説明

2次元バーコードシールを介した動画配信システム

【課題】 容易にユーザ登録及び動画のアップ・配信ができる動画配信システムを提供する。
【解決手段】 ユーザは携帯電話30にて2次元バーコードシール20の表面を撮像し、webアドレスとユーザIDを得る。得られたwebアドレスによりアクセスデータ管理部52に接続してユーザIDを送信すると、ユーザデータ管理部53が携帯電話30から送信されたユーザ情報をユーザIDと関連づけてユーザデータベース51に保存し、マルチメディアデータ受信部55が携帯電話30から送信されたマルチメディアデータを受信し、マルチメディアデータ管理部57がユーザIDと関連づけてユーザデータベース51に保存する。その後、いずれかの携帯電話30により2次元バーコードシール20の表面を撮像すると、マルチメディアデータ配信部58がユーザIDで特定されるマルチメディアデータをユーザデータベース51から読み出し、携帯電話30に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動画配信システムに関し、特に動画データを配信するに当たってユーザ登録及び動画のアップロード・ダウンロードを容易に行うことのできる2次元バーコードシールを介した動画配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末、特に携帯電話は素子・液晶画面・CCDカメラなど構成部品の高性能化、通信速度の向上などに伴い、かなり容量の大きなマルチメディアデータを生成・再生・送受信して利用することが普通に行われるようになってきている。例えば、動画データをwebサーバに保存しておき、携帯電話にダウンロードさせるサービスが実施されている。一方で、携帯電話とユーザとの間のマンマシンインターフェース技術はさほど進歩しておらず、データ入力や情報の入手などの面で立ち後れているという実情がある。例えば、ユーザが動画データを公開するホームページを開設するために携帯電話からインターネットを通じてオンライン登録手続をする際には、住所・氏名やプロバイダへの料金支払い方法等を携帯電話のテンキーからいちいち入力していかなければならず、これはテンキーの操作に習熟していない者や手の不自由な者には非常に面倒な作業である。動画データをダウンロードする際にwebサーバのURLを入力する際も同様であり、その他のリンクを探すなどの手段には時間と手間を要する。ブックマーク登録しておいたとしても、携帯電話の液晶画面はサイズが小さく操作性や視認性が悪いために探すのに時間がかかり、アクセスしたいURLが多数のURLの中に埋没してしまって、結局は放置されたままになり、結果としてホームページが利用されないことが多い。
【0003】
特開2003-233546公開公報には、携帯電話により撮像された2次元バーコードに含まれるwebアドレスが取得されてwebページへのアクセスが行われる構成が開示されている。特開2003-330831公開公報には、携帯電話がバーコードデータから抽出したURL情報に従ってサイト接続を行うと、動画によるコンテンツデータが配信される構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−233546公開公報
【特許文献2】特開2003−330831公開公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって本発明の目的は、動画データを配信するに当たってユーザ登録及び動画のアップロード・ダウンロードを容易に行うことのできる動画配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、携帯端末からネットワークを介して送信されたユーザIDを識別し、ユーザIDに関連づけられてデータベースに保存されている動画データをネットワークを介して携帯端末に配信することのできる動画配信システムであって、撮像手段を備えた携帯端末により、少なくともwebアドレス及び各複数シールの組ごとのユーザIDをエンコードした2次元バーコードが印刷された2次元バーコードシールの表面を撮像し、デコードすることにより得られるwebアドレスが割り当てられているとともに、携帯端末から2次元バーコードから得られたユーザIDがネットワークを介して送信されてきたときに、該ユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに保存されているかどうかを確認するアクセスデータ管理手段と、ユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに登録されていない場合に、携帯端末からネットワークを介して入力されたユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存するユーザデータ管理手段と、ユーザデータ管理手段がユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存した後、携帯端末からネットワークを介して送信された動画データを受信して、ユーザIDと関連づけてデータベースに保存するデータ受信手段と、ユーザ情報及び動画データがデータベースに保存されている場合に、携帯端末からの要求に応じて、2次元バーコードから得られたwebアドレス及びユーザIDにより特定される動画データをデータベースから読み出して、要求のあった携帯端末にネットワークを介して配信するデータ配信手段とを含むように2次元バーコードシールを介した動画配信システムを構成した。
