説明

(メタ)アクリル系感圧接着性発泡体及びこれを製造するための方法

従来の発泡体と比較して発泡助剤の量を減少させた、高含量で気泡を有する(メタ)アクリル系感圧接着性発泡体、及びこれを製造するための方法が提供される。(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b)成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、(c)成分(a)及び成分(b)のコポリマーと、を有する部分重合体、熱伝導性充填剤、並びに20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤、を含む、発泡体であって、成分(c)を含有する架橋構造が硬化性組成物中に形成されている、発泡体が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(メタ)アクリル系感圧接着性発泡体及びこれを製造するための方法に関する。より詳細には、本開示は熱伝導性の(メタ)アクリル系感圧接着性発泡体、及びこれを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の(メタ)アクリル系発泡体型感圧接着性シートは、(メタ)アクリル系硬化性組成物と、不活性ガス(例えば、窒素ガス)とを、攪拌しながら混合することで形成される発泡体を、硬化することで製造される。このような製造方法では、不活性ガスが(メタ)アクリル系硬化性組成物中に細かくかつ均一に分散され、混合されることが重要であり、そのためフッ素系界面活性剤又は表面修飾ナノ粒子が発泡助剤として使用され、これらの発泡助剤は使用される際に(メタ)アクリル系硬化性組成物と混合される。したがって、硬化後に得られる(メタ)アクリル系発泡体型感圧接着性シート中にはこれらの発泡助剤が含有される。
【0003】
フッ素系界面活性剤を発泡助剤として使用する例が、日本の未審査特許公報(公開)第2006−22189号に開示されている。
【0004】
表面修飾ナノ粒子を発泡助剤として使用する例が、PCT国際出願の日本語翻訳広報(公表)第2004−518793号に開示されている。表面修飾ナノ粒子は多くの場合、フッ素系界面活性剤と比較して発泡性能に劣り、所望の発泡性能を得るためには大量の表面修飾ナノ粒子を添加する必要があり得る。
【0005】
日本の未審査特許公報(公開)第2006−213845号は「(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)100重量部、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)20〜55重量部、熱伝導性無機化合物(B)50〜500重量部、有機過酸化物熱重合開始剤(C2)0.1〜5重量部、及び熱分解性有機発泡剤(D)0.01〜0.8重量部を含む熱伝導性感圧接着性組成物(E)をシート状に成形し、及び加熱することにより、熱伝導性感圧接着性組成物(E)のシート化、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合、及び熱分解性有機発泡剤(D)の熱分解を生じさせることによって得られる熱伝導性感圧接着性シート状発泡成形体であって、発泡セルの平均径が50〜550μmである、熱伝導性感圧接着性シート状発泡成形体(F)」を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の目的は、先行技術と比較して発泡助剤の量を減少させた、高含量で気泡を有する(メタ)アクリル系感圧接着性発泡体、及びこれを製造するための方法を提供することである。
【0007】
本開示に従って、感圧接着性発泡体であって、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b)成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、(c)成分(a)及び成分(b)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体、熱伝導性充填剤、並びに20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤、を含む、硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体が提供され、成分(c)を含有する架橋構造体が硬化性組成物中に形成されている。
【0008】
本開示の第1の実施形態に従って、感圧接着性発泡体であって、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、(c1)成分(a)及び成分(b1)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体(成分(c1)の量は、部分重合体の重量に基づいて2〜15重量%)、部分重合体の100重量部に基づいて100〜250重量部の量の熱伝導性充填剤、並びに部分重合体の100重量部に基づいて、0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤、を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体が提供され、硬化性組成物中に形成された架橋構造は、成分(a)と成分(b1)との架橋コポリマーであり、感圧接着性発泡体の気泡含量が発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(硬化性組成物の樹脂成分100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である。
【0009】
本開示の第2の実施形態に従って、感圧接着性発泡体であって、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、(c2)成分(a)及び成分(b2)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体(成分(c2)の量は部分重合体の重量に基づいて2〜15重量%)、部分重合体の100重量部に基づいて60〜300重量部の量の熱伝導性充填剤であって、この熱伝導性充填剤が粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である、熱伝導性充填剤、並びに部分重合体の100重量部に基づいて、0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤、を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体が提供され、硬化性組成物中に形成されている架橋構造は、成分(c2)及び熱伝導性充填剤中の成分(b2)を介して成分(c2)が架橋されている架橋構造であり、感圧接着性発泡体の気泡含量が発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である。
【0010】
本開示の第3の実施形態に従って、感圧接着性発泡体であって、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、(c3)成分(a)、成分(b1)及び成分(b2)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体(成分(c3)の量は、部分重合体の重量に基づいて2〜15重量%)、部分重合体の100重量部に基づいて60〜300重量部の量の熱伝導性充填剤(熱伝導性充填剤は粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である)、並びに部分重合体の100重量部に基づいて、0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体が提供され、硬化性組成物中に形成された架橋構造は、成分(a)が成分(b1)と共重合して架橋が形成されており、かつ成分(c3)中の成分(b2)及び熱伝導性充填剤を介して成分(c3)が架橋されている、架橋構造であり、感圧接着性発泡体の気泡含量が発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である。
【0011】
同様に、本開示に従って、感圧性接着性発泡体を製造するための方法であって、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b)成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、(c)成分(a)及び成分(b)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体を調製すること、部分重合体を熱伝導性充填剤と混合すること、成分(c)を含有する架橋構造を形成された、硬化性組成物を得るために、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤を部分重合体に添加すること、機械的に硬化性組成物を発泡させること、並びに発泡した硬化性組成物の成形品を硬化すること、を含む、感圧接着性発泡体を製造するための方法が提供される。
【0012】
