説明

C−ニトロソから誘導されるニトロキシル供与体

式(I)の有効化合物(式中、RおよびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;あるいは、RおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;Zは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である);とともにそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグ、並びにその使用方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C−ニトロソから誘導されるニトロキシル供与体、その製造方法および使用方法、ならびにその医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
NO−供与体は、抗血栓作用および血管拡張作用を有することが示唆されている。K.RehseおよびM.Herpel,Arch.Pharm.Pharm Med.Chem.331,104−110(1998)の104ページには以下の化合物が記載され、
【化1】

さらに別の化合物が同じ文献の106ページの表1に記載されている。
【0003】
より最近では、V.Daineko et al.,Russian Journal of Organic Chemistry,38,1431−1433(2002)に以下の化合物が記載され、
【化2】

式中、(Iの場合)RはMeであり、あるいは(IIの場合)RRは(CHである。E.Zhutov et al.,Russian Journal of Organic Chemistry,39,1672−1673(2003)も参照されたい。
【発明の開示】
【0004】
本発明の第1の態様は、式Iの化合物(本明細書において「有効化合物」と記載する場合もある)
【化3】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいは、RおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
Zは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である);
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグである。特定の一例は
【化4】

あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグである。
【0005】
本発明のさらに別の一態様は、式(III)の化合物(本明細書において「有効化合物」と記載する場合もある)
【化5】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいはRおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
は、C1〜C5アルキル、ハロアルキル、またはアリールである)、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグである。
【0006】
本発明のさらに別の一態様は、本明細書に記載される化合物または有効化合物を薬学的に許容される担体中に含む医薬組成物(たとえば、うっ血性心不全の治療用)である。
【0007】
本発明のさらに別の一態様は、うっ血性心不全などの心血管疾患の治療を、それを必要とする被験者に対して行う方法であって、本明細書に記載の化合物または有効化合物の治療有効量を前記被験者に投与することを含む方法である。場合により、この方法は、治療有効量のβ遮断薬を被験者に同時投与するステップを含むことができる。
【0008】
本発明のさらに別の一態様は、NSAID治療に関連する胃腸への副作用の治療を、それを必要とする被験者に行う方法であって、本明細書に記載の有効化合物の治療有効量を前記被験者に投与するステップを含む方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、主としてヒト被験者の治療に関するが、本発明は、動物被験者、特にマウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、およびウマなどの哺乳動物被験者に対して獣医学的目的で実施することもできる。
【0010】
本明細書において使用される場合、「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書において使用される場合、「低級アルキル」は、アルキルの部分集合の1つであり、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。低級アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に明記しない限り、アルキルは置換されている場合もされていない場合もあり、置換は、ヒドロキシ、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、ニトロ、アミノなどの別の基で1つ以上(たとえば1、2、または3回)置換されていてよい。
【0011】
