説明

CB1受容体モジュレーターとしての1,5−ジフェニル−3−ベンジルアミノ−1,5−ジヒドロピロリジン−2−オン

式の化合物および薬理学的組成物は、逆作動メカニズムによってCB受容体を遮断する。この化合物は、哺乳動物における体重を減少させること、統合失調症に関連する認識機能障害を軽減すること、非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加を軽減するのに有用であり、高められたバイオアベイラビリティを有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年10月23日出願の米国仮出願第60/862,540号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
CB受容体ファミリーは中枢神経系及び末梢神経系に主に存在し、幾つかの末梢器官においても若干存在する。CB受容体は主に免疫系に存在する。カンナビノイド受容体リガンドについての薬理学的可能性及び治療可能性が、幾つかの文献において概説されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。CB受容体作動薬は、摂食の刺激、鎮吐作用(anemetic properties)、無痛覚症、緑内障における眼圧の低下、多発性硬化症における筋攣縮の軽減に関連付けられてきた。逆に、CB受容体拮抗薬は、肥満症の動物モデルにおいて摂食および体重を低下させるために有効であることが示されている。しかしながら、CB受容体活性を調節するほとんどの化合物は、基礎CB受容体シグナル伝達ならびにCB作動薬依存性受容体への刺激を阻害する活性を低下させる、逆作動という薬理学的特性を有する。
【0003】
選択的で中枢作用活性を有する多くのCB受容体化合物が、現在肥満症の治療のために開発過程にある。それにもかかわらず、生体内効力を高め、低分子量であり、かつ有害事象を最小限に抑えながら治療効果を提供する薬物動態学的および薬力学的特性を有するCB受容体化合物に対するニーズが依然として存在する。例えば特許文献1を参照のこと。
【0004】
本能的な強い要求(appentency)の障害に加えて、CB逆作動薬は、試験において抗精神病薬の活性をさらに高めることが示されている。現在の抗精神病薬療法は、陽性症状を抑えることについては多かれ少なかれ有効であるが、かかる療法は、多くの患者を普通な生活を送ることができないようにする陰性症状および認知的症状の治療に対しては有効ではない。収束した証拠により、特定の脳の部位、特に海馬領域、線条体領域、皮質領域で神経細胞活性化を高める薬物ならば、陰性症状および認知的症状の治療に有効であることが示唆される。加えて、CB受容体化合物による体重減少効果は抗精神病薬投与に起因する体重増加動物モデルにおいて実証されており、それゆえ治療により発現した体重増加および現在の抗精神病薬療法に伴って見られるメタボリックシンドロームを制御する上でも有効であると考えられる。
【0005】
さらに、CB受容体化合物は飲酒の動物モデルにおいてアルコール消費を減少させることが示されており、それゆえ薬物乱用の治療で有用と考えられる。
【0006】
経口投与は薬物送達の好ましい経路であるが、多くのCB受容体化合物は、それらの水性媒体への限られた溶解度および代謝不安定性の結果として、経口バイオアベイラビリティが低いという問題を有している。内在性カンナビノイドリガンドおよびCB受容体中のそれらが結合する相補的部位の高い親油性を有するため、公知のCB受容体化合物もまた非常に親油性である。この高い親油性のために水性媒体への溶解性は低くなり、ゆえに経口吸収およびバイオアベイラビリティは制限される。例えば特許文献1を参照のこと。
【0007】
加えて、肝臓で迅速に代謝される化合物は、小腸からの吸収後及び全身を循環する前に代謝変換を受けることが考えられる。このプロセスの間、反応性の代謝中間体が生成されることが考えられるため、続いて体内の他の求核剤(タンパク質、DNA、RNAなど)を反応するかも知れない。これが起こると、毒性の問題が起こり得る。このいわゆる「初回通過効果」もまた、薬物のバイオアベイラビリティを制限する。例えば特許文献1を参照こと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/020502号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Exp.Opin.Ther.Patents 1998,8,301−313
【非特許文献2】Ann.Rep.Med.Chem.,A.Doherty編集;Academic Press,NY 1999,第34巻,199−208
【非特許文献3】Exp.Opin.Ther.2000,10,1529−1538
【非特許文献4】Trends in Pharma.Sci.2000,21,218−224
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
結論として、良好なバイオアベイラビリティを有し、高い生体内効力を有し、CBよりも選択性が高くこれまでの分子よりもより容易に溶解し、かつ後に毒性の問題となりうる反応性代謝産物を生成させないCB受容体化合物に対する要望がある。本発明はこの要望を充足するものである、またそれに関連する利点をも提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は式(I)の化合物
【化1】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCH
e)メチル、
f)−SOCH
g)−CF、および
h)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
(a)−H、
(b)ハロ、
(c)−CF
(d)−(C−C)アルキル、
(e)シクロプロピル、
(f)−O−シクロプロピル、
(g)−SCF
(h)−OCF
(i)−OCHCF
(j)−CN、および
(k)−O−(C−C)アルキル
からなる群から選択される少なくとも1つの置換基であり、
は、独立に
a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される少なくとも1つの置換基であり、
およびRの各々は独立に、水素、メチル、およびエチルからなる群から選択されるか、またはRおよびRはともにその各々が結合する炭素と一緒になってシクロプロピル環を形成してもよい)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、Rが−OCFまたは−OCHである化合物に関するものである。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態は、Rが水素、ハロ、メチル、−CF、およびシアノからなる群から選択される化合物に関するものである。
【0014】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素、ハロ、−CF、−(C−C)アルキル、−SCF、−O−シクロプロピル、−OCF、およびシアノからなる群から選択される化合物に関するものである。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態は、Rが−CFである化合物に関するものである。
【0016】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明は、Rが−CF、シクロプロピル、およびハロからなる群から選択される化合物に関するものである。
【0017】
本発明は、式(Ia)の化合物
【化2】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
J)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF、または
b)シクロプロピル
から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0018】
本発明は、式(Ib)の化合物
【化3】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CN
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF
b)−シクロプロピル、および
c)ハロ
からなる群から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0019】
一態様では、本発明は、式(Ic)の化合物
【化4】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
j)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、
は、
a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)−シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0020】
本発明は、式(Id)の化合物
【化5】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
j)−CN
からなる群から選択され、
は独立に
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)−シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0021】
本発明は式(Ie)の化合物
【化6】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CN
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)−シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0022】
本発明は、式(If)の化合物
【化7】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CN
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)−シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される)
またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0023】
本発明は、式(XIVc)の中間体
【化8】

(式中、

a)H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCH
e)メチル、
f)−SOCH
g)−CF、および
h)−CN
からなる群から選択され、
は独立に
a)H、
b)ハロ、
c)−CF
d)−(C−C)アルキル、
e)シクロプロピル、
f)−O−シクロプロピル、
g)−SCF
h)−OCF
i)−OCHCF
j)−CN、および
k)−O−(C−C)アルキル
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基である)
を提供する。
【0024】
本発明は、式(XIVd)の中間体
【化9】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
j)−CN
からなる群から選択され、

a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−H、
b)ハロ、および
c)−O(C−C)アルキル
からなる群から選択される)
を提供する。
【0025】
本発明は、式(XIVe)の中間体
【化10】

(式中、
は、
a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CN
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−H、
b)ハロ、および
c)−O(C−C)アルキル
からなる群から選択される)
を提供する。
【0026】
本発明は、実施例1〜実施例61からなる群から選択される化合物を提供する。
【0027】
別の実施形態では、本発明は、式
【化11】