同様に、本開示の別の実施形態に従って、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、(c1)成分(a)及び成分(b1)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体を調製する工程(成分(c1)の量は部分重合体の重量に基づいて2〜15重量%)、部分重合体の100重量部に基づいて100〜250重量部の量で、部分重合体を熱伝導性充填剤と混合する工程、成分(a)及び成分(b1)の架橋コポリマーを中に形成された、硬化性組成物を得るために、部分重合体の100重量部に基づいて、0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤を、部分重合体に添加する工程、機械的に硬化性組成物を発泡させる工程、並びに発泡した硬化性組成物の成形品を硬化する工程、を含む、感圧接着性発泡体を製造するための方法が提供される。感圧接着性発泡体の気泡含量が発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である。
【0013】
本開示に従うと、表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤の量を先行技術と比べて減少させた場合でさえ、例えばその量を半分にまで減少させた場合でさえも、十分に高含量で気泡を有しかつ接着性と可撓性が優れている感圧接着性発泡体を得ることが可能になる。発泡助剤を先行技術の場合と同量で使用するとき、改善された接着性(adhesive characteristics)、接着特性(adhesion properties)及び封着特性を有する、より低密度の感圧接着性発泡体を製造することができる。本開示の感圧接着性発泡体は熱伝導性を有し、このため、電子デバイスの熱放射用途での使用に特に適合する。
【0014】
上記の記載は、本開示の全ての実施形態及び本開示についての全ての利点を開示するものと見なすべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の典型的な実施形態を以下に詳細に記載するが、それらは例示のみを目的とするものであり、本開示はこれらの実施形態に限定されない。
【0016】
本開示の感圧接着性発泡体は、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b)成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、(c)成分(a)及び成分(b)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体、熱伝導性充填剤、並びに20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤、を含む硬化性組成物の、発泡と硬化によって得られる。硬化性組成物中に、成分(c)を含有する架橋構造体が形成されている。成分(b)における用語、「架橋用モノマー」は、コポリマー中に組み込まれたときに、架橋のためにモノマー由来の部分を介して架橋構造を形成することを可能にする、モノマーを意味する。架橋構造に含有される架橋は、例えば、共有結合、酸塩基相互作用、又はこれらの組み合わせによって形成される。この架橋構造は、発泡助剤の量が従来の組成物と比較して少ない場合でさえ硬化性組成物の発泡性を高め、成形工程及び硬化工程の間の消泡を阻害することで、所望の気泡含量を有する発泡体を形成させることができる。
【0017】
上記の感圧接着性発泡体は、例えば、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b)成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、(c)成分(a)及び成分(b)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体を調製する工程、部分重合体を熱伝導性充填剤と混合する工程、成分(c)を含有する架橋構造体が形成される硬化性組成物を得るために、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤を部分重合体に添加する工程、機械的に硬化性組成物を発泡させる工程、並びに発泡した硬化性組成物の成形品を硬化する工程、を含む方法によって製造することができる。
【0018】
本開示の感圧接着性発泡体及びこれらの製造方法は、いくつかの架橋された構造の架橋形成の実施形態を参照することによって以下に詳細に記載されるが、本開示はこれらの実施形態に限定されない。
【0019】
本開示の第1の実施形態に従う感圧接着性発泡体は、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、(c1)成分(a)及び成分(b1)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体、熱伝導性充填剤、並びに表面修飾ナノ粒子を含有している発泡助剤、を含む硬化性組成物の、発泡と硬化によって得られる。成分(c1)としてのコポリマーは、成分(a)及び成分(b1)の共重合反応によって生成された架橋(すなわち、共有結合を介しての架橋)を有する架橋コポリマーであり(以降、第1の実施形態に関連するとき、成分(c1)としてのコポリマーはしばしば架橋コポリマーとして参照される)、この架橋コポリマーは、硬化性組成物中に架橋構造体として存在する。このような架橋構造は、硬化性組成物の発泡性を高め、発泡助剤の量が従来の組成物と比較して少ない場合でさえ、所望の気泡含量を有する発泡体を、成形工程及び硬化工程の間の消泡を阻害することで形成することができる。
【0020】
本開示で使用するとき、用語「(メタ)アクリル系」及び「(メタ)アクリレート」は、それぞれメタアクリル及びアクリルの両方、並びにメタアクリレート及びアクリレートの両方を意味する。
【0021】
用語「反応性不飽和基」は、重合可能な不飽和の炭素−炭素結合(二重結合又は三重結合)を有する官能基を意味し、具体的な例にはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、メタリル基及びビニル基が挙げられる。
【0022】
成分(a)は、1つの反応性不飽和基を有する一官能性のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであり、アルキル基は12以下の炭素原子を有する。成分(a)は硬化性組成物の塩基性成分の1つであり、本開示では低い極性を有するモノマーとして分類される。(メタ)アクリル系モノマーの例としては、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート及びn−デシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0023】
成分(b1)は、2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマーであり、複数の反応性不飽和基の反応によって架橋がコポリマーにもたらされる。モノマーの例としては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びテトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどの、多官能性(メタ)アクリレート、並びにトリアリルイソシアヌレートなどのアリール系多官能性モノマー、が挙げられる。硬化性組成物の発泡性を更に高めることによって、成形工程及び硬化工程時の消泡を効果的に低減させるためには、反応前に、2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマーの量を成分(a)の100重量部に基づいて約0.01重量部以上に調整して、次いで成分(a)及び成分(b1)を共重合させることが好ましい。硬化性組成物のゲル化を効果的に防ぐことによって、発泡工程及び成形工程時の操作性、並びに発泡体の均質性を、より改善させるためには、反応前に、2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマーの量を成分(a)の100重量部に基づいて約1.0重量部以下に調整して、次いで成分(a)及び成分(b1)を共重合させることが好ましい。
【0024】
成分(c1)は成分(a)及び成分(b1)由来のポリマーユニットからなる架橋を有するコポリマーである。一態様としては、成分(c1)の架橋コポリマー並びに成分(a)及び成分(b1)を含有する部分重合体は、重合開始剤(d)を成分(a)及び成分(b1)に添加することによって調製される、モノマー混合物の部分重合によって得ることができる。モノマー混合物の部分重合は放射線重合によって実施することができ、この場合の重合は、光重合開始剤の存在下において、紫外線照射又は電子線照射によって開始される。例えば、光重合開始剤としては、ベンゾインアルキルエーテル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール(benzyl methyl ketal)、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1,1−ジクロロアセトフェノン及び2−クロロチオキサントンを使用することができる。市販の光重合開始剤の例としては、Ciba Japan K.K.から商標名Irgacureとして市販されているもの、Merck Ltd.Japanから商標名Darocurとして市販されているもの及びVersicore Co.から商標名Versicureとして市販されているものが挙げられる。重合開始剤は単独で使用してもよく、あるいはそれらの2つ以上を組み合わせて使用してもよい。更に、感光剤を組み合わせて使用してもよい。重合開始剤の量は通常使用される量であってよく、例えば、部分重合前に成分(a)の100重量部に基づいて約0.01重量部以上〜約1.0重量部以下である。
