説明

AMPA受容体を強化する化合物および医薬におけるその使用

式(I):


で示される化合物、ならびにその塩および溶媒和物が提供される。調製方法、医薬組成物、例えば、統合失調症または認識機能障害などの、グルタミン酸受容体機能の低下または不均衡により媒介される疾患または病態の治療における、医薬としてのその使用もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタミン酸受容体を強化する新規化合物に関する。本発明はまた、グルタミン酸受容体の強化により媒介される疾患および病態の治療における化合物の使用、誘導体を含有する組成物およびそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物の中枢神経系(CNS)における高速な興奮性神経伝達の大部分を調節する、グルタミン酸受容体は、興奮性アミノ酸、L−グルタミン酸により活性化される(報文として、Watkins JC,Krogsgaard−Larsen P,Honore T (1990) Trends Pharmacol Sci 11:25−33を参照のこと)。
【0003】
グルタミン酸受容体は、2種の異なったファミリーに分類されうる。Gタンパク質またはセカンド・メッセンジャーに結合した「代謝型」グルタミン酸受容体ファミリーは、配列相同性および細胞内伝達機構に基づき、3群に細分されうる(I群、mGlu1およびmGlu5;II群、mGlu2およびmGlu3;III群、mGlu4、mGlu6、mGlu7、mGlu8)(報文として、Conn PJおよびPinn JP (1997) Ann Rev Pharmacol Toxicol 37:205−237を参照のこと)。リガンド依存性陽イオンチャネルに直接結合する、「イオンチャネル型」グルタミン酸受容体ファミリーは、選択的アンタゴニスト、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)およびカイニン酸(KA)による脱分極活性化に基づき、少なくとも3つのサブタイプに細分されうる(報文として、Dingledine R,Borges K,Bowie,Traynelis S (1999) 51:7−61を参照のこと)。
【0004】
天然AMPA受容体(AMPAR)は、4種の異なったタンパク質サブユニット(GluR1−4)の組み合わせからなるヘテロ四量体として存在する(報文として、Bettler BおよびMuller C (1995) 34:123−139を参照のこと)。受容体サブユニットの多様性は、各サブユニットが、4回膜貫通型ドメインM4の直前にある細胞外領域中の38個のアミノ酸配列の選択的スプライシングを受ける可能性があるために、さらに増大する。かかる校正は、動力学的および薬理学的特性が異なる、いわゆる「フリップ(flip)」および「フロップ(flop)」受容体アイソフォームをもたらす(Sommer B,Keinanen K,Verdoon TA,Wisden W,Burnashev N,Herb A,Kohler M,Takagi T,Sakmann B,Seeburg PH (1990) Science 249:1580−1585)。
【0005】
さらに、GluR2 mRNAの転写後校正は、M2内の中性グルタミンを正に帯電したアルギニンへ変化させる。正常なヒトでは、>99%のGluR2はこうして校正される。かかる校正されたGluR2サブユニットを含むAMPARは、低いカルシウム透過性を示す(Burnachev N,Monyer H,Seeburg PH,Sakmann B(1992)Neuron 8:189−198)。しかしながら、高いカルシウム透過性を有するAMPARの数が特定の疾患に付随する症状において上昇するということが示唆されている(Weiss JH,and Sensi SL(2000)Trends in Neurosci 23:365−371)。
【0006】
AMPAR脱分極は、NMDA受容体の電位依存性Mg2+ブロックを除去し、順次、LTPの誘導において不可欠な段階であるNMDA受容体活性化をもたらす(Bliss TVP,Collingridge GL(1993)Nature 361:31−9)。LTPは、例えば、学習中に生じるような、反復的な刺激または活性化の後のシナプス強度増大の生理学的尺度である。
【0007】
グルタミン酸受容体機能が低下している状態における、アゴニストによるグルタミン酸受容体の直接的な活性化は、興奮毒性およびさらなるニューロン損傷の危険性を増大する。AMPARポジティブアロステリックモジュレータは受容体を直接活性化しない。しかしながら、リガンド(L−グルタミン酸またはAMPA)が存在する場合、AMPARモジュレータは受容体活性を増大する。したがって、グルタミン酸が放出され、シナプス後受容体部位に結合可能な場合に、AMPA受容体モジュレータはシナプス機能を高める。
【0008】
AMPARポジティブアロステリックモジュレータとして作用する化合物は、受容体に対するリガンド親和性を増大すること(Arai A,Guidotti A,Costa E,Lynch G(1996)Neuroreport.7:2211−5.);受容体脱感作を低下させ、受容体脱活性化を低下させること(Arai AC,Kessler M,Rogers G,Lynch G(2000)58:802−813);インビトロ(Arai A,Guidotti A,Costa E,Lynch G(1996)7:2211−5.)およびインビボ(Staubli U,Perez Y,Xu F,Rogers G,Ingvar M,Stone−Elander S,Lynch G(1994)Proc Natl Acad Sci 91:11158−11162)両方におけるLTPの誘導を容易にすることが示されている。かかる化合物はまた、齧歯類(Zivkovic I,Thompson DM,Bertolino M,Uzunov D,DiBella M,Costa E,Guidotti A(1995)JPET 272:300−309,Lebrun C,Pilliere E,Lestage P(2000)Eu J Pharmacol 401:205−212)、類人猿(Thompson DM,Guidotti A,DiBella M,Costa E(1995)Proc Natl Acad Sci 92:7667−7671)およびヒト(Ingvar M,Ambros−Ingerson J,Davis M,Granger R,Kessler M,Rogers GA,Schehr RS,Lynch G(1997)Exp Neurol 146:553−559)における、種々の認知タスクの学習および行動を高める。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Watkins JC,Krogsgaard−Larsen P,Honore T (1990) Trends Pharmacol Sci 11:25−33
【非特許文献2】Conn PJおよびPinn JP (1997) Ann Rev Pharmacol Toxicol 37:205−237
【非特許文献3】Dingledine R,Borges K,Bowie,Traynelis S (1999) 51:7−61
【非特許文献4】Bettler BおよびMuller C (1995) 34:123−139
【非特許文献5】Sommer B,Keinanen K,Verdoon TA,Wisden W,Burnashev N,Herb A,Kohler M,Takagi T,Sakmann B,Seeburg PH (1990) Science 249:1580−1585
【非特許文献6】Burnachev N,Monyer H,Seeburg PH,Sakmann B(1992)Neuron 8:189−198
【非特許文献7】Weiss JH,and Sensi SL(2000)Trends in Neurosci 23:365−371
【非特許文献8】Bliss TVP,Collingridge GL(1993)Nature 361:31−9
【非特許文献9】Arai A,Guidotti A,Costa E,Lynch G(1996)Neuroreport.7:2211−5.
【非特許文献10】Arai AC,Kessler M,Rogers G,Lynch G(2000)58:802−813
【非特許文献11】Staubli U,Perez Y,Xu F,Rogers G,Ingvar M,Stone−Elander S,Lynch G(1994)Proc Natl Acad Sci 91:11158−11162
【非特許文献12】Zivkovic I,Thompson DM,Bertolino M,Uzunov D,DiBella M,Costa E,Guidotti A(1995)JPET 272:300−309
【非特許文献13】Lebrun C,Pilliere E,Lestage P(2000)Eu J Pharmacol 401:205−212
【非特許文献14】Thompson DM,Guidotti A,DiBella M,Costa E(1995)Proc Natl Acad Sci 92:7667−7671
【非特許文献15】Ingvar M,Ambros−Ingerson J,Davis M,Granger R,Kessler M,Rogers GA,Schehr RS,Lynch G(1997)Exp Neurol 146:553−559
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、AMPA受容体を強化する一群の新規化合物を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
・ AおよびBの一方はCHであり、他方は酸素またはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択され;
・ R、RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択され;
・ Xは、結合手、CH、C(O)、SOまたはCHC(O)から選択され(ここで、カルボニル基はZに結合する);
・ Zは、
(a)C1−2アルカノイルにより所望により置換されていてもよいC−結合ピロリジニル;または
(b)基NRから選択され、ここで、
は、水素またはC1−4アルキルであり、Rは、C1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルまたはHet−C1−4アルキルであって、ここでHetは飽和5または6員の複素環であるか;または
およびRは、アゼチジニルまたはピロリジニル基を形成し、ここで、アゼチジニルまたはピロリジニル基中の炭素原子の1つは、SOで所望により置換されていてもよく、アゼチジニルまたはピロリジニル基はまた、オキソ、ヒドロキシルまたはハロゲンから選択される1または2個の基で所望により置換されていてもよい]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「C1−4アルキル」は、1、2、3または4個の炭素を含有する直鎖または分岐アルキル基をいう。例えば、C1−4アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルまたはt−ブチルから選択されてもよい。例えば、C1−4アルキルはメチルである。C1−2アルキルには、メチルおよびエチルが含まれる。「Me」はメチルをいう。「Et」はエチルをいう。
【0013】
「C1−4アルキルスルホニル」は、基「C1−4アルキル−SO−」をいう。
【0014】
「C1−2アルカノイル」は、−C(O)Hまたは−C(O)CHをいう。
【0015】
Hetの定義において用いられる「飽和5または6員の複素環」は、環中の1、2または3個の原子が、N、SまたはOで置換される飽和5または6員の環をいう。例として、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチエニル、ジオキサニルおよびジチアニルが挙げられる。
【0016】
「オキソ」は、基「=O」をいう。「C(O)」および「C(=O)」は互いに代替可能である。
【0017】
「ハロゲン」およびその略称「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
【0018】
1の実施態様において、上記の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される、ただし、
−Bが酸素であり、R、RおよびRが全て水素であり、XがSOである場合、その場合、Zは非置換N−結合ピロリジニルではなく;
−Bが酸素であり、R、RおよびRが全て水素である場合、その場合、Zは、ヒドロキシルで置換されたN−結合アゼチジニルまたはヒドロキシルで置換されたN−結合ピロリジニルではなく;
−Aが酸素であり、RがFである場合、その場合、Zは非置換N−結合ピロリジニルではなく;
−AがNHであり、RがFである場合、その場合、Zは非置換N−結合ピロリジニルではなく;
−AがNMeであり、R、RおよびRが全て水素である場合、その場合、Zは、
−非置換N−結合ピロリジニル;または
−1または2個のハロゲンで置換されたN−結合アゼチジニル;または
−基NH(C1−4アルキルスルホニル)ではない。
【0019】
1の実施態様において、
1−[4−(1−ピロリジニルスルホニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}カルボニル)−3−アゼチジノール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}カルボニル)−3−ピロリジノール
6−メチル−1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−{4−[3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
N−({4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミドおよび
1−[2−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾールを除く、上記の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0020】
1の実施態様において、AはCHであり、Bは酸素またはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択される。
【0021】
1の実施態様において、AはCHであり、Bは酸素である。
【0022】
1の実施態様において、AはCHであり、BはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択される。
【0023】
1の実施態様において、BはCHであり、Aは酸素またはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択される。
【0024】
1の実施態様において、BはCHであり、Aは酸素である。
【0025】
1の実施態様において、BはCHであり、AはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択される。
【0026】
1の実施態様において、R、RおよびRは全て水素である。
【0027】
1の実施態様において、RはFであり、RおよびRは両方水素である。
【0028】
1の実施態様において、RおよびRは両方水素であり、RはFである。
【0029】
1の実施態様において、Xは結合手である。
【0030】
1の実施態様において、XはCHである。
【0031】
1の実施態様において、XはC(O)である。
【0032】
1の実施態様において、XはSOである。
【0033】
1の実施態様において、XはCHC(O)である(ここで、カルボニル基はZに結合する)。
【0034】
1の実施態様において、Zは、C1−2アルカノイルで所望により置換されていてもよいC−結合ピロリジニルである。
【0035】
1の実施態様において、Zは、C1−2アルカノイルで置換されたC−結合ピロリジニルである。
【0036】
1の実施態様において、Zは基NRであって、ここで、Rは水素またはC1−4アルキルであり、RはC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルまたはHet−C1−4アルキルであり、ここで、Hetは飽和5または6員の複素環である。
【0037】
1の実施態様において、Zは基NRであって、ここで、Rは水素またはC1−4アルキルであり、RはC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルまたはテトラヒドロフラニル−メチルである。
【0038】
1の実施態様において、Zは基NRであって、ここで、RおよびRは、アゼチジニルまたはピロリジニル基を形成し、ここで、アゼチジニルまたはピロリジニル基中の炭素原子の1つは、SOで所望により置換されていてもよく、アゼチジニルまたはピロリジニル基はまた、オキソ、ヒドロキシルまたはハロゲンから選択される1または2個の基で所望により置換されていてもよい。
【0039】
1の実施態様において、本発明は、式(Ia):
【化2】

[式中:
・ Yは、6員の飽和炭素環基であって、ここで、炭素原子の1つは、酸素またはNRから選択されるヘテロ原子で置換され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;
・ XはCHであり、Rはオキソであり、RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択されるか;
または
・ Xは−C(=O)−であり、Rは水素であり、RおよびRは両方水素であるかまたはRおよびRの一方は水素であり、他方はフルオロである]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0040】
1の実施態様において、式(Ib):
【化3】

[式中:
・ Yは、6員の飽和炭素環基であって、ここで、炭素原子の1つは、酸素またはNRから選択されるヘテロ原子で置換され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;および
・ RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択される]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0041】
1の実施態様において、本発明は、式(Ic):
【化4】

[式中:
・ Yは、6員の飽和炭素環基であって、ここで、炭素原子の1つは、酸素またはNRから選択されるヘテロ原子で置換され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;および
・ RおよびRは両方水素であるかまたはRおよびRの一方は水素であり、他方はフルオロである]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0042】
1の実施態様において、式(Id):
【化5】

[式中:
・ AおよびBの一方はCHであり、他方は酸素またはNRから選択され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;
・ XはCHであり、Rはオキソであり、RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択されるか;
または
・ Xは−C(=O)−であり、Rは水素であり、RおよびRは両方水素であるかまたはRおよびRの一方は水素であり、他方はフルオロである]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0043】
1の実施態様において、式(Ie):
【化6】

[式中:
・ AおよびBの一方はCHであり、他方は酸素またはNRから選択され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;および
・ RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択される]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0044】
1の実施態様において、式(If):
【化7】

