説明

((フェニル)イミダゾリル)メチルヘテロアリール化合物

本明細書においては、下記の式を有し、AおよびBについては本明細書において説明して通りの化合物を開示する:
【化1】


また、該化合物に関連する治療方法、組成物および医薬品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2007年5月14日に出願された米国出願第60/917,833号の権利を主張する;該出願は、その全体を参考として本明細書に合体させる。
ヒトアドレナリンレセプターは、2つの広範な群、即ち、アルファおよびベータアドレナリンレセプターに分類されている内在性膜タンパク質である。両タイプは、カテコールアミン類、ノルエピネフリンおよびエピネフリンの結合時の末梢交感神経系の作用を介在する。
ノルエピネフリンはアドレナリン作動性神経終末が産生し、一方、エピネフリンは副腎髄質が産生する。これらの化合物に対するアドレナリンレセプターの結合親和性は、分類の1つの根拠をなしている:アルファレセプターは、エピネフリンに対するよりも強く、また、合成化合物イソプロテレノールに対するよりもはるかに強くノルエピネフリンに結合する性向を有する。これらのホルモン類の好ましい結合親和性は、ベータペプチドにおいては逆である。多くの組織においては、アルファレセプター活性化によって誘発される平滑筋収縮のような機能的反応は、ベータレセプター結合によって誘発される反応とは相反する。
【0002】
その後、アルファおよびベータレセプター間の機能的差異は、各種の動物および組織源に由来するこれらのレセプターの薬理学的特性決定によってさらに明らかにされ、細分された。結果として、アルファおよびベータアドレナリンレセプターは、α1、α2、β1およびβ2サブタイプにさらに細分類された。α1およびα2レセプター間の機能的差異は認識されており、これら2つのサブタイプ間で選択的結合を示す化合物が開発されている。そのように、公開された国際特許出願WO 92/0073号においては、テラゾシンのR(+)鏡像体のα1サブタイプのアドレナリンレセプターに選択的に結合する選択的能力が報告されている。この化合物のα12選択性は、α2レセプターの作用薬刺激がエピネフリンおよびノルエピネフリンの分泌を抑制すると言われていることから有意であると開示されており、一方、α2の拮抗作用はこれらのホルモンの分泌を増大させると言われている。従って、フェノキシベンザミンおよびフェントラミンのような非選択性アルファ‐アドレナリン遮断薬の使用は、これら遮断薬のα2アドレナリンレセプターの介在する血漿カテコールアミン濃度上昇および付随的生理続発症(心拍上昇および平滑筋収縮)の誘発によって制約されるといわれている。α‐アドレナリンレセプターについてのさらなる一般的な背景については、Robert R. Ruffolo, Jr., α-Adrenoreceptors: Molecular Biology, Biochemistry and Pharmacology, (Progress in Basic and Clinical Pharmacology series, Karger, 1991) に注意が向けられており、該文献では、α‐アドレナリンレセプター親和性を示す化合物についての細分類α12の根拠、分子生物学、シグナル変換、作用薬構造‐活性関係、レセプター機能および治療への応用が探求されている。
【0003】
動物組織からのアルファレセプターサブタイプのクローニング、シークエンシングおよび発現は、α1アドレナリンレセプターのα1A、α1Bおよびα1Dへの細分類をもたらしている。同様に、α2アドレナリンレセプターも、α2A、α2Bおよびα2cレセプターに分類されている。各α2レセプターサブタイプは、その独自の薬理および組織特異性を示すようである。これらのサブタイプの1種以上に対して一定の特異性を有する化合物は、所定の適応症に対して、α2レセプターパンアゴニスト(pan-agonist) (薬物クロニジンのような)またはパンアンタゴニスト(pan-antagonist)よりも特異的な治療薬であり得る。
【0004】
緑内障、高血圧、性機能障害および抑うつ症の治療のような他の適応症においては、アルファ2アドレナリンレセプター作用薬活性を有するある種の化合物は、既知の鎮痛薬である。しかしながら、そのような活性を有する多くの化合物は、アルファ2アドレナリンレセプターが調節する障害を治療する場合、望ましい活性および特異性を示さない。例えば、疼痛の治療において有効な薬剤であると判明している多くの化合物は、全身的に有効な投与量における低血圧および鎮静の発生のような望ましくない副作用を有することが頻繁に見出されている。これらの望ましくない副作用を起さないで疼痛の軽減をもたらす新たな薬物が求められている。さらに、疼痛、とりわけ、慢性の神経障害性疼痛および内臓痛のような慢性疼痛に対する活性を示す薬剤が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書においては、下記の式で表される化合物を開示する:
【化1】


