説明

2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩

【課題】ヒトを含む哺乳動物において、中枢神経系(CNS)の障害および他の障害を治療する方法、ならびに医薬組成物を提供する。
【解決手段】銅放射線を用いて測定したとき、2θが15.8、21.0および26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する、2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩、および、薬学的に許容できる担体とこのコハク酸塩とを含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩、ならびにヒトを含む哺乳動物において、その哺乳動物にこのコハク酸塩を投与することによって中枢神経系(CNS)の障害および他の障害を治療する方法に関する。本発明はまた、薬学的に許容できる担体とそのコハク酸塩とを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)のそのそれぞれのヌクレオチド一リン酸への加水分解に関与するクラスの細胞内酵素である。環状ヌクレオチドのcAMPおよびcGMPは、それぞれアデニリルシクラーゼおよびグアニリルシクラーゼによって合成され、いくつかの細胞性経路において二次メッセンジャーとして役立つ。
【0003】
cAMPおよびcGMPは、特に中枢神経系のニューロンにおいて、莫大な一連の細胞内プロセスを調節する細胞内二次メッセンジャーとして機能する。ニューロンにおいて、そのプロセスには、cAMPおよびcGMP依存性キナーゼの活性化、ならびにシナプス伝達の鋭い調節に加えてニューロンの分化および生存にも関与するその後のタンパク質のリン酸化が含まれる。環状ヌクレオチドシグナル伝達の複雑さは、cAMPおよびcGMPの合成および分解に関与する酵素の分子が多様であることによって示唆される。アデニリルシクラーゼは少なくとも10ファミリー、グアニリルシクラーゼは2ファミリー、ホスホジエステラーゼは11ファミリー存在する。さらに、異なる種類のニューロンが、これらのクラスそれぞれの複数のアイソザイムを発現することがわかっており、所与のニューロン内の異なるアイソザイムが区分され、その機能が特殊であることの証拠は十分である。
【0004】
環状ヌクレオチドシグナル伝達を調節するための主要な機序は、ホスホジエステラーゼによって触媒される環状ヌクレオチドの異化によるものである。21種の異なる遺伝子によってコードされる11ファミリーのPDEが知られている。各遺伝子は通常、複数のスプライスバリアントをもたらすが、これがさらにアイソザイムの多様性の一因となっている。PDEファミリーは、環状ヌクレオチド基質への特異性、調節機序、および阻害剤に対する感受性に基づき、機能において識別される。さらに、PDEは、中枢神経系中を含む生物中のいたるところで示差的に発現される。これらの異なる酵素活性および局在性の結果として、異なるPDEのアイソザイムが異なる生理機能を受け持つ場合もある。さらにまた、異なるPDEファミリーまたはアイソザイムを選択的に阻害することのできる化合物は、特定の治療効果、より少ない副作用、またはこの両方を提供し得る。
【0005】
PDE10は、主要なアミノ酸配列および特徴的な酵素活性に基づき、独特のファミリーとして同定される。ESTデータベースの相同スクリーニングによって、PDEのPDE10ファミリー最初のメンバーとしてマウスPDE10Aが明らかになった(Fujishigeら、J.Biol.Chem.第274巻:18438〜18445ページ、1999年;Loughney,K.ら、Gene第234巻:109〜117ページ、1999年)。このネズミ相同体は、クローン化もされており(Soderling,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第96巻:7071〜7076ページ、1999年)、ラットおよびヒトの両方の遺伝子のN末端スプライスバリアントが同定されている(Kotera,J.ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.第261巻:551〜557ページ、1999年;Fujishige,K.ら、Eur.J.Biochem.第266巻:1118〜1127ページ、1999年)。種を超えて高い相同性が存在する。マウスPDE10A1は、cAMPおよびcGMPをそれぞれAMPおよびGMPに加水分解する779アミノ酸のタンパク質である。cAMPに対するPDE10の親和性(Km=0.05μM)は、cGMPに対するもの(Km=3μM)より高い。しかし、cGMPに対するVmaxがcAMPの約5倍であることから、PDE10が、cAMPによって阻害される特有のcGMPaseであるという提唱が導かれた(Fujishigeら、J.Biol.Chem.第274巻:18438〜18445ページ、1999年)。
【0006】
PDE10ファミリーのポリペプチドは、以前から同定されているPDEファミリーと比べて配列相同性の程度が低く、他のPDEファミリーに特異的であることがわかっているある種の阻害剤に対して非感受性であることが示されている。参照により本明細書に援用される米国特許第6350603号。
【0007】