[式中:
・ AおよびBの一方はCHであり、他方は酸素またはNRから選択され、ここで、Rは、水素またはC1−4アルキルから選択され;および
・ RおよびRは両方水素であるかまたはRおよびRの一方は水素であり、他方はフルオロである]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0045】
必要に応じて、本発明のある部分についての上記の実施態様を、本発明の別の部分の実施態様と組み合わせてもよいことが理解されるであろう。不明確とならないようにするために、独立してなる語は、1個以上の置換基が多数の可能な置換基から選択される場合に、それらの置換基が同一または異なっていてもよいことを意味する。
【0046】
式(I)の全ての特徴および実施態様は、式(Ia)ないし(If)に準用する。式(I)の化合物ならびにその塩および溶媒和物に関する上記の全ての参考資料は、式(Ia)ないし(If)の化合物ならびにその塩および溶媒和物を含むことを意図とする。
【0047】
本発明の範囲には、両方のエナンチオマーおよび、限定されるものではないが、ラセミ混合物を含む、その全ての混合物が含まれ、本明細書に記載の製法に関する適当な生物活性を立証することを意図とする。1の実施態様において、キラル型の本発明の化合物は、少なくとも80%の鏡像体過剰率を有する。別の実施態様において、キラル型の本発明の化合物は、少なくとも90%e.e.、例えば、少なくとも95%e.e.を有する。別の実施態様において、異性体は、少なくとも98%e.e.、例えば、少なくとも99%e.e.に相当する。
【0048】
式(I)の化合物の例として、
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
ならびにその塩および溶媒和物が挙げられる。
【0049】
さらなる例として、
1−({4−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[4−(1−アセチル−2−ピロリジニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
N−エチル−N−メチル−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]ベンズアミド
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)−3−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]−3−フルオロフェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−[2−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{4−[(2−オキソ−1−ピロリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロ−6H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−6−カルバルデヒド
N−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]ベンゼンスルホンアミド
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}カルボニル)−3−アゼチジノール
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン塩酸塩
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]−3−フルオロフェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]−2−フルオロフェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン塩酸塩
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
ならびにその塩および溶媒和物が挙げられる。
【0050】
1の実施態様において、式(I)の適当な化合物は、塩の形態であってもよい。例えば、かかる塩は、医薬上許容される塩であってもよい。
【0051】
本明細書に用いられる「塩」なる語は、無機または有機酸または塩基から調製される本発明に記載の化合物のいくつかの塩、第四級アンモニウム塩および内部で形成された塩をいう。医薬上許容される塩は、親化合物と比べてその水溶解度がより高いために、医学的用途に特に適当である。かかる塩は、明らかに医薬上許容されるアニオンまたはカチオンを有する必要がある。適当には、本発明の化合物の医薬上許容される塩には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸などの無機酸、および酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、(1S)−(−)−10−カンファー硫酸、(1S)−(+)−10−カンファー硫酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(embonic)(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびアリールスルホン酸、例えば、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸などの有機酸と形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属および有機塩基、例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、リジンおよびプロカインと形成される塩基付加塩;および内部形成塩が含まれる。医薬上許容されないアニオンまたはカチオンを有する塩は、医薬上許容される塩の調製に有用な中間体として、および/または非治療的、例えば、インビトロ状況で用いるために本発明の範囲内にある。塩は、いくつかの適当な化学量論を有していてもよい。例えば、塩は、1:1または2;1化学量論を有していてもよい。非整数化学量論比率はまた起こりうる。
【0052】
さらに、構造(I)の化合物のいくつかの結晶形は、多形体として存在してもよく、それらは本発明に包含される。
【0053】
いくつかの本発明の化合物を、水性および有機溶媒などの溶媒から結晶化または再結晶してもよい。かかる場合において、溶媒和物を形成してもよい。本発明は、水和物を含む化学量論的溶媒和物ならびに不定量の溶媒(水を含む)を含有する化合物をその範囲内に含み、ここで、非化学量論的溶媒和物(水の場合、水和物)は、凍結乾燥などの工程により生成されうる。
【0054】
当業者であれば、式(I)の化合物の特定の保護誘導体(最終的な脱保護段階の前に生成されうるもの)それ自体は、薬理活性を有していなくてもよいが、場合によっては、経口または非経口投与された後に、体内で代謝されて薬理学的に活性な本発明の化合物を形成しうることは分かるであろう。したがって、かかる誘導体は、「プロドラッグ」と称されうる。さらに、本発明のある種の化合物は本発明の他の化合物のプロドラッグとして投与されうる。本発明のある種の化合物のプロドラッグ形態の例は、Drugs of Today,Volume 19,Number 9,1983,pp 499−538およびTopics in Chemistry,Chapter 31,pp 306−316およびH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」,Elsevier,1985,Chapter 1に記載されている(これらの文書の開示内容は出典明示により本明細書の一部とする)。さらに、当業者であれば、例えば、H.Bundgaardが「Design of Prodrugs」(この文書の開示内容は出典明示により本明細書の一部とする)に記載しているように、当業者に「プロ部分」として知られている特定の部分を、(かかる官能基が本発明の化合物に存在する場合に)適当な官能基上に置くことが可能であることは分かるであろう。本発明のある種の化合物のプロドラッグの例として、エステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバミン酸塩、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタールおよびケタールが挙げられる。
【0055】
以下、(化学過程における中間体化合物を除く)本発明の任意の態様にて定義される式(I)の化合物、それらの塩およびそれらの溶媒和物は、「本発明の化合物」と称される。
【0056】
本発明の化合物は、1種または複数の互変異性型で存在してもよい。全ての互変異性体およびその混合物は、本発明の範囲に包含される。
【0057】
本発明の化合物は、光学異性体、例えば、ジアステレオ異性体および全ての割合の異性体の混合物、例えば、ラセミ混合物の形態で存在してもよい。本発明には、全てのかかる形態、特に純粋な異性体が含まれる。異なる異性体は、従来の方法(例えば、キラルHPLC)により互いに分離または分割されうるか、あるいは任意の所定の異性体は、従来の合成法によりまたは立体選択的もしくは不斉合成により得られうる。
【0058】
本発明の化合物は、種々の方法で、例えば、下記のように調製されうる。以下のいくつかの製法中で特定の反応置換基を保護する必要がありうることは当業者であれば分かるであろう。標準的な保護および脱保護方法、例えば、Greene T.W.Protective groups in organic synthesis,New York,Wiley (1981)に記載のものが用いられうる。例えば、第一級アミンは、フタルイミド、ベンジル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはトリチル誘導体として保護されうる。カルボン酸基は、エステルとして保護されうる。アルデヒドまたはケトン基は、アセタール、ケタール、チオアセタールまたはチオケタールとして保護されうる。かかる基の脱保護は、当該分野にて周知の従来の製法を用いて達成される。例えば、t−ブチルオキシカルボニルなどの保護基は、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、イソプロパノールまたはその混合液中で酸、例えば、塩酸またはトリフルオロ酢酸を用いて除去されうる。
【0059】
式(I)の化合物は、反応スキーム1にしたがって、式(II)の化合物(式中:Lは脱離基、例えば、ハロゲン(例えば、臭素またはヨウ素)である)を式(III)の複素環誘導体とカップリングすることにより調製されうる。当業者には明らかなように、式(I)中のAおよびBがN−tBOCである場合、BOC基は、NHを残すために該反応中に解離してもよい。あるいは、BOC基は、標準的条件(例えば、ジクロロメタン中トリフルオロ酢酸(TFA))を用いて後半の段階で除去されてもよい。典型的なカップリング条件は、マイクロ波反応器中180−190℃でまたは130℃で通常加熱しながら、式(II)の化合物、式(III)の化合物、塩基(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)、ヨウ化銅(I)または酸化銅(I)をジメチルスルホキシド中でN,N−ジメチルグリシンと一緒に加熱することを含む。1の実施態様において、Lは臭素またはヨウ素である。該経路はまた、X−ZがCOOHである、化合物の調製に適している。
【化8】

【0060】
したがって、本発明の化合物は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の製造方法であって、式(II):
【化9】

[式中:Lは脱離基であり、R、R、R、XおよびZは、式(I)の記載と同義である]
で示される化合物を式(III):
【化10】

[式中;AおよびBは、式(I)の記載と同義である]
で示される化合物と反応させ、その後、所望により、
(i)式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換してもよく;および/または
(ii)その塩または溶媒和物を形成してもよいことを含む方法を提供する。
【0061】
式(V)の化合物[式(I)に定義されるように、Xがカルボニルであり、ZがNRである式(I)の化合物である]は、反応スキーム2にしたがって、式(IV)の化合物をアミンとカップリングすることにより調製されうる。典型的なカップリング条件は、ジクロロメタン中における式(IV)の化合物の1,1’−カルボニルジイミダゾールでの処理、次いで、アミン(HNR)での処理を含む。式(IV)の化合物は、スキーム1における式(I)の化合物に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化11】

【0062】
式(V)の化合物[式(I)に定義されるように、Xがカルボニルであり、ZがNRである式(I)の化合物である]は、反応スキーム3にしたがって、式(IV)の化合物をアミンとカップリングすることにより調製されうる。典型的なカップリング条件は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、メチルホルムアミド中における式(IV)の化合物のアミン塩酸塩(HNR.HCl)での処理、次いで、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート メタンアミニウム)での処理を含む。式(IV)の化合物は、スキーム1における式(I)の化合物に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化12】

【0063】
式(VII)の化合物[AがNRであり、RがC1−2アルカノイルである式(I)の化合物である]は、反応スキーム4にしたがって、式(VI)の化合物におけるアシル化反応によって調製されうる。典型的な反応条件は、マイクロ波加熱、ジクロロメタン中における式(VI)の化合物のR−OHでの処理、または塩基(トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下、ジクロロメタン中における式(VI)の化合物のR−Clでの処理することを含む。1の実施態様において、RはC1−2アルカノイルである。式(VI)の化合物は、スキーム1における式(I)の化合物に記載のものと同様の手法で調製されうる。スキーム4はまた、BがNRである式(I)の化合物の調製について準用する。
【化13】

【0064】
式(IX)の中間体化合物[式(I)に定義されるように、Xがカルボニルであり、ZがNRである式(II)の化合物である]は、反応スキーム5にしたがって、式(VIII)の化合物を第二級アミンとカップリングすることにより調製されうる。典型的なカップリング条件は、ジクロロメタン中における式(VIII)の化合物の1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)での処理、次いで、常温で30分攪拌した後、第二級アミン(HNR)を加えること(次いで、塩基、例えば、トリエチルアミンを加え、アミンを塩として利用可能にすべきである)を含む。式(VIII)の化合物は商業的に入手可能である。
【化14】

【0065】
式(XI)の中間体化合物[式(I)に定義されるように、XがCHであり、ZがNRである式(II)の化合物である]は、反応スキーム6にしたがって、式の第二級アミド(HNR)と式(X)のハロゲン化アルキル化合物とのアルキル化により調製されうる。典型的なアルキル化条件は、ジメチルホルムアミド中における第二級アミド(HNR)の適当な塩基、例えば、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液として入手可能)での処理、次いで、アルキル化剤(X)の添加を含む。1の実施態様において、RおよびRは、オキソ基で置換されたピロリジン環を形成する。式(X)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または以下のスキーム11および15に記載のとおりに調製されうる
【化15】

【0066】
式(XIII)の中間体化合物は、反応スキーム7にしたがって、トリフルオロ酢酸エチルへのエノラート付加により式(XII)の化合物から調製されうる。典型的な条件は、テトラヒドロフランまたはヘキサン中における式(XII)の化合物の強塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミン(LDA)または水素化リチウム)での処理、次いで、トリフルオロ酢酸エチルの添加を含む。式(XII)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化16】

【0067】
式(III)の中間体化合物は、反応スキーム8にしたがって、式(XIII)の化合物とヒドラジン水和物との縮合により調製されうる。典型的な条件は、エタノール中における式(XIII)の化合物のヒドラジン水和物での処理および加熱(酸触媒の有無に関わらず)を含む。式(XIII)の化合物は、スキーム7に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化17】

【0068】
式(XV)の中間体化合物は、反応スキーム9にしたがって、水素化リチウムアルミニウムを用いて式(XIV)の化合物を還元することにより調製されうる(BがNRである式(I)の化合物を調製するために、N−tBoc基が代わりに式(I)中の位置「B」にあってもよいことを当業者は分かるであろう)。典型的な還元条件は、式(XIV)の化合物のテトラヒドロフラン(THF)中冷却溶液への水素化リチウムアルミニウムの添加、次いで、加熱を含む。式(XIV)の化合物は、スキーム8における式(XIII)の化合物に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化18】

【0069】
式(XVII)の中間体化合物は、反応スキーム10にしたがって、トリフルオロ酢酸エチルへのエノラート付加、次いで、ヒドラジン水和物との縮合により式(XVI)の化合物[Liebigs Annalen Der Chemie 1984,11,1759−1882;にしたがって調製された]から調製されうる。典型的な条件は、テトラヒドロフラン中における式(XVI)の化合物の強塩基(例えば、メチルリチウム)での処理、次いで、−78℃でのトリフルオロ酢酸エチルの添加を含む。単離した生成物を、エタノール中で溶解し、ヒドラジン水和物で処理し、6時間加熱還流した。
【化19】

【0070】
式(X)の中間体化合物は、反応スキーム11にしたがって、式(XVIII)の化合物の臭素化により調製されうる。典型的な反応条件は、冷却しながら、式(XVIII)の化合物およびトリフェニルホスフィンのジクロロメタン中混合物にN−ブロモスクシンイミドを加えること、次いで、室温で攪拌することを含む。式(XVIII)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化20】

【0071】
式(IX)の中間体[式(I)に定義されるように、XがCHであり、ZがNRである式(II)の化合物である]は、反応スキーム12にしたがって、式(VIII)の化合物をアミンとカップリングすることにより調製されうる。典型的なカップリング条件は、ジメチルホルムアミド中における式(VIII)の化合物のアミン(HNR)での処理(塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミンの有無に関わらず)、次いで、HATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート メタンアミニウム)での処理を含む。式(VIII)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化21】

【0072】
式(XXIII)の中間体化合物は、反応スキーム13にしたがって、式(XXIV)の化合物を用いる式(XXII)の化合物のアシル化、次いで、アルキル化により調製されうる。典型的な条件は、式(XXII)および適当な塩基、例えば、トリエチルアミンのジメチルホルムアミド中溶液を式(XXIV)の化合物で処理すること、次いで、過剰の水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液)の添加および環化が完了するまで室温で攪拌することを含む。1の実施態様において、Wは、カルボニルまたはスルホニルである。式(XXII)の化合物は、商業的に入手可能である。式(XXIV)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化22】

【0073】
式(XXVI)の中間体化合物は、反応スキーム14にしたがって、式(XXV)の化合物のアシル化により調製されうる。典型的な反応条件は、塩基(トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下、ジクロロメタン中における式(XXV)の化合物のY−Clでの処理を含む。1の実施態様において、YはC1−2アルカノイルである。R、RおよびRが水素である、式(XXV)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化23】

【0074】
式(X)の中間体化合物は、反応スキーム15にしたがって、式(XXVII)の化合物の臭素化により調製されうる。典型的な反応条件は、式(XXVII)の化合物とN−ブロモスクシンイミドおよび過酸化ベンゾイルとの混合物を四塩素炭素中で約20時間加熱還流することを含む。式(XXVII)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化24】

【0075】
式(XXIX)の中間体化合物は、反応スキーム16にしたがって、シアン化ナトリウムでの処理により式(X)の化合物から調製されうる。典型的な反応条件は、式(X)の化合物およびシアン化ナトリウムのエタノールおよび水中混合物を3時間加熱還流することを含む。式(X)の化合物は、商業的に入手可能であるか、またはスキーム11および15に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化25】

【0076】
式(XXX)の中間体化合物は、反応スキーム16にしたがって、塩基媒介加水分解により式(XXIX)の化合物から調製されうる。典型的な反応条件は、式(XXIX)の化合物および水酸化カリウムのエタノールおよび水中混合物を5時間加熱還流することを含む。式(XXIX)の化合物は、商業的に入手可能であるか、またはスキーム16に記載のものと同様の手法で調製されうる。
【化26】

【0077】
式(XXXIII)の中間体化合物は、反応スキーム18にしたがって、式(XXXII)の化合物を用いるスルホニル化により式(XXXI)の化合物から調製されうる。典型的な反応条件は、冷却しながら、ジクロロメタンおよび塩基(例えば、トリエチルアミン)中で式(XXXI)の化合物(またはその塩)を式(XXXII)の塩化スルホニルで処理すること、次いで、室温で攪拌することを含む。式(XXXI)および(XXXII)の化合物は、商業的に入手可能である。
【化27】

