説明

鳥類免疫系によって認識されるHN蛋白質のエピトープ及び前記エピトープ突然変異を含むニューカッスル病ウイルス

本発明は鳥類免疫系によって認識されるニューカッスル病ウイルスHN蛋白質エピトープ及びその抗体、抗体を用いたニューカッスル病ウイルス探知方法、そして前記エピトープ突然変異を含むニューカッスル病ウイルス及びこれを用いたワクチンに関するもので、本発明の鳥類免疫系認識HNエピトープと前記エピトープ変異ニューカッスル病ウイルスはニューカッスル病ウイルスを用いて効果的なワクチンを開発することができるだけでなく、ニューカッスル病ウイルスを迅速で正確に診断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鳥類免疫系によって認識されるニューカッスル病ウイルスHN蛋白質エピトープ及びその抗体、抗体を用いたニューカッスル病ウイルス探知方法、そして前記エピトープ突然変異を含むニューカッスル病ウイルス及びこれを用いたワクチンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニューカッスル病は家禽に対して致命的で、伝染性の強い第1種家畜伝染病であって、ワクチンを接種しない鶏に感染する場合には100%の致死率を招き、適切なワクチンを接種しない場合には呼吸器及び消化器症状と産卵鶏の産卵率低下で経済的被害をもたらす致命的な病気である。毎年、発生株の量を発表してはいるが、発生が継続して増加して全国的に発生する傾向にあり、養鶏農家に大きな被害を与えている。適切なワクチンを接種しない場合、ワクチン抗体価の低い産卵鶏や種鶏は産卵率が低下したり止まることもある。また、予防接種をしたとしても接種時期や方法が誤って抗体価の高くない鶏では、脚と頚部が麻痺する神経症状が発現することもある。
【0003】
ニューカッスル病ウイルスは単一鎖RNAウイルスでアブラウイルス(genus AvulaVirus)属に属する。ニューカッスル病ウイルスはエンベロープ(envelope)を有しており、エンベロープにはウイルスが宿主細胞に結合できるようにするHN(haemagglutinin−neuraminidase)蛋白質とエンベロープと宿主細胞の融合を起こすF(fusion:融合)蛋白質がある。F蛋白質とHN蛋白質は糖蛋白質(glycoprotein)としてエンベロープの表面に分布している。
【0004】
ニューカッスル病ウイルスはF遺伝子塩基配列の系統分析によってIからVIIIまでの遺伝型に分類され、このうち遺伝型VI型とVII型はアジア国家であるインドネシア、中国、台湾及び日本にあることが報告された。アジア地域のVII型ウイルスはアフリカ菌株(VIIb)から分岐したVIIaで表わす(Herczeg et al.,1999)。韓国内でVIIa遺伝型のウイルスが存在するという事実が明らかになったが、これらのHN蛋白質線状エピトープは全てワクチン株と同一なアミノ酸配列を持っていることが報告されている(Kwon et al.,2003;Lee etal.,2004)。中国の一部VII型ウイルスは、従来のワクチンでは防御を完ぺきに行えないと知られているが(Yu et al.,2001)、その原因は確認されていない。
【0005】
F蛋白質はI型膜糖蛋白質(typeI membrane glycoprotein)であって三量体(trimeric)構造を形成する(Gorman et al.,1988;Russell et al.,1994;Reitter et al.,1995)。HN蛋白質はII型膜糖蛋白質(type II membrane glycoprotein)でウイルスエンベロープの表面に四量体(tetramer)構造を形成して細胞膜に進入する(Gorman et al.,1988;Ng et al.,1989)。F蛋白質は13個のシステイン残基と5個のグリコシル化サイトがあり、HN蛋白質は14個のシステイン残基と4個のグリコシル化サイトを有している。
【0006】
蛋白質の構造でシステイン残基とグリコシレーション(glycosylation)は蛋白質形態とオリゴマー形成で非常に重要な役割を果たすと知られている。また、システイン残基はエピトープ形成とペプチドのグリコシレーションの位置を決定するのに重要な役割を果たす。HN蛋白質のシステイン残基であるC123で突然変異が生じると、分子間でジスルフィド結合(disulfide bond)を形成せず、共有結合したダイマーを形成することができない。また、他のシステイン残基での突然変異は抗原の構造に影響を与える(McGinnes and Morrison、1994、1997)。全てのニューカッスル病ウイルス菌株はシステイン残基が良好に保存されており、これは構造と機能の厳しい相互作用を意味する。F蛋白質における、それぞれのシステイン残基の生物学的役割が全て明確にされたのではない。単にC199がC76ジスルフィド結合を形成し、この結合が、F蛋白質が切られた後にF1とF2ポリペプチドの間の連結を維持する役割を果たすという報告がある(Wang et al.,1992)。
【0007】
F蛋白質とHN蛋白質は重要な防御抗原であり、これらのエピトープはマウスモノクローナル抗体を用いて決定された。今までF蛋白質で3個の3次構造的エピトープとHN蛋白質で2個の構造、1つの線状エピトープが明らかになった(Nishikawa et al.,1983、1986;Sakaguchi et al.,1989)。HN蛋白質の線状エピトープをなす8個のアミノ酸配列は346アスパラギン酸−グルタミン酸−グルタミン−アスパラギン酸−チロシン−グルタミン−イソロイシン−アルギニン353と判明した。
【0008】
