説明

2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの結晶形成およびエストロゲンレセプターモジュレーターとしてのその使用

【課題】よりよいバイオアベイラビリティーまたはよりよい安定性を示す改善された薬物の処方が一貫して求められている。
【解決手段】
本発明は、例えば異常なレベルのエストロゲンに関する疾患の処置において有用であるエストロゲンレセプターモジュレーターである、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの1水和物および無水結晶形態に関する。この1水和物および無水結晶形態は、本明細書中に提供される粉末X線回折データ、示差走査熱量計、熱重量分析、および動的蒸気吸着データに従って特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、例えば異常なレベルのエストロゲンに関する疾患の処置に有用であるエストロゲンレセプター調節因子である、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの結晶形態に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
哺乳動物組織における多面発現性の効果は、十分に文書化されており、そして今日ではエストロゲンが多くの器官組織に影響を与えることが理解される。エストロゲンは、いくつかの方法において組織に対する効果を表すことができ、そして最も良く特徴付けられた作用機構は、エストロゲンレセプターとのエストロゲンの相互作用であり、遺伝子転写の変化を導く。エストロゲンレセプターは、リカンド活性化型転写因子であり、核内ホルモンレセプタースーパーファミリーに属する。このファミリーの他のメンバーとしては、プロゲステロンレセプター、アンドロゲンレセプター、グルココルチコイドレセプター、およびミネラルコルチコイドレセプターが挙げられる。リガンドを結合する際、これらのレセプターは二量体化し、DNA上の特定の配列(応答エレメントとして公知)に直接結合することによるか、または他の転写因子(例えば、AP1)と相互作用し、これが次いで特異的なDNA配列への直接結合するかのいずれかによって、遺伝子の転写を活性化できる。「共同調節因子」タンパク質のクラスはまた、リガンドの結合したレセプターと相互作用することができ、そしてその転写活性をさらに調節する。エストロゲンレセプターがリガンド結合依存性様式およびリガンド結合非依存性様式の両方でNFκB媒介性転写を抑制できることも示されている。
【0003】
従って、エストロゲンレセプターモジュレーターは、エストロゲンの欠乏もしくは過剰により少なくとも部分的に媒介される状態、障害もしくは疾患状態またはエストロゲン薬剤の使用を介して処置もしくは阻害が可能な状態、障害もしくは疾患状態の、処置または阻害に有用である。このような化合物は、内在エストロゲン産生レベルが大いに低減した更年期前、更年期、更年期後の患者を処置するのに有用である。例えば、エストロゲン性化合物はまた、顔面潮紅、膣萎縮症または外陰部萎縮症、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛症、排尿障害、頻繁な排尿、尿失禁、および尿路感染症を阻害または処置するのに有用である。他の生殖管の使用としては、機能不全性の子宮の出血および子宮内膜症の処置または阻害が挙げられる。
【0004】
特定の置換ベンゾキサゾール化合物は、効果的なエストロゲンレセプターモジュレーターであることが見出されている。1例のベンゾキサゾールは、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールであり、以下の式Iに示される。エストロゲンモジュレーターとしてのこの化合物の有効性およびその調製は、特許文献1(これは本明細書中でその全体が参考として援用される)に報告されている。
【0005】
【化1】

特定の薬物の結晶形態(例えば、水和物、溶媒和物、多形、など)は、しばしば、薬物の調製の容易さ、安定性、溶解性、保存安定性、処方の容易さおよびインビボの薬理学についての重要な決定要因である。異なる結晶形態は、異なる格子配置の化合物の結晶がその結晶中に組み込まれる場合、または溶媒分子(水分子が挙げられる)がその結晶中に組み込まれる場所において起こり、その特定の形態に特異的な異なる熱力学特性および安定性を有する固体を生じる。特定の局面(例えば、調製の容易さ、安定性、等)が重要であるとみなされる場合、1結晶形態が他のものよりも好ましいことが完全にあり得る。同様に、より大きな溶解性および/または優れた薬理動態が、所望の特性であり得る。
【特許文献1】米国特許第6,794,403号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、よりよいバイオアベイラビリティーまたはよりよい安定性を示す改善された薬物の処方が一貫して求められているので、現存する薬物分子の新規またはより純粋な結晶形態について、今なお必要性が存在する。本明細書中に記載される2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの結晶形態は、この目的に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、本明細書中に提供される粉末X線回折データ、示差走査熱量計、熱重量分析、および動的蒸気吸着データに従って特徴付けられる、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの無水物結晶形態および1水和物結晶形態を提供する。
【0008】
本発明は、本発明の結晶形態を含む組成物をさらに提供する。
【0009】
本発明は、本発明の1水和物結晶形態を調製する方法をさらに提供し、この方法は水を含む溶液から1水和物を沈殿させる工程を包含する。
【0010】
本発明は、本発明の無水物結晶形態を調製する方法をさらに提供し、この方法は、無水の溶液から無水物を沈殿させる工程を包含する。
【0011】
本発明は、上記方法により調製された化合物をさらに提供する。
【0012】
本発明は、エストロゲンレセプターを調節する方法をさらに提供し、この方法は、本発明の結晶形態とそのレセプターとを接触させる工程を包含する。
【0013】
本発明は、必要とする哺乳動物において、前立腺炎、間質性膀胱炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性直腸炎、大腸炎、前立腺肥大、子宮平滑筋腫症、乳癌、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、良性の乳房の疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、結腸癌、神経膠腫、神経膠星状芽細胞腫、フリーラジカル誘導性の疾患様態、膣または外陰部の萎縮症、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛症、排尿障害、頻繁な排尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動症候、関節炎、関節の腫脹または侵食、関節鏡検査または外科手術手段に続発性の関節損傷、乾癬、皮膚炎、虚血、再灌流障害、喘息、胸膜炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、ブドウ膜炎、敗血症、出血性ショック(hemmorhagic shock)、またはII型糖尿病を処置する方法をさらに提供し、この方法は、本発明の結晶形態の治療有効量をその哺乳動物に提供する工程を包含する。
【0014】