【0006】
本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおいては、まず、アクセスデータ管理手段に割り当てられたwebアドレスと、それぞれの複数のシールの組ごとのユーザIDとが少なくともエンコードされた2次元バーコードが表面に印刷された2次元バーコードシールを入手したユーザが、適当な紙面上などにシールを貼付する。ユーザは携帯端末に備えられた撮像手段を用いて2次元バーコードシールの表面を撮像し、デコードしてwebアドレスとユーザIDを得ることができる。複数の2次元バーコードシールの組は、例えば1枚のベースとなるシートに貼り付けられており、シートから剥がして裏面に塗布された接着剤により適当な平面に貼付することができる。携帯電話のブラウザを起動して得られたwebアドレスが割り当てられたアクセスデータ管理手段にアクセスし、ユーザIDを送信すると、アクセスデータ管理手段は送信されてきたユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに保存されているかどうかを確認する。ユーザ情報とは、ユーザを特定するための情報であって、例えばハンドルネーム及びパスワードである。ユーザ情報が登録されていない場合、すなわち2次元バーコードシールを入手したユーザが初めて本発明に係る動画配信システムを利用する場合、ユーザデータ管理手段は携帯端末からネットワークを介して入力されたユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存する。ユーザ情報の登録が完了すると、データ受信手段が、携帯端末からネットワークを介して送信された動画データを受信して、ユーザIDと関連づけてデータベースに保存する。これにより動画配信が可能な状態となる。ユーザ情報及び動画データがデータベースに保存された後は、ユーザの携帯端末に限らず、いずれかの携帯端末により2次元バーコードシールの表面が撮像されると、データ配信手段はユーザIDにより特定される動画データをデータベースから読み出して、要求のあった携帯端末にネットワークを介して配信する。
【0007】
以上のように、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムによれば、ユーザは予め動画配信システムのwebアドレス、及びデータベースに登録されたユーザIDが記録された複数の2次元バーコードシールの組を入手して動画配信システムにアクセスし、動画データを登録することができる。ユーザは複数用意された2次元バーコードシールをメモ帳や名刺やノートなどさまざまな場所に貼付することができ、ユーザ及びその知人などはシールの表面を撮像するのみでユーザのアップした動画データをダウンロードすることができる。
【0008】
なお本明細書において動画データとは、動画のみならず音声やテキストを含むマルチメディアデータをも含むものとする。音声は携帯端末に備えられたマイクロフォンにより採取され、テキストは携帯端末にインストールされた編集ソフトにより作成可能であることは言うまでもない。また2次元バーコードとは、例えばQRコードのように、縦と横の両方向に意味を持たせてある符号を意味し、QRコード以外にPDF417、Data Matrix、Aztec Code等の各種の規格の2次元コードを含む。但し本発明においては「バーコード」のような1次元コードや、特徴を抽出することにより情報を取り出すことのできる画像や電子透かし入り画像など、撮像することにより情報を得ることのできる表示一般をも含むものとする。携帯端末とは、ブラウザ機能を有する端末であって、携帯電話、PHS、PDA、ノートパソコン等を含む。
【0009】
また、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおいて、動画データは、電子メールに添付されて携帯端末からデータ受信手段に送信されるように構成しても良い。その場合、データ受信手段は、ユーザデータ管理手段がユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存した後、電子メールを受信したときに、動画データが添付されているかどうかを判別する動画データ受信部と、電子メールに動画データが添付されているときに、動画データをユーザIDと関連づけてデータベースに保存する動画データ管理部とからなるように動画配信システムを構成することができる。
