説明

3量体サイトカイン用の3量体結合タンパク質

本発明は、3量体サイトカインに結合する3量体結合単位の提供に関する。特に、3量体サイトカインを結合する能力を有する結合成員を伴う3つの単量体及び3量体ドメインを含む3量体ポリペプチドが提供されている。好ましくは、該3量体結合単位は、結合時点で、3量体サイトカインの全てのレセプタ結合部位が実質的に遮断され、ひいては3量体サイトカインの潜在的生物活性が抑制されるような形で結合する。1つの態様においては、本発明は、TNF、TRAIL、RANKL、TWEAK、APRIL及びBAFFといったような腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーの3量体サイトカインに結合する能力を有する3量体結合剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3量体サイトカインに結合する3量体結合タンパク質の提供に関する。特に、結合時点で、3量体サイトカインの全てのレセプタ結合部位が実質的に遮断され、ひいては3量体サイトカインの潜在的生物活性が抑制されるような形で結合する3量体結合剤が提供されている。1つの態様においては、本発明は、腫瘍壊死因子(TNF)を含めた腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーのサイトカインに結合する能力を有する3量体結合剤に関する。
【背景技術】
【0002】
サイトカインは、細胞内シグナル伝達を担いその他の細胞の成長、分割及び機能に影響を及ぼす高等真核生物由来の小さい分泌ポリペプチドである。これらは、例えば対応するレセプタを介して局所的又は全身的細胞内調節因子として作用し、従って免疫性、炎症、及び造血(骨髄中の血球の形成及び発達)といったような数多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たす、効能のある多面発現ポリペプチドである。サイトカインは、繊維芽細胞、内皮細胞、マクロファージ/単球及びリンパ球を含めたさまざまな細胞型によって産生される。今日までに、インターフェロン、腫瘍壊死因子、インターロイキン及びリンフォカインを含め、多数のサイトカインが同定されてきた。これらは、特殊な腺によってではなくむしろ一定数の組織又は細胞型によって産生されるという点において、従来のホルモンとは異なっている。
【0003】
サイトカイン−レセプタ相互作用の変調は、さまざまな疾病及び病理における治療的介入のための有用なメカニズムであり得る。サイトカインと相互作用し得る可溶性結合タンパク質は、レセプタから離れるようにサイトカインを潜在的に封鎖し、かくして、その特定のレセプタ経路の活性化を低減又は防止することができる。
【0004】
或る種のサイトカインは、同じサブユニットの多数のコピーを含むマルチ−サブユニット複合体として発生する。マクロファージ遊走阻止因子(MIF)及び、腫瘍壊死因子(TNF;TNFLSF成員2)及びリンフォトキシンアルファ(LT−アルファ;TNFLSF成員1)といったような腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリー(TNFLSF)内のタンパク質は、3つの同一のサブユニットにより形成されたホモ3量体として発生する。これらの3量体サイトカインの多くは、シグナル伝達に関与し調節因子として作用し、又数多くの異なるタイプの疾病及び医学的適応に関与するものとして知られている。
【0005】
TNFリガンドスーパーファミリーの3量体サイトカインは、複数のレベルで免疫及び炎症性応答を制御し組織化するものとして知られている。同様に、TNFリガンドスーパーファリミリーの成員が、急性又は慢性炎症性身体条件といったいくつかの疾病身体条件に関連づけされていることも知られている。現在、TNFリガンドスーパーファリミリーはLTA(リンフォトキシンアルファ;TNFLSF成員1)、TNF(腫瘍壊死因子:TNFLSF成員2)、LTB(リンフォトキシンベータ;TNFLSF成員3);OX−40L(TNFLS成員4);CD40L(TNFLS成員5);FasL(TNFLS成員6);CD27L(TNFLS成員7);CD30L(TNFLS成員8);4−1BB−L(TNFLS成員9);TRAIL(TNFLS成員10);RANKL(TNFLS成員11);TWEAK(TNFLS成員12);APRIL(TNFLS成員13);BAFF(TNFLS成員13B);LIGHT(TNFLS成員14);VEGI(TNFLS成員15);及びGITRL(TNFLS成員18)を含む少なくとも17の認知されたリガンドを有する。
【0006】
TNFリガンドスーパーファリミリーの3量体サイトカイン及びその対応するレセプタのシグナリング単位が、単一のサイトカイン3量体が3つのレセプタ分子に結合している6量体複合体として組立てられた3つのレセプタと3つのリガンドの形をしているという証拠が存在している(非特許文献1)。この6量体複合体の一部となる前に、レセプタは単量体形態で存在する。この一般的メカニズムについては図1で例示されている。
【0007】
TNF(TNFLSF成員2)は、免疫及び炎症性応答の主たる媒介物質の1つであり、例えば、ヒト集団の約0.5〜1%に影響を及ぼす一般的な自己免疫炎症性疾患である関節リウマチの病因において重要な役割を果たしているものとして知られている。さらにTNFは同様に、内毒素ショック、脳マラリア及び移植片対宿主反応を含めた広範囲の疾病状態の病因に関与するものとしても知られている。TNFは、多数の細胞型、主として活性化されたマクロファージにより産生される。TNFの可溶性形態は、3つの同一の17kDのタンパク質サブユニットから成り、一方膜結合形態は3つの同一の26kDのサブユニットで構成されている。TNFは同様に、従来「TNF−アルファ」及び「カケクチン」として知られている。
【0008】
TWEAK(TNFLSF成員12)は最近になって、ピコモル濃度のTWEAKが正常な内皮細胞の増殖を促進すること及びTWEAKがインビボラット角膜モデル内で血管形成を誘発することが考察されたため(非特許文献2)、血管形成(血管の形成と成長)の直接的かつ強い誘発物質であることが発見された。特に、血管形成は、中実腫瘍の成長及び永続及びその転移にとって不可欠であり、それは又糖尿性網膜症、乾癬、接触性皮ふ炎及び再狭窄といったようなその他の病的身体条件に関与するものとしても知られている。
【0009】
特許文献1において、3量体サイトカインBAFF(TNFLS成員13B)は、B細胞同時刺激を目的としてT細胞及び樹状細胞によって発現されるものとして記述されており、その結果、B細胞機能の制御において重要な役割を果たすことができる。そこでは、BAFF及びそのレセプタが抗ガン及び免疫調節の利用分野ならびにHIVといったような免疫抑制性疾患の治療のための用途を有し得るということが示唆されている。
【0010】
APRIL(TNFLS成員13)は、レセプタTNFRSF13B及びTNFRSF17に結合する3量体サイトカインである。最近になって、さまざまな腫瘍細胞に対する組換え型APRILの付加がそれらの増殖を刺激し、ひいてはAPRILが腫瘍細胞成長の調節に関与しうるということが示されてきた(非特許文献3)。APRILが単球/マクロファージ媒介免疫原性プロセスにも関与しうるということも示唆されてきた。
【0011】
さらに、TNFスーパーファミリー内のサイトカインが、高IgM症候群、I型自己免疫リンパ増殖症候群、TNF−R1関連間欠熱症候群、発汗減少性外胚葉性形成異常及び家族性拡張性骨溶解といったような遺伝性疾病に関与するものとしても記述されてきた。
【0012】
特異的3量体サイトカインに結合し、かくして3量体サイトカインが例えば細胞膜結合レセプタに結合するのを防ぎ従ってその特定のレセプタ経路の活性化を抑制する能力を有する、3量体サイトカイン用の適切なアンタゴニスト及び結合剤を発見し開発するため、いくつかの試みがなされてきた。
【0013】
1つの例としては、3量体サイトカインTNF(TNFLSF成員2)に対するアンタゴニストがある。現在、2つのタイプのTNFアンタゴニスト、すなわち、共に関節リウマチの治療のため米国及び欧州で販売承認を受けたインフリキシマブ(Infliximab)(レミケード(Remicade))及びエタナルセプト(Eternarcept)(エンブレル(Enbrel))が市販されている。これら2つの製品は同様に、乾癬及びクローン病の治療に有効であることも示されてきた。インフリキシマブは、TNFの可溶性及び膜内外形態に結合することによってTNFの生物学的活性を中和しTNFとそのレセプタの結合を阻害する、マウス可変領域及びヒトIgG1及び定常領域を伴うキメラ抗体である。インフリキシマブの構造は、天然に発生する抗体のものに類似している。エタナセプト(Eternacept)は、p75TNFレセプタの細胞外ドメインとヒトIgG1のヒンジ及びFcドメインから成る融合タンパク質である。
【0014】
3量体サイトカインに対するアンタゴニストのもう1つの例が、3量体サイトカインTWEAK(TNFLS成員12)に対するモノクローナル抗体を開示する特許文献2の中で記されている。抗体は移植片対宿主反応の進行を遮断することができる。
【特許文献1】米国特許出願公開第20020037852A1号明細書
【特許文献2】国際公開第00/42073号パンフレット
【非特許文献1】ボドマー(Bodmer)ら、2002年、TRENDS in Biochemical Sciences、27(1)、p19−26
【非特許文献2】リンチ(Lynch)ら、1999年、The Journal of Biological Chemistry、274(13)pp.8455−8459
【非特許文献3】ハーン M(Hahne M.)ら、1998年;J.Exp.Med.188:1185−1190
【0015】
しかしながら、現在既知の3量体サイトカインに対する結合剤及び阻害剤製品で遭遇する一般的な技術的問題は、3量体サイトカインと結合剤又は阻害剤製品の1:1の複合体の形成時点で、3つのレセプタ結合部位のうちの少なくとも1つ又は2つが開放状態に残されることから、3量体サイトカインの3つのレセプタ結合部位の全てが有効に遮断されるわけではないという点にある。開放したサイトカインレセプタ結合部位は対応する細胞表面サイトカインレセプタと会合することができ、そのため、細胞表面上のレセプタの高い局所的濃度に起因して、サイトカインレセプタのさらなる動員を開始しレセプタシグナリングを媒介し得る。
【0016】
該問題点は、TNF3量体と1:1の複合体を形成する2価の分子であるTNF結合剤エタナセプトにより、明白に例示される。エタナセプトがTNFに結合するとき、考えられる3つのレセプタ結合部位のうちの2つのみがエタナセプト分子によって占有され、第3のレセプタ結合部位は開放状態に残される。このことはすなわち、開放したTNFレセプタ結合部位が、細胞表面TNFレセプタと会合でき、そのため、細胞表面上のレセプタの高い局所的濃度に起因して、TNFレセプタのさらなる動員及びそれによるシグナル伝達を開始しうる、ということを暗示している。この問題は、図2で例示されている。
【0017】
同じ問題は、TNF結合剤インフリキシマブでも見られる。各々のインフリキシマブ分子は、一定の与えられたTNF分子の1つのレセプタ結合部位(サブユニット)を結合する能力しかもたず、従って2つの開放したレセプタ結合部位を残す。これらの開放したレセプタ結合部位はその後、対応する遊離レセプタを会合して、結果としてTNFレセプタのさらなる動員及びレセプタシグナリングをもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
現在、本発明人らにより、3量体ドメインに対する3量体サイトカイン用の結合単位(結合剤)の1つの融合としてみなされる融合タンパク質(プロトマー)の提供によって上述の技術的問題を克服することができる、ということが発見されてきた。本発明の融合タンパク質は、3量体タンパク質として、3量体サイトカインと1:1の複合体を形成すると同時に好ましくは3量体サイトカインの3つのレセプタ結合部位の全てを有効に結合させる能力をもち、そのため開放状態のレセプタ結合部位はひとつも残されず、従って細胞表面に対するサイトカインのドッキングを阻害することができる。かくして、今や、現在既知の3量体サイトカインアンタゴニストと比べてさらに効果的に3量体サイトカインの生物活性を阻害し中和する能力を有するという利点をもつ融合タンパク質が提供されている。本発明に従った融合タンパク質のさらなる利点は、医薬品として応用された場合に、治療効果を得るために、現在既知の3量体サイトカイン用結合剤に比べて少ない量の融合タンパク質しか必要とされない、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、本発明は、第1の態様において、3量体サイトカインを結合する能力を有する特異的結合成員を各々含みかつ3量体化ドメインを各々含む3つの単量体を含む3量体ポリペプチドに関する。
【0020】
さらなる態様においては、本発明に従った3量体ポリペプチドを含む医薬組成物が提供されている。
【0021】
さらなる態様においては、本発明は、腫瘍壊死因子といったような3量体サイトカインにより媒介される病理を有する被験者に対し本発明に従った3量体ポリペプチドを有効量投与することによって、該被験者を治療する方法に関する。
【0022】
最後に、本発明に従った3量体ポリペプチドの調製方法ならびに、試料中の3量体ポリペプチドサイトカインの検出用検定方法が提供されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
一態様においては、本発明は、好ましくは結合時点で3量体サイトカインの全てのレセプタ結合部位が実質的に遮断されかつ/又は中和され、ひいては3量体サイトカインの潜在的な生物活性が抑制されるか又は中和されるような形で、3量体サイトカインに結合する能力を有する3量体結合剤を提供している。従って、3つの単量体を含む3量体ポリペプチドにおいて、各単量体が3量体サイトカインを結合する能力を有する特異的結合成員を含みかつ各単量体が3量体化ドメインを含む、3量体ポリペプチドが提供されている。
【0024】
この状況下で、「3量体サイトカイン」という語は、1つの細胞によって産生され分泌され、例えばその細胞の成長、分割及び/又は機能に影響を及ぼすことによって、そのサイトカインのためのレセプタを有する1つの細胞内で特異的応答を惹起する、小さいタンパク質及びそのフラグメントを意味する。「3量体の」という語は、本書では、3つのサブユニット、好ましくは3つの同一サブユニットを含有するマルチ−サブユニット複合体(単独3量体)として本発明に従ったサイトカインが発生することを記すために用いられている。
【0025】