単独または別の基の一部として本明細書において使用される場合、「ハロアルキル」は、本明細書における定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した本明細書における定義の少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロ−3−フルオロペンチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
本明細書において使用される場合、「アルキレン」は、二官能性のアルキル基を意味し、「アルキル」は前出の定義の通りである。例としては、−CHCHCHCH−、−CHCHCHCHCH−、および−CHCHCHCHCHCH−が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
単独または別の基の一部として本明細書において使用される場合、「アリール」は、1つ以上の芳香環を有する単環式炭素環系または二環式炭素環式縮合環系を意味する。アリールの代表例としては、アズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。特に明記しない限り、用語「アリール」は置換および非置換の両方のアリールを含むことを意図し、これらの基は、前述のアルキルおよび低級アルキルに関して前述したものと同じ基で置換されていてよい。
【0014】
本明細書において使用される場合、用語「治療する」は、患者の状態の改善(たとえば1つ以上の症状)、疾患の進行の遅延など、疾患に苦しむ患者の利益となる任意の種類の治療を意味する。
【0015】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、その化合物または組成物が、本明細書に記載の治療を行うために被験者に投与するのに適し、疾患の重篤度および治療の必要性を考慮して過度に有害な副作用が存在しないことを意味する。
【0016】
本発明の有効化合物は、場合により、心血管疾患の治療に有用な他の化合物とともに投与することもできる。この他の化合物は、場合により同時投与することができる。本明細書において使用される場合、単語「同時」は、複合効果を得るために時間が充分に接近していることを意味する(すなわち、同時は、同時に行われてもよいし、互いに前後した短時間の間に行われる2つ以上の事象であってもよい)。
【0017】
本明細書において使用される場合、2種類以上の化合物を「組み合わせた」投与は、一方の存在が他方の生物学的作用に影響を与えるのに充分短い時間の間に2種類の化合物が投与されることを意味する。2種類の化合物は、同時(すなわち同時投与)または連続して投与することができる。同時投与は、投与前に化合物を混合することによって行うこともできるし、化合物を同時であるが異なる解剖学的部位に投与したり、異なる投与経路を使用したりすることもできる。
【0018】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、健全な医学的判断の範囲内にあり、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒトおよび下等動物の組織と接触する使用に適し、妥当な危険性/受益性割合に釣り合い、それらの意図する用途において有効であるような本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、とりうる場合は、本発明の化合物の両性イオン形態を意味する。用語「プロドラッグ」は、たとえば血液中の加水分解によってインビボで迅速に変換されて前述の式の親化合物となる化合物を意味する。詳細な議論が、T.HiguchiおよびV.Stella,Prodrugs as Novel delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.A.C.S.Symposium SeriesおよびEdward B.Roche ed,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association(米国薬剤師会)およびPergamon Press,1987において行われ、これら両方を本明細書に参照により組み込む。米国特許第6,680,299号明細書も参照されたい。例としては、被験者によってインビボで代謝されて本明細書に記載の有効化合物の活性を有する有効薬物になるプロドラッグが挙げられ、このプロドラッグは、化合物中にアルコール基またはカルボン酸基が存在する場合、そのような基のエステル;化合物中にアルコール基が存在する場合、そのような基のアセタールまたはケタール;化合物中にアミン基が存在する場合、そのような基のN−マンニッヒ塩基またはイミン;あるいは化合物中にカルボニル基が存在する場合、そのような基のシッフ塩基、オキシム、アセタール、エノールエステル、オキサゾリジン、またはチアゾリジンであり、たとえば米国特許第6,680,324号明細書および米国特許第6,680,322号明細書に記載されている。
【0019】
