説明

ATR法を用いた円二色分散測定方法及び円二色分散計

【課題】透明度の低い液体状・クリーム状・ゲル状の試料に光を透過させることなく非破壊・無処理で容易に円二色性分散測定する方法及び円二色性分散計を提供することにある。
【解決手段】左回り又は右回りの円偏光とした測定光28をプリズム16の入射面20より入射させ、ゲル状の試料26が載置されているプリズム16の試料載置面22に対して入射角を80°として入射させ、試料載置面22で全反射させた後、出射面24より出射した測定光28をそれぞれ検出してそれぞれの吸光度を測定することにより、円二色性分散測定をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円二色性分散測定方法及び円二色分散計、特に透明度の低い濃厚溶液やゲル状・クリーム状試料等を非破壊・無処理で測定するための方法及び装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
円二色性分散測定は、左回り及び右回りの円偏光を試料に照射し、それらの光吸収の差を測定することによりなされる。キラリティーをもつ物質に左回り及び右回りの円偏光を照射するとそれぞれの吸光度に差が生じる。この光吸収の差を円二色性といい、円二色分散測定はこの現象を利用したものである。測定が比較的容易であることから分子の立体構造の解析に広く用いられている。
【0003】
ところが、透明度の低い濃厚溶液、クリーム状試料、及びゲル状試料を測定するときは、透明度が低く光が透過しないことがあるため原液での測定は困難となる。従来は、測定前に濃厚溶液やクリーム状試料を測定するときは溶液を希釈し、また、ゲル状試料は溶媒に溶かすことはできないので、測定前に薄くスライスして測定光がゲル状試料を透過できる状態にしてから測定を行っていた。
【0004】
しかし、濃縮溶液やクリーム状試料を希釈すると試料の構造が変化する可能性がある。また、ゲル状試料をスライスする作業は大変時間と労力を必要とする作業であり、試料によっては薄くスライスできないことがある。そのため、従来はこのような試料を円二色分散測定するのが困難であった。
そこで、円二色分散測定において、透明度の低い濃縮溶液やゲル状・クリーム状試料を非破壊・無処理で容易に測定するための方法及び装置が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は、円二色分散測定をするにあたり濃厚溶液・クリーム状試料を希釈することによる試料の構造変化、及びゲル状試料を薄くスライスすることによる測定者への負担などの問題により透明度の低い試料で円二色性を測定することが困難であることであり、その目的は、透明度の低い液体状・クリーム状・ゲル状の試料に光を透過させることなく非破壊・無処理で容易に円二色性分散測定する方法及び円二色性分散計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者らは円二色性分散測定をするときに試料に測定光を透過させるのではなく、ATR法(全反射法)を用いた円二色性分散測定を試みた。
ATR測定とは試料表面で全反射する測定光を測定することによって、試料表面の吸収スペクトルを得る方法である。ATR測定ではプリズムに試料を密着させて、試料を載置した面に測定光を入射させるとプリズムから試料内部にわずかにもぐり込んで反射するので、この反射光測定することにより試料表層部の吸収スペクトルを得ている。
【0007】
ATR法を用いて円二色性分散測定をするために、本発明に係る装置は下記の構成をとる。すなわち、請求項1に記載されているように、
左回り及び右回りの円偏光に対する吸光度の差を波長に対してプロットすることにより円二色性スペクトルを測定する円二色性分散計において、
測定光を放射する光源と、
測定光を所定波長の光とするモノクロメータと、
モノクロメータを通過した測定光を直線偏光とする偏光子と、
偏光子を通過した測定光を左回り又は右回りの円偏光とする波長板と、
波長板を通過した測定光が入射する入射面と、試料をプリズムに密着させて載置した試料載置面と、試料載置面で反射した測定光が出射する出射面を有するプリズムと、
プリズムの出射面から出射した光を受光する受光子と、を備え、
偏光子を通過した測定光が、プリズムの入射面より入射した後、試料載置面に対して臨界角以上の角度で入射することを特徴としている。
【0008】
ATR法を用いるためには、プリズムの試料載置面で一度は測定光を全反射させる必要があるが、このとき測定光が臨界角以上の角度で試料載置面に入射しており、測定光の偏光状態が解消するおそれがあるようにも思われる。しかし、本発明者らは本発明に係る装置により経験的に円二色性分散スペクトルを正常に取得できることを確認している。
【0009】
また、請求項2に記載されているように、このときの試料載置面へ測定光が入射する角度は70°から89°が経験的にみて実用的であると考えられる。
【0010】
また、測定光をプリズムに入射するときも可能な限り円偏光の状態を維持することが必要である。
プリズムに入射するときに測定光の偏光状態が多少変化することがあるが、測定の結果に与える影響を最小限にするために、以下のようにプリズムを保持するのが好適である。
【0011】
すなわち、請求項3に記載されているように、偏光子を通過した測定光がプリズムに入射するときのP偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用するのが好適である。