【0025】
上記のモノマー混合物の部分重合は、放射線重合の代わりに熱重合によって実施することもできる。この場合に使用される熱重合反応開始剤の例としては、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド)及びレドックス系重合開始剤が挙げられる。熱重合反応開始剤の量は具体的には限定されず、熱重合反応開始剤として使用される従来の量であってもよい。
【0026】
このようにして得られる部分重合体は、未反応のモノマー状態のままである成分(a)及び成分(b1)に加えて、成分(a)及び成分(b1)の共重合体によって形成された架橋を有する成分(c1)を含有する。成分(c1)は成分(a)又は成分(b1)由来の未反応の反応性不飽和基を有し得る。同様に、部分重合時に反応しなかった重合開始剤も部分重合体中に残存している場合があり、この残存している重合開始剤は、後の硬化性組成物の硬化工程で使用することができる。
【0027】
上記のように、ある態様において、部分重合体中の成分(c1)は、成分(a)及び成分(b1)の部分重合によって、部分重合体中にその場で生成することができる。別の方法としては、本開示で使用される部分重合体は、部分重合体中に含有される成分(c1)の量を適切に調整するために、所定の比で混合された、成分(a)及び成分(b1)の部分重合によって得られる部分重合体への、成分(a)及び/又は成分(b1)の更なる添加によって生成することもできる。本開示で使用される部分重合体は、所定の比で混合された成分(a)及び成分(b1)の部分重合によって得られる第1の部分重合体と、成分(a)のみ、成分(b1)のみ、又は成分(a)及び成分(b1)の部分重合によって得られる第2の部分重合体を、混合することによって生成することもできる。かかる部分重合体と、熱伝導性充填剤及び発泡助剤とを混合することによって得られる、硬化性組成物の粘度を、続く発泡、成形工程及び硬化工程における好ましい値へと調整するために、成分(c1)の量は好ましくは部分重合体の重量に基づいて、約2重量%以上〜約15重量%以下に調整される。例えば、部分重合体の粘度は、約1,000mPa・s以上〜約10,000mPa・s以下若しくは約5,000mPa・s以下に調整される。
【0028】
部分重合後に、一般的な接着剤中に使用される架橋性化合物(例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化合物又はアジリジン化合物)を用いることによって、架橋を有するポリマー(この架橋は成分(b1)由来の架橋とは異なる)を、部分重合体中に更に形成することができる。この場合、部分重合は、上記の架橋性化合物の反応部位と反応することができる官能基を有する、モノマーの添加によって実施されるべきである。一例として、ヒドロキシエチルアクリレートなどの、ヒドロキシル基を有するモノマーを成分(a)及び成分(b1)に添加することによって部分重合が実施される場合には、モノマー由来のヒドロキシル基とエポキシ化合物又はイソシアネート化合物が反応することで、異なる架橋を有するポリマーが、部分重合体中に生成される。
【0029】
しかしながら、このような場合、部分重合工程に加えて更に架橋工程が要求される。更に、このような架橋性化合物を用いる架橋反応は通常、熱によって進行することから、硬化性組成物を中間原材料としてある期間保存した場合、時が経つにつれて組成物の物理特性が変化する場合があり(例えば、増粘)、したがって、感圧接着性発泡体の製造、及び得られる発泡体の物理的特性の制御が困難になる場合がある。上記のように、成分(a)及び成分(b1)を用いた部分重合を利用することが好ましい。
【0030】
熱伝導性充填剤は、本開示の感圧接着性発泡体に熱伝導性を付与する。熱伝導性充填剤はまた硬化前に、発泡体中に含有される気泡壁に強度を付与し、成形工程及び硬化工程においての消泡を減少させるのにも役立つ。例えば熱伝導性充填剤としては、金属水酸化物、金属酸化物、金属及びセラミックスを使用することができる。熱伝導性充填剤の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、ホウ化チタン、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、ダイアモンド、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、金及び銀が挙げられる。これらの熱伝導性充填剤の結晶構造は、これらの化学種の任意の結晶構造(例えば、六方晶又は立方晶)であることができる。充填剤の粒径は、好ましくは約10μm以上〜約150μm以下である。充填剤の粒径が約150μm以下に調整される場合、十分なシート強度が保証され得る。対照的に、充填剤の粒径が約10μm以上で調整される場合、十分な発泡性が保証され得る。充填特性を改善するために、シラン又はチタン酸塩で処理された表面を有する熱伝導性充填剤を使用することもできる。用語「粒径」は、充填剤の重心を通る直線を書いたときに測定される、最も長い長さの寸法を意味する。充填剤の形状は、規則的な形状又は不規則な形状であることができ、例えば、多角形、立方体、卵形、球体、針形、平板、薄片又はこれらの組み合わせが挙げられる。充填剤は、複数の結晶粒子が凝集した粒子の形状であってもよい。これらの充填剤の内、水酸化アルミニウムが硬化性組成物への充填性に優れ、感圧接着性発泡体に難燃性を付与することができ、また原材料として容易に得られる(例えば、低価格)ことから、特に好ましい。熱伝導性充填剤の量は、好ましくは部分重合体の100重量部に基づいて、約100重量部以上〜約250重量部以下である。熱伝導性充填剤の量が、部分重合体の100重量部に基づいて約100重量部以上である場合、感圧接着性発泡体に十分な熱伝導性を付与することができる。かかる量が約250重量部以下である場合、十分な接着力が保証され得る。
【0031】
発泡助剤は、発泡工程時に、硬化性組成物と混合された気泡をより安定的に維持するのに役立つ。発泡助剤は、上記表面修飾ナノ粒子を含有し、これらの例としては公表(国際公開の翻訳版)第2004−518793号に記載されるものが挙げられる。表面修飾ナノ粒子の例としては、シラン、アルコール、有機酸、有機塩基又は有機チタン酸塩などの試薬を用いて、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア(vanadia)、セリア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミニウム/シリカ及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択されるナノ粒子の表面を修飾することで得られるものが挙げられる。シリカをナノ粒子として用いて、その表面を、クロロシラン、長鎖アルキル又はアリールアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、ポリエーテルアルコキシシランあるいは((メタ)アクリロイルオキシ)アルキルアルコキシシランを用いて修飾することで得られる、有機シリル表面基を有するシリカが一般的に使用される。表面修飾ナノ粒子の粒径は好ましくは約20ナノメートル(nm)以下である。表面修飾ナノ粒子の粒径が約20nm以下であるとき、発泡助剤としての効果が十分に発揮され、したがって優れた可撓性を備えて十分な量の気泡を含有している感圧接着性発泡体が得られる。発泡助剤の量は好ましくは、部分重合体の100重量部に基づいて0.1重量部以上〜約1.5重量部以下である。発泡助剤の量が部分重合体の100重量部に基づいて約0.1重量部以上であるとき、十分な量の気泡を硬化性組成物中に導入することができる。かかる量が約1.5重量部以下であるとき、感圧接着性発泡体の目的とする用途について要求される熱伝導性の程度は、気泡を過剰に導入することなく得ることができる。
【0032】
必要であれば、熱伝導性充填剤の含量が比較的大きい場合、感圧接着性発泡体の感圧接着特性を改善する目的で、極性基を含有するモノマーを硬化性組成物に添加することもできる。極性基を含有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、又は(メタ)アクリルアミドなどの、極性基を含有する(メタ)アクリル系モノマー、並びにイタコン酸又は酢酸ビニルなどの重合性官能基を有する、極性基を含有するモノマーが挙げられる。このような極性基を含有するモノマーが、感圧接着を感圧接着性発泡体に付与するのに十分な量で使用され、この量は部分重合体の100重量部に基づいて通常約30重量部以下であり、好ましくは10重量部以下である。必要であれば、感圧接着性発泡体の架橋の程度を変化させることによって発泡体の可撓性などの物理特性を制御するために、ヘキサンジオールジアクリラートなどの2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマー(成分(b1)と同一であるか、又はそれとは異なる)を、硬化性組成物に更に添加することができる。
【0033】
必要であれば、発泡時の硬化性組成物の加工性を、あるいは硬化後の感圧接着性発泡体の強度及び/又は難燃性を改善するために、ガラスビーズ、プラスチックビーズ、ガラス又はプラスチック製中空マイクロスフェア、繊維又はフィラメント、織布、不織布及び色素などの他の充填剤成分を硬化性組成物に添加することもできる。
【0034】
上記のように、部分重合時に未反応であった重合開始剤が硬化性組成物中に残存する場合、残存している重合開始剤を用いて硬化性組成物を硬化することもできる。別の方法としては、硬化を促進するために、重合開始剤を更に添加する。本開示においては、製造効率の観点から、添加される重合開始剤として光重合開始剤を用いて、硬化性組成物を紫外線硬化できるようにすることは好ましい。
