説明

2室アンプル

本発明は、吐出される媒体がその内側に配置された投与室10を有し、弾性的で可撓性のあるプラスチック剤からなる容器に関する。投与室10の一方の端部が放出開口18を有すると共に他方の端部が連結点20を介して圧縮可能な容器部分22に接続され、該容器部分22の中に特にガス状の推進媒体が配置されている。容器部分22を圧縮すると推進媒体が放出開口18を介して投与室10の外へ送出媒体を少なくとも部分的に吐出させる。すべての用途において増加した機能上の信頼性が、投与室10及び容器部分22間の連結点20が、容器の空間的配置から独立して、投与室10から推進媒体を収容する容器部分22へ送出媒体が移動することを防止する毛管現象を形成するために設けられた首部によって形成されているという理由で保証されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送出媒体が配置された投与室を有し、弾性的で可撓性のあるプラスチック材からなる容器であって、投与室の一方の端部が放出開口を有すると共に他方の端部が連結点を介して圧縮可能な容器部分に接続され、その中に特にガス状の推進媒体を有し、容器部分を圧縮すると推進媒体が放出開口を介して投与室の外へ送出媒体を少なくとも部分的に吐出する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物質媒体が中に配置された管状の投与室を有する弾性プラスチック材からなる一般的な容器が開示されており、この容器は、容器の姿勢に関わらず物質媒体が投与室に留まるように作られており、投与室よりも大きな体積を備えたガス状媒体を収容する圧縮可能な容器部分を有し、容器部分が圧縮されると、投与室に配置された物質媒体が、取り付けられている放出開口を介してこの投与室から吐出する。
【0003】
公知の容器の解決策は、室温で軟膏状であると共に専ら容器の製造時に投与室に付加される、ある堅さを有する物質媒体を送出する機能を実現する。室温で軟膏状である物質媒体の堅さによって、投与室の自由端に向かって円錐でもある管状の投与室からそれが吐出することが防止されている。公知の容器部分には、推進媒体はガス状媒体だけなので、容器が圧縮されると、単独で投与室に配置されている物質媒体が容器内に基本的に残ることなくこの投与室から排出される。公知の解決策は、軟膏状の堅さに関連して低粘度で投与室に物質媒体を送出するため、送出媒体は、投与室から連結点としての拡張部を介して容器部分に注入され、そこで推進媒体と混合され、この点において、容器の解決策を使用できないものにしているということにおいて制限されている。
【0004】
この欠点に対処するために、特許文献2によれば、一方の端部に設けられた放出開口と、他方の端部に接続されると共に容器の内部に向かってのみ開いていて手による変形によって減少可能な容積で容器と一体に形成されたチャンバーとを備えた、流動性を有する物質を調節可能に吐出するプラスチック容器が提案されており、この容器はシリンダーとして形成され、流動性を有する物質を保持するシリンダーの内部はシリンダー内で縦方向に手動で移動可能な別体のピストンによってチャンバーの内部から分離しており、チャンバー内には、手で移動させると、容器の放出開口に対して別体のピストンを押圧する空気が貯められている。公知の解決策において、投与室の送出媒体を容器部分内の推進媒体から物質を分離することが、この別体のピストンによって達成されるので、容器の解決策を使いものにならなくしてしまうような混合が意図せず発生することがない。従って、公知の容器の解決策を用いると、非常に薄い液体の送出媒体でさえ送出可能であるが、公知の解決策は、別体のピストンのために生産することが高価であると共に軸方向、特に送出方向に大きくなってしまうという欠点を有する。
【0005】
【特許文献1】DE−PS3244403
【特許文献2】DE4420594C2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来技術を基にして、本発明の目的は、安価に生産可能であり、構造的に小さくすることが可能であって、多大な技術的努力を必要とすることなく薄い液体濃度及び/又はエアロゾル状で送出媒体としてそれらを送出可能な容器を発明することである。この目的は、請求項1の特徴をその全体に備えた容器によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これについて、請求項1の特徴記載部分に特定されるように、投与室及び容器部分間の連結点がくびれ部から形成され、くびれ部は、容器の三次元配置から独立して、投与室から推進媒体を備えた容器部分へ送出媒体が溢れ出るのを防止する毛管現象が形成されるように設計されており、別体のピストンが配置されていなくとも、送出媒体が推進媒体と共に投与室から容器部分の方向に意図せず絶対に流れないようにしている。従って、容器の三次元的な形状にも関わらず、動作の信頼性はどの場合にも保証されており、送出媒体のようなスプレー可能なエアロゾル等をこのように送出することができるのは、これら容器を生産する分野における当業者にとって驚くべきことである。スプレー可能な有効成分を、迅速に摂取することを確実にするために鼻粘膜に接触させることが可能であるので、送出媒体は製薬分野において益々重要になっている。なお、これは異なるタイプの摂取方法については保証されない。