(式中、Aは、0、1、2または3個の置換基を有する単環式ヘテロアリールであり;
Bは、0、1、2または3個の置換基を有するフェニルであり;
各置換基は、個々に、0〜8個の炭素原子、0〜3個の酸素原子、0〜3個のハロゲン原子、0〜2個の窒素原子、0〜2個のイオウ原子、および0〜24個の水素原子からなる)。
【0006】
特に断らない限り、化合物に関する言及は、上記構造または化学名を有する化学存在物の製薬上許容し得る塩、プロドラッグ、互変体、代替固体形状物および非共有複合体を包含するものと広く解釈すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
製薬上許容し得る塩は、親化合物の活性を保持し、親化合物と比較して、投与する対象者に対してまた投与するのに関連してさらなる許容し得ない有害なまたは厄介な作用を与えない任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。
酸性官能基の製薬上許容し得る塩類は、有機または無機塩基から誘導し得る。塩は、一価または多価イオンを含み得る。とりわけ興味あるのは、無機イオンのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン類、とりわけモノ‐、ジ‐およびトリアルキルアミンまたはエタノールアミンのようなアンモニウム塩によって製造し得る。また、塩は、カフェイン、トロメタミンおよび同様な分子によっても形成し得る。塩酸またはある種の他の製薬上許容し得る酸は、アミンまたはピリジン環のような塩基性基を含有する化合物と塩を形成し得る。
【0008】
プロドラッグは、投与後に治療活性化合物に転換する化合物である。本発明の範囲を限定するつもりはないが、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。一般的には(必然的ではなく)、プロドラッグは、転換する治療活性化合物よりも不活性であるかまたはあまり活性でない。本明細書において開示する化合物のエステルプロドラッグを、とりわけ意図する。エステルは、C1のカルボン酸(即ち、天然プロスタグランジンの末端カルボン酸)から誘導し得、或いはエステルは、フェニル環のような分子の他の部分のカルボン酸官能基から誘導し得る。限定するつもりはないが、エステルは、アルキルエステル、アリールエステルまたはヘテロアリールエステルであり得る。用語アルキルとは、当業者が一般的に理解している意味を有し、線状、枝分れまたは環状のアルキル成分を称する。エステルのアルキル成分が1〜6個の炭素原子を有するC1-6アルキルエステルは、とりわけ有用であり、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、イソ‐ブチル、t‐ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび1〜6個の炭素原子を有するこれらの組合せ等がある。
【0009】
互変体は、互いに急速平衡にある異性体である。互変体は、多くの場合であるが必ずしも、プロトン、水素原子または水酸化物イオンの移動を含まない。例えば、本発明における構造体は、限定するものではないが、下記に示す互変形を包含するものとする。
【0010】
【化2】

【0011】
立体化学的に明確に断らない限り、構造体は、純粋なまたは任意の可能性ある混合物中の双方でのあらゆる可能性ある立体異性体を包含するものとする。
【0012】
代替固体形状物は、本明細書において説明する方法を実施することにより生じ得る形状物とは異なる固体形状物である。例えば、代替固体形状物は、多形体物、種々の種類の非晶質固体形状物、ガラス状物等であり得る。
非共有複合体は、上記化合物と1種以上のさらなる化学種間で形成され得、上記化合物とさらなる化学種間で共有結合相互作用を含まない複合体である。非共有複合体は、上記化合物とさらなる化学種間で特定の比率を有していても或いは有していなくてもよい。例としては、溶媒和物、水和物、電荷移動複合体等がある。
【0013】
Aは、環中に1個以上の窒素原子、イオウ原子または酸素原子を含む芳香環を意味する単環式ヘテロアリールである。ヘテロアリールの典型的な例としては、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルまたはピラジニルがある。Aは、置換されてなくても或いは3個までの置換基で置換されていてもよい。
Bは、置換されていないまたは3個までの置換基を有するフェニルである。
AおよびBの置換基は、同じ限定に従う。しかしながら、各置換基は、独立しており、AおよびBが同一または異なる置換基を有し得ることを意味する;A上の置換基は、互いに同一または異なるものであり得;B上の置換基は、互いに同一または異なるものであり得る。
【0014】
本明細書において説明する限定(例えば、置換基の原子数の限定)に従えば、置換基の例としては、限定するものではないが、下記がある:
限定するものではないが、下記のような炭素と水素のみからなる成分を意味するヒドロカルビル:
a. 限定するものではないが、下記のような、二重または三重結合をを有さないヒドロカルビルを意味するアルキル:
・線状アルキル、例えば、メチル、エチル、n‐プロピル、n‐ブチル、n‐ペンチル、n‐ヘキシル等;
・枝分れアルキル、例えば、イソ‐プロピル、t‐ブチルおよび他の枝分れブチル異性体、各枝分れペンチル異性体等;
・シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキサン等;
・線状、枝分れおよび/またはシクロアルキルの組合せ;
b. アルケニル、例えば、線状、枝分れまたはシクロアルケニルのような、1個以上の二重結合を有するヒドロカルビル;
c. アルキニル、例えば、線状、枝分れまたはシクロアルケニルのような、1個以上の三重結合を有するヒドロカルビル;
d. アルキル、アルケニルおよび/またはアルキニルの組合せ。
【0015】
アルキル‐CN、例えば、CH2‐CN、‐(CH2)2‐CN、‐(CH2)3‐CN等;
ヒドロキシアルキル、即ち、アルキル‐OH、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル等;
‐O‐アルキル、アルキル‐O‐アルキル等のような、エーテル置換基;
‐S‐アルキル、アルキル‐S‐アルキル等のような、チオエーテル置換基;
‐NH2、‐NH‐アルキル、‐N‐アルキル1アルキル2 (即ち、アルキル1およびアルキル2 は、同一または異なるものであって、共にNに結合している)、アルキル‐NH2、アルキル‐NH‐アルキル、アルキル‐N‐アルキル1アルキル2等のような、アミン置換基;
アミノメチル(‐CH2‐アミン)、アミノエチル等のようなアルキル‐アミンを意味するアミノアルキル;
‐CO2‐アルキル、‐CO2‐フェニル等のようなエステル置換基。
【0016】
アルデヒド類;アシル(即ち、下記:
【化3】

