説明

2つのスライディングシャフトの関節を保持するボール結合装置

【課題】伝達されるトルクに関連付けられない軸力を必要とするスライディングシャフト結合装置を提供する。
【解決手段】共通の軸方向に滑り、2つのシャフト間に配置されるボールを伴う内側のシャフトと外側のシャフトを結合する装置である。ボールは内側のシャフトの軸方向の溝と外側のシャフトの軸方向の溝に配置される。それぞれのボールの列は、溝上に位置し、及び2つの転がりトラック上で溝と接触するボールを押す2重バネ部材により保持される。2つの転がりトラックは溝と内側シャフトの接合部で関節をなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通の軸に沿って滑る2つのシャフトを回転させて結合する装置に関する。本発明による結合装置は、特に、自動車のステアリング支柱に適用され、その際、結合装置はステアリングボックスに結合される中間支柱部分又はハンドルに結合される先端支柱部分に取り付けられる。
【背景技術】
【0002】
中間シャフトについてさらに具体的に言えば、後者は各端部に自在継ぎ手を有する。1つの自在継ぎ手はステアリングボックスの運動入力に結合され、もう一方の自在継ぎ手は支柱先端部に結合される。最新自動車の正しいステアリングのためには、中間シャフトの長さが、可変であること及びその自動車の前輪駆動車両の振動に適合することが必要であり、その振動は、道路の外被の外郭及び表面状態により引き起こされる。この特徴はまた、ラックアンドピニオンのピニオンの組立てを容易にする及び自動車の正面衝突の際の動きを吸収するのにも必要とされる。
【0003】
従って中間シャフトは可変する長さを有しなければならない、つまり、中間部分の軸である共通の軸に沿って互いに対して2つのシャフトが滑る機能を有しなければならない。さらに、2つのシャフト間の回転運動の伝達機能及びステアリング操作に必要な回転トルクの伝達機能が存在しなければならない。
【0004】
2つのシャフトのそれぞれに形成される共役外郭を伴うスプラインの使用により、2つのシャフト間の回転トルクの通過に関連する多くのスライディングシャフト結合装置が存在する。しかし、この型の装置は、最新自動車に求められる車両の耐用年数に相当する耐久テストサイクル後に遊びを示す。この遊びの始まりを遅らせるために、製造段階で2つのシャフトの滑り嵌合を比較的きつくし、それは製造ライン上での組立ての間に比較的高い軸力を必要とし、それが嵌め込み時間を増大させ、及び嵌め込みを更に困難にする。
【0005】
この嵌合は、軸方向の動きが動作中に正しく吸収されるのを可能にするために誤差のないようにしなければならない。回転トルクを伝達する間の軸力は、伝達されるトルクの関数であり、及び伝達されるトルクと摩擦係数に結び付けられる滑り力が増大し、それに続いて突然の軸方向の解除が起こり、それにより削減された遊びでの良好な滑り嵌合の維持を脅かす急な動きが引き起こされ、未熟な運転「感覚」につながる。
【0006】
また、プラスチック材料を金属製の雄シャフトと金属製の雌管のスプライン部分一面に注入する結合装置も存在する。この解決策は、高いトルク下で軸方向の動きを吸収する、つまり滑り力が2つの部分の間の摩擦力に比例して増大するという問題を生じさせる。さらに、遊びが、注入されたプラスチック材料の磨耗に続いて発生する。最終的な既存の解決策は、シャフトと管の間の転がり要素と応力バネの導入である。トルク下の滑りに対して満足できるこの解決策は、バネの剛性及び圧縮応力に直接比例するように、角度剛性の問題を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記で言及された不利益を回避するスライディングシャフト結合装置、つまり、伝達されるトルクに関連付けられない軸力を必要とする装置を提供することである。従って、伝達される回転トルクが増大するときに軸力がほとんど増大しないこと、及び角度のある伝達剛性が高いことが必要である。さらに、耐久性テストサイクル後に遊びが存在してはならず、及び2つのシャフトを結合する装置は、既存の自動車の利用できる空間に、より少ない軸方向の嵌め込み力で容易に嵌め込まれなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2つのシャフトを結合する、つまりそれらに共通する軸方向に1つのシャフトがもう一方のシャフト内に滑る内側のシャフトと外側のシャフトを結合する装置に関する。2つのシャフトを結合する前記装置は、内側のシャフトと外側のシャフトの間に配置されるボールを含む。
【0009】
結合装置において、前記ボールのそれぞれが、一方で内側のシャフトの凹型部分に配置され、及び他方では外側のシャフトの凹型部分に配置される。
【0010】
前記ボールのそれぞれは共通の軸と前記ボールの中心を通過する正中面のそれぞれの側に1つ配置された2つの転がりトラック上を動く。2つの転がりトラックのそれぞれは、2つのシャフトのうちの1つの凹型部分と協働し、及び関節軸に関して旋回する。転がりトラック及び対応する関節軸は、共通の軸に並行である。2つの転がりトラックのそれぞれは、前記凹型部分に配置された及びそこに位置するバネ部材により前記ボールのそれぞれに対して押される。2つのバネ部材は、2重バネ部材を構成することができる。前記ボールのそれぞれはもう一方のシャフトの凹型部分に対して直接転がる。
【0011】
停止時、つまりトルク伝達がないとき、及び動作時、つまりトルク伝達があるときに、前記ボールのそれぞれが常に正中面のそれぞれの側で、1つの軸受領域を介して、2つのシャフトのうちの1つに配置される対応する転がりトラックに接触し、及び別の軸受領域を通ってもう一方のシャフトの凹型部分と接触し、そして前記ボールのそれぞれの中心、転がりトラックを伴う軸受領域の中心及び前記転がりトラックの関節軸の対応する中心が、常に一直線になるように組立てが実行される。
【0012】
本発明1つの組立てタイプでは、関節軸は2つのシャフトのうちの1つの滑り表面と前記シャフトの凹型部分との間に置かれ、それにより各転がりトラックは、滑り表面と凹型部分の接合部で旋回する。
【0013】
別の組立てタイプでは、関節軸は2つのシャフトのうちの1つの凹型部分の内部に置かれ、それにより各転がりトラックは前記凹型部分で旋回する。
【0014】
本発明による結合装置の動作安全性を増大させるために、一定の遊びを有する共役外郭を伴う雄溝及び雌溝が内側のシャフトと外側のシャフト上に形成され、それにより、ボールが破損した場合でも、トルクは内側のシャフトと外側のシャフト間で依然伝達される。
【0015】