PDE10はまた、他のPDEファミリーと比較して独特なことに哺乳動物中で局在している。PDE10のmRNAは、睾丸および脳においてのみ高度に発現される(Fujishige,K.ら、Eur J Biochem.第266巻:1118〜1127ページ、1999年;Soderling,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.第96巻:7071〜7076ページ、1999年;Loughney,K.ら、Gene第234巻:109〜117ページ、1999年)。これらの初期の研究は、脳内では、線条体(尾状核および被殻)、側坐核、および嗅結節においてPDE10の発現が最も高いことを示唆している。より最近では、PDE10 mRNA(Seeger,T.F.ら、Abst.Soc.Neurosci.第26巻:345.10、2000年)およびPDE10タンパク質(Menniti,F.S.、Stick,C.A.、Seeger,T.F.、およびRyan,A.M.、Immunohistochemical localization of PDE10 in the rat brain、William Harvey Research Conference「Phosphodiesterase in Health and Disease」、ポルトガル国ポルト、2001年12月5日〜7日)について、げっ歯類脳における発現パターンの詳細な分析が行われている。
【0008】
閉塞性肺疾患、アレルギー、高血圧、狭心症、うっ血性心不全、うつ病、および勃起不全を含む、PDE阻害剤の様々な治療用途が報告されている(参照により本明細書に援用されるWO01/41807A2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、式Iによって表される2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩(「コハク酸塩」)を提供する。
【0010】
【化1】

【0011】
式Iのキノリン化合物の別名は、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−キノリンである。コハク酸塩(succinate salt)は一般に、コハク酸塩(succinic acid salt)として知られている場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のコハク酸塩は、統合失調症および他のCNS疾患の治療において有用なPDE10阻害剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では、用語「塩」または「コハク酸塩」は、コハク酸と、イオン結合および/もしくは水素結合を含む結合によって固体状態で結合しているキノリン化合物(式1)とを含有するすべての固体形態を含む意味である。
【0014】
創薬の過程では、一般に、薬物の最も安定な結晶形態を発見することが重要であると考えられる。その最も安定な結晶形態とは、化学的な安定性が最も良好であり、したがって製剤の貯蔵寿命が最も長いであろう形態である。最も安定な形態の探索は難儀であり、成果は予想どおりには得られない。
【0015】
本明細書では、「結晶性」とは、長い範囲の規則正しい分子構造を有する材料を意味する。結晶形の結晶化度は、例えば、粉末X線回折、水分吸着、示差走査熱量測定、溶液熱量測定、偏光顕微鏡観察、および溶解特性を含む多くの技術によって測定することができる。
【0016】
結晶性の有機化合物は、三次元空間に周期的な整列状態で並んだ非常に多くの原子からなる。構造上の周期現象は、通常は、ほとんどの分光プローブ(例えば、X線回折、赤外線、固体NMR)によって、鋭い明確なスペクトルの特徴などの異なる物理的性質を表す。X線回折(XRD)は、固体の結晶化度を測定するための最も高感度の方法の1つであると認められている。結晶は、ブラッグの法則によって予測される格子面間隔と一致する特定の角度で生じる明確な回折極大をもたらす。一方、非晶質の材料は、長い範囲の規則正しい配列をもたない。非晶質材料はしばしば、液体状態でのように、分子間に付加的な体積を保持する。非晶質固体は通常、繰返しの結晶格子からなる長い範囲の規則正しい配列を欠くために、広い拡散したハローを伴う特色のないXRDパターンを示す。
【0017】
報告によれば、粉末X線回折(PXRD)が、有機化合物(例えば、医薬組成物中で有用な化合物)の異なる結晶形の特徴付けに使用されている。例えば、米国特許第5504216号(Holohanら)、第5721359号(Dunnら)、第5910588号(Wangnickら)、第6066647号(Douglasら)、第6225474号(Matsumotoら)、第6239141号(Allenら)、第6251355号(Murataら)、第6288057号(Harkness)、第6316672号(Stowellら)、および第6329364号(Groleau)を参照されたい。
【0018】
結晶性材料は、多くの医薬としての用途において好ましい。結晶形態は一般に、同じ物質の非晶質形態よりも熱力学的に安定である。この熱力学的な安定性が、結晶形態のより低い溶解性および改善された物理的安定性に反映されることが好ましい。結晶固体中の分子の規則的な充填が、化学的不純物の混入を拒むことが好ましい。したがって、結晶性材料は一般に、その非晶質の対応物より高い化学純度を有する。結晶固体の充填は一般に、分子を十分に限定された格子位置に拘束し、化学反応の必要条件である分子の可動性を低減する。したがって、結晶固体は、注目に値するごくわずかな例外を除いては、同じ分子の組成物の非晶質固体よりも化学的に安定である。
【0019】
本発明のコハク酸塩の結晶多形の結晶形態は、図1で示す粉末X線回折プロフィールを有する。特徴的な回折ピークとは、本明細書では、形態を同定するための特有のピークである。好ましくは、特徴的なピークは、回折パターン中で最も強烈な約20のピーク、より好ましくは最も強烈な約10のピーク、最も好ましくは最も強烈な約3〜5のピークから選択される。
【0020】
薬物形態がヒトまたは動物の治療に実際に有用となるためには、薬物形態が非潮解性であり、より詳細には最小限の吸湿性を示すことも望ましい。吸湿性の高い薬物を含有する剤形は、保護性の包装を必要とし、湿気のある環境で保存されれば、変更された溶解を示す場合もある。したがって、薬物の非吸湿性の結晶性塩を同定することが望ましい。
【0021】