このような3量体サイトカインの標準的な例としては、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)及び腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリー(TNFFLSF)内のサイトカインがある。現在、上述の通り、TNFリガンドスーパーファリミリーは、レセプタ結合を担う「TNF相同性ドメイン」(THD)として知られている保存された3量体C末端ドメインを全て共有している少なくとも17の認識されたリガンドを有する。この3量体ドメインの配列同一性は、TNFファミリー成員間で約20〜30%である。THDは、ボッドマー(Bodmer)ら、2002、TRENDS in Biochemical Sciences、27(1)、p19〜26内で図2に例示されている芳香族及び疎水性残基の保存された枠組を含有する150のアミノ酸長配列である。従って、ここで、「腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーの成員」は、TNF相同性ドメイン、THDを含む3量体タンパク質を意味するように意図されている。現在既知のTNFリガンドスーパーファリミリー内の3量体サイトカインが下表1に、同義語及びその対応するジェンバンク(Genbank)ID(GenBank、国立バイオテクノロジー情報センタ;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank)と合わせて列挙されている。本書で使用されている通りのTNFリガンドスーパーファリミリー用の命名法は、http://www.gene.ucl.ac.uk/nomenclature/genefamily/tnftop.htmlで見出すことのできる公式TNFスーパーファミリー(TNFSF)命名法に準じている。
【0026】
【表1】

【0027】
従って、本発明の1つの有用な実施形態においては、本発明に従った3量体ポリペプチドは、LTA;TNF;LTB;TNFSF4;TNFSF5;TNFSF6;TNFSF7;TNFSF8;TNFSF9;TNFSF10;TNFSF11;TNFSF12;TNFSF13;TNFSF13B;TNFSF14;TNFRSF Fn14;TNFSF15及びTNFSF18の中から選択された腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーの一員である3量体サイトカインを結合する能力を有する。
【0028】
本書で用いられる「特異的結合成員」という語は、互いに結合特異性をもつ分子対の一員を意味している。特異的結合対の成員は、天然に誘導されていても、又全体的又は部分的に合成的に産生されていてもよい。分子対の一成員は、その対のもう一方の成員の特定の空間的及び極性組織に特異的に結合し従ってそれに対し相補的であるその表面上の一部域又はキャビティを有する。かくして、その対の成員は、互いに特異的に結合する特性を有する。特異的結合対のタイプの例としては、抗原−抗体、ビオチン−アビジン、ホルモン−ホルモンレセプタ、リガンド−リガンドレセプタ、酵素−基質がある。特異的結合対のその他の例としては、炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列(標的核酸配列を検出するべくDNAハイブリダイゼーション検定内で使用されるプローブ及び捕捉核酸配列を含む)、組換え型方法によって形成されるものを含む相補的ペプチド配列、エフェクタ及びレセプタ分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害物質及び酵素、などが含まれる。さらに、特異的結合対は、もとの特異的結合成員の類似体又はフラグメントである成員を含むことができる。
【0029】
有用な実施形態においては、3量体サイトカインを結合する能力を有する特異的結合成員は、好ましくは表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下の3量体サイトカインに対する結合親和力(Kd)を有する本発明に従った3量体ポリペプチドを提供する。その他の有用な実施形態においては、Kd値は1×10−9M、1×10−10M、1×10−11M、1×10−12M、1×10−13M、1×10−14M未満、さらには1×10−15M未満でさえある。さらなる有用な実施形態においては、本発明に従った3量体ポリペプチドについてのK−off速度は、表面プラズモン共鳴で決定されて、1×10−3−1未満例えば、1×10−5−1を含め1×10−4−1未満、さらには1×10−6−1未満である。本書に使用される「K−off」という語は、特異的結合成員/3量体サイトカイン複合体からの特異的結合成員の解離のためのoff速度定数を意味するように意図されている。本書で使用される「表面プラズモン共鳴」という語は、例えばBIAコアシステム(ファーマシア、バイオセンサー(Pharmacia Biosensor)AB、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデン)を用いたバイオセンサーマトリクス内のタンパク質濃度の改変の検出によって実時間生物特異的相互作用の分析を可能にする光学的現象を意味している。さらなる記述については、実施例10を参照のこと。
【0030】
以上で記した通り、本発明に従った3量体サイトカイン結合剤が、3量体サイトカインの生物活性を少なくとも部分的に又は完全に遮断、阻害又は中和することが好まれる。本書で使用されている通り、「中和する」又は「中和」という表現は、インビボ又はインビトロで測定される通りの3量体サイトカインの生物活性の阻害又は低減を意味している。
【0031】
有用な実施形態においては、特異的結合成員は、腫瘍壊死因子レセプタスーパーファミリーの1成員から誘導されたポリペプチドである。現在のところ、腫瘍壊死因子スーパーファミリー内で少なくとも29のレセプタが知られており、下表2に、同義語及びその対応するジェンバンク(Genbank)ID(GenBank、国立バイオテクノロジー情報センタ(National Center for Biotechnology Information);http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank)と合わせて列挙されている。本書で使用されている通りのTNFレセプタスーパーファミリーの成員用の命名法は、http://www.gene.ucl.ac.uk/nomenclature/genefamily/tnftop.htmlで見い出すことのできる公式TNFスーパーファミリー(TNFSF)命名法に準じている。
【0032】
【表2】

【0033】
かくして、有用な実施形態においては、腫瘍壊死因子スーパーファミリー内のレセプタから誘導された特異的結合成員は、レセプタTNFRSF1A、TNFRSF1B、LTBR、TNFRSF4、TNFRSF5、TNFRSF6、TNFRSF6B、TNFRSF7、TNFRSF8、TNFRSF9、TNFRSF10A、TNFRSF10B、TNFRSF10C、TNFRSF10D、TNFRSF11A、TNFRSF11B、TNFRSF12、TNFRSF12L、TNFRSF13B、TNFRSF13C、TNFRSF14、NGFR、TNFRSF17、TNFRSF18、TNFRSF19、TNFRSF19L、TNFRSF21、TNFRSF22、及びTNFRSF23の中から選択される。しかしながら、このタンパク質ファミリー内でさらなる有用なレセプタ、ひいてはさらなる官能的特異的結合成員を同定することができるということも考慮されている。
【0034】
有用な実施形態においては、TNFレセプタTNFRSF1A(TNFrI、p55レセプタ)及び/又はTNFRSF1B(TNFrII、p75TNFレセプタ)から、特異的結合成員が誘導される。特に、TNFRSF1Bレセプタ及びそのサブユニットは、TNFを特異的に結合し中和するために有効であることが証明された。一例としては、TNF結合タンパク質エタナセプト(Eternacept)は、TNFRSF1Bレセプタの細胞外ドメインから成る融合タンパク質、すなわちTNFRSF1Bレセプタのサブユニットである。従って、特定の実施形態においては、本発明に従った3量体ポリペプチドは、米国特許第5,712,155号明細書で開示されているTNFRSF1BレセプタフラグメントといったようなTNFRSF1Bレセプタ(TNFrII)のサブユニット又はフラグメントである特異的結合成員を含んでいる。かくして、有用な実施形態においては、特異的結合成員は、TNFRSF1B 1−235(配列番号76)、TNFRSF1B 1−185(配列番号77)、TNFRSF1B 1−163(配列番号78)及びTNFRSF1B 1−142(配列番号79)の中から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0035】
さらなる有用な実施形態においては、以下の実施例に開示されているように、特異的結合成員は、TNFRSF1B D1D2(配列番号13)、TNFRSF1B D1D2、1/6(配列番号15)、TNFRSF1B D1D2 1/4(配列番号17)、TNFrII D1D2、1/3(配列番号19)、TNFRSF1B D1D2、1/2(配列番号21)、TNFRSF1B D1D4(配列番号23)、TNFRSF1B D2(配列番号25)、TNFRSF1B D2、1/6(配列番号26)、TNFRSF1B D2、1/4(配列番号27)、TNFRSF1B D2、1/3(配列番号28)、TNFRSF1B D2、1/2(配列番号29)及びTNFRSF1B D2D4(配列番号30)の中から選択されたDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含むポリペプチドといったような、TNFRSF1Bレセプタ(TNFrII)の1つ以上のフラグメント及びかかるフラグメントの組合せであり得る。
【0036】
本発明に従うと、3量体サイトカインを結合させる能力を有する特異的結合成員は同様に、抗体又は抗体フラグメントであってよい。ここでは、「抗体」という語は、天然のものであろうと又は部分的に又は完全に合成的に産生されたものであろうと免疫グロブリンを記述するために使用される。抗体は数多くの方法で修飾され得ることから、「抗体」という語は、必要とされる3量体サイトカインの特異性を伴う結合ドメインを有するあらゆる特異的結合成員又は物質を網羅するものとみなされるべきである。かくしてこの語は、天然であるか完全に又は部分的に合成であるかに関わらず、免疫グロブリン結合ドメインを含むあらゆるポリペプチドを含めた、抗体のフラグメント、誘導体、官能性等価物及び相同体を網羅している。従って、もう1つのポリペプチドに融合された免疫グロブリン結合ドメインを含むキメラ分子又はその等価物も含まれる。この用語は同様に、例えば抗体擬態などの抗体結合ドメインであるか又はそれに相同である結合ドメインを有するあらゆるポリペプチド又はタンパク質も網羅している。これらは、天然供給源から誘導され得、そうでなければ、部分的に又は完全に合成的に産生され得る。抗体の例としては、免疫グロブリンイソタイプ及びそのイソタイプサブクラス;Fab、scFv、Fv、dAb、Fdといったような抗原結合ドメインを含むフラグメント;及びダイアボディがある。
【0037】
米国特許第6,451,983B2号明細書は、特にTNFの生物活性を中和する能力を有するヒト腫瘍壊死因子に対する抗体について記述している。特に、米国特許第6,451,983B2号明細書は、或る特定の局所解剖学的領域内で成熟ヒトTNF(配列番号80)に結合する能力を有する抗体及びそのフラグメントを提供している。従って本発明の有用な実施形態においては、特異的結合成員は、前記抗体又は抗体フラグメントが、アミノ酸残基1−18、1−20、1−26、1−30、12−22、22−31、22−40、36−45、49−97、49−98、56−79、58−65、69−97、70−87、76−90、96−105、105−128、108−128、110−127、115−125、117−128、132−157、135−155、136−153、138−149、141−153及び146−157から成る領域の中から選択された少なくとも1つの領域内で成熟ヒトTNF(配列番号80)に結合する能力を持つ抗体又はそのフラグメントである。
【0038】
米国特許第6,451,983B2号明細書はさらに、本発明書において有用であり得る特異的モノクローナル抗体を提供する。従って、ヒトTNFを結合させる能力を有する特異的結合成員は、MAb 1(ECACC 89080301)、MAb 21(ECACC 90012432)、MAb 25(ECACC 89121401)、MAb 32(ECACC 89080302)、MAb 37(ECACC 89080303)、MAb 42(ECACC 89080304)、MAb 47(ECACC 89121402)、MAb 53(ECACC 90012433)及びMAb 54(ECACC 89083103)の中から選択された抗体またはそのフラグメントであり得、ここでECACCは、欧州動物細胞培養収集機関(European Collection of Animal Cell Cultures)を意味する。
【0039】
有用な抗体のさらなる例としては、米国特許第6,090,382号明細書に開示されているようなヒト化抗体D2E7及び国際公開第00194585号パンフレット内に開示されているようなヒト化抗体フラグメントCDP 870が含まれる。
【0040】
特定の実施形態においては、本発明の特異的結合成員は、例えば国際公開第0248189号パンフレットの中で開示されているようなC型レクチン様ドメイン(CTLD)の足場構造を有するタンパク質といったような抗体類似体又は人口抗体を含むことができる。以下の実施例から明らかになるように、TNFを結合させる能力を有する有用なヒトテトラネクチンベースのCTLD抗体類似体は、TN3−2−B(配列番号103)、TN3−2−C(配列番号104)及びTN3−2−D(配列番号105)の中から選択され得る。
【0041】
本発明の重要な態様は、3量体ポリペプチドの単量体が、特異的結合成員に加えてさらに3量体ドメインを含んでいるという点にある。ここにおいて、「3量体ドメイン」という語は、その他の類似の又は同一の3量体ドメインと相互作用する能力を有するペプチド、タンパク質又はその一部分である。この相互作用は、3量体タンパク質又はポリペプチドを産生するタイプのものである。かかる相互作用は、3量体ドメインの構成要素の間の共有結合によって、ならびに、水素結合力、疎水性力、ファンデルワールス力及び塩橋によってひき起こされ得る。
【0042】
3量体ドメインの一例は、コレクチン頸部領域を含むポリペプチドを記述する国際公開第95/31540号パンフレットの中で開示されている。コレクチン頸部領域を構成するアミノ酸配列は、選択されたあらゆるポリペプチドに付着され得る。次に、コレクチン頸部領域アミノ酸配列を含む3つのポリペプチドを用いて、適切な条件下で3量体を作ることができる。