【0012】
また、請求項4に記載されているように、偏光子を通過した測定光がプリズムの入射面から垂直に入射するようにプリズムを傾けて使用してもよい。
【0013】
また、請求項5に記載されているように、本発明に係る方法は、
左回り及び右回りの円偏光に対する吸光度の差を波長に対してプロットすることにより円二色性スペクトルを測定する円二色分散測定方法において、
プリズムの試料載置面に試料を載置し、
光源から放射される測定光をモノクロメータにより所定波長の光とし、モノクロメータを通過した測定光を偏光子により直線偏光とし、偏光子を通過した測定光を波長板により左回り又は右回りの円偏光とし、波長板を通過した測定光をプリズムの入射面よりプリズム内に入射させ、試料載置面へ臨界角以上の角度で入射させ、試料載置面で反射した測定光をプリズムの出射面より出射させた後、出射した測定光をそれぞれ受光子で検出することにより円二色性を測定することを特徴としている。
【0014】
また、請求項6に記載されているように、このときの試料載置面へ測定光が入射する角度は70°から89°が経験的にみて実用的であると考えられる。
【0015】
また、請求項7に記載されているように、偏光子を通過した測定光がプリズムに入射するときのP偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用するのが好適である。
【0016】
また、請求項8に記載されているように、偏光子を通過した測定光がプリズムの入射面から垂直に入射するようにプリズムを傾けて使用するとより好適である。
【発明の効果】
【0017】
以上記載したように、本発明の円二色性分散測計は試料の透過光を測定するのではなく、ATR法を用いて円二色性を求めることとした。換言すれば、本発明は、試料に測定光を透過させるのではなく、測定光がプリズムの試料載置面から入射した後の測定光の試料へのもぐりこみを利用することとしたのである。そうすることで、濃厚溶液・クリーム状試料を希釈することや、ゲル状試料を薄くスライスすることなく円二色性を測定することができる。試料を非破壊・無処理で、プリズムの試料載置面に置くだけで測定することができるので、試料の構造が損なわれることがないという効果が得られ、また測定者の負担を大幅に軽減する効果も得られる。
そして、本発明の方法により測定された円二色分散スペクトルは従来の方法により測定したスペクトルと差異がほとんどなく、実用的な測定方法である。
また、試料載置面への測定光の入射角を調整することにより、測定光のもぐりこみ深さを調整することも可能である。
【0018】
また、プリズムに測定光が入射するときに測定光の偏光状態を維持するために、円偏光が前記プリズムの入射面から垂直に入射するようにプリズムを傾けて使用することにより、測定光がプリズムに入射するときの偏光状態が保たれる。
【0019】
また、測定光をプリズムに垂直に入射させるのが好ましいが、測定中に入射角を変えることによりもぐりこみ深さを変えながら測定することも考えられる。そのような場合は事後的に試料載置面への入射角を変更するので、必ずしも測定光をプリズムに垂直に入射させる必要はない。そのときは、測定光がプリズムへ入射するときに与えられる偏光状態への影響が円二色性分散測定の結果にできる限り現れないようするために、P偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けることとしたので、測定光が入射するときに偏光状態がみだれることによる測定結果への影響を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の円二色性分散計の全体の構成を示した図である。
【図2】プリズムの形状や試料載置面への測定光の入射角の説明図である。
【図3】測定光がプリズムに入射するときのP偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用したときの説明図である。
【図4】全反射プリズムを使用して測定光の入射方向を調整したときの説明図である。
【図5】ゲル状試料をプリズムに押しつけて試料を保持することを説明した図である。
【図6】液状試料をプリズム上に保持するための試料載置用型をのせたことを示した図である。
【図7】液状試料を測定するときにスポンジに試料をしみこませてプリズムに載置したことを示した図である。
【図8】試料の濃度を0.0006g/lの溶液を用いて従来方法により得たCDスペクトルを示した図である。
【図9】高濃度の溶液1.85g/lの溶液を用い本発明の方法により得たCDスペクトルを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に本発明の装置の全体構成を示す。光源10は、紫外領域または可視領域の測定光を放射しており、本発明に係る円二色分散計は、光源10の後段に配置され、該光源10からの測定光を所定波長の光とするモノクロメータ12と、該モノクロメータ12からの測定光を直線偏光とする偏光子14と、該偏光子14からの測定光を円偏光とする波長板15と、該波長板15からの光が入射されるプリズム16と、該プリズム16から出射した光を検出する受光素子18とを有する。そして、前記プリズム16の上にゲル状試料26を載置している。
【0022】
