3次元地図表示装置
【課題】 3次元画像を高速に表示可能な3次元地図表示装置を得る。
【解決手段】 複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段とを備え、前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応した地図表示データであり、前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択する。
【解決手段】 複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段とを備え、前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応した地図表示データであり、前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元地図データを表示する画面に表示する3次元地図表示装置に関するものである。詳しくは、車両等の移動体から見える景色を擬似的に表示する3次元地図表示装置において、3次元画像の表示に必要となる3次元地図データを選別することで、より高速に、画面上に道路周辺の地図情報を表示することが可能な3次元地図表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)が注目を集めている。3次元GIS(3D−GISともいう)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術であり、防災等にも役立っている。
3次元地図表示装置としては、車の運転者の視点から見える道路周辺の景色を3次元の地形データを用いてリアルに再現可能な3次元地形表示装置が開発されている。これにより、例えば車の運転の擬似体験や、交差点近傍を走行する際の危険予知などが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO1999/064822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、3次元の地形表示に使用するデータ量は膨大であり、画面上に表示する表示速度が遅くなるという課題があった。
【0005】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、高速表示が可能で応答の速い3次元地図表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の3次元地図表示装置は、複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段と、を備えた3次元地図表示装置であって、前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応して前記3次元地図データベースに格納された地図表示データであり、前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択し、選択した当該エリアに対応する3次元地図データを前記3次元地図データベースから抽出する。
【発明の効果】
【0007】
この発明の3次元地図表示装置によれば3次元画像を高速に表示することができ、移動中の画像の表示においても現実での視界と比べて違和感なく道路周辺を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る3次元地図表示装置100の構成を説明する図である。
【図2】実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dの構成を示す図である。
【図3】(a)実施の形態1に係る3次元地図データベースに格納された3D-GISデータのエリアブロック分割の構成例を示す図である。(b)実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dがデータロードする対象のエリアブロックを検索する検索方法を説明する図である。
【図4】実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベースの中から表示対象のエリアブロックを抽出しモニタ表示するフローを説明する図である。
【図5】(a)実施の形態1に係る領域IDテーブルの一例である。(b)交差点と道路線路の接続状態を表わした模式図である。
【図6】実施の形態1に係る検索座標位置を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る隣接領域IDテーブルの一例である。
【図8】実施の形態1に係る検索座標位置が現在の領域ID内にある場合の隣接領域IDの取得の説明図である。
【図9】実施の形態1に係る検索座標位置が現在の領域ID内にない場合の隣接領域IDの取得の説明図である。
【図10】実施の形態1に係る隣接領域IDの取得を説明する他の図である。
【図11】実施の形態2に係る5又交差点を説明する図である。
【図12】実施の形態2に係る3次元地図データの構成例である
【図13】従来の3次元地図表示装置200の構成を説明する図である。
【図14】従来の次元地図データベース117に記憶されている3次元地図データの構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、従来の3次元地図表示装置200の構成例について説明する。図13は従来の3次元地図表示装置200の一例を示すブロック図である。図13において、110は各種演算を行うCPU(中央処理装置)であり、GPSレシーバやセンサからの信号をもとに自車位置を検出する自車位置検出手段110aと、検出された自車位置から目的地までの経路を検索する経路探索手段110bと、3次元地図データベース116から読み出した道路データを所定の視点からの鳥瞰図データに変換する表示変換手段110cとを制御する。3次元地図データベース117は、例えばCD−ROMやハードディスク等の記憶手段に格納されている。111はCPU110で行う各種の演算のプログラムが記憶されたROM(リードオンリーメモリ)であり、112は方位センサ、距離センサ、GPSレシーバ、3次元地図データベース116から読み出した地形/地図表示用の3次元地図データ(3D-GISデータともいう)やCPU110での演算結果等を記憶するメモリ(DRAM)、113は地図データや自車の現在位置などに基づいて表示画像を形成するための画像プロセッサ、114はCPU110から出力される地図データや現在位置のデータなどを合成して液晶ディスプレイに表示される画像を記憶するメモリ(VRAM)、115はVRAM114の出力データを色信号に変換するためのRGB変換回路であり、色信号はRGB変換回路115から液晶ディスプレイに出力される。
【0010】
図14は、3次元地図データベース117に格納されている3次元地図データの構成例である。図において1はグリッド、2は道路、3はエリアブロックである。図14では、地図中の領域が格子状にエリアブロックA〜Fに分割されている。このように従来の3D−GISでは3D表示やアニメーション機能を実現する上で地上の領域をグリッドにより複数のエリアブロックに分割し、グリッドで分割されたエリアブロックごとに3次元地図データを保持していた。
【0011】
