説明

3点式シートベルト用高さ調整可能デフレクション装置、3点式シートベルトを備えた乗物用シート、および、3点式シートベルトの上部支持点の高さ調整方法

【課題】乗物用シート1の支持部材9または乗物のフレームワークに固定可能なホルダ4を備えた3点式シートベルト2の上部支持点23用高さ調整可能デフレクション装置3、該デフレクション装置3を備えた乗物用シート1、および、該デフレクション装置3による上部支持点23の高さ調整方法を提供する。
【解決手段】該デフレクション装置3において、スピンドル13を備えたリール12と、スピンドル13に平行なシートベルトストラップ29用の出口溝15を備えたハウジング24とを備えたデフレクタ11が、ホルダ4内に移動可能に取り付けられ、シートベルトストラップ29がリール12の上をガイドされ、第1接続手段7がホルダ4に形成され、第2接続手段17がデフレクタ11に形成され、それらが、ロック位置では互いに形状ロック方式で係合し、調整位置では互いに係合せず、これにより、デフレクタ11がスピンドル13を中心として回転可能となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3点式シートベルトの上部支持点用の高さ調整可能デフレクション装置、該高さ調整可能デフレクション装置付き乗物用シート、および、3点式シートベルトの上部支持点の高さ調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に商用の乗物用シートに関しては、空気バネ式或いは機械バネ式の振動減衰システムを備え、様々な周波数と振幅を有する不快で健康に有害な振動から運転者を保護することが好ましい。更なる安全要素として、3点式シートベルトがある。3点式シートベルトの第3点を乗物側、例えばBカラム(B-column)に静止させて取り付けると、乗物とシートまたは運転者との間の相対的動きが原因で快適性が損なわれることは、明らかである。3点式シートベルトシステムを完全に内蔵し、ベルト端の取付具がシート側の骨盤領域に配置され、反対側のシートベルトロック具がシートベルトの通り道上、運転者側であれば、右側に配置されるような乗物用シートであれば、安全性と快適性を提供することができる。肩のベルト出口は、背もたれ側に内蔵して、自動ベルトシステムのベルトリールと連結させる。3点式シートベルトの問題点は、上部支持点が固定されている場合、傾斜した肩掛け式シートベルトを、様々なサイズの人に合わせて最適に作用させられないことである。この効果を向上させるためには、上部支持点の高さを変更できる必要がある。DE 35 30 495 A1には、上部支持点の高さを変更することのできる装置が開示されている。DE 35 30 495 A1では、高さ変更のために、乗物用シートの背もたれに、上から下まで斜めに通るガイド溝が形成されている。また、シートベルトの幅の約3.5倍の幅の溝状の開口を備えており、このため、上部支持点を、乗員のサイズに合わせて、上下させることができる。こうして、3点式シートベルトの乗員に対する効果を向上させている。しかしながら、該シートベルトは、ガイド溝の範囲内で、意図と無関係に上下に移動する可能性があり、その結果、最適な高さを永久的に保証することができない。このため、大抵の場合は従来よりもよい効果が得られるが、状況によっては、その効果が得られない可能性があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、本発明の目的は、高さ調整を容易にしながら同時に上部支持点の位置が意図と無関係に変更されることのない、3点式シートベルトの上部支持点用の高さ調整可能デフレクション装置を提供することである。なお、この目的は、可能な限り単純な方法で得られなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を備えた高さ調整可能デフレクション装置および請求項9の特徴を備えた乗物用シートによって達成することができる。3点式シートベルトの上部支持点の高さは、出口溝によって決定される。出口溝は、デフレクタ内に配置されており、該デフレクタは、ロック状態では、該当する接続手段によって形状ロック方式でホルダに接続されている。このようにして、上部支持点をしっかり固定することができる。調整状態では、ホルダとデフレクタの間の接続手段が係合状態にないので、この状態では、デフレクタは、リールを介してスピンドルの周りを回転することができる。これにより、デフレクタのハウジングに形成された出口溝の高さが変更される。出口溝、つまりは上部支持点の望ましい高さを、こうして、個々人に合わせて非常に容易に固定することができる。上部支持点の高さは、ホルダが調整位置からロック位置に移動することによって上述のように固定されるので、意図と無関係に変更される可能性がない。このため、乗員の体のサイズに合わせて設定された上部支持点が、再び意図と無関係に変更されることが全くない。これにより、乗員に対する3点式シートベルトの最適な効果が常に保証される。更に、本発明の高さ調整可能デフレクション装置は、構造及び動作の面で非常に単純である。ホルダが、1枚の接続板と2つの支持ブラケットを備え、各支持ブラケットに、デフレクタのスピンドルを受けるための長円形の穴が形成された構造をとっているので、非常に単純な構造によって、リールのスピンドルをロック位置と調整位置の間で移動させることができる。本願の文脈においては、乗物用シートとは、自動車(商用車も含む)、航空機、および乗員の締め付けを必要とするその他の乗物(催事場用の乗物も含む)用のシートを意味する。