「非ステロイド性抗炎症薬」(NSAID)は、結合型および非結合型の両方が知られている。たとえば、米国特許第6,355,666号明細書および第6,306,842号明細書を参照されたい。好適な例としては、アスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、フェノプロフェン、スリンダク、ナプロキセン、トルメチン、メフェナム酸、メクロフェナム酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本明細書において使用される「β遮断薬」は公知である。たとえば、米国特許第7,005,425号明細書および第6,756,408号明細書を参照されたい。例としては、アテノロール、ピンドロール、エスモロール、プロプラノロール、メトプロロールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本明細書において使用される「心臓血管疾患」としては、血栓症、うっ血性心不全、血管狭窄、心肥大、不整脈、心発作、高血圧などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本明細書に記載される「うっ血性心不全」は、限定するものではないが冠動脈疾患、心筋梗塞、高血圧、心臓弁膜症、先天性心疾患、心内膜炎、心筋炎、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の原因によるものであってよい。
【0023】
本明細書に記載されるすべての米国特許参考文献の開示は、それらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0024】
1.有効化合物
本発明の有効化合物は、一般に式Iの化合物
【化6】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいはRおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
Zは非ステロイド性抗炎症薬である);
ならびにそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグである。
【0025】
別の実施形態においては、本発明の有効化合物は式(III)の化合物
【化7】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいはRおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
は、C1〜C5アルキル、ハロアルキル、またはアリールである)、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグである。
【0026】
式IまたはIIIの化合物は、本明細書に記載の技術により製造することができるし、本開示に基づいて当業者には明らかになるそれらの変形によって製造することもできる。一般に、本発明の式Iの化合物は、式IIの化合物
【化8】

(式中、RおよびRは、前述の式Iに関連して記載したものと同じである)をNSAID(好ましくは、カルボン酸基を含有するNSAID)と、酸化剤および酸の存在下で反応させて式Iの化合物を得ることによって生成することができる。あるいは上記酸は、過剰のNSAIDを使用することによって代用することもできる。反応条件は重要ではない。上記反応は、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、またはトルエンなどの任意の好適な有機溶媒中で行うことができる。反応温度は0℃〜30℃で変動させることができる。オキシムの一般的な酸化剤を使用してこの反応を行うことができ、たとえば、四酢酸鉛(LTA)、(ジアシルオキシヨード)ベンゼン、過ヨウ素酸塩、デス・マーチン・ペルヨージナン、またはスワーン(Swern)条件をカルボン酸の存在下で使用して行うことができる。特に、(ジアシルオキシヨード)ベンゼンを使用してアシルオキシニトロソ化合物を生成する方法が、Zhutov et al.,Russian Journal of Organic Chem.2003,39,1672−1673およびCalvet et al.,Organic Letters,2004,6,2449に報告されている。さらに、他の(ジアシルオキシヨード)ベンゼンを上記反応中に使用することもできる。過ヨウ素酸塩、特に過ヨウ素酸ナトリウムが上記反応に使用される場合、水またはアルコールを反応溶媒として使用することができる。
【0027】
アシルオキシニトロソ化合物を調製するための別の方法の1つは、ニトロ化合物の陰イオンをアシル化した後、[3,2]シグマトロピー転位を行うことであり、これはデイネコ(Danieko),V.I.,Russ.J.Org.Chem.2002,38,1431−1433に記載されている。
【0028】
本発明の化合物の例としては、以下に示す対応するNSAIDの隣に示している結合体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【化9A】

【化9B】

式中、RおよびRは前出の通りである。
【0030】
式IIIの化合物の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化10】

【0031】
本明細書に開示される有効化合物は、前述したように、それらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグの形態で調製することができる。薬学的に許容される塩は、親化合物の所望の生物活性を維持し、望ましくない毒性効果が生じない塩である。このような塩の例は、(a)無機酸、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などを使用して形成される酸付加塩;および有機酸、たとえば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸など使用して形成される塩;(b)塩素、臭素、およびヨウ素などの元素陰イオンから形成される塩、ならびに(c)アンモニウム塩、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにジシクロヘキシルアミンおよびN−メチル−D−グルカミン等の有機塩基を使用した塩などの塩基から誘導される塩である。
