説明

1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジンを含む食欲障害治療用医薬組成物

ラセミ(R,S)型のもしくは(S)エナンチオマー型の下記式(I):


(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有する直線状又は分岐状のアルキル基である)
の1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン又はその医薬として許容可能な有機酸もしくは無機酸の添加塩を食欲障害の治療に使用する方法。前記のように定義される式(I)の1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジンの治療上有効な量と、少なくとも1種の医薬として許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キラル中心(S)を有する1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン及びその医薬として許容可能な酸添加塩の医薬としての使用方法に関する。より詳細には、本発明は、キラル中心(S)を有する1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン及びその医薬として許容可能な酸添加塩の食欲障害の治療への使用に関する。
【0002】
本明細書及び特許請求の範囲を通して使用する「キラル中心(S)を有する」という表現は、ラセミ生成物(R,S)及び単独の(S)エナンチオマーの両方を意味するものである。
【背景技術】
【0003】
特許文献1には、下記式:
【化1】

(式中、RはH、m−Cl、p−Cl、m−CH又はp−CHである)
で表され、食欲不振を起こす活性があるN−フェニルピペラジンが記載されている。
【0004】
さらに、食欲不振誘導活性がある他のN−フェニルピペラジン、例えばm−トリフルオロメチルフェニルピペラジン(TFMPP)が非特許文献1に記載されている。
【0005】
しかしながら、N−フェニルピペラジンの使用は、多くの場合パニック発作が結果として生じる不安状態の誘導をもたらす気分及び行動の変化を引き起こすCNS副作用によって制限を受ける。実験的な研究によって、ラットにおいて社会的相互作用の時間を減少させるm−クロロフェニルピペラジン(mCPP)及びTFMPPなどの化合物の不安を惹起する効果が明らかにされている(非特許文献2)。また、mCPPが、不安を有する患者においてはパニック障害、強迫障害を有する患者においては強迫観念、アルコール依存患者及びコカイン中毒者において多幸症の状態、並びに統合失調症患者の総体症状を誘導するか、かつ/又は悪化させることが明らかにされている(非特許文献3〜7)。
【0006】
これらのフェニルピペラジンの深刻な副作用は、社会的見地から非常に重要である慢性病状、例えば肥満において深刻な欠点を意味する。実際に、肥満は、文化的要因、心理的要因及び遺伝的要因の複雑な相互作用から生じる慢性的な病理状態とみなすことができる。
【0007】
肥満は、体重(kg)/[身長(m)]として計算される体格指数(Body Mass Index、BMI)という用語にて定義される。現在、25未満のBMIが標準で、25〜29.9が体重超過、30を越えるBMIが肥満の指標である。
【0008】
体重超過状態及び肥満の最も多く見られる原因の一つは、体によって利用されず、脂肪組織に蓄積される過剰なカロリー摂取である。
【0009】
一旦、大量の脂肪組織が蓄積されると、複雑な一連の多重の神経内分泌システムによってその減少が妨げられる。食物欠乏及び胎児もしくは新生児の体重減少に対する防御としておそらく発生するこのような対向制御メカニズムによって、食欲の変化及び計画的な体重減少を達成するのを困難にする代謝における変化がもたらされる。
【0010】
ここ数十年、肥満の罹患率は急激に増加しており、欧州及び米国において流行伝染病のような勢いに達している。最近の評価では、公衆衛生サービスの努力が続いているにもかかわらず、体重超過及び肥満の対象者の健康問題が増加し続けている。7つの主な市場(アメリカ合衆国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス及び日本)において肥満の成人の数が、2000年の9500万人から2010年には1億3900万人にまで増加することとなると計算されている。潜在的な患者の25%より少数が肥満と診断され、その20%より少数が薬剤療法で治療される。
【0011】
薬剤治療を受ける患者がこのような低パーセンテージであるのは、利用可能な薬剤療法の有効性が限定されているためである。従って、現在利用可能な薬剤は治療される患者の50%以下において5〜10%の初期の体重減少をもたらすことにだけ成功している。
【0012】
結果として、肥満に関連した社会的費用も原因となって、有効な薬剤療法の需要がこの30年でかなり増大している。実際に、多くの研究によって、体重超過となることで、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、冠状動脈の心疾患、鬱血性心不全及び心筋梗塞を含めた種々の状態によって引き起こされる病的状態のリスクが増大することが示されている。また、体重増加も、多くの場合、死亡率の全体的な増加と関連している。
【0013】
特許文献2には、下記式(I):
【化2】

