説明

2空間方向に移動可能な表面を有する装置

本発明は、2空間方向に移動可能な表面を有し、運搬台フレーム11と、第1の方向に運搬台フレームを取り囲むように配設された搬送手段16と、複数のベルトユニット20とを備える装置であって、各々のベルトユニットが、第1の方向に移動可能であるように搬送手段に取り付けられた装置に関する。各々のベルトユニットは、第2の方向にベルトユニットを取り囲むように配設された第1の連続ベルト22と、第1の連続ベルトを第2の方向に駆動させるための第1の駆動ローラ23とを備える。各々の第1の駆動ローラは、専用の駆動装置26によって作動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2空間方向に移動可能である表面を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトレッドミルは、1空間方向、すなわちたいていは地面と平行に、または地面に対して僅かに傾斜して移動可能である表面を有し、それによってジョガーが基本的に静止状態を慣性的に保ちながら、この表面に対して前方に動くことができる。このため、同じ場所に留まりながら、前方または後方にいわば任意の長さの距離を走行することが可能になる。同様に、人工グリップが備えられることもある垂直なトレッドミルは、上方への登り運動を可能にする。いずれのケースにおいても、連続ベルトが1空間方向に循環し、それによって上部走行部(一般に負荷走行部)の上側が、この空間方向に移動可能な所望の表面を形成するようになる。しかし、不利なことに、1自由度を有する相対運動しか実現することができず、すなわち、ユーザは、表面に対してこの空間方向しか前方または後方に動くことができない。
【0003】
したがって、特許文献1は、2つの独立した空間方向に移動され得る表面を有する全方向性トレッドミルを提案している。そのようなトレッドミルにより、この文書が好ましい用途として提案するように、特に人工的環境(「仮想現実」すなわちVR)を実現することが可能になる。この文脈では、ユーザは、周囲の空間(room)に対するユーザの慣性的位置を基本的に変更することなく表面に対して所望の2空間方向に動くことができる。VRゴーグルまたは周囲のVRモニタなどの視覚システムが、その上に表示される環境がトレッドミルの移動に対応するやり方で変化するようにシステムに連結される場合、視覚システムは、この環境で動いているという主観的な感覚をユーザに伝えることができる。
【0004】
この関連において、特許文献1とは対照的に、本発明は、基本的に重力方向に垂直である、すなわち本質的に地面に平行である空間方向には限定されないことは明白に留意されるべきことである。本発明は、たとえば垂直および水平の両方に移動可能であり、したがってたとえば上方および横方向の登りをシミュレートすることができる、本質的に垂直な表面を同様に含む。
【0005】
第1の変形形態では、特許文献1は、連続ベルトが第1の空間方向に循環するということから2空間方向の移動を実現する。連続ベルトは、特に円筒または球体の個々の本体を有し、この本体は、第1の空間方向に平行な軸の周りを回転可能であり、それによってその最も高い円周点において、第1の空間方向に垂直な第2の空間方向に相対速度が生じるようになる。個々の本体の回転は、第1の連続ベルトの下方で循環し、第1の連続ベルトの循環方向に垂直な第2の連続ベルトとの摩擦接触を介して付与され、この第2のベルト上では、個々の本体は摩擦下で転がる。不利なことに、個々の本体は、第2の空間方向に急速に動いている第2の連続ベルト上で第1の空間方向に引っ張られ、それによって本体が第1および第2の空間方向において同時に相対速度を有するため、個々の本体と第2の連続ベルトの間の接触点では、枢動摩擦として知られているものが存在する。
【0006】
第2の変形形態では、特許文献1は、個々の本体は、第2の空間方向に各々が循環する、互いに隣合って配置された個々の連続ベルトの形態のベルトユニットによって置き換えられることを提案している。第2の空間方向の移動は、第1の移動方向に平行に配向された回転軸を有するローラによって個々のベルトユニットに付与され、このローラを介して、個々の連続ベルトは、摩擦接触によって一緒に引っ張られる。ここでも同様に、ベルトユニットがローラに対して第1および第2の空間方向の両方に移動されるため、個々の連続ベルトの下部走行部の外面とローラの間に枢動摩擦が生じることが不利である。
【0007】
この枢動摩擦は、摩耗を促進し、伝達可能な駆動力を限定する。したがって、この枢動摩擦は、達成可能な移動速度、反応時間、および負荷容量を限定することが不利である。
【0008】
したがって、特許文献2から、2つの搬送チェーンによって第1の空間方向に移動される複数のベルトユニットを有する装置が知られている。各々のベルトユニットは、第2の空間方向に循環するようにベルトユニット上に配置され、サーボモータによって作動される第1の連続ベルトを備える。サーボモータおよびそれに連結された制御装置および伝達装置を収容するには、第1および第2の方向に垂直な空間方向に個々のベルトユニットの相当な構築深さが必要になる。搬送チェーンの偏向ローラの循環中、個々のベルトユニットは、第2の空間方向に平行である軸を中心にして傾く。この目的のため、上述した個々のベルトユニットの構築高さにより、2つの隣合うベルトユニットの間には相当な隙間が存在しなければならない。
【0009】
したがって、特許文献3は、個々のベルトユニットの連続ベルトがその上を循環するローラ(すなわち、上部および下部の走行段階中第1の移動方向に平行である回転軸を有するローラ)の一方または両方が、個々のベルトユニットが上部走行段階にあるとき、それぞれの歯付きラックに係合するピニオンによって駆動されることを代替策として提案している。ピニオンおよび歯付きラックの回転軸は、第1の移動方向に平行に配向され、それらの周囲の歯部は、第2の移動方向の平面内に位置している。ここでは、第2の移動方向の個々の連続ベルトの回転運動が、このとき摩擦ではなく、ピニオンおよび歯付きラックを介した完全嵌合連結によって付与されるため、上述した枢動摩擦を低減することができる。