【0032】
2.医薬製剤
前述の有効化合物は、公知の技術により医薬用担体中に投与用に調剤することができる。たとえば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy(9th Ed.)1995)を参照されたい。本発明による医薬製剤の製造において、典型的には有効化合物(それらの生理学的に許容される塩を含む)は、特に、許容される担体と混合される。当然ながらこの担体は、製剤中の任意の他の成分に対して適合性であるという意味において許容される必要があり、患者に対して有害でないことが必要である。この担体は、固体または液体またはその両方であってよく、好ましくは、0.01または0.5重量%〜95重量%または99重量%の有効化合物を含有することができる単位用量製剤、たとえば錠剤として、化合物とともに調剤される。1種類以上の有効化合物を本発明の製剤中に混入することができ、それらは、場合により1種類以上の副成分を含めた成分を混合するステップを含む任意の周知の調剤技術によって調製することができる。
【0033】
本発明の製剤としては、経口、直腸、局所、口腔(たとえば、舌下)、経膣、非経口(たとえば、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内)、局所(すなわち、皮膚と、気道表面などの粘膜面との両方)、および経皮の投与に好適な製剤が挙げられるが、任意の所与の場合の最も好適な経路は、治療すべき症状の性質および重篤度、ならびに使用される個別の有効化合物の性質によって異なる。
【0034】
経口投与に適した製剤は、それぞれが所定量の有効化合物を含有するカプセル、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤などの分離した単位で;粉末または顆粒として;水性または非水性の液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型または油中水型のエマルジョンとして提供することができる。このような製剤は、有効化合物および好適な担体(前述のように1種類以上の副成分を含有することができる)を関連させるステップを含む任意の好適な製剤方法によって調製することができる。一般に、本発明の製剤は、有効化合物を液体担体、または微粉砕した固体担体、またはその両方と均一かつ密接に混合し、続いて必要であれば得られた混合物を成形することによって調製される。たとえば、錠剤は、有効化合物と、場合により1種類以上の副成分とを含有する粉末または顆粒を圧縮または成形することによって調製することができる。圧縮錠剤は、好適な機械中で、バインダー、滑沢剤、不活性希釈剤、および/または、界面活性剤/分散剤と場合により混合した粉末または顆粒などの易流動性形態の化合物を、圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体バインダーで濡らした粉末化合物を好適な機械中で成形することによって製造される。
【0035】
口腔(舌下)投与に適した製剤としては、通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴムである風味付けをした基剤中に有効化合物を含むロゼンジ、ならびにゼラチンとグリセリンまたはスクロースとアラビアゴムなどの不活性基剤中に化合物を含むトローチが挙げられる。
【0036】
非経口投与に適した本発明の製剤は、有効化合物の水性および非水性の滅菌注射液を含み、これらの製剤は好ましくは、意図する受容者の血液に対して等張性である。これらの製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、および意図する受容者の血液に対して製剤を等張性にする溶質を含有することができる。水性および非水性滅菌懸濁液は懸濁剤および増粘剤を含むことができる。これらの製剤は、単位用量または複数用量の容器中、たとえば密閉したアンプルおよびバイアルの中に提供することができ、使用直前に滅菌液体担体、たとえば、食塩水または注射用水を加えることだけが必要となるフリーズドライ(凍結乾燥)条件中で保管することもできる。即時調合注射液および懸濁液を、前述の種類の滅菌した粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。たとえば、本発明の一態様においては、密閉容器中の単位用量形態の式(I)の化合物またはその塩を含む注射用の安定な滅菌組成物が提供される。上記化合物または塩は、凍結乾燥物の形態で提供され、これは、好適な薬学的に許容される担体を使用して再構成して、被験者への注射に適した液体組成物を形成することができる。単位用量形態は、典型的には約10mg〜約10グラムの上記化合物または塩を含む。上記化合物または塩が実質的に水不溶性である場合、充分な量の生理学的に許容される乳化剤を、上記化合物または塩を水性担体中で乳化させるのに充分な量で使用することができる。このような有用な乳化剤の1つはホスファチジルコリンである。
【0037】
直腸投与に適した製剤は、好ましくは単位用量坐剤として提供される。これらは、有効化合物を1種類以上の従来の固体担体、たとえばココアバターと混合し、続いて得られた混合物を成形することによって調製することができる。
【0038】
皮膚への局所適用に適した製剤は、好ましくは軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、または、油の形態をとる。使用できる担体としては、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮相乗剤、およびそれらの2種類以上の組み合わせが挙げられる。