の中間体を提供する。
【0028】
本発明は、式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩と、薬理学的に許容できる担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態は、式(Id)または式(If)の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩が90%eeより高い光学純度で存在する医薬組成物を提供する。
【0030】
本発明の一実施形態は、式(Id)または式(If)の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩が95%eeより高い光学純度で存在する医薬組成物を提供する。
【0031】
本発明は、治療に使用するための式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0032】
本発明は、過剰な食物摂取に関連する摂食障害、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療において使用するための式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0033】
本発明は、体重増加、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療において、抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて使用するための式(I)〜式(If)のいずれか1つにかかる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
【0034】
本発明は、過剰な食物摂取に関連する摂食障害、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療のための薬物の製造における、式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0035】
本発明は、体重増加、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害治療の併用療法において使用するための薬物であって、前記薬物が抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて投与される、薬物の製造のための、式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0036】
本発明は、哺乳動物における、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、禁煙中に観察される治療によって発現した体重増加が病状であり、前記哺乳動物に有効量の、式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて投与することを含む、病状を治療する方法を提供する。
【0037】
本発明の一実施形態は、前記病状が過剰な食物摂取に関連する摂食障害である、前記方法を提供する。
【0038】
さらに別の実施形態では、本発明は、前記病状が肥満症である、前記方法を提供する。
【0039】
さらに別の実施形態では、本発明は、前記病状が統合失調症である、前記方法を提供する。
【0040】
さらに別の実施形態では、本発明は、前記病状が統合失調症に関連する認識機能障害である、前記方法を提供する。
【0041】
本発明の一実施形態は、前記病状が薬物乱用またはアルコール依存症である、前記方法を提供する。
【0042】
本発明の別の実施形態は、前記病状が禁煙である、前記方法を提供する。
【0043】
さらに別の実施形態では、本発明は、前記病状が禁煙中に観察される治療によって発現した体重増加である、前記方法を提供する。
【0044】
本発明は、哺乳動物における、統合失調症、体重増加、肥満症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加が病状であり、前記哺乳動物に有効量の式(I)〜式(If)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む、病状を治療する方法を提供する。
【0045】
本発明の一実施形態は、前記病状が統合失調症である、前記方法を提供する。
【0046】
さらに別の実施形態では、本発明は前記病状が体重増加である、前記方法を提供する。
【0047】
さらに別の実施形態では、本発明は前記病状が肥満症である、前記方法を提供する。
【0048】
さらに別の実施形態では、本発明は前記病状が統合失調症に関連する認識機能障害である、前記方法を提供する。
【0049】
さらに別の実施形態では、本発明は前記病状が薬物乱用またはアルコール依存症である、前記方法を提供する。
【0050】
本発明の一実施形態は、前記病状が禁煙である、前記方法を提供する。
【0051】
さらに別の実施形態では、本発明は前記病状が非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加である、前記方法を提供する。
【0052】
本発明は、逆作動メカニズムによるCB受容体の遮断によって治療可能な、哺乳動物の病状を治療する方法であって、有効量の式(I)または(Ia)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0053】
本発明は、抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて、逆作動メカニズムによるCB受容体の遮断によって治療可能な、哺乳動物の病状を治療する方法であって、有効量の式(I)または(Ia)のいずれか1つによる化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0054】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物は1つ以上の不斉中心を含んでいてもよく、従ってジアステレオマー混合物、ラセミ混合物、単一の鏡像異性体、および個々のジアステレオマーとして存在することができる。式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物のすべてのかかる異性体は本発明の態様として検討される。
【0055】
ラセミ体の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物は有用な薬剤であるが、鏡像異性体のうちの1つが濃縮された式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物を投与することが一般に好ましい。本発明の1つの好ましい態様は、実質的に純粋な鏡像異性体である式(Id)または式(If)の化合物を提供する。従って、以下の具体的な種類の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)および式(If)の化合物の各々は、本発明の態様であるとして検討される:
(a)鏡像体純度が80%の鏡像体過剰率を超える化合物;
(b)鏡像体純度が90%の鏡像体過剰率を超える化合物;
(c)鏡像体純度が95%の鏡像体過剰率を超える化合物;および
(d)鏡像体純度が99%の鏡像体過剰率を超える化合物。
【0056】
これらの鏡像異性体として純粋な化合物は、この化合物の鏡像異性体混合物から式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物の所望の鏡像異性体を精製することによって調製してもよい。式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物の所望の鏡像異性体はまた、実質的に鏡像異性体的に純粋な前駆体を使用することによって、以下の一般的図式にかかる合成によって調製してもよい。当業者であれば、最終化合物の分割または中間体の分割のいずれかによって、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Ie)の化合物が実質的に鏡像異性体として純粋な形態で提供され、例えば式(Id)または式(If)の化合物を与えることわかるし、そして最も好都合な方法を採用することができる。
【0057】
実質的に純粋なジアスレテオマーは、当該分野で公知の方法を使用してジアステレオマーの混合物から単離できることもわかる。ジアステレオマーを精製する方法には、クロマトグラフィおよび結晶化の使用が挙げられる。鏡像異性体の混合物は、分割として公知のプロセスによって個々の実質的に純粋な鏡像異性体へと分離してよい。鏡像異性体は、キラル固定相を用いてクロマトグラフィを使用することによって分割してもよい。適切なキラル固体相としては、Chiralpak ADおよびChiracel OJ(Chiral Technologies,Inc.によって販売されている)などの多糖系固定相が挙げられる。加えて、塩基性化合物の鏡像異性体は、キラル酸で処理することでジアステレオマー塩の混合物へと変換することによって分割してもよい。所望のジアステレオマー塩は、例えば結晶化によって単離される。実質的に鏡像異性的に純粋な塩基性化合物は、塩基で処理することにより単離してもよい。キラル酸の例としては、(−)−酒石酸、(+)−酒石酸、(−)−マンデル酸、(+)−マンデル酸、(−)−ジトルオイル酒石酸および(+)−ジトルオイル酒石酸が挙げられる。酸性化合物の鏡像異性体は、実質的に鏡像異性的に純粋な塩基を使用して同様にして分割できる。かかる塩基の例としては、R−α−メチルベンジルアミン、S−α−メチルベンジルアミン、およびブルシンが挙げられる。ラセミ混合物を分割する別の方法には、実質的に鏡像異性的に純粋なキラル試薬(本願明細書においてキラル補助基とも呼ばれる)と反応させて共有結合を形成することが含まれる。この反応は、当該分野で公知の方法に従って精製されるジアステレオマーの混合物をもたらす。次いで、キラル補助基のすべてまたは一部がその分子から切断され、実質的に鏡像異性的な純粋な化合物を生成することができる。ある場合には、キラル補助基によって導入された不斉中心が最終生成物中に保持されてもよい。
【0058】
当業者なら、特定の開示された中間体化合物が異なる水素付着点を有して存在してよく、従って互変異性であると考えられることがわかる。個々の互変異性体およびその混合物は、本発明の一態様として検討される。互変異性体の各形態は、特定された条件下で存在していても、相互変換していても、互変異性を受けていてもよい。
【0059】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)および式(If)の化合物は、CB受容体に優先してCB受容体に対して選択性がある。これらのCB受容体リガンドが逆作動薬として作用することを示唆する証拠が存在する。
【0060】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)および式(If)の化合物は、CB受容体の調節因子であり、従ってCB受容体に関連する病状の予防および治療に有用である。かかる病状としては、例えば、記憶障害、認知障害、統合失調症の陰性症状、不安症、うつ病、ストレス、パーキンソン病、(特にアヘン剤、アルコール、およびニコチンに対する)薬物使用障害、肥満症、代謝障害、および過剰な食物摂取に関連する摂食障害が挙げられる。DSM−IV−TR.,Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordeers. 改訂版,第4版,Text Revision(2000)を参照のこと。また、DSM−IV,Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 第4版,(1994)も参照のこと。DSM−IVおよびDSM−IV−TRは、Task Force on Nomenclature and Statistics of the American Psychiatric Associationによって作成されたものであり、診断上のカテゴリーの記載を提供している。当業者なら、病的な精神状態のための代替的な命名法、疾病分類および分類体系があり、これらの体系が医学的な科学進歩とともに進化することがわかる。
【0061】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)および式(If)の化合物はまた、関連する体重増加した被験者を臨床上肥満に分類することができるか否かにかかわらず、体重増加を改善するために使用することもできる。
【0062】
有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)および式(If)の化合物を、本発明の治療法を実施するために、かかる治療または予防を必要とする患者に投与してもよい。本発明の方法による予防的投与の必要性は、周知のリスクファクターを使用することで決定される。個々の化合物の有効量は、最終の分析において、その症例を担当している医師によって決定されるが、治療すべき厳密な疾患、その疾患および患者が罹患している他の疾患または病状の重篤性、選択した投与経路、患者が併用して必要とするかもしれない他の薬物および治療、ならびにその医師の判断における他の要因などの要因によって決まる。式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)または式(If)の化合物の予防用量または治療用量は、当然、治療すべき病状の重篤性の性質ならびに式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)または式(If)の特定の化合物、およびその投与経路によって変わることになる。
【0063】
この用量は1日1回で投与されてもよく、または1日の全投薬量を2回、3回または4回の用量に分割して投与されてもよい。さらに、投与のために選択された個々の化合物の特性および/または剤形の特徴(すなわち、放出調節)に基づいて、その用量はあまり頻繁にではなく(例えば、週1回、週2回、月1回など)投与されてもよい。あまり頻繁でない投与に対して、単位投薬量はそれに対応してより多くなってもよい。経皮経路によって、または連続的な静脈注射用溶液によって投与される場合、投薬量の投与は、当然、用法・用量を通して間欠的であるよりもむしろ、連続的であるほうがよい。
【発明を実施するための形態】
【0064】
これまで使用したように、また本発明の記載全体を通して使用される場合、以下の用語は、別段の記載がない限り、以下のように定義されるものとする。
【0065】
本願明細書で使用する場合、用語「(C−C)アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の、一価の飽和脂肪族鎖を指し、その例としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびt−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。「(C−C)アルキル」という用語は、その定義内に「(C−C)アルキル」という用語を包含する。
【0066】
本願明細書で使用する場合、「ハロ」という用語は、本願明細書で別段の指定がない限り、塩素、臭素、またはフッ素原子を指す。
【0067】
本願明細書で使用する場合、「Ph」という用語はフェニル基を指す。
【0068】
本願明細書で使用する場合、「−O−(C−C)アルキル」という用語は、酸素原子に結合した、1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の、一価の飽和脂肪族鎖を指す。代表的な「−O−(C−C)アルキル」基として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどが挙げられる。
【0069】
本願明細書で使用する場合、「フッ素置換(C−C)アルキル」という用語は、1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の、一価の飽和脂肪族鎖であって、1〜7個の水素(複数個であってもよい)がフッ素原子で置換されている一価の飽和脂肪族鎖を指し、その例としては(−CF)、(−CFCF)、(−CHF)、(−CFCH)および(−CHCF)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
「作動薬(複数種であってもよい)」は、受容体の機能的反応を刺激する化合物を指すものとする。
【0071】
「ニュートラルアンタゴニスト(複数種であってもよい)」は、受容体の基礎活性を変えないが、機能的反応を基礎的状態の機能的活性に戻すことによって、作動薬および逆作動薬の機能的活性を遮断する化合物を指すものとする。
【0072】
「逆作動薬(複数種であってもよい)」は、受容体の常時活動を逆転することにより、負の固有活性を有する化合物を指すものとする。逆作動薬は、作動薬の活性を阻害または逆転させる作用をする。
【0073】
「拮抗薬(複数種であってもよい)」は、ニュートラルアンタゴニストである化合物を指すものとする。
【0074】
「肥満症」は、多量の体脂肪を有する状態を指す。ある人が30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する場合、その人は肥満であると考えられる。BMIが27−30の人は、一般に太りすぎであると考えられる。従来、標準体重の人は19.9〜25.9のBMIを有する。肥満症は、遺伝的であるかまたは環境によるかといったあらゆる要因に起因するかも知れない。肥満症の結果起こる障害または肥満症の原因となり得る障害の例としては、過食、身体的活動の低下、代謝活性の低下を呈する病状が挙げられる。
【0075】
「薬理学的に許容できる塩」および「塩」とは、本発明の化合物の比較的無毒で、無機ならびに有機の酸付加塩および塩基付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeらの「Pharmaceutical Salts」 J. Pharm. Sci.,66,1−19(1977)を参照のこと。
【0076】
「医薬組成物」および「組成物」は、活性成分(薬理学的有効量で存在することが好ましい)、および担体を構成する不活性成分(複数種であってもよい)(薬理学的に許容できる賦形剤)を含む生成物、ならびに、任意の2つ以上の上記成分の組合せ、錯体形成または凝集から、または1つ以上の上記成分の解離から、又は1つ以上の上記成分による他の種類の反応または相互作用により、直接または間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図されている。従って、本発明の医薬組成物は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)または式(If)の化合物と任意の薬理学的に許容できる賦形剤とを混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
【0077】
(肥満症の)「予防」とは、肥満症の病状の発症前に治療が施して、肥満の発生を防止することを指す。さらに、すでに肥満症である対象に治療が開始された場合、かかる治療は、肥満症の医学的続発症(例えば、動脈硬化症、2型糖尿病、多嚢胞卵巣、心臓血管疾患、変形性関節症、皮膚科的障害、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、および胆石症)の予防、またはこれらの進行を抑止することが予想されている。
【0078】
「溶媒和物」は、化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合としては、水素結合が挙げられる。ある例では、例えば1つ以上の溶媒分子がその結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相および単離できる溶媒和物の両方を包含する。例示的な溶媒和物としては水和物、エタノール和物、メタノール和物などが挙げられる。
【0079】
「治療する」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り、かかる用語が当てはまる障害もしくは病状の進行またはかかる障害もしくは病状の1つ以上の症状を回復に向かわせる、緩和する、阻害する、あるいはかかる障害もしくは病状またはかかる障害または病状の1つ以上の症状を予防することを意味する。「治療」という用語は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り、治療する行為を指す。「治療する」はすぐ上で定義されたとおりである。
【0080】
「TFA」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りトリフルオロ酢酸を意味する。
【0081】
「p.o.」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り経口を意味する。
【0082】
「THF」は本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りテトラヒドロフランを意味する。
【0083】
「DMAP」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンを意味する。
【0084】
「MTBE」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りメチルtert−ブチルエーテルを意味する。
【0085】
「TBTU」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートを意味する。
【0086】
「EDCI」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を意味する。
【0087】
「DMF」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りジメチルホルムアミドを意味する。
【0088】
「psig」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り重量ポンド毎平方インチ(ゲージ圧)を意味する。
【0089】
「NaOtBu」および「KOtBu」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りそれぞれナトリウム tert−ブトキシドおよびカリウム tert−ブトキシドを意味する。
【0090】
「TosCl」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りp−トルエンスルホニルクロリドを意味する。
【0091】
「MeOH」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りメタノールを意味する。
【0092】
「EtOAc」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り酢酸エチルを意味する。
【0093】
「HOBt」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りN−ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味する。
【0094】
「DMEA」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りN,N−ジメチルエタノールアミンを意味する。
【0095】
「Ret.」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限り保持を意味する。
【0096】
「DMSO」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りジメチルスルホキシドを意味する。
【0097】
「Hex」は、本願明細書で使用する場合、別段の記載がない限りヘキサンを意味する。
【0098】
本願明細書で教示される治療上の有用性について、特許請求される化合物の塩は、薬理学的に許容できるものでなければならない。薬理学的に許容できる塩についてのさらなる詳細については、Journal of Pharmaceutical Science,66,1(1977)を参照のこと。
【0099】
以下に記載する本発明の化合物は、制御された条件下での結晶化により調製された明確な結晶形として存在していてもよいことがわかる。
【化12】

