説明

C型肝炎患者を処置する方法

本願は、HCV感染を罹患する処置にナイーブな患者の中で、プロテアーゼインヒビターでの処置に馴染みやすい患者を同定する新規な方法を開示する。本願はまた、HCV感染を罹患する、処置にナイーブな患者、非応答者である患者および再発患者を処置する方法を開示する。この方法は、(a)導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与する工程;(b)前記導入期間の終わりに、第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物との組み合わせを投与する工程;および(c)必要に応じて、前記第二の処置期間の終わりに、この患者をSVRについて評価する工程、を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本願は、C型肝炎感染を罹患する患者を処置するための新規な方法、および、前記処置法に対して応答性であるC型肝炎感染罹患患者を同定するための新規な方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本願のこの節または任意の節におけるあらゆる刊行物の同定は、このような刊行物が本発明に対する先行技術であることを容認するものではない。
【0003】
2007年2月9日出願の特許文献1(’616号公報;この出願は、その全体が本明細書中に援用される)に記載されているように、C型肝炎ウイルス感染の標準的な処置としては、インターフェロンα(alpha)(本明細書においてインターフェロンα(alfa)とも呼ばれる)を用いる処置、および、抗ウイルス化合物であるリバビリンと、インターフェロンα(例えば、PegIntron(登録商標)ペグインターフェロンα−2b、注射用粉末(Schering Corporation,Kenilworth,NJ製))との併用療法を用いる処置が挙げられる。’616号公報にさらに記載されるように、標準的な治療へのHCVプロテアーゼインヒビターの追加は、結果を改善させ得、例えば、式Iaの化合物(およびその異性体)、式IIaの化合物(およびその異性体)および式IIIの化合物(およびその異性体)の追加である。
【0004】
【化1】

式Iaの化合物およびその関連の異性体を調製する方法は、例えば、2006年3月14日にSaskenaらに対して発行された特許文献2(この特許はその全体が本明細書中に参考として援用される)に記載される。’066号特許は、113欄、実施例XXIV(448〜451欄)および1259欄に、式Ia、IbおよびIcの化合物(本明細書中に記載される)の調製を記載しており、本明細書中に参考として援用される。式IIaの化合物およびその異性体を調製する方法は、例えば、2005年2月24日出願の特許文献3に記載されている(請求項46、および、類似化合物の合成を例示する実施例696を参照のこと、また、この出願はその全体が本明細書中に参考として援用される)。式IaおよびIIaの化合物(ならびに関連の化合物および異性体)を組み込んだ処方物、ならびに、このような処方物を用いてHCV感染を処置する方法は、例えば、特許文献1(出願人:Schering Corporation(2007年8月16日公開)、この出願はその全体が本明細書中に参考として援用される)に記載される。式IIIの化合物ならびにその関連の化合物および異性体を組み込んだ処方物は、特許文献4(’369号公報)(出願人:Eli Lilly Company(2002年3月7日公開))に記載される(例えば、その52頁の化合物BWおよびその3316頁の化合物CU)。’369号公報は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0005】
これらの種々の処置に供された際に一部の患者においては応答を促すにもかからわず、C型肝炎ウイルスに感染した患者の間、特に、遺伝子型IのHCVに感染した患者の間での応答は、およそ50%である。さらに、HCVプロテアーゼインヒビターとの併用を含む治療は改善された応答を示すが、持続性ウイルス学的効果(sustained virologic response)(SVR)を示す患者(これは、本明細書中の実施例の節において記載されるアッセイ方法にしたがって測定された場合に、少なくとも処置後24週をウイルスRNAを含まない状態で完了する患者として定義される)の発生率は依然として低い。SVRはまた、非特許文献1に詳述される。また、処置の開始後に患者が完全なウイルス抑制(ネガティブなHCV状態)の徴候を示す時間を短縮する治療を提供する必要性も存在する。
【0006】
したがって、急速に患者のウイルス負荷を検出できないレベルにし、次いで、患者において持続性ウイルス学的効果(SVR)の達成を高める処置方法に対する必要性が存在するままである。さらに、HCVの処置抵抗性株を生じる可能性を低減する処置方法に対する必要性も存在するままである。また、必要とされているのは、患者がHCVの処置抵抗性株を生じる可能性を低減するHCV処置方法を用いて、首尾よい結果が得られる可能性が高い患者を同定する方法、および、SVRを達成する可能性を増大させる方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/092616A2号パンフレット
【特許文献2】米国特許第7,012,066号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0042968号明細書
【特許文献4】国際公開第2002/18369号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Dr.Steven L.Flamm、the Journal of the American Medical Association,Vol.289,No.18,pp.2413〜2417
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の目的および概要
上記および他の利点が本発明によって提供されるが、本発明は、一つの局面では、処置にナイーブな患者およびネガティブなHCV状態からの再発患者から選択される、C型肝炎感染を罹患する患者を処置する方法を提供し、この方法は、(a)導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与する工程;(b)前記導入期間の終わりに、第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物との組み合わせを投与する工程;および(c)必要に応じて、前記第二の処置期間の終わりに、この患者をSVRについて評価する工程、を包含する。
【0010】
いくつかの実施形態では、処置全体を通じて、PegIntronをインターフェロンとして使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、処置全体を通じて、リバビリンを抗ウイルス化合物として使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、発行された米国特許第7,012,066号明細書、米国特許出願公開第2007/0042968号明細書、国際公開第2007/092616号パンフレット、および国際公開第2002/18369号パンフレットに記載されるものから、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターを選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターを与えられる患者に対して、以下の式:
【0011】
【化2】