複数の構造の結合装置が実施されうる。1つの構造では、バネ部材が内側のシャフトに配置される。別の構造では、1つ又は複数のバネ部材が外側のシャフトに配置される。
【0016】
別の構造では、いくつかのバネ部材が内側のシャフトに配置され、その他のバネ部材が外側のシャフトに配置される。
【0017】
本発明の特定の構成では、本装置は複数の軸方向の列に配置されるボールを有する。
【0018】
ボールのそれぞれの列に対して、外側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボールと接触する2つの凹型表面を含む。
【0019】
ボールのそれぞれの列に対して、内側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部と2つの側面を含み、その底部は共通の軸と前記列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直である。
【0020】
ボールのそれぞれの列に対して、2つの転がりトラックが正中面のそれぞれの側に1つ配置され、内側のシャフトの軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働する。各転がりトラックは軸方向のバーの形状を取り、その断面は軸受部分と旋回部分を有する。
【0021】
軸受部分は、ボールと接触するように適合された表面を有する。旋回部分は凹型表面を伴うフォーク形状であり、その凹型表面は、内側のシャフトの滑り表面と軸方向の溝の対応する側面との間に配置される共役凸型形状の接合表面と協働し、凹型表面及び接合表面は、軸が関節軸である実質上円筒型の形状を有する。2つの転がりトラックのそれぞれは、軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押される。
【0022】
本発明による別の特定の構成では、結合装置は複数の軸方向の列に配置されるボールを有する。
【0023】
ボールのそれぞれの列に対して、内側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボールと接触する2つの凹型表面を含む。
【0024】
ボールのそれぞれの列に対して、外側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部と2つの側面を有し、その底部は、共通する軸と前記列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直である。
【0025】
ボールのそれぞれの列に対して、2つの転がりトラックは正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び外側のシャフトの軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働する。各転がりトラックは軸方向のバーの形状を取り、その断面は軸受部分と旋回部分を有する。
【0026】
軸受部分はボールと接触するように適合された表面を有する。旋回部分は凹型表面を伴うフォークの形状をとり、その凹型表面は外側のシャフトの滑り表面と軸方向の溝の対応する側面との間に配置された共役凸型形状の接合表面と協働し、凹型表面と接合表面は、軸が関節軸である実質上円筒型の形状を有する。2つの転がりトラックのそれぞれは、軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押される。
【0027】
本発明による別の特定の構成では、結合装置は複数の軸方向の列に配置されるボールを有する。
【0028】
ボールのそれぞれの列に対して、外側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボールと接触する2つの凹型表面を含む。
【0029】
ボールのそれぞれの列に対して、内側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部と2つの側面を含み、その底部は共通の軸と前記列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直である。
【0030】
ボールのそれぞれの列に対して、2つの転がりトラックが正中面のそれぞれの側に1つ配置され、内側のシャフトの軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働する。各転がりトラックは軸方向のバーの形状を取り、その断面は軸受部分と旋回部分を有する。
【0031】
軸受部分はボールと接触するように適合された表面を有する。丸みを帯びた旋回部分は凸型表面で形作られ、その凸型表面は軸方向の溝の底部と対応する側面との間に配置された共役凹型形状の接合表面と協働し、凸型表面及び接合表面は、軸が関節軸である実質上一部円筒型の形状を有する。2つの転がりトラックのそれぞれは、軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押される。
【0032】
本発明による別の特定の構成では、装置は複数の軸方向の列に配置されるボールを有する。
【0033】
ボールのそれぞれの列に対して、内側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボールと接触する2つの凹型表面を含む。
【0034】
ボールのそれぞれの列に対して、外側のシャフトに軸方向の溝の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部と2つの側面を有し、その底部は共通する軸と前記列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直である。
【0035】
ボールのそれぞれの列に対して、2つの転がりトラックは正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び外側のシャフトの軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働する。各転がりトラックは軸方向のバーの形状を取り、その断面は軸受部分と旋回部分を有する。
【0036】
軸受部分はボールと接触するように適合された表面を有する。丸みを帯びた旋回部分は凸型表面で形作られ、その凸型表面は、軸方向の溝の底部と対応する側面との間に配置された共役凹型形状の接合表面と協働し、凸型表面及び接合表面は、軸が関節軸である実質上一部円筒型の形状を有する。2つの転がりトラックのそれぞれは、軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押される。