結晶性または非結晶性の薬物は、無水の形態で、あるいは水和物もしくは溶媒和物または水和物/溶媒和物として存在する場合がある。薬物の水和状態および溶媒和状態は、その溶解性および溶解挙動に影響を及ぼす。用語「溶媒和物」は、本明細書では、活性医薬成分(API)分子と溶媒分子の固体状態での会合について述べるのに使用する。通常、固体状態の結晶格子中に組み込まれた溶媒分子を使用して溶液からAPIが結晶化されるが、この調製方法に限定されない。用語「水和物」は、当該溶媒が水であるときに使用する。
【0022】
薬物の製造において融点も重要な物理的側面である。市販の錠剤成形機での錠剤の製造を可能にするには、薬物の融点が、錠剤製造中の薬物の融解を防ぐために約60℃より高い、好ましくは100℃より高い、より好ましくは120℃より高いことが望ましい。この場合の好ましい薬物形態は、最も高い融点を有するものである。さらに、直射日光の下、および赤道付近などの地理的な領域で起こる高い周囲貯蔵温度で固体剤形中の固体薬物の化学的安定性を保証するためにも、融点が高いことが望ましい。
【0023】
2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩は、その医薬としての製剤を可能にするのに必要な特性を有するという利点をもつことが発見された。すなわち、このコハク酸塩は、潮解性でなく、融点が高く、非吸湿性であり、形態が結晶性である。
【0024】
式Iのコハク酸塩は、異なる多形で存在する場合があり、それらはすべて本発明に含まれる。
【0025】
本発明は、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量または質量数がその原子質量または質量と異なる原子によって置換されている、2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンの塩の薬学的に許容できるすべての同位体標識された化合物を含む。
【0026】
本発明の式Iのコハク酸塩は、無水形態ならびにその溶媒和物または水和物を含む。この塩は、これらだけに限定するものではないが、水、アセトン;エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールといったアルコールなどの溶媒と溶媒和物または水和物を形成する。
【0027】
式Iのコハク酸塩は、無水であることが好ましい。
【0028】
本発明の実施形態では、コハク酸塩は、銅放射線を用いて測定したとき、2θが12.2、15.8、16.7、21.0、24.2および/または26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
【0029】
別の実施形態では、コハク酸塩は、銅放射線を用いて測定したとき、2θが15.8、21.0および26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
【0030】
別の実施形態では、コハク酸塩は、銅放射線を用いて測定したとき、2θが15.8、16.7、21.0、24.2および26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
【0031】
別の実施形態では、式Iのコハク酸塩は、図1の特徴的なX線粉末回折パターンを有する。
【0032】
別の実施形態では、式Iのコハク酸塩は、融解開始温度が184±3℃である。
【0033】
別の実施形態では、コハク酸塩は、湿度約1%〜90%(±2%)で行った等温(25.1±0.1℃)水分吸着試験において、90±2%の相対湿度で0.5%未満重量が増加する。
【0034】
本発明は、式Iのコハク酸塩と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。医薬組成物のコハク酸塩は結晶性であることが好ましい。
【0035】
本発明はまた、統合失調症、妄想性障害、薬物精神病などの特定の精神病性障害および状態;パニック障害や強迫性障害などの不安障害;ならびにパーキンソン病およびハンチントン病を含む運動障害を治療するための、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を含む医薬組成物に関する。
【0036】
用語「PDE10を阻害」とは、本明細書では、PDE10活性の阻止または治療上有意な低減を意味する。当業者ならば、化合物がPDE10活性を阻害するかどうかを容易に判定することができる。例えば、PDE10阻害を評価するために好都合に使用することのできるアッセイは、その全体が参照により本明細書に援用される2006年7月13日公開の米国特許出願公開第2006/0154931号(USSN11/326221)で見ることができる。
【0037】
用語「治療」とは、本明細書では、その用語が適用される障害もしくは状態またはその状態もしくは障害の1種または複数の症状を逆転させ、緩和し、その進行を阻止し、または予防することを指す。用語「治療」とは、本明細書では、治療する行為を指し、「治療する」は直前で定義したとおりである。
【0038】
別の実施形態では、本発明は、統合失調症、妄想性障害、薬物精神病などの精神病性障害および状態;パニック障害および強迫性障害などの不安障害;ならびにパーキンソン病およびハンチントン病を含む運動障害を治療するための、当該障害または状態の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を含む医薬組成物に関する。
【0039】
本発明に従って治療することのできる精神病性障害の例には、例えば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型またはうつ病型の分裂感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、例えば、アルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;ならびに統合失調型の人格障害が含まれるがこれらだけに限定するものではない。
【0040】