【0100】
スキームIにおいて、式(II)の化合物は、Andreichikovおよび共同研究者(Andreichikov,ら、Zhurnal Organicheskoi Khimii 22(10),2208−13(1986))によって記載される方法によって調製することができる。その方法では、式(1)のアミンおよび式(2)のアルデヒドの混合物が、適当な溶媒中でピルビン酸のエステル(3)(式中、QはC1−3アルキル基である)で処理される。適当な溶媒としては、氷酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、およびトルエンが挙げられる。この反応は、これらの溶媒を含む溶媒混合物の存在下で行ってもよい。適当なピルビン酸のエステルとしては、ピルビン酸エチルが挙げられる。この反応は、室温と上記溶媒または溶媒混合物の沸点との間の温度で進行させてよい。ある場合には、生成物(II)は、反応の進行中、または生成物が良好には溶解しない溶媒を添加した際に沈殿してもよい。これらの溶媒としては、ジエチルエーテル、へプタン、MTBE、アセトン、水、トルエン、およびペンタンならびにこれらの混合物が挙げられる。沈殿物が生成した場合、式(II)の化合物は濾過および真空乾燥によって単離してよい。あるいは、上記化合物は反応液の濃縮および残渣のクロマトグラフィによって、または水系ワークアップおよび有機抽出液の濃縮およびクロマトグラフィによって単離してよい。
【化13】

【0101】
スキームIIにおいて、式(III)の化合物は、必要に応じて酸または酸の混合物の存在下で、水で式(II)の化合物を処理することによって調製することができる。この反応はまた、必要に応じてさらなる溶媒(テトラヒドロフラン、メタノール、酢酸およびトルエンなど)の存在下で実施してもよい。適当な酸としては、塩酸、硫酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸が挙げられる。適当な反応条件としては、ほぼ周囲温度で約1時間、酢酸、水およびトリフルオロ酢酸によって式(II)の化合物を処理すること、もしくはほぼ室温で約22時間、酢酸および塩酸の混合物中で式(II)の化合物を処理することが挙げられる。また、式(III)の化合物は、約80℃で約8時間の酢酸を用いた加水分解によって調製できる。また、式(III)の化合物は、ほぼ周囲温度で約5時間、水性メタノール中でDowex 50−2X200イオン交換樹脂と混合しながら加水分解することによって調製することができる。また、式(III)の化合物は、溶媒としてトルエンおよび水を用いた二相系混合物中で、ほぼ室温で約1時間、トリフルオロ酢酸を用いて加水分解することにより調製することもできる。この反応を少なくとも1つの当量の2,5−ジメトキシテトラヒドロフランの存在下で行うことが有利であることが多い。式(III)の化合物が生成すれば、水に注ぎ込み、有機溶媒(ジクロロメタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびトルエンなど)で抽出することにより単離できる。この抽出液は、乾燥剤(硫酸ナトリウムなど)で乾燥してよく、濃縮して生成物を粗混合物として提供してもよい。この化合物をさらに精製するよりは、この化合物を次の反応に直接使用することが有利であることが多い。ある場合には、反応液を氷/水に注ぎ込むことによって式(III)の化合物を沈殿させ、濾過によって単離することもできる。
【化14】

【0102】
スキームIIIにおいて、式(IV)の化合物は、式(III)の化合物の溶液を式(4)の化合物で処理することにより調製してよい。適当な溶媒としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、またはトルエンが挙げられ、反応は室温〜約80℃の温度範囲で行ってよい。この反応は、水が生成するにつれて、脱水剤(NaSOまたはMgSOまたは4A モレキュラーシーブなど)での処理による水の除去、あるいは共沸による水の除去によって促進してもよい。この反応は、触媒(p−トルエンスルホン酸、酢酸または他の酸性化合物など)の存在下でも行うことができる。式(IV)の化合物は、必要に応じて、当該分野で公知の方法によって(酢酸イソプロピルなどの溶媒による沈殿によるかまたはシリカゲルクロマトグラフィによって)単離することができる。
【化15】

