説明

鳥の卵をキャンドリングするための装置の有効な動作を維持する方法および装置

光を遮る残渣および/または機能不良に関して光源と光検出器との間の光路が監視される卵キャンドリング方法および装置が提供される。卵をキャンドリングする方法は、光源からの光を卵に照射するステップと、卵を通過する光を光検出器で受けるステップと、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成するステップと、光源と光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために出力信号を解析するステップとを含む。それぞれの光路が変更されたという決定に応じて、光源および/または光検出器が洗浄されおよび/または機能不良が検査される。光源および/または光検出器の洗浄は、光源および/または光検出器の表面を拭き取ること、および/または、光源および/または光検出器の表面に流体を吹き付けることを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、参照によりあたかもその全体を記載しているかのようにその開示内容が本明細書に組み入れられる2005年7月27日に出願された米国特許仮出願第60/703,044号の利益および優先権を主張する。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、一般に卵に関し、特に、卵を処理するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
何らかの観察可能な品質に基づく家禽卵同士の間の選別は、周知であり、養鶏産業において長きにわたって使用される手法である。「キャンドリング」(透光検卵)は、そのような技術における一般的な名称であり、この用語は、キャンドルからの光を使用して卵を検査するという当初の手法に端を発している。卵に精通している当業者に知られるように、殆どの照明状態下で卵殻は不透明に見えるが、これらの卵殻は、実際には、やや半透明であり、直接光の前に置かれると、卵の中身を観察することができる。
【0004】
生きている鶏へと孵化されるべき卵は、一般に、中身(胚)がないクリアな卵、腐った卵、および死んでいる卵(総称して、「生きていない卵」と称される)を識別するために胚発生中にキャンドリングされる。生きていない卵は、一般に、利用できる孵卵器の空間を増大させるために孵卵から除去される。多くの場合、孵化前に卵内注入によって物質を生きている卵の中へ導入することが望ましい。鳥の卵の中への様々な物質の注入は、一般に、孵化後の死亡率を減らすためあるいは孵化した鳥の成長速度を上げるために養鶏産業において使用される。卵内注入のために使用されあるいは提案されてきた物質の例としては、ワクチン、抗生物質、およびビタミンが挙げられる。卵内処理物質および卵内注入方法は、例えば、Sharma et al.,に対して付与された米国特許第4,458,630号およびFredericksen et al.,に対して付与された米国特許第5,028,421号に記載されている。
【0005】
物質の卵内注入は、一般に、卵殻を穿孔して卵殻を貫通する穴を形成し(例えば、パンチまたはドリルを使用する)、穴を通じて卵の内部へ(幾つかのケースでは、卵殻内に含有される鳥の胚内へ)注入針を延ばし、針を通じて1つ以上の処理物質を注入することによって行なわれる。卵内注入装置の一例は、Hebrankに対して付与された米国特許第4,681,063号に開示されている。この装置は、卵および注入針を互いに所定の関係を成して位置決めし、複数の卵の高速自動注入を行なうようになっている。注入処理の部位および時間の両方の選択は、注入される物質の有効性および注入された卵または処理された胚の死亡率に影響を与え得る。これについては、例えば、Hebrankに対して付与された米国特許第4,681,063号およびSheeks et al.,に対して付与された米国特許第5,158,038号を参照されたい。
【0006】
養鶏生産においては、一般に、約60%〜90%の商業用若鶏卵だけが孵化する。孵化しない卵としては、受精しなかった卵、および死んでしまった受精卵が挙げられる。無精卵は、セット内の全ての卵の約5%〜最大で約25%を構成する場合がある。養鶏生産において直面する生きていない卵の数、卵内注入のための自動方法の使用の増大、および処理物質のコストの増大に起因して、生きている卵を正確に識別し且つ生きている卵だけに選択的に注入する自動方法が望ましい。
【0007】
生きている卵と生きていない卵とを識別できることが重要な他の用途がある。これらの用途のうちの1つは、生きている卵(「ワクチン生成卵」と称される)内でのワクチンの培養および収集である。例えば、ヒトインフルエンザワクチン生成は、胚発生の約11日(11日卵)に種ウイルスを鶏の卵の中へ注入し、これにより、約2日間にわたってウイルスを増殖させることができるようにし、卵を冷却することによって胚を安楽死させ、その後、卵から羊水を得ることによって達成される。一般に、生きていない卵の除去を容易にするため、卵は種ウイルスの注入前にキャンドリングされる。ワクチン生成卵は、内部に種ウイルスを注入する1日又はそれ以上前にキャンドリングされる場合がある。ワクチン生成における生きている卵の識別は重要である。これは、生きていない卵内で種ワクチンが浪費されないようにし且つ生きていない卵を搬送して処分することに伴うコストを減らすことが望ましいからである。
【0008】
いずれもHebrankに対して付与された米国特許第4,955,728号および第4,914,672号は、赤外線検出器および卵から発せられる赤外線を使用して生きている卵を無精卵から区別するキャンドリング装置について記載している。Hebrankに対して付与された米国特許第5,745,228号は、卵の両側に位置されるように構成される光検出器と光エミッタとを含むキャンドリング装置について記載している。光が短いバーストで各光エミッタから生成され、対応する光検出器は、その対応する光エミッタが動作している間に監視する。卵のフラットは、それがキャンドリング装置を通過して移動する際に連続的に「走査される」。この場合、各検出器−光源対は、少なくとも隣り合う対が休止している間に動作し、好ましくは他の全ての対が休止している間に動作する。
【0009】