本発明に従って治療することのできる運動障害の例には、ドーパミン作動薬治療に関連するハンチントン病およびジスキネジア、パーキンソン病、不隠下肢症候群、ならびに本態性振戦から選択されるものが含まれるがこれらだけに限定するものではない。
【0041】
本発明に従って治療することのできる他の障害は、強迫性障害、トゥーレット症候群、および他のチック障害である。
【0042】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における不安障害または状態の治療方法であって、当該哺乳動物に、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法に関する。
【0043】
本発明は、哺乳動物における不安障害または状態の治療方法であって、当該哺乳動物に、当該障害または状態の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0044】
本発明に従って治療することのできる不安障害の例には、パニック障害;広場恐怖;特定恐怖症;対人恐怖;強迫性障害;外傷後ストレス障害;急性ストレス障害;および全般性不安障害が含まれるがこれらだけに限定するものではない。
【0045】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における薬物嗜癖、例えば、アルコール、アンフェタミン、コカイン、またはアヘン剤嗜癖の治療方法であって、当該哺乳動物に、薬物嗜癖の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0046】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における薬物嗜癖、例えば、アルコール、アンフェタミン、コカイン、またはアヘン剤嗜癖の治療方法であって、当該哺乳動物に、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0047】
「薬物嗜癖」とは、本明細書では、薬物への異常な欲求を意味し、一般に、所望の薬物の服用を迫られる強迫や激しい薬物渇望エピソードのような動機付けの障害を特徴とする。
【0048】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物において注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害を治療する方法であって、当該哺乳動物に、当該障害の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0049】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害または状態を治療する方法であって、当該哺乳動物に、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0050】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害または状態を治療する方法であって、当該哺乳動物に、当該障害または状態の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0051】
「注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害」の中の「注意および/または認知の欠陥」という表現は、本明細書では、特定の個体において、記憶、知能、学習および論理能力などの1種または複数の認知の側面で、同じ一般年齢集団内の他の個体と比較して機能が正常以下であることを指す。「注意および/または認知の欠陥」は、例えば加齢関連認知機能低下で起こるような、1種または複数の認知の側面で、任意の特定の個体の機能が低下していることも指す。
【0052】
本発明に従って治療することのできる、注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害の例は、認知症、例えばアルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、例えば読書障害、数学障害、または筆記表現の障害;注意欠陥/多動性障害;ならびに加齢関連認知機能低下である。
【0053】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における気分障害または気分エピソードの治療方法であって、当該哺乳動物に、当該障害またはエピソードの治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0054】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における気分障害または気分エピソードの治療方法であって、当該哺乳動物に、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0055】
本発明に従って治療することのできる気分障害および気分エピソードの例には、軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード、躁病または混合性気分エピソード、軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を有するうつ病エピソード;メランコリー型の特徴を有するうつ病エピソード;緊張病性の特徴を有するうつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害や統合失調症などの精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極性障害、例えば、双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害が含まれるがこれらだけに限定するものではない。
