説明

鮮明さを付与する組成物および方法

第1の色を反射する第1の不溶性粒子、第2の色を反射する第2の不溶性粒子、第3の色を反射する第3の不溶性粒子を含む光沢上昇システムが約0.1%〜約20%と、皮膜形成剤約0.001%〜約5%と、皮膚科学的に許容可能な担体を含むリーブオンヘアケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の毛髪に鮮明さを付与する組成物および方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
光と毛髪の干渉は一般に、毛幹の外面および内面での反射によって決まる。毛幹の外面は、角皮細胞と呼ばれる平らなプレート様細胞を含む。角皮細胞は、重なり合った状態で並び板ぶき屋根の様な外見をもたらし、健康で未処置の毛髪では非常に整頓された状態で存在している。この模様により回折および干渉効果が生じ、鮮やかなスペクトルの7色をもたらすことが可能となる。一連の色は、個々の色の点として現れ、自然光が毛髪と干渉する際に「スイッチが入る」ように見える。色は、(裸眼若しくは拡大器具を用いて)近くで観察することによって検出でき、きらめきを発することができる。離れると、再度色が混ざりあい、全体的に輝く白っぽい反射が生じる。健康で未処置の毛髪は従って、光を当てた際に明るい7色の輝きを示す。
【0003】
重なり合った角皮細胞により作られる天然ミクロ構造が損傷したり覆われたりした場合、毛髪は艶がなく不健康になる可能性がある。例えば、櫛でとかすなど、物理的摩擦、漂白およびパーマなどの化学処理など、様々な原因によって損傷が生じる可能性がある。天然ミクロ構造が、皮脂、または、例えば、シャンプー、コンディションングおよび/もしくはスタイリング製品を介して毛髪に塗布する物質で部分的に覆われると、その光干渉性の一部を失う場合もある。染料やその他従来の浸透着色剤で着色されている毛髪では、望ましくないことに、時間とともに艶の減少が起こる場合もある。消費者は数週間または数か月に一度半永久的な毛髪着色を行う場合があり、その着色処理の合間に明度または彩度が弱まり、毛髪の艶がなくなる原因となる。従って、健康で未処置の毛髪、および/または着色したての毛髪の外観が毛髪に備わるように、毛髪に鮮明さを付与するヘアケア組成物に対するニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光の干渉を調節し、それによりケラチン性組織の外観を向上させる1つの方法は、粒子状物質を用いることである。干渉顔料など様々な粒子状物質は、パーソナルケア組成物、例えば、化粧品およびスキンケア組成物で、欠点を隠したり、より均一な皮膚の色合いをもたらすために用いられている。しかし、粒子状物質を毛髪へ適用するには多少難点がある。毛髪には、プラチナブロンドから漆黒に至る広範囲の色調が1つ以上含まれていると思われる。従って、組成物を適用する根底の基材は、さらに変化に富んでおり、所望の効果を得られるように適切な色、若しくは色の組み合わせを選択するのはさらに難しい。これに加えて、理論に縛られるつもりはないが、粒子状物質を含む組成物を皮膚に塗布すると、その粒子が粒塊または「積み重ね体」となる場合がある。これは、皮膚にとっては必ずしも問題ではなく、実際は望ましい「マスキング」効果を提供するのに役立つ場合があるのに対して、粒子の粒塊化は、実際には毛髪の外観の艶をなくす場合がある。上述のように、毛髪と皮膚の構造に違いがあるため、単層を形成し、毛幹に対して適切に整列する粒子が望ましい。これにより、特に動きを伴う際に、鮮明さを付与する光との干渉を可能にする。従って、毛髪に鮮明さを付与する粒子状物質の混合物を含むヘアケア組成物を提供する更なるニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、光沢向上システムと、皮膜形成剤を含む皮膚科学的に許容可能な担体を含むリーブオンヘアケア組成物を提供することによって、前述のニーズを満たす。前記光沢向上システムは、少なくとも3つの不溶性粒子を含む。少なくとも3つの光沢向上システムを含む組成物は、毛髪に塗布すると、自然な輝きと色の増強をもたらすことができると本出願人は考えている。例えば、可視スペクトル全域にわたる幅広い色、場合によっては緑、更には青を含む色を有する不溶性着色剤(例えば反射顔料)を混ぜ合わせることにより、明るくはあるものの予想以上に自然な輝きを実現することができ、一方で、艶のなさ、けばけばしさ、および、退色を減少させる。本出願人は、理論によって制限されることなく、様々な角度に向いた毛髪に付着するこの種の着色剤の鏡様特性により、健康で未処置の毛髪上で、光が輝く感じに似たきらめき特性が生じると考える。更に、顔料の色を選択する際に、多くの識別可能な色相を用いることで、この自然な輝き効果の視認性が高まる。色の範囲が十分に広い場合にプリズム効果を得られ、近くで観察すると様々な色が見えるが、離れると混ざって輝く白っぽい輝きを示す。これは、健康で未処置の毛髪に対する太陽光の効果に似ており、従って非常に望ましい。本出願人は更に、鮮やかな毛髪は、複数の色、および/または、その結果生じるコントラストにより複雑かつ多次元であり、従って、1つまたは2つの着色剤(可溶性または不溶性)しか含まれていない組成物を毛髪に塗布しても、必ずしも鮮明さを付与しないであろうと考える。
【0006】
以下では、本発明のいくつかの非限定的実施形態について説明する。
本発明の第1の実施形態によると、第1の色を反射する第1の不溶性粒子、第2の色を反射する第2の不溶性粒子、第3の色を反射する第3の不溶性粒子を含む光沢向上システムが約0.1%〜約10%と、皮膜形成剤が約0.001%〜約5%と、皮膚科学的に許容可能な担体を含むリーブオンヘアケア組成物を提供する。
【0007】
本発明の第2の実施形態によると、哺乳類の毛髪に鮮明さを付与する方法であって、第1の実施形態によるリーブオン組成物を毛髪に塗布する工程から成る方法を提供する。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態によると、第1の実施形態による少なくとも1つの組成物、少なくとも1つの更なるヘアケア組成物、および、ヘアトリートメント法に応じた組成物の使用説明書から成るキットを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書は、本発明を特に指摘するとともに明確に特許請求している特許請求の範囲をもって結論づけられているが、本発明は以下の説明によってさらに深く理解されると考えられる。本発明の組成物は、リーブオンコンディショナー、スタイリング製品、ムース、ジェル、および、これらの組み合わせ(これらに限らない)など、様々なリーブオン製品の形状にしてよい。
【0010】
本発明のすべての実施形態において、特に記載のない限り、百分率はすべて総組成物の重量による。特に記載のない限り、すべての比は重量比である。全ての範囲は、包括的且つ結合可能である。有効数字の数は、表示されている量を限定するものでもなく、測定値の精度を限定するものでもない。特に別の記述がない限り、全ての数量は「約」という語句によって修飾されるものと理解する。全ての測定は、25℃および周囲条件で行うものと理解し、この場合、「周囲条件」とは約1気圧および相対湿度約50%での条件を意味する。列挙する成分に関連するこのような全ての重量は、活性レベルに基づき、且つ特に指定のない限り、市販の物質に含まれている場合があるキャリアや副生成物は含まない。
【0011】
本明細書では、「リーブオン」とは、毛髪を乾かす(加熱、ブロー乾燥、櫛でとかす、カール、ないしは別のスタイリング工程を含む)前に任意の残留組成物をすすぐ必要がないことを意味する。
【0012】
