説明

1種若しくは複数種のイオン伝導性オリゴマーを含有するイオン伝導性コポリマー

本発明は、燃料電池並びにこれらの用途(電子装置、電源及び輸送機関における用途)において有用なプロトン交換膜(PEM)、触媒被覆プロトン交換膜(CCM)及び膜電極アセンブリー(MEA)を製造するために使用することができるイオン伝導性コポリマーを提供する。該イオン伝導性コポリマーは、非イオン伝導性のポリマー主鎖にランダム配置された1種もしくは複数種のイオン伝導性オリゴマーを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に使用されるポリマー電解質膜を形成するのに有用なイオン伝導性コポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、主としてその非汚染特性に起因して、携帯用電子装置、電気輸送機関およびその他の用途に対する前途有望な電源である。種々の燃料電池系のうちで、ポリマー電解質膜に基づく燃料電池、例えば、直接メタノール燃料電池(DMFC)及び水素燃料電池は多大の注目を集めているが、これは該燃料電池の高い出力密度と高いエネルギー変換効率に基づくものである。ポリマー電解質膜に基づく燃料電池の核心部は、いわゆる「膜電極アセンブリー」(MEA)であり、該アセンブリーは、プロトン交換膜(PEM)、PEMの対置表面上に配設されて触媒被覆膜(CCM)を形成する触媒、および該触媒層と電気的に接触するように配設される一対の電極(即ち、アノードとカソード)を具備する。
【0003】
DMFC用プロトン伝導性膜は既知であり、この種の膜としては「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)[E.I.デュポン・デ・ネムール・アンド・カンパニー社製]およびドウ・ケミカルズ社から市販されている類似製品が例示される。しかしながら、これらのペルフルオロ化炭化水素スルホネートアイオノマー製品は、高温での燃料電池に使用する場合には重大な制限がある。ナフィオンは、燃料電池の作動温度が80℃を越えると伝導性を失う。さらに、ナフィオンは非常に高いメタノールのクロスオーバー速度(crossover rate)を示し、このためDMFCにおける適用が妨げられる。
【0004】
バラード・パワー・システム社へ譲渡された米国特許第5773480号明細書には、α,β,β−トリフルオロスチレンを原料とする部分的にフッ素化されたプロトン伝導性膜が記載されている。この膜の1つの欠点は、α,β,β−トリフルオロスチレンモノマーの複雑な合成法に起因して膜の製造コストが高くなるだけでなく、ポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)のスルホン化能が低いことである。この膜の別の欠点は、非常に脆いために、支持マトリックス中へ組み込まなければならないことである。
【0005】
ケルレスらによる米国特許第6300381号および同第6194474号各明細書には、プロトン伝導性膜用の酸−塩基二成分ポリマーブレンド系が記載されている。この場合、スルホン化ポリ(エーテルスルホン)はポリ(エーテルスルホン)の後スルホン化によって調製される。
【0006】
M.ウエダは、スルホン化モノマーを使用してスルホン化ポリ(エーテルスルホンポリマー)を調製する方法を開示している[ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、第31巻(1993年)、第853頁]。
【0007】
マクグラスらは、この方法を使用してスルホン化ポリスルホンポリマーを調製している(米国特許出願2002/0091225A1)。
【0008】
燃料電池の作動に適した良好な膜を得るためには、膜の種々の特性のバランスを保つことが必要である。このような特性には、プロトン伝導度、燃料耐性、化学的安定性、燃料のクロスオーバー(特に高温での用途)、DMFCの速い始動および耐久性等が含まれる。さらに、この種の膜にとっては、燃料電池の作動温度範囲にわたって寸法安定性が維持されることも重要である。該膜がかなり膨潤すると、該膜は燃料のクロスオーバーを増大させ、その結果、電池の性能は低下する。膜の寸法の変化は、触媒と膜電極アセンブリー(MEA)の結合性に応力をもたらす。この結果、膜の過度の膨潤後に、触媒及び/又は電極からの膜の剥離が発生することがしばしばある。従って、広い温度範囲にわたって膜の寸法安定性を維持することによって膜の膨潤を最小限にすることが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、当該分野における上記の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、燃料電池並びにこれらの用途(電子装置、電源及び輸送機関における用途)において有用なプロトン交換膜(PEM)、触媒被覆プロトン交換膜(CCM)及び膜電極アセンブリー(MEA)を製造するために使用することができるイオン伝導性コポリマーを提供する。
【0011】
