説明

C型肝炎セリンプロテアーゼ阻害剤およびその使用

本発明は、C末端から2番目のプロリンを備えるペプチドを模倣する新規化合物を提供するが、当該化合物はプロテアーゼ阻害剤として、詳細にはセリンプロテアーゼの阻害剤として、およびより詳細にはC型肝炎由来のNS3セインプロテアーゼの阻害剤として有用である。本化合物は、C型肝炎に向けられる抗ウイルス薬として有用である。本発明はさらに、そのような阻害剤を単独または他の治療薬と組み合わせて、当該治療を必要とする被験体においてC型肝炎感染を治療するために使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、C型肝炎由来のプロテアーゼ阻害剤として、詳細にはセリンプロテアーゼの阻害剤として、およびより詳細にはNS3セリンプロテアーゼおよびその関連補因子であるNS4aの阻害剤として有用である新規化合物に関する。これらの阻害剤はC型肝炎が生残するために不可欠のプロテアーゼ活性を妨害するので、本化合物は、C型肝炎ウイルスに感染した人々に向けられる抗ウイルス剤として有用である。本発明はさらに、当該治療を必要とする被験体においてC型肝炎感染を治療するために、そのような阻害剤を単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
C型肝炎ウイルス(「HCV」)は、黄疸、疲労、腹痛、食欲不振、悪心、および尿の暗色化を特徴とする慢性感染症であるC型肝炎の原因因子である。Flaviviriae科のヘパシウイルス(hepacivirus)属に属するHCVは、エンベロープを備えた、一本鎖プラスセンスRNA含有ウイルスである。感染被験体のパーセンテージとして示したC型肝炎感染症の長期的影響には、慢性感染(55〜85%)、慢性肝疾患(70%)、および死亡(1〜5%)が含まれる。さらに、HCVは、肝臓移植の主要な適応である。慢性感染では、通例は進行性で悪化する肝臓炎症が存在しており、これは肝硬変および肝細胞癌などのより重篤な疾患状態に至ることが多い。
【0003】
HCVゲノム(非特許文献1;非特許文献2)は、括弧内に指示した位置で以下の構成要素を含む、9646塩基対の一本鎖RNAとして、GenBankアクセッション番号NC_004102によって例示される、高度に可変性の配列である:5’NTR(すなわち、非転写領域)(1〜341);コアタンパク質(すなわち、ウイルス形態形成もしくは宿主遺伝子発現の調節を含む様々なプロセスに関与するウイルスキャプシドタンパク質)(342〜914);E1タンパク質(すなわち、ウイルスエンベロープ)(915〜1490);E2タンパク質(すなわち、ウイルスエンベロープ)(1491〜2579);p7タンパク質(2580〜2768);NS2タンパク質(すなわち、非構造タンパク質2)(2769〜3419);NS3プロテアーゼ(3420〜5312);NS4aタンパク質(5313〜5474);NS4bタンパク質(5475〜6257);NS5aタンパク質(6258〜7601);NS5b RNA依存性RNAポリメラーゼ(7602〜9372);および3’NTR(9375〜9646)。さらに、位置(342〜369)と(371〜828)との結合鎖を含む17−kD(キロダルトン)の−2/+1フレームシフトタンパク質である「タンパク質F」は、元来はコアタンパク質に属すると見なされる機能性を提供できる。
【0004】
HCVのNS3(すなわち、非構造タンパク質3)タンパク質はセリンプロテアーゼ活性を有しており、そのN末端はNS2−NS3金属依存性プロテアーゼの作用によって生成され、そのC末端は自己分解によって生成される。NS3タンパク質の1a、1b、2および3ならびに突然変異体形を含むがそれらに限定されない遺伝子型もまた知られており、類似方法で作用する。例えば、2005年12月12日に最初に公表された非特許文献3、およびにその中で言及された参考文献を参照されたい。HCV NS3セリンプロテアーゼ、その突然変異体およびその関連補因子であるNS4aは、HCVの他の非構造ウイルスタンパク質のすべてをプロセッシングする。したがって、HCV NS3プロテアーゼ、または適合する場合のその突然変異体形は、ウイルス複製のために不可欠である。
【0005】
数種の化合物がC型肝炎セリンプロテアーゼを阻害することは証明されているが、これらはいずれも効力、安定性、選択性、毒性および/または薬力学的特性に関する制限を有している。そのような化合物は、例えば、公表された特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5、ならびに公表された特許文献6に開示されている。したがって、HCVのセリンプロテアーゼを阻害するために有用な化合物に対する必要が存在する。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0266731号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0032175号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0137139号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0119189号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/9977600号明細書
【特許文献6】国際公開第2005/035525号パンフレット
【非特許文献1】Chooら、Science 1989,244,359−362
【非特許文献2】Simmondsら、Hepatology 1995,21,570−583
【非特許文献3】M.Yiら、J.Biol.Chem.,(2006)281,8205
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明の1つの態様によると、プロテアーゼ、詳細にはセリンプロテアーゼ、およびより詳細にはHCV NS3セリンプロテアーゼを阻害することに有効である化合物が提供される。これらの化合物は、単独で、または本発明によって提供される組成物の構成成分として、限定しないがNS2、NS3、NS4a、NS4b、およびNS5aタンパク質、ならびにNS5b RNA−依存性ポリメラーゼを含むHCV生活環において必要な非構造タンパク質のプロセッシングを阻害するために使用できる。本発明はさらに、プロテアーゼ、詳細にはセリンプロテアーゼ、およびより詳細にはHCV NS3セリンプロテアーゼを阻害するための方法も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の詳細な説明
1つの態様によると、本発明は、式I:
【0008】
【化27】

(式中、
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)−である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
、R1’およびRが水素ではない場合は、
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、−NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR1’が水素ではなく、そしてRが水素である場合は、
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R7’、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH2)−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
もしくはR1’のどちらかが水素であり、そしてRが水素ではない場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
もしくはR1’のどちらかが水素であり、そしてRが水素である場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
およびR11は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
7’は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリルアルキル基、またはNR1011で置換されたアリールもしくはヘテロアリール基である;
は、二価の置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
8’は、二価の置換もしくは未置換のシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
およびR10は、独立して水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物を提供する。
【0009】
式Iの化合物の一部の実施形態では、RおよびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシ(pinanedioxy)である。
【0010】
式Iの化合物の一部の実施形態では、RおよびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換アルキル基である。
【0011】
また別の態様によると、本発明は、式I:
(式中、
およびR1’は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;および
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである)の化合物を提供する。
【0012】
本発明のまた別の実施形態では、Rは−O−(CH2)−Rもしくは−O−Rであり、さらにまた別の実施形態では、Rは置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内にある。
【0013】
また別の態様によると、本発明は、式I:
(式中、
およびR1’は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は水素である;および
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R7’、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH2)−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである)の化合物を提供する。
【0014】
本発明のまた別の実施形態では、Rは、−O−(CH2)−Rもしくは−O−R7’である。本発明のさらにまた別の実施形態では、Rは、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である。本発明のさらにまた別の実施形態では、R7’は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリルアルキル基、アミン置換基を備えるアリール、またはアミン置換基を備えるヘテロアリール基である。
【0015】
また別の態様によると、本発明は、式I:
(式中、
もしくはR1’のどちらかは水素である;
は水素ではない;および
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである)の化合物を提供する。
【0016】
本発明のまた別の実施形態では、Rは−O−(CH−Rもしくは−O−Rであり、さらにまた別の実施形態では、Rは二価の置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基に付着している。
【0017】
また別の態様によると、本発明は、式I:
(式中、
もしくはR1’のどちらかは水素である;
は水素である;および
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである)の化合物を提供する。
【0018】
本発明のまた別の実施形態では、Rは−O−(CH−Rであり、さらにまた別の実施形態では、Rは二価の置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基に付着している。
【0019】
また別の態様では、本発明は、式I(式中、RおよびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるが、RおよびR3’の少なくとも1つは水素であることを前提とする)の化合物を提供する。
【0020】
また別の態様によると、本発明は、式I(式中、RおよびRは水素である)の化合物を提供する。
【0021】
また別の態様では、本発明は、式I(式中、Aは−C(O)−および−C(O)O−からなる群から選択される)の化合物を提供する。
【0022】
また別の態様によると、本発明は、式I(式中、Dは、Rもしくは−アルキル−Rである)の化合物を提供する。この態様の1つの実施形態では、Rは、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である。
【0023】
また別の態様によると、本発明は、式I(式中、Rは水素である)の化合物を提供する。
【0024】
また別の態様によると、本発明は、式II:
【0025】
【化27A】

(式中、Jは
【0026】
【化28】

である;
各存在でのRは、独立して水素、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキル基である;または
同一窒素原子に結合している2つのR基は、上記窒素原子と一緒に5〜7員の単環式複素環系を形成する;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Eは、結合もしくは
【0027】
【化29】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
各存在でのRは、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物を提供する。
【0028】
一部の実施形態では、本発明は、式IIa:
【0029】
【化30】

の化合物を提供する。
【0030】
式IIaの化合物の一部の実施形態では、本発明は、式中RおよびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシである化合物を提供する。
【0031】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、RおよびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換アルキル基である)の化合物を提供する。
【0032】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、Rは−O−(CH−Rである)の化合物を提供する。この実施形態の一部の態様では、Rは、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内にある。
【0033】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、RおよびRは水素である)の化合物を提供する。
【0034】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、Aは、−C(O)−もしくは−C(O)O−である)の化合物を提供する。
【0035】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、Dは、Rもしくは−アルキル−Rである)の化合物を提供する。この実施形態の態様としての一部では、本発明は、式II(式中、Rは、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である)の化合物を提供する。
【0036】
一部の実施形態では、本発明は、式II(式中、Rは水素である)の化合物を提供する。
【0037】
一部の実施形態では、本発明は、式IIb:
【0038】
【化31】

の構造を備える式IIの化合物を提供する。
【0039】
一部の実施形態では、本発明は、式IIc:
【0040】
【化32】

の構造を備える式IIの化合物を提供する。
【0041】
一部の実施形態では、本発明は、式IIc(式中、R3’は水素である)の構造を備える式IIの化合物を提供する。
【0042】
一部の実施形態では、本発明は、式IId:
【0043】
【化33】

の構造を備える式IIの化合物を提供する。
【0044】
また別の態様によると、本発明は、式III:
【0045】
【化34】

(式中、
Xは、CHもしくはSである;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)−である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Fは、結合もしくは
【0046】
【化35】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物を提供する。
【0047】
式IIIの化合物の一部の実施形態では、本発明は、式中RおよびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシである化合物を提供する。
【0048】
一部の実施形態では、本発明は、式III(式中、RおよびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換アルキル基である)の化合物を提供する。
【0049】
一部の実施形態では、本発明は、式III(式中、Rは−O−(CH−Rである)の化合物を提供する。この実施形態の一部の態様では、Rは、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である。
【0050】
一部の実施形態では、本発明は、式III(式中、Aは、−C(O)−もしくは−C(O)O−である)の化合物を提供する。
【0051】
一部の実施形態では、本発明は、式III(式中、Dは、Rもしくは−アルキル−Rである)の化合物を提供する。この実施形態の一部の態様では、本発明は、式III(式中、Rは、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である)の化合物を提供する。
【0052】
一部の実施形態では、本発明は、式III(式中、Rは水素である)の化合物を提供する。
【0053】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIa:
【0054】
【化36】

の構造を備える式IIIの化合物を提供する。
【0055】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIa(式中、R3’は水素である)の構造を備える式IIIの化合物を提供する。
【0056】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIb:
【0057】
【化37】