【0103】
スキームIVにおいて、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物は、適当な還元条件下で式(IV)の化合物を処理することにより生成してよい。適当な還元条件としては、任意の溶媒(ジクロロメタンなど)中、酢酸の存在下ほぼ室温でNaCNBHによる約30分間〜約12時間の処理、アルコール溶媒中でのNaBHによる処理、トリフルオロ酢酸の存在下室温で適当な溶媒(トルエンなど)中Na(OAc)BHによる約23時間の処理、ならびに式(IV)の化合物の溶液が水素雰囲気下、適当な金属触媒で処理される水素化条件が挙げられる。適当な溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランが挙げられる。適当な金属触媒としては、パラジウム炭素および酸化白金が挙げられる。式(IV)の化合物は、エタノールおよびメタノール混合物に溶解され、適当な触媒(Pd/Cなど)の存在下、ほぼ室温で約24時間、水素雰囲気にさらされる。反応液は濾過され、真空中で濃縮され、式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物が得られる。式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物は、生成物の水系ワークアップまたは沈殿などの手段によって単離することができる。さらなる精製は、SCX−2イオン交換クロマトグラフィ、シリカゲルクロマトグラフィ、超臨界流体クロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィおよび結晶化などの技術を使用することによって実施することができる。精製は、式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物を含有する混合物を式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物の塩を提供する酸で処理することによって行ってもよく、この塩を結晶化によって精製し、式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物の精製した塩を提供してもよい。好ましい塩としては、塩化水素酸およびp−トルエンスルホン酸の付加により形成される塩が挙げられる。
【0104】
式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物の合成において、式(III)または式(IV)の中間体のいずれかは、粗中間体を精製することなく引き続く反応で直接使用してもよい。
【0105】
式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物の単一の鏡像異性体は、対応するラセミ体よりも一般に好ましい。これらの鏡像異性体は、キラルな固定相を用いた分取クロマトグラフィなどの技法を使用して、式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物を分割することにより調製してよい。この鏡像異性体は、ラセミ混合物と光学活性な酸との塩の形成および所望のジアステレオマー塩の精製を含む分割によって調製されてもよい。所望のジアステレオマー塩は、結晶化によって精製されてもよい。あるいは、式(II)、式(III)、または式(IV)の中間体のいずれかが実質的に単一の鏡像異性体を提供するように分割され、次いでこの実質的に単一の鏡像異性体が、上記の方法を使用して、式(I)、式(Ia)、または式(Ib)の化合物をその鏡像異性体として精製された形(式(Ic)、式(Id)、式(Ie)または式(If)の化合物など)を提供するように変換されてもよい。式(II)、式(III)、または式(IV)の中間体は、キラル固定相を用いた分取クロマトグラフィなどの技法を使用して対応するラセミ化合物の分割によって調製してもよい。
【化16】

【0106】
式(III)の化合物の精製された鏡像異性体の調製のための別の、そして多くの場合好ましい方法の概略がスキームVに示されている。式(III)のラセミ化合物は、式(5)の化合物(式中、Qは水素、ハロゲン、または(C−C)アルコキシ基である)と反応し、式(XIVc)、式(XIVd)、もしくは式(XIVe)の化合物と式(Vb)の化合物とのジアステレオマー混合物を生成する。式(5)の好ましい化合物としては、R−α−メチルベンジルアミン、S−α−メチルベンジルアミン、R−4−クロロ−α−メチルベンジルアミン、S−4−クロロ−α−メチルベンジルアミン、R−4−メトキシ−α−メチルベンジルアミン、およびS−4−メトキシ−α−メチルベンジルアミンが挙げられる。この縮合は、式(III)の化合物および化合物(5)を不活性溶媒(塩化メチレン、テトラヒドロフランまたはトルエンなど)中で混合し、必要に応じて反応が終了するまで室温〜約80℃に加熱することによって行ってよい。この反応は、水が生成するにつれて、脱水剤(NaSOまたはMgSOまたは4A モレキュラーシーブなど)での処理による水の除去、あるいは共沸による水の除去によって促進してもよい。この反応は、触媒(p−トルエンスルホン酸、酢酸または他の酸性化合物など)の存在下で行ってよい。式(XIVc)、式(XIVd)、または式(XIVe)および式(Vb)のジアステレオマーは、シリカゲルクロマトグラフィまたは不活性溶媒(イソプロパノールなど)もしくは溶媒の混合物からの結晶化などの技法を使用して分離してよい。次いで、所望のジアスレテオマー(スキームVで(XIVc)、(XIVd)、またはXIVe)で示される)は加水分解され、式(IIIa)の精製された鏡像異性体が生成される。適当な加水分解条件としては、所望のジアスレテオマーの酢酸溶液を塩酸で処理することが挙げられる。いくつかの例では、粗な(IIIa)は、実質量の式(VI)の二量体を含有していてもよい。
【0107】
スキームVにおいて、式(III)のラセミ化合物は、スキームIIに概略を示したプロセスから生成した粗生成物であってもよい。加えて、式(IIIa)の精製された鏡像異性体は、加水分解反応から、さらに精製することなく、スキームIIIに概略を示すプロセスで直接使用してもよい。
【0108】
スキームVにおいて、化合物(5)の(R)−鏡像異性体はプロセスを例証するために選択されたものである。当業者ならば、化合物(5)の(S)−鏡像異性体もこのプロセスを使用してよいことがわかる。(R)−鏡像異性体または(S)−鏡像異性体のどれを使用するかは、どちらがより容易に単離できる所望のジアスレテオマーを与えるかに応じて、選択してよい。
【化17】

【0109】
スキームVIにおいて、式(IVb)の化合物は、化合物(IIIa)と(4)との反応について前述したのと同じ条件下で、式(VI)の化合物を化合物(4)で処理することによって生成してもよい。ある場合には、反応液をマイクロ波反応器中で加熱することが有利なことがある。
【化18】

【0110】
スキームVIIにおいて、式(VII)の化合物は記載されたようにして調製してよい。構造式(6)の化合物は、薬剤(TBTU、EDCI、HOBtなど)、任意の触媒(DMAPなど)および適切な溶媒(ジメチルホルムアミドおよびトリエチルアミンなど)を用いて、ほぼ室温で約18時間、化合物(1)にカップリングされる。水系の酸性ワークアップ、濃縮およびシリカゲルクロマトグラフィ、またはヘキサンなどの溶媒を用いた粉末化によって、構造式(7)の化合物が得られる。化合物(7)のケトン基は、ほぼ室温〜0℃で、溶媒混合物(水、メタノール、エタノール、およびDMEなど)中で還元剤(水素化ホウ素ナトリウムなど)によって化合物(8)のアルコール基に変換される。別の、そして多くの場合好ましい方法では、化合物(7)は、キラル還元を受け、鏡像異性体のうちの1つが濃縮されている化合物(8)を生成してもよい。ケトンのキラル還元についての方法は、当該分野で公知である(例えば、Singh, Synthesis 605(1992);WallbaumおよびMartens, Tetrahedron:Asymmetry 3,1475(1992);Matteoli, Beghetto,およびScrivanti, J.Molecular Catalysis A:Chemical 140,131(1999);Heiser, Broger,およびCrameri, Tetrahedron:Asymmetry 2,51(1991)を参照)。適当なキラル還元条件としては、キラルな触媒((R−Tol−Binap)RuCl)を用いる水素化条件下での処理、およびキラルなオキサザボロリジン触媒(CBS還元としても公知;Corey,BakshiおよびShibata, J.Amer.Chem.Soc.109,5551(1987))により媒介される還元が挙げられる。この反応は、Parr容器中、水素化雰囲気下で、適当な溶媒(メタノールなど)中、約80℃で約24時間行われる。化合物(8)は、酸性水系ワークアップおよび濃縮によって単離される。以下のステップにおいて、式(VII)のラクタム化合物は、溶媒(テトラヒドロフランなど)中で、約−40℃で塩基(KOt−Buなど)の溶液を滴下して処理することによりトシルクロリドを付加して、化合物(8)を環化させることにより生成される。この反応液は室温まで加温され、含水塩化アンモニウムが添加され、濃縮される。残渣は、適当な溶媒(酢酸エチルなど)に溶解され、ブラインで洗浄され、乾燥される。当該分野で公知の方法(シリカゲルクロマトグラフィなど)によるワークアップおよび精製により、式(VII)の化合物が得られる。あるいは、化合物(8)は、適当な溶媒(テトラヒドロフランなど)中、約−78℃で約30分間のn−ブチルリチウムでの処理などの環化条件に供される。p−トルエンスルホニルクロロドが添加される。さらに約18時間後に、当該分野で公知の方法(キラルクロマトグラフィなど)によって、化合物(VII)が単離される。
【化19】

【0111】
スキームVIIIにおいて、式(VIII)の化合物(式中、Gは水素、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、または任意にC1−3アルキルもしくはハロで置換したフェニルである)は、溶媒(トルエンなど)中ほぼ室温で、塩基性条件下(水素化ナトリウムなど)で式(VII)の化合物を式GCOOQの化合物(式中、QはC1−4アルキルである)で処理し、次いでシリカゲルクロマトグラフィで処理することにより調製される。化合物(IX)は、化合物(VIII)を式QSOの化合物(式中、Qは任意にC1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ、またはNHCOC1−3アルキルで置換したフェニルである)で処理することにより生成される。この反応は、溶媒(アセトニトリルなど)中で行ってよく、約30分間撹拌してよい。当該分野で公知の方法(シリカゲルクロマトグラフィなど)によってワークアップおよび精製して、式(IX)の化合物が得られる。
【化20】

【0112】
スキームIXにおいて、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物は、不活性溶媒中で適当な触媒を用いて式(IX)のジアゾラクタムの溶液を化合物(4)で処理することにより調製してもよい。適当な触媒としては、Rh(OAc)が挙げられる。式(IX)の化合物および化合物(4)は、窒素雰囲気下でトルエンに溶解され、約45℃に加熱される。触媒のRh(OAc)が添加され、反応液は約45℃で約30分間撹拌が継続される。反応混合物を濃縮することにより、式(I)、式(Ia)または式(Ib)の粗化合物が得られ、当該分野で公知の方法(SCX−2イオン交換、シリカゲルクロマトグラフィ、および超臨界流体クロマトグラフィなど)によって単離される。
【化21】

【0113】
スキームXにおいて、化合物(4)は、酸の存在下で、化合物(9)(式中、R10は水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキル−C(O)−である)をアセトニトリルで処理して式(10)の化合物を得ることによって調製される。適当な酸としては、硫酸およびトリフルオロ酢酸が挙げられる。上記の化合物を混合した後、反応液は約45℃に約28時間加熱される。この反応液は、約0℃に冷却され、含水水酸化ナトリウムで冷まされる。化合物(10)はエタノールおよび水を用いた沈殿によって単離される。化合物(10)は、含水塩酸溶液中で約90℃に約20時間加熱される。反応液は氷および水酸化ナトリウムで冷まされる。化合物(4)は、メチルt−ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランで何回か洗浄しへプタンで沈殿させた後単離される。
【化22】