【0012】
【化3】

【0013】
【化4】

を有する化合物から選択される少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターを投与することが好ましい。
【0014】
いくつかの実施形態では、導入期間は、約2週間〜約6週間、好ましくは4週間の持続期間を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、第二の処置期間は、約24週間〜約48週間、好ましくは約24週間の期間を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、導入期間と第二の処置期間とを含めた全処置期間は、約24時間継続することが好ましい。いくつかの実施形態では、患者においてウイルスの検出できないレベルが達成され、持続されるまで、第二の処置期間を実行することが好ましい。必要に応じて、患者は、血漿中のウイルスの検出できないレベルを保証するため、Roche社のCOBAS TaqMan(登録商標)HCV/HPSアッセイのようなRT−PCRベースのアッセイを含む、標準的なRNA検出アッセイを用いて、処置後24週間にわたってモニタリングされる。
【0015】
いくつかの実施形態では、約17週間まで、好ましくは約2週間〜約17週間、より好ましくは約8週間〜約17週間、より好ましくは約16週間〜約17週間継続する導入期間を有することが好ましい。
【0016】
別の局面では、本発明は、C型肝炎感染を罹患する、処置にナイーブな患者および再発患者の群の中から、首尾よくSVR状態へと管理され得る患者を同定する方法を提供し、この方法は、導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与する工程;および、その後、この導入期間の後に、ウイルス負荷の低下が観察される場合、第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含し、この第二の期間は、ウイルスなしの状態が達成されるまで続く。いくつかの実施形態では、少なくともlog2のウイルス負荷の低下を有した患者を選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、導入すなわちスクリーニングの期間の間に、リバビリンおよびPegIntronを含む少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与することが好ましい。
【0017】
いくつかの実施形態では、第二の処置期間の間に、少なくとも1種のインターフェロンと少なくとも1種の抗ウイルス化合物に加えて、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物を投与することが好ましい。いくつかの実施形態では、発行された米国特許第7,012,066号明細書、国際公開第2007/092616号パンフレット、および国際公開第2002/18369号パンフレットに記載されるHCVプロテアーゼ阻害化合物のいずれかから、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターを選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターを与えられる患者に対して、以下の式:
【0018】
【化5】

【0019】
【化6】

【0020】
【化7】

を有する化合物から選択されるHCVプロテアーゼインヒビターを投与することが好ましい。
【0021】
いくつかの実施形態では、患者をスクリーニングするために、4週間の持続期間を有する導入期間を選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、導入期間の間に適切なウイルス負荷の低下を示す患者について、約12週間〜約24週間の持続期間を有する第二の処置期間を選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、導入期間の間に満足なウイルス負荷の低下(例えば、少なくとも2log以上のウイルス負荷の低下)を示さない患者について、48週間にわたり併用治療を継続することが好ましい。
【0022】
スクリーニング方法または処置方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者に対して、全処置サイクルの間に、週1回の投薬スケジュールにて、患者の体重1kgあたり約0.5μg〜患者の体重1kgあたり約1.5μgの量で、インターフェロンを投与することが好ましい。
【0023】
スクリーニング方法または処置方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者に対していずれかの期間の間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物を投与し、ここで、抗ウイルス化合物は、24時間ごとに2用量に分けられた投薬量にて、患者の体重1kgあたり約10mg〜患者の体重1kgあたり約20mgの量で投与されることが好ましい。
【0024】
処置方法のいくつかの実施形態では、以下の式Iaの化合物(ボセプレビル):
【0025】
【化8】