残念ながら、光(または、卵の不透明性)を利用して卵の状態を評価する市販の卵キャンドリング装置は、通常、光学面上に堆積する残渣および/または他の材料によって光路が変更されるような、卵キャンドリング装置の精度を低下させる可能性がある汚れた環境で動作する。これらのキャンドリング装置を使用する機械のオペレータは、これらの装置を清潔に保つようにトレーニングや動機を有していない場合があり、および/または、これらの装置を洗浄するために該装置に簡単にアクセスできない場合がある。例えば、卵の移動フラットの上側に光源を有し且つ卵の移動フラットの下側に光検出器を有するキャンドリング装置は、卵殻の細かい層、大量の卵殻、卵アルブミン、卵黄、または腐った内容物、洗浄水などによって検出器が覆い隠される可能性がある。残渣/材料の僅かな蓄積は、一般に、卵キャンドリング装置の精度に対する影響が小さい。しかしながら、多量の殻または腐った卵材料などの不透明材料が受ける光を減少させる可能性があり、それにより、中身がないクリアな卵が生きている卵としてキャンドリング装置によって解釈される場合がある。また、アルブミンや水などの透明材料の蓄積は、隣接する卵から反射される光を検出器へと導くレンズとして作用する可能性があり、それにより、生きている卵を中身がないクリアな卵であるとして誤って解釈してしまう可能性がある。破裂する卵は稀なものではなく、破裂する卵が光検出器および光源の両方に吹きかかる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の説明に鑑みて、光を遮る残渣および/または機能不良に関して光源と光検出器との間の光路が監視される卵キャンドリング方法および装置が提供される。本発明の幾つかの実施形態によれば、卵をキャンドリングする方法は、光源からの光を卵に照射するステップと、卵を通過する光を光検出器で受けるステップと、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成するステップと、光源と光検出器との間の光路が変更されたかどうか(すなわち、光路が残渣/材料によってブロックされまたは部分的にブロックされたかどうか、光源および/または光検出器が機能不良を起こしたかどうかなど)を決定するために出力信号を解析するステップとを含む。それぞれの光路が変更されたという決定に応じて光源および/または光検出器が洗浄されおよび/または機能不良が検査される。本発明の幾つかの実施形態によれば、光源および/または光検出器の洗浄は、光源および/または光検出器の表面を拭き取ること、および/または、光源および/または光検出器の表面に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けることを含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、卵のキャリアがその間を通過できるように離間関係を成す光源と光検出器との複数の対を含む。各光源/光検出器対は動作可能にプロセッサに関連付けられ、また、各光源/光検出器対はそれぞれの光チャンネルを規定する。本発明の幾つかの実施形態では、光源が卵の下側にあり、光検出器が卵の上側にあり、また、他の実施形態では、光検出器が卵の下側にあり、光源が卵の上側にある。
【0012】
キャンドリング装置によって卵をキャンドリングする方法は、光源からの光をキャリア内の卵に照射し、卵が横列および縦列の状態でキャリア内に配置され、1つの横列内の各卵がそれぞれの光源/光検出器対間に位置されるステップと、各卵を通過する光を対応する光検出器で受けるステップと、それぞれの各卵に関して光検出器で受けられた光に対応する出力信号を生成するステップと、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析するステップとを含む。それぞれの光路が変更されたという決定に応じて光源および/または光検出器が洗浄されおよび/または機能不良が検査される。本発明の幾つかの実施形態によれば、光源および/または光検出器の洗浄は、光源および/または光検出器の表面を拭き取ること、および/または、光源および/または光検出器の表面に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けることを含んでもよい。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、1つの光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出することを含む。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態によれば、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出することを含む。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、1つの光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルのそのチャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出することを含む。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態によれば、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、1つの光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの他の光チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出することを含む。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、1つの光チャンネルにおける光検出器で受けられた光レベルのその光チャンネルにおける履歴的な光レベルに対する減少を検出することを含む。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、卵をキャンドリングするための装置は、スペクトルの1つ以上の選択された部分からの光を卵に照射するように構成される光源と、卵を通過する光を受けるとともに、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成する光検出器と、光検出器と通信し、光源と光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために出力信号を解析するプロセッサとを備える。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面を拭き取って残渣/材料を前記表面から除去するように構成されるワイパを備える。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システムを備える。