(式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)
で表され、トラゾドンのアルキル誘導体を製造するための中間体として1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジンが記載されている。
【0014】
非特許文献8には、それぞれ(+)及び(−)の酒石酸を有するRがメチルである式(I)の化合物のS及びRのエナンチオマーの2種を分離する方法が記載されている。さらに、非特許文献8の著者らは、非特許文献8にて、Rがメチルである式(I)の化合物の(S)エナンチオマーの立体特異的な合成についても述べている。
【0015】
【特許文献1】米国特許第3,253,989号明細書
【特許文献2】国際公開93/14091号パンフレット
【非特許文献1】Eur J Pharmacol, 1987; 141: 429
【非特許文献2】Eur J Pharmacol, 1989; 164: 445-54
【非特許文献3】Pharmacol Rev, 1991; 43: 527
【非特許文献4】Biol Psychiatr, 1991; 30: 1139
【非特許文献5】Arch Gen Psychiatr, 1993; 50: 624
【非特許文献6】Arch Gen Psychiatr, 1993; 50: 1001
【非特許文献7】Arch Gen Psychiatr, 1994; 51: 898
【非特許文献8】M. Giannangeli et al. "Effect of Modifications of the Alkylpiperazine Moiety of Trazodone on 5-HT2A and α1 Receptor Binding Affinity" Journal of Medicinal Chemistry 1999, Vol. 42: 336-345
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、これまで、式(I)の化合物の治療活性については全く明らかにされていない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ラセミ(R,S)のものとして、及び単一の(S)エナンチオマーとして、(S)キラル中心を有する式(I)の1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジンが食欲障害の治療に有効であり、驚くべきことに不安を惹起する副作用を有さないことを見出した。
【0018】
また、さらに驚くべきことに、(S)立体配置のエナンチオマーが主としてこれらの特性を有することを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
したがって、本発明の第1の態様は、ラセミ(R,S)型の又は(S)エナンチオマー型の下記式(I):
【化3】

(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有する直線状又は分岐状のアルキル基である)
で表される1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン及びその医薬として許容可能な有機酸又は無機酸の添加塩の医薬としての使用方法に関する。
【0020】
この医薬としての使用方法は、食欲障害の治療を含むのが好ましい。
【0021】
典型的には、前記食欲障害が、食欲過剰、過食症及び肥満からなる群より選択される。
【0022】
本発明の第2の態様は、ラセミ(R,S)型のもしくは(S)エナンチオマー型の下記式(I):
【化4】