F蛋白質とHN蛋白質はニューカッスル病ウイルスの重要な防御抗原であるので、これら蛋白質を抗原として使用して鳥類を免疫化させることによって、ニューカッスル病ウイルスに対する感染及びこれによる斃死を予防することができる。また、F蛋白質とHN蛋白質に対して生じた抗体を用いて、鳥類のニューカッスル病に対する血清学的な診断を行うことができる。特に、HN蛋白質に対する抗体は赤血球凝集抑制法によって全世界的に幅広く測定されており、抗体力価と防御能力との高い関連性が原因で、赤血球凝集抑制法が抗体検査に好まれているが、実験室ごとに抗体タイターの差異が激しく、自動化が難しくてELISA法に比べて短所がある。ELISA法は自動化及び結果の数値化が可能であるという長所があるが、全ウイルス抗原を使用するため、FやHN蛋白質以外の非常に多くのヌクレオキャプシドに対する抗体が原因で、従来の赤血球凝集法によって測定された抗体タイターと相関関係が低くなる短所がある。
【非特許文献1】Morrison, T.,and A.Portner, Structure, function, and intracellular processing of the glycoproteins of Paramyxoviridae, 1991, p.347−375. In D.Kingsbyry(ed.), The Paramyxoviruses. Plenum Press, New York.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、従来のワクチン接種による防御率が低くて養鶏農家に被害を与える抗原性変異ニューカッスル病ウイルスの被害を減らすために、診断及びワクチン開発に有用に使用できる鳥類免疫系認識HN蛋白質エピトープと、変異された線状エピトープを有するニューカッスル病ウイルスとを提供することによって本発明を完成した。
【0010】
本発明の目的は、鳥類のニューカッスル病ウイルスのHN蛋白質エピトープ、前記エピトープに対する抗体または抗体の断片及び前記抗体を用いたニューカッスル病ウイルスの探知方法及び探知キットを提供することにある本発明の他の目的は、変異形HN蛋白質エピトープを有する新規の鳥類ニューカッスル病ウイルス、前記ウイルスに対するワクチン、前記ワクチンを含む飼料、飼料添加剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、及びSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープであるポリペプチドを提供する。前記ポリペプチドは鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質の345番目アミノ酸から358番目アミノ酸配列である。
【0012】
また、本発明はSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含む変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)に関するものである。
【0013】
また、本発明は、SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含む変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)を含む鳥類ニューカッスル病ウイルス用ワクチンに関するものである。本発明は、前記ワクチンが生ワクチン、弱毒化ワクチンまたは死ワクチンであってもよく、ワクチンを飼料または飼料添加剤として使用することもできる。
【0014】
また、本発明はSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープを特異的に認識する抗体または抗体の断片に関するものである。前記抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得る。
【0015】
また、本発明は前記HN蛋白質のエピトープに対する抗体を鳥類ニューカッスル病ウイルスを含む試料に反応させ、前記抗体に対する陽性反応を用いてニューカッスル病ウイルスを探知することを含む、鳥類ニューカッスル病の診断方法に関するものである。
【0016】
前記抗体に対する陽性反応は、抗原−抗体反応を検出する方法または赤血球凝集抑制反応法を用いて行うことができる。
【0017】
また、本発明は本発明による抗体または抗体の断片を含む鳥類ニューカッスル病診断用ポリペプチドキットに関するものである。
【0018】
また、本発明はSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、及びSEQ ID NO:5に示すヌクレオチド配列を含む鳥類ニューカッスル病診断用核酸キットに関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】
本発明による鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープであるポリペプチドは鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質の345番目アミノ酸から358番目アミノ酸で構成された14個アミノ酸からなるペプチドである。本発明のHN蛋白質のエピトープは従来に知られた8個ペプチド抗原である346アスパラギン酸−グルタミン酸−グルタミン−アスパラギン酸−チロシン−グルタミン−イソロイシン−アルギニン353より優れた抗原的特性を持っている。前記8個アミノ酸で構成されたHN蛋白質エピトープはマウスのモノクローナル抗体を用いてエピトープ活性を確認したが、マウスと鳥類間には全く異なる免疫体系を持っていてマウスで確認したエピトープが必ず鳥類で認識可能なエピトープであることはない。本発明による14個のアミノ酸で構成されたペプチドを含むHN蛋白質エピトープは鳥類で認識可能であり、優れた免疫原性を示す。