【0010】
個々のベルトユニットの連続ベルトがその上を循環する2つのローラはそれぞれ、各々の2つの駆動ディスク、特に駆動滑車または駆動綱車それぞれの間を第1の移動方向に循環する搬送ベルトに連結される。駆動ディスクの回転中、ピニオンは、第2の移動方向に平行である回転軸を中心にして傾く。したがって、不利なことに、ここでも、個々のベルトユニット間に中間のスペースが設けられなければならず、そのスペースの規模は、ピニオンの幅の約2倍の大きさになる。閉曲面を有利に実現することが望まれる場合、米国特許第6,123,647号は、隣合うベルトユニットのピニオンを、第1および第2の空間方向に垂直な第3の空間方向に、互いに対してずらすことを提案している。このようにして、個々のピニオンは、駆動ディスクに入るまたはそこから出る際に妨害無く傾くことができる。しかし、他方で、これには、隣合うベルトユニットのピニオンが第1または第2の歯付きラックに交互に係合するように第2の歯付きラックが必要となることが不利である。
【0011】
特許文献3から知られている装置は、いくつかの欠点を有する。たとえば上部走行段階の開始時、すなわちベルトユニットが駆動ディスクの偏向から離れ、その連続ベルトの上側が有効表面の一部になるとき、ピニオンは、歯付きラックと係合した状態にならなければならない。これには、コストがかかる、ピニオンの回転速度と歯付きラックの回転速度の同期化が必要となる。反対に、もう一方の駆動ディスク内に入り、それによって下部走行段階に切り替わる前、ピニオンは、最初にこの歯付きラックとの係合状態から外されなければならない。ピニオンが歯付きラックとの係合状態に入る、またはそこから外れるとき、およびピニオンが駆動ディスク内に入るまたはそこから出る走行時の両方において、表面の一様な移動を妨げる衝撃が生じ、この衝撃はまた、構成要素、特に駆動列上に相当な応力をかける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0 948 377号明細書
【特許文献2】米国特許第6,669,012号明細書
【特許文献3】米国特許第6,123,647号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の考慮に基づき、本発明の目的は、2空間方向に移動可能である表面を有し、上記で述べた従来技術の欠点を回避する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のため、本発明により、特許請求項1のプリアンブルに記載されるような装置が、その機能を特徴付けることによって開発される。
【0015】
2空間方向に移動可能な表面を有する汎用装置は、運搬台フレームと、運搬台フレーム上に配置された第1の方向に循環する搬送手段と、複数のベルトユニットであって、各ベルトユニットが全体的に第1の方向に移動可能であるように搬送手段上に固定可能であるベルトユニットとを備える。各々のベルトユニットは、ベルトユニット上に配置された第2の方向に循環する第1の連続ベルトと、第1の連続ベルトを第2の方向に駆動するための第1の駆動ローラとを備える。好ましくは、第1および第2の方向は、基本的に互いに垂直である。
【0016】
各々の第1の駆動ローラは、専用の駆動装置によって作動される。連続する個々のベルトユニットの間の隙間をできる限り小さく保ち、同時に偏向中のベルトユニットの傾斜を可能にするために、本発明により、各々のベルトユニットはまた、ベルトユニット上に配置された第1の連続ベルトに平行な少なくとも1つの第2の連続ベルトも有する。第2の連続ベルトは、第1の連続ベルトに比べ、搬送手段の搬送方向に垂直であり、かつ第1または第2の連続ベルトの循環方向に垂直である方向により平坦に形作ることができ、それにより、ベルトユニットの下縁が枢動して互いを通り過ぎることを可能にするために必要な連続するベルトユニット間の隙間を低減することができる。各々のベルトユニットでは、第2の連続ベルトは、ベルトユニットの第1の連続ベルトの一方側に配置可能である。同様に、第1の連続ベルトの各側に1つまたは複数の第2の連続ベルトを設けることも可能である。
【0017】
第2の連続ベルトは、第1の連続ベルトを第2の方向に駆動するために、第2の駆動ローラまたは第1の駆動ローラによって駆動することができる。
【0018】
特許文献3から知られるように、第1の方向に循環し、この方向に有限の拡張を有するベルトユニットの間に、特定の最小距離が維持されなければならず、前記距離は、駆動輪における偏向中のベルトユニットの傾斜を可能にするものである。本発明によれば、本発明による装置におけるこの目的のために、各々のベルトユニットは、ベルトユニット上に配置された第1の連続ベルトに平行な第2の連続ベルトを備え、第1および第2の連続ベルトは、同じ循環速度を有する。
【0019】
したがって、特許文献3とは異なり、ここでは、第2の歯付きラックを設ける必要は無い。同一の駆動装置を介して両方の駆動ローラを作動させることにより、両方の連続ベルトが、同じ循環速度を有し、それによって均一な速度フィールドが表面に与えられることが保証される。
【0020】
第1および/または第2の駆動ローラは、好ましくは円筒形でよいが、たとえば多角形の断面も同様に有することもできる。
【0021】
