説明

AV通信制御集積回路及びAV通信制御プログラム

【課題】搭載される機器の種別やインタフェース使用に応じたAVデータ処理や著作権保護処理を行えるようにする。
【解決手段】本発明に係るAV通信システムは、無線でAVデータを送信する無線AV送信装置と、無線AV送信装置からのAVデータを無線ネットワークを介して受信する無線AV受信装置とを備えている。無線AV装置内の無線LAN-LSI4は、AVストリーム用信号線を介して供給されたAVデータについては著作権保護処理を行ってから無線送信し、汎用バスを介して供給されたAVデータについてはそのまま無線送信するような無線LAN-LSI4を無線AV送信装置1内に設けるため、AV専用信号線を有する無線AV送信装置1でも、汎用バスを有する無線AV送信装置1でも、同一の無線LAN-LSI4を利用でき、それぞれ別個にLSIを開発しなくて済むことから、LSIの開発コスト削減が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作権保護を図りつつAVデータを送信または受信するAV通信制御集積回路及びAV通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル情報家電と呼ばれる商品が普及しつつある。これらは、デジタル放送の開始などに伴い、さらに普及が期待される商品群であり、デジタル放送対応テレビや、セットトップボックス、デジタルVTR、DVDプレーヤ、ハードディスクレコーダ等、デジタルデータやデジタルコンテンツを扱う商品すべてが対象となる。
【0003】
デジタルデータやデジタルコンテンツは、複製しても品質が劣化せず、複製も容易に行えるため、予め著作権保護に対する対策を考慮しておく必要がある。例えば、デジタルAV機器同士をつなぐデジタルネットワークであるIEEE1394には、認証・鍵交換機構や、データの暗号化の機能が兼ね備えられている。
【0004】
ここで、ある送信装置から、著作権保護が必要なAVデータを、受信装置に転送する場合を考える。ここで注意すべきは、個人(あるいは、拡大解釈して家族)の楽しむ範囲内でAVデータのやり取りを行うのが著作権保護の前提であり、第三者とのAVデータのやりとりは(著作権者の許可が伴わない限り)行われるべきでは無いという点である。
【0005】
第三者とのデータのやり取りは、インターネット等の公衆網を介して行い、個人や家庭内でのデータのやり取りは、IEEE1394や無線ネットワーク等の閉じたホームネットワーク内で行われることが多い。
【0006】
IEEE1394は、デジタルAV機器同士を接続する代表的なデジタルネットワークであり、認証・鍵交換機構や、データの暗号化の機能を兼ね備えている。この仕組みをDTCP(Digital Transmission Content Protection)と言う(非特許文献1参照)。基本的には、IEEE1394のLSIの内部に、DTCP暗号化や認証・鍵交換の仕組みを持ち、保護すべきAVデータをIEEE1394を介して送受信する場合に、IEEE1394に送信する直前で暗号化を施し、受信直後に復号化を施す仕組みを兼ね備えていることが多い(特許文献1を参照)。
【0007】
今後注目すべきは家庭内無線LANである。無線LANの規格の1つであるIEEE802.11規格は、オフィス/家庭で急速に普及しており、今後、無線LAN上で保護が必要なAVデータのやり取りを行う可能性もきわめて高い。
【0008】
この種の無線LANにおいても、著作権保護の仕組みを検討する必要があり、この仕組みは、IEEE1394の経験則から言って、無線LANのLSIに組み込まれれる可能性が高い。
【0009】
しかしながら、今までの無線LANは、基本的にはパーソナルコンピュータ(以下、PC)用ネットワークを対象としていた。PCにおける無線LANインタフェース(PCのCPUと無線LANとのインタフェース)は、PCIバスに代表される汎用バスを介して行われる。このため、無線LANの集積回路は、PCIバスインタフェースを持っていることが多い。
【0010】
【特許文献1】特開2001−308775公報
【非特許文献1】http://www.dtla.comにて取得可能に開示されている文書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一方、今後は、テレビやDVD等の、いわゆるAV機器に無線LANが搭載される可能性が高い。これらのAV機器における、AV処理部(AVデコーダなど)とネットワークとのインタフェースは、同期の確保などの様々な理由により、AVストリームデータを直接やり取りするインタフェースが一般的である。よって、無線LANの集積回路は、このAVストリームインタフェースを持つことが望まれる。また、著作権保護の機能の搭載も必須である。
