説明

6,5−ピロロピペリジンタキキニン受容体アンタゴニスト

本発明は、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニストおよびタキキニン特にサブスタンスPのインヒビターとして有用なある種のヒドロキシメチルエーテルヒドロイソインドリン化合物を目的とする。本発明はまた、これらの化合物を有効成分として含む医薬配合物、ならびに、嘔吐、尿失禁、LUTS、抑鬱および不安を含むある種の障害の治療における化合物およびそれらの配合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
サブスタンスPはタキキニンペプチドファミリーに所属する天然存在のウンデカペプチドである。タキキニンペプチドファミリーは、血管外平滑筋組織を速く収縮させる作用があるのでこのように命名された。タキキニンは、保存されたカルボキシル末端配列によって識別される。サブスタンスP以外の既知の哺乳類タキキニンは、ニューロキニンAおよびニューロキニンBを含む。現用の命名法では、サブスタンスP、ニューロキニンAおよびニューロキニンBの受容体をそれぞれニューロキニン−1(NK−1)、ニューロキニン−2(NK−2)およびニューロキニン−3(NK−3)と呼ぶ。
【0002】
タキキニンおよび特にサブスタンスPのアンタゴニストは、中枢神経系の障害、侵害受容および疼痛、胃腸障害、膀胱機能障害および呼吸器疾患を含むタキキニン特にサブスタンスPの過剰な存在を特徴とする臨床状態の治療に有用である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニストおよびタキキニン特にサブスタンスPのインヒビターとして有用な式(I)のある種のヒドロキシメチルエーテルヒドロイソインドリン化合物を目的とする。本発明はまた、これらの化合物を有効成分として含む医薬配合物、ならびに、嘔吐、尿失禁、LUTS、抑鬱および不安を含むある種の障害の治療における化合物およびそれらの配合物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
1つの実施態様において、本発明は式
【0005】
【化1】

の化合物および医薬的に許容されるそれらの塩およびそれらの個々の鏡像異性体およびジアステレオマーを目的とする。式中の、
XはNまたはCHであり、
は、
(1)水素、
(2)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、−COOHもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(3)シクロペンテノン、
(4)ヒドロキシルで置換されていてもよい−(CO)−C1−6アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−6アルキル、
(7)−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、
(8)−C1−4アルキル−(CO)−NH
(9)−C1−4アルキル−(CO)−NHC1−6アルキル、
(10)−C1−4アルキル−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、
(11)−(CO)−O−C1−6アルキル、
(12)−(CO)−C3−6シクロアルキル、
(13)
【0006】
【化2】

【0007】
(14)−(CO)−HET{ここに、HETは、
【0008】
【化3】

から成る群から選択され、RaはHおよびC1−3アルキルから選択され、RbはH、C1−4アルキル、−(CO)−CHおよび−(CO)−NHから選択される}
から成る群から選択され、
、R、RおよびRはおのおの独立に、
(1)水素、および、
(2)メチル
から成る群から選択され、
は独立に、
(1)水素、および、
(2)フッ素
から成る群から選択される。
【0009】
この実施態様の下位概念は式Ia:
【0010】
【化4】

[式中の、R、R、R、R、R、RおよびXはこの文中に定義されている]の化合物属または医薬的に許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマーを含む。
【0011】
この実施態様の下位概念は、式中のRが、
(1)水素、
(2)置換されていないかまたはヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−3アルキル、
(3)置換されていないかまたはヒドロキシルで置換されたシクロペンタ−2−エン−1−オン、
(4)−(CO)−C1−3アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−3アルキル、
(7)−(CO)−N(C1−3アルキル)(C1−3アルキル)、および、
(8)
【0012】
【化5】

から成る群から選択され、Rの選択肢(4)、(6)および(7)のアルキル部分がハロ、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されていてもよい式Iの化合物属を含む。
【0013】
この実施態様の下位概念は、式中のRが、
(1)水素、
(2)シクロペンタ−2−エン−1−オン、
(3)1,2−オキサゾール−4(5H)−オン、
(4)2,2−ジメチルプロパノイル、
(5)メチルプロパノイル、
(6)−(CO)NH−(CO)−、
(7)−(CH−N−(CO)−、および、
(8)
【0014】
【化6】

から成る群から選択される式Iの化合物属を含む。
【0015】
この実施態様の下位概念は、Rが水素である式Iの化合物属を含む。
【0016】
この実施態様の下位概念は、Rがフッ素である式Iの化合物属を含む。
【0017】
この実施態様の下位概念は、Rが水素である式Iの化合物属を含む。
【0018】
この実施態様の下位概念は、Rがメチルである式Iの化合物属を含む。
【0019】
この実施態様の下位概念は、式Ia
【0020】
【化7】

で表され、
式中のRが、
(1)水素、
(2)シクロペンタ−2−エン−1−オン、
(3)1,2−オキサゾール−4(5H)−オン、
(4)2,2−ジメチルプロパノイル、
(5)メチルプロパノイル、
(6)−CHNH−(CO)−、
(7)−(CH−N−(CO)−、および、
(8)
【0021】
【化8】

から成る群から選択され、
が独立に
(1)水素、および、
(2)フッ素
から成る群から選択され、
が独立に
(1)水素、および、
(2)メチル
から成る群から選択される化合物属または医薬的に許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマーを含む。
【0022】
この実施態様においてはXがNであるのが好ましい。
【0023】
本発明の具体的実施態様は、この文中の実施例の主題化合物および医薬的に許容されるそれらの塩ならびにそれらの個々の鏡像異性体およびジアステレオマーから成る群から選択される化合物を含む。
【0024】
本発明の化合物は1つ以上の非対称中心を含有でき、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして存在できる。分子の様々な置換基の種類次第では追加の非対称中心が存在し得る。このような非対称中心のおのおのは独立に2つの光学異性体を生成し、混合物および精製もしくは部分精製化合物の形態の可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に包含されることとする。本発明はこれらの化合物のこのような異性形態すべてを含意する。式Iは好ましい立体化学を伴うことなく化合物クラスの構造を示す。
【0025】
これらのジアステレオマーの個別合成またはそれらのクロマトグラフィー分離はこの文中に開示した方法を適宜修正することによって当業界で公知のように行うことができる。それらの絶対的立体化学は、必要ならば既知の絶対配置の非対称中心を有している試薬で誘導体化される結晶質生成物または結晶質中間体のx線結晶学によって決定し得る。所望ならば、化合物のラセミ混合物を分離して個々の鏡像異性体を単離してもよい。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し次いで分別結晶化もしくはクロマトグラフィーのような標準方法によって個々のジアステレオマーに分離する当業界で公知の方法によって行うことができる。カップリング反応はしばしば鏡像異性的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次に、付加されたキラル残基の開裂によってジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に変換し得る。また、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー方法によって化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、この方法は当業界で公知である。あるいは、光学的に純粋な出発材料または既知の立体配置の試薬を当業界で公知の方法によって使用する立体選択的合成によって化合物の一方の鏡像異性体を得ることもできる。
【0026】
この文中で検討している化合物にはいくつかの容認される命名法が存在する。
【0027】
【化9】