【0043】
現在好ましい実施形態においては、3量体ドメインはテトラネクチンから誘導され、より詳細には国際公開第98/56906号パンフレットの中で記述されているテトラネクチン3量体化構造要素(以下TTSEと呼ぶ)を含む。TTSEのアミノ酸配列は、配列番号81の中に示されている。TTSEの3量体化効果は、比較的高温においてさえ例外的に安定している3重アルファヘリカルコイルドコイル3量体を形成するべくその他の2つのTTSEのコイルドコイル構造と相互作用するコイルドコイル構造によりひき起こされる。TTSEという語は同様に、アルファヘリカルコイルドコイル3量体を形成するTTSEの能力に実質的な程度まで不利な影響を及ぼすことなくアミノ酸配列内で修飾された変異体である、タンパク質のテトラネクチンファミリーの自然に発生する成員のTTSEの変異体を包括するようにも意図されている。かくして、本発明に従った3量体ポリペプチドは、少なくとも92%といった少なくとも87%を含めた、少なくとも75%といった少なくとも68%のアミノ酸配列同一性を配列番号81の配列を有する1つの配列を含むTTSEを3量体ドメインとして含み得る。これによると、TTSE(配列番号81)のシステイン残基番号50は、有利にも、セリン、トレオニン、メチオニンに対して、又はその他のあらゆるアミノ酸残基に対して突然変異誘発させられて、望ましくない多量体化を導く可能性のある望ましくない鎖間ジスルフィド架橋の形成を回避することができる。
【0044】
さらなる実施形態においては、TTSE3量体ドメイン(配列番号81)は、(i)血液凝固因子Xのための分割部位及び/又はポリヒスチジン配列の取込み、(ii)Cys50とSerの置換及び(iii)C末端KGS配列の内含により修飾され得る。
【0045】
上述のTTSE3量体ドメインを適用した本発明に従った異なる3量体ポリペプチドのいくつかの例が以下の実施例中で提供されている。これらには、特に、CTLDベースのTNF結合単位TN−2−B(配列番号106)、TN−2−C(配列番号108)及びTN−2−D(配列番号107)及び3量体化されたヒトTNFRIIフラグメントAD1D4−GSS−I10(配列109)が含まれる。
【0046】
本発明に従うと、特異的結合成員は、3量体ドメインのN又はC末端アミノ酸残基のいずれかにリンクされ得る。しかしながら、或る種の実施形態においては、単量体の3量体ドメインのN末端及びC末端の両方に対し特異的結合成員をリンクさせ、かくして3量体サイトカインを結合する能力を有する6つの特異的結合成員を含む3量体ポリペプチドを提供することが有利であり得るということも考慮されている。
【0047】
任意には特異的結合成員と3量体ドメインの間に可とう性ある分子リンカーを介在させ、これらを共有結合により接合させることができるということがわかるであろう。一部の実施形態においては、リンカーは、約1〜20個のアミノ酸残基のポリペプチド配列である。該リンカーは、10個未満のアミノ酸、最も好ましくは5、4、3、2又は1個のアミノ酸であり得る。或る種のケースでは、9、8、7又は6個のアミノ酸が適当であり得る。有用な実施形態においては、リンカーは基本的に非免疫原性であり、タンパク質分解による分割を受ける傾向をもたず、その他の残基(例えばシステイン残基)と相互作用するものとして知られているアミノ酸残基を含まない。
【0048】
本発明の3量体ポリペプチドは、該3量体ポリペプチドが発現されるような条件の下で、この3量体ポリペプチドをコードするベクターで形質転換された宿主を培養することにより、あらゆる適切な標準的タンパク質発現系の中で発現され得る。好ましくは、発現系は、所望のタンパク質をインビトロでそこから容易に単離させ再度折畳むことのできる系である。一般的に言って、高いタンパク質収量を得ることができ又効率の良い精製及び再折畳み戦略が利用可能であることから、原核生物発現系が好まれる。かくして、適切な又は好みの発現系を選択することは、過度の実験無く当業者の能力及び裁量の範囲内に充分入るものである。同様にして、本発明の3量体ポリペプチドのための一次アミノ酸配列がひとたび選択された時点で、当業者であれば、選択された宿主内のコドンバイアス、宿主体内での分泌シグナル配列に対するニーズ、シグナル配列内のプロティナーゼ分割部位の導入といったような因子を考慮に入れて、所望のタンパク質をコードすることになる適切な組換え型DNA構成体を容易に設計することができる。これらの組換え型DNA構成体は、選択された宿主に適した一定数の発現ベクターのいずれかの中に同じ枠内で挿入され得る。適切な又は好みの発現ベクターの選択も又、当業者の能力及び裁量の範囲内に充分入る事柄である。好ましくは、発現ベクターは、組換え型構成体の発現を駆動するため強いプロモータを内含することになる。最後に、3量体ポリペプチドは、当該技術分野において周知の適切な標準的手順を用いて単離され得、任意には例えば凍結乾燥といったようなさらなるプロセッシングを受けることができる。
【0049】
本発明に従った3量体ポリペプチドは当該技術分野において周知のあらゆる適切な方法により医薬組成物の調製のために使用可能である。組成物は、3量体ポリペプチドと合わせて、1つ以上の受容可能な担体、そして任意にはその他の治療用成分を含むことができる。担体は、その他の成分と相溶性がありそのレシピエントにとって有害でないという意味で、受容可能でなくてはならない。一般に、医薬組成物の調製方法には、活性成分と担体の会合工程が含まれる。
【0050】
本発明の治療的利用分野には、それを必要としている動物に対して本発明に従った3量体ポリペプチドを治療上有効な量だけ投与することにより、動物の体内の疾病又は疾患の治療が含まれる。上述のように、3量体サイトカイン、特にTNFリガンドスーパーファリミリーの3量体サイトカインは、特に免疫及び炎症性応答を制御し調整することにより細胞間シグナル伝達分子として作用する多面発現ポリペプチドであることがわかっている。従って、本発明の3量体ポリペプチドは、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫疾患、感染症、悪性腫瘍、及び神経変性病を含めた、3量体サイトカインにより媒介される広範囲の疾患及び疾病の治療に適用可能でありうる。1つの有用な実施形態においては、疾病は、関節リウマチ、乾癬及びクローン病といったような腫瘍壊死因子により媒介される病理である。
【0051】
本発明の3量体ポリペプチドは、非経口投与を含めたあらゆる適切な技術により動物に直接投与することができ、局所的又は全身的に投与可能である。特定の投与経路は、例えばその動物の病歴によって左右される。非経口投与の例には、皮下、筋内、静脈内、動脈内及び腹腔内投与が含まれる。
【0052】
本書で、3量体融合タンパク質で治療できる可能性のある動物としては、ヒトといったような哺乳動物が含まれる。
【0053】
最後に、本発明は、(i)本発明に従った3量体ポリペプチドと標本を接触させる工程及び(ii)3量体サイトカインに対する3量体ポリペプチドの結合を検出する工程を含む、試料中の3量体ポリペプチドサイトカインを検出するための検定方法を提供している。
【0054】
本発明はここで、以下の制限的意味のない例及び図中の例示を用いて記述されることになる。
【実施例】
【0055】
実施例1
トリップE.coli発現プラスミド及び3量体サイトカイン結合剤の産生のためのファージミドの設計と構築
ファージミド
ファージミドpsktripBは、標準的な手順を用いてアマーシャム・ファルマシア・バイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)により供給されたSfiI及びNotIプレカットベクター、pCANTAB5E(コード番号:27−9401−01)へと、オリゴヌクレオチドプライマC−sfikpn−TRI(配列番号1)及びN−sfikpn−TRI(配列番号2)を用いて発現プラスミドpTtripbから増幅されたSfiI及びNotI制限DNAフラグメントsktripBを連結させることによって構築された。SktripBインサートのヌクレオチド配列は、配列番号3として示されている。
【0056】
ファージミドpskl10tripBは、標準的な手順を用いて、アマーシャム・ファルマシア・バイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)により供給されたSfiI及びNotIプレカットベクター、pCANTAB5E(コード番号:27−9401−01)へと、オリゴヌクレオチドプライマC−sfikpn−TRI(配列番号1)及びN−sfikpn−l10TRI(配列番号4)を用いて発現プラスミドpTtripbから増幅されたSfiI及びNotI制限DNAフラグメントskl10tripBを連結させることによって構築された。skl10tripBインサートのヌクレオチド配列は、配列番号5として示されている。
【0057】
発現プラスミド
発現プラスミドpT7H6−bktripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びHindI制限プラスミドpT7H6へと、オリゴヌクレオチドプライマC−bamkpn−TRI(配列番号6)及びN−bamkpn−TRI(配列番号7)を用いて発現プラスミドpTtripbから増幅されたBamHI及びHindI制限DNAフラグメントbktripBを連結させることによって構築された。bktripBのヌクレオチド配列は、配列番号8として示されている。
【0058】
発現プラスミドpT7H6−bkl10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びHindI制限プラスミドpT7H6へと、オリゴヌクレオチドプライマC−bamkpn−TRI(配列番号6)及びN−bamkpn−l10TRI(配列番号9)を用いて発現プラスミドpTtripbから増幅されたBamHI及びHindI制限DNAフラグメントbkl10tripBを連結させることによって構築された。bkltripBのヌクレオチド配列は、配列番号10として示されている。
【0059】
実施例2
TNFRIIフラグメントを用いた3量体TNF結合剤の設計と構築
テトラネクチンから誘導された3量体化ドメインTripBに基づく3量体TNF結合剤の構築のためには、TNFレセプタTNFRSF1B(TNFRII)のフラグメント及びサブユニットが使用された。設計及びクローニングは以下で概略的と説明されている。
【0060】
ファージミドベクターへのTNFRSF1Bフラグメントのクローニング
ファージミドベクターpD1D2tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D2を連結させることによって構築される。D1D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号13として示されている。
【0061】
ファージミドベクターpD1D2,1/6tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/6を連結させることによって構築される。D1D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号15として示されている。
【0062】
ファージミドベクターpD1D,1/4tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/4を連結させることによって構築される。D1D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号17として示されている。
【0063】
ファージミドベクターpD1D2,1/3tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/3を連結させることによって構築される。D1D2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号19として示されている。
【0064】
ファージミドベクターpD1D,1/2tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/2を連結させることによって構築される。D1D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号21として示されている。
【0065】
ファージミドベクターpD1D4tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D4を連結させることによって構築される。D1D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号23として示されている。
【0066】
ファージミドベクターpD1D2l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D2を連結させることによって構築される。D1D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号13として示されている。
【0067】
ファージミドベクターpD1D2,1/6l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/6を連結させることによって構築される。D1D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号15として示されている。
【0068】
ファージミドベクターpD1D2,1/4l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/4を連結させることによって構築される。D1D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号17として示されている。
【0069】
ファージミドベクターpD1D2,1/3l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/3を連結させることによって構築される。D1D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号19として示されている。
【0070】
ファージミドベクターpD1D2,1/2l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D1/2を連結させることによって構築される。D1D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号21として示されている。
【0071】