次に、従来の3次元地図表示装置の動作について説明する。経路探索手段110bが実行する経路探索や、表示変換手段110cが実行する表示変換等の処理はプログラムROM111に格納されているプログラムにより実行される。経路の探索や表示変換は自車位置検出手段110aで検出した自車位置20と交差点との距離から表示する鳥瞰図の表示角度θxを求め、3次元地図データベース117から読み出した3D-GISデータと自車位置から方位を決定する。表示変換手段110cは表示角度θxで鳥瞰図変換し、画像プロセッサ113は進行方向が上向きとなるように拡大図を3D表示モニタ116に描画する。
【0012】
ここで、CPU110がプログラムROM111に格納されたプログラムに従い3次元地図データベース117から3D-GISデータを読み出す際、従来は、図12に示すエリアブロックの単位でデータを読み出すことを実行していた。例えば、自車位置20が図12のエリアBにあるとき、CPU110はエリアブロックB全体を3次元表示可能な3D-GISデータを3次元地図データベースから読み出し、画像プロセッサにデータ登録していた。また、車両の進行方向に沿ってエリアブロックCやエリアブロックEを選択し、選択したエリアブロック全体の3D-GISデータを読み出し、画像プロセッサにデータ登録していた。画像プロセッサ113は登録されたデータを用いて3D表示モニタ上に3次元表示を実行していた。
このようにして従来、車両から見る実際の風景に近い鳥瞰図を3D表示モニタ116上に表示することを可能としていた。
【0013】
しかしながら、従来の3次元地図データベースに格納されている3D-GISデータは、図14に示されるように格子状に設けられたグリッドで分割したエリアブロック毎に領域分割し保持する構成になっているため、例えば進行方向に長い直線道路を表示する場合であってもグリッドで分割したエリアブロック内の全てのデータをデータロードすることになり、3D表示モニタ11に表示されないような本来不要なデータのためにメモリやプロセッサ等のリソースを浪費する状況が発生してしまい、CPUや画像プロセッサの処理負荷が大きくなるという課題があった。
また、表示の対象とする領域データを抽出する際には、余分なデータロードのために、データ検出にかかる処理負荷が大きくなってしまうことから、3次元表示を行う上で重要な、画面表示におけるシームレス性が低下してしまうという課題があった。本発明ではこれらの課題を解決して3次元画像を高速に表示することを可能とする。
【0014】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る3次元地図表示装置100の構成を説明する図である。
実施の形態1の3次元地図表示装置100は、従来の3次元地図表示装置200の構成に新たにエリア抽出手段110dが追加されている。なお、従来の3次元地図表示装置200(図13)と同様の機能を有する構成については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0015】
図2は実施の形態1で新たに追加された表示エリア抽出手段110dの構成図である。
図で120は自車位置検出手段110aが検出した現在の位置・姿勢データ16に基づき対象エリアを認識するエリア認識スレッド、120aはエリア認識スレッド120において対象エリアの特定に参照するエリアテーブル、120bはエリアテーブル120aを参照する際に使用するエリアバッファ、121は描画データに必要な処理を行うデータスレッドであり、エリア認識スレッド120から送られる現在のエリアや隣接エリアの描画用データ17(3D-GISデータ)を処理して、画像プロセッサ113に登録する。
画像プロセッサ113は、登録された3D-GISデータを用いて3D表示モニタに3次元地図を表示する。
なお、図2で、110aはGPSレシーバやセンサからの信号をもとに自車位置と車両姿勢角を検出する自車位置検出手段であるが、この3次元地図表示装置を、車両から見える風景を擬似的に3D表示モニタ116に映し出して鑑賞するという使い方をする場合には、110aは3D表示モニタ上に表示する3次元画像の視点位置と視野の方向を指定する視野位置・視野方向指定手段となる。すなわち、自車位置検出手段110は、別の言い方をすれば3D表示モニタ116上に3次元画像を表示する際の視点位置と視点方向を検出して出力する手段である。
【0016】
図3(a)は3次元地図データベース117に格納された3D-GISデータのエリアブロック分割の一例を示す図である。図3(a)において20は車両の現在位置である。破線はグリッドを表わし、グリッドで囲まれた領域の各々は地図上の領域を分割したエリアブロック3である。このように実施の形態1では車両が走行する道路を基準とし、道路に沿って地図上の領域を分割してエリアブロック3a〜3nを割り当てるようにした。現在位置20はエリアブロック3eにあり、エリアブロックに隣接する領域として、エリアブロック3c、3f、3g、3hが配置されている。
従来の3次元地図データは、所定の間隔で設けられた格子状のグリッドで地図を分割し、分割された領域ごとにエリアブロック3を割り当てる構成としていた(図12参照)。これに対し、実施の形態1では、道路を基準とし道路に沿ってエリアブロック3を割り付けるようにした。道路から離れた場所については車両で移動するにあたってモニタ表示は不要と判断し、エリアブロックの割付を行わないようにした。
【0017】
図3(b)は、表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から地図データをロードしてモニタ上に表示する対象とするエリアブロックを検索する検索方法を説明する図である。
図3(b)において、24は現在の車両が向いている方角、別の言い方をすれば人の視野方向(カメラであればカメラが向いている方角)を示すYaw方向の姿勢位置角θ、25は姿勢位置角θ方向の検索範囲を表わす角度範囲φ、26は指定距離dである。姿勢位置角θ、角度範囲φ、指定距離dについては後で説明する。
【0018】
次に、図2〜12を参照して、実施の形態1の表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から表示対象のエリアブロックの3D-GISデータを抽出し、3次元地図が3D表示モニタ116に表示されるまでのフローについて説明する。
【0019】
図4は、表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から表示対象のエリアブロックを抽出し、モニタ表示するまでフローを説明する図である。以下、図4のフローにしたがって説明する。
【0020】
(1)情報入力(図4のST01)
まず、表示エリア抽出手段110dは、自車位置検出手段110aから、現在の座標位置(x、y)とYaw角方向を表わす現在の姿勢位置角θを入力する。自車位置検出手段110aは例えばGPS(Global Positioning System)受信装置であり、方位角(姿勢位置角θ)を出力する方位センサーもセットになっている。
表示エリア抽出手段110dにはキーボードなどの外部入力手段が接続されており、表示対象となるエリアブロックを表す領域IDを取得する際の、指定距離dと角度範囲φとが予め入力され設定されている。
ここで、指定距離dとは表示対象とするエリアブロックを検索する際の検索範囲を表わすものであり、現在の自分の位置(x、y)を中心とした半径方向の距離dを表わしたのものである。たとえばd=300[m]であれば、現在の座標位置(x、y)から300[m]の範囲内で、次にデータロードを行うエリアブロックを検索することを意味する。
