説明

ACアダプタおよび電源システム

【課題】情報処理装置で使用されるACアダプタの待機電力を、簡単かつ低コストな構成で削減することが可能なACアダプタ及び電源システムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタであって、電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、前記電力状態検出手段の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段のON/OFFを制御する制御手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACアダプタおよび電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な電子機器であるノートブック型パーソナル・コンピュータ(以後ノート型PCという。)は、充電可能な蓄電池を含むバッテリ・パックを内蔵し、さらに商用電源のAC電圧を所定のDC電圧に変換するACアダプタの接続が可能である。そして、ノート型PCは、バッテリ・パックとACアダプタのどちらからも電力の供給を受けることができるようになっている。ACアダプタからノート型PCに供給される電力は、ノート型PCを駆動するために使用されるのと同時に、ノート型PCに内蔵されたバッテリ・パックを充電するためにも使用される。
【0003】
近年、電気機器の待機時消費電力(以後、待機電力という)による電力の浪費を軽減することが一層重要になってきている。待機電力とは、電気機器がその本来の効用を発揮していないときに消費する電力のことをいい、たとえばテレビ、ビデオデッキ、エアコンなどがリモコンによる操作を待ち受けているときに消費する電力などがそれに該当する。一般家庭で消費する電力の約1割〜1.5割が待機電力であると言われている。ノートPCの広範な普及に伴い、ノートPCの電源システムにおいてもより一層の待機電力の節減が求められている。電気製品の待機電力削減は電気料金の節減にとどまらず地球温暖化対策の観点でも大きな課題の1つであり、重要な製品仕様の1つとなっている。
【0004】
ノートPCは小型化および軽量化を追求する側面があるため、ACアダプタは通常ノートPCとは別に用意されている。ノートPCのユーザは、ノート型PCをパワーオフした場合でも、ACアダプタの一次側の電源プラグを商用電源のアウトレットに常時接続しているのが普通である。しかしながら、ACアダプタは内部の一次側に発振回路を有しているため、一次側の電源プラグが商用電源に接続されている限り発振回路が動作し続けて待機電力を消費する。この場合のACアダプタの待機電力は一例として、0.2〜0.5W程度存在する。
【0005】
ノート型PCをパワーオフした場合に、ACアダプタの一次側回路をオフさせて待機電力を低減させる方法として、例えば、ACアダプタにメカスイッチを設けて手動でACアダプタの一次側回路をON/OFFすることで、待機電力を削減する方法が考えられる。しかしながら、かかる方法では、使用者が手動でスイッチをON/OFFさせる必要があるため、使用者にとって不便である。
【0006】
ところで、ノート型PCを長時間携帯する場合には、ノート型PCと別に用意されたACアダプタも一緒に運ぶ必要があるため、携帯性が悪いという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−62953号
【特許文献2】特開平11−259187号
【特許文献3】特開2008−125270号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、情報処理装置で使用されるACアダプタの待機電力を、簡単かつ低コストな構成で削減することが可能なACアダプタ及び電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタであって、電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、前記電力状態検出手段の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段のON/OFFを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電力状態検出手段は、前記情報処理装置のDC−DC変換手段の所定の電源をON/OFFさせる電源要求信号または前記情報処理装置のDC−DC変換手段から出力される所定の電源をモニタリングして、前記情報処理装置の電力状態を検出することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記電力状態検出手段で前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記AC−DC変換手段をOFFとする一方、前記電力状態検出手段で前記所定の電源のONを検出した場合に、前記AC−DC変換手段をONさせることが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ACアダプタは、前記情報処理装置に外付けされるドッキング装置であることが望ましい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、バッテリを装着可能な情報処理装置と、前記情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタと、を備えた電源システムであって、前記ACアダプタは、電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、前記電力状態検出手段の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段のON/OFFを制御する制御手段と、を含み、前記情報処理装置は、前記ACアダプタから前記トラッキングインターフェースを介して供給されるDC電圧または前記バッテリから供給されるDC電圧を、所望のDC電圧に変換して、前記情報処理装置の各部に電源を供給するDC−DC変換手段と、前記DC−DC変換手段のON/OFFを制御する電源管理手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電力状態検出手段は、前記情報処理装置のDC−DC変換手段の所定の電源をON/OFFさせる電源要求信号または前記情報処理装置のDC−DC変換手段から出力される所定の電源をモニタリングして、前記情報処理装置の電力状態を検出することが望ましい。