【0028】
たとえば、上の化合物は、“(3aR,4R,5S,7aR)tert−ブチル−5−ヒドロキシ−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート”または“tert−ブチル(3aR,4R,5S,7aR)−5−ヒドロキシ−4−フェニルオクタヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート”と命名できる。このコア構造は一般にオクタヒドロイソインドール、ヘキサヒドロイソインドリン、ペルヒドロイソインドリン、ヒドロイソインドリンまたはヒドロイソインドール化合物と呼ばれる。
【0029】
当業者は理解されるであろうが、この文中に使用したハロゲンまたはハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含意する。同様に、たとえばC1−6アルキル中のC1−6は1、2、3、4、5または6個の炭素を直鎖状または分枝状配置で有している基を表すと定義される。たとえばC1−8アルキルは具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。置換基で独立に置換されていると指定された基は多数のこのような置換基で独立に置換され得る。
【0030】
“医薬的に許容される塩”という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性塩基または酸から製造された塩を表す。無機塩基から誘導された塩はアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在でき、また、水和物の形態でもよい。医薬的に許容される無毒性有機塩基から誘導された塩は第一級、第二級および第三級アミン、天然存在置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩、ならびに、塩基性イオン交換樹脂、たとえば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどを含む。本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は無機および有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性酸から製造され得る。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸が特に好ましい。この文中に使用した本発明の化合物という表現が医薬的に許容される塩も含意することは理解されよう。
【0031】
実施例およびこの文中に開示された化合物の使用によって本発明を実証し得る。本発明の範囲内の具体的化合物は後出の実施例に開示した化合物および医薬的に許容されるそれらの塩とそれらの個々の鏡像異性体またはジアステレオマーから成る群から選択される化合物を含む。
【0032】
本発明の化合物は、タキキニン特にサブスタンスP活性の過剰な存在を特徴とする多様な臨床状態の予防および治療に有用である。すなわち、たとえば過剰なタキキニンおよびサブスタンスP活性は中枢神経系の様々な障害に関与する。このような障害は、抑鬱またはより特定的に抑鬱異常症たとえば単一エピソード型もしくは再発型主要鬱病および気分変調異常症または双極性異常症たとえばI型双極性異常症、II型双極性異常症および循環気質性異常症のような情緒異常症;不安異常症、たとえば、場合により広場恐怖症を伴うパニック異常症、パニック異常症の病歴のない広場恐怖症、特定恐怖症たとえば特定動物恐怖症、社会恐怖症、強迫異常症、外傷後ストレス異常症および急性ストレス異常症を含むストレス異常症、一般的不安異常症;統合失調症および他の精神異常症、たとえば、精神分裂型異常症、分裂情緒型異常症、妄想異常症、一過性精神異常症、共有精神異常症、妄想または幻覚を伴う精神異常症;譫妄、認知症、健忘症、および、他の認識障害または神経変性障害たとえばアルツハイマー病、老人性認知症、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、および、たとえばHIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病が原因または複数の病因の他の認知症;パーキンソン病および他の錐体外路運動異常症、たとえば、神経遮断薬誘発パーキンソン症、神経遮断薬誘発悪性症候群、神経遮断薬誘発急性ジストニー、神経遮断薬誘発急性アカシジア、神経遮断薬誘発遅発性ジストニーおよび医薬誘発姿勢振戦のような医薬誘発運動異常症;アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入薬およびエアゾール推進薬、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、催眠薬および不安寛解薬の使用に起因する物質関連異常症(この物質関連異常症は依存および濫用、中毒、禁断、中毒譫妄、禁断譫妄を含む)、持続認知症、精神異常、情緒障害、不安異常症、性機能不全および睡眠障害;癲癇;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患、および、他の神経病理学的障害、たとえば、糖尿病および化学療法誘発神経障害のような末梢性神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、分節性もしくは肋間神経痛および他の神経痛;脳梗塞、くも膜下出血または脳浮腫のような急性または慢性の脳血管損傷に起因する脳血管障害を含む。
【0033】
タキキニンおよび特にサブスタンスP活性はまた侵害受容および疼痛にも関与する。したがって本発明の化合物は、たとえば、急性外傷、骨関節炎、リウマトイド関節炎、特に外傷後の筋骨格痛、脊椎痛、筋膜痛症候群、頭痛、会陰切開痛および火傷のような柔軟組織および末梢の損傷を含む顕著な疼痛が存在する疾患および状態、;深部内臓痛たとえば心臓痛、筋肉痛、眼痛、口内筋膜痛たとえば歯痛、腹痛、産婦人科痛たとえば月経困難症および陣痛;神経および根の損傷に関連した疼痛、たとえば、神経捕捉および腕神経叢抜去、切断術、末梢神経障害、疼痛性チック、異型顔面痛、神経根損傷およびくも膜炎のような末梢神経障害に関連した疼痛;しばしば癌痛と呼ばれる癌腫に付随する疼痛;脊髄または脳幹損傷に起因する疼痛のような中枢神経系痛;背下部痛;坐骨神経痛;強直性脊椎炎、痛風;瘢痕痛の予防または治療に効用を有している。
【0034】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、呼吸器疾患特に過剰な粘液分泌に関連した呼吸器疾患、たとえば、慢性閉塞性気道疾患、気管支肺炎、慢性気管支炎、嚢胞性線維症および喘息、成人呼吸窮迫症候群および気管支痙攣;炎症性疾患たとえば炎症性腸疾患、乾癬、結合組織炎、骨関節炎、リウマトイド関節炎、掻痒症および日焼け;アレルギーたとえば湿疹および鼻炎;ツタウルシのような過敏性障害;眼疾患、たとえば結膜炎、春季カタルなど;細胞増殖に関連した眼状態、たとえば増殖性硝子体網膜障害;皮膚疾患、たとえば接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹および他の湿疹様皮膚炎の治療に効用を有している。
【0035】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、乳腫瘍、神経節芽腫、および、小細胞肺癌のような小細胞癌腫を含む新生物の治療に効用を有している。
【0036】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃リンパ腫のような胃腸管の炎症性障害および疾患を含む胃腸障害、内臓のニューロン制御に関連した障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸症候群、ならびに、化学療法、放射線、毒素、ウイルスもしくは細菌の感染、妊娠によって誘発される嘔吐のような急性、遅発性または予期性の嘔吐を含む嘔吐、前庭障害たとえば動揺病、めまい、めまい感およびメニエル病、外科手術、偏頭痛、頭蓋内圧変化、胃食道逆流病、胃酸過多、過度の飲食物耽溺、酸性胃、生唾発生性または胃液逆流性の胸やけ、エピソード型、夜間性もしくは食事誘発性の胸やけのような胸やけ、消化不良に効用を有している。
【0037】
タキキニンおよび特にサブスタンスPアンタゴニストはまた、ストレス関連身体異常症;肩/腕症候群のような反射性交感神経異栄養症;移植組織拒絶のような有害免疫反応および全身性ループス・エリテマトーデスのような免疫増進または免疫抑制に関連した障害;サイトカイン化学療法に起因する血漿血管外遊出;膀胱炎、膀胱排尿反射亢進、頻尿、尿失禁およびLUTSのような切迫尿失禁、促迫および頻尿の症状を伴う膀胱活動亢進の予防または治療を含む膀胱機能障害、;硬皮症および好酸性肝蛭症のような線維性疾患および膠原病;狭心症、血管性頭痛、偏頭痛およびレイノー病のような血管拡張および血管痙攣性疾患に起因する血流障害;上記状態特に偏頭痛の疼痛伝播のいずれかに起因または関連した疼痛または侵害受容を含む様々な他の状態の治療に効用を有している。
【0038】
この文中に使用した“尿失禁”という用語は、哺乳類患者の切迫失禁、緊張性失禁、溢流性失禁、機能性失禁、神経性失禁、前立腺切除後失禁、頻尿、切迫尿意、夜尿、遺尿を含む様々な状態および関連状態を含むこととする。より詳細な実施態様において、下部尿道障害、またはそれに起因する治療標的症状は神経性および非神経性膀胱活動亢進、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺機能低下および良性前立腺過形成を含む膀胱活動亢進を含むであろう。別の実施態様において、本発明の方法および組成物は下部尿道障害に罹っている患者の過剰な排尿の予防または治療に有効である。
【0039】
本発明の化合物はまた、上記状態の並存、特に手術後疼痛と手術後嘔吐および吐き気が並存するときの治療に重要である。
【0040】