【0012】
しかしながら、無線LANの集積回路内に著作権保護の機能を持たせると、無線LANの集積回路に入出力されるAVデータは、暗号化されていない生のデータになってしまう。これは、PCIバス等の汎用バスに、生のデータが流れることを意味する。一般的なパソコンでは、汎用バス上のデータを特定の領域に保持するというプログラムを作成するのは比較的容易であるため、汎用バス上に生のAVデータが流れてしまうことは問題である。
【0013】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、搭載される機器の種別やインタフェース使用に応じたAVデータ処理や著作権保護処理を行うことのできる効率的なAV通信制御集積回路及びAV通信制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、ネットワークを介してAVデータを受信する制御を行う受信制御手段と、前記受信されたAVデータのうち、著作権保護がなされているAVデータと著作権保護がなされていないAVデータとのいずれか一方を選択する選択手段と、著作権保護処理がなされていないAVデータを出力する第1の接続端子と、汎用バスインターフェースを介して著作権保護処理がなされているAVデータを出力する第2の接続端子と、前記選択手段にて、前記著作権保護処理がなされていないAVデータが選択されると、該AVデータに対して所定の著作権保護処理を行う著作権保護処理手段と、を備えることを特徴とするAV通信制御集積回路が提供される。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、ネットワークを介してAVデータを受信する制御を行う受信制御手段と、前記受信されたAVデータのうち、著作権保護がなされているAVデータと著作権保護がなされていないAVデータとのいずれか一方を選択する第1の選択手段と、著作権保護処理がなされていないAVデータを伝送するためのAVストリーム用内部信号線と、著作権保護処理がなされているAVデータを伝送可能な汎用内部バスと、前記AVストリーム用内部信号線及び前記汎用内部バスのいずれにも接続可能な外部接続端子と、前記AVストリーム用内部信号線上のAVデータ及び前記汎用内部バス上のAVデータのいずれかを選択して前記外部接続端子に供給する第2の選択手段と、を備えることを特徴とするAV通信制御集積回路が適用される。
【発明の効果】
【0016】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、AVストリーム用信号線上のAVデータと汎用バス上のAVデータのいずれも送信または受信できるようにしたため、おのおのの専用の集積回路を用意しなくて済み、集積回路の設計・製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るAV通信制御集積回路及びAV通信制御プログラムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
図1は本発明に係るAV通信システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図である。図1のAV通信システムは、無線でAVデータを送信する無線AV送信装置1と、無線AV送信装置1からのAVデータを無線ネットワーク2を介して受信する無線AV受信装置3とを備えている。
【0019】
図1の無線ネットワーク2は、家庭内のネットワークを念頭に置いているが、必ずしも無線である必要はなく、イーサネット(登録商標)等の有線ネットワークでもよいし、無線ネットワーク2と有線ネットワークがブリッジ接続された混在ネットワークでもよい。
【0020】
無線ネットワーク2は、例えば、IEEE802.11aやIEEE802.11b等の無線LANである。
【0021】
無線AV送信装置1は、テレビやセットトップボックス、DVDプレーヤ等のAVデータのソースデバイスとなりうる機器である。一般的なテレビやセットトップボックスは、MPEG処理部と無線LAN-LSI間に大きなデータバッファを持っていない代わりに、AVストリームや同期クロック等を直接やり取りするインターフェースを持っている。