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電源管理手段は、前記ACアダプタがON、かつ、前記情報処理装置が稼働状態にある場合に、システム電源がOFFされると、前記DC−DC変換手段から出力される電源をOFFとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることが望ましい。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電源管理手段は、前記ACアダプタがOFF、かつ、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、システム電源がオンされると、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとすることが望ましい。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電源管理手段は、前記ACアダプタがON、前記情報処理装置が稼働状態、かつ、前記バッテリ充電中の状態にある場合に、システム電源がOFFされると、前記バッテリの残量が閾値以上となるまで充電を行い、前記バッテリの充電が終了すると、前記DC−DC変換手段から出力される所定の電源をOFFとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることが望ましい。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電源管理手段は、前記ACアダプタがOFF、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、前記バッテリが新たに接続されると、前記バッテリの接続を検出し、前記DC−DC変換手段から出力される所定の電源をONとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される所定の電源をOFFとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることが望ましい。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電源管理手段は、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、前記ACアダプタが接続されると、前記ACアダプタの接続を検出した後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、残量が閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をOFFとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることが望ましい。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記ACアダプタがOFF、かつ、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、タイマイベント動作で、定期的に、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとするタイマイベント発生手段を備え、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、残量が閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される所定の電源をOFFとし、前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることが望ましい。
【0021】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記情報処理装置は、さらに、通常のACアダプタを接続可能に構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかるACアダプタによれば、情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタであって、電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、前記電力状態検出手段の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段を制御する制御手段と、を備えているので、情報処理装置で使用されるACアダプタの待機電力を、簡単かつ低コストな構成で削減することが可能なACアダプタを提供することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、ノート型PCと、このノート型PCに接続されるACアダプタ(ドッキング装置)を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、図1のノート型PCおよびACアダプタに係わる電源システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図3は、図2の電源システムの動作例1を説明するためのフローを示す図である。
【図4】図4は、図2の電源システムの動作例2を説明するためのフローを示す図である。
【図5】図5は、図2の電源システムの動作例2を説明するためのフローを示す図である。
【図6】図6は、図2の電源システムの動作例2を説明するためのフローを示す図である。