)等のようなケトン類等のような他のカルボニル置換基;とりわけ、アセチル、プロピオニルおよびベンゾイル置換基を意図する。
【0017】
フェニルまたは置換フェニル;
‐CF3、‐CH2CF3等のようなフルオロカーボンまたはヒドロフルオロカーボン;および、‐CN。
また、上記の組合せも、定義した限定を条件として可能である;
また、置換基は、‐F、‐Cl、‐Brまたは‐Iであり得る。
とりわけ、1〜8個の炭素原子を有するアルキルを置換基として意図する。
また、1〜4個の炭素原子を有するアルキルも意図する。
【0018】
置換基は、ボトル内で標準大気下に室温で少なくとも12時間保存するのに十分に安定であるか或いは本明細書において開示するいずれの目的においても有用であるために十分に安定でなければならない。
置換基が、例えばカルボン酸またはアミンの塩である場合、この塩の対イオン、即ち、分子の残余部に共有結合していないイオンは、置換基中の重原子数を目的としては計数しない。従って、例えば、塩‐CO2-Na+は3個の重原子からなる安定な置換基である、即ち、ナトリウムは計数しない。もう1つの例においては、塩‐NH(Me)2+Cl-は3個の重原子からなる安定な置換基である、即ち、塩素は計数しない。
【0019】
1つの実施態様においては、Aは、ピリジニルであり、下記に示すような構造を有する化合物を意図することを意味する。
【0020】
【化4】

【0021】
これらの構造体においては、R1、R2およびR3は、本明細書において定義したとおりの置換基である。
【0022】
もう1つの実施態様においては、Aは、チエニルであり、下記に示すような構造を有する化合物を意図することを意味する。
【0023】
【化5】

【0024】
これらの構造体においては、R1、R2およびR3は、本明細書において定義したとおりの置換基である。
【0025】
もう1つの実施態様においては、Aは、フリルであり、下記に示すような構造を有する化合物を意図することを意味する。
【0026】
【化6】

【0027】
これらの構造体においては、R1、R2およびR3は、水素または本明細書において定義したとおりの置換基である。
【0028】
1つの実施態様においては、各置換基は、個々に、1〜8個の炭素原子を有するアルキル、‐F、‐Cl、‐Br、‐CH2OH、1〜8個の炭素原子を有するアミノメチル、‐CH2CN、‐CF3、または1〜8個の炭素を有するアシルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、置換されていないかまたはイソプロピル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bの各置換基は、‐F、‐Cl、‐CH3、または-CF3である。
もう1つの実施態様においては、Aは、0、1、2または3個の置換基を有するピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルまたはピラジニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、ピリジニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、チエニルである。
【0029】
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物を、必要とする哺乳類に投与することを含む疼痛の治療方法である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物の、疼痛治療用の医薬品の製造における使用である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する化合物を含む製薬上許容し得る組成物である。
もう1つの実施態様は、本明細書において開示する組成物を収容しているパッケージ、および該組成物の疼痛の治療における使用を表示しているラベルを含むキットである。
【0030】
有用な化合物の幾つかの想定例を、下記に示す:
【0031】
【化7】

【0032】
本明細書において開示する化合物は、アルファ2アドレナリン作用薬による治療に対して応答性である症状および疾患の神経学的状態を治療するのに有用である。そのような症状および疾患としては、限定するものではないが、慢性疼痛(限定するものではないが、起原的に内臓性、炎症性、関連性または神経障害性であり得る)、神経障害性疼痛、角膜痛、緑内障、減少性(reducing)眼内圧上昇、虚血性神経障害および他の神経変性疾患、下痢、および鼻閉がある。慢性疼痛は、限定するものではないが、次のような症状の結果として或いはそれらの症状に付随して生じ得る:関節炎(関節リウマチのような)、脊髄炎、痛風性関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、および、限定するものではないが紅斑性狼瘡のような自己免疫疾患。内臓痛としては、限定するものではないが、癌によって生じる、或いは、例えば、化学療法または放射線療法によるような癌の治療に伴う疼痛があり得る。さらに、本明細書において開示する化合物は、過活動性頻尿(hyperactive micturition)のような筋痙直、利尿、禁断症状、視神経症のような神経変性疾患、脊髄虚血および卒中、記憶障害および認知欠損、注意力欠如障害、躁病のような精神病、不安神経症、抑うつ症、高血圧、うっ血性心不全、心虚血および鼻閉、慢性胃腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群(IBS)、気脳性消化不良および潰瘍性大腸炎を治療するのに有用である。本明細書において開示するアルファ2B/2C特異性または選択性化合物の活性は、これらの化合物の哺乳類への投与が鎮静または有意の心臓血管系作用(血圧または心拍の変化のような)をもたらさないことから、極めて有利である。
【0033】
慢性疼痛(癌、関節炎および多くの神経障害性損傷に由来する疼痛のような)および急性疼痛(組織の切断、圧迫、刺傷または圧壊のような直接の機械的刺激によって生じる疼痛のような)が、種々の神経線維および神経受容体或いは慢性的刺激時のこれらの神経の機能の転位または変化のいずれかが高度に介在した明確な神経学的事象であることは知られている。急逝疼痛の痛覚は、主としてC線維と称する求心性神経線維(この神経線維は、機械的、熱的および化学的刺激に対して高い閾値を通常有する)によって全く急速に伝達される。慢性疼痛のメカニズムは完全には理解されていないものの、急性組織損傷は、最初の刺激後数分または数時間以内で、疼痛反応を誘発させるに必要な刺激強度の局所的減退のような二次症候を発生させ得る。この事象は、最初の刺激部位から発生した領域(但し、最初の部位よりも大きい)内で典型的に生じ、痛覚過敏と称する。この二次反応は、機械的または熱的刺激に対して大いに増強された感受性をもたらし得る。
【0034】
A求心性線維(AβおよびA線維)は、C線維よりも低い閾値で刺激し得、慢性疼痛の痛覚に関与しているようである。例えば、正常な状態においては、これらの線維の低閾値刺激(軽いこすりまたはくすぐりのような)は、痛みはない。しかしながら、神経損傷後の状態のようなある種の状態下または帯状疱疹として知られるヘルペスウイルス介在症状においては、そのような軽い接触または衣服のこすりでさえの加わりも極めて痛くあり得る。この状態は、異痛と称し、Aβ求心性神経によって少なくとも1部は介在されているようである。また、C線維も慢性疼痛の痛覚に関与し得るが、そうであれば、ニューロンの経時的に持続性の刺激が、慢性疼痛の痛覚を直ぐに生じるある種の変化をもたらすことが明らかなようである。
【0035】
“急性疼痛”とは、切断、圧壊、火傷のような損傷により或いはカプサイチン、即ち、チリ・ペパー中の活性成分に暴露したときに経験する刺激のような化学的刺激によってもたらされる直接的な通常高閾値の疼痛を意味する。
“慢性疼痛”とは、限定するものではないが、神経障害性疼痛、内臓痛(クローン病および過敏性腸症候群(IBS)によってもたらされる疼痛のような)、および関連痛のような、急性疼痛以外の疼痛を意味する。
【0036】
本開示の目的においては、“処置する(treat)”、“処置(treating)”または“処置(treatment)”とは、疾病または他の望ましくない状態の診断、治療、緩和、処置、予防における化合物、組成物、治療活性剤または薬物の使用を称する。
これらの化合物は、当該技術において既知の方法を使用して、固形、液体または他のタイプの投与量剤形に調合し得る。投与量剤形の調合および治療上有効な投与量の決定は、当業者であれば、一般的方法を使用して、いずれも容易になし得るであろう。
【0037】
当該化合物を得るための一般的方法
下記の反応スキームAおよびBは、ビアリールイミダゾールを得るための一般的方法を示している。
【0038】
反応スキームA
【化8】