【0078】
本発明の化合物は、個々にまたは少なくとも2個、例えば、5〜1,000個の化合物、例えば、10〜100個の化合物を含む化合物ライブラリーとして調製されうる。本発明の化合物のライブラリーは、当業者に既知の製法によって、液相または固相化学のいずれかを用いて組み合わせ「スプリット・アンド・ミックス」法によってまたは複数のパラレル合成によって調製されうる。したがって、さらなる態様によれば、少なくとも2個の本発明の化合物を含む化合物ライブラリーが提供される。
【0079】
本発明の化合物は、AMPA受容体を強化することが見出されているので、かかる受容体の強化を必要とする病状の治療、例えば、認知の強化、例えば、種々の疾患によってもたらされる認識機能障害の治療に有用であると期待されている。化合物はまた、統合失調症を含む、精神病性障害の治療に有用であると期待されている。化合物は、これらの目的について、その自体で、あるいは補充または補助療法の一部として有用であってもよい。本発明が以下のさらなる態様を含むことは明らかであろう:
i)医薬として用いるための式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;
ii)哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態を治療または予防するための医薬の製造における式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用;
iii)哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態を治療または予防するのに用いるための式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;
iv)式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物および少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物;および
v)哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態の治療または予防方法であって、有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む方法。
【0080】
さらに、本発明はまた、式(I)の化合物と抗精神病薬との組み合わせ生成物を提供する。さらに、本発明は、
i)かかる組み合わせ生成物および少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物;
ii)哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態を治療または予防するための医薬の製造におけるかかる組み合わせの使用;
iii)哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態を治療または予防するのに用いるためのかかる組み合わせ生成物;
iv)哺乳動物のグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態の治療または予防方法であって、有効量のかかる組み合わせ生成物を投与することを含む方法;および
v)医薬として用いるためのかかる組み合わせ生成物
を提供する。
【0081】
第1の態様に関する記載の実施態様は、同様に、これらのさらなる態様のそれぞれに適用する。
【0082】
1の実施態様において、治療すべき哺乳動物はヒトである。本明細書に用いられる「治療」には、既存の症状の予防ならびに緩和が含まれることを理解すべきである。
【0083】
態様ii)、iii)およびv)の場合、関連疾患または病態は、精神病および精神病性障害(統合失調症、統合失調性感情障害、統合失調症様疾患、短期反応精神病、幼児期発症統合失調症、「統合失調症−スペクトラム」障害、例えば、分離病質人格障害もしくは統合失調症性人格障害、急性精神病、アルコール性精神病、薬物誘導性精神病、自閉症、せん妄(delerium)、躁病(急性躁病を含む)、躁うつ病、幻覚、内因性精神病、器質性精神症候群、パラノイドおよび妄想性障害、産褥期精神障害、およびアルツハイマー病などの神経変性病に付随する精神病を含む);認識機能障害(例えば、注意、順応、記憶(すなわち、記憶障害、健忘症、記憶喪失障害および加齢による記憶障害)および言語機能を含む認識機能の障害の治療、ならびに卒中、アルツハイマー病、エイズによる認知症または他の認知症状態、ならびに、せん妄またはうつ病などの認識力低下を引き起こしうる他の急性または亜急性病態(偽認知症状態)、外傷、加齢、卒中、神経変性、薬物誘導性状態、神経毒性物質の結果としての認識機能障害を含む)、軽度認識機能障害、加齢による認識機能障害、自閉症による認識機能障害、ダウン症候群、精神病に付随する認知障害、電気ショック療法後による認知障害;不安障害(全身性不安障害、社会不安障害、動揺、緊張、精神病患者における社会的または感情的離脱、パニック障害、および強迫性障害を含む);神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、運動ニューロン疾患および他の運動障害、例えば、パーキンソン病(歩行運動欠損および/または意図的動作、振戦、動作緩慢、運動過剰症(中程度および重度)、無動症、硬直、平衡性および協調性障害、および姿勢障害を含む、運動障害の軽減を含む)、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、神経遮断薬誘導性パーキンソニズムおよび遅発性ジスキネジア、卒中、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの後の神経変性、ならびに多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症などの脱髄疾患);うつ病(該用語は、双極性(躁)うつ病(I型およびII型を含む)、単極性うつ病、精神病性特徴、硬直性特徴、憂うつ性特徴、不定型的特徴(例えば、無気力、過食/肥満、睡眠過剰)または分娩後発症の有無によらない単発性または再発性大うつ病エピソード、季節性情動障害および気分変調、うつ病による不安症、精神病性うつ病、および、限定するものではないが、心筋梗塞、糖尿病、流産または中絶を含む一般的健康状態がもたらす抑うつ障害を含む);外傷後ストレス症候群;注意力欠陥障害;注意力欠陥多動性障害;薬物誘導性(フェンシクリジン、ケタミンおよび他の解離性麻酔薬、アンフェタミンおよび他の精神刺激薬およびコカイン)障害;ハンチントン舞踏病;遅発性ジスキネジア;ジストニア;ミオクローヌス;痙攣;肥満;卒中;性的機能不全;睡眠障害およびある種のてんかんである。
【0084】
本発明の文脈内において、本明細書中で用いられる語は、アメリカ精神病医学会(the American Psychiatric Association)によって出版された精神障害の診断および統計学的マニュアル(the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第4版(DSM−IV)および/または国際疾患分類(the International Classification of Diseases)第10版(ICD−10)において分類される。本明細書中に挙げられた障害の種々のサブタイプは、本発明の一部として意図される。以下に列挙した疾患の後ろの括弧内の数字は、DSM−IVにおける分類コードを示す。
本発明の文脈内において、「精神病性障害」なる語には、妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、未分化型(Undifferentiated Type)(295.90)および残遺型(295.60)サブタイプを含む統合失調症;統合失調症様障害(295.40);双極型および抑うつ型サブタイプを含む統合失調性感情障害(295.70);恋愛(Erotomanic)型、誇大(Gradiose)型、嫉妬(Jealous)型、迫害(Persecutory)型、身体(Somatic)型、混合(Mixed)型および不特定(Unspecified)型サブタイプを含む妄想障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);共通の精神病性障害(297.3);妄想および幻覚を伴うサブタイプを含む一般的健康状態に起因する精神病性障害;妄想(293.81)および幻覚(293.82)を伴うサブタイプを含む物質誘導性精神病性障害;ならびに特定不能の精神病性障害(298.9)が含まれる。
【0085】
本発明の化合物はまた、以下の障害の治療に有用でありうる:
大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁エピソードを含む気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能の抑うつ障害(311)を含む抑うつ障害;I型双極性障害、II型双極性障害(軽躁エピソードを伴う再発性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および特定不能の双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病性特徴、大うつ病様エピソード、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを含む一般的健康状態に起因する気分障害(293.83)を含む他の気分障害、物質誘導性気分障害(うつ病性特徴、躁病性特徴および混合性特徴を伴うサブタイプを含む)および特定不能の気分障害(296.90):
【0086】
パニック発作、広場恐怖症、パニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖症(300.22)、動物型、自然環境型、血液注入傷害(Blood−Injection−Injury)型、状況型および他の型のサブタイプを含む特定恐怖症(300.29)、社会恐怖症(300.23)、強迫障害(300.3)、外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般的健康状態に起因する不安障害(293.84)、物質誘導性不安障害、および特定不能の不安障害(300.00)を含む不安障害:
【0087】
物質依存および物質乱用などの物質使用障害;物質中毒、物質離脱、物質誘導性せん妄、物質誘導性持続性認知症、物質誘導性持続性健忘障害、物質誘導性精神病性障害、物質誘導性気分障害、物質誘導性不安障害、物質誘導性性的機能不全、物質誘導性睡眠障害および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)などの物質誘導性障害;アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘導性持続性認知症、アルコール誘導性持続性健忘障害、アルコール誘導性精神病性障害、アルコール誘導性気分障害、アルコール誘導性不安障害、アルコール誘導性性的機能不全、アルコール誘導性睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9)などのアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘導性精神病性障害、アンフェタミン誘導性気分障害、アンフェタミン誘導性不安障害、アンフェタミン誘導性性的機能不全、アンフェタミン誘導性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)などのアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘導性不安障害、カフェイン誘導性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)などのカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘導性精神病性障害、大麻誘導性不安障害および特定不能の大麻関連障害(292.9)などの大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘導性精神病性障害、コカイン誘導性気分障害、コカイン誘導性不安障害、コカイン誘導性性的機能不全、コカイン誘導性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)などのコカイン関連障害;幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘導性精神病性障害、幻覚剤誘導性気分障害、幻覚剤誘導性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)などの幻覚剤関連障害;吸入剤依存(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘導性持続性認知症、吸入剤誘導性精神病性障害、吸入剤誘導性気分障害、吸入剤誘導性不安障害および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)などの吸入剤関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)などのニコチン関連障害;オピオイド依存(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘導性精神病性障害、オピオイド誘導性気分障害、オピオイド誘導性性的機能不全、オピオイド誘導性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)などのオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘導性精神病性障害、フェンシクリジン誘導性気分障害、フェンシクリジン誘導性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)などのフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤依存(304.10)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤乱用(305.40)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒(292.89)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱(292.0)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性認知症、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性健忘障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性精神病性障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性気分障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性不安障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性性的機能不全、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性睡眠障害および特定不能の鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害(292.9)などの鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害;多物質依存(304.80)などの多物質関連障害;およびアナボリックステロイド、硝酸塩吸入剤および亜酸化窒素などの他の(または未知の)物質関連障害を含む物質関連障害:
【0088】
睡眠異常(Dyssomnias)などの原発性睡眠障害、例えば、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および特定不能の睡眠異常(307.47);睡眠時異常行動などの原発性睡眠障害、例えば、悪夢障害(307.47)、睡眠恐怖障害(307.46)、夢中歩行障害(307.46)および特定不能の睡眠時異常行動(307.47);別の精神病性障害に不随する睡眠障害、例えば、別の精神病性障害に付随する不眠症(307.42)および別の精神病性障害に関連した過眠症(307.44);一般的健康状態に起因する睡眠障害、特に神経障害、神経因性疼痛、下肢静止不能症候群、心疾患および肺疾患;および不眠型、過眠型、睡眠時異常行動型および混合型サブタイプを含む物質誘導性睡眠障害を含む睡眠障害:
【0089】
自閉障害(299.00)、アスペルガー障害(299.80)、レット障害(299.80)、小児期崩壊性障害(299.10)および特定不能の広汎性障害(299.80、非定型自閉症)を含む自閉症スペクトル障害:
【0090】
混合型の注意力欠陥/多動性障害(314.01)、不注意型の注意力欠陥/多動性障害(314.00)、多動−衝動型の注意力欠陥/多動性障害(314.01)および特定不能の注意力欠陥/多動性障害(314.9)サブタイプを含む注意力欠陥/多動性障害;多動障害;破壊的行動障害、例えば、幼児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)および不特定発症型(312.89)サブタイプを含む行為障害、反抗的行動障害(313.81)および特定不能の破壊的行動障害;およびトゥーレット障害(307.23)などのチック障害:
【0091】
妄想性人格障害(301.0)、分離病質人格障害(301.20)、統合失調症性人格障害(301,22)、非社会性人格障害(301.7)、境界性人格障害(301,83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301,81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および特定不能の人格障害(301.9)サブタイプを含む人格障害:
【0092】
統合失調症、双極性障害、うつ病、他の精神病性障害および認識機能障害に付随する精神病状態、例えば、アルツハイマー病などの他の疾患における認識機能障害の治療を含む認知の強化:および
【0093】
性的欲求障害、例えば、性的欲求低下障害(302.71)および性的嫌悪障害(302.79);性的刺激障害、例えば、女性性的刺激障害(302.72)および男性勃起障害(302.72);オルガスム障害、例えば、女性オルガスム障害(302.73)、男性オルガスム障害(302.74)および早漏(302.75);性的疼痛障害、例えば、性交疼痛症(302.76)および膣痙(306.51);特定不能の性的機能不全(302.70);性的倒錯、例えば、露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、摩擦症(302.89)、ペドフィリア(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯性フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)および特定不能の性的倒錯(302.9);性的自己同一性障害、例えば、子供の性的自己同一性障害(302.6)および青年または成人における性的自己同一性障害(302.85);および特定不能の性的障害(302.9)を含む性的機能不全。
【0094】
本明細書に記載の障害の種々の形態およびサブ形態の全ては、本発明の一部として考えられる。
【0095】
本発明の文脈内において、「認識機能障害」なる語には、例えば、注意、順応、学習障害、記憶(すなわち、記憶障害、健忘症、健忘障害、一過性全健忘症症候群および加齢による記憶障害)および言語機能を含む認識機能の障害の治療;卒中、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、エイズによる認知症または多重梗塞性認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能低下による認知症、ならびに小脳萎縮症および筋萎縮性側索硬化症などの他の変性障害に付随する認知症などの他の認知症状態の結果としての認識機能障害;せん妄またはうつ病などの認識力低下を引き起こしうる他の急性または亜急性状態(偽認知症状態)、外傷、頭部外傷、加齢による認識力低下、卒中、神経変性、薬物誘導性状態、神経毒性物質、軽度認識機能障害、加齢による認識機能障害、自閉症による認識機能障害、ダウン症候群、精神病に付随する認識力低下、および電気ショック療法後による認識機能障害;ならびにパーキンソン病、神経遮断薬誘導性パーキンソンニズムおよび遅発性ジスキネジアなどの運動障害が含まれる。
【0096】
本発明の化合物は、精神病性障害を治療または予防するために、以下の薬剤を組み合わせて用いられうる:i)抗精神病薬(例えば、オランザピン、リスペリドン、クロザピン、ジプラジドンおよびタルネタント);ii)錐体外路副作用治療薬、例えば、抗コリン作動薬(例えば、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジンおよびトリヘキシフェニジル)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン)およびドーパミン作動薬(例えば、アマンタジン);iii)抗うつ薬;iv)抗不安薬;およびv)向知性薬、例えば、コリンエステラーゼ阻害薬(例えば、タクリン、ドネペジル、リバスチグミンおよびガランタミン)。
【0097】
本発明の化合物は、うつ病および気分障害を治療または予防するために、抗うつ薬と組み合わせて用いられうる。
【0098】
本発明の化合物は、双極性疾患を治療または予防するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)気分安定剤;ii)抗精神病薬;およびiii)抗うつ薬。
【0099】
本発明の化合物は、不安障害を治療または予防するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)抗不安薬;およびii)抗うつ薬。
【0100】
本発明の化合物は、ニコチン離脱を改善し、ニコチン渇望を軽減するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)ニコチン置換療法、例えば、ニコチン性β−シクロデキストリンの舌下処方およびニコチンパッチ剤;およびii)ブプロピオン。
【0101】
本発明の化合物は、アルコール離脱を改善し、アルコール渇望を軽減するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、アカンプロセート;ii)GABA受容体アゴニスト、例えば、テトラバメート(tetrabamate);およびiii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン。
【0102】
本発明の化合物は、アヘン離脱を改善し、アヘン渇望を軽減するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)オピオイドμ受容体アゴニスト/オピオイドκ受容体アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン:ii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン;およびiii)血管拡張性降圧剤、例えば、ロフェキシジン。
【0103】
本発明の化合物は、睡眠障害を治療または予防するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)ベンゾジアゼピン系、例えば、テマゼパム、ロルメタゼパム、エスタゾラムおよびトリアゾラム:ii)非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、例えば、ゾルピデム、ゾピクロン、ザレプロンおよびインディプロン;iii)バルビツール系、例えば、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタールおよびフェノバルビタール;iv)抗うつ薬;v)他の催眠鎮痛薬、例えば、抱水クロラールおよびクロルメチアゾール。
【0104】
本発明の化合物は、拒食症を治療するために、以下の薬剤を組み合わせて用いられうる:i)食欲増進薬、例えば、シプロヘプチジン(cyproheptidine)、ii)抗うつ薬;iii)抗精神病薬;iv)亜鉛;およびv)月経前薬剤、例えば、ピリドキシンおよびプロゲステロン。
【0105】
本発明の化合物は、過食症を治療または予防するために、以下の薬剤を組み合わせて用いられうる:i)抗うつ薬;ii)オピオイド受容体アンタゴニスト;iii)制吐薬、例えば、オンダンセトロン;iv)テストステロン受容体アンタゴニスト、例えば、フルタミド;v)気分安定剤;vi)亜鉛;およびvii)月経前薬剤。
【0106】
本発明の化合物は、自閉症を治療または予防するために、以下の薬剤を組み合わせて用いられうる:i)抗精神病薬;ii)抗うつ薬;iii)抗不安薬;およびiv)興奮薬、例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン処方およびペモリン。
【0107】
本発明の化合物は、注意力欠陥多動性障害を治療または予防するために、以下の薬剤を組み合わせて用いられうる:i)興奮薬、例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン処方およびペモリン;およびii)非興奮薬、例えば、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(例えば、アトモキセチン)、α2アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、クロニジン)、抗うつ薬、モダフィニル、およびコリンエステラーゼ阻害薬(例えば、ガランタミンおよびドネペジル)。
【0108】
本発明の化合物は、人格障害を治療するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)抗精神病薬;ii)抗うつ薬;iii)気分安定剤;およびiv)抗不安薬。
【0109】
本発明の化合物は、男性の性的機能不全を治療または予防するために、以下の薬剤と組み合わせて用いられうる:i)ホスホジエステラーゼV阻害薬、例えば、バルデナフィルおよびシルデナフィル;ii)ドーパミンアゴニスト/ドーパミントランスポーター阻害薬、例えば、アポモルフィンおよびブプロプリオン;iii)αアドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、フェントラミン;iv)プロスタグランジンアゴニスト、例えば、アルプロスタジル;v)テストステロンアゴニスト、例えば、テストステロン;vi)セロトニントランスポーター阻害薬、例えば、セロトニン再取り込み阻害薬;v)ノルアドレナリントランスポーター阻害薬、例えば、レボキセチン;およびvii)5−HT1Aアゴニスト、例えば、フリバンセリン。
【0110】
本発明の化合物は、女性の性的機能不全を治療または予防するために、男性の性的機能不全について特定された同一の薬剤、さらにエストラジオールなどのエストロゲンアゴニストと組み合わせて用いられうる。
【0111】
抗精神病薬には、定型抗精神病薬(例えば、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフルオペラジン、チオチキシン、ハロペリドール、モリンドンおよびロキサピン);および非定型抗精神病薬(例えば、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピラゾール、ジプラシドン、アミスルピリド、ジプラジドンおよびタルネタント)が含まれる。
【0112】
抗うつ薬には、セロトニン再取り込み阻害薬(例えば、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリン);デュアルセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例えば、ベンラファクシン、デュロキセチンおよびミルナシプラン);ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例えば、レボキセチン);三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害薬(例えば、イソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジンおよびトラニルシプロミン);およびその他(例えば、ブプロピオン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドン)が含まれる。
【0113】
気分安定剤には、リチウム、バルプロ酸ナトリウム/バルプロ酸/ジバルプロックス、カルバマゼピン、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラメートおよびチアガビンが含まれる。
【0114】
抗不安薬には、アルプラゾラムおよびロラゼパムなどのベンゾジアゼピン系が含まれる。
【0115】
本発明の化合物は医薬組成物に用いることを目的としているので、それらは、各々所望により、実質上純粋な形態、例えば、少なくとも60%純粋、例えば、少なくとも75%純粋または少なくとも85%、あるいは少なくとも98%純粋(%は、重量/重量に基づく)な形態で提供されることが容易に理解されるであろう。化合物の不純調製物は、医薬組成物中に用いられる多量の純粋な形態を調製するために用いられうる;これらのより少ない化合物の純粋調製物は、本発明の化合物の少なくとも1%、または少なくとも5%もしくは10ないし59%含有する必要がある。
【0116】
本発明の化合物は、当該分野で周知の従来の製法にしたがって本発明の化合物を標準的担体または希釈剤と合することによって調製される通常の剤形で投与されうる。これらの製法は、必要に応じて、所望の製剤に成分を混合、造粒および圧縮または溶解することに関与しうる。
【0117】
本発明の医薬組成物は、いずれかの経路で投与するために処方されてもよく、ヒトを含む哺乳動物への経口、局所または非経口投与に適している形態のものを含む。
【0118】
組成物は、いずれかの経路で投与するために処方されうる。組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末、顆粒、ロゼンジ、クリームまたは液体製剤、例えば、経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であってもよい。
【0119】
本発明の局所処方は、例えば、軟膏、クリームまたはローション、眼軟膏および点眼薬または点耳薬、含浸包帯およびエアロゾルとして存在していてもよく、保存剤、薬物透過を補助する溶媒ならびに軟膏およびクリーム中の皮膚軟化剤などの適当な通常の添加剤を含有していてもよい。
【0120】
処方はまた、クリームまたは軟膏基剤およびローション用エタノールまたはオレイル・アルコールなどの相溶性の通常の担体を含有していてもよい。かかる担体は、処方の約1%〜約98%として存在してもよい。より一般的には、それらは、処方の約80%まで形成するであろう。
【0121】
経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位量表示形態であってもよく、通常の賦形剤を含有していてもよい。結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;または許容される湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの通常の賦形剤を含有していてもよい。錠剤は、通常の調剤実務においてよく知られている方法にしたがってコーティングされうる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップまたはエリキシル剤の形態であってもよく、あるいは、使用前に水または他の適当なビヒクルで再構成するための乾燥生成物として存在してもよい。かかる液体製剤は、従来の添加物、例えば、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチンまたは水素化食用脂、乳濁化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアカシア;(食用脂を含んでいてもよい)非水性ビヒクル、例えば、アーモンド油、グリセリン、プロピレングリコール、またはエチルアルコールなどの油性エステル;保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸、ならびに、必要に応じて、通常の香味剤または着色剤を含有していてもよい。
【0122】
坐剤は、通常の坐剤基剤、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドを含有するであろう。
【0123】
非経口投与について、流体単位剤形は、化合物および滅菌ビヒクル、例えば、水を利用して調製される。用いられるビヒクルおよび濃度による、化合物は、ビヒクルで懸濁または溶解されうる。液体の調製において、適当なバイアルまたはアンプル中に充填し、密封する前に、化合物を注射用水で溶解し、フィルターを滅菌しうる。
【0124】
有利には、局所麻酔薬などの薬剤、保存剤および緩衝剤は、ビヒクルで溶解されうる。安定性を高めるために、バイアルに充填し、水を真空中で除去した後、組成物は凍結されうる。次いで、凍結乾燥粉末をバイアル中で密封し、注射用水の付随のバイアルを、使用前に液体を再構成するために供給してもよい。非経口懸濁液は、化合物を溶解する代わりにビヒクルで懸濁し、滅菌を濾過により達成できないことを除き、実質上同一の方法で調製されうる。滅菌ビヒクルで懸濁する前に、化合物は、酸化エチレンに曝すことにより滅菌されうる。有利には、化合物の均一な分布を容易にするために、界面活性剤または湿潤剤が組成物中に含まれる。
【0125】
組成物は、投与方法によって、活性物質の0.1重量%から、例えば、10−60重量%含有していてもよい。組成物が用量単位量を含む場合、各単位量は、例えば、活性成分の0.1〜20mgを含有していてもよい。例えば、かかる単位量は、1〜10mgを含有していてもよい。
【0126】
当業者であれば、本発明の化合物の個々の用量の最適量および間隔が、治療を受けている病態の特徴および程度、投与の形態、経路および部位、および治療を受けている特定の哺乳動物によって決定されるであろうことならびにかかる最適条件が従来の技法によって決定されうることは分かるであろう。当業者であれば、最適な治療過程、すなわち、所定の日数に対する1日に投与される本発明の化合物の用量の回数が、治療決定試験の通常の過程を用いて当業者によって確認されうることも分かるであろう。
【実施例】
【0127】
本発明は、下記の実施例によって説明される。
【0128】
略称
TEA トリエチルアミン
TMS−Cl 塩化トリメチルシリル
DME ジメチルエーテル
ss 飽和溶液
TFA トリフルオロ酢酸
DAD ダイオードアレイ検出器
CD 円偏光二色性
a/a% 濃度曲線下面積パーセント
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
NMR 核磁気共鳴
SCX Varian(商標)が供給するクロマトグラフィーカラム
THF テトラヒドロフラン
DMSO ジメチルスルホキシド
DMF ジメチルホルムアミド
DCM/MDC ジクロロメタン/二塩化メチレン
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
LDA リチウムジイソプロピルアミド
EDC 1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
MsCl 塩化メタンスルホニル
AcOH 酢酸
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Pd on C 炭素担体パラジウム
MeCN アセトニトリル
MDAP マスディレクティッド自動精製
HATU 2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,
3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
メタンアミニウム
【0129】
出発物質は、特に明記しない限り、商業上の供給元から得られ、さらに精製することなく用いられた。フラッシュクロマトグラフィーは、固定相としてプレパックIsolute Flash(商標)またはBiotage(商標)シリカゲルカラムおよび溶出液として分析グレード溶媒を用いて行われた。
【0130】
NMRスペクトルは、特に明記しない限り、298Kにて、Bruker(商標)DPX400またはOxford Instruments(商標)250MHz装置のいずれかを用いて規定の周波数にて得られ、CDClの希釈溶液として行った。全てのNMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS δ 0,δ 0)を基準とした。全てのカップリング定数は、ヘルツ(Hz)で記録され、多重度は、s(シングレット)、bs(ブロード・シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、dd(ダブレット・オブ・ダブレット)、dt(ダブレット・オブ・トリプレット)およびm(マルチプレット)で標識される。
【0131】
総イオン電流トレースは、エレクトロスプレー陽および陰イオン化(ES+/ES−)および/または大気圧化学陽および陰イオン化(AP+/AP−)について得られた。
【0132】
分析クロマトグラフィー条件
カラム: Gemini C18,50x4.6mm,5μm
移動相: A:NHHCO溶液 10mM、pH10;B:CHCN
勾配: 35%(B)0.5分間、35%(B)→95%(B)4.5分、
95%(B)1.5分間
流速: 2ml/分
UV波長域: 210−350nm
イオン化: ES+/ES−
質量範囲: 100−900amu
【0133】
マスディレクティッド分取クロマトグラフィー
カラム
用いられるカラムは、粒径が5mmで、大きさが19mmx100mmである、Waters Atlantisである。
溶媒
A:水性溶媒=水+0.1%トリフルオロ酢酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
後処理溶媒=メタノール:水 80:20+0.1%ギ酸
ニードル洗浄溶媒=メタノール
方法
目的化合物の分析保持時間によって用いられる5つの方法が存在する。それらは20分の実行時間を有し、15.5分の勾配、次いで、3.5分のカラム洗浄および再平衡工程からなる。
方法 1.8−2.1=0−30%B
方法 2.1−2.6=10−45%B
方法 2.6−3.1=15−65%B
方法 3.1−4.1=30−75%B
方法 >4.1=50−100%B(14分、次いで、5分の洗浄および再平衡)
上記の方法は、20ml/分の流速を有する。方法についての注入量は、500ulのパーシャルループ注入である。
【0134】
高pHマスディレクティッド分取クロマトグラフィー条件
カラム
用いられるカラムは、大きさが19mmx100mm(小スケール)および30mmx100mm(大スケール)である、Waters XBrigeである。固定相粒径は5mmである。
溶媒
A:水性溶媒=アンモニア溶液でpH10に調整した10mM炭酸アンモニウム
B:有機溶媒=アセトニトリル
後処理溶媒=メタノール:水 80:20
ニードル洗浄溶媒=メタノール
方法
目的化合物の分析保持時間によって用いられる5つの方法が存在する。それらは、13.5分の実行時間を有し、10分の勾配、次いで、3.5分のカラム洗浄および再平衡工程からなる。
大/小スケール 1.0−1.5=5−30%B
大/小スケール 1.5−2.2=15−55%B
大/小スケール 2.2−2.9=30−85%B
大/小スケール 2.9−3.6=50−99%B
大/小スケール 3.6−5.0=80−99%B(6分、次いで、7.5分の洗浄および再平衡)
流速
全ての上記の方法は、20ml/分(小スケール)または40ml/分(大スケール)のいずれかの流速を有する。
【0135】
その後の製法において、番号で中間体または実施例についての関連が典型的には提供される。このことは、用いられる出発物質を同定するために技術のある化学者に対し単に支援を行うのみである。出発物質は、必ずしも言及される群から調製されていなくてもよい。特に明記しない限り、キラル中心(複数)を有する全ての化合物はラセミ体である。
【0136】
記載例1:1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1)
【化28】