【0056】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害または状態の治療方法であって、当該哺乳動物に、当該障害または状態の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0057】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害または状態の治療方法であって、当該哺乳動物に、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法を提供する。
【0058】
本明細書では、別段の指摘がない限り、「神経変性障害または状態」とは、中枢神経系のニューロンの機能不全および/または死によって引き起こされる障害または状態を指す。これらの障害および状態の治療は、これらの障害もしくは状態のリスクのあるニューロンの機能不全もしくは死を防ぎ、かつ/またはリスクのあるニューロンの機能不全または死によって引き起こされる機能喪失の埋め合わせをするようにして、損傷したもしくは健康なニューロンの機能を強化する薬剤を投与することによって促進することができる。用語「神経栄養剤」とは、本明細書では、これらの特性の一部または全部を有する物質または薬剤を指す。
【0059】
本発明に従って治療することのできる神経変性障害および状態の例には、パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、例えば、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、および前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;ならびに多系統萎縮症が含まれるがこれらだけに限定するものではない。
【0060】
本発明の一実施形態では、神経変性障害または状態は、ヒトを含む哺乳動物における線条体中型有棘ニューロンの神経変性を含む。
【0061】
本発明の別の実施形態では、神経変性障害または状態は、ハンチントン病を含む。
【0062】
本発明はまた、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖を治療するための、当該障害または状態の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を含む医薬組成物も提供する。
【0063】
本発明はまた、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、および神経変性障害から選択される障害の治療方法であって、当該障害の治療に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0064】
本発明はまた、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、例えば、読書障害、数学障害、または筆記表現障害;注意欠陥/多動性障害;加齢関連認知機能低下、軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード;躁病気分エピソードまたは混合性気分エピソード;軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を有するうつ病エピソード;メランコリー型の特徴を有するうつ病エピソード;緊張病性の特徴を有するうつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症を含む精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害を含む双極性障害;パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;多系統萎縮症、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型;統合失調症様障害;妄想型またはうつ病型の分裂感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、アルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;ならびに統合失調型の人格障害からなる群から選択される障害の治療方法も提供する。
【0065】
本発明はまた、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖の治療方法であって、PDE10の阻害に有効な量の式Iのコハク酸塩を投与することを含む方法も提供する。
【0066】
本発明の式Iのコハク酸塩(以下では「活性化合物」)は、経口、(例えばパッチの使用による)経皮、鼻腔内、舌下、直腸、非経口、または局所のいずれかの経路で投与することができる。経皮投与および経口投与が好ましい。活性化合物は、1日約0.25mgから約1500mgまで、好ましくは1日約0.25〜約300mgの範囲の投与量を1回でまたは数回に分けて投与することが最も望ましいが、治療を受ける対象の体重および状態ならびに選択された特定の投与経路に応じて、必然的に差異が生じることになる。しかし、体重1kgあたり1日約0.01mg〜約10mgの範囲の投与量レベルを使用することが最も望ましい。それにもかかわらず、治療対象となる者の体重および状態、その個体の当該医薬に対する応答、ならびに選択された医薬製剤の種類、その投与を実施する期間および間隔に応じて、差異が生じる場合もある。ある事例では、前述の範囲の下限より少ない投与量レベルで十分な場合もあり、他の症例では、どんな有害な副作用も引き起こすことなくさらに多い用量が使用される場合もあるが、ただし、そのようなより多い用量は、最初にいくつかの少ない用量に分けられて、その日を通して投与される。
【0067】
