3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンの塩
本発明は、そのすべての立体化学的配置にある式(1)の化合物のフマル酸塩、その調製方法、並びに気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散におけるその使用に関する。好ましくは、本発明は、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのすべての立体化学的配置にある下式の化合物のフマル酸塩、その調製方法、並びに気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散におけるその使用に関する。より具体的には、本発明は、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩に関する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
BTG1640として公知の化合物rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、国際公開第93/17004号の国際出願に記載されており、新しい精神活性化合物の群に属する。
【0004】
具体的には、国際公開第93/17004号明細書の特許出願において、化合物全群の精神安定活性が提示されており、特に化合物BTG1640の活性、並びに学習能力及び健忘症の逆転におけるその作用が試験されている。
【0005】
そのような文献によれば、化合物BTG1640は、黄色の油として調製され、提示の活性を実証する試験では、PEG及び蒸留水に希釈後に用いられている。
【0006】
製薬の実施において、油物質は、主として取扱い及び製剤化が困難であることに関連する多くの欠点を有することが公知である。油は実際に加重が困難であり、基本的に温度変化に対して安定性が低く、通常の溶媒に可溶性が低く、したがって医薬製剤の調製のために用量を加えることが技術的により困難である。
【0007】
一般に、活性成分の形態は、具体的には医薬製剤の活性の取扱いに関してより良い特性を通常示す結晶性固体であることが望ましい。
【0008】
このことに関して、特許文献1には、式(1)の化合物の遊離塩基を適切な遊離酸で処理することにより、一般式(1)の新しい精神活性化合物の塩形態を調製する可能性について言及している。具体的には、特許文献1は、白色結晶性粉末の形態で得られるBTG1640の塩酸塩を記載している。
【0009】
そのような塩を参照とし、それにより薬物製剤のステップにおいて油形態の遊離塩基BTG1640の使用を回避することを望んで、薬物の貯蔵及び保存条件を提示するために、活性成分としてのそのような塩酸塩の安定性が評価された。種々の温度及び湿度条件にやがて暴露される場合、同じ初期特性が維持されるならば、医薬物質は安定しているとみなされることが公知である。実施例で実証されるとおり、安定性分析は、BTG1640の塩酸塩は30℃より高い温度で不安定であり、したがって活性物質として単一の塩だけでなく、近年開発されており、そのような活性成分をベースとする種々の医薬製剤に関しても、予防的に2〜8℃の温度での冷蔵庫保存が望ましいものとなることを示した。
【0010】
そのような冷蔵庫保存条件は、必要であるが、かなりの不利益を生じる。実際に、そのような保存の予防措置の観察はほとんど患者に認められず、必要に迫られて薬物を冷蔵庫に保管しなければならないことにより、患者は明らかに日常の習慣及び活動に組み入れられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第93/17004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特有の保存条件を必要としない形態として化合物3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを提供することが依然として求められている。
【0013】
したがって、本発明の目的は、特有の保存及び保管条件を必要としない形態の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを提供することである。
【0014】
さらなる目的は、公知のBTG1640の塩酸塩の特性に少なくとも匹敵する生物学的利用能特性を示すBTG1640の塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の発明者は研究及び調査を行い、結果として驚いたことに下式のフマル酸塩が、40℃/75%RHで6カ月保存された後でも、特有の保存条件を必要としない高度に改善された安定性を示すことを見出した。
【0016】
【化2】
【0017】
したがって、本発明は、請求項1に記載のフマル酸塩、新しい調製方法、並びに具体的には気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散における薬剤としてのその使用に関する。
【0018】
好ましくは、本発明によれば、2つのエナンチオマー形態及びラセミ混合物としての分子を含む、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩が提供される。
【0019】
利点及びさらなる特性は従属請求の範囲に示す。
【0020】
本発明において、式(1)で表される分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、キラル中心に関連する任意の立体化学的配置、並びに当業者に公知である分離技術によって得ることのできるエナンチオマー及びラセミ混合物、及び2つ以上の立体化学化合物の任意の混合物をその定義に含む。
【0021】
【化3】
【0022】
本発明を、特に付属の図面を参照することにより、ここにより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】試験物質の純度に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640塩酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図2】全不純物の評価に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640塩酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図3】試験物質の純度に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図4】全不純物の評価に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図5】試験物質の純度に関して、温度5℃においてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図6】試験物質の純度に関して、温度25℃及び湿度60%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図7】試験物質の純度に関して、温度30℃及び湿度65%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図8】試験物質の純度に関して、温度40℃及び湿度75%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図9】全不純物の評価に関して、温度5℃においてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図10】全不純物の評価に関して、温度25℃及び湿度60%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図11】全不純物の評価に関して、温度30℃及び湿度65%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図12】全不純物の評価に関して、温度40℃及び湿度75%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
したがって、本発明は、分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩に関する。
【0025】
本発明によれば、そのような塩は、遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸で処理することによって、あるいは遊離塩基として分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを遊離する処理、それに続くフマル酸との反応によって3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンの塩酸塩から得ることができる。
【0026】
他の態様において、本発明は、請求項5に従って3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を調製する方法であって、
i)遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸と反応させるステップと、
ii)反応混合物を10℃未満の1つ以上の冷却サイクルに供するステップと、を含む方法に関する。
【0027】