(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有する直線状又は分岐状のアルキル基である)
で表される1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン又はその医薬として許容可能な有機酸もしくは無機酸の添加塩を治療上有効な量と、少なくとも1種の医薬として許容可能な賦形剤と含む医薬組成物に関する。
【0023】
好ましくは、Rがメチル又はエチルである。より好ましくはRがメチルである。
【0024】
式(I)の化合物が(S)立体配置のエナンチオマーであることが好都合である。
【0025】
典型的には、前記有機酸は、マレイン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、コハク酸及びクエン酸からなる群より選択される。
【0026】
次に、典型的には、前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸からなる群より選択される。好ましい酸は塩酸である。
【0027】
(S)立体配置の式(I)の化合物の場合、天然のL(+)型の乳酸及び天然のL(+)型の酒石酸などの光学活性酸も使用することができる。その場合、好ましい酸はL(+)酒石酸である。
【0028】
ラセミ(R,S)型の式(I)の化合物を、既知の技術、例えば国際公開第93/14091号パンフレットに記載されている反応スキーム3によって製造することができる。
【0029】
(S)立体配置のエナンチオマーも、既知の技術、例えば前述したM. Giannangeliらの非特許文献8に記載されている技術によって得ることができる。
【0030】
本発明の化合物の不安を惹起する活性を、当業者に既知であるように、ヒトでの効果を予測する実験モデルであるラットにおける社会的相互作用試験によって調査した。
【0031】
ラットの正常な社会的相互作用(臭いかぎ、ニッピング(nipping)、グルーミング)は、動物が不慣れな環境に置かれたときには一般的に抑圧される。互いに相互作用し、周囲(通常はパースペクス(Perspex)容器からなる活動領域)を探る対の動物によって費やされる時間の測定は、社会的行動に影響を及ぼす物質の作用を検証するためのモデルとなる。周知であるように、社会的相互作用試験は、ラットによって示される行動とヒトにおける不安状態との間の多数の類似点を示し、不安を惹起するタイプ及び不安を緩解するタイプの両方の気分に対する効果を明らかにする有用な手段となる。
【0032】
式(I)の化合物の食欲減退誘導活性が、飢餓状態のラットの摂食量を検証することによって明らかにされた。
【0033】
当業者に既知であるように、前述の実験モデルは、ヒトにおける活性を予測するものとしてみなすこともできる。
【0034】
飢餓状態のラットにおける摂食量の検証によって、ヒトにおける空腹の知覚及び食物の摂取を制御する複雑なシステムを再生する条件が示される。絶食は、実際に、食物摂取の制御のために特異的に設けられている回路の活性化を引き起こすことができる多くの生理学的変化をもたらす。周知であるように、このモデルを使用することは、食欲障害を抑制することが可能な物質を同定するのに有効な手段となり、食欲過剰、過食症及び肥満などの状態をモニターするのに特に使用することができる。
【0035】
好ましくは、本発明の医薬組成物を、少なくとも1種の式(I)の化合物又はその有機酸もしくは無機酸との医薬として許容可能な塩の有効量と少なくとも1種の医薬として許容可能な不活性成分とを含有する適切な剤型として製造する。
【0036】
適した剤型の例としては、経口投与用の錠剤、カプセル、コーティング錠剤(coated tablets)、顆粒、溶液及びシロップ;経皮投与用の薬用パッチ;直腸投与用の坐薬;並びに注射用の無菌溶液がある。
【0037】
他の適した剤型は、経口の経路、注射可能な経路又は経皮の経路によって投与するための、長期間放出されるもの及びリポソームをベースとしたものである。
【0038】
剤型は、防腐剤、安定剤、界面活性剤、バッファー、浸透圧を制御するための塩、乳化剤、甘味料、着色料、香料及びそれらと同種のものなどの他の従来の成分も含有してもよい。
【0039】
特別な治療上の要件が必要である場合、本発明の医薬組成物は同時投与が有用である他の薬理活性成分を含むことができる。
【0040】
本発明の医薬組成物中の式(I)の化合物又はその医薬として受容可能な酸添加塩の量を、既知の要因、例えば病状のタイプ、病気の重大度、患者の体重、剤型、選択した投与経路、一日の投与回数及び選択した式(I)の化合物の効果に応じて幅広い範囲にわたって変動させることができる。しかしながら、最適な量の決定は、当業者にとって容易かつ通常の事項である。
【0041】
典型的には、本発明の医薬組成物中の式(I)の化合物又はその医薬として受容可能な酸添加塩の量は、0.001〜100mg/kg/日の投与レベルを確実にするようなものである。好ましくは、投与レベルは0.05〜50mg/kg/日であり、より好ましくは0.1〜10mg/kg/日である。
【0042】
本発明の医薬組成物の剤型を薬剤師に周知である手法によって製造することができ、該手法として、混合、造粒、圧縮、溶解、滅菌などが挙げられる。
【実施例】
【0043】
(実験の部)
1.製造
本発明の化合物は当業者に既知の方法によって製造することができる。
【0044】
下記の表1を参照すると、ラセミ化合物1を、国際公開第93/14091号パンフレットの実施例4に記載の方法によって製造し、2つのエナンチオマー2及び3を、前述したM. Giannangeliらの非特許文献8に記載されているように、それぞれ(+)及び(-)−酒石酸で分離した。
【0045】
上記の方法は、Rがエチル又はプロピルである本発明の化合物を製造するのにも使用することができる。
【0046】
比較化合物として用いるm−クロロフェニル−ピペラジン(mCPP)は、前述した特許文献1に記載の方法によって製造した。
【0047】
【表1】