本明細書では、「鮮明さを上昇させる」は「鮮明さの上昇」は、標準視力(視力1.0)(非矯正または矯正)を有する観察者が、本発明の組成物で処理した基材を10cm以下の距離から観察し、基材に光を当てた場合に、色(すなわち、色相、彩度、および/または、明度の点での色)が均一ではない、特徴的に輝く対象物を識別でき、観察者が観察角度を変えた場合に輝きやきらめきを示すように、本発明の組成物が基材(例えば毛髪)に複雑な輝きを付与することを意味する。処理した基材(基材自体または基材の画像)を拡大(例えば約10倍に)すると、異なる色(色相、彩度、および/または明度の変化)が、主観的に識別され、かつ互いに対比されることが可能であり、画像解析ツールを用いて色空間(例えば、RGBまたはHSI)内に客観的に特定できる。「鮮明さの上昇」には、毛髪色の強調、輝きの増加(または向上)、ハイライトの付与(例えば、周りの毛髪よりも明るい色の毛髪の束)、認識された毛髪色の変更、光度の増加(グレースケールの輝き)、彩度の増加、および、色相、コントラスト、および/またはきらめき(すなわち、光、毛髪、または観察者の動きによる構成要素色点の点滅)の変化の誘導のうち、1つ以上が含まれるものと理解する。
【0013】
本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能な担体」とは、この担体が、ケラチン組織に対するリーブオンヘアケア組成物の局所適用に適しており、本発明の光沢向上システムおよび任意の他の構成成分と適合性があり、安全性の問題または毒性の心配の原因とならないことを意味する。
【0014】
種々の色モデルおよび色空間を用いて対象物の色を描写することができるが、これらは当業者には既知であろう。色を測定し描写する方法の1つは、ジョン・C・ラス(John C. Russ)著、「画像処理ハンドブック(The Imaging Processing Handbook)」第4版(CRCプレス(CRC Press)、2002年)に記載されている。各色モデル/色空間は、白色度、色相、および、彩度について数値で示される3つの要素を含む。色を描写するのに適している1つの色モデル/色空間は、HSI色モデルであり、このモデルでは、色相(「H」)、彩度(「S」)、および、明度(「I」)の特性を色の描写に用いる。HSIは、2つの円錐の底部を並べて末端部をつなぎ、頂点が逆方向になるよう配置したものとして、視覚的に描写できる。HSIは、円筒座標で表される。並置した円錐を貫く軸線は明度に関するものであり、一方の頂点が白(座標1,0)を表わし、もう一方の頂点が黒(座標0,0)を表わす。円錐半径、または明度軸から放射状に伸びる範囲は彩度に関するものであり、0から1まで変化する。Sが0の時に無彩色となる。色相はベクトル角によって表し、一般的に、赤では色相角が0°〜30°および310°〜360°、黄色では色相角が40°〜90°、緑では色相角が70°〜160°、青では色相角が160°〜270°の範囲内に収まる。
【0015】
本明細書で使用する時、「異なる色」、「異なる色合い」、および、「異なる色の濃さ」という表現は、ある色相角における明度および/または彩度の変化、および/または色相角の変化を認知できることを意味する。色または色合いの相違は、明度または彩度が少なくとも約1%変化した場合、もしくは、色相角が少なくとも約1°変化した場合に認知できると考えられる。
【0016】
本明細書で使用する時、「色系」は、HSI色空間に従った特定の色相角の範囲内の全ての色を意味する。赤色系では一般的に、色相角が0°〜30°および310°〜360°の範囲内に収まる。黄色系では一般的に、色相角が40°〜90°の範囲内に収まる。緑色系では一般的に、色相角が70°〜160°の範囲内に収まる。そして青色系では一般的に、色相角が160°〜270°の範囲内に収まる。
【0017】
本明細書で使用する時、「光沢向上システム」は、3つ以上の別個の不溶性粒子の混合物を意味し、ここで「別個」とは、個々に明確に異なるものを意味すると理解する。例えば、染料および可溶性着色剤は、明確に異なるものではないものと理解する。
【0018】
本明細書で使用する時、「反射する」または「反射」とは、光と、光を当てた側面/表面から光が出る物質の干渉を意味する。「透過する」または「透過」とは、光と、光が通過する物質の干渉を意味する。本明細書で使用する時、特に定めのない限り、「反射する」には、反射、および透過の両方が含まれるものと理解する。
【0019】
本明細書で使用する時、「透過する」または「透過」とは、光と、光を当てた側面から間隔をあけた側面/表面から光が出る物質の干渉を意味する。
【0020】
本明細書で使用する時、「不溶性粒子」または「不溶性着色剤」は、皮膚科学的に許容可能な担体中に溶解できないか、または、不完全に溶解する固体物質を意味する。
【0021】
本明細書で使用する時、「吸収顔料」とは、ある光波長の吸収により呈色し、それ以外の波長では呈色しない着色剤を意味する。このような顔料を通して反射するか、または、透過して見える光は、色を有し、その色は、顔料と光の干渉形状に必ずしも依存するわけではない。
【0022】
本明細書で使用する時、「非吸収顔料」とは、顔料と光の干渉形状により呈色する着色剤を意味する。このような顔料は、発色に必要な幾何学的基準に合致しない状況において、光を当てた場合に白またはほぼ無色に見えることがある。
【0023】
本明細書で使用する時、「反射顔料」とは、(透過よりも)反射によりその存在が引き出される着色剤を意味し、また典型的には正反射的に光を反射し、それにより、輝かしさ(艶、光沢、またはある状況下では輝きともいう)が現れる。これらの顔料は、吸収性または非吸収性であってよいが、典型的には、反射顔料という用語は吸収顔料を表わすのに用い、非吸収性、または、吸収性および非吸収性の両方の顔料を表わすには、より限定的な用語(例えば干渉顔料)を用いる。
【0024】
本明細書で使用する時、「角度彩色性(goniochromatic)材」とは、見る角度に応じて2色以上の色を反射または透過することのできる任意の材料を意味する。
【0025】
本明細書で使用する時、「発光顔料」とは、ある範囲の波長を吸収し、別の範囲の波長の光を発する顔料を意味する。蛍光顔料やリン光顔料が発光顔料の例である。
【0026】
測定方法
様々な画像解析法を用いて、本発明の組成物で処理した基材を評価することができる。画像解析は、通常、画像収集工程と、それに続く1つ以上の分析工程を含む。本発明の組成物で処理したヘアピースを評価するための1つの画像解析法は、以下の工程を含む。フレックスプロダクツ社(Flex Products, Inc.)のダイレクトビューア ゴニオメーター(Direct Viewer Goniometer)のピープホールビューアを、搭載したデジタルカメラに変更し、照明振りアーム上の光ファイバーレンズアセンブリを、ビームプローブ用取り付け台(すなわち、光ファイバー集束レンズアセンブリ)に変更して、一部改良する。フィルターに搭載されているキセノンアークランプを用いて、400〜700ナノメートルの範囲外の光を遮断し、光源とする。光源の部品はすべて、ニューポートストラトフォード社(Newport Stratford, Inc.)から市販されている。液体光ガイドを用いて、ランプをビームプローブレンズアセンブリにつなぐ。約32cmの距離から、毛髪上に光の焦点を合わせる。NDフィルム(透過率25%)をビームプローブの出射孔の上部に貼り、カメラを使って高品質画像が得られるように、光の明度を低くする。改良ビューア台の上へデジタルカメラ(例えば、100mmマクロレンズ付き、キャノン(Canon)イオス−1 DsマークII(EOS-1 Ds Mark II))を取り付ける。10グラムのヘアピースを金属プレート下部に垂直に取り付け、中央部の直径40mmの穴を通してサンプルを確認でき、根元を上にした状態で毛髪がプレート下部に横たわるようにする。サンプルホルダーを、カメラアングル(これを視野角とする)に対して20°傾いた位置で固定する。デジタルカメラのファイヤーワイヤーケーブルを、イオスビューアユーティリティ(EOS Viewer Utility)というソフトウェアを実行しているコンピューター(マイクロソフトXP(Microsoft XP)プラットフォーム)につなぐ。シャッタースピード1/160、絞り値4.0、および、ISO感度400として、露出をマニュアルに設定する。1枚目の画像取り込みには、光源の照射角度を25°に設定し、続いて各画像取り込みごとに、1°ずつ65°まで増加させる(合計41枚)。イオスキャプチャー(EOS Capture)モジュールを用いて、ビューア(Viewer)というソフトウェアに画像を取り込む。