好ましくは、第1および第2の連続ベルトは、互いに隣合って配置されたベルトユニットが基本的に閉曲面を形成するように形作られる。有利には、ここでは、第2の連続ベルトの方が、幾分短くおよび/または平坦であり、その結果、駆動装置と駆動ローラの間の、たとえばチェーン、歯車、または歯付きベルトの形態の対応するギヤ機構のためのスペースが残される。特に、第2の駆動ローラは、第1の駆動ローラよりも小さい直径を有することができ、その結果、第2の連続ベルトの下方には開放スペースが形成され、この開放スペースには、2ベルトユニット間の隙間の幅の変更を必要とすることなく支持体、導管、機構、センサなどを配置することができる。
【0022】
本発明による装置はまた、上記で説明した他の欠点を解消する。連続ベルトは、特許文献1にあるような摩擦接触を介して作動されないため、そこで生じる枢動摩擦は本発明では生じず、それによって関連する摩耗および大きな駆動負荷の伝達も低減される。それに対応して、2空間方向に移動可能な大きな表面を実現することが可能になり、表面上に位置するヒトに、大きな動作半径、特に伸長された歩幅長さなどを提供する。
【0023】
特許文献3と比較して、ここでは、互いに係合する、または係合を外す歯部は無く、それにより、関連するかみ合い(run-in)およびかみ合い外れ(run-out)の衝撃が回避され、表面の移動がより一様になる。さらに、歯部に関連する問題、たとえば異なる数の歯の係合による剛性の変化、ならびに連続ベルトの回転運動の精密な制御をさらに困難にする歯付きラックの長手方向のねじれなどが回避される。
【0024】
有利には、別個の駆動装置が、直列に連結され、それにより、慣性固定源から駆動装置の1つに必要なエネルギーを供給し、このエネルギーをその駆動装置から他の駆動装置に連続して伝達することが可能になる。それと同時に、これはまた、すべての駆動装置の均一な制御を可能にし、それによってすべての連続ベルトが同じ速度で第2の方向に循環するようになる。このため、個々の連続ベルトから形成された表面全体を第2の方向に均一に移動させることが可能になる。
【0025】
代替の実施形態では、個々の駆動装置はまた、個々に制御可能であり、それにより、様々な速度を有する表面領域を第2の方向に実現することができる。この目的のために、個々の駆動装置は、たとえば無線または赤外線信号を介して遠隔的に制御することができる。
【0026】
駆動装置は、エネルギーを節減し、不必要な動的励起を回避するために、エネルギー供給部に平行に配置され得ることが好ましいデータバスによって、あるいはたとえばロールレバーまたはリード接触などのセンサによって、負荷走行段階から偏向へのかみ合い後は作動停止されるように、また、偏向から負荷走行段階へのかみ合い外れ時には再作動されるように制御されることが同様に可能である。有利には、(非)活動化は、エネルギー供給および連続ベルトの速度におけるスパイクを回避するために、特定の時間範囲の間で連続的に生じる。好ましい実施形態では、ここでは、モータが、共通のエネルギー供給部に互いに平行に連結可能である。
【0027】
駆動ローラの駆動装置は、たとえば電動モータを備えることができる。好ましい実施形態では、駆動装置は、油圧ラインによって直列に連結された油圧モータを備える。ここでは、各々の油圧ラインが、2つの隣合う油圧モータを連結させることが有利である。油圧モータは、その静かな作動、その防振特性、およびその高パワーにより、本発明による装置での使用に特に適している。
【0028】
エネルギーの供給に関しては、運搬台構造は、第1の方向に移動可能である線形ガイドを有することが好ましく、その線形ガイド上には、エンドレス回転フィードスルーが配置され、このエンドレス回転フィードスルーは、駆動ローラの、エンドレス回転フィードスルーに連結された駆動装置にエネルギーを供給するためのものである。駆動装置が電動モータを備える場合、線形ガイドは、第1のラインによって慣性固定電圧源に連結可能である。次いで、エンドレス回転ガイドを介して、電気エネルギーが電動モータの1つに供給され、その後その電動モータから、それに直列に連結された他の駆動装置に電気エネルギーが伝達される。油圧モータを有する好ましい実施形態では、線形ガイドは、同様の方法で慣性固定圧力源に連結される。油圧が、エンドレス回転ガイドを介して構成的に簡便な方法で油圧モータに送られ、その油圧モータから、直列に連結した他のモータに伝達される。
【0029】
あるいは、1つの駆動装置へのエネルギーの供給は、一方側が慣性的に固定状態である事前に張力がかけられたラインを介して行うこともでき、この事前張力は、ラインがたわむのを防ぐ。この目的のために、たとえばラインは、再設定トルクに対して慣性固定ドラムから巻き出し可能であることが有利である。
【0030】
ベルトユニットの第1の方向の循環中、エンドレス回転ガイドに連結された駆動装置は、線形ガイドの前後の移動によってエネルギー供給を保持する。第1の方向の移動からその反対方向へのベルトユニットの偏向時、エンドレス回転ガイドは、この駆動装置の対応する回転を可能にする。したがって、構成的に簡便な方法で、ベルトユニットのすべての駆動装置に慣性固定エネルギー源からエネルギーが供給され得る。
【0031】
有利には、運搬台構造は、ベルトユニットの連続ベルトを支持するために、支持構造を備える。このため、表面に垂直な大きな負荷に対応することができる比較的大きな表面を実現することが可能になる。
【0032】
好ましくは、この支持構造は、連続ベルトフィードスルーと、第2の方向に連続ベルトフィードスルーに連結された駆動装置の間の、付随するベルトユニットのほぼ中央にある連結部が、このベルトユニットと共に第1の方向に循環することができるようにして形作られる。これは、表面がそのほぼ全体の幅にわたって支持されることを可能にし、たとえば多軸車両の場合と同様に、負荷が広く分布される、あるいはその縁部に集中される場合に特に有利である。同様に、この連結は、別の場所、たとえば表面の縁部において第1の方向に循環することもでき、それによって表面は、主要な負荷が通常配置される特に中央領域内において支持される。