【0010】
さらに、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおいて、データ配信手段は、ユーザ情報及び動画データがデータベースに保存されている場合に、配信を要求している携帯端末が動画再生対応かどうかを判別し、動画再生対応の場合に携帯端末に適合する動画データのフォーマット、再生可能な配信方法等、配信しようとする動画データを再生可能な条件を判別する携帯端末判別部と、ユーザIDにより特定される動画データをデータベースから読み出して、必要ならば携帯端末判別部の判別した条件に適合するように動画データを加工し、及び/または適当なデータを動画データに付加する動画データ変換部と、必要に応じて動画データ変換部により変換され、または変換されない動画データを、要求のあった携帯端末にネットワークを介して配信する動画データ配信部とからなるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムによると、ユーザは2次元バーコードシールを入手し、携帯端末により表面を撮像して動画配信システムにアクセスすれば、動画配信の準備を極めて容易に行うことができる。サービスに対する対価が必要であれば、2次元バーコードシールを有料で頒布すればよいので、最も煩雑で個人情報漏洩の可能性も高い支払い方法についての手続を省略することができる。配信を受けようとする場合には、ユーザがさまざまな箇所にシールを貼付しさえすれば、知人や不特定の他人が2次元バーコードシールの表面を撮像して手軽に配信を受けることができ、広範囲の人からの頻繁なアクセスが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムの最良の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムの一つの実施の形態であるマルチメディアデータサーバシステムを示す図、図2は図1のマルチメディアデータサーバシステムにおける登録手順を説明するためのフローチャート、図3、図4は図1のマルチメディアデータサーバシステムにおけるユーザによる動画データ更新作業の手順を説明するためのフローチャート、図1のマルチメディアデータサーバシステムにおける動画データ閲覧方法を説明するためのフローチャートである。
【0014】
図1に示すマルチメディアデータサーバシステム50は、後述の各2次元バーコードシール20の各組にそれぞれ対応するユーザID、ユーザ情報及びマルチメディアデータを保存・管理する機能を備えており、ユーザデータベース51、アクセスデータ管理部52、ユーザデータ管理部53、携帯端末判別部54、マルチメディアデータ受信部55、マルチメディアデータ変換部56、マルチメディアデータ管理部57及びマルチメディアデータ配信部58を含んでなる。
【0015】
ユーザデータベース51は、各2次元バーコードシール20に記録されているユーザIDと、ユーザ情報と、マルチメディアデータとを相互に関連づけて保存する。ユーザ登録前には、2次元バーコードシールシート10ごとに貼付されている同じ2次元バーコードシール20の組ごとのユーザIDのみが予め登録されている。
【0016】
アクセスデータ管理部52は、2次元バーコードシール20に記録されたwebアドレスが割り当てられており、各携帯電話30により2次元バーコードシール20の表面を撮像してアクセスすると、各携帯電話30が2次元バーコードシール20を撮像してデコードした読取データを送信させ、読取データに含まれるユーザIDを抽出し、そのユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに保存されているかどうかを確認する。ユーザ情報はパスワード、ハンドルネーム及びメールアドレスである。
【0017】
ユーザ情報が登録されていない場合、すなわち2次元バーコードシール20を入手したユーザが初めてマルチメディアデータサーバシステム50を利用する場合、ユーザデータ管理部53は携帯電話30からインターネット40を介して入力されたユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存する。ユーザ情報は、携帯電話30の液晶画面に表示されるユーザ情報の登録画面上で携帯電話30を操作することにより入力される。また、既にユーザ情報が登録されている場合にはトップ画面を表示し、トップ画面を起点にユーザがマルチメディアデータを更新したり、ユーザに限らずアクセスした者がマルチメディアデータをダウンロードすることができる。すなわちマルチメディアデータの更新をトップ画面で選択すると、ユーザ情報として登録したパスワードを入力すれば更新のためのムービー送信画面が表示される。トップ画面でムービー配信を選択すると、ユーザIDに対応するマルチメディアデータが配信される。
【0018】