【0039】
経皮投与に適した製剤は、受容者の表皮と長時間密接に接触した状態に維持されるよう適合させた分離したパッチとして提供することができる。経皮投与に適した製剤は、イオン導入法(たとえば、Pharmaceutical Research 3(6):318(1986)を参照されたい)によって送達することもでき、典型的には、場合により緩衝化された有効化合物水溶液の形態をとることができる。好適な製剤は、クエン酸緩衝液またはビス/トリス緩衝液(pH6)またはエタノール/水を含み、0.1〜0.2Mの有効成分を含有する。
【0040】
さらに、本発明は、本明細書に開示の化合物およびそれらの塩のリポソーム製剤を提供する。リポソーム懸濁液を形成する技術は当分野において周知である。化合物またはそれらの塩が水溶性の塩である場合、従来のリポソーム技術を使用して、これらの化合物を脂質小胞中に入れることができる。このような場合、上記化合物または塩が水溶性であるため、上記化合物または塩は、リポソームの親水性中心またはコアの中に実質的に取り込まれる。使用される脂質層は、任意の従来の組成物であってよく、コレステロールを含有してもよいし、コレステロールを含有しなくてもよい。対象となる化合物または塩が水不溶性である場合も、従来のリポソーム形成技術が使用され、その塩は、リポソームの構造を形成する疎水性脂質二重層の中に実質的に取り込まれてよい。いずれの場合も、形成されるリポソームは、標準的な超音波処理および均質化の技術を使用して大きさを減少させることができる。
【0041】
当然ながら、本明細書に開示の化合物またはそれらの塩を含有するリポソーム製剤は、凍結乾燥することによって、凍結乾燥物を製造することができ、これは水などの薬学的に許容される担体を使用して再構成して、リポソーム懸濁液を再生することができる。
【0042】
水性エマルジョンなどの他の医薬組成物を、本明細書に開示の水不溶性化合物またはそれらの塩から調製することができる。このような場合、組成物は、所望の量の化合物またはそれらの塩を乳化させるのに充分な量の薬学的に許容される乳化剤を含有する。特に有用な乳化剤としては、ホスファチジルコリンおよびレシチンが挙げられる。
【0043】
式(I)の化合物またはそれらの塩に加えて、医薬組成物はpH調整添加剤などの他の添加剤を含有することができる。特に、有用なpH調整剤としては、塩酸などの酸、塩基、あるいは、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、またはグルコン酸ナトリウムなどの緩衝剤が挙げられる。さらに、組成物は、微生物防腐剤(microbial preservative)を含有することができる。有用な微生物防腐剤としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびベンジルアルコールが挙げられる。典型的には微生物防腐剤は、製剤が複数用量用途に設計されたバイアル中に入れられる場合に使用される。当然ながら、前述したように本発明の医薬組成物は、当分野において周知の技術を使用して凍結乾燥することができる。
【0044】
3.用量および投与経路
前述したように、本発明は、経口、直腸、局所、口腔、非経口、筋肉内、皮内、または静脈内、および経皮の投与のための薬学的に許容される担体中に有効化合物(それらの薬学的に許容される塩を含む)を含む医薬製剤を提供する。
【0045】
好ましい非経口投与経路としては、経口、経皮、および非経口注射が挙げられる。
【0046】
本発明の範囲内で使用される任意の特定の化合物の治療有効用量は、化合物間および患者間である程度変動し、患者の症状および送達経路に依存する。一般的な提案として、約0.1〜約50mg/kgの用量で治療効果が得られ、すべての重量は、塩を使用する場合も含めて有効化合物の重量を基準にして計算している。より多い量では毒性が懸念されるため、静脈内用量は最大約10mg/kgなどのより少ない量に制限される場合があり、すべての重量は、塩を使用する場合も含めて有効基剤の重量を基準にして計算している。経口投与の場合は約10mg/kg〜約50mg/kgの用量を使用することができる。典型的には、筋肉内注射の場合は約0.5mg/kg〜5mg/kgの用量を使用することができる。静脈内投与または経口投与の場合、好ましい用量は1μmol/kg〜50μmol/kg、より好ましくは22μmol/kgおよび33μmol/kgの化合物である。治療期間は通常2〜3週間の間で1日1回、あるいは症状が実質的に抑制されるまでである。感染の再発防止または再発率の低下のために、少ない頻度で少ない容量を予防的に使用することができる。
【0047】
4.併用療法
別の実施形態においては、Long et al.に付与された米国特許第6,946,441号明細書に記載されるような方法で、本発明の有効化合物を別の治療法と併用することが意図される。従って、前述の治療法以外に、より「標準的な」心臓の薬物療法を患者に対して行うこともできる。標準的な療法の例としては、いわゆる「β遮断薬」、降圧剤、強心剤、抗血栓薬、血管拡張剤、ホルモンアンタゴニスト、イオントロープ(iontrope)、利尿剤、エンドセリンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、ACE阻害薬、アンギオテンシン2型アンタゴニスト、およびサイトカイン遮断薬/阻害薬が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