をHCVプロテアーゼインヒビターとして、HCVプロテアーゼインヒビターが投与される処置期間の間に、約7時間〜約9時間の間隔にて、約800mgの量で投与することが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
上述したように、HCV感染のための標準的処置である、PEG−インターフェロンα結合体とリバビリンとの組み合わせは、多数の患者において持続性ウイルス学的効果(SVR)を達成しておらず、したがって、これらの患者は、臓器の損傷および不全につながる永続的な感染を有する。処置が、単独でか、または、インターフェロンおよび抗ウイルス化合物との組み合わせでプロテアーゼインヒビターを含む場合、一部の被験体が完全な効果を示していないという問題が依然として存在したままである。
【0027】
本発明者らは、驚くべきことに、患者が完全なウイルス抑制の徴候を示す(ネガティブなHCV状態を達成する)ために要する開始期の処置の後の経過時間と、疾患なしの状態へとつながる持続性ウイルス学的効果を達成する患者との間には相関性があることを見出した。したがって、本発明者らは、驚くべきことに、HCV感染を罹患する患者、特にHCV遺伝子型1の被験体が処置を開始した後にネガティブなHCV状態を達成するために要する時間が長ければ長いほど、これらの患者が持続性ウイルス学的効果(SVR)を達成する可能性が低くなることを見出した。ネガティブなHCV状態は、例えば、検出限界を下回るHCV−RNAレベルを有することによって決定される。SVR状態は、処置後24週間にわたり検出できないレベルのウイルスを維持する患者によって決定される。本発明者らは、驚くべきことに、SVRは、処置を開始した後、少なくとも約17週までに、好ましくは約16週までに、より好ましくは12週までに、より好ましくは8週までに、より好ましくは4週までに、そしてより好ましくは2週までにネガティブなHCV状態を達成したということに強く依存していることを見出した。
【0028】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、HCV感染を罹患する患者のうち、持続性ウイルス学的効果(SVR)を示す患者の数が、インターフェロン(例えば、PegIntron)と抗ウイルス剤(例えば、リバビリン)との組み合わせを用いた導入処置期間と、ウイルス負荷のlog2以上の低下を示す患者については、導入処置期間に続いて、SVRを達成するに十分な期間にわたって投与される、インターフェロン(例えば、PegIntron)と、抗ウイルス剤(例えば、リバビリン)と、HCVプロテアーゼインヒビター(例えば、式Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIc、IIIの化合物およびこれらのうちのいずれかの異性体)との組み合わせを含む第二の処置期間とを含む処置計画を適合することによって改善されることを見い出した。
【0029】
本発明において有用な例示的なインターフェロンとしては、ペグインターフェロンα−2a(例えば、商品名PEGASYS(登録商標)で販売されるもの)の形態のインターフェロンα−2a(Roferon(登録商標)−A、Hoffmann La−Roche,Nutley N.J.製)、ペグインターフェロンα−2b(商品名PegIntron(登録商標)で販売される)の形態のインターフェロンα−2b(INTRON(登録商標)A、Schering Corporation,Kenilworth,NJ製)、そして、天然に存在するインターフェロンαのコンセンサス配列の決定によって規定されるコンセンサスインターフェロン(Infergen(登録商標)、元々は、Amgen,Thousand Oaks,Calif.によって開発されたもの)が挙げられる。本発明において有用な他のインターフェロンとしては、Human Genome Sciences,Rockville,MD製のヒト血清アルブミン(HSA)とインターフェロンαとの間の融合物であるAlbuferon(登録商標)のような、インターフェロンαと非インターフェロンタンパク質との間の融合物が挙げられる。本発明に関して、PEG−インターフェロンα結合体を使用することが好ましい。PEG−インターフェロンα結合体は、PEG分子に共有結合されたインターフェロンα分子である。本発明の処置方法の間に投与されるインターフェロンとして、PegIntronが使用されることが好ましい。PegIntronが選択される場合、患者に対して、週1回の注射計画にて、患者の体重1kgあたり約0.5μg〜患者の体重1kgあたり約1.5μgの量で投与することが好ましく、好ましくは、PegIntronは、週1回、患者の体重1kgあたり約1.5μgの量で注射される。
【0030】
本発明に関して、処置において投与される抗ウイルス剤としてリバビリン(例えば、REBETOL(登録商標)、Schering Corporation製)を使用することが好ましいが、他の抗ウイルス剤が使用され得ることが理解される。リバビリンが使用される場合、患者の体重1kgあたり約10mg〜患者の体重1kgあたり約20mg、好ましくは、患者の体重1kgあたり約16mgを投与することが好ましい。いくつかの実施形態では、一日の投薬量を約12時間間隔で投与される2つの部分に分けることが好ましい。
【0031】
本発明に関して、HCVプロテアーゼインヒビター化合物は、2005年2月24日に出願された、米国特許出願公開第2007/0042968号明細書に記載される任意の化合物(例えば、式IIa、IIbおよびIIcの化合物:
【0032】
【化9】

)から選択され得る。
【0033】
さらに、本発明に関して、HCVプロテアーゼインヒビター化合物は、2006年3月14日にSaskenaらに対して発行された、米国特許第7,012,066号明細書に記載される任意の化合物(例えば、式Ia、IbおよびIcの化合物:
【0034】
【化10】

)から選択され得る。
【0035】
さらに、本発明に関して、HCVプロテアーゼインヒビター化合物は、2002年3月7日に公開された国際公開第2002/18369号パンフレット(出願人:Eli Lilly Company)に記載される任意の化合物(例えば、式IIIの化合物:
【0036】
【化11】