2−ピロリジノン(3.15g、37.1mmol)のジメチルホルムアミド(130ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で攪拌しながら氷/メタノール浴中で冷却した。次いで、水素化ナトリウム(鉱油中60%、1.48g、37.0mmol)の固体懸濁液を10分かけて滴下した。反応混合物を、冷却しながら30分間攪拌し、次いで、臭化4−ヨードベンジル(10g、33.7mmol)を10分かけて滴下した。全混合物を室温に徐々に加温し、次いで、さらに3時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン(150ml)および水(100ml)の間に分配し、水層をジクロロメタン(100ml)で2回洗浄し、合した有機層を除去し、水(3x100ml)、次いで、ブライン(100ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、白色固体として標記化合物を得た(9.98g、98%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.65(2H,m),7.00(2H,m),4.39(2H,s),3.25(2H,m),2.44(2H,m),2.00(2H,m);LC/MS 保持時間 2.57分/(ES+) 302 (M+H,C1112INO 理論値301)。
【0137】
記載例2:1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]ピロリジン(D2)
【化29】

4−ヨード安息香酸(8.68g、35mmol)のジクロロメタン(120ml)中懸濁液を、アルゴン下で攪拌しながら、室温にて固体1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.67g、35mmol)で5分かけて滴下処理した。該混合物を、室温でさらに30分間攪拌した。次いで、ピロリジン(2.49g、35mmol)を、15分かけて徐々に反応混合物に加えた。次いで、全混合物を、アルゴン下室温で1時間攪拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(各100ml)で2回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、褐色固体として標記化合物を得た(10.05g、95%)。
H−NMR(400MHz、CDCl) δ:7.75(2H,m),7.26(2H,m),3.63(2H,t,J=7Hz),3.40(2H,m,J=7Hz),1.96(2H,m),1.88(2H,m);LC/MS 保持時間 2.51分/(ES+) 302 (M+H,C1112INO 理論値301)。
【0138】
記載例3:3−(トリフルオロアセチル)テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(D3)
【化30】

テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(5.0g、50mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら−70℃に冷却した。次いで、溶液を、リチウムジイソプロピルアミンのテトラヒドロフラン(25ml)中2M溶液で30分かけて滴下処理した。次いで、混合物を30分間−70℃で攪拌し、次いで、アルゴン下で攪拌しながら、トリフルオロ酢酸エチル(7.1g、5.9ml、50mmol)で滴下処理した。次いで、混合物を徐々に20℃に加温し、アルゴン下で16時間攪拌した。次いで、反応混合物を、酢酸エチル(50ml)および水(100ml)の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去し、泡沫状黄色固体として標記化合物を得た(10.34g、定量的)。
H−NMR(400MHz,MeOD) δ:4.50(2H,m),3.87(2H,m),3.22(1H,m),2.34(2H,m);LC/MS 保持時間 2.35分/(ES−) 195 (M−H,C 理論値196)。
【0139】
記載例4:3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)
【化31】

3−(トリフルオロアセチル)テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(D4、5.42g、27.7mmol)、およびヒドラジン水和物(1.38g、1.4ml、27.6mmol)のエタノール(120ml)中混合物を、アルゴン下60℃で6時間攪拌した。さらに0.7ml(14mmol)のヒドラジン水和物を加え、反応物を70℃で3時間攪拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を回転蒸発により除去した。残渣を、ジクロロメタンおよび水の間に分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去した。水層を2N HClで中和し、ジクロロメタンで再抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去した。2つの抽出液を合し、黄色固体として標記化合物を得た(3.64g、68%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:11.32(1H,br s),4.76(2H,s),3.95(2H,m),2.83(2H,m);LC/MS 保持時間 1.92分/(ES−) 191 (M−H,CO 理論値192)。
【0140】
記載例5:3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)
【化32】

(5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)(トリメチル)シラン(Liebigs Annalen Der Chemie 1984,11,1759−1882にしたがって調製された;−28.7g、167mmol)の乾THF(570ml)中溶液に、アルゴン下室温で1.6Mメチルリチウムのジエチルエーテル(104ml、167mmol)中溶液を滴下した。2.5時間後、混合物を−78℃に冷却し、次いで、室温にてトリフルオロ酢酸エチル(23.7g、19.9ml、167mmol)の乾THF(20ml)中溶液で滴下処理した。混合物を、室温に徐々に加温し、2時間攪拌し、次いで、内部温度を10℃以下に保ちつつ、飽和NHCl溶液(250ml)でクエンチした。2層を分離し、水層を酢酸エチル(各々、250ml)で2回抽出した。得られた合した有機相を、最終的に硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去し、泡沫状黄色固体として中間体4−(トリフルオロアセチル)ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オンを得た(32.7g、定量的)。
【0141】
該中間体(32.7g、167mmol)をエタノール(570ml)で溶解し、ヒドラジン水和物溶液(16.7g、16.6ml、334mmol)に室温で加えた。得られた混合物を、還流温度で6時間攪拌し、次いで、室温に冷却し、溶媒を回転蒸発により除去した。残渣を、ジクロロメタン(400ml)および水(200ml)の間に分配した。水層を、ジクロロメタン(各々、150ml)で2回抽出した。合した有機層を、水(200ml)、ブライン(150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、20.47gの黄色固体を得た。
【0142】
別の2群の同一化合物を、同一製法から調製した(第1群の5.6gを、8.2gの(5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)(トリメチル)シランから開始して得、第2群の1gを、2gの(5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)(トリメチル)シランから開始して得た)。
【0143】
3つの合した残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチル 7/3〜1/1で溶出する、SiOフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。所望の生成物を、白色固体として単離した(17.2g、40%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:13.28(1H,br s),4.68(2H,s),3.80(2H,t),2.61(2H,m);
【0144】
記載例6:1−tert−ブトキシカルボニル−4−(トリフルオロアセチル)−3−ピペリドン(D6)
【化33】