【0037】
本発明による異なる実施形態によると、2つの転がりトラックのそれぞれは、軸方向の溝の底部に位置し、及び軸方向のコイルバネの形状又は軸方向のバネ部材の形状をしたバネ部材により押される。
【0038】
本発明によるその他の実施形態では、2つの転がりトラックが2つのバネ部材により押され、その2つのバネ部材は、薄い厚さの断面を有する軸方向の2重バネ部材の形状をした2重バネ部材を構成するように結合される。1つの実施形態では、軸方向の軸の底部に位置する丸みを帯びた中心部分と、前記転がりトラック上で動作する2つの湾曲した端部が存在する。別の実施形態では、屈曲した中心部分が存在し、その屈曲部は軸方向の溝の底部の軸方向のハウジングに嵌め込まれ及びそこに位置し、及びその湾曲した端部が前記転がりトラック上で動作する。
【0039】
特に十分に釣り合いのとれた結合装置の組立てでは、ボールは3つの軸方向の列に配置される。軸方向の列は、互いに120°で交差する。内側のシャフトは互いに120°で交差する3つの軸方向の溝を有する。外側のシャフトは互いに120°で交差する3つの軸方向の溝を有する。
【0040】
特に十分に釣り合いのとれた結合装置の別の組立てでは、ボールは2つの全く正反対の軸方向の列に配置される。内側のシャフトは2つの全く正反対の軸方向の溝を有する。外側のシャフトは2つの全く正反対の軸方向の溝を有する。
【0041】
本発明による装置の完全な構造では、内側のシャフトは、互いに120°で交差する3つの軸方向の溝を有する。軸方向のバネ部材と軸方向のバー形状をした2つの転がりトラックが、それぞれの軸方向の溝に取り付けられる。
【0042】
ボールは、互いに120°で交差する3つの軸方向の列に配置され、そのボールはスリーブ形状のケージにより所定の位置に保持される。
【0043】
ボール、転がりトラック及びバネ部材の組み合わせは、肩及び止め輪によりそれぞれの端部で閉じられる。止め輪は内側のシャフトの軸方向の溝のそれぞれに嵌め込まれる。
【0044】
外側のシャフトは、互いに120°で交差し、それぞれボールの列上を滑る3つの軸方向の溝を有する。軸方向の溝は、外側のシャフトと内側のシャフトの必要な軸方向の滑りを可能にするのに必要な長さを有する。
【0045】
本発明による結合装置は、自動車のステアリング支柱の中間部分又は自動車のステアリング支柱の先端部分に適用される。
【0046】
従って、共通する軸に沿って2つのシャフトを結合する本発明による結合装置は、回転トルクが伝達されないときでさえ、内側及び外側のシャフトのそれぞれ、及びボールのそれぞれの列に対して常に接触する2つの軸受領域が常に存在するという利点を有する。
【0047】
さらに、削減された軸力は、生産ライン上で適合させるときに必要である。本発明による結合装置の正確な適合は、自動車を運転するときの軸方向の急な動きを回避し、及び結合での遊びを回避することによる耐久性における良い結果を保証する。さらに、軸力は、回転トルクが転がり及び滑り接触のために伝達されるときに相当削減される。最後に、結合装置は自動車のステアリング支柱の既存の空間内に容易に適合する。
【0048】
本発明の別の特徴及び利点は、非限定的な例示として提供され、対応する添付の図面を参照して与えられる以下の本発明のいくつかの好ましい実施形態の記述を読むことで更にはっきりと明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明は、共通の軸に沿って一方のシャフトがもう一方のシャフト内に滑る2つのシャフトを回転させて結合する装置に関する。
【0050】
本結合装置は、図1に図式的に示されたような自動車のステアリングシステムに特によく適用する。
【0051】
示されたステアリングシステムは、支柱先端部とも呼ばれる先端支柱部分6及び中間シャフトとも呼ばれる中間支柱部分7を伴うステアリング支柱を含む。
【0052】
先端支柱部分6は、その上方端部によりハンドル5と結合され、及びその下方端部により中間支柱部分7と結合される。
【0053】
中間支柱部分7は、その上方端部により先端支柱部分6と結合され、及びその下方端部によりステアリングラック9のステアリングボックス8に結合される。
【0054】
中間支柱部分7は、そのそれぞれの端部で、10で表される自在継ぎ手により先端支柱部分6及びステアリングボックス8の両方に結合される。
【0055】
本記述の残りは、中間支柱部分7の結合装置に関する。本発明による結合装置は、先端支柱部分6にも提供される。
【0056】
内側のシャフト1及び外側のシャフト2は、図2及び図3に示される共通の軸4の方向に1つのシャフトがもう一方のシャフト内に滑る。この後記載される2つのシャフトを結合する装置の様々な実施形態は、ボール3を含む。ボール3は、内側のシャフト1と外側のシャフト2の間に配置される。本発明による結合装置では、前記ボール3のそれぞれは内側のシャフト1の凹型部分及び外側のシャフト2の凹型部分に配置される。
【0057】
前記ボール3のそれぞれは、2つのシャフトのうちの1の凹型部分と協働し、及び関節軸に関して旋回する2つの転がりトラック上を転がる。各転がりトラック及び対応する関節軸は、共通の軸4に並行である。2つの転がりトラックのそれぞれは、前記凹型部分に配置され、及びそこに位置するバネ部材により押される。前記ボール3のそれぞれは、もう一方のシャフトの凹型部分に対して直接転がる。
【0058】
本発明による結合装置は、ボール3が停止中、つまりトルク伝達が無いときも及び動作中、つまりトルク伝達が存在するときも常に接触するように適合される。ボール3の中心及び共通の軸4を通る正中面のそれぞれの側で、ボール3のそれぞれは、1つの軸受領域を通じて2つのシャフトのうちの1つに配置される対応する転がりトラックと、及び別の軸受領域を通じてもう一方のシャフトの凹型部分と常に接触する。本発明の最も重要な特徴によると、ボール3のそれぞれの中心、関係する転がりトラックとの軸受結合領域の中心及び前記転がりトラックの関節軸の対応する中心は、常に一直線である。
【0059】
図2は、中間支柱部分7の全体を軸方向に示している。内側のシャフト1及び外側のシャフト2は、共通の軸4に沿ってボール3とともに滑る。中間支柱部分7は、1つの自在継ぎ手10によりステアリングボックス8に結合され、及びもう一方の自在継ぎ手10により先端支柱部分6に結合される。
【0060】