ファージミドベクターpD1D4l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD1−rev(配列番号11)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1D4を連結させることによって構築される。D1D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号23として示されている。
【0072】
ファージミドベクターpD2tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD2を連結させることによって構築される。D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号25として示されている。
【0073】
ファージミドベクターpD2,1/6tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/6を連結させることによって構築される。D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号26として示されている。
【0074】
ファージミドベクターpD2,1/4tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/4を連結させることによって構築される。D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号27として示されている。
【0075】
ファージミドベクターpD2,1/3tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/3を連結させることによって構築される。D2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号28として示されている。
【0076】
ファージミドベクターpD21/2tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/2を連結させることによって構築される。D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号29として示されている。
【0077】
ファージミドベクターpD2D4tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpsktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD2D4を連結させることによって構築される。D2D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号30として示されている。
【0078】
ファージミドベクターpD2l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD2を連結させることによって構築される。D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号25として示されている。
【0079】
ファージミドベクターpD2,1/6l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/6を連結させることによって構築される。D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号26として示されている。
【0080】
ファージミドベクターpD2,1/4l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/4を連結させることによって構築される。D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号27として示されている。
【0081】
ファージミドベクターpD2,1/3l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/3を連結させることによって構築される。D2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号28として示されている。
【0082】
ファージミドベクターpD2,1/2l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD1/2を連結させることによって構築される。D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号29として示されている。
【0083】
ファージミドベクターpD2D4l10tripBは、標準的な手順を用いてSfiI及びKpnIカットベクターpskl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマD2−rev(配列番号24)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントD2D4を連結させることによって構築される。D2D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号30として示されている。
【0084】
発現ベクターへのTNFRSF1B(TNFRII)レセプタフラグメントのクローニング
発現ベクターpT7H6FXD1D2tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D2を連結させることによって構築される。FXD1D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号32として示されている。
【0085】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/6tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/6を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号33として示されている。
【0086】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/4tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/4を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号34として示されている。
【0087】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/3tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/3を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号35として示されている。
【0088】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/2tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/2を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号36として示されている。
【0089】
発現ベクターpT7H6FXD1D4tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D4を連結させることによって構築される。FXD1D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号37として示されている。
【0090】
発現ベクターpT7H6FXD2tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D2を連結させることによって構築される。FXD2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号39として示されている。
【0091】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/6tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1/6を連結させることによって構築される。FXD2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号40として示されている。
【0092】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/4tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/4を連結させることによって構築される。FXD2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号41として示されている。
【0093】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/3tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/3を連結させることによって構築される。FXD2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号42として示されている。
【0094】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/2tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1/2を連結させることによって構築される。FXD2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号43として示されている。
【0095】
発現ベクターpT7H6FXD2D4tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD2D4を連結させることによって構築される。FXD2D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号44として示されている。
【0096】
発現ベクターpT7H6FXD1D2l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D2を連結させることによって構築される。FXD1D2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号32として示されている。
【0097】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/6l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/6を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号33として示されている。
【0098】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/4l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/4を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号34として示されている。
【0099】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/3l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/3を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号35として示されている。
【0100】
発現ベクターpT7H6FXD1D2,1/2l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/2を連結させることによって構築される。FXD1D2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号36として示されている。
【0101】
発現ベクターpT7H6FXD1D4l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD1−rev(配列番号31)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D4を連結させることによって構築される。FXD1D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号37として示されている。
【0102】
発現ベクターpT7H6FXD2l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD2kpn−fo(配列番号12)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD2を連結させることによって構築される。FXD2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号39として示されている。
【0103】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/6l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/6kpn−fo(配列番号14)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1/6を連結させることによって構築される。FXD2,1/6の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号40として示されている。
【0104】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/4l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/4kpn−fo(配列番号16)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1D1/4を連結させることによって構築される。FXD2,1/4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号41として示されている。