リチウムジイソプロピルアミンのTHF(40.2ml、2M)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら、−78℃に冷却した。これに、アルゴン下で攪拌しながら、1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピペリドン(16g、80.4mmole)のTHF(100ml)中溶液を加えた。混合物を−78℃で20分間攪拌した後、トリフルオロ酢酸エチル(9.56ml、80.4mmol)で滴下処理した。反応混合物を、室温に加温し、2時間攪拌した。反応混合物を、水でクエンチし、希水性塩酸で中和した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、橙色泡沫状固体として標記化合物を得た(23.6g、粗物質)。
LC/MS 保持時間 3.31分/(ES−) 294 (M−H,C1216NO 理論値295)。
【0145】
記載例7:6−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D7)
【化34】

1−tert−ブトキシカルボニル−4−(トリフルオロアセチル)−3−ピペリドン(D6、23.6g、0.08mol)のエタノール(250ml)中溶液を、ヒドラジン一水和物(4.16ml、0.086mol)で処理した。混合物を50℃で24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、減圧下で蒸発させた。得られた混合物を、酢酸エチルおよびブラインの間に分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残存物質を、酢酸エチル/n−ペンタンから再結晶し、淡黄色固体として標記化合物を得た(6.5g、28%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:11.13(1H,br s),4.40(2H,m),3.66(2H,m),2.70(2H,m),1.48(9H,s);LC/MS 保持時間 2.90分/(ES−) 290 (M−H,C1216 理論値291)。
【0146】
記載例8:6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D8)
【化35】

アルゴン不活性雰囲気下、LiAlH(THF中2.3M;7.5mL;17.3mmol)を、6−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D7、2.00g;8.45mmol)の無水THF(42mL)中冷却(0℃)攪拌溶液に2分かけて滴下した。得られた混合物を、58℃の油浴中で17時間攪拌し、0℃に冷却し、酒石酸ナトリウムカリウムの水性溶液(1M;50mL)を慎重に加えることによりクエンチした。室温で1時間攪拌した後、混合物を、ジエチルエーテル(50mL)および多量の水性酒石酸ナトリウムカリウム(1M;50mL)で希釈した。該温度でさらに1時間攪拌した後、混合物を、水(100mL)およびジエチルエーテル(200mL)の間に分配した。分離した水相を酢酸エチル(200mL)で抽出し、合した有機相を(MgSO)乾燥し、真空中で濃縮した。得られた灰白色固体(1.39g)を、SCXカラムを用いて精製し、黄色固体として標記化合物を得た(1.23g;6.01mmol)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:5.01(1H,br s),3.58(2H,app s),2.74(4H,app s),2.48(3H,app s);LC/MS 保持時間 1.81分/(ES+) 206 (M+H,C10 理論値205)。
【0147】
記載例9:5−ブロモ−2−(ブロモメチル)−1,3−ジフルオロベンゼン(D9)
【化36】

4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジルアルコール(3.517g、15.77mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.55g、17.34mmol)のジクロロメタン(70ml)中溶液を、0℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(3.086g、17.34mmol)を、20分かけて5回に分けて加えた。溶液を25℃に加温し、16時間攪拌した。反応物を、希水性重炭酸ナトリウムを加えることによりクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテルで抽出し、合した有機層を水、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。標記化合物を、n−ペンタン中5〜20%酢酸エチルを用いてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーに付して単離し、油として標記化合物を得た(3.785g、84%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.10(2H,m),4.44(2H,s);LC/MS 保持時間 3.38分/M+Hは観察されなかった。
【0148】
記載例10:1−[(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D10)
【化37】

2−ピロリドン(1.124g、13.23mmol)のDMF(35ml)中溶液に、アルゴン下室温で水素化ナトリウム(油中60%、14.55mmol、0.583g)を滴下し、15分間攪拌した。次いで、5−ブロモ−2−(ブロモメチル)−1,3−ジフルオロベンゼン(D9、3.785g、13.23mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、反応混合物を、水(2ml)を加えることによりクエンチした。DMFを減圧下で蒸発除去し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、油を得、n−ペンタン中10〜100%酢酸エチルを用いてシリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して精製し、油として標記化合物を得、次いで、静置すると固化した(3.188g、83%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.10(2H,m),4.53(2H,s),3.27(2H,m),2.37(2H,m),1.97(2H,m);LC/MS 保持時間 2.56分/(ES+) 290,292 (M+H,C1110BrFNO 理論値289および291)。
【0149】
記載例11:1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D11)
【化38】

標記化合物を、記載例10に記載の製法にしたがって、臭化2−フルオロ−4−ブロモ−ベンジル(4.0g、14.9mmol)、2−ピロリドン(1.27g、14.92mmol)、水素化ナトリウム(油中60%、0.656g、16.41mmol)およびDMF(40ml)から調製した(3.946g、収率97%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.13−7.28(3H,m),4.46(2H,s),3.31(2H,m),2.43(2H,m),2.0(2H,m);LC/MS 保持時間 2.56分/(ES+) 272,274 (M+H,C1111BrFNO 理論値271および273)。
【0150】
記載例12:1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]ピロリジン(D12)
【化39】

4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(2.0g、9.13mmol)、ピロリジン(0.650g、9.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.17ml、18.26mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)中混合物を、アルゴン下室温で攪拌した。次いで、HATU(3.818g、10mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残存物質を、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発除去した。所望の生成物を、n−ペンタン中5〜100%酢酸エチルを用いてシリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して単離し、無色油として標記化合物を得、静置すると固化した(1.69g、68%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.40−7.26(3H,m),3.64(2H,m),3.29(2H,m),1.98(2H,m),1.90(2H,M);LC/MS 保持時間 2.56分/(ES+) 272,274 (M+H,C1111NOFBr 理論値271および273)。
【0151】
記載例13:1−メチル−3−(トリフルオロアセチル)−4−ピペリドン(D13)
【化40】

N−メチル−4−ピリドン(1.13g、10mmol)のヘキサン(20ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら、氷/メタノール浴中で冷却した。水素化リチウム(95%、84mg、11mmol)を滴下し、得られた混合物を、アルゴン下で15分間攪拌した。トリフルオロ酢酸エチル(1.42g、10mmol)を滴下し、混合物を室温に加温し、18時間攪拌した。ヘキサンを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(20ml)および水(20ml)の間に分配した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、黄色油を得た(250mg)。水層を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタンで懸濁した。該混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、黄色油として標記化合物を得た(合計627mg、30%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:2.72(3H,m),2.60−2.43(3H,m),2.43−2.26(4H,m)。
【0152】
記載例14:5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(D14)
【化41】

1−メチル−3−(トリフルオロアセチル)−4−ピペリドン(D13、627mg、3mmol)のエタノール(15ml)中溶液を、ヒドラジン一水和物(150mg、3mmol)で処理し、反応混合物を50℃で4時間攪拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を回転蒸発により除去した。残渣をジクロロメタンおよび水の間に分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、黄色油として標記化合物を得た(107mg粗製物)。
LC/MS 保持時間 0.76分/(ES+) 206 (M+H,C10 理論値205)。
【0153】
記載例15:2−[(4−ブロモフェニル)メチル]イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド(D15)
【化42】

4−ブロモベンジルアミン(1.85g、10mmol)およびトリエチルアミン(2g、20mmol)のジメチルホルムアミド(30ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら、10分かけて滴下することにより塩化3−クロロプロパンスルホニル(1.78g、10mmol)で処理した。該混合物を30分間攪拌した後、水素化ナトリウムの鉱油中60%懸濁液(1.2g、30mmolのNaH)で滴下処理し、全混合物を室温で3日間攪拌した。反応混合物を、水(50ml)およびジクロロメタン(30ml)の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発により最小量に減少した。残渣を20gのプレパックシリカカラムに加え、石油エーテル中0−50%酢酸エチルから溶出し、黄色油として標記化合物を得た(2.72g、94%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.49(2H,m),7.24(2H,m),3.21(2H,m),3.13(2H,s),3.11(2H,m),2.32(2H,m);LC/MS 保持時間 2.68分/(ES+) 290 (M+H,C101279BrNOS 理論値289)。
【0154】
記載例16:1−アセチル−2−(4−ブロモフェニル)ピロリジン(D16)
【化43】

2−(4−ブロモフェニル)ピロリジン(504mg、2.24mmol)の溶液を、密封のした15mlプラスチックチューブ中にてジクロロメタン(8ml)およびトリエチルアミン(2.7mmol、0.38ml)の混合物で後処理した。塩化アセチル(2.46mmol、0.18ml)を滴下し、全混合物を室温で1時間振盪した。反応混合物を水(5ml)で洗浄し、有機層を除去し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、琥珀色油として標記化合物を得た(526mg、88%)。
LC/MS 保持時間 2.59分/(ES+) 268 (M+H,C121479BrNO 理論値267).
【0155】
記載例17:1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D17)
【化44】

標記化合物を、記載例2に記載のものと同様の製法を用いて、4−ヨード安息香酸および塩酸アゼチジンから調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.76(2H,m),7.36(2H,m),4.29(2H,m),4.21(2H,m),2.35(2H,m);LC/MS 保持時間 2.40分/(ES+) 288 (M+H,C1010INO 理論値287)。
【0156】
記載例18:1−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロアセチル)−4−ピペリドン(D18)
【化45】

1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(1.99g、10mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)中溶液を、−70℃に冷却し、アルゴン下で攪拌した。反応混合物に、リチウムジイソプロピルアミン溶液(テトラヒドロフラン中2M、5ml)を20分かけて滴下した。反応混合物を5分間攪拌し、次いで、トリフルオロ酢酸エチル(1.2ml、10mmol)を10分かけて滴下し、次いで、反応混合物を室温に戻し、アルゴン下で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を−70℃に冷却し、水でクエンチし、2M塩酸(aq)を用いてpH6に酸性化した。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間に分離した。有機層を保持し、水層をさらに酢酸エチルで洗浄し、有機層を合し、溶媒を回転蒸発により除去した。次いで、試料を、酢酸エチルを用いて5gのプレパックシリカカラムに通して溶出し、標記化合物を得た(2.20g、75%)。
LC/MS 保持時間 3.19分/(ES−) 294 (M−H,C1216NO 理論値295)。
【0157】
記載例19:5−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(D19)
【化46】

1−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロアセチル)−4−ピペリドン(D18、2.20g、7.5mmol)のエタノール(25ml)中攪拌溶液に、ヒドラジン水和物(375mg、7.5mmol)を少量ずつ加え、反応混合物を、アルゴン雰囲気下50℃で18時間攪拌した。反応混合物をアセトンでクエンチし、次いで、溶媒を回転蒸発により除去した。残渣をジクロロメタンおよび水の間に分離し、有機層を保持し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、標記化合物を得た(1.41g、65%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:4.36(1H,s),3.72(1H,t,J=6Hz),3.64(1H,t,J=6Hz),2.60(1H,m),2.44(1H,t,J=6Hz),1.57(2H,m),1.47(9H,m)。
【0158】
記載例20:4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]安息香酸(D20)
【化47】

3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、1.08g、5.6mmol)、4−ヨード安息香酸(1.39g、5.6mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、107mg、0.56mmol)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、116mg、1.12mmol)、炭酸カリウム(1.62g、11.7mmol)およびジメチルスルホキシド(15ml)を続けて20mlのマイクロ波バイアルに加えた。反応混合物を、130℃の油浴中で3.25時間加熱した。次いで、反応混合物を真空下で濾過し、濾液を酢酸エチルおよび水の間に分離した。水層を保持し、5M塩酸(aq)を用いてpH2に酸性化した。次いで、水性画分を酢酸エチル(x3)で洗浄した。有機層を合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去し、黄色固体として標記化合物を得た(346mg、20%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:8.24(2H,m),7.69(2H,d,J=9Hz),4.82(2H,m),3.96(2H,t,J=6Hz),2.97(2H,m);LC/MS 保持時間 2.75分/(ES+) 313 (M+H,C1411 理論値312)。
【0159】
記載例21:3,3−ジフルオロ−1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D21)
【化48】

4−ヨード安息香酸(992mg、4.0mmol)のジクロロメタン(16ml)中懸濁液を、5分かけて1,1’−カルボニルジイミダゾール(648mg、4.0mmol)で滴下処理し、次いで、室温で30分間攪拌し、次いで、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(518mg、4.0mmol)、次いで、トリエチルアミン(444mg、0.61ml、4.4mmol)を少量ずつ加え、全混合物を、アルゴン下室温で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、クリーム色固体として標記化合物を得た(745mg、58%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.81(2H,m),7.37(2H,m),4.53(4H,t,J=12Hz);LC/MS 保持時間 2.73分/(ES+) 324 (M+H,C10INO 理論値323)。
【0160】
記載例22:1−[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)カルボニル]ピロリジン(D22)
【化49】

4−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(1.09g、5mmol)のジクロロメタン(15ml)中懸濁液を、1,1’−カルボニルジイミダゾール(810mg、5mmol)で少量ずつ処理し、室温で15分間攪拌した。次いで、ピロリジン(355mg、5mmol)を加え、1時間攪拌し続けた。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発により濃縮し、黄色油として標記化合物を得た(1.17g、86%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.51(1H,m),7.29(1H,m),7.16(1H,m),3.63(2H,m),3.42(2H,m),1.87−2.01(4H,m);LC/MS 保持時間 2.55分/(ES+) 272&274 (M+H,C1111BrFNO 理論値271&273)。
【0161】
記載例23:4−(ブロモメチル)−2−フルオロ−1−ヨードベンゼン(D23)
【化50】

3−フルオロ−4−ヨードトルエン(2.26g、9.58mmol)、N−ブロモスクシンイミド(2.03g、11.49mmol)および過酸化ベンゾイル(5mol%、116mg、0.48mmol)の四塩化炭素(5ml)中混合物を、還流温度で20時間攪拌し、冷却し、ジクロロメタンで希釈し、濾過した。紫色濾液を、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(aq)(20ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去し、黄色油として標記化合物を得た(2.58g、86%)。
H−NMR(250MHz,CDCl): δ 7.72(1H,m),7.11(1H,m),6.94(1H,m),4.41(2H,s)。
【0162】
記載例24:1−[(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D24)
【化51】

2−ピロリジノン(765mg、9mmol)の無水ジメチルホルムアミド(25ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら、氷/メタノール浴中で冷却し、次いで、10分かけて水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、360mg、9mmol)で処理した。反応混合物を0.5時間冷却しながら攪拌した後、ジメチルホルムアミド(5ml)中の4−(ブロモメチル)−2−フルオロ−1−ヨードベンゼン(D23、2.58g、8.2mmol)を10分かけて滴下した。全混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を水(1ml)でクエンチし、次いで、水(30ml)およびジクロロメタン(20ml)の間に分配し、水層をジクロロメタン(10ml)で再度洗浄した。合した有機画分を、水(20ml)で、次いで、ブライン(10ml)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去し、褐色油を得(2.45g)、20gのisoluteプレパックシリカゲルカラムに加え、石油エーテル中0−75%酢酸エチルで溶出した。得られた画分を合し、溶媒を回転蒸発により除去し、黄色固体として標記化合物を得た(1.27g、49%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.69(1H,m),6.95(1H,m),6.81(1H,m),4.41(2H,s),3.28(2H,m),2.46(2H,m),2.05(2H,m);LC/MS 保持時間 2.66分/(ES+) 320 (M+H,C1111FINO 理論値319)。
【0163】
記載例25:N−[(4−ブロモフェニル)メチル]メタンスルホンアミド(D25)
【化52】

4−ブロモベンジルアミン(2.50g、13.5mmol)およびトリエチルアミン(14.9mmol、1.5g、2.1ml)のジクロロメタン(50ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら氷浴中で冷却した。塩化メタンスルホニル(1.55g、13.7mmol、1.05ml)を滴下し、得られた混合物を室温に加温し、1時間攪拌した。反応混合物を、水(20ml)で3回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で最小量に減少し、無色固体として標記化合物を得た(3.45g、97%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.51(2H,m),7.25(2H,m),4.67(1H,m),4.29(2H,d,J=6Hz),2.90(3H,s);LC/MS 保持時間 2.39分/(ES−) 262&264 (M−H,C10BrNOS 理論値263&265)。
【0164】
記載例26:N−[(4−ヨードフェニル)メチル]メタンスルホンアミド(D26)
【化53】