その分解組み立て図が図3で見られ、及びその断面図が図4及び図5で見られる結合装置は、3つの軸方向の列20に配置されるボール3を含む。軸方向の列20は、互いに120°で横方向に置かれる。内側のシャフト1は、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝31を有する。外側のシャフト2は、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝32を有する。
【0061】
ボール3の各列20に対して、外側のシャフト2に、軸方向の溝32形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボール3と接触する2つの凹型表面33、34を含む。
【0062】
ボール3の各列20に対して、内側のシャフト1に、軸方向の溝31形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部35と2つの側面36、37を含む。底部35は、共通の軸4及び前記列20のボール3の中心の軸を通る正中面30に実質上垂直である。
【0063】
ボール3の各列20に対して、正中面30のそれぞれの側に1つ配置される2つの転がりトラック40が存在する。転がりトラック40は、軸方向の溝31の形状をした内側のシャフト1の凹型部分と協働する。
【0064】
それぞれの転がりトラック40は軸方向のバーの形状をとり、その断面は軸受部分41及び旋回部分42を有する。
【0065】
軸受部分41は、ボール3と接触するように適合された表面43を有する。旋回部分42は凹型表面44を伴うフォーク形状であり、凹型表面44は、内側のシャフト1の滑り表面21と軸方向の溝31の対応する側面36、37の間に配置される共役凸型形状の接合表面38、39と協働する。凹型表面44及び接合表面38、39は、軸が関節軸45である実質上一部円筒型の形状を有する。
【0066】
2つの転がりトラック40のそれぞれは、軸方向の溝31の底部35上に位置するバネ部材により押される。
【0067】
図6の断面で示される結合装置は、3つの軸方向の列20に配置されるボール3を含む。
【0068】
軸方向の列20は、互いに120°で横方向に置かれる。内側のシャフト1には、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝51が提供される。外側のシャフト2には、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝52が提供される。
【0069】
ボール3の各列20に対して、内側のシャフト1に軸方向の溝51の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボール3に接触する2つの凹型表面53、54を含む。
【0070】
ボール3の各列20に対して、外側のシャフト2に軸方向の溝52の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部55及び2つの側面56、57を含む。底部55は、共通の軸4及び前記列20のボール3の中心軸を通る正中面30に実質上垂直である。
【0071】
ボール3の各列20に対して、2つの転がりトラック60は、正中面30のそれぞれの側に1つ配置される。転がりトラック60は、軸方向の溝52の形状をした外側のシャフト2の凹型部分と協働する。各転がりトラック60は軸方向のバーの形状をとり、その断面は軸受部分61と旋回部分62を有する。
【0072】
軸受部分61は、ボール3と接触するように適合された表面63を有する。旋回部分62は凹型表面64を伴うフォーク形状をとり、凹型表面64は、外側のシャフト2の滑り表面22と軸方向の溝52の対応する側面56、57の間に配置される共役凹型形状の接合表面58、59と協働する。凹型表面64及び接合表面58、59は、軸が関節軸65である実質上一部円筒型の形状を有する。
【0073】
2つの転がりトラック60のそれぞれは、軸方向の溝52の底部55に位置するバネ部材により押される。
【0074】
図7及び図8の断面で示される結合装置は、3つの軸方向の列20に配置されるボール3を含む。
【0075】
軸方向の列20は、互いに120°で横方向に置かれる。内側のシャフト1は互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝71を有する。外側のシャフト2は、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝72を有する。
【0076】
ボール3の各列20に対して、外側のシャフト2に軸方向の溝72の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボール3と接触する2つの凹型表面73、74を含む。
【0077】
ボール3の各列20に対して、内側のシャフト1に軸方向の溝71の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部75及び2つの側面76、77を含む。底部75は、共通の軸4と前記列20のボール3の中心軸を通る正中面30に実質上垂直である。
【0078】
ボール3の各列20に対して、2つの転がりトラック80が正中面30のそれぞれの側に1つ配置される。転がりトラック80は、軸方向の溝71の形状をした内側のシャフト1の凹型部分と協働する。各転がりトラック80は軸方向のバーの形状をとり、その断面は軸受部分81及び旋回部分82を有する。
【0079】
軸受部分81は、ボール3と接触するように適合された表面83を有する。旋回部分82は凸型表面84を伴う丸みを帯びた形状であり、凸型表面84は、軸方向の溝71の底部75と対応する側面76、77の間に配置される共役凹型形状の接合表面78、79と協働する。凸型表面84と接合表面78、79は、軸が関節軸85である実質上一部円筒型の形状を有する。
【0080】
2つの転がりトラック80のそれぞれは、軸方向の溝71の底部75に位置するバネ部材により押される。
【0081】
図9の断面で示される結合装置は、複数の軸方向の列20に配置されるボール3を含む。
【0082】
軸方向の列20は、互いに120°で横方向に置かれる。内側のシャフト1には、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝91が提供される。外側のシャフト2には、互いに120°で横方向に置かれる3つの軸方向の溝92が提供される。
【0083】
ボール3の各列20に対して、内側のシャフト1に軸方向の溝91の形状をした凹型部分が形成され、その断面は互いに傾斜してボール3と接触する2つの凹型表面93、94を含む。
【0084】