【0027】
画像解析工程は、任意の市販のソフトウェアパッケージを用いて実施できる。フォビアプロ(Fovea Pro)4.0(レインディアグラフィックス(Reindeer Graphics))というプラグインを導入したフォトショップ(Photoshop)(例えば、バージョン6.0またはバージョンCS)が、画像解析に適した代表的なソフトウェアパッケージである。収集した画像から、多くの光学パラメータを解析できる。そのようなパラメータの1つが、積算濃淡度(integrated grey value(IGV))である。IGVは、オプティマス(Optimas)というプログラムと連動する標準的な測定ツール内に見られる計算値である。計算を行うために、測定エリア内の全ての画素を抽出し、各濃淡レベル(明度値)とそのレベルにおける画素数を乗じ、結果を合計する。フォビアプロ(Fovea Pro)入りフォトショップ(Photoshop)で、各画像同一サイズのサンプリング領域を選択し、IPメジャーグローバル(IP Measure Global)>ヒストグラム(Histogram)というプラグインを用いて、各明度のビンにおける画素数がカラムに入力されたテキストファイルを得る。マイクロソフトエクセル(Microsoft Excel)を用いてこれらテキストファイルを開き、明度値の乗算および加算を行い、計算されたIGV値を別の位置にコピーしてそれらをプロットし、各サンプル画像が得られた角度範囲における相対的輝かしさについての曲線を得る。
【0028】
処理後および未処理のヘアピースのIGV値比較が可能である。対照に対するIGV値の上昇とは、90%の信頼水準における統計学的に有意な全ての上昇とする。好ましい実施形態では、処理後のヘアピースのIGV値は、未処理の対照の値よりも10%以上上昇する。
【0029】
健康で未処置の毛髪、または、本発明の組成物で処理した毛髪が、日光(または人工光)で照らされた際に起こりうる色鮮やかなプリズム効果は、接近すると(例えば10cm以内)小さい点(スポット、ドット、ピクセル)として見える。毛髪上の光の動きに応じ、これらの色が出現したり消えたりするのを測定するには、ポイントごとの変化を測定することによって行うことができる。これを行うために、フォビアプロ(Fovea Pro)を含むフォトショップ(Photoshop)のIPメジャーグローバル(IP Measure Global)>プロファイル(Profiles)というプラグインを用いて、41枚の各画像における同一の単一画素線を評価することができる。このツールにより、ある照射角度における線上各画素のRGB値が入力されている測定毎のテキストファイルができる。マイクロソフトエクセル(Microsoft Excel)の標準的な換算式を用いて、これらのRGB値をL*a*b*値に変換できる。連続画像上の同一画素におけるL*a*b*値の差を用いて、ΔL、Δa、およびΔb値を得ることができ、これらを更に、ΔE(これら3つの値の平方の和の平方根)の算出に用いる。線上の全画素におけるΔE値の和が、その1対の照射角度における累積値であり、一連の画像(40枚の値)の連続照射対における累積値のプロットが、毛髪上を光が動く際に起こる色調変化のプロットとなる。近似曲線(例えば、エクセル(Excel)の標準的な3次多項式傾向線、もしくはガウス近似ツールを用いて)により、サンプル間のΔEの傾向差を示すことができる。対照と処理後ヘアピースを比較することにより、好ましくは、各画素比較におけるΔEが少なくとも1であることが示され、累積ΔEは従って、測定した画素数以上となるであろう。
【0030】
光沢向上システム
本発明の組成物は、1つ以上の不溶性粒子を含む光沢向上システムが、約0.1%〜約10%、または、約0.5%〜約8%、または、約0.1%〜約5%、および、この代わりに約0.1%〜約2%含まれている。不溶性粒子の粒径は約1ミクロン〜約150ミクロン、または、約1ミクロン〜約100ミクロン、または、約1ミクロン〜約50ミクロン、および、この代わりに約5ミクロン〜約25ミクロンにしてよい。ある1つの実施形態では、光沢向上システムには実質的に染料が含まれていない(実質的に含まないとは、含量が0.001%未満であるものと理解する)。
【0031】
不溶性粒子は、単色の可視光線を反射にしてよく(ここでは「単色不溶性着色剤」とする)、または、角度彩色性(goniochromatic)着色剤にしてよい。単色とは、本明細書で定義したように、赤色、黄色(金色も含まれると理解する)、青色、または、緑色系内の色にしてよい。
【0032】
代表的な単色不溶性着色剤としては、1つ以上のコーティング材で少なくとも部分的にコーティングされている1つ以上のコア材を含む被覆粒子も挙げられる。この粒子は、1つ以上の材料から作製してよい。適切なコア材としては、天然雲母、合成雲母、グラファイト、金属酸化物、タルク、カオリン、アルミナフレーク、オキシ塩化ビスマス、シリカフレーク、セラミックス、ガラス、シリケート(例えば、アルミノシリケートおよびボロシリケート)、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、および、これらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。これらの基材は、固体または中空状、天然または合成、有機物または鉱物にしてよい。ある1つの実施形態では、基材は雲母、酸化鉄、二酸化チタン、窒化ホウ素、干渉顔料、または、これらの混合物である。適切なコーティング材料としては、金属および金属化合物が挙げられるが、これらに限らない。適切な金属としては、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Ge、Mg、Mo、Ni、Rb、Se、Te、Ti、Va、W、Zn、および、これらの合金が挙げられるが、これらに限らない。適切な金属化合物としては、TiO2、Fe23、SnO2、Cr23、ZnO、ZnS、SnO、ZrO2、CaF2、Al23、BiOCL、MgF2、CrF3、ZnSe、SiO2、MgO、SeO3、SiO、ZrO2、CeO2、Nb25、Ta25、MoS2、および、これらの混合物が挙げられる。基材には、単一のコーティング、または、複数のコーティングを含めてよい。
【0033】
単色不溶性着色剤には、好ましくは個々の層の屈折率が異なる別の多層構造を含めてもよい。これらの層は、高分子性でも金属性でもよい。多層フィルムを形成できことができ、このフィルムは別個の要素または粒子に分けられる。このような粒子は、PCT出願番号WO99/36477号、並びに、米国特許番号6,299,979号および同6,387,498号に開示されている。少なくとも2つの高分子層を備えている反射粒子が、3M(3M)からミラーグリッター(MirrorGlitter(商標))という商品名で市販されている。ほんの一例として、これらの層は、ポリエチレンナフタレート(PEN)および異性体、例えば2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および2,3−PEN、ポリアルキレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアルキルメタクリレート、およびポリアルキルアクリレート、シンジオタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリ−α(apha)−メチルスチレン、シンジオタクチックポリジクロロスチレン、これらポリスチレンのコポリマーおよびブレンド、セルロース誘導体、ポリアルキレンポリマー、フルオロポリマー、クロロポリマー、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(polayamides)、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート、ポリエーテルアミド(poehteramides)、アイオノマー樹脂、エラストマー、ポリウレタン、および同種のコポリマーといったポリマーから作製することができる。