また、角度範囲φとは、データロードするエリアブロックを検索する際のYaw方向の角度検索範囲を表わしたのものである。たとえばφ=45[°]であれば、現在の姿勢位置角θを中心角として±45[°]/2の範囲で、次にモニタ表示を行う可能性のあるエリアブロックを検索することを意味する。
指定距離dや角度範囲φの値は、例えば、人が見ることが出来る距離や視野角、または、カメラが撮影可能な距離や視野角に関する有効範囲や、を参考にして定めることができる。
【0021】
(2)領域IDの取得(図4のST02)
表示エリア抽出手段110dは、領域IDテーブル51を用いて現在の座標位置(x、y)が含まれている領域IDを取得する。図5(a)は領域IDテーブル51の一例であり、図5(b)は図5(a)の領域IDテーブル51を作成した際の交差点と道路線路の接続状態を表わした模式図である。
領域IDテーブル51は、領域IDと領域IDの領域範囲とが関連付けされてテーブル化される。領域範囲は例えば4隅の座標位置(x1、y1)〜(x4、y4)で規定される。領域IDは、各領域毎に番号を付したエリア番号と属性番号からなる。属性番号は例えば通常の道路(01)か、交差点(99)か、などによって属性番号が付けられる。
表示エリア抽出手段110dは、現在の座標位置(x、y)が各領域IDの領域範囲(x1、y1)〜(x4、y4)の範囲内にあるか否かをチェックし、その領域にある場合に、現在の領域IDを取得する。図5の例では、現在の座標位置(x、y)が(x1、y1)=(a、b)、(x2、y2)=(c、d)、(x3、y3)=(e、f)、(x4、y4)=(g、h)に囲まれた範囲内にあるので、領域番号=1001:00を取得する。
【0022】
(3)隣接領域IDの取得(図4のST03)
次に表示エリア抽出手段110dは、現在の座標位置が属する領域(エリアブロック)に隣接する領域(エリアブロック)がある場合に、その領域の隣接領域IDを求める。
具体的には、現在の座標位置(x、y)と姿勢位置角θと指定距離dとから、検索位置を表わす検索座標位置(x'、y')を次式により求める(図6参照)。
【0023】
【数1】
【0024】
一方、3次元地図データベース117には、領域IDテーブル51とは別に隣接領域IDテーブル52が作成され格納されている。図7は、隣接領域IDテーブル52の一例である。
この隣接領域IDテーブル52は位置的に隣接する領域の領域ID間の関連付けを行ったものであり、基準となる領域を表す領域ID(エリア番号と属性番号)と、基準となる領域に対して位置的に隣接する領域を表わす領域ID(エリア番号と属性番号)とその角度方向(Yaw角)とが関連付けされている。図7の例では、基準となる領域(領域ID=0001:99)に対して、Yaw角=0[度]の方向に隣接する領域(領域ID=1001:00)が位置していることを表わしている。また、基準となる領域(領域ID=0001:99)に対して、Yaw角=π/2[度]の方向に隣接する領域(領域ID=1001:00)が位置していることを表わしている。
【0025】
次に表示エリア抽出手段110dは、式(1)で求めた座標位置(x'、y')がどの領域ID内にあるか否かをチェックする。
式(1)で求めた座標位置(x'、y')とは、現在の座標位置(x、y)を基準にして、現在の進行方向に設定した指定距離dだけ走行したときの座標位置(x'、y')を表わしており、所定の時間経過後に指定距離dだけ走行した自らがいる可能性のある位置を想定したものである。ここでは、自らがいる可能性のある座標位置のことを検索座標位置(x'、y')として式(1)により表わしている。
【0026】
検索座標位置(x'、y')が属する領域IDを次のステップにより隣接領域IDとして抽出する。
まず、検索座標位置(x'、y')が、現在いる領域ID内にある場合(図8参照)には、求める隣接IDを現在の領域領域IDと判断する(すなわち、隣接領域ID=現在の領域IDとする)。
検索座標位置(x'、y')が現在いる領域ID内にない場合には、[1]隣接領域IDテーブル52に基づき、現在の領域に隣接する領域IDを全て取得する。[2]そして[1]で取得した領域IDの中から、図3(b)で示したように現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として±φ/2の範囲内にある領域IDを隣接領域IDとして抽出する(すなわち、隣接領域ID=現在位置を中心として半径d、角度範囲がθ±φ/2の扇形曲線が存在する領域を隣接領域としてその隣接領域のIDを抽出する)。
図9は隣接領域のIDの抽出の具体例である(図は説明のため簡略化している)。図9において、表示エリア抽出手段110dは、まず現在の領域(エリアブロック3a)に隣接する領域(エリアブロック3b、3c、3d、3y)の領域IDを隣接領域IDテーブル52を用いて抽出する。そして、エリアブロック3b、3c、3d、3yの中から、現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として±φ/2の扇形曲線(図9の扇形曲線30)が存在する領域を隣接領域として抽出する。ここでは、エリアブロック3b、3c、3dが隣接領域として抽出される。表示エリア抽出手段110dは、エリアブロック3b、3c、3dに対応するIDを隣接領域IDとして抽出する。
このようにして表示エリア抽出手段110dは、複数あるエリアブロックの中から、これから車両が進む可能性の高い領域、別の言い方をすればモニタ上に3次元地図を表示しようとする領域(エリアブロック)を抽出することができる。
【0027】
仮に、現在の領域IDのエリアブロックと抽出した隣接領域IDのエリアブロックとの間に、別のエリアブロックがある場合には、その間にあるエリアブロックについても隣接領域IDとして抽出する。図10は、現在の領域IDのエリアブロックと抽出した隣接領域IDのエリアブロックとの間に、別のエリアブロックがある場合を説明する図である。この例では、現在の領域ID(1011:00)のエリアブロックと抽出した隣接領域ID(1013:00)のエリアブロックの間に別のエリアブロック(領域ID=1012:00)がある場合には、隣接領域IDを1012:00と1013:00と判断する。
なお、隣接領域IDが抽出されない場合には、隣接領域IDがないものと判断する。
【0028】
(4)隣接領域IDの3次元地図データ(3D-GISデータ)をエリアバッファにデータロードする(図4のST04)
次に、表示エリア抽出手段110dは、抽出した隣接領域IDに対応した3D-GISデータを、3次元地図データベースからエリアバッファにデータロードする。データスレッド121は描画用に必要な処理を行い、処理後のデータを画像プロセッサ113に登録する。
【0029】
(5)3D地図表示(図4のST05)
画像プロセッサ113は、データスレッド121の3D-GISデータを用いて3D表示モニタに表示する。
【0030】
(6)表示を終了するまで、ST01〜ST05を繰り返す。
【0031】
以上のように、実施の形態1の3次元地図表示装置100は、新たに表示エリア抽出手段110dを備えるようにした。3次元地図データベースは地図上の道路を基準として道路に沿って領域を分割し、各々の領域にID番号(領域ID)を割り当てた。3次元地図データベース117は、領域IDと領域IDの領域範囲とが関連付けされてテーブル(領域IDテーブル51)と、位置的に隣接する領域の領域ID間が関連付けされたテーブル(隣接領域IDテーブル52)を備える。表示エリア抽出手段110dは、現在の車両位置座標を中心とし、半径を指定距離d、角度範囲を車両進行方向(θ±φ/2)とした扇型曲線を描き、この扇型曲線が通る領域のID(隣接領域ID)を抽出する。そして、抽出した隣接領域IDに対応した3D-GISデータを、3次元地図データベースからデータロードする。画像プロセッサ113は、3D-GISデータを用いて3D表示モニタに表示する。