の構造を備える式IIIの化合物を提供する。
【0058】
また別の態様によると、本発明は、式IV:
【0059】
【化38】

(式中、
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Gは
【0060】
【化39】

である;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、−S(O)−である;
Yは、
YがCHRである場合は、kは0〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にある;
YがNR2’である場合は、kは1〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にある;および
YがOである、またはYがSである場合は、kは1〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にあるように、O、S、CHR、およびNR2’からなる群から選択される;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
2’は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、−NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;
xは、0〜6の範囲内にある;および
xは、2〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物を提供する。
【0061】
式IVの化合物の一部の実施形態では、本発明は、式中RおよびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシである化合物を提供する。
【0062】
一部の実施形態では、本発明は、式IV(式中、RおよびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換アルキル基である)の化合物を提供する。
【0063】
一部の実施形態では、本発明は、式IVa:
【0064】
【化40】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0065】
一部の実施形態では、本発明は、式IVb:
【0066】
【化41】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0067】
一部の実施形態では、本発明は、式IVc:
【0068】
【化42】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0069】
一部の実施形態では、本発明は、式IVc(式中、Rは−O−(CH−Rであり、Rは、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内にある)の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0070】
一部の実施形態では、本発明は、式IVd:
【0071】
【化43】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0072】
一部の実施形態では、本発明は、式IVd(式中、Rは−O−(CH−Rであり、Rは、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内にある)の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0073】
一部の実施形態では、本発明は、式IVe:
【0074】
【化44】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0075】
一部の実施形態では、本発明は、式IVe(式中、R3’は水素である)の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0076】
一部の実施形態では、本発明は、式IVe(式中、Aは、−C(O)−もしくは−C(O)O−である)の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0077】
一部の実施形態では、本発明は、式IVf:
【0078】
【化45】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0079】
一部の実施形態では、本発明は、式IVf(式中、Aは、−C(O)−もしくは−C(O)O−である)の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0080】
一部の実施形態では、本発明は、式IVg:
【0081】
【化46】

の構造を備える式IVの化合物を提供する。
【0082】
一部の実施形態では、本発明は、式IV(式中、Dは、Rもしくは−アルキル−Rである)の化合物を提供する。この態様の他の実施形態では、Rは、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である。
【0083】
一部の実施形態では、本発明は、式I〜IV(式中、Rは、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、およびそれらのアルキルアミノ置換誘導体からなる群から選択される1〜3つの基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである)のいずれかの化合物を提供する。
【0084】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、R7’は、各々が任意でメトキシ、フェニル、または両方から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニル−アミノヘテロアリール、キノリニル−アミノヘテロアリール、キナゾリニル−アミノヘテロアリールである)の化合物を提供する。
【0085】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、Rは、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、およびそれらのアルキルアミノ置換誘導体からなる群から選択される1〜3つの基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである)の化合物を提供する。
【0086】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、R8’は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、およびそれらのアルキルアミノ置換誘導体からなる群から選択される1〜3つの基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである)の化合物を提供する。
【0087】
一部の実施形態では、本発明は、式I〜IV(式中、Rは、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されている)のいずれかの化合物を提供する。
【0088】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、R7’は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されている)の化合物を提供する。
【0089】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、Rは、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されている)の化合物を提供する。
【0090】
一部の実施形態では、本発明は、式I(式中、R8’は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されている)の化合物を提供する。
【0091】
また別の態様によると、本発明は、式V:
【0092】
【化47】

(式中、
Jは
【0093】
【化48】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
各存在でのRは、独立して水素、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルである;または
同一窒素原子に結合している2つのR基は、上記窒素原子と一緒に5〜7員の単環式複素環系を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
但し、RおよびR1’が水素ではない場合は、
は、−(CH−R、−(CH−N(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−N(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、−NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;またはRおよびRは、それらが付着している炭素原子と一緒に縮合3〜6員の置換もしくは未置換のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基を形成することを前提とし;
もしくはR1’のどちらかが水素である場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−N(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−N(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;またはRおよびRは、それらが付着している炭素原子と一緒に縮合3〜6員の置換もしくは未置換のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基を形成することを前提とする;
は、水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
各存在でのRは、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、二価の置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
8’は、二価の置換もしくは未置換のシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)および立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物の化合物を提供する。
【0094】
式Vの化合物の一部の実施形態では、Jは
【0095】
【化49】

である。
【0096】
また別の態様によると、本発明は、式Va:
【0097】
【化50】

の化合物を提供する。
【0098】
一部の実施形態では、本発明は、式VおよびVa(式中RおよびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシである)の化合物を提供する。
【0099】
また別の実施形態では、本発明は、式V(式中、RおよびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換アルキル基である)の化合物を提供する。
【0100】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、式V(式中、R1’は水素である)の化合物を提供する。
【0101】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、式V(式中、Rは、C1−8置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、もしくはシクロアルキルアルキル基である)の化合物を提供する。
【0102】
所定の態様では、本発明は、式V(式中、Rは−O−(CH−Rもしくは(CH−O−R8’を提供し、そしてこの態様によると、さらに、式中RもしくはR8’は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであるが、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内にある、式Vの化合物が提供される。
【0103】
本発明のこの態様のさらに追加の実施形態では、Rは、2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オリル、2−ピラゾール−1−イル−キナゾリン−4−オリル、2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−オリル、2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−ピロリジン−1−イル−キノリン−4−オリル、2−ピロリジン−1−イル−キナゾリン−4−オリル、2−(2−メチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、2−(2−メチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−(2,2−ジメチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、2−(2,2−ジメチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−キノリン−4−オリル、2−(2,3−ジメチル−ピロール−1−イル)−キノリン−4−オリル、2−(2,3−ジメチル−ピロール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−ピロール−1−イル−キノリン−4−オリル、2−ピロール−1−イル−キナゾリン−4−オリル、2−(3−メチル−ピロール−1−イル)−キノリン−4−オリル、2−(3−メチル−ピロール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、もしくは2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリルである化合物が提供される。これらの部分は以下のチャートに例示されており、ヒドロキシル基を通してコアピロリジンに付着している。
【0104】
【化51】

【0105】
【化52】

式VまたはVaを企図しているまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、R8’が単環式ヘテロアリール基に付着している化合物をさらに提供する。
【0106】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルであるの化合物を提供する。
【0107】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである化合物を提供する。
【0108】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
8’は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルであるの化合物を提供する。
【0109】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されている化合物を提供する。
【0110】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されているの化合物を提供する。
【0111】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、
式中、
8’は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの基で置換されているの化合物を提供する。
【0112】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、RおよびRは水素である化合物をさらに提供する。
【0113】
式VまたはVaを包含するまた別のいずれかの実施形態では、本発明は、Rは水素である化合物をさらに提供する。
【0114】
また別の態様によると、本発明は、式Vb:
【0115】
【化53】

の構造を備える式Vの化合物を提供する。
【0116】
所定の実施形態では、本発明は、式V(式中、Rは水素である)の化合物を提供する。
【0117】
所定の実施形態では、本発明は、式V(式中、R3’は水素である)の化合物を提供する。
【0118】
所定の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する方法であって、上記セリンプロテアーゼと、例えばIIa、IIIa、IVaおよびVaなどの全従属式を含む式I〜Vの化合物とを接触させる工程を含む方法を提供する。
【0119】
所定の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、上記セリンプロテアーゼと式V、Va、またはVbの化合物とを接触させる工程を含む方法を提供する。
【0120】
また別の実施形態では、本発明は、その全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる化合物および医薬上許容される担体を含む組成物を提供する。
【0121】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、その全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる化合物および医薬上許容される担体を含む有効量の組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0122】
また別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、その全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる有効量の化合物をまた別の抗ウイルス薬と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供する。この態様の所定の実施形態では、結合される他の抗ウイルス薬は、その全従属式を含む式I〜Vのまた別の化合物、ならびにIntron A、PEG−INTRON、Roferan A、Pegasys、Infergen A、Wellferon、リバビリン、リトナビル、ヌクレオシドアナログ、IRES阻害剤、NS5b阻害剤、E1阻害剤、E2阻害剤、IMPDH阻害剤、トール様受容体アゴニスト、NS5ポリメラーゼ阻害剤、もしくはNTPase/ヘリカーゼ阻害剤およびまた別のNS3プロテアーゼ阻害剤を含むがそれらに限定されないまた別の構造的に相違する抗ウイルス薬である。本発明の化合物と組み合わせて投与できる他のNS3プロテアーゼ阻害剤の例には、限定しないが、VX950(Lin C,Lin K,Luong Y,Rao BG,Wei YY,Brennan DL,Fulghum JR,Hsiao HM,Ma S,Maxwell JP,Cottrell KM,Perni RB,Gates CA,Kwong AD,“In Vitro Resistance Studies of Hepatitis C Virus Serine Protease Inhibitors VX950 and BILN2061”,J. Biol. Chem.,2004,279,17508−17514)、SCH503034およびITMN191ならびに上記で言及した抗ウイルス薬の一部が含まれる。
【0123】
さらに別の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に有効量の、式I〜Vおよびそれらの従属式のいずれかの複数の化合物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0124】
さらになお別の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に有効量の、式I〜Vおよびそれらの従属式のいずれかの複数の化合物を他の抗ウイルス薬と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供する。
【0125】
さらになお別の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に有効量の、式I〜Vおよびそれらの従属式のいずれかの複数の化合物を他のNS3プロテアーゼ阻害剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供する。
【0126】
また別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、その全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる有効量の化合物を抗増殖剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供する。本明細書で使用する用語「抗増殖剤」は、細胞増殖を阻害する化合物を意味する。細胞増殖は、例えば限定しないが、発癌、転移、および免疫応答中に起こることがある。この態様の所定の実施形態では、抗増殖剤には、5−フルオロウラシル、ダウノマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、デキサメタゾン、メトトレキセート、シタラビン、またはメルカプトプリンが含まれるがそれらに限定されない。
【0127】
また別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、その全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる有効量の化合物を免疫調節剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供する。本明細書で使用する用語「免疫調節剤」は、免疫系の機能のいずれかの態様を変化させる、複数の化合物を含む組成物を意味する。この状況では、免疫調節剤には、限定しないが抗炎症剤および免疫抑制剤が含まれる。この態様の所定の実施形態では、免疫調節剤は、ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、COX2阻害剤、抗TNF化合物、抗IL−1化合物、メトトレキセート、レフルノミド、シクロスポリン、FK506またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含んでいる。この態様のまた別の実施形態では、ステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、もしくはデキサメタゾンを含んでいる。この態様のさらにまた別の実施形態では、非ステロイド抗炎症剤は、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、もしくはインドメタシンを含んでいる。この態様のさらにまた別の実施形態では、COX2阻害剤は、ロフェコキシブまたはセレコキシブを含んでいる。この態様のまた別の実施形態では、抗TNF化合物は、エンブレル、インフリキシマブ、またはアダルミマブ(adalumimab)を含んでいる。この態様のさらにまた別の実施形態では、抗IL−1化合物はアナキンラを含んでいる。代表的な免疫抑制剤には、限定しないが、シクロスポリンおよびFK506が含まれる。
【0128】
また別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、NS3/4a阻害剤をまた別の抗ウイルス薬と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供するが、このときNS3/4a阻害剤はその全従属式を含む式I〜Vの化合物である。
【0129】
さらにまた別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、NS3/4a阻害剤を抗増殖剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供するが、このときNS3/4a阻害剤はその全従属式を含む式I〜Vの化合物である。
【0130】
さらにまた別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、NS3/4a阻害剤を免疫調節剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供するが、このときNS3/4a阻害剤はその全従属式を含む式I〜Vの化合物である。この態様の所定の実施形態では、本発明は、免疫調節剤が、ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、COX2阻害剤、抗TNF化合物、抗IL−1化合物、メトトレキセート、レフルノミド、シクロスポリン、FK506またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含むがそれらに限定されないことを提供する。
【0131】
さらに本発明の全実施形態は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に、NS3/4a阻害剤もしくはその全従属式を含む式I〜Vのいずれかによる化合物を免疫調節剤と組み合わせて投与する工程を含む方法を提供するが、その免疫調節剤は抗炎症剤または免疫抑制剤である。
【0132】
合成方法
理論に拘束されることを望まないが、本明細書では、同定についての他の証拠が特に提供されない限りは、セリンプロテアーゼのポリペプチド基質内の残基の同定に関するSchechter & Berger(Biochem. Biophys. Res,Comm.,1967,27,157−162)の標準命名法を使用する。Schechter & Bergerの命名法の範囲内では、基質の残基は、N末端からC末端に向かう方向に(Pi、...、P3、P2、P1、P1’、P2’、P3’、...、Pj)と標識されるが、このとき切断はP1およびP1’の間で触媒される。この命名法の状況内では、式I、III、IV、およびVの化合物は少なくともトリペプチドP3−Pro−P1(式中、P1は
【0133】
【化54】