【0039】
反応スキームB
【化9】

【0040】
特定の実施態様、実験例
実施例A
方法A:2‐((3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチルピリジン(658)を製造するための手順
【化10】

【0041】
−10℃のジクロロメタン(40mL)中の4‐ヨード‐1‐トリチルイミダゾール(商業的に入手し得る;5.1g、11.8ミリモル)の溶液をエチルマグネシウムブロミド(3.9mL、11.8ミリモル;エーテル中3M)で処理し、45分間反応させた。ジクロロメタン中の3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンズアルデヒド(中間体1) (1.5g、9.4ミリモル)の溶液をシリンジにより−10℃で添加し、室温で16時間撹拌した。混合物を水(50mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(50mL)で失活させた。残留物を典型的な水性精密処理で分離し、3〜5%MeOH:CH2Cl2によるMPLCによって精製して、(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)メタノール(中間体2)を固形物として得た(3.5g、78.7%)。
【0042】
CH2Cl2 (60mL)中の(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)メタノール(中間体2) (3.5g、7.4ミリモル)の混合物を、酸化マンガン(IV)、活性化型 (Aldrich社から商業的に入手し得る):MnO2 (3.9g、44.8ミリモル)で室温にて処理した。混合物を60℃に2時間加熱した。その後、混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、溶媒を真空下に除去した。残留物を3〜5%MeOH:CH2Cl2によるMPLCによって精製して、(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノン(中間体3)を得た(3.3g、97%)。
【0043】
室温のジクロロメタン(25mL)中の2‐ヨード‐ピリジン(商業的に入手し得る) (415mg、2.02ミリモル)の溶液をエチルマグネシウムブロミド(0.67mL、2.02ミリモル;エーテル中3M)で処理し、45分間反応させた。ジクロロメタン中の(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノン(中間体3) (630mg、1.35ミリモル)の溶液をシリンジにより室温で添加し、その後、反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水(50mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(20mL)で失活させた。残留物を典型的な水性精密処理で分離して、(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(ピリジン‐2‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体4)を得た(726mg、粗生成物)。
【0044】
57%HI水溶液(10mL)中の(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(ピリジン‐2‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体4) (726g、1.33ミリモル)とiPrOH (2mL)との混合物を、再密閉可能なチューブ内の赤リン(412mg、13.3ミリモル)に添加し、160℃で16時間加熱した。その後、混合物を室温に冷却し、氷水中に注入し、ついで、これをNaOHで塩基化し、CHCl3で希釈した。残留物を、CHCl3を使用する典型的な水性精密処理で分離し、5〜15%MeOH:CH2Cl2によるMPLCによって精製して、(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(ピリジン‐2‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(658)を固形物として得た、236mg (2工程において61%)。1HNMR (CD3OD、300MHz) δ 8.47 (d、J = 4.4 Hz、1H)、7.80 (dt、J = 2.1、7.8 Hz、= 1H)、7.76 (s、1H)、7.39〜7.23 (m、3H)、7.12〜7.00 (m、2H)、6.60 (s、1H)、5.86 (s、1H)。
【0045】
中間体3から、658における手順と同様な手順後に、659、即ち、3‐((3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン(162mg、2工程において44%の収率)を白色固形物として得た。1HNMR (CD3OD、300MHz) δ 8.42 (d、J = 5.1 Hz、1H)、8.38 (d、J = 2.1 Hz、1H)、7.70 (s、1H)、7.67〜7.64 (m、1H)、7.41〜7.37 (m、2H)、7.15〜7.05 (m、2H)、6.66 (s、1H)、5.80 (s、1H)。
【0046】
中間体3から、658における手順と同様な手順後に、660、即ち、4‐((3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン(208mg、2工程において57.5%の収率)を白色固形物として得た。1HNMR (CD3OD、300MHz) δ8.47〜8.45 (m、2H)、7.70 (s、1H)、7.42 (td、J = 1.8 Hz、7.5 Hz、1H)、7.37〜7.24 (m、2H)、7.15〜7.03 (m、2H)、6.69 (s、1H)、5.78 (s、1H)。
【0047】
実施例B
方法B:3‐((2,3‐ジメチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン(AGN213890)を製造するための手順
【化11】