)から選択され得る。
【0037】
好ましくは、本発明に関して、HCVプロテアーゼインヒビター化合物は、1以上の式Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIcおよびIIIの化合物ならびにこれらの異性体から選択され、より好ましくは、HCVプロテアーゼインヒビターは、式Ia、IIbおよびIIIの化合物から選択される。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物をHCVプロテアーゼインヒビター化合物として使用することが好ましい。多くの状況では、単一のHCVプロテアーゼインヒビター化合物が用いられるが、ある状況では、複数のHCVプロテアーゼインヒビター化合物が組み合わせて与えられ得る。
【0038】
式Ia、IbまたはIcの化合物を用いる本発明の処置方法のいくつかの実施形態では、約300mg/日より多く、より好ましくは約600mg/日より多く、より好ましくは約1200mg/日より多く、そしてより好ましくは少なくとも約2400mg/日の量のHCVプロテアーゼインヒビターを患者に対して投与することが好ましい。ある実施形態では、投薬間に約7時間〜約9時間の間隔を空けた3回の等しい投薬量にて、HCVプロテアーゼインヒビターを経口投与することが好ましい。
【0039】
式IIa、IIbまたはIIcの化合物を用いる本発明の処置方法のいくつかの実施形態では、1日あたり約200mg〜約2400mgの量のHCVプロテアーゼインヒビターを患者に対して投与することが好ましい。いくつかの実施形態では、約200mg〜約800mgの量の式IIa、IIbまたはIIcの化合物の、24時間で3回の用量を投与することが好ましい。いくつかの実施形態では、CYP−3インヒビターの1日1回の用量を同時に投与することが好ましい。いくつかの実施形態では、約100mg〜約400mgの量の式IIa、IIbまたはIIcの化合物の24時間で2用量を投与し、そして、CYP−3インヒビター、特に、シトクロムオキシダーゼP450 3A4を阻害する1種以上の化合物を1日2回、同時に投与することが好ましい。式IIa、IIbまたはIIcの化合物と同時に投与するために適切なCYP−3インヒビターの一例は、Abbott Laboratories,Abbott Park,IL 60064から商品名NORVIR(登録商標)の元入手可能なリトナビル(ABT−538)である。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、プロテアーゼインヒビター化合物を用いた処置の開始前の導入期間は、約2週間〜約6週間、より好ましくは4週間のインターフェロンと抗ウイルス化合物と(例えば、PegIntronおよびリバビリン)を用いた処置であることが好ましい。より長いか、または、より短い導入期間(例えば、12週間までの導入期間、16週間までの導入期間、17週間までの導入期間)が使用され得る。あるいは、本発明によれば、約12週間〜約17週間の持続期間の導入期間が使用され得る。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、患者が、約12週間〜約25週間の期間(例えば、24週間の期間)にわたってインターフェロン、抗ウイルス化合物およびHCVプロテアーゼインヒビターを受ける第二の処置期間を設けることが好ましいが、より長い期間(例えば、48週間)およびより短い期間が用いられ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、導入期間に続けて、患者は、第二の処置期間から利益を受けるに適格であるかどうかを決定するために評価される。一般に、導入期間の終わりに、ウイルス負荷の低下またはネガティブなHCV状態を有する患者は、第二の処置期間から利益を受けるに適格であり、したがって、導入期間に続く第二の期間に、持続性ウイルス学的効果(SVR)を保証する期間にわたってインターフェロンと抗ウイルス剤とHCVプロテアーゼインヒビターとの組み合わせを投与する工程を包含する処置が開始される。いくつかの実施形態では、患者が17週間の導入期間によって、好ましくは12週間の導入期間によってウイルス負荷の約log2の低下を示す場合には、この患者は応答性であり、それゆえ、第二の処置期間の間のHCVプロテアーゼインヒビターの追加から利益を受ける候補であると考えられる。いくつかの実施形態では、プロテアーゼインヒビターは、12〜17週間の導入期間の後、インターフェロンおよび抗ウイルス化合物と組み合わせて、治療に追加される。
【0043】
本発明者らは、驚くべきことに、処置の開始から8〜12週間以内にネガティブなHCV状態を示す患者は、導入処置期間の間にネガティブなHCV状態を達成しない患者よりも、かなり高い成功率でSVRを達成することを見い出した。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、インターフェロンおよびリバビリン処置を受けた非応答者(non−responder)の血統の明らかな群(pedigreed group)の間でも、インターフェロンおよび抗ウイルス剤を用いた処置の導入期間に続いてHCVプロテアーゼインヒビターとの同時投与と共にインターフェロンおよび抗ウイルス剤の継続投与を行うと、同じ処置期間にわたってインターフェロンおよび抗ウイルス薬の併用療法のみを継続した場合に見られる率の3倍を超える持続性ウイルス学的効果率で、この群の約1/3において、ウイルスなしの応答者を生じることを見い出した。本発明者らはまた、驚くべきことに、インターフェロンおよび抗ウイルス薬を用いた処置の導入期間が、インターフェロン/抗ウイルス薬/およびプロテアーゼインヒビターを同時投与する工程を包含する治療が最初にもたらす場合よりも多い数のネガティブなHCV状態を達成する患者をもたらすことを見い出した。
【0044】
いくつかの実施形態では、インターフェロンおよび抗ウイルス治療を組み合わせて施す導入期間の後、HCVプロテアーゼインヒビターと、必要に応じてCYP−3A4インヒビターとがインターフェロンおよび抗ウイルス治療と組み合わせて投与される第二の処置期間が、導入期間を含む全処置時間が約12週間〜約28週間となるような間隔で継続される。いくつかの実施形態では、約4週間〜約8週間のインターフェロンおよび抗ウイルス薬を用いた導入処置期間を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、インターフェロンおよび抗ウイルス薬と組み合わせてHCVプロテアーゼインヒビターを追加する前に、約17週間まで、より好ましくは約12週間〜約17週間、そしてより好ましくは約16週間〜約17週間継続する導入期間を有することが好ましいが、より長いか、または、より短い導入期間が用いられ得る。いくつかの実施形態では、導入期間に、HCVプロテアーゼインヒビターがインターフェロン/抗ウイルス薬併用療法に追加される第二の処置期間が続き、ここで、この第二の処置期間は、少なくとも約25週間の持続期間を有する。
【0045】
したがって、理論に束縛されることは望まないが、本発明者らは、インターフェロンおよび抗ウイルス化合物を用いた導入処置期間が、ウイルスを有意に弱化させ、ウイルスの変異を抑制し、そして、導入期間の終わりにプロテアーゼインヒビターを追加することが、ウイルスのより効率的な根絶をもたらし、本発明の処置方法に従う治療を受けている患者においてより良い持続性ウイルス学的効果を提供するものと考える。この主張を支持するように、種々の併用療法の研究において、48人の患者を含む対照群は、PegIntron(1週あたり1.5μg/Kg)およびREBETOL(登録商標)(Schering−Plough Corporationから入手可能なリバビリン)(1日あたり800mg〜1200mg)を含む48週間の治療を受けた。これらの患者の間では、治療の終わりに、わずか8%しかウイルスがない状態ではなく、そして、治療後の24週の終わりには、わずか2%(1人の患者)しか持続性ウイルス学的効果を示さなかった。この対照群からの非応答者であった患者の群(44人の患者)に、その後、1週あたり1.5μg/KgのPegIntron、および1日あたり約800〜約1200mgのREBETOL(24時間毎の2回の等しい用量で約10mg/Kg〜約20mg/Kg)の17週間の導入期間を含む治療が施され、その後、25週間全体で1日に3回投与される800mgの式Iaの化合物を追加した、同じレベルのPegIntronおよびREBETOL治療による追加の25週間が続いた。この研究の結果は以下の表Iに示される。
【0046】
【表1】