あるいは、ステップi)の遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、上記塩基を対応する塩酸塩から遊離する、ステップi)に先行するステップで得ることができる。
【0028】
具体的には、3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンの塩酸塩を続いてジクロロメタンによる抽出に供して、わずかに褐色の透明油の形態の遊離塩基として、分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを得ることができる。そのような溶液に、結晶の形態で約2〜8℃で氷浴の存在下、フマル酸を添加できる。当然ながら有機合成技術者はさらなる調製方法を提供できる。そのように得られた塩を、必要であれば、さらに場合によって精製法に供することができる。
【0029】
そのように得られたフマル酸塩は、実施例で実証されるとおり、種々の保存条件で安定であり、したがってそれ自体が塩酸塩より安定であることが実証された。
【0030】
3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩は、驚いたことに、公知の塩酸塩より安定であっただけでなく、以下で広く実証されるとおり、生物学的により利用可能であり、すなわちインビボで塩酸塩より良好な吸収動態プロファイルを示した。
【0031】
さらに、3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩は、驚いたことに、以下に示すとおり塩酸塩より非常に低い毒性であった。
【0032】
改善された安定性を有する式(1)の化合物のフマル酸塩は、本発明による医薬組成物を製剤化するのに適した賦形剤と組み合わせることができ、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、たとえばアルツハイマー病又は血管性認知症によって生じる健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散において医薬活性物質として作用することができる。
【0033】
指示した病変の治療において薬効に達するのに必要とされる日用量は、年齢、体重、及び全体的な健康状態に応じて対象によって異なるが、1日1回以上、1から100mgの範囲で経口又は局所投与に適した用量を投与することができ、1日1回以上、0.1から100mgの範囲で非経口に適した用量を投与することができる。
【0034】
式(1)の化合物のフマル酸塩は、非経口、経口、又は局所投与される医薬組成物を得るために、医薬的に許容される担体、及び場合によって他の賦形剤に添加される。「医薬的に許容される担体」という用語は、溶媒、助剤、希釈剤などを包含することを意図し、それらは本発明の塩の投与に適した担体を提供するために添加剤として用いられる。
【0035】
経口投与に適した本発明の組成物は、好都合には錠剤、カプセル剤、カシェ剤、粉剤、もしくは顆粒剤などの個別単位、又はさらに液体中の懸濁剤の形態となる。
【0036】
より好ましくは、経口投与用の本発明の組成物は、錠剤の形態となる。
【0037】
本発明による錠剤は、好ましくは錠剤単位当たり1から100mg、好ましくは1から50mgの量の式(1)の化合物のフマル酸塩を含む。有利には、錠剤はまた、プレゲルデンプン(pre-gel starch)、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、スクロース、ステアリン酸、及びマンニトールなどの適切な賦形剤を含む。
【0038】
好ましくは、錠剤は、錠剤の総重量に対して1.9重量%から41.4重量%、より好ましくは2.2重量%から36重量%の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0039】
経口投与用の組成物は、好ましくは、1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0040】
非経口投与用の組成物は、好都合には、無菌水性調剤を含む。
【0041】
非経口投与用の組成物は、好ましくは、0.1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0042】
局所投与用の組成物は、好都合には、クリーム、油、軟膏剤、エマルション、ゲル、水溶液、噴霧液、及び硬膏剤の形態となる。
【0043】
局所投与用の組成物は、好ましくは、1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0044】
本発明を、本発明の非限定的な例として、BTG1640のフマル酸塩の調製、並びに従来技術の塩酸塩及び本発明のフマル酸塩の安定性の評価、吸収有効性、及び毒性に関して、以下の実施例において、ここにより詳細に記載する。
【0045】
[実施例1]
BTG1640のフマル酸塩の調製
A.遊離塩基の調製
BTG1640塩酸塩10gを5%重炭酸ナトリウム70mlに溶解した。得られた溶液を250mlの分液漏斗に移し、ジクロロメタン50mlを添加した。30秒間強く攪拌した後、2層に分離するまで溶液を静置した。次いで、ジクロロメタンを含有する相を三角フラスコに移し、分液漏斗にさらにジクロロメタン20mlを添加した。次いで、分液漏斗に含まれる溶液を再び30秒間強く攪拌し、新たに2層に分離するまで溶液を静置した。ジクロロメタン相が分離したら、それを三角フラスコに加え、さらにジクロロメタン20mlで抽出を繰り返した。次いで、ジクロロメタンの3回の一定分量を硫酸ナトリウムで脱水し、濾紙で濾過し、35℃未満の温度においてロータリーエバポレータ(rotavapor)で蒸発させた。わずかに褐色の油として得られた残留物はBTG1640の遊離塩基に相当した。
【0046】
B.フマル酸塩の調製
その後、Aに示したとおり得られたBTG1640の遊離塩基1gをメタノール20mlに溶解した。次いで、フマル酸(PM=116.07)473mgを含むメタノール溶液10mlを滴加した。添加中、BTG1640の溶液は氷浴に浸漬を続けた。
【0047】
次いで、ヘキサン5ml(又はエーテル5mlを用いた)を添加し、残留物となるまで溶液を濃縮した。次いで、残留物を比率1:2のメタノール/ジイソプロピルエーテルからなる混合物36mlに再び溶解し、そのように得られた溶液を2〜8℃の冷蔵庫に48時間移した。48時間の終わりに、形成した結晶を濾過によって単離し、最後に35℃で真空下、乾燥器で乾燥した。母液を再び残留物に濃縮し、次いで、残留物をジイソプロピルエーテル36mlに再び溶解した。その後、得られた溶液を再び2〜8℃の冷蔵庫に48時間入れた。48時間の終わりに、形成した結晶を濾過によって単離し、最後に35℃で真空下、乾燥器で乾燥した。このプロセスの全収率は89%であった。
【0048】
そのように得られた結晶を、それらがBTG1640のフマル酸塩に相当することを実証するために、特性決定に供した。
【0049】
結晶の試料を元素分析に供したが、得られた結果は、提示した化学式に基づいて算出した値に相当した。
【0050】
BTG1640のフマル酸塩:C18H22NO4。
【0051】
【表1】
【0052】
次いで、1H−NMRスペクトルを得て、それによりBTG1640のフマル酸塩の形成を確認した。
【0053】
1H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δ:1.65−2.40(m,6H)H5 H6 H7;2.41(s,3H)N−CH3;2.70−2.92(m,2H)ベンジルCH2;2.92−2.98(m,1H)H3a;3.35(br,1H)H3;4.25(br,1H)H7a;6.63(s,1H)−CH=CH−フマル酸塩;7.22−7.40(m,5H)芳香族構造。
【0054】
[実施例2]
BTG1640の塩酸塩の安定性分析
BTG1640の塩酸塩の試料それぞれ100mgを以下の保存条件に暴露した。
【0055】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、最初は3カ月毎に、定期的に純度を分析した。下記の表2の結果を得た。
【0056】
【表2】
【0057】
得られた結果を図1に示した。図1から分かるように、BTG1640塩酸塩は、a)〜c)で示したT/RH条件では12カ月の期間、良好な安定性を示したが、40℃及び75%RHに暴露した場合、最初の数カ月から強い不安定性を示し、したがって条件d)はすでに6カ月の時点で塩の分解が認められることを実証した。試験の終わりに、これらの結果に基づいて、薬物は12カ月の有効期間を有し、40℃及び75%RHの条件では強度の分解が生じるため、予防的に好ましくは2から8℃の温度で保存されることが示された。
【0058】
同時に、条件a)〜d)のT/RH%条件で不純物分析を行った。下記の表3の結果を得た。
【0059】
【表3】
【0060】
次いでこれらの結果を図2に示したが、図2から、条件d)においてBTG1640塩酸塩が、3カ月の40℃/75%RHでの安定性試験の後にすでに許容できない率の不純物を示したことが分かった。
【0061】
[実施例3]
BTG1640のフマル酸塩の安定性分析
実施例1Cに従って調製したBTG1640フマル酸塩の試料それぞれ100mgを以下の保存条件に暴露した。
【0062】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、3カ月毎及び9カ月の全期間の純度を分析した。下記の表4の結果を得た。
【0063】
【表4】