本発明の化合物は、化学療法、放射線、毒素、妊娠、前庭障害、運動、外科手術、偏頭痛および頭蓋内圧変化によって誘発される嘔吐のような急性、遅発性または予期性嘔吐を含む嘔吐の予防または治療に特に有用である。たとえば本発明の化合物は必要に応じて他の制吐薬と組合せて、高用量シスプラチンを含む中度または高度に催吐性の癌化学療法の初回クールおよび反復クールに付随する急性および遅発性の嘔吐および吐き気を予防するために使用し得る。より特定的には本発明の化合物は、癌化学療法で常用の抗新生物(細胞障害)薬によって誘発される嘔吐、および、他の薬理物質たとえばロリプラムによって誘発される嘔吐の治療に効用を有している。このような化学療法薬の例は、アルキル化薬、たとえば、エチレンイミン化合物、アルキルスルホネートならびにニトロソウレア、シスプラチンおよびダカルバジンのようなアルキル化作用をもつ他の化合物;代謝拮抗薬、たとえば、葉酸、プリンまたはピリミジンのアンタゴニスト;有糸分裂阻害薬、たとえば、ビンカアルカロイドおよびポドフィロトキシン誘導体;他の細胞障害性抗生物質を含む。化学療法薬の特定例はたとえばD.J.StewartによってNausea and Vomiting:Recent Research and Clinical Advances,Eds.J.Kucharczykら,CRC Press Inc.,Boca Raton,Florida,USA(1991)の177−203ページ、特に188ページに記載されている。常用されている化学療法薬は、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロルエタミン、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシンおよびクロラムブシル[R.J.Grallaら, Cancer Treatment Reports(1984)68(1),163−172]を含む。
【0041】
本発明の別の目的は、哺乳動物の時間生物学(日周期リズムの位相変位)効果を達成し日周期リズムの異常を軽減するための本発明化合物の使用を含む。本発明はさらに、哺乳動物の光の位相変位効果を阻止するための本発明の化合物の使用を含む。
【0042】
本発明の別の目的は、下部尿道症状(LUTS)の治療における本発明の化合物の使用を含む。男性のLUTSは非限定的に、頻尿、夜尿、乏しい尿流および開始尿流の逡巡または遅延を含む閉塞性(廃棄)および過敏性(蓄積または充満)症状のコンプレックスを含む。LUTSは前立腺の肥大および前立腺平滑筋の収縮によって誘発される尿道抵抗の変化に起因すると認識されている。尿道抵抗の増加が生じると尿の流出が制限され膀胱に二次変化が生じる。過敏性膀胱としても知られる不安定な膀胱収縮の特性パターンは形態学的BPHのある男性でしばしば観察される。
【0043】
本発明はさらに、哺乳動物の睡眠品質を強化または改善するためならびに睡眠異常および睡眠障害を予防および治療するための本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩の使用を目的とする。特に本発明は、睡眠効率の増加および睡眠維持の延長によって睡眠品質を強化または改善する方法を提供する。さらに本発明は、本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩を投与する段階を含む、哺乳動物の睡眠異常および睡眠障害の予防および治療方法を提供する。本発明は、精神生理学的理由、精神異常症(特に不安に関係した)、薬物およびアルコールの使用および濫用(特に禁断期の)、小児期発病DIMS、夜間ミオクローヌスおよび脚不穏症候群および高齢者で見られる非特異的REM障害などに起因する睡眠の開始および維持の異常(不眠症)(“DIMS”)を含む睡眠異常の治療に有用である。
【0044】
本発明の特に好ましい実施態様は、要治療患者(ヒトまたは動物)への本発明の化合物の投与による嘔吐、尿失禁、抑鬱または不安の治療である。
【0045】
本発明は、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤に組合せる段階を含む、哺乳動物のサブスタンスPの効果にその受容体部位で拮抗する医薬またはニューロキニン−1受容体を遮断する医薬の製造方法を目的とする。本発明はさらに、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤に組合せる段階を含む、哺乳動物の過剰タキキニンに関連した生理学的障害の治療医薬の製造方法を目的とする。
【0046】
本発明はまた、過剰なタキキニン特にサブスタンスPに関連した生理学的障害の治療または予防方法を提供する。該方法は、その必要がある患者に本発明の化合物または本発明の化合物を含む組成物をタキキニンを減少させる量で投与する段階を含む。
【0047】
この文中に使用した“治療”または“治療する”という用語は、上記疾患状態の症状または隠れた原因を抑制、軽減または除去するために当該状態に罹っているかまたはその臨床指標を示す患者(ヒトまたは動物)に本発明の化合物を投与する行為を表す。
【0048】
“予防”または“予防する”という用語は、上記疾患状態の発症の危険性または可能性を抑制、軽減または除去するために当該状態に罹り易いかまたは疾病素因を有している対象(ヒトまたは動物)に本発明の化合物を投与する行為を表す。
【0049】
本発明の化合物は、要治療哺乳動物の胃腸障害、中枢神経系障害、炎症性障害、疼痛または偏頭痛および喘息の治療においてタキキニン特にサブスタンスPに拮抗するために有用である。この活性は以下のアッセイによって証明できる。
【0050】
COS中の受容体発現:クローン化したヒトニューロキニン−1受容体(NK1R)をCOS中で一過性に発現させるために、pCDM8(INVITROGEN)からSacII部位にアンピシリン耐性遺伝子(BLUESCRIPT SK+のヌクレオチド1973−2964)を挿入することによって誘導した発現ベクターpCDM9にヒトNK1RのcDNAをクローニングした。該ベクターは得られた。20ugのプラスミドDNAを10,000,000のCOS細胞にトランスフェクションするために、800ulのトランスフェクションバッファ(135mMのNaCl,1.2mMのCaCl,1.2mMのMgCl,2.4mMのKHPO,0.6mMのKHPO,10mMのブドウ糖,10mMのヘペス pH7.4)中、IBI GENEZAPPER(IBI,New Haven,CT)を使用し260Vおよび950uFで電気穿孔を行った。結合アッセイを行う前に細胞を10%ウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンおよび90%のDMEM培地(GIBCO,Grand Island,NY)中、5%CO、37℃で3日間インキュベートした。
【0051】
CHO中の安定発現:クローン化ヒトNK1Rを発現する安定細胞系を樹立するために、cDNAをベクターpRcCMV(INVITROGEN)にサブクローニングした。20ugのプラスミドDNAをCHO細胞にトランスフェクションするために、0.625mg/mlのニシン精子DNAを補充した800ulのトランスフェクションバッファ中、IBI GENEZAPPER(IBI)を使用し300Vおよび950uFで電気穿孔を行った。トランスフェクト細胞をCHO培地[10%ウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシン、2mMのグルタミン、1/500のヒポキサンチン−チミジン(ATCC)、90%のIMDM培地(JRH BIOSCIENCES,Lenexa,ICS)、0.7mg/mlのG418(GIBCO)]中、5%のCOおよび37℃でコロニーが観察できるようになるまでインキュベートした。各コロニーを分離し増殖させた。最大数のヒトNK1Rを有している細胞クローンを薬物スクリーニングのような以後の使用に選択した。
【0052】
COSまたはCHOを用いるアッセイプロトコル:COSまたはCHO細胞中で発現されたヒトNK1Rの結合アッセイは、非標識サブスタンスPまたはヒトNK1Rに結合する他のリガンドと競合する放射性標識リガンドとして125I−サブスタンスP(125I−SP,DU PONT,Boston,MA)を使用することに基づく。COSまたはCHOの単層細胞培養物を非酵素溶液(SPECIALTY MEDIA,Lavallette,NJ)によって解離し、適正量の結合用バッファ(50mMのトリス pH7.5,5mMのMnCl,150mMのNaCl,0.04mg/mlのバシトラシン,0.004mg/mlのロイペプチン,0.2mg/mlのBSA,0.01mMのホスホラミドン)に再浮遊させ、200ulの細胞浮遊液が約10,000cpmの特異的125I−SP結合(約50,000から200,000細胞)を生じるようにした。結合アッセイにおいて、20ulの1.5から2.5nMの125I−SPおよび20ulの非標識サブスタンスPまたは他のいずれかの被験化合物を収容している管に200ulの細胞を加えた。管を4℃または室温で穏やかに撹拌しながら1時間インキュベートした。0.1%のポリエチレンイミンで予め湿らせたGF/Cフィルター(BRANDEL,Gaithersburg,MD)によって結合放射能を非結合放射能から分離した。フィルターを3mlの洗浄用バッファ(50mMのトリス pH7.5,5mMのMnCl,150mMのNaCl)で3回洗浄し、ガンマカウンターによって放射能を測定した。また、ヒトNK1Rを発現しているCHO細胞中でIPの分解産物であるイノシトール一リン酸の蓄積を測定することによってNK1Rによるホスホリパーゼの活性化を測定し得る。CHO細胞を12−ウェルのプレートに250,000細胞/ウェルで播種する。CHO培地中で4日間インキュベートした後、細胞に0.025uCi/mlのH−ミオイノシトールを一夜インキュベーションによって充填する。リン酸塩緩衝生理食塩水で洗浄することによって細胞外放射能を除去する。被験化合物添加または不添加でウェルにLiClを最終濃度0.1mMで添加し、37℃でインキュベーションを15分間継続する。サブスタンスPを最終濃度0.3nMでウェルに加えてヒトNK1Rを活性化する。37℃で30分間のインキュベーション後、培地を除去し、0.1NのHClを添加する。各ウェルを4℃で超音波処理し、CHCl/メタノール(1:1)で抽出する。水相を1mlのDowex AG 1X8イオン交換カラムに加える。カラムを0.1Nのギ酸次いで0.025Mのギ酸アンモニウム−0.1Nのギ酸で洗浄する。イノシトール一リン酸を0.2Mのギ酸アンモニウム−0.1Nのギ酸で溶出させ、ベータカウンターによって定量する。
【0053】
特に、本発明の化合物のタキキニン受容体アンタゴニスト比活性はこのアッセイによって証明し得る。本発明の化合物は、上記アッセイにおいて、0.05nMから10μMの範囲で活性を有している。後出の実施例は以下の活性を有していることが知見された。
【0054】
【表1】