標記化合物を、記載例25に記載のものと同様の製法を用いて、トリエチルアミン(2.1当量)と一緒に、4−ヨードベンジルアミン塩酸塩および塩化メタンスルホニルから調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.70(2H,m),7.10(2H,d,J=8Hz),4.60(1H,m),4.27(2H,m),2.89(3H,s)
【0165】
記載例27:4−ヨード−N−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)ベンゼンスルホンアミド(D27)
【化54】

(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミン(0.167g、1.65mmol)およびトリエチルアミン(0.35ml、2.48mmol)のジクロロメタン(10ml)中溶液を、アルゴン下で攪拌しながら、氷/メタノール浴中で攪拌し、次いで、攪拌しながら、塩化4−ヨードベンゼンスルホニル(0.500g、1.65mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、溶液を水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発回転により除去し、白色固体として標記化合物を得た(0.596g、98%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.87(2H,m),7.57(2H,m),4.81(1H,m),3.91(1H,m),3.77(1H,m),3.70(1H,m),3.13(1H,m),2.88(1H,m),1.98−1.84(3H,m),1.58(1H,m);LC/MS 保持時間 2.70分/(ES+) 368 (M+H,C1114INOS 理論値367)。
【0166】
記載例28:2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]安息香酸(D28)
【化55】

3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、500mg、2.60mmol)、ヨウ化銅(I)(500mg、2.60mmol)、炭酸カリウム(720mg、5.20mmol)およびジメチルスルホキシド(8ml)の混合物を5分間攪拌し、次いで、4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(570mg、2.60mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(267mg、2.60mmol)を続けて加えた。反応混合物を、アルゴン下130℃で攪拌しながら加熱し、次いで、反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、珪藻土に通して濾過し、触媒を除去し、水層を保持し、5N水性塩酸を用いてpH約2に酸性化した。次いで、水性画分を酢酸エチル(x3)で抽出した。有機層を合し、硫酸ナトリウムを乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発回転により除去し、純度>75%の暗褐色粗固体として標記化合物を得た(850mg、74%)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:8.04(1H,m),7.68(2H,m),4.73(2H,s),3.86(2H,m),3.03(2H,m),13.47(1H,br s);LC/MS 保持時間 2.73分/(ES+) 331 (M+H,C1410 理論値330)。
【0167】
記載例29:(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセトニトリル(D29)
【化56】

4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(1.0g、3.73mmol)のエタノール(5ml)および水(1ml)中溶液を、シアン化ナトリウム(219mg、4.48mmol)で処理し、3時間還流した。揮発物を減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、ジエチルエーテル(x2)で抽出した。合した有機抽出液を、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させ、淡黄色固体として所望の生成物を得た(0.748g、93%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.37−7.26(3H,m),3.72(2H,s);LC/MS 保持時間 2.76分/M+Hは観察されなかった C79BrFN 理論値213。
【0168】
記載例30:(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)酢酸(D30)
【化57】

(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセトニトリル(D29、2.354g、10.9mmol)のエタノール(60ml)および水(18ml)中溶液を、水酸化ナトリウム(5.2g、93.09mmol)で処理し、5時間還流した。揮発物を減圧下で蒸発除去し、残渣を水で希釈し、冷却希塩酸中に注ぎ、沈殿した固体を濾過した。固体を、高真空下37℃で48時間乾燥した(2.283g、89.7%)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:12.57(1H,br s),7.52(1H,m),7.38(1H,m),4.32(1H,m),3.62(2H,s);LC/MS 保持時間 2.34分/M+Hは観察されなかった C79BrFO 理論値232。
【0169】
記載例31:1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセチル]ピロリジン(D31)
【化58】

(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)酢酸(D30、1.0g、4.29mmol)、ピロリジン(305mg、4.29mmol)およびN,N−ジイソプロピルアミン(1.49ml、8.58mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)中混合物を、アルゴン下室温で攪拌し、次いで、HATU(1.79g、4.72mmol)を加えた。得られた混合物を、アルゴン下室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。所望の生成物を、n−ペンタン中5〜100%酢酸エチルを用いてシリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して単離し、白色固体として標記化合物を得た(0.978g、79%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.24(3H,m),3.60(2H,s),3.48(4H,m),1.98(2H,m),1.86(2H,m);LC/MS 保持時間 2.61分/(ES+) 286,288 (M+H,C1213NBrFO 理論値285,287)。
【0170】
記載例32:1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]アゼチジン(D32)
【化59】

4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(2.0g、9.13mmol)、塩酸アゼチジン(939mg、10.0mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.18ml、18.26mmol)およびHATU(3.47g、9.13mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)中混合物を、アルゴン下室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた混合物を、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。所望の生成物を、n−プロパン中10〜100%酢酸エチルを用いてシリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して単離し、白色ゴムとして標記化合物を得た(2.1g、89%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.43(1H,m),7.36(1H,m),7.27(1H,m),4.22(2H,m),4.10(2H,m),1.44(2H,m);LC/MS 保持時間 2.36分/(ES+) 258 (M+H,C1079BrFO 理論値257)。
【0171】
記載例33:1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]−3,3−ジフルオロアゼチジン(D33)
【化60】

標記化合物を、記載例32に記載のものと同様の製法を用いて、4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸および3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.51(1H,m),7.40(1H,m),7.32(1H,m),4.53−4.39(4H,m);LC/MS 保持時間 2.67分/(ES+) 294,296 (M+H,C10BrNFO 理論値293,295)。
【0172】
実施例1:1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化61】

1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]ピロリジン(D2、843mg、2.80mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、563mg、2.93mmol)、酸化銅(I)(10mol%、0.3mmol、43mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.6mmol、62mg)および炭酸セシウム(5.8mmol、1.89g)のジメチルスルホキシド(8ml)中混合物を、130℃(油浴温度)で16時間攪拌した。反応混合物を冷却し、次いで、水(30ml)およびジクロロメタン(2x20ml)の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、20gのisoluteプレパックシリカゲルsep−pakカラムに加え、石油エーテル中0−75%酢酸エチルから溶出した。溶媒を減圧下で除去し、黄色固体として標記化合物を得た(616mg、60%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.66(2H,m),7.58(2H,m),4.81(2H,s),3.94(2H,t,J=6Hz),3.67(2H,t,J=7Hz),3.44(2H,t,J=7Hz),2.90(2H,t,J=6Hz),2.03−1.88(4H,m);LC/MS 保持時間 2.85分/(ES+) 366 (M+H,C1818 理論値365)。
【0173】
実施例2:1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化62】

1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1、150mg、0.5mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、96mg、0.5mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.05mmol、10mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.1mmol、10mg)および炭酸カリウム(1mmol、138mg)のジメチルスルホキシド(2ml)の混合物を、マイクロ波反応器中で30分間190℃にて攪拌した。反応混合物を冷却し、次いで、水(5ml)およびジクロロメタン(5ml)の間に分配した。有機層を、5gのisoluteプレパックシリカゲルsep−pakカラムに加え、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をマスディレクティッド自動精製に付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(122mg、67%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.48(2H,m),7.37(2H,d,J=8Hz),4.80(2H,s),4.51(2H,s),3.93(2H,t,J=6Hz),3.29(2H,m),2.87(2H,t,J=6Hz),2.46(2H,m),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 2.72分/(ES+) 366 (M+H,C1818 理論値365)。
【0174】
実施例3:1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化63】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]ピロリジン(D2)および3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.66(2H,m),7.49(2H,m),4.84(2H,s),3.97(2H,t,J=6Hz),3.67(2H,t,J=7Hz),3.44(2H,t,J=7Hz),2.84(2H,t,J=6Hz),2.02−1.88(4H,m);LC/MS 保持時間 2.82分/(ES+) 366 (M+H,C1818 理論値365)。
【0175】
実施例4:1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化64】

標記化合物を、実施例2記載のものと同様の製法を用いて、1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1)および3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.38(4H,m),4.80(2H,s),4.50(2H,s),3.96(2H,t,J=6Hz),3.29(2H,m),2.83(2H,m),2.46(2H,t,J=8Hz),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 2.76分/(ES+) 366 (M+H,C1818 理論値365)。
【0176】
実施例5:1−({4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化65】

1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1、90mg、0.3mmol)、6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D8、62mg、0.3mmol)、酸化銅(I)(10mol%、0.03mmol、4mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.06mmol、6mg)および炭酸セシウム(0.6mmol、196mg)のジメチルスルホキシド(1.5ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で30分間190℃にて攪拌した。反応混合物を、水(5ml)およびジクロロメタン(5ml)の間に分配した。有機層を、5gのisoluteシリカsep−pakカラムに加え、酢酸エチル中0−5%メタノールから溶出し、黄色油を得、マスディレクティッド自動精製に付して精製し、油を得、次いで、ジクロロメタンおよび飽和水性重炭酸ナトリウム溶液の間に分配した。有機層を(硫酸ナトリウム)乾燥し、蒸発させ、黄色固体として標記化合物を得た(45mg、40%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.41(2H,m),7.36(2H,d,J=9Hz),4.50(2H,s),3.58(2H,s),3.29(2H,m),2.81(2H,m),2.74(2H,m),2.50(3H,s),2.46(2H,m),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 1.72分/(ES+) 379 (M+H,C1921O 理論値378)。
【0177】
実施例6:1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化66】

1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1、188mg、0.62mmol)、6−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D7、182mg、0.62mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.06mmol、12mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.013mmol、14mg)および炭酸カリウム(1.3mmol、179mg)のジメチルスルホキシド(2.5ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌した。反応混合物を、水(5ml)およびジクロロメタン(5ml)の間に分配した。有機層を5gのisoluteシリカsep−pakカラムに加え、酢酸エチルから溶出し、溶媒を回転蒸発により除去した。残渣をジクロロメタン(3ml)で溶解し、HClのジエチルエーテル(3ml)中1M溶液で処理し、4時間静置した。反応混合物を蒸発させ、溶媒を除去した。残渣を5gのSCXカラムに加え、0−10% 2M メタノール中.880アンモニア/酢酸エチルから溶出し、褐色油として標記化合物を得た(74mg、33%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.42(2H,m),7.34(2H,m),4.50(2H,m),4.02(2H,s),3.29(2H,m),3.12(2H,t,J=6Hz),2.74(2H,m),2.46(2H,m),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 1.66分/(ES+) 365 (M+H,C1819O 理論値364)。
【0178】
実施例7:1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化67】

3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、0.993g,5.17mmol)、酸化銅(I)(0.739g、5.17mmol)、炭酸セシウム(3.37g、10.34mmol)、1−[(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D10、1.5g、5.17mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(0.532g、5.17mmol)のDMSO(15ml)中混合物を、アルゴン下130℃で4時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。触媒を珪藻土に通して濾去した。反応混合物を、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、所望の生成物を、n−プロパン中20〜70%酢酸エチルを用いてシリカ上のカラムクロマトグラフィーに付して単離した。残存物質をエーテルから再結晶し、白色固体として標記化合物を得た(0.62g、30%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.18(2H,m),4.78(2H,s),4.60(2H,s),3.94(2H,m),3.30(2H,m),2.96(2H,m),2.40(2H,m),2.0(2H,m);LC/MS 保持時間 2.90分/(ES+) 402 (M+H,C1816 理論値401)。
【0179】
実施例8:1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化68】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D11)および3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.43(1H,m),7.27(1H,m),7.13(1H,dd,J=8Hzおよび2Hz),4.83(2H,s),4.55(2H,s),3.96(2H,t,J=6Hz),3.35(2H,t,J=7Hz),2.82(2H,m),2.44(2H,t,J=8Hz),2.04(2H,m);LC/MS 保持時間 2.91分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0180】
実施例9:1−({2−フルオロ−4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン塩酸塩
【化69】

6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D8、0.3g、1.46mmol)、酸化銅(I)(0.209g、1.46mmol)、炭酸セシウム(0.951g、2.92mmol)、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D11、0.398g、1.46mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(0.105g、1.46mmol)のDMSO(2ml)中混合物を、マイクロ波中で0.5時間180℃にて加熱した。反応混合物を、酢酸エチルおよび水で希釈した。触媒を珪藻土に通して濾去した。反応混合物を、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、所望の生成物を、メタノールで洗浄し、MeOH中1Mアンモニア溶液で溶出する、SCXカートリッジにより精製した。溶媒を除去し、油を、ジクロロメタンで溶出するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに付し、さらにMDAP(マスディレクティッド自動精製)に付して精製した。エーテル性塩酸で処理し、白色固体として標記化合物を得た(0.279g、44%)。
H−NMR(400MHz,DMSO) δ:11.52(1H,br s),7.56−7.46(2H,m),7.42(1H,m),4.76(1H,m),4.63(1H,m),4.50(2H,s),4.17(1H,m),3.65(1H,m),3.30(2H,m),3.0(2H,m),2.90(3H,s),2.30(2H,m),1.96(2H,m);LC/MS 保持時間 1.78分/(ES+) 397 (M+H,C1920O 理論値396)。
【0181】
実施例10:1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化70】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]ピロリジン(D12)よび3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.55(1H,m),7.32(1H,m),7.22(1H,dd,J=8Hzおよび2Hz),4.85(2H,s),3.96(2H,t,J=6Hz),3.67(2H,t,J=7Hz),3.33(2H,t,J=7Hz),2.83(2H,m),2.03−1.87(4H,m);LC/MS 保持時間 分 2.95分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0182】
実施例11:1−({4−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化71】

1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1、150mg、0.5mmol)、5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(D14、107mg、0.52mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.05mmol、10mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.1mmol、10mg)および炭酸カリウム(1mmol、138mg)のジメチルスルホキシド(2ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で30分間190℃にて攪拌した。反応混合物を、水(5ml)およびジクロロメタン(5ml)の間に分配した。有機層を、5gのisoluteシリカsep−pakカラムに加え、石油エーテル中0−100%酢酸エチルから溶出し、黄色油を得、マスディレクティッド自動精製に付して精製した。単離するとすぐに、残渣を、ジクロロメタン(3ml)および飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(3ml)の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、黄色固体として標記化合物を得た(21mg、11%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.47(2H,m),7.35(2H,d,J=8Hz),4.50(2H,s),3.58(2H,s),3.28(2H,m),2.88(2H,m),2.73(2H,m),2.54(3H,s),2.46(2H,m),2.02(2H,m);LC/MS 保持時間 1.58分/(ES+) 379 (M+H,C1921O 理論値378)。
【0183】
実施例12:1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化72】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)および2−[(4−ブロモフェニル)メチル]イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド(D15)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.50(4H,m),4.81(2H,s),4.24(2H,s),3.93(2H,m),3.23(2H,t,J=8Hz),3.14(2H,t,J=7Hz),2.88(2H,m),2.35(2H,m);LC/MS 保持時間 2.78分/(ES+) 402 (M+H,C1718S 理論値401)。
【0184】
実施例13:1−[4−(1−アセチル−2−ピロリジニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化73】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)および1−アセチル−2−(4−ブロモフェニル)ピロリジン(D16)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.52(1H,m),7.43(1H,m),7.28(2H,m),5.26&4.99(1H,m,回転異性体),4.70(2H,m),3.93(2H,m),3.79−3.48(2H,m),2.86(2H,m),2.44&2.31(1H,m,回転異性体),2.02−1.82(6H,m);LC/MS 保持時間 2.68分/(ES+) 380 (M+H,C1920 理論値379)。
【0185】
実施例14:1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化74】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)および1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D17)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.76(2H,m),7.48(2H,m),4.85(2H,s),4.33(2H,m),4.26(2H,m),3.97(2H,m),2.83(2H,m),2.38(2H,m);LC/MS 保持時間 2.69分/(ES+) 352 (M+H,C1716 理論値351)。
【0186】
実施例15:1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化75】

5−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(D19、100mg、0.34mmol)、1−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D1、103mg、0.34mmol)、炭酸カリウム(99mg、0.72mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、6mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、7mg)およびジメチルスルホキシド(4ml)を続けてマイクロ波バイアルに加えた。反応混合物を、マイクロ波反応器中で1時間190℃にて加熱した。次いで、反応混合物を、酢酸エチルおよびブラインの間に分離した。有機層を保持し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を回転蒸発により除去し、試料を、ジクロロメタンおよびメタノールを用いて2gのSCXカラム上に充填した。中性相を廃棄し、所望の生成物を、1Mメタノール中アンモニアを用いて除去した。溶媒を、回転蒸発を用いて除去し、黄色油として標記化合物を得た(41mg、33%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.48(2H,m),7.36(2H,m),4.50(2H,s),4.01(2H,s),3.28(2H,m),3.12(2H,m),2.78(2H,m),2.47(2H,m),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 1.66分/(ES+) 365 (M+H,C1819O 理論値364)。
【0187】
実施例16−17:
【化76】