【図7】図7は、図2の電源システムの動作例2を説明するためのフローを示す図である。
【図8】図8は、図2の電源システムの動作例2を説明するためのフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、この発明にかかるACアダプタおよび電源システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置して設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置の実施形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施形態の一例を示すものである。当業者は、公知技術を援用することで、特定の細目の1つ以上が無くても、または他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0025】
本実施の形態は、ACアダプタをドッキング装置としてノート型PCに実装可能としたものであり、ノート型PCには、ドッキング装置としてのACアダプタと、通常のACアダプタとが実装可能に構成されている。本実施の形態では、ACアダプタは、ドッキングI/Fを介して、ノート型PCとの接続やその電力状態を検出し、検出した電力状態に基づいて内部を省電力制御している。
【0026】
図1は、ノート型PC1と、このノート型PC1に接続されるACアダプタ(ドッキング装置)10を示す概略斜視図である。
【0027】
図1に例示するノート型PC1は、本体筐体2及び蓋体3を備えて構成してある。本体筐体2は、その内部に制御手段であるCPUや記憶手段であるメモリ等の構成部品(ともに図示せず)を収容した箱体である。本体筐体2の上面には、複数のキートップ4aを配設して構成した入力装置であるキーボード4が設けてある。本体筐体2の側面には、通常のACアダプタ50を外部接続するためのDC入力端子6が設けられている。
【0028】
また、本体筐体2の底面には、後述するドッキング装置側コネクタ12に接続されるPC側コネクタ(図2参照)、ドッキング装置10に設けられたフック部材13を係合させるための係合孔(不図示)が設けてある。
【0029】
蓋体3は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の表示装置8を収容した箱体であり、図1に示すように、本体筐体2の奥側縁部にヒンジ部9によってその基端部が回動可能に支持されている。この蓋体3は、本体筐体2に対して開いた場合に本体筐体2の手前側に向けて表示装置8を露出させるとともに、本体筐体2の上面を開放した状態となる。一方、ヒンジ部9を介して回動させれば、本体筐体2の上面及び表示装置8を同時に覆うカバーとして機能する。
【0030】
ACアダプタ10であるドッキング装置は、その上面11に上述したノート型PC1を載置し、ノート型PC1と接続してノート型PC1の機能を拡張する装置であり、「ドッキングステーション」、「ポートリプリケータ」、「機能拡張装置」とも称される。ACアダプタ10は、その上面11に、ドッキング装置側コネクタ12と、1対のフック部材13が設けられている。このドッキング装置側コネクタ(ドッキングI/F)12にPC側コネクタ(ドッキングI/F)が電気的に接続されるとともに、ACアダプタ10に設けられたフック部材13がノート型PC1の係合孔に係合することによりノート型PC1がACアダプタ10に対して機械的に結合した状態が保持される。
【0031】
ACアダプタ10は、内部に、AC−DC変換回路等を搭載した基板や電源プラグ14を収容しており、ユーザは電源プラグ14を、不図示の機構で自動または手で取り出し可能に構成されている。
【0032】
図2は、ノート型PC1に係わる電源システム60の要部構成を示す概略ブロック図である。図2は、本発明の実施の形態を説明するために必要な部分のみを示しており、他の構成は省略している。この電源システム60は、ノートPC本体30と、着脱可能に内蔵されたバッテリ・パック40と、および図1に示したACアダプタ10とで構成される。
【0033】
ノートPC本体30は、複数のピン7aを備えたPC側コネクタ7と、DC入力端子6とを備えており、PC側コネクタ7に接続可能なACアダプタ10と、DC入力端子6に接続可能な外付けの通常のACアダプタ50との2系統から商用電源の供給が可能となっている。ノートPC本体30は、ACPIに準拠しており、システム状態(ACPIステート)に応じた電源コントロールを行なう。システム状態は、6つのステートS0〜S5が規定されており、S0はフル稼働状態、S1は低消費電力状態(ただし、プロセッサ、チップセットともに電源オン)、S2は低消費電力状態(ただし、プロセッサとキャッシュは電源オフ、チップセットは電源オン)、S3はスタンバイ状態、S4は休止状態、S5はソフトウェアによる電源オフ(ノート型PC本体30のパワーオフ状態)を示している。
【0034】
ノートPC本体30は、電源管理部31、DC−DC変換部35、充電器36等を備えている。電源管理部31は、ノートPC本体100の電源管理を行うものであり、エンベデッド・コントローラ32、パワーマネージメント回路33、SW電源部34等で構成されている。
【0035】
エンベデッド・コントローラ32は、電源以外にもノートPC本体30を構成する多くのハードウェア要素を制御する集積回路である。エンベデッド・コントローラ32は、信号線P5を介してバッテリ・パック40のMPU41と通信し、バッテリ(蓄電池)42の現在の電流値、電圧値、および残量についての情報を得る。また、エンベデッド・コントローラ32は、充電器36を制御して、バッテリ42の充電を行う。
【0036】
エンベデッド・コントローラ32は、パワーマネージメント回路33と共に、DC−DC変換部35を制御して、ノートPC本体30のシステム状態S0〜S5に応じて電力供給の範囲を切り替える。また、エンベデッド・コントローラ32は、不図示のLPCバスに接続されており、そこからノート型PC1を構成する各種ハードウェア要素と相互に接続され、通信することが可能となっている。
【0037】