1つの観点においては、該イオン伝導性コポリマーは、実質的に非イオン伝導性のポリマー主鎖に分布した1種もしくは複数種のイオン伝導性オリゴマーを含有する。該オリゴマーはイオン伝導性セグメント又はイオン伝導性ブロックと呼ばれることがある。一般に、このコポリマーの非イオン伝導性の部分は疎水性及び/又は非イオン性のモノマーであり、該モノマーはイオン伝導性オリゴマーの末端から延びて、一部の態様においては、2個若しくはそれよりも多くのイオン伝導性オリゴマーと連結する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施態様においては、イオン伝導性オリゴマーは第1コモノマーと第2コモノマーを含有する。第1コモノマーは1若しくは複数のイオン伝導性基を含む。第1コモノマーと第2コモノマーの少なくとも一方は2個の脱離基を含み、他方は2個の置換基を含む。1つの実施態様においては、第1コノモノマーと第2コモノマーの一方は、他方に比べてモル過剰量で存在するので、第1コモノマーと第2コモノマーの反応によって形成されるオリゴマーは、該オリゴマーの各末端に脱離基又は置換基を有する。
【0013】
この中間のイオン伝導性オリゴマーは第3コモノマーと第4コモノマーと組み合わされる。この場合、第3コモノマーと第4コモノマーも一方は2個の脱離基を含み、他方は2個の置換基を含む。一部の実施態様においては、第3コモノマーと第4コモノマーの一方は、オリゴマー化に用いる第2コモノマーと同一であってもよい。これらのコモノマーはイオン伝導性基を含まない。別の実施態様においては、第3コモノマーと第4コモノマーの他方は第1コモノマーと同一であってもよい(但し、イオン伝導性基は含まない)。中間のイオン伝導性オリゴマーと第3コモノマー/第4コモノマーとの重合によって、該イオン伝導性オリゴマーがコポリマーの内部に分布されたポリマーが得られる。
【0014】
イオン伝導性オリゴマーをコポリマー中へ組み込むことによって、コポリマー中でのイオン伝導の効率が改良される。この理由は、イオン伝導性オリゴマーのイオン伝導性基が、コポリマーの固化に際して凝集する傾向があるからである。この結果、固体状コポリマー内でのプロトン移動中のエネルギー損失はより少なくなる。
【0015】
/空気燃料電池に対しては、コポリマー中へのイオン伝導性オリゴマーの含有量及び/又は相対量を変化させることによって吸水量を調整し、伝導度と現場性能を最大にすると共にRH(相対湿度)に対する感度を最小にすることが可能である。
【0016】
上述の膜は水素燃料電池において特に有用であるが、その他の燃料電池、例えば、直接メタノール燃料電池等において使用してもよい。この種の燃料電池は携帯型及び固定型の電子装置、補助出力ユニット(APU)を含む電源及び輸送機関(例えば、自動車、航空機、船舶)用移動電源、並びにこれらに関連するAPUにおいて利用することができる。
【0017】
以下においては、本発明をさらに詳細に説明する。
1つの観点においては、本発明は、ポリマー主鎖中へ組み込まれるイオン伝導性オリゴマーを含有するイオン伝導性コポリマーの簡単な製造法を提供する。この種のイオン伝導性ポリマー材料の用途には、燃料電池等に使用されるポリマー電解質膜(PEM)、触媒被覆膜(CCM)及び膜電解質アセンブリー(MEA)の製造が含まれる。
【0018】
イオン伝導性コポリマーの一般的な製造法は以下の通りである。この製造法には、イオン伝導性基を含む第1コモノマーを第2コモノマーと反応させることによって、第1イオン伝導性オリゴマーを形成させる工程が含まれる。第1コモノマーと第2コモノマーの少なくとも一方は少なくとも2個の脱離基を有し、他方のコモノマーは少なくとも2個の置換基を有する。1つの実施態様においては、第1コモノマーと第2コモノマーの一方を他方に比べてモル過剰量で存在させることによって、イオン伝導性オリゴマーであって、該オリゴマーの末端に脱離基又は置換基を有する中間のイオン伝導性オリゴマーが形成される。好ましくは、このオリゴマーは、各々が2個の脱離基又は2個の置換基を有する第3コモノマーと第4コモノマーと重合させる。好ましい実施態様においては、第3コモノマーと第4コモノマーは、上記の中間のイオン伝導性オリゴマーが調製された同一反応容器内へ添加される。
【0019】
「脱離基(leaving group)」という用語は、一般的には別のモノマー中に存在する求核性部分によって置換されることができる官能性部分を意味する。脱離基は当該分野においては周知であり、ハロゲン化物(塩化物、フッ化物、ヨウ化物、臭化物)、トシルおよびメシル等が例示される。特定の態様においては、モノマーは少なくとも2つの脱離基を有する。好ましいポリフェニレンの実施態様においては、これらの脱離基は、これらが結合する芳香族モノマーに関して相互に「パラ」の関係にある。しかしながら、これらの脱離基は相互に「オルト」又は「メタ」の関係にあってもよい。
【0020】
「置換基(displacing group)」という用語は、一般的には求核試薬として作用することによって適当なモノマーの脱離基と置換する官能性部分を意味する。置換基を有するモノマーは、一般的には共有結合によって、脱離基を有するモノマーと結合させる。好ましいポリアリーレンの例においては、芳香族モノマーのフッ化物基は、芳香族モノマーに結合したフェノキシドイオン、アルコキシドイオン、スルフィドイオンによって置換される。ポリフェニレンの実施態様においては、これらの置換基は相互に「パラ」の関係にある態様が好ましい。しかしながら、これらの置換基は相互に「オルト」又は「メタ」の関係にあってもよい。
【0021】
イオン伝導性ポリアリーレンオリゴマーの合成例を以下に説明する。以下の説明において、LGは脱離基を示し、DGは置換基を示し、Arはイオン伝導性基を有するアリール基を示し、Arはアリール基を示し、Xは−C(O)−又は−S(O)−を示し、YはLGとDGの縮合によって形成される部分を示し、nはイオン伝導性の繰返し単位の数を示す。
【0022】
次の反応式に示すように、イオン伝導性オリゴマー(I)又は(II)は、イオン伝導性コモノマー I をコモノマー II と反応させることによって調製される:
【化1】

