説明

2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン

2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグ、ならびに単独か、または少なくとも1種の追加の治療薬と併用して、薬学的に受容可能な担体および2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の1つまたは複数を含む組成物を開示する。細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の疾患の予防または治療に、単独か、または少なくとも1種の追加の治療薬と併用して、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物を用いる方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許法119(e)の下、2005年9月30日に出願された米国仮特許出願第60/722,796号、および2006年8月9日に出願された米国仮特許出願第60/836,886号の利益を請求し、それぞれは、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、新規な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩およびそのプロドラッグ;単独か、または少なくとも1種の他の治療薬と併用した、薬学的に受容可能な担体との新規な化合物の組成物;ならびに細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の疾患の予防または治療における、単独か、または少なくとも1種の他の治療薬との併用のいずれかでの新規な化合物および組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
熱ショックすなわち熱ストレスは、一般に熱ショックタンパク質(HSP)として知られている数種の高度に保存されたシャペロンタンパク質の細胞産生を劇的に増大させる。HSP60、HSP70およびHSP90ファミリーのメンバーを含むこれらのシャペロンは、適切なクライアントタンパク質(例えば、その活性および安定性のためにシャペロンとの相互作用を必要とするタンパク質)の折りたたみを容易/確実にし、非特異的凝集を阻止し、かつ活性なタンパク質構造を維持するATP−依存性分子である。
【0004】
HSP90αおよびβ、Grp94ならびにTRAP−1を含むHSP90ファミリーは、正常な状態の哺乳類細胞における総タンパク質の1〜2%を占める最も豊富な細胞タンパク質の1つである。HSP90は、通常の共翻訳タンパク質は折りたたみを必要としないが、その代わり、細胞増殖、分化およびアポトーシスに決定的に関わる主要シグナル分子である独特な一連の細胞タンパク質にもっぱら関わるという点で、細胞シャペロンの中で独特である。これまで、100個を超えるタンパク質が、HSP90に関連するということが記録されており、クライアントタンパク質のこのリストは急速に拡大しつつある。
【0005】
結晶学的検討により、4つのHSP90ファミリーメンバーの中でよく保存されている、そのN末端ドメインにおける著しく低い親和性ATP結合間隙の存在が明らかになっている。ATP結合および加水分解は、シャペロン機能の調節において重要な役割を果たす。アンサマイシン抗生物質ゲルダナマイシン(GM)およびハービマイシンA(HA)、ならびに構造的に関係していない菌代謝物ラジシコールによるATP結合部位の占有によって、HSP90の固有のATP分解酵素活性が阻害され、HSP90とクライアントタンパク質の間のATP/ADP−制御的会合−解離のサイクルが遮断される。したがって、ATP競合性HSP90阻害剤は、不安定化を誘発し、その結果、クライアントタンパク質のユビキチン依存性分解をもたらす。
【0006】
HSP90は、そのクライアントの多くは、腫瘍細胞中においてしばしば過剰に発現するか、突然変異するか、または構成的に活性である真正癌タンパクであるという認識を受けて、新規な抗癌標的として強い関心を引き起こしている。これらには、受容体チロシンキナーゼ(HER−2/neu、上皮細胞増殖因子受容体EGFR、Metおよびインスリン様増殖因子−1受容体IGF−1R)、準安定セリン/スレオニンキナーゼ(AktおよびRaf−1)、突然変異したシグナル伝達タンパク質(Flt3、v−Src)、キメラ癌タンパク(Bcr−Abl、NPM−ALK)、細胞周期調節因子(CDK4およびCDK6)、転写因子(エストロゲンおよびアンドロゲン受容体ERおよびAR、低酸素誘導因子HIF−1α)ならびにアポトーシス調節因子(スルビビンおよびApaf−1)などの、よく知られておりかつ確立された癌薬剤標的が含まれる。HSP90クライアントタンパク質は、1)増殖信号における自己充足(ErbB2、Raf−1)、2)成長抑制シグナルへの非感受性(Plk、Myt1)、3)アポトーシスの回避(Akt、RIP)、4)無制限の複製能の獲得(hTERT)、5)持続的血管形成(HIF−1α、FAK)ならびに6)侵襲および転移(Met)を含む(括弧内は関連するHSP90クライアントタンパク質の例)の6つの「癌の特徴」のすべてに機能的に寄与していることに注目すべきである。HSP90との会合は、腫瘍の未制御の増殖や悪性の表現型を維持するのに必須の多重シグナル伝達経路において、そうでない場合不安定であるこれらの癌タンパクが確実に適切な機能を果たすようにする。
【0007】
ATP競合的阻害剤によるHSP90の不活性化は、多発性癌タンパクの併発的欠乏を誘発し、様々な発癌シグナル伝達経路の同時阻害を引き起こすことになる。したがって、単一の分子的実体HSP90の機能を破壊することによって、HSP90阻害剤は、多段腫瘍形成に対する組合せ攻撃を独自に提供し、癌の6つの特徴のすべてを遮断することができる。細胞の状況に応じて、HSP90阻害剤は、腫瘍細胞のインビトロとインビボの両方での成長停止、分化またはアポトーシスを効果的に引き起こす。さらに、HSP90自体は、発癌性形質転換(例えば、突然変異タンパク質の蓄積)および細胞ストレス(例えば、低いpHや栄養素の欠乏)の結果として、多くの腫瘍のタイプにおいて過剰に発現する(約2〜20倍)。Hsp90の過剰発現は、乳癌における不良な予後と相関することが分かっている。
【0008】
癌細胞は、厳しい微環境に対して非常に順応性があり、薬物耐性を得ることができる。それは、一部はその固有の遺伝的な不安定性や可塑性に起因する。さらのほとんどの形態の癌は多遺伝子性であり、多重シグナル伝達異常を抱える。HSP90は、ある種の癌細胞がアポトーシス死を逃れるようにし、代替または重複するシグナル伝達をもたらして、特定の薬物治療に対する耐性を効率的に生じさせるようにする、まさにその機構の主要素である。したがって、広い範囲の発癌経路を同時破壊することによるHsp90の阻害は、治療が難しい様々な腫瘍20〜23(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)と戦うのに非常に有効なアプローチであることを示すことができる。それらの癌には、例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、慢性骨髄性白血病(CML)、メラノーマ、消化管間質腫瘍(GIST)、万能細胞白血病、精巣腫瘍、急性骨髄性白血病8、9、胃腫瘍10、肺癌11、頭頸部癌12、グリア芽腫13、結腸癌14、甲状腺癌15、胃癌、肝臓癌、多発性骨髄腫16、腎臓癌17およびリンパ腫18、19が含まれる。
【非特許文献1】Neckers L, Ivy, S. P. Heat shock protein 90. Current Opinion in Onclology(2003)Jan 15:419−424
【非特許文献2】Bagatell R., Whitesell L. Altered Hsp90 function in cancer: A unique therapeutic opportunity. Molecular Cancer Therapeutics 2004 3(8):1021−1030
【非特許文献3】Machajewski T., Lin X.D., Jefferson A.B., Gao, Z. AKT kinase and Hsp90 inhibitors as novel anti−cancer therapeutics. Annual Reports in Medicinal Chemistry(2005)40: 263−276
【非特許文献4】Gao Z., Harrison S., and Duhl D. Beyond kinases for anticancer discovery: purine−binding enzymes and ATPases. Annual Reports in Medicinal Chemistry(2003)38: 194−202
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
癌に加えて、Hsp90阻害剤は、異常細胞がHSP90の発現および使用の増大を示す非腫瘍学的症状を治療できる可能性も有している。それらには、これらに限定されないが、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)および単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)によって媒介されるウイルス性疾患、ならびに持続性リンパ球の活性化によって媒介されるものを含む自己免疫疾患が含まれる。これらのすべての場合において、高いHsp90活性は、ウイルス集合や複製を容易にするか、または、不適切に活性化されたリンパ球における異常なシグナル伝達形質導入に必要である。さらに、HSP90阻害剤は、他の熱ショックタンパク質(例えば、HSP70)の上方調節を誘発することも知られている。これは、虚血性傷害ならびにタンパク質凝集によって引き起こされる損傷に対する神経防護および心臓保護を提供することができる。したがって、HSP90阻害剤は、中枢神経系(CNS)障害および循環器系疾患の治療における治療可能性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明の一態様では、新規な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、その互変異性体、立体異性体および薬学的に受容可能な塩、およびプロドラッグを提供する。2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグはHSP90阻害剤であり、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の疾患を治療するのに有用である。
【0011】
一実施形態では、式(I)を有する2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグである
【0012】
【化13】

(式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
は、
(1)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(2)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(3)置換または非置換アリール、
(4)置換または非置換ヘテロアリール、および
(5)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
但し、Rがアミノである場合、Rはフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニルではない)。
【0013】
他の態様では、本発明は、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体の細胞増殖性疾患を治療する方法であって、前記被験体に、被験体の細胞増殖を低減するかまたは阻止するのに有効な量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0014】
他の態様では、本発明は、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体の細胞増殖性疾患を治療する方法であって、癌を治療するための少なくとも1種の追加の薬剤と併用して、前記被験体に、被験体の細胞増殖を低減するかまたは阻止するのに有効な量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
他の態様では、本発明は、癌治療に通常用いられる、癌を治療するための1種または複数の追加の薬剤と合わせて、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む治療組成物を提供する。
【0016】
一実施形態では、HSP90活性を調節することによって状態を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。いくつかの態様では、その状態は、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系または中枢神経系の疾患である。
【0017】
一実施形態では、例えば、肺癌および気管支癌;前立腺癌;精巣腫瘍;乳癌;膵臓癌;結腸癌および直腸癌;甲状腺癌;胃癌;肝臓癌および肝内胆管癌;腎臓癌および腎癌;骨盤癌;膀胱癌;子宮体部癌;子宮頸部癌;卵巣癌;多発性骨髄腫;食道癌;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ性白血病;リンパ腫;骨髄性白血病;万能細胞白血病、脳癌;口腔癌および咽頭癌;喉頭癌;頭部癌;頸部癌;グリア芽腫;小腸癌;消化管間質腫瘍(GIST);胃腫瘍;非ホジキンリンパ腫;メラノーマ;ならびに絨毛結腸腺腫などの癌を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。
【0018】
一実施形態では、ウイルス性疾患を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。そうした疾患には、例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)または単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)によって媒介されるウイルス性疾患が含まれる。
【0019】
一実施形態では、自己免疫疾患を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。いくつかの態様では、その自己免疫疾患は持続的リンパ球活性化によって媒介される。
【0020】
一実施形態では、循環器系疾患または中枢神経系疾患を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。
【0021】
本発明は、本発明の詳細な説明において説明するように、組成物、キット、使用方法、製造方法および関連する合成中間体をさらに提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(詳細な説明)
本発明の一態様では、新規な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグを提供する。2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグはHSP90阻害剤であり、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の疾患の治療に有用である。
【0023】
一実施形態では、本発明の式(I)を有する2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグである
【0024】
【化14】

(式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
は、
(1)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(2)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(3)置換または非置換アリール、
(4)置換または非置換ヘテロアリール、および
(5)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
但し、Rがアミノである場合、Rはフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニルではない)。
【0025】
他の実施形態は、式(Ia)を有する化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する
【0026】
【化15】

(式中、R、RおよびRは式(I)について先に定義した通りであり、但し、Rがアミノである場合、Rはフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニルではない)。
【0027】
式(I)または(Ia)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0028】
他の実施形態では、Rは置換または非置換C〜Cアルキルである。
【0029】
いくつかの実施形態では、RはC〜CアルキルまたはハロC〜Cアルキルである。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチルである。
【0030】
いくつかの実施形態では、Rはアリールまたはヘテロアリールである。いくつかのそうした実施形態では、Rは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択され、そのそれぞれは、置換されていても置換されていなくてもよい。いくつかの態様では、本発明は上記のR基が、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールで置換されている化合物を提供する。他の態様では、R基はハロで置換されている。さらに他の態様では、R基はフルオロで置換されている。さらに他の態様では、R基はアルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシで置換されている。いくつかの態様では、R基はメチルで置換されている。他の態様では、R基はメトキシで置換されている。
【0031】
他の実施形態では、Rは置換アリール、置換ヘテロシクリル、置換ヘテロアリール、置換C〜Cシクロアルキルおよび置換C〜Cシクロアルケニルからなる群から選択され、但し、前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cシクロアルケニルは、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される。いくつかの態様では、上記基は、ハロアルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、Rは水素、非置換アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。他の実施形態では、Rは水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。さらに他の実施形態では、Rは水素である。
【0033】
他の実施形態では、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オンは式(II)の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグである
【0034】
【化16】