ACアダプタ10およびバッテリ・パック40から供給される電力は、DC−DC変換部35で所望の電圧に変換されてノートPC本体30内の各部へ供給される。DC−DC変換部35は、複数のDC−DCコンバータを備えており、エンベデッド・コントローラ32およびパワーマネージメント回路33は、ノートPC本体30のシステム状態S0〜S5に応じて各DC−DCコンバータのON/OFFを制御して、電力供給の範囲を切り替える。
【0038】
パワーマネージメント回路33は、ノートPC本体30がパワーオフの状態(S5)でもパワー・オン操作に応じて、システムの電源を立ち上げる必要があるため、常に、ACアダプタ10またはバッテリ・パック40からSW電源部34を介して電力が供給される。パワーマネージメント回路33は、DC−DC変換部35の各DC−DCコンバータのON/OFFを電源要求信号により制御する。ここで、エンベドッド・コントローラ32等に3.3Vを供給する電源をM1電源、5Vの電圧を供給する電源をM2電源、・・・と称する。このM1電源は、通常、最後にOFFされる。
【0039】
同図では、M1電源をON/OFFさせる電源要求信号が送出される信号線P4のみを図示しており、他の電源をON/OFFさせる信号線の図示を省略している。この信号線P4は、ドッキングI/Fを介してACアダプタ10の検出・制御部26と接続される。パワーマネージメント回路33は、DC−DC変換部35から出力されるM1電源をONさせる場合は、電源要求信号(M1電源用)をアサートとし、M1電源をOFFさせる場合は、電源要求信号(M1電源用)をネゲートとする。
【0040】
SW電源部34は、ACアダプタ10から供給されるDC電圧VINTまたはバッテリ・パック40から供給されるDC電圧を所定の電圧であるSW電源に変換して、パワーマネージメント回路33に供給する。すなわち、SW電源は、ACアダプタ10から電力が供給されていない場合でも、バッテリ42の残量がゼロの場合およびバッテリ・パック40が装着されていない場合以外はONとなっている。
【0041】
また、電源管理部31は、信号線P1を介して、DC入力端子6およびACアダプタ10の検出・制御部26と接続される。電源管理部31は、通常のアダプタ50または検出・制御部26から信号線P1を介して出力される識別信号ACDC−IDを検出して、ACアダプタの種類を判別し、ACアダプタの種類に応じた電源制御を実行する。
【0042】
バッテリ・パック40は、ノートPC本体30に装着され、かつSBS規格に準拠している。バッテリ・パック40には、バッテリ(蓄電池)41の他に、MPU42、および詳細には図示しないその他の多くの電子回路を含んで構成される。これらの電子回路は、MPU41による制御の下で、バッテリ・パック40からノートPC本体30へ供給される電源系統の制御および電圧の調整、バッテリ41から出力される電圧および電流の計測などを行う。バッテリ・パック40の内部でバッテリ41から出力された電力は、ノートPC本体300に出力される。
【0043】
ACアダプタ10は、ドッキングI/Fを介して、ノートPC本体30の電力状態を把握し、電力供給が不要なときには出力を低下・遮断して、待機電力を低減する機能を有する。ACアダプタ10は、複数のピン12aを備えたドッキング装置側コネクタ12と、商用電源のアウトレットに差し込む電源プラグ14と、電源プラグ14を介して入力される商用電源(AC電圧)をDC電圧に変換するAC−DC変換部20と、補助電源24と、検出・制御部26と、スイッチ部25とを備えている。
【0044】
AC−DC変換部20は、電源プラグ14に接続された一次側回路21と、一次側回路21にその一次回路が接続された絶縁トランス22と、絶縁トランス22の二次回路に接続された二次側回路23とを備えている。AC−DC変換部20、補助電源24,およびスイッチ部25は、公知の回路であるので、ここではその詳細な説明を省略するが、例えば、本願出願人の特開2008−125270号のACアダプタの構成を援用(採用)することができる。
【0045】
一次側回路21は、交流電圧を全波整流する整流ブリッジ・ダイオードと、全波整流された電圧を平滑化するキャパシタ等を備えている。
【0046】
二次側回路22は、二次側回路22は、ノートPC本体30に出力される出力電圧を所定値の範囲に調整するためのツェナー・ダイオード等を備えており、DC電圧VINTを、信号線P2を通じて、ドッキングI/Fを介してノートPC本体30に出力する。
【0047】
DC電圧VINTの一部は、キャパシタ等で構成される補助電源24に蓄電され、この補助電源24に蓄積された電力は検出・制御部26に出力される。スイッチ部25は、検出・制御部26の制御に従って、一次側回路21の動作をON/OFFさせる。一次側回路21の動作をON/OFFさせる方法としては、電源プラグ14からの入力と一次側回路21との接続をON/OFFさせるスイッチを設ける等の各種公知の方法を使用することができる。
【0048】
検出・制御部26は、接続検出手段、電力状態検出手段、および制御手段として機能する。検出・制御部26は、ACアダプタ10がOFFの状態でも、ACアダプタ10をONさせる必要があるため、常に、補助電源24から電力が供給されている。検出・制御部26に接続された信号線P3は、ドッキングI/F(2つのピン)を介して、ノートPC本体30を経由してGNDに接続される。検出・制御部26は、例えば、信号線P3に接続検出信号「H」を送出し、この接続検出信号「H」が「L」に変化した場合に、ノートPC本体30と接続されたことを検出することができる。また、信号線P3は、ノートPC本体30のパワーマネージメント回路33にも接続されており、パワーマネージメント回路33は、この信号線P3を使用して、ACアダプタ30が接続されたことを検出可能となっている。
【0049】
検出・制御部26は、信号線P4を介して、ノートPC本体30から入力される電源要求信号を検出して、ノートPC本体30の電力状態(M1電源のON/OFF)を検出する。なお、ここでは、電源要求信号を検出して電力状態を検出することにしているが、M1電源の信号線をドッキングI/Fを介して検出・制御部26に入力するように構成して、M1電源のON/OFFを直接検出することにしてもよい。
【0050】