【0032】
このように実施の形態1の3次元地図表示装置は、モニタ上に3次元地図を表示する可能性のある道路周辺の領域だけを的確に抽出することができるため、CPUや画像プロセッサが処理する3次元地図データ量を従来より減らすことができる。これにより3次元画像をより高速に表示することが可能となり、移動中の動画像を表示する場合であっても現実でみる景色と比べて違和感なく、道路周辺の3次元画像をモニタ上に表示することができる。
【0033】
なお、指定距離dは表示可能性が高いとして抽出する地図上の領域数と対応関係にあり、指定距離dを大きな値に設定するとより大きな3D-GISデータを3次元地図データベースからデータロードして蓄えておくことになる。3次元地図表示が途切れる危険は小さくなるがCPUや画像プロセッサの負荷も大きくなる。また、角度範囲φの設定についても同様であり、直線が多い道路の表示の場合には角度範囲φを小さな値に設定しても支障は少ないが、交差点を曲がることが多い表示の場合には、表示の途切れを無くすために角度範囲φを適切な値に設定して3D-GISデータを蓄えておく必要がある。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では3次元地図表示装置の動作を、車両が走行する道路は交差点でほぼ直行する道路構造の例を用いて説明したが、斜め方向に交差点に進入するような道路がある場合であっても同様の動作が可能である。また、実施の形態1では、表示エリア抽出手段110dには予めキーボードなどの外部入力手段により隣接領域IDを取得する際の角度範囲φを設定するようにしていたが、実施の形態2では、角度範囲φを隣接領域IDテーブル52から取得し、自動的に角度範囲φを設定する。
【0035】
図11は、5方向から交差点に進入する5又交差点を表わした模式図である。交差点(領域ID=0005:99)に対して、自車両が走行している上り線路(領域ID=1023:00)や交差点を通過した後の上り線路(領域ID=1021:00、1022:00、1024:00、1025:00)と、自車両が走行している線路と逆方向の下り線路(領域ID=1023:01)や交差点を通過した後の下り線路(領域ID=1021:01、1022:01、1024:01、1025:01)が接続している。
図12は隣接領域IDテーブル52の例であり、図11の交差点に関して、基準となるエリアブロック(交差点(領域ID=0005:99))と基準エリアブロックに隣接するエリアブロックの領域IDとを関連付けしたものである。図12の隣接領域IDテーブル52において、たとえば非交差点(領域ID=1021:00)は交差点から見て35°の方向にあるためYaw角=5π/36として、各々が関連付けされている。
【0036】
このような5又交差点において、交差点に侵入した車両が、車線規制によって例えば左折方向にしか走行可能な線路が定められている場合、表示エリア抽出手段110dが隣接領域IDを取得するにあたり次のような動作を実行するように予めプログラムしておくことも可能である。以下では、表示エリア抽出手段110dが角度範囲φを隣接領域IDテーブル52から取得し、自動的に角度範囲φを設定する例について説明する。なお、実施の形態1と同様の動作((1)情報入力、(2)領域IDの取得)については説明を省略する。
【0037】
(3)隣接領域IDの取得(図4のST03相当):
実施の形態1と同様に、現在の座標位置(x、y)と、姿勢位置角θと、指定距離dとから、検索位置を表わす検索座標位置(x'、y')を式(1)により求める。
検索座標位置(x'、y')が現在いる領域ID内にない場合に、[1]隣接領域IDテーブル52に基づき、現在の領域に隣接する領域IDを全て取得する。また、隣接領域IDテーブル52に角度範囲φの指定がある場合には、指定された角度範囲φを読み込む。[2]そして[1]で取得した領域IDの中から、現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として指定された角度範囲φ(例えば、左半分を示す-π<φ<0)内にある領域IDを隣接領域IDとして抽出する。
図11の隣接領域IDテーブル52の例では、自車両が上り線路(領域ID=1023:00)を交差点に向かって走行する場合には、左側にある上り線路(領域ID=1022:00、1021:00)の領域IDを隣接領域IDとして抽出する。
このように左折のみ可能などの車線規制の情報は、交差点の隣接領域IDテーブル52に記憶させるようにしておけばよく、表示エリア抽出手段110dは隣接領域IDテーブル52から車線規制情報を入手して、適切な隣接領域IDを取得することができる。
(4)隣接領域IDの3次元地図データ(3D-GISデータ)をエリアバッファにデータロードする(図4のST04相当)
抽出した隣接領域IDの3D-GISデータを、3次元地図データベースからエリアバッファにデータロードする。データスレッド121は描画用に必要な処理を行い、画像プロセッサがモニタ上に3次元地図画像を表示する。
【0038】
このように、実施の形態2の表示エリア抽出手段110dは道路の車線規制などに応じて抽出する領域を取捨選択できるため、CPUや画像プロセッサが実行する無駄な処理を減らすことができる。これにより3次元画像を高速に表示することができ、移動中の画像の表示においても現実での視界と比べて違和感なく道路周辺を表示することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 グリッド、2 道路 、3 エリアブロック、10 エリア認識スレッド、11 エリアテーブル、12 エリアバッファ、13 データスレッド、16 現在の位置・姿勢データ、17 現在のエリア、隣接エリア、18 データ登録、19 描画実行、20 現在の位置、21 隣接エリアの位置、22 現在エリア、23 隣接エリア、24 姿勢位置角、25 隣接領域までのYaw角、26 隣接領域までの距離、30 扇型曲線、51 領域IDテーブル、52 隣接領域IDテーブル、100 3次元地図表示装置、117 3次元地図データベース、120 エリア認識スレッド、120a エリアテーブル、120b エリアバッファ、121 データスレッド、200 従来の3次元地図表示装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元地図データを表示する画面に表示する3次元地図表示装置に関するものである。詳しくは、車両等の移動体から見える景色を擬似的に表示する3次元地図表示装置において、3次元画像の表示に必要となる3次元地図データを選別することで、より高速に、画面上に道路周辺の地図情報を表示することが可能な3次元地図表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)が注目を集めている。3次元GIS(3D−GISともいう)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術であり、防災等にも役立っている。