【0034】
単色不溶性着色剤には、例えば、蛍光顔料やリン光顔料などの発光顔料も含まれる。その他、当該技術分野において公知の単色不溶性着色剤を本発明で用いてもよい。
【0035】
適切な角度彩色性(goniochromatic)材としては、多層干渉構造、液晶着色剤、および/またはフォトニック結晶が挙げられる。角度彩色性(goniochromatic)材は、1つ以上のコア材と2つ以上のコーティング材料層(両者とも上述済み)を含む。コーティング材は、各層同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
角度彩色性(goniochromatic)材の1例は干渉顔料である。本明細書では、「干渉顔料」とは、特徴的な反射色を有するある1つのタイプの干渉顔料を意味する。本明細書の目的上、干渉顔料は、屈折率が異なる制御厚の層が2つ以上備わっている粒子として定義する。干渉顔料は、薄くて板状にしてよい粒子の異なる層からの、典型的には2つの、しかし場合によっては更に多くの光の反射の干渉により、特徴的な反射色を生じさせる。本発明の組成物に適している干渉顔料の非限定的な例は、TiO2、シリカ、酸化スズ、酸化鉄、および、これらの混合物の薄膜で層状化されている天然または合成の雲母、ボロシリケートガラス、シリカ、および、これらの混合物から成るベース基材粒子を含み、それらの層の厚みは約50nm〜約300nmである。
【0037】
有用な干渉顔料は多種多様な供給元、例えばロナ(Rona)(チミロン(Timiron)(商標))、センシェント(Sensient)(コバパール(Covapearl)(商標))、エングレハード(Englehard)(フラメンコ(Flamenco)(商標))、コボ(Kobo)(KTZインターバル(KTZ Interval)(商標))およびインターファイン(Interfine)(商標))、および、エッカート(Eckart)(プレスティージ(Prestige)(商標))から市販されている。非限定的なある1つの実施形態では、干渉顔料は、個々の粒子の最も長い方向における平均直径が約5ミクロン〜約75ミクロン、あるいは約5ミクロン〜約25ミクロン、および、あるいは約10〜約20ミクロンである。
【0038】
例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの種の交互ポリマー層を備えている多層構造の角度彩色性(goniochromatic)材も用いることができる。このような着色剤は、PCT出願番号WO−A−96/19347号、および、同WO−A−99/36478号に開示されている。
【0039】
使用してよい高分子性多層構造を有する顔料としては、3M(3M)からカラーグリッター(Color Glitter)という商品名で市販されているものが挙げられる。液晶着色剤としては、例えば、液晶基がグラフトされているシリコーンまたはセルロースエーテルが挙げられる。使用してよい液晶角度彩色性(goniochromatic)粒子の例としては、例えば、ケニックス(Chenix)から市販されているもの、また、ワッカー(Wacker)からヘリコーン(Helicone(登録商標))HCという名称で販売されている製品が挙げられる。多層構造を有する干渉繊維は、光沢向上システムとして用いることができる。このような繊維の例は、欧州特許出願番号921,217号、および同686,858号、並びに、米国特許番号5,472,798号に記載されている。多層構造には、少なくとも2つの層を含めてよく、各層は他方の層と同一または別個のものにしてよく、少なくとも1つの合成ポリマーで作られている。繊維中のポリマーの屈折率は1.30〜1.82にしてよく、更には、1.35〜1.75の方がよい。繊維の形成に好ましいポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸ポリマー、ポリアミドである。ポリエチレンテレフタレート/ナイロン−6の2層構造を持つ角度彩色性(goniochromatic)繊維は、帝人(Teijin)からモルフォテックス(Morphotex)という名称で市販されている。
【0040】
ある1つの実施形態では、光沢向上システムは、反射顔料、干渉顔料(ベース色ありまたはなし)、効果顔料、色移行顔料、ヘリコーン、パール光沢顔料、発光顔料、蛍光着色剤、本明細書で用いる用語の単色不溶性着色剤または角度彩色性(goniochromatic)材と考えられるその他多層構造、および任意の前記物質の混合物を含む。
【0041】
光沢向上向上システムの表面を修飾し、例えば安定性、相溶性、送達性、および沈着性を向上させてよい。1つの改善点は、表面を疎水性にすることである。適切な疎水性表面処理の非限定的な実施例としては、シリコーン、アクリレートシリコーンコポリマー、アクリレートポリマー、アルキルシラン、イソプロピルトリイソステアリン酸チタン、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、リン酸ペルフルオロアルコール、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、レシチン、カルナバワックス、ポリエチレン、キトサン、ラウロイルリジン、植物脂質抽出物、および、これらの混合物の添加が挙げられる。
【0042】
顔料の混合物を含む代表的な光沢向上システムを以下の表1に示す。混合物は、反射顔料の混合物を含む場合と、反射顔料と干渉顔料の混合物を含む場合、異なる種類の干渉顔料の混合物を含む場合がある。表1には「色」の項目がある。これは、材料の主観的目視観測で記録した参照色である。反射顔料の色は、一般に赤色、黄色、緑色、または、青色系の範囲内に収まり、ここでは金色は黄色系に含まれると考える。干渉顔料として記載されている色が「白」または「パール」を示す場合、干渉顔料は、ある色系の範囲内の色を著しく反射しない。
【0043】
【表1−1】

【0044】
【表1−2】

【0045】
【表1−3】

【0046】
【表1−4】

【0047】
【表1−5】

【0048】
任意の基本毛髪色、例えばブロンド、ブルネット、赤などである消費者に適したヘアケア組成物では、赤、黄、緑、または青を含む配色、または全色域を反射する顔料混合物を用いてよい。しかし、一部の実施例は、特定の基本毛髪色に適用するのにさらに適していると本出願人は考えている。例えば、ある1つの実施形態では、明るい色の毛髪(例えばブロンドまたは明褐色)への適用を目的とする組成物中の混合物には、青色ベースの顔料が実質的に含まれていない。これらの基本毛髪色を背景とすると、青色が目に見えてしまい、毛髪が、魅力に欠け不潔に見える場合があるためである。
【0049】
さらに、単色系で異なる色合いを持つ顔料の混合物は、例えば、ブロンドまたは赤色などの基本毛髪色に適していると出願人は考えている。このような混合物には、干渉顔料を含めるのが好ましい。この場合、赤およびブロンド色の毛髪に対し、上述のプリズム効果により、望ましい輝きと更なる色の増強が調和するが、きらめきや着色は維持される。単一の色系内で多くの色合いを選択することが、この効果の視認性増強に重要であると本出願人は考えている。
【0050】
表1を再び参照すると、赤色系の毛髪に適切なある1つの実施形態は、赤色系に含まれる5つの異なる反射顔料と、1つの干渉顔料を含む29番の混合物である。ブロンド系の毛髪に適切なある1つの実施形態は、黄色系に含まれている3つの異なる反射顔料と、1つの干渉顔料を含む3番の混合物である。暗褐色および/または黒色系の毛髪に適切なある1つの実施形態は、金、赤、青、または、緑の正反射と、茶または黒の拡散反射を備えている43番の混合物である。
【0051】
表1に記載されている顔料混合物は代表的なもののみであり、他の顔料混合物を本発明のヘアケア組成物に組み込むことができる。
【0052】
皮膚科学的に許容可能な担体