【0114】
スキームXIにおいて、化合物(4)は式(11)の化合物から調製される。無水塩化セシウム(III)は、塩化セシウム(III)七水和物を真空下で約140℃に加熱することによって調製され、次いで適当な溶媒(テトラヒドロフランなど)に室温で懸濁される。この反応液は−78℃に冷却され、メチルリチウムが滴下される。テトラヒドロフラン中の化合物(11)がこの溶液に滴下される。この反応液は約−78℃で約30分間〜4時間撹拌され、約20℃に加温される。約1〜20時間後、反応液は約−78℃に冷却され、アンモニア水が添加される。この反応液は、約20℃に約1時間加温される。化合物(4)は、当該分野で公知の方法(シリカゲルクロマトグラフィなど)によって単離される。
【実施例】
【0115】
(調製例および実施例)
HPLC方法についての条件は調製例および実施例全体を通して参照される。
【0116】
方法1
LCカラム:Waters XTerra C18 2.1×50mm 3.5μM
勾配:5−100% アセトニトリル/メタノール(50/50)(0.2%ギ酸アンモニウムを含む)で7.0分間、次いで100%で1.0分間保持、カラム温度:50℃±10℃
オートサンプラ温度:周囲
流量1.0mL/分
信号を波長214nmで検出した。
【0117】
方法2
LCカラム:Waters XTerra C18 2.1×50mm 3.5μM
勾配:5−100% アセトニトリル/メタノール(50/50)(0.2%ギ酸アンモニウムを含む)で3.5分間、次いで100%で0.5分間保持、カラム温度:50℃±10℃
オートサンプラ温度:周囲
流量:1.0mL/分
信号を波長214nmで検出した。
【0118】
方法3
LCカラム:Phenomenex Gemini C18 2.0×50mm 3.0μM
勾配:5−100% ACN ACN(0.1%ギ酸を含む)で7.0分間、次いで100%で1.0分間保持、
カラム温度:50℃±10℃
オートサンプラ温度:周囲
流量:1.0mL/分
信号を波長300nmで検出した。
【0119】
方法4
LCカラム:Zorbax RX−C18 4.6×250mm 5μm
勾配:50−90% アセトニトリル(0.03M リン酸緩衝液(2L Milli−Q HO中のリン酸緩衝液=5.52g NaHPOおよび1.4mL HPO)で15分間。カラム温度:40℃
オートサンプラ温度:周囲
流量:1.5mL/分
信号を波長260nmで検出した。
【0120】
(キラルHPLC条件)
方法A
カラム:0.46×15cm Chiralpak AD−H
定組成:0.2% ジメチルエチルアミンを含む無水エタノール
流量:0.6mL/分
UV250nm。
【0121】
方法B
カラム:0.46×15cm Chiralpak AD−H
定組成:0.2% ジメチルエチルアミンを含む100% MeOH
流量:0.6mL/分
UV260nm。
【0122】
(調製例1)
(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化23】

3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(15.0g、78.6mmol)、4−フルオロアニリン(22.4mL、236mmol)およびピルビン酸エチル(8.65mL、78.6mmol)を氷酢酸(60mL)中、周囲温度で72時間撹拌した。沈殿物を濾過し、3:1 へプタン/MTBE混合物で洗浄した。真空下で乾燥し、標題の化合物(20.9g、60%)をオフホワイトの粉末として得た:MS(m/z):445(M−1)。
【0123】
基本的に調製例1の方法により以下の化合物を調製した。
【表1】









【0124】
(調製例17)
(±)−5−(3−メチル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化24】

無水テトラヒドロフラン(3.15mL、38.75mmol)中の3−メチルベンズアルデヒド(1.68mL、14.21mmol)、ピルビン酸エチル(1.42mL、12.93mmol)、酢酸(1.85mL、32.30mmol)の混合物を、窒素雰囲気下で撹拌した。4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(3.84mL、28.42mmol)を2分間かけて滴下した。この黄色溶液を80℃に12時間加熱した。周囲温度まで冷却し、黄色沈殿物を濾過し、10%アセトン/水(50mL)で洗浄した。この黄色固体を真空下、40℃で乾燥し、標題の化合物(4.18g、64%)を得た。MS(m/z):509.1(M+1)。
【0125】
基本的に調製例17の方法により以下の化合物を調製した。
【表2】




【0126】
(調製例26)
(±)5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化25】

ベンズアルデヒド(50.0g、472mmol)、ピルビン酸エチル(55.3g、476mmol)および酢酸(350mL)を窒素雰囲気下、周囲温度で混合し、10分まで〜15分間撹拌した。温度を35℃までに維持しながら、4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(183.8g、1038mmol)を1時間までかけて滴下した。生成した混合物を周囲温度で一晩(16時間まで)撹拌した。イソプロピルアルコール(350mL)および水(350mL)を加えた。生成した混合物を周囲温度で15分間撹拌した。濾過し、固体を1:1 イソプロピルアルコール:水(2×150mL)ですすいだ。一晩40℃の真空オーブンで乾燥し、標題の化合物を黄色固体(191.4g、収率82%)として得た。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ 8.43(s,1H),7.74(dt,2H,J=9.0Hz,2.8Hz)7.37(dt,2H,J=9.5Hz,2.2Hz),7.32(d,2H,J=9.0Hz),7.30−7.25(m,4H),7.22−7.19(m,3H),6.43(d,1H,J=3Hz),6.08(d,1H,J=2.5Hz);MS(m/z):493(M−1)。
【0127】
(調製例27)
(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化26】

3−(トリフルオロメトキシ)−ベンズアルデヒド(25.0g、132mmol)およびピルビン酸エチル(15.3g、132mmol)を氷酢酸(125mL)中、周囲温度で10分間撹拌した。撹拌を続けながら、4−(トリフルオロメチル)アニリン(46.7g、290mmol)を15分間かけて滴下し、この溶液を30℃まで加温し、22〜24時間撹拌した。この溶液を26℃まで冷却し、iso−プロピルアルコール(125mL)および水(125mL)を加えた。この溶液を室温で15分間撹拌し、沈殿物を濾過し、iso−プロピルアルコール−水の1:1混合物(100mL×2)で洗浄した。真空下、40℃で乾燥し、標題の化合物(60.46g、84%)を白色粉末として得た:HPLC(方法4)保持時間:10.9分間。MS(m/z):545.1(M−1)。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 8.76(s,1H),7.86(d,2H,J=8.5Hz),7.70(d,2H,J=8.5Hz),7.56(d,2H,J=9.0Hz),7.47(d,2H,J=8.5Hz),7.44−7.41(m,1H),7.37(s,1H),7.29(d,1H,J=8.0Hz),7.22(d,1H,J=8.0Hz),6.66(d,1H,J=3.0Hz),6.29(d,1H,J=2.5Hz)。
【0128】
(調製例28)
(±)−1−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン
【化27】

および
(±)−3−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−イソプロピル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化28】

(±)−1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(4−イソプロピル−フェニルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(2.0g、4.04mmol)、氷酢酸(30mL)および塩化水素酸(20mL)を混合した。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。氷/水に注ぎ込み、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥し、黄色固体を得た。この黄色固体を取り出し、上記の手順を繰り返し、標題の化合物(0.9g、59%)を得た。MS(m/z):378(M+1)。
【0129】
基本的に調製例28の方法により以下の化合物を調製した。
【表3】

【0130】
(調製例31)
(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化29】

(調製例32)
(R)−1−(4−ブロモ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化30】

(±)−1−(4−ブロモ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン(14.6g、35.2mmol)をジクロロメタン(35mL)に溶解させた。(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(6.8mL、52.8mmol)を加え、周囲温度で一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、最初に溶出する(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(6.6g、36%):MS(m/z):517.0(M+1)。RP HPLC:Tr=5.53分(方法3)および2番目に溶出する(R)−1−(4−ブロモ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(5.8g、32%):MS(m/z):517.0(M+1)。RP HPLC:Tr=5.44分(方法3)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 7.45(dd,4H,J=18.5,9.2Hz),7.33(d,2H,J=7.5Hz),7.28−7.19(m,3H),7.15−7.05(m,2H),7.15−7.05(m,2H),6.99(d,1H,J=7.9Hz),6.90(s,1H),5.89(d,1H,J=7.0Hz),5.85(d,1H,J=2.2Hz),5.14(d,1H,J=2.6Hz),4.35−4.26(m,1H),1.43(d,3H,J=7.0Hz)。
【0131】
基本的に調製例28、調製例31および調製例32の方法により以下の化合物を調製した。
【表4】

【0132】
(調製例34)
(±)−3−ヒドロキシ−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化31】

および
(±)−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン
【化32】

酢酸(6.54mL、114mmol)、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(5.55mL、42.8mmol)、水(32mL)、およびTFA(4.32mL、57.1mmol)をTHF(102mL)中の(±)−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(16.0g、28.6mmol)の溶液に逐次的に加えた。この反応混合物を35℃に22時間加熱した。
【0133】
この反応混合物を室温まで冷却し、酢酸イソプロピル(40mL)およびトルエン(160mL)を一度に加えた。この混合物を水(3×)、次いでpH7緩衝液(2×)で洗浄した。層分離させ、水層がpH=7であることを観察した。この有機層を水(1×)およびブライン(1×)で洗浄した。この有機層が標題の化合物を含有していることを観察した。LC−MS ESI m/z:416(M−H)。
【0134】
(調製例35)
(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロリジン−2,3−ジオン
【化33】