である)の模倣物であると見なすことができる。同様に、式IIによって提供される本発明の化合物の状況においては、P1の対応する模倣物は
【0134】
【化55】

内に見いだされる。
【0135】
シリーズA)P−1アナログ:(S)−立体配置
Schechter & Berger によるP1部位を模倣する部位で規定の立体化学的配置を備える本発明の化合物は、下記のスキームによって入手できる。スキームAに例示したように、構造
【0136】
【化56】

を備えるP1は、末端のホウ素の立体選択的保護を組み込むことによって絶対(S)−立体配置で合成され得る:
スキームA
【0137】
【化57】

工程(a):アルキルジヒドロキシボランA1をEtO中で30分間にわたり(+)−ピナンジオールと反応させると保護ホウ酸A2が得られる。工程(b):化合物A2を−100℃でLiCHCl、次にLiN(SiMeの存在下におくと、保護アミノアルキルホウ酸A3を形成できる。工程(c):0℃でジオキサン中の4N HCl中に入れると、A3を保護アミノアルキルホウ酸A4に変換させることができる。工程(d):DCM中でA4をEDC、HOBt、NMM、R=PG−NH−CH(R)−COHと反応させるとペプチド結合形成を達成して化合物A5が得られる。工程(e):ピナンジオールを脱保護するとP1アナログ1の(S)−立体配置が得られる。参考文献:Tetrahedron,2003,59,579;Organometallics,1984,3,1284。
【0138】
シリーズB)P−1アナログ:(R)−立体配置
スキーム1とは対称性で、P1模倣物部位で規定の(R)−立体配置を備える本発明の化合物は、以下のスキームBに例示するように入手できるが、このときP1模倣物部位は構造:
【0139】
【化58】

を有する。
スキームB
【0140】
【化59】

工程(a):アルキルジヒドロキシボランB1をEtO中で30分間にわたり(−)−ピナンジオールと反応させると保護ホウ酸B2が得られる。工程(b):化合物B2を−100℃でLiCHCl、次にLiN(SiMeの存在下におくと、保護アミノアルキルホウ酸B3を形成できる。工程(c):0℃でジオキサン中の4N HCl中に入れると、B3を保護アミノアルキルホウ酸B4に変換させることができる。工程(d):DCM中でB4をEDC、HOBt、NMM、R=PG−NH−CH(R)−COHと反応させるとペプチド結合形成を達成して化合物B5が得られる。工程(e):ピナンジオールを脱保護するとP1アナログ2の(S)−立体配置が得られる。参考文献:Tetrahedron,2003,59,579;Organometallics,1984,3,1284。
【0141】
シリーズC)環式P−1アナログ:
式I〜IV(式中、RおよびR1’は、3〜7員の任意に置換された炭素環を形成する)の構造を備える本発明の化合物は、スキームCによって入手できる:
スキームC
【0142】
【化60】

工程(a):シクロアルキルアミンC1をHCOHと反応させるとシクロアルキルホルムアミドC2が得られる。工程(b):Tos−ClおよびEt3Nと反応すると、C2はイソシアノシクロアルキルC3を産生する。工程(c):−78℃で30分間にわたりn−BuLi、THFを用いて、次に−78℃から室温へ14時間かけてホウ酸トリイソプロピルを用いてC3をホウ酸塩処理するとイソシアノシクロアルキルホウ酸C4を入手できる。工程(d):ホウ酸の立体特異的保護をEtO中の(−)−ピナンジオールとの反応によって実現すると化合物C5を入手できる。工程(e):HClおよびMeOHの存在下でアミン塩へ変換させると化合物3を入手できる。参考文献:Org Lett.,2000,20,3095。
【0143】
P1部位の模倣物に加えて、本発明は、二環式プロリンとしてP2(すなわち、プロ)部位の模倣物を提供する。代表的な合成スキームは、以下のスキームD1〜D2に記載されている:
シリーズD)二環式P−2プロリン模倣物
【0144】
【化61】

(式中、XはCHである)の構造を備える本発明の化合物は、スキームD1によって入手できる:
スキームD1
【0145】
【化62】

工程(a):保護ピロリジンメチルエステルD1をPy中のAcOとの反応でアシル化すると化合物D2を入手できる。工程(b):KMnO、CuSOおよびHOの存在下で化合物D2を酸化させるとピロリジノンD3を入手できる。工程(c):ケトンからヒドロキシルへの還元をDCM中のDIBAL−Hを用いて達成すると化合物D4を入手できる。工程(d):アルコキシ化合物D5の形成はMeOH中のHを用いて実現できる。工程(e):アルケンD6の形成は、−78℃でD5とBFOEt、TMSCHCH=CHとを反応させることによって達成できる。工程(f):D6とOとを反応させるとアルデヒドD7を入手できる。工程(g):アルデヒドD7とDCM中の(MeO)P(O)CH(NHCbZ)COMeおよびDBUとを反応させると化合物D8を入手できる。工程(h):75psiでのRh(I)(COD)−(s,s)−Et−DuPHOS、Hの存在下でD8を還元させると化合物D9を入手できる。工程(i):化合物D9の閉環をDCM中のTFA、次にTEAを用いて達成すると化合物D10を入手できる。工程(j):D10の水素添加j−i)[H、MeOH中のパラジウム炭素]後、ペプチド結合形成j−ii)をDCM中のEDC、HOBt、R2=PG−NH−CH(R)−CO2H、NMMを用いて実現すると、化合物D11を入手できる。工程(k):D11とa)MeOH中のNaOMeとの反応、次にb)0℃から室温でのTHF中で2日間にわたるR−OH、TPP、およびDIADとの反応によって、工程LのためのR−O−置換反応物を入手できる。工程L:メチルエステルの活性化[L−i)LiOH、THF−HO]、続いてのペプチド結合形成[L−ii)EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール]によって、工程mのための保護ペプチド反応物を入手できる。工程(m):ピナンジオールの脱保護によって化合物4を入手できる。参考文献:J.Org.Chem.,1995,60,5011;J.Org.Chem.,2000,65,10113;Tetrahedron Lett.,1988,38,329;J.Org.Chem.,1980,55,4817。
【0146】
【化63】

(式中、XはSである)の構造を備える本発明の化合物は、スキームD2によって入手できる:
スキームD2
【0147】
【化64】

工程(a):化合物D4(スキームD1)から出発して、BF−EtOおよびCbz−Cys−Omeと反応させると化合物D12が得られる。工程(b):ピロロ[2,1−b]チアジンオン(thiazineone)D13は、TFAおよび次にTEAの作用下で化合物D12の閉環の結果として生じさせることができる。工程(c):D13の水素添加[c−i):H、MeOH中のパラジウム炭素]の後、ペプチド結合形成[c−ii):DCM中のEDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−CO2H、NMM]によって化合物D14を入手できる。工程(d):[d−i):MeOH中のNaOMe]の脱アシル化、次に置換[d−ii):0℃から室温で2日間にわたり、THF中のR−OH、TPP、DIAD]によって化合物D15を入手できる。工程(e):メチルエステルの開裂[e−i)LiOH、THF−HO]、続いてのペプチド結合形成[e−ii)EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール]およびピナンジオールの脱保護によって、化合物4を入手できる。主要な参考文献−Tetrahedron Lett.,1996,46,8395;J.Org.Chem.,1995,60,5011;J.Org.Chem.,2000,65,10113;Tetrahedron Lett.,1988,38,329;J.Org.Chem.,1980,55,4817。
【0148】
シリーズE)4−置換プロリンアナログ(5)
ピロリジン環の4位で置換を備える式I〜IIIのいずれかの構造を備える本発明の化合物は、スキームEによって入手できる:
スキームE
【0149】
【化65】

工程(a):保護ヒドロキシピロリジンメチルエステルE1を用いて出発し、Rの置換を0℃から室温で2日間にわたりTHF中のR−OH、TPP、およびDIADとの反応下で実現すると、化合物E2を入手できる。工程(b):アミドの形成後にE2の水素添加[b−i):H、パラジウム炭素]およびペプチド結合形成[b−ii):DCM中のEDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−COH、NMM]によって化合物E3を入手できる。工程(c):化合物E3のメチルエステルの開裂[c−i)LiOH、THF−HO]、続いてのペプチド結合形成[c−ii)EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール]およびピナンジオールの脱保護によって、化合物5を入手できる。主要な参考文献−Biopolymers,2004,76,309;J.Med.Chem.,2004,47,6584;J.Med.Chem.,2004,47,123.;J.Chem.Soc.Perkin Trans I,1994,1411。
【0150】
シリーズF)アミノプロリンアナログ(6):(「トランス」立体配置)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームFによって提供される合成スキームによって入手できる:
スキームF
【0151】
【化66】

工程(a):保護フマル酸エステルF1を還流させながらTol中のglyおよびCHOと反応させると保護ピロリジン化合物F2が得られる。工程(b):Boc[b−i)TFA中の(BoC)O]の添加、次に水素添加[b−ii)Pd(OH)中のH]によって化合物F3を入手できる。工程(c):ビス保護化合物F4の形成は、還流させながらF3をDPPA、EtN、BnOH、およびPhHと反応させることによって実現できる。工程(d):化合物F4の水素添加[d−i):H/パラジウム]の後、ペプチド結合形成[d−ii):DCM中のEDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−COH、およびNMM]によって化合物F5を入手できる。工程(e):Bocの除去[e−i):ジオキサン中の4N HCl]、その後のRとの置換[e−ii):DCM中のRCOCl、NMM]によって化合物F6を入手できる。工程(f):メチルエステルの開裂[f−i):THF−HO中のLiOH]、続いてのペプチド結合形成[f−ii)EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール]およびピナンジオールの脱保護によって、化合物6を入手できる。参考文献:J.Chem Commun.,1985,1566;DuPont Pharmaceuticals patent−WO 01/70673;Tetrahedron Lett.,1984,25,2557;J.Chem.Soc.Perkin Trans I,1994,1411。
【0152】
シリーズG)アミノプロリンアナログ(7):(「シス」立体配置)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームGによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームG
【0153】
【化67】

工程(a):還流させながらのTHF中のKOtBuの存在下での保護アミンメチルエステルG1およびアルケンメチルエステルG2の付加環化によってジヒドロピロールG3を入手できる。工程(b):1時間還流させながらのMeOH中でのBnNHOAcおよびHOAcの存在下でのG3のアミノ化によってジヒドロピロールG4を入手できる。工程(c):ピロリジンG5への還元は、10℃でNaBHおよびHOAcの存在下で発生できる。工程(d):G5の還元[d−i):H、パラジウム炭素]、その後のペプチド結合形成[d−ii):DCM中のEDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−COH、およびNMM]によって化合物G6を入手できる。工程(e):化合物G6の脱保護[e−i):ジオキサン中の4N HCl]、その後の窒素での置換[e−ii):DCM中のRCOClおよびNMM]によって化合物G7を入手できる。工程(f):G7のメチルエステルの開裂[f−i):LiOH、THF−HO]、続いてのペプチド結合形成[f−ii)EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール]およびピナンジオールの脱保護によって、化合物7を入手できる。参考文献−Synthesis,2001,11,1719;DuPont Pharmaceuticals patent−WO 01/70673;J.Med.Chem.,2001,44,1192;J.Org.Chem.,1960,26,1102;Chem Ber,1956,89,1423;Pestic.Sci.,1997,50,329。
【0154】
シリーズH)ヒドロキシシクロペンチル−(シス)−1,2−ジカルボン酸(8)およびヒドロキシシクロペンチル−(シス)−β−アミノ酸(9)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームHによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームH
【0155】
【化68】

