膜では、4回以上塗布することにより、ピンホールどうしが連続的に繋がるのを少なくし、高絶縁性を得ることができる。
【0027】
(C−6)絶縁破壊電圧
本発明で用いられる樹脂皮膜の絶縁破壊電圧はJIS C2110−1に準じて測定され、3kV〜6kVである。前述した通り,ビスフェノールA型エポキシ樹脂とメチル化尿素樹脂、又はブチル化尿素樹脂、又はフェノール樹脂とを反応させて得られる樹脂皮膜のガラス転移温度を110℃〜150℃の範囲とし、かつ、樹脂皮膜の膜厚を18μm〜46μmとすることにより、達成される。3kV未満では、自動車部品や電気・電子部品において求められる電気特性の信頼性が低下する場合があり、6kVを超えると、過剰品質となり、コストアップになる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(アルミニウム板への化成皮膜の形成)
アルミニウム板として、JIS A5052P−H34で、厚さ0.6mmのアルミニウム材を用いた。このアルミニウム板の両面に、市販のアルカリ脱脂処理液(日本ペイント社製サーフクリーナー420N−2)を60℃の温度で5秒間スプレーして脱脂処理を行った。これを水洗後、その両面に市販のリン酸クロメート処理液(日本ペイント社製アルサーフ401/45)を40℃の温度で10秒間スプレーして化成処理を行った。リン酸クロメート皮膜の皮膜形成量は、Cr量換算で30mg/mであった。
【0029】
(実施例1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂を10質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル 30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン 100質量部、イソブタノール 25質量部、n−ブタノール 25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が250℃で60秒間焼き付けて、6μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で3回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度を示差走査熱量測定にて測定した。又、試料を幅6cm、長さ10cmに切断し、切断面をポリエステルテープでシールし、フェノールフタレインを含有する塩化ナトリウム水溶液中につけて、12V、1分間置いた時に発生する泡の個数を計測した。50個の試料を採取し、泡の個数を計測し、平均値を算出し、試料のピンホールを測定した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを表1に示した。
【0030】
(実施例2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、フェノール樹脂を50質量部割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が260℃で70秒間焼き付けて5μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で3回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0031】
(実施例3)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂を15質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が245℃で70秒間焼き付けて、6μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で1回塗装し、更に、同じ塗料を3μmで2回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0032】
(実施例4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂を15質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が240℃で60秒間焼き付けて、8μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で4回塗装し、さらに6μmを1回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0033】
(実施例5)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、ブチル化尿素樹脂を15質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が260℃で50秒間焼き付けて、4μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で5回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0034】
(実施例6)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、フェノール樹脂を15質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート50質量部、高沸点ナフサ100質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が270℃で50秒間焼き付けて、4μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で3回塗装し、更に、5μmで1回塗装し、3μmで1回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0035】
(実施例7)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、ブチル化尿素樹脂を12質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル20質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン110質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が280℃で70秒間焼き付けて、6μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で4回塗装し、更に、4μmで1回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0036】
(実施例8)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、ブチル化尿素樹脂を43質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル20質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が280℃で80秒間焼き付けて、4μmとした。その上に、同じ塗料を3μmで5回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0037】
(実施例9)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、ブチル化尿素樹脂を16質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が260℃で40秒間焼き付けて、6μmとした。その上に、同じ塗料を6μmで3回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0038】
(実施例10)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、ブチル化尿素樹脂を50質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が280℃で50秒間焼き付けて、7μmとした。その上に、同じ塗料を5μmで3回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0039】
(比較例1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂を0.5質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が250℃で60秒間焼き付けて、5μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で3回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0040】
(比較例2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、フェノール樹脂を60質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル60質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が270℃で70秒間焼き付けて、4μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で4回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0041】
(比較例3)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂2質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が250℃で60秒間焼き付けて、3μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で4回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0042】
(比較例4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、フェノール樹脂を50質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル60質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が270℃で40秒間焼き付けて、10μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で5回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0043】
(比較例5)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(高純度エポキシ樹脂)100質量部に対して、ジアミノジフェルニメタンを10質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート50質量部、高沸点ナフサ100質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が280℃で120秒間焼き付けて、3μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で5回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0044】
(比較例6)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(高純度エポキシ樹脂)100質量部に対して、ジアミノジフェニルメタンを10質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート50質量部、高沸点ナフサ100質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が280℃で120秒間焼き付けて、3μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で5回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。

(比較例7)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して、メチル化尿素樹脂を4質量部の割合になるように有機溶剤180質量部(エチレングリコールモノブチルエーテル30質量部、メチルイソブチルケトンヘキサノン100質量部、イソブタノール25質量部、n−ブタノール25質量部)に分散させた塗料をロールコートで塗装し、カテナリー型熱風乾燥炉で最高到達温度が250℃で60秒間焼き付けて、6μmとした。その上に、同じ塗料を同じ条件で2回塗装し、試料を作製した。樹脂皮膜のガラス転移温度、ピンホールを実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0045】
各試料について、下記のように、絶縁性、曲げ加工性を評価した。
【0046】
<絶縁性>
試料を10cm×10cmの大きさに切断し、JISC2110−1に準じて、交流50Hz、気中で、絶縁破壊電圧を測定した。
◎:4.5kV〜6.0kV
○:3.6kV〜4.4kV
△:3.0kV〜3.5kV
×:2.9kV以下
◎、○と△を合格とし、×を不合格とした。
【0047】
<曲げ加工性>
試料の樹脂皮膜面を外側にして180度3T曲げを行い、曲げ部にセロハンテープを密着させた。次いで、セロハンテープを急激に剥離した際の剥がれ具合を観察した。評価基準は、以下の通りである。
○:剥離なし
×:剥離あり
○を合格とし、×を不合格とした。
【0048】
【表1】

【0049】
実施例1〜10ではいずれも、絶縁性、曲げ加工性が合格であった。これに対して比較例1〜7では、絶縁性、曲げ加工性の少なくともいずれかが不合格であった。
比較例1は、樹脂皮膜のガラス転移温度が110℃未満の為、絶縁性が不合格であった。
比較例2は、樹脂皮膜のガラス転移温度が150℃を超え、曲げ加工性が不合格であった。
比較例3は、膜厚が18μm未満で、絶縁性が不合格であった。
比較例4は、膜厚が46μmを超え、曲げ加工性が不合格であった。
比較例5、6は、樹脂皮膜のガラス転移温度が150℃を超え、曲げ加工性が不合格であった。
比較例7は、樹脂皮膜のガラス転移温度が110℃未満で、絶縁性が不合格であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に化成皮膜と、樹脂皮膜とを積層形成させたプレコートアルミニウム板であって、上記樹脂皮膜はビスフェノールA型エポキシ樹脂と、メチル化尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種とを反応させたものであり、膜厚は18μm〜46μmであり、ガラス転移温度は110℃〜150℃であり、絶縁破壊電圧が3kV〜6kVであることを特徴とする高絶縁性プレコートアルミニウム板。
【請求項2】
樹脂皮膜がフェノールフタレインを含有する食塩水中に浸漬させて、12Vの電圧を1分間印加した時に発生するピンホールが、50箇所測定時の平均値0.5個以下であることを特徴とする請求項1に記載の高絶縁性プレコートアルミニウム板。

【公開番号】特開2013−79409(P2013−79409A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218803(P2011−218803)
【出願日】平成23年10月1日(2011.10.1)
【出願人】(000107538)古河スカイ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】