ボール3の各列20に対して、外側のシャフト2に軸方向の溝92の形状をした凹型部分が形成され、その断面は底部95と2つの側面96、97を含む。底部95は、共通の軸4と前記列20のボール3の中心軸を通る正中面30に実質上垂直である。
【0085】
ボール3の各列20に対して、2つの転がりトラック100が正中面30のそれぞれの側に1つ配置される。転がりトラック100は、軸方向の溝92の形状をした外側のシャフト2の凹型部分と協働する。各転がりトラック100は軸方向のバーの形状をとり、その断面は軸受部分101と旋回部分102を有する。
【0086】
軸受部分101はボール3に接触するように適合された表面103を有する。旋回部分102は凸型表面104を伴う丸みを帯びた形状であり、凸型表面104は、軸方向の溝92の底部95と対応する側面96、97の間に配置される共役凹型形状接合表面98、99と協働する。凸型表面104及び接合表面98、99は、軸が関節軸105である実質上一部円筒型の形状を有する。
【0087】
2つの転がりトラック100のそれぞれは、軸方向の溝92の底部95に位置するバネ部材により押される。
【0088】
図面、特に図10及び図11に示される任意の実施形態では、2つの転がりトラック40、60、80、100のそれぞれが、軸方向の溝31、52、71、92の底部35、55、75、95上に位置する軸方向のコイルバネ111の形状をしたバネ部材により押される。
【0089】
全ての実施形態では、2つの転がりトラック40、60、80、100のそれぞれは、軸方向の溝31、52、71、92の底部35、55、75、95上に位置する軸方向のバネ部材120の形状をしたバネ部材により押される。
【0090】
図面、特に図4、図5、図6及び図10に示される実施形態では、2つの転がりトラック40、60、80、100のそれぞれは、それぞれのバネ部材により押される。前記2つのバネ部材は、軸方向の2重バネ部材113の形状をした2重バネ部材を構成するように結合される。2重バネ部材113は、軸方向の溝31、52、71、92の底部35、55、75、95に位置する丸みを帯びた中心部分114と前記転がりトラック上で動作する2つの湾曲した端部を伴う薄い断面を有する。
【0091】
図面、特に図7、図8及び図9に示される実施形態では、2つの転がりトラック40、60、80、100のそれぞれは、それぞれのバネ部材により押される。2つのバネ部材は、軸方向の2重バネ部材116の形状をした2重バネ部材を構成するように結合される。2重バネ部材116は、屈曲部119が軸方向の溝31、52、71、92の底部35、55、75、95の軸方向のハウジング110に嵌め込まれる及びそこに位置する屈曲した中心部分117と、前記転がりトラック上で動作する2つの湾曲した端部118を伴う薄い断面を有する。
【0092】
図3から図9に示されるように、ボール3は3つの軸方向の列20に配置され、軸方向の列20は互いに120°で横方向に配置される。内側のシャフト1には、3つの軸方向の溝31、51、71、91が提供され、その軸方向の溝31、51、71、91は互いに120°で横方向に配置される。外側のシャフト2には、3つの軸方向の溝32、52、72、92が提供され、その軸方向の溝32、52、72、92は互いに120°で横方向に配置される。
【0093】
図10の場合のように、ボール3は2つの全く正反対の軸方向の列20に配置される。内側のシャフト1には、2つの全く正反対の軸方向の溝31、51、71、91が提供され、及び外側のシャフト2には、2つの全く正反対の軸方向の溝32、52、72、92が提供される。
【0094】
図9に示されるように、一定の遊びを伴う共役外郭を有する雄溝23及び雌溝24が、内側のシャフト1及び外側のシャフト2に提供される。従って、ボール3が損失した場合でも、トルクは依然内側のシャフト1と外側のシャフト2の間で伝達される。
【0095】
特に図4、図5、図7、図8及び図11の場合のように、バネ部材111、113、116、120は内側のシャフト1に配置され、及び内側のシャフトと協働する2つの転がりトラック40、80により押される。
【0096】
特に図6、図9及び図12に関して、バネ部材111、113、116、120は外側のシャフト2に配置され、及び外側のシャフトと協働する2つの転がりトラック60、100を押す。
【0097】
本発明の範囲から離れることなく、いくつかのバネ部材111、113、116、120は内側のシャフト1にも配置され、及び他のものは外側のシャフト2に配置される。前記バネ部材は、関連するシャフトと協働する対応する2つの転がりトラックを押す。
【0098】
図3、図4及び図5及び図7及び図8の実施形態では、内側のシャフト1に3つの軸方向の溝31、71が提供される。軸方向の溝31、71は、互いに120°で交差する。各軸方向の溝31、71には軸方向のバネ部材113、116及び軸方向のバーの形状をした2つの転がりトラック40、80が取り付けられる。
【0099】
ボール3は、互いに120°で交差する3つの軸方向の列20に配置される。
【0100】
ボール3、転がりトラック40、80及びバネ部材113、116の組み合わせは、各軸方向の端部で、肩15及び止め輪12により閉じられる。止め輪12は内側のシャフト1の軸方向の溝31、71のそれぞれに嵌め込まれる。スリーブ17は内側のシャフト1の平坦な部分を越えて嵌め込まれ、肩19を押し付ける。
【0101】
外側のシャフト2は互いに120°で交差し、ボール3の列20上を滑る3つの軸方向の溝32、72を有する。軸方向の溝32、72は、外側のシャフト2及び内側のシャフト1の必要な軸方向への滑りを可能とするのに必要な長さを有しなければならない。
【0102】
本発明の特徴に特有の利点が以下に要約されている。
【0103】
ボールはシャフトの1つ及び2つの転がりトラックと接触する。転がりトラックはもう一方のシャフトと接触し、シャフト上で旋回できる。転がりトラックはバネ部材と接触し、その目的は転がりトラックとボール間の接触を1箇所で維持することである。転がりトラックの形状は、ボールの中心と転がりトラックの旋回箇所を結合する線上に接触箇所を維持することを目的としている。
【0104】
装置を組み立てる間、バネ部材は、様々な部品の寸法の偏差を補正する(言ってみれば、それらがバネ部材の歪みによる公差を吸収する)。
【0105】
トルクを印加すると、負荷がボールと転がりトラックを通じて管からシャフトに伝達される。負荷を印加する線は、ボールの中心と転がりトラックの旋回箇所を通る。従って、負荷はバネ部材を取り付けることなくシャフトにより直接引き上げられる。角度剛性は非常に高く、バネ部材の剛性とは無関係である。
【0106】