【0021】
本発明者らは、韓国内で分離された強病原性ニューカッスル病ウイルスの菌株からRNAを抽出し、これをRT−PCRした後に塩基配列を明らかにし、それからアミノ酸配列を得た。その結果、本発明のHN蛋白質線状エピトープのアミノ酸配列はSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:6であり、これをコードする塩基配列をSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、及びSEQ ID NO:5に記載した。SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:6で示したアミノ酸配列を含むニューカッスル病ウイルスのHN蛋白質線状エピトープアミノ酸配列をワクチン株、国内及び国外ニューカッスル病ウイルス菌株と比較分析した。
【0022】
その結果、HN線状エピトープについて、SNU0202はワクチン株と同一なSEQ ID NO:2を有し、SNU5070はSEQ ID NO:4を有し、KBNP−4152とSNU5005、SNU5009、SNU5074は新規のSEQ ID NO:6を有していた(図1参照)。SEQ ID NO:6で記載される線状エピトープはVII型国外株では発見されなかった。
【0023】
本発明者らはSEQ ID NO:2とSEQ ID NO:6で記載されるペプチドをFmoc−化学法を用いて合成し、合成されたペプチドを96穴プレートにコーティングし、SEQ ID NO:1を有するラソタ(La Sota)ワクチン株を免疫して得られた鶏の抗血清(抗ラソタ株抗血清)とSEQ ID NO:3を有するKBNP−4152を免疫して得られた鶏の抗血清(抗KBNP−4152抗血清)を用いてELISA法を行った。
【0024】
その結果、抗ラソタ株抗血清はSEQ ID NO:2のペプチドに対して高い反応性を示した反面、SEQ ID NO:6を有するペプチドに対しては低い反応性を示した。そして、抗KBNP−4152抗血清はSEQ ID NO:6を有するペプチドに対しては高い反応性を示した反面、SEQ ID NO:2を有するペプチドに対しては低い反応性を示した。これらの結果により、このような線状エピトープが鳥類免疫系によって認識されるという事実を初めに確認し、SEQ ID NO:6を有する最近の野外ウイルスは従来ワクチン抗体によって中和がほとんど起こらないという事実を確認した(図2参照)。
【0025】
本発明はSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、及びSEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープを特異的に認識する抗体または抗体の断片を提供する。
【0026】
具体的には、本発明は、SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原として製造され、SEQ ID NO:2に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識する抗体または抗体の断片である。
【0027】
本発明の他の例において、前記抗体または抗体の断片は、SEQ ID NO:4に示したアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原にして製造され、SEQ ID NO:4に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識する抗体または抗体の断片である。
【0028】
本発明の他の例において、前記抗体または抗体の断片は、SEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原にして製造され、SEQ ID NO:6に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識する抗体または抗体の断片である。
【0029】
前記抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体であり得、鶏、キジ、鴨、七面鳥、ウズラ、ダチョウなど鳥類の抗体であり得る。前記抗体は鶏、キジ、鴨、七面鳥、ウズラ、ダチョウなど鳥類のニューカッスル病ウイルスに使用することができる。
【0030】
また、本発明は、前記抗体または抗体の断片を鳥類ニューカッスル病ウイルスを含む試料に反応させ、前記抗体に対する陽性反応を示す試料をニューカッスル病として判断することを含む鳥類ニューカッスル病の診断方法を提供する。前記陽性反応の確認は、通常の抗体−抗原反応を探知する方法で行うことができ、例えば前記抗体または抗体の断片に放射線同位元素、蛍光物質、発光物質、酵素、クロモゲン及び染色物質からなる群より選択された標識物質で標識し、前記標識物質による反応結果を検出して行うことができる。例えば、ELISAである。
【0031】
また、本発明は、前記抗体または抗体の断片を鳥類ニューカッスル病ウイルスを含む試料に反応させ、鶏赤血球を反応させてニューカッスル病ウイルスによる赤血球凝集抑制の有無を検査する前記抗体に対する赤血球凝集抑制反応法を用いて、ニューカッスルウイルスを探知することを含む、鳥類ニューカッスル病の診断方法に関するものである。本発明の一実施例による鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質エピトープに対する抗体を用いた赤血球凝集抑制反応法には、通常のウイルス赤血球凝集抑制反応方法を適用することができる。