3次元地図表示装置としては、車の運転者の視点から見える道路周辺の景色を3次元の地形データを用いてリアルに再現可能な3次元地形表示装置が開発されている。これにより、例えば車の運転の擬似体験や、交差点近傍を走行する際の危険予知などが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO1999/064822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、3次元の地形表示に使用するデータ量は膨大であり、画面上に表示する表示速度が遅くなるという課題があった。
【0005】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、高速表示が可能で応答の速い3次元地図表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の3次元地図表示装置は、複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段と、を備えた3次元地図表示装置であって、前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応して前記3次元地図データベースに格納された地図表示データであり、前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択し、選択した当該エリアに対応する3次元地図データを前記3次元地図データベースから抽出する。
【発明の効果】
【0007】
この発明の3次元地図表示装置によれば3次元画像を高速に表示することができ、移動中の画像の表示においても現実での視界と比べて違和感なく道路周辺を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る3次元地図表示装置100の構成を説明する図である。
【図2】実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dの構成を示す図である。
【図3】(a)実施の形態1に係る3次元地図データベースに格納された3D-GISデータのエリアブロック分割の構成例を示す図である。(b)実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dがデータロードする対象のエリアブロックを検索する検索方法を説明する図である。
【図4】実施の形態1に係る表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベースの中から表示対象のエリアブロックを抽出しモニタ表示するフローを説明する図である。
【図5】(a)実施の形態1に係る領域IDテーブルの一例である。(b)交差点と道路線路の接続状態を表わした模式図である。
【図6】実施の形態1に係る検索座標位置を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る隣接領域IDテーブルの一例である。
【図8】実施の形態1に係る検索座標位置が現在の領域ID内にある場合の隣接領域IDの取得の説明図である。
【図9】実施の形態1に係る検索座標位置が現在の領域ID内にない場合の隣接領域IDの取得の説明図である。
【図10】実施の形態1に係る隣接領域IDの取得を説明する他の図である。
【図11】実施の形態2に係る5又交差点を説明する図である。
【図12】実施の形態2に係る3次元地図データの構成例である
【図13】従来の3次元地図表示装置200の構成を説明する図である。
【図14】従来の次元地図データベース117に記憶されている3次元地図データの構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、従来の3次元地図表示装置200の構成例について説明する。図13は従来の3次元地図表示装置200の一例を示すブロック図である。図13において、110は各種演算を行うCPU(中央処理装置)であり、GPSレシーバやセンサからの信号をもとに自車位置を検出する自車位置検出手段110aと、検出された自車位置から目的地までの経路を検索する経路探索手段110bと、3次元地図データベース116から読み出した道路データを所定の視点からの鳥瞰図データに変換する表示変換手段110cとを制御する。3次元地図データベース117は、例えばCD−ROMやハードディスク等の記憶手段に格納されている。111はCPU110で行う各種の演算のプログラムが記憶されたROM(リードオンリーメモリ)であり、112は方位センサ、距離センサ、GPSレシーバ、3次元地図データベース116から読み出した地形/地図表示用の3次元地図データ(3D-GISデータともいう)やCPU110での演算結果等を記憶するメモリ(DRAM)、113は地図データや自車の現在位置などに基づいて表示画像を形成するための画像プロセッサ、114はCPU110から出力される地図データや現在位置のデータなどを合成して液晶ディスプレイに表示される画像を記憶するメモリ(VRAM)、115はVRAM114の出力データを色信号に変換するためのRGB変換回路であり、色信号はRGB変換回路115から液晶ディスプレイに出力される。
【0010】
図14は、3次元地図データベース117に格納されている3次元地図データの構成例である。図において1はグリッド、2は道路、3はエリアブロックである。図14では、地図中の領域が格子状にエリアブロックA〜Fに分割されている。このように従来の3D−GISでは3D表示やアニメーション機能を実現する上で地上の領域をグリッドにより複数のエリアブロックに分割し、グリッドで分割されたエリアブロックごとに3次元地図データを保持していた。
【0011】
次に、従来の3次元地図表示装置の動作について説明する。経路探索手段110bが実行する経路探索や、表示変換手段110cが実行する表示変換等の処理はプログラムROM111に格納されているプログラムにより実行される。経路の探索や表示変換は自車位置検出手段110aで検出した自車位置20と交差点との距離から表示する鳥瞰図の表示角度θxを求め、3次元地図データベース117から読み出した3D-GISデータと自車位置から方位を決定する。表示変換手段110cは表示角度θxで鳥瞰図変換し、画像プロセッサ113は進行方向が上向きとなるように拡大図を3D表示モニタ116に描画する。
【0012】
ここで、CPU110がプログラムROM111に格納されたプログラムに従い3次元地図データベース117から3D-GISデータを読み出す際、従来は、図12に示すエリアブロックの単位でデータを読み出すことを実行していた。例えば、自車位置20が図12のエリアBにあるとき、CPU110はエリアブロックB全体を3次元表示可能な3D-GISデータを3次元地図データベースから読み出し、画像プロセッサにデータ登録していた。また、車両の進行方向に沿ってエリアブロックCやエリアブロックEを選択し、選択したエリアブロック全体の3D-GISデータを読み出し、画像プロセッサにデータ登録していた。画像プロセッサ113は登録されたデータを用いて3D表示モニタ上に3次元表示を実行していた。
このようにして従来、車両から見る実際の風景に近い鳥瞰図を3D表示モニタ116上に表示することを可能としていた。
【0013】
しかしながら、従来の3次元地図データベースに格納されている3D-GISデータは、図14に示されるように格子状に設けられたグリッドで分割したエリアブロック毎に領域分割し保持する構成になっているため、例えば進行方向に長い直線道路を表示する場合であってもグリッドで分割したエリアブロック内の全てのデータをデータロードすることになり、3D表示モニタ11に表示されないような本来不要なデータのためにメモリやプロセッサ等のリソースを浪費する状況が発生してしまい、CPUや画像プロセッサの処理負荷が大きくなるという課題があった。