【0023】
あるいは、イオン伝導性コモノマー I が置換基を有し、コモノマー II が脱離基を有していてもよい。いずれの場合にも、イオン伝導性オリゴマーは、各々の末端に脱離基若しくは置換基を有するか、又は対置する末端に脱離基及び置換基を有しており、これらの基は1種若しくは複数種のコモノマーと反応することによって、1種若しくは複数種のイオン伝導性オリゴマーを含有するコポリマーを形成する。
【0024】
好ましい実施態様においては、第3コモノマーと第4コモノマーをイオン伝導性オリゴマー I 又は II と反応させることによって、次式 IV 及び V で表されるイオン伝導性コポリマーを形成させる:
【化2】

【0025】
好ましい実施態様においては、Ar及びArは相互に独立してフェニル、置換フェニル、ナフチル、テルフェニル、アリールニトリル、置換アリールニトリルを示し、Arはイオン伝導性基(−SO、−COO、−PO若しくはスルホンイミドを含む)をさらに含み、Xは独立して−C(O)−若しくは−S(O)−を示し、Yは独立して−O−若しくは−S−を示し、m及びoは相互に独立して0又は1の数を示し、nは2〜12の数を示し、kは1〜150の数を示し、Arは相互に同一又は異なっていてもよく、下記の群から選択される基を示す(好ましい実施態様においては、nは2〜8の数を示し、a及びbはモル分率を示し(a+b=1)、aは0.01〜0.5であり、bは0.5〜0.99である):
【0026】
【化3】

【0027】
イオン伝導性オリゴマーは次式 VI で表されるオリゴマーであってもよい:
【化4】

式中、Ar’はイオン伝導性基を含むアリール基を示し、Tは独立して単結合、O、S、C(O)、S(O)、アルキル、分枝状アルキル、フルオロアルキル、分枝状フルオロアルキル、環状アルキル、アリール、置換アリール又はヘテロ環を示し、Uは独立してO又はSを示し、nは(Ar’−T)ユニットの数を示す。
【0028】
上記の式 VI で表されるイオン伝導性オリゴマーをポリマー中へ組み込む場合には、イオン伝導性コポリマーは次式 VII で表すことができる:
【化5】