【0032】
また、本発明は、前記HN蛋白質のエピトープを認識する抗体または抗体の断片を含む鳥類ニューカッスル病診断用ポリペプチドキットまたは前記HN蛋白質のエピトープをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む前記ニューカッスル病ウイルス診断用核酸キットに関するものである。前記核酸キットは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、及びSEQ ID NO:5に示す塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをプローブとして、ポリ−L−リジン処理ガラス基板やニトロセルロース、ナイロン膜などの基板にコーティング緩衝溶液と共に滴下し、自然乾燥や紫外線で結合させて、ウイルスRNAやRT−PCR産物を蛍光染色剤、ビオチン、ジゴキシゲニン等で標識した後、サザンまたはノーザンブロッティングに使用したり、リアルタイムPCRに使用することができる。本発明によるHN蛋白質エピトープをコードする塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをプローブとして使用して、通常のオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いたウイルス検出方法と同一に適用することができ、前記核酸キットも本発明によるHN蛋白質エピトープをコードする塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをプローブとして使用することを除いては通常の核酸キットと同様である。
【0033】
SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含む変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)を含む鳥類ニューカッスル病ウイルス用ワクチンを提供する。
【0034】
本発明は、また、SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含む変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むニューカッスル病ウイルスに関するものである。前記ウイルスはGene Bank of Korea Research Institute of Bioscience and Biotechnologyに寄託して2006年3月10日に寄託番号KCTC10919BPを受けた。前記ウイルスはSEQ ID NO:6に示したようにHN蛋白質のエピトープである345番目アミノ酸から358番目アミノ酸を含むペプチドの中で347番目アミノ酸及び354番目アミノ酸がリジンに変更されている。また、蛋白質3次構造形成に重要な役割を果たすシステイン(HN:C1−C13、F:C1−C13)とN−グリコシレーション領域(HN:G1−G6、F:G1−G6)で、本発明による変異株SNU4152とラソタ株を比較した結果、HNでC1とG5、FでC2が異なっていた。
【0035】
本発明は、前記SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含む変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープをコードするポリヌクレオチドを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)を含む鳥類ニューカッスル病ウイルス用ワクチンを提供し、前記ワクチンは生ワクチン、弱毒化ワクチンまたは死ワクチンであり得る。本発明によるワクチンは、通常の鳥類ニューカッスル病ウイルス用ワクチンに含まれる追加的な賦形剤または添加剤など、例えばミネラルオイル、水酸化アルミニウムゲル、アジュバントとしてサポニン、ビタミン、グルタミン酸ナトリウム、脂質多糖体、BCG、キトサン、グルカン、ペプチドグルカンなどを追加することができる。前記抗体は鶏、キジ、鴨、七面鳥、ウズラ、ダチョウなど鳥類のニューカッスル病ウイルスに使用することができる。前記ワクチンの鳥類投与方法は皮下や筋肉注射で接種し、育雛期、産卵前、産卵中に1回または繰り返して接種して行うことができ、接種量は通常の鳥類ニューカッスル病ウイルスのワクチン投与量と同一である。
【0036】
ニューカッスル病ウイルスのF蛋白質は、不活性な前駆体形態(F0)で作られ、ゴルジ膜(Golgi membranes)を通って移動する間に活性形態のF1とF2に切り分けられる[Morrison, T.,and A.Portner, Structure, function, and intracellular processing of the glycoproteins of Paramyxoviridae, 1991, p.347−375. In D.Kingsbyry(ed.), The Paramyxoviruses. Plenum Press, New York.]。このような過程は、F1サブユニット(subunit)のアミノ末端で疎水性ドメインを露出させ、これは成熟した蛋白質の生物学的活性に重要な役割を果たす(Scheid and Choppin, 1974;Scheid and Choppin, 1978)。