本発明の組成物には、皮膚科学的に許容可能な担体が約50%〜約99.9%含まれている。ある1つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な担体は水性キャリアであり、前記担体には、任意に応じてその他の液体(水混和性または水溶性溶媒、例えば、低級アルキルアルコール、例えば、C1〜C5アルキル一価アルコール、あるいは、C2〜C3アルキルアルコールなど)を含めることができる水相を含む。
【0053】
その他の適切な担体としては、水、シリコーンオイル、有機溶媒、例えば、C1〜C6アルカノール、カルビトール、アセトン、および、これらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。適切なC1〜C6アルカノールの具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アミルアルコール、および、これらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。その他の適切な担体としては、水相および油相を含むエマルションが挙げられる。油は、動物、植物、または、石油由来してよく、天然または合成でもよく、油としては、シリコーンオイルが挙げられるだろう。エマルションキャリアとしては、水中油型、油中水型、水中油中水型、および、シリコーン中水中油型エマルションが挙げられるが、これらに限らない。
【0054】
ある1つの実施形態では、組成物には、1つ以上の界面活性剤が5%未満または2%未満含まれている。あるいは、組成物には界面活性剤が実質的に含まれていない(「実質的に含まない」とは、1つ以上の界面活性剤が1%未満であることを意味するものと理解する)。
【0055】
皮膜形成剤
本発明の組成物には、光沢向上システムが顕著なアグロメレーションを示さずに、種々の基材に対する沈着性を促すのに有用な皮膜形成剤約0.001%〜約5%が含まれている。適切な皮膜形成剤としては、シリコーン皮膜形成ポリマー、シロキシシリケート、ポリメチルシルセスキオキサン、シリコーン/(メタ)アクリレートコポリマー、シリコーンエステル、ビニルピロリドン(vinylprrolidone)と長鎖オレフィンのコポリマー、糖アミン、および、糖アミンを含むポリマーが挙げられるが、これらに限らない。
【0056】
ある1つの実施形態では、皮膜形成剤には、アミノ糖とも呼ばれる糖アミンが1つ以上含まれている。本明細書で使用する時、「糖アミン」とは、6炭素の糖のアミン誘導体のことをいう。本発明で有用な糖アミンの例としては、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、および、これらの混合物が挙げられる。ある1つの実施形態では、糖アミンはN−アセチルグルコサミンである。ある1つの実施形態では、組成物には、糖アミンが約0.001%〜約1%、および、これに代わり約0.01%〜約0.5%含まれている。あるいは、光沢向上剤の割合と皮膜形成剤の割合の比は約10:1である。
【0057】
任意成分
本発明の組成物には、リーブオンヘアケア製品用として当該技術分野において公知の任意の構成成分のうち、多種多様な任意成分を含めてよい。任意成分としては、光沢向上システム、界面活性剤、分散助剤、沈着助剤、噴射剤、保湿剤、および、コンディショニング剤に関する部分で記載したもの以外に、シリコーン、ゴム、樹脂、溶媒、非可溶化粒子が挙げられるが、これらに限らない。その他の任意成分として、毛髪保持ポリマー;アニオン性、非イオン性、両性および双極性界面活性剤のような洗浄性界面活性剤;キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプンおよびデンプン誘導体のような追加の増粘剤および懸濁剤;長鎖脂肪酸のメタノールアミドのような粘度調整剤;結晶性懸濁剤;エチレングリコールジステアレートのようなパール光沢化助剤;ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびイミダゾリジニル尿素のような防腐剤;ポリビニルアルコール;エチルアルコール;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムのようなpH調整剤;酢酸カリウムおよび塩化ナトリウムのような塩;過酸化水素、過ホウ酸塩、過硫酸塩のような毛髪酸化剤;チオグリコレートのような毛髪還元剤;香料;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのような金属イオン封鎖剤;グリセリン、アジピン酸ジイソブチル(disobutyl adipate)、ステアリン酸ブチル、およびプロピレングリコールのようなポリマー可塑剤が挙げられる。
【0058】
本発明の組成物には、例えば、櫛でとかす、乾燥、ブロー、加熱、カール(熱ありまたはなし)などのスタイリングを容易にするために有用なスタイリング剤を含めてもよい。適切なスタイリング剤の非限定的例としては、ポリアルキレングリコール、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールコポリマー、ポリエチレン/ポリプロピレンジオールコポリマー、ポリグリセリン、多糖類スタイリングポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVPおよびメチルメタクリレートのコポリマー、PVPおよびビニルアセテート(VA)のコポリマー、ポリビニル(poylvinyl)アルコール(PVA)、PVAおよびクロトン酸のコポリマー、PVAおよび無水マレイン酸のコポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、PVP/エチルメタクリレート(ethymethacrylate)/メタクリル酸ターポリマー、ビニルアセテート/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレートコポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル−マレイン酸)のモノエチル(monoethy)エステル、およびオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、アクリル酸/t−ブチルアクリレートコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/2−エチルヘキシル−メタクリレートターポリマー、t−ブチルアクリレート/アクリル酸コポリマー、およびシリコーングラフトターポリマー、例えば、t−ブチルアクリレート/アクリル酸/PDMS、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
適切な多糖類スタイリングポリマーの非限定例としては、アニオン性多糖類、カチオン性多糖類、およびこれらの混合物が挙げられる。カチオン性多糖類スタイリングポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロースおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界ではCTFAによりポリクオタニウム−4と呼ばれている)、例えば、ナショナルスターチ(National Starch)(ニュージャージー州ブリッジウォーター)からセルクァット(CELQUAT)という商品名(例えば、セルクァット(CELQUAT)L−200およびセルクァット(CELQUAT)H−100)で市販されているもの、および、例えば、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのホモポリマー(産業界ではCTFAによりポリクオタニウム−10と呼ばれている)、例えば、アマコール社(Amerchol Corp.)(ニュージャージー州エディソン)からユーケア(UCARE)という商品名(例えば、ユーケア(UCARE)ポリマーJR−400、およびユーケア(UCARE)ポリマーLR−400)で市販されているもの、および、ナショナルスターチ(National Starch)(ニュージャージー州ブリッジウォーター)からセルクァット(CELQUAT)という商品名(例えば、セルクァット(CELQUAT)SC230、およびセルクァット(CELQUAT)SC240)で市販されているものといったカチオン性四級アンモニウム含有ポリマーが挙げられるが、これらに限らない。メチルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースなどの非イオン性セルロース誘導体を用いてもよい。例えば、ヒドロキシエチルセルロースは様々な商品名(例えば、アクアロン(Aqualon)のナトロセル(Natrosel)、およびユニオンカーバイド(Union Carbide)のセロサイズ(Cellosize))で販売されており、メチルセルロースはダウケミカル(Dow Chemical Company)から、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースはアクアロン(Aqualon)から市販されている。
