説明

4−ピリジニル−N−アシル−L−フェニルアラニン

【課題】VCAM-1とVLA-4発現細胞との間の結合阻害活性を有するため、VLA-4発現細胞へのVCAM-1の結合と関連のある症状および障害を有する慢性炎症性疾患のような疾患の治療に有用な化合物の提供。
【解決手段】式(I):


(式中、R1〜R7は特定の置換基を示す)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
免疫グロブリン(Ig)超遺伝子ファミリーのメンバーである血管細胞接着分子−1(VCAM-1)は、活性内皮に発現するが、静止内皮には発現しない。好中球を除く循環している
リンパ球、好酸球、好塩基球及び単球を含む多種の細胞に発現するインテグリンVLA-4(
α4β1)は、VCAM-1の主要なレセプターである。VCAM-1又はVLA-4に対する抗体は、イン
ビトロでこれらの単核白血球、ならびにメラノーマ細胞の活性内皮への接着をブロックできる。どちらのタンパク質に対する抗体も、白血球浸潤の抑制及び幾つかの動物炎症モデルにおける組織の損傷の予防に効果的である。抗VLA-4単クローン抗体は、アジュバント
誘導関節炎においてT細胞の遊出をブロックし、喘息モデルにおいて好酸球の集積及び気管支狭窄を予防し、麻痺を減少させ、実験的自己免疫性脳炎(experimental autoimmune encephalitis)(EAE)において単球及びリンパ球浸潤を阻害することが示されている。
抗VCAM-1単クローン抗体は、心臓同種移植の生存期間を延長することが示されている。最近の研究において抗VLA-4単クローン抗体が、非肥満糖尿病マウスにおいて膵島炎及び糖
尿病を予防し、大腸炎のコットントップタマリンモデル(cotton-top tamarin model)において炎症を著しく減衰できることが示されている。更にVCAMが、炎症性腸疾患のTNB/エタノールラットモデルにおいて、炎症結腸組織の内皮細胞で発現することが示されている(Gastroenterology 1999, 116, 874-883)。
【0002】
したがって、α4含有インテグリンとVCAM-1との間の相互作用を阻害する化合物は、慢
性関節リュウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、喘息及び炎症性腸疾患(IBD)のような
慢性炎症性疾患の処置のための治療薬として有用である。本発明の化合物は、まさしくこの効果を有する。
【0003】
本明細書に使用される場合、用語「ハロゲン」は、特記のない限りは、臭素、塩素、フッ素及びヨウ素の4個のハロゲンのいずれかを意味する。好ましいハロゲンは、臭素、フッ素及び塩素である。
【0004】
用語「低級アルキル」は、単独又は組み合わされて、1個から最大6個の炭素原子(C1−C6)を含有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル
、n−ペンチル、n−へキシル等である。
【0005】
用語「置換低級アルキル」は、前記と同義の低級アルキル基を意味し、シクロアルキル、ニトロ、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アミノ又はモノ若しくはジ低級アルキルアミノから独立して選択される1個以上の基により置換されている。置換低級アルキル基の例としては、2−ヒドロキシエチル、3−オキソブチル、シアノメチル及び2−ニトロプロピルが挙げられる。本発明は、特に、R3及びR5の位置の置換低級アルキル基トリフルオロメチルを示しているが、これらの位置のペンタフルオロエチルも考慮される。これはR22及びR23についても同じである。
【0006】
用語「シクロアルキル」(又は低級シクロアルキル)は、非置換又は置換3員〜7員炭素環を意味する。本発明において有用な置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルキル、アロイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリール、ヘテロアリール及モノ−又はジ低級アルキル置換アミノである。
【0007】
用語「低級アルケニル」は、任意の2個の隣接する炭素原子の間に位置する二重結合を有する、炭素原子2〜10個を有するアルキレン基を意味する。
【0008】
用語「低級アルコキシ」は、最大6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ等である。
【0009】
用語「低級アルキルチオ」は、二価硫黄原子を介して残りの分子に結合している低級アルキル基を意味し、例えば、メチルメルカプト又はイソプロピルメルカプト基である。用語「低級アルキルスルフィニル」は、スルフィニル基における硫黄原子を介して残りの分子に結合している上記と同義の低級アルキル基を意味する。用語「低級アルキルスルホニル」は、スルホニル基における硫黄原子を介して残りの分子に結合している上記と同義の低級アルキル基を意味する。
【0010】
用語「アリール」は、フェニル若しくはナフチルような単環式又は二環式芳香族基を意味し、非置換であるか、又はありふれた置換基で置換されている。好ましい置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロゲン、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ペルフルオロ低級アルキル、アルカノイル、アロイル、アリールアルキニル、低級アルキニル及び低級アルカノイルアミノである。本発明において使用できるアリール基の例は、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、p−クロロフェニル、m−ヒドロキシフェニル、m−メチルチオフェニル、2−メチル−5−ニトロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、1−ナフチル等である。
【0011】
用語「アリールアルキル」は、1個以上の水素原子が本明細書で定義されているアリール又はヘテロアリール基で置換されている上記と同義の低級アルキル基を意味する。あらゆる従来のアラルキルを本発明に従って使用してよく、例えば、ベンジル等である。
【0012】
用語「ヘテロアリール」は、独立してN、S若しくはOである1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する、非置換又は置換された、5員若しくは6員単環式芳香族複素環、又は9員若しくは10員二環式芳香族複素環を意味する。ヘテロアリール環の例は、ピリジン、ベンズイミダゾール、インドール、イミダゾール、チオフェン、イソキノリン、キンゾリン等である。「アリール」に関し、上記で定義された置換基がヘテロアリールの定義に含まれる。
【0013】
用語「低級アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して結合している低級アルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニル基の例は、エトキシカルボニル等である。
【0014】
用語「低級アルキルカルボニルオキシ」は、酸素原子を介して結合している低級アルキルカルボニルオキシ基を意味し、例えば、アセトキシ基である。これは用語「アシルオキシ」と同一の意味を有する。
【0015】
用語「低級アルカノイル」は、カルボニル基を介て結合している低級アルキル基を意味し、アセチル、プロピオニル等のような前記の定義された基の意味を包含する。用語「ペルフルオロ低級アルカノイル」は、カルボニル基を介して残りの分子に結合しているペルフルオロ低級アルキル基(全ての水素がフルオロで置換されている置換低級アルキル基、好ましくはトリフルオロメチル又はペンタフルオロエチル)を意味する。用語「ペルフルオロ低級アルカノイルアミノ」は、アミノ基を介して残りの分子に結合しているペルフルオロ低級アルカノイル基を意味する。
【0016】
用語「低級アルキルカルボニルアミノ」は、窒素原子を介して残りの分子に結合している低級アルキルカルボニル基を意味し、例えば、アセチルアミノである。用語「低級アルキルアミノカルボニル」は、カルボニル基を介して残りの分子に結合している低級アルキルアミノ基を意味する。用語「アリールアミノカルボニル」は、カルボニル基を介して残りの分子に更に結合しているアミノ基に結合しているアリール基を意味する。
【0017】
用語「アロイル」は、カルボニル基を介して残りの分子に結合している単環式若しくは二環式アリール又はヘテロアリール基を意味する。アロイル基の例は、ベンゾイル、3−シアノベンゾイル、2−ナフトイル、ニコチノイル等である。
【0018】
薬学的に許容されうる塩は、当該技術において周知であり、化合物の化学的性質を考慮に入れて従来の方法により調製できる。酸性化合物の薬学的に許容されうる塩の例は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩基アミン若しくは塩基アミノ酸、アンモニウム又はアルキルアンモニウム塩である。本発明の化合物の特に所望の塩は、ナトリウム塩(ここで、R6はHである
)である。本発明の任意の酸のナトリウム塩は、酸を水酸化ナトリウムで処理することによって容易に得られる。塩基性化合物としては、例として、無機又は有機酸の塩であり、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸がある。
【0019】
本発明は、式I:
【0020】
【化7】

【0021】
の化合物及び薬学的に許容されうるその塩を含む。また、それらを含有する医薬組成物、特定の疾患の処置における薬剤としてのそれらの使用並びにそれらの調製方法及び製造するための中間体を含む。
【0022】
本発明によると、R1は、下記に記載の基Y−1、Y−2又はY−3であり、 Y−1
は、式Y−1:
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキ
ル、アリール、アリールアルキル、ニトロ、シアノ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルカノイル、ハロゲン又はペルフルオロ低級アルキルであり、R22及びR23のうち少なくとも一方は水素以外であり;そしてR24は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、ニトロ、シアノ、低級アルキルスルホニル又はハロゲンである)の基であり;
Y−2は式Y−2の基(これは、炭素原子を介してアミドカルボニルに結合している5員又は6員芳香族複素環であり、前記環が、N、O及びSからなる群より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、前記環の1又は2個の原子が、独立して低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル若しくはアリールで置換され、前記の置換されている原子のうち少なくとも1個が、アミドカルボニルに結合している炭素原子に隣接する)であり;
Y−3は、式Y−3:
【0025】
【化9】

【0026】
(式中、R25は、低級アルキル、非置換若しくはフッ素置換低級アルケニル又は式:R26−(CH2)e−の基であり、R26は、アリール、ヘテロアリール、アジド、シアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、ペルフルオロ低級アルカノイル若しくはニトロであるか、又はR26は、式:−NR2829(式中、R28は、水素又は低級アルキルであり、R29は、水素、低級アルキル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、アロイル、ペルフルオロ低級アルカノイルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルアミノカルボニル若しくはアリールアミノカルボニルであるか;又はR28及びR29は、結合している窒素原子と一緒になって、場合により、O、S及びN−R40から選択される1個の更なるヘテロ原子を含有する4、5又は6員飽和複素環を形成する)の基であり、Qは、−(CH2fO−、−(CH2fS−、−(CH2fN(R27)−又は−(CH2f−であり、R27は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニルであり、R40は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニル(この環中の炭素原子は、非置換であるか、又は低級アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である)の3員〜7員環であり;
2は、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール又はアリール低級アルキル
であり、
3は、水素、ハロゲン、低級アルキル又はアリールであり、トリフルオロメチルも含
まれ、
4は、水素、ハロゲン、低級アルキル又はアリールであり、
5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル又はOHであり、
6は、水素、低級アルキル若しくは低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキルであ
るか、又は
6は、式P−3:
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、R32は、水素又は低級アルキルであり、R33は、水素、低級アルキル又はアリールであり、R34は、水素又は低級アルキルであり、hは、0〜2の整数であり、gは、0〜2の整数であり、hとgの合計は、1〜3である)の基であるか;又はR6は、式P−
4:
【0029】
【化11】

【0030】
(式中、R32、g及びhは前記と同義であり、Q′は、O、S、−(CH2j−又は式:N−R35の基であり、R35は、水素、低級アルキル、低級アルカノイル又は低級アルコキシカルボニルであり、jは、0、1又は2である)の基であり、R7は、水素、クロロ、
低級アルコキシ又は低級アルキルである。好ましくは、Qは、−(CH2fO−、−(CH2fS−、又は−(CH2f−(式Ia)である。R5が、水素、低級アルキル又はトリ
フルオロメチル(式Ib)である、式I又は式Iaの化合物も好ましい。
【0031】
本発明の化合物は、立体異性体及びジアステレオマーとして存在することができ、これらの全てが本発明の範囲内に包含される。
【0032】
式I、式Ia又は式Ibの化合物の第1の好ましい実施態様において、R2は、水素、低
級アルキル又はアリール低級アルキルであり、R3は、水素、低級アルキル又はトリフル
オロメチル、好ましくは水素であり、R4は、水素又はハロゲン、好ましくはハロゲンで
あり、R5は、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、加えて低級アルコキシもあり
得るが、好ましくは水素であり、R6は水素又は低級アルキルであり、そしてR7は水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである。
【0033】
本発明の第1の好ましい実施態様の更に好ましい実施態様は、式I、Ia又はIb:
【0034】
【化12】

【0035】
〔式中、R1は基Y−1:
【0036】
【化13】

【0037】
(ここで、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ニトロ、シアノ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルカノイル、ハロゲン又はペルフルオロ低級アルキルであり、R22及びR23のうち少なくとも一方は水素以外であり;そしてR24は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、ニトロ、シアノ、低級アルキルスルホニル又はハロゲンであり、更に特に、R22及びR23は、独立して低級アルキル又はハロゲンであり、そしてR24は、水素又は低級アルコキシであるか;或いはR22及びR23は、独立して水素、低級アルキル又はハロゲンであり、そしてR24は、水素、低級アルキル又は低級アルコキシ、特に水素である)である〕で示される化合物である。そのような化合物では、R2が水素、低級アルキル又はアリール低級アルキル、特にアリール低級アル
キルであることが好ましい。更に、そのような化合物では、R3が水素;R4が、水素若しくはハロゲン又は更に低級アルキルであってもよく(しかし、好ましくはハロゲンである);R5が、水素、低級アルキル若しくはトリフルオロメチル又は更に低級アルコキシで
あってもよく(しかし好ましくは水素である);R6が、水素又は低級アルキルであり;
そしてR7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであることが好ましい。
【0038】
本発明の更に好ましい実施態様は、R1が基Y−1:
【0039】
【化14】

【0040】
(ここで、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル又はハロゲン、特に低級アルキル又はハロゲンであり;R24は、水素、低級アルキル又は低級アルコキシ、特に水素である)である上記の式I、式Ia又は式Ibで示される化合物である。そのような化合物では、R2が、水素、低級アルキル又はアリール低級アルキルであり;R3が水素であり;R4
、水素又はハロゲンであり;R5が、水素又は低級アルキルであり;R6が、水素又は低級アルキルであり;そしてR7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである
ことが好ましい。この更に好ましい実施態様の特に好ましい化合物おいて、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル又はハロゲンであり、R24は、水素又は低級アルコキシであり、そしてR2はアリール低級アルキルである。あるいは、そのような化合物におい
て、R2が、水素,低級アルキル又はアリール低級アルキルであり;Rが水素であり;
4が、水素若しくはハロゲン又は更に低級アルキルであってもよく(しかし、好ましく
はハロゲンである);R5が、水素、低級アルキル若しくはトリフルオロメチル、又は更
に低級アルコキシであってもよく(しかし好ましくは水素である);R6が、水素又は低
級アルキルであり;そしてR7が水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである
ことが好ましい。
【0041】
本発明の別の好ましい実施態様は、R1が、炭素原子を介してアミドカルボニルに結合
している5員又は6員芳香族複素環であり、前記環が、N、O及びSからなる群より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、前記環の1又は2個の原子が、独立して低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル若しくはアリールで置換され、前記の置換されている原子のうち少なくとも1個が、アミドカルボニルに結合している炭素原子に隣接する、上記の式I、式Ia又は式Ib、特に第1の好ましい実施態様の化合物である。そのような化合物では、R2が、水素、低級アルキル又はア
リール低級アルキルであり;R3が水素であり;R4が、水素又はハロゲン(好ましくはハロゲン)であり;R5が、水素、トリフルオロメチル又は低級アルキル(好ましくは水素
)であり;R6が、水素又は低級アルキルであり;そしてR7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであることが特に好ましい。あるいは、そのような化合物において、R2が、水素,低級アルキル又はアリール低級アルキルであり;R3が水素であり;R4が、水素若しくはハロゲン又は更に低級アルキルであってもよく(しかし、好ましくは
ハロゲンである);R5が、水素、低級アルキル若しくはトリフルオロメチル、又は更に
低級アルコキシであってもよく(しかし好ましくは水素である);R6が、水素又は低級
アルキルであり;そしてR7が水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであるこ
とが好ましい。
【0042】
本発明の別の好ましい実施態様は、上記の式I、式Ia又は式Ib〔式中、R1は式Y−3
の基(これは、式Y−3:
【0043】
【化15】