融合ペプチドと呼ばれる疎水性ドメインはパラミクソウイルス (paramyxovirus)F蛋白質で良好に保存され、膜融合を媒介するのに直接的に関与していると思われる(Lamb, 1993)。パラミクソウイルスF蛋白質は、heptad repeatを含み、アルファヘリックス構造を形成する可能性のある2つの地域を含むいくつかの共通の構造形態を有している(Lamb, 1993)。2つの反復の中で最も長いheptad repeat AはF1のアミノ末端で疎水性融合ペプチドと隣接しており、heptad repeat Bは、貫通膜(transmembrane)領域の上部に密着している。heptad repeat Bは、毎7個残基ごとに良好に保存されたロイシンあるいはイソロイシンの連続で構成されている(Buckland and Wild、1989)。
【0037】
HN蛋白質によって、ビリオン(virion)が、glycol conjugateのシアル酸への結合を介して、宿主細胞表面に位置することとなる。HN蛋白質は貫通膜ドメイン、幹ドメイン及び球形ドメインの3つの地域に分れる。抗原性の受容体の結合部位と、ノイラミニダーゼ(neuraminidase)の活性部位は、両方とも、球形ドメインに位置している。融合誘導活性は、幹ドメインに位置しており、これはF蛋白質と相互作用する(Sergei et al.,1993)。幹ドメインは予想される形態で、α−ヘリックスと共に2個のheptad repeat A(74−88位置)とheptad repeat B(96−110位置)を有している。また、構造を破壊するいずれの突然変異も、受容体結合とノイラミニダーゼ活性を減少させる原因となるという報告がある(Stone−Hulslander and Morrison、1999)。
【0038】
本発明者らは、SEQ ID NO:6を有するKBNP−0028とラソタ株を用いて交差赤血球凝集抑制検査法を行った。その結果、抗ラソタ株血清はラソタ株に対して高い赤血球凝集抑制力価を示したが、抗KBNP−4152血清は4倍乃至8倍低い赤血球凝集抑制力価を示し、抗KBNP−4152血清はKBNP−4152ウイルスに対して抗ラソタ株血清と比較して4倍乃至8倍高い赤血球凝集抑制力価を示した。SEQ ID NO:1を有するラソタ株とSEQ ID NO:6を有するKBNP−4152間に抗原性の差があることが再確認された(図3参照)。
【0039】
また、本発明者らは抗ラソタ株血清と抗KBNP−4152血清でそれぞれ中和させたKBNP−4152を鶏胚繊維芽細胞に感染させてウイルス中和試験を行った。その結果、抗ラソタ株血清は抗KBNP−4152血清に比べてウイルス中和能力が128倍低く、2つのウイルス間の抗原性差が確認された(図4参照)。
【0040】
以下、本発明を実施例によって詳しく説明する。但し、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0041】
<実施例1:HN蛋白質の線状エピトープ塩基配列分析>
<1−1>ウイルス菌株の分離
ニューカッスル病ウイルス菌株は鶏から標準的方法(Alexander、1989)によって分離した。具体的には、気管(trachea)、前胃(proventriculus)、小腸(small intestine)及び盲腸扁桃(cecal tonsil)のような出血性病変部位のサンプルを使用してウイルスを分離した。前記分離したウイルスを10%のBCS(bovine calf serum、Gibco/BRL、Grand Island、NY)を添加したDMEM(Gibco/BRL、Grand Island、NY)培地で培養した鶏胚繊維芽細胞に接種し、細胞は5%のCO、37℃の加湿環境下で培養した。
【0042】
合胞体(syncytia)を観察した後、上澄み液を、10乃至11日齢のSPF(specific pathogen free)孵化鶏卵(Sunrise Co.,NY)の尿膜腔(allantoic cavity)に接種した後、37℃で3日間培養して、4℃で静置した後、尿膜液を回収した。前記回収した尿膜液は鶏赤血球細胞の凝集反応とバクテリア感染をテストした。HN蛋白質線状エピトープ塩基配列を分析するためにSNU0202、KBNP−4152、SNU5005、SNU5009、SNU5070、SNU5074を使用し、ニューカッスル病ウイルスの最終的な同定は<実施例1−3>で決められた塩基配列に基づいて実施した。
ウイルス同定及び線状抗原分析のためのHN部分塩基配列を、SEQ ID NO:10乃至15及び図5A乃至図5Fに示した。
【0043】
【表1】

【0044】
<1−2>RNA分離とRT−PCR
ウイルスゲノムRNAは、酸−グアニジウム−フェノール(acid−guanidinium−phenol)法(Chomzinski and Sacci、1985)によって尿膜液から抽出した。具体的には、尿膜液100μlを1mlのTRI反応物(MRC co.,MA)に添加して抽出し、RNA沈殿物を0.1%のDEPC(ピロ炭酸ジエチル)処理された蒸留水(DW)50μlで溶かした。
【0045】
前記で抽出したRNA1μl、ランダムヘキサマー(random hexamer、20ng/μl)1μl、5x1ststrandedバッファー2μl、DEPC処理されたDW4.5μlをよく混合して72℃で15分間反応させて氷で冷却した。dNTPs(Bioneer co.,Korea)1μlとMMLV逆転写酵素(Superscript II、Gibco、BRL)0.5μlを前記反応物に添加して42℃で60分間反応させ、逆転写酵素は94℃で5分間処理して不活性化させた。