【0055】
本発明化合物の活性はまた、Leiら,British J.Pharmacol.105,261−262(1992)によって開示されたアッセイによって証明し得る。
【0056】
別のまたは代替的目的によれば、本発明は、体内のタキキニンまたはサブスタンスPの量を減少させることが必要な対象に投与し得る組成物として使用するための本発明の化合物を提供する。
【0057】
この文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を特定した量または割合で含む生成物、ならびに、特定した量の特定した成分の組合せから直接または間接に得られる生成物を包含することとする。医薬組成物に関するこの用語は、1種以上の有効成分および任意に不活性成分を含む担体を含む生成物、ならびに、いずれか2種以上の成分の組合せ、複合化もしくは凝集、1種以上の成分の解離、または、1種以上の成分の別のタイプの反応もしくは相互作用から直接または間接に得られる生成物を包含することとする。一般的に医薬組成物は有効成分を液体担体または微粉砕固体担体またはその両者に均一および均質に会合させ、次いで必要ならば生成物に所望の配合物の形態を与えることによって製造される。目的有効化合物は疾患の経過または状態に所望の効果を生じるために十分な量で医薬組成物に含まれている。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することによって調製されたいかなる組成物も包含する。“医薬的に許容される”という表現は、担体、希釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と適合性でなければならないこと、および、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0058】
経口投与予定の医薬組成物は、医薬組成物の製造業界で公知のいずれかの方法に従って調製でき、このような組成物は医薬的にエレガントで服用し易い製剤を提供するために甘味料、着香料、着色料および保存料から成る群から選択された1種以上の補助剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した医薬的に許容される無毒性賦形剤に混合された有効成分を含有している。これらの賦形剤はたとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアガムのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤であろう。錠剤は剤皮なしでもよく、または、胃腸管での崩壊および吸収を遅らせて長期間の持続作用を与えるように公知技術によって剤皮をかけてもよい。経口使用される組成物はまた、有効成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンのような不活性固体希釈剤に混合された硬質ゼラチンカプセル、または、有効成分が水または油性媒体たとえばピーナツ油、液体パラフインもしくはオリーブ油に混合された軟質カプセルの形態で提供されてもよい。
【0059】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤に混合された有効物質を含有している。油性懸濁液は、有効成分を適当な油に懸濁させることによって配合し得る。水中油型エマルションも使用し得る。水を加えて水性懸濁液を調製するための適当な分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存料に混合された有効成分を提供する。
【0060】
本発明化合物の医薬組成物は水性または油性の注射用滅菌懸濁液の形態でもよい。本発明の化合物は座薬剤の形態で直腸投与されてもよい。外用投与のためには、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを使用し得る。本発明の化合物はまた、吸入によって投与するように配合することもできる。本発明の化合物はまた、当業界で公知の方法により経皮貼付薬によって投与することもできる。
【0061】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は製薬業界で公知の方法のいずれかによって調製され得る単位剤形で提供できる。“単位剤形”という用語は、患者または患者に薬剤を投与する個人が全用量を収容している単一容器または包装を開くことができ2つ以上の容器または包装から複数の成分を混合する必要のないように全部の有効成分および不活性成分が1つの適当な系に統合された単一用量形態を意味すると理解されたい。単位剤形の典型例は、経口投与用の錠剤またはカプセル、単一用量の注射用バイアル、または、直腸投与用の座薬剤である。単位剤形のこのリストは全く限定的でなく、医薬業界における単位剤形の典型例を示すだけである。
【0062】
本発明の化合物を含有する組成物はまた、患者または患者に薬剤を投与する個人が実際の剤形を調製できる使用説明書が活性または不活性の成分、担体、希釈剤などの2種以上の成分と共に与えられるキットとして提供され得る。このようなキットは、すべての必要な材料および成分を内包して提供されるか、または、患者もしくは患者に薬剤を投与する個人が自分で入手しなければならない材料もしくは成分を使用もしくは調製するための説明書を内包している。
【0063】
“医薬的に許容される”は、担体、希釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と適合性でなければならないこと、および、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0064】
化合物“の投与”または“を投与する”という用語は、錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液などの経口剤形、IV、IMまたはIPなどの注射剤形、クリーム、ゼリー、粉末または貼付薬のような経皮剤形、バッカル剤形、吸入粉末、スプレー、懸濁液など、および、直腸坐剤を非限定的に含む治療有効形態の個体の体内に導入できる形態の本発明の化合物を治療有効量で要治療個体に提供する行為を意味する。
【0065】
“治療有効量”という用語は、適当な組成物および適当な剤形中の上記疾患状態を治療または予防するために十分な本発明の化合物の量を表す。
【0066】
本発明の化合物は、本発明のタキキニンおよびサブスタンスPのインヒビターに相補効果を有している別の物質と併用で投与され得る。
【0067】
従って、嘔吐の予防または治療において、本発明の化合物は、他の制吐薬、特に、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、パレノセトロンおよびザチセトロンのような5HT受容体アンタゴニスト、デキサメタゾンのようなコルチコステロイド、または、バクロフェンのようなGABA受容体アゴニストと併用し得る。同様に、偏頭痛の予防または治療のために本発明の化合物は、エルゴタミンまたは5HTアゴニスト特にスマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンまたはリザトリプタンのような他の抗偏頭痛薬と併用し得る。
【0068】
抑鬱または不安の治療にために本発明の化合物が、ネルエピネフリン再吸収インヒビター、選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI)類、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)類、モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビター(RIMA)類、セロトニンおよびノルアドレナリン再吸収インヒビター(SNRI)類、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、異型抗抑鬱薬、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト特に5−HT1A部分アゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストおよび医薬的に許容されるそれらの塩のような他の抗抑鬱薬または抗不安薬と併用できることは理解されよう。肥満症、神経性過食症および強迫摂食障害のような摂食障害の治療または予防のために、本発明の化合物は他の食欲減退薬と併用できる。疼痛または侵害受容または炎症性疾患の治療または予防のために本発明の化合物を抗炎症薬または鎮痛薬、たとえば、アヘン剤アゴニスト、5−リポキシゲナーゼインヒビターのようなリポキシゲナーゼインヒビター、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターのようなシクロオキシゲナーゼインヒビター、インターロイキン−1インヒビターのようなインターロイキンインヒビター、NMDAアンタゴニストおよび一酸化窒素インヒビターもしくは一酸化窒素合成インヒビター、非ステロイド系抗炎症薬またはサイトカイン抑制性抗炎症薬と併用できることは理解されよう。
【0069】
尿失禁およびLUTSの治療のために、本発明の化合物は、β3アドレナリン受容体(β3AR)アゴニスト(β3アゴニスト)および/または抗ムスカリン薬および場合によりα−1アドレナリンアンタゴニストまたはステロイドII型5−アルファ−レダクターゼインヒビターと併用し得る。
【0070】
本明細書の意図するβ3アゴニストは、−[4−[2−[[2−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イル)エチル]アミノ]エチル]フェニル]−4−[4−(3−シクロペンチルプロピル−5−テトラゾロン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、