および
(±)−3−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化34】

エタノール(120mL)、氷酢酸(15mL)、水(3.0mL、164.7mmol)、トリフルオロ酢酸(6.2mL、82.4mmol)、(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(30.0g、54.9mmol)、および2,5−ジメトキシ−テトラヒドロフラン(10.7mL、82.4mmol)を混合した。この溶液を50℃に加温し、この反応混合物を15〜18時間撹拌した。この溶液を加熱することを止め、水(35mL)を加え、この反応混合物を−19℃に冷却した。スラリーを濾過し、この固体を水−メタノールの1:4混合物(20mL)で洗浄した。濾液を分液ロートに移し、6%ブライン(280mL)で洗浄し、6%ブライン(100mL)、メタノール(40mL)、ジエチルエーテル(100mL)、および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(43mL)をこの有機相に加えた。層分離させ,メタノール(60mL)をこの有機相に加え、この溶液を(±)−3−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを含むほぼ1容積まで濃縮した。
【0135】
(調製例36)
(S)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化35】

および
(調製例37)
(R)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化36】

(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(45.0mL、349.8mmol)を、調製例34または調製例35で説明した、(±)−3−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを含有する有機層に加えた。この溶液を周囲温度で72時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(5〜15% EtOAc−ヘキサン)によって精製して(S)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(32.4g、37%)を褐色フォーム状物として、そして(R)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(26.0g、29%)を淡橙色油状物として得た。
【0136】
(S)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 7.74(d,2H,J=8.8Hz),7.62(d,2H,J=8.8Hz),7.39−7.34(m,3H),7.28(dd,2H,J=7.7,7.1Hz),7.21−7.14(m,4H),6.04(d,1H,J=7.5Hz),5.91(d,1H,J=2.6Hz),5.21(d,1H,J=2.6Hz),4.31−4.23(m,1H),1.42(d,3H,J=7.0Hz)。MS(m/z):507(M+1)。
【0137】
(R)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 7.76(d,2H,J=8.8Hz),7.62(d,2H,J=8.8Hz),7.34(d,2H,J=7.0Hz),7.28−7.20(m,3H),7.14−7.06(m,2H),7.02(d,1H,J=7.9Hz),6.96(s,1H),5.96−5.92(m,2H),5.19(d,1H,J=2.6Hz),4.36−4.27(m,1H),1.44(d,3H,J=7.0Hz)。MS(m/z):507(M+1)。
【0138】
基本的に調製例(34または35)および調製例36および調製例37の方法により以下の化合物を調製した。
【表5】























【0139】
(調製例64)
(5R)−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−((1R)−1−フェニルエチルアミノ)−5−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化37】

(±)5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(100g、202mmol)、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン932.4g、244mmol)、トルエン(400mL)、水(150mL)、酢酸(50mL)およびトリフルオロ酢酸(23.5g、203mmol)を窒素雰囲気下で混合した。温度を35℃〜45℃に維持しながら、3時間撹拌した。周囲温度まで冷却し、トルエン(100mL)を用いて分液ロートに移した。相を分離させ、有機相を水(2×500mL)で洗浄した。この有機相を、トルエン(100mL)を用いて分離型フラスコに移した。(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(29.4g、243mmol)を加えた。周囲温度で反応が完結するまで(18時間まで)撹拌した。溶液を減圧下で(26mmHgまでで40℃〜46℃)全体積が250mLになるまで濃縮した。イソプロピルアルコール(500mL)を加えた。生成した溶液を減圧下で(26mmHgまでで30℃〜39℃)全容積が250mLになるまで濃縮した。イソプロピルアルコール(250mL)を加えた。この溶液を0℃〜−5℃に冷却し、標題の化合物の種晶を加えた。−12℃に冷却した。1.5時間撹拌し、濾過し、その固体を冷イソプロピルアルコール(100mL)でリンスした。フィルター上で乾燥し、46.5gの褐色固体を得た。この固体の一部(42.0g)をへプタン(300mL)中、周囲温度で2時間スラリー化した。濾過し、固体をへプタン(2×30mL)でリンスした。この固体を乾燥して、標題の化合物を淡褐色固体(26.0g、収率32%)として得た。H NMR(CDCl3,500MHz):δ 7.50(dt,2H,J=8.5Hz,2.0Hz),7.34−7.28(m,4H),7.22−7.17(m,4H),7.09(d,2H,J=8.5Hz),7.00(dd,2H,J=7.3Hz,1.8Hz),5.41(d,1H,J=3.0Hz),5.05(d,1H,J=3.0Hz),4.65(br s,1H),4.34(q,1H,J=6.7Hz),1.55(d,3H,J=6.7Hz);MS(m/z):439(M+1)。
【0140】
(調製例65)
(±)−5−m−トリル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン
【化38】

および
(±)−3−ヒドロキシ−5−m−トリル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化39】

THF(20mL、5容積分)を、(±)−5−(3−メチル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(4.18g、8.22mmol)が入っているフラスコに入れた。酢酸(1.88mL、32.89mmol)を上記の透明溶液に加え、黄色溶液を得た。2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(1.28mL、9.87mmol)を加え、水(0.2mL、9.87mmol)を加えた。TFA(1.25mL、16.44mmol)をこの反応混合物に加え、わずかな発熱(23〜30℃)を観察した。反応混合物を40℃で22時間加熱した。この茶色溶液を水(50mL)に注ぎ込み、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。この有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL×2)、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、標題の化合物を得るよう蒸発させた。MS(m/z):350.1(M+1)。
【0141】
基本的に調製例65の方法により以下の化合物を調製した。
【0142】
【表6】




(調製例77)
(±)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化40】

トルエン(20mL)を、(±)−5−m−トリル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン(4.13g;11.82mmol)が入っているフラスコに入れた。1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(4.83g、23.65mmol)をNの雰囲気中で上記の溶液に加えた。この反応混合物を80℃に24時間加熱した。周囲温度まで冷却し、真空中で蒸発させた。MeOH(90mL)中に溶解させ、SCX−2イオン交換樹脂カートリッジを通した。MeOH洗浄液を蒸発させ、粗生成物を得た。(メタノールで溶出した)SCX−2イオン交換樹脂カートリッジで精製し、次いでiso−ヘキサン/酢酸エチル(80:20)で溶出するシリカゲルカラムでのクロマトグラフィで精製し、標題の化合物(2.54g、58%)を得た。MS(m/z):536.1(M+1)。
【0143】
基本的に調製例77の方法により以下の化合物を調製した。
【表7】







【0144】
(調製例92)
(5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
【化41】

水(550mL)およびトリフルオロ酢酸(142mL、1.8mol)を、1.37Lのトルエン中の(R)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−(1−フェニル−エチルアミノ)−5−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(275g、621mmol)の撹拌したスラリーに加えた。生成した二相系混合物を窒素雰囲気下で周囲温度で3.5時間撹拌した。この混合物を、カニューレを用いて底弁を備えた反応器に移し、水(2.0L)およびトルエン(2.0L)で希釈した。水層を捨て、有機相を1N HCl(1L)で洗浄した。有機層を新しいフラスコに移し、酢酸(200mL)、および1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(191g、939mmol)を加えた。この混合物を周囲温度で2時間撹拌し、40℃に96時間加熱した。MTBE(2.0L)を加え、水(2.0L)で洗浄した。水層を捨て、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(2.0L)で洗浄した。MTBE相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で(10torr(約1.3kPa)、30℃)油状物になるまで濃縮した。この油状物を1.0Lの15% MTBE/ヘキサンで希釈し、生成したスラリーを周囲温度で1時間撹拌した。固体を真空濾過により単離し、この固体を200mLの15% MTBE/ヘキサン(200mL)ですすいだ。この固体を減圧下で乾燥し、(5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを白色固体(326g、88%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 8.78(1H,d,J=4Hz),8.05(1H,dd,J=4,8Hz,),7.80(1H,d,J=8Hz),7.63(2H,m),7.26(2H,m),7.08−7.18(5H,m,),7.02(2H,m),5.72(2H,m),4.77(1H,m),1.65(3H,s),1.62(3H,s);MS(m/z):522.0(M+1)。
【0145】
(調製例93)
1−(6−クロロピリジン−3−イル)−1−メチルエチルアミン
【化42】

参考文献:J.Org.Chem.1992,57(16),4521−4527。
塩化セリウム(III)七水和物(22.4g、30.1mmol)を真空下、140℃で一晩乾燥した。周囲温度まで冷却し、THF(120mL)を加えた。混合物を30分間〜2時間撹拌した。この混合物を−78℃に冷却し、メチルリチウム(1.6M EtO溶液;38mL、30mmol)を滴下した。反応混合物を−78℃で30分間〜1時間撹拌し、次いでTHF(20mL)中の2−クロロピリジン−5−カルボニトリル(2.77g、20.0mmol)の溶液を加えた。−78℃で30分間〜4時間撹拌し、反応混合物を1時間、20℃まで加温した。この反応混合物を−78℃に冷却し、アンモニア水(38mL)を加えた。反応混合物を1時間、20℃まで加温した。上澄みを静かに移し、固体残渣をジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(330g)のカラムに移し、(0〜10%[メタノール中の1Mアンモニア]/ジクロロメタン)で溶出し、2.21g(64.8%)の標題の化合物を黄色油状物として得た。MS(m/z):171.0(M+1)。H NMRは、純粋な所望の生成物であることを示した。H NMR(CDCl):δ=8.53(d,J=2.4Hz,1H),7.82(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),7.26(dd,J=8.4,0.8Hz,1H),1.87(s,2H),1.50(s,6H)ppm。
【0146】
基本的に調製例93の方法により以下の化合物を調製した。
【表8】