【0064】
次いで、これらの結果を図3に示した。図3から分かるように、BTG1640フマル酸塩は、BTG1640塩酸塩と同様に、全期間にわたってa)〜c)で示したT/RH条件で良好な安定性を示し、そのような安定性は、BTG1640塩酸塩とは異なり、d)のより厳しい条件においても観察の全期間にわたって変化することなく維持され、したがって、塩酸塩と比較してフマル酸塩のより高い安定性が実証された。
【0065】
そのような証拠の確認として、同じ条件a)〜d)のT/RH%に暴露した試料の不純物率を評価するための試験を並行して行った。表5の実験値を得た。
【0066】
【表5】
【0067】
得られた結果を図4に示したが、図4から、BTG1640フマル酸塩は、条件d)においても、観察の6カ月までゼロ時点と変わらない不純物プロファイルを示し、したがって最適であり、そのため塩酸塩とは異なり完全に許容されることが明らかである。
【0068】
したがって、実行した試験から、BTG1640の塩酸塩と比較してフマル酸塩の高い安定性が明らかである。
【0069】
[実施例4]
BTG1640の種々の塩の安定性分析
比較として、実施例1に示した手順に従い、フマル酸の代わりにメタンスルホン酸、マレイン酸、及びコハク酸を用いて、BTG1640の他の塩を調製したが、正確には以下のとおりである。
【0070】
−BTG1640メタンスルホン酸塩
−BTG1640マレイン酸塩
−BTG1640コハク酸塩。
【0071】
次いで、塩の試料それぞれ100mgを以下の類似の保存条件に暴露することによって、安定性を評価した。
【0072】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、3カ月毎及び9カ月の全期間の純度を分析した。
【0073】
得られた結果を、比較を容易にするために塩酸塩に関して実施例2で得た結果、フマル酸塩に関して実施例3で得た結果と共に表6に記載し、さらに図5〜図8に示した。
【0074】
【表6】
【0075】
図5〜図8から分かるように、BTG1640のメタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、及びコハク酸塩の安定性プロファイルは、BTG1640塩酸塩の安定性プロファイルよりさらに劣ると考えられる。
【0076】
メタンスルホン酸塩は、記載の条件b)〜d)において安定性試験の3カ月後にすでに分解が始まり、当然ながら条件が厳しくなるにつれて、すなわちa)からd)となるにつれて量が多くなる。マレイン酸塩は、条件a)及びb)では許容されるプロファイルを示すが、条件c)に暴露した場合、すでに6カ月でかなりの分解を示し、条件d)では許容されない程度に分解する。最後にコハク酸塩は、すべての観察条件a)〜d)において、すでに3カ月から分解を示し、保存条件が厳しくなるにつれて、すなわちa)からd)となるにつれて相当に多くなる。
【0077】
これらの結果と矛盾することなく、そのような保存条件に暴露した塩の試料の不純物プロファイルは、表7の不純物の結果に基づいて得られ、図9〜図12に表した図に示されるとおり、塩自体の分解と同様に許容できない増加を示した。
【0078】
【表7】
【0079】
驚いたことに、このようにフマル酸塩は、公知の塩酸塩及び調製した他の酸付加塩とは異なる改善された安定性を示し、したがって、特有の保存条件を必要としない医薬組成物を製剤するための最良の成分であることが分かった。
【0080】
本発明は、フマル酸塩の同定によって安定なBTG1640の形態を得る技術的問題を解決することに成功した。
【0081】
[実施例5]
BTG1640のフマル酸塩及び塩酸塩の吸収動態の分析
フマル酸塩及び塩酸塩の形態であるBTG1640分子の吸収の程度及び速度を評価した。
【0082】
そのために、2種の塩を5%アラビアゴム水性懸濁液に分散し、それによって2種の製剤を得て、それぞれ用量10mg/kg(BTG1640の遊離塩基として表す)で食道強制投与(oesophageous gavage)によって、5頭のSprague Dawleyラットに経口投与した。
【0083】
分子BTG1640の血漿濃度を種々の時点で求めた。表8の結果を得た。
【0084】
【表8】
【0085】
表8から、フマル酸塩は、投与2分後に塩酸塩と比べて著しく高い濃度の遊離未変化活性成分BTG1640を提供しないとしても、5分後には塩酸塩と比べてはるかに高い濃度の遊離塩基を提供することが明らかである。
【0086】
概して、血液循環での活性成分の利用能はフマル酸塩の投与後により有利であり、したがってより高い薬理活性が期待できる。
【0087】
[実施例6]
急性経口毒性の評価
BTG1640の塩酸塩及びフマル酸塩の急性経口毒性を評価した。
【0088】
2種の塩を水性懸濁液に分散し、それによって2種の製剤を得て、それぞれ用量2000mg/体重kg(BTG1640の遊離塩基として表す)で食道強制投与によって、1群当たり3頭の雌CD−1マウスを含む2群の1つに経口投与した。観察を14日続けた。
【0089】
各群のすべての動物において、処置後最初の数分で自発的運動活性の低下が記録されたが、急速に消失した。塩酸塩BTG1640で処置されたマウスでは嗜眠、運動失調、攻撃性、及び発声が観察され、そのうちの2頭は全用量の投与後第1日に死亡した。体重はすべての実験群において観察の全期間にわたって完全に安定したままであった。検死では変化のないことが明らかとなったが、いずれにしても起こり得る塩の腎臓毒性を評価するために、各動物から腎臓を試料として採取した。塩酸塩を投与した群の組織病理学検査は、皮質の急性尿細管壊死の小さな病巣、上皮の膨化変性、及び曲尿細管の拡張を示した。フマル酸塩を投与した群では、曲尿細管の軽い拡張のみが観察された。論じた結果から、雌マウスへのBTG1640フマル酸塩2000mg/体重kgの投与は、投与後に急速に逆転可能な神経学的徴候があり、非常に低い毒性をもたらしたが、同じ用量のBTG1640塩酸塩では3頭のうち2頭の動物が死亡した。
【0090】
経口投与用でBTG1640のフマル酸塩を含む本発明による医薬組成物の重量約120mgを有する錠剤を調製するためのいくつかの製剤実施例を以下に示す。
【0091】
[実施例7]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
スクロース 81.3mg
微結晶性セルロース 20.4Mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0092】
[実施例8]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
スクロース 78.6mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0093】
[実施例9]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
スクロース 73.2mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0094】
[実施例10]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
スクロース 62.4mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0095】
[実施例11]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
スクロース 40.8mg
微結晶性セルロース 20.4Mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0096】
[実施例12]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 76.5mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0097】
[実施例13]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 73.8mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0098】
[実施例14]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 68.4mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0099】
[実施例15]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 57.6mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0100】
[実施例16]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 36.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0101】
[実施例17]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 42.9mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0102】
[実施例18]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 40.2mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0103】