本発明は、必要とする哺乳動物において、コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、Lp(a)レベルもしくはLDLレベルを低下させる方法;高コレステロール血症、高脂血症、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、末梢血管疾患、再狭窄もしくは血管痙攣を阻害もしくは処置する方法;または免疫媒介性血管損傷を導く細胞性事象からの血管壁損傷を阻害する方法、をさらに提供し、この方法は、本発明の結晶形態の治療有効量をその哺乳動物に提供する工程を包含する。
【0015】
本発明は、必要とする哺乳動物において、認識増強もしくは神経保護を提供する方法;または老人性痴呆、アルツハイマー病、認識低下、脳卒中、不安、もしくは神経変性障害を処置もしくは阻害する方法、をさらに提供し、この方法は、本発明の結晶形態の有効量をその哺乳動物に提供する工程を包含する。
【0016】
本発明は、必要とする哺乳動物において受胎を阻害する方法をさらに提供し、この方法は、本発明の結晶形態の有効量をその哺乳動物に提供する工程を包含する。
【0017】
本発明は、本発明の結晶形態を治療における使用のためにさらに提供する。
【0018】
本発明は、本発明の結晶形態を、治療における使用のための医薬の調製における使用のためにさらに提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(詳細な説明)
(結晶形態)
本発明は、とりわけ、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール(I)の2つの結晶形態、無水形態および1水和形態を提供する。Iの結晶形態は、例えば、示差走査熱量計(DSC)、粉末X線回折(XRPD)、および他の固体状態方法に関して、特有の固体状態の特徴によって同定することができる。結晶形態の含水量または溶媒含量に関するさらなる特徴付けは、熱重量分析(TGA)、動的蒸気吸着(DVS)、DSCおよび他の技術のような種々の任意の慣用的方法によって、測定することができる。DSCに関して、観察される温度は、温度の変化率ならびにサンプルの調製技術および特定の使用器具に依存することが公知である。従って、DSCサーモグラフに関して本明細書中に報告される値は、約±4℃で変動可能となっている。XRPDに関して、ピークの相対強度は、サンプルの調製技術、そのサンプルの設置手順および特定の使用器具に依存して変動することができる。さらに、器具のバリエーションおよび他の要因は、しばしば、2θの値に影響を与え得る。従って、回折パターンのピーク割付は、約±0.2°で変動可能となっている。本発明の結晶形態各々の物理的特性およびX線データの区別は、以下の表1および表2に要約される。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

結晶形態の含水量に関する表2のデータは、1水和結晶形態が、TGAによると、理論量の水6.23重量%に近い量を含むことが決定されたことを示す(例えば、図3を参照のこと)。DSCは、1水和物における水の存在を確認し、100℃近辺の脱水事象を示す(これはサンプルによって変動する。例えば、図2を参照のこと)。対照的に、無水物は、本質的に含水量がなく、TGAによって0.02%未満を示し(図5)、DSCにおいて脱水吸熱(dehydration endotherm)がないことを示す(図5)。
【0022】
DSC分析およびTGA分析によって提供される際立った特徴に従って、本発明は、脱水吸熱を含む示差走査熱量計トレースを有する、式Iの化合物の1水和物を提供する。いくつかの実施形態において、この1水和物は、約95℃〜約120℃、約98℃〜約118℃、または約95℃〜約115℃において発生する脱水吸熱を含む、示差走査熱量計トレースを有する。いくつかの実施形態において、この1水和物はDSCにより特徴付けられ、脱水吸熱および溶解吸熱の両方を約250℃において発生することをさらに含む。さらなる実施形態において、この1水和物は、図2に実質的に示されるような示差走査熱量計トレースを有する。いくつかの実施形態において、この1水和物は、約60℃から約150℃まで、約5.0%〜約7.0%、約5.5%〜約6.5%、または約5.9%〜約6.4%の重量損失をを示す熱重量分析プロフィールを有する。さらなる実施形態において、この1水和物は、図3に実質的に示される熱重量分析プロフィールを有する。
【0023】
本発明は、約250℃において発生する溶解吸熱を含み、かつ脱水事象に対応する吸熱を実質的に欠いた示差走査熱量計トレースを有する、式Iの化合物の無水結晶形態をさらに提供する。いくつかの実施形態において、この結晶形態は、図4に実質的に示されるような示差走査熱量計トレースを有する。さらなる実施形態において、この結晶形態は、約60℃から約150℃まで、約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、または約0.05%未満の重量損失を示す熱重量分析プロフィールを有することができる。なおさらなる実施形態において、この結晶形態は、図5に実質的に示されるような熱重量分析プロフィールを有することができる。
【0024】
表2のDVSデータ(図6および図7を参照のこと)は、両方の結晶形態について重量の取得がほとんどないことを明らかにし、1水和形態および無水形態の両方が大部分が非吸湿性であることを示す。対照的に、表2に示される2つの形態の水溶解度は明確に異なり、1水和物は無水物よりも有意に低い溶解度を有する。
【0025】
2つの結晶形態(例えば、図1を参照のこと)は、異なるXRPDパターンを有し、特有のスペクトル特徴に基づく各々の形態の特徴付けを可能にする。
【0026】
従って、本発明は、式Iの化合物の1水和物を提供する。いくつかの実施形態において、この1水和物は、2θに関する約9.2°および約12.2°におけるピークを含む、粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態において、1水和物は、2θに関する約9.2°、約12.2°および約15.2°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる実施形態において、この1水和物は、2θに関する約9.2°、約12.2°、約15.2°および約24.3°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。なおさらなる実施形態において、この1水和物は、2θに関する約9.2°、約12.2°、約15.2°、約24.3°、約25.4°および約28.0°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。なおさらなる実施形態において、この1水和物は、図1(上側)に実質的に示されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0027】
本発明は、2θに関する約8.2°、約10.3°および約14.6°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、式Iの化合物の無水結晶形態をさらに提供する。いくつかの実施形態において、この結晶形態は、2θに関する約8.2°、約10.3°、約14.6°、約15.1°および約16.3°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態において、この結晶形態は、2θに関する約8.2°、約10.3°、約14.6°、約15.1°、約16.3°、約22.3°、約24.8°および約26.7°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる実施形態において、この結晶形態は、図1(下側)に実質的に示されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0028】
(組成物)