式中、Ar”はアリール又はスルホン酸基を有するアリールを示し、Vは独立して単結合、O、S、C(O)、S(O)、アルキル、分枝状アルキル、フルオロアルキル、分枝状フルオロアルキル、環状アルキル、アリール、置換アリール又はヘテロ環を示し、Wは独立してO又はSを示し、aとbはモル分率を示し(a+b=1)、aは0.01〜0.5であり、bは0.5〜0.99である。上記の式 V 及び VI において、nは好ましくは2〜12(より好ましくは2〜10,特に2〜8、就中3〜6)の数を示し、特に好ましい実施態様においては、n=4である。
【0029】
イオン導電性ポリマーを含有する組成物は、コポリマーの集団混合物(population mixture)であって、各々のコポリマー中に1若しくは複数のイオン伝導性オリゴマーがランダム分布された該集団混合物を含有する。単一のイオン伝導性オリゴマーの場合、イオン伝導性オリゴマーが各末端に非イオン伝導性の尾部(tail)を有する集団が形成される。この場合、該尾部の長さは、該集団のコポリマー内で相違する。複数のイオン伝導性オリゴマーの場合、コポリマーの集団はイオン伝導性オリゴマーを含有する。この場合、イオン伝導性オリゴマーの間隔は単一のコポリマー中で相違すると共に、コポリマーの集団内でも相違する。複数のイオン伝導性オリゴマーを使用する場合、コポリマーは平均して好ましくは2〜35個(より好ましくは5〜35個、就中10〜35個、最も好ましくは20〜35個)のイオン伝導性オリゴマーを含有する。
【0030】
種々のイオン伝導性コポリマーを調製するために使用されるコモノマーとしては、ここで特に限定しない限り、種々のコモノマーを使用することができる。この種のコモノマーには下記の特許文献に記載されているコモノマーが包含され、これらの記載内容も本明細書の一部を成すものである:1)米国特許出願No.09/872,770(出願日:2001年6月1日);米国特許公報US2002−0127454A1(発行日:2002年9月12日)「ポリマー組成物」、2)米国特許出願No.10/351,257(出願日:2003年1月23日);米国特許公報US2003−0219640A1(発行日:2003年11月27日)「酸塩基プロトン伝導性ポリマーブレンド膜」、3)米国特許出願No.10/438,186(出願日:2003年5月13日);米国特許公報US2004−0039148A1(発行日:2004年2月26日)「スルホン化コポリマー」、4)米国特許出願No.10/449,299(出願日:2003年2月20日);米国特許公報US2003−0208038A1(発行日:2003年11月6日)「イオン伝導性コポリマー」、5)米国特許出願No.60/520,266(出願日:2003年11月13日)「第1及び第2疎水性オリゴマーを含有するイオン伝導性コポリマー」。
【0031】
その他のコモノマーには、スルホン化トリフルオロスチレン調製用コモノマー(米国特許5,773,480)、酸−塩基ポリマー調製用コモノマー(米国特許6,300,381)、ポリアリーレンエーテルスルホン調製用コモノマー(米国特許公報US2002/0091225A1)、グラフトポリスチレン調製用コモノマー(マクロモレキュルズ、第35巻、第1348頁、2002年)、ポリイミド調製用コモノマー(米国特許6,586,561及び J. Membr. Sci. 、第160巻、第127頁、1999年)並びに日本国特許出願2003−147076及び2003−055457に記載されているコモノマーが包含され、これらの開示内容も本明細書の一部を成すものである。
【0032】
コモノマーI中に1個のイオン伝導性基が存在する場合の該基の好ましいモル%は30〜70モル%(より好ましくは40〜60モル%、最も好ましくは45〜55モル%)である。1個よりも多くのイオン伝導性基がイオン伝導性モノマー中に含まれる場合の該基のモル%の値は、モノマーあたりのイオン伝導性基の総数を乗じた値である。即ち、2個のスルホン酸基を有するモノマーのスルホン化度は、好ましくは60〜140%(より好ましくは80〜120%、最も好ましくは90〜110%)である。
【0033】
あるいは、イオン伝導性基の量はイオン交換能(IEC)によって測定することができる。比較例としての「ナフィオン」の一般的なIECは0.9ミリ当量(meq)/gである。本発明の場合のIECは、好ましくは0.9〜3.0meq/g(より好ましくは1.0〜2.5meq/g、最も好ましくは1.6〜2.2meq/g)である。
【0034】
イオン伝導性コポリマーの製造例を以下に示す:
【化6】

【0035】
式中、YはO又はSを示し、Xは次式:
【化7】

で表される基を示し、a及びbはモル分率を示し(aは0.01〜0.5であり、bは0.5〜0.99である)、nは2〜12(好ましくは4〜8)の整数を示し、Ar及びArは下記の群から選択される同一若しくは異なる基を示す:
【化8】