【0044】
(式中、R25は、低級アルキル、非置換若しくはフッ素置換低級アルケニル又は式:R26−(CH2)e−の基であり、R26は、アリール、ヘテロアリール、アジド、シアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、ペルフルオロ低級アルカノイル若しくはニトロであるか、又はR26は、式:−NR2829(式中、R28は、水素又は低級アルキルであり、R29は、水素、低級アルキル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、アロイル、ペルフルオロ低級アルカノイルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルアミノカルボニル若しくはアリールアミノカルボニルであるか;又はR28及びR29は、結合している窒素原子と一緒になって、場合により、O、S及びN−R40から選択される1個の更なるヘテロ原子を含有する4、5又は6員飽和複素環を形成する)の基であり、Qは、−(CH2fO−、−(CH2fS−、−(CH2fN(R27)−又は−(CH2f−であり、R27は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニルであり、R40は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニル(この環中の炭素原子は、非置換であるか、又は低級アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である)の3員〜7員環である〕で示され
る化合物である。そのような化合物では、R2が、水素、低級アルキル又はアリール低級
アルキルであり;R3が、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり;R4が、水素又はハロゲン(好ましくはハロゲン)であり;R5が、水素、トリフルオロメチル又は
低級アルキル(好ましくは水素)であり;R6が、水素又は低級アルキルであり;そして
7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであることが特に好ましい。あ
るいは、そのような化合物において、R2が、水素,低級アルキル又はアリール低級アル
キルであり;Rが水素であり;R4が、水素若しくはハロゲン又は更に低級アルキルで
あってもよく(しかし、好ましくはハロゲンである);R5が、水素、低級アルキル若し
くはトリフルオロメチル、又は更に低級アルコキシであってもよく(しかし好ましくは水素である);R6が、水素又は低級アルキルであり;そしてR7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであることが好ましい。
【0045】
本発明の更に好ましい実施態様は、R1が、上記と同義の式Y−3の基、更に特には、
式Y−3:
【0046】
【化16】

【0047】
(式中、R25は、式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qは、−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の
整数である)の3員〜7員環である、上記の式I、式Ia又は式Ib、特に第1の好ましい実施態様の化合物である。R2が、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール又は
アリール低級アルキル、特にアリール低級アルキルである、そのような化合物が特に好ましい。R2が、低級アルキル又はアリール低級アルキルであり;R3が水素であり;R4
、水素又はハロゲンであり;R5が水素であり;R6が、水素又は低級アルキルであり;そしてR7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである、そのような化合物
も好ましい。あるいは、そのような化合物において、R2が、水素、低級アルキル又はア
リール低級アルキルであり;Rが水素であり;R4が、水素若しくはハロゲン又は更に
低級アルキルであってもよく(しかし、好ましくはハロゲンである);R5が、水素、低
級アルキル若しくはトリフルオロメチル、又は更に低級アルコキシであってもよく(しかし好ましくは水素である);R6が、水素又は低級アルキルであり;そしてR7が水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルであることが好ましい。
【0048】
本発明の式I、式Ia又は式Ibのあらゆる化合物において、R1は、式Y−1の基又は式Y−3の基であることができ;R2は、水素、低級アルキル又はアリール低級アルキル、
好ましくは低級アルキル、特にメチル、若しくはアリール低級アルキル、特にベンジルであることができ;R3は、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチル、好ましくは水素
若しくは低級アルキルであることができ;R4は、水素又はハロゲンであることができ;
5は、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであることができ;R6は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル又は式P−3の基であることができ、更に式P−4の基であることもでき;そしてR7は、低級アルキル又は水素、好ま
しくは水素であることができる。
【0049】
本発明の式I、式Ia、式Ibのあらゆる化合物又は直上の段落に記載されている好ましい化合物において、Y−1及びY−3の基は下記のように具体的に選択される。R22及びR23は、水素、ハロゲン又は低級アルキルであり、R24は、水素または低級アルコキシであり、R25は、式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qは、−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整
数であり、及び/又はR2は低級アルキルであり、R4は水素であり、そしてR3及びR5は、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり、並びにR6は、水素、低級アルキル若し
くは低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル、又は式P−3(式中、好ましくは、R32は水素であり;R33及びR34は低級アルキルであり;g及びhのうち一方が1であり、
他方は0である)の基である。そのような化合物において、好ましくは、R6及びR7は水素であり、及び/又はR2は低級アルキルであり;R3は水素であり;R4は、水素又はハ
ロゲンであり;そしてR5は、水素又は低級アルキルであり、並びに、好ましくは、R22
及びR23は、低級アルキル又はハロゲン、特にハロゲンであり、そしてR24は水素であるか、又はR22及びR23は、水素又はハロゲンであり、そしてR24は、水素又は低級アルコキシ、好ましくは水素であるか、又はR1はY−3である。特定の化合物は、下記である

N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−(1−メチルエチル)−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン。
【0050】
他のそのような化合物では、R22及びR23が、好ましくはハロゲン又は低級アルキルであり、R24が、水素又は低級アルコキシであり、R25が、式:R26(CH2−(式中
、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qが、−(CH2f−であり、eが、0〜
4の整数であり、そしてfが、0〜3の整数であり、特にN−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメ
チル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンであり、及び/又はR2
がアリール低級アルキルであり、R3が水素であり、R4がハロゲンであり、そしてR5
6及びR7が水素である。R1がY−1であることも好ましい。
【0051】
式I、式Ia又は式Ibの特に好ましい化合物において、R1は、式Y−1の基又は式Y
−3の基であり;R2は、低級アルキルまたはアリール低級アルキルであり;R3は、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり;R4は、水素又はハロゲンであり;R5は、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり;R6は、水素、低級アルキル、低
級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル又は式P−3の基であり;そしてR7は、水素
である(式A)。
【0052】
式Aの好ましい化合物において、Y−1及びY−3の基は下記のように具体的に選択される。R22及びR23は、水素、ハロゲン又は低級アルキルであり、R24は、水素又は低級アルコキシであり、R25は式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qは−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である(式A−1)。
【0053】
式A−1の好ましい化合物では、R2が低級アルキルであり、R4が水素であり、そしてR3及びR5が低級アルキル又はトリフルオロメチルである(式A−1a)。式A−1aの1つの実施態様では、R6は水素である。この実施態様において、R1は、Y−1(ここで、特に、R22及びR23は、ハロゲン又は低級アルキルである)であってよいか、又はR1
はY−3であってよい。式A−1aの他の実施態様では、R6が、低級アルキル、特にメ
チルであるか、又は低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル、特に1−(アセトキシ)エチルであるか、又は式P−3(式中、R32は水素であり;R33及びR34は低級アルキ
ル、特にメチル若しくはエチルであり;g及びhのうち一方が1であり、他方は0である)の基である。
【0054】
6が低級アルキルの場合、特定の化合物は以下である。
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル。
【0055】
6が低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキルの場合、特定の化合物は以下である

N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル。
【0056】
6がP−3の場合、特定の化合物は以下である。
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル。
【0057】
式A−1の他の好ましい化合物では、R6は水素である。R2が低級アルキルであり;R3が水素であり;R4が水素又はハロゲンであり;そしてR5が水素又は低級アルキルであ
ることが好ましい(式A−1b)。式A−1bの1つの実施態様において、R1はY−1である。好ましくは、R22及びR23が、低級アルキル又はハロゲンであり、そしてR24が水
素であるか、又はR22及びR23がハロゲンであり、そしてR24が水素であり、特に、
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;若しくは
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンであるか、又は
22及びR24が、水素又はハロゲンであり、そしてR23が低級アルコキシである。式A−1bの他の実施態様において、R1はY−3、特に4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)−シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンである。
【0058】
式Aの他の好ましい化合物では、R1がY−1(ここで、R22及びR23は、ハロゲン又
は低級アルキルであり、R24は、水素又は低級アルコキシである)であるか、又はR1
Y−3(ここで、R25は式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qは−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である)である。好ましくは、R2はアリール低級アルキルであり;R3は水素であり;R4はハロゲンであり;そしてR5、R6及びR7は水素である。好ましくは、R1
Y−1であり、特に
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニン;又は
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンである。
【0059】
他の態様において、本発明は、式II:
【0060】
【化17】

【0061】
(式中、R2〜R5及びR7は、式Iにおけるのと同義であり、そしてP1及びP2は、それ
ぞれ保護基である)で示される化合物に関する。更に特に、P1は、tert−ブチルオキシ
カルボニル(Boc)又はカルボベンジルオキシ基のような標準的な窒素保護基であり、P2は、低級アルキル又は置換低級アルキルのような標準的なカルボキシ保護基である。これらの化合物は、式Iの化合物の製造における有用な中間体である。
【0062】
本発明の化合物は、VCAM-1及びフィブロネクチンが循環しているリンパ球、好酸球、好塩基球及び単球(「VLA-4発現細胞」)上のVLA-4に結合することを阻害する。このような細胞上のVLA-4に対するVCAM-1及びフィブロネクチンの結合が、慢性関節リュウマチ、多
発性硬化症、炎症性腸疾患のような特定の疾患状態と関係し、特に好酸球の気道内皮への結合が、喘息で起こる肺炎症を引き起こすことに寄与していることが知られている。した
がって、本発明の化合物は、喘息の処置に有用である。
【0063】
循環しているリンパ球、好酸球、好塩基球及び単球上のVLA-4に対するVCAM-1及びフィ
ブロネクチンの結合を阻害する能力によって、本発明の化合物は、特に、そのような結合と関連することが知られている疾患の処置のための薬剤として、又は医薬組成物としてそれぞれ使用することができる。そのような疾患の例は、慢性関節リュウマチ、多発性硬化症、喘息及び炎症性腸疾患である。本発明の化合物は、好ましくは、喘息のような肺炎症に関連する疾患の処置に使用される。喘息で起こる肺炎症は、喘息誘発事象又は物質により活性化する好酸球、単球及びリンパ球の活性化及び肺浸潤と関連する。
【0064】
更に、本発明の化合物は、また、リンパ球、好酸球及びT細胞上で発現するLPAMとしても知られている、細胞レセプターアルファ4−ベータ7へのVCAM-1及びMadCAMの結合を阻害する。喘息のような炎症状態におけるアルファ4−ベータ7と種々のリガンドとの相互作用の正確な役割は、完全には理解されていないため、アルファ4−ベータ1とアルファ4−ベータ7レセプター結合の両方を阻害する本発明の化合物は、喘息の動物モデルにおいて特に効果的である。更に、単クローン抗体と共にアルファ4−ベータ7に作用することで、MadCAM又はVCAMへのアルファ4−ベータ7結合を阻害する化合物が、炎症性腸疾患の処置に有用であることを示している。これらは、そのような結合が病害又は病状の原因に関与している他の疾患の処置にも有用である。
【0065】
本発明の化合物は、経口、直腸内又は非経口、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、脊髄内若しくは経皮;又は舌下投与することができ、或いは眼科用製剤として又は肺炎症の場合はエアゾールとして投与できる。経口投与用のカプセル剤、錠剤、懸濁剤若しくは溶剤、座剤、注射用溶剤、点眼剤、軟膏又は噴霧剤が投与形態の例である。
【0066】
静脈内、筋肉内、経口又は吸入投与が、好ましい使用形態である。本発明の化合物が有効量として投与される用量は、特定の活性成分の性質、患者の年齢と要件及び投与方法によって決まる。用量は、例えば、投与量制限臨床試験(dose-limiting clinical trials
)のような任意の常法により決定される。したがって、本発明は、病状又は病害を緩和させるため、VLA-4発現細胞に対するVCAM-1又はフィブロネクチン結合を阻害するのに十分
な量の本発明の化合物を投与することにより、VLA-4発現細胞に対するVCAM-1又はフィブ
ロネクチン結合が病状又は病害の原因である疾患を患う宿主を処置する方法を更に含む。一般的に、1日当たり約0.1〜100mg/kg体重の用量が好ましく、1日当たり1〜25mg/kg体重の用量が特に好ましく、1日当たり1〜10mg/kg体重の用量が特別に好ましい。
【0067】
他の態様において、本発明は、更に、薬学的に許容されうるその塩を含む、薬学的に有効な量の本発明の化合物及び薬学的に許容されうる担体を含む、薬剤又は医薬組成物に関する。また、医薬組成物の調製方法であり、薬学的に許容されうるその塩を含む本発明の化合物及び適合する薬剤担体をガレヌス製剤投与形態にすることを含む方法に関する。そのような組成物は任意の常法により配合できる。錠剤又は顆粒剤は、一連の結合剤、賦形剤、担体又は希釈剤を含有することができる。液状組成物は、例えば、水混和性滅菌溶液の形態であることができる。カプセル剤は、活性成分に加えて賦形剤又は増粘剤を含有することができる。更に、保存剤、安定剤、保湿剤及び乳化剤のような通常使用される物質と同様に香味向上添加物も、ならびに浸透圧を変化させる塩、緩衝剤及び他の添加剤も存在することができる。
【0068】
前記の担体物質及び希釈剤は、あらゆる従来の薬学的に許容されうる有機又は無機物質、例えば、水、ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアゴム、ポリアルキレングリコール等を含むことができる。
【0069】
錠剤及びカプセル剤のような経口投与単位形態は、好ましくは、本発明の化合物を25mg〜1000mg含有する。
【0070】
一般的に本発明の化合物は、適切なフェニルアラニン誘導体を3−ハロ-2−ピリドン
とパラジウム触媒反応させて製造することができる。
【0071】
反応スキーム1に示すように、1のような4−ヨード−又は4−ブロモフェニルアラニン誘導体を保護されたフェニルアラニン誘導体2(ここで、R7′は、水素、クロロ、低
級アルキル又は低級アルコキシであり、P1は、Bocのような標準的な窒素保護基又は
カルボベンジルオキシ基であり、そしてP2は、保護基若しくはプロドラッグの要素とし
て役立つように適切に選択された低級アルキル又は置換低級アルキルである)に変換する。基P2は、ペプチド化学を実践している者にとっては慣用の常法により導入することが
できる。P1とP2の付加する順番は重要ではなく、特定の試薬の選択によって決まる。保護基の使用及び導入の考察は、Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts., Protecting
Groups in Organic Synthesis, Wiley Interscience, New York, 1991に提示されている。あるいは、式Iの化合物を、式4(式中、R1′は、本発明のアシル基の成分を表わす
)の化合物に変換できる。最初にエステル基P2を導入し、続いて、ジエチルイソプロピ
ルアミンのような第三級アミン塩基の存在下、従来のペプチドカップリング試薬、例えば、HBTUを使用して遊離アミンをカップリング反応させることが都合の良い方法である。また、特定の試薬の選択が、R1′及びP2の導入順序の変更に影響を与えることがある。式2又は4の化合物の誘導体3又は5(ここで、Mは、置換スズ又はホウ素原子である)への変換は、パラジウム(0)(palladium zero)の供給源の存在下、適切な種類、例えば、ヘキサメチルジチン、ヘキサブチルジチン又はテトラアルコキシジボロンにより処理することによって実施することができる。方法論は、F. Diederich and P. J. Stang, ed, Metal Catalyzed Cross Coupling Reactions, Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 1998に概説されており、参照される。
【0072】
【化18】