[実施例19]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 34.8mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0104】
[実施例20]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 24.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0105】
[実施例21]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 2.4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0106】
[実施例22]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 76.5mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0107】
[実施例23]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 73.8mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0108】
[実施例24]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 68.4mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0109】
[実施例25]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 57.6mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0110】
[実施例26]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 36.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのすべての立体化学的配置にある下式の化合物のフマル酸塩、その調製方法、並びに気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散におけるその使用に関する。より具体的には、本発明は、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩に関する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
BTG1640として公知の化合物rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、国際公開第93/17004号の国際出願に記載されており、新しい精神活性化合物の群に属する。
【0004】
具体的には、国際公開第93/17004号明細書の特許出願において、化合物全群の精神安定活性が提示されており、特に化合物BTG1640の活性、並びに学習能力及び健忘症の逆転におけるその作用が試験されている。
【0005】
そのような文献によれば、化合物BTG1640は、黄色の油として調製され、提示の活性を実証する試験では、PEG及び蒸留水に希釈後に用いられている。
【0006】
製薬の実施において、油物質は、主として取扱い及び製剤化が困難であることに関連する多くの欠点を有することが公知である。油は実際に加重が困難であり、基本的に温度変化に対して安定性が低く、通常の溶媒に可溶性が低く、したがって医薬製剤の調製のために用量を加えることが技術的により困難である。
【0007】
一般に、活性成分の形態は、具体的には医薬製剤の活性の取扱いに関してより良い特性を通常示す結晶性固体であることが望ましい。
【0008】
このことに関して、特許文献1には、式(1)の化合物の遊離塩基を適切な遊離酸で処理することにより、一般式(1)の新しい精神活性化合物の塩形態を調製する可能性について言及している。具体的には、特許文献1は、白色結晶性粉末の形態で得られるBTG1640の塩酸塩を記載している。
【0009】
そのような塩を参照とし、それにより薬物製剤のステップにおいて油形態の遊離塩基BTG1640の使用を回避することを望んで、薬物の貯蔵及び保存条件を提示するために、活性成分としてのそのような塩酸塩の安定性が評価された。種々の温度及び湿度条件にやがて暴露される場合、同じ初期特性が維持されるならば、医薬物質は安定しているとみなされることが公知である。実施例で実証されるとおり、安定性分析は、BTG1640の塩酸塩は30℃より高い温度で不安定であり、したがって活性物質として単一の塩だけでなく、近年開発されており、そのような活性成分をベースとする種々の医薬製剤に関しても、予防的に2〜8℃の温度での冷蔵庫保存が望ましいものとなることを示した。
【0010】
そのような冷蔵庫保存条件は、必要であるが、かなりの不利益を生じる。実際に、そのような保存の予防措置の観察はほとんど患者に認められず、必要に迫られて薬物を冷蔵庫に保管しなければならないことにより、患者は明らかに日常の習慣及び活動に組み入れられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第93/17004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特有の保存条件を必要としない形態として化合物3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを提供することが依然として求められている。
【0013】
したがって、本発明の目的は、特有の保存及び保管条件を必要としない形態の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを提供することである。
【0014】
さらなる目的は、公知のBTG1640の塩酸塩の特性に少なくとも匹敵する生物学的利用能特性を示すBTG1640の塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の発明者は研究及び調査を行い、結果として驚いたことに下式のフマル酸塩が、40℃/75%RHで6カ月保存された後でも、特有の保存条件を必要としない高度に改善された安定性を示すことを見出した。
【0016】
【化2】
【0017】
したがって、本発明は、請求項1に記載のフマル酸塩、新しい調製方法、並びに具体的には気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散における薬剤としてのその使用に関する。
【0018】
好ましくは、本発明によれば、2つのエナンチオマー形態及びラセミ混合物としての分子を含む、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩が提供される。
【0019】
利点及びさらなる特性は従属請求の範囲に示す。
【0020】
本発明において、式(1)で表される分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、キラル中心に関連する任意の立体化学的配置、並びに当業者に公知である分離技術によって得ることのできるエナンチオマー及びラセミ混合物、及び2つ以上の立体化学化合物の任意の混合物をその定義に含む。
【0021】
【化3】
【0022】
本発明を、特に付属の図面を参照することにより、ここにより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】試験物質の純度に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640塩酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図2】全不純物の評価に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640塩酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図3】試験物質の純度に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図4】全不純物の評価に関して、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHの温度及び湿度条件においてBTG1640フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図5】試験物質の純度に関して、温度5℃においてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図6】試験物質の純度に関して、温度25℃及び湿度60%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図7】試験物質の純度に関して、温度30℃及び湿度65%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図8】試験物質の純度に関して、温度40℃及び湿度75%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図9】全不純物の評価に関して、温度5℃においてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図10】全不純物の評価に関して、温度25℃及び湿度60%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図11】全不純物の評価に関して、温度30℃及び湿度65%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【図12】全不純物の評価に関して、温度40℃及び湿度75%RHにおいてBTG1640メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、フマル酸塩で行った安定性試験で得られた結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