また、表示の対象とする領域データを抽出する際には、余分なデータロードのために、データ検出にかかる処理負荷が大きくなってしまうことから、3次元表示を行う上で重要な、画面表示におけるシームレス性が低下してしまうという課題があった。本発明ではこれらの課題を解決して3次元画像を高速に表示することを可能とする。
【0014】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る3次元地図表示装置100の構成を説明する図である。
実施の形態1の3次元地図表示装置100は、従来の3次元地図表示装置200の構成に新たにエリア抽出手段110dが追加されている。なお、従来の3次元地図表示装置200(図13)と同様の機能を有する構成については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0015】
図2は実施の形態1で新たに追加された表示エリア抽出手段110dの構成図である。
図で120は自車位置検出手段110aが検出した現在の位置・姿勢データ16に基づき対象エリアを認識するエリア認識スレッド、120aはエリア認識スレッド120において対象エリアの特定に参照するエリアテーブル、120bはエリアテーブル120aを参照する際に使用するエリアバッファ、121は描画データに必要な処理を行うデータスレッドであり、エリア認識スレッド120から送られる現在のエリアや隣接エリアの描画用データ17(3D-GISデータ)を処理して、画像プロセッサ113に登録する。
画像プロセッサ113は、登録された3D-GISデータを用いて3D表示モニタに3次元地図を表示する。
なお、図2で、110aはGPSレシーバやセンサからの信号をもとに自車位置と車両姿勢角を検出する自車位置検出手段であるが、この3次元地図表示装置を、車両から見える風景を擬似的に3D表示モニタ116に映し出して鑑賞するという使い方をする場合には、110aは3D表示モニタ上に表示する3次元画像の視点位置と視野の方向を指定する視野位置・視野方向指定手段となる。すなわち、自車位置検出手段110は、別の言い方をすれば3D表示モニタ116上に3次元画像を表示する際の視点位置と視点方向を検出して出力する手段である。
【0016】
図3(a)は3次元地図データベース117に格納された3D-GISデータのエリアブロック分割の一例を示す図である。図3(a)において20は車両の現在位置である。破線はグリッドを表わし、グリッドで囲まれた領域の各々は地図上の領域を分割したエリアブロック3である。このように実施の形態1では車両が走行する道路を基準とし、道路に沿って地図上の領域を分割してエリアブロック3a〜3nを割り当てるようにした。現在位置20はエリアブロック3eにあり、エリアブロックに隣接する領域として、エリアブロック3c、3f、3g、3hが配置されている。
従来の3次元地図データは、所定の間隔で設けられた格子状のグリッドで地図を分割し、分割された領域ごとにエリアブロック3を割り当てる構成としていた(図12参照)。これに対し、実施の形態1では、道路を基準とし道路に沿ってエリアブロック3を割り付けるようにした。道路から離れた場所については車両で移動するにあたってモニタ表示は不要と判断し、エリアブロックの割付を行わないようにした。
【0017】
図3(b)は、表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から地図データをロードしてモニタ上に表示する対象とするエリアブロックを検索する検索方法を説明する図である。
図3(b)において、24は現在の車両が向いている方角、別の言い方をすれば人の視野方向(カメラであればカメラが向いている方角)を示すYaw方向の姿勢位置角θ、25は姿勢位置角θ方向の検索範囲を表わす角度範囲φ、26は指定距離dである。姿勢位置角θ、角度範囲φ、指定距離dについては後で説明する。
【0018】
次に、図2〜12を参照して、実施の形態1の表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から表示対象のエリアブロックの3D-GISデータを抽出し、3次元地図が3D表示モニタ116に表示されるまでのフローについて説明する。
【0019】
図4は、表示エリア抽出手段110dが3次元地図データベース117から表示対象のエリアブロックを抽出し、モニタ表示するまでフローを説明する図である。以下、図4のフローにしたがって説明する。
【0020】
(1)情報入力(図4のST01)
まず、表示エリア抽出手段110dは、自車位置検出手段110aから、現在の座標位置(x、y)とYaw角方向を表わす現在の姿勢位置角θを入力する。自車位置検出手段110aは例えばGPS(Global Positioning System)受信装置であり、方位角(姿勢位置角θ)を出力する方位センサーもセットになっている。
表示エリア抽出手段110dにはキーボードなどの外部入力手段が接続されており、表示対象となるエリアブロックを表す領域IDを取得する際の、指定距離dと角度範囲φとが予め入力され設定されている。
ここで、指定距離dとは表示対象とするエリアブロックを検索する際の検索範囲を表わすものであり、現在の自分の位置(x、y)を中心とした半径方向の距離dを表わしたのものである。たとえばd=300[m]であれば、現在の座標位置(x、y)から300[m]の範囲内で、次にデータロードを行うエリアブロックを検索することを意味する。
また、角度範囲φとは、データロードするエリアブロックを検索する際のYaw方向の角度検索範囲を表わしたのものである。たとえばφ=45[°]であれば、現在の姿勢位置角θを中心角として±45[°]/2の範囲で、次にモニタ表示を行う可能性のあるエリアブロックを検索することを意味する。
指定距離dや角度範囲φの値は、例えば、人が見ることが出来る距離や視野角、または、カメラが撮影可能な距離や視野角に関する有効範囲や、を参考にして定めることができる。
【0021】
(2)領域IDの取得(図4のST02)
表示エリア抽出手段110dは、領域IDテーブル51を用いて現在の座標位置(x、y)が含まれている領域IDを取得する。図5(a)は領域IDテーブル51の一例であり、図5(b)は図5(a)の領域IDテーブル51を作成した際の交差点と道路線路の接続状態を表わした模式図である。
領域IDテーブル51は、領域IDと領域IDの領域範囲とが関連付けされてテーブル化される。領域範囲は例えば4隅の座標位置(x1、y1)〜(x4、y4)で規定される。領域IDは、各領域毎に番号を付したエリア番号と属性番号からなる。属性番号は例えば通常の道路(01)か、交差点(99)か、などによって属性番号が付けられる。
表示エリア抽出手段110dは、現在の座標位置(x、y)が各領域IDの領域範囲(x1、y1)〜(x4、y4)の範囲内にあるか否かをチェックし、その領域にある場合に、現在の領域IDを取得する。図5の例では、現在の座標位置(x、y)が(x1、y1)=(a、b)、(x2、y2)=(c、d)、(x3、y3)=(e、f)、(x4、y4)=(g、h)に囲まれた範囲内にあるので、領域番号=1001:00を取得する。
【0022】
(3)隣接領域IDの取得(図4のST03)
次に表示エリア抽出手段110dは、現在の座標位置が属する領域(エリアブロック)に隣接する領域(エリアブロック)がある場合に、その領域の隣接領域IDを求める。