【0033】
搬送手段は、各々が少なくとも1つの駆動輪の作用によって第1の方向に循環する2つの循環チェーンを備えることが好ましい。ここで生じるポリゴン効果を回避する、あるいは少なくとも低減するために、関連する駆動輪への各々のチェーンのかみ合い部は、チェーンを誘導するためにガイド表面を有することが有利であり、前記表面は、本質的に平行な2つの線形セグメントと、定曲率で変化する傾斜または勾配をそれぞれが有する好ましくはクロソイドである2つのセグメントと、円形セグメントとを基本的に含み、それにより、チェーンは、それが基本的に第1の方向に走行する第1の線形セグメントから、定曲率で変化する傾斜を有する第1の好ましくはクロソイドセグメントに定曲率で入り、ここから円形セグメントに定曲率で入り、次いでこのセグメントから定曲率で変化する傾斜を有する第2の好ましくは同様のクロソイドセグメントに入り、ここから定曲率で第2の線形セグメントに入るようになる。このようにして、駆動輪における個々のベルトユニットの偏向は、ほとんど衝撃無く起こり、それによって特に一様な移動を可能にし、さらに衝撃に伴う装置上の摩耗を低減する。知られているように、クロソイドは、曲率がその長さに伴って線形に変化する曲線であり、特に曲線の半径と曲線の長さの積が一定である曲線である。
【0034】
有利には、各々のチェーンは、チェーンの循環通路の開始点または終了点に配置される第1および第2の駆動輪によって作動可能である。ベルトユニットのせん断負荷を回避するために、両方のチェーンの第1および/または第2の駆動輪それぞれは、角度同期によって制御され、電動モータは特にこの制御に好適である。
【0035】
好ましくは、駆動輪は、それぞれのチェーンのボルトと完全嵌合の係合状態に入ることができる多角形輪として形作られる。これにより、あそびをほとんど有さず、かつ摩耗が少ないチェーンの作動を可能にする。
【0036】
歯付きベルト、剛性または線形のそれぞれのチェーン、および/または磁気線形駆動装置を搬送手段として使用することが同様に可能である。磁気線形駆動装置は、無負荷の走行段階においてベルトユニットはより速く循環可能であるため、より少ないベルトユニットを設けることを可能にすることが有利である。このようにして、表面を形成するのに必要とされるベルトユニット数だけ設けることが可能である一方で、さらには、消耗したベルトユニットをそこから取り替えることも可能である。連続方程式の第1の近似値に対しては、完全な装備に必要とされるベルトの数の約半数によってベルトの数を減数し、無負荷走行段階での速度の増加によって除算することができる。したがって、ベルトユニットが磁気線形駆動装置によって第1の方向に循環され、無負荷走行段階では2倍の速度で搬送(conveyed back)される装置では、ベルトの数は、完全装備と比較して4分の1(速度の2倍によって除算された半分)に減数することができる。
【0037】
好ましくは、各々のベルトユニットは、牽引装置を備えることができ、この牽引装置により、連続ベルトをベルトユニットの運搬台構造へと引っ張ることができる。たとえば、磁気反応連続ベルトは、磁石を使用して引っ張ることができる。同様に、連続ベルトはまた、真空装置によって生成された部分真空によって運搬台構造へと引っ張ることができる。これは、連続ベルト上の特に第1の方向の横方向の力を補償し、したがって人工の登り壁として垂直に使用することも可能にする。
【0038】
さらなる目的、利点、および特徴は、下位請求項および以下の例示的な実施形態から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態による装置の斜視図である。
【図2】図1の装置の正面図である。
【図3】図1の装置の側面図である。
【図4】ベルトユニットを取り外した、図2に対応する図である。
【図5】第1の連続ベルトを部分的に取り外した、個々のベルトユニットの斜視図である。
【図6】区分化されたベルトユニットを伴う駆動輪の概略斜視図である。
【図7】図6の駆動輪の側面図である。
【図8】弁の油圧回路案を示す図である。
【図9】作動チェーンを有する駆動輪の部分斜視図である。
【図10】エネルギー供給部用のエンドレス回転フィードスルーを有する線形ガイドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明の実施形態による2空間方向に移動可能な表面を有する装置を示した斜視図である。装置は、図4により詳細に示された運搬台フレーム11を備える。
【0041】
図6、7および9に見られるように、2リンクチェーンの形態の搬送手段16が、第1の方向に循環する運搬台フレームに配置されている(dispersed)。各々のチェーンは、知られている方法で、ボルト46で結合する形で互いに連結された内側および外側要素44、45を備える(図9)。チェーンを第1の方向に移動させるために、第1および第2の駆動輪18はそれぞれ、各々のチェーン16に係合し、前記駆動輪は、多角形輪として形作られ、第1の電動モータM10もしくはM20または第2の電動モータMl1もしくはM21によって駆動される。有利には、第1および第2の電動モータM10、M20またはM11、M21は、装置上のせん断応力を回避するために角度同期によって制御される。好ましくは、(移動方向の)前方駆動輪が、チェーンを引っ張り、(移動方向の)後方駆動輪が、ほぼ同じ速度で一緒に回転し、それにより、これらの後方駆動輪およびその電動モータの摩擦に打ち勝つためにチェーンが張力を伝達する必要がなくなる。第1の移動方向が反転されると、第1および第2の駆動輪は、前方または後方駆動輪としての役目を切り替える。
【0042】
駆動輪は、それぞれのチェーンのボルト46と完全係合状態に入ることができる多角形輪として形作られる。
【0043】