【0105】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/3l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/3kpn−fo(配列番号18)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1/3を連結させることによって構築される。FXD2,1/3の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号42として示されている。
【0106】
発現ベクターpT7H6FXD2,1/2l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD1/2kpn−fo(配列番号20)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD1/2を連結させることによって構築される。FXD2,1/2の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号43として示されている。
【0107】
発現ベクターpT7H6FXD1D4l10tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7H6−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamD2−rev(配列番号38)及びD4kpn−fo(配列番号22)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたSfiI及びKpnI制限DNAフラグメントFXD2D4を連結させることによって構築される。FXD2D4の結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号44として示されている。
【0108】
発現ベクターpT7AD1D4−I162−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号82)及びpKpnI−I162(配列番号83)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D4−I162を連結させることによって構築される。AD1D4−I162−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号84として示されている。
【0109】
発現ベクターpT7AD1D4−GSS−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号82)及びpKpnI−GSS(配列番号85)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D4−GSSを連結させることによって構築される。AD1D4−GSS−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号86として示されている。
【0110】
発現ベクターpT7AD1D4−D235−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、pT7−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号82)及びpKpnI−D235(配列番号87)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D4−D235を連結させることによって構築される。AD1D4−D235−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号88として示されている。
【0111】
発現ベクターpT7AD1D4−I162−I10−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号82)及びpKpnI−I162(配列番号83)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D4−I162を連結させることによって構築される。AD1D4−I162−I10−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号89として示されている。
【0112】
発現ベクターpT7AD1D4−GSS−I10−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7−bkl10tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号83)及びpKpnI−GSS(配列番号85)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D2−GSSを連結させることによって構築される。AD1D4−GSS−I10−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号90として示されている。
【0113】
発現ベクターpT7AD1D4−D235−I10−tripBは、標準的な手順を用いて、BamHI及びKpnIカットベクター、PT7−bkI10−tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpBamHI−A5(配列番号83)及びpKpnI−D235(配列番号87)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントAD1D4−D235を連結させることによって構築される。AD1D4−D235−I10−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号91として示されている。
【0114】
発現ベクターpT7AD1D4−GSS−V17−tripBは、標準的な手順を用いて、KpnI及びHindIIIカットベクター、pT7AD1D4−GSS−tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpKpnI−V17(配列番号92)及びpBAD6H(配列番号93)を用いて)cDNAから増幅されたKpnI及びHindIII制限DNAフラグメントV17−TripBを連結させることによって構築される。AD1D4−GSS−V17−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号94として示されている。
【0115】
発現ベクターpT7AD1D4−D235−V17−tripBは、標準的な手順を用いて、KpnI及びHindIIIカットベクター、pT7AD1D4−D235−tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマpKpnI−V17(配列番号92)及びpBAD6H(配列番号93)を用いて)cDNAから増幅されたKpnI及びHindIII制限DNAフラグメントV17−TripBを連結させることによって構築される。AD1D4−D235−V17−tripBの結果として得られたヌクレオチド配列の概要は、配列番号95として示されている。
【0116】
実施例3
3量体化TNFRIIフラグメントAD1D4−GSS−I10−TripBの産生、再折畳み及び精製
(TNFRII誘導体AD1D4−GSS−I10−TripBを発現する)T7 RNAポリメラーゼ依存性発現プラスミドpT7D1D4GSSl10の構築については、上記実施例2の中で記述されている。
【0117】
3量体化されたヒトTNFRIIフラグメントAD1D4−GSS−l10(配列番号109)は、スチュディア(Studier)及びモファット(Moffat)、J.Mol.Biol.、189;113−130、1986によって記述されているように中規模(6×1リットル)のE.coli BL21細胞中でプラスミドpT7AD1D4−GSS−l10を成長させ発現させることにより産生された。簡単に言うと、37℃で指数増殖する培養を、約5という多重度でバクテリオファージλ−CE6を用いて0.8というOD600で感染させた。培養をさらに3時間37℃で成長させてから、遠心分離により細胞を収獲した。細胞を浸透圧衝撃及び音波処理により分解させ、合計細胞タンパク質を(トリズマ(Trisma)塩基でpH8に調整した)フェノール中に抽出させた。2.5体積のエタノールの添加と遠心分離によりフェノール相からタンパク質を沈降させた。6Mの塩化グアニジニウム、50mMのトリス−HCl、pH8及び50mMのジチオエリスリオールを含む緩衝液中に、タンパク質ペレットを溶解させた。8Mの尿素、0.5MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8、及び5mMの2−メルカプトエタノール中へのセファデックス(Sephadex)G−25(アマーシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences)上でのゲル浸透の後、融合タンパク質の精製のため(ホチュリ(Hochuli)ら、1988)そしてカラム上に固定化される一方で国際公開第94/18227号パンフレットで以前に記述された通りの循環折畳み手順を受けるためNi2+活性化NTA−アガロース(キアゲン(Qiagen)ドイツ)カラムに対し、粗製タンパク質調製物を適用した。
【0118】
液体クロマトグラフィのために調製された全ての緩衝液を、還元剤添加及び/又は使用に先立ち、真空下で脱ガスした。
【0119】
Ni2+NTA−アガロースカラム上に粗製タンパク質抽出物を適用した時点で、カラム溶出液の280nmでの光学密度(OD)が安定するまで1カラム体積のローディングバッファとそれに続く6Mの塩化グアニジニウム、50mMのトリス−HCl及び5mMの2−メルカプトエタノールで洗浄することによって、大腸菌及びλファージタンパク質の大部分から融合タンパク質、AD1D4−GSS−l10を精製した。
【0120】
表1に記されているような勾配管理プロフィールそして、緩衝液Aとして0.5MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8及び2mM/0.2mMの還元/酸化済みグルタチオン及び緩衝液Bとして8Mの尿素、0.5MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8及び3mMの還元済みグルタチオンを用いて、融合タンパク質を、Ni2+NTAアガロースカラム上で再折畳みさせた。
【0121】
循環折畳み手順の完了後、8Mの尿素、0.5MのNaCl、50mMのトリス−HCl及び10mMのEDTA、pH8を含有する緩衝液でNi2+NTA−アガロースカラムからAD1D4−GSS−l10融合タンパク質を溶出させた。
【0122】
S−及びQ−セファロース(アマーシャム・バイオサイエンス(AmershamBiosciences)上のイオン交換クロマトグラフィにより2量体又はより高次の多量体から、単量体AD1D4−GSS−l10融合タンパク質を精製した。溶出緩衝液により溶出された融合タンパク質(融合タンパク質材料の約80%)を、セファデックス(Sephadex)G−25上の8Mの尿素、10mMのトリス−HCl pH8.0及び25mMのNaClを含む緩衝液の中にゲルろ過させ、S−セファロースイオン交換カラム上に適用した。「ランスルー」画分中の結合していないタンパク質を、Q−セファロースカラム上に直接投入した。10カラム体積全体にわたり、8Mの尿素、25mMのNaCl,10mMのトリス−HCl、pH8から8Mの尿素、300mMのNaCl、10mMのトリス−HCl、pH8までの線形勾配で、Q−セファロースカラムから単量体AD1D4−GSS−l10融合タンパク質を溶出させた。単量体AD1D4−GSS−l10融合タンパク質は、勾配の極く初期に溶出し、一方2量体及びより高次の多量体はさらに遅く溶出した。単量体融合タンパク質を含有する画分を復元させ、10mMのHEPES、pH7.4及び125mMのNaClを含有する緩衝液中にゲルろ過させた。
【0123】
























【表3】

【表4】


【表5】

【0124】
実施例4
3量体化されたTNFRIIフラグメントAD1D4−GSS−l10の生物活性
実施例3中に記述されている通りに産生された3量体化されたTNFRIIフラグメントAD1D4−GSS−110の生物活性を、TNFアルファ媒介細胞毒性の阻害を決定するためL929細胞検定において測定した。
【0125】
TNFアルファ媒介細胞毒性を測定するために、マウス線維芽細胞系統L929(ECACC No:85011425)を使用した。10%のFBS及び抗生物質(100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン)で補足したRPMI1640液体培地(バイオウィッタカー(Biowhittaker)、英国)中に維持した。細胞を96ウェルの平底マイクロタイタープレート(NUNC、ロスキレ(Roskilde)、デンマーク)内に3×10細胞/ml及び75μl/ウェルの完全RPMI1640培地の割合で平板固定し、5%のCO中で37℃で一晩培養した。組換え型ヒトTNFアルファ(rhTNFa、RDシステムズ(RD Systems)、英国)(1ng/ml及び0.1ng/ml)を、2μ/mlのアクチノマイシンD(シグマ(Sigma))で補足された完全RPMI1640培地中のさまざまな濃度(10倍希釈)の3量体化されたレセプタフラグメント(AD1D4−GSS−I10)と共に、5%のCO中で37℃で1時間インキュベートした。その後、5%のCO中で37℃で一晩のインキュベーションのため、細胞培養に75μl/ウェルのTNF−アルファ/3量体化レセプタフラグメントの混合物を添加した。各濃度のTNF−アルファ/レセプタフラグメントの混合物を3通りで試験した。セルタイター96非放射性細胞増殖検定キット(プロメガ(Promega))の一部分として、MTT(3−[4,5−ジメチル−チアゾール−2−イル]−2,5−ジ−フェニル−テトラゾリウム臭化物)を用いて細胞増殖を決定した。150μl体積で培養された細胞を含む1つの96ウェル平板に充分な試薬を調製するために、150μlのPMSに対し3.0mlのMTS溶液を添加した。30μl/ウェルの組合されたMTS/PMS溶液を添加し、ELISA平板読取り装置を用いて492nmでの吸収度を記録する前に、5%のCO中37℃で1〜4時間、平板をインキュベートした。各検定には、細胞を伴うTNFアルファ、細胞単独及び緩衝液対照という対照も内含された。
【0126】
実験の結果は、図4に要約されている。TNFアルファの細胞毒性効果は、最も高い濃度のAD1D−4−GSS−l10の存在下で有意に阻害され、かくして、該化合物の生物活性を実証した。
【0127】
実施例5
D2E7抗体フラグメントを用いた3量体TNF結合剤の設計、構築及び産生
ヒト化抗体D2E7の1本鎖抗体可変領域フラグメント(scFv)が、TNFを結合する能力を有する3量体ポリペプチドの構築における結合剤として選択される。3量体結合剤は、米国特許第6,090,382号明細書中に開示された配列に基づいて、D2E7のVH及びVLドメインを増幅することによって構築可能である。