【0073】
式6(式中、R3′、R4′及びR5′は、水素、低級アルキル、ペルフルオロ低級アル
キル、ハロゲン、アリール、ヒドロキシ又は低級アルコキシである)の置換ピリドンは、市販されているか、又は文献の方法(例えば、既知の方法の幾つかの考察が、P. Wirth, et al., Ger. Offen. 28 17 293,, Aug. 12, 1979. Masaru Hojo, et al. Chem. Lett. 1
976, 499-502, Robert W. Lang, et al. Helvetica Chimica Acta, 1988, 71, 596-601に見出される)に従って製造される。式7(式中、R2′は、低級アルキル又はアリール低
級アルキルである)の化合物は、塩基、例えば、炭酸カリウム及び、場合により相間移動触媒の存在下、ヨードメタン、臭化ベンジルのようなアルキル化剤で処理することによる、式6の化合物のアルキル化によって得られる。低反応性アルキル化剤には、アルカリ金属水酸化物のような強力な塩基の使用及び反応混合物の加熱が必要である。上記と同義の式7の化合物を、臭素、N−ヨードスクシンイミド又はN−ブロモスクシンイミドのような従来のハロゲン化剤により、氷酢酸又は酢酸水溶液のような適切な溶媒中で処理することにより、3位でハロゲン化して、式8(式中、Xは、Br又はIであり、R2′は、独
立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル又はアリール低級アルキルであり、R3
及びR5′は、水素、低級アルキル又はペルフルオロ低級アルキルである)のハロピリド
ンが得られる。過剰量のハロゲン化剤で処理することによって、R4′がハロゲンである
構造8の化合物が得られる。R2′がアリールである式8の化合物では、既知の化合物で
あるN−アリールピリドンを用いて出発するか、又はMasakatusu, et al., Chem. Pharm.
Bull. 1997, 45, 719に記載されているように、例えば、ウルマンカップリング反応を使用してアリール部分を導入することが都合が良い。
【0074】
【化19】

【0075】
反応スキーム3に示すように、式8の化合物を式3又は5のフェニルアラニン誘導体とのパラジウム触媒カップリング反応に使用することができる。例えば、Mが置換スズの場合、式8と式3又は5のフェニルアラニンの混合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又は二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのようなパラジウム(0)の供給源によりDMFのような不活性溶媒の存在下、室温〜100℃の温度で処理して、式9又は10の化合物を得る。構造9の化合物は、P1の選択に応じた常法に
より達成できる保護基P1の除去によって構造10の化合物に変換できる。例えば、P1がBoc基の場合、場合により塩化メチレンのような溶媒及び掃去剤の存在下、トリフルオロ酢酸のような強酸により処理することによって除去できる。得られる遊離アミンを、次に、従来のペプチドカップリング技術を使用して式:R1′CO2Hの酸によりアシル化できる。例えば、DMFのような非プロトン性溶媒の存在下、ジエチルイソプロピルアミンのような第三級アミン塩基の存在下でHBTUにより処理することによって構造10の化合物を得る。
【0076】
遊離酸11が所望の最終生成物である場合、エステル基P2は、常法により除去できる
。例えば、P2が低級アルキル、例えばメチルの場合、適切な溶媒、例えば、場合により
、溶解性を促進するためにメタノールを含有する水性THF中、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウムにより処理することによって除去できる。P2がベンジル又は置
換ベンジル基の場合、貴金属触媒、例えば、パラジウム担持炭上で接触水素化により除去することもできる。
【0077】
【化20】

【0078】
あるいは、反応スキーム4に示すように、構造8(ここで、Xは、臭素又はヨウ素である)の化合物を式12(式中、M′は、置換スズ、ホウ素又は亜鉛原子である)の種類に変換できる。M′が置換スズ又はホウ素原子を表わすスズ又はホウ素誘導体の場合、変換は、
【0079】
【化21】

【0080】
パラジウム(0)の供給源の存在下、適切な種類、例えば、ヘキサメチルジチン、ヘキサブチルジチン又はテトラアルコキシジボロンにより処理することによって実施することができる。M′がZn(ハロゲン)である亜鉛誘導体12の形成のため、変換は、式8(式中、XはIである)の化合物を適切な不活性溶媒、例えば、ジメチルアセトアミドの存在下、活性亜鉛金属の供給源により、室温〜100℃で変換が完了するまで処理して、式12(式中、M′は、Zn(ハロゲン)である)の化合物を得ることにより実施される。式12のこれらの化合物を、パラジウム(0)の供給源の存在下、式4′(式中、X′は、ヨード、ブロモ又はトリフルオロメチルスルホニルオキシである)の4−置換フェニルアラニン誘導体と反応させて式10′の化合物を得ることができる。P2で表わされるエス
テル基が目的化合物の一部にない場合、特定のP2に適切なエステル加水分解手順を使用
して除去することができる。例えば、P2が低級アルキル、例えばメチルの場合、アルカ
リ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウムを使用して標準的な塩基加水分解により除去することができる。この手順の変形において、カップリング反応を通して保護基を担持し、後で置換することが望ましい。この場合、式2′(式中P1′は低級アルコキシカルボニ
ル又はベンジルオキシカルボニルであり、そしてX′は、上記と同義である)の化合物を構造12のピリドンと結合させて構造9′の化合物を得て、その化合物を、次に、上記の反応スキーム3に記載した一般的手順を使用して本発明の化合物に変換できる。
【0081】
反応スキーム5に示すように、本発明の化合物の代替経路は、R7′が水素以外である
化合物に特に適用でき、式14のアルデヒドを構築する。これは、式12の化合物を式13(式中、R7′は低級アルキル又は低級アルコキシを表わし、X”は、トリフルオロメ
チルスルホニルオキシ部分のヨウ素又は臭素を表わし、そしてR8は、保護アルコール又
はアルデヒドを表わす)の化合物と反応させることにより達成することができる。アルコールでは、適切な保護基は、シリルエーテル及びベンジルエーテルが挙げられる。必要であれば、アルデヒドはそのアセタール誘導体として保護される。式12の化合物は、R8
がアルコールの場合、保護基の除去、必要であれば続く酸化に関連する変換工程により式15のアルデヒドに変換することができる。第一級ベンジルアルコールのアルデヒドへの選択的酸化のため、あらゆる慣用の試薬を使用することができ、例えば、不活性溶媒中の活性二酸化マンガンによる処理がある。R8が保護アルデヒドを表わす場合、式15のア
ルデヒドへの変換は、適切な保護基の除去、例えば、希酸によるアセタールの加水分解によって実施することができる。式15を反応させて式16のデヒドロアミノ酸を得ることは、式17(式中、P1′は低級アルコキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルで
あり、そしてP2は上記と同義である)のウィッティッヒ試薬を用いる処理によって実施
することができる。例えば、式15を適切な塩基、例えば、テトラメチルグアニジンの存在下、(±)−N−(ベンジルオキシカルボニル)−α−ホスホノグリシントリメチルエステルで処理して式16(式中、P2はメチルであり、そしてP1′はベンジルオキシカルボニルである)のデヒドロアミノ酸を直接得る。式16のL−アミノ酸18へのエナンチオ選択還元は、この目的に適切な多数の還元剤、例えば、最近記載されたエチル−DuPHOSロジウム試薬(Burk, M. J., Feaster, J. E.; Nugent, W. A.; Harlow, R. L. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 10125)を用いて、実質的には文献の手順を使用して実施することができる。式18の本発明の化合物への更なる変換は、上記で考察した一般的手順を使用して実施することができる。あるいは、反応スキーム5で概説した一般的方法は、R7
が水素以外である構造4又は4′の化合物を製造することに使用できる。構造4又は4′のこれらの化合物は、次に、反応スキーム1〜4に概説したようにして本発明の化合物を製造することに適用できる。
【0082】
【化22】

【0083】
1つの実施態様において、構造11のN−アシル基R1′は、2−置換安息香酸から誘導
される。適切な2−置換安息香酸は、市販されているか、又は常法により製造できるかのいずれかである。例えば、オルト置換ヨウ化アリール又はトリフラートは、一酸化炭素及び適切なパラジウム触媒の存在下、カルボニル化される。そのようなヨウ化物又はトリフラート中間体の製造は、所望の特定の置換パターンに依存し、それらは、アニリンを直接ヨウ素化またはジアゾ化し、続いてヨウ化物の供給源、例えば、ヨウ化カリウムにより処理することによって得ることができる。トリフラートは、例えば、不活性溶媒中、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理する常法によって対応するフェノールから誘導される。反応スキーム6に示すように、オルト置換安息香酸を得る別の方法は、化合物19(ここで、Z1
及びZ2は、水素、アルキル、クロロ、ペルフルオロ低級アルキル又は低級アルコキシで
ある)のような2−メトキシフェニルオキサゾリン誘導体をアルキルグリニャール試薬で処理し、続いてMeyers, A. I., Gabel. R., Mihelick, E. D, J. Org. Chem. 1978, 43, 1372-1379に記載の一般的手順に従ってオキサゾリン環を加水分解して、式20の酸を得
ることに関する。2−又は2,6−ジ置換ベンゾニトリルも対応する安息香酸に対して都合の良い前駆体として役立つ。高度に束縛されたニトリル、例えば、2−クロロ−6−メチルベンゾニトリルの場合、酸性又は塩基条件下での従来の加水分解は困難であり、対応するベンズアルデヒドへのDIBAL還元、続いてクロム性酸化試薬を使用する酸化によって
より良い結果が得られる。他の方法は、Chen, et.al., WO 9910312に例示されている。
【0084】
【化23】

【0085】
次に反応スキーム7を参照すると、式23の環状酸は既知の化合物であるか、又は標準的な方法論を使用して製造できる。置換アルキル−又はシクロアルキルカルボン酸の製造では、アルキル化反応は、酸のアルキル金属ジアニオン又は対応するエステルのモノアニオンを使用して適用できる。例えば、式21のシクロアルキルカルボン酸エステルは、不活性溶媒、例えば、THF中、強塩基、例えば、リチウムジイソプロピルアミドで処理することができ、続いて基R41−Lv(ここで、R41は、置換ベンジル、低級アルキル、低級アルコキシアルキル、アジド低級アルキル等の所望の側鎖を表わし、そしてLvは、臭素、ヨウ素、メシラート又はエステルエノラートアルキル化反応に関与することが知られている同様の基のような離脱基を表わす)を加える。生成物、エステル22は、適切な溶媒、例えば、水性アルコール中、アルカリ金属水酸化物を使用して酸23に加水分解される。R41の性質及び最終的な目的物に応じて、化合物23は、化合物1のようなアミンに結合され、目的物に直接変換されるか、又はR41は合成の適切な時点で更なる操作に付される。例えば、R41がアジド低級アルキル部分である場合、アジ化物は、例えば、トリアルキルホスフィン試薬を使用して還元され、続いて生成物であるアミンがアルキル化、アシル化、スルホニル化及び当業者に周知の関連する手順により官能化される。R41が離脱基、例えば、末端臭素原子を組み込む場合、この基は適切な求核剤、例えば、ナトリウムメチルメルカプチドにより置換されて、この場合は、チオエーテルを得て、これが所望の生成物となるか、又は、これを更に操作でき、例えば、標準的な反応条件を使用してスルホキシド若しくはスルホンに酸化できる。本発明の化合物をもたらす中間体を生成するために使用できる他の求核剤には、シアン化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、アジ化ナトリウム、モルホリン他が挙げられる。R41がケタール基を組み込む場合、この基は合成の都合の良い時点で加水分解され、ケト基が得られる。この基は、次に、更に操作され、例えば、アルコールに還元されるか、又はオキシムのような誘導体に変換される。
【0086】
式23の化合物の合成に対するこれらの方法の適用例は、Chen, et al. WO 9910313に
提示されている。
【0087】
【化24】

【0088】
一般的に、R1がY−1である化合物の製造に必要なオルト置換芳香族酸は、Chen, et al., WO 9910312の例示と同様にして製造できる。
【0089】
式28(式中、R43は低級アルキル又はシクロアルキルである)の2−クロロ−6−アルキル安息香酸の合成では、反応スキーム8に記載された手順が特に適切である。したがって式24の市販されているアルデヒドは、不活性疎水性有機溶媒、例えば、ヘプタン中、ブチルアミンにより処理してイミン25(ここで、R42は低級アルキル、好ましくはブチルである)に変換される。得られた式25の化合物を、不活性溶媒、例えば、THF中、過剰量のグリニャール誘導体26により処理し、続いて反応の間、酸処理して式27のアルデヒドを得る。式27の式28の酸への酸化は、常法により、例えば、式27の溶液を水性アセトニトリルのような適切な溶媒中、亜塩素酸ナトリウム及び30%過酸化水素により室温以下で処理することにより実施できる。
【0090】
【化25】