【0021】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、光源に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを備える。透明材料は、光源に対して移動するとともに、光源と接触する残渣を運び去るように構成される。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、光検出器に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを備える。透明材料は、光検出器に対して移動するとともに、光検出器と接触する残渣を運び去るように構成される。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出するように構成される。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出するように構成される。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、生きている卵の平均光レベルの増大を検出するように構成される。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、履歴的な光レベルに対する光レベルの減少を検出するように構成される。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態によれば、卵をキャンドリングするための装置は、卵がその間を通過できるように離間関係を成す光源と光検出器との複数の対であって、各光源が、スペクトルの1つ以上の選択された部分からの光を卵に照射するように構成され、各光検出器が、卵を通過する光を受けるとともに、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成するように構成され、各光源/光検出器対がそれぞれの光チャンネルを規定する、光源と光検出器との複数の対と、各光チャンネルと通信し、光源とそれぞれの光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析するプロセッサとを備える。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出するように構成される。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出するように構成される。
【0030】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルのそのチャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出するように構成される。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの他の光チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出するように構成される。
【0032】
本発明の幾つかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの光チャンネルにおける光検出器で受けられた光レベルのその光チャンネルにおける履歴的な光レベルに対する減少を検出するように構成される。
【0033】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面を拭き取って残渣/材料を前記表面から除去するように構成されるワイパを備える。
【0034】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システムを備える。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、光源に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを含む。透明材料は、光源に対して移動するとともに、光源と接触する残渣を運び去るように構成される。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態によれば、キャンドリング装置は、光検出器に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを含む。透明材料は、光検出器に対して移動するとともに、光検出器と接触する残渣を運び去るように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、本発明の好ましい実施形態が示される添付図面を参照して、本発明を更に十分に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で具現化されてもよく、また、本明細書に示される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が十分且つ完全となり、本発明の範囲を当業者に対して十分に伝えることができるように提供される。
【0038】
同様の参照符号は、全体にわたって同様の要素を示している。図中、特定の線、層、部品、要素または特徴の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。破線は、特に他に述べられていなければ、任意の特徴または動作を示している。本明細書中で言及された全ての公報、特許出願、特許、および他の引用文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
【0039】
本明細書中で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書中で使用される単数形「1つの(a、an)」、「その(the)」は、文脈が明確に他のことを示唆しなければ複数形を含むものである。また、用語「含む」又は「備える」(comprises)および/または「含んでいる」又は「備えている」(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられている特徴、構成要素、ステップ、動作、要素、および/または、部品の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、構成要素、ステップ、動作、要素、部品および/またはそれらのグループの存在または付加を除外しないことは言うまでもない。本明細書で使用される用語「および/または(and or)」は、1つ以上の関連する列挙された項目の任意のおよび全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される表現「XとYとの間」および「約X〜Y」は、XおよびYを含むと解釈されるべきである。本明細書で使用される「約X〜Y」などの表現は、「約X〜約Y」を意味している。本明細書で使用される「約XからYまで」などの表現は、「約Xから約Yまで」を意味している。