【0048】
2.ラットにおける不安惹起活性(社会的相互作用試験)
体重が150〜250gになる雄のCDラットを用いた。
【0049】
動物を、室温で、制御した明暗のサイクル(6:00-18:00)を用いて維持した。順応を促進し、ストレス状態によって誘導される反応を除去するように、ラットを取り扱い、試験化合物の投与に先立ち、媒体(水)を4日間毎日注射した。
【0050】
5日目に、動物を試験化合物で腹腔内処理し、20分後、10分間の間に動物によって費やされた相互作用の時間(秒)を評価した。
【0051】
結果を図1に示す。結果は、本発明の化合物で処理した動物の相互作用の時間がコントロールの動物(水のみ注射又は非処理)のものの約90〜95%であったが、比較化合物(mCPP)で処理した動物の相互作用の時間はコントロールの動物のものの約50%であったことを示す。
【0052】
従って、この試験によって、本発明の化合物は不安を惹起する活性がほとんどないことが明らかとなった。
【0053】
同様の結果がRがエチル又はプロピルである本発明の化合物によって得られた。
【0054】
3.飢餓状態のラットにおける食欲減退誘導活性
体重が300〜350gになる雄のCDラットを用いた。
【0055】
動物を、室温で、制御した明暗のサイクル(6:00-18:00)を用いて維持した。日中に相当する9:30に実施した試験の前に、動物に24時間食物を与えなかった。絶食期間の終了時に、動物を、水媒体中の試験化合物(10mg/kg)を用いて経口処理し、処理後直ぐに予め計量した量の食物を得られるようにした。処理から1時間後、残存する食物の量を計量することによって食物の消費量を評価した。コントロールの動物は、試験化合物を投与するのに使用した媒体(水)で経口処理した。
【0056】
結果を図2A及び2Bに示す。
【0057】
図2Aは、本発明のラセミ化合物(化合物1)で処理した動物によって消費された食物の量がコントロールの動物によって消費されたものより約28%低いことを示す。
【0058】
次に、図2Bは、本発明の(S)エナンチオマー(化合物2)で処理した動物によって消費された食物の量がコントロールの動物によって消費されたものより約75〜80%低く、本発明の(R)エナンチオマーで処理した動物によって消費された食物の量がコントロールの動物によって消費されたものより約20%低いことを示す。
【0059】
したがって、図2Bは、本発明のラセミ化合物の食欲減退誘導活性がほぼ完全に(S)エナンチオマーによるものであることを示す。
【0060】
同様の結果がRがエチル又はプロピルである本発明の化合物によって得られた。
【0061】
4.医薬組成物
4.1 錠剤
有効成分として本発明の化合物を含有する錠剤は、以下の組成を有する。
有効成分 50mg
ラクトース一水和物 161mg
第二リン酸カルシウム二水和物 161mg
微結晶性セルロース 95mg
トウモロコシデンプン 30mg
ナトリウム・カルボキシメチルアミド 24mg
ポビドン 11mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
【0062】
4.2 注射溶液
バイアルには、有効成分として本発明の化合物を含有する5mlの注射溶液が含まれる。
前記溶液は以下の組成を有する。
有効成分 25mg
ソルビトール 等張溶液にするのに充分な量(q.s.f. isoosmotic solutions)
注射用滅菌水 5mlにするのに充分な量(q.s.f. 5ml)
【0063】
4.3 顆粒
薬包には有効成分として本発明の化合物を含む5.23gの水分散性顆粒が含まれる。前記顆粒は以下の組成を有する。
有効成分 50mg
マルチトール 1300mg
マンニトール 2700mg
スクロース 1000mg
クエン酸 15mg
アスパルテーム 15mg
人工香味料 150mg
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、ラットにおける本発明の化合物の不安惹起活性を試験した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、飢餓状態のラットにおける本発明の化合物の食欲減退誘導活性を試験した結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミ(R,S)型のもしくは(S)エナンチオマー型の下記式(I):
【化1】

(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有する直線状又は分岐状のアルキル基である)
の1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン又はその医薬として許容可能な有機酸もしくは無機酸の添加塩を医薬として使用する方法。
【請求項2】
前記医薬としての使用方法が食欲障害の治療を含むことを特徴とする請求項1記載の使用方法。
【請求項3】
前記食欲障害が、食欲過剰、過食症及び肥満からなる群より選択されることを特徴とする請求項2記載の使用方法。
【請求項4】
Rがメチル又はエチルであることを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項5】
Rがメチルであることを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項6】
式(I)の化合物が(S)立体配置のエナンチオマーであることを特徴とする請求項1〜5項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項7】
前記有機酸がマレイン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、コハク酸及びクエン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項8】
前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項9】
前記酸が塩酸であることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の使用方法。
【請求項10】
前記酸が、L(+)乳酸及びL(+)酒石酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項6記載の使用方法。
【請求項11】
ラセミ(R,S)型のもしくは(S)エナンチオマー型の下記式(I):
【化2】

(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有する直線状又は分岐状のアルキル基である)
の1−(3−クロロフェニル)−3−アルキルピペラジン又はその医薬として許容可能な有機酸もしくは無機酸の添加塩の治療上有効な量と、少なくとも1種の医薬として許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
Rがメチル又はエチルであることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
Rがメチルであることを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
式(I)の化合物が(S)立体配置のエナンチオマーであることを特徴とする請求項11〜13項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記有機酸がマレイン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、コハク酸及びクエン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項11〜14項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項11〜14項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記酸が塩酸であることを特徴とする請求項11〜14項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記酸が、L(+)乳酸及びL(+)酒石酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項11〜14項のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−546725(P2008−546725A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517359(P2008−517359)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005390
【国際公開番号】WO2006/136284
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(592160973)アジェンデ・キミケ・リウニテ・アンジェリニ・フランチェスコ・ア・チ・エレ・ア・エフェ・ソシエタ・ペル・アチオニ (36)
【氏名又は名称原語表記】AZIENDE CHIMICHE RIUNITE ANGELINI FRANCESCO A.C.R.A.F.SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】