本発明は、本発明の2つの結晶形態の1つ以上を含む組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、式Iの化合物の1水和結晶形態または無水結晶形態いずれかを、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、約99.1重量%、約99.2重量%、約99.3重量%、約99.4重量%、約99.5重量%、約99.6重量%、約99.7重量%、約99.8重量%、約99.9重量%含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1水和結晶形態と無水結晶形態との混合物を含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1水和物または無水物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。いくつかの実施形態において、組成物はさらに、プロゲスチンのようなさらなる活性成分を含む。
【0029】
(調製)
本発明の1水和物は、種々の適切な手段によって調製することができる。いくつかの実施形態において、本発明の1水和物を調製するプロセスは、水を含む溶液から1水和物を沈殿させる工程を包含する。この溶液は、1つ以上のさらなる溶液(例えば、水と混和性の溶液)をさらに含む。いくつかの実施形態において、この溶液は、メタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールのようなアルコールを含む。いくつかの実施形態において、アルコールはエタノールである。この溶液は、任意の適切な含量でアルコールまたは水を含み得る。いくつかの実施形態において、アルコール 対 水の重量比は約1:1〜約3:1、約1.5:1〜約2.5:1、または約2:1である。この溶液は、水および任意の溶媒中で式Iの化合物を混合することによって調製することができる。この溶液は、必要に応じて、化合物を溶解させるのを助けるため、加熱および/または撹拌できる。沈殿は、任意の適切な手段によって達成でき、冷却、その溶液への貧溶媒(antisolvent)の添加、またはその溶液のpHの変更、またはこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、この溶液は、約65℃〜約95℃、約70℃〜約90℃、または約75℃〜約80℃の温度から、約−20℃〜約50℃、約0℃〜約20℃、約0℃〜約10℃、または約0℃〜約5℃へと冷却される。いくつかの実施形態において、この溶液は、約75℃〜約80℃の温度から、約0℃〜約5℃の温度へと冷却される。いくつかの実施形態において、溶液は、最終冷却温度に達する前にある時間の間、中間の温度で保持される。いくつかの実施形態において、この中間温度は約40℃〜約60℃、約45℃〜約55℃、または約50℃である。
【0030】
代替の実施形態において、1水和物は、溶液のpHを調整することによって水を含む溶液から沈殿することができる。例えば、溶液のpHが上昇され得、これによって1水和物の沈殿を誘導する。いくつかの実施形態において、pHは約7(またはそれ未満)から約9またはそれ以上に上昇される。pHは、水酸化物(例えば、NaOH)のような塩基の添加のような慣用的方法に従って調整できる。1水和物はまた、式Iの化合物が溶解される溶液への貧溶媒の添加によって沈殿することができる。適切な貧溶媒としては、水またはその種(sort)の他の液体が挙げられる。適切な溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、もしくはこれらの混合物のようなアルコール、または他の水混和性溶媒が挙げられる。1水和物はまた、水または水を含む溶媒(例えば、エタノール/水の混合物)中で式Iの無水化合物をスラリー化すること(slurrying)によって調製できる。
【0031】
無水物は、無水溶媒からの沈殿によって調製できる。無水溶液は、約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、または約0.01%未満の水を含み得る。無水結晶形態を沈殿させるのに適切な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどのような炭化水素、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテル、ベンゼンまたはトルエンなどのような芳香族、ジクロロメタンなどのような塩素化炭化水素、ならびに酢酸エチルなどのような他の有機物、ならびにこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、無水物は、酢酸エチルを含む溶媒から調製できる。いくつかの実施形態において、溶媒は、ヘプタンのような炭化水素をさらに含み得る。さらなる実施形態において、酢酸エチル 対 炭化水素の重量比は、約3:1〜約1:1、約1:1〜約1:1、または約1.5:1である。
【0032】
無水物の沈殿は、任意の種々の周知沈殿方法によって誘導できる。例えば、沈殿は、溶媒を冷却することまたは貧溶媒の添加によって誘導できる。いくつかの実施形態において、この溶液は約60℃〜約90℃、約70℃〜約85℃、または約75℃〜約80℃の温度から、約−20℃〜約30℃、約0℃〜約10℃、または約0℃〜約5℃の温度へと冷却される。冷却プロセスの間、この温度は、必要に応じて、約40℃〜約60℃のような中間温度(例えば、約45℃〜約50℃)にある時間の間、保持できる。貧溶媒方法は、炭化水素のような適切な貧溶媒(例えば、式Iの化合物がほとんど溶解しないペンタン、ヘキサン、ヘプタン)の、式Iの化合物が溶かされる溶媒への添加を包含することができる。適切な溶媒としては、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどのような、式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解する溶媒、が挙げられる。
【0033】
(使用方法および薬学的処方物)
本発明の結晶形態は、エストロゲンの欠乏もしくは過剰によって少なくとも部分的に媒介される状態、障害もしくは疾患状態の処置もしくは阻害、またはエストロゲン性薬剤の使用を介して処置もしくは阻害できる状態、障害もしくは疾患状態の処置もしくは阻害において有用である、エストロゲンレセプターモジュレーターである。従って、本発明は、本発明の結晶形態とレセプターとを接触させる工程を包含する、エストロゲンレセプターを調節する方法を提供する。本発明の結晶形態は、内在性エストロゲン産生レベルが大いに低減した更年期前、更年期、または更年期後の患者を処置するのに特に有用である。更年期とは一般に、最後の自然の月経期間として定義され、卵巣機能の停止によって特徴付けられ、これは血流中の循環性エストロゲンの実質的な減少を導く。本明細書中で使用される場合、更年期はまた、エストロゲン産生の低下状態を含み、この状態は、外科手術的に、化学的に、または卵巣機能の成熟前の減少もしくは停止を導く疾患状態によって、引き起こされ得る。
【0034】
本発明の結晶形態はまた、エストロゲン喪失の他の効果を阻害または処置するのに有用であり、顔面潮紅、膣萎縮症または外陰部萎縮症、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛症、排尿障害、頻繁な排尿、尿失禁、および尿路感染症が挙げられる。他の生殖管の使用としては、機能不全性の子宮の出血の処置または阻害が挙げられる。この結晶形態はまた、子宮内膜症を処置または阻害するのに有用である。
【0035】
本発明の結晶形態はまた、脳において活性であり、従ってアルツハイマー病、認識低下、性欲減少、老人性痴呆、神経変性障害、うつ、不安、不眠症、統合失調症、および不妊症を阻害または処置するのに有用である。本発明の結晶形態はまた、良性または悪性の異常な組織成長を処置または阻害するのに有用であり、糸球体硬化症、前立腺肥大、子宮平滑筋腫症、乳癌、強皮症、線維腫症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、良性の乳房の疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、結腸癌、およびCNSの癌(例えば、神経膠腫または神経膠星状芽細胞腫)が挙げられる。