【0022】
一方、無線AV受信装置3は、テレビ等の表示装置、スピーカ、あるいは録画・録音装置といった、AVデータのシンクデバイスとなりえる機器である。
【0023】
図2は図1の無線AV送信装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。このブロック構成は、主にDVDプレーヤ等のAV専用機器で用いられるものである。図2の無線AV送信装置1は、無線LAN-LSI4とMPEG処理部5とを有する。MPEG処理部5は、例えば、映像信号をMPEGエンコードする機能を持つMPEGエンコーダや、映像信号(例えばテレビ放送)を受信する機能を持つMPEG受信部や、映像信号を蓄積する機能(例えばハードディスクやDVD)を持つMPEG蓄積部などで構成される。また、MPEG処理部5は、無線LAN-LSI4に対して、著作権保護を行なうべきデジタルAVデータを送信する機能も持っている。
【0024】
MPEG処理部5には、MPEGデータとクロックを出力する少なくとも一つの端子が設けられ、この端子に無線LAN-LSI4が接続される。
【0025】
無線LAN-LSI4は、無線LANの送受信制御を行う機能の他に、著作権保護やAVデータのフォーマット処理を行う機能も持っている。
【0026】
図3は図1の無線AV送信装置1の内部構成の他の例を示すブロック図である。このブロック構成は、主にPCで用いられるものである。図3の無線AV送信装置1は、PCIバス等の汎用バス6に接続されたCPU7、メモリ8及び無線LAN-LSI4を有する。
【0027】
CPU7は、MPEG処理をソフトウェアにより実行する。なお、CPU7の内部に、MPEG処理をハードウェアで実行する機能ブロックを設けてもよい。
【0028】
CPU7の処理能力は、年々飛躍的に高くなっているため、ソフトウェアでMPEG処理を行う図3のような構成が急速に普及するものと思われる。
【0029】
図2及び図3の無線AV送信装置のいずれにも対応した無線LAN-LSI4を別個に開発するのは、コスト的に無駄が多いため、できれば、同一の無線LAN-LSI4を図2と図3の無線AV送信装置1のどちらにも利用できるようにするのが望ましい。
【0030】
図4は図2及び図3の無線AV送信装置のどちらでも利用可能な無線LAN-LSI4の内部構成の一例を示すブロック図である。図4の無線LAN-LSI4は、クロック送信部11と、DTCP処理部12と、汎用バスI/F部13と、バッファ14と、セレクタ15と、I/F選択部16と、無線LAN処理部17とを有する。
【0031】
クロック送信部11は、外部から入力されたAVデータの同期クロックを、無線LAN処理部を介して、無線LAN側に出力する。DTCP処理部12は、図2のMPEG処理部5からAVストリーム用信号線を介して供給されるAVデータに対してDTCP著作権保護処理を行う。バッファ14は、図3のCPU7から汎用バスと汎用バスI/F部13を介して供給されるAVデータを一時的に記憶する。
【0032】
セレクタ15は、DTCP処理部12で著作権保護処理を行ったAVデータと、汎用バスから著作権保護処理を行わずに供給されたAVデータとのいずれか一方を選択する。セレクタ15の選択は、I/F選択部16が行う。セレクタ15で選択されたAVデータは、無線LAN処理部17で変調されて無線ネットワーク2に送出される。
【0033】
AVストリーム用信号線を介して供給されたAVデータに対して、DTCP処理部12で著作権保護処理を行う理由は、図2の無線AV送信装置の場合、MPEG処理部5と無線LAN-LSI4との間のAVストリーム用信号線は他のどこにも接続されておらず、このAVストリーム用信号線上のAVデータに対して著作権保護処理を行う必要はないためであり、AVデータが無線LAN-LSI4に入力されてから、著作権保護処理を行うようにしている。
【0034】
一方、図3の無線AV送信装置1の場合、汎用バスを用いてAVデータをやり取りするため、無線LAN-LSI4の内部で著作権保護処理を行うようにすると、暗号化されていない生のAVデータが汎用バス上を通ることになり、汎用バスに接続されたAVキャプチャ装置などにより、AVデータを不正に取得されるおそれがある。そこで、図3の無線AV送信装置1の場合、CPU7側でソフトウェアにより著作権保護処理を行って、暗号化されたAVデータを汎用バスに供給するようにしている。したがって、無線LAN-LSI4の内部では、著作権保護処理を行う必要がない。
【0035】