【0035】
更に、例えば粘着付与剤、結合剤及び衝撃耐性改質剤(impact resistance modifiers)などの、感圧接着性発泡体の様々な特性を高めるのに役立つ他の成分を、硬化性組成物の発泡、成形及び硬化に悪影響を及ぼさない量で硬化性組成物に添加することもできる。
【0036】
このようにして得られる硬化性組成物は、硬化性組成物中での安定した気泡の形成に適した粘度を有する。硬化性組成物の粘度は、気泡の形成を促進するために並びに/又は気泡の合体を防ぐためにかつ合体した気泡の浮上を防ぐために、好ましくは発泡工程時の硬化性組成物の温度、例えば、攪拌/混合装置においての作業温度(例えば、25℃)において、約5,000mPa・s以上に調整される。硬化性組成物の粘度は、未反応のモノマーと架橋コポリマーの分離を効果的に防ぐことによって、及び攪拌しながらの硬化性組成物の均一な混合を可能にすることによってより安定となる感圧接着性発泡体の製造を可能にするために、好ましくは約60,000mPa・s以下に調整される。
【0037】
本開示の第1の実施形態に従って、硬化性組成物の発泡硬化物を含有する感圧接着性発泡体が提供される。本開示の感圧接着性発泡体は、表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤の量を、従来の硬化性組成物と比較して大幅に減少させた場合でさえも、硬化性組成物を前駆体として使用した部分重合体に含有される成分(a)及び成分(b1)の架橋コポリマーである、成分(c1)の架橋の効力によって、より優れた接着性及び可撓性を呈する。発泡助剤を先行技術の場合と同量で使用した場合、粘着性、接着性及び封着性において優れた、より低密度の感圧接着性発泡体の製造が可能になる。
【0038】
発泡助剤の量は、感圧接着性発泡体の要求されるサイズ(例えば、厚さ)、接着特性及び用途の観点から、成分(a)及び成分(b1)の種類、架橋コポリマーの含量及び熱伝導性充填剤の含量に加えて、適切に状況と硬化性組成物を発泡、成形及び硬化させるための装置を選択するか又は意図することによって決定される本開示において、発泡助剤の量に対しての硬化性組成物の発泡効率を測定するとき、(硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量)(=ηform)を使用する。この値が小さいほど、より少量の発泡助剤を使用して、より大きな気泡含量値を有する感圧接着性発泡体を得ることができる。本明細書で使用するとき、語句「硬化性組成物の樹脂成分」は、硬化性組成物を発泡することで得られる接着性発泡体の樹脂成分を構成する、例えば、上記の部分重合体に含有される成分(a)、成分(b1)及び成分(c1)、並びに極性基を含有するモノマー(アクリル酸など)が挙げられる所望の追加成分、及び2つ以上の反応性不飽和基を有する追加のモノマー、などの、全ての材料を意味する。本明細書で使用するとき、語句「硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部」は、樹脂成分の100重量部に基づいた、発泡時に使用される発泡助剤の重量部を意味する。感圧接着性発泡体の気泡含量は、発泡体の全体積に基づいて体積パーセントで表され、詳細は以降の実施例において記載される。上記の硬化性組成物の発泡と硬化によって得られる、本開示の感圧接着性発泡体のηformは、約0.02以上〜約0.05以下である。上記の範囲内にηformを調整することによって、感圧接着性発泡体の可撓性を維持しながら、十分な熱伝導性を感圧接着性発泡体に付与することができる。
【0039】
感圧接着性発泡体に含有される気泡の平均径は通常約300μm以下である。感圧接着性発泡体の気泡含量は、目的に照らして発泡工程において適切に調整することができる。気泡含量が増加するにつれて、シートはより可撓性になる。シートに十分な可撓性を付与するために、気泡含量は好ましくは、発泡体の総体積に基づいて5体積%以上に調整される。十分なシートの強度を保証するために、気泡含量は好ましくは、発泡体の総体積に基づいて25体積%以下に調整される。本開示に従うとき、先行技術と比較して発泡助剤の量を減少させた条件で、このようなシートを製造することができる。
【0040】
本開示の感圧接着性発泡体は、上記の硬化性組成物を発泡及び硬化させることで製造することができる。発泡工程において、既知の泡混合法を使用することができ、機械的な発泡メカニズムを用いた泡混合法が好ましい。機械的な発泡メカニズムの例としては、硬化性組成物の振盪、振動、攪拌及び高速攪拌並びにこれらの組み合わせ、硬化性組成物中へ気泡を形成するための混合、ノズル噴射及びガスのバブリング、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
機械的な発泡メカニズムを用いる方法において、日本の未審査特許公報(公開)第2002−80802号に記載されている振動性(振動型)攪拌/混合装置を使用することができる。振動性攪拌/混合装置は通常、その中を液体が流れる通路を含むケーシング、及びケーシング中に配置された、ケーシングの軸方向に振動する能力を有する攪拌ブレードを装備する。このような装置を使用するとき、硬化性組成物に適用されるせん断力が気泡の効率的な分散に役立つので、組成物の温度を上昇させることなく細かく均一な気泡を分散させることができる。
【0042】
硬化性組成物と混合したときに硬化性組成物の成形及び硬化を妨げないガスを、気泡を形成するためのガスとして通常使用することができる。アルゴン又は窒素などの不活性ガスを気泡形成ガスとして使用することができ、費用の観点から窒素が好ましく用いられる。
【0043】
上記のように、発泡した硬化性組成物を硬化することで感圧接着性発泡体が形成される。例えば、発泡した感圧接着性シートとして感圧接着性発泡体を使用する場合、発泡した硬化性組成物を基材の上に適用して、テープ又はシートを形成することもできる。上記の部分重合と同様にして、光重合開始剤を使用した場合、発泡した硬化性組成物を紫外線又は電子ビームなどの放射線で照射することで硬化工程を実施することができる。熱重合反応開始剤を使用する場合、発泡した硬化性組成物を加熱することで硬化工程を実施することができる。比較的短時間に低温で硬化を実施することができるので、発泡した硬化性組成物は好ましくは、紫外線で照射することで硬化される。この場合、空気中の酸素が紫外線重合を阻害する傾向があるので、硬化工程は好ましくは窒素、アルゴン又は二酸化炭素などの不活性ガスで実施する。例えば、空気中に含有される酸素と硬化性組成物とを接触させないために、2つの基材の間に、発泡した硬化性組成物を配置した後に硬化を実施してもよい。成形する場合の基材には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムを使用することができる。基材の側からの紫外線での照射が可能になることから、基材は有利には紫外線に対する透過性を有する透明なフィルムである。
【0044】
本開示の第2の実施形態に従う感圧接着性発泡体は、(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、(c2)成分(a)及び成分(b2)のコポリマーと、を含むか、又はこれらから本質的になる部分重合体、粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である熱伝導性充填剤、表面修飾ナノ粒子を含有している発泡助剤、を含む、硬化性組成物の発泡と硬化によって得られる。成分(c2)及び熱伝導性充填剤中の成分(b2)を介して成分(c2)が架橋されている架橋構造が、硬化性組成物中に形成される。この実施形態において、成分(c2)に含有される成分(b2)由来のカルボキシル基と、熱伝導性充填剤の粒子表面上に存在する塩基性基との間でもたらされる酸塩基相互作用を介して、複数のコポリマー分子が熱伝導性充填剤に引き付けられ、結果として複数のコポリマー分子の間に架橋が形成される。この架橋構造は、発泡助剤の量が従来の組成物と比較して少ない場合でさえ硬化性組成物の発泡性を高め、成形工程及び硬化工程の間の消泡を阻害することで、所望の気泡含量を有する発泡体を形成させることができる。
【0045】
成分(a)として、第1の実施形態に記載されたモノマーと同様のものを使用してもよい。
【0046】
成分(b2)はカルボキシル基を有するモノマーであり、成分(b2)と成分(a)の反応の結果として、熱伝導性充填剤の粒子表面上に存在する塩基性基と酸塩基相互作用をすることができるカルボキシル基がコポリマー中に導入される。モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸が挙げられ、アクリル酸が有利に使用することができる。
【0047】
成分(c2)は成分(a)及び成分(b2)由来の重合単位からなるコポリマーであり、コポリマー分子中にカルボキシル基を有する。一実施形態では、(d)重合開始剤を成分(a)及び成分(b2)に添加することによって調製されるモノマー混合物は部分的に重合され、これによって成分(a)及び(b2)に加えて成分(c2)のコポリマーを含有する部分重合体が得られる。モノマー混合物の部分重合は、第1の実施形態に記載されるように、放射線重合又は熱重合によって実施することができる。放射線重合に使用される光重合開始剤に関しては、所望される場合には感光剤が使用され、及び熱重合においては実施例1について記載されるような熱重合開始剤を使用することができる。
【0048】