併用は、両方の物質を含む1つの組成物または薬理学的製剤を心臓細胞に接触させることによって、あるいは、一方の組成物が発現構築物を含み、他方が物質を含む2種類の異なる組成物または製剤を同時に細胞に接触させることによって行うことができる。あるいは、数分から数週間の範囲内の間隔で本発明の有効化合物の投与、他方の物質の投与の前また後に行うことができる。他方の物質および発現構築物が別々に細胞に適用される実施形態においては、一般に、それぞれの送達時間の間で長時間経過することがないように徹底することで、物質および発現構築物が細胞に対して好都合な複合効果が発揮される。このような場合、典型的には、細胞と両方の療法との接触が互いに約12〜24時間以内、より好ましくは互いに約6〜12時間となることが考慮され、遅延時間がわずか約12時間であることが最も好ましい。場合によっては、しかし、それぞれの投与の間で数日(2、3、4、5、6、または7)から数週間(1、2、3、4、5、6、7、または8)経過する場合には、治療期間を大きく延長することが望ましい場合もある。
【0049】
本発明の有効化合物、または他方の物質のいずれかを2回以上投与することが望ましい場合も考えられる。これに関しては、種々の組み合わせを使用することができる。例として、有効化合物が「A」であり他方の物質が「B」である場合、合計3および4回の投与に基づくと以下の順列が例となる。
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B B/A/A A/B/B B/B/B/A B/B/A/B A/A/B/B A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A B/A/B/A B/A/A/B B/B/B/A A/A/A/B B/A/A/A A/B/A/A A/A/B/A A/B/B/B B/A/B/B B/B/A/B
他の組み合わせも同様に考慮される。
【0050】
以下の非限定的実施例において本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0051】
実施例1
1−アセトキシ−1−ニトロソシクロヘキサン
シクロヘキサノンオキシム(5.46g、48.25mmol)の塩化メチレン(50mL)中の溶液を、LTA(21.39g、48.25mmol)の塩化メチレン(100mL)中の溶液に0℃において撹拌しながら滴下した。このオキシムの添加によって徐々に青色に変化した。0℃で1時間経過後、反応混合物を室温まで温めた。室温で2時間経過後、水(30mL)を加え、その有機層を水(2×30mL)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×30mL)で抽出した。得られた有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させ、その残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−アセトキシ−1−ニトロソシクロヘキサンが鮮やかな青色の液体として得た(収率52%):R0.68(ペンタン/酢酸エチル=20:1);H NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ1.1〜1.9(m,13H);13C NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ21.0(CH)、22.0(2CH)、25.1(2CH)、29.7(CH)、123.8(O−C−N)、168.5(C=O)。UV/vis(MeOH):λmax=667nm。IR(KBr):ν=1750cm−1(C=O)、1561cm−1(N=O)。
【0052】
実施例2
1−ニトロソ−1−p−ニトロベンゾキシシクロヘキサン
シクロヘキサノンオキシム(2.66g、23.51mmol)の塩化メチレン(50mL)中の溶液を、LTA(10.42g、23.51mmol)および4−ニトロ安息香酸(39.29g、235.1mmol)の塩化メチレン(300mL)中の溶液に0℃において撹拌しながら滴下した。このオキシムの添加によって徐々に青色に変化した。0℃で1時間経過後、反応混合物を室温まで温めた。室温で3時間経過後、水(50mL)を加え、その有機層を水(2×50mL)および3%重炭酸ナトリウム溶液(2×50mL)で抽出した。得られた有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させ、その残留物を−5℃の冷凍庫中のジエチルエーテル/石油エーテル(1:1)中で再結晶させて、1−ニトロソ−1−p−ニトロベンゾキシシクロヘキサンを鮮やかな青色の結晶として得た(収率20〜25%):R0.55(ペンタン/酢酸エチル=20:1);H NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ1.17〜2.04(m,10H)、7.38〜7.98(d,4H);13C NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ22.1(2CH)、25.0(CH)、29.7(2CH)、123.8(2Ph−CH)、125.3(O−C−N)、131.1(2Ph−CH)、135.3(Ph−C)、151.1(Ph−C)、162.6(C=O)。
【0053】
実施例3
1−ニトロソ−1−p−ニトロベンゾキシプロパン