【0128】
N末端scFvとC末端3量体化ドメインの間のGly、Thrリンカーを伴う3量体D2E7scFvの設計及び構築
発現ベクターpT7H6FXD2E7tripBは、2工程で構築される。第1工程は、pT7H6FX(D2E7VH)tripBの構築である。このベクターは、BamHIKpnIでカットされたpT7H6bktripBベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマFXVH(配列番号45)及びVHBamKpn(配列番号46)を用いて)D2E7の配列を含むDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX(D7E2VH)を連結させることによって構築される。第2工程は、BamHIKpnIでカットされたpT7H6FX(D2E7VH)tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマG4SVL(配列番号47)及びVLkpn(配列番号48)を用いて)D2E7の配列を含むDNAから増幅されたBamHIKpnI制限DNAフラグメントG4SVLを連結させることによるpT7H6FXD2E7tripBの構築である。FXD2E7のヌクレオチド配列は配列番号49として示されている。
【0129】
N末端scFvとC末端3量体化ドメインの間のGly、Gly、Gly、Gly、Ser、Gly、Thrリンカーを伴う3量体D2E7scFvの設計及び構築
発現ベクターpT7H6FXD2E7G4StripBは、2工程で構築される。第1工程は、BamHIKpnIでカットされたpT7H6bktripBベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマFXVH(配列番号45)及びVHBamKpn(配列番号46)を用いて)D2E7の配列を含むDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX(D7E2VH)を連結させることによるpT7H6FX(D2E7VH)tripBの構築である。第2工程は、BamHIKpnIでカットされたpT7H6FX(D2E7VH)tripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマG4SVL(配列番号47)及びVLG4Skpn(配列番号50)を用いて)D2E7の配列を含むDNAから増幅されたBamHIKpnI制限DNAフラグメントG4SVLを連結させることによるpT7H6FXD2E7tripBの構築である。結果として得られるFXD2E7G4Sのヌクレオチド配列は配列番号51として示されている。
【0130】
N末端3量体化ドメインとC末端scFVの間のGly、Serリンカーを伴う3量体D2E7scFvの設計及び構築
発現ベクターpT76HFXTripAGSD2E7は、標準的な手順を用いてBamHI及びHindIIIでカットされたベクター、pT76HFXtripa(ローレントセン、RH(Lorentsen,RH.)ら、Biochem J.;347:83−87、2000)へと、(オリゴヌクレオチドプライマbclVH(配列番号52)及びVLhind(配列番号53)を用いて)pT7H6FXD2E7G4StripBから増幅されたBclI及びHindIII制限DNAフラグメントを連結することによって構築される。結果として得られるGSD2E7のヌクレオチド配列は、配列番号54として示されている。
【0131】
N末端3量体化ドメインとC末端scFVの間のGly、Ser、Gly、Gly、Gly、Gly、Serリンカーを伴う3量体D2E7scFvの設計及び構築
発現ベクターpT76HFXTripAG4SD2E7は、標準的な手順を用いてBamHI及びHindIIIでカットされたベクター、pT76HFXtripa(ローレントセン、RH(Lorentsen,RH.)ら、Biochem J.;347:83−87、2000)へと、(オリゴヌクレオチドプライマbclGASVH(配列番号55)及びVLhind(配列番号53)を用いて)pT7H6FXD2E7G4StripBから増幅されたBclI及びHindIII制限DNAフラグメントを連結することによって構築される。結果として得られるG4SD2E7のヌクレオチド配列は、配列番号56として示されている。
【0132】
上述の融合タンパク質H6FXD2E7tripB、H6FXD2E7G4StripB、H6FXTripAD2D7TripA及びH6FxTripAG4SD2E7を調製するためには、プラスミドpT7H6FXD2E7tripB、pT7H6FXD2E7G4StripB、pT7H6FXTripAD2D7TripA及びpT7H6FxTripAG4SD2E7をスチュディア(Studier)ら、(1990)によって記述されている通りに、E.coli BL21細胞中において小規模で(1リットル;2×TY培地、5mMのMgSO及び100 4gアンピシリン)成長させる。37℃で指数増殖している培養を、0.8のOD600で、約5の多重度でバクテリオファージラムダCE6に感染させる。培養をさらに3時間37℃で成長させ、細胞を遠心分離によって収獲する。細胞を50mlの0.5M、NaCl、50mMのトリス−HCl、pH8及び1mMのEDTApH8中で再懸濁させる。各々にフェノール(pH8に調整された50ml)を添加し、合計タンパク質を抽出するために混合物を音波処理する。遠心分離(10.000gで25分間)による清澄化の後、2.5体積のエタノールを添加し遠心分離することによりフェノール相から粗製タンパク質画分を沈殿させる。6Mの塩化グアニジニウム、50mMのトリス−HCl、pH8及び0.1Mのジチオエリスリオールを含む緩衝液(15〜25ml)中に、タンパク質ペレットを溶解させる。8Mの尿素、1MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8,及び10mMの2−メルカプトエタノール中へのセファデックス(Sephadex)G−25(ファルマシア(Pharmacia)スウェーデン)上でのゲル浸透の後、精製のため(ホチュリ(Hochuli)ら、1988)Ni活性化NTA−アガロースカラム(75mlのカラム体積)に対し、粗製タンパク質調製物を適用する。次に安定した基線が得られるまで、カラムを通して洗浄緩衝液(6Mのグアニジン−HCl、50mMのトリス−HCl、pH8及び10mMの2−メルカプトエタノール)を流す。
【0133】
その後、ほぼ純粋な融合タンパク質は、各々のカラムに対するpH勾配(50mMのリン酸二水素ナトリウム(pH5緩衝液)及び50mMのリン酸水素二ナトリウム(pH8緩衝液)を含む溶液の線形(体積による)混合により得られる8Mの尿素及び10mMの2−メルカプトエタノール中の1000ml勾配)を適用することによって溶出される。
【0134】
トーゲルセンら(Thogersen)(国際公開第94/18227号パンフレット)の方法によるインビトロでの再折畳みに備えて、20mgずつの各々の精製融合タンパク質を、約75mlの充てん層体積のカラムを生成するのに充分なNi2+活性化NTA−アガロースマトリクスの懸濁液アリコートと再折畳み用「緩衝液B」(以下で記述)中の懸濁液内で混合させる。このとき、「緩衝液A」として0.5MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8、2mMグルタチオン及び0.2mMの酸化グルタチオンを含む緩衝液を、又、「緩衝液B」として8Mの尿素、1MのNaCl、50mMのトリス−HCl、pH8及び2mMのグルタチオンを含む緩衝液を用いて10℃で融合タンパク質を含むscFvの再折畳みが実施されるという点を除いて、国際公開第94/18227号パンフレット内のプラスミノーゲンクリングル4について記述された通りの反復的再折畳み手順に各々の融合タンパク質を付す。
【0135】
再折畳み手順の完了後に、グルタチオンを洗い流すため、0.5MのNaCl及び50mMのトリス−HCl、pH8を含む300mlの緩衝液で各カラムを洗浄する。各タンパク質の再折畳みされた画分を次に、20mMのEDTA、0.5MのNaCl及び50mMのトリス−HCl、pH8中のNTA−アガロースから溶出緩衝液へと溶出させる。各々のタンパク質試料に約8Mの最終濃度を達成するための固体尿素の添加、及びNaCl濃度を5mM未満まで低下させるための希釈又は透析の後、イオン交換クロマトグラフィ(2ml/分で溶出された8Mの尿素、5mMのトリス−HCl(pH8の1M原液から)及び25mMの酢酸ナトリウム(pH5の1M原液から)を含有する緩衝液中の90センチメートルのカラムによるS−セファロース、ファルマシア(Pharmacia,1,6(i.d.))により、各々の適正に折畳まれた融合タンパク質生成物の最終的精製を達成する。水性緩衝液(例えばリン酸緩衝生理食塩水)に対する透析の後、各々の純粋かつ適正に再折畳みされた融合タンパク質を、成長した培養1リットルあたり2〜6mgの収量で回収する。
【0136】
実施例6
TNFRSF13Bレセプタフラグメントを用いた3量体APRIL結合剤の設計及び構築
APRILレセプタTNFRSF13Bは、3量体サイトカインAPRILに対する3量体結合剤の構築のために使用され、テトラネクチンから誘導された3量体化ドメインTripBに基づいている。異なるリンカーでのこのような結合剤の設計及びクローニングを以下で概略説明する。
【0137】
TNFRSF13B6のクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFRS13B6tripBは、2工程で構築される。第1工程は、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターpT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbgliiFX?TNFRSF13B(配列番号57)及び?TNFRSF13Bkpn(配列番号58)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX?TNFRSF13Bを連結させることによって、pT7H6FX?TNFSF13Bを構築することから成る。第2工程は、標準的な手順を用いて、KpnIでカットされたpT7H6FX?TNFSF13Bベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマkpn?TNFSF13B(配列番号59)及び?TNFSF13B6kpn(配列番号60)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたKpnI制限DNAフラグメント?TNFRSF13B6を連結させることによって、最終的発現ベクター、pT7H6FXTNFRSF13B6tripBを構築することから成る。FXTNFRSF13B6の結果として得られたヌクレオチド配列は、配列番号61として示されている。
【0138】
TNFRSF13B10のクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFRS13B10tripBは、2工程で構築される。第1工程は、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターpT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbgliiFX?TNFRSF13B(配列番号57)及び?TNFRSF13Bkpn(配列番号58)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX?TNFRSF13Bを連結させることによって、pT7H6FX?TNFRSF13Bを構築することから成る。第2工程は、標準的な手順を用いて、KpnIでカットされたpT7H6FX?TNFRSF13Bベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマkpn?TNFSF13B(配列番号59)及び?TNFRSF13B10kpn(配列番号62)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたKpnI制限DNAフラグメント?TNFSF13B10を連結させることによって、最終的発現ベクター、pT7H6FXTNFRSF13B10tripBを構築することから成る。FXTNFRSF13B10の結果として得られたヌクレオチド配列は、配列番号63として示されている。
【0139】
TNFRSF13B20のクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFRS13B20tripBは、2工程で構築される。第1工程は、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターpT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbgliiFX?TNFRSF13B(配列番号57)及び?TNFRSF13Bkpn(配列番号58)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX?TNFSF13Bを連結させることによって、pT7H6FX?TNFRSFR13Bを構築することから成る。第2工程は、標準的な手順を用いて、KpnIでカットされたpT7H6FX?TNFRSFR13Bベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマkpn?TNFRSF13B(配列番号59)及び?TNFRSF13B20kpn(配列番号64)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたKpnI制限DNAフラグメント?TNFSF13B20を連結させることによって、最終的発現ベクター、pT7H6FXTNFRSF13B20tripBを構築することから成る。FXTNFRSF13B20の結果として得られたヌクレオチド配列は、配列番号65として示されている。
【0140】