モノマー混合物はモノマー混合物の重量に基づいて、約80重量%〜約98.99重量%の成分(a)と、約1重量%〜約19.99重量%の成分(b2)と、約0.01重量%〜約1.5重量%の成分(d)と、を含む、組成を有する。
【0049】
このようにして得られる上記に記載されるような部分重合体は、未反応のモノマー状態で残存する成分(a)及び(b2)に加えて、成分(a)及び(b2)のコポリマーである成分(c2)を含有する。部分重合で反応していない重合開始剤は部分重合体中に残存する場合があり、この残存している重合開始剤は、後の硬化性組成物の硬化工程で利用することができる。
【0050】
熱伝導性充填剤及び発泡助剤と部分重合体とを混合することで得た硬化性組成物に、続く発泡工程、成形工程及び硬化工程に適する粘度を有させるために、成分(c2)の量は好ましくは部分重合体の重量に基づいて約2重量%〜約15重量%である。例えば、部分重合体の25℃での粘度は、約200mPa・s以上又は約500mPa・s以上〜約5,000mPa・s以下又は2,000mPa・s以下に制御される。
【0051】
熱伝導性充填剤は粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物粒子であり、本開示の感圧接着性発泡体に対して熱伝導性を付与するだけでなく、成分(c2)のようなコポリマーとの架橋形成にも関与し得る。同様に、熱伝導性充填剤は硬化の前に、発泡体中に含有される気泡の壁に強度を付与することもでき、成形工程及び硬化工程時の消泡を減少させるのに役立ち得る。熱伝導性充填剤の例としては、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが挙げられ、有利には、硬化性組成物への良好な充填特性を有し、感圧接着性発泡体に難燃性を付与することができ、原材料として容易に得られることから(例えば、安価に)、水酸化アルミニウムを使用することができる。熱伝導性充填剤の平均粒径は、約30μm以上又は約40μm以上〜約100μm以下又は約80μm以下である。熱伝導性充填剤の平均粒径が約30μm以上であるときには、十分な発泡性を保証することができ、熱伝導性充填剤の平均粒径が約100μm以下であるときには、十分なシート強度を保証することができる。用語「粒径」の定義及び熱伝導性充填剤の形状は、第1の実施形態に記載されているようなものである。使用される熱伝導性充填剤の量は、部分重合体の100重量部あたり約60重量部以上又は約100重量部以上〜約300重量部以下又は約250重量部以下である。熱伝導性充填剤の量が、部分重合体の100重量部あたり約60重量部以上で使用されるとき、感圧接着性発泡体に十分な熱伝導性が付与されると同時に、コポリマー分子の間に架橋が形成され、約300重量部以下の量で使用されるときには、十分な接着力を保証することができ、過剰な架橋に由来する硬化性組成物の粘度の望まない上昇を防ぐことができる。
【0052】
発泡助剤に関しては、第1の実施形態について記載されている表面修飾ナノ粒子を含有している発泡助剤を使用することもできる。表面修飾ナノ粒子の粒径は好ましくは約20nm以下である。表面修飾ナノ粒子の粒径が約20nm以下である場合には、発泡助剤としての効果が十分に発揮され、したがって十分な量の気泡を含有し、優れた可撓性を有する感圧接着性発泡体が得られる。使用される発泡助剤の量は、好ましくは部分重合体の重量で100重量部あたり約0.1重量部〜約1.5重量部である。使用される発泡助剤の量が、部分重合体の100重量部あたり約0.1重量部以上である場合には、十分な量の気泡を硬化性組成物に導入することができ、かつ使用される量が約1.5重量部以下である場合には、感圧接着性発泡体の目的とする用途について要求される程度の熱伝導性を、過剰に気泡を導入することなく得ることができる。
【0053】
第1の実施形態の成分(b1)について記載される2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマー(例えば、ヘキサンジオールジアクリラートは、所望する場合、硬化性組成物に更に添加される架橋剤として使用することもできる。
【0054】
加えて、第1の実施形態について記載されるように、充填剤成分、追加の重合開始剤、粘着付与剤、結合剤、衝撃耐性改質剤及び同様物を硬化性組成物に添加してもよい。本開示において生産効率又は同様のものなどの観点から、好ましくは、硬化性組成物中に存在する重合開始剤として光重合開始剤を用いることで、硬化性組成物を紫外線硬化性となるように作製してもよい。
【0055】
したがって発泡及び硬化前に得られる硬化性組成物中で、コポリマー中に含有されるカルボキシル基と、熱伝導性充填剤の粒子表面上に存在する塩基性基と、の間にもたらされる酸塩基相互作用を介して、成分(c2)としてのコポリマーは架橋されている。第1の実施形態と同様にして、硬化性組成物の粘度は好ましくは、例えば、約5,000mPa・s〜約60,000mPa・sに制御される。
【0056】
本開示の第2の実施形態に従って、上記の硬化性組成物の発泡硬化物を含有する感圧接着性発泡体が提供される。成分(a)及び成分(b2)のコポリマーとしての、成分(c2)のカルボキシル基と、熱伝導性充填剤の粒子表面上に存在する塩基性基との、酸塩基相互作用を介する架橋の効力により、本開示の感圧接着性発泡体は、表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤の量を従来の硬化性組成物と比較して大幅に減少させた場合でさえも、従来の硬化性組成物と匹敵するかそれを上回る感圧接着性能及び可撓性を発揮する。同様に、従来の組成物におけるものと同様の量で発泡助剤を用いる場合には、優れた接着性、接着特性及び封着特性を備える、より低密度の感圧接着性発泡体を製造することができる。
【0057】
第1の実施形態に記載されるように、上記の硬化性組成物の発泡と硬化によって得られる、本開示の感圧接着性発泡体のηfoam(=(硬化性組成物の樹脂成分100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量))の値は、約0.02〜約0.05である。この範囲内に値を調整することによって、感圧接着性発泡体の可撓性を維持しながら、十分な熱伝導性を感圧接着性発泡体に付与することができる。
【0058】
感圧接着性発泡体に含有される気泡の平均径は通常約300μm以下である。第1の実施形態について記載されるように、適切に調整され得る感圧接着性発泡体の気泡含量は、好ましくは発泡体の全体積に基づいて5〜25容量%に調整される。
【0059】
硬化性組成物の発泡と硬化は、第1の実施形態に記載されるように実施することができる。
【0060】
本開示の第3の実施形態に従う感圧接着性発泡体は、第1の実施形態における架橋と第2の実施形態における架橋との両方を有する架橋構造を含有する硬化性組成物の、発泡と硬化によって得られる。上記の感圧接着性発泡体の1つの実施形態は:(a)1つの反応性不飽和基を有する1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、(c3)成分(a)、成分(b1)及び成分(b2)のコポリマーと、を含有する、部分重合体、粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である熱伝導性充填剤、並びに表面修飾ナノ粒子を含有している発泡助剤、を含む、硬化性組成物の、発泡と硬化によって得られる発泡体である。成分(a)が成分(b1)と共重合して架橋を形成し、成分(c3)及び熱伝導性充填剤中の成分(b2)を介して成分(c3)が架橋される、架橋構造が、硬化性組成物中に形成される。この実施形態において、成分(c3)としてのコポリマーは、成分(a)及び成分(b1)の共重合反応によって生成された架橋(共有結合を介した架橋)を有する、架橋コポリマーである。加えて、架橋コポリマー中に含有される成分(b2)由来のカルボキシル基と、熱伝導性充填剤の粒子表面上に存在する塩基性基との間でもたらされる酸塩基相互作用を介して、複数の架橋コポリマー分子が熱伝導性充填剤に引き付けられ、結果として複数の架橋コポリマー分子の間に架橋が更に形成される。両方の種類の架橋を有する架橋構造は、発泡助剤の量が従来の組成物と比較して少ない場合でさえ硬化性組成物の発泡性を高め、所望の気泡含量を有する発泡体を、成形工程及び硬化工程時の消泡を阻害することで形成することができる。
【0061】
第3の実施形態に従う感圧接着性発泡体は、部分重合体の生成を除いて第1及び第2の実施形態についての上記のような同様の方法で得ることができ、部分重合は(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有するモノマーと、(b2)カルボキシル基を有するモノマーとを用いて実施される。各成分に使用される種類及び量、部分重合体、硬化性組成物及び感圧接着性発泡体の、製造方法、並びに同様のことは、第1及び第2の実施形態において上記のように記載されるようなものである。
【0062】
第3の実施形態に従う感圧接着性発泡体は、例えば、以下:
モノマー混合物の重量に基づいて、約80重量%〜約98.98重量%の成分(a)と、約0.01重量%〜約1.0重量%の成分(b1)と、約1重量%〜約19.98重量%の成分(b2)と、約0.01重量%〜約1.5重量%の成分(d)と、を含む組成を有する、モノマー混合物、
部分重合体の重量に基づいて、約2重量%〜約15重量%の量の成分(c3)、
25℃において、約200mPa・s以上、約500mPa・s以又は約1,000mPa・s以上〜約10,000mPa・s以下、約5,000mPa・s以下又は2,000mPa・s以下の、部分的なコポリマーの粘度、
約10μm以上、約30μm以上又は約40μm以上〜約150μm以下、約100μm以下又は約80μm以下の熱伝導性充填剤の平均粒径、