【0091】
合成の最後でのエステル部分の導入に更に都合が良いように、本発明の化合物のプロドラッグエステルを製造することが望ましい。このために、カルボン酸からエステルを形成する種々の慣用の技術が使用される。有用である典型的な方法としては、アルコールを酸、例えば、塩酸の存在下、カルボン酸に結合させる、フィッシャーエステル化として一般に知られている手順が挙げられる。あるいは、カルボン酸とアルコールとの間をジイミド仲介するカップリングを、場合により4,4−ジメチルアミノピリジンのような助触媒を使用して適用してよい。典型的なジイミドはジシクロヘキシルカルボジイミドである。他の代替案は、カルボン酸を塩基、例えば、重炭酸ナトリウム、及び不活性溶媒、例えば、DMFの存在下、反応性ハロゲン化アルキル、例えば、ヨウ化アルキル又は塩化アシルオキシメチルにより処理することである。特定の方法の選択は、カルボン酸と所望のエステル部分との特定の組み合わせの特性により決定され、当業者には明白である。プロドラッグを構成するエステル基は、合成の都合の良い任意の時点で導入できる。例えば、式1の基P2は、所望のプロドラッグエステルを表わし、最終生成物に保持される。
【実施例】
【0092】
以下の実施例は、例示を目的とするもので、いかなる形であれ本発明を限定することを意図しない。
【0093】
一般的な方法:
融点は、Thomas-Hoover装置を用いて測定して、補正しなかった。旋光度は、Perkin-Elmer 241型の旋光計によって測定した。H−NMRスペクトルは、内部標準としてテト
ラメチルシラン(TMS)を使用して、Varian XL-200、Mercury-300及びUnityplus 400MHzの分光計により記録された。電子衝撃(EI、70ev)および高速原子衝撃(FA
B)質量スペクトルは、VG AutospecまたはVG 70E−HF質量分析計を用いて測定した。カラムクロマトグラフィーに使用されるシリカゲルは、フラッシュクロマトグラフィー用のMallinkrodt SiliCar 230〜400メッシュのシリカゲルで;カラムは、流速を上げるために最初窒素圧0〜5psiの窒素のもとで作動させた。薄層クロマトグラムは、E. Merck(E. Merck # 1.05719)によって供給されているシリカゲルで覆われているガラス薄
層プレート上で行い、I2気体への暴露によって、暗箱(ビューボックス)中の254nm
の紫外線のもとで見ることにより、あるいは水性エタノール中、リンモリブデン酸(PM
A)またはCl2への暴露のあと、E. Von Arx, M. Faupel and M Brugger, J. Chromatography, 1976, 120, 224-228により調製された4,4′−テトラメチルジアミノジフェニ
ルメタン試薬のいずれかを噴霧することによって、視覚化された。逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)は、典型的にはアセトニトリル:水(各々TFA0.75%を含む)の5〜95%のアセトニトリルの勾配を用いて、流速49mL/分で、35〜40分間かけて41.4×300mm、8μM、Dynamax(登録商標)C−18のカラムを用いるRainin HPLCを使用して実施された。HPLC条件は、典型的にフォーマット(5
−95−35−214)に記載されている;これは、214nMの波長でUV検出器により溶離液をモニタリングすると共に、35分間かけて水中アセトニトリル5%〜95%の直線勾配を意味する。
【0094】
メチレンクロリド(ジクロロメタン)、2−プロパノール、DMF、THF、トルエン、ヘキサン、エーテルおよびメタノールがフィッシャー試薬等級であって、アセトニトリルがフィッシャーまたはベーカーhplc等級であり、そのまま使用したと注記したこと以外は、さらに精製せずに使用した。
【0095】
本明細書で使用される定義:
THFは、テトラヒドロフラン、
DMFは、N,N−ジメチルホルムアミド、
DMAは、N,N−ジメチルアセタアミド、
HOBTは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、
BOPは、〔(ベンゾトリアゾール−1−イル)オキシ〕トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、
HATUは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、
HBTUは、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、
DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミン、
DMAPは、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、
DPPAは、ジフェニルホスホリルアジド、
DPPPは、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、
DBUは、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン、
NaHは、水素化ナトリウム、
ブラインは、飽和塩化ナトリウム水溶液、
TLCは、薄層クロマトグラフィー、
LDAは、リチウムジイソプロピルアミド、
BOP−Clは、塩化ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸、
NMPは、N−メチルピロリジノン、
ローソン(Lawesson)試薬は、〔2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド〕、
NISは、無水N−ヨードスクシンイミドである。
Biotageカラム上のシリカゲルクロマトグラフィーは、あらかじめ充填した40g(40
sカラム)、90g(40mカラム)または800g(75mカラム)を使用するDyax CorporationのBiotage Divisionにより供給されるフラッシュクロマトグラフィー系の使用を意味する。溶出は、窒素圧10〜15psiの下でヘキサン−酢酸エチル混合物により実
施される。
【0096】
実施例1
N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル。
【0097】
【化26】

【0098】
N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−ヨード−L−フェニルアラニンメチルエステル(5.3g、13mmol)およびヘキサブチルジチン(27.5mL、54mmol)のトルエン(50mL)溶液は、真空下、液体窒素浴中での凍結とアルゴン下での解凍を交互に行う(3x)ことによって、脱酸素化された。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが添加され(280mg、0.22mmol)、反応混合物を45分間加熱還流すると、色が、黄色から黒に変化した。TLC(酢酸エチル:ヘキサン、1:6)は、若干の出発原料のヨウ化物の存在を示し、触媒の追加の部分(140mg、0.11mmol)を添加した。還流は、1時間続けられた。混合物を、冷却して、濃縮した。残渣をヘキサン(200mL)およびトリエチルアミン(30mL)にとり、30分間撹拌して、濾過した。濾液は、濃縮して、150gのシリカゲルを含む乾燥シリカゲルカラム上でクロマトグラフに付し、ヘキサン、その後酢酸エチル:ヘキサン(1:6)で溶出し、透明な油状物としてN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(5.7g、77%)が得られた。LR(+)LSIMS(C27H47NO4Sn):m/z 1081(2M−C4H9)57
0(M+H)。
【0099】
実施例2
2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロピリジン
【0100】
【化27】

【0101】
酢酸(25mL)中の2−アミノ−5−クロロピリジン(5.14g、40mmol)および無水酢酸ナトリウム(3.29g、40mmol)の懸濁液を、機械的に撹拌し、浴温度45℃に温めた。酢酸(2mL)中の臭素(2.1mL、40mmol)の溶液を、1時間かけて加えた。得られたオレンジ色の混合物を、15℃に冷却し、濾過した。固体を、水400mLに取り、1N NaOHを加えて、懸濁液を塩基性にして、懸濁液を酢酸エチル(5×10
0mL)で抽出した。合わせた抽出物を、10%のNaHSO3で洗浄(1×100mL)し
、MgSO4で乾燥させた。濃縮により、2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロピリジン
(4g、48%)、融点82〜84℃を得た。
【0102】
実施例3
3−ブロモ−5−クロロ−1H−2−ピリドン
【0103】
【化28】

【0104】
水(30mL)中の2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロピリジン(4.0g、19.3mmol)および濃HCl(5.2mL)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、水(12mL)中の亜硝酸ナトリウム(1.33g、19.3mmol)の溶液で10分かけて処理した。その混合物を、さらに10分撹拌し、48時間かけて室温まで温めた。混合物を濾過した。固形物を、水、次いでCCl4で洗浄し、真空下で3時間、50℃で乾燥させ、3−ブロモ−5
−クロロ−1H−2−ピリドン(2.77g、69%)、融点173.5〜175℃を得た。
【0105】
実施例4
3−ブロモ−5−クロロ−メチル−2−ピリドン
【0106】
【化29】

【0107】
DME 10mL中の3−ブロモ−5−クロロ−1H−2−ピリドン(930mg、4.4
6mmol)、炭酸カリウム(1.25g、9.1mmol)およびヨードメタン(2.8mL、45mmol)の混合物を18時間加熱還流した。混合物を熱いまま濾過し、濃縮した。残渣を、酢酸エチルから再結晶し、3−ブロモ−5−クロロ−1−メチル−2−ピリドン(740mg、74%)、融点162〜163℃を得た。HRMS(C6H5BrClNO):実測質量220.9249、計算質量220.9243(M+H)。
【0108】
実施例5
4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0109】
【化30】

【0110】
DMF(30mL)中の3−ブロモ−5−クロロ−1−メチル−2−ピリドン(660mg
、2.97mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(1.7g、2.99mmol)の溶液から、真空下、液体窒素浴での凍結とアルゴン下での解凍を交互に行う(3X)ことによって、酸素を除去した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(140mg、0.20mmol)を加え、90℃で3時間加熱すると、混合物は暗色化した。TLCは反応が完了していないことを示した。そこで、さらに触媒を140mg加え、4時間加熱を続けた。混合物を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を蒸発させて乾燥させ、残渣をエーテル:酢酸エチル1:1(60mL)中で溶解させた。この溶液を、水(3×10mL)およびブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濃縮により得られた残渣を、シリカゲル150g上でクロマトグラフィ
ーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(7:3)で溶離し、4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(670mg、54%)を得た。LRMS−エレクトロスプレー:m/z 863(2M+Na)、858(2M+NH4)、443(M+Na
)、438(M+NH4)、421(M+H)。
【0111】
実施例6
4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
【0112】
【化31】

【0113】
ジオキサン(10mL)中の4N HClの4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ
−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(210mg、0.50mmol)の溶液を、1時間撹拌し、濃縮して、4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(140mg)を白色粉末として得た。LR(+)LSIMS:m/z 641(2M+H)、321(M+H)。
【0114】
実施例7
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0115】
【化32】

【0116】
DMF(3mL)中の4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(89.5mg、0.25mmol)、2−クロロ−6−メチル安息香酸(47mg、0.28mmol)、DIEA(175μL、1.0mmol)
およびHBTU(133mg、0.35mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)中に溶解させ、0.5N HCl(1×5mL)、
飽和NaHCO3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄、乾燥させた(MgSO4)。蒸発後得られた残渣を、シリカゲル25g上でクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(3:1)で溶離し、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(54mg)を得た。LR(+)LSIMS:m/z 962(2M+
NH4)、945(2M+H)、490(MH+NH4)、473(M+H(2 Cl)
)。
【0117】
実施例8
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン
【0118】
【化33】

【0119】
THF(3mL)中のN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(51mg、0.108mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(18mg、0.43mmol)の溶液で処理した。さらにTHFを加え、清澄な溶液にし、その反応混合物を1時間撹拌した。TLC(酢酸エチル)は、出発原料が消費されたことを示した。酢を数滴加え、全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの直線勾配で35分かけて溶離した。画分を含
む生成物を凍結乾燥させ、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)−カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン(40mg、82%)を白色固体として得た。LR−エレクトロスプレー:m/z陽イオン、481(M+Na)、459(M+H(2Cl));陰イオン、457(M−H(2Cl))。
【0120】
実施例9
4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕−カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0121】
【化34】

【0122】
DMF(3mL)中の4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(47.4mg、0.25mmol)、1−(2−メトキシエチル)シクロペンタンカルボン酸(47mg、0.28mmol)、DIEA(175μL、1.0mmol)およびHBTU(133mg、0.35mmol)の溶液を、室温で4時
間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解させ、0.5N HC
l(1×5mL)、飽和NaHCO3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄し、乾燥
した(MgSO4)。蒸発後得られた残渣を、シリカゲル25g上でクロマトグラフィー
にかけ、酢酸エチルで溶離し4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(70.5mg、59%)を得た。LR−エレクトロスプレー:m/z 陽イオン、943(2M+Na)、483(M+Na)、478(M+NH4)
、461(M+H);陰イオン919(2M−H)、521,459(M−H)。
【0123】
実施例10
4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニン
【0124】
【化35】

【0125】
THF(3mL)中の4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシ−エチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(69mg、0.145mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(24.3mg、0.58mmol)の溶液で処理した。混合物の溶液が得られるまで、充分なTHFを加えた。混合物を1時間撹拌し、酢酸を数滴加えた。全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの直線勾配で35分かけて溶離した。画分を含む生成物を凍結乾燥させ、4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニン(48mg、72%)を白色の固体として得た。LR−エレクトロスプレー:m/z 陽イオン943(2M+Na)、
483(M+Na)、478(M+NH4)、461(M+H);陰イオン919(2M−H)、521,459(M−H)。
【0126】
実施例11
1−ベンジル−3−ブロモ−5−クロロ−2−ピリドン
【0127】
【化36】

【0128】
3−ブロモ−5−クロロ−1H−2−ピリドン(950mg、4.56mmol)、粉砕したばかりの炭酸カリウム(1.26g、9.1mmol)およびテトラブチル塩化アンモニウム(100mg)の混合物を30分間、溶媒なしで機械的に撹拌し、臭化ベンジル(0.56mL、4.7mmol)を加えた。この混合物を室温で72時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。次いで、固形物を酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発、乾燥させ、残渣を数回に分けてヘキサンで粉末にした。残渣を、シリカゲル90g上でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン:酢酸エチルを3:1の割合で用い、続いて100%の酢酸エチルを用いて溶離し、l−ベンジル−3−ブロモ−5−クロロ−2−ピリドン(423mg、31%)、融点108〜110℃を得た。LR(+)LSIMS:m/z 595(2M
+H、2Cl、2Br)、298(M+H、1Cl、1Br)。
【0129】
実施例12
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0130】
【化37】

【0131】
DMF(15mL)中の1−ベンジル−3−ブロモ−5−クロロ−2−ピリドン(296mg、0.98mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(560mg、0.99mmol)の溶液から、真空下、液体窒素浴での凍結とアルゴン下での解凍を交互に行う(3X)ことによって、酸素を除去した。二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80mg、0.11mmol)を加え、混合物を90℃で4時間加熱すると、混合物は暗色化した。触媒をさらに60mg加え、加熱を2時間続けた。混合物を冷却し、ジクロロメタンで希釈、セライトのパッドを介して濾過した。濾液を蒸発、乾燥させ、残渣をシリカゲル150g上でクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)で溶離し、4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(255mg、52%)を得た。LMS−エレクトロスプレー:m/z 1015(2M+Na)(4Cl)51
9(M+Na)514(M+NH4)497(M+H)。
【0132】
実施例13
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
【0133】
【化38】

【0134】
ジオキサン(10mL)中の4N HCl中の1−ベンジル−4−(5−クロロ−2−オ
キソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)−カルボニル〕−L−フ
ェニルアラニンメチルエステル(248mg、0.50mmol)の溶液を1時間撹拌し、濃縮した。残渣をエーテル(15mL)で粉末にし、濾過して4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(202mg、94%)を白色の粉末として得た。LR−エレクトロスプレー:m/z 1015(2M+
Na,4Cl),519(M+Na)514(M+NH4),497(M+H)。HRMS:実測質量496.1774、計算質量496.1765(M+H)。
【0135】
実施例14
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0136】
【化39】

【0137】
DMF(2mL)中の4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.23mmol)、2−クロロ−6−メチル安息香酸(47mg、0.28mmol)、DIEA(200μL、1.2mmol)
およびHBTU(133mg、0.35mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解させ、0.5N HCl(1×5mL)
、飽和NaHCO3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄し、乾燥させた(MgS
4)。蒸発後得られた残渣を、シリカゲル25g上でクロマトグラフィーにかけ、酢酸
エチル:ヘキサン(45:55)で溶離し、4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(74mg、58%)を得た。実測質量 397.131
3、計算質量397.1320(M+H)
【0138】
実施例15
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニン
【0139】
【化40】

【0140】
THF(3mL)中のN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(72mg、0.13mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(22mg、0.52mmol)の溶液で処理した。さらにTHFを加え、清澄な溶液を得た。この反応混合物を1.5時間撹拌したが、この時、TLC(酢酸エチル)は出発原料が消費されたことを示した。酢を数滴加え、全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの直線勾配で35分かけて溶離した。画分を含む生成物を凍結乾燥させ、4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニン(50mg、71%)を白色固体として得た。LR−エレクトロスプレー:m/z陰イオン533、(M−H(2 Cl));陽イオン557(M+Na)、552(M
+NH4)、535(M+H(2 Cl))。実測質量535.1190、計算質量53
5.1191(M+H)。
【0141】
実施例16
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕−カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0142】
【化41】

【0143】
DMF(2mL)中の4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.25mmol)、1−(2−
メトキシエチル)シクロペンタンカルボン酸(47mg、0.28mmol)、DIEA(200μL、1.2mmol)およびHBTU(133mg、0.35mmol)の溶液を、室温で18
時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解させ、0.5N H
Cl(1×5mL)、飽和NaHCO3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄し、乾
燥させた(MgSO4)。蒸発後得られた残渣を、シリカゲル25g上でクロマトグラフ
ィーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(60:40)で溶離し、4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(80mg、63%)を得た。LR−エレクトロスプレー:m/z 1123(2M+Na),1118(2M+NH
4),573(M+Na),568(M+NH4),551(M+H(1 Cl))。H
RMS:実測質量551.2297、計算質量551.2313(M+H)。
【0144】
実施例17
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕−カルボニル〕−L−フェニルアラニン
【0145】
【化42】

【0146】
THF(3mL)中の4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(78mg、0.142mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(24mg、0.57mmol)の溶液で処理した。充分なTHFを加えて、混合物の溶液を得た。この混合物を1時間撹拌し、酢酸を数滴加えた。全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの勾配で35分かけて溶離した。画分を含む生成物を凍結乾燥させ、4−(5−クロロ−1−ベンジル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕−カルボニル〕−L−フェニルアラニン(45mg、60%)を白色固体として得た。LRMS−エレクトロスプレー:m/z陽イオン559(M+Na)、554(M+NH4)、537(M+H(1 Cl));陰イオン535(M−H(1 Cl))。HRMS:実測質量537.2151、計算質量537.2156(M+H)。
【0147】
実施例18
3−ブロモ−1H−2−ピリドン
【0148】
【化43】