光源10より測定光が放射され、該測定光はモノクロメータ12を通過して所定波長の光とされ、偏光子14を通過して直線偏光とされ、該偏光子14に対して所定の角度に設置された波長板15を通過して前記測定光は左回り又は右回りの円偏光となり、該測定光がプリズム16に入射し、該プリズム16の側面で反射して、出射した測定光をそれぞれ受光子18で検出することにより、それぞれの吸光度が測定される。
試料をプリズム16上に載置した後、プリズムの向きを調整するか、測定光の進行方向を調整することにより、試料が載置されている位置に測定光が照射されるように調整する。
また、受光子18の位置は出射した測定光の位置に合わせておく。
【0023】
(プリズムの形状・向き)
プリズム16の形状については、例えば図2に示したものが好適である。
測定光28をプリズム16の入射面20より入射させる。入射角度は図2に記載されているように垂直に入射するのが測定光の偏光状態を維持する上で最も好ましいが、後述するように測定光28のP偏光の振動方向と試料載置面22との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面22との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用してもよい。
【0024】
測定光28を入射面20に垂直に入射させるのが最も好ましいのは、そのように入射させると測定光がプリズムに入射するときに受ける偏光状態への影響を最小限にすることができ、円偏光の状態を維持することができるためである。
【0025】
ところが、必ず垂直に入射しなければならないものとすると、事後的にもぐりこみ深さを調整するときに測定光28の試料載置面22への入射角を変更する場合があるので、そのつど、適した形状のプリズムに変更しなければならなくなる。そうすると、装置の利便性が悪く、測定者へ不要な負担をしいることになる。
そこで、測定光28をプリズムの入射面20に垂直に入射させない場合でも、プリズム16へ入射するときに測定光28が受ける偏光状態への影響が円二色性分散測定の結果にできる限り現れないようするため、プリズム16を適切な向きに調整することにした。
【0026】
例えば図3に示されているように、測定光28のP偏光の振動方向と試料載置面22との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面22との角度が等しくなるようにプリズム16を傾けて測定光28を入射してもよい。そのように入射させると測定光28が入射した後、プリズム16に入射するときに受ける測定光28の偏光状態への影響を同程度にすることができるためである。その場合は、プリズム16を図面前方向に45°、もしくは奥方向に45°傾けるのが好適である。
【0027】
なお、試料載置面22への入射角度を事後的に変更できるようにするためプリズムに回転式のものを使用してもよい。このとき2軸式のものを用いれば、測定光の試料載置面への入射角を調整することと、P偏光とS偏光との角度が等しくなるように調整することとの両方を行うことができる。
【0028】
サンプルを水平に保持できるようにするには、プリズムの向きを調整するのではなく測定光のプリズムへの入射角を調整する必要がある。
測定光のプリズムへの入射角を調整するために、図4のように、測定光28をプリズム16に入射させる前に全反射プリズム30に入射させて反射面32で反射させることにより測定光28の進行方向を調整してもよい。全反射プリズム30の位置・向きを調整することにより、測定光28の試料載置面22への入射角を変更することができ、それにより試料へのもぐりこみ深さdpを調整することもできる。
【0029】
なお、出射光とプリズムの出射面24との向きについては、特にプリズムの直線二色性の影響が大きいとき等は垂直とするのが望ましい。
【0030】
(試料の保持方法)
従来は試料の保持に測定する前にセルを作製するなどの労力を必要としていたが、本発明の方法によれば試料の保持が極めて容易であることから、測定者の負担が軽減される。
試料載置面22の測定光28の入射位置にゲル状試料26を載置するときは、図5に示されているように試料載置面22にゲル状試料を置いて試料押付用型40で押しつけて密着させる。
【0031】
また、濃厚溶液やゾル等の液状試料を載置するときは、図6(a)に示されているようにプリズム16の試料載置面22に設置された四辺のワク型の試料載置用型42に液状試料を流し込む。次に、蒸発を防止するために液状試料の上に試料載置用型42のフタ44をのせる。
【0032】
液状試料を載置するときに型を使用せず、図6(b)に示されているように液状試料をしみこませたスポンジ46をプリズム16の試料載置面22に載せてもよい。
【0033】
また、粘液等のクリーム状試料を載置するときは、プリズム16の試料載置面22に直接塗りつけるとよい。
【実施例】
【0034】
(従来方法及び本発明のCDスペクトルの比較)
超高濃度サンプルを測定するとき従来であれば希釈してからCDスペクトルを計測していたが、本発明の方法によればそのまま計測することができる。
本発明の方法の実用性を検討するため、本発明の方法と従来の方法により得られたCDスペクトルを比較した。同一のd体及びl体の10−カンファースルホン酸(CSA)を試料とし、本発明の方法を用いる場合は超高濃度溶液(1.85g/ml)を用い、従来法によるときは、希釈した溶液(0.0006g/ml)を用いてCDスペクトルを計測した。
なお、検出器の感度等の設定は同一にしている。
【0035】