したがって、本発明は、分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩に関する。
【0025】
本発明によれば、そのような塩は、遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸で処理することによって、あるいは遊離塩基として分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを遊離する処理、それに続くフマル酸との反応によって3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンの塩酸塩から得ることができる。
【0026】
他の態様において、本発明は、請求項5に従って3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を調製する方法であって、
i)遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸と反応させるステップと、
ii)反応混合物を10℃未満の1つ以上の冷却サイクルに供するステップと、を含む方法に関する。
【0027】
あるいは、ステップi)の遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンは、上記塩基を対応する塩酸塩から遊離する、ステップi)に先行するステップで得ることができる。
【0028】
具体的には、3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンの塩酸塩を続いてジクロロメタンによる抽出に供して、わずかに褐色の透明油の形態の遊離塩基として、分子3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンを得ることができる。そのような溶液に、結晶の形態で約2〜8℃で氷浴の存在下、フマル酸を添加できる。当然ながら有機合成技術者はさらなる調製方法を提供できる。そのように得られた塩を、必要であれば、さらに場合によって精製法に供することができる。
【0029】
そのように得られたフマル酸塩は、実施例で実証されるとおり、種々の保存条件で安定であり、したがってそれ自体が塩酸塩より安定であることが実証された。
【0030】
3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩は、驚いたことに、公知の塩酸塩より安定であっただけでなく、以下で広く実証されるとおり、生物学的により利用可能であり、すなわちインビボで塩酸塩より良好な吸収動態プロファイルを示した。
【0031】
さらに、3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩は、驚いたことに、以下に示すとおり塩酸塩より非常に低い毒性であった。
【0032】
改善された安定性を有する式(1)の化合物のフマル酸塩は、本発明による医薬組成物を製剤化するのに適した賦形剤と組み合わせることができ、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、たとえばアルツハイマー病又は血管性認知症によって生じる健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散において医薬活性物質として作用することができる。
【0033】
指示した病変の治療において薬効に達するのに必要とされる日用量は、年齢、体重、及び全体的な健康状態に応じて対象によって異なるが、1日1回以上、1から100mgの範囲で経口又は局所投与に適した用量を投与することができ、1日1回以上、0.1から100mgの範囲で非経口に適した用量を投与することができる。
【0034】
式(1)の化合物のフマル酸塩は、非経口、経口、又は局所投与される医薬組成物を得るために、医薬的に許容される担体、及び場合によって他の賦形剤に添加される。「医薬的に許容される担体」という用語は、溶媒、助剤、希釈剤などを包含することを意図し、それらは本発明の塩の投与に適した担体を提供するために添加剤として用いられる。
【0035】
経口投与に適した本発明の組成物は、好都合には錠剤、カプセル剤、カシェ剤、粉剤、もしくは顆粒剤などの個別単位、又はさらに液体中の懸濁剤の形態となる。
【0036】
より好ましくは、経口投与用の本発明の組成物は、錠剤の形態となる。
【0037】
本発明による錠剤は、好ましくは錠剤単位当たり1から100mg、好ましくは1から50mgの量の式(1)の化合物のフマル酸塩を含む。有利には、錠剤はまた、プレゲルデンプン(pre-gel starch)、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、スクロース、ステアリン酸、及びマンニトールなどの適切な賦形剤を含む。
【0038】
好ましくは、錠剤は、錠剤の総重量に対して1.9重量%から41.4重量%、より好ましくは2.2重量%から36重量%の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0039】
経口投与用の組成物は、好ましくは、1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0040】
非経口投与用の組成物は、好都合には、無菌水性調剤を含む。
【0041】
非経口投与用の組成物は、好ましくは、0.1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0042】
局所投与用の組成物は、好都合には、クリーム、油、軟膏剤、エマルション、ゲル、水溶液、噴霧液、及び硬膏剤の形態となる。
【0043】
局所投与用の組成物は、好ましくは、1から100mgの3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を含む。
【0044】
本発明を、本発明の非限定的な例として、BTG1640のフマル酸塩の調製、並びに従来技術の塩酸塩及び本発明のフマル酸塩の安定性の評価、吸収有効性、及び毒性に関して、以下の実施例において、ここにより詳細に記載する。
【0045】
[実施例1]
BTG1640のフマル酸塩の調製
A.遊離塩基の調製
BTG1640塩酸塩10gを5%重炭酸ナトリウム70mlに溶解した。得られた溶液を250mlの分液漏斗に移し、ジクロロメタン50mlを添加した。30秒間強く攪拌した後、2層に分離するまで溶液を静置した。次いで、ジクロロメタンを含有する相を三角フラスコに移し、分液漏斗にさらにジクロロメタン20mlを添加した。次いで、分液漏斗に含まれる溶液を再び30秒間強く攪拌し、新たに2層に分離するまで溶液を静置した。ジクロロメタン相が分離したら、それを三角フラスコに加え、さらにジクロロメタン20mlで抽出を繰り返した。次いで、ジクロロメタンの3回の一定分量を硫酸ナトリウムで脱水し、濾紙で濾過し、35℃未満の温度においてロータリーエバポレータ(rotavapor)で蒸発させた。わずかに褐色の油として得られた残留物はBTG1640の遊離塩基に相当した。
【0046】
B.フマル酸塩の調製
その後、Aに示したとおり得られたBTG1640の遊離塩基1gをメタノール20mlに溶解した。次いで、フマル酸(PM=116.07)473mgを含むメタノール溶液10mlを滴加した。添加中、BTG1640の溶液は氷浴に浸漬を続けた。
【0047】
次いで、ヘキサン5ml(又はエーテル5mlを用いた)を添加し、残留物となるまで溶液を濃縮した。次いで、残留物を比率1:2のメタノール/ジイソプロピルエーテルからなる混合物36mlに再び溶解し、そのように得られた溶液を2〜8℃の冷蔵庫に48時間移した。48時間の終わりに、形成した結晶を濾過によって単離し、最後に35℃で真空下、乾燥器で乾燥した。母液を再び残留物に濃縮し、次いで、残留物をジイソプロピルエーテル36mlに再び溶解した。その後、得られた溶液を再び2〜8℃の冷蔵庫に48時間入れた。48時間の終わりに、形成した結晶を濾過によって単離し、最後に35℃で真空下、乾燥器で乾燥した。このプロセスの全収率は89%であった。
【0048】
そのように得られた結晶を、それらがBTG1640のフマル酸塩に相当することを実証するために、特性決定に供した。
【0049】
結晶の試料を元素分析に供したが、得られた結果は、提示した化学式に基づいて算出した値に相当した。
【0050】
BTG1640のフマル酸塩:C18H22NO4。
【0051】
【表1】
【0052】
次いで、1H−NMRスペクトルを得て、それによりBTG1640のフマル酸塩の形成を確認した。