【0036】
本発明の結晶形態は、心臓血管保護性(cardioprotective)でありそして抗酸化物質であり、そしてコレステロールレベル、トリグリセリドレベル、Lp(a)レベルまたはLDLレベルを低下させること;高コレステロール血症、高脂血症、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、再狭窄および血管痙攣を阻害または処置すること;および免疫媒介性血管損傷を導く細胞性事象からの血管壁損傷を阻害することにおいて、有用である。本発明の化合物はまた、炎症または自己免疫疾患を関係した障害を処置するのに有用であり、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性直腸炎、間質性大腸炎)、関節炎(慢性関節リウマチ、脊椎関節症、変形性関節症)、胸膜炎、虚血/再灌流傷害(例えば、発作、移植拒絶、心筋梗塞、など)、喘息、巨細胞性動脈炎、前立腺炎、ブドウ膜炎、乾癬、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、および敗血症が挙げられる。
【0037】
本発明の結晶形態はまた、眼の障害を処置または阻害するのに有用であり、白内障、ブドウ膜炎、および黄斑変性が挙げられ、そして加齢、脱毛およびざ瘡のような皮膚の状態を処置するのに有用である。
【0038】
本発明の結晶形態はまた、II型糖尿病のような代謝障害、脂質代謝障害、および欲求の障害(例えば、神経性食欲不振および過食症)を処置または阻害するのに有用である。
【0039】
本発明における結晶形態はまた、遺伝性出血性毛細管拡張症、機能不全性の子宮の出血、および戦場出血性ショックのような、出血性障害を処置または阻害するのに有用である。
【0040】
本発明の結晶形態は、無月経が有利である疾患状態(例えば、白血病、内膜剥離術、慢性腎臓疾患もしくは慢性肝臓疾患、または凝固疾患もしくは凝固障害)において有用である。
【0041】
本発明の結晶形態は、特にプロゲスチンと組み合わされる場合、トレース性因子として使用できる。
【0042】
本発明の結晶形態は、医薬として使用できる。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される疾患または状態を処置する医薬としての使用のため、本明細書中に記載されるような結晶形態を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される疾患または状態を処置する使用のための医薬の調製における使用のため、本明細書中に記載されるような結晶形態を提供する。
【0043】
本明細書中に列挙される疾患および症候群を処置する方法は、本発明の結晶状態の治療有効量またはそれを含む組成物を、そのような処置を必要とする個体に投与する工程を包含することが理解される。本明細書中で使用される場合、疾患に関して用語「処置すること」は、その疾患を予防、阻害および/または改善することを指すように意味される。
【0044】
本明細書中で使用される場合、用語「個体」または「患者」は相互に交換可能に使用され、任意の動物を指し、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類が挙げられ、最も好ましくはヒトである。
【0045】
本明細書中で使用される場合、句「治療有効量」とは、組織、器官、動物、個体またはヒトにおいて生物学的応答または医学的応答を誘導する活性化合物または医薬の量を指し、この量は研究者、獣医、医者または他の臨床医によって求められ、この句は、以下のうちの1つ以上を含む:
(1)疾患を予防すること;例えば、疾患、状態または障害に罹患しやすくされ得るが、その疾患の病理も症候学も未だ体験も表示もしない個体において、その疾患、状態または障害を予防すること;
(2)疾患を阻害すること;例えば、疾患、状態または障害の病理学または症候学を体験または表示している個体において、その疾患、状態または障害を阻害すること(すなわち、その病理学および/または症候学のさらなる進歩を停止または遅延させること);および
(3)疾患を改善すること;例えば、疾患、状態または障害の病理学または症候学を体験または表示している個体において、その疾患、状態または障害を改善すること(すなわち、その病理学および/または症候学を反転させること)。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「接触させること」とは、インビトロ系またはインビボ系において指示される部分を一緒にさせることを指す。例えば、エストロゲンレセプターと本発明の結晶形態とを「接触させること」とは、エストロゲンレセプターを有する個体または患者(例えば、ヒト)に対する本発明の結晶形態の投与、および例えば、細胞を含むサンプルまたはエストロゲンレセプターを含む精製調製物に本発明の結晶形態を導入すること、を含む。
【0047】
特定の疾患状態または障害の処置または阻害のために投与される場合、有効投薬量は、利用される特定の化合物、投与様式、処置される状態の状況およびその生存率、ならびに処置される個体に関する種々の物理的要因に依存して、変動可能なことが理解される。本発明の結晶形態の有効な投与は、約0.1mg/日〜約1,0000mg/日の経口用量で与えられ得る。好ましくは、投与は、単回の用量または2回以上に分けた用量での、約10mg/日〜約600mg/日、より好ましくは約50mg/日〜約600mg/日である。計画された毎日の投薬量は、投与経路により変動すると予想される。
【0048】
このような用量は、本明細書中の活性化合物をレシピエントの血流に指向するのに有用な任意の様式で投与でき、経口的、移植物を介して、非経口的(静脈内注射、腹腔内注射、関節内注射、および皮下注射が挙げられる)、直腸的、鼻腔内的、局所的、眼内(点眼液を介して)、経膣的、および経皮的が挙げられる。
【0049】
本発明の活性な結晶形態を含む経口処方物は、任意の従来使用される経口形態を含み得、錠剤、カプセル、バッカル形態、トローチ、ロゼンジまたは経口の液体、懸濁物もしくは溶液が挙げられる。カプセルは、活性化合物と不活性な充填剤および/または希釈剤(例えば、薬学的に受容可能なデンプン(例えば、コーンデンプン、ポテトデンプンまたはタピオカデンプン)、糖、人口甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶セルロース、微結晶セルロース)、穀粉、ゼラチン、ガムなど)との混合物を含み得る。有用な錠剤処方物は、従来の圧縮方法、湿式造粒方法または乾式造粒方法により作製でき、そして薬学的に受容可能な希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改変剤(界面活性剤が挙げられる)、懸濁剤または安定化剤を利用でき、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンゴム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸錯体、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、ショ糖、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥デンプンおよび粉末糖が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい表面改変剤としては、非イオン性表面改変剤およびアニオン性表面改変剤が挙げられる。表面改変剤の代表例としては、ポロキサマー(poloxamer)188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマグロゴール乳化ワックス(cetomacrogol emulsifying wax)、ソルビタンエステル、リン酸塩(リン酸エステル)、コロイド状二酸化ケイ素、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中の経口処方物は、活性化合物の吸収を変更するため、標準的な遅延放出性処方物または時間放出性処方物を利用できる。経口処方物はまた、必要に応じて適切な可溶化剤または乳化剤を含んで、水または果物ジュース中に活性成分を投与することからなり得る。