【0040】
他に規定されていなければ、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。また、一般に使用される辞書で規定される用語などの用語は、明細書の文脈中および関連技術におけるそれらの意味と整合性がとれる意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書でそのように特に規定されていなければ理想的なあるいは非常に形式張った意味で解釈されるべきではないことは言うまでもない。周知の機能または構成は、簡単のためおよび/または明確にするため詳しく説明されない場合がある。
【0041】
要素が他の要素「の上にある」、「に対して取り付けられる」、「に対して接続される」、「と結合される」、「と接触する」などとして言及される場合には、その要素が他の要素上に直接にあり、他の要素に対して取り付けられ、他の要素に対して接続され、他の要素と結合され、あるいは、他の要素と接触されている可能性があり、あるいは、介在要素が存在していてもよいことは言うまでもない。これに対し、要素が、例えば、他の要素「上に直接にあり」、「に対して直接に取り付けられ」、「に対して直接に接続され」、「と直接に結合され」、あるいは、「と直接に接触する」として言及される場合には、介在要素は存在しない。また、当業者であれば分かるように、他の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴への言及は、隣接する特徴と重なり合う或いは隣接する特徴の下側に位置する部分を有していてもよい。
【0042】
「の下側(under)」、「の下(below)」、「下側の(lower)」、「の上側(over)」、「上側の(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、簡単に説明するため、1つの要素または特徴の図示される他の要素または特徴に対する関係を説明するために使用されている場合がある。空間的に相対的な用語は、図面に描かれる方向に加えて、使用時または動作時の装置の様々な方向を網羅しようとするものであることは言うまでもない。例えば、図面中の装置が反転される場合、他の要素または特徴「の下側に(under)」、「の下に(beneath)」あるとして説明される要素は、他の要素または特徴「よりも上側(over)」に方向付けられている。したがって、典型的な用語「下側(under)」は、「上側(over)」および「下側(under)」の両方を網羅し得る。装置は、他の方向(90度回転されあるいは他の方向にある)に向けられてもよく、また、それに応じて、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子が解釈されてもよい。同様に、用語「上方」「下方」「垂直」「水平」などは、本明細書では、特に他に示唆されていなければ、単なる説明のためだけに使用される。
【0043】
「第1」「第2」などの用語は、本明細書では、様々な要素、部品、領域、層、および/または区域を説明するために使用される場合があるが、これらの要素、部品、領域、層、および/または区域がこれらの用語によって限定されるべきでないことは言うまでもない。これらの用語は、1つの要素、部品、領域、層、および/または区域を他の要素、部品、領域、層、または区域から区別するためだけに使用されている。したがって、後述する「第1の」要素、部品、領域、層、および/または区域は、本発明の技術から逸脱することなく、「第2の」要素、部品、領域、層、または区域と称することもできる。動作(またはステップ)の順序は、特に他に示唆されていなければ、請求項または図面に示される順序に限定されない。
【0044】
図1は、本発明の実施形態にしたがって生きている卵を識別するように構成される卵キャンドリング装置30を有する卵処理システム5のブロック図である。卵12のキャリア(例えば、エッグフラット)10は、コンベア22によって、フラット10内の各卵12を生きているあるいは生きていないとして指定するように構成されるキャンドリング装置30へと搬送される。卵のフラットを搬送するのに適した任意のタイプの搬送システムが本発明の実施形態にしたがって利用されてもよい。卵搬送システムは、当業者に周知のため、本明細書で更に説明する必要はない。
【0045】
従来から卵はエッグフラットの状態で運ばれるが、複数の卵を経時的にキャンドリングステーション30および他の卵処理装置へ与える任意の手段が使用されてもよい。ほぼ任意のタイプのエッグフラットが本発明の実施形態にしたがって使用されてもよい。フラットは、任意の数の列、例えば7列の卵を収容してもよい。この場合、6列および7列が最も一般的である。また、隣り合う列の卵は、「長方形」フラットの場合のように互いに平行であってもよく、あるいは、「オフセット」フラットの場合のように千鳥状の関係を成していてもよい。適した市販のフラットとしては、「CHICKMASTER 54」フラット、「JAMESWAY 42」フラット、および「JAMESWAY 84」フラット(いずれの場合も、数字は、フラットによって運ばれる卵の数を示している)が挙げられるが、これらに限定さらない。エッグフラットは、当業者に周知のため、本明細書で更に説明する必要はない。
【0046】
キャンドリング装置30は、後述するように、キャリア内の卵に光を当てる複数の光源と、卵を通過する光源からの光を受け且つ受けた光に対応する出力信号を生成する複数の対応する光検出器とを含む。本発明の幾つかの実施形態にしたがって利用されてもよい典型的な光キャンドリング装置は、例えばHebrank et al.に対して付与された米国特許第5,745,228号に記載されている。本発明の幾つかの実施形態にしたがって利用されてもよい、適した市販の光キャンドリングシステムとしては、例えば、Research Triangle,N.C.のEmbrex社から市販されているEgg Remover(登録商標)キャンドリングシステムのS Beam光キャンドリングシステムが挙げられる。
【0047】
図示のキャンドリング装置30はプロセッサ40に対して動作可能に接続され、プロセッサ40は、キャンドリング装置30の動作を制御し、各光検出器からの出力信号を解析するとともに、キャンドリング装置30から受ける各卵12に関する情報を記憶する。オペレータがプロセッサ40とやりとりできるように、オペレータインタフェース(例えば、ディスプレイ)42が設けられてもよい。プロセッサ40は、例えば卵除去ステーション50および埋め戻しステーション60を含む様々な他の下流側の卵処理動作を制御してもよい。