【0053】
1H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δ:1.65−2.40(m,6H)H5 H6 H7;2.41(s,3H)N−CH3;2.70−2.92(m,2H)ベンジルCH2;2.92−2.98(m,1H)H3a;3.35(br,1H)H3;4.25(br,1H)H7a;6.63(s,1H)−CH=CH−フマル酸塩;7.22−7.40(m,5H)芳香族構造。
【0054】
[実施例2]
BTG1640の塩酸塩の安定性分析
BTG1640の塩酸塩の試料それぞれ100mgを以下の保存条件に暴露した。
【0055】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、最初は3カ月毎に、定期的に純度を分析した。下記の表2の結果を得た。
【0056】
【表2】
【0057】
得られた結果を図1に示した。図1から分かるように、BTG1640塩酸塩は、a)〜c)で示したT/RH条件では12カ月の期間、良好な安定性を示したが、40℃及び75%RHに暴露した場合、最初の数カ月から強い不安定性を示し、したがって条件d)はすでに6カ月の時点で塩の分解が認められることを実証した。試験の終わりに、これらの結果に基づいて、薬物は12カ月の有効期間を有し、40℃及び75%RHの条件では強度の分解が生じるため、予防的に好ましくは2から8℃の温度で保存されることが示された。
【0058】
同時に、条件a)〜d)のT/RH%条件で不純物分析を行った。下記の表3の結果を得た。
【0059】
【表3】
【0060】
次いでこれらの結果を図2に示したが、図2から、条件d)においてBTG1640塩酸塩が、3カ月の40℃/75%RHでの安定性試験の後にすでに許容できない率の不純物を示したことが分かった。
【0061】
[実施例3]
BTG1640のフマル酸塩の安定性分析
実施例1Cに従って調製したBTG1640フマル酸塩の試料それぞれ100mgを以下の保存条件に暴露した。
【0062】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、3カ月毎及び9カ月の全期間の純度を分析した。下記の表4の結果を得た。
【0063】
【表4】
【0064】
次いで、これらの結果を図3に示した。図3から分かるように、BTG1640フマル酸塩は、BTG1640塩酸塩と同様に、全期間にわたってa)〜c)で示したT/RH条件で良好な安定性を示し、そのような安定性は、BTG1640塩酸塩とは異なり、d)のより厳しい条件においても観察の全期間にわたって変化することなく維持され、したがって、塩酸塩と比較してフマル酸塩のより高い安定性が実証された。
【0065】
そのような証拠の確認として、同じ条件a)〜d)のT/RH%に暴露した試料の不純物率を評価するための試験を並行して行った。表5の実験値を得た。
【0066】
【表5】
【0067】
得られた結果を図4に示したが、図4から、BTG1640フマル酸塩は、条件d)においても、観察の6カ月までゼロ時点と変わらない不純物プロファイルを示し、したがって最適であり、そのため塩酸塩とは異なり完全に許容されることが明らかである。
【0068】
したがって、実行した試験から、BTG1640の塩酸塩と比較してフマル酸塩の高い安定性が明らかである。
【0069】
[実施例4]
BTG1640の種々の塩の安定性分析
比較として、実施例1に示した手順に従い、フマル酸の代わりにメタンスルホン酸、マレイン酸、及びコハク酸を用いて、BTG1640の他の塩を調製したが、正確には以下のとおりである。
【0070】
−BTG1640メタンスルホン酸塩
−BTG1640マレイン酸塩
−BTG1640コハク酸塩。
【0071】
次いで、塩の試料それぞれ100mgを以下の類似の保存条件に暴露することによって、安定性を評価した。
【0072】
a)5℃
b)25℃及び60%RH
c)30℃及び65%RH
d)40℃及び70%RH
その後、起こり得る変化を明確に示すために、3カ月毎及び9カ月の全期間の純度を分析した。
【0073】
得られた結果を、比較を容易にするために塩酸塩に関して実施例2で得た結果、フマル酸塩に関して実施例3で得た結果と共に表6に記載し、さらに図5〜図8に示した。
【0074】
【表6】
【0075】
図5〜図8から分かるように、BTG1640のメタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、及びコハク酸塩の安定性プロファイルは、BTG1640塩酸塩の安定性プロファイルよりさらに劣ると考えられる。
【0076】
メタンスルホン酸塩は、記載の条件b)〜d)において安定性試験の3カ月後にすでに分解が始まり、当然ながら条件が厳しくなるにつれて、すなわちa)からd)となるにつれて量が多くなる。マレイン酸塩は、条件a)及びb)では許容されるプロファイルを示すが、条件c)に暴露した場合、すでに6カ月でかなりの分解を示し、条件d)では許容されない程度に分解する。最後にコハク酸塩は、すべての観察条件a)〜d)において、すでに3カ月から分解を示し、保存条件が厳しくなるにつれて、すなわちa)からd)となるにつれて相当に多くなる。
【0077】
これらの結果と矛盾することなく、そのような保存条件に暴露した塩の試料の不純物プロファイルは、表7の不純物の結果に基づいて得られ、図9〜図12に表した図に示されるとおり、塩自体の分解と同様に許容できない増加を示した。
【0078】
【表7】
【0079】
驚いたことに、このようにフマル酸塩は、公知の塩酸塩及び調製した他の酸付加塩とは異なる改善された安定性を示し、したがって、特有の保存条件を必要としない医薬組成物を製剤するための最良の成分であることが分かった。
【0080】
本発明は、フマル酸塩の同定によって安定なBTG1640の形態を得る技術的問題を解決することに成功した。
【0081】
[実施例5]
BTG1640のフマル酸塩及び塩酸塩の吸収動態の分析
フマル酸塩及び塩酸塩の形態であるBTG1640分子の吸収の程度及び速度を評価した。
【0082】
そのために、2種の塩を5%アラビアゴム水性懸濁液に分散し、それによって2種の製剤を得て、それぞれ用量10mg/kg(BTG1640の遊離塩基として表す)で食道強制投与(oesophageous gavage)によって、5頭のSprague Dawleyラットに経口投与した。
【0083】
分子BTG1640の血漿濃度を種々の時点で求めた。表8の結果を得た。
【0084】
【表8】
【0085】
表8から、フマル酸塩は、投与2分後に塩酸塩と比べて著しく高い濃度の遊離未変化活性成分BTG1640を提供しないとしても、5分後には塩酸塩と比べてはるかに高い濃度の遊離塩基を提供することが明らかである。
【0086】
概して、血液循環での活性成分の利用能はフマル酸塩の投与後により有利であり、したがってより高い薬理活性が期待できる。
【0087】
[実施例6]
急性経口毒性の評価
BTG1640の塩酸塩及びフマル酸塩の急性経口毒性を評価した。
【0088】
2種の塩を水性懸濁液に分散し、それによって2種の製剤を得て、それぞれ用量2000mg/体重kg(BTG1640の遊離塩基として表す)で食道強制投与によって、1群当たり3頭の雌CD−1マウスを含む2群の1つに経口投与した。観察を14日続けた。
【0089】
各群のすべての動物において、処置後最初の数分で自発的運動活性の低下が記録されたが、急速に消失した。塩酸塩BTG1640で処置されたマウスでは嗜眠、運動失調、攻撃性、及び発声が観察され、そのうちの2頭は全用量の投与後第1日に死亡した。体重はすべての実験群において観察の全期間にわたって完全に安定したままであった。検死では変化のないことが明らかとなったが、いずれにしても起こり得る塩の腎臓毒性を評価するために、各動物から腎臓を試料として採取した。塩酸塩を投与した群の組織病理学検査は、皮質の急性尿細管壊死の小さな病巣、上皮の膨化変性、及び曲尿細管の拡張を示した。フマル酸塩を投与した群では、曲尿細管の軽い拡張のみが観察された。論じた結果から、雌マウスへのBTG1640フマル酸塩2000mg/体重kgの投与は、投与後に急速に逆転可能な神経学的徴候があり、非常に低い毒性をもたらしたが、同じ用量のBTG1640塩酸塩では3頭のうち2頭の動物が死亡した。
【0090】
経口投与用でBTG1640のフマル酸塩を含む本発明による医薬組成物の重量約120mgを有する錠剤を調製するためのいくつかの製剤実施例を以下に示す。
【0091】
[実施例7]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
スクロース 81.3mg
微結晶性セルロース 20.4Mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0092】
[実施例8]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
スクロース 78.6mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0093】
[実施例9]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
スクロース 73.2mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0094】
[実施例10]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
スクロース 62.4mg