シャフトに対する管の軸方向の移動の間、システムの滑り力はバネ部材によりボールに印加された負荷の関数である。
【0107】
トルクを印加する間、システムの滑り力はバネ部材によりボールに印加された負荷とシステムに印加されたトルクの関数である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の結合装置が中間支柱部分に適用される自動車のステアリングシステムの斜視図である。
【図2】図1の自動車のステアリングシステムの中間部分の軸方向図であり、本発明の1つの実施形態が一部軸方向の断面で示される。
【図3】図2の結合装置全体の分解組立透視図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】図4の一部を大きい縮尺で示している。
【図6】本発明の別の実施形態を図4の平面での断面図で示している。
【図7】本発明の更なる実施形態を図4の平面での断面図で示している。
【図8】図7の一部を大きい縮尺で示している。
【図9】本発明の別の実施形態を図8に類似した一部断面図で示している。
【図10】本発明の更なる実施形態を図4の平面での断面図で示している。
【図11】本発明の別の実施形態を図5に類似した一部断面図で示している。
【図12】本発明の別の実施形態を図6に類似した一部断面図で示している。
【図13】本発明による軸方向のバネ部材の1つの実施形態を示している。
【符号の説明】
【0109】
1 内側のシャフト
2 外側のシャフト
3 ボール
4 共通の軸
5 ハンドル
6 先端支柱部分
7 中間支柱部分
8 ステアリングラック
9 ステアリングボックス
10 自在継ぎ手
12 止め輪
15 肩
17 スリーブ
19 肩
20 3つの軸方向の列
23 雄溝
24 雌溝
30 正中面
31 3つの軸方向の溝
32 3つの軸方向の溝
33 凹型表面
34 凸型表面
35 底部
36 側面
37 側面
38 接合表面
39 接合表面
40 転がりトラック
41 軸受部分
42 旋回部分
43 表面
44 凹型表面
45 関節軸
51 3つの軸方向の溝
52 3つの軸方向の溝
53 凹型表面
54 凸型表面
55 底部
56 側面
57 側面
58 接合表面
59 接合表面
60 転がりトラック
61 軸受部分
62 旋回部分
63 表面
64 凹型表面
65 関節軸
71 3つの軸方向の溝
72 3つの軸方向の溝
73 凹型表面
74 凸型表面
75 底部
76 側面
77 側面
80 転がりトラック
81 軸受部分
82 旋回部分
83 表面
84 凸型表面
85 関節軸
91 3つの軸方向の溝
92 3つの軸方向の溝
93 凹型表面
94 凹型表面
95 底部
96 側面
97 側面
98 接合表面
99 接合表面
100 転がりトラック
101 軸受部分
102 旋回部分
103 表面
104 凸型表面
105 関節軸
110 ハウジング
111 軸方向のコイルバネ
113 軸方向の2重バネ部材
114 丸みを帯びた中心部分
116 軸方向の2重バネ部材
117 屈曲した中心部分
118 湾曲した端部
119 屈曲部
120 軸方向のバネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが内側のシャフトの凹型部分と外側のシャフトの凹型部分の間に配置され、及び共通の軸とボールの中心を通る正中面のそれぞれの側に1つ配置される2つの転がりトラック上を移動する前記ボールを含み、
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記シャフトのうちの1つの凹型部分と協働し、及び前記共通の軸と並行する関節軸に関して旋回し、
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記凹型部分に配置され及びそれ上に位置するバネ部材により前記ボールのそれぞれに対して押され、
前記ボールのそれぞれが、もう一方のシャフトの凹型部分に対して直接転がり、それにより
停止時、つまりトルク伝達がないとき、及び動作時、つまりトルク伝達があるときに、
前記ボールのそれぞれが、前記正中面のそれぞれの側で、1つの軸受領域を介して、前記2つのシャフトのうちの1つに配置される対応する転がりトラックと、及び別の軸受領域を通じて前記もう一方のシャフトの凹型部分と常に接触し、及び
前記ボールのそれぞれの中心、前記転がりトラックを伴う前記軸受領域の中心、及び前記転がりトラックの前記関節軸の対応する中心が常に一直線であることを特徴とする、共通の軸方向に前記1つのシャフトが前記もう一方のシャフト内に滑る前記内側のシャフトと前記外側のシャフトを結合する装置。
【請求項2】
前記2つの転がりトラックのそれぞれがそれぞれのバネ部材により押され、前記2つのバネ部材が2重バネ部材を構成するために互いに結合されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項3】
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの滑り表面と前記凹型部分との間に置かれる前記関節軸に関して旋回し、それにより各転がりトラックが前記滑り表面及び前記凹型部分の接合部で旋回することを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項4】
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記2つのシャフトのうちの1つの凹型部分内部に置かれる前記関節軸に関して旋回し、それにより各転がりトラックが前記凹型部分で旋回することを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項5】
一定の遊びを有する共役外郭を伴う雄溝及び雌溝が前記内側シャフトと前記外側シャフト上に形成され、それにより前記ボールが損失した場合でもトルクは依然前記内側シャフトと前記外側のシャフト間で伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項6】
前記バネ部材が前記内側のシャフトに配置され、及び前記内側のシャフトと協働する前記2つの転がりトラックを押すことを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項7】
前記バネ部材が前記外側のシャフトに配置され、及び前記外側のシャフトと協働する前記2つの転がりトラックを押すことを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項8】