複数のベルトユニット20が、チェーンに永久的にまたは脱着可能に固定され、それにより、ベルトユニットは、チェーンと共に第1の方向に移動される。図6、7に示すように、この目的のために、各々のベルトユニットを係合状態にすることができる保持クリップ43が、チェーン要素44、45上に配置される。ここでは、特定のねじ、ロック連結、スナップ連結、クランプ連結、差込みまたは四分の一回転(quarter-turn)それぞれのロックなどのすべての可能なタイプの締結具が考えられる。有利には、ベルトユニットと搬送手段の連結は、搬送手段の製造公差および非同期性を補償するために、第1および第2の方向に原則的に垂直である軸を中心にした特定の回転を可能にする。
【0044】
図5では、ベルトユニット20をより詳細に示す。ベルトユニット20は、図5では部分的に隠されている第1のエンドレスまたは主ベルト22(図2)を備える。主ベルト22は、原則的に第1の方向に垂直に配向された第2の方向において、第1の駆動ローラ23によって作動されてベルトユニット上を循環する。
【0045】
各々の第1の駆動ローラは、例示的な実施形態では、油圧モータ26として形作られた専用の駆動装置によって作動される。このモータは、牽引ベルト24を介して第1の駆動ローラ23を駆動する。
【0046】
さらに、各々のベルトユニットは、ベルトユニット上に第1の連続ベルトに平行に配置され、第2の駆動ローラ28によって第2の方向に駆動される第2の連続または支持ベルト21を備える。第2の駆動ローラは、牽引ベルト25を介して、第1の駆動ローラ23と共に、第1および第2の連続ベルトが同じ循環速度を有するようにベルトユニットの駆動装置26によって駆動される。
【0047】
例示的な実施形態の改変形態(図示略)では、第1および第2の駆動ローラ23、28を、共通の駆動ローラを形成するように組合わせることもできる。
【0048】
運搬台構造は、図10により詳細に示されており、第1の方向に移動可能な線形ガイド71を備え、この線形ガイド71上には、エンドレス回転フィードスルー72が配置され、このエンドレス回転フィードスルー72は、駆動ローラの、エンドレス回転フィードスルー72に連結された駆動装置にエネルギーを供給するためのものである。このようにして、たとえば電気または油圧モータ26のための電気または油圧などのエネルギーを、たとえば運搬台フレーム11に連結された慣性固定エネルギー源から第1の方向の移動を可能にする可撓性ラインを介して線形ガイド71に伝達することができ、また線形ガイド71からエンドレス回転フィードスルー72を介して、レール74に永久的に、またはエンドレス回転フィードスルー72に永久的にまたは脱着可能にそれ自体が連結される弾性構成要素、特にばね77を介して連結された駆動モータ26に伝達することができる。
【0049】
明確にするために、ベルトユニットが隠されている図4に見られるように、運搬台構造は、ベルトユニットの連続ベルトを支持するための支持構造17を備え、それにより、エンドレス回転フィードスルーと、第2の方向においてそのエンドレス回転フィードスルーに連結された駆動装置との間の、付随するベルトユニットのほぼ中央にある連結部74(図10)が、このベルトユニットと共に第1の方向に循環することができるようになる。このようにして、各々のベルトユニットの第1および第2の連続ベルトは、広い領域にわたって支持可能であり、2空間方向に移動可能な表面を、比較的大きな運動がその表面上で可能になるほど十分に拡大することを可能にする。たとえばヒトがその上を飛び跳ねることができる。あるいは、上述したエネルギーの供給のために支持構造17によって開放状態にしておく必要がある狭い領域を、たとえば表面の縁部などの異なる領域に設けることもできる。
【0050】
油圧モータ26は、直列に連結され、すなわちレール74に連結され線形フィードスルーおよびエンドレス回転フィードスルー72、73を介して油圧がかけられる油圧モータから始まり、この油圧は、隣合う油圧モータ間の油圧ラインを介してすべてのベルトユニットのすべての油圧モータに連続的に供給される。このため、非常に簡便な耐外乱性のエネルギーの供給が可能になり、慣性固定エネルギー源と駆動装置の間の第1の方向に循環するエネルギーチェーンの可動部分を最小限に抑える。
【0051】
図7および9に特に見られるように、各々のチェーンの関連する駆動輪へのかみ合い部は、チェーンを誘導するためのガイド表面19を有し、このガイド表面19は、原則的に平行である2つの線形部分と、2つのクロソイドセグメント13と、円形セグメントとを基本的に含み、それにより、チェーンは、それが基本的に第1の方向に走行する第1の線形セグメントから定曲率で第1のクロソイドセグメントに入り、ここから定曲率で円形セグメントに入り、次いでこのセグメントから定曲率で第2のクロソイドセグメントに入り、ここから定曲率で第2の線形セグメントに入るようになる。ここでは、クロソイドセグメントにおいては、曲率半径R(s)と曲線長さsの積R(s)・sは一定であり、それにより曲線(曲線長さs=0)の開始地点の線形セグメント(曲率R(0)無限大の半径)から曲率半径または円形半径REを有する円形セグメントへの連続移行を可能にし、それによってかみ合いおよびかみ合い外れの衝撃ならびにポリゴン効果が回避される。
【0052】
以下では、本発明の実施形態を、装置の個々の組立体に関連付けて説明する。
【0053】
上述したように、装置の基本構造は、ベルトユニット20がその上を移動され、駆動輪の領域内にガイド表面19を含む走行面を有する運搬台フレーム11から構成される。装置は、2つの機能領域、すなわち主駆動部(11〜19)を備える運搬台フレームおよびベルトユニット(20〜41)に分割され得る。
【0054】
4つのモータM10、M20、M11、M21のすべてを用いて、主駆動装置は、駆動チェーン16を駆動する。ベルトユニット20は、保持クリップ43によってこれらの駆動チェーン16に固定される。各々のベルトユニット自体は、共通のモータ26を介して駆動される2つのベルト21および22から構成される。
