説明

高血圧症と血清高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症の治療又は予防のための薬剤

【課題】成人病の危険因子の高血圧症と高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複を予防し、或は治療するための薬剤を提供する。
【解決手段】2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩(一般名プラトサルタン)を有効成分とする高血圧症と血清高尿酸血症及び/又は高コレステロール症の治療又は予防のための薬剤である。プラトサルタンと、スルホンアミド系利尿剤、フェノキシ酢酸系利尿剤、チアジド系利尿剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の利尿剤とを組み合わせてもよい。また、プラトサルタンと、スタチン類、フィブラート類、コレステロール吸着剤、コレステロール吸収阻害剤及びコレステロール異化排泄促進剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の脂質低下剤とを組み合わせてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高血圧症と血清高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症の治療又は予防のための薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、成人病の予防、治療について種々の研究がなされている。成人病の危険因子としては、高血圧症、高コレステロール症、糖尿病、肥満、血清高尿酸血症が挙げられている。そして、これらの危険因子が二つ以上重複すると死亡率が急激に増加することが知られている。また、この危険因子の重複の中で、高血圧症と高尿酸血症との重複、並びに高血圧症と高コレステロール症との重複は頻度が高いことが知られている。
【0003】
従来から、高血圧症の治療にはアンギオテンシンII受容体拮抗剤が広く使用されている。そして、アンギオテンシンII受容体拮抗剤の降圧効果の二次的作用或は間接作用として動脈硬化進展抑制作用があることが動物実験などで知られている。しかし、いずれのアンギオテンシンII受容体拮抗剤についても、血中のコレステロール値を直接低下させたり、LDLを直接低下させることは未だ報告されていない。本発明で用いる、2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン(一般名:プラトサルタン)が、アンギオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧症や心不全の治療に有効であり、また眼圧低下に有効であることは知られている(特許文献1)。
【0004】
血圧降下の目的で、アンギオテンシンII受容体拮抗剤と並んで臨床の場で汎用されている利尿剤の多くは、それ自身で尿酸値を上昇させる作用があることは古くから知られ、スルホンアミド系利尿剤やチアジド系利用剤が血清中の尿酸値を上昇させることが報告されている(非特許文献1)。また、一部のアンギオテンシンII受容体拮抗剤もまた尿酸値を上昇させるか、又は全く尿酸排泄作用がないことが報告されている(非特許文献2、3)。それにもかかわらず従来のアンギオテンシンII受容体拮抗剤と利尿剤との併用はその確実な降圧作用のため欧米及び日本において重要な治療法になっている(特許文献2、3)。高血圧治療ガイドラインでは、高血圧症の尿酸値については、降圧剤の選択に際しては、少なくとも血清尿酸値を上昇させない降圧剤が望ましいとしており(非特許文献4)、この尿酸値の上昇の観点から、従来のアンギオテンシンII受容体拮抗剤と利尿剤との併用には問題がある。このような状況下で、尿酸値を低下し得るアンギオテンシンII受容体拮抗剤が望まれ、またその単独投与或は利尿剤との配合剤の投与が臨床で望まれている。
【0005】
また、高用量のサイアザイド系利尿剤やループ利尿剤は血清総コレステロール、中性脂肪及びLDLコレステロールを上昇させることが知られている(非特許文献4)。高コレステロール症については時として単剤では十分なコレステロール低下効果が得られない場合が知られており、このような場合には、一般の臨床の場では複数のコレステロール剤の配合使用が行なわれている。
【0006】
【特許文献1】特許第2707390号公報
【特許文献2】国際公開第89/6233号パンフレット
【特許文献3】特開平3−27362号公報
【非特許文献1】ジョエル・ハードマン(Joel G.Hardmann)外2名著、「ザ・ファーマコロジカル・ベーシス・オブ・セラピューティクス(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」第10版、マックヒルカンパニーズ(米国)、2001年、第757−787頁.
【非特許文献2】齋藤誠外7名、「正常腎機能患者におけるアンジオテンシンII受容体拮抗薬の血清尿酸値への影響」、臨床薬理、2003年3月、第34巻、第2号、第37−42頁