(式中、
nは0または1であり、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
但し、nが1である場合、XはCであり、Yはそれぞれの位置においてCQおよびNから独立に選択され、ZはCRおよびNから選択され、但し3つ以下のYおよびZ基はNであるという前提であり、
但し、nが0である場合、XはCまたはNであり、Yはそれぞれの位置においてCQ、N、NQ、OおよびSから独立に選択され、但し4つ以下のXおよびY基はNおよびNQであり、1つ以下のY基はSまたはOであるという前提であり、
はそれぞれの位置において、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、
(4)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(5)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(7)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(8)置換または非置換アリール、
(9)置換または非置換ヘテロアリール、
(10)置換または非置換ヘテロシクリル、
(11)置換または非置換アミノ、
(12)−ORまたは−SR
(13)−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−S(O)R、−SOまたは−SON(R
(14)−OC(O)R、−N(R)C(O)Rまたは−N(R)SO
(15)−CN、および
(16)−NO
からなる群から独立に選択され、
はそれぞれの位置において、
(1)水素、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、
(4)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(5)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(7)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(8)置換または非置換アリール、
(9)置換または非置換ヘテロアリール、および
(10)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から独立に選択され、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、および
(4)−OR、−SRまたは−NHR
からなる群から独立に選択され、
はそれぞれの位置において、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から独立に選択され、
但し、Rがアミノである場合、X、Y、Zおよびnは一緒になってフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニル基を形成することはない)。
【0035】
他の実施形態では、式(IIa)を有する2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグである
【0036】
【化17】

(式中、R、R、X、Y、Zおよびnは式(II)について先に定義した通りであり、但し、Rがアミノである場合、X、Y、Zおよびnは一緒になってフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニル基を形成することはない)。
【0037】
いくつかの実施形態では、nが0であり、XがCである場合、Xと隣接するYはOではない。
【0038】
式(II)または(IIa)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0039】
他の実施形態では、Rは置換または非置換C〜Cアルキルである。
【0040】
いくつかの実施形態では、RはC〜CアルキルまたはハロC〜Cアルキルである。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチルである。
【0041】
式(I)、(Ia)、(II)または(IIa)の化合物のための代表的な置換アルキル基には、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルおよびスルホンアミドアルキル基が含まれる。
【0042】
代表的なアリール基にはフェニル基が含まれる。
【0043】
代表的なヘテロアリール基には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニル基が含まれる。
【0044】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、置換および非置換フェニル、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピリミジニル、置換および非置換ピラジニル、置換および非置換インドリル、置換および非置換チアゾリルならびに置換および非置換チエニルからなる群から選択される。
【0045】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジノニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される。
【0046】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、シクロヘキシルおよびシクロペンチルからなる群から選択される。
【0047】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される。
【0048】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、置換アリール、置換ヘテロシクリル、置換ヘテロアリール、置換C〜Cシクロアルキルおよび置換C〜Cシクロアルケニルからなる群から選択され、前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cシクロアルケニルはピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される。いくつかの態様では、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0049】
一実施形態では、QまたはQのうちの1つは、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピラジニル、置換および非置換フェニル、置換および非置換イソキノリニル、置換および非置換ピリミジニル、置換および非置換ピラゾリルならびに置換および非置換フラニルから選択される。いくつかの態様では、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0050】
他の実施形態では、QまたはQのうちの1つは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0051】
一実施形態では、Qはハロである。
【0052】
一実施形態では、Qはアルキルである。いくつかの態様では、Qはメチルである。
【0053】
一実施形態では、Rは水素およびフルオロから選択される。いくつかの態様では、Rはフルオロである。
【0054】
一実施形態では、Rはアルキルから選択される。いくつかの態様では、Rはメチルである。
【0055】
一実施形態では、Rはアルコキシから選択される。いくつかの態様では、Rはメトキシである。
【0056】
一実施形態では、QはORである。
【0057】
一実施形態では、Rはメチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される。
【0058】
一実施形態では、Rは置換および非置換フェニル、置換および非置換チアゾリル、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピラジニルならびに置換および非置換ピリミジニルから選択される。
【0059】
一実施形態では、Rは2−アミノエチル、2−ピペリジニルエチル、2−ピペラジニルエチル、2−モルホリニルエチルおよび2−(N−メチルピペラジニル)エチルからなる群から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、Rは水素、非置換アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。他の実施形態では、Rは水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。
【0061】
本発明の他の実施形態では、式(III)の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する
【0062】
【化18】

(式中、Rは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
は水素または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり、
は水素、アルキル、アルコキシ、またはハロであり、
、R、RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
但し、Rがアミノであり、R、R、RおよびRが水素である場合、Rは水素でも、アルキルでも、アルコキシでも、ハロでもない)。
【0063】
いくつかの実施形態では、式(IIIa)の化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する
【0064】
【化19】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは式(III)について先に定義した通りであり、但し、Rがアミノであり、R、R、RおよびRが水素である場合、Rは水素でも、アルキルでも、アルコキシでも、ハロでもない)。
【0065】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rは置換または非置換C〜Cアルキルである。
【0067】
いくつかの実施形態では、RはC〜CアルキルまたはハロC〜Cアルキルである。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチルである。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態では、Rは水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の実施形態では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、Rは水素またはフルオロである。いくつかの態様では、Rはフルオロである。
【0070】
いくつかの実施形態では、Rはメチルまたはメトキシである。
【0071】
いくつかの実施形態では、R、RおよびRはそれぞれ水素である。
【0072】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。
【0073】
いくつかの実施形態では、Rは置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される。いくつかの態様では、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0074】
他の実施形態では、Rは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0075】
本発明の他の実施形態では、式(IV)の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する
【0076】
【化20】

(式中、
は水素または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり、
は水素またはハロであり、
6aはハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される)。
【0077】
いくつかの実施形態では、式(IVa)の化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する
【0078】
【化21】

(式中、
、RおよびR6aは式(IV)について先に定義した通りである)。
【0079】
式(IV)または(IVa)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の実施形態では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、Rは水素またはフルオロである。いくつかの態様では、Rはフルオロである。
【0081】
いくつかの態様では、R6aは、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。
【0082】
いくつかの実施形態では、R6aは置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される。いくつかの態様では、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、R6aは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0084】
他の実施形態では、式(V)を有する化合物を提供する
【0085】
【化22】

(式中、R10およびR11は独立にQであり、R、R、QおよびQは式(II)について先に定義した通りである)。
【0086】
他の実施形態では、2−アミノ−キナゾリン−5−オン化合物は式(Va)を有する
【0087】
【化23】