特筆すべきことに、導入期間の後にHCVプロテアーゼインヒビター治療で処置された44人の非応答者患者のうち、処置の終わりに、32%(14人の患者)がHCVネガティブであった。治療の終了から24週間後、7%(3人の患者)が、持続性ウイルス学的効果を示した。これは、先の48週間のインターフェロン/抗ウイルス薬処置単独の後に、これらの患者が持続性ウイルス学的効果を示さなかったという事実を鑑みれば驚くべきことである。さらに、この群の非応答者のより高い割合が、HCVプロテアーゼインヒビターの同時投与を含めた処置レジメン後に、HCVネガティブ状態を達成し、48週間のインターフェロン/抗ウイルス薬処置単独の後に約6%であったのと比較して32%であった。さらに、導入期間なしにインターフェロン、抗ウイルス薬およびHCVプロテアーゼインヒビターを含む治療を受けた患者の群(226人)を、インターフェロン、抗ウイルス薬およびHCVプロテアーゼインヒビターの投与を含む治療を受ける前に12週間の導入期間にわたってインターフェロンおよび抗ウイルス薬を受けた患者の群(206人)と比較すると、導入期間に供された群ではわずか2.9%がウイルス変異体を示した(10〜20%のウイルス集団に対して感受性のHCV−RNA配列決定によって決定した場合)のに対し、導入治療を受けなかった群では6.6%がウイルス変異体を示したことが見い出された。
【0047】
これらのデータは、インターフェロンおよび抗ウイルス薬を用いた導入期間と、その後の、HCVプロテアーゼインヒビターの追加が、インターフェロンおよび抗ウイルス剤からなる併用療法の投与である標準的な医療を上回る、改善された結果をもたらすという本発明者らの発見を支持する。
【実施例】
【0048】
以下に、本発明の処置方法を例示する実施例が記載される。
【0049】
実施例1:C型肝炎に感染した、再発患者または処置にナイーブな患者のスクリーニング方法および処置方法
HCVに感染した患者の研究において、処置にナイーブな患者および再発患者からなる患者の群を、3つのアームに分け、104人の患者は、PegIntronおよびリバビリンの組み合わせを投与することによって処置し、226人の患者は、PegIntron、リバビリンおよびボセプレビル(式Iaの化合物)の組み合わせを投与することによって処置し、そして、206人の患者は、2週間の導入期間にはPegIntronおよびリバビリンの組み合わせを、8週間の第一の処置期間にはPegIntron、リバビリンおよびボセプレビルの組み合わせを投与することによって処置し、そして、第3のアームにおける適格の参加者は、さらに14週間にわたり、PegIntron、リバビリンおよびボセプレビルの組み合わせを投与され続ける。
【0050】
この研究の間、PegIntronで処置される全患者を、処置期間を通じて、週1回の注射により、体重1kgあたり1.5μgの投薬量レベルで処置した。リバビリンを投与される全患者には、処置期間を通じて、毎日2回の経口に分割された、1日あたり体重1kgあたり16mg(800mg〜1400mg)の投薬量レベルでリバビリンを投与した。ボセプレビル(broceprevir)を投与される全患者には、処置期間を通じて、7〜9時間毎に800mgを与えた。
【0051】
処置を受けた患者の結果を以下の表IIに報告する。表IIは、より多くの数の処置された患者が、他の処置法よりも短い処置期間でネガティブなHCV状態を達成することを示す。この研究において、検出限界を下回るHCV−RNAレベルを有することによってより早いネガティブなHCV状態の徴候を示す、導入処置群における、有意により多くの数のHCV感染を罹患する処置にナイーブな患者および再発した患者が、ネガティブなHCV状態の徴候を示す人の中で他の2つの処置群において観察される持続性ウイルス学的効果を経験することが理解される。
【0052】
【表2】