【0055】
ベルトユニットの構造
図5は、ベルトユニットの構造を示す。ここでは、内部の作動を示すために、第1、すなわち主ベルト22は部分的に隠されている。主ベルト22は、駆動ローラ23によって駆動され、第2の、すなわち支持ベルト21は、偏向ローラ28によって駆動される。ここでは、支持ベルト21は、主ベルト22よりもかなり小さい構造高さを有している。さらに、支持ベルト21は、フレーム33の外側に同一平面で終端するようにして実現される。複数のベルトセグメント20が互いに隣合って配置されるとすぐに、ベルト22、21から構成された閉曲面が生じる。偏向ローラ23および28は、駆動要素24および25によって駆動装置26に連結される。連結は、たとえば歯付きベルト駆動装置として実現することができる。ここでは、各々のケースのギヤ比は、ベルトが同一の速度で移動されるように選択される。駆動要素26は、漏れの無い油圧モータとして実現される。複数のベルトユニット20が配置される場合、精密な同期化または連動(ganging)それぞれは、駆動要素26の直列連結によって達成することができる。
【0056】
モータの有利な制御に関しては、さらに、センサ31によって切り替えられる比例油圧弁30をバイパスとして使用することができる。チェーン16上のベルトが、装置の上側の水平位置から離れ、偏向13のかみ合い部に入るとすぐに、バイパスが作動され、ベルト21、22は摩擦のために停止する。これにより、ベルトユニット20の故障(ガイドからのベルト21、22の「離脱」)、たとえばモータ26による同時駆動による偏向時の垂直位置での停止が防止される。
【0057】
エネルギー供給部は、ベルトにエネルギーを与える。この供給部は、ベルトユニット20の直列構成を容易にするように構築される。エネルギーの供給は、可撓性供給ライン76によって供給されるベルトユニット20において行う。次いでエネルギーは、ベルトユニット20のチェーンに、そのエネルギー列が第1のベルトユニット20に再度到達するまで連続的に送られ、第1のベルトユニット20は、媒体に応じて回収ラインをエネルギー列に組み込む。
【0058】
横方向の力に対応するために、ベルト21および22には、適切なガイド要素が備えられる。ここでの有利な実施形態は、たとえばベルトの下面上に溶接された台形プロファイルであり、この台形プロファイルは、これに対応して成形された走行部表面の溝内に滑りこむ。
【0059】
ベルトの空間的拡張およびそれに関連する動的特性を改良するために、駆動要素および制御の大部分が、ベルト要素内に収容される。支持ベルトの下方に残る自由領域上には、軸受上に保持された支持ローラ29を用いて力を受け入れることができる支持体27が、一定間隔で取り付けられる。ベルトユニット20が装置の上側に配置されるとすぐに、これらの支持体は、運搬台フレーム11の走行レール17と接触する。このようにして、装置上の物体によって及ぼされるほとんどすべての大きさの力を、ベルトユニットのフレーム33を補強する必要なく受け入れることができ、これは、装置の重量および動力学に関しては非常に有利である。さらには、あらゆるほとんどの広さの構成を施すことが可能になる。
【0060】
駆動モータ26のバイパスは、さらに、非常に有利に構築可能であり、それにより、コストおよび作動安全に多大な影響を及ぼす。図8に示す提案される有利な構成では、バイパスは、センサ60によって作動される。このセンサは、たとえばローラレバー弁として実現することができる。センサが作動されるとすぐに、流体がピストン62に流入し、このピストンの運動速度は、調整可能なスロットル逆止弁61によって抑制される。ピストンは、作動通路に比例する開口度を有する油圧弁を作動させる。このようにして、センサの切り替えプロセス後、バイパスは、調整可能な速度で開閉され、開閉時間は、互いに独立して設定可能である。このため、圧力衝撃を有さないライン圧力の滑らかな曲線が得られ、その結果、すべてのベルトユニット20の速度が一定になる。
【0061】
主駆動列
ベルトユニット20は、個々の保持クリップ43を介して主駆動列16に連結される。主駆動列16は、移動可能なようにボルト46を介して固定された内側要素45および外側要素44から構築される。ボルト46上には、偏向を有する走行面上を転動する走行輪41が取り付けられる。ベルトセグメント20の保持クリップ43は、要素対(44および/または45)上に取り付けられる。主駆動列16は、要素45の対間の内側でボルト46に係合するセグメントホイル18によって駆動される。セグメントホイルは、係合が行われた後、ボルト46とホイル18が完全嵌合することが理想的であり(正確な嵌合、セグメントホイル18の硬化)、主駆動列16がセグメントホイル18の歯縁部の外側の面取りによって自動的に中央にされるようにして有利に構築される。
【0062】
かみ合い部19は、とりわけ大きなスペースがある場合、特にチェーンの縁部における既知のポリゴン効果を回避するために成形される。かみ合い部19はまた、ベルトセグメント20が、走行ベルトの曲線部に飛び込む場合、隣接するベルトセグメント20と衝突する傾向を有するというラッシュ効果(lash effect)として知られているものを防止するように働く。走行表面から偏向への移行19は、定曲率で行われる。偏向の開始は、クロソイド13として実現されることが有利である。このようにして、加速の突然の上昇が回避され、ベルトユニット20は、衝撃無しに互いに分離される。クロソイドが、多角形輪18の対応する円弧と同一の傾斜および曲率を有するとすぐに、偏向13は、クロソイド形状から円形通路に入る。円形通路が始まると、ボルト46と多角形ホイル18の完全接触もまた作り出される。かみ合い外れ部は、かみ合い部と同じようにして形作られる。円形通路からクロソイド形状への移行時、ボルト46は、多角形ホイル18から分離するようになる。続いて、ベルトセグメント20は、その長手方向軸を中心にした回転に連続してブレーキがかけられ、最終的には、線形走行面19への移行時に、衝撃無しに前方を進むベルトセグメント20と接触する。