【0048】
図示の装置において、生きていないとして指定された卵12は、キャンドリング装置30の下流側において卵除去装置50でフラット10から除去される。プロセッサ40は、キャンドリング装置30により生きていないと決定され卵に関して選択除去信号を生成する。生きていない卵は、フラット10から除去されて、廃棄され、あるいは、幾つかの他の目的のために使用される。
【0049】
図2は、図1のキャンドリング装置30からの典型的な光源32および光検出器34の対を示している。キャンドリング装置30は、エッグフラットなどのキャリア内の卵の1つの列に対応するように複数の光源/光検出器対を含む。各光源/光検出器対はそれぞれの光チャンネルを規定する。各光検出器34は検出増幅・フィルタ回路35に関連付けられるとともに、検出増幅・フィルタ回路35はアナログ入力ボード36に関連付けられている。各光源32(例えば、赤外線光源など)は光源駆動回路33に関連付けられるとともに、光源駆動回路33はデジタル出力ボード37に関連付けられている。当業者であれば分かるように、それぞれの対における光源32および光検出器34は卵の両側に位置されている。図2では、光検出器34が卵の上側にあり、光源32が卵の下側にあるが、これらの位置は重要ではなく逆にすることができ、あるいは、光源からの光が光検出器へ向けて卵を照明する限りにおいて、光源および光検出器が異なる方向に配置されてもよい。本発明の実施形態は、光源32および光検出器34の図示の方向および形態に限定されない。
【0050】
入力および出力ボード36、37は、物理的に1つ以上の別個のボードであってもよく、プロセッサ38(例えば、パーソナルコンピュータまたは他の計算機器)に関連付けられる。この場合、システムの動作は、プロセッサに関連付けられるユーザインタフェース39で監視される。動作時、各光源32から短いバースト(例えば、50〜300マイクロ秒)で光が生成され、対応する光検出器34が、その対応する光源32が動作している間、監視する。周囲の光の影響を減少させるため、光がONでないときの光検出器34の出力が、光がONのときの読み取り値から差し引かれる。卵のフラットは、それがキャンドリング装置30を通過して移動するときに連続して「走査される」。この場合、各光検出器/光源対は、少なくとも隣り合う、好ましくは全ての他の光検出器/光源対が休止している間に作動する。
【0051】
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係るキャンドリング装置30の端面図である。キャンドリング装置30は、離間した関係を成して隣り合って配置される複数の光源32を内部に収容する光源装着ブロック71(図5)と、離間した関係を成して隣り合って配置される複数の光検出器34を内部に収容する光検出器装着ブロック70(図5)とを含む。また、図示のキャンドリング装置30は、卵12を収容するエッグキャリア10を光源装着ブロック71と光検出器装着ブロック70との間で搬送するコンベア22も含む。
【0052】
図5は、図3の光源装着ブロックおよび光検出器装着ブロック71、70の部分拡大断面図である。図示の光源装着ブロック71は、光源32(例えば、Photonics Detector社、赤外線光源、部品番号PDI−E805など)が内部に配置された状態で不透明バックプレート72を含む。これらの光源32は一体レンズを含むが、一体でないレンズ系が各光源毎に設けられてもよい。また、図示の光源装着ブロック71は、バックプレート72に取り付けられた不透明ポリマーブロック73も含む。ポリマーブロック73は、各光源32と一致する関係を成して貫通して穿孔された開口を有する。また、光源装着ブロック71は、ブロック73にその上面73aと略面一となるように形成されたそれぞれの開口内に配置されるサファイアディスク80も含む。各サファイアディスク80は、残渣(例えば液体など)が開口を通過して光源32に達することを防止することによって、それぞれの光源32を保護する。また、各サファイアディスク80は、簡単に洗浄することができ且つ水および他の材料/液体を蓄積しないあるいは溜めない略平坦な表面を形成する。サファイアは、定期的な拭き取りによって表面を傷付けず且つ光を隣り合う卵で散乱させない十分な硬さを有する。しかしながら、ディスク80が他の材料から形成されてもよい。本発明の実施形態はサファイアディスクに限定されない。したがって、装着ブロック71の構造は、残渣が光源32を損傷させないようにする表面(例えば、サファイアディスク80)を、卵とそれぞれの光源32との間に位置される光開口に対して与える。
【0053】
光検出器装着ブロック70も同様の構造を有する。図示の光検出器装着ブロック70は、光検出器34(例えば、Texas Instruments赤外線検出器、部品番号TSL261など)が内部に配置された状態で不透明バックプレート75を含む。任意に、一体レンズまたは一体でないレンズ系を光検出器34に設けることができる。また、図示の光検出器装着ブロック70は、バックプレート75に取り付けられた不透明ポリマーブロック76も含む。ポリマーブロック76は、各光検出器と一致する関係を成して貫通して穿孔された開口を有する。また、光検出器装着ブロック76は、ブロック76にその下面76aと略面一となるように形成された対応する開口内に配置されるサファイアディスク80も含む。各サファイアディスク80は、残渣(例えば液体)が開口を通過して光検出器34に達することを防止することによって、対応する光検出器34を保護する。また、各サファイアディスク80は、簡単に洗浄することができ且つ水および他の材料/液体を蓄積しないあるいは溜めない略平坦な表面を形成する。前述したように、ディスク80が他の材料から形成されてもよい。本発明の実施形態はサファイアディスクに限定されない。したがって、装着ブロック76の構造は、残渣が光検出器34を損傷させないようにする表面(例えば、サファイアディスク80)を、卵とそれぞれの光検出器34との間に位置される光開口に対して与える。
【0054】
ブロック73、76は、様々な材料から形成されてもよく、ポリマー材料に限定されない。
【0055】
図4Aは、複数のサファイアディスク80と略面一なブロック表面73aを示す図3のキャンドリング装置30の斜視図である。図4Bは、複数のサファイアディスク80と略面一なブロック表面76aを示す図3のキャンドリング装置30の斜視図である。
【0056】
本発明の実施形態は図示のキャンドリング装置30に限定されない。本発明の実施形態は、制限無く任意のキャンドリング装置と共に実施されてもよい。
【0057】