*他の処置アームは導入期間を用いておらず、したがって、処置は、第1の処置アームよりも2週間遅く開始する。
【0053】
ネガティブなHCV状態を決定するために用いたスクリーニング手順は以下のとおりである。
【0054】
定量的RT−PCRの標準的な操作手順
A 原理
HCV−RNAコピーは、サンプルから総RNAを抽出し、そして、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を行うことによって決定される。用いられるRT−PCRは、標的核酸分子のリアルタイム定量を可能にする自動化された方法である。この方法は、逆転写酵素であるrTth DNAポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼ活性およびDNAポリメラーゼ活性を利用する。rTth DNAポリメラーゼはまず、ウイルスRNAのDNAコピーをつくり(逆転写酵素活性)、その後続けてDNAのコピーをつくる(ポリメラーゼ活性)。増幅が進行すると、rTth DNAポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼ活性は、配列特異的プローブを消化する。この反応は、投入したRNAコピーの定量を可能にする蛍光シグナルを放出する。
【0055】
HCVの遺伝子型は、HCVゲノムの5’非翻訳領域のPCRで増幅されたDNAフラグメントを配列決定することによってSPRIにおいて決定される。次いで、配列は、HCV遺伝子型の公開配列と整列され、決定に到る。
【0056】
B サンプルからのRNAの抽出
総RNAは、自動化されたハイスループットの液体取り扱い装置(liquid handler)およびQIAGEN製のQIAamp 96ウイルスRNA抽出キットにおいて抽出される。この方法は、RT−PCRに適した高い品質のRNAを提供する。
【0057】
C HCVについての定量的RT−PCR
1工程のRT−PCRは、rTth DNAポリメラーゼを用いて行われる。RT−PCR産物の直接検出は、色素標識したプローブの蛍光の増大をモニタリングすることによって達成される。PCRの間、関心のある標的が存在する場合、プローブはその標的に特異的にアニーリングする。rTth DNAポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼ活性は、プローブを消化して、蛍光を放出する。このプロセスは、PCR中の全てのサイクルで生じ、PCR産物の幾何級数的な蓄積とは干渉しない。蛍光の増加(蓄積されたPCR産物の量に比例する)は、標的配列がプローブに対して相補的であり、かつ、PCRの間に増幅される場合にのみ検出される。これらの要件に起因して、非特異的な増幅は検出されない。
【0058】
このシステムは、各増幅サイクルの後にPCR産物を測定することが可能である。標的テンプレートの初期コピー数は、PCRの間の温度変化の結果としてのサイクル毎の蛍光シグナルの変化(.Rn)を解析することによって決定される。検出可能なレベルの蛍光に到達するまでに要するサイクル(Ct,閾値サイクルとして報告される)が少なければ少ないほど、初期コピー数がより多い。配列検出のアプリケーションが、既知の初期コピー数の標準物質から生成された標準曲線上に内挿することによって、未知物質の初期コピー数を決定する。
【0059】
D 品質管理/品質保証
内因性のRNAインターフェロンαを各サンプルに加え、RNA抽出およびRT−PCRの有効性を確認する。予め検定されたHCVインターフェロンα RNAの多様な希釈物を各アッセイに含め(run)、標準曲線を生成する。HCV Proficiency Panel Membersを、各アッセイについてのポジティブコントロールとして含める。正常なヒトの血清および水を、RNA抽出およびRT−PCRについてのネガティブインターフェロンαとして含める。
【0060】
定量的RT−PCRを利用してSPRIによって行われたRT−PCR HCV−RNAの決定は、C型肝炎ウイルスRNAについてのWHOの国際基準およびAero Metrix製のHCV Panelに対して評価した。このアッセイについての定量の下限は、29国際単位/mL(IU/mL)である。全てのHCV−RNAの結果はIU/mLで報告する。
【0061】
比較実施例:
VX−950を用いたC型肝炎感染患者の処置
比較のために、Vertexは、VX−950プロテアーゼインヒビター単独での処置が、結果的に処置患者の79%が4週までにネガティブなHCV状態の徴候を示すという結果を生じることを報告する。
【0062】
実施例2:遺伝子型1のC型肝炎に感染した処置にナイーブな患者のためのスクリーニングおよび処置法
HCVプロテアーゼインヒビターを追加する前の、インターフェロンおよびリバビリンの併用療法による導入期間の有効性を、HCV遺伝子型1に感染した595人の処置にナイーブな患者の研究においてさらに評価した。この研究では、以下の3つの処置レジメンにおいて、48週間の処置期間にわたり、1.5mcg/kg QWのPegIntron(登録商標)(ペグインターフェロンα−2b)+REBETOL(登録商標)(リバビリン,USP)(800〜1400mg/日)の対照と比較して、ボセプレビル(式Iaの化合物)を評価する:
○ P/R導入+B/P/R:
・4週間の第1の処置期間の間に、REBETOL(800〜1400mg/日)と組み合わせたPegIntron(1.5mcg/kg QW)、その後、24週間または44週間の第二の処置期間の間に、この組み合わせにボセプレビル(800mg TID)を追加する;したがって、PegIntronおよびREBETOLを用いた合計処置時間は28週間または48週間であった;
○ B/P/R:
・28週間または48週間の単回の処置期間の間に、PegIntron(1.5mcg/kg QW)+REBETOL(800〜1400mg/日)と組み合わせたボセプレビル(800mg TID);そして
○ B/P/低用量R:
・48週間の単回の処置期間の間に、PegIntron(1.5mcg/kg QW)+低用量REBETOL(400〜1000mg/日)と組み合わせたボセプレビル(800mg TID)。
【0063】
この研究における患者は、77%がUSであり、16%が黒色人種であり、7%が肝硬変であり、そして、89%が治療前に高いウイルス負荷(>600,000IU/mL HCV)を有した。上記処置期間を通じて、PegIntronは、週1回の注射により、体重1kgあたり1.5μgの投薬量レベルで投与し、REBETOLは、800mg/日〜1400mg/日または400mg/日〜1000mg/日の投薬量レベルで2回の経口投薬で投与し、そして、ボセプレビルは、7〜9時間毎に800mgを経口投与した。
【0064】
RocheのCOBAS TaqMan(登録商標)HCV/HPSアッセイ(Roche Molecular Systems,Somerville,NJ)を用いて血漿HCV RNAレベルを測定した。
【0065】
最初から2つまでの処置レジメンについての暫定的な解析結果を以下の表IIIに示す。
【0066】
【表3】