【0149】
1M水性臭化カリウム(20mL)中の1H−2−ピリドン(1.9g、20mmol)の溶液に、1Mの水性臭化カリウム(40mL)中の臭素(3.2g、20mmol)の溶液を5分かけて加えた。反応を一晩進め、得られた沈殿を集めて1.4gを得た。アセトニトリルからの再結晶で、3−ブロモ−1H−2−ピリドンを0.78g得た。
【0150】
実施例19
3−ブロモ−1−メチル−2−ピリドン
【0151】
【化44】

【0152】
DME(10mL)中の3−ブロモ−1H−2−ピリドン(740mg、4.25mmol)、炭酸カリウム(1.18g、8.5mmol)およびヨードメタン(2.65mL、42.5mmol)の混合物を一晩加熱還流した。混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を蒸発させて乾燥させた。残渣を、シリカゲル27g上でドライカラムクロマトグラフィーで、酢酸エチルで溶離して精製し、3−ブロモ−1−メチル−2−ピリドン(0.63g、79%)を得た。LRMS(エレクトロスプレー)、陽イオン、188(M+H)。
【0153】
実施例20
3−ブロモ−1−メチル−2−ピリドンおよび3,5−ジブロモ−1−メチル−2−ピリドン
【0154】
【化45】

【0155】
氷酢酸(150mL)中の1−メチル−2−ピリドン(2.73g、25mmol)および臭素(1.4mL、27mmol)の溶液を、室温で48時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を水(100mL)に取り、10N 水酸化ナトリウムでリトマス紙に対し塩基性を示すよう
にし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒を濾過し、蒸発させ、4.7gを得、これ
をシリカゲル150g上でドライクロマトグラフィーで、酢酸エチル:ヘキサン(1:6)で溶離して精製した。第1に溶離した化合物は、3,5−ジブロモ−1−メチル2−ピリドン(2.0g、30%)、LR−エレクトロスプレー:m/z 266(M+H(2 Br))。NMR(CDCl3)δ 3.597 (s, 3H), 7.426 (d, j=2.7, 1H), 7.791 (d,
j=2.7, 1H) であった。第2に溶離した化合物は、3−ブロモ−1−メチル−2−ピリド
ン(1.39g、30%)、LR−エレクトロスプレー:m/z陽イオン251(M+Na+CH3CN)、188(M+H)であった。
【0156】
実施例21
N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0157】
【化46】

【0158】
DMF(3mL)中の3−ブロモ−1−メチル−2−ピリドン(94mg、0.50mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(284mg、0.50mmol)の溶液から、真空下、液体窒素浴での凍結とアルゴン下での解凍を交互に行う(3X)ことによって、酸素を除去した。二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(40mg、0.057mmol)を加え、混合物を90℃で3時間加熱すると、混合物は暗色化した。TLCは反応が完了していないことを示した。さらに触媒を20mg加え、加熱を4時間続けた。混合物を冷まし、ジクロロメタン(20mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を蒸発させて乾燥させた。残渣をエーテル:酢酸エチル1:1(20mL)中で溶解させた。溶液を水(1×10mL)、5%のフッ化カリウム(2×5mL)および水(1×10mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濃縮により得られた残渣を、シリカゲル25g上でク
ロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(4:6)で溶離し、N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(64mg、33%)を得た。LRMS−エレクトロスプレー:m/z陽イオン、795(2M+Na)409(M+Na)387(M+H)。HRMS:実測質量387.1935、計算質量387.1920(M+H)。
【0159】
実施例22
4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
【0160】
【化47】

【0161】
ジオキサン(4mL)中の4N HCl中のN−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カル
ボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(60mg、0.155mmol)の溶液を2時間撹拌し、濃縮した。残渣を、数回にわけてエーテルで粉末にし、4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(55mg、定量)を白色の粉末として得た。LRMS−エレクトロスプレー:m/z陽イオン573(2M+H)328(M+H+CH3CN)319(M+H+CH3OH)287(M+H)。HRMS:実測質量287.1396、計算質量287.1396(M+H)。
【0162】
実施例23
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0163】
【化48】

【0164】
DMF(3mL)中の4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(52mg、0.16mmol)、2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(45mg、0.19mmol)、DIEA(140μL、0.80mmol)およびHBT
U(85mg、0.22mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解させ、0.5N HCl(1×5mL)、飽和NaHC
3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。蒸発後得られた残渣(85mg)を、シリカゲル25g上でクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチルで溶離し、N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(54mg、68%)を得た。HRMS:実測質量499.0872、計算質量499.0869(M+H)。
【0165】
実施例24
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン
【0166】
【化49】

【0167】
THF(3mL)中のN−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(52mg、0.104mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(20mg、0.47mmol)の溶液で処理した。メタノール(0.5mL)を加えて清澄な溶液を得、この反応混合物を18時間攪拌した。酢酸(0.5mL)を加え、全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの勾配で35分かけて溶離した。画分を含む生成物を凍結乾燥させ、N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン(39mg、78%)を白色固体として得た。HRMS:実測質量485.0703、計算質量485.0712(M+H)。
【0168】
実施例25
4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0169】
【化50】

【0170】
DMF(7mL)中の3,5−ジブロモ−1−メチル−2−ピリドン(267mg、1.0mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−〔(トリブチル)スタニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(568mg、1.0mmol)の溶液から、真空下、液体窒素浴での凍結とアルゴン下での解凍を交互に行う(3X)ことによって、酸素を除去した。二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80mg、0.11mmol)を加え、混合物を90℃で3時間加熱すると、混合物は暗色化した。TLCは反応が完了していないことを示した。そこで、さらに触媒を40mg加え、加熱を4時間続け
た。混合物を冷まし、ジクロロメタン(40mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を蒸発させて乾燥させ、残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解させた。溶液を、水(1×10mL)、5%のフッ化カリウム(2×10mL)およびブライン(1×5mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濃縮して得られた残渣を、シリカゲル45g上でクロマ
トグラフィーにかけ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)で溶離し、4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(140mg、30%)を得た。FAB
MS:465(M+H(1 Br))。
【0171】
実施例26
4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
【0172】
【化51】

【0173】
ジオキサン(5mL)中の4N HCl中のN−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カル
ボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(135mg、0.29mmol)の溶液を2時間撹拌し、濃縮した。残渣を数回に分けてエーテルで粉末にし、4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(120mg、定量)を白色の粉末として得た。LRMS−エレクトロスプレー:m/z陽イオン729,2M+H(2Br),406(M+H+CH3CN),397(M+H+CH3CN(1Br)),365(M+H 1Br))。HRMS:実測質量365.0504、計算質量365.0501(M+H)。
【0174】
実施例27
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル
【0175】
【化52】

【0176】
DMF(4mL)中の4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(120mg、0.30mmol)、2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(82mg、0.36mmol)、DIEA(260μL、1.5mmol)
およびHBTU(157mg、0.41mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(15mL)で溶解させ、0.5N HCl(1×5mL)
、飽和NaHCO3(1×5mL)、ブライン(1×5mL)で洗浄し、乾燥させた(MgS
4)。蒸発後得られた残渣(180mg)を、シリカゲル25g上でクロマトグラフィー
にかけ、酢酸エチル:ヘキサン(3:1)で溶離し、N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(130mg、76%)を得た。HRMS:実測質量576.9959、計算質量576.9973(M+H)
【0177】
実施例28
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン
【0178】
【化53】

【0179】
THF(3mL)中のN−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(29mg、0.05mmol)の溶液を、水(1.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(20mg、0.47mmol)の溶液で処理した。メタノール(0.5mL)を加え、清澄な溶液を得、この反応混合物を18時間撹拌した。酢酸(0.5mL)を加え、全反応混合物を4×30cmのC−18逆相HPLCカラムにかけ、水中で5〜95%のアセトニトリルの勾配で35分かけて溶離した。画分を含む生成物を凍結乾燥させ、N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ
−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン(22mg、79%)を白色固体として得た。HRMS:実測質量562.9814、計算質量562.9817(M+H)。
【0180】
実施例29
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0181】
【化54】

【0182】
DMF(2mL)中の4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(101mg、0.313mmol)、2−クロロ−6−メチル安息香酸(60mg、0.35mmol)およびHBTU(133mg、0.35mmol)の懸濁液に、DIEA(122μL、0.88mmol)を室温で加えた。得られた混合物を、15時
間撹拌した。次いでこの混合物を水(25mL)に注ぎ、有機化合物を酢酸エチル(2×15mL)中に抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、0.5N HCl(25mL)、飽和
NaHCO3溶液(25mL)、ブライン溶液(25mL)で連続して洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮により得た粗生成物を、Biotage(40s
)カラムを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルを122mg(収率88%)、非晶質の白色固体として得た。C2423ClN24(M+H)のFAB−HRMS m/e: 計算値439.
1425、実測値439.1414
【0183】
実施例30
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
【0184】
【化55】

【0185】
1N水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を、室温で、エタノール(6mL)中のN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(118mg、0.269mmol)の懸濁液に加えた。得られた溶液を、50℃に加熱して、2時間撹拌した。次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水(25mL)で希釈した。その水溶液をジエチルエーテル(25mL)で洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClで酸性化し、生
成物を酢酸エチル(2×25mL)中に抽出した。合わせた有機抽出物は、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンを81mg(収率71%)、白色固体として得た。:融点204〜210℃。C2321ClN24(M+H)のFAB−HRMS m/
e: 計算値425.1268、実測値425.1267
【0186】
実施例31
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
a) 1,4−ジメチル−2(1H)−ピリドンの製造
【0187】
【化56】

【0188】
DME(100mL)中の4−メチル−2(1H)−ピリドン(5g、45.82mmol)および炭酸カリウム(12.64g、91.64mmol)の懸濁液に、ヨードメタン(50.5g、366mmol)を室温で加え、次いでこの反応混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を室温に冷却して、水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン溶液(200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカ
ゲルクロマトグラフィーで精製し、1,4−ジメチル−2(1H)−ピリドンを2.5g
(収率44%)、非晶質の白色固体として得た。C79NO(M+H)のFAB−HRMS m/e:計算値123.0241、実測値123.0246
【0189】
b) 1,4−ジメチル−3−ヨード−2(1H)−ピリドンおよび1,4−ジメチル−5−ヨード−2(1H)−ピリドンの製造
【0190】
【化57】

【0191】
1,4−ジメチル−2−ピリドン(2.46g、20mmol)、トリフルオロ酢酸(31mL)およびトリフルオロ酢酸無水物(6.25mL)を含む反応混合物を、5分間還流した。次いで、NIS(5.62g、25mmol)を加え、この混合物を15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、形成された白色固体を濾過で集めた。濾液を飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×100mL)、ブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、溶媒を濃縮して、粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲル
クロマトグラフィーにより精製し、1,4−ジメチル−3−ヨード−2(1H)−ピリドンと1,4−ジメチル−5−ヨード−2(1H)−ピリドンの混合比〜1:1の混合物0.92g(収率5%)を得、これを直接次の工程で使用した。1H NMR (300 MHz, D6-DMSO, ppm) 8.06 (s, 1H), 7.6 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 6.4 (s, 1H), 6.2 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 3.4 (s, 3H), 3.3 (s, 3H), 2.3 (s, 3H), 2.15 (s, 3H)。
【0192】
c) N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルおよびN−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−5−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0193】
【化58】

【0194】
THF(1.0mL)中の亜鉛末(0.66g、10mmol)の懸濁液に、1,2−ジブロムエタン(86μL、1mmol)を室温で加えた。この懸濁液をエチレンガスの発生が止む
まで、ヒートガンで60〜65℃に加熱した。次いで、懸濁液を室温に冷却し、トリメチルクロロシラン(0.126mL、1mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。DMA(
3mL)中の1,4−ジメチル−3−ヨード−2(1H)−ピリドンおよび1,4−ジメチル−5−ヨード−2(1H)−ピリドン(0.92g、3.69mmol)の混合物を温めて溶解させ、その1部を前記反応混合物に加え、70℃に加熱して、15時間撹拌した。この時、アリコート(飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチしておいた)のTLC解析は出発原料の不在を示した。この反応混合物をTHF(4mL)で希釈して、室温に冷却した。過剰な亜鉛末を沈殿させ、透明な上澄み液を得た(〜3時間)。
【0195】
亜鉛化合物(3.69mmol)を含む上記の調製溶液を、THF(4mL)中のPd(dba)2(54mg、0.1mmol)、トリフリルホスフィン(102mg、0.4mmol)および
N−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−ヨード−L−フェニルアラニンメチルエステル(1.01g、2.5mmol)の溶液に室温で加え、その淡い黄色の混合物を50℃で15時間撹拌した。次いで、混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン溶液(150mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して組生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−〔(1,1
−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル0.141g(収率14%)を、非晶質の白色固体として得た。C222825(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値
423.1890、実測値423.1894。また N−〔(1,1−ジメチルエトキシ
ル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−5−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル0.350g(収率35%)を、非晶質の白色固体として得た。C222825(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値423.1890、実測値423.1897。

d) 4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩の製造
【0196】
【化59】

【0197】
ジオキサン(1mL)中のN−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(132mg、0.33mmol)の溶液に、ジオキサン(1.5mL)中の4N HCl溶液
を室温で加えた。この溶液を4時間撹拌して、真空下で濃縮した。残渣を、メタノール(5ml)およびトルエン(5mL)に溶解させ、真空下で濃縮し、4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を111mg(収率99%)、非晶質の白色固体として得た。C172923(M+)のEI−HRM
S m/e:計算値300.1474、実測値300.1486。
【0198】
e) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2
−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0199】
【化60】

【0200】
ジクロロメタン(2mL)中の4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(34mg、0.1mmol)および2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(25mg、0.12mmol)の懸濁液にDIEA(174μL、
1.0mmol)を室温で加えた。5分後、清澄な溶液が得られた。これを72時間撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(25mL)に溶解させ、0.5N H
Cl(25mL)、飽和NaHCO3溶液(25mL)、ブライン溶液(15mL)で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得、これを、Biotage(40s)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−〔(2
,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルを23mg(収率49%)、非晶質の白色固体として得た。C2422Cl224(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値495.0850、実測値495.0859。
【0201】
f) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
【0202】
【化61】

【0203】
エタノール(1mL)中のN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(20mg、0.04mmol)の懸濁液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を室温で加えた。この混合物を、40〜45℃に加熱して、3時間撹拌した。次いで、エタノー
ルを真空下で除去し、残渣を水(10mL)で希釈した。この水溶液をジエチルエーテル(25mL)によって洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClで酸性
化し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)中に抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン17mg(収率89%)を、非晶質の白色固体として得た。C2320Cl224(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値481.0691、実測値481.0699。
【0204】
実施例32
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
a) N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0205】
【化62】

【0206】
DMF(1.5mL)中の4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(68mg、0.2mmol)、2−クロロ−6−メチル安息香酸(45mg、0.25mmol)およびHBTU(95mg、0.25mmol)の懸濁液に、DIEA(174μL、1.0mmol)を室温で加えた。得られた溶液を72時間攪
拌し、混合物を水(25mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、0.5N HCl(25mL)、飽和NaHCO3溶液(25mL)、ブライン溶液(25mL)で連続して洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、溶媒を濃縮して粗生成物を得た。これをBiotage(40s)カラムでのシリカゲル
クロマトグラフィーにより精製し、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステルを24mg(収率27%)、非晶質の白色固体として得た。C2525ClN24(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値475.1395、実測値475.
1400。
【0207】
b) N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
【0208】
【化63】