【0048】
−10℃のジクロロメタン(100mL)中の4‐ヨード‐1‐トリチルイミダゾール(商業的に入手し得る) (10.1g、23.3ミリモル)の混合物をエチルマグネシウムブロミド(7.76mL、23.3ミリモル;エーテル中3M)で処理し、45分間反応させた。ジクロロメタン中の3‐ピコリンアルデヒド(中間体7) (2g、18.69ミリモル)の溶液をシリンジにより−10℃で添加し、室温で16時間撹拌した。混合物を水(50mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(50mL)で失活させた。残留物を典型的な水性精密処理で分離して、ピリジン‐3‐イル(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体8)を固形物として得た、6.48g(82%)。
【0049】
CH2Cl2 (100mL)中のピリジン‐3‐イル(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体8) (6.48g、15.56ミリモル)の溶液を、酸化マンガン(IV)、活性化型 (Aldrich社から商業的に入手し得る):MnO2 (8.1g、93.36ミリモル)で室温にて処理した。混合物を60℃に2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、溶媒を真空下に除去した。残留物を5%MeOH:CH2Cl2によるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、ピリジン‐3‐イル(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノン(中間体9)を得た(6.1g、94.4%)。
【0050】
室温のジクロロメタン(20mL)中のピリジン‐3‐イル(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノン(中間体9) (500mg、1.20ミリモル)の溶液を、2,3‐ジメチルフェニルマグネシウムブロミド(商業的に入手し得る) (3.6mL、1.8ミリモル;THF中0.5M)で処理して、室温で16時間撹拌した。混合物を水(50mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(50mL)で失活させた。残留物を典型的な水性精密処理で分離して、(2,3‐ジメチルフェニル)(ピリジン‐3‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体10)を固形物として得た、535mg(粗生成物)。
【0051】
57%HI水溶液(10mL)中の(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(ピリジン‐3‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(中間体10) (535mg、1.02ミリモル)の混合物を、再密閉可能なチューブ内の赤リン(318mg、10.2ミリモル)に添加し、160℃で16時間加熱した。その後、混合物を室温に冷却し、氷水中に注入し、次いで、これをNaOHで塩基化し、CHCl3で希釈した。残留物を、典型的な水性精密処理で分離し、3〜5%NH3‐MeOH:CH2Cl2によるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、(3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(ピリジン‐3‐イル)(1‐トリチル‐1H‐イミダゾール‐5‐イル)メタノール(890)を固形物として得た(51mg)。1HNMR (CD3OD、300MHz):δ8.39〜8.37 (m、1H)、8.29 (d、J = 2.4 Hz、1H)、7.67 (s、1H)、7.56〜7.52 (m、1H)、7.37〜7.33 (m、1H)、7.07〜6.97 (m、2H)、6.68 (d、J = 7.5 Hz、1H)、6.40 (s、1H)、5.76 (s、1H)、2.27 (s、3H)、2.16 (s、3H)。
【0052】
下記の各化合物は、上記の方法のいずれかによって合成した:
2‐((2,3‐ジメチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐4‐イル)メチル)ピリジン、301
(方法B)
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ8.47 (d、J = 4.2 Hz、1H)、7.89 (s、1H)、7.83〜7.72 (m、1H)、7.31〜7.27 (m、1H)、7.11〜6.96 (m、3H)、6.66 (d、J = 7.5 Hz、1H)、6.45 (s、1H)、5.85 (s、1H)、2.28 (s、3H)、2.16 (s、3H)。
【0053】
4‐((2,3‐ジメチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、300
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.42〜8.40 (m、2H)、7.67 (s、1H)、7.17〜7.15 (m、2H)、7.07〜6.96 (m、2H)、6.70 (d、J = 7.5 Hz, 1H)、6.44 (s、1H)、5.74 (s、1H)、2.27 (s、3H)、2.15 (s, 3H)。
【0054】
2‐((2‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、393
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.48 (d、J = 4.8 Hz、1H)、7.79 (t、J = 7.8、Hz、1H)、7.69 (s、1H)、7.58 (t、J = 6.3 Hz、1H)、7.42 (t、J = 6.3 Hz、1H)、7.38〜7.24 (m、3H)、6.66 (s、1H)、5.92 (s、1H)。
【0055】
3‐((2‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、394
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.43(dd、J = 1.5、5.1 Hz、1H)、8.40 (d、J = 2.4 Hz、1H)、7.71 (s、1H)、7.69〜7.65 (m、1H)、7.62 (t、J = 7.8 Hz、1H)、7.44〜7.38 (m、2H)、7.31 (t、J = 7.8 Hz、1H)、6.68 (s、1H)、5.87 (s、1H)。
【0056】
4‐((2‐フルオロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、395
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.48〜8.46 (m、2H)、7.71 (s、1H)、7.63 (t、J = 6.6 Hz、1H)、7.42 (t、J = 6.9 Hz、1H)、7.34 (d、J = 7.8 Hz、1H)、7.29〜7.25 (m、2H)、6.72 (s、1H)、5.85 (s、1H)。
【0057】
2‐((2,3‐ジクロロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、049
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.48〜8.45 (m、1H)、7.76 (td、J = 7.8、9.6 Hz、1H)、7.68 (s、1H)、7.44 (dd、J = 1.8、8.4 Hz、1H)、7.31〜7.26 (m、1H)、7.23 (t、J = 8.1 Hz、1H)、7.16 (d、J = 7.8 Hz、1H)、6.99 (dd、J = 6.3、7.5 Hz、1H)、6.53 (s、1H)、6.04 (s、1H)。
【0058】
3‐((2,3‐ジクロロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、050
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.43 (dd、J = 1.8、5.1 Hz、1H)、8.35 (d、J = 7 Hz、1H)、7.70 (s、1H)、7.62〜7.58 (m、1H)、7.47 (dd、J = 1.5、7.8 Hz、1H)、7.39 (dd、J = 5.1、8.1 Hz、1H)、7.25 (t、J = 8.1 Hz、1H)、7.05 (dd、J = 1.5、7.8 Hz、1H), 6.56 (s、1H)、5.96 (s、1H)。