部分重合体の100重量部あたり約60重量部以上又は約100重量部以上〜約300重量部以下又は約250重量部以下である、熱伝導性充填剤の量、
約20nm以下である表面修飾ナノ粒子の粒径、及び部分重合体の100重量部あたり、約0.1重量部〜約1.5重量部である、表面修飾ナノ粒子などを含有する発泡助剤の量、
約5,000mPa・s〜約60,000mPa・sである、硬化性組成物の粘度、
約0.02〜約0.05である、ηfoam(=(硬化性組成物の樹脂成分の100重量部に基づく発泡助剤の重量部)/(感圧接着性発泡体の気泡含量))、並びに
発泡体の全体積に基づいて5〜25%である、気泡含量、の状況又はこれらの組み合わせの内の任意の1つを満たし得る。
【0063】
本開示の感圧接着性発泡体は熱伝導性充填剤を含有することから熱伝導度が高く、例えば、約0.4Wm−1−1以上である。したがって、本開示の感圧接着性発泡体は、発熱する電子デバイス及びパーソナルコンピュータなどの様々な電子デバイスに取り付けられた発熱体から、放熱板及び金属製熱放射板などの放熱体に、熱を伝達するための熱伝導性材料として使用することができる。例えば、本開示の感圧接着性発泡体は、テープ又はシートへと形成された後に使用される。発泡体テープ又は発泡体シートは、気泡を含有することから取り扱いが容易であり、発熱体及び放熱体に対する接着性に優れ、良好な熱伝導性を呈する。
【実施例】
【0064】
典型的な実施例が以下に詳細に記載される一方で、当業者には明白であろう本開示の修正及び変更が、本出願の「特許請求の範囲」の範囲の対象にされる。
【0065】
感圧接着性発泡体は以下の手順によって評価される。
【0066】
90度はく離接着強さ(ステンレス製のプレートに対する)
得られたシートを25mm×200mmの寸法に切り分け、陽極酸化処理したアルミニウム箔(130μm)で裏打ちした。裏打ちした試料をステンレス製のプレート(SUS304)上に置き、次いで7kgのローラーを用いて往復させながらプレスすることで、接触させて接着させた。接触させて接着させた後、得られた試料を室温で72時間にわたって放置し、TENSILONを用いて、300mm/minの試験速度で90度方向にはく離し、試験時のはく離接着強さを測定した。測定は2つの試料を用いて実施し、その平均値を90度はく離接着強さの値として採用した。
【0067】
耐熱せん断保持力
得られたシートを25mm×25mmの大きさに切り分け、SUSプレートをシートの両側表面に置いた。水平に配置した試料の上に2kgの重りを配置して20分にわたって置くことで、シートとSUSプレートを接触させて接着させた。試料を垂直に保持させるために接触接着させた後、片方のSUSプレートを90℃雰囲気下で固定し、1kgの重りを他方のSUSプレートに適用し、次いで試料が落下するまでの時間を測定した。測定した結果として、5,000分以上にわたって試料が落下しない試料について記号「5,000+」を表中に記載した。測定は2つの試料を用いて実施し、平均を耐熱せん断保持力として採用した。
【0068】
圧縮応力
このようにして得られた10枚のシートを積層し、15mm×15mmの大きさに切り分けて、測定試料を得た。測定試料を、厚さ方向で単位面積あたり初期厚さの75%に圧縮するために要求される負荷(25%圧縮負荷)を測定した。測定において、試料はTENSILONを用いて0.5mm/minの速度で圧縮し、厚さが25%圧縮されたときの最大値を測定した。測定は2つの試料を用いて実施し、平均を圧縮応力として採用した。圧縮負荷値が小さくなるほど、低接触圧下での被着材への満足な接着が可能になる。
【0069】
気泡含量
得られたシートの気泡含量Kを以下の等式によって決定した。
【0070】
K(容量%)=100−(発泡体シートの密度/非発泡体シートの密度)×100(非発泡体シートの密度は、発泡体シートと同様の硬化組成物を用いて、気泡の導入をせずに硬化させて得られたシートの密度である)
熱伝導度
測定される熱伝導シートの0.01m×0.01m(測定面積:1.0×10−4)の小片(厚さはL(m))を標本として作製し、標本を加熱プレートと冷却プレートとの間に配置した。次いで、4.8Wの電力で5分にわたる7.6×10N/mの一定負荷下に維持されたときの加熱プレートと冷却プレートの間の温度差を測定し、熱伝導度Rを以下の等式から決定した。
【0071】
=(K・m/W)=温度差(K)×測定面積(m)/電力(W)
更に上記した2つの小片を積層して試料を作製し、2L(m)の厚さを有する試料の熱伝導度R2L(K・m/W)を上記のように測定した。測定により得られたR及びR2Lを用いて、熱伝導度λ(W/m・K)を以下の等式によって計算した。
【0072】
λ(W/m・K)=L(m)/((R2L(K・m/W)−R(K・m/W))
粘度の測定
部分重合体の粘度を、Tokyo Keiki Co.,Ltd.により製造されたB型粘度計(BH型)を用いて測定した。測定は、#5又は#6ローターを用いて25℃で実施し(回転数:20rpm)、測定開始後1分の値を測定値として用いた。
【0073】
せん断時間の測定
部分重合体の紡糸性を、Thermo HAAKEにより製造された伸張粘度計、CaBER 1を用いて評価した。伸張粘度計は、同軸にかつ垂直に配置された円形のプレート対の間に試料を封着して、上側のプレートを上方向へ持ち上げ、そのまま保持することによって試料のフィラメントを形成し、フィラメント部分における直径(フィラメント直径)の経時変化をレーザーマイクロメーターを用いて測定する装置である。試料のフィラメント直径は時間が経過するにつれて減少し、フィラメントは最終的にはせん断する。フィラメントが、急速にというよりは徐々に変化するとき、せん断時間はより長くなり、部分重合体はより高い紡糸性を有する。
【0074】
試験条件は以下の通りである。同軸にかつ垂直に配置された円形の6mm直径のプレート対の間に部分重合体を封着し(間隔:1.0mm)、25℃下にて、50.0m/minの速度で、上側のプレートを上側と下側の円形プレートの間の距離が7.0mmになるまで持ち上げ、そのまま保持し、プレートを持ち上げた直後から部分重合体フィラメントがせん断するまでの時間(tmax)を測定した。測定は同じ試料で2度繰り返し、その平均値を測定値として用いた。
【0075】
架橋を有する部分重合体と、架橋を有さない部分重合体との比較においては、上記の粘度測定法によって得られた粘度は同程度であり、架橋を有する部分重合体のせん断時間はより長い傾向にあった。上記の粘度測定法による粘度が同様であるとき、より長いせん断時間を有する部分重合体は、より高い消泡抑制効果を呈すると考慮される。例えば、本開示の第1又は第3の実施形態で使用した部分重合体に関しては、以下の関係式のAは好ましくは1.7以上であるか又は2.0以上である。
【0076】
せん断時間tmax(sec)≧A×粘度(mPa・s,25℃)−10(粘度範囲:1000〜20000mPa・s)
表面修飾ナノ粒子の調製
この実施例では、シリカナノ粒子の表面をイソオクチルトリメトキシシランで修飾することによって得た、イソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子を用いた。調製法は以下の通りである。61.42gのイソオクチルトリメトキシシラン(製品番号:BS1316,Wacker Silicone Corp,Adrian,Michigan)、1,940gの1−メトキシ−2−プロパノール及び1,000gのコロイドシリカ(製品番号:NALCO2326,Nalco Chemical Co.)を1ガロンのガラス瓶内で混合した。振盪することで混合物を十分に分散させ、80℃のオーブン内に一晩放置した。混合物を通気オーブン内で150℃で乾燥させ、白色の固体微小粒子を得た。このようにして得られた表面修飾ナノ粒子は約5nmの粒径を有していた。
【0077】
(実施例1〜7)
表1の項目Aにおいて記載された配合に従って調製した、モノマーと重合開始剤の混合物を、窒素雰囲気下にて、3mW/cmの放射強度で3分間にわたる紫外線照射による部分重合にかけ、部分重合体を得た。実施例1〜4においては、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)を成分(a)として使用し、成分(b1)(1,6−ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA))の量を変化させて、次いで部分重合を実施した。実施例5〜7においては、アクリル酸イソオクチルを成分(a)として使用し、3種類の成分(b1)(HDDA、BLEMMER ADE−400及びBLEMMER ADE−600)を用いた。BLEMMER ADE−400及びBLEMMER ADE−600は、NOF Corpによって製造されたポリエチレングリコールジアクリレートである。表2は、項目Aのみを2−EHA又はアクリル酸イソオクチルの100重量部に基づいて再構成した組成物の表である。表2において、部分重合体の粘度及び部分重合体中のコポリマーの含量は、部分重合体の重量に基づいた重量パーセントによって示される。
【0078】
部分重合体中のコポリマーの含量は以下の方法によって決定される。得られた部分重合体をステンレススチールプレート(底の直径:4.0cm)に1.0g量り取り、次いで窒素雰囲気下にて130℃で2時間にわたり乾燥させて固体(コポリマー)を得た。固体の重量を量り、コポリマーの含量(重量%)を、充填した部分重合体の重量(1.0g)に基づいて算出した。
【0079】
【表1】

【0080】
1)(メタ)アクリル系の部分重合体の出発原料
2)(メタ)アクリル系の部分重合体に添加する成分
3)熱伝導性充填剤
4)発泡助剤
5)商標名(供給元:NOF Corp.)