【0209】
エタノール(1mL)中のN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(22mg、0.048mmol)の懸濁液に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を室温で加えた。得られた溶液を、40〜45℃に加熱して、2時間撹拌した。次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水(25mL)で希釈した。この水溶液を、ジエチルエーテル(25mL)で洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClで
酸性化し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)中に抽出した。合わせた抽出物は、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン18mg(収率86%)を、非晶質の白色固体として得た。C2423ClN24 (M+H)のES−HRMS m/e:計算値439.1419、実測値439.1425。
【0210】
実施例33
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
a) 1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドンの製造
【0211】
【化64】

【0212】
DME(25mL)中の6−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−2−ピリドン(2g、11.25mmol)およびカリウム炭酸塩(4.68g、33.9mmol)の懸濁液に、ヨードメタン(9.62g、67.8mmol)を室温で加え、反応混合物を一晩加熱還流した。この反応混合物を、室温に冷却して、水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物は、ブライン溶液(200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、溶媒を濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1,6−ジメ
チル−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドンを2.1g(収率97%)、白色固体として得た:融点80〜82℃。C883NO(M+)のEI−HRMS m/e:計算値191.0558、実測値191.0559。
【0213】
b) 1,6−ジメチル−3−ヨード−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドンの製造
【0214】
【化65】

【0215】
1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドン(2.1g、10.98mmol)、トリフルオロ酢酸(18mL)およびトリフルオロ酢酸無水物(3.5mL)を含む混合物を、5分間還流した。次いで、NIS(3.15g、14mmol)を加え反応混合物を15時間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。残渣を、酢酸エチル(100mL)で希釈して、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×100mL)およびブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグ
ラフィーにより精製し、1,6−ジメチル−3−ヨード−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドン2.15g(収率62%)を、非晶質の白色固体として得た。C873
NO(M+)のEI−HRMS m/e:計算値316.9524、実測値316.9527。
【0216】
c) N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0217】
【化66】

【0218】
THF(2.0mL)の亜鉛末(1.96g、30mmol)の懸濁液に、1,2−ジブロモ
エタン(172μL、2mmol)を室温で加えた。この懸濁液をエチレンガスの発生が止む
まで、ヒートガンで60〜65℃に加熱した。次いで、懸濁液を室温に冷却し、トリメチルクロロシラン(127μL、1mmol)を加え、この混合物を15分間撹拌した。DMA
(6mL)中の1,6−ジメチル−3−ヨード−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリドン(2.15g、6.78mmol)の懸濁液を、ヒートガンで加温溶解させ、1部を反応混合物に加えた。加えた後、混合物を70℃に加熱して、15時間撹拌した。この時、アリコート(飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチしておいた)のTLC解析は出発原料の不在を示した。反応混合物を、THF(6mL)で希釈し、室温に冷却し、過剰な亜鉛末を沈殿させた。亜鉛化合物(6.78mmol)を含む上記の調製溶液を室温で、THF(8mL)中のPd(dba)2(108mg、0.2mmol)、トリフリルホスフィン(204mg、0
.8mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−ヨード−L−フェニルアラニンメチルエステル(1.62g、4mmol)の溶液に加え、その淡い黄色の混合物を50℃で15時間撹拌した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン溶液(150mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−
〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル0.711g(収率38%)を、非晶質の白色固体として得た。C2327325
M+Na)のES−HRMS m/e:計算値491.1764、実測値491.177
0。
【0219】
d) 4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩の製造
【0220】
【化67】

【0221】
ジオキサン(3mL)中のN−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(132mg、0.33mmol)の溶液に、ジオキサン(4.5mL)中の4N HCl溶液を室温で加えた。溶液を4時間撹拌すると、白色固体が形
成された。この混合物をジエチルエーテル(50mL)で希釈し、固形物をジエチルエーテルで濾過水洗して集めた。高真空下での乾燥後、4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩315mg(収率92%)を、非晶質の白色固体として得た。C1819323
M+Na)のES−HRMS m/e:計算値391.1241、実測値391.124
1。
【0222】
e) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0223】
【化68】

【0224】
ジクロロメタン(6mL)中の4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(150mg、0.37mmol)および2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(85mg、0.4mmol)の懸濁液にDIEA(257μL、1.48mmol)を室温で加えた。5分後、清澄な溶液を
得て、これを48時間撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解させた。酢酸エチル溶液を、0.5N HCl(50mL)、飽和NaHCO3溶液(50mL)およびブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより精製し、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル190mg(収率95%)を、非晶質の白色固体として得た。C2521Cl2324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値5
63.0724、実測値563.0726。
【0225】
f) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
【0226】
【化69】

【0227】
エタノール(6mL)中のN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(177mg、0.326mmol)の懸濁液に1N水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を室温で加えた。混合物を5時間撹拌し、次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水(20mL)で希釈した。水溶液をジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClによって酸性化し、生成
物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン159mg(収率92%)を白色固体として得た:融点238〜240℃。C2419Cl2324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値549.0567、実測値549.0570。
【0228】
実施例34
N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
a. 2−エチル−6−メチル安息香酸の製造
【0229】
【化70】

【0230】
250mLの耐圧瓶に、2−エチル−6−メチルヨードベンゼン(30.07mm ol、7
.4g)、Pd(OAc)2(1.43mmol、334mg)およびdppp(1.43mmol
、620mg)を充填した。フラスコは、隔壁で閉じて、アルゴンで3回排気した。次いで、シリンジを使ってアセトニトリル(96mL)、トリエチルアミン(189mmol、19.0g、26.25mL)および水(19.1mL)を連続して加え、ゴムの隔壁を、一酸化炭素ソースに接続したテフロンで裏打ちされたキャップと取り替えた。フラスコをここで一酸化炭素(40psi)で加圧し、過剰な圧力は放出した。このプロセスを3回繰り返し、
最後に混合物を一酸化炭素40psi加圧下で5分間撹拌した。フラスコを次いで一酸化炭
素シリンダーから切り離して、予熱した油浴(83〜85℃)に浸漬した。この反応混合物は1時間の間に黒色に変化した。これをこの温度でさらに14時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、圧力を放出した。得られた混合物を、エーテル(200mL)および1.0N NaOH(20mL)で希釈した。形成した酸を、水(2×100mL)に抽出した。合わせた水抽出物を1.0N HClで中和し、この酸をジクロロメタン(3×
100mL)中に抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物をブライン溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。乾燥剤を濾去し真空下で溶媒を除去し、粘着性の茶色の油状物3.
58g(72.5%)を得て、これを一晩ゆっくりと凝固させた。HRMS:実測質量164.0833、計算質量164.0837(M+)。
【0231】
b. 2−エチル−6−メチルベンゾイルクロリドの製造
【0232】
【化71】

【0233】
DMF(1滴)を含むジクロロメタン(3mL)中の2−エチル−6−メチル安息香酸(49mg、0.30mmol)の溶液を塩化オキサリル(0.14mL、1.6mmol)で処理し、混合物を15時間撹拌した。この混合物を濃縮し、トルエンと共沸して痕跡量の塩化オキサリルを除去した。残渣を直接、次の段階に使用した。
【0234】
c. N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0235】
【化72】

【0236】
上記で製造した酸塩化物の混合物、すなわち、ジクロロメタン(5mL)中の4−(1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−6−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジニル)−L−フェニルアラニン(100mg、0.25mmol)をDIPEA(0.17mL、1.0mm
ol)で処理し、得られた淡い茶色の溶液を3日間撹拌した。この混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈して、1N HClおよびブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。濾去と蒸発で得た残渣をBiotageカラム(40s)でのシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより精製し、N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−6−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルを白色の泡状体(79mg、62%)として得た。C28293NO4(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値537.1974、実
測値537.1972。
【0237】
d. N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
【0238】
【化73】

【0239】
エタノール(3mL)中のN−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−6−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジニル)−L−フェニルアラニンメチルエステル(74mg、0.14mmol)および1N 水酸化ナトリウム(2mL、2mmol)の溶液を、40〜45℃で3時間加熱した。次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水で希釈した。水溶液をジエチルエーテルで洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClで酸性化し、生成物を酢酸エチルで
抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン(融点219〜221℃)を68mg(収率95%)得た。C2727324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値523.1815、実測値523.1816。
【0240】
実施例35
N−〔(2−(1−メチルエチル)−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
a)2−(1−メチルエチル)−6−メチルヨードベンゼンの製造
【0241】
【化74】

【0242】
濃HCl(50mL)および氷30g中の2−(1−メチルエチル)−6−メチルアニリン(15.57mmol、14.9g)の懸濁液に、H2O(35mL)中のNaNO2(110mmol、8g)の溶液を−5℃〜5℃で30分間滴下した。滴下後、赤色の溶液を、さらに30分間撹拌した。次いで、H2O(50mL)中のKI(200mmol、33.2g)の溶
液を、0〜5℃で20分にわたり滴下して加えた。加えた後、混合物を室温に温めたが、その間、気体発生を伴う発熱反応が生じた。得られた赤色の溶液を、18時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を、チオ硫酸ナトリウム溶液(200mL)、ブライン溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。乾燥剤
を濾去し、溶媒を真空下で濃縮して、色のついた化合物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な2−(1−メチルエチル)−6−メチルヨードベンゼン(17.8g、68%)を黄色の油状物として得た。HR MS:実測値260
.0063。計算値260.0062(M+)。
【0243】
b) 2−(1−メチルエチル)−6−メチル安息香酸の製造
【0244】
【化75】

【0245】
250mLの耐圧瓶に、2−(1−メチルエチル)−6−メチルヨードベンゼン(25.2mmol、6.55g)、Pd(OAc)(1.2mmol、280mg)およびdppp(1.2mmol、520mg)を充填した。フラスコは、隔壁で閉じて、アルゴンで3回排気した。次いで、シリンジを使ってアセトニトリル(96mL)、トリエチルアミン(188.7mmol、19.0g、26.25mL)および水(19.1mL)を連続して加えた。次いで、ゴムの隔壁を、一酸化炭素ソースに接続したテフロンで裏打ちされたキャップに取り替えた。フラスコをここで一酸化炭素(40psi)で加圧し、過剰な圧力は放出した。このプ
ロセスを3回繰り返し、最後に混合物を一酸化炭素40psi加圧下で5分間撹拌した。フ
ラスコを、次いで一酸化炭素シリンダーから切り離して、予熱した油浴(83〜85℃)に浸漬した。反応混合物は、1時間で黒色に変化した。これをこの温度でさらに4時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、圧力を放出し、得られた混合物を、エーテル(200mL)および1.0N NaOH(10mL)で希釈した。酸を、水(2×100mL)中に抽出した。合わせた水抽出物を1.0N HClで中和し、酸を酢酸エチル(2×100mL)中に抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン溶液で洗浄し、MgSO4
乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粘着性黄色の油状物を2.8g(62%)得た
。HRMS:実測質量178.0996、計算質量178.0994(M+)。
【0246】
c. 2−(1−メチルエチル)−6−メチルベンゾイルクロリドの製造
【0247】
【化76】

【0248】
DMF(2滴)を含むジクロロメタン(3mL)中の2−(1−メチルエチル)−6−メチル安息香酸(64mg、0.35mmol)の溶液を塩化オキサリル(0.16mL、1.8mmol)で処理し、混合物を15時間撹拌した。この混合物をトルエンと共沸しながら濃縮し、塩化オキサリルの痕跡量を除去し、残渣を直接次の段階で使用した。
【0249】
d. N−〔〔2−(1−メチルエチル)−6−メチルフェニル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
【0250】
【化77】


実施例33に記載した一般的な手順を使用して、4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルおよび2−(1−メチルエチル)−6−メチルベンゾイルクロリドからN−〔〔2−(1−メチルエチル)−6−メチルフェニル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンを製造した。C2829324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値537.1972、実測値537.1977。
【0251】
実施例36
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
a) N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0252】
【化78】

【0253】
DMF(2mL)中の4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.25mmol)、2−クロロ−6−メチル安息香酸(60mg、0.35mmol)およびHBTU(132mg、0.35mmol)の懸濁液に、DIEA(174μL、1.0mmol)を室温で加えた。得られた混合物を、72時間撹拌した。次いで、この混合物を水(25mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を、0.5N HC
l(25mL)、飽和NaHCO3溶液(25mL)、ブライン溶液(25mL)で連続して洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、それをBiotage(40s)カラムを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し
、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル98mg(収率75%)を、非晶質の白色固体として得た。C2624CIF3
24(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値543.1268、実測値543
.1275。
【0254】
b) N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
【0255】
【化79】

【0256】
エタノール(5mL)中のN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(91mg、0.174mmol)の懸濁液に1N水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を室温で加えた。得られた溶液を、40〜45℃に加熱して、4時間撹拌した。次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水(25mL)で希釈した。この水溶液をジエチルエーテル(25mL)で洗浄し、中性不純物をすべて除去した。水層を1.0のN HClで酸性化し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。合わせた有
機抽出物を、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濾液を濃縮して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン71mg(収率80%)を、白色固体として得た:融点220〜223℃。C2522ClF324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値529.1111、実測値529.1119。
【0257】
実施例37
N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンの製造
【0258】
【化80】

【0259】
実施例36に記載した一般的な手順を使用して、4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルおよび1−(2−メトキシエチル)シクロペンタンカルボン酸(WO9910313の
記載通りに得た)からN−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン(融点181〜183℃)を製造した。C2631325
(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値531.2077、実測値531.20
84。
【0260】
実施例38
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルの製造
【0261】
【化81】

【0262】
DMF(2mL)中のN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン(145mg、0.275mmol)および重炭酸ナトリウム(185mg、2.2mmol)の懸濁液にヨードエタン(343mg、2.2mmol)を室温で加えた。この混合物を、室温で72時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濾液を濃縮して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル129mg(収率85%)を、結晶性の白色固体として得た:融点86〜91℃。C2623Cl2324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値577.0876、実測値577.088
7。
【0263】
実施例39
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルの製造
【0264】
【化82】

【0265】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン(145mg、0.275mmol)、塩化2−ジエチルアミノエチル塩酸塩(487mg、2.75mmol)および炭酸カリウム(380mg、2.7mmol)の混合物に酢酸エチル(3mL)および水(3mL)を室温で加えた。この混合物を室温で、72時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(30mL)および酢酸エチル(30mL)の混合物に注いだ。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得、それをBiotage(40s)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−〔
(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル122mg(収率71%)を、非晶質の白色固体として得た。C3032Cl2334(M+H)のES−HRMS m/e:計算値626.1796、実測値626.1802。
【0266】
実施例40
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルの製造
【0267】
【化83】

【0268】
DMF(2mL)中のN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニ
ルアラニン(145mg、0.275mmol)および重炭酸ナトリウム(185mg、2.2mmol)の懸濁液に1−クロロエチルアセテート(270mg、2.2mmol)を室温で加えた。この混合物を、室温で48時間撹拌した。次いで反応混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物は、ブライン溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得た。それをBiotage(40s)カラムを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し
、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステル110mg(収率65%)を、非晶質の白色固体として得た。C2825Cl2326(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値635.0931
、実測値635.0932。
【0269】
実施例41
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルの製造
【0270】
【化84】