【0059】
4‐((2,3‐ジクロロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、051
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.46〜8.44 (m、2H)、7.70 (s、1H)、7.48 (dd、J = 1.8、8.1 Hz、1H)、7.24 (t、J = 8.1 Hz、1H)、7.21〜7.19 (m、2H)、7.05 (dd、J = 1.5、7.5 Hz、1H)、6.60 (s、1H)、5.95 (s、1H)。
【0060】
2‐((3‐クロロ‐2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、984
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.49〜8.47 (m、1H)、7.8 (s、1H)、7.81〜7.75 (m、1H)、7.33〜7.28 (m、2H)、7.14〜706 (m、2H)、6.80 (d、J = 9 Hz、1H)、6.51 (s、1H)、5.85 (s、1H)、2.31 (s、3H)。
【0061】
4‐((3‐クロロ‐2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、983
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.46〜8.44 (m、2H)、7.70 (s、1H)、7.30 (d、J = 9 Hz、1H)、7.19〜7.17 (m、2H)、7.10 (t、J = 6Hz、1H)、6.82 (d、J = 9 Hz、1H)、6.51 (s、1H)、5.75 (s、1H)、2.31 (s、3H)。
【0062】
2‐((3‐フルオロ‐2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、119
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.49〜8.47 (m、1H)、7.80〜7.74 (m、2H)、7.32〜7.28 (m、1H)、7.14〜7.07 (m、2H)、6.95 (t、J = 8.7 Hz、1H)、6.67 (d, J = 7.5 Hz、1H)、6.49 (s、1H)、5.80 (s、1H)、2.16 (s、3H)。
【0063】
4‐((3‐フルオロ‐2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、330
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.45〜8.43 (m、2H)、7.69 (s、1H)、7.20〜7.09 (m、3H)、6.97 (t、J = 8.4 Hz、1H)、6.71 (d、J = 8.1 Hz、1H)、6.51 (s、1H)、5.70 (s、1H)、2.15 (s、3H)。
【0064】
2‐((2,3‐ジフルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、419
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.47 (d、J = 4.2 Hz、1H)、7.78 (td、J = 7.8 Hz、9.3 Hz、1H)、7.68 (s、1H)、7.32〜7.23 (m、2H)、7.19〜7.06 (m、2H)、6.91〜6.86 (m、1H)、6.63 (s、1H)、5.88 (s、1H)。
【0065】
3‐((2,3‐ジフルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、519
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.43 (d、J = 6 Hz、1H)、8.39 (d、J = 3 Hz、1H)、7.70 (s、1H)、7.68 (d、J = 9 Hz、1H)、7.40 ( dd、J = 6 Hz、9 Hz、2H)、7.20〜7.11 (m、2H)、6.94 (t、J = 9 Hz、1H)、6.66 (s、1H)、5.82 (s、1H)。
【0066】
4‐((2,3‐ジフルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、665
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.47〜8.45 (m、2H)、7.70 (s、1H)、7.27〜7.25 (m、2H)、7.21〜7.11 (m、2H)、6.92 (t、J = 6 Hz、1H), 6.70 (s、1H)、5.80 (s、1H)。
【0067】
2‐((2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、668
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.46 (d、J = 4.8 Hz、1H)、7.76 (td、J = 9Hz、14.4 Hz、1H)、7.66 (s、1H)、7.31〜7.27 (m、1H)、7.19〜7.09 (m、3H)、6.84 (d、6.6Hz、1H)、6.40 (s、1H)、5.77 (s、1H)、2.25(s、1H)。
【0068】
3‐((2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、669
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.41〜8.39 (m、1H)、8.31 (s、1H)、7.68 (s、1H)、7.57 (d、J = 9 Hz、1H)、7.38 (dd、J = 3、6 Hz、1H)、7.18〜7.12 (m、3H)、6.87 (d、J = 6Hz、1H)、6.43 (s、1H)、5.71 (s、1H)、2.26 (s, 3H)。
【0069】
4‐((2‐メチルフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、742
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.44〜8.42 (m、2H)、7.68 (s、1H)、7.19〜7.17 (m、2H)、7.16〜7.11(m、2H)、7.19 (d、J = 9Hz、1H)、6.47 (s、1H)、5.68 (s、1H)、2.25 (s, 3H)。
【0070】
2‐((2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、667
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.47〜8.45 (d、J = 9 Hz、1H)、7.76 (td、J = 8.1 Hz、9.9 Hz、1H)、7.66 (s、1H)、7.31〜7.20 (m、3H)、7.10〜7.07 (m、3H)、6.58 (s、1H)、6.86 (s、1H)。
【0071】
3‐((2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、982
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.41〜8.39 (m、1H)、8.67 (d、J = 2.1Hz、1H)、7.69(s、1H)、7.67 (d、J = 6 Hz、1H)、7.35 (dd、J = 12.6 Hz、12.9 Hz、2H)、7.30〜7.26 (m、2H)、7.10〜7.16 (m、3H)、6.61 (s、1H)、5.79 (s、1H)。
【0072】
4‐((2‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、666
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.45〜8.43 (m、2H)、7.69 (s、1H)、7.33〜7.28 (m、2H)、7.24〜7.22(m、2H)、7.14〜7.06 (m、2H)、7.04 (s、1H)、6.65 (s、1H)、5.78 (s、1H)。