6)商標名(供給元:NOF Corp.)
7)商標名(供給元:Ciba Japan K.K.)
8)商標名(供給元:Ciba Japan K.K.)
9)平均粒径:50μm
10)イソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子
【0081】
【表2】

【0082】
表1の項目Bに記載の配合に従い、部分重合体に、アクリル酸(極性基を含有するモノマー)、HDDA及びIrgacure 819(重合開始剤)を追加成分として添加した。加えて、項目Cに記載の水酸化アルミニウム(熱伝導性充填剤)を添加し、十分に攪拌した後、更に真空脱気器を用いて脱気した。次いで、項目Dに記載の表面修飾ナノ粒子(発泡助剤)を添加して硬化性組成物を得た。実施例2では、実施例1で使用した表面修飾ナノ粒子の含量を2倍にした。実施例3及び実施例4では、HDDA(量を実施例1と比較して部分重合時に減少させた)を後で添加し、硬化性組成物の調製に使用したHDDAの量は実施例1〜4についての量と同量に調整した。表3は、項目B、C及びDを部分重合体の100重量部に基づいて再構成した組成物の表である。
【0083】
【表3】

【0084】
振動性攪拌/混合装置を用いて窒素ガスをこの硬化性組成物中に分散させ、発泡した硬化性組成物を得た。シリコーン放出剤(silicone release agent)で処理した表面を有する2つのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー間に、発泡した硬化性組成物を配置し、次いでシートをカレンダー成形によって形成した。2つのPETライナー間に硬化性組成物を配置し、シートの両方の表面を0.3mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで組成物を硬化させ、次いで6.0mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することでアクリル系の感圧接着性発泡体シートを得た。
【0085】
実施例1〜7の感圧接着性発泡体の気泡含量を計算するために使用する発泡していないシートを得るために、発泡助剤(項目D)を添加しなかったことを除いて実施例1と同様の方法で、発泡助剤を含有しない硬化性組成物を得た。シリコーン放出剤で処理した表面を有する2つのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー間にこの硬化性組成物を配置し、次いでシートをカレンダー成形により形成した。2つのPETライナー間に硬化性組成物を配置し、シートの両方の表面を0.3mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで組成物を硬化させ、次いで6.0mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することでアクリル系の感圧接着性非発泡体シートを得た。得られたシートは1.51g/cmの密度を有していた。
【0086】
比較例1
2−エチルヘキシルアクリレートのみを部分重合にかけた後でHDDAを添加したことを除いて、実施例1と同様の方法で、0.30mm厚さのアクリル系感圧接着性発泡体シートを得た。得られたシートは1.39g/cmの密度を有し、シートを貫通する泡などの、比較的大きい寸法を有する気泡が局所的に観察された。
【0087】
比較例2
表面修飾ナノ粒子の量を増加させた(0.85重量部)ことを除いて、比較例1と同様の方法で、0.30mm厚さのアクリル系感圧接着性発泡体シートを得た。得られたシートは1.31g/cmの密度を有した。
【0088】
比較例1及び2の感圧接着性発泡体の気泡含量を計算するために使用される、非発泡シートを得るために、発泡助剤(項目D)を添加しなかったことを除いて、比較例1と同様の方法で、発泡助剤を含有しない硬化性組成物を得た。シリコーン放出剤で処理した表面を有する2つのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー間にこの硬化性組成物を配置し、次いでシートをカレンダー成形により形成した。2つのPETライナー間に硬化性組成物を配置し、シートの両方の表面を0.3mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで組成物を硬化させ、次いで6.0mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで、0.30mm厚さのアクリル系の感圧接着性非発泡体シートを得た。得られたシートは1.51g/cmの密度を有していた。
【0089】
このようにして得たこれらの感圧接着性発泡体シートについての90度はく離接着強さ、耐熱性せん断保持力、圧縮応力、気泡含量、熱伝導度及びηfoamを、上記手順により評価した。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】

【0091】
実施例1と比較例1のシートの厚さの変化に基づく、シートの厚さとシートの密度との関係性を表5に示す。発泡した硬化性組成物の具体的な比重は、1.20〜1.22g/cmの範囲内に調整した。
【0092】
【表5】

【0093】
(実施例8)
表6の項目Aに記載した組成物をしっかりと攪拌し、次いで窒素雰囲気下にて3mW/cmの紫外線強度で3分間にわたり紫外線照射し、部分重合体を得た。表6の項目Bに記載した成分を上記の部分重合体に添加し、得られた混合物をしっかりと攪拌し、次いで真空脱気器を用いて脱気した。その後、項目Cの表面修飾ナノ粒子を発泡助剤として添加して硬化性組成物を得、振動性攪拌/混合装置を用いてこの硬化性組成物に窒素ガスを分散させ、1.19g/cmの密度を有する発泡した硬化性組成物を得た。それぞれシリコーン放出剤で表面処理した2つのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー間に発泡した硬化性組成物を配置し、次いでシートをカレンダー成形によって形成した。2つのPETライナーの内側に硬化性組成物を保持させ、組成物をシートの両方の表面を0.3mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで組成物を硬化させ、次いで6.0mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで0.30mm厚さの感圧接着性発泡体シートを得た。得られたシートの密度は1.27g/cmであった。
【0094】
比較例3
アクリル酸を用いずに部分重合体を得たことは除いて、0.30mm厚さの感圧接着性発泡体シートを実施例8と同様の方法で得たが、使用したアクリル酸の総量は実施例8と同様である。得られたシートの密度は1.39g/cmであった。シート中の気泡の寸法は相対的に大きく、シートを貫くほど大きな気泡が局所的に観察された。
【0095】
比較例4
添加した表面修飾ナノ粒子の量を0.85重量部へと変化させたことを除いて、0.30mm厚さの感圧接着性発泡体シートを比較例3と同様の方法で得た。得られたシートの密度は1.31g/cmであった。
【0096】
比較例5
2,000mPa・sの粘度を有する部分重合体を得るために部分重合を実施したことを除いて、0.30mm厚さの感圧接着性発泡体シートを比較例4と同様の方法で得た。得られたシートの密度は1.37g/cmであった。
【0097】
比較例6
表面修飾ナノ粒子を使用せず、かつ振動性攪拌/混合装置を使用しなかったことを除いて、0.30mm厚さの感圧接着性発泡体シートを比較例3と同様の方法で得た。得られたシートの密度は1.50g/cmであった。
【0098】
項目Aの成分から得た部分重合体の粘度と、項目Aの成分と項目Bの成分とから得られた部分重合体の混合物の粘度とを表7に示す。同様にして、表7中に、部分重合体に含有させたコポリマーの含量を、部分重合体の重量に基づいて重量パーセントで示す。
【0099】
上記で製造したこれらの感圧接着性発泡体シート又は感圧接着性非発泡体シートを、上記の手順に従って、90°はく離接着力、耐熱性せん断保持力、気泡含量、熱伝導度、及びηfoamについて評価した。この結果を表7に示す。
【0100】
【表6】

【0101】
1)(メタ)アクリル系の部分重合体の出発原料
2)(メタ)アクリル系の部分重合体に添加する成分(発泡助剤は除く)
3)発泡助剤
4)商標名(供給元:Ciba Japan K.K.)