(式中、R10およびR11は独立にQであり、R、R、QおよびQは式(V)について先に定義した通りである)。
【0088】
式(V)および(Va)の化合物のいくつかの態様では、Rはメチルである。
【0089】
式(V)および(Va)の化合物の他の態様では、Rは水素である。
【0090】
式(V)および(Va)の化合物のいくつかの態様では、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の態様では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。
【0091】
式(V)および(Va)の化合物のいくつかの態様では、Qは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換C〜Cシクロアルキルおよび置換または非置換C〜Cシクロアルケニルからなる群から選択される。他の態様では、前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cシクロアルケニルは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される。いくつかの態様では、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキルおよびハロアルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0092】
式(V)および(Va)の化合物の他の態様では、Qは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0093】
式(V)および(Va)の化合物の一実施形態では、RおよびR10は水素である。他の態様では、RまたはR10のうちの一方は水素であり、他方はハロまたはC〜Cアルコキシである。いくつかの態様では、RまたはR10のうちの1つはフルオロである。他の態様では、RまたはR10のうちの1つはメトキシである。
【0094】
一実施形態では、本発明は、実施例9、表1〜5の化合物からなる群から選択される化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する。
【0095】
他の実施形態では、本発明は、
(R)−2−アミノ−7−[2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(S)−2−アミノ−6−ベンジル−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−6−[(S)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン;
2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−イソキノリン−4−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,3’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,4’−ジフルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−6−(3−アミノ−プロピル)−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−4’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−4−メチル−7−(5,2’,3’−トリフルオロ−ビフェニル−2−イル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(3’−ジメチルアミノ−5−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(5−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;および
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−フラン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン
からなる群から選択される化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを提供する。
【0096】
他の実施形態では、本発明の化合物はらせん状非対称を示す。より具体的には、本発明の化合物は、別個の化学種として分離することができ、それぞれが単結合周りの回転が束縛されていることによりもたらされる配座異性体のサブクラスである、アトロプ異性体であってよい。
【0097】
他の態様では、本発明は、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の製造方法を提供する。本発明の代表的な化合物を作製する方法を実施例1〜8に記載する。式(I)の化合物に加え、中間体およびその対応する合成方法を本発明の範囲内に含めることをさらに考慮する。
【0098】
他の態様では、本発明は、本明細書で記載のHSP90阻害剤を含む組成物と、本明細書で記載のHSP90阻害剤を用いる方法を提供する。
【0099】
一態様では、本発明は、単独か、または他の抗癌剤と併用して、ヒトまたは動物被験体に投与するのに適した薬学的に受容可能な担体と合わせて少なくとも1つの2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)または(Va)の化合物)もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。
【0100】
本発明の組成物および方法において用いるために、併用療法に用いられる多くの適切な抗癌剤が考えられる。本発明の化合物との併用し用いられる適切な抗癌剤には、アポトーシスを誘発する薬剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);薬物;生物学的模倣薬;アルカロイ;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗物質;ホルモン;白金化合物;抗癌剤薬物、毒素および/または放射性核種に抱合されたモノクローナル抗体;生物反応修飾物質(例えば、インターフェロン[例えば、IFN−a]およびインターロイキン[例えば、IL−2]);養子免疫治療剤;造血増殖因子;腫瘍細胞分化を誘発する薬剤(例えば、オールトランス−レチノイン酸);遺伝子治療剤;アンチセンス治療剤およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン;血管形成の阻害剤などが含まれる。本発明の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物と同時投与するのに適した化学療法化合物および抗癌治療の多くの他の例は、当業者に周知されている。
【0101】
特定の実施形態では、本発明の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物と併用して用いる抗癌剤は、アポトーシスを誘発するかまたは刺激する薬剤を含む。アポトーシスを誘発する薬剤には、これらに限定されないが、放射線;キナーゼ阻害剤(例えば、上皮細胞増殖因子受容体[EGFR]キナーゼ阻害剤、血管内皮増殖因子受容体[VEGFR]キナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体[FGFR]キナーゼ阻害剤、血小板由来の増殖因子受容体[PGFR]Iキナーゼ阻害剤およびSTI−571[グリベックまたはGlivec])などのBcr−Ablキナーゼ阻害剤;アンチセンス分子;抗体[例えば、ハーセプチンおよびリツキサン];抗エストロゲン[例えば、ラロキシフェンおよびタモキシフェン];抗アンドロゲン[例えば、フルタミド、ビカルタミド、フィナステライド、アミノ−グルテタミド、ケトコナゾールおよびコルチコステロイド];シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)阻害剤[例えば、セレコキシブ、メロキシカム、NS−398および非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)];および、癌化学療薬[例えば、イリノテカン(Camptosar)、CPT−11、フルダラビン(Fludara)、ダカルバジン(DTIC)、デキサメタゾン、ミトキサントロ、Mylotarg、VP−16、シスプラチナム、5−FU、ドクスルビシン、タキソテールまたはタキソール];細胞シグナル分子;セラミドおよびサイトカイン;ならびにスタウロスパリンなどが含まれる。
【0102】
他の態様では、本発明は、本明細書で記載の化合物および組成物を用いるための方法を提供する。例えば、本明細書で記載の化合物および組成物は癌の治療に用いることができる。本明細書で記載の化合物および組成物は、癌を治療するための医薬品の製造に用いることができる。
【0103】
一実施形態では、本発明は、癌などの細胞増殖性疾患に苦しむヒトまたは動物被験体を治療する方法を提供する。本発明は、単独かまたは他の抗癌剤と併用して、治療有効量の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物または組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)または(Va)の化合物または組成物)を被験体に投与することを含む、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体を治療する方法を提供する。
【0104】
他の実施形態では、本発明は、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体の細胞増殖性疾患を治療する方法であって、前記被験体に、被験体の細胞増殖または腫瘍増殖を低減させるかまたはそれを防止するのに有効な量の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物または組成物(例えば、式(I)〜(V)の化合物または組成物)を投与することを含む方法を提供する。
【0105】
他の実施形態では、本発明は、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体の細胞増殖性疾患を治療する方法であって、前記被験体に、癌の治療のための少なくとも1種の追加的薬剤と併用して、被験体の細胞増殖を低減させるかまたはそれを防止するのに有効な量の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)および(Va)の化合物)を投与することを含む方法を提供する。
【0106】
本発明は、HSP90の阻害剤である化合物を提供する。その阻害剤は、HSP90の阻害が、例えば、HSP90によって媒介される腫瘍性および/または癌性の細胞増殖などの細胞増殖性疾患の治療に指示される、ヒトまたは動物用の医薬組成物に有用である。特に、この化合物は、例えば、肺癌および気管支癌;前立腺癌;乳癌;膵臓癌;結腸癌および直腸癌;甲状腺癌;胃癌;肝臓癌および肝内胆管癌;腎臓癌および腎臓骨盤癌;膀胱癌;子宮体部癌;子宮頸部癌;卵巣癌;多発性骨髄腫;食道癌;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ性白血病;骨髄性白血病;脳癌;口腔癌および咽頭癌;喉頭癌;小腸癌;非ホジキンリンパ腫;メラノーマ;ならびに絨毛結腸腺腫を含む、ヒトまたは動物(例えば、マウス)の癌の治療に有用である。
【0107】
他の実施形態では、本発明は、HSP90媒介の障害を治療する方法を提供する。1つの方法では、有効量の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)および(Va)の化合物)を、HSP90活性を媒介する(または調節する)ためにそれを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物被験体)に投与する。いくつかの態様では、HSP90媒介の障害は、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の障害である。
【0108】
他の実施形態では、本発明は、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の障害を治療する方法を提供する。1つの方法では、細胞増殖性、ウイルス性、自己免疫性、循環器系および中枢神経系の障害を治療するために、有効量の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)および(Va)の化合物)を、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物被験体)に投与する。
【0109】
HSP90阻害活性を測定するための代表的なアッセイを実施例10に記載する。好ましい実施形態では、本発明の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物は、HSP90活性を阻害について100μM以下のIC50値を有する。より好ましい実施形態では、IC50値は50μM以下であり、さらに好ましくは25μM以下のIC50値である。より好ましい実施形態は10μM以下のIC50値を有し、さらにより好ましい実施形態は1μM以下のIC50値を有する。
【0110】
本発明をよりよく理解するために、以下の定義を提供する。
【0111】
「アルキル」または「非置換アルキル」はヘテロ原子を含まない飽和のヒドロカルビルを指す。したがって、この用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖のアルキル基を含む。この用語は、これらに限定されないが、例として示す以下のもの、すなわち、−CH(CH)(CH、−CH(CH)(CHCH)、−CH(CHCH、−C(CH、−C(CHCH、−CHCH(CH、−CHCH(CH)(CHCH)、−CHCH(CHCH、−CHC(CH、−CHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CH、−CHCHCH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CHCH、−CHCHC(CH、−CHCHC(CHCH、−CH(CH)CHCH(CH、−CH(CH)CH(CH)CH(CH、−CH(CHCH)CH(CH)CH(CH)(CHCH)およびその他を含む直鎖のアルキル基の分鎖異性体も含む。したがって、「アルキル基」という用語は、第一アルキル基、第二アルキル基、および第三アルキル基を含む。好ましいアルキル基は、1〜12個、1〜6個または1〜3個の炭素原子を有する直鎖および分鎖のアルキル基を含む。
【0112】
「アルキレン」または「非置換アルキレン」は、「アルキル」について上記したのと同じ残基を指すが、2つの結合点を有する。アルキレン基の例には、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)およびジメチルプロピレン(−CHC(CHCH−)が含まれる。
【0113】
「アルケニル」または「非置換アルケニル」は、1個または複数の炭素−炭素二重結合と2〜約20個の炭素原子を有する直鎖および分鎖のヒドロカルビル基を指す。好ましいアルケニル基には、2〜12個または2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分鎖のアルケニル基が含まれる。
【0114】
「アルキニル」または「非置換アルキニル」は、1個または複数の炭素−炭素三重結合と2〜約20個の炭素原子を有する直鎖および分鎖のヒドロカルビル基を指す。好ましいアルキニル基には、2〜12個または2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分鎖のアルキニル基が含まれる。
【0115】