【0036】
特に好ましい実施態様においては、イオン伝導性ポリマーは次式で表される:
【化9】

式中、a及びbはモル分率を示し(aは0.01〜0.5であり、bは0.5〜0.99である)、nは2〜12(好ましくは4〜8)の整数を示す。
【0037】
本発明によるコポリマーについて、アリーレンポリマーの用途に関連して説明したが、イオン伝導性オリゴマーの使用原理は多くのその他の系に対しても適用することができる。例えば、イオン性オリゴマーはアリーレンである必要はなく、イオン伝導性基を有する脂肪族若しくはペルフルオロ化脂肪族の主鎖を有するものであってもよい。イオン伝導性基は主鎖に結合していてもよく、あるいは主鎖に対する側鎖にあってもよい(例えば、該基はリンカー(linker)を介して主鎖に結合してもよい)。あるいは、イオン伝導性基は、ポリマーの標準的な主鎖の一部として形成されていてもよい(例えば、米国特許公報US2002/018737781(発行日:2002年12月12日)参照)。これらのイオン伝導性オリゴマーのいずれも本発明の実施に使用することができる。
【0038】
ポリマー膜は、イオン伝導性コポリマーの溶液流延(solution casting)によって製造してもよい。あるいは、ポリマー膜は、酸性ポリマーと塩基性ポリマーのブレンドであるイオン伝導性ポリマーの溶液流延によって製造してもよい。
【0039】
燃料電池用膜へ注型する場合には、膜厚が好ましくは0.1〜10ミル、より好ましくは1〜6ミル、最も好ましくは1.5〜2.5ミルになるようにする。また、該膜はポリマー製支持体上に被覆させることができる。
【0040】
ここで使用するように、プロトン束(proton flux)が約0.005S/cmよりも大きいとき、より好ましくは0.01S/cmよりも大きいとき、最も好ましくは0.02S/cmよりも大きいときには、膜はプロトンを透過させる。
【0041】
ここで使用するように、所定の厚さを有する膜を横断するメタノールの移動度が、同じ厚さを有するナフィオン膜を横断するメタノールの移動度よりも劣るならば、膜はメタノールを実質上透過させない。好ましい実施態様においては、メタノールの透過度は、ナフィオン膜の場合に比べて50%小さく、より好ましくは75%小さく、最も好ましくは80%よりも大きな割合で小さい。
【0042】
イオン伝導性コポリマーから膜(PEM)を形成させた後、該膜は触媒被覆膜(CCM)を製造するのに使用してもよい。ここで使用するように、CCMはPEMを含有しており、PEMの対置する少なくとも一方の側(好ましくは両側)は、部分的もしくは全面的に触媒層によって被覆される。好ましくは、触媒層は触媒とアイオノマー(ionomer)から構成される層である。好ましい触媒はPtおよびPt−Ruである。好ましいアイオノマーにはナフィオンおよびその他のイオン伝導性ポリマーが含まれる。
【0043】
一般に、アノード触媒とカソード触媒は、十分に確立された標準的な技法によって膜上へ塗布される。直接メタノール燃料電池に対しては、一般にアノード側には白金/ルテニウム触媒が使用され、カソード側には白金触媒が使用される。水素/空気燃料電池又は水素/酸素燃料電池に対しては、一般にアノード側には白金又は白金/ルテニウムが使用され、カソード側には白金が使用される。
【0044】
触媒は、所望により、カーボン上に担持されていてもよい。触媒は、最初は少量の水に分散させる(水1g中に触媒約100mgを分散させる)。この分散液に、水/アルコールを溶媒とする5%アイオノマー溶液(0.25〜0.75g)を添加する。得られる分散液はポリマー膜上へ直接的に塗布してもよい。あるいは、イソプロパノール(1〜3g)を添加した分散液を膜上へ直接的に噴霧してもよい。触媒は、次の公知文献に記載のようにして転写法によって膜上へ塗布してもよい:エレクトロキミカ・アクタ、第40巻、第297頁(1995年)。
【0045】
CCMはMEAの製造に使用される。ここで使用するように、MEAは、本発明によるCCMから製造されるイオン伝導性ポリマー膜に、CCMの触媒層と電気的に接触するように配置されたアノード電極とカソード電極を組合せたものを示す。
【0046】
電極と触媒層との電気的接触は、CCM及び燃料電池の電流が供給される負荷を含む電気回路を該電極が完成することができるならば、直接的におこなってもよく、あるいは間接的におこなってもよい。特に、第1触媒は、水素若しくは有機燃料の酸化を促進するように、PEMのアノード側と電気触媒的に連絡する。一般に、このような酸化によって、プロトン、エレクトロン、並びに二酸化炭素および水(有機燃料の場合)が生成する。膜は分子状水素、メタノールのような有機燃料および二酸化炭素を実質上透過させないので、このような成分は膜のアノード側に保持される。電気触媒反応によって生成するエレクトロンはカソードから負荷へ伝達され、次いでアノードへ伝達される。この直接的なエレクトロンの流れのバランスは、当量数のプロトンが膜を通過してアノードコンパートメントへ移動することである。該コンパートメントにおいては、移動したプロトンの存在下での酸素の電気触媒的還元がおこなわれ、水が生成する。1つの実施態様においては、空気が酸素源となる。別の実施態様においては、酸素に富む空気が使用される。
【0047】
膜電極アセンブリーは一般に燃料電池をアノードコンパートメントとカソードコンパートメントに分割するのに使用される。この種の燃料電池系においては、水素ガスのような燃料又はメタノールのような有機燃料はアノードコンパートメントに加えられ、一方、酸素もしくは周囲空気のようなオキシダントはカソードコンパートメントに導入される。
【0048】
燃料電池の特定の用途に応じて、多数の電池を組合せることによって適当な電圧と電力出力を達成することができる。このような用途には、住宅用、工業用および商業用の電力システムまたは自動車におけるような移動力に使用するための電力源が含まれる。本発明が特に適用できる他の用途には次に例示するような携帯用電子機器類における燃料電池が含まれる:セル電話およびその他の遠距離通信用機器、消費者用のビデオとオーディオ機器、ラップトップ型コンピューター、ノートブック型コンピューター、パーソナルデジタル補助機器および他の計算装置並びにGPS装置等。