【0008】
本発明の容器の1つの好適な実施形態において、くびれ部は導管から形成されている。さらに、好ましくは、脆弱なくびれ部が支持手段によって強化されるように対策がなされている。この支持手段は、意図せず、くびれ部がその動作を妨げるようなダメージを受けたり圧縮したりしないようにすることを保証している。
【0009】
本発明の容器の1つの好適な実施形態において、支持手段が、容器部分、くびれ部、及び投与室のうちの少なくとも2つの部分に亘る少なくとも2つの横木状の支持アームを有している。好ましくは、2つの支持アームは、分離平面に沿って延びていると共に少なくとも部分的に重複しており、容器の半体の部分がそれに沿って境界を接している。また、容器全体の既になされた強化に加えて、これによって、外部に対して容器の内容物が改善したシールがなされるようになるので、容器内部の無菌状態を長期間保証する。
【0010】
本発明の容器の別の好適な実施形態において、容器部分の拡張部において投与室から外方へ向いているその側面で、2つの支持アームがコードを備えたタブへと移行している。表示されたコードを用いてその容器の内容物を識別することができる。
【0011】
特に好適な本発明の容器の別の実施形態において、投与室が放出開口に向かって少なくとも少しずつ円錐形にテーパしている。容器が圧縮されると、選択された円錐形のテーパの程度に応じて、保存された媒体の速度が増加するというメリットが得られる。特に、更に良い噴射動作が送出時に達成可能である。
【0012】
本発明の容器のその他の有利な実施形態は、その他の従属する請求項に主題である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の容器について、図面に示すように1つの実施形態を用いて以下に詳述する。図面は概略図であって正確な縮尺ではない。
【0014】
図面に示されている容器は、透明で、弾性的で、可撓性のあるプラスチック材からなり、(図1及び2のような)単独で、又はブロー成形機を用いて(図3のような)他の容器と共に、生産され、充填され、及びシールされて無菌とされている。容器は、図面に示すようにその下方の端部で捻り閉じ部12によって閉じられている管状の投与室10を有し、捻り閉じ部12は投与室10の下方の端部の放出開口18を開放するために当該捻り閉じ部12を捻り取るための首部の条痕14とハンドル16とを有している。送出媒体、例えば、眼軟膏剤のような軟膏状の堅さを有するものが投与室10内にあるが、好ましくは、送出媒体は、低粘度でエアロゾル状のものからなるので、投与室10からスプレー処理の形で放出開口18を介して容器から送出可能である。投与室10の管状の構造は、鼻腔等のような体の開口内への注入をこのように促進する。
【0015】
投与室10の反対側は、連結点20を介して、例えば空気のような基本的にガス状の推進媒体が中に配置される圧縮可能な容器部分22に接続されている。容器部分22が例えば手によって圧縮されると、推進媒体が、外への適用処理のために送出媒体を投与室10から放出開口18を介して外部へ少なくとも部分的に吐出する。投与室10及び容器部分22間の連結点20は図面に示すようなくびれ部から形成されており、くびれ部は、毛管現象が形成されるように作られているので、容器の三次元配置から独立し、投与室から推進媒体を備えた容器部分22へ送出媒体が溢れ出るのを防止している。同様に、推進媒体は、容器部分22を圧縮することなく連結点20を介して投与室10の方向に意図せず放出されることはない。特に、くびれ部は投与室10及び容器部分22間の移動領域内に首状に配置されている導管から形成されている。容器の分離平面24に沿った導管の軸方向の拡張部は、どんな場合でも、送出媒体の自由通路の断面積よりも小さい。
【0016】
さらに、図面に示されているように、脆弱なくびれ部は全体として参照符号26で示す支持手段を用いて強化されている。特に図1に示すように、支持手段26は、投与室10の少なくとも下部三分の一と同様に容器部分22及び連結点20の両方に亘る2つの橋状の支持アーム28,30を有している。特に図2に示すように、2つの支持アーム28,30は、表示されている分離平面24に沿って延びていると共に前述の構成内で少なくとも部分的に分離平面と重複しているので、容器の半体の部分がそれに沿って互いに境界を接している点で、生産技術において、支持手段26を介した付加的なシールが達成される。図1を見る方向に見える、より下方の端部があるその端部で、2つの支持アーム28,30は、円錐形の注入部分を介して投与室10内へ一体に移行している。
【0017】
図1及び2を見る方向に見える容器部分22の拡張部において、2つの支持アーム28,30は平らな四角形のタブ32で終端している。容器の取り扱いを改良したことに加えて、さらに、タブ32によって、容器及びその内容物を識別することを可能にするためにコード34を取り付けることが可能となる。タブ32の高さは、図2に示すように、タブ32が支持手段26を伴う分離平面24に亘って終端の超過した端部と共に突出するように選択される。なお、タブ32は、別の条痕箇所36を介して容器部分22から分離していてもよい。くびれ状の連結点20と同様に管状に形成された投与室10とは対照的に、容器部分22は略立方体に形成されており、図2に示すように、容器部分22が、手で、例えば親指と人差し指で圧縮することができるように両側に2つの接触面38を有している。さらに、接触面38は、分離平面24に対して平行に延びている。特に、接触面38は、投与室10の最高部を超えて両方向にはっきりと突出している。さらに、容器部分22の投与室10に対する体積比は、放出開口18を介して媒体を完全に送出することが保証されるように、約2対1となっている。