活性化合物は、単独で、または薬学的に許容できる担体もしくは希釈剤と組み合わせて、予め示したいくつかの経路のいずれかによって投与することができる。より詳細には、活性化合物は、広範な種類の異なる剤形にして投与することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、経皮パッチ、ロゼンジ、トローチ、飴、粉末、スプレー、クリーム、膏薬、坐剤、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水溶液、水性懸濁液、注射用溶液、エリキシル、シロップなどの形で、薬学的に許容できる様々な不活性担体と組み合わせることができる。そのような担体には、固体希釈剤または充填剤、無菌水性媒質、ならびに様々な非毒性の有機溶媒が含まれる。さらに、経口医薬組成物は、適切に甘味および/または風味を付けることができる。一般に、活性化合物は、そのような剤形中に約5.0重量%〜約70重量%の範囲の濃度レベルで存在する。
【0068】
経口投与では、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、グリシンなどの様々な賦形剤を含有する錠剤は、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、アルギン酸、ある種の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、アカシアのような造粒結合剤と共に使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクなどの滑沢剤を打錠の目的で使用することができる。同様のタイプの固体組成物を、ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することもでき、この点について好ましい材料には、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量のポリエチレングリコールも含まれる。経口投与に水性の懸濁液および/またはエリキシルが所望されるとき、活性成分は、様々な甘味剤または着香剤、着色物質、所望されるならばさらに乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびこれらの様々な混合物などの希釈剤と組み合わせることができる。
【0069】
非経口投与では、これらだけに限定するものではないがゴマ油、ラッカセイ油、プロピレングリコール水溶液などの薬学的に許容できる油性または水性媒体に活性化合物を溶かした溶液を使用することができる。水溶液は必要ならば適切に緩衝剤処理し、液体希釈剤は最初に等張性にすべきである。溶液の調製は、無菌条件下で行い、当業界でよく知られている標準の製薬技術によって容易に実現される。
【0070】
非経口投与は、静脈内、関節内、筋肉内、および皮下の形を含めて注射によるものでよい。水溶液は、静脈内注射の目的に適する。油溶液は、関節内、筋肉内、および皮下注射の目的に適する。
【0071】
活性化合物を局所的に投与することも可能であり、この投与は、標準の薬務に従って、クリーム、パッチ、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などとして行うことができる。
【0072】
遊離塩基化合物を生成する方法は、その全体が参照により本明細書に援用される2006年7月13日公開の米国特許出願公開第2006/0154931号(USSN11/326221)で見ることができる。
【0073】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。しかし、本発明は、本明細書で十分に説明され、請求項で列挙されるので、以下の実施例の詳細によって限定されるものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0074】
2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンのコハク酸塩の調製
2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンの遊離塩基化合物(3.0g、7.6mmol)を酢酸エチル(75ml)に溶かした25℃の溶液に、900mg(7.6mmol)のコハク酸の入った25℃の酢酸エチル75mlを加えた。混合物を25℃で12時間攪拌した。得られる沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させて、3.13gの表題化合物を白色のプリズム形結晶として得た。
H−NMR:(400MHz、CDOD)δ8.38(d,J=8.3Hz,1H)、8.32(m,2H)、8.03(d,J=8.3Hz,1H)、8.00(m,1H)、7.94(d,J=7.9Hz,1H)、7.75(m,1H)、7.74(d,J=8.7Hz,1H)、7.60(m,1H)、7.35(dd,J=8.7,2.1Hz,2H)、7.28(m,2H)、7.10(dd,J=8.7,2.1Hz,2H)、5.37(s,2H)、3.93(s,3H)、2.54(s,4H);
13C−NMR(100MHz、CDOD)δ175.0 158.9 157.9 149.5 148.6 147.2 142.8 137.9 132.0 130.2 130.0 128.0 127.9 127.8 126.9 125.9 122.7 119.6 117.2 114.9 70.7 37.9 28.7;
無水コハク酸塩について算出した成分分析値:C,68.22、H,5.13、N,10.97。実測値:C,68.05、H,4.99、N,10.87。融点:184±3℃
【0075】
2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンコハク酸塩の粉末X線回折の収集方法
粉末X線回折(PXRD)パターン