【0060】
また本発明の組成物には、1つ以上のコンディショニング剤を含めてもよい。代表的なコンディショニング剤としては、カチオン性架橋高分子性コンディショニング剤、およびシリコーンコンディショニング剤、例えば米国特許番号第5,674,478号に記載されているもの(本明細書の引例部分で開示されているコンディショニング剤を含む)が挙げられる。カチオン性架橋高分子性コンディショニング剤は、(A)m(B)n(C)pという一般式によって特徴付けることができ、式中(A)はジアルキルアミノアルキルアクリレートモノマーまたはその4級アンモニウムまたは酸付加塩であり、(B)はジアルキルアミノアルキルメタクリレートモノマーまたはその4級アンモニウムまたは酸付加塩であり、(C)は(A)または(B)と重合可能な非イオン性モノマーであり、mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、pは0以上の整数であり、mまたはn、またはその両方が1以上にならなくてはならない。シリコーンコンディショニング剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、および、ポリエーテルシロキサンコポリマーを挙げてもよい。代表的な更なるコンディショニング剤としては、例えば、不飽和1価直鎖脂肪族アルコール、飽和分枝鎖脂肪族アルコール、飽和C8〜C12直鎖脂肪族アルコール、およびこれらの混合物などの低融点脂肪族アルコールが挙げられる。更にその他の代表的なコンディショニング剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、不揮発性シリコーン(可溶性および不溶性シリコーンを含む)、不揮発性炭化水素、飽和C14〜C22直鎖脂肪族アルコール、不揮発性炭化水素エステル、および、これらの混合物が挙げられる。
【0061】
本明細書に記載されている実施例では、上記以外の任意成分を更に提供してもよい。上述または実施例に記載以外の任意成分も、本発明の組成物内に組み込んでもよいものと理解する。
【0062】
使用方法
本発明の組成物は、濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用できる。ある1つの実施形態では、組成物は濡れた毛髪に適用する。これに加えて、または、これに代えて、組成物は、事前に処理済みの毛髪、例えば「パーマ」(半永久的カールまたはウェーブ)、ストレートパーマ、着色、および/または、その他の永久的または半永久的処理を施した毛髪に適用してもよい。これに加えて、または、これに代えて、組成物は、傷んだ毛髪、例えば、乾燥した毛髪、脆性の毛髪、艶がない毛髪、縮れ毛、切れ毛、および/または、例えば、熱、紫外線、環境化学物質、プール用薬品などへの暴露により別の方法で傷んだ毛髪に適用してもよい。適用量は、毛髪の長さ、所望の鮮明さや輝きなどの程度といった要因により異なるが、典型量の一例には、約1g〜約10gの組成物を含めてよい。組成物は、手のひら、指先、スプレー、直接的な毛髪上への絞り出し、または櫛、ブラシ、スポンジなどの道具を用いるなど、様々な方法で適用できる。組成物は更に、任意の毛髪の部分、例えば頭皮に一番近い部分、頭皮から一番遠い部分、または鮮明さの増加を望む任意の部分へ適用できる。
【0063】
組成物は、適用後、洗髪するまで毛髪上に残しておくよう意図されている。適用後、毛髪を自然乾燥させるか、またはスタイリング(例えば、櫛でとかす、ブラッシング、冷風または温風による乾燥、カール(加熱ありまたはなし)、ストレートにする、束ねる、ないしは別の方法で固めるなど)してもよい。
【0064】
キット
本発明の組成物をキットの一部として構成させてもよい。キットには、本明細書に記載の組成物が少なくとも1つ含まれているパッケージユニット、例えば、外側パッケージユニットを含めてよく、言い換えると、1つ以上の内側パッケージユニットを含めてもよい。前記内側および外側パッケージユニットは、キットの内容物を収容、提供、および/または、損傷から適度に保護するのに適しているいずれかのタイプのものにしてよい。あるいはキットには、消費者が、またはサロンで使用するために美容師が個々に購入するための一連の製品を含めてよい。
【0065】
キットには、1つ以上の追加組成物、および/または、追加構成要素に加え、本明細書に記載の1つ以上の組成物を含めてよい。適切な追加組成物の例としては、毛髪染料および着色剤、毛髪脱色または明色剤、シャンプー、コンディショナー、および/またはスタイリング剤が挙げられるが、これらに限らない。追加構成要素の例としては、道具、塗布具、櫛、ブラシ、スタイリング用品、装飾用品、経口的に摂取可能な1つ以上の栄養補助食品、送達性増強装置(例えば、超音波装置、および/または電気装置)、前記装置の使用説明書などが挙げられる。キットには、キットの追加組成物、および/または追加構成要素と併せて、例えば、ヘアトリートメント法の一部として本発明の組成物の使用説明書を更に含めてもよい。例えば、前記説明書には、毛幹に浸透可能な着色剤を含む第1のヘアケア組成物の使用方法、光沢向上剤を含む第2のヘアケア組成物の使用方法、第1および第2のヘアケア組成物の使用頻度を記載してもよい。あるいは、トリートメント法には、洗髪工程、ヘアコンディショニング工程、すすぎ工程、光沢向上剤を含む組成物の適用工程、ヘアスタイリング工程、および、任意の前記工程の組み合わせを含めてもよい。あるいは、トリートメント法には、毛髪への酸化着色剤またはその他着色剤の適用工程、毛髪への本発明の組成物の適用工程を含めてもよく、本発明の組成物の適用頻度は、着色剤の毛髪への適用頻度よりも多くても少なくてもよい。単に実例として、消費者または美容師に対し、6か月に1度、酸化着色剤またはその他着色剤の毛髪へ適用し、月に1度本発明の組成物を適用するように指示してもよい。
【実施例】
【0066】
(実施例1):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適しているヘアスタイリング製品は、以下のように調製してよい。
【0067】
【表2】

1 本発明の別の部分に記載されている他の光沢向上システムに加えて、表1に記載されている任意の適切な光沢向上システムの実施例を使用することができる。
【0068】
混合容器に水を加え、ヘアケアスタイリング製品の調製に適切な温度にし、攪拌を開始する。EDTA二ナトリウムおよびDMDMヒダントインを加え、混合を続ける。アクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマーを加え、均一に分散するまで混合する。高温のラウレス−23中で香料とパンテニルエチルエーテルを乳化させ、前記メインバッチに加える。ナイアシンアミドとアセチルグルコサミンを加え、固体が均一に分散するようにする。ベンジルアルコールとdl−パンテノールを加える。ヒドロキシエチルセルロースを加え、均一に分散し、塊がなくなるまで混合する。光沢向上システムをこのプロセス内に加え、均一に分散するまで混合する。アミノメチルプロパノールを混合容器に加え、混合物が均質になるまで混合し続ける。アミノメチルプロパノールの添加量は、pHを所望のレベルに制御するために調整することができる。この組成物を清潔で濡れた毛髪に適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0069】