【0005】
本発明の好ましい発展例の一つとして、第1接続手段と第2接続手段のそれぞれが、互いに適合する歯車であってもよい。これにより、調整位置に移動させるために容易に互いから離すことができ、また、ロック位置に移動させるために容易に互いを形状ロック式の係合状態にすることができる接続手段を、非常に単純な構造で実現することができる。
【0006】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、デフレクタのスピンドルが、バネ、特にらせんバネによって押しつけられてロック位置になる構造でもよい。これは、調整の必要がないときに、デフレクタをロック位置に保持するための非常に単純で効果的な選択肢の一つである。一方で、バネの押す力に抗して調整位置に切り替えることも容易である。調整後、デフレクタは自動的にロック位置に戻ることになる。これにより、以上の利点を備えた請求項11の発明の方法も可能となる。
【0007】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、デフレクタのハウジングに、スピンドルを中心とする円筒形或いは略円筒形のケーシング表面が備えられてもよい。上部支持点となる、三点式シートベルト用の出口溝が、円筒形のケーシング表面上に配置されているので、回転動によって出口溝が垂直方向に移動する場合、円筒形ケーシング表面上の位置が変化することにより、水平位置も変化する。このため、体の大きな乗員の場合には体の小さな乗員の場合より上部支持点が前方に位置することになるが、これは非常に好ましいことが分かっている。
【0008】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、リールにベルトリトラクタ(巻取装置)が含まれていてもよい。これにより、2つの部品が一体化して一つになる。こうすれば、別の場所に、リールとは別にベルトリトラクタを取り付ける必要がなくなる。これは、乗物用シートに内蔵された高さ調整可能デフレクション装置の場合には、乗物用シート内のスペースが節約できるので、非常に好ましい。
【0009】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、高さ調整可能デフレクション装置を、乗物用シート内に配置し、デフレクタが部分的にシールドによって覆われるようにしてもよい。デフレクション装置が乗物用シートに内蔵されると、一方で、良好な美的効果が生じ、また一方で、デフレクション装置を調整するときに、思いがけず指等を挟んでしまったり、または他の怪我をしたりする恐れがなくなる。
【0010】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、スピンドルの両端部のそれぞれに、バネの自由端が通る貫通孔が備えられていてもよい。この結果として、スピンドルが軸方向に対して固定され、移動しなくなる。
【0011】
本発明のさらに好ましい発展例の一つとして、スピンドルとリールおよび/またはハウジングを一体に形成してもよい。これにより、デフレクタ全体が一体に形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図示した実施例を参照しながら、本発明の更なる利点および詳細について説明する。
【0013】
図1は、本発明のデフレクション装置3を備えた乗物用シート1(図5参照)の長手方向の断面図を示している。デフレクション装置3によって、3点式シートベルト2の上部支持点23の高さを変えることができる。本発明のデフレクション装置3は、3つの構成要素からなり、それら3つの構成要素が協同して働くことにより、本発明の利点が生じる。3つの構成要素とは、ホルダ4、デフレクタ11およびそれら2つの間に配置されたバネ10である。
【0014】
図示した実施例においては、ホルダ4、ひいては本発明のデフレクション装置3全体は、接続板5を介して乗り物用シート1の支持部材9に固定されている。固定方法としては、例えば溶接、リベット打ち、ねじ止めなど、既知の全ての方法が可能である。乗物用シート1に内蔵(図示の実施例では背もたれ19の内装材20の中に内蔵)する配置の他にも、本発明のデフレクション装置3を、乗物用シート1が配置されている車のフレームワークに直接取り付ける配置も、同様に可能である。これは、今まで、従来の上部支持点23が乗物内で取り付けられて来た方法が、どちらでも可能であることに対応している。
【0015】
図示した実施例においては、ホルダ4の集合体は、接続板5と、接続板5に取り付けられて互いに一定の距離を置いて平行に配置された2つの支持ブラケット6と、で構成されている。これら支持ブラケット6の中の、接続板5から離れた端部領域に、第1接続手段7が形成されている。該第1接続手段7は、歯車の形態をとっている。第1接続手段7は、必ずしも2つの支持ブラケット6のそれぞれに形成される必要はなく、原則的には、2つの支持ブラケット6の内の1つに形成されるだけで十分である。その一方で、いずれの場合も、対向する2つの支持ブラケット6のそれぞれに、長円形の穴8が一つずつ必要である。