【0063】
2つの主駆動列16の精密な同期化は、特に有利である。なぜならば、そうでなければ装置全体が破壊され得るからである。この目的のため、2つの主駆動列16の各々には、2つの駆動要素、M10、M11またはM20、M21が備えられる。これらの駆動要素は、ギヤ機構および制御ユニットを有する電動モータとして形作られることが有利である。
【0064】
駆動装置M10、M20の方向に主駆動列16を移動させるために、以下の制御が提供される。:M10およびM20は、角度同期によって制御され、閉制御ループに回転センサを用いて制御ユニットによって正確な同期状態に保持される。反対側のモータ、Ml1およびM21には、モータおよびギヤ機構自体を移動させるが、主駆動列上には関連する力を及ぼさない程度の一定のモーメントが走行方向にかけられる。この目的は、モータM11およびM21が、主駆動列16によって引きずられないようにすることであり、この引きずりは、摩耗の増大および破壊の増大を招くことがある。反対方向の運動は、同じような形で行われるが、モータは切り替えられる。:M10→M11およびM20→M21。装置にブレーキをかけるために、ブレーキ力が、加速に必要な駆動装置の反対側に配置された駆動モータによってかけられる。たとえば、図示するように、駆動がM10、M20によって行われる場合、ブレーキ力はM11、M21によってかけられる。主駆動列16のギヤ機構およびモータM11、M21が発電機と類似の方法で移動質量の慣性によって駆動されることを防ぐために、M10、M20には、一定のモーメントが走行方向に再度かけられる。これに対応して、ここでは、ブレーキ力は、M11、M21におけるモーメントよりも大きいものである。
【0065】
図4に示すように、エネルギー14の供給は、運搬台構造11の内側のベルトセグメント20で行われる。エネルギーが供給されたベルトセグメント20は、他のベルトセグメントへの転送を実行する。要素14の状況は、図10に示すように起こる。ベルトのチェーンの内側で運搬台構造11に固定して連結されたレール70上で、線形ガイド71が滑動する。エネルギーをエンドレスに回転可能な要素73に伝達する回転フィードスルー72は、この線形ガイドに固定される。回転フィードスルーには、他方の端部が運搬台フレーム11に連結されたエネルギーチェーン75からエネルギーが供給される。この要素では、72内に伝達されたエネルギーに加えて、必要に応じて真空が貫通可能であり、たとえば、この真空は、支持体上にベルト22を固定するために使用することができる。牽引要素、たとえばレール74とベルトユニット20の間のばね77が、レール74に固定される。さらに、エネルギーガイド要素、たとえば油圧ホースおよびケーブルもまた、レール74に固定される。
【0066】
次にベルトセグメント20は、上述した牽引要素を介して移動される場合、予備張力に加えて、レール74上に追加の力を及ぼす。結果として生じる力の不均衡を補償するために、要素71〜74は、均衡が再確立されるように移動される。このようにして、エネルギーの供給が常に理想の位置で行われることが保証される。
【0067】
あるいは、エネルギーの供給を、線形ガイド70、71およびエネルギーチェーン75無しに行うこともできる。この場合、回転フィードスルーは、運搬台構造11の中央に配置される。要素73が、ドラムとして実現され、このドラムから長いエネルギーチェーンがベルトセグメント20に通じる。ドラム73は、適切な駆動要素によって一定のモーメントで事前に張力がかけられ、要素74から要素20のエネルギーチェーンが、常に張力下にあり、ベルトとの許容されない接触を行わないことを実現する。
【0068】
運搬台構造
運搬台構造11は、エネルギーの供給を可能にすると同時に、生じる力に理想的に対応することができるようにして構築される。図1は、運搬台要素の構成を示す。ここでは、運搬台セグメント11aは、コネクタ11bを介して固定される。ブレース11cは、必要な安定性をもたらす。システムは、調節構造を有し、すばやく分解することができ、それにより携帯使用が容易になる。
【0069】
図4は、主駆動チェーン16およびベルトセグメント20が無い運搬台構造の正面図を示す。ベルトセグメント上に生じる負荷は、要素17および19によって受けられる。要素11aのカンチレバーは、ここではできる限り短く保たれる。さらに、ガイドレール19の領域内には、最も大きな負荷が生じ、この負荷は、11aの安定した垂直運搬台に直接導入される。同時に、2つの連結された要素11aの上側の開口部により、エネルギーチェーンのフィードスルーのための十分なスペースが残される。
【0070】
ベルトセグメント20の戻り工程は、運搬台セグメント11aの内部で行われる。
【符号の説明】
【0071】
11 運搬台フレーム
11a 運搬台セグメント
11b コネクタ
11c ブレース
13 クロソイドセグメント
14 エネルギーの供給
16 搬送手段チェーン
17 支持構造
18 駆動ホイル
19 ガイド表面
20 ベルトユニット
21 第2の支持ベルト
22 主ベルト
23 第1の駆動ローラ
24、25 牽引ベルト
26 油圧モータ
28 第2の駆動ローラ
33 フレーム
43 保持クリップ
44 内側要素
45 外側要素
46 ボルト
60 センサ
61 逆止弁
62 ピストン
70、74 レール
71 線形ガイド
72、73 回転フィードスルー
75 エネルギーチェーン
76 可撓性供給ライン
77 ばね
M10、M20 第1の電動モータ