【0046】
4倍希釈したcDNA1μl、10xPCRバッファー1μl、2.5mMのdNTP0.2μl、それぞれのプライマー(SEQ ID NO:7乃至SEQ ID NO:8)2μl、Taqポリメラーゼ(Bioneer co.,1U/μl)1μl及びDW7.2μlを混合した。前記反応液を94℃で4分間変成させた後、94℃で30秒、52℃で10秒、72℃で60秒処理し、これを35回反復して実施した後、72℃で7分間さらに反応させた。PCR産物は2%アガロスゲルで電気泳動してEtBrに染色して観察した。
【0047】
その結果、予測される大きさの増幅産物を観察し、塩基配列を分析した結果、特異なバンドであることを確認した。
【0048】
<1−3>塩基配列分析
HN蛋白質の遺伝子をABI377DNA自動分析装置とダイ・ターミネーター・キット(dye terminator kit、Perkin Elmer、Foster、CA)を使用して塩基配列を分析した(Kwon et al.,2000)。具体的には、PCR産物5μlを3M酢酸ナトリウム(pH5.2)1μl、95%のエタノール12.5μlに添加して氷に10分間静置した後、14,000rpmで15分間遠心分離し、70%のエタノールで洗浄した後、沈殿物を乾燥させてこれを1xPCRバッファー10μlに溶解させた。
【0049】
塩基配列分析を経済的に実施するために、ダイ・ターミネーター・キット(Taqポリメラーゼ、FS;Perkin Elmer Co.)をDWで2.5倍希釈し、希釈されたキット2μlをDNA1μl、1xPCRバッファー2μl、塩基配列決定用プライマー(SEQ ID NO:9、3pmol/μl)1μlに添加した。PCRは、96℃で10秒間反応した後、96℃で10秒、56℃で5秒、60℃で20秒の反応を行い、これを25回反復して実施してから、4℃で反応を終了させた。PCRが終わった後、PCR産物はエタノール沈澱を実施し、沈殿物を乾燥した後、ブルーデキストラン/EDTA(Blue Dextran/EDTA、Perkin Elmer Co.)ローディングバッファー(ホルムアミド5体積、ブルーデキストラン/EDTA1体積)2μlに溶かした。変成後、ABI377DNA自動分析装置で反応を実施した。
【0050】
その結果、SNU0202はSEQ ID NO:2を有し、SNU5070はSEQ ID NO:4を有し、KBNP−4152とSNU5005、SNU5009、SNU5074はSEQ ID NO:6を有していた(図1参照)。
【0051】
<1−4>他の菌株と比較分析
前記で分析されたHN蛋白質の線状エピトープアミノ酸配列は、蛋白質−蛋白質BLAST検索(www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)を通じて分析した。
【0052】
その結果、SEQ ID NO:1で記載されるHN線状エピトープは、ワクチン株であるラソタ、B1、ウルスターなどを含む大部分のニューカッスル病ウイルスで観察され、SEQ ID NO:2で記載される線状エピトープは、SL03(ABB45815)、JS06(ABB45825)、SGM01(ABB45828)、TJ03(ABB51144)、SBZ02(ABB51145)、JS01(ABB51146)、JS02(ABB51147)、JS04(ABB51148)、JS05(ABB51149)、SCL03(ABB51151)、SQD04(ABB51152)、JS03(ABB51154)、GD05(ABC86693)、wfan−3−01(AAY46244)、ytan−1−01(AAAY56378)、P35742(IBA/85)、SNU9358GG(Kwon et al.,2000)、SNU9444(Kwon et al.,2000)、SNU9598(Kwon et al.,2000)で観察され、SEQ ID NO:3で記載される線状エピトープは、国外のニューカッスル病ウイルスでは観察されなかった。
【0053】
<実施例2:HN線状エピトープの鶏抗体反応性調査>
<2−1>ペプチド合成
SEQ ID NO:1とSEQ ID NO:3に相当するペプチドをFmoc−化学法(Gloor et al.,1994)を用いて合成(ペップトロン社、大田、韓国)し、96穴プレートでコーティング効率を上げるために、SEQ ID NO:1のアミノ末端に7個のリシンを付け、SEQ ID NO:3のカルボキシル末端にはアミノカプロン酸(aminocaproic acid)4個を付けた。
【0054】
<2−2>抗血清製造
ラソタウイルス(赤血球凝集力価1、024/25μl)は0.2%ホルマリンで不活化して、KBNP−4152(赤血球凝集力価248/25μl)は0.025%ホルマリンで不活化し、それぞれSPF発育卵5個に200μlずつ接種して3日間観察し、尿膜液を収穫して赤血球凝集検査を実施して陰性であることを確認した。フロイント完全アジュバントと不活化ウイルス同量を混合して油中に水を乳濁させた液を作ってそれぞれSPF鶏2匹に1匹当たり200μlずつ接種し、2匹は陰性対照群として実験期間の間つづけて飼育し、ニューカッスル病ウイルス抗体陰性の有無を確認した。ワクチン接種4週後、採血して血清を分離して冷蔵または冷凍して実験に使用した。
【0055】
<2−3>ELISA