(実施例2):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適しているコンディショナーは、以下のように調製してよい。
【0070】
【表3】

1 本発明の別の部分に記載されている他の光沢向上システムに加えて、表1に記載されている任意の適切な光沢向上システムの実施例を使用することができる。
【0071】
適切な混合容器内で、以下のように層状ゲルマトリクスを形成させる。約85℃の脱イオン水を用意し、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、および、L−グルタミン酸を加える。成分が均質化し、個体が見えなくなるように、混合物の温度を5分間約85℃に保つ。混合物を約55℃まで冷却し、層状ゲルマトリクスが形成されるまでこの温度を保つ。光沢向上システムを加え、約35℃で約15分間混合する。残りの成分も層状ゲルマトリクスに加える。組成物を、乾燥した毛髪の所望の部分に適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0072】
(実施例3):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適しているコンディショナーは、以下のように調製してよい。
【0073】
【表4】

1 本発明の別の部分に記載されている他の光沢向上システムに加えて、表1に記載されている任意の適切な光沢向上システムの実施例を使用することができる。
【0074】
適切な混合容器内に、室温の脱イオン水を加え、混合を開始する。ジ(カプリル/カプリン酸)プロピレングリコール(ポリクオタニウム−37)を加える。次に、光沢向上システムを加える。残りの成分を加える。事前に着色処理済みの濡れた毛髪の所望の部分に、組成物を適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0075】
(実施例4):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適しているコンディショナーは、以下のように調製してよい。
【0076】
【表5】

1 本発明の別の部分に記載されている他の光沢向上システムに加えて、表1に記載されている任意の適切な光沢向上システムの実施例を使用することができる。
【0077】
適切な混合容器内に水を加え、その中で、カルボキシビニルポリマーとアクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマーを分散させる。分散したものを激しく攪拌しながら混合し、約50℃に加熱する。混合物を40℃以下に冷却し、トリエタノールアミンを加える。中和後、残りの成分を加える。事前にパーマをかけた濡れた毛髪に、この組成物を適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0078】
(実施例5):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適しているヘアケアムース調合物は、以下のように調製してよい。
【0079】
【表6】

1 本発明の別の部分に記載されている他の光沢向上システムに加えて、表1に記載されている任意の適切な光沢向上システムの実施例を使用することができる。
【0080】
混合容器に水を加え、ポリクオタニウム−4を混和するのに適切な温度(26℃〜85℃)にする。ポリクオタニウム−4をこの混合容器内のプロセスに加え、材料を均一に分散させる。EDTA2ナトリウムとクエン酸の一部を混合容器に加え、個体が混和するまで混合する。溶液中に個体が見えなくなったら、容器温度を新たなプロセス条件(26℃〜39℃)にし、パレス91−8とプロピレングリコールを加える。新しいプロセス条件を満たしたら、DMDMヒダントインを加える。光沢向上システムをこのプロセス内に混和させる。均一に分散するまで混合する。クエン酸を追加して所望のpHに調整する。エアゾール容器に、上で調製した濃縮液を適量充填し、吸引後、弁を所定の場所に圧着させる。必要な噴射剤ブレンドを、容量の6%を超えないように弁を通して追加する。この組成物を清潔で濡れた毛髪に適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0081】
(実施例6):本明細書に記載の1つ以上の方法によって用いるのに適している透明コンディショニング処方は、以下のように調製してよい。
【0082】
【表7】

1 ブルネットの毛髪に用いるには、1.00%コバパール(Covapearl(商標))ブライト(Bright)(センシエント(SENSIENT))、1.40%クロマライト(Chroma Lite(商標))レッド(Red)(エングレハード(ENGLEHARD))、1.40%クロマライト(Chroma Lite(商標))イエロー(Yellow)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.7%クロマライト(Chroma Lite(商標))ダークブルー(Dark Blue)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.70%クロマライト(Chroma Light(商標))グリーン(Green)(エングレハード(ENGLEHARD))という光沢向上システムが特に適している。
2 ブルネットの毛髪上に赤色のハイライトを入れるには、1.00%コバパール(Covapearl(商標))ブライト(Bright)(センシエント(SENSIENT))、1.40%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))セリーズフランベ(Cerise Flambe)(エングレハード(ENGLEHARD))、1.40%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))インペリアルゴールド(Imperial Gold)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.7%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))グリーン(Green)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.70%クロマライト(Chroma Lite(商標))ダークブルー(Dark Blue)(エングレハード(ENGLEHARD))という光沢向上システムが特に適している。
3 ブルネットの毛髪上に金褐色のハイライトを入れるには、1.00%コバパール(Covapearl(商標))ブライト(Bright)(センシエント(SENSIENT))、1.40%デザートリフレクション(Desert Reflection)キャニオンサンセット(Canyon Sunset)(エングレハード(ENGLEHARD))、1.40%デザートリフレクション(Desert Reflection)サンリットカクタス(Sunlit Cactus)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.7%デザートリフレクション(Desert Reflection)ペインテドデザートプラム(Painted Desert Plum)(エングレハード(ENGLEHARD))、0.70%デザートリフレクション(Desert Reflection)ミッドナイトセージブラシ(Midnight Sagebrush)(エングレハード(ENGLEHARD))という光沢向上剤が特に適している。