微結晶性セルロース 20.4mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0095】
[実施例11]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
スクロース 40.8mg
微結晶性セルロース 20.4Mg
タルク 9.6mg
ステアリン酸 6.0mg
【0096】
[実施例12]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 76.5mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0097】
[実施例13]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 73.8mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0098】
[実施例14]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 68.4mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0099】
[実施例15]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 57.6mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0100】
[実施例16]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
プレゲルデンプン 24.0mg
微結晶性セルロース 36.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0101】
[実施例17]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 42.9mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0102】
[実施例18]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 40.2mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0103】
[実施例19]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 34.8mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0104】
[実施例20]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 24.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0105】
[実施例21]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
ラクトース 73.8mg
微結晶性セルロース 2.4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0106】
[実施例22]
BTG1640フマル酸塩 2.7mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 76.5mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0107】
[実施例23]
BTG1640フマル酸塩 5.4mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 73.8mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0108】
[実施例24]
BTG1640フマル酸塩 10.8mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 68.4mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0109】
[実施例25]
BTG1640フマル酸塩 21.6mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 57.6mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【0110】
[実施例26]
BTG1640フマル酸塩 43.2mg
マンニトール 24.0mg
微結晶性セルロース 36.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.8mg
タルク 12.0mg
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化4】
【請求項2】
1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項1に記載のフマル酸塩。
【請求項3】
ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項2に記載のフマル酸塩。
【請求項4】
rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフマル酸塩。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を調製する方法であって、
i)遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸と反応させるステップと、
ii)反応混合物を10℃未満の1つ以上の冷却サイクルに供するステップと、を含む方法。
【請求項6】
ステップi)の遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンが、前記塩基を対応する塩酸塩から遊離する、ステップi)に先行するステップで得られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
塩酸塩からの遊離塩基の遊離がジクロロメタンによって行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップi)が氷浴で行われる、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ステップii)の冷却が2から8℃の温度で起こる、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
薬剤として使用するための、式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化5】
【請求項11】
薬剤として使用するための、1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項10に記載のフマル酸塩。
【請求項12】
薬剤として使用するための、ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項11に記載のフマル酸塩。
【請求項13】
薬剤として使用するための、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のフマル酸塩。
【請求項14】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフマル酸塩及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
フマル酸塩が0.1から100mgの量で存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフマル酸塩及び適切な賦形剤を含む錠剤。
【請求項17】
適切な賦形剤が、プレゲルデンプン、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、サッカロース、ステアリン酸、及びマンニトールからなる群から選択される、請求項16に記載の錠剤。
【請求項18】
フマル酸塩が錠剤単位当たり1から100mgの量で存在する、請求項16又は17に記載の錠剤。
【請求項19】
フマル酸塩が錠剤単位当たり1から50mgの量で存在する、請求項18に記載の錠剤。
【請求項20】
気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、式(1)の化合物のフマル酸塩の使用。
【化6】
【請求項21】
フマル酸塩が、1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
フマル酸塩が、ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
フマル酸塩が、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
薬剤が経口投与用である、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
経口投与用の薬剤が、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、粉剤、顆粒剤、又は液体中の懸濁剤からなる群から選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり1から100mgの量である、請求項24又は25に記載の使用。