マルチメディアデータ受信部55とマルチメディアデータ管理部57はデータ受信手段に相当する。マルチメディアデータ受信部55は、ユーザ情報入力画面上でユーザ情報の入力が完了し、あるいはパスワード照合が成功すると、携帯電話30からマルチメディアデータの添付された電子メールの送信を受け付ける状態となる。すなわちマルチメディアデータ受信部55は携帯電話30のメールクライアントを起動させるとともに、ムービー送信画面を液晶画面に表示させる。ユーザがムービー送信画面に表示される指示に従って操作を行うことにより、マルチメディアデータ受信部55を宛先とする電子メールにマルチメディアデータが添付されて送信される。次にマルチメディアデータが添付されているかどうかを判別する。
【0019】
マルチメディアデータ管理部57は、電子メールにマルチメディアデータが添付されていた場合、受信したマルチメディアとユーザIDとを関連づけてユーザデータベース51に保存する。
【0020】
携帯端末判別部54、マルチメディアデータ変換部56及びマルチメディアデータ配信部58はデータ配信手段に相当する。携帯電話30が送信してきたユーザIDに対応するユーザ情報及びマルチメディアデータがデータベースに保存されている場合には、トップ画面からムービー配信を選択することができる。携帯端末判別部54は、アクセスしている携帯電話30がマルチメディア再生対応かどうかを判別し、マルチメディア再生対応であれば、適合するマルチメディアデータのフォーマット、再生可能な配信方法などの再生条件を判別する。具体的には、携帯端末判別部54は、携帯電話30からアクセスされた際に取得可能なヘッダ情報から、ユーザエージェントと携帯電話各社が独自に拡張を行ったヘッダ情報を取得し、各条件を判別する。各種の携帯電話30についての条件は、各携帯電話会社から発表されている端末情報を元に解析され、携帯端末判別部54により利用可能なデータとして登録されている。
【0021】
マルチメディアデータ変換部56は、ユーザIDに対応するマルチメディアデータをユーザデータベース51から読み出して、携帯端末判別部54が判別したマルチメディアデータ対応の携帯電話30の再生可能な条件に適合するように変換する。本実施の形態においては、携帯電話30から送信されたマルチメディアデータに含まれる動画ファイルのビデオフォーマットが3gppだった場合に、3gpp2へ変換する。変換した動画ファイルは、ユーザIDと関連づけられてユーザデータベース51に保存される。ユーザが保存したままの形式で再生可能な場合には、必要がないので変換は行われない。
【0022】
マルチメディアデータ配信部58は、携帯電話30からの要求に応じて、ユーザIDに関連づけられたマルチメディアデータ(必要ならば動画ファイルのビデオフォーマットを変換済)にリンクするために、携帯電話30で取得可能なHTMLコードを自動生成して携帯電話30に送信することにより、マルチメディアデータの配信を行う。
【0023】
2次元バーコードシールシート10は、マルチメディアデータサーバシステム50に接続するために必要なwebアドレス及びそれぞれのシールごとに異なるユーザIDをそれぞれ記録した2次元バーコードシール20が複数貼付されており、2次元バーコードシール20を2次元バーコードシールシート10から剥がし、2次元バーコードシール20の裏面に塗布された接着剤により、適当な箇所に貼付することができる。2次元バーコードシール20の表面にはQRコードが印刷されており、携帯電話30に備えられたCCDカメラ(図示していない)によりQRコードを撮像してデコードすることによって、容易に個人用webサイトへアクセスしてマルチメディアデータサーバシステム50を利用することができる。2次元バーコードシールシート10に貼付された2次元バーコードシール20は、典型的には携帯電話販売店や電気機械器具販売店などでマルチメディアデータサーバシステム50の一定期間内の使用料を含めた額の対価で販売され、あるいは販促品や懸賞の賞品としてユーザに頒布される。
【0024】
図2、図3、図4は、図1のマルチメディアデータサーバシステム50の実際の動作を示す図である。
【0025】
図2は、2次元バーコードシール20を購入したユーザが、初めて2次元バーコードシール20に対応したwebサイトにアクセスした場合の動作を示す。購入などの手段により2次元バーコードシール20を入手したユーザは、2次元バーコードシール20を任意の場所に貼付することで、2次元バーコードを表示させることができる(Step101)。
【0026】
ユーザが携帯電話30のCCDカメラにより2次元バーコードシール20の表面に表示された2次元バーコードを撮像し(Step102)、2次元バーコードをデコードして得られたwebアドレスに、インターネット40を介してアクセスする(Step103〜105)。
【0027】
アクセスデータ管理部52は、携帯電話30からユーザIDが送信されてくると、ユーザデータベース51において該ユーザIDに対応するユーザ情報の有無を調べる(Step106〜107)。