図4の無線LAN-LSI4は、AVストリーム用信号線に接続される外部接続端子t1と、汎用バスに接続される外部接続端子t2とを有する。無線LAN-LSI4には、他にも多数の端子が設けられるため、できるだけ端子の数を減らすのが望ましい。
【0036】
そこで、図5は、AVデータの入力端子を一つにまとめた無線LAN-LSI4の内部構成の一例を示すブロック図である。図5では、図4と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0037】
図5の無線LAN-LSI4は、AVストリーム用信号線及び汎用バスのいずれにも接続可能な単一の外部接続端子t3と、この外部接続端子t3に接続されるセレクタ18とを有する。このセレクタ18は、外部接続端子t3に入力されたAVデータをAVストリーム用内部バスに供給するか、汎用内部バスに供給するかを選択するものであり、セレクタと同様に、I/F選択部16により選択される。I/F選択部16は、セレクタ15,18の選択を互いに同期させて行う。
【0038】
図6は図1の無線AV受信装置3の内部構成の一例を示すブロック図である。このブロック構成は、主にDVDプレーヤ等のAV専用機器で用いられるものである。図6の無線AV受信装置3は、無線LAN-LSI21と、受信されたMPEG形式のAVデータをデコードするMPEGデコーダ22と、受信されたAVデータを表示部23に表示する制御を行う表示制御部24とを有する。
【0039】
無線LAN-LSI21は、無線LANの送受信制御、著作権保護のための処理、及びAVデータのフォーマット処理などを行う。
【0040】
図7は図1の無線AV受信装置3の内部構成の他の例を示すブロック図である。このブロック構成は、主にPCで用いられるものである。図7の無線AV受信装置3は、PCIバス等の汎用バス25に接続されたCPU26、メモリ27、表示メモリ&表示装置28及び無線LAN-LSI21を有する。
【0041】
CPU26は、MPEG方式のAVデータのデコード処理とメモリ27への格納処理をソフトウェアにより行う。
【0042】
図8は図6及び図7の無線AV受信装置のいずれにも対応した無線LAN-LSI21の内部構成の一例を示すブロック図である。図8の無線LAN-LSI21は、無線LAN処理部31と、クロック抽出部32と、セレクタ33と、I/F選択部34と、DTCP処理部35と、バッファ36と、汎用バスI/F部37とを有する。
【0043】
無線LAN処理部31は、無線ネットワーク2を介してAVデータを含む無線信号を受信する。クロック抽出部32は、受信した無線信号から、AVデータに同期するクロックを抽出する。
【0044】
セレクタ33は、I/F選択部34からの信号に基づいて、受信した無線信号に含まれるAVデータをAVストリーム用信号線に供給するか、汎用バスに供給するかを選択する。セレクタ33で選択されたAVストリーム用信号線用のAVデータは、DTCP処理部35で復号された後に、AVストリーム用信号線に供給される。一方、セレクタ33で選択された汎用バス用のAVデータは、バッファ36に一時的に格納された後、汎用バスI/F部37を介して、汎用バスに供給される。
【0045】
図8の無線LAN-LSI21からAVストリーム用信号線に供給されたAVデータは、図6のMPEGデータに入力されてデコードされる。また、図8の無線LAN-LSI21から汎用バスに供給されたAVデータは、図7のCPU26に入力されてソフトウェアによりデコードされる。
【0046】
図8の無線LAN-LSI21は、AVストリーム用信号線に接続される外部接続端子t4と、汎用バスに接続される外部接続端子t5とを有する。これらの端子を一つにまとめた無線LAN-LSI21の内部構成は図9に示される。図9では、図8と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0047】
図9の無線LAN-LSI21は、AVストリーム用信号線及び汎用バスのいずれにも接続可能な単一の外部接続端子t6と、この外部接続端子t6に接続されるセレクタ38とを有する。このセレクタ38は、DTCP処理部35から出力されたAVデータと汎用バスI/F部37から出力されたAVデータとのいずれかを選択して、外部接続端子t6に供給する。このセレクタ38は、セレクタ33と同様に、I/F選択部34により選択される。I/F選択部34は、セレクタ33,38の選択を互いに同期させて行う。
【0048】