前記いくつかのバネ部材が前記内側のシャフトに配置され、及びその他のバネ部材が前記外側のシャフトに配置され、前記バネ部材が前記関連するシャフトと協働する2つの対応する転がりトラックを押すことを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項9】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記外側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトの前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、その断面が、
前記各列のボールと接触するように適合された表面を伴う軸受部分と、
凹型表面を伴うフォーク形状の旋回部分を有し、前記凹型表面が前記内側のシャフトの滑り表面と前記軸方向の溝の対応する側面との間に配置された共役凸型形状の接合表面と協働し、前記凹型表面と前記接合表面が、軸が関節軸である実質上円筒型の形状を有し、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記内側のシャフトの前記軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押されることを特徴とする、請求項3に記載の結合装置。
【請求項10】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記ボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記外側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記外側のシャフトの前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、その断面が、
前記各列のボールと接触するように適合された表面を伴う軸受部分と、
凹型表面を伴うフォーク形状の旋回部分を有し、前記凹型表面が前記外側のシャフトの滑り表面と前記軸方向の溝の対応する側面との間に配置された共役凸型形状の接合表面と協働し、前記凹型表面と前記接合表面が、軸が関節軸である実質上円筒型の形状を有し、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記外側のシャフトの前記軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押されることを特徴とする、請求項3に記載の結合装置。
【請求項11】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記外側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトの前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、その断面が、
前記各列のボールと接触するように適合された表面を伴う軸受部分と、
凸型表面を伴う丸みを帯びた形状の旋回部分を有し、前記凸型表面が前記軸方向の溝の前記底部と前記対応する側面との間に配置された共役凹型形状の接合表面と協働し、前記凸型表面と前記接合表面が、軸が関節軸である実質上一部円筒型の形状を有し、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記外側のシャフトの前記軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押されることを特徴とする、請求項4に記載の結合装置。
【請求項12】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記外側のシャフトの凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記外側のシャフトの前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、その断面が、
前記各列のボールと接触するように適合された表面を伴う軸受部分と、
凸型表面を伴う丸みを帯びた形状の旋回部分を有し、前記凸型表面が前記軸方向の溝の前記底部と前記対応する側面との間に配置された共役凹型形状の接合表面と協働し、前記凸型表面と前記接合表面が、軸が関節軸である実質上一部円筒型の形状を有し、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記外側のシャフトの前記軸方向の溝の底部に位置するバネ部材により押されることを特徴とする、請求項4に記載の結合装置。
【請求項13】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の前記軸方向の溝の底部に位置する軸方向のコイルバネ形状をしたバネ部材により押されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項14】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の前記軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、及び
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の底部に位置する軸方向のバネ部材形状をしたバネ部材により押されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項15】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、及び
前記2つの旋回する転がりトラックのそれぞれがそれぞれのバネ部材により押され、前記2つのバネ部材が2重バネ部材形状の2重バネ部材を構成するように結合され、前記バネ部材が前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の底部に位置する丸みを帯びた中心部分と前記2つの旋回する転がりトラック上で動作する2つの湾曲した端部を伴う薄い断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項16】
前記ボールが複数の軸方向の列に配置され、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの凹型部分に配置され、その断面が互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含み、