【0050】
いくつかの場合、エアロゾル形態で結晶形態を気道に直接投与することが望ましくあり得る。
【0051】
本発明の結晶形態はまた、非経口的または腹腔内に投与できる。これらの活性化合物の溶液または懸濁液は、遊離塩基または薬学的に受容可能な塩として、水中に界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適切に混合されて調製できる。分散物もまた、オイル中でのグリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物において調製できる。保存および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を阻害するため防腐剤を含む。
【0052】
注射可能な使用に適切な薬学的形態としては、滅菌の水溶液または分散物、および滅菌注射可能な溶液または分散物の即時調製のための滅菌粉末が挙げられる。全ての場合、この形態は、滅菌でなければならず、そして容易な注射可能性(syringability)が存在する範囲まで液性でなければならない。これは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして細菌および真菌のような微生物の混入作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの安定な混合物および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0053】
本開示の目的のため、経皮投与は、体表面および体内通路の内側裏打ち(上皮組織および粘膜組織が挙げられる)を横切る全ての投与を含むように理解される。このような投与は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を使用して、ローション、クリーム、泡沫物、パッチ、懸濁物、溶液および坐剤(直腸および膣のもの)において実行され得る。
【0054】
経皮投与は、経皮パッチの使用を介して達成でき、このパッチは、活性化合物および、その活性化合物に対して不活性であり皮膚に対して無毒性であり皮膚を介した血流中への組織的吸収へとその薬剤の送達を可能にするキャリアを含む。このキャリアは、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲル、ならびに閉鎖性デバイスのような数多くの形態をとり得る。クリームおよび軟膏は、粘性液体であり得るか、または水中油型もしくは油中水型の半固形エマルジョンであり得る。活性成分を含んで石油中または疎水性石油中に分散された吸収性粉末を含むペーストもまた、適切であり得る。種々の閉鎖デバイスがこの活性成分を血流中に放出するために使用でき、例えば、活性成分をキャリアと共に、もしくはキャリアなしに収容するレザバを覆う半透膜、または活性成分を含むマトリクスである。他の閉鎖デバイスは、文献に公知である。
【0055】
坐剤処方物は、伝統的な材料(ココアバターが挙げられる)から作製でき、その坐剤の融点を変更するためのろうまたはグリセリンの添加があってもなくてもよい。水溶性の坐剤の基材(例えば、種々の分子量のポリエチレングリコール)もまた使用できる。
【0056】
本明細書中に開示される本発明がより効果的に理解されるため、実施例が以下に提供される。これらの実施例は例示の目的のみのためであり、本発明をいかようにも限定しないようにみなされるべきであることが、理解されるべきである。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
(無水結晶形態の調製)
固体の2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール(170g、0.627モル)を、酢酸エチル(3946g、23容量)に75℃〜80℃にて溶解した。得られた溶液を、75℃〜80℃にてチャコール(17g)により処理した。次いで、ろ液を大気圧にて7容量まで濃縮し、75℃〜80℃に維持しながらそのスラリーにヘプタン(793g、6容量)を添加し、次いで45℃〜50℃に冷却し、0.5時間保持し、次いで0℃〜5℃に冷却し、1時間保持した。固形物をろ過して除き、55℃〜65℃、5〜10mmHgにて乾燥させて、回収率87%かつ純度99.4%を得た。
【0058】
(実施例2)
(1水和結晶形態の調製)
撹拌器、冷却器および温度プローブを取り付けた3Lのマルチネックフラスコを、274gの2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールおよび1375mLのろ過済みエタノールで満たした。この混合物を75℃〜80℃に加熱して、10分後に溶液を生じた。この溶液に、75℃〜80℃にて0.5時間の経過にわたって水(688mL)を添加した。次いで、この溶液を0.5時間の経過にわたって50℃に冷却し、続いてさらに0.5時間、50℃に保持した(74℃辺りで結晶が現れ始めた)。次いで、得られた懸濁物を0.5時間にわたって0℃〜5℃に冷却し、0℃〜5℃にて1時間保持した。この固形物をろ過により収集し、そのケークを、0℃〜5℃に予め冷却した300mLのエタノール:水(2:1 v/v)で2回洗浄した。洗浄したケークを32℃〜38℃、20〜25mmHgにて20時間乾燥させて、281.8g(収率96.11%)の1水和の最終生成物を得た。含水量(KF)−6.5%;TGA−6.35%の水;DSCおよびXRPDは1水和物と一致した。
【0059】
(実施例3)
(無水物から1水和物への転換)
(pH方法)
無水2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール(71mg)を、2mLの水に添加し、この混合物を1N NaOHによりpH10にpH調整した。このpH点で溶液は清澄になった。2時間後、この溶液は淡黄色になり、濁った。この溶液を遠心分離し、上清をデカントし、沈殿物を大気中で乾燥させ、次いで真空乾燥させた。この生成物のXRPDおよびTGAは、1水和物と一致した。
【0060】
(溶媒/貧溶媒方法)
無水2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール(約100mg)を、3mLのエタノール中に溶解し、その後4mLの水を、その溶液が濁るまで徐々に添加した。この溶液を遠心分離し、上清をデカントし、沈殿物を大気中で乾燥させ、次いで真空乾燥させた。この生成物のXRPDおよびTGAは、1水和物と一致した。
【0061】
(水懸濁方法)
無水2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール(84mg)を、4.2mLの水に懸濁し、室温で40時間撹拌した。この溶液を遠心分離し、上清をデカントし、沈殿物を大気中で乾燥させ、次いで真空乾燥させた。XRPDおよびTGAは、無水物および1水和物と一致した(TGAにより含水量2.4%)。
【0062】
(実施例4)
(安定性研究)
(短期間)
XRPD研究は、1水和物が70℃で1時間安定であるが、90℃で0.5時間後に部分的に脱水し、そして90℃で1時間後に完全に脱水することを明らかにした。
【0063】
(中期間)
1水和物サンプルを、室温、56℃、および70℃で1週間保存した。室温において、湿度は0% RHに維持した。より高い温度に対して、湿度を制御しかなった。
【0064】