実施例1の塩の粉末X線回折パターンを、銅放射線源、固定されたスリット(発散1.0mm、散乱防止1.0mm、および受光0.6mm)、およびKevex固体状態検出器を備え付けたBruker D5000回折計(米国ウィスコンシン州マディソン)を使用して収集した。データは、θ−2θゴニオメーター配置で、0.040度のステップサイズおよび1秒のステップ時間を使用して、平らなプレートサンプル保持器から、3.0〜40.0度2θの銅波長Kα=1.54056およびKα=1.54439(相対強度0.5)で収集した。X線管の電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび30mAに設定した。データの収集および分析は、Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用して行った。サンプルは、石英保持器に入れて準備した。(Bruker D5000回折計の操作は、SiemansのD5000モデルと同様であることを留意されたい。)結果は表1に要約するが、反射幅0.30および閾値1.0を使用して相対強度が6%以上である反射(線)すべてについての2θ値および相対強度を示す。
【0076】
【表1−1】

【0077】
【表1−2】

【0078】
本明細書に記載され、本明細書で特許が請求される本発明の範囲は、本明細書で開示する具体的な実施形態によって限定されない、なぜならこれらの実施形態は、本発明のいくつかの態様を例示するものだからである。等価などんな実施形態も、本発明の範囲内にあるものとする。実際、本明細書で示し説明したものに加え、本発明の様々な変更形態が、前述の記述から当業者に明白となろう。そのような変更形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】2−((4−(1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)フェノキシ)メチル)キノリンコハク酸塩のX線粉末回折パターンを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのコハク酸塩。
【化1】

【請求項2】
銅放射線を用いて測定したとき、2θが15.8、21.0および26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
銅放射線を用いて測定したとき、2θが15.8、16.7、21.0、24.2および26.6の±0.1°で特徴的なX線粉末回折ピークを有する、請求項1に記載の塩。
【請求項4】
図1の特徴的なX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の塩。
【請求項5】
融解開始温度が184±3℃である、請求項1に記載の塩。
【請求項6】
湿度約1%〜90%(±2%)で行った等温(25.1±0.1℃)水分吸着試験において、90±2%の相対湿度で0.5%未満重量が増加する、請求項1に記載の塩。
【請求項7】
無水である、請求項1に記載の塩。
【請求項8】
請求項1に記載のコハク酸塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
コハク酸塩が結晶性である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖を治療するための医薬組成物であって、当該障害または状態の治療に有効な量の請求項1に記載の式Iに記載のコハク酸塩を含む組成物。
【請求項11】
精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、および神経変性障害から選択される障害の治療方法であって、当該障害の治療に有効な量の請求項1に記載のコハク酸塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
障害が、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症、または他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、例えば読書障害、数学障害、または筆記表現障害;注意欠陥/多動性障害;加齢関連認知機能低下、軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード;躁病気分エピソードまたは混合性気分エピソード;軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を有するうつ病エピソード;メランコリー型の特徴を有するうつ病エピソード;緊張病性の特徴を有するうつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症を含む精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害を含む双極性障害;パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;多系統萎縮症、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型;統合失調症様障害;妄想型またはうつ病型の分裂感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、アルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;統合失調型の人格障害からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖の治療方法であって、PDE10の阻害に有効な量の請求項1に記載のコハク酸塩を投与することを含む方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−208114(P2008−208114A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−327323(P2007−327323)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】