シクロヘキサノンオキシム(3.11g、42.58mmol)の塩化メチレン(50mL)中の溶液を、LTA(18.88g、42.58mmol)および4−ニトロ安息香酸(71.16g、425.8mmol)の塩化メチレン(300mL)中の溶液に0℃において撹拌しながら滴下した。このオキシムの添加によって徐々に青色に変化した。0℃で1時間経過後、反応混合物を室温まで温めた。室温で3時間経過後、水(50mL)を加え、その有機層を水(2×50mL)および3%重炭酸ナトリウム溶液(2×50mL)で抽出した。得られた有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させ、その残留物を−5℃の冷凍庫中のジエチルエーテル/石油エーテル(1:1)中で再結晶させて、1−ニトロソ−1−p−ニトロベンゾキシプロパンを鮮やかな青色の結晶として得た(収率25〜30%):R0.5(ペンタン/酢酸エチル=20:1);H NMR(300MHz、CDCl)δ1.69(s,6H)、8.31〜8.48(d,4H);13C NMR(300MHz、CDCl)δ21.1(2CH)、122.6(O−C−N)、124.0(2Ph−CH)、131.4(2Ph−CH)、135.6(Ph−C)、151.2(Ph−C)、162.9(C=O)。
【0054】
実施例4
1−ニトロソ−1−トリフルオロアセトキシシクロヘキサン
シクロヘキサノンオキシム(4.88g、43.16mmol)の塩化メチレン(50mL)中の溶液を、LTA(19.14g、43.16mmol)およびトリフルオロ酢酸(49.22g、431.6mmol)の塩化メチレン(200mL)中の溶液に0℃において撹拌しながら滴下した。このオキシムの添加によって徐々に青色に変化した。0℃で1時間経過後、反応混合物を室温まで温めた。室温で3時間経過後、水(50mL)を加え、その有機層を水(2×50mL)で抽出した。得られた有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させ、その残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−ニトロソ−1−トリフルオロアセトキシシクロヘキサンを鮮やかな青色の液体として得た(収率30%):R0.57(ペンタン);H NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ1.1〜1.9(m,10H);13C NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ19.9(2CH)、22.9(CH)、27.4(2CH)、113.8(q,J=286.2Hz)、127.2(O−C−N)、153.7(q,J=42.5Hz);19F NMR(300MHz、ベンゼン−d)δ−75.7(CF)。
【0055】
実施例5
1−ニトロソ−1−o−アシルベンゾキシプロパン
アセトンオキシム(4.03g、55.12mmol)の塩化メチレン(50mL)中の溶液を、LTA(24.44g、55.12mmol)およびアスピリン(99.0g、551.2mmol)の塩化メチレン(500mL)中の溶液に0℃において撹拌しながら滴下した。このオキシムの添加によって徐々に青色に変化した。0℃で1時間経過後、反応混合物を室温まで温めた。3時間経過後、反応混合物を濾過し、濾液を水(3×100mL)で抽出した。得られた有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させ、その残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−ニトロソ−1−o−アシルベンゾキシプロパンを青色固体として得た。(収率10%):R0.45(ペンタン/酢酸エチル=10:1);UV/vis(MeOH):λmax=659nm;IR(KBr):νC=O=1768cm−1、νC=O=1731cm−1、νN=O=1572cm−1H NMR(300MHz、ベンゼン−d):δ1.2(s,6H)、2.0(s,3H)、6.91〜6.99(m,2H)、7.11〜7.17(dd、1H、J1=7.7Hz、J2=1.7Hz)、8.13〜8.16(m,1H);13C NMR(300MHz、ベンゼン−d):δ20.6(2CH)、25.4(CH)、121.8(O−C−N)、124.0(Ph−C)、124.5(Ph−CH)、126.3(Ph−CH)、132.1(Ph−CH)、134.6(Ph−CH)、151.9(Ph−C)、163.0(C=O)、169.2(C=O)。
【0056】
実施例6
(ジアセトキシヨード)ベンゼンを酸化剤として使用する一般的実施例
(ジアセトキシヨード)ベンゼン(1.2mol当量)を、オキシム(1mol当量)の塩化メチレン中の溶液に0℃においてアルゴン下で撹拌しながら加えた。2時間経過後、反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液中に注いだ。層を分離させ、その水層を塩化メチレンで再抽出した。有機層を1つにまとめ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、青色のアシルオキシニトロソ化合物が得られ、これはフラッシュクロマトグラフィー、または場合により蒸留や再結晶によって精製することができる。個別の反応については変動させる必要が生じる場合があるが、それらはこの一般的実施例に基づけば当業者によって明らかとなる。
【0057】
実施例7
ニトロ化合物の陰イオンのアシル化の後、[3,2]シグマトロピー転位を行うことによるアシルオキシニトロソ化合物の調製の一般的実施例