図10は図1のAV通信システムにおけるAVデータの送受信シーケンスを示す図である。まず、無線AV受信装置3から無線AV送信装置1に、例えばTCP/IPにて、AVデータの再生を要求するAV制御コマンドを送信する(ステップS1)。
【0049】
この要求を受けて、無線AV送信装置1は、AVデータを暗号化する(ステップS2)。次に、無線AV送信装置1は、無線AV受信装置3に、例えばRTP/IPにてAVデータを送信する(ステップS3)。このとき、著作権保護が必要なAVデータの場合は、DTCP暗号化を行い、送信ポート番号=#x、受信ポート番号=#y、TTL(Time To Live)=1をして送信する。
【0050】
暗号化されているAVデータを受信した無線AV受信装置3は、このAVデータを受信した時点で、暗号化されていることを認識する。そして、特定のIPアドレスやポート番号(あるいはSSRC等のRTPコネクションを特定可能な番号)を付与した上で、該RTPコネクションについての認証鍵交換を要求する(ステップS4)。
【0051】
この要求に対して無線AV送信装置1が応じると、無線AV送信装置1と無線AV受信装置3との間で、無線レイヤパケットまたはイーサネットフレームを用いて認証・鍵交換手順を行う(ステップS5)。その結果、無線AV受信装置3は復号鍵を入手し(ステップS6)、この復号鍵を用いてAVコンテンツを復号する。
【0052】
このように、本実施形態では、AVストリーム用信号線を介して供給されたAVデータについては著作権保護処理を行ってから無線送信し、汎用バスを介して供給されたAVデータについてはそのまま無線送信するような無線LAN-LSI4を無線AV送信装置1内に設けるため、AVストリーム用信号線を有する無線AV送信装置1でも、汎用バスを有する無線AV送信装置1でも、同一の無線LAN-LSI4を利用でき、それぞれ別個にLSIを開発しなくて済むことから、LSIの開発コスト削減が図れる。
【0053】
また、本実施形態では、受信された無線信号に含まれるAVデータをAVストリーム用信号線に伝送する場合には、著作権保護処理を行ってから伝送し、汎用バスに伝送する場合には、著作権保護処理を行わずに伝送するような無線LAN-LSI21を無線AV受信装置3内に設けるため、AVストリーム用信号線を有する無線AV受信装置3でも、汎用バスを有する無線AV受信装置3でも、同一の無線LAN-LSI21を利用でき、それぞれ別個にLSIを開発しなくて済むことから、LSIの開発コスト削減が図れる。
【0054】
上述した実施形態では、汎用バス上に供給されるAVデータは、暗号化された状態で無線LAN-LSI4に入力される例を説明したが、汎用バス上の暗号化とは別個に、無線LAN-LSI4内で、汎用バス上のAVデータに対してDTCP暗号化処理を行ってもよい。この場合の無線LAN-LSI4,21の内部構成はそれぞれ例えば図11及び図12のようになる。図11及び図12の汎用バス暗号処理部19,39が汎用バス上のAVデータに対する著作権保護処理を行う。このとき、事前に汎用バスを介してAVデータをやり取りする相手(本実施例の場合CPU上のMPEGソフトウエア)との間で認証鍵交換を行うことになる。
【0055】
上述した各実施形態で説明した無線LAN-LSI4,21は、ソフトウェアで実現することも可能である。その場合には、無線LAN-LSI4,21の機能を実現するプログラムをフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0056】
また、無線LAN-LSI4,21の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係るAV通信システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1の無線AV送信装置1の内部構成の一例を示すブロック図。
【図3】図1の無線AV送信装置1の内部構成の他の例を示すブロック図。
【図4】図2及び図3の無線AV送信装置のどちらでも利用可能な無線LAN-LSI4の内部構成の一例を示すブロック図。
【図5】AVデータの入力端子を一つにまとめた無線LAN-LSI4の内部構成の一例を示すブロック図。
【図6】図1の無線AV受信装置3の内部構成の一例を示すブロック図。
【図7】図1の無線AV受信装置3の内部構成の他の例を示すブロック図。
【図8】図6及び図7の無線AV受信装置のいずれにも対応した無線LAN-LSI21の内部構成の一例を示すブロック図。