5)商標名(供給元:Ciba Japan K.K.)
6)平均粒子径:50μm
7)イソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子
【0102】
【表7】

【0103】
(実施例9)
表8の項目Aに記載の組成に従って、モノマーと重合開始剤の混合物を調製し、窒素雰囲気下にて3mW/cmの放射線強度で3分間にわたり紫外線照射し、部分重合体を得た。表8において、実施例9の部分重合体の粘度と、部分重合体の重量に基づいて重量パーセントで示された、部分重合体に含有させたコポリマーの含量とを、実施例1〜7と比較例1及び2について一緒に示した。同様にして、実施例1〜7及び9と、比較例1及び2の、部分重合体において測定されたせん断時間を表8に示す。
【0104】
表9の項目Bに記載の配合に従い、部分重合体に、追加成分としてアクリル酸(極性基を含有するモノマー)、HDDA及びIrgacure 819(重合開始剤)を添加した。更に、項目Cに記載の水酸化アルミニウム(熱伝導性充填剤)を添加し、得られた混合物をしっかりと攪拌し、次いで真空脱気器を用いて脱気した。その後、硬化性組成物を得るために項目Dに記載の表面修飾ナノ粒子(発泡助剤)を添加した。表9は組成物の表であり、部分重合体の100重量部に基づいて、項目B、C及びDのブレンド量を示す。
【0105】
続いて、振動性攪拌/混合装置を用いて窒素ガスをこの硬化性組成物中に分散させ、発泡した硬化性組成物を得た。それぞれシリコーン放出剤で表面処理した2つのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー間に発泡した硬化性組成物を配置し、次いでシートをカレンダー成形によって形成した。2つのPETライナーの内側に硬化性組成物を保持させ、シートの両方の表面を0.3mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することで組成物を硬化させ、次いで6.0mW/cmの放射強度で3分間にわたり紫外線で照射することでアクリル系の感圧接着性発泡体シートを得た。
【0106】
製造した感圧接着性発泡体シートを、上記の手順に従って、90°はく離接着力、耐熱性せん断保持力、圧縮応力、気泡含量、熱伝導度、及びηfoamについて評価した。結果を、実施例1〜7及び比較例1及び2について一緒に表10に示した。
【0107】
【表8】

【0108】
【表9】

【0109】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1つの反応性不飽和基を有する、1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
(b)前記成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、
(c)前記成分(a)及び前記成分(b)のコポリマーと、を含む、部分重合体、
熱伝導性充填剤、並びに
20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤
を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体であって、
前記硬化性組成物中に、前記成分(c)を含有する架橋構造体が形成されている、感圧接着性発泡体。
【請求項2】
(a)1つの反応性不飽和基を有する、1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、
(c1)前記成分(a)及び前記成分(b1)のコポリマーと、を含む部分重合体であって、前記成分(c1)の量が、前記部分重合体の重量に基づいて2重量%〜15重量%である、部分重合体、
前記部分重合体の100重量部に基づいて、100〜250重量部の量の熱伝導性充填剤、並びに
前記部分重合体の100重量部に基づいて、0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤
を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体であって、
前記硬化性組成物中に形成された架橋構造は、前記成分(a)と前記成分(b1)との架橋コポリマーであり、
前記感圧接着性発泡体の気泡含量が前記発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(前記硬化性組成物の樹脂成分100重量部に基づく前記発泡助剤の重量部)/(前記感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である、請求項1に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項3】
(a)1つの反応性不飽和基を有する、1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、
(c2)前記成分(a)及び前記成分(b2)のコポリマーと、を含む部分重合体であって、前記成分(c2)の量が、前記部分重合体の重量に基づいて2重量%〜15重量%である、部分重合体、
前記部分重合体の100重量部に基づいて60〜300重量部の量の熱伝導性充填剤であって、前記熱伝導性充填剤が粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である、熱伝導性充填剤、並びに
前記部分重合体の100重量部に基づいて0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤
を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体であって、
前記硬化性組成物中に形成された架橋構造は、前記成分(c2)中の前記成分(b2)及び前記熱伝導性充填剤を介して前記成分(c2)が架橋されている架橋構造であり、
前記感圧接着性発泡体の気泡含量が前記発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(前記硬化性組成物の樹脂成分100重量部に基づく前記発泡助剤の重量部)/(前記感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である、請求項1に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項4】
(a)1つの反応性不飽和基を有する、1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
(b1)2つ以上の反応性不飽和基を有する1つ以上のモノマーと、
(b2)カルボキシル基を有する1つ以上のモノマーと、
(c3)前記成分(a)、前記成分(b1)及び前記成分(b2)のコポリマーと、を含む部分重合体であって、前記成分(c3)の量が、前記部分重合体の重量に基づいて2重量%〜15重量%である、部分重合体、
前記部分重合体の100重量部に基づいて60〜300重量部の量の熱伝導性充填剤であって、前記熱伝導性充填剤が粒子表面上に塩基性基を有する金属水酸化物である、熱伝導性充填剤、並びに
前記部分重合体の100重量部に基づいて0.1〜1.5重量部の量の、20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤
を含む硬化性組成物の発泡硬化物である、感圧接着性発泡体であって、
前記硬化性組成物中に形成された前記架橋構造が、前記成分(a)が前記成分(b1)と共重合して架橋が形成されており、かつ前記成分(c3)中の前記成分(b2)及び前記熱伝導性充填剤を介して前記成分(c3)が架橋されている、架橋構造であり、
前記感圧接着性発泡体の気泡含量が前記発泡体の全体積に基づいた体積パーセントにより表されるとき、(前記硬化性組成物の樹脂成分100重量部に基づく前記発泡助剤の重量部)/(前記感圧接着性発泡体の気泡含量)の値は0.02〜0.05である、請求項1に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項5】
前記感圧接着性発泡体の気泡含量が、前記発泡体の全体積に基づいて5体積%〜25体積%である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項6】
前記熱伝導性充填剤が水酸化アルミニウムである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項7】
前記硬化性組成物が紫外線硬化性である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の感圧接着性発泡体。
【請求項8】
(a)1つの反応性不飽和基を有する、1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーであって、アルキル基が12以下の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
(b)前記成分(a)と共重合可能な、架橋用モノマーと、
(c)前記成分(a)及び前記成分(b)のコポリマーと、を含む、部分重合体を調製すること、
前記部分重合体を熱伝導性充填剤と混合すること、
20nm以下の粒径を有する表面修飾ナノ粒子を含有する発泡助剤を前記部分重合体に添加して、前記成分(c)を含有する架橋構造が形成された硬化性組成物を得ること、
前記硬化性組成物を機械的に発泡させること、並びに
発泡した前記硬化性組成物の成形品を硬化すること
を含む、感圧接着性発泡体の製造方法。

【公表番号】特表2011−518920(P2011−518920A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506373(P2011−506373)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/041066
【国際公開番号】WO2009/131920
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】