「シクロアルキル」または「非置換シクロアルキル」は、単環式または多環式のアルキル置換基を指す。代表的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。好ましいシクロアルキル基は3〜7個の炭素原子を有する。
【0116】
「シクロアルケニル」または「非置換シクロアルケニル」は、少なくとも1個の環炭素−炭素二重結合を有する単環式または多環式のアルキル置換基を指す。好ましいシクロアルケニル基は5〜7個の炭素原子を有する。それらにはシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが含まれる。
【0117】
「置換アルキル」は、炭素または水素との1つまたは複数の結合が、これらに限定されないが、F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびエステル基などの基の中の酸素原子;チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド、スルホン、スルホニルおよびスルホキシド基などの基の中のイオウ原子;アミノ、アミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、N−オキシド、イミドならびにエナミンなどの基の中の窒素原子などの非水素または非炭素原子との結合によって置き換えられている上記定義のアルキル基を指す。置換アルキル基は、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が、オキソ、カルボニル、カルボキシルおよびエステル基の中の酸素;またはイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリルなどの基の中の窒素などのヘテロ原子とのより高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられている基も含む。置換アルキル基は、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基との結合によって置き換えられているアルキル基をさらに含む。好ましい置換アルキル基には、とりわけ、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が、フルオロ、クロロまたはブロモ基との1つまたは複数の結合によって置き換えられているアルキル基を含む。他の好ましい置換アルキル基はトリフルオロメチル基、およびトリフルオロメチル基を含む他のアルキル基である。他の好ましい置換アルキル基には、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が酸素原子との結合によって置き換えられており、その結果、置換アルキル基がヒドロキシル、アルコキシまたはアリールオキシ基を含むものが含まれる。他の好ましい置換アルキル基には、アミノ、または置換もしくは非置換アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクリルアミノを有するアルキル基が含まれる。さらに、他の好ましい置換アルキル基には、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキル基との結合によって置き換えられているものが含まれる。置換アルキルの例は、−(CHNH、−(CHNH(CH)、−(CHNH(CH、−CHC(=CH)CHNH、−CHC(=O)CHNH、−CHS(=O)CH、−CHOCHNH、−CHCOHである。置換アルキルの置換基の例は:−CHOH、−OH、−OCH、−OC、−OCF、−OC(=O)CH、−OC(=O)NH、−OC(=O)N(CH、−CN、−NO、−C(=O)CH、−COH、−COCH、−CONH、−NH、−N(CH、−NHSOCH、−NHCOCH、−NHC(=O)OCH、−NHSOCH、−SOCH、−SONHおよびハロである。
【0118】
「置換アルケニル」は、非置換アルケニル基に関して、置換アルキル基が非置換アルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。置換アルケニル基には、非炭素または非水素原子が、別の炭素と二重結合で結合している炭素と結合したアルケニル基、および非炭素または非水素原子の1つが別の炭素との二重結合に関わっていない炭素と結合しているアルケニル基が含まれる。
【0119】
「置換アルキニル」は、非置換アルキニル基に関して、置換アルキル基が非置換アルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。置換アルキニル基には、非炭素または非水素原子が、別の炭素と三重結合で結合している炭素と結合しているアルキニル基、および非炭素または非水素原子が別の炭素との三重結合に関わっていない炭素と結合しているアルキニル基が含まれる。
【0120】
「置換シクロアルキル」は、非置換シクロアルキル基に関して、置換アルキル基が非置換アルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。
【0121】
「置換シクロアルケニル」は、非置換シクロアルケニル基に関して、置換アルキル基が非置換アルキル基に関して有するのと同じ意味を有する。
【0122】
「アリール」または「非置換アリール」は環ヘテロ原子を含まない単環式および多環式芳香族基を指す。そうした基は6〜14個、好ましくは6個の炭素原子を含むことができる。本発明の化合物において置換基として用いられる例示的なアリール部分には、フェニル、ナフチル等が含まれる。
【0123】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、上記定義のアリール基で置換されたアルキル基を指す。一般に、本発明の化合物中に用いられるアラルキル基は、アラルキル基のアルキル部分内に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。本発明の化合物中に用いられる適切なアラルキル基には、例えばベンジル等が含まれる。「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は、上記定義のヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指す。一般に、本発明の化合物中に用いられるヘテロアリールアルキル基は、アラルキル基のアルキル部分内に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。本発明の化合物中に用いられる適切なヘテロアリールアルキル基には、例えばピコリル等が含まれる。
【0124】
「アルコキシ」はR20O−(式中、R20はC〜Cアルキルまたは置換アルキルである)を指す。いくつかの実施形態では、R20はC〜Cアルキルである。アルコキシ基の代表的な例には、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシ等が含まれる。
【0125】
「アミノ」は基−NHを指す。
【0126】
「置換アミノ」は基−NR6061(式中、R60およびR61は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、−SO−アルキル、−SO−置換アルキルからなる群から独立に選択され、R60とR61は、それに結合している窒素と一緒に結合して複素環または置換複素環基を形成しており、但し、R60とR61はどちらも水素ではない)を指す。R60が水素であり、R61がアルキルである場合、置換アミノ基は本明細書ではアルキルアミノと称することもある。R60およびR61がアルキルである場合、置換アミノ基は本明細書ではジアルキルアミノと称することもある。モノ置換アミノと称する場合、それは、R60およびR61のいずれかは水素であるが両方とも水素であることはないことを意味する。二置換アミノと称する場合、それは、R60とR61がどちらも水素ではないことを意味する。本明細書では「アルキルアミノ」という用語は、基−NR6061(式中、R60はC〜Cアルキルであり、R60は水素またはC〜Cアルキルである)を指す。「ジアルキルアミノ」という用語は、基−NR6061(式中、R60およびR61はC〜Cアルキルである)を指す。本明細書では「アリールアミノ」という用語は、基−NR6061(式中、R60はC〜Cアリールであり、R61は水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアリールである)を指す。本明細書では「アラルキルアミノ」という用語は、基−NR6061(式中、R60はアラルキルであり、R61は水素、C〜Cアルキル、C〜CアリールまたはC〜Cアラルキルである)を指す。
【0127】
「アミジノ」は、部分R40−C(=N)−NR41−(基は「N」窒素においてである)およびR40(NR41)C=N−(基は「N」窒素においてである)(式中、R40およびR41は水素、C〜Cアルキル、アリールまたはC〜Cアラルキルであってよい)を指す。
【0128】
「アルコキシアルキル」は基−alk−O−alk(式中、alkはC〜Cアルキルであり、alkはC〜Cアルキルである)を指す。「アリールオキシアルキル」という用語は、基−(C〜Cアルキル)−O−(C〜Cアリール)を指す。
【0129】
「アルコキシアルキルアミノ」は基−NR27−(アルコキシアルキル)(式中、R27は一般に水素、C〜CアラルキルまたはC〜Cアルキルである)を指す。
【0130】
「アミノカルボニル」は基−C(O)−NHを指す。本明細書では「置換アミノカルボニル」は基−C(O)−NR2829(式中、R28はC〜Cアルキルであり、R29は水素またはC〜Cアルキルである)を指す。本明細書では「アリールアミノカルボニル」という用語は、基−C(O)−NR3031(式中、R30はC〜Cアリールであり、R31は水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアリールである)を指す。本明細書では「アラルキルアミノカルボニル」は、基−C(O)−NR3233(式中、R32はC〜Cアラルキルであり、R33は水素、C〜Cアルキル、C〜CアリールまたはC〜Cアラルキルである)を指す。
【0131】
本明細書では「アミノスルホニル」は基−S(O)−NHを指す。本明細書では「置換アミノスルホニル」は基−S(O)−NR3435(式中、R34はC〜Cアルキルであり、R35は水素またはC〜Cアルキルである)を指す。本明細書では「アラルキルアミノスルホニルアリール」という用語は、−(C〜Cアリール)−S(O)−NH−アラルキルを指す。
【0132】
「アリールオキシ」はR50O−(式中、R50はアリールである)を指す。
【0133】
「カルボニル」は二価の基−C(O)−を指す。「アルキルカルボニル」は基−C(O)アルキルを指す。「アリールカルボニル」は基−C(O)アリールを指す。同様に、本明細書では「ヘテロアリールカルボニル」、「アラルキルカルボニル」および「ヘテロアラルキルカルボニル」という用語は、−C(O)−R(式中、Rはそれぞれヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルである)を指す。
【0134】
「カルボニルオキシ」は一般に基−C(O)−O−を指す。そうした基には、エステル、−C(O)−O−R36(式中、R36はC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリールまたはC〜Cアラルキルである)が含まれる。本明細書では「アリールカルボニルオキシ」という用語は、基−C(O)−O−(アリール)を指す。本明細書では「アラルキルカルボニルオキシ」という用語は、基−C(O)−O−(C〜Cアラルキル)を指す。
【0135】
「シクロアルキルアルキル」は、上記の定義のシクロアルキル基で置換されたアルキル基を指す。一般に、シクロアルキルアルキル基は、シクロアルキルアルキル基のアルキル部分に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。
【0136】
「カルボニルアミノ」は二価の基−NH−C(O)−(カルボニルアミノ基のアミド窒素の水素原子はC〜Cアルキル、アリールまたはC〜Cアラルキル基で置換されていてよい)を指す。カルボニルアミノ基には、カルバメートエステル(−NH−C(O)−O−R28)およびアミド−NH−C(O)−R28(式中、R28は直鎖もしくは分鎖C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリールまたはC〜Cアラルキルである)などの部分が含まれる。「アルキルカルボニルアミノ」という用語は基−NH−C(O)−R28’(式中、R28’はその主鎖構造中に1〜約7個の炭素原子を有するアルキルである)を指す。「アリールカルボニルアミノ」という用語は基−NH−C(O)−R29(式中、R29はC〜Cアリールである)を指す。同様に、「アラルキルカルボニルアミノ」という用語はカルボニルアミノ(式中、R29はC〜Cアラルキルである)を指す。
【0137】
「グアニジノ」または「グアニジル」はグアニジン、HN−C(=NH)−NHから誘導される部分を指す。そうした部分には、形式二重結合を担持する窒素原子で結合しているもの(グアニジンの「2」位、例えばジアミノメチレンアミノ、(HN)C=NH−)や、形式単結合を担持する窒素原子で結合しているもの(グアニジンの「1」位および/または「3」位、例えばHN−C(=NH)−NH−)が含まれる。どの窒素における水素原子も、C〜C7アルキル、アリールまたはC〜Cアラルキルなどの適切な置換基で置換されていてよい。
【0138】
「ハロゲン」または「ハロ」はクロロ、ブロモ、フルオロおよびヨード基を指す。「ハロアルキル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。「ハロアルキル」基には−CFが含まれる。「ハロアルコキシ」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を指す。「ハロアルコキシ」基にはOCFやOCHCFが含まれる。
【0139】
「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は基−OHを指す。
【0140】
本明細書で用いる「複素環」または「非置換複素環基」、「ヘテロシクリル」または「非置換ヘテロシクリル」および「ヘテロシクリル」または「非置換ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」または「非置換ヘテロシクロアルキル基」は、窒素、酸素もしくはイオウから選択されるヘテロ原子を含む任意の非芳香族単環式または多環式環化合物を指す。その例には、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を含む3員環もしくは4員環、あるいは窒素、酸素またはイオウからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員環もしくは6員環が含まれる。但し、その5員環は0〜1個の二重結合を有し、6員環は0〜2個の二重結合を有し、窒素およびイオウ原子は任意選択で酸化されていてよく、窒素およびイオウのヘテロ原子は任意選択で四級化されていてよく、かつ、上記複素環のいずれかがベンゼン環または上記に独立に定義された他の5員環もしくは6員の複素環と縮合している任意の二環基を含む(但し、その結合点は複素環を介している)。
【0141】
複素環部分は、例えば、これらに限定されないが、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、オキソ(C=O)、アルキルイミノ(R31N=、但しR31はアルキルまたはアルコキシ基である)、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキル、シクロアルキルまたはハロアルキルから独立に選択される種々の置換基で単置換または二置換されていてよい。
【0142】
本明細書での開示と合わせて、有機化学および医薬品化学技術分野の技術者に明らかなように、複素環基は以下に示すように種々の位置で結合していてよい。
【0143】
【化24】