検出・制御部26は、ノートPC本体30の電力状態(M1電源のON/OFF)の検出結果に基づいて、スイッチ部25を介して、一次側回路21のON/OFFを制御する。一次側回路21がONとなると、トラッキングI/Fを介して、DC電圧VINTがONとなりノートPC本体30に出力される。一次側回路21がOFFとなると、トラッキングI/Fを介して、DC電圧VINTがノートPC本体30に出力されない、一次側回路21がONでDC電圧VINTがONとなる場合を、ACアダプタ10のONといい、一次側回路21がOFFでDC電圧VINTが出力されない場合を、ACアダプタ10のOFFという。検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出した場合は、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFし、他方、M1電源のONを検出した場合は、一次側回路21をONとしてACアダプタ10をONとする。
【0051】
つぎに、上記図2のように構成される電源システム60の動作例1〜6を図3〜図8を参照して説明する。図3〜図8は、電源システム60の動作例1〜6をそれぞれ説明するための動作フローである。
【0052】
(1)動作例1(システム電源がOFFされて、S5に移行する場合)
図3において、ノートPC本体30に、ACアダプタ10が接続され、かつ、バッテリ・パック40が接続されている(U11)ものとする。ノートPC本体30は、ACアダプタ10がON(S11)及びシステムがS0の状態(T11)で、システム電源がOFFされると(T12)、M1電源以外の電源をOFFして、S5に移行する(T13)。エンベデッド・コントローラ32は、ACアダプタ10の接続を識別信号AC−DCIDにより検出した後(S14)、パワーマネージメント回路33に、M1電源のOFFを指示する。パワーマネージメント回路33は、電源要求信号(M1電源用)をナゲートとして、DC−DCコンバータ33からのM1電源の供給をOFFさせる(T15)。
【0053】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出すると(T12)、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFとする(S13)。これにより、ノート型PC1のパワーオフ時のACアダプタ10の待機電力を低減することが可能となる。
【0054】
(2)動作例2(システム電源がオンされて、S0に移行する場合)
図4において、ノートPC本体30に、ACアダプタ10が接続され、バッテリ・パック40が接続されている(U21)ものとする。ノートPC本体30では、ACアダプタ10がOFF(T21)及びシステムがS5の状態(T21)で、システム電源がONされると(T22)、システムはS0に移行し(T23)、パワーマネージメント回路33は、DC−DC変換部35からの全M電源の供給をONさせる(T24)。なお、この状態では、DC−DC変換部35には、ACアダプタ10からDC電圧DCINTが入力されていないので、DC電圧DCINTが入力されるまでは、一次的に、バッテリ・パック40からの電力に基づいてM電源を供給する。
【0055】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のONを検出すると(T24)、一次側回路21をONとして、ACアダプタ10をONさせる(S23)。これにより、ACアダプタ10からDC電圧DCINTが出力される。
【0056】
(3)動作例3(バッテリ42を充電中にシステム電源がOFFされた場合)
図5において、ノートPC本体30には、ACアダプタ10が接続され、バッテリ・パック40が装着されているものとする。ノートPC本体30では、ACアダプタ10がON(S31)、システムがS0(T31)、バッテリ42を充電中(U31)の状態で、システム電源がOFFされると(T32)、エンベデッド・コントローラ32は、M1電源以外の電源をOFFして、S5に移行するが(T33)、バッテリ42の残量が閾値N1以上となるまで充電を継続する(T34)。エンベデッド・コントローラ32は、充電を完了すると、ACアダプタ10の接続を検出し(T35)、パワーマネージメント回路33に、M1電源をOFFするように指示する。パワーマネージメント回路33は、電源要求信号をナゲートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をOFFさせる(T36)。
【0057】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出すると(S32)、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFとする(S33)。これにより、バッテリ42を充電中にシステム電源がOFFされた場合でも、バッテリ42の充電動作を完了させた後に、ACアダプタ10の待機電力を低減することが可能となる。
【0058】
(4)動作例4(S5の状態で、バッテリ・パックが交換された場合)
図6において、ノートPC本体30に、ACアダプタ10が接続され、バッテリ・パック40が接続されている(U41)ものとする。ノートPC本体30では、ACアダプタ10がOFF(S41)、システムがS5(T41)の状態で、バッテリ・パック40が装脱された後、(別のまたは同じ)バッテリ・パック40が接続されると(U42)、バッテリ・パック40からSW電源部34を介してパワーマネージメント回路33にSW電源が供給され、パワーマネージメント回路33が起動する。パワーマネージメント回路33は、バッテリ・パック40の交換(接続)を検出すると(T42)、電源要求信号(M1電源用)をアサートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をONさせる(T43)。これにより、エンベデッド・コントローラ32が起動する。
【0059】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のONを検出すると(T42)、一次側回路21をONとして、ACアダプタ10をONさせる(T43)。これにより、ACアダプタ10からDC電圧DCINTが出力される。