具体的には、現在の座標位置(x、y)と姿勢位置角θと指定距離dとから、検索位置を表わす検索座標位置(x'、y')を次式により求める(図6参照)。
【0023】
【数1】
【0024】
一方、3次元地図データベース117には、領域IDテーブル51とは別に隣接領域IDテーブル52が作成され格納されている。図7は、隣接領域IDテーブル52の一例である。
この隣接領域IDテーブル52は位置的に隣接する領域の領域ID間の関連付けを行ったものであり、基準となる領域を表す領域ID(エリア番号と属性番号)と、基準となる領域に対して位置的に隣接する領域を表わす領域ID(エリア番号と属性番号)とその角度方向(Yaw角)とが関連付けされている。図7の例では、基準となる領域(領域ID=0001:99)に対して、Yaw角=0[度]の方向に隣接する領域(領域ID=1001:00)が位置していることを表わしている。また、基準となる領域(領域ID=0001:99)に対して、Yaw角=π/2[度]の方向に隣接する領域(領域ID=1001:00)が位置していることを表わしている。
【0025】
次に表示エリア抽出手段110dは、式(1)で求めた座標位置(x'、y')がどの領域ID内にあるか否かをチェックする。
式(1)で求めた座標位置(x'、y')とは、現在の座標位置(x、y)を基準にして、現在の進行方向に設定した指定距離dだけ走行したときの座標位置(x'、y')を表わしており、所定の時間経過後に指定距離dだけ走行した自らがいる可能性のある位置を想定したものである。ここでは、自らがいる可能性のある座標位置のことを検索座標位置(x'、y')として式(1)により表わしている。
【0026】
検索座標位置(x'、y')が属する領域IDを次のステップにより隣接領域IDとして抽出する。
まず、検索座標位置(x'、y')が、現在いる領域ID内にある場合(図8参照)には、求める隣接IDを現在の領域領域IDと判断する(すなわち、隣接領域ID=現在の領域IDとする)。
検索座標位置(x'、y')が現在いる領域ID内にない場合には、[1]隣接領域IDテーブル52に基づき、現在の領域に隣接する領域IDを全て取得する。[2]そして[1]で取得した領域IDの中から、図3(b)で示したように現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として±φ/2の範囲内にある領域IDを隣接領域IDとして抽出する(すなわち、隣接領域ID=現在位置を中心として半径d、角度範囲がθ±φ/2の扇形曲線が存在する領域を隣接領域としてその隣接領域のIDを抽出する)。
図9は隣接領域のIDの抽出の具体例である(図は説明のため簡略化している)。図9において、表示エリア抽出手段110dは、まず現在の領域(エリアブロック3a)に隣接する領域(エリアブロック3b、3c、3d、3y)の領域IDを隣接領域IDテーブル52を用いて抽出する。そして、エリアブロック3b、3c、3d、3yの中から、現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として±φ/2の扇形曲線(図9の扇形曲線30)が存在する領域を隣接領域として抽出する。ここでは、エリアブロック3b、3c、3dが隣接領域として抽出される。表示エリア抽出手段110dは、エリアブロック3b、3c、3dに対応するIDを隣接領域IDとして抽出する。
このようにして表示エリア抽出手段110dは、複数あるエリアブロックの中から、これから車両が進む可能性の高い領域、別の言い方をすればモニタ上に3次元地図を表示しようとする領域(エリアブロック)を抽出することができる。
【0027】
仮に、現在の領域IDのエリアブロックと抽出した隣接領域IDのエリアブロックとの間に、別のエリアブロックがある場合には、その間にあるエリアブロックについても隣接領域IDとして抽出する。図10は、現在の領域IDのエリアブロックと抽出した隣接領域IDのエリアブロックとの間に、別のエリアブロックがある場合を説明する図である。この例では、現在の領域ID(1011:00)のエリアブロックと抽出した隣接領域ID(1013:00)のエリアブロックの間に別のエリアブロック(領域ID=1012:00)がある場合には、隣接領域IDを1012:00と1013:00と判断する。
なお、隣接領域IDが抽出されない場合には、隣接領域IDがないものと判断する。
【0028】
(4)隣接領域IDの3次元地図データ(3D-GISデータ)をエリアバッファにデータロードする(図4のST04)
次に、表示エリア抽出手段110dは、抽出した隣接領域IDに対応した3D-GISデータを、3次元地図データベースからエリアバッファにデータロードする。データスレッド121は描画用に必要な処理を行い、処理後のデータを画像プロセッサ113に登録する。
【0029】
(5)3D地図表示(図4のST05)
画像プロセッサ113は、データスレッド121の3D-GISデータを用いて3D表示モニタに表示する。
【0030】
(6)表示を終了するまで、ST01〜ST05を繰り返す。
【0031】
以上のように、実施の形態1の3次元地図表示装置100は、新たに表示エリア抽出手段110dを備えるようにした。3次元地図データベースは地図上の道路を基準として道路に沿って領域を分割し、各々の領域にID番号(領域ID)を割り当てた。3次元地図データベース117は、領域IDと領域IDの領域範囲とが関連付けされてテーブル(領域IDテーブル51)と、位置的に隣接する領域の領域ID間が関連付けされたテーブル(隣接領域IDテーブル52)を備える。表示エリア抽出手段110dは、現在の車両位置座標を中心とし、半径を指定距離d、角度範囲を車両進行方向(θ±φ/2)とした扇型曲線を描き、この扇型曲線が通る領域のID(隣接領域ID)を抽出する。そして、抽出した隣接領域IDに対応した3D-GISデータを、3次元地図データベースからデータロードする。画像プロセッサ113は、3D-GISデータを用いて3D表示モニタに表示する。
【0032】
このように実施の形態1の3次元地図表示装置は、モニタ上に3次元地図を表示する可能性のある道路周辺の領域だけを的確に抽出することができるため、CPUや画像プロセッサが処理する3次元地図データ量を従来より減らすことができる。これにより3次元画像をより高速に表示することが可能となり、移動中の動画像を表示する場合であっても現実でみる景色と比べて違和感なく、道路周辺の3次元画像をモニタ上に表示することができる。
【0033】
なお、指定距離dは表示可能性が高いとして抽出する地図上の領域数と対応関係にあり、指定距離dを大きな値に設定するとより大きな3D-GISデータを3次元地図データベースからデータロードして蓄えておくことになる。3次元地図表示が途切れる危険は小さくなるがCPUや画像プロセッサの負荷も大きくなる。また、角度範囲φの設定についても同様であり、直線が多い道路の表示の場合には角度範囲φを小さな値に設定しても支障は少ないが、交差点を曲がることが多い表示の場合には、表示の途切れを無くすために角度範囲φを適切な値に設定して3D-GISデータを蓄えておく必要がある。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では3次元地図表示装置の動作を、車両が走行する道路は交差点でほぼ直行する道路構造の例を用いて説明したが、斜め方向に交差点に進入するような道路がある場合であっても同様の動作が可能である。また、実施の形態1では、表示エリア抽出手段110dには予めキーボードなどの外部入力手段により隣接領域IDを取得する際の角度範囲φを設定するようにしていたが、実施の形態2では、角度範囲φを隣接領域IDテーブル52から取得し、自動的に角度範囲φを設定する。