工程(a):テトラカルボン酸H1を[a−i):EtOH、HSO]、[a−ii):NaOMe、MeOH]、[a−iii):HCl、HO]、および[a−iv):EtOH、HSO]と反応させて環化させるとシクロペンチルケトンH2を生成できる。工程(b):無水物H3の形成は、135℃で(EtCO)Oを用いて進行させることができる。工程(c):ケトンをNaCNBHで還元させ、続いて保護基PGを付加すると、化合物H4を入手できる。工程(d):隣接二酸H5の形成は、BnOHおよび触媒性キニン塩基との反応下で進行できる。試薬H5を用いて出発し、合成経路を分岐させると、工程e〜hによって化合物8が得られ、工程i〜jおよびhによって化合物9が得られる。工程(e):[e−i)EtCOCl、TEA、NaN、Bn−OH][e−ii)H2、パラジウム炭素];工程(f):EDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−COH、NMM、DCM;工程(g):PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える;工程(h)[h−i):NaOH、THF−HO、還流][h−ii):EDC、HOBt、HCl−NH−ホウ酸−AA−ピナンジオール][h−iii):ピナンジオールの脱保護]により化合物8が得られる。工程(i)PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える。工程(j)EDC、HOBt、(R6)2−NH2、NMM、DCM;次に工程(h)を行うと化合物9が得られる。参考文献−化合物8用−Tetrahedron,2002,58,8629;Bioorg.Med.Chem.Lett.,2003,13,433;Tetrahedron Asymmetry,2003,14,3455;Chem.Rev.,2001,101,2181.;For compound 9 − Chem.Rev.,2001,101,2181;J.Med.Chem.,1993,36,699;Bioorg.Med.Chem.Lett.,2003,13,4293;J.Med Chem.,2003,46,1165;J.Med.Chem.,2000,43,1705。
【0156】
シリーズI)ヒドロキシシクロヘキシル−(シス)−1,2−ジカルボン酸およびヒドロキシシクロヘキシル−(シス)−β−アミノ酸
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームIによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームI
【0157】
【化69】

工程(a):AcO、SnCl;次にH、MeOH。工程(b)p−TsNHNH、EtOH、還流;次にカテコールボラン、0℃、NaOAc。工程(c)O3;次にDIBAL−H、さらに保護基PGを用いた保護。工程(d):(EtCO)2O、135℃。工程(e):BnOH、キニン、−15℃。工程(f):工程f−i)EtCOCl、TEA、NaN3、Bn−OH;工程f−ii)H、パラジウム炭素;工程f−iii)EDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−CO2H、NMM、DCM。工程(g):PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える。工程(h):工程h〜i):NaOH、THF−HO、還流;工程h−ii)EDC、HOBt、HCl−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール。工程(i):ピナンジオールを脱保護する。工程(j):PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える。工程(k):工程k−i)NaOMe、MeOH;工程k−ii)EDC、HOBt、(R−NH2、NMM、DCM。工程(j):工程j−i)LiOH、THF−H2O、次にEDC、HOBt、HCl−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール;工程j−ii)ピナンジオールの脱保護。参考文献−Tetrahedron,1984,40,4677;J.Med.Chem.,1996,61,5557;Chem.Rev.,2001,101,2181;Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,1249;Org.Biomol.Chem.,2004,2,1105;J.Med.Chem.,1993,36,699;Tetrahedron,2001,57,3175;Tetrahedron Asymmetry,2004,15,3545;Bioorg.Med.Chem.Lett.,2003,13,4293;J.Med.Chem.,1997,40,3119。
【0158】
シリーズJ)ヒドロキシシクロヘキシル−(トランス)−1,2−ジカルボン酸(12)およびヒドロキシシクロヘキシル−(トランス)−β−アミノ酸(13)、ヒドロキシペンチル−(トランス)−b−アミノ酸(14)、およびヒドロキシシクロペンチル−(トランス)−1,2−ジカルボン酸(15)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームJによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームJ
【0159】
【化70】

工程(a):100℃の密閉試験管中で純粋の試薬J2およびJ3。工程(b):mCPBAまたは工程b−i)AcO、SnCl;次にH、MeOH;工程b−ii)p−TsNHNH、EtOH、還流;次にカテコールボラン、0℃、NaOAc;c)O;次にDIBAL−H、次に保護する。工程(c):工程c−i)EtCOCl、TEA、NaN、Bn−OH;工程c−ii)H、パラジウム炭素。工程(d):EDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−COH、NMM、DCM。工程(e)PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える;
工程(f):工程f−i)NaOMe、MeOH;工程f−ii)EDC、HOBt、(R−NH2、NMM、DCM;工程(g):工程g−i)LiOH、THF−H2O、次にEDC、HOBt、HCl−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール;工程g−ii)ピナンジオールの脱保護;工程(i)PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える;工程j)工程j−i)NaOMe、MeOH;工程j−ii)EDC、HOBt、(R−NH2、NMM、DCM;工程(k):工程k−i)LiOH、THF−H2O、次にEDC、HOBt、HCl−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール;工程k−ii)ピナンジオールの脱保護。備考−14および15は、シリーズHに記載した経路(スキーム9)によって入手できる。参考文献−J.Med.Chem.,1997,40,3119;Tetrahedron,2002,58,8629;Bioorg.Med.Chem.Lett.,2003,13,433;Tetrahedron Asymmetry,2003,14,3455;Chem.Rev.,2001,101,2181.;Chem.Rev.,2001,101,2181;J.Med.Chem.,1993,36,699;Bioorg.Med.Chem.Lett.,2003,13,4293。
【0160】
シリーズK)4,5−ジ−置換プロリンアナログ(16)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームKによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームK
【0161】
【化71】

工程(a):DIBAL−H、THF、次にH+、MeOH。工程(b):R−MgCl、CuBr−MeS、BF−OEt、(e)a)ジオキサン中の4N HCl;b)EDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−CO2H、NMM、DCM;(d)a)PGを脱保護し、次に0℃から室温で2日間にわたりR−OH、TPP、DIAD、THFを加える;b)LiOH、TFH−H2O;c)EDC、HOBt、HC1−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール;d)ピナンジオールを脱保護する。参考文献−Tetrahedron,2001,57,6455;J.Org.Chem.,1995,60,5011;J.Org.Chem.,2000,65,10113;Tetrahedron Lett.,1988,38,329;J.Org.Chem.,1980,55,4817。
【0162】
シリーズL)アミノピペリジンアナログ(17)
規定の立体配置を備える式IVの構造を備える本発明の化合物は、スキームLによって例示される合成スキームによって入手できる:
スキームL
【0163】
【化72】

工程(a):(Boc)O、TEA。工程(b):Yb(OTf)、(R)−Ct−MeBnNH、還流、ディーン・スターク・トラップ。工程(c):NaHB(OAc)、HOAc、0℃。工程(d):工程d−i)H、パラジウム炭素;工程d−ii)EDC、HOBt、R=PG−NH−CH(R)−CO2H、NMM、DCM。工程(e):RCOCl、NMM、DCM。工程(f):工程f−i)LiOH、THF−H2O;工程f−iib)EDC、HOBt、HCl−NH2−ホウ酸−AA−ピナンジオール;工程f−iii)ピナンジオールの脱保護。参考文献−DuPont Pharmaceuticals特許WO 01/70673。
【0164】
方法/使用
一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する方法であって、上記セリンプロテアーゼと、それらの全従属式を含む式I〜Vの化合物のいずれかとを接触させる工程を含む方法を提供する。
【0165】
一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に有効量の、それらの従属式を含む上記の式I〜Vのいずれかの化合物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0166】
また別の実施形態では、本発明は、それらの従属式を含む式I〜Vのいずれかによる化合物および医薬上許容される担体を含む組成物を提供する。
【0167】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、当該治療を必要とする被験体に医薬上許容される担体およびそれらの従属式を含む式I〜Vのいずれかによる化合物、またはそれらの従属式を含む式I〜Vのいずれかによる1つまたは複数の化合物、ならびに抗ウイルス薬、抗増殖剤、免疫調節剤、およびNS3プロテアーゼ阻害剤を含むがそれらに限定されないまた別の構造的に相違する化合物の組み合わせを含む有効量の組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0168】
本発明の化合物には、ジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物などの立体異性体の混合物が含まれる。一部の実施形態では、例えば式I、II、III、IVもしくはVまたはそれらの従属式の化合物は、90重量パーセント(重量%)以上の単一ジアステレオマーである。他の実施形態では、本化合物は、92、94、96、98またさらには99重量%以上の単一ジアステレオマーまたは単一エナンチオマーである。
【0169】
本発明の化合物の様々な使用は、上述した哺乳動物などの個体を治療する様々な方法と一緒に可能である。本発明の典型的な使用には、限定しないが、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害によって調節もしくは標準化される状態を治療するための医薬を製造するための本発明の化合物の使用が含まれる。
【0170】
生化学的方法
蛍光共鳴エネルギー転移(FRET;例えば、Heimら、(1996)Curr. Biol. 6:178−182;Mitraら、(1996)Gene 173:13−17;およびSelvinら、(1995)Meth. Enzymol. 246:300−345を参照されたい)は、2つのフルオロフォアプローブ間のエネルギー転移を検出するための極めて高感受性の方法である。当技術分野において知られているように、そのようなプローブには、プローブを特性付ける吸光および発光スペクトル内の極大値の相対位置に依存して名称「供与体」および「受容体」が与えられる。受容体の発光スペクトルが供与体の吸光スペクトルに重複すると、エネルギー転移が発生できる。エネルギー転移とフルオロフォア間の距離との公知かつ高度に非線形的な関係(距離に対する逆6乗によって概算される)ゆえに、FRET測定値は距離と相関している。例えば、プローブがペプチド基質のNおよびC末端に付着している場合のようにプローブが近接しており、サンプルが分光蛍光計内で照明された場合は、共鳴エネルギーは1つの励起されたプローブから他のプローブへ移動して観察可能なシグナルを生じさせることができる。プローブを連結しているペプチドが切断されると、プローブ間の平均距離は増加して、供与体および受容体プローブ間のエネルギー転移は観察されない。結果として、ペプチド基質の加水分解度、およびペプチド基質の加水分解を触媒するプロテアーゼの活性のレベルを定量することができる。したがって、化学的および生化学的反応速度および平衡の分野において知られている方法を用いると、プロテアーゼ活性に阻害剤が及ぼす作用を定量できる。
【0171】
組成物および併用療法
A.組成物。本発明のまた別の態様は、本発明の化合物の単独の、またはまた別のNS3プロテアーゼ阻害剤もしくはまた別のタイプの抗ウイルス薬および/またはまた別のタイプの治療薬と組み合わせた組成物を提供する。本発明の化合物を含有する組成物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Ed.,1995に記載されているような従来型技術によって調製できる。本組成物は、従来型製剤、例えば、カプセル剤、錠剤、エアロゾル剤、液剤、懸濁剤もしくは局所適用であってよい。
【0172】
代表的な組成物は、HCV NS3プロテアーゼの酵素活性を阻害する本発明の化合物、および担体もしくは希釈剤であってよい医薬上許容される賦形剤を含んでいる。本発明の化合物には、式I、II、III、IV、もしくはVまたはそれらの従属式の化合物、およびそれらの化合物の組み合わせが含まれる。本明細書に記載したように、本発明の化合物には、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、プロドラッグ、医薬上許容される塩およびそれらの混合物が含まれる。本化合物は、担体によって希釈する、またはカプセル剤、サシェ剤、紙もしくは他の容器の形状にあってよい担体内に封入することができる。組成物を作製する際には、製薬分野において組成物を調製するための従来型技術を使用できる。
【0173】
例えば、本活性化合物は、通常は担体と混合されるか、または担体で希釈されるか、またはアンプル剤、カプセル剤、サシェ剤、紙、もしくは他の容器の形状にあってよい担体内に含まれるであろう。本活性化合物が担体と混合される場合、または担体が希釈剤として機能する場合は、担体は、本活性化合物のためのビヒクル、賦形剤、もしくは媒質として作用する固体、半固体、または液体物質であってよい。本活性化合物は、顆粒状固体担体上に吸収させることができ、例えばサシェ剤中に含有させることができる。適切な担体の一部の例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、白土、スクロース、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸もしくはセルロースの低級アルキルエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンである。同様に、担体もしくは希釈剤は、例えばモノステアリン酸グリセリンもしくはジステアリン酸グリセリンなどの当技術分野において知られている任意の徐放性物質を単独で、またはろうと混合して含むことができる。
【0174】
本調製物は、本活性化合物と有害には反応しない補助剤と混合することができる。そのような添加剤には、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤および/または着色剤、保存料、甘味料もしくは矯味剤を含むことができる。本組成物は、所望であれば滅菌することもできる。
【0175】
投与経路は、例えば経口、経鼻、経肺、経口腔、皮下、皮内、経皮、または非経口、例えば経直腸、デポー剤、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻内、点眼液もしくは軟膏などの、HCV NS3プロテアーゼの酵素活性を阻害する本発明の本活性化合物を適切もしくは所望の作用部位へ効果的に輸送する任意の経路であってよいが、経口経路が好ましい。
【0176】
固体担体が経口投与のために使用される場合は、本製剤は錠剤化されても、散剤もしくはペレット形で硬質ゼラチンカプセル内に挿入されても、またはトローチ剤もしくはロゼンジ剤の形状にあってもよい。液体担体を使用する場合は、本製剤はシロップ剤、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセル、または水性もしくは非水性液体懸濁剤もしくは液剤などの無菌注射液の形状であってもよい。
【0177】
注射用製剤形には、一般に適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用いて調製できる水性懸濁剤もしくは油性懸濁剤が含まれる。注射製剤は、液相中にあっても、または溶媒もしくは希釈剤を用いて調製される懸濁剤の形状にあってもよい。許容される溶媒もしくはビヒクルには、無菌水、リンゲル液、または等張性食塩水溶液が含まれる。または、無菌油は、溶媒もしくは懸濁化剤として使用できる。好ましくは、油もしくは脂肪酸は、天然もしくは合成油、脂肪酸、モノ−、ジ−、もしくはトリグリセリドを含めて、非揮発性である。
【0178】
注射のために、本製剤は、上述した適切な溶液を用いて復元するために適合する粉末であってもよい。これらの例には、凍結乾燥した、回転乾燥した、もしくはスプレー乾燥した粉末、非晶質粉末、顆粒、沈降物、または微粒子が含まれるが、それらに限定されない。注射のためには、本製剤は、任意で安定剤、pH調整剤、界面活性剤、生体内利用率調整剤およびこれらの組み合わせを含有していてよい。本化合物は、ボーラス注射もしくは持続注入などによる、注射による非経口投与のために調製できる。注射用の単位製剤は、アンプルまたは複数回投与容器中にあってよい。
【0179】
本発明の製剤は、当技術分野においてよく知られている方法を使用することによって、患者に投与した後に、有効成分の高速、持続性、または緩徐な放出を提供するように設計できる。そこで、本製剤は、制御された放出または緩徐な放出のために調製することもできる。
【0180】
本発明によって企図された組成物は、例えば、ミセルもしくはリポソーム、または一部の他のカプセル封入形を含むことができ、または長期間の保管および/または送達効果を提供するために持続放出形で投与できる。このために、本製剤はペレット剤もしくは円柱形に圧縮して、デポー注射もしくはステントなどのインプラントとして筋肉内もしくは皮下に植え込むことができる。そのようなインプラントは、シリコーンおよび生物分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの知られている不活性材料を使用できる。他の生物分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。
【0181】
経鼻投与のためには、本製剤は、液体担体、好ましくは例えばエアロゾル用途のための水性担体中に溶解もしくは懸濁させたHCV NS3プロテアーゼの酵素活性を阻害する本発明の化合物を含有していてよい。担体は、例えばプロピレングリコール、界面活性剤などの可溶化剤、レシチン(ホスファチジルコリン)もしくはシクロデキストリンなどの吸収強化剤、またはパラベンなどの保存剤などの添加物を含有していてよい。
【0182】
非経口用途のためには、特に適合するのは注射液もしくは懸濁液、好ましくはポリヒドロキシル化ヒマシ油中に溶解させた本活性化合物を備える水溶液である。
【0183】
経口用途のためには、タルクおよび/または炭水化物の担体もしくは結合剤などを有する錠剤、糖衣錠、またはカプセル剤が特に適合する。錠剤、糖衣錠、またはカプセル剤のために好ましい担体には、ラクトース、コーンスターチ、および/またはジャガイモデンプンが含まれる。甘味添加ビヒクルを使用できる場合は、シロップ剤もしくはエリキシル剤を使用できる。
【0184】
従来型打錠技術によって調製できる典型的な錠剤は、以下を含有していてよい:
【0185】
【化73】