TNFRSF13B30のクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFRS13B30tripBは、2工程で構築される。第1工程は、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターPT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbgliiFX?TNFRSF13B(配列番号57)及び?TNFRSF13Bkpn(配列番号58)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX?TNFRSF13Bを連結させることによって、pT7H6FX?TNFRSF13Bを構築することから成る。第2工程は、標準的な手順を用いて、KpnIでカットされたpT7H6FX?TNFRSF13Bベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマkpn?TNFRSF13B(配列番号59)及び?TNFRSF13B30kpn(配列番号66)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたKpnI制限DNAフラグメント?TNFRSF13B30を連結させることによって、最終的発現ベクター、pT7H6FXTNFRSF13B30tripBを構築することから成る。FXTNFRSF13B30の結果として得られたヌクレオチド配列は、配列番号67として示されている。
【0141】
TNFRSF13B61のクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFRS13B61tripBは、2工程で構築される。第1工程は、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターPT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbgliiFX?TNFRSF13B(配列番号57)及び?TNFRSF13Bkpn(配列番号58)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたBglII及びKpnI制限DNAフラグメントFX?TNFRSF13Bを連結させることによって、pT7H6FX?TNFRSF13Bを構築することから成る。第2工程は、標準的な手順を用いて、KpnIでカットされたpT7H6FX?TNFRSF13Bベクターへと、(オリゴヌクレオチドプライマkpn?TNFRSF13B(配列番号59)及び?TNFRSF13B61kpn(配列番号68)を用いて)ヒト骨髄及びヒト白血球(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7181−1及び7182−1)の混合物から単離された、cDNAから増幅されたKpnI制限DNAフラグメント?TNFRSF13B61を連結させることによって、最終的発現ベクター、pT7H6FXTNFRSF13B61tripBを構築することから成る。FXTNFRSF13B61の結果として得られたヌクレオチド配列は、配列番号69として示されている。
【0142】
実施例7
TNFRSFFn14レセプタフラグメントを用いた3量体TWEAK結合剤の設計及び構築
TWEAKレセプタTNFRSFFn14は、3量体サイトカインTWEAKに対する3量体結合剤の構築のために使用され、テトラネクチンから誘導された3量体化ドメインTripBに基づいている。該結合剤の設計及びクローニングを以下で概略説明する。
【0143】
発現ベクターpT7H6FXFn14tripBは、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターPT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbamFn−rev(配列番号70)及びFNKpn−fo(配列番号71)を用いて)ヒトの心臓(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7121−1)から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXFn14を連結させることによって構築される。FXFn14の結果として得られるヌクレオチド配列の概要は、配列番号72として示されている。
【0144】
実施例8
TNFRSF13Cレセプタフラグメントを用いた3量体BAFF結合剤の設計及び構築
BAFFレセプタTNFRSF13Bは、3量体サイトカインBAFFに対する3量体結合剤の構築のために使用され、テトラネクチンから誘導された3量体化ドメインTripBに基づいている。該結合剤の設計及びクローニングを以下で概略説明する。
【0145】
3量体TNFRSF13Cフラグメントのクローニング
発現ベクターpT7H6FXTNFSF13CtripBは、標準的な手順を用いてBamHI及びKpnIでカットされたベクターPT7H6−bktripBへと、(オリゴヌクレオチドプライマbam13C−rev(配列番号73)及び13Ckpn−fo(配列番号74)を用いて)ヒトのリンパ節(クローンテック・ラボラトリーズ・インク(Clontech Laboratories,Inc)、カタログ番号7164−1)から単離された、cDNAから増幅されたBamHI及びKpnI制限DNAフラグメントFXTNFRSF13Cを連結させることによって構築される。FXTNFRSF13Cの結果として得られるヌクレオチド配列の概要は、配列番号75として示されている。
【0146】
実施例9
TNFのための3量体化されたCTLD結合剤の単離及び構築
国際公開第0248189号パンフレット中で以前に開示されているようなテトラネクチン(配列番号96)C型レクチン様ドメイン(CTLD)の足場構造は、3量体サイトカインTNF(TNFアルファ)のための3量体結合単位の単離及び構築のために使用された。結合単位の設計及びクローニングについて以下で概略説明されている。
【0147】
ライブラリ構築及び一次的選択
TNF CTLD結合剤を単離するために、ファージ提示法を使用した。使用したファージ提示ライブラリは、テトラネクチンの1価のCTLDフォーマット(配列番号97)であった。組合せライブラリPhtCTLD−Ib003(国際公開第0248189号パンフレット、実施例5)及び、PhtCTLD−Ib003として必須とされたもののループ1のための2つの付加的なランダム化されたオリゴヌクレオチドすなわち、テトラネクチン(配列番号98)アミノ酸残基位置116−122でランダム化されたTN−lib3−tprev及びTN−1ib2−tprev(配列番号99)及びループ4のための2つの付加的なオリゴヌクレオチドすなわち位置146−149でランダム化されたTN−lib3−tpfo(配列番号100)及び組立て反応内のTN−1ib2−tpfo(配列番号101)を含む。前記ライブラリの変異体、インプットとして約1×1012のファージをそして第1回パニングラウンド内で10μg/ml、第2ラウンドで1μg/mlのビオチニル化TNFを用いて、2回の選択ラウンドを実施した。
【0148】
選択は以下の通りに実施された。すなわち、ストレプトアビジンでコーティングされた常磁性ビーズ(ダイナル(Dynal))20μlを1mlのPBS(PBS、0.2gのKCl、0.2gのKHPO、8gのNaCl、1.44gのNaHPO、2HO、1lに至るまでの水そしてpHはNaOHで7.4に調整)の中で2回洗浄し、室温で1時間3%の脱脂粉乳中で遮断させ、3%の脱脂粉乳/PBS中の250μlの予め遮断されたファージを250μlの可溶性ビオチニル化TNFと混合し、30分間37℃でインキュベートさせた。PBS、0.1%Tween20中で1回、PBS中で2回ストレプトアビジンビーズを洗浄した後、これらを反応に加えて、抗原結合したファージを捕捉した。ビーズをPBS、0.1%Tween20及びPBSで大規模に洗浄し、室温で30分間200μlの50mMジチオトレイトールでビーズから抗原結合ファージを溶出させた。溶出したファージを、指数増殖するE.coliTG1細胞内で再度感染させた後、2%のグルロース及び0.1mg/mlのアンピシリンを含む2×TYの寒天平板上で平板固定し滴定した。
【0149】
ELISA内でTNFアルファに対する結合の分析による選択された集団からの単一のクローンのスクリーニングは、ELISA中で被膜用に用いた抗原が5μg/mlのTNFであったという点を除いて、基本的に国際公開第0248189号パンフレットの中で記述されている通りに実施された。
【0150】
TN3−2と呼ばれる特異的TNFアルファ結合剤を、第2の選択ラウンドから単離した(表4)。
【0151】
二次ライブラリの構築及び親和力による選択
TN3−2に対し新しい配列変動を導入することによってTN3−2のTNF親和力を改善できるか否かを調査した。TN3−2突然変異体のライブラリの構築のためには、鋳型としてTN3−2クローンを使用し、オリゴヌクレオチドTN−lib2−tpfo(配列番号101)及びTN−lib3−tpfo(配列番号100)(Lib.TN3−2loop4r)を用いてループ4内で新しいランダム化に付した。該ライブラリ構築は基本的に国際公開第0248189号パンフレット内で記述されている通りに行なった。
【0152】
ビオチニル化TNFの濃度を減少させながら(100ng/mlから0.1ng/mlへ)、3回の親和力駆動型選択ラウンドの中で、TN3−2loop4rライブラリを使用した。上述の通りに選択を行なった。陽性クローンについてのスクリーニングを上述の通りに行なった。
【0153】
結果
親クローンTN3−2の配列は、ループ1(テトラネクチンアミノ酸番号116−122)及びループ4(テトラネクチンアミノ酸番号146〜149)内のテトラネクチンとは異なっていた。TN3−2loop4rライブラリに対する3回の親和力による選択の後、陽性クローンをELISA分析により同定し、48のクローンのうちの45個がTNFアルファに結合することが示された。同定されたTNFアルファ結合クローンとその対応する配列番号のセレクションのうちループ1及びループ4が表4で示されている(TN3−2−B、TN3−2−C、TN3−2−D)。
【0154】
【表6】

a:テトラネクチン中のループ4配列の外での突然変異
【0155】
実施例10
TNFについての3量体化CTLD結合剤の親和力測定
実施例7に記述されている通りに単離された単量体CTLDTNFアルファ結合剤をコードするDNAインサートを、E.coli pBAD発現ベクター(インビトロゲン社(Invitrogen Co.)USA)内にサブクローニングした。E.coli内で組換え型単量体TNFアルファ結合剤を発現させ、メーカーの指示事項に従って周辺質からこれを精製した。精製された単量体を10mMのトリスpH8.0、150mMのNaCl、2mMのCaClの中に透析し後、バイアコア(BiaCore)上で分析した。
【0156】
TNFアルファ結合剤の3量体フォーマットを発現させるため、制限エンドヌクレアーゼBgl II及びMunIで、(実施例7からの)TNFアルファ結合剤をコードする適切なDNAインサートを分割し、DNAフラグメントを含むループ1及び4をBgl II MunI制限E.coli pT7H6FX−htlec DNA内にサブクローニングさせた(国際公開第02/48189号パンフレット、実施例1及び図5で概略説明されている通り)。
【0157】
組換え型3量体TNFアルファ結合剤をE.coli内で発現させ、折畳み解除された融合タンパク質誘導体の精製を、基本的に国際公開第94/18227号パンフレット、実施例9中に記述されている通りに実施した。
【0158】
簡単に言うと、8Mの尿素、50mMのトリス−HCl、pH8.0、500mMのNaCl、5mMの2−メルカプトエタノール中でNi2+荷電ニトリロ三酢酸(NTA)カラム上に融合タンパク質を投入することにより、TNFアルファ結合剤の再折畳みを実施した。投入された後、カラムを循環再折畳み手順に付した。使用した再折畳み緩衝液は、復元緩衝液A(50mMのトリス−HCl、pH8.0、500mMのNaCl、2mMのCaCl、2mMの還元グルタチオン及び0.2mMの酸化グルタチオン)及び変性緩衝液B(8Mの尿素、50mMのトリス−HCl、pH8.0、500mMのNaCl、2mMのCaCl、3mMの還元グルタチオン)であった。再折畳みされた融合タンパク質を、50mMのトリス−HClpH8.0,500mMのNaCl、10mMのEDTAから溶出させ、融合タンパク質を一晩4℃でウシ血液凝固因子Xa(プロテインエンジニアリングテクノロジー(Protein Engineering Technology)オルフス(Aarhus),デンマーク)により1:100(w/w)で分割した。分割したタンパク質を8Mの尿素、25mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)、50mMのNaCl、1mMのトリス−HCl緩衝液中に、セファデックス(Sephadex)G25上でのゲルろ過により取り込み、10mlのSP−セファロースカラム(アマーシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences))上に投入し、20カラム体積全体にわたり50mMから500MのNaClまで勾配溶出させた。非還元性SDS/PAGE分析により判断されるように分割された単量体タンパク質を含有する画分をプールし、緩衝液を10mMのトリスpH8.0、150mMのNaCl、2mMのCaClに対し、PD10カラム上のゲルろ過(アマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences))により交換させた。
【0159】
BIAcore3000計器(バイアコア(BiaCore)スウェーデン)上で表面プラズモン共鳴(SPR)結合分析を実施した。固定化させるべきTNFアルファ捕捉抗体(AHC3712、バイオソース・インターナショナル(Biosourse International))を、10mMの酢酸ナトリウムpH5.0中に溶解させ、次にアミンカップリングキット(バイアコア(BiaCore)、スウェーデン)を用いてCM5 BiaCoreセンサーチップ上で固定化させた。
【0160】
5μl/分の流速で結合分析を実施した。タンパク質試料の投入の前に、チップを10mMのトリスpH8.0、150mMのNaCl、2mMのCaCl、50μMのEDTA及び0.005%の界面活性剤(Surfactant)P20の中で平衡化した。TNFアルファを10μg/mLで10mMのトリスpH8.0,150mMのNaCl、2mMのCaCl中に溶解させて、10μLを注入した。単量体又は3量体フォーマットのTNFアルファ結合剤のアリコート(20μl)をKINJECTオプションを用いて注入した。チップを、10mMのグリシンpH2.5で再生させる前に5分間解離させた。TNFアルファ結合剤の結合を1〜200nMの範囲内の6つの異なるタンパク質濃度でテストした。BIA評価プログラム、バージョン3.2(バイアコア(BiaCore))を用いて、結合データを評価した。
【0161】
表5は、バイアコア(BiaCore)データから導出された反応速度値を示している。TNFアルファ結合剤TN3−2−B、TN3−2−C、TN3−2−Dを3量体化することのもつ結合活性効果は、単量体結合剤から対応する3量体結合剤(TN−2−B、TN−2−C及びTN−2−D)に移行する親和力の増加倍数からわかる。