(式中、RはHまたは本明細書で説明した複素環置換基である。)
本明細書では「ヘテロアリール」または「非置換ヘテロアリール」は、芳香族環中に環原子として1〜4個のヘテロ原子を有し、その環原子の残りが炭素原子である芳香族基を指す。「ヘテロアリール」という用語は、その中の窒素がヘテロ原子である環、ならびにその中の少なくとも1つの環構造が芳香族である部分的および完全に飽和した環を含み、例えば、ベンゾジオキソゾロ(フェニル基と縮合した複素環構造、すなわち、
【0144】
【化25】

を有する)
である(但し、その結合点はヘテロアリール環を介している)。ヘテロアリール基はさらに置換されていてよく、本明細書での開示と合わせて、有機化学および医薬品化学技術分野の技術者に明らかなように、複素環基は以下に示すように種々の位置で結合されていてよい。代表的な置換および非置換ヘテロアリール基には、例えば、本出願で開示される化合物、および以下に示す例に見られるものが含まれる。
【0145】
【化26】

【0146】
【化27】

好ましいヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、3〜14個の環原子を有し、これらには、例えば、ジアザピニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾイル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、フリル、チエニル、トリアゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフトピリジニル、インダゾリルおよびベンゾチエニルが含まれる。
【0147】
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は上記定義のヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指す。一般に、ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリールアルキル基のアルキル部分内に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。
【0148】
「イミノ」は基=NHを指す。
【0149】
「ニトロ」は基NOを指す。
【0150】
「スルホニル」は基−SO−を指す。「アルキルスルホニル」は、構造−SO52−(式中、R52はC〜Cアルキルである)の置換スルホニルを指す。本発明の化合物中に用いられるアルキルスルホニル基は、一般にその主鎖構造中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基である。したがって、本発明の化合物中に用いられる典型的なアルキルスルホニル基には、例えばメチルスルホニル(すなわち、R52はメチルである)、エチルスルホニル(すなわち、R52はエチルである)、プロピルスルホニル(すなわち、R52はプロピルである)等が含まれる。本明細書では「アリールスルホニル」という用語は基−SO−アリールを指す。本明細書では「ヘテロシクリルスルホニル」という用語は基−SO−ヘテロシクリルを指す。本明細書では「アラルキルスルホニル」という用語は基−SO−アラルキルを指す。本明細書では「スルホンアミド」という用語は−SONHを指す。本明細書では「スルホンアミドアルキル」という用語は(アルキル)SONH−を指す。
【0151】
「チオ」または「チオール」は基−SHを指す。「アルキルチオ」または「アルキルチオール」は、例えばC〜Cアルキル基などのアルキル基で置換されたチオ基を指す。
【0152】
「チオアミド」は基−C(=S)NHを指す。
【0153】
「任意選択で置換された」ということは、水素を、一価または二価の基で任意選択で置き換えることを指す。「置換(された)」ということは、水素を、一価または二価の基で任意選択で置き換えることを指す。別段の指定のない限り、適切な置換基には、例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、アリール等が含まれる。他の適切な置換基には、置換アルキルについて示した置換基が含まれる。様々な適切な置換基の例は、本出願を通して開示した化合物を参照しても見出される。
【0154】
置換基自体が置換されていてもよい。置換基上に置換された基は、カルボキシル、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アミノカルボニル、−SR42、チオアミド、−SOH、−SO42またはシクロアルキルであってよい。但し、R42は一般に水素、ヒドロキシルまたはアルキルである。
【0155】
置換された置換基が直鎖の基を含む場合、置換は、鎖内で行われても(例えば、2−ヒドロキシプロピル、2−アミノブチル等)、また鎖の末端で行われてもよい(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−シアノプロピル等)。置換された置換基は、共有結合で結合した炭素またはヘテロ原子の直鎖、分鎖または環状の配置であってよい。
【0156】
別段の指定のない限り、本明細書ではっきり定義していない置換基の命名法は、官能基の末端部分を呼び、続いて結合点の方向に隣接する官能基を呼ぶことに帰する。例えば、置換基「アルコキシヘテロアリール」は基(アルコキシ)−(ヘテロアリール)−を指す。
【0157】
本発明の好ましい化合物は、1000ダルトン未満、好ましくは750ダルトン未満の総分子量を有する。本発明の化合物は一般に少なくとも150ダルトンの最小分子量を有する。本発明の好ましい実施形態は、150〜750ダルトンの分子量を有し、より好ましい実施形態は200〜500ダルトンの分子量を有する。本発明の他の実施形態は、300〜450ダルトンの分子量を有する化合物である。本発明の他の態様では、本発明の化合物は350〜400ダルトンの分子量を有する。
【0158】
同様に、上記定義は、許容されない置換パターン(例えば、5フルオロ基で置換されたメチル)を含めようとするものではないことを理解されたい。そうした許容されない置換パターンは当業者によく知られている。
【0159】
「カルボキシ保護基」は、カルボン酸官能基を封鎖するかまたは保護するが、他の官能部位が関与する反応は行われる、一般に使用されるカルボン酸保護エステル基の1つで保護されたカルボニル基を指す。さらに、カルボキシ保護基は固体支持体(solid support)と結合することができ、それによって、その化合物は、加水分解で切断されて対応する遊離酸を放出するまで、カルボキシレートとして固体支持体に連結されて留まる。代表的なカルボキシ保護基には、例えばアルキルエステル、第二アミド等が含まれる。
【0160】
本発明の化合物のいくつかは、非対称に置換された炭素原子を含む。そうした非対称置換炭素原子は、特定の非対称に置換された炭素原子での立体異性体の混合物、または単一の立体異性体を含む本発明の化合物をもたらす。その結果、本発明の化合物のラセミ混合物、鏡像異性体の混合物、ならびに鏡像異性体が本発明に含まれる。本明細書で用いる「S」および「R」配置という用語は、IUPAC1974「RECOMMENDATIONS FOR SECTION E,FUNDAMENTAL STEREOCHEMISTRY」、Pure Appl.Chem.第45巻、13〜30頁、1976年によって定義される通りである。αおよびβという用語は、環状化合物の環の位置に関して用いられる。基準面のα側は、好ましい置換基がより小さい数の位置にある側である。基準面の反対側にある置換基にはβという記述子が割り当てられる。この用法は、「α」が「平面の下方」を意味して絶対配置を表す環状立体母核の場合とは異なることに留意すべきである。本明細書で用いるαおよびβ配置という用語は、「Chemical Abstracts Index Guide」の付属書IV、段落203、1987年に定義される通りである。
【0161】
本明細書で用いる「薬学的に受容可能な塩」という用語は、本発明の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の非毒性の酸またはアルカリ金属塩を指す。これらの塩は、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の最終的な単離および精製の際にその場で、あるいは、その塩基または酸官能基を、適切な有機もしくは無機の酸または塩基とそれぞれ別個に反応させることによって調製することができる。これらに限定されないが、代表的な塩には以下のものが含まれる。すなわち、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩である。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルのクロリド、ブロミドおよびアイオダイドなどのアルキルハライド;メチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルサルフェートのようなジアルキルサルフェート、デシル、ラウリルおよびステアリルのクロリド、ブロミドおよびアイオダイドなどの長鎖ハライド、ベンジルおよびフェネチルのブロミドのようなアラルキルハライドおよびその他などの薬剤で四級化することができる。それによって、水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物が得られる。
【0162】
薬学的に受容可能な酸付加塩を生成させるのに用いられる酸の例には、塩酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸が含まれる。塩基付加塩は、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の最終的な単離および精製の際にその場で調製するか、あるいは、そのカルボン酸部分を、薬学的に受容可能な金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩、あるいはアンモニアまたは有機第一、第二または第三アミンなどの適切な塩基とそれぞれ別個に反応させることによって調製することができる。薬学的に受容可能な塩には、これらに限定されないが、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩等のアルカリやアルカリ土類金属に基づくカチオン、ならびに、これらに限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含む非毒性アンモニウム、四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。塩基付加塩の生成に有用な他の代表的な有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が含まれる。
【0163】
本明細書では「薬学的に受容可能なプロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応等をもたらすことなくヒトおよび下等動物の組織と接触させるのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合っており、かつ目的とする用途に対して効果的である、本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、可能な場合、本発明の化合物の両性形態物を指す。「プロドラッグ」という用語は、例えば血液中での加水分解によって、急速に変換されてインビボで上記式の親化合物をもたらす化合物を指す。その詳細な考察は、Higuchi,T.およびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S.Symposium Series 14、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」in Edward B.Roche(ed.)、American Pharmaceutical Association,Pergamon Press,1987年に提供されている。この両方を参照により本明細書に組み込む。
【0164】
「HSP90媒介障害」という用語は、HSP90の阻害により有利に治療することができる障害を指す。
【0165】
「細胞増殖性疾患」という用語は、例えば癌、腫瘍、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害および炎症を含む疾患を指す。
【0166】
「癌」という用語は、例えば肺癌および気管支癌;前立腺癌;乳癌;膵臓癌;結腸癌および直腸癌;甲状腺癌;胃癌;肝臓癌および肝内胆管癌;腎臓および腎癌、骨盤癌;膀胱癌;子宮体部癌;子宮頸部癌;卵巣癌;多発性骨髄腫;食道癌;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ性白血病;骨髄性白血病;脳癌;口腔癌および咽頭癌;喉頭癌;小腸癌;非ホジキンリンパ腫;メラノーマ;ならびに絨毛結腸腺腫を含む、HSP90の阻害により有利に治療することができる癌疾患を指す。
【0167】
本発明の化合物は、インビトロまたはインビボで、癌細胞の増殖を阻害するのに有用である。化合物は、単独かまたは薬学的に受容可能な担体もしくは賦形剤と一緒に用いることができる。適切な薬学的に受容可能な担体または賦形剤には、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖類、二糖類、でんぷん、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ポリビニル−ピロリジノン、低融点ワックス、イオン交換樹脂等、ならびにそのいずれか2つ以上の組合せなどの加工助剤、および薬物送達の調整剤や促進剤が含まれる。他の適切な薬学的に受容可能な賦形剤は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub.Co.、New Jersey、1991年に記載されている。これを参照により本明細書に組み込む。
【0168】
本発明の化合物の有効量は一般に、本明細書で述べるアッセイのいずれか、または当業者に知られている他のHSP90活性アッセイによって、または癌の症状の阻害もしくは緩和を検出することによって、検出可能なレベルでHSP90活性を阻害するのに十分な任意の量を含む。
【0169】
単一剤形を作製するために担体材料と一緒にすることができる活性成分の量は、治療を受ける宿主や具体的には投与様式に応じて変わることになる。しかし、特定の任意の患者に対する具体的な投与レベルは、用いる具体的な化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、排出速度、薬物の組合せ、ならびに治療を受ける具体的な疾患の重篤度を含む様々な因子に依存することを理解されよう。所与の状況に対する治療有効量は一般的実験により容易に決定することができ、これは、通常の臨床医師の技術および判断の範囲内のものである。
【0170】
本発明のためには、治療有効用量は通常、単一用量または分割用量で宿主に投与される合計日用量であり、それは、例えば1日当たり0.001〜1000mg/kg体重、より好ましくは1日当たり1.0〜30mg/kg体重である。投与単位組成物は、合わせて日用量となるように、複数の約数量を含むことができる。
【0171】
本発明の化合物は、要望に応じて通常の非毒性薬学的に受容可能な担体、補助剤および媒体を含む投与単位処方物で、経口、非経口、舌下、エアロゾルもしくは吸入噴霧、経直腸または局所で投与することができる。局所投与には、経皮パッチまたはイオン泳動装置などの経皮投与も用いることができる。本明細書で用いる非経口という用語には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、または注入技術が含まれる。
【0172】
注射製剤、例えば滅菌した注射用の水性または油性懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の技術によって処方することができる。滅菌注射製剤は、例えば1,3−プロパンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌した注射用液剤または懸濁剤であってもよい。用いることができる許容される媒体や溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁媒体として滅菌した固定油が通常用いられる。このためには、合成のモノ−またはジ−グリセリドを含む任意の無菌性固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用物質の調製に用いられる。
【0173】
薬物の経直腸投与のための坐薬は、薬物を、常温では固体であるが直腸温で液体であり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出することになるココアバターやポリエチレングリコールなどのなどの適切な非刺激性賦形剤と混合して調製することができる。
【0174】
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤が含まれる。そうした固体剤形では、活性化合物を、スクロース、ラクトースまたはでんぷんなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。そうした剤形は、通常の慣行のようにして、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含むことができる。錠剤や丸剤はさらに、腸溶コーティング剤を用いて調製することができる。
【0175】
経口投与用の液体剤形には、水などの当業界で通常用いられる不活性希釈剤を含む薬学的に受容可能な乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。そうした組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、シクロデキストリン、ならびに甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤も含むことができる。
【0176】
本発明の化合物はリポソームの形態で投与することもできる。当業界で知られているように、リポソームは通常、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散された単層または多層状の水和した液晶で形成させることができる。リポソームを形成できる任意の非毒性の生理的に許容される代謝性脂質を用いることができる。本発明の化合物に加えて、リポソーム形態の本発明の組成物は安定剤、保存剤、賦形剤等を含むことができる。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)であり、天然および合成の両方がある。リポソームを形成させる方法は当業界で周知である。例えば、Prescott(ed.)、「Methods in Cell Biology」、第XIV巻、Academic Press, New York、1976年、33頁を参照されたい。
【0177】
本発明の化合物は、単独の活性治療剤として投与することができるが、癌治療に用いられる1種または複数の薬剤と併用して用いることもできる。癌を治療するために本発明の化合物と併用して用いることができる代表的な薬剤には、例えば、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、ゲフィチニブ、バタラニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、エルロチニブ、デクスラゾキサン、グリベック、ハーセプチン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド、イマチニブ、アントラサイクリン、リツキシマブ、トラスツズマブ、トポイソメラーゼI阻害剤、ならびに他の癌化学治療薬が含まれる。
【0178】
本発明の化合物と併用される上記化合物は、Physicians’ Desk Reference(PDR)、第47版(1993年)(これを参照により本明細書に組み込む)に示された治療量で用いるか、当業者に知られている治療に有用な量で用いる。
【0179】
本発明の化合物および他の抗癌剤は、推奨されている最大の臨床用量か、それより少ない用量で投与することができる。本発明の組成物での活性化合物の投与レベルは、投与経路、疾患の重篤度および患者の応答に応じて所望の治療応答が得られるように変えることができる。併用薬は、別個の組成物として、または両方の薬剤を含む単一剤形として投与することができる。併用薬として投与する場合、治療薬は、同時かまたは異なる時間に与えられる別個の組成物として処方するか、あるいは、治療薬を単一組成物として与えることができる。
【0180】
タモキシフェンなどの抗エストロゲンは、細胞周期阻害剤p27Kipの作用を必要とする細胞周期停止の誘導によって、乳癌の増殖を阻害する。最近、Ras−Raf−MAPキナーゼ経路の活性化がp27Kipのリン酸化状態を変え、その結果細胞周期を停止させる際のその阻害活性が弱まり、それによって、抗エストロゲン耐性に寄与することが示されている(Donovanら、J.Biol.Chem.第276巻、40888頁、2001年)。Donovanらによって報告されているように、MEK阻害剤での治療によるMAPKシグナル伝達の阻害は、ホルモン抵抗性乳癌細胞系におけるp27のリン酸化状態を変え、そうすることによって、ホルモン感受性を回復させる。したがって、一態様では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)または(Va)の化合物は、乳癌や前立腺癌などのホルモン依存性癌の治療に用いると、従来の抗癌剤を用いてこれらの癌で一般に見られるホルモン耐性を逆転させることができる。
【0181】
慢性骨髄性白血病(CML)などの血液癌では、染色体転座が、構成的に活性なBCR−ABLチロシンキナーゼに関与している。病気に苦しむ患者は、Ablキナーゼ活性による阻害の結果として、グリベック、小分子チロシンキナーゼ阻害剤に応答する。しかし、進行した疾患を有する多くの患者は最初グリベックに応答するが、続いて、Ablキナーゼドメインにおける耐性を付与する変異のため、後でぶり返すことになる。インビトロでの研究によれば、BCR−Av1はRafキナーゼ経路を用いてその効果を引き出すことが実証されている。さらに、同一経路内で2つ以上のキナーゼを阻害することによって、耐性を付与する変異に対するさらなる保護性が提供される。したがって、本発明の他の態様では、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)または(Va)の化合物は、慢性骨髄性白血病(CML)などの血液癌の治療において、少なくとも1種の追加の薬剤に対する耐性を逆転させるかまたは阻止するために、グリベックなどの少なくとも1種の他の薬剤と併用される。
【0182】
本発明の他の態様では、本発明の1つまたは複数の化合物を含むキットを提供する。代表的なキットは、本発明の2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(V)または(Va)の化合物)およびHSP90阻害量の化合物を投与することによって細胞増殖性疾患を治療ための説明書を含む添付文書または他のラベルを含む。
【0183】
代表的な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物の合成法を実施例1〜8に記載する。調製する代表的な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物を実施例9の表1〜5に示す。
【0184】
一態様では、置換された7−フェニル部分を有する本発明の特定の化合物は、スキーム1に示すようにして調製することができる。還元的アミノ化によりキラルアミン1−Aから作製されたベンジルアミン1−C、およびアルデヒド1−BのWadsworth Emmons同族体化によって作製されるシンナメート1−Dをカップリングさせて共役付加生成物1−Eを得る(Steven D.Bull,Stephen G.Davies,Santiago Delgado−Ballester、Peter M.Kelly,Luke J.Kotchie、Massimo Gianotti、Mario LaderasおよびAndrew D.Smith,J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、2001年、(23)、3112頁)。ベンジル基の除去は、アセトニトリルおよび水の中の1.1当量の硝酸二アンモニウムセリウムを用いて実施する。得られたアミン1−Fを、メチルマロニルクロリド1−Gでアシル化して化合物1−Hを得る。ナトリウムエトキシドなどの塩基で処理するDieckmann縮合によって環化反応を実施する。次いで、得られたラクタムをHClなどの酸で処理して脱炭酸させ、化合物1−Iを得る。塩化アセチルを用いてO−アシル化し、アセトニトリルまたはトルエンなどの沸騰溶媒中で触媒としてのジメチルアミノピリジンで処理して、酢酸基を移動させて化合物I−Jを得る。ピリミジンI−Kは、I−Jをグアニジン/EtOHとジメチルアミンで処理して生成させる。この段階で(またはSuzukiカップリング後に)、硝酸二アンモニウムセリウムまたはトリフルオロ酢酸を用いてパラ−メトキシベンジル基を除去することができる。I−Kのフェニル環を、Suzukiカップリングにより、適切なボロン酸で任意選択で官能化させてビアリール化合物I−Lを得ることができる。続いてパラ−メトキシベンジル基を脱保護してアミンI−Mを得る。
【0185】
【化28】