【0028】
最初のアクセス時には当然ユーザ情報は登録されていないため、ユーザデータ管理部53によってユーザ情報の登録画面が提示され(Step108)、ユーザ情報がユーザデータベース51にユーザIDと関連づけられて登録される(Step109)。
【0029】
ユーザ情報の登録が完了すると、マルチメディアデータ受信部55からの指令により、携帯電話30のメールクライアントが起動され(Step110)、携帯電話30により撮像されたマルチメディアデータのファイルが電子メールに添付されてマルチメディアデータ受信部55宛に送信される(Step111)。電子メールを受信したマルチメディアデータ受信部55は、電子メールにマルチメディアデータが添付されているか判別する(Step112)。
【0030】
マルチメディアデータ管理部57は、マルチメディアデータが添付されていれば、ユーザID及びユーザ情報と関連づけてユーザデータベース51に保存し(Step113)、これによってマルチメディア配信のためのwebサイトが完成する。
【0031】
図3は、ユーザによりマルチメディアデータサーバシステム50上に登録されたマルチメディアデータを更新する作業過程を示す。図2の過程とはStep107(207)までは同一なので、それ以降について説明する。
【0032】
Step207において、ユーザ情報が登録されていると判別されるので、ユーザデータ管理部53はトップ画面を表示する(Step208)。ユーザは携帯電話30を操作して、トップ画面からマルチメディアの変更を選択する(Step209)。するとパスワード入力画面が提示され(Step210)、パスワードが正しければ(Step211)、マルチメディアデータ受信部55が携帯電話30のメールクライアントを起動させる(Step212)。これ以降は図2のStep111以降と同様である。
【0033】
図4は、図2の過程を経て登録済のユーザのwebサイトからマルチメディアデータを配信する場合の動作を表すフローチャートである。トップ画面を表示するまでは図3のStep208までと同一の過程なので、それ以降について説明する。
【0034】
ユーザに限らず、携帯電話30により2次元データシール20の表面を撮像した者はマルチメディアデータの配信を受けるために、トップ画面においてムービー配信を選択する(Step309)。
【0035】
ムービー配信が選択されると、携帯端末判別部54は、まずアクセスしている携帯電話30がマルチメディア再生対応の機種かどうかを判別する(Step310)。マルチメディア再生対応であれば、再生条件の判別が行われる(Step311)。
【0036】
次にマルチメディアデータ変換部56はユーザIDに関連づけられたマルチメディアデータをユーザデータベース51から読み出し(Step312)、携帯端末判別部54の判別した再生条件に適合するかどうか照合する(Step313)。本実施の形態においては動画ファイルのビデオフォーマット3gppと3gpp2との間での照合のみが行われる。適合しない場合には、一方から他方へのフォーマット変換が行われ(Step314)、動画ファイルはユーザIDと関連づけられてユーザデータベース51に保存される(Step315)。
【0037】
マルチメディアデータ配信部58は、アクセスしてきた携帯電話30に適合する動画ファイルにリンクするHTMLコードを自動生成し(Step316)、携帯電話30に送信する(Step317)。携帯電話30は送信されてきたHTMLコードによりマルチメディアデータにアクセスし、マルチメディアデータをダウンロードして配信を受けることができる(Step318)。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態に係るマルチメディアデータサーバシステム50によると、ユーザは2次元バーコードシール20を購入して貼付し、2次元バーコードシール20の表面を携帯電話30により撮像することにより、ユーザ登録、マルチメディアデータの登録及び更新及び配信の各手順を容易に行うことができる。マルチメディアデータサーバシステム50の使用料は2次元バーコードシール20の対価に含めて徴収すれば、ネット上にクレジットカード情報や銀行口座番号などの情報が漏洩して登用されるおそれもない。また2次元バーコードシール20の表面を撮像することによりマルチメディアデータの配信を受けることができるので、広範囲の人からの頻繁なアクセスを期待することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、適宜変形実施が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明に係る2次元バーコードシールを介した動画配信システムの一つの実施の形態を示す図である。