SEQ ID NO:2とSEQ ID NO:6で記載されるペプチドを50mMの炭酸塩・重炭酸塩(pH9.6)緩衝溶液に懸濁させて、96穴プレートの穴毎に125ngと4μgを室温で4時間コーティングした後、3%の牛血清アルブミン200μlを添加して4℃で一晩ブロッキングした。ブロッキング溶液をリン酸緩衝溶液(pH7.2)で洗浄した後、抗ラソタ血清と抗KBNP−4152血清を16倍、32倍、128倍、256倍希釈してそれぞれのペプチドがコーティングされた穴に添加して室温で1時間反応させた後、リン酸緩衝溶液で3回洗浄した。抗鶏免疫グロブリン−HRP結合2次抗体を添加した後、室温で1時間反応させてから、リン酸緩衝溶液で3回洗浄した後、基質溶液(TMB、3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン)を添加し、停止容液を入れて450nmの波長で吸光度を測定した。測定した吸光度は、血清を入れない穴の吸光度とペプチドをコーティングしない穴の吸光度を差し引きして数値を補正した。
【0056】
その結果、SEQ ID NO:2で記載されるペプチドは抗ラソタ株血清に対して高い反応性を示した反面、SEQ ID NO:6で記載されるペプチドに対しては反応を示さず、抗KBNP−4152血清はSEQ ID NO:6で記載されるペプチドに高い反応性を示した(図4参照)。したがって、SEQ ID NO:2とSEQ ID NO:6で記載されるペプチドは鳥類免疫系によって全て認識されるという事実を初めに確認し、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列の変化は抗原性に変化を起こして従来のワクチン株に対する抗体に対する反応性が急激に低下するという事実を証明した。
【0057】
<実施例3:交差赤血球凝集抑制検査>
ユニダイレクショナル(unidierctional)−赤血球凝集抑制検査のために、まずラソタ株とKBNP−4152の赤血球凝集力価を測定した。具体的には、96穴プレートのそれぞれの穴にリン酸緩衝溶液を50μlずつを噴霧し、第1穴にウイルス50μlを添加して混合した後、再び50μlを採取して次の穴に添加して混合する過程を繰り返し、最後の穴では50μlを採取して除去する方法で連鎖希釈を実施した。前記のようにウイルスが2倍単位で希釈された各穴に0.5%の鶏赤血球(v/v)50μlを添加して混合した後、4℃で30分間反応させて完ぺきな赤血球凝集が起こった穴の希釈倍数(2、n=希釈倍数)を赤血球凝集力価にした。
【0058】
前記で設定した力価に基づいて交差−赤血球凝集抑制検査を実施した。つまり、4−赤血球凝集単位のラソタ株25μlと抗ラソタ株血清25μl、ラソタ株25μlと抗KBNP−4152血清25μl、KBNP−415225μlと抗KBNP−4152血清25μl、KBNP−4152 25μlと抗ラソタ株血清25μlを混合して室温で30分間反応させた後、0.5%の鶏赤血球50μlを添加して4℃で30分経過した後、赤血球凝集が完全に抑制された穴の数を赤血球凝集抑制力価にした。
【0059】
その結果、抗ラソタ株血清はラソタ株に対して高い赤血球凝集抑制力価を示したが、抗KBNP−4152血清は4倍乃至8倍低い赤血球凝集抑制力価を示し、抗KBNP−4152血清はKBNP−4152ウイルスに対して抗ラソタ株血清と比較して4倍乃至8倍高い赤血球凝集抑制力価を示して、SEQ ID NO:2を有するラソタ株とSEQ ID NO:6を有するKBNP−4152間に抗原性の差があることを再確認した(図3参照)。
【0060】
<実施例4:ユニダイレクショナル(unidierctional)−ウイルス中和試験>
ラソタ株とKBNP−4152接種で生成された抗体のKBNP−4152に対する中和能力を評価するために、ユニダイレクショナル(unidierctional)−ウイルス中和試験を実施した。つまり、試験管で血清をPBSで2倍希釈した後、96穴プレートに100μlずつ移して同量のウイルス(100 TCID50/25μl)を添加して37℃で1時間続けて中和させる。中和材料25μlと繊維芽細胞懸濁液100μlを各穴に接種する。37℃で4日間培養後に、完全中和が起こって細胞変性効果が全く現れない最高希釈倍数の逆数を中和力価にした。
【0061】
その結果、抗ラソタ株血清は抗KBNP−4152血清に比べてウイルス中和能力が128倍低くて2つのウイルス間の抗原性差を確認した(図4参照)。
【0062】
以上のように、本発明の鳥類免疫系認識HNエピトープと前記エピトープ変異ニューカッスル病ウイルスは、効果的なワクチンを開発することができるだけでなく、ニューカッスル病ウイルスを迅速で正確に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、ニューカッスル病ウイルス菌株の間でHN蛋白質の線状エピトープアミノ酸配列(345−355)を比較したものである。
【図2A】図2A及び図2Bは、ワクチン株(ラソタ株、B1株、ウルスターなど)および過去大部分の病原性野外株(コンヒョクチュン、2000、ソウル大学校大学院博士学位論文)のHN蛋白質の線状エピトープアミノ酸配列を有するペプチドと、変異株のアミノ酸配列を有するペプチドとに対する、抗ラソタ血清と抗KBNP−4152血清の反応性差をELISA法で比較した試験結果である。
【図2B】図2Aの説明参照。
【図3】図3はラソタワクチン株と抗原性変異野外株であるKBNP−4152の新規HN線状エピトープペプチドに対する抗ラソタ血清と抗KBNP−4152血清の反応性を赤血球凝集抑制反応法で比較したものである。
【図4】図4はKBNP−4152に対する抗ラソタ血清と抗KBNP−4152血清のウイルス中和試験の結果である。
【図5A】図5A乃至図5Fは本発明によるニューカッスル病ウイルスのHN蛋白質の配列を示す。
【図5B】図5Aの説明参照。
【図5C】図5Aの説明参照。
【図5D】図5Aの説明参照。
【図5E】図5Aの説明参照。