−[4−[2−[[2−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イル)エチル]アミノ]エチル]フェニル]−4−[4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミドを含む。β3アゴニストの適正な日用量は10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、200mg、250mgおよび375mgを含む。これらのβ3アゴニストはUS 5,561,142およびUS 6,011,048で論議されており、開示された通りに製造できる。これらの文献は参照によってここに組込まれるものとする。
【0071】
本明細書の意図する抗ムスカリン薬は非限定的に、トルテロジン、オキシブチニン、トロスピウム、バミカミド、ソリフェナシン、プロピベリン、S−オキシブチニン、テミベリン、サンクチュラ、ステイブラ、フェソテロジン、SVT40776、GlaxoSmithKline製の202405、TD6301、RBX9841、DDP200およびPLD179を含む。参照例:US 5,382,600;US 3,176,019;US 3,480,626;US 4,564,621;US 5,096,890;US 6,017,927;US 6,174,896;US 5,036,098;US 5,932,607;US 6,713,464;US 6,858,650;およびDD106643。同じく参照:US 6,103,747;US 6,630,162;US 6,770,295;US 6,911,217;US 5,164,190;US 5,601,839;US 5,834,010;US 6,743,441;WO2002000652;WO200400414853。これらはまた、トロスピウムクロリド、ダリフェナシンおよびイミダフェナシン(KRP−197)を含む。当業者には理解されるであろうが、これらの薬剤は標準形態または長期間放出トルテロジン、長期間放出オキシブチニンおよび経皮オキシブチニンのような長期間放出形態で経口または外用投与され得る。
【0072】
上記に論議した本発明の特徴はその下位概念に、抗ムスカリン薬がトルテロジン、オキシブチニン、トロスピウム、バミカミド、ソリフェナシン、プロピベリン、S−オキシブチニン、テミベリン、サンクチュラ、ステイブラ、フェソテロジン、SVT40776、GlaxoSmithKline製の202405、TD6301、RBX9841、DDP200、およびPLD179から選択される属を含む。
【0073】
上記に論議した本発明の特徴はその下位概念に、抗ムスカリン薬がトロスピウムクロリド、ダリフェナシンおよびイミダフェナシンから成る群から選択される属を含む。
【0074】
上記に論議した本発明の特徴はその下位概念に、抗ムスカリン薬が、長期間放出トルテロジン、長期間放出オキシブチニンおよび経皮オキシブチニンから成る群から選択される属を含む。
【0075】
本明細書が意図する5−アルファレダクターゼインヒビターは非限定的に、フィナステリド、ジュタステリド、ツロステリドおよびエプリステリドを含む。
【0076】
この文中に使用した“フィナステリド”という用語は、4−アザアンドロスト−1−エン−17−カルボキサミド,N−(1,1−ジメチルエチル)−3−オキソ−,(5α,17β)と命名された化合物を意味する。FDAが認可したフィナステリドの用量は1mgおよび5mgの1日1回の投与である。
【0077】
この文中に使用した“ジュタステリド”という用語は、(5α,17β)−N−{2,5 ビス(トリフルオロメチル)フェニル}−3−オキソ−4−アザアンドロスト−1−エン−17−カルボキサミドと命名された化合物を意味する。FDAが認可したジュタステリドの用量は0.5mgの1日1回の投与である。
【0078】
本明細書が意図するアルファアドレナリン受容体アンタゴニストはアムスロシン、テラゾシン、ドキサゾシン、アルフゾシン、インドラミンおよびプラジシンから選択される。
【0079】
この文中に使用した“アムスロシン” (たとえばFlomaxまたは塩酸タムスロシン)という用語は、(−)−(R)−5−[2−[[2−(O−エトキシフェノキシ)エチル]アミノ]プロピル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミドと命名された化合物およびその塩、水和物および溶媒和物を意味する。アムスロシンは米国特許4,703,063に開示されており、また、米国特許4,987,152の特許請求の範囲に下部尿道機能不全の治療に有用であると記載されている。FDAの認可用量は、0.4mgの塩酸タムスロシンの1日1回の投与を含む。
【0080】
この文中に使用した“テラゾシン”という用語は、化合物1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−[(テトラヒドロ−2−フロイル)カルボニル]ピペラジンおよびその塩、水和物および溶媒和物を意味する。テラゾシンは米国特許4,251,532に開示されている。FDAの認可用量は、1、2、5および10mgの塩酸テラゾシンの1日1回の投与を含む。
【0081】
この文中に使用した“ドキサゾシン”という用語は、化合物1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)カルボニル]−ピペラジンおよびその塩、水和物および溶媒和物を意味する。ドキサゾシンは米国特許4,188,390に開示されている。FDAの認可用量は、1、2、4および8mgのメシル酸ドキサゾシンの1日1回の投与を含む。
【0082】
この文中に使用した“アルフゾシン” (たとえばUroxatral)という用語は、化合物N−[3−[(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)メチルアミノ]プロピル]テトラヒドロ−2−フランカルボキサミドおよびその塩、水和物および溶媒和物を意味する。アルフゾシンは米国特許4,315,007に開示されている。FDAの認可用量は、10mgの塩酸アルフゾシンの1日1回の投与を含む。
【0083】
この文中に使用した“インドラミン”という用語は、化合物N−[[1−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−4−ピペリジニル]ベンザミンを意味する。インドラミンは米国特許3,527,761に開示されている
この文中に使用した“プラゾシン”という用語は、式1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−フラニルカルボニル)ピペラジンの化合物およびその溶媒和物を意味する。プラゾシンは、米国特許3,511,836に開示されている。FDAの認可用量は、1、2および5mgの塩酸プラゾシンの1日1回の投与を含む。
【0084】
この文中に記載したいずれかの組合せを使用するとき、本発明の化合物および(1種以上の)別の有効成分の双方が妥当な期間内に患者に投与されることは理解されよう。複数の化合物が同一医薬適格担体中に存在し、従って同時に投与されてもよい。複数の化合物が別々の医薬担体中に存在し、同時に投与される慣用の経口剤形でもよい。“組合せ”という用語はまた、化合物が別々の剤形で提供され順次に投与される場合を表す。したがってたとえば、一方の有効成分を錠剤として投与し、次いで妥当な期間内に第二の有効成分を錠剤または即溶解性経口剤形のような経口剤形として投与してもよい。“即溶解性経口配合物”という用語は、患者の舌に載せると約10秒以内に溶解する経口デリバリー形態を意味する。
“妥当な期間”という用語は、約1時間を超過しない期間を意味する。すなわち、たとえば第一有効成分を錠剤として供与し、次いで1時間以内に第二有効成分を同種の剤形または医薬の有効デリバリーを提供する別の剤形で投与しなければならない。
【0085】
本発明の化合物は、最適な薬効を提供する投薬量でこのような治療を有する患者(動物およびヒト)に投与され得る。いずれか特定の適用に使用するための必要用量は、選択された特定化合物または組成物だけでなく投与経路、治療される状態の種類、患者の年齢および体調、併用医薬または患者に指示されている特殊食および当業者が認識できる他の要因に従って患者毎に変更されるであろう。適正投薬量は最終的に担当医の裁量に委ねられる。
【0086】
過剰のタキキニンに関連した状態の治療において、本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩の適正投薬量レベルは約0.001から50mg/kg/日、特に約0.01から約25mg/kg、たとえば約0.05から約10mg/kg/日である。投薬量範囲は一般に約0.5から1000mg/患者/日であり、一回用量としてまたは複数用量として投与され得る。好ましくは投薬量範囲が約0.5mgから500mg/患者/日;より好ましくは約0.5mgから200mg/患者/日;いっそう好ましくは約5mgから50mg/患者/日であろう。投与すべき本発明の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩の具体的な投薬量は、1mg、5mg、10mg、30mg、100mgおよび500mgを含む。
【0087】
本発明の医薬組成物は、約0.5mgから1000mgの有効成分、より好ましくは約0.5mgから500mgの有効成分、または、0.5mgから250mgの有効成分、または、1mgから100mgの有効成分を含む配合物として提供され得る。過剰タキキニンの治療または予防用の具体的医薬組成物は約1mg、5mg、10mg、30mg、100mgおよび500mgの有効成分を含む。
【0088】
本発明の化合物のいくつかの製造方法を以下の実施例に示す。出発材料および必要な中間体は、いくつかの場合には市販されており、または、文献に記載された手順もしくはこの文中に示した手順で製造できる。すべてのH NMRスペクトルは界強度400または500MHzの計測によって得られた。
【0089】
(実施例1)
【0090】
【化10】