【0073】
2‐((3‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、118
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.48〜8.46 (m、1H)、7.77 (ddd、J = 1.8、7.8、13.5 Hz、1H)、7.66 (s、1H)、7.33〜7.26 (m、3H)、7.05 (d、J = 7.5 Hz、1H)、6.98〜6.90 (m、2H)、6.64 (s、1H)、5.59 (s、1H)。
【0074】
3‐((3‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、447
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.41〜8.39 (m、2H)、7.68 (s、1H)、7.67〜7.63 (m、1H)、7.39〜7.28 (m、2H)、7.04〜6.91 (m、3H)、6.64 (s、1H)、5.56 (s、1H)。
【0075】
4‐((3‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、298
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.446〜8.44 (m、2H)、7.69 (s、1H)、7.35〜7.31 (m、1H)、7.27〜7.25 (m、2H)、7.03〜6.90 (m、3H)、6.68 (s、1H)、5.53 (s、1H)。
【0076】
2‐((フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、302
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.47 (d、J = 4.8 Hz、1H)、7.79〜7.73 (m、2H)、7.32〜7.19 (m、7H)、6.62 (s、1H)、5.59 (s、1H)。
【0077】
3‐((フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、891
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.39〜8.36 (m、2H)、7.67 (s、1H)、7.66〜7.62 (m、1H)、7.39〜7.18 (m、6H)、6.57 (s、1H)、5.52 (s、1H)。
【0078】
4‐((フェニル)(1H‐イミダゾール‐5‐イル)メチル)ピリジン、892
(方法B)
1H NMR (300 MHz、CD3OD):δ8.42〜8.40 (m、2H)、7.66 (s、1H)、7.33〜7.18 (m、7H)、6.60 (s、1H)、5.48 (s、1H)。
【0079】
4‐((3‐クロロ‐2‐フルオロフェニル)(チオフェン‐2‐イル)メチル)‐1H‐イミダゾール、056
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CDCl3):δ7.63 (s、1H)、7.35 (dd、J = 2.1 Hz、7.5 Hz、9.9 Hz、1H)、7.28〜7.26 (m、1H)、7.14〜7.04 (m、2H)、6.94 (dd、J = 3.3 Hz、5.1 Hz、1H)、6.78 (d、J = 3.6 Hz、1H)、6.71 (s、1H)、5.96 (s、1H)。
【0080】
3‐((2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)(1H‐イミダゾール‐4‐イル)メチル)ピリジン、322
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CDCl3):δ8.47〜8.45 (m、2H)、7.56 (s、1H)、7.50 (dt、J = 7.8、2.1 Hz、1H)、7.25〜7.13 (m、2H)、7.04 (td、J = 1.8 Hz、8.7 Hz、1H)、6.94 (d、J = 7.8 Hz、1H)、6.48 (s、1H)、5.88 (s、1H)。
【0081】
4‐((2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)(4,5‐ジイソプロピルチオフェン‐2‐イル)メチル)‐1H‐イミダゾール、332
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CDCl3):δ7.44 (s、1H)、7.19〜7.09 (m、2H)、7.03〜6.97 (m、1H)、6.66 (s、1H)、6.57 (s、1H)、6.02 (s、1H)、3.22 (七重項、J = 6.9 Hz、1H)、2.94 (七重項、J = 6.9 Hz、1H)、1.22 (d、J = 6.9 Hz、6H)、1.13〜1.10 (m、6H)。
【0082】
4‐((2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)(4‐イソプロピルチオフェン‐2‐イル)メチル)‐1H‐イミダゾール、335
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CDCl3):δ7.55 (s、1H)、7.21〜7.00 (m、3H)、6.79〜6.78 (m、1H)、6.71〜6.70 (m、2H)、6.08 (s、1H)、2.85 (七重項、J = 6.6 Hz、1H)、1.19 (d、J = 6.6 Hz、6H)。
【0083】
4‐((2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)(5‐イソプロピルチオフェン‐2‐イル)メチル)‐1H‐イミダゾール、337
(方法A)
1H NMR (300 MHz、CDCl3):δ7.52 (s、1H)、7.2〜6.99 (m、3H)、6.69 (s、1H)、6.6〜6.57 (m、2H)、6.04 (s、1H)、3.07 (七重項、J = 6.6 Hz、1H)、1.27 (d、J = 6.6 Hz、6H)。
【0084】
生物学データ
レセプター選択および増幅テクノロジー(RSAT)アッセイ
RSATアッセイは、密集細胞の混合集団内でのレセプター含有細胞の選択的増殖をもたらすレセプター介在接触抑制喪失を測定する。細胞数の増大をβガラクトシダーゼのような適切な移入マーカー遺伝子によって評価する;上記マーカー遺伝子の活性は、96ウェルフォーマットにおいて容易に測定できる。Gタンパク質を活性化するレセプター、Gqは、この反応を誘発する。アルファ2レセプターは、通常Giに結合し、RSAT反応を、Gq/i5と称するGiレセプター認識ドメインを有するハイブリッドGqタンパク質と共発現させたときに活性化する。
【0085】
NIH-3T3細胞を、15cmディッシュ内に2×106個の細胞数密度で塗沫し、10%仔ウシ血清を添加したダルベッコ変性イーグル培地中に維持する。1日後、細胞を、p‐SV‐β‐ガラクトシダーゼ(5〜10μg)、レセプター(1〜2μg)およびGタンパク質(1〜2μg)をコード化する哺乳類発現プラスミドと一緒のリン酸カルシウム沈降によって共トランスフェクションする。また、40μgのサケ精子DNAも上記トランスフェクション混合物に含ませる。新鮮培地を翌日および1〜2日後に追加し、細胞を採取し、50個のアッセイアリコート中で凍結させる。細胞を解凍し、100μlを、96ウェルディッシュ内で、各種濃度の薬物の100μlアリコートに3複製で添加する。インキュベーションを、37℃で72〜96時間続行する。リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、β‐ガラクトシダーゼ酵素活性を、200μlの発色性基質(リン酸緩衝生理食塩水中の3.5mMのo‐ニトロフェニル‐β‐D‐ガラクトピラノシドと0.5%のnonidet P-40からなる)を添加し、30℃で1夜インキュベートし、光学密度を420nmで測定することによって測定する。吸光度は、細胞数に依存しレセプター介在細胞増殖を反映する酵素活性の尺度である。有効性または固有活性を、各レセプターサブタイプにおける薬物の最大作用対標準完全作用薬の最大作用の比として算出する。UK14304とも称し、化学構造を下記に示すブリモニジンを、アルファ2A、アルファ2B、およびアルファ2Cレセプターに対する標準作用薬として使用する。EC50は、薬物作用がその最大作用の半分である濃度である。
【0086】
【化12】