他の態様では、本発明の特定の化合物は、スキーム2に示すようにして調製することができる。メチルアミンなどの適切なアミンを、シュウ酸および2−Aなどの所望のアルデヒドとエタノール還流下で縮合させて酸2−Bを生成させ、次にこれを、適切なアルコール系溶媒中、0℃で塩化チオニルなどとのエステル化条件下で、対応するエステル2−Cに転換させる。アセトアミド2−Eの生成は、2−Cエステルをジケテン2−Dで処理して実施する。続いて、ナトリウムメトキシドなどの塩基の存在下、マイクロ波による加熱で2−Dを環化させてラクタム2−Fを得る。アミノピリジンの生成は2段階で行われる。第1の段階は、ピロリジンのエタノール系溶液中、マイクロ波条件下でのラクタムの加熱による中間体エナミンの生成であり、第2の段階は、この溶液にグアニジン−HClを加え、続いてマイクロ波加熱する段階である。逆相HPLCによるアミノピリミジン2−Gの単離、続くSuzuki条件下、マイクロ波加熱による適切なアリールボロン酸とのカップリングによって、ビアリール化合物2−Hを得る。
【0186】
【化29】

スキーム3は、本発明の特定の化合物を合成するための別の手段を示す。モレキュラーシーブを用いた、(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタンアミン3−Bおよび水素化ホウ素ナトリウムによるp−アニソール3−Aの還元的アミノ化によってアミン3−Cを得る。続いて、3−Cをn−ブチルリチウムと反応させ適切な桂皮酸エステル3−Dで処理することなどによるアミンアニオンの生成によって、共役付加生成物3−Eを得る。トリフルオロ酢酸で脱保護してアミン3−Fを得る。これは、スキーム2に示し、上記で説明したステップに従って、3−Iに転換させることができる。
【0187】
【化30】

一実施形態では、
(a)式(I)の化合物を酸と反応させて酸付加塩を生成させるステップ、または
(b)式(I)の酸付加塩を反応させて式(I)の遊離塩基化合物を生成させるステップ、または
(c)式(VI)の中間体化合物
【0188】
【化31】

{式中、R、RおよびRは式(I)での定義と同様であり、WはOまたはNR’R’’(R’およびR’’は独立にHまたはアルキルである)である}
をグアニジンまたはグアニジン誘導体と反応させて式(I)の化合物を生成させるステップ
を含む式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0189】
一実施形態では、式(VI)の中間体化合物を提供する。一態様では、Rはメチルである。他の態様では、式(VI)の中間体化合物は式(VII)の化合物である
【0190】
【化32】

(式中、
Rは式(VI)での定義と同様であり、
は水素またはハロであり、
6aはハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される)。
【0191】
式(VI)または(VII)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは水素、非置換アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される。いくつかのそうした実施形態では、Rはメチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチルおよびイソブチルからなる群から選択される。他の実施形態では、Rは水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。さらに他の実施形態では、Rは水素である。
【0192】
いくつかの実施形態では、Rはハロである。いくつかの態様では、Rはフルオロである。
【0193】
他の実施形態では、Rは水素である。
【0194】
いくつかの実施形態では、R6aはハロである。いくつかの態様では、R6aはブロモである。
【0195】
いくつかの実施形態では、RとR6aはどちらもハロである。他の実施形態では、Rはフルオロであり、R6aはブロモである。
【0196】
いくつかの実施形態では、R6aは置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される。
【0197】
いくつかの実施形態では、R6aは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0198】
他の実施形態では、グアニジン誘導体はアセチルグアニジンである。
【0199】
他の実施形態では、式(I)の化合物の作製のために式(VI)または(VII)の化合物を使用することを提供する。
【0200】
以下の実施例を参照することにより、本発明をより容易に理解されよう。これらの実施例は、例示のためだけに提供するものであり、本発明を限定しようとするものではない。
【実施例】
【0201】
以下の実施例を参照して、本発明の化合物を、本明細書で記載の方法または当業界で知られている他の方法を用いて合成した。
【0202】
化合物および/または中間体は、2690Separation Moduleを備えたWaters Milleniumのクロマトグラフィー装置(Milford,MA)を用いる高速液体クロマトグラフ分析(HPLC)により特性評価した。分析カラムはAlltech(Deerfield,IL)のAlltima C−18逆相、4.6×250mmであった。一般に5%アセトニトリル/95%水から出発し、40分間かけて100%アセトニトリルに至る勾配溶離を用いた。すべての溶媒は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含んだ。化合物は、220nmかまたは254nmでの紫外線(UV)吸収により検出した。HPLC溶媒はBurdick and Jackson(Muskegan,MI)またはFisher Scientific(Pittsburgh,PA)から入手した。いくつかの場合、純度は、例えば、Baker−Flexシリカゲル1B2−Fフレキシブルシートなどの、ガラスまたはプラスチックで支持したシリカゲル平板を用いて、薄層クロマトグラフ法(TLC)により評価した。TLCの結果は、紫外光の下で、または周知のヨード蒸気および他の様々な染色法を用いることによって容易に目視で検出された。
【0203】
質量分光分析は、2つのLC/MS装置、すなわちWaters System(Alliance HT HPLCおよび Micromass ZQ質量分析計;カラム:Eclipse XDB−C18、2.1×50mm;溶媒系:0.05%TFAで、水の中に5〜95%(または35〜95%、65〜95%または95〜95%)アセトニトリル;流速0.8mL/分;分子量範囲500〜1500;コーン電圧20V;カラム温度40℃)、あるいは、Hewlett Packard System(Series1100 HPLC;カラム:Eclipse XDB−C18、2.1×50mm;溶媒系:0.05%TFAで、水の中に1〜95%アセトニトリル;流速0.4mL/分;分子量範囲150〜850;コーン電圧50V;カラム温度30℃)のうちの1つを用いて実施した。すべての質量は、プロトン化された親イオンのもので報告した。
【0204】
GCMS分析はHewlett Packardの装置(質量選択検出器5973を備えたHP6890直列ガスクロマトグラフ;注入容積:1μL;初期カラム温度:50℃;最終カラム温度:250℃;立ち上げ時間:20分間;ガス流速:1mL/分;カラム:5%フェニルメチルシロキサン、Model No.HP190915−443、寸法:30.0m×25m×0.25m)で測定する。
【0205】
いくつかの化合物について、Varian300MHz NMR(Palo Alto,CA)を用いて核磁気共鳴(NMR)分析を実施した。スペクトル標準はTMSかまたは溶媒の既知の化学シフトであった。試料の溶解度の増大を促進させるために、いくつかの化合物試料は高温(例えば、75℃)で実施した。
【0206】
本発明のいくつかの化合物の純度は元素分析(Desert Analytics,Tucson,AZ)により評価する。
【0207】
融点はLaboratory Devices Mel−Temp装置(Holliston,MA)で測定する。
【0208】
分取法による分離は、Flash40クロマトグラフィー装置およびKP−Sil、60A(Biotage,Charlottesville,VA)を用いるか、またはシリカゲル(230〜400メッシュ)充填材料を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーか、またはC−18逆相カラムを用いたHPLCによって実施した。Flash 40 Biotage装置およびフラッシュカラムクロマトグラフィーに用いた典型的な溶媒は、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン、水性ヒドロキシアミンおよびトリエチルアミンであった。逆相HPLCに用いた典型的な溶媒は、0.1%のトリフルオロ酢酸を用いてアセトニトリルおよび水の濃度を変化させるものであった。
【0209】
以下は実施例で用いた略号である。
【0210】
aq.:水溶液
Boc:tert−ブトキシカルボニル
BSA:ウシ血清アルブミン
Celite:珪藻土
DCM:ジクロロメタン
eq.:当量
EtN:トリエチルアミン
EtOAc:酢酸エチル
GC:ガスクロマトグラフィー
h:時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
IC50値:測定される活性の50%の低減をもたらす阻害剤の濃度である。
【0211】
L:リットル
LC/MS:液体クロマトグラフィー/質量分析
LRMS:低分解能質量分析
MeOH:メタノール
min:分
mL:ミリリットル
mm:ミリメートル
mM:ミリモルの
mmol:ミリモル
nm:ナノメートル
NMP:N−メチルピロリドン
RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
rt:室温
sat:飽和(した)
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
TRF:時間分解蛍光。
【0212】
本出願で開示する化合物の命名は、ACD Name version 5.07ソフトウェア(2001年11月14日)またはAdvanced Chemistry Development,Inc.から入手できるACD Name Batch version 5.04(2002年5月28日)を用いるか、あるいは、ISIS/BaseのためのAutoNom2000(Automatic Nomenclature)を用いてIUPAC標準化命名法を使用して提供した。他の化合物、中間体および出発物質は標準的IUPAC命名法を用いて称した。
【0213】
本発明による有機化合物は、互変異性の現象を示すことができることを理解されたい。本明細書中の化学構造は、可能性のある互変異性体の1つだけしか表わすことはできないので、本発明は、示した構造の任意の互変異性体を包含することを理解すべきである。
【0214】
本発明は、例示のために本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、上記開示の範囲内あるそのすべての形態を包含することを理解されたい。
【0215】
以下の実施例は、本発明の代表的な化合物を作製するための方法を例示するものである。
【0216】
(実施例1)
本発明の化合物ための代表的な手順
ステップA:α,β−不飽和エステル
【0217】
【化33】

n−ブチルリチウム(84ミリモル)を、N雰囲気下−78℃で、無水THF(176mL)中のトリエチルホスホノ酢酸(88ミリモル)の撹拌溶液に滴下した。この溶液を、−70℃以下の内温に保持しながら、30分間撹拌した。カニューレでホスホン酸塩溶液を、N雰囲気下−78℃で、THF(160mL)中の2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド1−1(80ミリモル)の溶液に移した。得られた溶液を、2時間かけて室温に加温した。NHCl水溶液を加えて反応混合物をクエンチし、次いでEtOAc(×3)で抽出した。有機物を一緒にし、HO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて薄黄色の油状物を得た。冷蔵庫中で冷却した後、白色結晶が生成した。結晶をろ過し、メタノールで洗浄して純粋な化合物1−2を得た。母液を濃縮し、冷却してろ過した。E−エチル3−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)アクリレートの理論収量の大部分が白色結晶として得られるまでこの工程を反復した。
【0218】
ステップB:α,β−不飽和エステルへの非対称アミンの共役付加
【0219】
【化34】

無水THF(116mL)中の(S)−N−ベンジル−1−(4−メトキシフェニル)エタンアミン1−3(58ミリモル)の撹拌溶液に、化合物1−2を加えた。反応物を−78℃に冷却し、N雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウム(56.2ミリモル)を滴下した。添加後、反応混合物を−78℃で40分間撹拌した。次いで、反応混合物をNHCl水溶液とEtOAcに分配させ、EtOAc(×3)で抽出し、有機物を分離し、次いでHO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗油状物を得た。次いでこれをシリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc)で精製して化合物1−4を得た。
【0220】
ステップC:CAN(硝酸二アンモニウムセリウム)脱保護
【0221】
【化35】

出発原料1−4(81.78ミリモル)をアセトニトリル:水(5:1、1.6L)中に溶解した。撹拌しながら、CAN(490.68ミリモル)化合物1−4を3分割して加えた。各添加の間、1時間撹拌を行った。次いで反応物を室温で終夜撹拌した。次に、アセトニトリルを減圧下で除去し、残留した水層をEtOAc(4×400mL)で抽出した。EtOAc層を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して粗生成物化合物1−5を得た。フラッシュカラム(DCM中に5%MeOH)を用いて粗生成物を精製した。
【0222】
ステップD:アシル化
【0223】
【化36】

DCM(26mL)中の遊離アミン1−5(5.27ミリモル)の撹拌溶液に、室温でトリエチルアミン(21.08ミリモル)およびジケテン(6.33ミリモル)を加えた。反応物を、LCMSにより完了したと判定されるまで撹拌した。次いで、混合物を、DCMとNaHCO水溶液に分配させ、DCM(×3)で抽出し、有機層を一緒にし、次いでHO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗油状物を得た。次いで、これをシリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc)で精製して化合物1−6を得た。
【0224】
ステップE:環化
【0225】
【化37】