a ITT(Intention−To−Treat)解析は、任意の研究薬物を少なくとも1用量受けた全ての患者を含む。
b ボセプレビル、PegIntronおよびREBETOLの組み合わせでの処置の4週時点、または、PegIntron/REBETOL対照での処置の4週時点でRVR(検出できない血漿HCV RNA)を達成した後にSVRを達成した患者。
c ボセプレビル、PegIntronおよびREBETOLの組み合わせでの処置の12週時点、または、PegIntron/REBETOL対照での処置の12週時点でEVR(血漿HCV RNAレベルの少なくとも2logの低下)を達成した後にSVRを達成した患者。
d ネガティブなRNA状態を達成した後に、処置の間に検出可能な血漿HCV RNAを有した患者。
e 有害な事象に起因して処置を中断した患者。
【0067】
ボセプレビルをPegIntron/REBETOLの併用療法に追加すると、PegIntron/REBETOL対照と比較して、28週および48週間のレジメンでSVRを顕著に増大させた。ウイルスの急増(breakthrough)の減少は、28週および48週間の両方の導入レジメンで観察されたが、SVRは、48週間のレジメンについて4週間のPegIntron/REBETOL導入で最も高かった。対照レジメンの場合のように、迅速なウイルス学的効果(rapid virologic response)(RVR)および早期ウイルス学的効果(early virologic response)(EVR)は、ボセプレビル/PegIntron/REBETOLの組み合わせを用いた処置に対する応答を高度に予示するものであった。ボセプレビルレジメンで報告された最も一般的な有害事象は、疲労、貧血、吐き気および頭痛であった。発疹に関連するAEの発生数は、ボセプレビルを含むレジメンおよび対照レジメンにおいて同様であった。有害事象に起因する処置の中断は、対照において8%であったのに対し、ボセプレビルを含むレジメンでは患者の9〜19%であった。
【0068】
この研究からのデータは、ペグ化インターフェロンαおよびリバビリンの2剤併用を用いた4週間の処置の第1の処置期間と、その後の、HCVプロテアーゼインヒビター、ペグ化インターフェロンαおよびリバビリンの3剤併用を用いた24〜44週間の第二の処置期間処置を含む、遺伝子型1の処置にナイーブなHCV患者についての処置レジメンを支持する。
【0069】
上述の本発明の説明は、例示的なものであることが意図され、限定的であることは意図されない。本明細書中に記載される実施形態における多様な変更または修正が当業者により想到され得る。これらの変更は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなくなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C型肝炎感染を罹患する患者を処置する方法であって、該患者は、処置にナイーブな患者およびネガティブなHCV状態からの再発患者から選択され、該方法は、以下:
(a)導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与する工程;
(b)該導入期間の終わりに、HCV−RNAアッセイを用いて検出できないウイルス負荷を達成するに十分な持続期間の第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物との組み合わせを投与する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
C型肝炎感染を罹患する、処置にナイーブな患者および再発患者の群の中から、首尾よくSVR状態へと管理され得る患者を同定する方法であって、該方法は、以下:
導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを投与する工程;および
2log以上のウイルス負荷の低下を示す患者を選択して、持続性ウイルス学的効果(SVR)を達成するに十分な持続期間の第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビターとの組み合わせを与える工程
を包含する、方法。
【請求項3】
前記導入期間の間に投与される前記抗ウイルス化合物と前記インターフェロンとの組み合わせが、リバビリンおよびペグ化インターフェロンαを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二の処置期間に投与される少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター剤が、国際公開第2007/092616号パンフレットまたは国際公開第2002/18369号パンフレットのいずれかに記載されるHCVプロテアーゼ阻害化合物のいずれかから選択される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項5】
前記HCVプロテアーゼインヒビターが、以下の式:
【化12】