【0087】
本発明の幾つかの典型的な化合物によるRSATアッセイの結果を、これら典型的な化合物の化学式と一緒に下記の表1〜7に示している。EC50値は、ナノモルである。NDは、10マイクロモル未満の濃度では“測定できない”ことを示す。IAは、“固有活性”を示す。
【0088】
生物学データ:固有活性力価 nM;有効性(EC50)
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
【表4】

【0093】
【表5】

【0094】
【表6】

【0095】
【表7】

【0096】
上記の説明は、本発明を実施するのに使用し得る特定の方法および組成物を詳述しており、意図する最良の形態を示している。しかしながら、当業者にとっては、所望の薬理特性を有するさらなる化合物を同様な方法で調製し得ること、また、開示した化合物は種々の出発化合物から種々の化学反応を介しても得ることができることが明白である。同様に、種々の製薬組成物も、実質的に同じ結果でもって調製し使用することができる。従って、詳細ではあるが、上記は、明細書に示されており、本発明の範囲全体を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式で表される化合物:
【化1】


(式中、Aは、0、1、2または3個の置換基を有する単環式ヘテロアリールであり;
Bは、0、1、2または3個の置換基を有するフェニルであり;
各置換基は、個々に、0〜8個の炭素原子、0〜3個の酸素原子、0〜3個のハロゲン原子、0〜2個の窒素原子、0〜2個のイオウ原子、および0〜24個の水素原子からなる)。
【請求項2】
各置換基が、個々に、1〜8個の炭素原子を有するアルキル、‐F、‐Cl、‐Br、‐CH2OH、1〜8個の炭素原子を有するアミノメチル、‐CH2CN、‐CF3、または1〜8個の炭素を有するアシルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、置換されていないか、またはイソプロピル置換基を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Bの各置換基が、‐F、‐Cl、‐CH3、または-CF3である、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
Aが、0、1、2または3個の置換基を有するピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルまたはピラジニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Aが、ピリジニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Aが、チエニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
下記から選ばれる、請求項5記載の化合物:
【化2】

【化3】

【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物を、必要とする哺乳類に投与することを含む、疼痛の治療方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物の、疼痛治療用の医薬品の製造における使用。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物を含む、製薬上許容し得る組成物。
【請求項12】
請求項18項記載の組成物を収容しているパッケージ、および該組成物の疼痛の治療における使用を表示しているラベルを含むキット。

【公表番号】特表2010−527369(P2010−527369A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508528(P2010−508528)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/063489
【国際公開番号】WO2008/141312
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】