【非特許文献3】「ジャーナル・オブ・ハイパーテンションズ(Journal of Hypertens)」、2001年10月、第19巻、第10号、第1855−1860頁
【非特許文献4】日本高血圧学会高血圧症治療ガイドライン作成委員会著、「高血圧治療ガイドライン2000年版」、第1版、日本高血圧学会、2000年6月30日、第55−58頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、成人病の危険因子の重複発症の中で、頻度が高い高血圧症と高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症を治療し、或は予防するための薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、アンギオテンシンII受容体拮抗剤の一種である2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン(一般名:プラトサルタン)の研究中に、動物実験及び臨床試験により、この化合物が血圧降下作用の外に、尿酸値低下作用並びに脂質低下作用(コレステロール低下作用、LDL低下作用)があることを新たに見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩を有効成分とする、高血圧症と血清高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症の治療又は予防のための薬剤である。
【0010】
また、本発明は、2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩と、利尿剤とを有効成分とする高血圧症及び血清高尿酸血症の重複発症の治療又は予防のための薬剤である。上記の利尿剤としては、スルホンアミド系利尿剤、フェノキシ酢酸系利尿剤、チアジド系利尿剤、トリアムテレン、アミロリド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム及びトラキサノクスナトリウムから選ばれた1種又は2種以上の利尿剤が好ましい。また、上記の利尿剤は、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、エチアジド、シクロチアジド、ベンドロフルメチアジド及びヒドロフルメチアジドからなる群から選択されるチアジド系利尿剤が好ましい。
【0011】
また、本発明は、2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩と、脂質低下剤とを有効成分とする高血圧症及び高コレステロール症の重複発症の治療又は予防のための薬剤である。上記の脂質低下剤は、スタチン類、フィブラート類、コレステロール吸着剤、コレステロール吸収阻害剤及びコレステロール異化排泄促進剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の脂質低下剤が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の薬剤は、成人病の危険因子の重複発症の中で、頻度が高い高血圧症と高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症を治療し、或は予防するための薬剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
プラトサルタンは、単独で、或いはこれを適宜の薬理学的に許容される賦形剤や希釈剤等と混合し、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又はシロップ剤等の経口剤的に、もしくは坐剤等の非経口的に投与する。その投与量は、症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合にはプラトサルタンとして下限1mgから上限1000mgの間で変化し得る。1日の投与回数は1から5回である。
【0014】
プラトサルタンは、血中の尿酸値を低下させる作用があり、血中の尿酸排泄促進剤、尿酸低下剤として有用である。また、プラトサルタンは血圧降下作用があるため、高尿酸血症と共に高血圧症の改善が期待でき、高血圧を伴う高尿酸血症の予防又は治療に有用である。更に、プラトサルタンは、血中のコレステロールを低下させる作用があり、血中のコレステロールの脂質低下剤として有用である。また、プラトサルタンは血圧降下作用があるため、高脂血症又は動脈硬化症と共に高血圧症の改善が期待でき、プラトサルタンは高血圧を伴う高脂血症及び高血圧を伴う動脈硬化症の予防又は治療に有用である。
【0015】
また、プラトサルタンは利尿剤と組み合わせて使用することができる。利尿剤、殊にスルホンアミド系利尿剤やチアジド系利尿剤は血圧降下作用がある反面、血中の尿酸値を上昇させる副作用がある。一方、従来のアンギオテンシンII受容体拮抗剤の多くが血清中の尿酸値を上昇させる。そのため、利尿剤と従来のアンギオテンシンII受容体拮抗剤との併用は困難とされている。ところが、プラトサルタンは、血中の尿酸値を低下させる作用があるという利点があり、したがって利尿剤と併用することにより、血中の尿酸値の上昇を抑制して利尿剤の血圧降下作用を発揮させることができる。しかも、プラトサルタン自体も血圧降下作用があるため、利尿剤との併用によって、相乗的な血圧下降作用を示す。プラトサルタンと利尿剤との併用は、高血圧症、高尿酸血症を伴う高血圧症、及び心血管系疾患の予防或いは治療薬として期待できる。また、高用量のサイアザイド系利尿剤やループ利尿剤は血清総コレステロール、中性脂肪及びLDLコレステロールを上昇させることが知られている(非特許文献4)が、プラトサルタンの血中コレステロール低下作用により、この支障も軽減できる。