【0091】
3−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]シクロペンタ−2−エン−1−オン
段階A:N−[(1E)−(4−フルオロフェニル)メチレン]−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチレンアミン
【0092】
【化11】

【0093】
60mLの無水エーテル中の41mL(41mmol,ヘキサン中)のLHMDSの撹拌溶液に窒素雰囲気下、0℃で、4.4mL(41mmol)の4−フルオロベンズアルデヒドを添加した。1時間後、この混合物にトリエチルアミン(6.4mL,45.5mmol)およびアセチルクロリド(2.92mL,41mmol)を添加した。5分後、冷浴を除去し、混合物を室温で2.5時間撹拌した。次にTMSCl(5.19mL,41mmol)を添加して反応停止させた。10分後、混合物をセライトケーキで濾過して白色固体を濾別した。溶液から揮発分を完全に除去すると、黄色油が標題化合物として得られた。H NMR(CDCl,ppm):δ7.82−7.88(m,2H),7.14(t,2H),4.69(s,1H),4.34(s,1H)。
【0094】
段階B:ジメチル(2RS,3RS,4SR)−2−(4−フルオロフェニル)−6−オキソピペリジン−3,4−ジカルボキシレート
【0095】
【化12】

【0096】
20mLのトルエン中のN−[(1E)−(4−フルオロフェニル)メチレン]−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチレンアミン(1.65g,6.95mmol,段階A)およびジメチルフマレート(1.0g,6.95mmol)の溶液を、N2下、80℃の油浴中で16時間加熱した。真空によってトルエンを除去し、残留物に35mLのメタノールを添加した。室温で10分間撹拌後、白色懸濁液を濾過すると、標題化合物が白色固体として得られた。MS:310(M+1)。
【0097】
段階C:tert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−2−(4−フルオロフェニル)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【0098】
【化13】

【0099】
50mLのTHF中のジメチル(2RS,3RS,4SR)−2−(4−フルオロフェニル)−6−オキソピペリジン−3,4−ジカルボキシレート(0.51g,1.65mmol,段階B)の0℃溶液にLiBH4(6.6mL,13.2mmol,2NのTHF溶液)を添加した。次に冷浴を除去し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に10mLの2NのHClを添加し、室温で2時間撹拌した。次に揮発分を真空下で除去した。残留物をトルエン(3×)で乾燥し、50mLのTHFおよびBHSMe(8.25mL,16.5mmol,2NのTHF溶液)を添加した。混合物をN下、還流まで2時間加熱し、室温に冷却した。揮発分を除去し、残留物を20mLのエタノールに溶解し、96℃の油浴で2時間加熱した。揮発分の除去後、残留物をジオキサンおよび水の混合物(15mL,2:1容量比)に溶解し、トリエチルアミン(0.70mL,4.95mmol)および(Boc)O(0.72g,3.29mmol)を室温で添加した。20分後、揮発分を除去し、EtOAc/NaHCO/NaClと混練(work up)した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、CHCl中の0−5%メタノールの勾配溶出系を用いるHorizon MPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:362(M+Na)。
【0100】
段階D:tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート
【0101】
【化14】

【0102】
12mLのCHCl中のtert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−2−(4−フルオロフェニル)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.38g,1.12mmol)、DMAP(3.4mg,0.28mmol)、トリエチルアミン(0.070mL,5.04mmol)の溶液にMsCl(0.26mL,3.36mmol)を0℃で添加した。25分後、NaHCOによって反応停止させた。混合物をEtOAc/NaHCO/NaClと混練した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過した。溶媒の除去後、30mLのn−ブチルアルコールに溶解し、ベンジルアミン(0.73ml,6.7mmol)を添加した。混合物を102℃の油浴で7時間加熱した。EtOAc/NaOH/NaClと混練し、NaSOで乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、0から50%(メタノール中のEtOAc/Hex/2N NH=10:10:1)の勾配溶出系を使用するHorizon MPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:411(M+1).
段階E:(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン
【0103】
【化15】

【0104】
4MのHClを含有する12mLのジオキサン中のtert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c][ピリジン−5−カルボキシレート(0.20g,0.48mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、揮発分を除去すると、標題化合物がHCl塩として得られた。MS:311(M+1)。
【0105】
段階F:(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン
【0106】
【化16】

【0107】
3mLのCHCl中の(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン(62.8mg,0.056mmol,中間段階E)およびDMAP(2mg)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(21.2mg,0.11mmol)および3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゼン酢酸(30mg,0.11mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33mmol,0.058mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。揮発分を除去し、逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:565(M+1)。
【0108】
段階G:(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン
【0109】
【化17】

【0110】
10mLのMeOH中の(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン(115mg,0.17mmol,中間段階F)の溶液に、Pd(OH)(80mg,20%Pdオンカーボン)を添加し、混合物を50psiの水素下で1時間振盪した。0.2ミクロンのPTFEフィルターで濾過した。メタノールの除去後に標題化合物が得られた。MS:475(M+1)。
【0111】
段階H:3−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]シクロペンタ−2−エン−1−オン
【0112】
【化18】

【0113】
3mLのトルエン中の(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン(0.032g,0.054mmol)、TsOH一水和物(2.7mg)および1,3−シクロペンタンジオン(8mg,0.082mmol)の溶液を100℃の油浴中で3時間加熱した。揮発分の除去後、残留物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:555(M+1)。
【0114】
(実施例2、実施例3および実施例4)
3−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−{2−[3.5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノイル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]シクロペンタ−2−エン−1−オン
【0115】
【化19】


【0116】
3−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−{2−[3,5−ビス]トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロパノイル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]シクロペンタ−2−エン−1−オン
2mLのTHF中の3−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]シクロペンタ−2−エン−1−オン(27mg,0.049mmol)の溶液に、LHMDS(0.136mmol,0.136mL,THF中)を−78℃添加し、−78℃で10分間撹拌した。次にヨードメタン(0.0095mL,0.15mmol)を添加した。30分後、HOAcで反応停止させた。揮発分の除去後、逆相HPLCによって標題化合物を単離した。第一および第三の画分はモノアルキル化生成物,MS:568(M+1)であった。第二画分はジメチル化生成物,MS:583(M+1)であった。
【0117】
(実施例5)
【0118】
【化20】