【0162】
【表7】

【0163】
TNFアルファ結合剤を3量体化することにより、親和力(K)の著しい増大が得られる。例えば単量体TN3−2−Bは、非常に低いKoff値を有する。これに対して、同じCTLD結合剤の3量体バージョン(TN−2−B)は、1000倍を超える改善を示すkoff値を有する。一般に3量体化によってオフレートが改善することがわかる。その上、実施例7の低い密接性の親クローンTN3−2は、単量体が検出レベルより低い親和力しかもたなかったため、その3量体形態でしかバイアコア(BiaCore)上で測定できなかった。
【0164】
参考文献
スチュディア(Studier)及びモファット(Moffat)、(1986)、Journal of Molecular Biology、189:113−130
ホチュリ、E(Hochuli,E.)、バンワース、W(Bannwarth,W.)、ドベリ、H(Doebeli,H.)、ゲンツ、R(Gentz,R.)及びスチューバ、D(Stueber,D.)、(1988)、Bio/Technology、6:1321−1325
ローレントセン、RH(Lorentsen,RH.)ら、(2000)、Biochemical Journal、347:83−87
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】さらに2つのサイトカインレセプタのさらなる動員を開始して結果として6量体サイトカイン・レセプタシグナリング単位の形成をひき起こす、腫瘍壊死因子スーパーファミリー内の3量体サイトカインの、対応する細胞結合型単量体レセプタに対する結合を示す。
【図2】3量体サイトカインと1:1の複合体を形成する、腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFSF)内の3量体サイトカインに対する2価結合剤の結合を示す。該2価結合剤が3量体TNFSFサイトカインに結合する場合、考えらえる3つのレセプタ結合部位のうちの2つのみが2価結合剤分子により占有され、第3のレセプタ結合部位は、開放状態に残される。このことはすなわち、開放した3量体サイトカインレセプタ結合部位は、細胞表面の3量体サイトカインレセプタと会合し、かくして細胞表面上のレセプタの高い局所的濃度に起因して3量体レセプタのさらなる動員ひいてはシグナル伝達を開始させることができる、ということを意味する。
【図3】3量体サイトカインとの1.1の複合体を形成すると同時に3量体サイトカインの3つのレセプタ結合部位全てを有効に結合させ、かくしていかなるレセプタ結合部位も開放状態に残されないようにする能力を有する3量体サイトカイン用結合剤を示す。細胞表面に対するサイトカインのドッキングは遮断され、従っていかなるシグナル伝達も発生しないことになる。
【図4】10倍希釈物中での3量体化されたレセプタフラグメントD1D4GSSI10Tripのための2つの異なる固定されたTNFアルファ濃度(1.0ng/ml及び0.1ng/ml)でのマウス線維芽細胞系統L929検定におけるTNFアルファに媒介される細胞毒性の阻害を示す。
【配列表】






































【特許請求の範囲】
【請求項1】
3量体サイトカインを結合する能力を有する特異的結合成員を各々含み、かつ3量体化ドメインを各々含む3つの単量体を含む3量体ポリペプチド。
【請求項2】
前記3量体サイトカインが腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーの一員である、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項3】
前記腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーの前記成員が、LTA;TNF;LTB;TNFSF4;TNFSF5;TNFSF6;TNFSF7;TNFSF8;TNFSF9;TNFSF10;TNFSF11;TNFSF12;TNFSF13;TNFSF13B;TNFSF14;TNFSF15;及びTNFSF18から成る群の中から選択されている、請求項2に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項4】
前記特異的結合成員が腫瘍壊死因子レセプタスーパーファミリーの一員から誘導されたポリペプチドである、請求項2に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項5】
前記腫瘍壊死因子レセプタスーパーファミリーの前記成員が、TNFRSF1A、TNFRSF1B、LTBR、TNFRSF4、TNFRSF5、TNFRSF6、TNFRSF6B、TNFRSF7、TNFRSF8、TNFRSF9、TNFRSF10A、TNFRSF10B、TNFRSF10C、TNFRSF10D、TNFRSF11A、TNFRSF11B、TNFRSF12、TNFRSF12L、TNFRSF13B、TNFRSF13C、TNFRSF14、TNFRSF Fn14、NGFR、TNFRSF17、TNFRSF18、TNFRSF19、TNFRSF19L、TNFRSF21、TNFRSF22、及びTNFRSF23から成る群の中から選択されている、請求項2に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項6】
前記特異的結合成員がTNFRSF1A(p55TNFレセプタ)から誘導されている、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項7】
前記特異的結合成員がTNFRSF1B(p75TNFレセプタ)から誘導されている、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項8】
前記特異的結合成員が、TNFRSF1B 1−235(配列番号76)、TNFRSF1B 1−185(配列番号77)、TNFRSF1B 1−163(配列番号78)及びTNFRSF1B 1−142(配列番号79)から成る群の中から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項7に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項9】
前記特異的結合成員が、TNFRSF1B D1D2(配列番号13)、TNFRSF1B D1D2、1/6(配列番号15)、TNFRSF1B D1D2 1/4(配列番号17)、TNFRSF1B D1D2、1/3(配列番号19)、TNFRSF1B D1D2、1/2(配列番号21)、TNFRSF1B D1D4(配列番号23)、TNFRSF1B D2(配列番号25)、TNFRSF1B D2、1/6(配列番号26)、TNFRSF1B D2、1/4(配列番号27)、TNFRSF1B D2、1/3(配列番号28)、TNFRSF1B D2、1/2(配列番号29)及びTNFRSF1B D2D4(配列番号30)から成る群の中から選択されたDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項7に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項10】
前記特異的結合成員が、抗体又は抗体フラグメントである、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項11】
前記抗体又は抗体フラグメントが、アミノ酸残基1−18、1−20、1−26、1−30、12−22、22−31、22−40、36−45、49−97、49−98、56−79、58−65、69−97、70−87、76−90、96−105、105−128、108−128、110−127、115−125、117−128、132−157、135−155、136−153、138−149、141−153及び146−157から成る領域の中から選択された少なくとも1つの領域内でヒトTNF(配列番号80)に結合する、請求項10に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項12】
前記抗体又は抗体フラグメントが、MAb 1(ECACC 89080301)、MAb 21(ECACC 90012432)、MAb 25(ECACC 89121401)、MAb 32(ECACC 89080302)、MAb 37(ECACC 89080303)、MAb 42(ECACC 89080304)、MAb 47(ECACC 89121402)、MAb 53(ECACC 90012433)及びMAb 54(ECACC 89083103)又はそのフラグメントの中から選択されている、請求項11に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項13】
前記抗体がD2E7又はそのフラグメントである、請求項10に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項14】
前記抗体がCDP 870又はそのフラグメントである、請求項9に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項15】
前記特異的結合成員が、C型レクチン様ドメイン(CTLD)の足場構造を有するタンパク質である、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項16】
C型レクチン様ドメインの前記足場構造を有する前記特異的結合成員が、TN3−2−B(配列番号103)、TN3−2−C(配列番号104)、及びTN3−2−D(配列番号105)から成る群の中から選択されている、請求項15に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項17】
前記3量体化ドメインが、テトラネクチンから誘導されている、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項18】
テトラネクチンから誘導された前記3量体ドメインが、配列番号81の配列と少なくとも68%のアミノ酸配列同一性を有する配列を含む、請求項17に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項19】
前記アミノ酸配列同一性が、少なくとも75%、例えば少なくとも92%を含め少なくとも87%である、請求項18に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項20】
テトラネクチンから誘導された前記3量体ドメインが、アミノ配列番号81を含む、請求項17に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項21】
TN−2−B(配列番号106)、TN−2−C(配列番号108)、TN−2−D(配列番号107)及びAD1D4−GSS−I10(配列番号109)から成る群の中から選択された、請求項17に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項22】
前記特異的結合成員と前記3量体ドメインの間のリンカーをさらに含む、請求項1に記載の3量体ポリペプチド。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の前記3量体ポリペプチドを含んで成る医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の前記3量体ポリペプチド又は請求項23に記載の前記組成物を有効量だけ、腫瘍壊死因子といったような3量体サイトカインにより媒介される病理を有する患者に対し投与することを含む、前記患者の治療方法。
【請求項25】
前記腫瘍壊死因子により媒介される病理が、関節リウマチ、乾癬、及びクローン病から成る群の中から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
3量体ポリペプチドサイトカインを結合する能力を有する特異的結合成員を各々含み、かつ3量体化ドメインを各々含む3つの単量体を含む3量体ポリペプチドの調製方法であって、(i)前記3量体ポリペプチドが発現されるような条件下で前記3量体ポリペプチドをコードするベクターで形質転換された宿主を培養する工程、及び(ii)前記3量体ポリペプチドを単離する工程を含む方法。
【請求項27】
前記特異的結合成員が、TNFRSF1B 1−235(配列番号76)、TNFRSF1B 1−185(配列番号77)、TNFRSF1B 1−163(配列番号78)及びTNFRSF1B 1−142(配列番号79)から成る群の中から選択される1つのアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記特異的結合成員が、TNFRSF1B D1D2(配列番号13)、TNFRSF1B D1D2、1/6(配列番号15)、TNFRSF1B D1D2 1/4(配列番号17)、TNFRSF1B D1D2、1/3(配列番号19)、TNFRSF1B D1D2、1/2(配列番号21)、TNFRSF1B D1D4(配列番号23)、TNFRSF1B D2(配列番号25)、TNFRSF1B D2、1/6(配列番号26)、TNFRSF1B D2、1/4(配列番号27)、TNFRSF1B D2、1/3(配列番号28)、TNFRSF1B D2、1/2(配列番号29)及びTNFRSF1B D2D4(配列番号30)から成る群の中から選択されたDNA配列によりコードされたアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の3量体ポリペプチドの使用。
【請求項30】
医薬組成物の調製のための請求項1〜22のいずれか1項に記載の3量体ポリペプチドの使用。
【請求項31】
(i)請求項1に記載の3量体ポリペプチドと試料を接触させる工程、及び(ii)3量体サイトカインに対する前記3量体ポリペプチドの前記結合を検出する工程を含む、前記試料中の前記3量体サイトカインを検出するための検定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−520318(P2006−520318A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547447(P2004−547447)
【出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000735
【国際公開番号】WO2004/039841
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(505161909)ボレアン・ファルマ・アクティーゼルスカブ (2)
【氏名又は名称原語表記】BOREAN PHARMA A/S
【Fターム(参考)】