【0016】
長円形の穴8によって、デフレクタ11の集合体がホルダ4内に収容される。デフレクタ11には、長円形の穴8内に配置されるスピンドル13が備えられている。スピンドル13の周りには、リール12が同軸状に配置されている。スピンドル13はさらに、2つの側面16とケーシング表面14を備えたハウジング24に接続される。ケーシング表面14は、概ね、スピンドル13を取り囲みスピンドル13と同軸の円筒形状をしている。ケーシング表面14内に、スピンドル13と平行に出口溝15が形成されている。この出口溝15を通って、3点式シートベルト2のシートベルトストラップ29が出る。なお、3点式シートベルト2は、デフレクタ11内では、リール12の上をガイドされる。
【0017】
ハウジング24の2つの側面16のそれぞれに、第2接続手段17が形成されている。第2接続手段17は、ホルダ4の支持ブラケット6に形成された第1接続手段7と適合するように形成されている。図示した実施例の場合、支持ブラケット6の歯車と逆の構造になっている。ここでも、原則的には、第2接続手段17は、側面16のうち1つにだけ配置すればよいが、2つの側面16の両方に形成する方が好ましい。第2接続手段17が2つの側面16のうちの1つだけに形成され、また、第1接続手段7も2つの支持ブラケット6のうちの1つにだけ形成される場合、第2接続手段と第1接続手段は、互いに対向するそれぞれの部材に形成されるようにしなければならない。
【0018】
ホルダ4の接続板5には、らせんバネ状に形成されたバネ10が固定されている。固定方法は、力による固定でも形状による固定でもよい。バネ10は、その自由端28の部分で、デフレクタ11のスピンドル13を、長円形の穴8の範囲内で、前方(図の右方向)に押し付けている。これにより、デフレクタ11の第2接続手段17が、ホルダ4の第1接続手段7と係合させられることになる。こうして、スピンドル13および出口溝15を備えたケーシング表面14が回転不可能となり、デフレクタ11がロック位置となる。3点式シートベルト2の上部支持点23は、こうして、このロック位置に固定され、3点式シートベルト2を上方や前方に引いても位置を変えることはできない。
【0019】
バネ10の自由端28は、いずれの場合も、スピンドル13の端部に形成された貫通孔26に通されている。このため、スピンドル13が、軸方向に押されることはない。また、スピンドル13は、これにより固定され、回転しないようになっている。このため、図示した実施例においては、リール12およびハウジング24は静止したスピンドル13と一体には形成されておらず、リール12およびハウジング24は、調整位置(図2参照)のときには、スピンドル13の周りを回転することができるようになっている。スピンドル13をリール12および/またはハウジング24と一体に形成することも可能である。この場合、バネ10は、スピンドル13の回転が可能となるように、スピンドル13を押さなければならない。このためには、貫通孔26の代わりに、例えば、スピンドル13の端部27の周り(の一部)を通る溝を設け、この溝をバネ10が通るようにすればよい。バネ10とスピンドル13の連携が保たれるようであれば、バネ10およびスピンドル13はどのようなものでもよい。スピンドル13は回転してもよいが、軸方向には移動せずに長円形の穴8の範囲内で前方に押されなければならない。
【0020】
デフレクション装置3は、シールド18の後方に配置され、一部、ケーシング表面14が、シールド18から突出するようになっている。これにより、デフレクション装置3と、背もたれ19の内装材20との間の、美的で魅力的な緊密性が得られている。さらに、乗員が意図せずに手をデフレクション装置3の中に差し込んでしまい誤って怪我をすることもない。デフレクション装置3は、実際には、シールド18によって完全に取り囲まれている。
【0021】
本発明のデフレクション装置3は、図2では、調整位置で示されている。煩雑になるのを避けるため、内装材20と支持部材9は省略されている。図示された調整位置は、デフレクタ11に対して、ケーシング表面14を介し、中抜き矢印の方向に、圧力25をかけることによって得られる。これにより、スピンドル13が、バネ10のバネ力に抗して、解放経路21だけ長円形の穴8に沿って移動する。こうしてバネ10が圧縮され、スピンドル13が、長円形の穴8の範囲内で、左方向に押される。これにより、支持ブラケット6の第1接続手段7とデフレクタ11の側面16の第2接続手段17とが係合しなくなる。このため、デフレクタ11を、スピンドル13を中心に回転させることが可能となる。図2は、既に一定角度回転させた後の図であり、出口溝15が、図1で示された位置と比べて上方に移動している。この後は、乗物用シート1を使用する乗員に合わせて、最適な高さになるように、出口溝15を回転させることができる。
【0022】