【0119】
3−{2−[(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチルフェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−オキソエチル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン
(3aSR,4RS,7aSR)−5−{[3,5−ビス(トリフルオロメチルフェニル]アセチル}−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジンおよび(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)酢酸から実施例1、段階Fの手順によって標題化合物を製造した。MS:602(M+1).
【0120】
(実施例6)
【0121】
【化21】

【0122】
(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチル−2−(3−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
段階A:{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミッククロリド
【0123】
【化22】

【0124】
クロロホルム(18mL)中の1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−メチルエタンアミン(0.54g,1.99mmol)の溶液に8mLの水中のCsCO(3.90g,11.9mmol)の溶液を添加した。0℃のこの懸濁液にホスゲン溶液(4.2mL,7.97mmol,トルエン中に20%)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、メチレンクロリドで抽出した(2×50mL)。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮すると、標題化合物が得られた。H NMR(CDCl,ppm):δ7.89(s,1H),7.77(s,2H),5.77−5.78(m,1H),2.91および2.81(s,3H),1.72および1.70(s,3H)。
【0125】
段階B:(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0126】
【化23】

【0127】
メチレンクロリド(10mL)中の{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミッククロリド(0.18g,0.53mmol)、DMAP(2mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.23mL,1.34mmol)および(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン(0.083g,0.27mmol)の溶液を室温で72時間撹拌した。溶媒を除去し、逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:608(M+1).
段階C:(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0128】
【化24】

【0129】
(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Gの手順によって標題化合物を製造した。MS:518(M+1)。
【0130】
段階D;(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチル−2−(3−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0131】
【化25】

【0132】
(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Hの手順によって標題化合物を製造した。MS:598(M+1)。
【0133】
(実施例7)
(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0134】
【化26】

【0135】
(3aSR,4RS,7aSR)−N−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドおよびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸から実施例1の段階Fの手順によって標題化合物を製造した。MS:630(M+1)。
【0136】
(実施例8)(L−001946286)
【0137】
【化27】

【0138】
(3aS,4R,7aS)−2−ベンジル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチルフェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
段階A:N−[(1E)−(2−メチルフェニル)メチレン]−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチレンアミン
【0139】
【化28】

【0140】
実施例1の段階Aに従って標題化合物を製造した。H NMR(CDCl,ppm):δ4.71(s,1H),4.35(s,1H),2.57(s,3H),0.34(s,9H)。
【0141】
段階B:ジメチル(2RS,3RS,4SR)−2−(2−メチルフェニル)−6−オキソピペリジン−3,4−ジカルボキシレート
【0142】
【化29】

【0143】
N−[(1E)−(2−メチルフェニル)メチレン]−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチレンアミンおよびジメチルフマレートから実施例1の段階Bに従って標題化合物を製造した。MS:306(M+1)。
【0144】
段階C;tert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−(2−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【0145】
【化30】

【0146】
ジメチル(2RS,3RS,4SR)−2−(2−メチルフェニル)−6−オキソピペリジン−3,4−ジカルボキシレートから実施例1の段階Cに従って標題化合物を製造した。MS:358(M+Na)。
【0147】
段階D:tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート
【0148】
【化31】

【0149】
tert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−(2−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレートから実施例1の段階Dに従って標題化合物を製造した。MS:407(M+1)。
【0150】
段階E:(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン
【0151】
【化32】

【0152】
tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレートから実施例1の段階Eに従って標題化合物を製造した。MS:307(M+1)。
【0153】
段階F:{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミッククロリド
【0154】
【化33】

【0155】
(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−メチルエタンアミンから実施例6の段階Aに従って標題化合物を製造した。
【0156】
段階G:(3aS,4R,7aS)−2−ベンジル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0157】
【化34】

【0158】
メチレンクロリド(50mL)中の{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミッククロリド(3.3g,9.9mmol)、DMAP(20mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.1mL,12mmol)および(3aSR,4RS,7aSR)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン(1.5g,4.9mmol)の溶液を室温で72時間撹拌した。揮発分の除去後、ヘキサン中の30から100%のEtOAcの勾配溶出系を使用するHorizon MPLCによって残留物を精製すると、標題化合物が高速画分として得られた。MS:604(M+1)。
【0159】
(実施例9)
【0160】
【化35】

【0161】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−2−ベンジル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例8,段階G)から実施例1の段階Eと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:514(M+1)。
【0162】
(実施例10)
【0163】
【化36】

【0164】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)−2−(3−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)から実施例1の段階Eと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:594(M+1)。
【0165】
(実施例11および実施例12)
【0166】
【化37】

【0167】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2,5(3H,4H)−ジカルボキサミド
【0168】
【化38】

【0169】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
メチレンクロリド(5mL)中の(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(27mg,0.051mmol)の溶液にクロロアセチルイソシアナート(0.009mL,0.11mmol)を室温で添加した。30分後、揮発分を除去し、残留物に10mLの水を添加した。混合物を100℃の油浴で1時間加熱した。残留物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。第一画分はジカルボキサミド,MS:557(M+1)である。第二画分はオキサゾロン,MS:597(M+1)である。
【0170】
(実施例13)
【0171】
【化39】

【0172】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)−2−(5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−3−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−−5−カルボキサミド
2−プロパノール(3mL)中の(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(24mg,0.047mmol)およびテトロン酸(15mg,0.15mmol)の溶液を還流下で3時間加熱した。揮発分を除去し、残留物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:596(M+1)。
【0173】
(実施例14)
【0174】
【化40】

【0175】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−イソプロピル−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
メチレンクロリド(5mL)中の(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(20mg,0.039mmol)、アセトン(0.011mL,0.15mmol)およびNaB(OAc)Hの溶液を室温で16時間撹拌した。揮発分を除去し、残留物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:556(M+1)。
【0176】
(実施例15および16)
【0177】
【化41】

【0178】
(3aS,4R,7aS)−2−(2−アミノ−2−オキソエチル)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3.4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0179】
【化42】

【0180】
[(3aS,4R,7aS)−5−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチル)(アミノ]カルボニル}−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3.4−c]ピリジン−2−イル]酢酸
2mLのジオキサン中の(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(25mg,0.039mmol)、クロロアセトアミド(9mg,0.097mmol)およびCsCO(33mg,0.097mmol)の溶液を100℃の油浴中で16時間加熱した。揮発分を除去し、残留物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。第一画分はアミド,MS:(571)である。第二画分は酸,MS:572(M+1)である。
【0181】
(実施例17)
【0182】
【化43】

【0183】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−[(2S)−2−ヒドロキシプロパノイル]−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)および(2S)−2−(アセチルオキシ)プロパン酸から実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:586(M+1)。
【0184】
(実施例18)
【0185】
【化44】

【0186】
(3aS,4R,7aS)−2−アセチル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)から実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:556(M+1)。
【0187】
(実施例19)
【0188】
【化45】

【0189】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−2−[(1−メチル−6−オキソピペリジン−3−イル)カルボニル]−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)および1−メチル−6−オキソピペリジン−3−カルボン酸から実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:653(M+1)。
【0190】
(実施例20)
【0191】
【化46】

【0192】
(3aS,4R,7aS)−2−{[1−(アミノカルボニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)および1−(アミノカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸から実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:668(M+1)。
【0193】
(実施例21)
【0194】
【化47】

【0195】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)から実施例14と同じ方法で標題化合物を製造した。MS:598(M+1)。
【0196】
(実施例22)
【0197】
【化48】

【0198】
(3aS,4R,7aS)−2−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド(実施例9)から実施例14と同じ方法で標題化合物を製造した。MS:639(M+1)。
【0199】
(実施例23)
【0200】
【化49】

【0201】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−[1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
段階A:tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート
【0202】
【化50】

【0203】
tert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−(2−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレートから実施例1の段階Dに従って標題化合物を製造した。MS:403(M+1)。
【0204】
段階B:tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−[3−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチルプロピル]−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート
【0205】
【化51】