これらのサンプルをXRPDおよびTGAにより分析した。室温および56℃にて保存したサンプルは、1週間後に明確な脱水を示さなかった。70℃のサンプルは、1日後には明確な脱水を示さなかったが、4日後にはサンプルは部分的に脱水されるようになった。7日後、70℃のサンプルは大部分が脱水された。
【0065】
(長期間)
1水和物の非微粉化サンプルおよび無水物の非微粉化サンプルを、3ヶ月間40℃/75% RHにて保存した。また、1水和物を湿度制御なしに40℃で保存した。3ヶ月間、2週間後、1ヵ月後、2ヵ月後および3ヶ月後にこれらのサンプルを確認した。XRPDおよびTGAは、1水和物および無水物の両方とも3ヶ月後に転換しないことを明らかにした。そしてHPLCは、これらの試験条件下でこれらサンプルが化学的に安定であることを明らかにした。
【0066】
別の研究において、XRPDは、無水物の微粉化サンプルが3ヶ月間の25℃/60% RHにおける保存後、1水和物に転換しないこと;しかしながら微粉化サンプルが1ヶ月間の40℃/75% RHの後、実際に1水和物へと部分的に転換することを、明らかにした。対照的に、同一条件下(40℃/75% RH)で保存した無水物の非微粉化サンプルは、明確な転換を全く示さなかった。
【0067】
(実施例5)
(粉末X線回折データの取得)
X線データ(例えば、図1および表1を参照のこと)を、粉末X線回折計(Scintag Inc.、Cupertino、CA)を使用して、以下のパラメータを用いて取得した:電圧45kV、電流40.0mA、電力1.80kW、走査範囲(2θ) 3°〜40(、走査ステップサイズ0.02(、全走査時間22.6分。
【0068】
(実施例6)
(示差走査熱量計データの取得)
示差走査熱量計データ(図2および図3を参照のこと)を、以下のパラメータの下でDSC(Perkin Elmer、Norwalk、CT)を使用して収集した:20mL/分のパージガス(N2)、走査範囲25℃〜300(C、走査速度10(C/分。
【0069】
(実施例7)
(熱重量分析データの取得)
熱重量分析データ(図4および図5を参照のこと)を、以下のパラメータの下でTGA機器(Perkin Elmer、Norwalk、CT)を使用して収集した:20mL/分のパージガス(N2);走査範囲25℃〜300(C、走査速度10(C/分。
【0070】
(実施例8)
(動的蒸気吸着データ)
Dynamic Vapor Sorption(Allentown、PA)を使用して、本発明の無水物および1水和物の吸湿性を測定した(図6および図7を参照のこと)。ステップ条件は、3時間、各々0% RH、30% RH、52.5% RH、75% RHおよび90% RHを全て2サイクル、であった。
【0071】
(実施例9)
(本発明の無水結晶形態を含む薬学的処方物および組成物の調製(単位用量75mg/錠剤))
この薬学的処方物を、以下の手順の工程1〜7によって調製し、以下の表に示される成分の重量/重量パーセント(% wt/wt)を利用した。錠剤を、以下の手順の工程8〜10によって調製した。各錠剤は以下の表に示される単位用量を含んだ。
1. 精製水中にポリビニルピロリドン(povidone K25)およびラウリル硫酸ナトリウムの水溶液を調製した。
2.2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの無水結晶形態を、マンニトール(Pearlitol 200SD)の一部と混合し、次いでこの混合物を適切な篩い(screen)に通し、高撹拌ミキサーボール(high shear mixer bowl)に入れた。
3. マンニトールの残分、微結晶セルロース(Avicel pH 113)、およびクロスカルメロースナトリウムを、適切なスクリーンに通過させてミキサーボールに入れ、混合した。
4. 工程3のブレンドを、工程1の溶液を用いて造粒し、続いて必要な場合に精製水を添加した。
5. 工程4の造粒物を乾燥させ、適切な篩いに通した。
6. ステアリン酸マグネシウムを適切な篩いに通した。
7. ステアリン酸マグネシウムを工程5の等量のブレンドと予備混合し、次いでこの予備混合物を工程5の材料の残分に添加し、ブレンダー中で混合した。
8. 工程7からの最終ブレンドを、適切な打錠機を使用して錠剤に圧縮した。
9. Opaglos 2の7.5%固形分の溶液を調製した。
10. 十分な量のコーティング溶液を錠剤に適用して、乾燥錠剤重量で3.0% wt/wtの増加をもたらした。
【0072】
【表3】

a. 分析物(assay)が100.0%以外である場合、投入量をマンニトールに対して調整した。
b. プロセス中で使用したが、最終の錠剤製品には現れなかった。
【0073】
(実施例10)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(25mg/錠の錠剤単位用量))
この薬学的処方物を、実施例9の工程1〜7の手順により、以下の表に示される成分の重量/重量パーセント(% wt/wt)を利用して調製した。錠剤を実施例9の工程8〜10の手順により調製した。各錠剤は以下の表に示される単位用量を含んだ。
【0074】
【表4】

a. 分析物が100.0%以外である場合、投入量をマンニトールに対して調整した。
b. プロセス中で使用したが、最終の錠剤製品には現れなかった。
【0075】
(実施例11)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(5mg/錠の錠剤単位用量))
この薬学的処方物を、実施例9の工程1〜7の手順により、以下の表に示される成分の重量/重量パーセント(% wt/wt)を利用して調製した。錠剤を実施例9の工程8〜10の手順により調製した。各錠剤は以下の表に示される単位用量を含んだ。
【0076】
【表5】

a. 分析物が100.0%以外である場合、投入量をマンニトールに対して調整した。
b. プロセス中で使用したが、最終の錠剤製品には現れなかった。
【0077】
(実施例12)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(150mg/錠の錠剤単位用量))
この薬学的処方物を、実施例9の工程1〜7の手順により、以下の表に示される成分の重量/重量パーセント(% wt/wt)を利用して調製した。錠剤を実施例9の工程8〜10の手順により調製した。各錠剤は以下の表に示される単位用量を含んだ。
【0078】
【表6】

a. 分析物が100.0%以外である場合、投入量をマンニトールに対して調整した。
b. プロセス中で使用したが、最終の錠剤製品には現れなかった。
【0079】
(実施例13)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(75mg/錠の単位用量))
この薬学的処方物および錠剤を、Opaglos 2(グリーン)に代えてOpadry AMB(イエロー)に置き換えたことを除き、実施例9の記載の通り調製した。
【0080】
(実施例14)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(25mg/錠の単位用量))
この薬学的処方物および錠剤を、Opaglos 2(グリーン)に代えてOpadry AMB(イエロー)に置き換えたことを除き、実施例10の記載の通り調製した。
【0081】
(実施例15)
(本発明の無水結晶形態を含む、薬学的処方物および組成物の調製(150mg/錠の単位用量))
この薬学的処方物および錠剤を、Opaglos 2(グリーン)に代えてOpadry AMB(イエロー)に置き換えたことを除き、実施例12の記載の通り調製した。
【0082】
本出願は、2005年3月8日に出願された米国仮出願第60/659,459号の優先権の利益を要求する。この出願の開示全体は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0083】