【図2】図2は、図1の2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおけるユーザ登録手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】図3は、図1の2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおけるユーザによる動画データ更新作業の手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、図1の2次元バーコードシールを介した動画配信システムにおける動画データ閲覧方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
10 2次元バーコードシールシート
20 2次元バーコードシール
30 携帯電話
40 インターネット
50 マルチメディアデータサーバシステム
51 ユーザデータベース
52 アクセスデータ管理部
53 ユーザデータ管理部
54 携帯端末判別部
55 マルチメディアデータ受信部
56 マルチメディアデータ変換部
57 マルチメディアデータ管理部
58 マルチメディアデータ配信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末からネットワークを介して送信されたユーザIDを識別し、ユーザIDに関連づけられてデータベースに保存されている動画データをネットワークを介して携帯端末に配信することのできる動画配信システムであって、
撮像手段を備えた携帯端末により、少なくともwebアドレス及び各複数シールの組ごとのユーザIDをエンコードした2次元バーコードが印刷された2次元バーコードシールの表面を撮像し、デコードすることにより得られるwebアドレスが割り当てられているとともに、携帯端末から2次元バーコードから得られたユーザIDがネットワークを介して送信されてきたときに、該ユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに保存されているかどうかを確認するアクセスデータ管理手段と、
ユーザIDに関連づけられたユーザ情報がデータベースに登録されていない場合に、携帯端末からネットワークを介して入力されたユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存するユーザデータ管理手段と、
ユーザデータ管理手段がユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存した後、携帯端末からネットワークを介して送信された動画データを受信して、ユーザIDと関連づけてデータベースに保存するデータ受信手段と、
ユーザ情報及び動画データがデータベースに保存されている場合に、携帯端末からの要求に応じて、2次元バーコードから得られたユーザIDにより特定される動画データをデータベースから読み出して、要求のあった携帯端末にネットワークを介して配信するデータ配信手段とを含むことを特徴とする2次元バーコードシールを介した動画配信システム。
【請求項2】
動画データは、電子メールに添付されて携帯端末からデータ受信手段に送信される請求項1に記載の2次元バーコードシールを介した動画配信システム。
【請求項3】
データ受信手段は、
ユーザデータ管理手段がユーザ情報をユーザIDと関連づけてデータベースに保存した後、電子メールを受信したときに、動画データが添付されているかどうかを判別する動画データ受信部と、
電子メールに動画データが添付されているときに、動画データをユーザIDと関連づけてデータベースに保存する動画データ管理部とからなる請求項2に記載の2次元バーコードシールを介した動画配信システム。
【請求項4】
データ配信手段は、
ユーザ情報及び動画データがデータベースに保存されている場合に、配信を要求している携帯端末が動画再生対応かどうかを判別し、動画再生対応の場合に携帯端末に適合する動画データのフォーマット、再生可能な配信方法等、配信しようとする動画データを再生可能な条件を判別する携帯端末判別部と、
ユーザIDにより特定される動画データをデータベースから読み出して、必要ならば携帯端末判別部の判別した条件に適合するように動画データを加工し、及び/または適当なデータを動画データに付加する動画データ変換部と、
必要に応じて動画データ変換部により変換され、または変換されない動画データを、要求のあった携帯端末にネットワークを介して配信する動画データ配信部とからなる請求項1乃至3のいずれかに記載の2次元バーコードシールを介した動画配信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−174227(P2007−174227A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368432(P2005−368432)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(306024366)株式会社エイチキュ−ブ (2)
【Fターム(参考)】