【0016】
使用される利尿剤はスルホンアミド系利尿剤、フェノキシ酢酸系利尿剤、チアジド系利尿剤などである。また、これらの利尿剤のうち、特にスルホンアミド系利尿剤及びチアジド系利尿剤は血中尿酸を上昇させる副作用を有するが、プラトサルタンと組み合わせて併用することにより、これらの利尿剤の副作用である血中尿酸の上昇作用を軽減できる。
【0017】
上記のスルホンアミド系利尿剤としては、アセタゾラミド、メタゾラミド、エトクスゾラミド、クロフェナミド、ジクロルフェナミド、ジスルファミド、メフルシド、クロルタリドン、キネタゾン、フロセミド、クロパミド、トリパミド、インダパミド、クロレキソロン、メトラゾン、キシパミド、ブメタニド又はピレタニド等が挙げられる。また、上記のチアジド系利尿剤としては、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、エチアジド、シクロチアジド、ベンドロフルメチアジド又はヒドロフルメチアジドが挙げられる。また、フェノキシ酢酸系利尿剤としては、エタクリン酸、チエニル酸、キンカルバート又はインダクリノン等が挙げられる。その他の利尿剤として、トリアムテレン、アミロリド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム又はトラキサノクスナトリウム等が挙げられる。好適な利尿剤はチアジド系利尿剤であり、更に好適にはヒドロクロロチアジドである。
【0018】
本発明において、プラトサルタンと利尿剤とを組み合わせて使用する場合、プラトサルタンと利尿剤との比率は大幅に変わりうるが、質量比で1:500から500:1の範囲内が適当である。プラトサルタンと利尿剤とを組み合わせて、特に副作用が発現しない低用量同士の使用によって、相乗的に血圧を低下させることができる。
【0019】
また、プラトサルタンと、従来の脂質低下剤とを組み合わせて使用し脂質低下作用をより一層発揮させることができる。プラトサルタン自体も血圧降下作用があるため、プラトサルタンと脂質低下剤とを組み合わせて使用することによって、高血圧症や高脂血症に代表される生活習慣病とそれらの重積によって生じる心血管障害の予防と治療が期待できる。この従来の脂質低下剤は、スタチン類、フィブラート類、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール吸着剤及びコレステロール異化排泄促進剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の脂質低下剤である。上記のスタチン類としてはアトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ピパバスタチン等が挙げられる。フィブラート類としてはクリノフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラート、ペノフィブラート、ベザフィブラート等が挙げられる。コレステロール吸収阻害剤としてはエゼチミベ、ソイステロール等が挙げられる。コレステロール吸着剤としてコレスチミド、コレスチラミン等が挙げられる。コレステロール異化排泄促進剤としてはプロブコール等が挙げられる。
【0020】
プラトサルタンと従来の脂質低下剤とを組み合わせて使用する場合、プラトサルタンと従来の脂質低下剤との比率は大幅に変わりうるが、質量比で1:500から500:1の範囲内が適当である。プラトサルタンと従来の脂質低下剤との組合せ、特に副作用が発現しない低用量同士の使用によって、血清脂質のレベル、特にLDLのレベルを高脂血症診療ガイドライン(日本動脈硬化学会,1997年)で示されている治療目標値まで低下させることができる。
以下に及び実施例(試験例)を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
尿酸排泄促進作用は、フェノールレッドの血中消失遅延を指標として評価した。すなわち、6週齢のSD系雄性ラットに、0.5%メチルセルロース(MC)、プラトサルタン30mg/kg或いは100mg/kgを経口投与し、その3時間後にフェノールレッド75mg/kgを静脈内投与した。フェノールレッド投与1時間後にエーテル麻酔下に腹部大動脈より採血し、血清中のフェノールレッド量を測定した。プラトサルタンを投与しない対照の血清中のフェノールレッド量を100%として、プラトサルタン投与によるフェノールレッド血中消失遅延率を尿酸排泄促進率(%)として評価した。表1に、群構成と、被験物質及びその投与量と、尿酸排泄促進率(平均値±標準誤差)を示す。表1から明らかなように、プラトサルタンは尿酸排泄促進作用を示した。
【0022】
【表1】