本発明の種々の改変が、本明細書に記載される改変に加えて、前述の記載から当業者に明らかであろう。このような改変もまた、添付の特許請求の範囲内に帰することが意図される。本出願に記載される各参考文献は、特許、公開された出願および雑誌の論説を含め、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の1水和結晶形態(上側)および無水結晶形態(下側)の両方に対する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。
【図2】図2は、本発明の1水和結晶形態の示差走査熱量計(DSC)のサーモグラフを示す。
【図3】図3は、本発明の1水和結晶形態の熱重量分析(TGA)を示す。
【図4】図4は、本発明の無水結晶形態の示差走査熱量計(DSC)サーモグラフを示す。
【図5】図5は、本発明の無水結晶形態の熱重量分析(TGA)を示す。
【図6】図6は、本発明の1水和結晶形態に対する動的蒸気吸着(DVS)の等温プロットを示す。
【図7】図7は、本発明の無水結晶形態に対する動的蒸気吸着(DVS)の等温プロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オール1水和物である、化合物。
【請求項2】
2θに関する約9.2°および約12.2°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載の1水和物。
【請求項3】
2θに関する約9.2°、約12.2°および約15.2°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載の1水和物。
【請求項4】
2θに関する約9.2°、約12.2°、約15.2°および約24.3°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載の1水和物。
【請求項5】
2θに関する約9.2°、約12.2°、約15.2°、約24.3°、約25.4°および約28.0°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載の1水和物。
【請求項6】
図1(上側)に実質的に示される粉末X線回折パターンを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の1水和物。
【請求項7】
脱水吸熱を含む示差走査熱量計トレースを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の1水和物。
【請求項8】
約95℃〜約120℃において発生する脱水吸熱を含む示差走査熱量計トレースを有する、請求項7に記載の1水和物。
【請求項9】
約95℃〜約120℃において発生する脱水吸熱および約250℃において発生する溶解吸熱を含む示差走査熱量計トレースを有する、請求項8に記載の1水和物。
【請求項10】
図2に実質的に示される示差走査熱量計トレースを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の1水和物。
【請求項11】
約60℃から約150℃までに約5%〜約7%の重量損失を示す熱重量分析プロフィールを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の1水和物。
【請求項12】
約60℃から約150℃までに約5.9%〜約6.4%の重量損失を示す熱重量分析プロフィールを有する、請求項11に記載の1水和物。
【請求項13】
図3に実質的に示される熱重量分析プロフィールを有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の1水和物。
【請求項14】
2θに関する約8.2°、約10.3°および約14.6°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ビニル−1,3−ベンゾキサゾール−5−オールの無水結晶形態。
【請求項15】
2θに関する約8.2°、約10.3°、約14.6°、約15.1°および約16.3°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項14に記載の結晶状態。
【請求項16】
2θに関する約8.2°、約10.3°、約14.6°、約15.1°、約16.3°、約22.3°および約24.8°および約26.7°におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項14に記載の結晶状態。
【請求項17】
図1(下側)に実質的に示される粉末X線回折パターンを有する、請求項14に記載の結晶形態。
【請求項18】
約250℃において発生する溶解吸熱を含む示差走査熱量計トレースを有する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項19】
図4に実質的に示される示差走査熱量計トレースを有する、請求項14〜18のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項20】
約60℃から約150℃まで、約1%未満の重量損失を示す熱重量分析プロフィールを有する、請求項14〜19のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項21】
図5に実質的に示される熱重量分析プロフィールを有する、請求項14〜20のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項22】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態を含む、組成物。
【請求項23】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約50重量%を構成する、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約80重量%を構成する、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約90重量%を構成する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約95重量%を構成する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約98重量%を構成する、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記1水和物または前記結晶形態が前記組成物のうちの少なくとも約99重量%を構成する、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
請求項28に記載の組成物であって、ここで前記結晶形態が、該組成物のうちの:
少なくとも約99.5重量%、または
少なくとも約99.6重量%、または
少なくとも約99.7重量%、または
少なくとも約99.8重量%、または
少なくとも約99.9重量%、
を構成する、組成物。
【請求項30】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
【請求項31】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物を調製するためのプロセスであって、該1水和物を水を含む溶液から沈殿させる工程を包含する、プロセス。
【請求項32】
前記溶液がさらにアルコールを含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記アルコールがエタノールを含む、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
アルコール 対 水の重量比が約1:1〜約3:1である、請求項32または請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