【0206】
5mLのピリジン中のtert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート(84mg,0.21mmol)、AcO(0.104mL,1.05mmol)およびDAMP(2mg)の溶液を室温で1時間撹拌した。揮発分を除去し、粗生成物を分取TLC(MeOH/CHCl−5:95)によって精製すると標題化合物が得られた。MS:445(M+1)。
【0207】
段階C:3−[(3aS,4R,7aS)−5−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチルプロピルアセテート
【0208】
【化52】

【0209】
tert−ブチル(3aSR,4RS,7aSR)−2−[3−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチルプロピル]−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレートから実施例1の段階Eおよび実施例8の段階Gに従って標題化合物を製造した。MS:642(M+1)。
【0210】
段階D:tert−ブチル(3aS,4R,7aS)−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキシレート
3mLのメタノール中の3−[(3aS,4R,7aS)−5−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチルプロピルアセテート(32mg,0.05mmol)の溶液に3滴の2NのNaOH溶液を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。揮発分を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって精製すると、標題化合物が得られた。MS:600(M+1)。
【0211】
(実施例24)
【0212】
【化53】

【0213】
(3aS,4R,7aS)−2−[1−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)ピペリジン−4−イル]−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−N−メチル−4−(2−メチルフェニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
tert−ブチル(2RS,3RS,4SR)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−(2−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドから実施例8の諸段階に従って標題化合物を製造した。MS:613(M+1)。
【0214】
(実施例25)
(3aS,4R,7aS)−2−ベンジル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0215】
【化54】

【0216】
実施例8の諸段階に従って標題化合物を製造した。MS:622(M+1)。
【0217】
(実施例26)
【0218】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
【0219】
【化55】

【0220】
(3aS,4R,7aS)−2−ベンジル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Eと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:532(M+1)。
【0221】
(実施例27)
【0222】
【化56】

【0223】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−(3−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Hと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:612(M+1)。
【0224】
(実施例28)
【0225】
【化57】

【0226】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−(4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
実施例12と同じ手順で標題化合物を製造した。MS;615(M+1)。
【0227】
(実施例29)
【0228】
【化58】

【0229】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−(5−オキソ−2,5−シジヒドロフラン−3−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例13と同じ方法で標題化合物を製造した。MS:614(M+1)。
【0230】
(実施例30)
【0231】
【化59】

【0232】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−[(2S)−2−ヒドロキシプロパノイル]−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:604(M+1)。
【0233】
(実施例31)
【0234】
【化60】

【0235】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−[(2R)−2−ヒドロキシプロパノイル]−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:604(M+1).
【0236】
(実施例32)
【0237】
【化61】

【0238】
(3aS,4R,7aS)−2−アセチル−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:574(M+1)。
【0239】
(実施例33)
【0240】
【化62】

【0241】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS616(M+1)。
【0242】
(実施例34)
【0243】
【化63】

【0244】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボニル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例1の段階Fと同じ方法で標題化合物を製造した。MS:644(M+1)。
【0245】
(実施例35)
【0246】
【化64】

【0247】
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例14と同じ方法で標題化合物を製造した。MS:616(M+1)。
【0248】
(実施例36)
【0249】
【化65】

【0250】
(3aS,4R,7aS)−2−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミド
(3aS,4R,7aS)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルオクタヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボキサミドから実施例14と同じ方法で標題化合物を製造した。MS:658(M+1)。
【0251】
本発明をそのいくつかの特定実施態様について記載および説明したが、本発明の要旨および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な応用、変更、修正、置換、削除または追加が可能であることを当業者は理解されるであろう。たとえば、上記の本発明の化合物の処方のいずれかで治療されている哺乳動物の応答性が一様でない結果としてこの文中ら上記した特定投薬量以外の有効投薬量を使用できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式の化合物
【化1】

[式中、
XはNまたはCHであり、
は、
(1)水素、
(2)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、−COOHもしくはフェニルで置換されたC1−6アルキル、
(3)シクロペンテノン、
(4)ヒドロキシルで置換されていてもよい−(CO)−C1−6アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−6アルキル、
(7)−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、
(8)−C1−4アルキル−(CO)−NH
(9)−C1−4アルキル−(CO)−NHC1−6アルキル、
(10)−C1−4アルキル−(CO)−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)、
(11)−(CO)−O−C1−6アルキル、
(12)−(CO)−C3−6シクロアルキル、
(13)
【化2】

(14)−(CO)−HET{HETは、
【化3】

から成る群から選択され、RaはHおよびC1−3アルキルから選択され、ならびにRbはH、C1−4アルキル、−(CO)−CHおよび−(CO)−NHから選択される。}
から成る群から選択され、
、R、RおよびRはおのおの独立に、
(1)水素、および、
(2)メチル
から成る群から選択され、
は独立に、
(1)水素、および、
(2)フッ素
から成る群から選択される。]
および医薬的に許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマー。
【請求項2】
式Iaの請求項1の化合物
【化4】

[式中の、R、R、R、R、R、RおよびXは本文中に定義されている。]
または医薬的に許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマー。
【請求項3】
が、
(1)水素、
(2)置換されていないかまたはヒドロキシルもしくはフェニルで置換されたC1−3アルキル、
(3)置換されていないかまたはヒドロキシルで置換されたシクロペンタ−2−エン−1−オン、
(4)−(CO)−C1−3アルキル、
(5)−(CO)−NH
(6)−(CO)−NHC1−3アルキル、
(7)−(CO)−N(C1−3アルキル)(C1−3アルキル)、および、
(8)
【化5】

から成る群から選択され、Rの選択肢(4)、(6)および(7)のアルキル部分がハロ、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、
(1)水素、
(2)シクロペンタ−2−エン−1−オン、
(3)1,2−オキサゾール−4(5H)−オン、
(4)2,2−ジメチルプロパノイル、
(5)メチルプロパノイル、
(6)−(CO)NH−(CO)−、
(7)−(CH−N−(CO)−、および、
(8)
【化6】

から成る群から選択される請求項1の化合物。
【請求項5】
が水素である請求項1の化合物。
【請求項6】
がフッ素である請求項1の化合物。
【請求項7】
が水素である請求項1の化合物。
【請求項8】
がメチルである請求項1の化合物。
【請求項9】
XがNである請求項1の化合物
【請求項10】
式Iaの請求項1の化合物
【化7】

[式中、
XはNまたはCHであり、
が、
(1)水素、
(2)シクロペンタ−2−エン−1−オン、
(3)1,2−オキサゾール−4(5H)−オン、
(4)2,2−ジメチルプロパノイル、
(5)メチルプロパノイル、
(6)−CHNH−(CO)−、
(7)−(CH−N−(CO)−、および、
(8)
【化8】

から成る群から選択され、
が独立に
(1)水素、および、
(2)フッ素
から成る群から選択され、
が独立に
(1)水素、および、
(2)メチル
から成る群から選択される。]
または医薬的に許容される該化合物の塩ならびに該化合物の個々の鏡像異性体およびジアステレオマー。
【請求項11】
XがNである請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
【化9】






から成る群から選択される化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項13】
不活性担体および請求項1の化合物を含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項1の化合物を治療有効量で要治療患者に投与する段階を含む、疼痛または炎症、偏頭痛、嘔吐、ヘルペス後神経痛、抑鬱、不安または尿失禁およびLUTSの治療方法。
【請求項15】
尿失禁またはLUTSを治療するための請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1の化合物を治療有効量で患者に投与する段階を含む、必要があるある患者のサブスタンスPの効果に受容体部位で拮抗するかまたはニューロキニン−1受容体を遮断する方法。
【請求項17】
請求項1の化合物を治療有効量で要治療患者に投与する段階を含む、要治療患者の過剰タキキニンに関連した生理学的障害の治療方法。
【請求項18】
本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩を医薬担体または希釈剤に組合せる段階を含む、哺乳動物のサブスタンスPの効果にその受容体部位で拮抗するかまたはニューロキニン−1受容体を遮断する医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−530874(P2010−530874A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513364(P2010−513364)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/067270
【国際公開番号】WO2009/002770
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】