典型的製法:1,1’−カルボニルジイミダゾール(55mg、0.34mmol)および4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]安息香酸(D20、70mg、0.22mol)を、プラスチックsarstedt製チューブに加え、ジクロロメタン(2ml)で溶解した。反応物を20分間振盪し、次いで、適当な第二級アミン(0.05ml)(アゼチジン、(実施例16)およびN−メチルエチルアミン(実施例17))のジクロロメタン(1ml)中溶液を少量ずつ加えた。反応混合物を3時間振盪した。反応混合物を、ブラインで洗浄した。有機層を保持し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた生成物を、マスディレクティッド自動精製を用いて精製し、指定化合物を得た。
【表1】

【0188】
実施例18−19:
【化77】

典型的製法:指定化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)ならびに1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]アゼチジン(D32)(実施例18)および1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]−3,3−ジフルオロアゼチジン(D33)(実施例19)から調製した。
【表2】

【0189】
実施例20:1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化78】

標記化合物を、実施例2に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)および3,3−ジフルオロ−1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D21)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.79(2H,m),7.65(2H,m),4.81(2H,m),4.57(4H,t,J=12Hz),3.95(2H,t,J=6Hz),2.93(2H,t,J=6Hz);LC/MS 保持時間 2.97分/(ES+) 388 (M+H,C1714 理論値387)。
【0190】
実施例21:1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化79】

標記化合物を、実施例2記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)および3,3−ジフルオロ−1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D21)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.78(2H,m),7.53(2H,m),4.87(2H,s),4.57(4H,t,J=12Hz),3.97(2H,t,J=6Hz),2.84(2H,t,J=6Hz);LC/MS 保持時間 2.99分/(ES+) 388 (M+H,C1714 理論値387)。
【0191】
実施例22:N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
【化80】

N−[(4−ブロモフェニル)メチル]メタンスルホンアミド(D25、132mg、0.5mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、96mg、0.5mmol)、酸化銅(I)(10mol%、0.05mmol、7mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.1mmol、10mg)および炭酸セシウム(1mmol、326mg)のジメチルスルホキシド(2ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌した。次いで、反応混合物を冷却し、ジクロロメタンおよび水の間に分配した。有機層を、5gのisoluteシリカsep−pakカラムに直接加え、酢酸エチルから溶出した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、マスディレクティッド自動精製に付してさらに精製し、淡黄色油として標記化合物を得た(10mg、5%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.54(2H,m),7.49(2H,d,J=8Hz),4.81(2H,s),4.67(1H,m),4.40(2H,d,J=6Hz),3.93(2H,t,J=6Hz),2.94(3H,s),2.88(2H,m);LC/MS 保持時間 2.67分/(ES+) 376 (M+H,C1516S 理論値375)。
【0192】
実施例23:1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化81】

標記化合物を、実施例22記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)および2−[(4−ブロモフェニル)メチル]イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド(D15)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.49(2H,d,J=8Hz),7.42(2H,d,J=8Hz),4.81(2H,s),4.23(2H,s),3.96(2H,t,J=6Hz),3.23(2H,m),3.14(2H,t,J=7Hz),2.83(2H,m),2.35(2H,m);LC/MS 保持時間 2.92分/(ES+) 402 (M+H,C1718S 理論値401)。
【0193】
実施例24:N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
【化82】

N−[(4−ヨードフェニル)メチル]メタンスルホンアミド(D26、622mg、2.0mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5、384mg、2.0mmol)、ヨウ化銅(I)(50mol%、1.0mmol、190mg)、N,N−ジメチルグリシン(206mg、2.0mmol)および炭酸カリウム(552mg、4.0mmol)のジメチルスルホキシド(6ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物を、ジクロロメタン(8ml)および0.5M塩酸(15ml)の間に分配した。有機層を、5gのisoluteプレパックシリカsep−pakカラムに直接加え、酢酸エチルから溶出した。溶媒を回転蒸発により除去し、残渣を、マスディレクティッド自動精製に付してさらに精製し、無色固体として標記化合物を得た(429mg、56%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.49(2H,m),7.43(2H,m),4.83(3H,m),4.38(2H,d,J=6Hz),3.96(2H,t,J=6Hz),2.93(3H,s),2.83(2H,m);LC/MS 保持時間 2.75分/(ES+) 376 (M+H,C1516S 理論値375)。
【0194】
実施例25:1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
【化83】


2−[(4−ブロモフェニル)メチル]イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド(D15、289mg、1mmol)、6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D8、205mg、1mmol)、ヨウ化銅(I)(20mol%、0.2mmol、38mg)、N,N−ジメチルグリシン(40mol%、0.4mmol、41mg)および炭酸セシウム(2mmol、652mg)のジメチルスルホキシド(3ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌した。次いで、反応混合物を冷却し、ジクロロメタンおよび水の間に分配した。有機層を、5gのisoluteシリカsep−pakカラムに直接加え、酢酸エチル中5%メタノールから溶出した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、マスディレクティッド自動精製に付してさらに精製した。残渣を、ジクロロメタンおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の間に分配し、褐色油として標記化合物を得た(24mg、6%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.46(4H,m),4.23(2H,s),3.59(2H,s),3.23(2H,t,J=8Hz),3.14(2H,t,J=7Hz),2.81(2H,m),2.75(2H,m),2.49(3H,s),2.34(2H,m);LC/MS 保持時間 1.61分/(ES+) 415 (M+H,C1821S 理論値414)。
【0195】
実施例26:1−[2−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化84】

1−[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)カルボニル]ピロリジン(D22,190mg、0.7mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、134mg、0.7mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.07mmol、13mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.14mmol、14mg)および炭酸カリウム(193mg、1.4mmol)のジメチルスルホキシド(3ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌した。反応混合物を、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.07mmol、13mg)およびN,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.14mmol、14mg)でさらに処理し、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて加熱し続けた。次いで、反応混合物を、水(5ml)およびジクロロメタン(2x3ml)の間に分配した。有機画分を、5gのisoluteプレパックシリカカラムに加え、酢酸エチルで溶出した。溶媒を回転蒸発により除去し、残渣を、マスディレクティッド自動精製に付して精製し、褐色油として標記化合物を得た(26mg、10%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.57(2H,m),7.45(1H,m),4.81(2H,s),3.94(2H,m),3.66(2H,t,J=6Hz),3.45(2H,m),2.90(1H,m),2.71(1H,m),2.07−1.87(4H,m);LC/MS 保持時間 2.83分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0196】
実施例27:1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化85】

1−[(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D24、211mg、0.66mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5、128mg、0.66mmol)、ヨウ化銅(I)(10mol%、0.07mmol、13mg)、N,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.13mmol、14mg)および炭酸カリウム(183mg、1.32mmol)のジメチルスルホキシド(3ml)中混合物を、マイクロ波反応器中で0.5時間190℃にて攪拌した。次いで、反応混合物を冷却し、ジクロロメタン(5ml)および水(5ml)の間に分配した。有機層を、5gのisoluteプレパックシリカカラムに直接加え、酢酸エチルで溶出した。溶媒を回転蒸発により除去し、残渣をマスディレクティッド自動精製に付してさらに精製した。得られた画分を合し、溶媒を回転蒸発により除去し、黄色油として標記化合物を得た(29mg、11%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.50(1H,t,J=8Hz),7.16(2H,m),4.63(2H,m),4.51(2H,m),3.96(2H,t,J=6Hz),3.32(2H,m),2.82(2H,m),2.48(2H,m),2.06(2H,m);LC/MS 保持時間 2.82分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0197】
実施例28:1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化86】

標記化合物を、実施例27に記載のものと同様の製法を用いて、1−[(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D24)および3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.49(1H,m),7.16(2H,m),4.80(2H,s),4.52(2H,m),3.94(2H,m),3.32(2H,m),2.87および2.70(2H,m),2.48(2H,m),2.06(2H,m);LC/MS 保持時間 2.75分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0198】
実施例29:1−{4−[(2−オキソ−1−ピロリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロ−6H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−6−カルバルデヒド
【化87】

1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン(実施例6、40mg、0.11mmol)のジクロロメタン(3ml)中溶液を、ギ酸(0.1ml)で少量ずつ処理し、18時間攪拌した。次いで、反応混合物を、マイクロ波中で1時間100℃にて加熱した。溶媒を回転蒸発により除去し、試料をマスディレクティッド自動精製に付して精製し、淡黄色油として標記化合物を得た(13mg、30%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:8.20(1H,m),7.42(4H,m),4.72(2H,s),4.51(2H,m),3.71(2H,t,J=6Hz),3.30(2H,m),2.88(2H,t,J=6Hz),2.47(2H,m),2.04(2H,m);LC/MS 保持時間 2.51分/(ES+) 393 (M+H,C1919 理論値392)。
【0199】
実施例30:N−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]ベンゼンスルホンアミド
【化88】

ヨウ化銅(I)(10mol%、0.09mmol、18mg)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、100mg、0.52mmol)、炭酸カリウム(144mg、1.03mmol)およびジメチルスルホキシド(3ml)の混合物を1分間攪拌し、次いで、4−ヨード−N−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)ベンゼンスルホンアミド(D27、191mg、0.52mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.10mmol、10mg)を続けて加えた。反応チューブを直ぐに密封し、中身をマイクロ波反応器中で40分間180℃にて加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、マスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して精製し、標記化合物を淡黄色固体として標記化合物を得た(59mg、26%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:8.0(2H,m),7.72(2H,m),4.92(1H,m),4.81(2H,s),3.96(3H,m),3.79(1H,m),3.71(1H,m),3.18(1H,m),2.95(3H,m),1.90(3H,m),1.60(1H,m);LC/MS 保持時間 2.82分/(ES+) 432 (M+H,C1820S 理論値431)。
【0200】
実施例31:1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化89】

ヨウ化銅(I)(49.5mg、0.26mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、50mg、0.26mmol)、炭酸カリウム(72mg、0.52mmol)およびジメチルスルホキシド(1.5ml)の混合物を1分間攪拌し、次いで、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D11、71mg、0.26mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.05mmol、5mg)を続けて加えた。反応チューブを直ぐに密封し、中身をマイクロ波反応器中で40分間180℃にて加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、マスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して精製し、固体として標記化合物を得た(30mg、30%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.42(1H,m),7.31(2H,m),4.80(2H,m),4.56(2H,s),3.93(2H,m),3.35(2H,m),2.90(2H,m),2.44(2H,m),2.03(2H,m);LC/MS 保持時間 2.75分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0201】
実施例32:1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}カルボニル)−3−アゼチジノール
【化90】

2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]安息香酸(D28、85mg、0.26mmol)、塩酸3−アゼチジノール(31mg、0.28mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.09ml、0.52mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)中混合物を、アルゴン下室温で攪拌し、次いで、HATU(97mg、0.26mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。所望の生成物を、マスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(38mg、38%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.69(1H,m),7.40(2H,m),4.80(2H,s),4.75(1H,m),4.48(1H,m),4.29(1H,m),4.06(2H,m),4.95(2H,m),2.93(2H,m),2.27(1H,m);LC/MS 保持時間 2.34分/(ES+) 386 (M+H,C1715 理論値385)。
【0202】
実施例33:1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン塩酸塩
【化91】

ヨウ化銅(I)(105mg、0.55mmol)、6−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D7、160mg、0.55mmol)、炭酸カリウム(152mg、1.10mmol)およびジメチルスルホキシド(2ml)の混合物を1分間攪拌し、次いで、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D11、160mg、0.551mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(57mg、0.55mmol)を続けて加えた。反応チューブを直ぐに密封し、中身をマイクロ波反応器中で40分間180℃にて加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、メタノール(20ml)で洗浄し、1Mアンモニア/メタノール溶液で溶出する、マスディレクティッド自動精製(MDAP)およびSCXカートリッジに付して精製した。溶媒を除去し、高真空下で乾燥し、エーテル性塩酸で処理し、固体として標記化合物を得た(15mg、6.5%)。
H−NMR(400MHz,遊離塩基,CDCl) δ:7.42(1H,m),7.28(1H,m),7.18(1H,m),4.55(2H,s),4.08(2H,s),3.35(2H,m),3.15(2H,m),2.76(2H,m),2.43(2H,m),2.03(2H,m),1.85(1H,br s);保持時間 1.67分/(ES+) 383 (M+H,C1818O 理論値382)。
【0203】
実施例34:1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]−3−フルオロフェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化92】

2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]安息香酸(D28、150mg、0.45mmol)、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(65mg、0.49mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24ml、1.35mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)中混合物を、アルゴン下室温で攪拌し、次いで、HATU(172mg、0.45mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。所望の生成物を、マスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して単離し、白色固体として標記化合物を得た(53mg、28%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.80(1H,m),7.69(1H,m),7.62(1H,m),4.73(2H,s),4.56(4H,m),3.87(2H,m),3.01(2H,m);LC/MS 保持時間 3.05分/(ES+) 406 (M+H,C1713 理論値405)。
【0204】
実施例35:1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化93】

ヨウ化銅(I)(49.5mg、0.26mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4、50mg、0.26mmol)、炭酸カリウム(72mg、0.52mmol)およびジメチルスルホキシド(1.5ml)の混合物を1分間攪拌し、次いで、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセチル]ピロリジン(D31、74.5mg、0.26mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(20mol%、0.05mmol、5mg)を続けて加えた。反応チューブを直ぐに密封し、中身をマイクロ波容器中で40分間180℃にて加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をマスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して精製し、褐色ゴムとして標記化合物を得た(23mg、22%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.46(1H,m),7.28(2H,m),4.79(2H,s),3.93(2H,m),3.69(2H,s),3.51(4H,m),2.90(2H,m),2.0(2H,m),1.88(2H,m);LC/MS 保持時間 2.83分/(ES+) 398 (M+H,C1919 理論値397)。
【0205】
実施例36:1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
【化94】

標記化合物を、実施例31に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール(D4)および1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルボニル]ピロリジン(D12)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.57(1H,m),7.38(2H,m),4.80(2H,s),3.94(2H,m),3.67(2H,s),3.33(2H,m),2.91(2H,m),2.03−1.88(4H,m);LC/MS 保持時間 2.77分/(ES+) 384 (M+H,C1817 理論値383)。
【0206】
実施例37:1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]−2−フルオロフェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化95】

1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン(実施例33、150mg、0.36mmol)およびトリエチルアミン(0.2ml)のジクロロメタン(10ml)中混合物を、油浴中で攪拌した。塩化アセチル(0.05ml、0.72mmol)を加えた。得られた混合物を、アルゴン下室温で5時間攪拌した。次いで、溶液を水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。所望の生成物を、マスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して単離し、n−ペンタンでトリチュレートし、白色固体として標記化合物を得た(108mg、71%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.46(1H,m),7.28−7.21(2H,m),4.81(2H,s),4.56(2H,s),3.75(2H,m),3.38(2H,m),2.85(2H,m),2.45(2H,m),2.20(3H,s),2.07(2H,m);LC/MS 保持時間 2.59分/(ES+) 425 (M+H,C2020 理論値424)。
【0207】
実施例38:1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
【化96】

ヨウ化銅(I)(41mg、30mol%、0.21mmol)、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5、134mg、0.7mmol)、炭酸セシウム(456mg、1.4mmol)およびジメチルスルホキシド(3ml)の混合物を3分間攪拌し、次いで、1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセチル]ピロリジン(D31、200mg、0.7mmol)およびN,N−ジメチルグリシン(72mg、0.7mmol)を続けて加えた。反応チューブを直ぐに密封し、中身をマイクロ波反応器中で20分間180℃にて加熱した。次いで、反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、触媒を珪藻土に通して濾去した。有機溶液を水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をマスディレクティッド自動精製(MDAP)に付して精製し、クリーム状黄色固体として標記化合物を得た(95mg、34%)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.46(1H,m),7.25(1H,m),7.12(1H,m),4.82(2H,s),3.95(2H,m),3.68(2H,s),3.51(4H,m),2.81(2H,m),1.99(2H,m),1.88(2H,m);LC/MS 保持時間 2.95分/(ES+) 398 (M+H,C1919 理論値397)。
【0208】
実施例39:1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化97】