【0035】
図11は、5方向から交差点に進入する5又交差点を表わした模式図である。交差点(領域ID=0005:99)に対して、自車両が走行している上り線路(領域ID=1023:00)や交差点を通過した後の上り線路(領域ID=1021:00、1022:00、1024:00、1025:00)と、自車両が走行している線路と逆方向の下り線路(領域ID=1023:01)や交差点を通過した後の下り線路(領域ID=1021:01、1022:01、1024:01、1025:01)が接続している。
図12は隣接領域IDテーブル52の例であり、図11の交差点に関して、基準となるエリアブロック(交差点(領域ID=0005:99))と基準エリアブロックに隣接するエリアブロックの領域IDとを関連付けしたものである。図12の隣接領域IDテーブル52において、たとえば非交差点(領域ID=1021:00)は交差点から見て35°の方向にあるためYaw角=5π/36として、各々が関連付けされている。
【0036】
このような5又交差点において、交差点に侵入した車両が、車線規制によって例えば左折方向にしか走行可能な線路が定められている場合、表示エリア抽出手段110dが隣接領域IDを取得するにあたり次のような動作を実行するように予めプログラムしておくことも可能である。以下では、表示エリア抽出手段110dが角度範囲φを隣接領域IDテーブル52から取得し、自動的に角度範囲φを設定する例について説明する。なお、実施の形態1と同様の動作((1)情報入力、(2)領域IDの取得)については説明を省略する。
【0037】
(3)隣接領域IDの取得(図4のST03相当):
実施の形態1と同様に、現在の座標位置(x、y)と、姿勢位置角θと、指定距離dとから、検索位置を表わす検索座標位置(x'、y')を式(1)により求める。
検索座標位置(x'、y')が現在いる領域ID内にない場合に、[1]隣接領域IDテーブル52に基づき、現在の領域に隣接する領域IDを全て取得する。また、隣接領域IDテーブル52に角度範囲φの指定がある場合には、指定された角度範囲φを読み込む。[2]そして[1]で取得した領域IDの中から、現在の姿勢位置角θ(Yaw角)を中心方向として指定された角度範囲φ(例えば、左半分を示す-π<φ<0)内にある領域IDを隣接領域IDとして抽出する。
図11の隣接領域IDテーブル52の例では、自車両が上り線路(領域ID=1023:00)を交差点に向かって走行する場合には、左側にある上り線路(領域ID=1022:00、1021:00)の領域IDを隣接領域IDとして抽出する。
このように左折のみ可能などの車線規制の情報は、交差点の隣接領域IDテーブル52に記憶させるようにしておけばよく、表示エリア抽出手段110dは隣接領域IDテーブル52から車線規制情報を入手して、適切な隣接領域IDを取得することができる。
(4)隣接領域IDの3次元地図データ(3D-GISデータ)をエリアバッファにデータロードする(図4のST04相当)
抽出した隣接領域IDの3D-GISデータを、3次元地図データベースからエリアバッファにデータロードする。データスレッド121は描画用に必要な処理を行い、画像プロセッサがモニタ上に3次元地図画像を表示する。
【0038】
このように、実施の形態2の表示エリア抽出手段110dは道路の車線規制などに応じて抽出する領域を取捨選択できるため、CPUや画像プロセッサが実行する無駄な処理を減らすことができる。これにより3次元画像を高速に表示することができ、移動中の画像の表示においても現実での視界と比べて違和感なく道路周辺を表示することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 グリッド、2 道路 、3 エリアブロック、10 エリア認識スレッド、11 エリアテーブル、12 エリアバッファ、13 データスレッド、16 現在の位置・姿勢データ、17 現在のエリア、隣接エリア、18 データ登録、19 描画実行、20 現在の位置、21 隣接エリアの位置、22 現在エリア、23 隣接エリア、24 姿勢位置角、25 隣接領域までのYaw角、26 隣接領域までの距離、30 扇型曲線、51 領域IDテーブル、52 隣接領域IDテーブル、100 3次元地図表示装置、117 3次元地図データベース、120 エリア認識スレッド、120a エリアテーブル、120b エリアバッファ、121 データスレッド、200 従来の3次元地図表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、
前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、
前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段と、を備えた3次元地図表示装置であって、
前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応して前記3次元地図データベースに格納された地図表示データであり、
前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択し、選択した当該エリアに対応する3次元地図データを前記3次元地図データベースから抽出することを特徴とする3次元地図表示装置。
【請求項2】
前記表示エリア抽出手段は、位置的に隣接しているエリアを、前記隣接するエリアの名称と前記隣接する角度方向とで関連付けした隣接領域テーブルを備え、
前記表示エリア抽出手段は、前記隣接領域テーブルを用いて、前記所望のエリアを選択することを特徴とする請求項1記載の3次元地図表示装置。
【請求項1】
複数のエリアに分割された地図上の領域の各領域に対応する3次元地図データが格納された3次元地図データベースと、
前記3次元地図データベースから所望のエリアの3次元地図データを抽出する表示エリア抽出手段と、
前記表示エリア抽出手段が抽出した3次元地図データを用いてモニタ画面上に表示する画像表示手段と、を備えた3次元地図表示装置であって、
前記3次元地図データは、前記地図上の道路に沿って設定された複数のエリア毎に対応して前記3次元地図データベースに格納された地図表示データであり、
前記表示エリア抽出手段は、前記複数のエリアの中から、前記モニタ画面上に表示する3次元画像の視点である位置を中心とした半径が予め定めた指定距離、角度範囲が進行方向の所定の角度範囲の円弧が通るエリアを選択し、選択した当該エリアに対応する3次元地図データを前記3次元地図データベースから抽出することを特徴とする3次元地図表示装置。
【請求項2】
前記表示エリア抽出手段は、位置的に隣接しているエリアを、前記隣接するエリアの名称と前記隣接する角度方向とで関連付けした隣接領域テーブルを備え、
前記表示エリア抽出手段は、前記隣接領域テーブルを用いて、前記所望のエリアを選択することを特徴とする請求項1記載の3次元地図表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−197064(P2011−197064A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60729(P2010−60729)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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