【0147】
(調製例96)
3−トリフルオロメチルスルファニル−ベンズアルデヒド
【化43】

ジクロロメタン(2mL)中のジメチルスルホキシド(0.82mL、11.5mmol)溶液を5分間かけて、−78℃に冷却したジクロロメタン(10mL)中のオキサリルクロリド(0.46mL、5.28mmol)溶液に加えた。10分間撹拌し、ジクロロメタン(4mL)中の(3−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル)−メタノール(1.00g、4.80mmol)の溶液を加えた。15分間撹拌し、トリエチルアミン(3.35mL、24.0mmol)を加えた。周囲温度までゆっくり加温し、水を加えて有機層を分離した。水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィ(10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、標題の化合物を黄色液体(896mg、91%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 7.74(dd,J=7.6,7.6,1H),8.01(d,J=7.9,1H),8.09(d,J=7.5,1H),8.12(s,1H),10.03(s,1H)。
【0148】
(調製例97)
6−シクロプロピルニコチノニトリル
【化44】

トルエン(40.00mL)および水(2mL)中の2−ブロモ−5−シアノピリジン(1.83g、10.0mmol)、シクロプロピルボロン酸(1.1g、13mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.11g、0.49mmol)、およびリン酸カリウム(7.4g、35mmol)の混合物を、その混合物に窒素を吹き込むことにより脱酸素した。トリシクロヘキシルホスフィン(1.0mL、1.0mmol、トルエン中1M)を加えた。反応混合物を100℃で14時間加熱し、反応混合物を放冷した。上澄みを静かに移し、残ったスラッジをジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機物を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィ(0〜5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題の化合物を白色結晶性固体(774mg、47%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.08(m,4H),2.05(m,1H),7.23(dd,J=8.2,1.0Hz,1H),7.73(dd,J=8.0,2.4Hz,1H),8.66(d,J=1.2Hz,1H)。
【0149】
(調製例98)
6−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
【化45】

標題の化合物を、「6−(ハロアルキル)−3−ピリジンカルボン酸の調製」と題する独国特許(Mueller,Peter(Bayer A.−G.,ドイツ)、欧州特許出願公開(2003),13pp.EP1340747 A1 20030903)に記載されている手順によって調製した。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ 9.19(s,1H),8.53(dd,1H,J=1.5,8.5),8.04(d,1H,J=8),4.38(q,2H,J=7),1.34(t,3H,J=7)。
【0150】
(調製例99)
2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロパン−2−オール
【化46】

工業銘柄6−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(45.6 mol;10.00kg)およびtert−ブチルメチルエーテル(71.6L;53.0kg)が入っている不活性化した反応槽の内容物を10〜15℃に冷却し、この溶液を3Mメチルマグネシウムクロライド(136.8mol;45.6L;46.2kg)およびテトラヒドロフラン(76.5L;68.0kg)が入った、5〜12℃に冷却した別の不活性化した反応容器に加えた。添加の間、中程度の発熱を観察し、内部の反応温度を15〜25℃に維持した。出発物質のエステルが完全に消費されたことをHPLCによって確認し、この反応器の内容物を0〜3℃に冷却した。反応容器からの内容物を塩酸(203mol;16.67L;20.0kg)および水(81.0L、81.0kg)が入った、0〜5℃に冷却した別の反応器にゆっくり加え、気体の発生を観察した。層分離させ、水相をtert−ブチルメチルエーテル(59.5L;44.0kg)で1回抽出した。有機層を合わせ、20%塩化ナトリウム溶液(189.3mol;46.5L;55.3kg)で洗浄した。有機溶液を濾過し、約1体容積まで濃縮し、アセトニトリル(31.8L;25.0kg)で希釈した。この溶液約1容積まで濃縮し、標題の化合物をアセトニトリル中の工業銘柄油状物(7.9kg;HPLCに基づいて84.4%)として得た。この粗生成物を、さらに精製することなくアセトニトリル溶液として使用した。この生成物の純粋な試料は、以下に提示する手順によって得ることができる。
【0151】
精製(任意):標題の化合物(1.81kg、8.82mol)を、メチルt−ブチルエーテル(3L、2.2Kg)、水(500mL)および飽和含水重炭酸ナトリウム(500mL)とともに22L分液ロートに入れ、10分間撹拌した。鮮黄色の水層を分離し、有機相を22Lフラスコに移した。硫酸マグネシウム(200g、1.66mol)をこのフラスコに加え、10分間撹拌し、濾過した。濾液を油状物まで濃縮し、アセトニトリル(2×3L)と2回共蒸発させ、標題の化合物を1.64kg(90.6%)の重量の油状物として得た。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ 8.85(d,1H,J=2.5Hz),8.10(dd,1H,J=2,8Hz),7.81(d,1H,J=8Hz),5.42(s,1H),1.47(s,6H)。
【0152】
(調製例100)
N−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチル]−アセトアミド
【化47】

アセトニトリル(67.4L;53.0kg)を2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロパン−2−オール(52mol;12.8kg)が入った反応容器に加え、0〜5℃に冷却した。内部反応温度を0〜15℃に維持しながら、濃硫酸(372mol;19.8L;36.5kg)をゆっくり加えた。溶液を25〜30℃に24時間加熱し、反応の終了をHPLCにより観察した。撹拌しながら、この混合物を0℃に冷却し、水(95.0L;95.0kg)を加えた。アンモニア水(57.5kg)の溶液を加え、溶液のpHを8.0〜9.0に調整し、tert−ブチルメチルエーテル(81.1L;60.0kg)を加えた。下側の水層を分離し、有機層を約3容積分まで濃縮し、反応液の内容物を−5〜0℃に冷却した。得られた固体を濾過し、重量が一定になるまで真空下で乾燥し、標題の化合物を81.8%の純度の淡黄色固体(13.4kg;HPLCに基づき87.3%)として集めた。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ 8.68(d,1H,J=2Hz),8.30(s,1H),7.92(dd,1H,J=2.5,8.5Hz),7.79(d,1H,J=5.8Hz),1.82(s,3H),1.56(s,6H)。
【0153】
(調製例101)
1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン
【化48】

N−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチル]−アセトアミド(93.5mol、19.1kg)、濃塩酸(805.9mol;66.2L;79.4kg),および水(79.4L;79.4kg)の混合物を、窒素下で撹拌しながら95〜100℃に24時間加熱した。この反応混合物を20〜35℃まで冷却し、反応の終了をHPLCにより観察した。反応容器を10〜20℃に冷却し、tert−ブチルメチルエーテル(105.4L;78.0kg)を加えた。相を分離させ、有機層を捨てた。15%水酸化ナトリウム(910.9mol;205L;242.9kg)をこの水相に加え、pHが9.5〜10.5であることを観察した。水層を酢酸エチル(3×89mL;3×80.0kg)で抽出し、有機層を合わせ、水相を捨てた。この溶液を約2容積分まで濃縮し、tert−ブチルメチルエーテル(174L;129.1kg)を加え、この溶液を約2容積分まで濃縮した。反応槽をn−へプタン(168L;115.0kg)で希釈し、この溶液を約2容積分まで濃縮し、さらなるn−へプタン(30L、20.7kg)で希釈した。反応混合物の内容物を0〜5℃に冷却し、混合物を0〜5℃で2時間撹拌した。濾過し、得られた固体を真空下、35〜45℃で乾燥し、標題の化合物(14.19kg;HPLCに基づき74.3%)を97.9%純度の褐色粉末として得た。
【0154】
(調製例102)
1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン;トルエン−4−スルホン酸との複合物
【化49】

メチルt−ブチルエーテル(1.4L)中の1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(280g、1.37mol)溶液を、テトラヒドロフラン(980mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(212.5g、1.23mol)溶液に加えた。pHが2.0であり、28℃まで発熱したことを観察した。18℃まで冷却し、固体を濾過した。濾過ケーキをメチルt−ブチルエーテル(1.4L)ですすいだ。この濾過ケーキを周囲温度で真空乾燥し、408g(79%)の標題の化合物を白色固体として集めた。H NMR(DMSO−d,500MHz):δ 8.94(d,1H,J=2.5),8.53(br s,3H),8.2(dd,1H,J=5.5,8),8.02(d,1H,J=8),7.46(d,2H,J=8),7.10(d,2H,J=7.5),2.27(s,3H),1.68(s,6H)。
【0155】
(調製例103)
1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン
【化50】

5Lの三つ口フラスコに1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン;トルエン−4−スルホン酸との化合物(990g、2.63mol)を秤量した。メチルt−ブチルエーテル(2.48L)を加えて懸濁液を形成し、これを氷浴で冷却した。水酸化ナトリウムの5M溶液(578.64mL、2.89mol)を加え、pH12.2の二相系混合物を得た。相を分離させ有機相を水(125mL)で抽出した。有機相を除去し、減圧下で濃縮し、残渣(200g)を得た。水相をメチルt−ブチルエーテル(990mL)とテトラヒドロフラン(1.32L)との混合物で抽出した。有機相を分離し、減圧下で濃縮し、別の残渣(200g)を得た。水相がpH10.1であることを観察し、5N NaOH(157.8mL、0.789mol)を加えて、pH13にした。水相をジクロロメタン(1.32L)で抽出した。相を分離させ、有機相を第3の残渣まで濃縮した。アミンの3つの残渣を合わせ、混合しながらへプタン(1L)中に懸濁させ、この懸濁液を濃縮して427g(79.5%)の精製した標題の化合物を白色結晶性固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz):δ 8.91(d,1H,J=2.5),8.05(dd,1H,J=2,8),7.64(d,1H,J=8.5),1.68(br s,2H),1.55(s,6H)。
【0156】
(調製例104)
3−エチル−ベンズアルデヒド
【化51】