【化13】

を有する化合物から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記導入期間が、約2週間〜約17週間の持続期間を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記導入期間が4週間である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第二の処置期間が約12週間〜約28週間の持続期間を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
インターフェロンが投与される前記期間のいずれかの間に患者に投与されるインターフェロンの量が、患者の体重1kgあたり約0.5μg〜患者の体重1kgあたり約1.5μgである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
抗ウイルス化合物が投与される前記期間のいずれかの間に患者に投与される抗ウイルス化合物の量が、患者の体重1kgあたり約10mg〜患者の体重1kgあたり約20mgである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
投与される前記プロテアーゼインヒビターが式Iaの化合物(ボセプレビル)であり、そして、プロテアーゼインヒビターが投与される前記期間のいずれかの間に患者に投与される量が、該プロテアーゼインヒビターが投与される処置期間の間、約7時間〜約9時間の間隔で、約800mgである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗ウイルス薬がリバビリンである、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記HCVプロテアーゼインヒビターがCYP−3A4インヒビターと同時に投与される、請求項5または12に記載の方法。
【請求項14】
前記CYP−3A4インヒビターがリトナビルである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記インターフェロンがPegIntronである、請求項5および12〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記導入期間が約16週間〜約17週間である、請求項6に記載の方法。
【請求項17】
前記導入期間が約12週間〜約17週間である、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
前記導入期間が16週間までである、請求項6に記載の方法。
【請求項19】
合計処置時間が28週間である、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
C型肝炎感染を罹患する患者を処置する方法であって、該方法は、以下:
(a)導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを該患者に投与する工程;および
(b)該導入期間の終わりに、持続性ウイルス学的効果(SVR)を達成するに十分な持続期間の第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物との組み合わせを投与する工程
を包含する、方法。
【請求項21】
C型肝炎感染を罹患する患者を処置する方法であって、該方法は、以下:
(a)導入期間に少なくとも1種の抗ウイルス化合物とインターフェロンとの組み合わせを該患者に投与する工程;および
(b)該導入期間の終わりに、該患者が2log以上のウイルスRNAの低下を有する場合、持続性ウイルス学的効果(SVR)を達成するに十分な持続期間の第二の処置期間にわたって、少なくとも1種の抗ウイルス化合物と、インターフェロンと、少なくとも1種のHCVプロテアーゼインヒビター化合物との組み合わせを投与する工程
を包含する、方法。
【請求項22】
前記HCVプロテアーゼインヒビターが、以下の式:
【化14】

【化15】

を有する化合物から選択される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記抗ウイルス化合物がリバビリンである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が処置にナイーブである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記患者がインターフェロンαおよびリバビリンを用いた以前の処置に対する非応答者である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が、インターフェロンαおよびリバビリンを用いた以前の処置後に再発した患者である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記患者が遺伝子型1のHCVに感染している、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記導入期間が4週間である、請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
合計処置時間が28週間である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記インターフェロンがペグ化インターフェロンα2aまたはペグ化インターフェロンα2bである、請求項23〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記患者が処置にナイーブであり、かつ、遺伝子型1に感染しており、前記インターフェロンがPegIntronであり、前記抗ウイルス化合物がリバビリンであり、そして、前記導入期間が4週間である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項32】
前記プロテアーゼインヒビターがボセプレビルである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者がインターフェロンαおよびリバビリンを用いた以前の処置に対する非応答者であり、前記インターフェロンがペグ化インターフェロンα2aまたはペグ化インターフェロンα2bであり、前記抗ウイルス化合物がリバビリンであり、そして、前記導入期間が4週間である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項34】
前記インターフェロンがPegIntronであり、そして、前記プロテアーゼインヒビターがボセプレビルである、請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2010−539165(P2010−539165A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524864(P2010−524864)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/010626
【国際公開番号】WO2009/038663
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】