【0049】
さらに、このような燃料電池は、高出力な用途(例えば、工業用および住宅用供給施設)に供するために設置して電圧と電流容量を高めるのに使用してもよく、あるいは、輸送機関へ移動力を供給するのに使用してもよい。この種の燃料電池構造体には、次の米国特許の明細書に開示されているものが含まれる:6,416,895、6,413,664、6,106,964、5,840,438、5,773,160、5,750,281、5,547,776、5,527,363、5,521,018、5,514,487、5,482,680、5,432,021、5,382,478、5,300,370、5,252,410 及び 5,230,966。
【0050】
このようなCCMおよびMEMは、例えば、次の米国特許の明細書に開示されているような燃料電池において一般に有用であり、これらの明細書の開示内容は本明細書の一部を成すものである:5,945,231、5,773,162、5,992,008、5,723,229、6,057,051、5,976,725、5,789,093、4,612,261、4,407,905、4,629,664、4,562,123、4,789,917、4,446,210、4,390,603、6,110,613、6,020,083、5,480,735、4,851,377、4,420,544、5,759,712、5,807,412、5,670,266、5,916,699、5,693,434、5,688,613 及び 5,688,614。
【0051】
本発明によるCCMおよびMEMは、当該分野において知られている水素燃料電池において使用してもよい。この種の燃料電池としては次の米国特許の明細書に開示されている燃料電池が例示され、これらの明細書の開示内容は本明細書の一部を成すものである:6,630,259、6,617,066、6,602,920、6,602,627、6,568,633、6,544,679、6,536,551、6,506,510、6,497,974、6,321,145、6,195,999、5,984,235、5,759,712、5,509,942 及び 5,458,989。
【0052】
本発明によるイオン伝導性ポリマー膜は、バッテリーにおけるセパレーターとしても使用することができる。特に好ましいバッテリーはリチウムイオンバッテリーである。
【実施例】
【0053】
実施例1
機械的攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーン−スターク型トラップ/コンデンサーを具備した三つ口丸底フラスコ(250ml)内において、3,3’−ジスルホン化−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(8.444g)、ビフェノール(2.7931g)及び無水炭酸カリウム(2.7g)をDMSO/トルエン混合物に溶解させた(固形分濃度:約20%)。得られた混合物を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を50℃まで冷却した後、4,4’−ジフルオロフェニルスルホン(5.8477g)、Bis AF (8.472g)、ジヒドロキシフルオレン(0.9811g)、無水炭酸カリウム(5.1g)及びDMSO/トルエン混合物を該反応混合物中へ添加することによって、第2の20%反応溶液を調製した。この反応溶液を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を撹拌下で冷却した後、メタノール(500ml)中へ滴下した。沈殿物を濾取し、該沈殿物を脱イオン水で4回洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。
【0054】
得られたポリマーを80℃において0.5モルのHSO水溶液を用いて1時間処理することによって、プロトン型のスルホン酸基を有するポリマーを調製した。このポリマーを脱イオン水で洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。
【0055】
乾燥させたポリマーをジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させることによって25重量%のポリマー溶液を調製し、該ポリマー溶液を注型した後、80℃で乾燥させることによって、厚さが2.0ミルの膜を得た。得られた膜を1.5モルのHSO水溶液で処理することによってDMAc残渣を除去した後、HSO残渣が検出されなくなるまで脱イオン水中でのすすぎ処理に付し、次いで80℃で乾燥させた。
【0056】
得られたポリマー膜を室温下の水中において膨潤させ、次いで該膜の伝導度をACインピーダンスによって測定した。また、乾燥させたポリマー膜を沸騰水中で1時間膨潤させた後、該膜の吸水量と面積膨潤度を測定した。
【0057】
実施例2
機械的攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーン−スターク型トラップ/コンデンサーを具備した三つ口丸底フラスコ(250ml)内において、3,3’−ジスルホン化−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(8.444g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(Bis Z)(4.0254g)及び無水炭酸カリウム(2.7g)をDMSO/トルエン混合物に溶解させた(固形分濃度:約20%)。得られた混合物を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を50℃まで冷却した後、4,4’−ジフルオロフェニルケトン(5.0186g)、Bis AF (9.3845g)、無水炭酸カリウム(5.1g)及びDMSO/トルエン混合物を該反応混合物中へ添加することによって、第2の20%反応溶液を調製した。この反応溶液を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を撹拌下で冷却した後、メタノール(500ml)中へ滴下した。沈殿物を濾取し、該沈殿物を脱イオン水で4回洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。