ここで、図6〜図8を参照して、有効なキャンドリング操作の維持を容易にする、卵をキャンドリングする本発明の実施形態に係る方法について説明する。最初に、キャンドリング装置の光路(すなわち、光源32から光検出器34までの光路)が変更されたかどうかの決定が行なわれる(ブロック100)。光路が変更されたという決定に応じて、変更している材料(例えば、卵の残骸、水など)が光路または隣接する領域から除去され(ブロック200)、および/または、光源/光検出器対の機能不良が検査される(ブロック300)。キャンドリング装置の光路が変更されたかどうかの決定は様々な方法で行なうことができる。例えば、キャンドリング操作中に光源32から卵に光が当てられ、卵を通過する光が対応する光検出器34で受けられる。光検出器34は、光検出器34で受けた光に対応する出力信号を生成する。出力信号は、例えば光源32および/または光検出器34間の光路を覆う残渣によって光路が変更されたかどうかを決定するために1つ以上の様々な方法で解析される。
【0058】
出力信号解析は、中身がないクリアな卵の平均光レベルの降下を検出し(例えば、1つのチャンネル上の中身がないクリアな卵の平均不透明度がキャンドリング装置の他のチャンネルの平均または平均のメジアンを下回って降下することを検出する)(ブロック110);中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出し(例えば、1つのチャンネル上の中身がないクリアな卵のパーセントがキャンドリング装置の他のチャンネルのそれよりも降下する)(ブロック120);1つのチャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの、そのチャンネルにおける履歴的な値および/またはキャンドリング装置の他のチャンネルにおける値に対する増大を検出し(ブロック130);キャンドリング装置の光源から光検出器へと卵間で伝えられる光レベルの減少を検出する(ブロック140)ことを含むが、これらに限定されない。また、本発明の幾つかの実施形態にしたがってキャンドリング装置の光源/光検出器対の光路が変更されたかどうかを決定する他の方法としては、光源および/または光検出器が洗浄されなければならないという時間ベースの、サイクルベースの、あるいは、ランダムな前提、およびキャンドリング装置のオペレータによるマニュアル観察が挙げられる。
【0059】
生きている卵が中身がないクリアな卵であることを偽って示す、生きている卵における高い光レベルは、水および/または卵材料が光検出器または光源のレンズ上に形成しているとき、および/または、くもり(例えば、凝結など)によって光検出器が光源からの迷光を集めあるいは光源が光を側方へ散乱するときに起こり得る。一般に、1つの光チャンネル上の生きている卵が一貫して中身がない卵のように見える場合、光検出器および光源を洗浄しなければならずおよび/または光検出器および光源のくもりをチェックしなければならない。
【0060】
キャンドリング装置の光路または隣接する領域からの変更材料の除去は、本発明の幾つかの実施形態にしたがって様々な方法で行なうことができる。例えば、光源および/または光検出器の表面(および/または、光源/光検出器上に位置する例えば前述したサファイアディスク80などの保護材料の表面)を拭き取ることができ(例えば、自動で、または手で)(ブロック210);光源および/または光検出器の表面(および/または、光源/光検出器上に位置する例えば前述したサファイアディスク80などの保護材料の表面)に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けることができ(ブロック220);および/または、光源および/または光検出器の表面に残渣が到達しないようにブロックするとともに残渣を運び去る移動透明フィルムが利用されてもよい(ブロック230)。例えば、図5の図示のキャンドリング装置の実施形態において、それぞれのブロック73、76の表面73a、76aおよびサファイアディスク80がこれらから残渣を除去するために拭き取られてもよくおよび/または流体を吹き付けられてもよい。
【0061】
本明細書中で使用される「光源および/または光検出器を洗浄する」という表現は、前述したサファイアディスク80などの光源および/または光検出器上に横たわる保護材料の表面、および光源および/または光検出器自体を洗浄することを意味していることは言うまでもない。また、本明細書中で使用される「光源および/または光検出器を洗浄する」という表現は、光源/光検出器に隣接する表面を洗浄することも意味する。
【0062】
図9は、本発明の幾つかの実施形態にしたがってブロック73の表面73aおよびサファイアディスク80を拭き取るように構成されるワイパ80を有する図3のキャンドリング装置30を示している。光検出器34を収容するブロック76の表面76aを拭き取るために同様のワイパが使用されてもよい。ワイパ80は、様々な形態を有してもよく、また、形態および動作が車両のフロントガラス用のワイパブレードに類似していてもよい。
【0063】
図10は、本発明の幾つかの実施形態にしたがって光源32を収容するブロック73の表面73aおよびサファイアディスク80に対して洗浄流体を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システム82を有する図3のキャンドリング装置30を示している。図示の実施形態において、一連のノズル84は、表面73aおよびサファイアディスク80上に流体(例えば、洗浄流体、水、空気など)を吹き付けるように構成されている。光検出器34を収容するブロック76の表面76aを洗浄するために同様のスプレーシステムが使用されてもよい。
【0064】
図11は、光検出器32を収容するブロック73に隣接して透明材料のシート90が位置された図3のキャンドリング装置30を示している。材料シート90は、残渣を捕らえて矢印92で示される方向へ周期的に移動することにより残渣を光源32から取り除くように構成されている。残渣を捕らえてその残渣を光検出器34を収容するブロック76の表面76aから除去するために同様のシステムが使用されてもよい。
【0065】
以上は、本発明の例示であり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明の幾つかの典型的な実施形態を説明してきたが、当業者であれば容易に分かるように、本発明の新規な教示および利点から大きく逸脱することなく、典型的な実施形態において多くの変形が可能である。したがって、そのような全ての変形は、請求項に規定される本発明の範囲内に含まれると意図される。本発明は以下の請求項によって規定され、その場合、請求項の等価物も請求項に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の幾つかの実施形態に係る、卵キャンドリング装置を有する卵処理システムのブロック図である。