本発明の化合物は、例えばHCV感染などの上記で言及した様々な疾患の当該の治療、予防、排除、緩和もしくは改善を必要とする哺乳動物、特別にはヒトへ投与することができる。そのような哺乳動物には、例えば家庭のペット類、農耕動物などの家畜、および野生生物などの非家畜動物の両方の動物も含まれる。
【0186】
本発明の化合物は、広い用量範囲にわたって有効である。例えば、ヒト成人の治療における用量は、約0.05〜約5,000mg、好ましくは約1〜約2,000mgである。典型的な用量は、1日当たり約10mg〜約1,000mgである。正確な用量は、本化合物の活性、投与様式、所望の治療、投与される形態、治療対象の被験体および治療対象の被験体の体重、ならびに担当の医師もしくは獣医師の選択および経験に依存するであろう。本発明の化合物のHCV NS3プロテアーゼ阻害剤活性は、HCV NS3プロテアーゼの阻害の増強作用を測定するインビトロアッセイシステムを使用することによって決定できる。本発明のHCV NS3プロテアーゼ阻害剤についての阻害定数(すなわち、当技術分野において知られているKまたはIC50値)は、実施例に記載した方法によって決定できる。
【0187】
一般に、本発明の化合物は、単位用量につき約1mg〜約1,000mgの有効成分を医薬上許容される担体と一緒に含む単位製剤中に分散させられる。
【0188】
通常は、経口、経鼻、経肺もしくは経皮投与のために適合する製剤は、医薬上許容される担体もしくは希釈剤と混合された約125μg〜約1250mg、好ましくは約250μg〜約500mg、およびより好ましくは約2.5mg〜約250mgの本化合物を含んでいる。
【0189】
本発明は、投与されると代謝もしくは他の生理学的プロセスによって化学変換させられて活性な薬理学的物質になる、本発明のプロドラッグもさらに包含している。代謝もしくは他の生理学的プロセスによる変換には、限定しないが、プロドラッグの活性な薬理学的物質への酵素的化学変換(例えば、特異的に酵素触媒される)および非酵素的化学変換(例えば、一般的もしくは特異的な酸もしくは塩基が導入される)が含まれる。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで本発明の化合物へ容易に変換可能な、本発明の化合物の機能的誘導体であろう。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製するための従来方法は、例えば、Design of Prodrugs,ed. H. Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0190】
また別の態様では、本明細書に記載した化合物の組成物を作成する方法であって、医薬上許容される担体もしくは希釈剤を用いて本発明の化合物を調製する工程を含む方法が提供される。一部の実施形態では、医薬上許容される担体もしくは希釈剤は、経口投与のために適合する。一部のそのような実施形態では、本方法は、本組成物を錠剤もしくはカプセル剤に調製する工程をさらに含むことができる。他の実施形態では、医薬上許容される担体もしくは希釈剤は、非経口投与のために適合する。一部のそのような実施形態では、本方法は、凍結乾燥製剤を形成するために本組成物を凍結乾燥する工程をさらに含むことができる。
【0191】
B.組み合わせ。本発明の化合物は、i)1つまたは複数の他のNS3プロテアーゼ阻害剤、および/またはii)1つまたは複数の他のタイプの抗ウイルス薬(ウイルス感染および関連疾患を治療するために使用される)および/または1つまたは複数の他のタイプの治療薬と組み合わせて使用され得、これは、同一製剤中で経口的に投与されてもよく、別個の経口製剤(例えば、連続的または非連続的に)中で経口的に投与されてもよく、または一緒もしくは別個に(例えば、連続的または非連続的に)注射によって投与されてもよい。
【0192】
したがって、また別の態様では、本発明は:
a)本明細書に記載した本発明の化合物と;および
b)
i)本発明の他の化合物
ii)他のNS3プロテアーゼ阻害剤を含むがそれらに限定されない抗ウイルス薬
iii)抗増殖剤
iv)免疫調節剤、
を含む1つまたは複数の化合物と;
を含む組み合わせを提供する。
【0193】
本発明の組み合わせは、医薬上許容される担体をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、90重量%以上の単一ジアステレオマーもしくは単一エナンチオマーである。または、本発明の化合物は、91、92、93、94、95、96、97、98、または99重量%以上の単一ジアステレオマーもしくは単一エナンチオマーである。
【0194】
使用すべき他の抗ウイルス薬についての用量および製剤は、適合する場合は、最新版のPhysicians’ Desk Referenceにおいて規定されているであろう。
【0195】
本発明の方法を実施する際には、他の抗ウイルス薬および/または他のタイプの治療薬を含めて、もしくは含めずに本発明の化合物を含有する組成物を医薬上のビヒクルもしくは希釈剤と結合させて使用できる。本組成物は、所望の投与様式に適切なタイプの従来型の固体もしくは液体のビヒクルもしくは希釈剤ならびに医薬用添加物を使用して調製できる。本化合物は、ヒト、サル、イヌなどの哺乳動物種に、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤もしくは散剤の形状で経口経路によって投与できる、またはそれらは注射製剤の形状で非経口経路によって投与できる。ヒト成人のための用量は、好ましくは1日当たり10〜1,000mgであり、これは単回投与で、または1日当たり1〜4回の個別用量の形状で投与できる。
【0196】
経口投与のために典型的なカプセル剤は、本発明の化合物(250mg)、ラクトース(75mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含有している。混合物は60メッシュのふるいを通過してNo.1のゼラチンカプセルに充填される。典型的な注射製剤は、250mgの本発明の化合物を無菌的にバイアル内に挿入し、無菌的に凍結乾燥および密封することによって作製される。使用するためには、注射製剤を生成するためにバイアルの内容物が2mLの無菌生理学的食塩液と混合される。
【0197】
定義
用語「HCV NS3セリンプロテアーゼ」、「HCV NS3プロテアーゼ」、「NS3セリンプロテアーゼ」、および「NS3プロテアーゼ」は、共有もしくは非共有結合のいずれかでの他のタンパク質とのすべての組み合わせを含む、C型肝炎ウイルスのNS3領域によってコードされるセリンプロテアーゼのすべての活性形ならびに突然変異体形を意味する。例えば、この状況における他のタンパク質には、限定しないが、C型肝炎ウイルスのNS4a領域によってコードされるタンパク質が含まれる。したがって、用語「NS3/4a」および「NS3/4aプロテアーゼ」、は、HCV NS4aタンパク質と組み合わせたNS3プロテアーゼを意味する。
【0198】
本明細書で使用する用語「他のタイプの治療薬」は、1つまたは複数の抗ウイルス薬(本発明のHCV NS3セリンプロテアーゼ阻害剤以外)を意味する。
【0199】
用語「治療」は、疾患、状態、もしくは障害と闘う目的での患者の管理および看護であると規定されており、症状もしくは合併症の発生を防止するために本発明の化合物を投与する工程、または症状もしくは合併症を緩和する工程、または疾患、状態、もしくは障害を排除する工程を含んでいる。
【0200】
本発明の状況内での「治療する工程」は、障害もしくは疾患に結び付いた症状の緩和、またはそれらの症状のそれ以上の進行もしくは悪化の阻害、または疾患もしくは障害の防止もしくは予防法を意味する。同様に、本明細書で使用する本発明の化合物の「有効量」もしくは「治療有効量」は、障害もしくは状態に関連する症状の全体もしくは一部を緩和する、またはそれらの症状のそれ以上の進行もしくは悪化を停止させる、または疾患もしくは状態を防止する、もしくは予防法を提供する本化合物の量を意味する。「治療有効量」は、HCV NS3セリンプロテアーゼ活性の阻害によって所望の治療結果を達成するために、必要な用量および期間について有効な量を意味する。治療有効量は、本発明の化合物の毒性もしくは有害な作用を治療上有益な作用が上回る量でもある。例えば、HCV感染を治療する状況では、本発明のHCV NS3セリンプロテアーゼ阻害剤の治療有効量は、HCVウイルス感染を制御するために十分な量である。
【0201】
特異的立体化学形もしくは異性体形が詳細に指示されない限り、すべてのキラル形、ジアステレオマー形、ラセミ形の構造が企図されている。本発明で使用する化合物には、記述から明白であるように任意もしくはすべての不斉原子で強化もしくは分解された異性体が含まれる。ラセミおよびジアステレオマー混合物、ならびに個別光学異性体(どちらも、それらのエナンチオマーもしくはジアステレオマーパートナーを実質的に含んでいないように単離もしくは合成することができる)の全部が本発明の範囲内に含まれる。
本明細書で使用する用語「アミノ保護基」もしくは「N保護(された)」は、アミノ基を合成方法中に望ましくない反応から保護し、後にアミンを露出させるために除去できる基を意味する。一般に使用されるアミノ保護基は、Protective Groups in Organic Synthesis,Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.,John Wiley & Sons,New York,NY,(3rd Edition,1999)に開示されている。アミノ保護基には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェニキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなどのアシル基;ベンゼンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどのスルホニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニルイル)−1−メチレンエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル(Teoc)、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなどのアシルオキシ基(保護アミンを備えるウレタンを形成する);ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなどのアラルキル基;およびトリメチルシリルなどのシリル基が含まれる。アミン保護基には、アミノ窒素を複素環内に組み込んでいるフタロイルおよびジチオスクシンイミジルなどの環式アミノ保護基もまた含まれる。典型的には、アミノ保護基には、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、フェニルスルホニル、Alloc、Teoc、ベンジル、Fmoc、BocおよびCbzが含まれる。当面の合成作業のために適切なアミノ保護基を選択して使用することは明確に当業者の技量の範囲内に含まれる。
【0202】
一般に、「置換(された)」は、その中に含有される水素への1つまたは複数の結合がハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などの基中の酸素原子;チオール基、アルキルおよび硫化アリール基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホンアミド基などの基中の硫黄原子;アミン、ヒドロキシルアミン、N−オキシド、ヒドラジド、アジド、およびエナミンなどの基中の窒素原子;および様々な他の基中の他のヘテロ原子を含むがそれらに限定されない非水素もしくは非炭素原子への結合によって置換された本明細書で規定した有機基を意味する。置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、およびシクロアルケニル基、ならびにその他の置換基には、炭素もしくは水素原子への1つまたは複数の結合が、二重結合もしくは三重結合を含む、カルボニル(オキソ)、カルボキシル、エステル、アミド、イミド、ウレタン、およびウレア基中の酸素;およびイミン、ヒドロキシイミン、オキシム、ヒドラゾン、アミジン、グアニジン、およびニトリル中の窒素などのヘテロ原子への1つまたは複数の結合によって置換されている基もまた含まれる。
【0203】
置換アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基などの置換環式基には、水素原子への結合が炭素原子への結合で置換されている環および縮合環系もまた含まれる。このために、置換アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基もまた本明細書に規定したアルキル、アルケニル、およびアルキニル基で置換されてよい。
【0204】
アルキル基には1〜約20個の炭素原子、および典型的には1〜12個の炭素、または一部の実施形態では1〜8個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状のアルキル基およびシクロアルキル基が含まれる。直鎖状アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基などの1〜8個の炭素原子を備えるものが含まれる。分枝状アルキル基の例には、イソプロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるがそれらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基などの上記に列挙した基のいずれかで1または複数回置換されてよい。
【0205】
シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基などであるがそれらに限定されない環式アルキル基である。一部の実施形態では、シクロアルキル基は3〜8つの環員を有するが、他の実施形態では、環式炭素原子の数は3〜5、6、もしくは7の範囲に及ぶ。シクロアルキル基には、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、およびカレニル基などであるがそれらに限定されない多環式シクロアルキル基、ならびにデカリニルなどであるがそれらに限定されない縮合環がさらに含まれる。シクロアルキル基には、上記に規定した直鎖状もしくは分枝状アルキル基で置換されている環がさらに含まれる。代表的な置換シクロアルキル基は、一置換であってもよく、または1回より多く置換されていてもよく(例えば2,2−、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6−二置換シクロヘキシル基であるがこれらに限定されない)、あるいは、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基で置換され得る一置換、二置換もしくは三置換ノルボルニルもしくはシクロヘプチル基であってもよい。単独または組み合わせた用語「シクロアルケニル」は、環式アルケニル基を意味する。
【0206】
用語「炭素環式」および「炭素環」は、環の原子が炭素である環構造を意味する。一部の実施形態では、炭素環は3〜8つの環員を有するが、他の実施形態では、環式炭素原子の数は4、5、6、もしくは7である。反対のことが詳細に指示されない限り、炭素環は、多数のN−1置換基で置換されてよいが、このときNは、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基を備える炭素環のサイズである。
【0207】
(シクロアルキル)アルキル基は、シクロアルキルアルキルとも表示され、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したシクロアルキル基への結合で置換されている上記に規定したアルキル基である。
【0208】
アルケニル基には、少なくとも1つの二重結合が2個の炭素原子間に存在することを除いて、上記に規定した直鎖状および分枝状および環式アルキル基が含まれる。そこで、アルケニル基は2〜約20個の炭素原子、および典型的には2〜12個の炭素、または一部の実施形態では、2〜8個の炭素原子を有している。例としては、特にビニル、−CH=CH(CH3)、−CH=C(CH3)2、−C(CH3)=CH2、−C(CH3)=CH(CH3)、−C(CH2CH3)=CH2、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルが含まれるがそれらに限定されない。
【0209】
シクロアルケニル基には、2つの炭素間に少なくとも1つの二重結合を有するシクロアルキル基が含まれる。そこで、例えば、シクロアルケニル基には、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニル基が含まれるがそれらに限定されない。
【0210】
(シクロアルケニル)アルキル基は、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したシクロアルケニル基への結合で置換されている上記に規定したアルキル基である。
【0211】
アルキニル基には、少なくとも1つの三重結合が2個の炭素原子間に存在することを除いて、直鎖状および分枝状アルキル基が含まれる。そこで、アルキニル基は2〜約20個の炭素原子、および典型的には2〜12個の炭素、または一部の実施形態では、2〜8個の炭素原子を有している。例には、特に−C≡CH、−C≡C(CH3)、−C≡C(CH2CH3)、−CH2C≡CH、−CH2C≡C(CH3)、および−CH2C≡C(CH2CH3)が含まれるがそれらに限定されない。
【0212】
アリール基は、ヘテロ原子を含有していない環式芳香族炭化水素である。そこでアリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニリレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニル、およびナフチル基が含まれるがそれらに限定されない。一部の実施形態では、アリール基は、基の環部分内に6〜14個の炭素を含有している。語句「アリール」は縮合芳香族−脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)の縮合環を含有する基を含んでいるが、環員の1つに結合したアルキルもしくはハロゲン基などの他の基を有しているアリール基を含んでいない。むしろ、トリルなどの基は、置換アリール基と呼ばれている。代表的な置換アリール基は、上記に列挙した基などの基で置換されてよい2−、3−、4−、5−、もしくは6置換フェニルもしくはナフチル基などであるがそれらに限定されない、一置換アリール基もしくは1より多く置換されたアリール基であってよい。
【0213】
アラルキル基は、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したアリール基への結合で置換されている上記に規定したアルキル基である。代表的なアラルキル基には、ベンジルおよびフェニルエチル基ならびに4−エチル−インダニルなどの縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が含まれる。アラルケニル基は、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したアリール基への結合で置換されている上記に規定したアルケニル基である。
【0214】
ヘテロシクリル基には、1つまたは複数がヘテロ原子(N、O、およびSなどであるがそれらに限定されない)である3つ以上の環員を含有する芳香族および非芳香族環式化合物が含まれる。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基には3〜20環員が含まれるが、他のそのような基は3〜15環員を有している。語句「ヘテロシクリル基」には、縮合芳香族および非芳香族基を含むものを含む縮合環種が含まれる。この語句は、ヘテロ原子を含有する多環式環系(キヌクリジルであるがそれに限定されない)もまた含んでいる。しかし、この語句は、環員の1つに結合したアルキルもしくはハロゲン基などの他の基を有するヘテロシクリル基は含んでいない。むしろ、これらは「置換ヘテロシクリル基」と呼ばれる。ヘテロシクリル基には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニル基が含まれるがそれらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、上記に列挙した基などの基で置換されてよい2−、3−、4−、5−、もしくは6置換フェニルもしくは二置換されているピペリジニルもしくはキノリニル基などであるがそれらに限定されない、一置換ヘテロシクリル基もしくは1より多く置換されたヘテロシクリル基であってよい。
【0215】
ヘテロアリール基には、1つまたは複数はヘテロ原子(N、O、およびSなどであるがそれらに限定されない)である5つ以上の環員を含有する芳香族環式化合物である。ヘテロアリール基には、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニル基が含まれるがそれらに限定されない。語句「ヘテロアリール基」にはインドリルおよび2,3−ジヒドロインドリルなどの縮合環化合物が含まれるが、この語句はアルキル基などの環員の1つに結合した他の基を有するヘテロアリール基を含んでいない。むしろ、そのような置換を備えるヘテロアリール基は、「置換ヘテロアリール基」と呼ばれる。代表的な置換ヘテロアリール基は、上記に列挙した基などの基と1または複数回置換されてよい。
【0216】
アリールおよびヘテロアリール基の追加の例には、フェニル、ビフェニル、インデニル、ナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)、N−ヒドロキシテトラゾリル、N−ヒドロキシトリアゾリル、N−ヒドロキシイミダゾリル、アントラセニル(1−アントラセニル、2−アントラセニル、3−アントラセニル)、チオフェニル(2−チエニル、3−チエニル)、フリル(2−フリル、3−フリル)、インドリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、キナゾリジニル、フルオレニル、キサンテニル、イソインダニル、ベンズヒドリル、アクリジニル、チアゾリル、ピロリル(2−ピロリル)、ピラゾリル(3−ピラゾリル)、イミダゾリル(1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピラジニル、ピリダジニル(3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル)、キノリル(2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、ベンゾ[b]フラニル(2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、7−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[b]チオフェニル(2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニル、7−ベンゾ[b]チオフェニル)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、7−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、インドリル(1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、インダゾール(1−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンズイミダゾリル(1−ベンズイミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、4−ベンズイミダゾリル、5−ベンズイミダゾリル、6−ベンズイミダゾリル、7−ベンズイミダゾリル、8−ベンズイミダゾリル)、ベンズオキサゾリル(1−ベンズオキサゾリル、2−ベンズオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(1−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、カルバゾリル(1−カルバゾリル、2−カルバゾリル、3−カルバゾリル、4−カルバゾリル)、5H−ジベンズ[b,f]アゼピン(5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−1−イル、5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−イル、5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−3−イル、5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−4−イル、5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−イル)、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−1−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−3−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−4−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−イル)などが含まれるがそれらに限定されない。
【0217】
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したヘテロシクリル基への結合で置換されている上記に規定したアルキル基である。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチル、およびインドール−2−イルプロピルが含まれるがそれらに限定されない。
【0218】
ヘテロアラルキル基は、アルキル基の水素もしくは炭素結合が上記に規定したヘテロアリール基への結合で置換されている上記に規定したアルキル基である。
【0219】
用語「アルコキシ」は、上記に規定したアルキル基に結合した1つの酸素原子を意味する。直鎖状アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが含まれるがそれらに限定されない。分枝状アルコキシの例には、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシなどが含まれるがそれらに限定されない。環式アルコキシの例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれるがそれらに限定されない。
【0220】
用語「アリールオキシ」および「アリールアルコキシ」は、各々酸素原子に結合したアリール基およびアルキルで酸素原子に結合したアラルキル基を意味する。例には、フェノキシ、ナフチルオキシ、およびベンジルオキシが含まれるがそれらに限定されない。
【0221】
用語「アルカノイル」は、単独またはまた別の基の一部として、カルボニル基に連結したアルキルを意味する。
【0222】
用語「アミン」(もしくは「アミノ」)には、例えば式−NR3031を有する第1級、第2級、および第3級アミンが含まれる。各存在でのR30およびR31は、独立して水素、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキル基である。そこでアミンには、−NH、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン、ヘテロシクリルアミンなどが含まれるがそれらに限定されない。
【0223】
用語「アミド(amide)」(もしくは「アミド(amido)」)には、C−およびN−アミド基、すなわち−C(O)NR3233および−NR32C(O)R33基が各々含まれる。R32およびR33は、独立して水素、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキル基である。このためにアミド基には、カルバモイル基(−C(O)NH)およびホルムアミド基(−NHC(O)H)が含まれるがそれらに限定されない。
【0224】
用語「ウレタン」(もしくは「カルバミル」)には、N−およびO−ウレタン基、すなわち−NR34C(O)OR35および−OC(O)NR3435基が各々含まれる。R34およびR35は、独立して水素、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくはヘテロシクリル基である。
【0225】
用語「スルホンアミド(sulfonamide)」(もしくは「スルホンアミド(sulfonamido)」)には、S−およびN−スルホンアミド基、すなわち−SONR3637および−NR36SO37基が各々含まれる。R36およびR37は、独立して水素、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくはヘテロシクリル基である。このためにスルホンアミド基には、スルファモイル基(−SONH)が含まれるがそれに限定されない。
【0226】
用語「アミジン」もしくは「アミジノ」には、式−C(NR38)NR3940の基が含まれる。R38、R39、およびR40は、独立してH、アミノ保護基、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくはヘテロシクリル基である。典型的には、アミド基は−C(NH)NHである。
【0227】
用語「グアニジン」もしくは「グアニジノ」には、式−NR41C(NR42)NR4344の基が含まれる。R41、R42、R43、およびR44は、独立してH、アミノ保護基、または本明細書に規定した置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくはヘテロシクリル基である。典型的には、グアニジノ基は−NHC(NH)NHである。
【0228】
用語「アルキレン」は、二価アルキルを意味する。アルキレンの例には、限定しないが、メチレン、エチレン、プロピレンなどが含まれる。用語「カルボキシアルキル」には、式−R45−COOH(式中、R45は、置換もしくは未置換アルキレンである)の基が含まれる。用語「カルボキサミドアルキル」には、式−R45−C(O)NR4344(式中、R45、R43およびR44は上記に規定したとおりである)の基が含まれる。用語「ヘテロアリールアルキル」には、式−R45−ヘテロアリール(式中、R45およびヘテロアリールは上記に規定したとおりである)の基が含まれる。用語「シクロアルキリデニル」は、単独もしくは任意の他の用語と組み合わせて、少なくとも1つの環外炭素−炭素二重結合を含有する安定性炭素環ラジカルを意味する。好ましくは、シクロアルキリデニルは、5〜7個の炭素原子を有する。シクロアルキリデニルの例には、限定しないが、シクロペンチリデニル、シクロヘキシリデニル、シクロペンテニリデニルなどが含まれる。用語「ヘテロシクロアルキリデニル」は、単独もしくは任意の他の用語と組み合わせて、少なくとも1つの環外炭素−炭素二重結合を含有する安定性複素環ラジカルを意味する。
【0229】
本明細書で言及された全刊行物、特許出願、発行された特許、およびその他の文書は、各々個々の刊行物、特許出願、発行された特許、およびその他の文書があたかも詳細かつ個別に全体として参照として援用されると指示されているかのように、参照として本明細書に援用される。参考文献によって組み込まれた本文書に含有される用語の定義は、それらが本開示における用語の意味と矛盾する範囲内では除外される。
【0230】
そこで、一般に記載された本発明は、例示するために提供されていて本発明を限定することは企図されていない下記の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0231】
以下では非限定的実施例を参照して本発明のさらに詳細な説明を提供する。
【0232】
実施例1
2−{[1−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酪酸ボロネート(+)−ピナンジオールエステル(6)の合成。
【0233】
【化74】