【0060】
エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上であるか否かを判断し(T44)、バッテリ42の残量が閾値N2以上でない場合は(T44の「No」)、バッテリ42の残量が閾値N1以上となるまで充電を行う(T45、U43)。エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上の場合(T44の「Yes」または充電が完了した場合は、パワーマネージメント回路33に、M1電源のOFFを指示する。パワーマネージメント回路33は、電源要求信号(M1電源用)をナゲートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をOFFさせる(T46)。
【0061】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出すると(S44)、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFとする(S45)。これにより、パワーオフの状態でバッテリ・パック40が交換された場合でも、交換したバッテリ42の充電が完了した後に、ACアダプタ10の待機電力を低減することが可能となる。
【0062】
(5)動作例5(S5の状態で、ACアダプタ10が装着された場合)
図7において、ノートPC本体30に、バッテリ・パック40が装着されており(U51)、ACアダプタ10は接続されていないものとする。ノートPC本体30では、システムがS5の状態にあるときに(T51)、ACアダプタ10が接続されると(S51)、パワーマネージメント回路33は、ACアダプタ10の接続を検出し(T52)、電源要求信号(M1電源用)をアサートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をONさせる(T53)。これにより、エンベデッド・コントローラ32が起動する。
【0063】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のONを検出すると(T52)、一次側回路21をONとして、ACアダプタ10をONさせる(S53)。これにより、ACアダプタ10からDC電圧DCINTが出力される。なお、ここでは、ノートPC本体30のパワーマネージメント回路33が、ACアダプタ10の接続を検出して、電源要求信号(M1電源用)により、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をONさせる構成としたが、本発明はこれに限られず、ACアダプタ10の検出・制御部26が、ノートPC本体30との接続を接続検出信号により検出した場合に、信号線P4等を介して、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をONさせて、エンベデッド・コントローラ32を起動させる構成としてもよい。このように、ACアダプタ10がノートPC本体30との接続を検出した場合に、ACアダプタ10側からDC−DC変換部35からのM1電源の供給をONさせる構成としてもよい。これにより、例えば、ノートPC本体30のバッテリ42の残量が少なくなっている状態でも、ACアダプタ10を接続することで、まず、メイン電源(M1電源)をONとして、バッテリ42の充電を開始することが可能となる。
【0064】
エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上であるか否かを判断し(T54)、バッテリ42の残量が閾値N2以上でない場合は(T54「No」)、バッテリ42の残量が閾値N1以上となるまで充電を行う(T55、U52)。エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上の場合(T54「Yes」)または充電が完了した場合は、パワーマネージメント回路33に、M1電源のOFFを指示する。パワーマネージメント回路33は、電源要求信号(M1電源用)をナゲートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をOFFさせる(T56)。
【0065】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出すると(S54)、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFとする(S55)。これにより、パワーオフの状態で新たにACアダプタ10が接続された場合でも、バッテリ・パック40の充電を行った後に、ACアダプタ10の待機電力を低減することが可能となる。
【0066】
(6)動作例6(S5の状態で、バッテリ容量が減少した場合)
図8において、ノートPC本体30に、ACアダプタ10およびバッテリ・パック40が接続されているものとする(U61)。ノートPC本体30では、ACアダプタ10がOFF(S61)およびシステムがS5(T61)の状態にある場合に、パワーマネージメント回路33は、タイマーイベント動作で周期的にDC−DCコンバータ33のM1電源の供給をONさせて、エンベデッド・コントローラ32をwake upさせる(T62)。なお、ここでは、パワーマネージメント回路33が、エンベデッド・コントローラ32をwake upさせる構成としたが、ACアダプタ10の検出・制御部26がWake upさせることにしてもよい。パワーマネージメント回路33および検出・制御部26は、タイマイベント発生手段として機能する。
【0067】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のONを検出すると(S62)、一次側回路21をONとして、ACアダプタ10をONさせる(S63)。これにより、ACアダプタ10からDC電圧DCINTが出力される。
【0068】
エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上であるか否かを判断し(T63)、バッテリ42の残量が閾値N2以上でない場合は(T63「No」)、バッテリ42の残量が閾値N1以上となるまで充電を行う(T64、U62)。エンベデッド・コントローラ32は、バッテリ42の残量が閾値N2以上の場合(T63の「Yes」)または充電が完了した場合は、パワーマネージメント回路33に、M1電源のOFFを指示する。パワーマネージメント回路33は、電源要求信号(M1電源用)をナゲートとして、DC−DC変換部35からのM1電源の供給をOFFさせる(T65)。
【0069】
他方、ACアダプタ10では、検出・制御部26は、M1電源のOFFを検出すると(S63)、一次側回路21をOFFとして、ACアダプタ10をOFFとする(S64)。これにより、パワーオフの状態でバッテリ42の容量が低下した後でも、バッテリ42の充電を行った後に、ACアダプタ10の待機電力を低減することが可能となる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態のACアダプタ10によれば、ノート型PC1のドッキングI/Fに、着脱可能に接続され、電源プラグ14を介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、ドッキングI/Fを介して、ノート型PC1に出力するAC−DC変換部20と、ドッキングI/Fを介して、ノート型PC1との接続やノート型PC1の電力状態を検出し、検出した電力状態に応じてAC−DC変換部20のON/OFFを制御する検出・制御部26とを備えているので、ノート型PCで使用されるACアダプタの待機電力を、簡単かつ低コストな構成で削減することが可能となる。付言すると、ドッキングI/Fを利用してノート型PC1との接続やその電力状態を検出することができ、ノート型PC1の接続やその電力状態を検出するための他の信号線の追加が不要となり、低コストかつ簡単な構成とすることができる。
【0071】
また、検出・制御部26は、ノート型PC1のDC−DC変換部35から出力される所定の電源(M1電源)をON/OFFさせる電源要求信号(M1電源用)またはDC−DC変換部35から出力される所定の電源をドッキングI/Fを介してモニタリングすることで、ノート型PC1の電力状態を検出することとしたので、簡単かつ低コストな方法でノート型PC1の電力状態を検出することが可能となる。
【0072】
また、検出・制御部26は、所定の電源のOFFを検出した場合に、AC−DC変換部20をOFFとする一方、所定の電源のONを検出した場合に、AC−DC部20をONさせることとしたので、ノート型PC1の所定の電源のON/OFFに応じてACアダプタ10の待機電力削減制御を行うことが可能となる。
【0073】
また、ACアダプタ10を、ノート型PC1に外付けされるドッキング装置としたので、ACアダプタ10をノート型PC1に装着して持ち運ぶことができ、その携帯性を向上させることが可能となる。
【0074】
なお、上記実施の形態では、本発明に係る電源システムの一例として、ノート型PCについて説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、ACアダプタを使用する全ての情報処理装置に適用可能であり、例えば、PDA、携帯端末、デジタルカメラ等の情報処理装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかるACアダプタおよび電源システムは、待機電力を低減させる場合に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 ノート型PC
2 本体筐体
3 蓋体
4 キーボード
6 DC入力端子
8 PC側コネクタ(ドッキングI/F)
8 表示装置
9 ヒンジ部
10 ACアダプタ(ドッキング装置)
11 上面
12 ドッキング装置側コネクタ(ドッキングI/F)
13 フック
14 電源プラグ
20 AC−DC変換部
21 一次側回路
22 絶縁トランス
23 二次側回路
24 補助電源
25 スイッチ部
26 検出・制御部
30 ノートPC本体
31 電源管理部
32 エンベデッド・コントローラ
33 パワーマネージメント回路
34 SW電源部
35 DC−DC変換部
36 充電器
40 バッテリ・パック
41 MPU
42 バッテリ
50 通常のACアダプタ
60 電源システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタであって、
電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、
前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、
前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、
前記電力状態検出手段の電力状態の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段のON/OFFを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするACアダプタ。
【請求項2】
前記電力状態検出手段は、前記情報処理装置のDC−DC変換手段の所定の電源をON/OFFさせる電源要求信号または前記情報処理装置のDC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をモニタリングして、前記情報処理装置の電力状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のACアダプタ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電力状態検出手段で前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記AC−DC変換手段をOFFとする一方、前記電力状態検出手段で前記所定の電源のONを検出した場合に、前記AC−DC変換手段をONさせることを特徴とする請求項2に記載のACアダプタ。
【請求項4】