図8に示したように、従来方法によりCDスペクトルを取得するとd−10−CSAは、正のコットン効果を示し、290nmでピークを示している。また、l−10−CSAは、負のコットン効果を示し、同じく290nmでピークを示している。
【0036】
これに対して本発明の方法によりCDスペクトルを取得すると、図9に示したように、d−10−CSAは、300nmで示している。また、l−10−CSAは、負のコットン効果を示し、同じく300nmでピークを示している。
【0037】
ピークの位置がおおよそ一致しており、CSAのキラリティーが計測されていることが分かる。
したがって、本発明の方法を用いれば本発明の方法を用いれば超高濃度溶液であってもCDスペクトルを取得することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
実施例にて説明したように、本発明によるスペクトルがCSAのキラリティーに影響されているのは明らかである。また、従来方法で得られたスペクトルとの比較においてもスペクトルの形状がおおよそ一致しているといえる。
従来方法と本発明の方法を用いて取得したCDスペクトルを比較したところ若干ピーク位置がずれているが、従来方法で得られたCDスペクトルの特徴をほぼ具現しており、多少の補正することにより実用に足ると考えられる結果が得られた。
【符号の説明】
【0039】
10・・・光源
12・・・モノクロメータ
14・・・偏光子
15・・・波長板
16・・・プリズム
18・・・検光子
19・・・受光子
20・・・プリズムの入射面
22・・・プリズムの試料載置面
24・・・プリズムの出射面
26・・・試料
28・・・測定光
30・・・全反射プリズム
32・・・全反射プリズムの反射面
40・・・試料押付用型
42・・・試料載置用型
44・・・試料載置用型のフタ
46・・・スポンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左回り及び右回りの円偏光に対する吸光度の差を波長に対してプロットすることにより円二色性スペクトルを測定する円二色性分散計において、
測定光を放射する光源と、
該測定光を所定波長の光とするモノクロメータと、
該モノクロメータを通過した測定光を直線偏光とする偏光子と、
該偏光子を通過した測定光を左回り又は右回りの円偏光とする波長板と、
該波長板を通過した測定光が入射する入射面と、試料をプリズムに密着させて載置した試料載置面と、試料載置面で反射した測定光が出射する出射面とを有するプリズムと、
前記プリズムの出射面から出射した光を受光する受光子と、を備え、
前記偏光子を通過した測定光が、前記プリズムの入射面より入射した後、試料載置面に対して臨界角以上の角度で入射することを特徴とする円二色性分散計。
【請求項2】
請求項1の円二色性分散計において、
前記プリズムの入射面に入射した測定光が試料載置面に70°から89°の角度で入射することを特徴とする円二色性分散計。
【請求項3】
請求項1の円二色性分散計において、
前記偏光子を通過した測定光が前記プリズムに入射するときのP偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用することを特徴とする円二色性分散計。
【請求項4】
請求項1の円二色分散計において、
前記偏光子を通過した測定光が前記プリズムの入射面から垂直に入射するようにプリズムを傾けて使用することを特徴とする円二色性分散計。
【請求項5】
左回り及び右回りの円偏光に対する吸光度の差を波長に対してプロットすることにより円二色性スペクトルを測定する円二色分散測定方法において、
プリズムの試料載置面に試料を載置し、
光源から放射される測定光をモノクロメータにより所定波長の光とし、該モノクロメータを通過した測定光を偏光子により直線偏光とし、該偏光子を通過した測定光を波長板により左回り又は右回りの円偏光とし、該波長板を通過した測定光を前記プリズムの入射面より前記プリズム内に入射させ、前記試料載置面へ臨界角以上の角度で入射させ、前記試料載置面で反射した測定光を前記プリズムの出射面より出射させた後、出射した測定光をそれぞれ受光子で検出することにより円二色性を測定することを特徴とする円二色分散測定方法。
【請求項6】
請求項5の円二色性分散測定方法において、
前記プリズムの入射面に入射した測定光が試料載置面に70°から89°の角度で入射することを特徴とする円二色性分散計。
【請求項7】
請求項5の円二色分散測定方法において、
前記偏光子を通過した測定光が前記プリズムに入射するときのP偏光の振動方向と試料載置面との角度と、S偏光の振動方向と試料載置面との角度が等しくなるようにプリズムを傾けて使用することを特徴とする円二色分散測定方法。
【請求項8】
請求項5の円二色分散測定方法において、
前記偏光子を通過した測定光が前記プリズムの入射面から垂直に入射するようにプリズムを傾けて使用することを特徴とする円二色分散測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−247756(P2011−247756A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121496(P2010−121496)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000232689)日本分光株式会社 (87)
【Fターム(参考)】