【図5F】図5Aの説明参照。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4,及びSEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープであるポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドは鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質の345番目アミノ酸から358番目アミノ酸の配列であることを特徴とする、請求項1に記載のポリペプチド
【請求項3】
SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を有する、変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)。
【請求項4】
SEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を有する変形された鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープを含むニューカッスル病ウイルス(寄託番号KCTC10919BP)を含む鳥類ニューカッスル病ウイルス用ワクチン。
【請求項5】
前記ワクチンは生ワクチン、弱毒化ワクチンまたは死ワクチンであることを特徴とする、請求項4に記載のワクチン。
【請求項6】
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4,及びSEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、鳥類ニューカッスル病ウイルスHN蛋白質のエピトープを特異的に認識する抗体または抗体の断片。
【請求項7】
前記抗体または抗体の断片はSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原にして製造され、SEQ ID NO:2に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識することを特徴とする、請求項6に記載の抗体または抗体の断片。
【請求項8】
前記抗体または抗体の断片はSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原にして製造され、SEQ ID NO:4に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識することを特徴とする、請求項6に記載の抗体または抗体の断片。
【請求項9】
前記抗体または抗体の断片はSEQ ID NO:6に示すアミノ酸配列を含むHN蛋白質のエピトープを含むポリペプチドを抗原にして製造され、SEQ ID NO:6に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを認識することを特徴とする、請求項6に記載の抗体または抗体の断片。
【請求項10】
前記抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであることを特徴とする、請求項6に記載の抗体または抗体の断片。
【請求項11】
前記鳥類は鶏、キジ、鴨、七面鳥、ウズラまたはダチョウであることを特徴とする、請求項6に記載の抗体または抗体の断片。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれかに記載の抗体または抗体の断片を鳥類ニューカッスル病ウイルスを含む試料に反応させ、前記抗体に対する陽性反応を示す試料をニューカッスル病として判断することを含む、鳥類ニューカッスル病の診断方法。
【請求項13】
請求項6乃至11のいずれかに記載の抗体または抗体の断片を鳥類ニューカッスル病ウイルスを含む試料に反応させ、鶏赤血球を反応させてニューカッスル病ウイルスによる赤血球凝集の抑制の有無を検査する前記抗体に対する赤血球凝集抑制反応法を用いてニューカッスルウイルスを探知することを含む、鳥類ニューカッスル病の診断方法。
【請求項14】
前記陽性反応は、前記抗体または抗体の断片に放射線同位元素、蛍光物質、発光物質、酵素、クロモゲン及び染色物質からなる群より選択された標識物質で標識し、前記標識物質による反応結果を検出して行うことを特徴とする、請求項13に記載の鳥類ニューカッスル病の診断方法。
【請求項15】
請求項6乃至11のいずれかに記載の抗体または抗体の断片を含む鳥類ニューカッスル病診断用ポリペプチドキット。
【請求項16】
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:5に示すヌクレオチド配列を含む鳥類ニューカッスル病診断用核酸キット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−507787(P2009−507787A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528924(P2008−528924)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001068
【国際公開番号】WO2007/108568
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(508064883)ケービーエヌピー・インコーポレーテッド (2)
【出願人】(508064908)ビオポア・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】