前記ACアダプタは、前記情報処理装置に外付けされるドッキング装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のACアダプタ。
【請求項5】
バッテリを装着可能な情報処理装置と、前記情報処理装置のドッキングインターフェースに、着脱可能に接続されるACアダプタと、を備えた電源システムであって、
前記ACアダプタは、
電源プラグを介して入力されるAC電圧をDC電圧に変換して、前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置に出力するAC−DC変換手段と、
前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置との接続を検出する接続検出手段と、
前記ドッキングインターフェースを介して、前記情報処理装置の電力状態を検出する電力状態検出手段と、
前記電力状態検出手段の検出結果に基づいて、前記AC−DC変換手段のON/OFFを制御する制御手段と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記ACアダプタから前記トラッキングインターフェースを介して供給されるDC電圧または前記バッテリから供給されるDC電圧を、所望のDC電圧に変換して、前記情報処理装置の各部に電源を供給するDC−DC変換手段と、
前記DC−DC変換手段のON/OFFを制御する電源管理手段と、
を含むことを特徴とする電源システム。
【請求項6】
前記電力状態検出手段は、前記情報処理装置のDC−DC変換手段の所定の電源をON/OFFさせる電源要求信号または前記情報処理装置のDC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をモニタリングして、前記情報処理装置の電力状態を検出することを特徴とする請求項5に記載の電源システム。
【請求項7】
前記電源管理手段は、前記ACアダプタがON、かつ、前記情報処理装置が稼働状態にある場合に、システム電源がOFFされると、前記DC−DC変換手段から出力される電源をOFFとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項8】
前記電源管理手段は、前記ACアダプタがOFF、かつ、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、システム電源がオンされると、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項9】
前記電源管理手段は、前記ACアダプタがON、前記情報処理装置が稼働状態、かつ、前記バッテリ充電中の状態にある場合に、システム電源がOFFされると、前記バッテリの残量が閾値以上となるまで充電を行い、前記バッテリの充電が終了すると、前記DC−DC変換手段から出力される電源をOFFとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項10】
前記電源管理手段は、前記ACアダプタがOFF、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、前記バッテリが新たに接続されると、前記バッテリの接続を検出した後、前記DC−DC変換手段から出力される所定の電源をONとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、
前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をOFFとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項11】
前記電源管理手段は、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、前記ACアダプタが接続されると、前記ACアダプタの接続を検出した後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、
前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、残量が閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をOFFとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が、前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項12】
さらに、
前記ACアダプタがOFF、かつ、前記情報処理装置がパワーオフ状態にある場合に、タイマイベント動作で、定期的に、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をONとするタイマイベント発生手段を備え、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のONを検出した場合に、前記ACアダプタをONとし、
前記電源管理手段は、前記バッテリの残量をチェックして、残量が閾値以上となるまで充電を行った後、前記DC−DC変換手段から出力される前記所定の電源をOFFとし、
前記制御手段は、前記電力状態検出手段が前記所定の電源のOFFを検出した場合に、前記ACアダプタをOFFとすることを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
【請求項13】
前記情報処理装置は、さらに、通常のACアダプタを接続可能に構成されていることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1つに記載の電源システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−103965(P2012−103965A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252929(P2010−252929)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】