標記化合物を、実施例38に記載のものと同様の製法を用いて、3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール(D5)および1−[(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−2−ピロリジノン(D10)から調製した。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.06(2H,m),4.83(2H,s),4.57(2H,s),3.96(2H,m),3.30(2H,m),2.82(2H,m),2.40(2H,m),2.01(2H,m);LC/MS 保持時間 2.98分/(ES+) 402 (M+H,C1816 理論値401)。
【0209】
実施例40:1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン塩酸塩
【化98】

4−ヨード安息香酸(701mg、2.83mmol)およびKCO(810mg、5.86mmol)を続けて各々少量ずつ、6−tert−ブトキシカルボニル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D7、657mg、2.77mmol)、ヨウ化銅(I)(44.0mg、0.23mmol)、およびN,N−ジメチルグリシン(52mg、0.50mmol)の無水DMSO(5ml)中溶液に加えた。これを、多量の無水DMSO(6ml)で希釈し、130℃で4時間攪拌した。室温に冷却すると、混合物をDCM(150ml)および水(130ml)の間に分配し、無水HCl(2N、5.5ml)で酸性化した(pH3)。分離した水相を、多量の無水HCl(2N、5ml)でさらに酸性化し(pH0)、DCM(125ml、次いで、50ml)で2回抽出した。合した有機相を、高真空を用いて真空中で濃縮し、DCM(20ml)および水(10ml)の間に分配し、残存DMSOを除去した。有機相を真空中で濃縮し、褐色固体(1.09g)を得た。アリコート(100mg)を無水DCMで溶解し、ピロリジン(100μl、1.21mmol)およびHATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート メタンアミニウム)(118mg、0.31mmol)を加え、混合物を室温で5時間攪拌した。得られた溶液を真空中で濃縮し、無水DCM(5ml)で溶解し、TFA(200μl、2.70mmol)を少量ずつ加えた。室温で2時間10分攪拌した後、多量のTFA(500μl、6.75mmol)を少量ずつ加え、混合物を室温でさらに17時間攪拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、SCXカラムクロマトグラフィーおよび高pH MDAPに付して続けて精製し、DCMで溶解し、エーテル性HCl(1M)を加えた。真空中でさらに濃縮し、標記化合物を得た(22.9mg、62.8μmol)。
LC/MS 保持時間 1.74分/(ES+) 365 (M+H,C1819O 理論値364)。
【0210】
実施例41:1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
【化99】

標記化合物を、1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン塩酸塩(実施例40)と同様の製法であるが、ピロリジンの代わりに3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩を用いて製造した。エーテル性HClを、合成の最後に加えなかった。
LC/MS 保持時間 1.78分/(ES+) 387 (M+H,C1715O 理論値386)。
【0211】
実施例42:1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
【化100】

酸化銅(I)(79.9mg、0.56mmol)を、N,N−ジメチルグリシン(64.2mg、0.62mmol)、6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(D8、100mg、0.45mmol)、1−[(4−ヨードフェニル)カルボニル]アゼチジン(D17、142mg、0.49mmol)、およびCsCO(311mg、0.95mmol)の無水DMSO(1.6ml)中攪拌混合物に少量ずつ加えた。混合物を、マイクロ波加熱下190℃で30分間攪拌し、シリカに通して濾過し、SCXクロマトグラフィーに付して精製した。高pH MDAPに付してさらに精製し、砂色固体として標記化合物を得た(35.7mg;0.10mmol)。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.78−7.73(2H,m),7.55−7.49(2H,m),4.37−4.21(4H,m),3.62(2H,s),2.85−2.79(2H,m),2.78−2.72(2H,m),2.51(3H,s),2.43−2.33(2H,m);LC/MS 保持時間 1.65分/(ES+) 365 (M+H,C1819O 理論値364)。
【0212】
実施例43:1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
【化101】

塩化アセチル(20μl、0.28mmol)を、1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン(実施例6、57mg、0.16mmol)およびヒューニッヒ塩基(50μl、0.29mmol)の無水DCM(2ml)中攪拌溶液に少量ずつ加えた。室温で24時間攪拌した後、溶媒を真空中で除去し、生成物をMDAPに付して精製し、無色油として標記化合物を得た(43.6mg;0.11mmol)。
LC/MS 保持時間 2.62分/(ES+) 407 (M+H,C2021 理論値406)。
【0213】
生物学的アッセイ
グルタミン酸受容体媒介応答を増強する本発明の化合物の能力は、a)FLUO4などの蛍光カルシウム指示色素を用いることによって、さらにいくつかの実施例化合物について、b)ヒトGluR2フリップ未校正HEK293細胞から記録されたグルタミン酸誘発電流を測定することによって決定された。
【0214】
a)カルシウム流入蛍光アッセイ
安定に発現するかまたは一時的にヒトGluR2フリップ(未校正)AMPA受容体サブユニットでトランスフェクトされたHEK293細胞の誘導性単層を含有する384ウェルプレートを調製した。これらの細胞は、機能的ホモ四量体AMPA受容体を形成する。ウェル中の組織培養培地を廃棄し、ウェルを各々、安定な細胞株に対し標準緩衝液(80μL)(145mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、2mM CaCl、20mM N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸(HEPES)、5.5mMグルコース、pH7.3)または一過性にトランスフェクトした細胞に対しNa不含緩衝液(NaClの代わりに145mM N−メチル−グルカミン)で3回洗浄した。次いで、プレートを、暗所にて2μM FLUO4−AM色素(Molecular Probes、Netherlands)とともに、室温で60分間インキュベートし、FLUO−4AMの細胞取り込みを可能にし、次いで、細胞から遊離することができない細胞内エステラーゼでFLUO−4に変換される。培養後、各ウェルを、緩衝液(80μL)で3回洗浄した(洗浄後、30μLの緩衝液が各ウェル中に残った)。
【0215】
本発明の化合物(またはシクロチアジドなどの目的化合物)を、10mMのストック濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解した。これらの溶液を、384化合物プレート中でBiomek FX(Beckman Coulter)を用いてDMSOでさらに希釈した。各希釈液(1μL)を、別の化合物プレートにトランスフェクトし、緩衝液(50μL)を加えた。アゴニスト刺激(グルタミン酸)プレートを、水中でグルタミン酸ナトリウムを溶解することによって調製し、100mMの濃度を得た。該溶液を緩衝液で希釈し、500μMの最終濃度を得、Multidrop(Thermolabsystems)を用いて別の384ウェルプレート(50μL/ウェル)に分注した。
【0216】
次いで、細胞プレートを、蛍光イメージングプレートに基づく読み取り機[例えば、FLIPR384(Molecular Devices)]中に移した。基準蛍光読み取りを10〜240秒かけて行い、次いで、標準緩衝溶液中で後処理された本発明の化合物を含有する各プレート(濃度範囲100μM〜10pM)から10μLを加え、(30μM〜3pMの範囲の最終濃度を得た)。蛍光を5分かけて読み取った。500μMグルタミン酸溶液(10μL)を加え、(100μMの最終濃度を得た)。次いで、蛍光を4分かけて読み取った。本発明の化合物および目的化合物の活性は、最終添加後のピーク蛍光を測定することによって決定された。活性はまた、その最大応答(すなわち、30μM以上)のシクロチアジドによって誘導される蛍光増加に相対的に表された。
【0217】
全ての実施例化合物を、アッセイを用いてスクリーンし、測定可能なpEC50の平均値を得た。全ての化合物は、3.5以上の平均pEC50を得、(その最大応答の)シクロチアジドの活性の、平均して少なくとも20%の活性を証明した。
【0218】
b)全細胞電圧固定電気生理学アッセイ
AMPA−サブタイプグルタミン酸受容体媒介反応を増強する本発明の化合物の能力は、ラット培養海馬ニューロンから記録されたAMPA−誘発性電流を測定することによって決定される。
【0219】
該アッセイは、ラット培養海馬ニューロンを用いるAMPA受容体陽性モジュレータの電気生理学的特性化に関与する。細胞外保存溶液は、145mM NaCl、2.5mM KCl、1.2mM MgCl、1.5mM CaCl、10mM N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸(HEPES)、10mM D−グルコース、pH7.3のNaOHを含有する。細胞内溶液は、80mM CsCl、80mM CsF、10mM N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸(HEPES)、10mMエチレングリコール−ビス(g−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N,−四酢酸(EGTA)、14mM MgATP、14mMジトリス・クレアチン・ホスフェート、50U/mlクレアチン・ホスホキナーゼ、pH7.3のCsOHを含有する。記録電極を、Zeitz Instruments DMZ Universal Puller,プログラム09を用いて2個の等しい長さに引っ張られるガラス毛管(Clark Electromedical GC120−F10)から調製し、細胞外溶液中で測定される場合に約3−6MΩの抵抗を有する電極をもたらす。電極を内部記録溶液で満たして戻す。陽圧を、内部および外部溶液の混合物を抑制し、電極が細胞膜と接触する場合に高抵抗シールの形成を補助する電極に適用される。ラット培養海馬ニューロンを有する、ガラスカバースリップフラグメントは、倒立顕微鏡の台上に位置する記録チャンバーに置く。チャンバーの端の管は、細胞外溶液を浴槽に適用するために用いられる。急速な溶液交換は、高速ステップ灌流システム(Biologic RSC160)を使用する。その長さに沿って一緒に結合する2個の排出管は、1個の管のみからの流出が、細胞表面を直接通過することができるように選択された細胞付近に位置する。電動式ステッパーを、第2の排出管からの流出が、細胞膜表面での溶液交換を10−20ms以内に生じさせる細胞を通過できるように管に再配置しうる。過剰な浴槽溶液を、真空ラインに連結するチャンバーの端に位置する管を介して除去する。
【0220】
期待される細胞は、顕微鏡の視界領域の中心に位置する。記録電極は、細胞膜表面上に直接位置する。優れたマニピュレーターコントロール(Luigs and Neumann、SM−6)を用いて、高抵抗性シール(ギガシール)を達成するまで、5mV脱分極パルスの送達中電極抵抗の変化をモニターしながら、電極を低くする。記録電極チップの真下で小断片の細胞膜の吸引による除去によって全細胞構造を達成する。細胞膜ポテンシャルを、電極(Axopatch 200B積分パッチクランプ増幅器、pClampソフトウェア、Axon機器)を介して−70mV(電圧固定)で維持する。試験溶液を、以下のプロトコルを用いて高速適用システムを用いて適用し、内向き電流の変化を、オフライン分析のために記録し、保存する。
1)対照電流−測定が安定するまで、細胞外溶液から細胞外溶液+30μM AMPA(適用時間2秒、適用間隔30秒)の交換を繰り返した。
2)試験電流−測定が安定するまで細胞外溶液+10nMの本発明の化合物から細胞外溶液+10nMの本発明の化合物+30μM AMPA(適用時間2秒、適用間隔30秒)の交換を繰り返した。
【0221】
全実験を常温(20〜22℃)で実施する。
【0222】
本発明の化合物の活性は、本発明の化合物の存在下における30μM AMPA反応についての(2秒の適用時間中の)曲線下の面積を測定し、30μM AMPA単独の反応(本発明の化合物の非存在下における30μM AMPA)の相乗作用の%として表すことによって決定される。
【0223】
上記のいくつかの実施例化合物を該アッセイで試験した。10nMの平均反応の範囲は、30μM AMPA反応を8〜50%増加し、10μMで42〜679%増加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
・ AおよびBの一方はCHであり、他方は酸素またはNRであって、ここで、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択され;
・ R、RおよびRは、独立して、水素またはフルオロから選択され;
・ Xは、結合手、CH、C(O)、SOまたはCHC(O)から選択され(ここで、カルボニル基はZに結合する);
・ Zは、
(a)C1−2アルカノイルで置換されていてもよいC−結合ピロリジニル;または
(b)基NRから選択され、ここで、
・Rは水素またはC1−4アルキルであり、RはC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルまたはHet−C1−4アルキルであって、ここで、Hetは飽和5または6員の複素環であるか;または
・RおよびRは、アゼチジニルまたはピロリジニル基を形成し、ここで、アゼチジニルまたはピロリジニル基中の炭素原子の1つは、SOで置換されていてもよく、アゼチジニルまたはピロリジニル基はまた、オキソ、ヒドロキシルまたはハロゲンから選択される1または2個の基で置換されていてもよい]
で示される化合物、またはその塩、もしくは溶媒和物。
【請求項2】
AがCHであり、Bが酸素またはNRであって、ここで、Rが水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択されるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
BがCHであり、Aが酸素またはNRであって、ここで、Rが水素、C1−2アルキルまたはC1−2アルカノイルから選択されるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
、RおよびRが全て水素であるか;または、RがFであり、RおよびRが両方水素であるか;または、RおよびRが両方水素であり、RがFである、請求項1−3のいずれか記載の化合物。
【請求項5】
Zが、C1−2アルカノイルで置換されていてもよいC−結合ピロリジニルである、請求項1−4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
Zが基NRであって、ここで、Rが水素またはC1−4アルキルであり、RがC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルまたはHet−C1−4アルキルであり、ここで、Hetが飽和5または6員の複素環であるところの、請求項1−4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
Zが基NRであって、ここで、RおよびRがアゼチジニルまたはピロリジニル基を形成し、アゼチジニルまたはピロリジニル基中の炭素原子の1つが、SOで置換されていてもよく、アゼチジニルまたはピロリジニル基がまた、オキソ、ヒドロキシルまたはハロゲンから選択される1または2個の基で置換されていてもよいところの、請求項1−4のいずれか記載の化合物。
【請求項8】
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({4−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[4−(1−アセチル−2−ピロリジニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
N−エチル−N−メチル−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]ベンズアミド
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)−3−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]−3−フルオロフェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
N−({4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)メタンスルホンアミド
1−{4−[(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)メチル]フェニル}−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−[2−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({3−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{4−[(2−オキソ−1−ピロリジニル)メチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロ−6H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−6−カルバルデヒド
N−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]ベンゼンスルホンアミド
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール−1(4H)−イル]フェニル}カルボニル)−3−アゼチジノール
1−({2−フルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン塩酸塩
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]−3−フルオロフェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−[3−フルオロ−4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1,4,6,7−テトラヒドロピラノ[4,3−c]ピラゾール
1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]−2−フルオロフェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−{3−フルオロ−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール
1−({2,6−ジフルオロ−4−[3−(トリフルオロメチル)−4,7−ジヒドロピラノ[3,4−c]ピラゾール−1(5H)−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン塩酸塩
1−{4−[(3,3−ジフルオロ−1−アゼチジニル)カルボニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−[4−(1−アゼチジニルカルボニル)フェニル]−6−メチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
1−({4−[6−アセチル−3−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−1−イル]フェニル}メチル)−2−ピロリジノン
である請求項1記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
医薬として用いるための請求項1−8のいずれか記載の化合物。
【請求項10】
哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態の治療に用いるための請求項1−8のいずれか記載の化合物。
【請求項11】
統合失調症の治療に用いるための請求項1−8のいずれか記載の化合物。
【請求項12】
請求項1−8のいずれか記載の化合物および少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項1−8のいずれか記載の化合物および抗精神病薬を含む組み合わせ生成物。
【請求項14】
グルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態を治療または予防するための医薬の製造における、請求項1−8のいずれか記載の化合物、または請求項12記載の組成物、または請求項13記載の生成物の使用。
【請求項15】
疾患が統合失調症である、請求項14記載の使用。
【請求項16】
哺乳動物におけるグルタミン酸受容体機能の低下または不均衡をもたらす疾患または病態の治療方法であって、有効量の請求項1−8のいずれか記載の化合物、または請求項12記載の組成物、または請求項13記載の生成物を投与することを含む、方法。
【請求項17】
疾患が統合失調症である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(II):
【化2】

[式中:Lは脱離基であり、R、R、R、XおよびZは式(I)の記載と同義である]
で示される化合物を式(III):
【化3】

[式中:AおよびBは式(I)の記載と同義である]
で示される化合物と反応させ、その後
(i)式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換してもよく:および/または
(ii)その塩または溶媒和物を形成してもよいことを含む、方法。

【公表番号】特表2010−508328(P2010−508328A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535078(P2009−535078)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061794
【国際公開番号】WO2008/053031
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】