4 ブロンドの毛髪の鮮明さを増強するには、0.6%KTZインターファイン(KTZ Interfine(商標))ブルー(Blue)(コボ(KOBO))、2.00%KTZインターファイン(KTZ Interfine(商標))ゴールド(Gold)(コボ(KOBO))、0.60%KTZインターファイン(KTZ Interfine(商標))レッド(Red)(コボ(KOBO))、2.00%シアンビスタ(Xian Vistas)(コボ(KOBO))という光沢向上システムが特に適している。
5 赤い毛髪の鮮明さを増強するには、1.00%コバパール(Covapearl(商標))ブライト(Bright)(センシエント(SENSIENT))、1.00%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))Nu−アンティークコッパー(Nu-Antique Copper)(エングレハード(ENGELHARD))、1.20%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))セリーズフランベ(Cerise Flambe)(エングレハード(ENGLEHARD))、1.20%コバパール(Covapearl(商標))ファイアレッド(Fire Red)(センシエント(SENSIENT))、0.50%クロワゾンネ(Cloisonne(商標))ルージュフランベ(Rouge Flambe)(エングレハード(ENGELHARD))、0.50%チェリーニ(Cellini)レッド(Red)(エングレハード(ENGELHARD))という光沢向上システムが特に適している。
6 53%のPPG−26−ブテス−26、37%のPEG−40硬化ヒマシ油、および、10%の水から構成されている。
7 80%のベヘントリモニウムクロリド、および、20%のイソプロピルアルコールから構成されている。
【0083】
適切な容器内で、ポリクオタニウム−37とソルブライザント(Solubilisant)LRIを約3/4量の水と混合し、透明なジェルを生成させる(混合物A)。別の適切な容器内で、水の残部を含む残りの成分を混合し、全ての成分が溶解するまで撹拌しながら70℃に加熱する(混合物B)。混合物Bを冷却し、撹拌しながらゆっくりと混合物Aを加える。適切な保存容器へ移す。得られた組成物を、清潔で濡れた毛髪に適用する。洗髪するまで、毛髪をすすいだり、過剰の組成物を除いたりしないようにする。所望に応じてスタイリングする。
【0084】
本明細書に開示した寸法および値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定のない限り、こうした各寸法は、列挙されている値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するよう意図されている。例えば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0085】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、その関連部分において本明細書に参照として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味または定義が、参照として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味または定義と対立する範囲については、本明細書ににおいてその用語に与えられた意味または定義を適用するものとする。
【0086】
本発明の特定の実施形態を説明および記述してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更および修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーブオンヘアケア組成物であって、
a)第1の色を反射する第1の不溶性粒子と、第2の色を反射する第2の不溶性粒子と、第3の色を反射する第3の不溶性粒子と、所望により第4の色を反射する第4の不溶性粒子と、所望により少なくとも1つの更なる色を反射する少なくとも1つの更なる不溶性粒子を含む光沢向上システムが0.1%〜10%と、
b)皮膜形成剤0.001%〜5%と、
c)皮膚科学的に許容可能な担体と、
d)所望により染料を含む組成物。
【請求項2】
前記皮膜形成剤は1つ以上の糖アミンを0.001%〜1%含み、好ましくは、前記糖アミンは、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、または、これらの混合物を含み、より好ましくは、前記糖アミンがN−アセチルグルコサミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記光沢向上システムの割合と前記糖アミンの割合の比が10:1である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1の不溶性粒子、前記第2の不溶性粒子、および、前記第3の不溶性粒子の平均粒径が1ミクロン〜150ミクロンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の色が赤色系の色であり、前記第2の色が黄色系の色であり、前記第3の色が緑色系の色であり、前記任意の第4の色が青色系の色である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第1、第2、または、第3の不溶性粒子のうち少なくとも1つが、反射粒子、角度彩色性(gonichromatic)粒子、フォトニック結晶、発光顔料、蛍光顔料、リン光顔料、または、これらの混合物を含み、好ましくは前記角度彩色性(goniochromatic)粒子が干渉顔料であり、より好ましくは、前記第1の不溶性粒子、前記第2の不溶性粒子、前記第3の不溶性粒子が干渉顔料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1の不溶性粒子が反射粒子であり、前記第2の不溶性粒子が干渉顔料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を用いるための美容方法で、哺乳類の毛髪、好ましくはヒト、イヌ、または、ネコの毛髪、より好ましくはヒトの毛髪に適用する工程を含む方法であって、リーブオン組成物は、
a)第1の色を反射する第1の不溶性粒子、第2の色を反射する第2の不溶性粒子、第3の色を反射する第3の不溶性粒子、所望により第4の色を反射する第4の不溶性粒子、所望により少なくとも1つの更なる色を反射する少なくとも1つの更なる不溶性粒子が含まれている光沢上昇システムが0.1%〜10%と、
b)皮膜形成剤が0.001%〜5%と
c)皮膚科学的に許容可能な担体を含み、
d)所望により前記組成物を哺乳類の毛髪の一部に適用する方法。
【請求項9】
前記哺乳類の毛髪の基本毛髪色がブロンドであり、前記第1の色が赤色系であり、前記第2の色が黄色系であり、前記第3の色が緑色系である、請求項8に記載の美容方法。
【請求項10】
前記第1の不溶性粒子の割合と前記第2の不溶性粒子の割合と前記第3の不溶性粒子の割合の比が1:1:3である、請求項9に記載の美容方法。
【請求項11】
前記毛髪の基本毛髪色がブルネットまたは黒であり、前記第4の色が青色系である、請求項8に記載の美容方法。
【請求項12】
前記第1の不溶性粒子の割合と前記第2の不溶性粒子の割合と前記第3の不溶性粒子の割合と前記第4の不溶性粒子の比が2:2:1:1である、請求項11に記載の美容方法。

【公表番号】特表2009−515946(P2009−515946A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540775(P2008−540775)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054340
【国際公開番号】WO2007/060597
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】