前記ボールの各列が軸方向の溝の形状をした前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の凹型部分に配置され、その断面が底部と2つの側面を含み、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る前記正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の形状をした前記凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、及び
2つの旋回する転がりトラックのそれぞれが、それぞれのバネ部材により押され、前記2つのバネ部材が2重バネ部材形状の2重バネ部材を構成するように結合され、前記2重バネ部材が屈曲した中心部分を伴う薄い断面を有し、その屈曲部が前記内側のシャフト及び前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の底部の軸方向のハウジングに嵌め込まれ及び前記ハウジングに位置し、及びその湾曲した端部が前記2つの旋回する転がりトラック上で動作することを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項17】
前記ボールが互いに120°で横方向の3つの軸方向の列に配置され、
前記3つの軸方向のボールの列が、互いに120°で横方向に前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの1つの3つの軸方向の溝にそれぞれ配置され、前記3つの軸方向のボールの列のそれぞれの軸方向の溝が、互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含む断面を有し、
前記3つの軸方向のボールの列が、互いに120°で横方向に前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の3つの軸方向の溝にそれぞれ配置され、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の3つの軸方向のボールの列の各軸方向の溝が、底部と2つの側面を含む断面を有し、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直であり、及び
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフト及び前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取ることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項18】
前記ボールが全く正反対の軸方向の列に配置され、
前記2つの軸方向のボールの列が、前記内側のシャフト及び前記外側のシャフトのうちの1つの2つの全く正反対の軸方向の溝にそれぞれ配置され、前記2つの軸方向のボールの列のそれぞれの軸方向の溝が、互いに傾斜して前記各列のボールと接触する2つの凹型表面を含む断面を有し、
前記2つの軸方向のボールの列が、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちのもう一方の2つの全く正反対の軸方向の溝にそれぞれ配置され、前記内側のシャフトと前記外側のシャフトの前記2つの軸方向のボールの列のそれぞれの軸方向の溝が、底部と2つの側面を含む断面を有し、前記底部が前記共通の軸と前記各列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直であり、及び
前記ボールの各列に対する2つの旋回する転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトと前記外側のシャフトのうちの前記もう一方の軸方向の溝の形状をした凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取ることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項19】
前記ボールが、互いに120°で横方向に3つの軸方向の列に配置され、
前記外側のシャフトが、互いに120°で横方向に前記ボールの列上をそれぞれ滑る3つの軸方向の溝を有し、前記軸方向の溝が前記外側のシャフトと前記内側のシャフトの必要な軸方向の滑りを可能にするのに必要な長さを有し、
前記外側のシャフトの各軸方向の溝が、互いに傾斜して前記それぞれの列のボールと接触する2つの凹型表面を含む断面を有し、
前記内側のシャフトが、互いに120°で横方向に3つの軸方向の溝を有し、及び軸方向のバネ部材と軸方向のバー形状の2つの転がりトラックが前記内側のシャフトの各軸方向の溝に取り付けられ、
前記内側のシャフトの各軸方向の溝が、底部と2つの側面を含む断面を有し、前記底部が前記共通の軸と前記それぞれの列のボールの中心軸を通る正中面に実質上垂直であり、
前記ボールの各列に対する2つの転がりトラックが、前記正中面のそれぞれの側に1つ配置され、及び前記内側のシャフトの軸方向の溝形状をした凹型部分と協働し、及び各転がりトラックが軸方向のバーの形状を取り、その断面が前記各列のボールと接触するように適合された表面を伴う軸受部分と旋回部分を有し、
前記2つの転がりトラックのそれぞれが、前記内側のシャフトの前記軸方向の溝の1つの前記底部に位置する前記バネ部材のうちの1つにより押され、及び
前記ボール、前記転がりトラック及び前記バネ部材の組み合わせが、肩及び前記内側のシャフトの軸方向の溝のそれぞれに嵌め込まれる止め輪により各端部で閉じられることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項20】
自動車のステアリング支柱の中間部分に適用されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。
【請求項21】
自動車のステアリング支柱の先端部分に適用されることを特徴とする、請求項1に記載の結合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−84028(P2006−84028A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−265200(P2005−265200)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(504460821)
【Fターム(参考)】