【図2】図1のキャンドリング装置からの光源・光検出器対のブロック図である。
【図3】本発明の幾つかの実施形態に係る、複数の光源を収容する光源装着ブロックと複数の光検出器を収容する光検出器装着ブロックとの間に位置されるエッグキャリアを示す典型的なキャンドリング装置の端面図である。
【図4A】光源装着ブロック内の複数の光源を示す図3のキャンドリング装置の斜視図である。
【図4B】光検出器装着ブロック内の複数の光検出器を示す図3のキャンドリング装置の斜視図である。
【図5】図3の光源装着ブロックおよび光検出器装着ブロックの部分拡大断面図である。
【図6】本発明の幾つかの実施形態に係る、キャンドリング装置の有効な動作を維持するための動作のフローチャートである。
【図7】本発明の幾つかの実施形態に係る、キャンドリング装置の有効な動作を維持するための動作のフローチャートである。
【図8】本発明の幾つかの実施形態に係る、キャンドリング装置の有効な動作を維持するための動作のフローチャートである。
【図9】本発明の幾つかの実施形態に係る、光検出器の表面を拭き取るように構成されるワイパを有する図3のキャンドリング装置の斜視図である。
【図10】本発明の幾つかの実施形態に係る、光検出器の表面に洗浄流体を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システムを有する図3のキャンドリング装置の斜視図である。
【図11】本発明の幾つかの実施形態に係る、光検出器に隣接して位置され且つ残渣を捕らえて光検出器から取り除く移動透明材料シートを有する図3のキャンドリング装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵をキャンドリングする方法であって、
a)光源からの光を卵に照射するステップと、
b)卵を通過する光を光検出器で受けるステップと、
c)卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成するステップと、
d)光源と光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために出力信号を解析するステップと
を含む方法。
【請求項2】
それぞれの光路が変更されたという決定に応じて光源および/または光検出器を洗浄するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それぞれの光路が変更されたという決定に応じて光源および/または光検出器を検査するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光路変更材料を光源および/または光検出器から除去することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光源および/または光検出器の表面を拭き取ることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光源および/または光検出器の表面に洗浄流体を吹き付けることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
出力信号を解析する前記ステップは、予期される光レベルを下回る光レベルを検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
キャンドリング装置を用いて卵をキャンドリングする方法であって、前記キャンドリング装置が、卵のキャリアがその間を通過できるように離間関係を成す光源と光検出器との複数の対を備え、各光源/光検出器対がプロセッサに動作可能に関連付けられ、各光源/光検出器対がそれぞれの光チャンネルを規定する方法において、
a)光源からの光をキャリア内の卵に照射し、卵が横列および縦列の状態でキャリア内に配置され、1つの横列内の各卵がそれぞれの光源/光検出器対間に位置されるステップと、
b)各卵を通過する光を対応する光検出器で受けるステップと、
c)それぞれの各卵に関して光検出器で受けられた光に対応する出力信号を生成するステップと、
d)任意の光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析するステップと
を含む方法。
【請求項9】
いずれかの光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が、他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
いずれかの光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
いずれかの光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの前記チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
いずれかの光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの他の光チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
いずれかの光源/光検出器対間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析する前記ステップは、光チャンネルにおける光検出器で受けられた光レベルの前記光チャンネルにおける履歴的な光レベルに対する減少を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
それぞれの光路が変更されたという決定に応じて、光源および/または光検出器を洗浄するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
それぞれの光路が変更されたという決定に応じて、光源および/または光検出器を検査するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光路変更材料を光源および/または光検出器から除去することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光源および/または光検出器の表面を拭き取ることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
光源および/または光検出器を洗浄する前記ステップは、光源および/または光検出器の表面に洗浄流体を吹き付けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
卵をキャンドリングするための装置であって、