図3は、デフレクション装置3の高さ調整後の位置を示している。図2に示した調整位置と比較して、デフレクタ11はさらに反時計回りに回転させられ、その結果、出口溝15がさらに上方に移動している。出口溝15が所望の高さに達したら、デフレクタ11のケーシング表面14への圧力25を取り除く。これにより、バネ10が、再びスピンドル13を長円形の穴8の範囲内で右方向に押すようになり、デフレクタ11の側面16の第2接続手段17が、再びホルダ4の支持ブラケット6の第1接続手段7と係合する。この位置は、出口溝15の高さ、つまり上部支持点23の高さを除いては、図1に示す位置と同様であり、デフレクタ11は再びロック位置になり、デフレクタ11を、スピンドル13を中心に回転させることができなくなる。上部支持点23は、こうして、しっかりとこの位置に固定され、意図に反して偶発的に位置が変わってしまう可能性がなくなる。
【0023】
図示はしないが、図1に示す最低位置の上部支持点23と図3に示す最高位置の上部支持点23の間であれば、如何なるロック位置も可能であることは、言うまでもない。このためには、第1接続手段7を、第2接続手段17と、所望の位置で係合させることができればよい。このため、上部支持点23がとりうる隣接する二つの位置の間の距離の長さは、第1接続手段7と第2接続手段17のそれぞれの細かさに依存する。
【0024】
出口溝15は円筒形状のケーシング表面14上に配置されているので、上部支持点23は、垂直な直線に沿って移動するのではなく、スピンドル13を中心とする円弧状の経路の上を移動することになる。このため、選択された上部支持点23の高さに相関する、水平な相関経路22が得られる。つまり、上部支持点23が、小さな乗員に対してはより後方(図ではより左方向)に、大きな乗員に対してはより前方に位置することになる。このことは、3点式シートベルト2を最適に動作させるのに効果的である。
【0025】
図4は、本発明のデフレクション装置3の構造を、3次元的に表している。図4では、特に、デフレクション装置3がシールド18の下でどのように配置されているか、また、第2接続手段17が、デフレクタ11の側面16上でどのように歯車として形成されているかを、明確に見ることができる。さらに、バネ10がスピンドル13を右方向、つまりシールド18の方向に押す様子や、バネ10の自由端28が端部27に設けられた貫通孔26をどのように通っているかも、明確に見ることができる。
【0026】
図5は、本発明による乗物用シート1を、内蔵された本発明による高さ調整可能デフレクション装置3、および、デフレクション装置3内に導き入れられる3点式シートベルト2、とともに示している。このような配置が美的観点から非常に快いものであることを、図5から、明確に見て取ることができる。さらに、本発明のデフレクション装置3は、乗物用シート1の背もたれ19の内装材20の中で、シールド18により完全に取り囲まれている。このため、操作時、例えばデフレクション装置3の高さ調整時の怪我を排除することができる。このことは、シート着席時に、高さ調整可能デフレクション装置3がロックなしで調整されている場合についても同様である。
【0027】
つまり、本発明により、従来品と比べて構造が小型で見栄えがよく、しかも、乗物用シート1内に内蔵可能で、完全に取り囲まれる構造のデフレクション装置3を提供できるので、怪我の危険性がほとんど全くなくなり、さらに、埃が中に入らないのでメンテナンスの必要もほとんど全くなくなる。また、本発明のデフレクション装置3は、部品点数が少ない。実際に、デフレクタ11は作動部としても機能するので、必要な要素は、3点だけ、つまり、ホルダ4、デフレクタ11、およびそれらの間に配置されたバネ10だけである。このため、ベルト側に、別のデフレクタ11をさらに取り付ける必要もない。さらに、本発明のデフレクション装置3では、主に滑り摩擦の代わりに転がり摩擦が生じるので、ベルトを引く性能が確実である。本発明のデフレクション装置3は、デフレクタ11がホルダ4内でスピンドル13によってバネの力で押さえられるシステムなので、カチカチなどといった音がしない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例の高さ調整可能デフレクション装置を、体の小さな乗員用のロック位置に調整した状態の概略断面図である。
【図2】図1のデフレクション装置を、調整操作中の調整位置にした状態の概略断面図である。
【図3】図1および図2のデフレクション装置を、体の大きな乗員用のロック位置に調整した状態の概略断面図である。
【図4】図1〜図3のデフレクション装置の部分斜視図である。
【図5】図4のデフレクション装置を内蔵した乗物用シートを示す。
【符号の説明】
【0029】
1・・・乗物用シート(Vehicle seat)
2・・・3点式シートベルト(Three-point belt)
3・・・デフレクション装置(Deflection device)
4・・・ホルダ(Holder)
5・・・接続板(Connecting plate)
6・・・支持ブラケット(Supporting brackets)
7・・・第1接続手段(First connecting means)
8・・・長円形の穴(Oblong hole)
9・・・支持部材(Supporting member)
10・・・バネ(Spring)
11・・・デフレクタ(Deflector)
12・・・リール(Reel)
13・・・スピンドル(Spindle)
14・・・ケーシング表面(Casing surface)