【0271】
実施例38に記載した一般的な手順を使用してN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよびヨードエタンからN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルを製造した。
【0272】
実施例42
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルの製造
【0273】
【化85】

【0274】
実施例39に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび塩化2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチル塩酸塩からN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルを製造した。
【0275】
実施例43
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルの製造
【0276】
【化86】

【0277】
実施例40に記載した一般的な手順を使用してN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび1−クロロエチルアセテートからN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルを製造した。
【0278】
実施例44
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
a) 4−メトキシ−1,1,1−トリフルオロペント−3−エン−2−オンの製造
【0279】
【化87】

【0280】
ジクロロメタン(15mL)中の2−メトキシプロペン(3.68g、51.03mmol)およびピリジン(1.35g、16.69mmol)の溶液に10〜12分にわたり0℃でジクロロメタン(8mL)中のトリフルオロ酢酸無水物(10mL、46.56mmol)の溶液を
加えた。加えた後、溶液は暗赤茶色に変化した。次いで冷却槽を除去し、撹拌を止めた。この混合物を16時間放置し、氷冷水(45mL)およびジクロロメタン(120mL)で希釈した。2つの層を分離し、次いで有機層を2N HCl(35mL)、飽和炭酸ナトリウ
ム溶液(75mL)およびブライン溶液(25mL)で連続して洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得、それを高真空下での蒸留により精製し、4−メトキシ−1,1,1−トリフルオロペント−3−エン−2−オン5.546g(収率65%)を淡い黄色の油状物として得た。
【0281】
b) 4−メチル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸エチルエステルの製造
【0282】
【化88】

【0283】
エタノール(30mL)中の4−メトキシ−1,1,1−トリフルオロペント3−エン−2−オン(5.53g、32.89mmol)およびマロン酸エチルモノアミド(4.31g、32.89mmol)の懸濁液に、ナトリウムエトキシド(11.72g、36.18mmol、純度21%)を室温で加えた。この反応混合物を85℃まで加熱した。18時間撹拌後、反応混合物を室温に冷却し、15% HCl(10mL)を加えた。次いで、それを水(
10mL)で希釈し、クロロホルム(2×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、それをBiotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィ
ーにより精製し、4−メチル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル5.22g(収率62%)を、非晶質の白色固体として得た。ES−LRMS:m/z 313.4(M+Na+CH3CN)。
【0284】
c. 1,4−ジメチル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸エチルエステルの製造
【0285】
【化89】

【0286】
DME(50mL)中の4−メチル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(5.2g、20.87mmol)および炭酸カリウム(8.65g、62.59mmol)の懸濁液に、室温でヨードメタン(12mL、192.8mmol)を加え、反応混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、無機固形物を濾過し、この固形物をDMEで洗浄した。溶媒を真空下で濃縮し、残渣をBiotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1,4−ジメチ
ル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン3−カルボン酸エチルエステル4.02g(収率71%)を、非晶質の白色固体として得た。C11123NO3(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値286.0661、実測値286.066
4。
【0287】
d) 1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−ピリジン−2−オンの製造
【0288】
【化90】

【0289】
1,4−ジメチル−2(1H)−オキソ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(2.5g、9.5mmol)および塩化リチウム(1.0g、23.6mmol)の混合物にDMF(15mL)および水(0.38mL)を室温で加えた。この反応混合物を、160℃の浴温度に加熱し、19時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却して、冷酢酸エチルおよびジエチルエーテル(1:1、75mL)で希釈した。得られた混合物を、冷水(3×20mL)およびブライン溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、溶媒を濃縮して粗生成物を得、それをBiotage(40
s)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−ピリジン−2−オン1.45g(収率80%)を、淡い黄色の固体として得た。C883NO(M+H)のES−HRMS m/e:計算値192.0631、実測値192.0632。
【0290】
e) 1,4−ジメチル−3−ヨード−6−(トリフルオロメチル)−1H−ピリジン−
2−オンの製造
【0291】
【化91】

【0292】
1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−ピリジン−2−オン(1.44g、7.23mmol)、トリフルオロ酢酸(9mL)およびトリフルオロ酢酸無水物(1.53mL、10.85mmol)の溶液にNlS(2.569g、10.85mmol)を室温で加えた。次いで、この混合物を70〜85℃に加熱して、2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、飽和炭酸ナトリウム溶液をゆっくりと加え、溶液を中和した。次いで、この水性混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた抽出物は、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(100mL)およびブライン溶液(100mL)で連続して洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、溶媒を濃縮して、粗生成物を得、それをBiotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1,4
−ジメチル−3−ヨード−6−(トリフルオロメチル)−1H−ピリジン−2−オン1.02g(収率45%)を、非晶質の白色固体として得た。ES−LRMS:m/z 31
8.1(M+H)、381.2(M+Na+CH3CN)。
【0293】
f) N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0294】
【化92】

【0295】
THF(1.0mL)中の亜鉛末(1.96g、30mmol)の懸濁液に、1,2−ジブロモエタン(172μL、2mmol)を室温で加えた。この懸濁液をエチレンガスの発生が止
むまで、ヒートガンで60〜65℃に加熱した。次いで、懸濁液を室温に冷却し、トリメチルクロロシラン(150μL、1.2mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。DM
A(6mL)中の1,4−ジメチル−3−ヨード−6−(トリフルオロメチル)−2−ピリ
ドン(2.4g、7.57mmol)の懸濁液を、ヒートガンで加温溶解させ、1部を反応混合物に加えた。加えた後、混合物を70〜75℃に加熱して、2時間撹拌した。この時、アリコート(飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチしておいた)のTLC解析は出発原料の不在を示した。反応混合物を、THF(5mL)で希釈し、室温に冷却し、過剰な亜鉛末を沈殿させた。亜鉛化合物(7.57mmol)を含む上記の調製溶液を、THF(7mL)中のPd(dba)2(274mg、0.478mmol)、トリフリルホスフィン(391mg、
1.287mmol)およびN−〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕−4−ヨード−L−フェニルアラニンメチルエステル(3g、7.411mmol)の溶液に室温で加え、淡い黄色の混合物を50〜55℃で40時間撹拌した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。合わせた抽出物は、ブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、粗生成物を得、Biotage(40m)カラムでのシリカゲルクロマトグラフィーに
より精製し、N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル1.289g(収率36%)を、非晶質の白色固体として得た。C2327325(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値491.1764、実測値491.1764。
【0296】
g) 4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩の製造
【0297】
【化93】

【0298】
N−〔(1,1−ジメチルエトキシル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(253mg、0.54mmol)を、室温で、ジオキサン(4.0mL)中の4N H
Cl溶液で処理した。溶液を2時間撹拌すると、白色固形物が形成された。この混合物を濃縮し、残渣をメタノールに溶解させた。メタノールの除去後、残渣を高真空下で乾燥させ、4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩221mg(収率100%)を、非晶質の白色固体として得た。ES−LRMS m/z 369.3(M+H)、410.3(M+CH3CN)。
【0299】
h) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造
【0300】
【化94】

【0301】
THP(6mL)中の4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(216mg、0.53mmol)および2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(120mg、0.57mmol)の懸濁液にDIEA(210μL、1.19mmol)を室温で加えた。5分後、清澄な溶液が得ら
れ、これを18時間撹拌した。次いで、この混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。酢酸エチル溶液を、0.5N HCl(50mL)、飽和NaHCO3溶液(50mL)およびブライン溶液(50mL)で連続して洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して粗生成物を得、これを酢酸エチル(〜3mL)に溶解させ、ヘキサン(〜3−4mL)を加え、冷蔵庫に保存した。この固形物を回収し、ヘキサンで洗浄した。高真空下で乾燥後、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル270mg(収率93.5%)を、白色固体として得た:融点170〜173℃。C2521Cl2324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値5
63.0724、実測値563.0730。
【0302】
i) N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
【0303】
【化95】

【0304】
エタノール(5mL)中のN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステル(243mg、0.45mmol)の懸濁液に1N水酸化ナトリ
ウム水溶液(1.8mL)を室温で加えた。混合物を45〜50℃に加熱し2時間撹拌した。次いで、エタノールを真空下で除去し、残渣を水(20mL)で希釈した。水溶液を酢酸エチル(50mL)で洗浄し中性不純物をすべて除去した。水層を1.0N HClで酸性
化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濃縮して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン186mg(収率79%)を、非晶質の白色固体として得た。C2419Cl2324(M+Na)のES−HRMS m/e:計算値549.0567、実測値549.0573。
【0305】
実施例45
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンの製造
【0306】
【化96】

【0307】
実施例44に記載した一般的な手順を使用して、4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンメチルエステルおよび2−クロロ−6−メチルベンゾイルクロリドからN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンを製造した。ES−LRMS m/
z 507.1(M+H)、529.1(M+Na)。
【0308】
実施例46
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルの製造
【0309】
【化97】

【0310】
実施例38に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよびヨードエタンからN−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルを製造した。
【0311】
実施例47
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルの製造
【0312】
【化98】

【0313】
実施例39に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび塩化2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチル塩酸塩から、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルを製造した。
【0314】
実施例48
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルの製造
【0315】
【化99】

【0316】
実施例40に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび1−クロロエチルアセテートから、N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルを製造した。
【0317】
実施例49
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルの製造
【0318】
【化100】

【0319】
実施例38に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよびヨードエタンから、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−
2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルを製造した。
【0320】
実施例50
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルの製造
【0321】
【化101】

【0322】
実施例39に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび塩化2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチル塩酸塩から、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルを製造した。
【0323】
実施例51
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルの製造
【0324】
【化102】

【0325】
実施例40に記載した一般的な手順を使用して、N−〔(2,6−ジクロロフェニル)
カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンおよび1−クロロエチルアセテートからN−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン1−(アセトキシ)エチルエステルを製造した。
【0326】
バイオアッセイの実施例
実施例A
VLA−4/VCAM−1スクリーニングアッセイ
固定化VCAM−1への結合に関し競合する能力として定義されたVLA−4アンタゴニスト活性を、固相二重抗体ELISAを用いて定量化した。VCAM−1に結合したVLA−4(α4β1インテグリン)は、抗インテグリンβ1抗体:HRP結合抗マウスIgG:色素形成基質(K−ブルー)の複合体によって検出された。最初に、これは96ウェルプレート(Nunc Maxisorp)を組換えヒトVCAM−1(100μl PBS中に0.4
μg)でコーティングすることを必要とし、各プレートを密封し、次にプレートを4℃に
て18時間静置した。このVCAM被覆プレートを次に、非特異的結合を低減するために、250μlの1% BSA/0.02%NaN3を用いてブロックした。アッセイの当日
に、すべてのプレートをVCAMアッセイ緩衝液(200μl/ウェルの50mM Tris−HCl、100mM NaCl、1mM MnCl2、0.05% Tween20;pH7.4)
を用いて2回洗浄した。試験化合物を100% DMSOに溶解させ、次に1mg/ml BS
Aを補充したVCAMアッセイ緩衝液中で1:20に希釈した(すなわち最終DMSO=5%)。各試験化合物の濃度範囲が0.005nM−1.563μMとなるように、1:4
の希釈列を実施した。各希釈物のウェル当たり100μlをVCAM被覆プレートに加え
、次いで10μlのRamos細胞由来VLA−4を加えた。これらのプレートを続いてプラットフォーム振盪器上で1分間混合し、37℃にて2時間インキュベートし、次に200μl/ウェルのVCAMアッセイ緩衝液で4回洗浄した。100μlのマウス抗ヒトインテグリンβ1抗体を各ウェルに加え(VCAMアッセイ緩衝液+1mg/mL BSA中0.6μg/mL)、37℃にて1時間インキュベートした。このインキュベーション時間の終わりに、すべてのプレートをVCAMアッセイ緩衝液(200μl/ウェル)で4回洗浄した。次
に対応する二次抗体、HRP結合ヤギ抗マウスIgG(100μl/ウェル@VCAMア
ッセイ緩衝液+1mg/mL BSAでの1:800希釈)を各ウェルに加え、続いて室温にて1時間インキュベートし、最後にVCAMアッセイ緩衝液で3回洗浄(200μl/ウェ
ル)した。発色をウェル当たり100μlのK−ブルーを添加して開始し(室温で15分
間インキュベート)、ウェル当たり100μlのレッドストップ緩衝液を加えて終了させ
た。すべてのプレートを次いで、UV/可視分光光度計を用いて650nMで読み取った。結果を全結合の阻害%として計算した(すなわち試験化合物がない場合、VLA−4+VCAM−1)。結果は以下の表Iに与える(A=IC50<1nM、B=IC50<10nM):
【0327】
【表1】

【0328】
実施例B
Ramos(VLA−4)/VCAM−1細胞ベースのスクリーニングアッセイプロトコル
材料:
可溶性組換えヒトVCAM−1(5−及び7−Igドメインの混合物)を免疫親和性クロマトグラフィーによって、CHO細胞培地から精製し、0.1M Tris−グリシン(pH7.5)、0.1M NaCl、5mM EDTA、1mM PMSF、0.02% NaN3及び10μg/mL ロイペプチンを含む溶液中で維持した。カルセイン−AMはモルキュラ
ープローブ社(Molecular Probes Inc.)から購入した。
方法:
固定化VCAM−1への結合に関して細胞表面VLA−4と競合する能力として定義されたVLA−4(α4β1インテグリン)アンタゴニスト活性を、Ramos−VCAM−1細
胞接着アッセイを用いて定量化した。細胞表面VLA−4を保持するRamos細胞を蛍光染
料(カルセイン−AM)で標識し、試験化合物の存在下または非存在下でVCAM−1に結合させた。接着細胞に関係する蛍光強度の低下(阻害%)は、試験化合物によるVLA−4仲介細胞接着の競合的阻害を反映する。
【0329】
最初に、これは96ウェルプレート(Nunc Maxisorp)を組換えヒトVCAM−1(1
00μl PBS中に100ng)でコーティングすることを必要とし、各プレートを密封し、次にプレートを4℃にて18時間静置した。このVCAM被覆プレートを、PBS中の0.05% Tween−20を用いて2回洗浄し、次に非特異的結合を低減するために、200μlのブロッキング緩衝液(1% BSA/0.02%チメロサール)を用いて1時間(室温)ブロックした。ブロッキング緩衝液を用いたインキュベートの後、プレートを反転して、吸い取り、残りの緩衝液を吸引した。各プレートを次に300μl PBSで洗浄し、反転し、残りのPBSを吸引した。
【0330】
試験化合物を100% DMSOに溶解させ、VCAM細胞接着アッセイ緩衝液(50mM TRIS−HCl中4mM CaCl2、4mM MgCl2、pH7.5)中で1:25に希釈した(最終DMSO=4%)。各化合物について、8段階の1:4希釈列を実施した(全体の濃度範囲1nM−12,500nM)。100μl/ウェルの各希釈物をVCAM被覆
プレートに加え、次に100μlの Ramos 細胞(1% BSA/PBS中200,000
細胞/ウェル)を加えた。試験化合物及び Ramos 細胞を含むプレートを室温で45分間
インキュベートし、その後、165μl/ウェルのPBSを加えた。非接着細胞を除去す
るためプレートを反転させて、吸い取り、300μl/ウェルのPBSを加えた。プレー
トを再度反転させて、吸い取り、残りの緩衝液を静かに吸引した。100μLの溶解緩衝
液(50mM TRIS−HCl中0.1% SDS、pH8.5)を各ウェルに加え、回転振盪プラットフォーム上で2分間撹拌した。次にプレートは、Cytofluor 2300(Milipore
)蛍光測定システム(励起=485nm、放射=530nm)で蛍光強度を読み取った。結果を以下の表に示す:
結果を以下の表IIに与える(A=IC50<100nM、B=IC50<10,000nM、C=IC50<5,000nM):
【0331】
【表2】