【実施例2】
【0023】
軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象に試験を実施した。高尿酸血症を合併している17名に対してプラトサルタンを投与し、投与前と投与最終日の血清尿酸値(mg/dL)(平均値±標準偏差)を調べた。その結果を表2に示す。なお、プラトサルタンは40〜160mg/日を、4週間間隔で、降圧効果不十分な場合には増量する漸増法にて経口投与した。
【0024】
【表2】

【実施例3】
【0025】
20週齢の雄性SHR(Spontaneously hypertensive rat、SPFグレード、生産元;(株)星野試験動物飼育所:高血圧自然発症ラット)の収縮期血圧をTail cuff法により測定し、収縮期血圧の平均値が均一となるように4群(各群例)に動物を分けた。0.5%メチルセルロース(MC)、又は被験物質を0.5%メチルセルロースに懸濁した液を1日1回28日間経口投与し、投与開始前及び投与第1、7、14及び28日目の投与5時間後に収縮期血圧を測定した。表3に群構成と被験物質及びその投与量を示し、また測定結果である血圧測定値(mmHg)(平均値±標準誤差)を表4に示す。なお、被験物質は、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)、プラトサルタン、及びHCTZとプラトサルタンとの併用であり、HCTZは10mg/kg、プラトサルタンは3mg/kgとなるように投与し、投与液量はいずれも2mL/kgとした。プラトサルタンを併用することにより利尿剤HCTZの血圧下降作用を相乗的に増強した。
【0026】
【表3】

【0027】
【表4】

【実施例4】
【0028】
6週齢のSD系雄性ラットに1%コレステロール及び0.5%コール酸含有固型飼料を摂餌させ、同時にプラトサルタン0.3mg/kg或いは3mg/kgを1日1回、8週間経口投与した。最終投与の24時間後に、エーテル麻酔下で腹部大動脈より採血し、血清中の総コレステロール及びLDLコレステロールを測定した。その結果をそれぞれ図1及び図2に示す。
【実施例5】
【0029】
軽症の本態性高血圧症患者及び中等症の本態性高血圧症患者107名にプラトサルタン40〜160mg/日を、4週間間隔で降圧効果不十分な場合に増量する漸増法にて経口投与した。各患者におけるプラトサルタン投与前と投与最終日の血清総コレステロール値を比較した。全症例の結果を表5に示す。また、一部の患者は、プラトサルタンと従来から知られている脂質低下剤を併用した。併用した他の脂質低下剤の一般名、投与量、人数は次のとおりである。すなわち、プラバスチン(10mg/日;3名)、シンバスタチン(5mg/日;3名)、セリバスタチン(0.15mg/日;2名)、フルバスタチン(20mg/日;1名)、アトルバスタチン(5mg/日;1名)、フェノフィブラート(150mg/日;1名)、プロブコール(500mg/日;1名)である。他の脂質低下剤の併用ありの群及び併用なしの群に分類したときの結果を表6、表7に示した。表6は併用あり、表7は併用なし場合の結果を示す。なお、数値は平均±標準偏差で示した。
【0030】
【表5】

【0031】
【表6】

【0032】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】血清中の総コレステロールの測定結果を示すグラフ
【図2】LDLコレステロールの測定結果を示すグラフ
【符号の説明】
【0034】
Aはプラトサルタンを投与しないときのコレステロールの測定値
Bはプラトサルタン0.3mg/kg投与したときのコレステロールの測定値
Cはプラトサルタン3mg/kg投与したときのコレステロールの測定値


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩を有効成分とする、高血圧症と血清高尿酸血症及び/又は高コレステロール症との重複発症の治療又は予防のための薬剤。
【請求項2】
2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩と、利尿剤とを有効成分とする、高血圧症及び血清高尿酸血症の重複発症の治療又は予防のための薬剤。
【請求項3】
利尿剤が、スルホンアミド系利尿剤、フェノキシ酢酸系利尿剤、チアジド系利尿剤、トリアムテレン、アミロリド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム及びトラキサノクスナトリウムから選ばれた1種又は2種以上の利尿剤である請求項2記載の高血圧症及び血清高尿酸血症の重複発症の治療又は予防のための薬剤。
【請求項4】
利尿剤が、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、エチアジド、シクロチアジド、ベンドロフルメチアジド及びヒドロフルメチアジドからなる群から選択されるチアジド系利尿剤である請求項2記載の高血圧症及び血清高尿酸血症の重複発症の治療又は予防のための薬剤。
【請求項5】
2−プロピル−3−{〔2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル}−5,6,7,8−テトラヒドロシクロヘプタイミダゾール−4(3H)−オン或いはそのプロドラッグ又はその塩と、脂質低下剤とを有効成分とする、高血圧症及び高コレステロール症の重複発症の治療又は予防のための薬剤。
【請求項6】
脂質低下剤が、スタチン類、フィブラート類、コレステロール吸着剤、コレステロール吸収阻害剤及びコレステロール異化排泄促進剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の脂質低下剤である請求項5記載の高血圧症及び高コレステロール症の重複発症の治療又は予防のための薬剤。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−8549(P2006−8549A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184906(P2004−184906)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(592086318)壽製薬株式会社 (24)
【Fターム(参考)】