【0058】
実施例3
機械的攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーン−スターク型トラップ/コンデンサーを具備した三つ口丸底フラスコ(250ml)内において、3,3’−ジスルホン化−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(8.444g)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(5.2562g)及び無水炭酸カリウム(2.7g)をDMSO/トルエン混合物に溶解させた(固形分濃度:約20%)。得られた混合物を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を50℃まで冷却した後、4,4’−ジフルオロフェニルケトン(5.0186g)、Bis AF (9.3845g)、無水炭酸カリウム(5.1g)及びDMSO/トルエン混合物を該反応混合物中へ添加することによって、第2の20%反応溶液を調製した。この反応溶液を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を撹拌下で冷却した後、メタノール(500ml)中へ滴下した。沈殿物を濾取し、該沈殿物を脱イオン水で4回洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。実施例1に記載の方法に従ってポリマー膜を調製した。
【0059】
実施例4
機械的攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーン−スターク型トラップ/コンデンサーを具備した三つ口丸底フラスコ(250ml)内において、3,3’−ジスルホン化−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(8.444g)、ビフェノール(2.9794g)及び無水炭酸カリウム(2.7g)をDMSO/トルエン混合物に溶解させた(固形分濃度:約20%)。得られた混合物を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を50℃まで冷却した後、4,4’−ジフルオロフェニルスルホン(5.8477g)、Bis AF (8.1703g)、ジヒドロキシフルオレン(0.9461g)、無水炭酸カリウム(5.1g)及びDMSO/トルエン混合物を該反応混合物中へ添加することによって、第2の20%反応溶液を調製した。この反応溶液を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を撹拌下で冷却した後、メタノール(500ml)中へ滴下した。沈殿物を濾取し、該沈殿物を脱イオン水で4回洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。
【0060】
実施例5
機械的攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーン−スターク型トラップ/コンデンサーを具備した三つ口丸底フラスコ(250ml)内において、3,3’−ジスルホン化−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(8.444g)、ビフェノール(2.7931g)及び無水炭酸カリウム(2.7g)をDMSO/トルエン混合物に溶解させた(固形分濃度:約20%)。得られた混合物を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を50℃まで冷却した後、4,4’−ジフルオロフェニルスルホン(5.8477g)、Bis AF (7.0608g)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(0.9811g)、2,2’−ジスルホン化−4,4’−ジヒドロキシビフェニル(1.6388g)、無水炭酸カリウム(5.1g)及びDMSO/トルエン混合物を該反応混合物中へ添加することによって、第2の20%反応溶液を調製した。この反応溶液を撹拌下でトルエンの還流温度まで加熱し、反応系を140℃で6時間保持した後、さらに173℃〜175℃で4時間保持した。反応混合物を撹拌下で冷却した後、メタノール(500ml)中へ滴下した。沈殿物を濾取し、該沈殿物を脱イオン水で4回洗浄した後、80℃で一夜乾燥させ、次いで真空下で80℃の条件で2日間乾燥させた。
【0061】
上記の実施例において使用したモノマー類を以下の表Iに示す:
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程 i)及び ii)を含むイオン伝導性コポリマーの製造方法:
i)イオン伝導性基を含む第1モノマーと第2モノマーであって、両者の一方が2個の脱離含むと共に他方が2個の置換基を含むこれらのモノマーを反応させることによって、各末端に脱離基若しくは置換基を有する中間のイオン伝導性オリゴマーを形成させ、
ii)第3モノマーと第4モノマーであって、両者の一方が2個の脱離基を含むと共に他方が2個の置換基を含むこれらのモノマーを該イオン伝導性オリゴマーと重合させることによって、該イオン伝導性オリゴマーが内部に分布されたイオン伝導性コポリマーを生成させる。
【請求項2】
第1モノマーと第2モノマーの一方が他方に比べてモル過剰量で使用される請求項1記載の方法。
【請求項3】
イオン伝導性基がスルホン酸若しくはその塩の残基である請求項1記載の方法。
【請求項4】
イオン伝導性ポリマーが1種若しくは複数種のアリーレンエーテルモノマー、アリーレンスルフィドモノマー、アリーレンスルフォンモノマー及び/又はアリーレンケトンモノマーを含有する請求項1記載の方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法によって得られるイオン伝導性コポリマー。
【請求項6】
次式で表されるイオン伝導性コポリマー:
【化1】