メタノール(5mL)中の化合物1−6(1.1ミリモル)を含む反応バイアルに、MeOH(0.5mL)中の25%NaOMeを加えた。反応混合物を144℃で5分間マイクロ波加熱した。室温に冷却後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液で希釈し、DCM(×3)で洗浄し、HO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗生成物、ピペリジン−ジオン1−7を得た。これを、次のステップで直接使用した。
【0226】
ステップF:アミノ−ピリミジン−ラクタム
【0227】
【化38】

エタノール(9mL)中のピペリジンジオン1−7(0.915ミリモル)とグアニジンHCl(4.573ミリモル)の混合物に、ピロリジン(18.3ミリモル)を加えた。反応混合物をマイクロ波(PowerMAX設定)中、160℃で10分間処理した。室温に冷却後、反応混合物をDCM(×3)で抽出し、次いでHO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗生成物1−8を得た。次いで、これをシリカゲルカラム(EtOAc)で精製した。
【0228】
ステップG:Suzukiカップリング
【0229】
【化39】

DMA中のアミノ−ピリミジン−ラクタム1−8(1当量)、ボロン酸またはエステル(4当量)に、Pd(dppf)Cl(0.4当量)および2M KCO(8当量)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中、120℃で15分間処理した。室温に冷却した後、反応混合物をDCM(×3)で希釈し、HO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。次いでこれを、逆相分取HPLCで精製して純粋なHSP90阻害剤を得た。
【0230】
(実施例2)
本発明の代表的なN−アルキル化化合物の合成
ステップA:還元的アミノ化
【0231】
【化40】

DCM中の遊離アミン1−5(1当量)、アルデヒド2−1(1当量)の撹拌溶液に、室温でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.1当量)を加えた。反応物を、LCMSにより完了したと判定されるまで室温で撹拌した。次いで混合物を、DCMとNaHCO水溶液に分配させ、DCM(×3)で抽出し、有機物を一緒にし、次いでHO(×3)、飽和ブライン(×3)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて粗生成物の化合物2−2を得た。これを次の反応に直接使用した。
【0232】
ステップB〜E:アシル化、環化、アミノ−ピリミジン−ラクタム生成、Suzukiカップリング
【0233】
【化41】

ステップBからステップEは、実施例1のステップEからステップGと同じであった。
ステップF:脱保護
【0234】
【化42】

DCM中のBoc−保護N−アルキル化ラクタムの溶液を、50%TFAで処理した。反応混合物を室温で撹拌した。完了後、反応混合物を濃縮し、逆相分取HPLCで精製して純粋な化合物を得た。
【0235】
本発明の他のアルキル化アミン化合物を同様の方法で調製した。
【0236】
(実施例3)
【0237】
【化43】

ナトリウムメトキシド(メタノール中に25重量%、0.193モル)、酢酸メチル(0.0644モル)および100mL無水メタノールの混合物を窒素雰囲気下室温で1時間撹拌した。次いでニートなアミド1−6(24.1g、0.0644モル)を加えた。反応物を窒素雰囲気下で1時間還流させ、次いで内温が85℃に達するまで溶媒を徐々に留出させた。1−6が完全に消費されるまで反応をHPLCで監視した。反応物を室温に冷却し、残留する溶媒を減圧下で除去した。残留物を100mLの水の中に溶解し、次いで氷/水浴中で5℃に冷却した。この溶液に、1N HClを加えてpH=1とした。その間、内温は10℃未満に保持した。滑らかに流動する懸濁液が形成されるまで混合物を撹拌し、次いでろ過した。集めた固体を水(100mL×3)で洗浄し、終夜空気乾燥して20.7gのラクタム1−7を淡黄色の固体として98.1%の収率、純度98.3%(HPLC面積比)で得た。
【0238】
(実施例4)
【0239】
【化44】

ステップ1:
500mL丸底フラスコに、無水THF(50mL)、チタンエトキシド(41mL)、(S)−(−)−tert−ブタンスルフィンアミド(Advanced Asymmetrics、12.0g、99.1ミリモル、1.1当量)および2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド4.1(Matrix Scientific,cat.# 011279、18.2g、90.1ミリモル、1.0当量)をチャージした。得られた反応混合物をN雰囲気下、室温で4時間撹拌した。LCMSで監視して反応が完了したら、反応混合物をEtOAc(360mL)で希釈し、激しく撹拌しながらブライン(200mL)とセライト(celite)の混合物を加えた。得られたエマルジョンをセライト充填物でろ過し、EtOAc(200mL)で洗浄した。ろ液を分離漏斗に移し、水層を除去した。有機物をブライン(200mL)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、真空下で濃縮して4.2を、静置すると固化する黄色油状物として得た(26.5g、86.3ミリモル、96%)。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.86 (s, 1H), 8.03 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 1.11 (s, 9H) LCMS m/z 307.9 (MH), t = 3.22分。
【0240】
ステップ2:
三ッ口の100mL丸底フラスコ、還流凝縮器および添加漏斗を終夜オーブン乾燥した。オーブンから取り出し、これらを組み立てて、N正圧下に置き、室温に冷却した。フラスコに、Zn粉末(21.3g、326.0ミリモル、15.0当量)、CuCl(32.6g、32.6.ミリモル、1.5当量)および無水THF(60mL)をチャージした。得られた反応混合物を還流温度(浴温約90℃)に加熱し、オ−バヘッドスターラーで30分間激しく撹拌した。反応物を油浴から取り出し(激しい撹拌は維持しながら)、次いで添加漏斗にエチルブロモ酢酸(3.6mL、32.6ミリモル、1.5当量)および無水THF(30mL)をチャージした。エチルブロモ酢酸の添加は、反応混合物の穏やかな還流が維持されるような速度としなければならない。添加が完了したら、反応混合物をさらに20分間撹拌し、次いで50℃で30分間加熱した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、添加漏斗に4.2(6.60g、21.5ミリモル、1.0当量)および無水THF(20mL)をチャージした。次いでこの溶液を反応混合物に滴下し、これを0℃でさらに4時間撹拌した。LCMSで判定して反応が完了したら、反応混合物をセライト充填物でろ過し、Znおよびろ過充填物をEtO(2×100mL)で洗浄した。ろ液を0.25Mクエン酸(200mL)、飽和NaHCO水溶液(2×200mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、真空下で濃縮して4.3(7.30g、18.4ミリモル、86%)を透明油状物として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.39 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.92 (d, J = 5.4, 2H), 4.1 (m, 2H), 2.90 (ddd, J = , J = , J = , 2H), 1.22 (m, 3H, 9H). LCMS m/z 396.0 (MH), t = 2.96分. HPLC(frac_10分_2070%B)、t=4.108(大量成分ジアステレオマー)、t=3.962(Claisen縮合副生物)t=3.888(少量成分ジアステレオマー)、95.5:2.1:2.1.de=96%。
【0241】
ステップ3:
500mL丸底フラスコに、4.3(7.30g、18.4ミリモル、1.0当量)、EtO(37mL)、EtOH(1.2mL、1.1当量)およびEtO(37mL、2.0当量)中の4M HClをチャージした。反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、固体をEtO(3×40mL)およびヘキサン(2×40mL)で磨砕した。固体を真空下で乾燥して4.4を白色固体(5.23g、15.2ミリモル、83%)として得た。H NMR (300 MHz, CDOD) δ 7.61 (m, 2H), 7.33 (m, 1H), 5.18 (m, 1H), 4.85 (bs, 3H), 4.13 (q, J = 7.2, 2H), 3.15 (ddd, 2H), 1.22 (t, J = 7.5, 3H) LCMS m/z 292.0 (MH), t = 1.97分. 遊離塩基、HCL塩4.4(50mg)をEtOAc(20mL)中に溶解し、10%NaCO(3×20mL)で洗浄した。有機物を脱水し(NaSO)、真空下で濃縮して遊離塩基を得た。最終のβ−アミノエステル生成物のラセミ混合物を調製し、キラルHPLCで分析して、鏡像異性体が分離されていることを確認した(Chiralpak ADカラム、1mL/分、S,t=5.84;R,t=7.47分)。
【0242】
(実施例5)
【0243】
【化45】

ステップ1:
250mL丸底フラスコに、無水THF(54mL)、チタンエトキシド(18.25g、3当量)、(S)−(−)−tert−ブタンスルフィンアミド(4.85g、1.5当量)および5−ブロモチアゾール−4−カルバルデヒド5.1(5.12g、1.0当量)をチャージした。得られた反応混合物をN雰囲気下、室温で撹拌した。LCMSで監視して反応が完了したら、反応混合物をEtOAc(360mL)で希釈し、激しく撹拌しながらブライン(200mL)とセライトの混合物を加えた。得られたエマルジョンをセライト充填物でろ過し、EtOAc(200mL)で洗浄した。ろ液を分離漏斗に移し、水層を除去した。有機物をブライン(200mL)で洗浄し、次いで脱水し(NaSO)、真空下で濃縮して5.2を黄色油状物(7.9g、100%)として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.88 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 1.21 (s, 9H) LCMS m/z 296.9 (MH), t = 2.35分。
【0244】
ステップ2:
三ッ口の100mL丸底フラスコ、還流凝縮器および添加漏斗を終夜オーブン乾燥した。オーブンから取り出し、これらを組み立てて、N正圧下に置き、室温に冷却した。フラスコに、Zn粉末(25.4g、400.0ミリモル、15.0当量)、CuCl(3.96g、40.ミリモル、1.5当量)および無水THF(80mL)をチャージした。得られた反応混合物を還流温度(浴温約90℃)に加熱し、オ−バヘッドスターラーで30分間激しく撹拌した。反応物を油浴から取り出し(激しい撹拌は維持しながら)、次いで添加漏斗に、エチルブロモ酢酸(6.68g、40ミリモル、1.5当量)および無水THF(40mL)をチャージした。エチルブロモ酢酸の添加は、反応混合物の穏やかな還流が維持されるような速度としなければならない。添加が完了したら、反応混合物をさらに30分間撹拌し、次いで50℃で30分間加熱した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、添加漏斗に5.2(26.67ミリモル、1.0当量)および無水THF(27mL)をチャージした。次いでこの溶液を反応混合物に滴下し、これを0℃でさらに4時間撹拌した。LCMSで判定して反応が完了したら、反応混合物をセライト充填物でろ過し、Znおよびろ過充填物をEtO(2×100mL)で洗浄した。ろ液を0.25Mクエン酸(200mL)、飽和NaHCO(aq)(2×200mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、真空下で濃縮して5.3(10g)を透明油状物として得た。
【0245】
ステップ3:
500mL丸底フラスコに、5.3(10g、26.67ミリモル、1.0当量)、EtO(27mL)、EtOH(1.7mL)およびEtO(53mL、2.0当量)中の4M HClをチャージした。反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、固体をEtO(3×40mL)およびヘキサン(2×40mL)で磨砕した。固体を真空下で乾燥して5.4を白色固体(6.6g、88.7%)として得た。
LCMS m/z 280.9(MH)、t=1.63分。
【0246】
(実施例6)
(R)−2−アミノ−7−(2−(シクロペンチルオキシ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オンの調製
【0247】
【化46】

マイクロ波バイアルに、(R)−2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン、炭酸セシウム(2当量)、ヨウ化銅(I)(10モル%)、1,10−フェナントロリン(20モル%)およびシクロペンタノールをチャージした。反応混合物を、マイクロ波照射により180℃の温度で20分間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を濃縮し、逆相HPLCで精製して(R)−2−アミノ−7−(2−(シクロペンチルオキシ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン(m/z=357(M+H))を得た。
【0248】
(実施例7)
【0249】
【化47】