アルコール 対 水の重量比が約2:1である、請求項32または請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記沈殿させる工程が、前記溶液を冷却する工程、該溶液に貧溶媒を添加する工程、または該溶液のpHを変更する工程によってもたらされる、請求項31〜35のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項37】
請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態を調製するためのプロセスであって、該結晶形態を無水溶液から沈殿させる工程を包含する、プロセス。
【請求項38】
前記無水溶液が酢酸エチルを含む、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記溶液が炭化水素をさらに含む、請求項38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記炭化水素がヘプタンである、請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記沈殿させる工程が前記溶液を冷却する工程または該溶液に貧溶媒を添加する工程によってもたらされる、請求項37〜40のいずれか1項に記載のプロセス
【請求項42】
請求項31〜41のいずれか1項に記載のプロセスにより調製されるかまたは取得可能である、化合物。
【請求項43】
エストロゲンレセプターを調節する方法であって、該方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態と、該レセプターとを接触させる工程を包含する、方法。
【請求項44】
必要とする哺乳動物において、前立腺炎、間質性膀胱炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性直腸炎、大腸炎、前立腺肥大、子宮平滑筋腫症、乳癌、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、良性の乳房の疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、結腸癌、神経膠腫、神経膠星状芽細胞腫、フリーラジカル誘導性の疾患様態、膣または外陰部の萎縮症、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛症、排尿障害、頻繁な排尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動症候、関節炎、関節の腫脹または侵食、関節鏡検査または外科手術手段に続発的な関節損傷、乾癬、皮膚炎、虚血、再灌流障害、喘息、胸膜炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、ブドウ膜炎、敗血症、出血性ショック、またはII型糖尿病を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の治療有効量を該哺乳動物に提供する工程を包含する、方法。
【請求項45】
必要とする哺乳動物において、コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、Lp(a)レベルもしくはLDLレベルを低下させる方法;高コレステロール血症、高脂血症、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、末梢血管疾患、再狭窄もしくは血管痙攣を阻害もしくは処置する方法;または免疫媒介性血管損傷を導く細胞性事象からの血管壁損傷を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の治療有効量を該哺乳動物に提供する工程を包含する、方法。
【請求項46】
必要とする哺乳動物において、認識増強もしくは神経保護を提供する方法;または老人性痴呆、アルツハイマー病、認識低下、脳卒中、不安、もしくは神経変性障害を処置もしくは阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の有効量を該哺乳動物に提供する工程を包含する、方法。
【請求項47】
必要とする哺乳動物において受胎を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の有効量を該哺乳動物に提供する工程を包含する、方法。
【請求項48】
医薬としての使用のための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物、または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項49】
必要とする哺乳動物における前立腺炎、間質性膀胱炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性直腸炎、大腸炎、前立腺肥大、子宮平滑筋腫症、乳癌、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、良性の乳房の疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、前立腺癌、結腸癌、神経膠腫、神経膠星状芽細胞腫、フリーラジカル誘導性の疾患様態、膣または外陰部の萎縮症、萎縮性膣炎、膣の乾燥、掻痒、性交疼痛症、排尿障害、頻繁な排尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動症候、関節炎、関節の腫脹または侵食、関節鏡検査または外科手術手段に続発性の関節損傷、乾癬、皮膚炎、虚血、再灌流障害、喘息、胸膜炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、ブドウ膜炎、敗血症、出血性ショック、またはII型糖尿病の処置のための医薬の調製における、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の、使用。
【請求項50】
必要とする哺乳動物における、コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、Lp(a)レベルもしくはLDLレベルを低下させるための医薬;高コレステロール血症、高脂血症、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、末梢血管疾患、再狭窄もしくは血管痙攣を阻害もしくは処置するための医薬;または免疫媒介性血管損傷を導く細胞性事象からの血管壁損傷を阻害するための医薬の調製における、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の、使用。
【請求項51】
必要とする哺乳動物における、認識増強もしくは神経保護を提供するための医薬;または老人性痴呆、アルツハイマー病、認識低下、脳卒中、不安、もしくは神経変性障害の処置もしくは阻害のための医薬の調製における、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の、使用。
【請求項52】
必要とする哺乳動物における受胎の阻害のための医薬の調製における、請求項1〜13のいずれか1項に記載の1水和物または請求項14〜21のいずれか1項に記載の結晶形態の、使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−533012(P2008−533012A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500786(P2008−500786)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/007807
【国際公開番号】WO2006/096591
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】