【0018】
図3に示すように、いくつかの容器が、互いに対向した面で連続して互いに対して接続されており、ブロー成形機によって連続して生産されたそれら容器は、隣接している面を介して互いに分離可能である。このように、ユーザーは、グループに、好ましくは、一週間分の供給量に結合された容器を個々に分離して使用することが可能となる。この結合によって包装材料を削減することが可能となる。
【0019】
本発明の容器の解決策を用いれば、記載された送出媒体のために可能性のある用途が患者のために増加することを期待される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の容器の正面図である。
【図2】図1に示す容器の側面図である。
【図3】図1及び2の形状に従って、グループに結合可能ないくつかの分離可能な容器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出媒体が配置された投与室(10)を有し、弾性的で可撓性のあるプラスチック材からなる容器であって、前記投与室(10)の一方の端部が放出開口(18)を有すると共に他方の端部が連結点(20)を介して圧縮可能な容器部分(22)に接続され、該容器部分(22)の中に特にガス状の推進媒体を有し、前記容器部分(22)を圧縮すると前記推進媒体が前記放出開口(18)を介して前記投与室(10)の外へ前記送出媒体を少なくとも部分的に吐出する容器において、前記投与室(10)及び前記容器部分(22)間の前記連結点(20)がくびれ部から形成され、該くびれ部が当該容器の三次元配置から独立して、前記投与室(10)から前記推進媒体を備えた前記容器部分(22)へ前記送出媒体が溢れ出るのを防止する毛管現象が形成されるように形成されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記くびれ部が導管から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
脆弱な前記くびれ部が支持手段(26)を用いて強化されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載の容器。
【請求項4】
前記支持手段(26)が、前記容器部分(22)、前記くびれ部、及び前記投与室(10)のうちの少なくとも2つの部分に亘る少なくとも2つの橋状の支持アーム(28,30)を有していることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記2つの支持アーム(28,30)が、分離平面(24)に沿って延びると共に少なくとも部分的に前記分離平面(24)と重複しており、該分離平面(24)に沿って当該容器の半体の部分が互いに境界を接していることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記容器部分(22)の拡張部において前記投与室(10)から外方へ向いているその側面で、前記2つの支持アーム(28,30)がコード(34)を備えたタブ(32)へと移行していることを特徴とする請求項4又は5のいずれか一方に記載の容器。
【請求項7】
前記投与室(10)及び前記くびれ部が管状に形成されると共に前記容器部分(22)が略立方体に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の容器。
【請求項8】
前記立方体の容器部分(22)が前記投与室(10)の最高部を超えて少なくとも一方向に突出していることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記容器部分(22)の前記投与室(10)に対する体積比が少なくとも2対1であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の容器。
【請求項10】
前記放出開口(18)が、前記送出媒体の吐出の前に捻り閉じ部(12)を介して閉じられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の容器。
【請求項11】
前記投与室(10)が前記放出開口(18)に向かって少なくとも少しずつテーパしていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−513303(P2008−513303A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531618(P2007−531618)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008093
【国際公開番号】WO2006/032320
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(501455529)
【Fターム(参考)】