【請求項27】
薬剤が錠剤であり、式(1)の化合物のフマル酸塩が、錠剤単位当たり1から100mgの量である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
薬剤が局所投与用である、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
局所投与用の薬剤が、クリーム、油、軟膏剤、エマルション、ゲル、水溶液、噴霧液、及び硬膏剤からなる群から選択される、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり1から100mgの量である、請求項28又は29に記載の使用。
【請求項31】
薬剤が非経口投与用である、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
非経口投与用の薬剤が無菌水性調剤である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり0.1から100mgの量である、請求項31又は32に記載の使用。
【請求項34】
気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散において使用するための、式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化7】
【請求項1】
式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化4】
【請求項2】
1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項1に記載のフマル酸塩。
【請求項3】
ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項2に記載のフマル酸塩。
【請求項4】
rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフマル酸塩。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩を調製する方法であって、
i)遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンをフマル酸と反応させるステップと、
ii)反応混合物を10℃未満の1つ以上の冷却サイクルに供するステップと、を含む方法。
【請求項6】
ステップi)の遊離塩基3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンが、前記塩基を対応する塩酸塩から遊離する、ステップi)に先行するステップで得られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
塩酸塩からの遊離塩基の遊離がジクロロメタンによって行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップi)が氷浴で行われる、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ステップii)の冷却が2から8℃の温度で起こる、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
薬剤として使用するための、式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化5】
【請求項11】
薬剤として使用するための、1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項10に記載のフマル酸塩。
【請求項12】
薬剤として使用するための、ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、請求項11に記載のフマル酸塩。
【請求項13】
薬剤として使用するための、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のフマル酸塩。
【請求項14】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフマル酸塩及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
フマル酸塩が0.1から100mgの量で存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフマル酸塩及び適切な賦形剤を含む錠剤。
【請求項17】
適切な賦形剤が、プレゲルデンプン、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、サッカロース、ステアリン酸、及びマンニトールからなる群から選択される、請求項16に記載の錠剤。
【請求項18】
フマル酸塩が錠剤単位当たり1から100mgの量で存在する、請求項16又は17に記載の錠剤。
【請求項19】
フマル酸塩が錠剤単位当たり1から50mgの量で存在する、請求項18に記載の錠剤。
【請求項20】
気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、式(1)の化合物のフマル酸塩の使用。
【化6】
【請求項21】
フマル酸塩が、1つ以上の立体化学化合物及びそれらの混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
フマル酸塩が、ジアステレオマー又はラセミ混合物の形態の式(1)の化合物のフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
フマル酸塩が、rel−(3R,3aS,7aS)−3−ベンジル−2−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロベンゾ[d]イソオキサゾール−4−オンのフマル酸塩である、気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散の薬剤を製造するための、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
薬剤が経口投与用である、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
経口投与用の薬剤が、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、粉剤、顆粒剤、又は液体中の懸濁剤からなる群から選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり1から100mgの量である、請求項24又は25に記載の使用。
【請求項27】
薬剤が錠剤であり、式(1)の化合物のフマル酸塩が、錠剤単位当たり1から100mgの量である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
薬剤が局所投与用である、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
局所投与用の薬剤が、クリーム、油、軟膏剤、エマルション、ゲル、水溶液、噴霧液、及び硬膏剤からなる群から選択される、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり1から100mgの量である、請求項28又は29に記載の使用。
【請求項31】
薬剤が非経口投与用である、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
非経口投与用の薬剤が無菌水性調剤である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
式(1)の化合物のフマル酸塩が、薬剤単位当たり0.1から100mgの量である、請求項31又は32に記載の使用。
【請求項34】
気分障害、不安障害、うつ及び痙攣状態の治療、学習能力の改善、健忘症の逆転、薬物及び薬物乱用による禁断症候群の消散において使用するための、式(1)の化合物のフマル酸塩。
【化7】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−509309(P2010−509309A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535824(P2009−535824)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003291
【国際公開番号】WO2008/053325
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508234110)アビオゲン ファルマ ソシエタ ペル アチオニ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003291
【国際公開番号】WO2008/053325
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508234110)アビオゲン ファルマ ソシエタ ペル アチオニ (4)
【Fターム(参考)】
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