式中、Ar及びArは相互に独立してフェニル、置換フェニル、ナフチル、テルフェニル、アリールニトリル、置換アリールニトリルを示し、Arはイオン伝導性基(−SO、−COO、−PO若しくはスルホンイミドを含む)をさらに含み、Xは独立して−C(O)−若しくは−S(O)−を示し、Yは独立して−O−若しくは−S−を示し、nは2〜12の数を示し、kは1〜150の数を示し、Arは相互に同一又は異なっていてもよく、下記の群から選択される基を示す:
【化2】

【請求項7】
請求項6記載のイオン伝導性コポリマーの集団。
【請求項8】
次式で表されるイオン伝導性コポリマー:
【化3】

式中、Ar’はイオン伝導性基を含むアリール基を示し、Tは独立して単結合、O、S、C(O)、S(O)、アルキル、分枝状アルキル、フルオロアルキル、分枝状フルオロアルキル、環状アルキル、アリール、置換アリール又はヘテロ環を示し、Uは独立してO又はSを示し、nは(Ar’−T)ユニットの数を示し、
Ar”はアリール又はスルホン酸基を有するアリールを示し、Vは独立して単結合、O、S、C(O)、S(O)、アルキル、分枝状アルキル、フルオロアルキル、分枝状フルオロアルキル、環状アルキル、アリール、置換アリール又はヘテロ環を示し、Wは独立してO又はSを示し、aとbはモル分率を示し(a+b=1)、aは0.01〜0.5であり、bは0.5〜0.99である。
【請求項9】
請求項8記載のイオン伝導性コポリマーの集団。
【請求項10】
次式で表されるイオン伝導性コポリマー:
【化4】

式中、xとyはモル分率を示し、xは0.01〜0.5であり、yは0.5〜0.99であり、mは2〜12の整数を示し、Xは次式:
【化5】

で表される基を示し、ArとArは同一若しくは異なっていてもよく、下記の群から選択される基を示す:
【化6】

【請求項11】
次式で表されるイオン伝導性コポリマー:
【化7】

式中、xとyはモル分率を示し、xは0.01〜0.5であり、yは0.5〜0.99であり、mは2〜12の整数を示す。
【請求項12】
請求項6又は8記載のイオン伝導性コポリマーを含有するポリマー交換膜(PEM)。
【請求項13】
請求項12記載のPEMを含有する触媒被覆膜(CCM)であって、該PEMの少なくとも1つの対置面の全部若しくは一部が触媒層を具有するCCM。
【請求項14】
請求項13記載のPEMを含有する触媒被覆膜(CCM)であって、該PEMの少なくとも1つの対置面の全部若しくは一部が触媒層を具有するCCM。
【請求項15】
請求項14記載のCCMを具有する膜電極アセンブリー(MEA)。
【請求項16】
請求項15記載のMEAを具有する燃料電池。
【請求項17】
水素燃料電池を具有する請求項16記載の燃料電池。
【請求項18】
請求項16記載の燃料電池を具有する電子装置。
【請求項19】
請求項16記載の燃料電池を具有する電源。
【請求項20】
請求項16記載の燃料電池を具有する電気モーター。
【請求項21】
請求項20記載の電気モーターを具備する車両。

【公表番号】特表2007−528930(P2007−528930A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503074(P2007−503074)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/008275
【国際公開番号】WO2005/090439
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(502435797)ポリフューエル・インコーポレイテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】POLYFUEL, INC.
【Fターム(参考)】