2;(4−(2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル−2−メチルエステル)の合成
0℃に冷却した無水THF(30mL)中の化合物1(boc−シス−4−ヒドロキシプロリン−OMe、490mg、2.0mmol)、2−フェニル−キノリン−4−オール(J. Med. Chem. 2004,47,123に記載されたように合成した)(442mg、2.0mmol)、およびトリフェニルホスフィン(1.050g、4.0mmol)の攪拌溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.808g、4.0mmol、774μL)を滴下した。生じた黄色溶液を室温へ加温し、さらに48時間にわたり反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/hex[30〜60% EtOAc]の勾配)によって精製すると、黄色固体として4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル(2)が得られた(544mg、収率60%)。MS m/z(相対強度)449 [M+1](5),393(31),222(100)。
【0234】
3;(1−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル)の合成。
【0235】
最小限のDCM中に溶解させた化合物2の溶液にジオキサン(3mL)中の4N HClを加えた。この反応液を室温で30分間攪拌し、その後に減圧下で濃縮すると4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルHCl塩が得られた。この白色固体を完全に乾燥させ、それ以上精製せずに次の工程で使用した。
【0236】
5mLの無水CHCl中の4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルHCl(200mg、0.52mmol)、Z−Val−OH(155mg、0.62mmol)、EDAC(148mg、0.78mmol)、およびHOBt(105mg、0.78mmol)の氷冷溶液にNMM(157mg、1.56mmol)を滴下した。この反応液を18時間にわたりN層下で室温へ加温させた。反応を、NaHCO飽和溶液を添加してクエンチした。有機相を除去し、追加のDCM(2×25mL)を用いて水相を抽出した。有機相を結合し、食塩液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、30%〜60%のEtOAc/hexの勾配)によって精製すると白色固体として化合物3が得られた(180mg、0.31mmol、60%)。
【0237】
4;(1−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸)の合成。
【0238】
1:1のTHF/HO(10mL)中の化合物3(90mg、0.15mmol)の溶液にLiOH.HO(13mg、0.30mmol)を加えた。溶液を室温で2時間にわたり攪拌した。THFを除去し、水相を1N HCl(300μL、0.30mmol)の添加によって酸性化し、生じた白色混濁溶液をEtOAc(3×5mL)により抽出した。有機相を結合し、食塩液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で乾燥すると白色固体として所望の酸4が得られた(77mg、0.135mmol、90%)。
【0239】
6;2−{[1−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル−4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酪酸ボロネート(+)−ピナンジオールエステルの合成。
【0240】
無水DCM(10mL)中の化合物4(425mg、0.75mmol)の氷冷溶液にHOBt(151mg、1.125mmol、1.5当量)、EDAC(215mg、1.125mmol、1.5当量)を加えた。溶液を10分間攪拌し、5(478mg、1.875mmol、2.0当量)(Organometallics 1984,3,1284;Tetrahedron 2003,59,579に記載されたとおりに合成した)およびNMM(0.38mL、2.25mmol)を添加した。生じた黄色溶液を一晩かけて室温へ加温させた。反応を、NaHCO飽和溶液を添加してクエンチした。有機相を除去し、追加のDCM(2×25mL)を用いて水相を抽出した。有機相を結合し、食塩液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。生じた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中の2% MeOH)によってさらに精製すると白色固体として6が得られた(20mg、0.025mmol)。MS m/z(相対強度)788 [M+1](10),566(100)。
【0241】
以下の化合物を、実施例1に記載した合成法によって合成した:
【0242】
【化75】