15・・・出口溝(Outlet slot)
16・・・側面(Lateral surface)
17・・・第2接続手段(Second connecting means)
18・・・シールド(Shield)
19・・・背もたれ(Backrest)
20・・・内装材(Upholstery)
21・・・解放経路(Release path)
22・・・相関経路(Relative path)
23・・・上部支持点(Upper holding point)
24・・・ハウジング(Housing)
25・・・圧力(Pressure)
26・・・貫通孔(Bore)
27・・・スピンドルの端部(End of the spindle)
28・・・バネの自由端(Free end of the spring)
29・・・シートベルトストラップ(Seat belt strap)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シート(1)の支持部材(9)に取付可能または乗物のフレームワークに固定可能なホルダ(4)を備えた3点式シートベルト(2)の上部支持点(23)用の高さ調整可能デフレクション装置(3)であって、
デフレクタ(11)が、移動可能に前記ホルダ(4)に取付けられ、3点式シートベルト(2)のシートベルトストラップ(29)をガイドする、スピンドル(13)を備えたリール(12)と、該リール(12)のスピンドル(13)と平行なシートベルトストラップ(29)用の出口溝(15)を備えたハウジング(24)とを備え、
第1接続手段(7)が前記ホルダ(4)に形成され、第2接続手段(17)が前記デフレクタ(11)に形成され、それらの接続手段が、ロック位置においては、形状ロック方式で互いに係合し、調整位置においては、互いに係合せず、これにより、前記デフレクタ(11)が前記スピンドル(13)を中心として回転可能となり、
さらに、前記ホルダ(4)が接続板(5)および2つの支持ブラケット(6)を備え、該2つの支持ブラケット(6)のそれぞれに、前記デフレクタ(11)の前記スピンドル(13)を受けるための長円形の穴(8)が形成されたことを特徴とする、高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項2】
前記第1接続手段(7)および前記第2接続手段(17)が、それぞれ、互いに適合する歯車であることを特徴とする、請求項1に記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項3】
前記デフレクタ(11)の前記スピンドル(13)が、バネ(10)、特にらせんバネによって押されることによってロック位置になることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項4】
前記デフレクタ(11)の前記ハウジング(24)が、前記スピンドル(13)を中心とする円筒形あるいは略円筒形のケーシング表面(14)を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項5】
前記リール(12)がベルトリトラクタを含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項6】
前記乗物用シート(1)内に配置され、前記デフレクタ(11)が部分的にシールド(18)によって覆われることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項7】
前記スピンドル(13)が、その両端部(27)のそれぞれに、前記バネ(10)の自由端(28)が通る貫通孔(26)を備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項8】
前記スピンドル(13)が前記リール(12)および/または前記ハウジング(24)と一体に形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)を含む3点式シートベルト(2)を備えた乗物用シート(1)。
【請求項10】
前記デフレクタ(11)が、押す力に抗して後方に押されてから、スピンドル(13)を中心として回転させられ、再び後方に押す力が解除される、請求項1乃至8のいずれかに記載の高さ調整可能デフレクション装置(3)による、3点式シートベルト(2)の上部支持点(23)の高さ調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526585(P2008−526585A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548840(P2007−548840)
【出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000039
【国際公開番号】WO2006/072574
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(501377265)イスリングハウゼン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (6)
【Fターム(参考)】