M11、M21 第2の電動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2空間方向に移動可能な表面を有する装置であって、
運搬台フレーム(11)と、
前記運搬台フレームに配設された第1の方向に循環する搬送手段(16)と、
複数のベルトユニット(20)であって、
各々が、前記第1の方向に移動可能になるようにして前記搬送手段に固定可能であり、各々が、
前記ベルトユニットに配設された第2の方向に循環する第1の連続ベルト(22)と、前記第1の連続ベルトを前記第2の方向に駆動するための第1の駆動ローラ(23)とを備えた、ベルトユニットとを備え、
各々の第1の駆動ローラが、専用駆動装置(26)によって作動される装置において、
各々のベルトユニットが、前記ベルトユニット上に前記第1の連続ベルトに平行に配置された第2の連続ベルト(21)を付加的に有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第2の連続ベルトが、前記第1の連続ベルトよりも平坦および/または短いものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各々のベルトユニットが、前記第2の連続ベルトを前記第2の方向に駆動するための第2の駆動ローラ(28)を付加的に有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2の連続ベルトが、同じ駆動ローラによって駆動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の駆動ローラの前記駆動装置が、直列に連結されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動ローラの前記駆動装置が、油圧モータおよび/または電動モータを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記運搬台構造は前記第1の方向に移動可能である線形ガイド(71)を備え、前記線形ガイド(71)上にはエンドレス回転フィードスルー(72)が配置され、前記エンドレス回転フィードスルー(72)は、駆動ローラの、前記エンドレス回転フィードスルー(72)に連結された駆動装置にエネルギーを供給するためのものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記運搬台構造が前記ベルトユニットの前記連続ベルトを支持するための支持構造(17)を備え、それによって、前記エンドレス回転フィードスルーと前記第2の方向に前記エンドレス回転フィードスルーに連結された駆動装置との間の、前記付随するベルトユニットのほぼ中央部の連結部(74)が、前記ベルトユニットと共に前記第1の方向に循環することができることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記搬送手段が前記第1の方向に循環し、チェーン毎に少なくとも1つの駆動ホイル(18)によって駆動される、2つの循環チェーン(16)を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
各々のチェーンの前記関連する駆動輪ホイルのかみ合い部が前記チェーンを誘導するためのガイド表面を有し、前記ガイド表面が原則的に平行である2つの線形セグメントと、2つのクロソイドセグメントと、円形セグメントとを基本的に備え、それにより、前記チェーンは、基本的に前記第1の方向に走行する第1の線形セグメントから定曲率で第1のクロソイドセグメントに入り、前記第1のクロソイドセグメントから定曲率で前記円形セグメントに入り、次いで前記円形セグメントから定曲率で前記第2のクロソイドセグメントに入り、前記第2のクロソイドセグメントから定曲率で前記第2の線形セグメントに入るようになることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各々のチェーンが第1および第2の駆動ホイルによって作動可能であり、両方のチェーンの前記第1および/または第2の駆動輪が、角度同期によって制御されることを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの駆動ホイルが、前記それぞれのチェーンのボルト(46)と完全係合状態に入ることができる多角形ホイルであることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の駆動ローラが、前記第1の駆動ローラと共に、前記第1および第2の連続ベルトが同じ循環スピードを有するように前記ベルトユニットの前記駆動装置によって回転させられることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
各々のベルトユニットが前記連続ベルトを前記ベルトユニットの運搬台構造に引っ張る牽引手段を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記牽引手段が磁石、特に電磁石および/または真空装置を備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−501299(P2010−501299A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525984(P2009−525984)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007591
【国際公開番号】WO2008/025550
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(509058461)テヒニシェ・ウニヴェルジテート・ミュンヘン (1)
【Fターム(参考)】