【0243】
実施例2
4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−2−[1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−プロピルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(10)の合成。
【0244】
【化76】

7;4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステルの合成。
【0245】
化合物2(1.78g、3.97mmol)を4の合成について記載した方法に類似する方法でLiOH一水化物(167mg、3.97mmol)により処理すると7(950mg、2.19mmol)が産生した。MS m/z(相対強度)435 [M+1](4),379(47),222(100)。
【0246】
8;4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−2−[1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−プロピルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10)の合成。
【0247】
CHC1:DMF(2.3mL)の4:1混合液中の7(250mg、0.58mmol)の溶液にBOP(280mg、0.63mmol)を加えた。−10℃へ冷却した後、PrEtN(0.1mL、0.58mmol)を滴下した。10分間攪拌した後、混合液を1時間にわたり室温へ加温させた。−15℃へ冷却した後、1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−塩酸エチルアミン(283mg、1.04mmol)を少量ずつ添加し、次にCHCl(0.46mL)中のPrEtN(281μL、1.6mmol)の溶液を滴下した。この混合液を−10℃で1時間攪拌し、次に室温へ加温させた。15分後、混合液はEtOAcで希釈し、クエン酸(5%水溶液)、食塩液、飽和NaHCO水溶液、および食塩液で洗浄した。有機相はNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると白色固体として8(270mg、0.41mmol)が得られた。MS m/z(相対強度)654 [M+1](4),433(99),377(100)。
【0248】
9;4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸[1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−プロピル]−塩酸アミドの合成。
【0249】
化合物3(750mg、1.1mmol)を、1,4−ジオキサン(20mL)中のHClの4N溶液により処理した。この反応液を0℃で10分間攪拌し、次に室温へ加温させた。2時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去すると化合物9(650mg、1.1mmol)が得られた。
【0250】
10;4−(2−フェニル−キノリン−4−イルオキシ)−2−[1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−プロピルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの合成。
【0251】
THF(2mL)中の9(62mg、0.11mmol)の懸濁液にN−メチルモルホリン(23μL、0.21mmol)を加えた。生じた混合液を0℃へ冷却し、クロロホルメート(18μL、0.13mmol)を滴下した。0℃で10分間攪拌した後、混合液は室温へ加温させた。3時間攪拌した後、混合液はEtOAc(3mL)で希釈し、クエン酸(5%水溶液)、食塩液、飽和NaHCO水溶液、および食塩液で洗浄した。有機相はNaSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。油性残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると白色固体として10(46mg、0.07mmol)が得られた。MS m/z(相対強度)710 [M+23](5),688 [M+1](10),467(100)。
【0252】
以下の化合物を、実施例2に記載した合成法によって合成した:
【0253】
【化77】