【0332】
実施例C
アルファ4−ベータ7アッセイプロトコル
アッセイの2週間から1日前に、Nunc高結合F96 Maxisorpイムノプレート、#44
2404または#439454を、100μl/ウェルの量の25ng/ウェル(0.25
μg/ml)MadCAMでコーティングした。プレートをシーラーで覆って、サランラップで包んでから、冷蔵庫で少なくとも24時間インキュベートした。使用したコーティング溶液は、0.8g/L 炭酸ナトリウム及び1.55g/L 重炭酸ナトリウムよりなる10mM
炭酸/重炭酸緩衝液で、1N HClでpH9.6に調整した。
【0333】
アッセイ緩衝液は以下で構成された:
洗浄緩衝液:PBS中の0.05% Tween20
ブロッキング緩衝液:PBS中の1% 無脂肪乾燥乳
標識緩衝液:PBS
細胞緩衝液:RPMI 1640培地(添加剤なし)
結合緩衝液:1.5mM CaCl2
0.5mM MnCl2
50mM TRIS−HCl;NaOHをpH7.5まで滴下して加える
2O中で容積を合わせる
pH7.5に調整する
希釈緩衝液:結合緩衝液中の4% DMSO
プレートを洗浄緩衝液を用いて2回洗浄し、次にブロッキング緩衝液を用いて室温で少なくとも1時間ブロックした。密封したプレートは場合によっては冷蔵庫で一晩インキュ
ベートした。プレートを次にPBSで洗浄し、手作業で吸い取って乾燥させた。残りの液体はウェルから吸引した。
【0334】
アッセイ用(2×106細胞/ml×10ml/プレート×プレート数)に十分なRPMI8866細胞をストックから取り出し、遠心分離用試験管内に入れた。試験管にPBSを体積まで満たし、200×Gで8分間回転させた。緩衝液を注ぎ出し、細胞をPBS中で10×106/mlまで再懸濁させ、5μl/mlの細胞懸濁液にDMSO中のカルセインストック溶液(5mg/mL)を加えた。この懸濁液は暗所で37℃にて30分間インキュベートした
。次に細胞をPBSで洗浄した。PBSを注ぎ出し、細胞を、アッセイ系でプレーティングするために2×106細胞/mLの濃度で細胞緩衝液中、再懸濁させた。
【0335】
100% DMSO中で所望の25×1次希釈の試験化合物のストック溶液を調製した
。標準用の1次希釈は試験化合物と同様に、ストレートの結合緩衝液中で1:25であったが、残りの連続希釈は希釈緩衝液(結合緩衝液/4% DMSO)中であった。スクリ
ーニング用の化合物のストック濃度及び希釈は、予想活性によって決定した。
【0336】
アッセイのために、129μlの結合緩衝液をウェルの第1列にプレーティングし、1
00μlの希釈緩衝液を残りのウェル内にプレーティングした。各化合物の5.4μlのアリコートを適切な標識化されたウェルに、トリプリケートに、ピペットで加えた。化合物を次にプレートを下って希釈した(34μl+100μl→4倍希釈)。対照用に、100μlの希釈緩衝液+100μlの細胞緩衝液を非特異的バックグラウンドウェル(細胞なし、化合物なし)にプレーティングし、100μlの希釈緩衝液+100μlの細胞を全結合ウェルにプレーティングした(化合物なし=100%結合)。2×106細胞/mlの標識細胞を100μl/ウェル(=2×105細胞/ウェル)で、化合物を含む各ウェルに加えた。プレートを密封し、暗所中、室温で45分間インキュベートした。インキュベート後、150μl PBS/ウェルを加えて、未結合細胞を除去した。プレートを反転させ、ペーパータオルで吸い取り、200μl PBSをウェルに静かに加えながら洗浄し、再度吸い取った。残りの緩衝液はウェルから注意深く吸引した。最後に100μl PBSを各ウェルに加えた。次にプレートは、Cytofluor 2300(Milipore)蛍光測定システム(励起=485nm、放射=530nm)で蛍光強度を読み取った。各化合物のIC50は直線回帰分析によって決定した。結果を以下の表に示す:
【0337】
結果を以下の表IIIに与える:
【0338】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


〔式中、R1は、式Y−1:
【化2】


(式中、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ニトロ、シアノ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルカノイル、ハロゲン又はペルフルオロ低級アルキルであり、R22及びR23のうち少なくとも一方は水素以外であり;そしてR24は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、ニトロ、シアノ、低級アルキルスルホニル又はハロゲンである)の基であるか;又は
1は式Y−2の基(これは、炭素原子を介してアミドカルボニルに結合している5員
又は6員芳香族複素環であり、前記環が、N、O及びSからなる群より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、前記環の1又は2個の原子が、独立して低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ペルフルオロ低級アルキル若しくはアリールで置換され、前記の置換されている原子のうち少なくとも1個が、アミドカルボニルに結合している炭素原子に隣接する)であるか;又は
1は式Y−3の基(これは、式Y−3:
【化3】


(式中、R25は、低級アルキル、非置換若しくはフッ素置換低級アルケニル又は式:R26−(CH2)e−の基であり、R26は、アリール、ヘテロアリール、アジド、シアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、ペルフルオロ低級アルカノイル若しくはニトロであるか、又はR26は、式:−NR2829(式中、R28は、水素又は低級アルキルであり、R29は、水素、低級アルキル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、アロイル、ペルフルオロ低級アルカノイルアミノ、低級アルキルスルホニル、
低級アルキルアミノカルボニル若しくはアリールアミノカルボニルであるか;又は
28及びR29は、結合している窒素原子と一緒になって、場合により、O、S及びN−R40から選択される1個の更なるヘテロ原子を含有する4、5又は6員飽和複素環を形成する)の基であり、
Qは、−(CH2fO−、−(CH2fS−、−(CH2fN(R27)−又は−(CH2f−であり、
27は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニルであり、
40は、H、低級アルキル、アリール、低級アルカノイル、アロイル又は低級アルコキシカルボニル(この環中の炭素原子は、非置換であるか、又は低級アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり、
eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である)の3員〜7員環である)であり、
2は、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール又はアリール低級アルキル
であり;
3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、トリフルオロメチル又はアリールであり;
4は、水素、ハロゲン、低級アルキル又はアリールであり;
5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ若しくはトリフルオロメチル又はOHで
あり;
6は、水素、低級アルキル若しくは低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキルであ
るか、又は
6は、式P−3:
【化4】


(式中、
32は、水素又は低級アルキルであり;R33は、水素、低級アルキル又はアリールであり;R34は、水素又は低級アルキルであり;hは、0〜2の整数であり;gは、0〜2の整数であり;hとgの合計は、1〜3である)の基であるか;又は
6は、式P−4:
【化5】


(式中、R32、g及びhは前記と同義であり:Q′は、O、S、−(CH2j−又は式:N−R35(式中、R35は、水素、低級アルキル、低級アルカノイル又は低級アルコキシカルボニルであり;jは、0、1又は2である)の基であり;そして
7は、水素、クロロ、低級アルコキシ、又は低級アルキルである)で示される〕の化
合物、又は薬学的に許容されうるその塩。
【請求項2】
3が、水素、ハロゲン、低級アルキル又はアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1が、Y−3(ここで、Qは、−(CH2fO−、−(CH2fS−又は−(CH2f−である)である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
5が、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
1が、Y−1(ここで、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル又はハロゲン
であり、そしてR24は、水素、低級アルキル又は低級アルコキシである)の基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項6】
22及びR23が、独立して水素、低級アルキル又はハロゲンであり、R24が、水素又は低級アルコキシであり、そしてR2がアリール低級アルキルである、請求項5記載の化合
物。
【請求項7】
1が、式Y−3(式中、R25は、式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコ
キシである)の基であり、Qは、−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そ
してfは、0〜3の整数である)の基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項8】
1が式Y−3の基であり、R2が、水素、低級アルキル、置換低級アルキル又はアリール低級アルキルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項9】
1が、式Y−3(式中、R25は、式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコ
キシである)の基であり、Qは、−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、fは、0〜3の整数である)の基であり、そしてR2がアリール低級アルキルである、請求
項8記載の化合物。
【請求項10】
2が、水素、低級アルキル又は、アリール低級アルキルであり;
3が水素であり;
4が水素又はハロゲンであり;
5が、水素、低級アルキル若しくはトリフルオロメチル又は低級アルコキシであり;
6が、水素又は低級アルキルであり;そして
7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである、請求項1又は2記載
の化合物。
【請求項11】
1が式Y−1の基である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
1が、Y−1(ここで、R22及びR23は、独立して水素、低級アルキル又はハロゲン
であり、そしてR24は、水素、低級アルキル又は低級アルコキシである)の基である、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
1が、Y−1(ここで、R24は水素であり、そしてR2はアリール低級アルキルである)の基である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
1がY−2である、請求項10記載の化合物。
【請求項15】
1が式Y−3の化合物である、請求項10記載の化合物。
【請求項16】
1が、式Y−3(式中、R25は、式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコ
キシである)の基であり、Qは、−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そ
してfは、0〜3の整数である)の基である、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
2が、水素、低級アルキル又は、アリール低級アルキルであり;
3が水素であり;
4がハロゲンであり;
5が水素であり;
6が、水素又は低級アルキルであり;そして
7が、水素、クロロ、低級アルコキシ又は低級アルキルである、請求項10記載の化
合物。
【請求項18】
1が、式Y−1の基又は式Y−3の基であり;
2が、水素、低級アルキル又は、アリール低級アルキルであり;
3が、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり;
4が水素又はハロゲンであり;
5が、水素、低級アルキル又はトリフルオロメチルであり;
6が、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル、式P−3
の基又は式P−4の基であり;そして
7が、水素又は低級アルキルである、請求項1、3又は4記載の化合物。
【請求項19】
2が、低級アルキル又はアリール低級アルキルであり;
6が、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル又は式P−
3の基であり;そして
7が水素である、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
1がY−1(ここで、R22及びR23は、水素、ハロゲン又は低級アルキルであり、R24は水素又は低級アルコキシである)であるか、又はR1がY−3(ここで、R25は式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qは−(CH2f−であり、eは、0〜4の整数であり、そしてfは、0〜3の整数である)である、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
2が低級アルキルであり、R4が水素であり、そしてR3及びR5が低級アルキル又はトリフルオロメチルである、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
6が水素である、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
1がY−1である、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
22及びR23がハロゲン又は低級アルキルである、請求項23記載の化合物。
【請求項25】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−(1−メチルエチル)−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンである、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
1がY−3である、請求項22記載の化合物。
【請求項27】
N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンである、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
6が低級アルキルである、請求項21記載の化合物。
【請求項29】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニンエチルエステルである、請求項28記載の化合物。
【請求項30】
6が、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキルである、請求項21記載の化合物。
【請求項31】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 1−(アセトキシ)エチルエステルである、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
6が、式P−3(式中、R32は水素であり;R33及びR34は低級アルキルであり;g
及びhのうち一方が1であり、そして他方が0である)の基である、請求項21記載の化
合物。
【請求項33】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン 2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステル;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−〔1,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−2−オキソ−3−ピリジニル〕−L−フェニルアラニン
2−〔(N,N−ジエチル)アミノ〕エチルエステルである、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
6が水素である、請求項20記載の化合物。
【請求項35】
2が低級アルキルであり;R3が水素であり;R4が水素又はハロゲンであり;そして
5が水素又は低級アルキルである、請求項34記載の化合物。
【請求項36】
1がY−1である、請求項35記載の化合物。
【請求項37】
22及びR23が低級アルキル又はハロゲンであり、そしてR24が水素である、請求項36記載の化合物。
【請求項38】
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;又は
N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンである、請求項37記載の化合物。
【請求項39】
22及びR23がハロゲンであり、そしてR24が水素である、請求項36記載の化合物。
【請求項40】
N−〔(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル〕−4−(1,4−ジメチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンである、請求項39記載の化合物。
【請求項41】
22及びR23がハロゲン又は水素であり、そしてR24が低級アルコキシある、請求項36記載の化合物。
【請求項42】
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニン;又は
N−〔(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)カルボニル〕−4−(5−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−L−フェニルアラニンである、請求項41記載の化合物。
【請求項43】
1がY−3である、請求項35記載の化合物。
【請求項44】
4−(5−クロロ−1−メチル−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)−シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンである、請求項43記載の化合物。
【請求項45】
22及びR23が、ハロゲン又は低級アルキルであり、R24が、水素又は低級アルコキシであり、R25が式:R26−(CH2e−(式中、R26は低級アルコキシである)の基であり、Qが−(CH2f−であり、eが、0〜4の整数であり、そしてfが、0〜3の整数である、請求項19記載の化合物。
【請求項46】
2がアリール低級アルキルであり、R3が水素であり;R4が、ハロゲンであり;そし
てR5、R6及びR7が水素である、請求項45記載の化合物。
【請求項47】
1がY−1である、請求項46記載の化合物。
【請求項48】
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル−N−〔(2−クロロ−6−メチルフェニル)カルボニル〕−L−フェニルアラニン;又は
4−(1−ベンジル−5−クロロ−2−オキソ−3−ピリジニル)−N−〔〔1−(2−メトキシエチル)シクロペンチル〕カルボニル〕−L−フェニルアラニンである、請求項47記載の化合物。
【請求項49】
式II:
【化6】


(式中、R2〜R5及びR7は、請求項1におけるのと同義であり、そしてP1及びP2は、
それぞれ保護基である)で示される化合物。
【請求項50】
薬剤として使用される、請求項1〜48のいずれかに記載の化合物
【請求項51】
請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物又は薬学的に許容されうるその塩、及び薬学的に許容されうる担体を含む医薬組成物。
【請求項52】
VCAM-1又はVLA-4若しくはVLA-4発現細胞の結合により仲介される疾患状態の処置、特に慢性関節リュウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び喘息の処置において使用される、請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物。
【請求項53】
VCAM-1又はVLA-4若しくはVLA-4発現細胞の結合により仲介される疾患状態の処置、特に慢性関節リュウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び喘息の処置における、請求項1〜
48のいずれか1項記載の化合物又は薬学的に許容されうるその塩の使用。
【請求項54】
請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物又は薬学的に許容されうるその塩及び適合する薬剤担体をガレヌス製剤投与形態にすることを含む医薬組成物の調製方法。
【請求項55】
慢性関節リュウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び喘息の処置のための薬剤の調製における、請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物又は薬学的に許容されうるその塩の使用。
【請求項56】
特に新規化合物、中間体、医薬組成物及びその使用に関連する、前記に詳述の発明。

【公開番号】特開2008−94842(P2008−94842A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−262543(P2007−262543)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【分割の表示】特願2001−543516(P2001−543516)の分割
【原出願日】平成12年11月29日(2000.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】