アミノエステルヒドロクロリド7.1(実施例1の一般的手順により調製)を塩化メチレンに取り、得られた溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(3当量)を加え、続いてメチルマロニルクロリド(1.3当量)を加えた。反応物を2時間撹拌し、水と塩化メチレンに分配させた。層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮して化合物7.2を71%の収率で得た。
【0250】
化合物7.2をメタノール中に溶解し、それに新たに調製したメタノール中の4.2Mナトリウムメトキシドを加えた。反応容器を密封し、140℃(マイクロ波)で10分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、1M塩酸水溶液と塩化メチレンに分配させた。有機層と水層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮して化合物7.3を93%の収率で得た。
【0251】
化合物7.3を1%の水を含むアセトニトリルに取った。反応容器を密封し、120℃(マイクロ波)で10分間加熱した。真空下で濃縮して化合物7.4を定量的収率で得た。
【0252】
化合物7.4をジメチルアセトアミドジメチルアセタールに取り、140℃で5分間加熱した。室温に冷却し、真空下で濃縮して7.5を橙色の固体として得た。これを、直ちにエタノール中のジメチルアミンの5.0M溶液に取った。アセチルグアニジン(1.5当量)を加え、得られた混合物を140℃で10分間加熱した。粗反応混合物を真空下で濃縮し、得られた固体7.6を精製することなく使用した。
【0253】
ブロミド7.6をジメトキシエタンと2M炭酸ナトリウム水溶液の1:1の混合物に取った。ボロン酸6−メトキシ−ピラジン−2−イルボロン酸を加え、続いてPd(dppf)Cl.CHClを加えた。反応混合物を120℃で10分間加熱した(マイクロ波)。室温に冷却後、複数の層を分離し、有機層を窒素気流下で濃縮した。逆相HPLCにより精製して化合物7.7を得た。
【0254】
(実施例8)
(R)−2−アミノ−7−[5−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−チアゾール−4−イル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オンの調製
【0255】
【化48】

上記に示すようにして化合物88を5.4から調製した。その合成は実施例5に示している。示した試薬を用いて実施例1の一般的手順に従って、化合物5.4を88に転換させる。
【0256】
(実施例9)
代表的な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物
代表的な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物を表1〜5に示す。表では、m/zは質量分析で観察された分子イオンを指す。
【0257】
表1.代表的な2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物
【0258】
【化49】

【0259】
【化50】

【0260】
【化51】

【0261】
【化52】

【0262】
【化53】

【0263】
【化54】

【0264】
【化55】

【0265】
【化56】

【0266】
【化57】

【0267】
【化58】

【0268】
【化59】

【0269】
【化60】

【0270】
【化61】

【0271】
【化62】

【0272】
【化63】

【0273】
【化64】

【0274】
【化65】

【0275】
【化66】

【0276】
【化67】

【0277】
【化68】

【0278】
【化69】

【0279】
【化70】

【0280】
【化71】

【0281】
【化72】

【0282】
【化73】

【0283】
【化74】

【0284】
【化75】

【0285】
【化76】

【0286】
【化77】

【0287】
【化78】

【0288】
【化79】

【0289】
【化80】

【0290】
【化81】

【0291】
【化82】

【0292】
【化83】

【0293】
【化84】

【0294】
【化85】

【0295】
【化86】

【0296】
【化87】

【0297】
【化88】

【0298】
【化89】

【0299】
【化90】

【0300】
【化91】

【0301】
【化92】

実施例10に記載した手順を用いて、表1〜5の中の特定の化合物が、25μM未満のIC50でHSP90阻害活性を有することを示した。いくつかの化合物は約10μM未満のIC50を有している。
【0302】
(実施例10)
HSP90阻害剤の結合能:TRF結合アッセイ
この実施例では、TRF結合アッセイで測定したHSP90阻害剤の結合能を説明する。
【0303】
TRF競合結合アッセイを実施してHSP90阻害剤の結合能(IC50値)を測定する。HSP90α(HSP90α GeneID:3320;mRNA Sequence NM_005348)の精製したHisタグ付きN末端ATP結合ドメイン(アミノ酸残基9−236)を、結合緩衝液(50mM HEPES、6mM MgCl、20mM KClおよび0.1%BSA)中で、ビオチン化ラジシコール、濃度を徐々に増加させた競合化合物を用いて室温で2時間インキュベートした。混合物の一部を捕獲板(ストレプトアビジンでコーティングされている)に移し、室温で1時間インキュベートした。DELFIA洗浄用緩衝液で洗浄した後、ユウロピウムで標識化した抗his抗体を加え、室温で2時間インキュベートし、続いてDELFIA緩衝液で洗浄した。次いでDELFIA増強試薬を加えた。10分間緩やかに振とうさせた後、プレートのユウロピウムカウント数をVICTORで読んだ。
【0304】
注記:IC50値は、以下の文献に公開されている方法を用いて測定することも可能である:
1. Carreras, C. W., A. Schirmerら、(2003). “Filter binding assay for the geldanamycin−heat shock protein 90 interaction.” Anal Biochem 317(1): 40−6;
2. Kim, J., S. Feltsら、(2004). “Development of a fluorescence polarization assay for the molecular chaperone HSP90.” J Biomol Screen 9(5): 375−81;および
3. Zhou, V., S. Hanら、(2004). “A time−resolved fluorescence resonance energy transfer−based HTS assay and a surface plasmon resonance−based binding assay for heat shock protein 90 inhibitors.” Anal Biochem 331(2): 349−57。
【0305】
本発明の好ましい実施形態を例示し説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更を加えることができることを理解されよう。
【0306】
(引用文献)
本明細書において以下の文献を参照した。
【0307】
【表1】

【0308】
【表2】

【0309】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
は、
(1)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(2)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(3)置換または非置換アリール、
(4)置換または非置換ヘテロアリール、および
(5)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
但し、Rがアミノである場合、Rはフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニルではない、
化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がC〜CアルキルまたはハロC〜Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がメチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
がアリールまたはヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が置換フェニル、置換ピリジル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換インドリル、置換チアゾリルおよび置換チエニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリルおよびチエニルが、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールで置換されている、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリルおよびチエニルがハロで置換されている、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記ハロがフルオロである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Rが水素、非置換アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Rが水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式(Ia)
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、ここで、
R、RおよびRは式(I)について先に定義した通りである、
化合物。
【請求項14】
式(II)
【化3】

を有する請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
nは0または1であり、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
nが1である場合、XはCであり、Yは各位置でCQおよびNから独立に選択され、ZはCRおよびNから選択され、但し、3つ以下のYおよびZ基はNであり、
nが0である場合、XはCまたはNであり、Yは各位置でCQ、N、NQ、OおよびSから独立に選択され、但し、4つ以下のXおよびY基はNおよびNQであり、1つ以下のY基はSまたはOであり、
は各位置で、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、
(4)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(5)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(7)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(8)置換または非置換アリール、
(9)置換または非置換ヘテロアリール、
(10)置換または非置換ヘテロシクリル、
(11)置換または非置換アミノ、
(12)−ORまたは−SR
(13)−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−S(O)R、−SOまたは−SON(R
(14)−OC(O)R、−N(R)C(O)Rまたは−N(R)SO
(15)−CN、および
(16)−NO
からなる群から独立に選択され、
は各位置で、
(1)水素、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、
(4)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(5)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(7)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(8)置換または非置換アリール、
(9)置換または非置換ヘテロアリール、および
(10)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から独立に選択され、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換または非置換C〜Cアルキル、および
(4)−OR、−SRまたは−NHR
からなる群から選択され、
は各位置で、
(1)水素、
(2)置換または非置換C〜Cアルキル、
(3)置換または非置換C〜Cアルケニル、
(4)置換または非置換C〜Cアルキニル、
(5)置換または非置換C〜Cシクロアルキル、
(6)置換または非置換C〜Cシクロアルケニル、
(7)置換または非置換アリール、
(8)置換または非置換ヘテロアリール、および
(9)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から独立に選択され、
但し、Rがアミノである場合、X、Y、Zおよびnは一緒になってフェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニルまたは4−ハロ−フェニル基を形成することはない、
化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項15】
が水素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が置換または非置換C〜Cアルキルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
がメチルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
またはQのうちの1つが、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換C〜Cシクロアルキルおよび置換または非置換C〜Cシクロアルケニルからなる群から選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項19】
前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cシクロアルケニルが、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
またはQのうちの1つが、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式(IIa)
【化4】

を有する請求項14に記載の化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
、R、X、Y、Zおよびnは式(II)について先に定義した通りである、
化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項22】
式(III)
【化5】

を有する請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換または非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ
(9)置換または非置換アリール、
(10)置換または非置換ヘテロアリール、および
(11)置換または非置換ヘテロシクリル
からなる群から選択され、
は水素または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり、
は水素、アルキル、アルコキシまたはハロであり、
、R、RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
但し、Rがアミノであり、R、R、RおよびRが水素である場合、Rは水素でも、アルキルでも、アルコキシでも、ハロでもない、
化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項23】
が水素である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
が置換または非置換C〜Cアルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
がメチルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
が、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
が水素である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
が水素またはフルオロである、請求項22に記載の化合物。
【請求項29】
、RおよびRがそれぞれ水素である、請求項22に記載の化合物。
【請求項30】
が置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項31】
前記アリールおよびヘテロアリールが、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
が、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
式(IIIa)
【化6】

を有する請求項22に記載の化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
、R、X、Y、Zおよびnは式(III)について先に定義した通りであり、但し、Rがアミノであり、R、R、RおよびRが水素である場合、Rは水素でも、アルキルでも、アルコキシでも、ハロでもない、
化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項34】
式(IV)
【化7】

を有する請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
は水素または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり、
は水素またはハロであり、
6aは水素、ハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される、
化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項35】
が、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピルおよび2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
が水素またはフルオロである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
6aが置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
前記アリールおよびヘテロアリールが、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびチエニルからなる群から選択される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
6aが、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
式(IVa)
【化8】

を有する請求項34に記載の化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグであって、ここで、
、RおよびR6aは式(IV)について先に定義した通りである、
化合物もしくはその互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグ。
【請求項41】
式(V)
【化9】

を有する、請求項14に記載の化合物であって、ここで、
10およびR11は独立してQであり、R、R、QおよびQは式(II)について先に定義した通りである、
化合物。
【請求項42】
式(Va)
【化10】

を有する、請求項41に記載の化合物であって、ここで、
10およびR11は独立にQであり、R、R、QおよびQは式(V)について先に定義した通りである、
化合物。
【請求項43】
表1〜5から選択される請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩。
【請求項44】
薬学的に受容可能な担体と、請求項1から43のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物。
【請求項45】
イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、イマチニブ、トラスツズマブ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド、ゲフィチニブ、バタラニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、エルロチニブ、デクスラゾキサン、アントラサイクリンおよびリツキシマブからなる群から選択される少なくとも1種の追加の薬剤をさらに含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
HSP90活性を調節することによって状態を治療するための方法であって、そうした治療を必要とするヒトまたは動物被験体に、有効量の請求項44に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項47】
前記状態が癌である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
HSP90活性を調節することによってヒトまたは動物被験体の状態を治療するための医薬品の製造における、請求項1から43のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項49】
前記状態が癌である、請求項48に記載の使用。
【請求項50】
癌の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物。
【請求項51】
式(I)の請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体、互変異性体、薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグを調製するための方法であって、該方法は、
(a)式(I)の化合物を酸と反応させて酸付加塩を形成させる工程、または
(b)式(I)の酸付加塩を反応させて式(I)の遊離塩基化合物を形成させる工程、または
(c)式(VI)
【化11】

の中間体化合物をグアニジンまたはグアニジン誘導体と反応させて式(I)の化合物を形成させる工程であって、ここで、R、RおよびRは式(I)について定義した通りであり、WはOまたはNR’R’’であり、R’およびR’’は独立してHまたはアルキルである、工程
を包含する、方法。
【請求項52】
式(VI)を有する、請求項51に記載の中間体化合物。
【請求項53】
がメチルである、請求項52に記載の中間体化合物。
【請求項54】
式(VII)
【化12】

を有する、請求項52に記載の中間体化合物であって、ここで、
Rは式(VI)について定義した通りであり、
は水素またはハロであり、R6aはハロ、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールからなる群から選択される、
中間体化合物。

【公表番号】特表2009−510108(P2009−510108A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533697(P2008−533697)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/038181
【国際公開番号】WO2007/041362
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】