【0254】
【化78】


【0255】
実施例3
HCV−NS3/4aプロテアーゼアッセイ
材料
遺伝子型1bのHCV NS3/4a、5−FAM/QXL520蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)ペプチド、およびバッファーを、Anaspec社(サンホセ)から購入した。このFRETペプチドの配列は、NS4a/NS4bの開裂部位に由来する。IC50/90値の計算は、Prismソフトウエア(GraphPad社)を用いて非線形回帰分析によって実施した。
【0256】
方法
生化学的アッセイ。5μLのDMSOもしくはDMSO中の5μLの様々な濃度での化合物溶液のいずれかを、「酵素単独」および「化合物試験」ウエルについて、96ウエルプレート内に1ウエル当たり5ngのNS3/4を含有する45μLのバッファーに加えた。「酵素なし」ウエルは、酵素を含まない45μLの反応バッファーおよび5μLのDMSOを含有している。プレートを、室温で1時間プレインキュベートした。50μLのNS3/4aプロテアーゼ基質溶液を添加してプロテアーゼ反応を開始させると2μMの最終濃度が得られた。60秒間静かに攪拌して室温で5分間インキュベートした後に、各ウエルを30分間にわたり5分間毎にEx/Em=490nm/520nMで蛍光強度について測定した。IC50およびIC90値は、Prismソフトウエア(GraphPad社)を用いて非線形回帰分析によって計算した。
【0257】
本発明について、当業者が作製かつ使用するために十分詳細に記載かつ例示してきたが、特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱しない様々な変形、改変、および改良は、当業者には明白であろう。
【0258】
さらに、本発明の特徴または態様をマーカッシュ群に関して記載しているが、当業者は、本発明がさらにマーカッシュ群の任意の個別メンバーまたはメンバーのサブグループに関して記載されていることを認識するであろう。例えば、Xが臭素、塩素、およびヨウ素からなる群から選択される場合、Xが臭素である請求項およびXが臭素および塩素である請求項もまた十分に記載されている。さらに、本発明の特徴または態様をマーカッシュ群に関して記載しているが、当業者は、本発明がさらにそれによりマーカッシュ群の個別メンバーまたはメンバーのサブグループの任意の組み合わせに関して記載されていることも認識するであろう。そこで、例えば、Xが臭素、塩素、およびヨウ素からなる群から選択されると記載され、Yがメチル、エチル、およびプロピルからなる群から選択されると記載される場合は、Xが臭素でありYがメチルである請求項は十分に記載されている。
【0259】
他の実施形態は、以下の請求の範囲の範囲内に説明されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)−である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
、R1’およびRが水素ではない場合は、
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR1’が水素ではなく、そしてRが水素である場合は、
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R7’、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH2)−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
もしくはR1’のどちらかが水素であり、そしてRが水素ではない場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
もしくはR1’のどちらかが水素であり、そしてRは水素である場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
およびR11は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
7’は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリルアルキル基、またはNR1011で置換されたアリールもしくはヘテロアリール基である;
は、二価の置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
8’は、二価の置換もしくは未置換のシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
およびR10は、独立して水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物。
【請求項2】
およびR1’は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;および
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、−O−(CH−Rもしくは−O−Rである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびR1’は、独立して置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は水素である;および
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R7’、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH2)−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
は、−O−(CH−Rもしくは−O−R7’である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
もしくはR1’のどちらかは水素である;
は水素ではない;および
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
は、−O−(CH−R8’もしくは−O−R8’である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
8’は、各々が置換もしくは未置換ヘテロアリール基に付着している二価の置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリール基である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
もしくはR1’のどちらかは水素である;
は水素である;および
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
は、−O−(CH−R8’である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
8’は、各々が置換もしくは未置換ヘテロアリール基に付着している二価の置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリール基である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル基であるが、RおよびR3’の少なくとも1つは水素であることを前提とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Aは−C(O)−および−C(O)O−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Dは、Rもしくは−アルキル−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
は、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
は水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
式II:
【化2】

(式中、
Jは
【化3】

である;
各存在でのRは、独立して水素、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;または
同一窒素原子に結合している2つのR基は、該窒素原子と一緒に5〜7員の単環式複素環系を形成する;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Eは、結合もしくは
【化4】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
各存在でのRは、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物。
【請求項19】
式IIa:
【化5】

の構造を備える、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
は、−O−(CH−Rである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Aは、−C(O)−または−C(O)O−である、請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
Dは、Rもしくは−アルキル−Rである、請求項18に記載の化合物。
【請求項24】
は、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
式IIb:
【化6】

の構造を備える、請求項18に記載の化合物。
【請求項26】
式IIc:
【化7】

の構造を備える、請求項18に記載の化合物。
【請求項27】
3’は水素である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
式IId:
【化8】

の構造を備える、請求項18に記載の化合物。
【請求項29】
式III:
【化9】

(式中、
Xは、CHもしくはSである;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、もしくは−S(O)−である;
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Fは、結合もしくは
【化10】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物。
【請求項30】
は、−O−(CH−Rである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Aは、−C(O)−および−C(O)O−からなる群から選択される、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
Dは、Rもしくは−アルキル−Rである、請求項29に記載の化合物。
【請求項34】
は、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
は水素である、請求項29に記載の化合物。
【請求項36】
式IIIa:
【化11】

の構造を備える、請求項29に記載の化合物。
【請求項37】
3’は水素である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
式IIIb:
【化12】

の構造を備える、請求項29に記載の化合物。
【請求項39】
式IV:
【化13】

(式中、
Dは、−R、−アルキル−R、−アルケニル−R、−アルキニル−R、−OR、−NHR、−N(R、もしくは−C(O)Rである;
Gは
【化14】

である;
Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)−、−S(O)−である;
Yは、
YがCHRである場合は、kは0〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にある;
YがNR2’である場合は、kは1〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にある;および
YがOである、またはYがSである場合は、kは1〜3の範囲内にあり、mは0〜3の範囲内にあるように、O、S、CHR、およびNR2’からなる群から選択される;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
2’は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R、−NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
は、水素、または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
は、置換もしくは未置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
は、置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;
xは、0〜6の範囲内にある;および
xは、2〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物。
【請求項40】
式IVa:
【化15】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
式IVb:
【化16】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項42】
式IVc:
【化17】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項43】
は、−O−(CH−Rである、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
式IVd:
【化18】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項46】
は、−O−(CH−Rである、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
式IVe:
【化19】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項49】
3’は水素である、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
Aは、結合、−C(O)−、または−C(O)O−である、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
式IVf:
【化20】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項52】
Aは、結合、−C(O)−、または−C(O)O−である、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
式IVg:
【化21】

の構造を備える、請求項39に記載の化合物。
【請求項54】
Dは、Rもしくは−アルキル−Rである、請求項39に記載の化合物。
【請求項55】
は、置換もしくは未置換のアリール、またはヘテロアリール基である、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
式V:
【化22】

(式中、
Jは
【化23】

である;
およびRは、独立してヒドロキシルもしくはヒドロキシルへ加水分解できる基である、またはRおよびRは、それらが付着しているホウ素と一緒に、B(OH)へ加水分解できる環式基を形成する;
各存在でのRは、独立して水素、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルである;または
同一窒素原子に結合している2つのR基は、該窒素原子と一緒に5〜7員の単環式複素環系を形成する;
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、もしくはアリールアルキル基である;または
およびR1’は、それらが付着している炭素原子と一緒に3〜7員の置換もしくは未置換の炭素環を形成する;
およびR3’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシアルキル、もしくはカルボキサミドアルキル基であるが、RおよびR3’のうちの少なくとも1つが水素ではないことを前提とする;
およびRは、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基である;
但し、RおよびR1’が水素ではない場合は、
は、−(CH−R、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R、−(CH−S−R、−O−(CH−R、−NH(R)−(CH−R、−S−(CH−R、−O−R7’、NH−R、−S−R、−NR、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R、−NHC(O)NH−(CH−R、−OC(O)NH−(CH−R、−NHC(O)O−(CH−R、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;またはRおよびRは、それらが付着している炭素原子と一緒に縮合3〜6員の置換もしくは未置換のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基を形成することを前提とし;
もしくはR1’のどちらかが水素である場合は、
は、−(CH−R8’、−(CH−NH(R)−R、−(CH−O−R8’、−(CH−S−R、−O−(CH−R8’、−NH(R)−(CH−R8’、−S−(CH−R、−O−R8’、−NH−R8’、−S−R8’、−NR8’、−NHC(O)−(CH−R、−C(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)NH−(CH−R8’、−OC(O)NH−(CH−R8’、−NHC(O)O−(CH−R8’、−(CH−NHC(O)−R、−(CH−C(O)NH−R8’、−(CH−NHC(O)NH−R、−(CH−OC(O)NH−R、もしくは−(CH−NHC(O)O−Rである;またはRおよびRは、それらが付着している炭素原子と一緒に縮合3〜6員の置換もしくは未置換のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基を形成することを前提とする;
は、水素または置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキリデニル、もしくはヘテロシクロアルキリデニル基である;
各存在でのRは、独立して置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル基である;
は、二価の置換もしくは未置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
8’は、二価の置換もしくは未置換のシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基であるが、それらの各々は置換もしくは未置換のヘテロアリール基へ付着しており、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3である;
は、水素もしくはRである;
wは、1〜6の範囲内にある;および
xは、0〜6の範囲内にある)の化合物、およびその立体異性体、溶媒和物、水化物、互変異性体、プロドラッグ、医薬上許容される塩、ならびにそれらの混合物。
【請求項57】
Jは
【化24】

である、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
式Va:
【化25】

の構造を備える、請求項56に記載の化合物。
【請求項59】
およびRは、独立してヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、もしくはn−ブトキシである;または一緒に1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタン、もしくはピナンジオキシである、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
およびR1’は、独立して水素または置換もしくは未置換のアルキル基である、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
は、C1−8置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、またはシクロアルキルアルキル基である、請求項56に記載の化合物。
【請求項61】
は、−O−(CH−Rもしくは−(CH−O−R8’である、請求項1および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項62】
もしくはR8’は、置換もしくは未置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、このとき存在する場合の置換基の数は1〜3の範囲内である、請求項56に記載の化合物。
【請求項63】

2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オリル、
2−ピラゾール−1−イル−キナゾリン−4−オリル、
2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(3−メチル−ピラゾール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−ピロリジン−1−イル−キノリン−4−オリル、
2−ピロリジン−1−イル−キナゾリン−4−オリル、
2−(2−メチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(2−メチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−(2,2−ジメチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(2,2−ジメチルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−(2,3−ジメチル−ピロール−1−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(2,3−ジメチル−ピロール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−ピロール−1−イル−キノリン−4−オリル、
2−ピロール−1−イル−キナゾリン−4−オリル、
2−(3−メチル−ピロール−1−イル)−キノリン−4−オリル、
2−(3−メチル−ピロール−1−イル)−キナゾリン−4−オリル、
2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4−オリル、または
2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−キナゾリン−4−オリルである、請求項61に記載の化合物。
【請求項64】
8’は単環式ヘテロアリール基に付着している、請求項56〜61のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項66】
は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである、請求項1および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
8’は、各々が任意でフェニル、メトキシ、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されており、各置換基は任意で1または2つのアルキルアミノ基で置換されているフェニル、キノリニル、もしくはキナゾリニルである、請求項1および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】
は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されている、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項69】
は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されている、請求項1および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項70】
8’は、ハロゲン、(C1−10)アルキル、(C1−10)アルコキシ、(C1−10)アルキルアミノ、(C1−10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1−6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミド、およびカルバモイルからなる群から選択される1〜3つの置換基で置換されている、請求項1および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
およびRは水素である、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項72】
は水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項73】
7’は、各々がメトキシ、フェニル、または両方から選択される1〜3個の置換基で任意に置換されているフェニル−アミノヘテロアリール、キノリニル−アミノヘテロアリール、もしくはキナゾリニル−アミノヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項74】
式Vb:
【化26】

の構造を備える、請求項56に記載の化合物。
【請求項75】
は水素である、請求項1、18、29、39または56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
3’は水素である、請求項1、18、29、39および56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
請求項1〜76のいずれか一項に記載の化合物および医薬上許容される担体を含む組成物。
【請求項78】
C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する方法であって、該セリンプロテアーゼと請求項1〜76のいずれか一項に記載の化合物または請求項77に記載の組成物とを接触させる工程を含む方法。
【請求項79】
C型肝炎ウイルス感染を治療するための方法であって、該治療を必要とする被験体に有効量の請求項1〜76のいずれか一項に記載の化合物または請求項77に記載の組成物を投与する工程を含む方法。

【公表番号】特表2009−503084(P2009−503084A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525078(P2008−525078)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029708
【国際公開番号】WO2007/016476
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(506159943)フェノミックス コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】PHENOMIX CORPORATION
【Fターム(参考)】