ニトロ化合物(1mol当量)を、カリウムt−ブトキシド(1mol当量)の乾燥ジエチルエーテル中の懸濁液にアルゴン下で0℃において撹拌しながらゆっくりと加えた。30分後、無水酢酸(1mol当量)を25分かけてゆっくり加え、その混合物を撹拌した。2時間経過後、混合物を濾過し、沈殿物のジエチルエーテルによる洗浄をジエチルエーテルが無色になるまで続けた。得られた青色濾液を濃縮すると青色油が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー、蒸留、または再結晶のいずれかで精製した。個別の反応については変動させる必要が生じる場合があるが、それらはこの一般的実施例に基づけば当業者によって明らかとなる。
【0058】
以上に本発明を説明してきたが、これが本発明を限定するものと解釈すべきではない。本発明は、特許請求の範囲、およびそれらに含まれる特許請求の範囲の同等物によって画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいは、RおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
Zは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である);
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
以下の構造
【化2】

を有する請求項1に記載の化合物、あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を薬学的に許容される担体中に含む組成物。
【請求項4】
心血管疾患の治療を、それを必要とする被験者に対して行う方法であって、請求項1に記載の化合物の治療有効量を前記被験者に投与するステップを含む方法。
【請求項5】
前記心血管疾患がうっ血性心不全である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被験者に治療有効量のβ遮断薬を同時に投与するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
NSAID治療に関連する胃腸への副作用の治療を、それを必要とする被験者に行う方法であって、請求項1に記載の化合物の治療有効量を前記被験者に投与するステップを含む方法。
【請求項8】
薬学的に許容される担体と、治療有効量の式(III)の化合物
【化3】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいはRおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
は、C1〜C5アルキル、ハロアルキル、またはアリールである)、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグをともに含む、うっ血性心不全を治療するための医薬組成物。
【請求項9】
前記心血管疾患がうっ血性心不全である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
注射用組成物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
錠剤またはカプセルである、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記化合物が、
【化4】

あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
治療またはうっ血性心不全を、それを必要とする被験者に行う方法であって、前記被験者に、治療有効量の式(III)の化合物
【化5】

(式中
およびRはそれぞれ独立にC1〜C4アルキルであるか;
あるいはRおよびRを合わせたものがC2〜C7アルキレン鎖を形成し;
は、C1〜C5アルキル、ハロアルキル、またはアリールである)、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
【請求項14】
前記被験者に治療有効量のβ遮断薬を同時に投与するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が、
【化6】

あるいはそれらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記うっ血性心不全が、冠動脈疾患、心筋梗塞、高血圧、心臓弁膜症、先天性心疾患、心内膜炎、心筋炎、またはそれらの任意の組み合わせによって生じる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記投与ステップが、非経口注射または経口投与によって行われる、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533457(P2009−533457A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505504(P2009−505504)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/009160
【国際公開番号】WO2007/120839
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(507189574)ウェイク・フォレスト・ユニヴァーシティ・ヘルス・サイエンシズ (14)
【Fターム(参考)】