【図9】外部接続端子を一つにまとめた無線LAN-LSIの内部構成の一例を示すブロック図。
【図10】図1のAV通信システムにおけるAVデータの送受信シーケンスを示す図。
【図11】汎用バス暗号処理部を追加した無線LAN-LSI4の内部構成の一例を示すブロック図。
【図12】汎用バス暗号処理部を追加した無線LAN-LSI21の内部構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0058】
1 無線AV送信装置
2 無線ネットワーク
3 無線AV受信装置
4 無線LAN-LSI
5 MPEG処理部
6 汎用バス
7 CPU
8 メモリ
11 クロック送信部
12 DTCP処理部
13 汎用バスI/F部
14 バッファ
15 セレクタ
16 I/F選択部
17 無線LAN処理部
18 セレクタ
21 無線LAN-LSI
22 MPEGデコーダ
23 表示部
24 表示制御部
25 汎用バス
26 CPU
27 メモリ
28 表示メモリ&表示部
31 無線LAN処理部
32 クロック抽出部
33 セレクタ
34 I/F選択部
35 DTCP処理部
36 バッファ
37 汎用バスI/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してAVデータを受信する制御を行う受信制御手段と、
前記受信されたAVデータのうち、著作権保護がなされているAVデータと著作権保護がなされていないAVデータとのいずれか一方を選択する選択手段と、
著作権保護処理がなされていないAVデータを出力する第1の接続端子と、
汎用バスインターフェースを介して著作権保護処理がなされているAVデータを出力する第2の接続端子と、
前記選択手段にて、前記著作権保護処理がなされていないAVデータが選択されると、該AVデータに対して所定の著作権保護処理を行う著作権保護処理手段と、を備えることを特徴とするAV通信制御集積回路。
【請求項2】
ネットワークを介してAVデータを受信する制御を行う受信制御手段と、
前記受信されたAVデータのうち、著作権保護がなされているAVデータと著作権保護がなされていないAVデータとのいずれか一方を選択する第1の選択手段と、
著作権保護処理がなされていないAVデータを伝送するためのAVストリーム用内部信号線と、
著作権保護処理がなされているAVデータを伝送可能な汎用内部バスと、
前記AVストリーム用内部信号線及び前記汎用内部バスのいずれにも接続可能な外部接続端子と、
前記AVストリーム用内部信号線上のAVデータ及び前記汎用内部バス上のAVデータのいずれかを選択して前記外部接続端子に供給する第2の選択手段と、を備えることを特徴とするAV通信制御集積回路。
【請求項3】
前記第1の選択手段にて、前記AVストリーム用内部信号線に供給されるAVデータが選択されると、該AVデータに対して所定の著作権保護処理を行う著作権保護処理手段を備え、
前記第2の選択手段は、前記著作権保護処理手段により著作権保護処理がなされたAVデータと、前記汎用内部バス上のAVデータと、のいずれかを選択して前記外部接続端子に供給することを特徴とする請求項2に記載のAV通信制御集積回路。
【請求項4】
計算機に、
ネットワークを介してAVデータを受信する制御を行う受信制御手段と、
前記受信されたAVデータを、著作権保護処理がなされていないAVデータ伝送用のAVストリーム用内部信号線に供給するか、著作権保護処理がなされているAVデータが伝送可能な汎用内部バスに供給するかを選択する選択手段と、
前記選択手段にて、前記AVストリーム用内部信号線に供給されるAVデータが選択されると、該AVデータに対して所定の著作権保護処理を行う著作権保護処理手段と、して機能させ、
前記AVストリーム用内部信号線上のAVデータが、前記著作権保護処理手段で著作権保護処理がなされた後に出力されるように機能させるAV通信制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−259437(P2007−259437A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62391(P2007−62391)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【分割の表示】特願2002−348732(P2002−348732)の分割
【原出願日】平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】