スペクトルの1つ以上の選択された部分からの光を卵に照射するように構成される光源と、
卵を通過する光を受けるとともに、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成する光検出器と、
フォトディテクタと通信し、光源と光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために出力信号を解析するプロセッサと
を備える装置。
【請求項20】
プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面を拭き取るように構成されるワイパを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面に洗浄流体を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システムを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
光源に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
光検出器に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記透明材料は、光源に対して移動するとともに、光源と接触する残渣を運び去るように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記透明材料は、光検出器に対して移動するとともに、光検出器と接触する残渣を運び去るように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が、他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出するように、プロセッサが構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
プロセッサは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
プロセッサは、生きている卵の平均光レベルの増大を検出するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
プロセッサは、履歴的な光レベルに対する光レベルの減少を検出するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項30】
卵をキャンドリングするための装置において、
卵がその間を通過できるように離間関係を成す光源と光検出器との複数の対であって、各光源が、スペクトルの1つ以上の選択された部分からの光を卵に照射するように構成され、各光検出器が、卵を通過する光を受けるとともに、卵に関して光検出器で受けた光に対応する出力信号を生成するように構成され、各光源/光検出器対がそれぞれの光チャンネルを規定する、光源と光検出器との複数の対と、
各光チャンネルと通信し、光源とそれぞれの光検出器との間の光路が変更されたかどうかを決定するために各光チャンネルの出力信号を解析するプロセッサと
を備える装置。
【請求項31】
光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値が、他の光チャンネルによってキャンドリングされる中身がないクリアな卵の平均不透明度値を下回って降下したかどうかを検出するように、プロセッサが構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
プロセッサは、中身がないクリアな卵の存在の頻度の降下を検出するように構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
プロセッサは、光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの前記チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出するように構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
プロセッサは、光チャンネルにおける生きている卵の平均光レベルの他の光チャンネルにおける履歴的な値に対する増大を検出するように構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
プロセッサは、光チャンネルにおける光検出器で受けられた光レベルの前記光チャンネルにおける履歴的な光レベルに対する減少を検出するように構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項36】
プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面を拭き取るように構成されるワイパを更に備える、請求項30に記載の装置。
【請求項37】
プロセッサにより動作可能に制御され、光源および/または光検出器の表面に洗浄流体を吹き付けるように構成される洗浄流体適用システムを更に備える、請求項30に記載の装置。
【請求項38】
光源に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを更に備える、請求項30に記載の装置。
【請求項39】
光検出器に隣接して位置され、光源と光検出器との間の光路を残渣が変更しないようにする透明材料シートを更に備える、請求項30に記載の装置。
【請求項40】
前記透明材料は、光源に対して移動するとともに、光源と接触する残渣を運び去るように構成される、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記透明材料は、光検出器に対して移動するとともに、光検出器と接触する残渣を運び去るように構成される、請求項39に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−503509(P2009−503509A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523968(P2008−523968)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/028086
【国際公開番号】WO2007/015914
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(501161398)エンブレクス,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】