水素化ジイソブチルアルミニウムの1Mトルエン溶液(76mmol)を、ドライアイス−アセトン浴中、窒素下でトルエン(50mL)中のm−エチルベンゾニトリル(38mmol)溶液に滴下した。30分間撹拌し、酢酸(20mL)を滴下し、次いで水(100mL)を加えた。この反応液を2時間撹拌した。層分離させ、この水層をトルエンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、標題の化合物(4.5g、88%収率)を得た。HNMR(400.43MHz,CDCl):δ 9.97(s,1H),7.69−7.66(m,2H),7.46−7.40(m,2H),2.71(q,J=7.6Hz,2H),1.25(t,J=7.5Hz,3H)。
【0157】
(調製例105)
3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−安息香酸エチルエステル
【化52】

ポリプロピレンチューブ中で、3−アセチル安息香酸エチル(5.2mmol)をジクロロメタン(13mL)に溶解させた。(ビス(2−メトキシエチル)含硫アミノトリフルオリド(Deoxofluor)(10.4mmol)およびエタノール(15μl)を加えた。窒素をパージし、チューブを封管し、60℃で18時間加熱した。さらなるDeoxofluor(10.4mmol)を加え、さらに24時間加熱した。冷却した反応液を5%含水重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。1:1 ジクロロメタン:ヘキサンで溶出してシリカ(40g)で精製、最初に溶出する物質を集めた。蒸発させて、標題の化合物を透明な無色の液体として68%収率で得た。HNMR(400.43MHz,CDCl):δ 8.15(s,1H),8.08(d,J=7.9Hz,1H),7.67(d,J=7.9Hz,1H),7.48(t,J=8.1Hz,1H),4.37(q,J=7.2Hz,2H),1.96−1.87(m,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H)。
【0158】
(調製例106)
[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−メタノール
【化53】

THF(5mL)中の3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−安息香酸エチルエステル(3.57mmol)溶液を、水素化アルミニウムリチウムの1M THF溶液(4.3mL)に室温で滴下した。20分間撹拌し、氷を加え次いで濃硫酸および氷の混合物(約1:1 v:v)を加えた。エチルエーテルで抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、標題の化合物を97%収率で得た。GCMS MW 172(M)。H NMR(400.43MHz,CDCl):δ 7.49(s,1H),7.41−7.39(m,3H),4.70(s,2H),1.94−1.85(m,3H)。
【0159】
(調製例107)
3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−ベンズアルデヒド
【化54】

ジクロロメタン(10.5mL)中の[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−メタノール(3.47mmol)の溶液を、ジクロロメタン(10.5mL)中の3,3,3−トリアセトキシ−3−ヨードフタリド(3.64mmol)の懸濁液に室温で滴下した。30分間撹拌した。ジエチルエーテル(10mL)およびチオ硫酸ナトリウム(3g)を含有する5%含水重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。20分間十分に混合した。層分離させ、水層をエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、黄色固体を得た。0〜50%ジクロロメタンを含むヘキサンで溶出してシリカ(40g)で精製した。揮発性生成物を逃がさないように注意して、ほとんどの溶媒が除去されるまでエバポレーションした。窒素流を生成物に吹き付けることによってさらに乾燥し、標題の化合物を70%収率で得た。HNMR(400.43MHz,CDCl):δ 10.03(s,1H),8.00(s,1H),7.92(d,J=7.5Hz,1H),7.75(d,J=7.0Hz,1H),7.59(t,J=7.7Hz,1H),1.98−1.89(m,3H)。
【0160】
(調製例108)
3−シクロプロポキシベンゾニトリル
【化55】

3−シアノフェノール(9.5g、80mmol)、臭化シクロプロピル(8.0mL;100mmol)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(18mL、120mmol)の5つの10mLチューブに均等に分けた溶液を、撹拌および冷却しながら15分間照射した(200℃、6Wまで[最大150W]、25psiまで(約17.2kPa))。冷却後、暗色の反応混合物を水(200mL)と一緒にし、エーテル(200mL)で抽出した。有機層を0.2M含水NaOH(40mL、塩添加)、0.2M含水HCl(100mL、塩添加)、および水(100mL、塩添加)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ロータリーエバポレーションにかけ(30℃)、3−シクロプロポキシベンゾニトリル(4.56g、28.65mmol、36%収率)を暗茶色液体として得た。GCMS:4.20分;EIMS m/z 159。
【0161】
(調製例109)
3−シクロプロポキシベンズアルデヒド
【化56】

水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0M ジクロロメタン溶液;47mL、47mmol)を、イソプロパノール/ドライアイス浴(−78℃)で冷却した無水ジクロロメタン(200mL)中の3−シクロプロポキシベンゾニトリル(6.45g、39.3mmol)の溶液に5分間かけて加えた。この槽を取り除き、反応溶液を加温した。1時間(18℃)後、反応溶液をエーテル(20mL)で希釈し、氷浴で5℃に冷却した。水(2mL)を加え、次いで5M NaOH(2mL)を加え、さらに水(5mL)を加えた。氷浴を取り除き、この反応混合物を20℃で15分間撹拌した。無水MgSOを加え、反応混合物を15分間撹拌した。珪藻土を通してこの混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションにかけ(30℃)、粗3−シクロプロポキシベンズアルデヒド(6.33g、39mmol、99%収率)を橙色−黄色油状物として得た。GCMS:EIMS m/z 162。
【0162】
(調製例110)
4−(3−フルオロ−フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−オキソ−ブチルアミド
【化57】

4−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸[C.A.69797−46−2](J.Med.Chem.(1983)26 381)(1.96g、10mmol)、4−トリフルオロメトキシアニリン(1.77g、10mmol)およびO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(3.5g、11mmol)をジメチルホルムアミド(30mL)中で撹拌した。トリエチルアミン(2.02g、20mmol)を加えた。室温で48時間撹拌した。希含水HCl(250mL)に注ぎ込み、酢酸エチル中に抽出した。有機相を水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させ、シリカゲルカラム(ジクロロメタン−酢酸エチル)で精製し、標題の化合物(3.13g、88%収率)を得た。MS(m/z):356(M+1)。
【0163】
(調製例111)
(±)−4−(3−フルオロ−フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ブチルアミド
【化58】

4−(3−フルオロ−フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−オキソ−ブチルアミド(3.0g、8.5mmol)をエタノール(70mL)中で室温で撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(650mg、17.2mmol)を少しずつ加え、TLCで出発物質が残っていないとわかるまで室温で撹拌した。アセトンを加えて過剰の水素化ホウ素をクエンチし、反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルに再溶解し、ブラインで洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、標題の化合物(2.0g、67%収率)を得た。MS(m/z):358(M+1)。
【0164】
(調製例112)
(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化59】

および
(調製例113)
(S)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化60】

4−(3−フルオロ−フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ブチルアミド(2.45g、6.86mmol)およびp−トルエンスルホニルクロリド(1.63g、8.60mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(30mL)中、窒素下で撹拌した。−40℃に冷却し、カリウムt−ブトキシド(1M テトラヒドロフラン溶液)(17.2mL、17.2mmol)をゆっくり加えた。室温までゆっくり加温し、2時間撹拌した。含水NHCl溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。蒸発させ、シリカゲルカラム(ジクロロメタン−酢酸エチル)で精製し、(±)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(1.9g、82%収率)を得た。MS(m/z):340(M+1)。
【0165】
(機器分析)
6方向に通じるカラム・溶媒切り替え装置を備えたBerger Minigramシステムで超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)分析を行った。Berger Multigram IIシステムでSFC精製を行った。両システムに、Mettler−Toledo AutoChem(Leicester、UK)から供給されたKnauer可変波長UV検出器を備え付けた。同様にMettler−Toledo AutoChemによって供給されたBerger GDS−3000システムによって、液体COを実験室に送達した。
【0166】
30%メタノール/プロパン−2−アミンを含む超臨界二酸化炭素で溶出して、ADHカラムでの超臨界流体クロマトグラフィによってラセミ混合物を分離して、2つの鏡像異性体を得た。(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン:891mg。(S)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン:889mg。
【0167】
(調製例114)
(5R)−3−(4−クロロベンゾイル)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化61】

(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(0.89g、2.63mmol)を無水トルエン(40mL)中の水素化ナトリウム(0.61g、15.36mmol)の懸濁液に加え、窒素下室温で撹拌した。メタノール(0.29mL、約16mmol)を加え、次いでp−クロロ安息香酸メチル(1.2g、7.0mmol)を加えた。還流状態で一晩加熱した。冷却し、含水NHCl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、シリカゲルカラム(イソヘキサン−酢酸エチル)で精製し、標題の化合物(1.1g、88%収率)を得た。MS(m/z):478(M+1)。
【0168】
基本的に調製例114の方法により以下の化合物を調製した。
【表9】

【0169】
(調製例116)
(5R)−3−ジアゾ−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化62】

アジ化ナトリウム(2.6g、40mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(260mg、0.8mmol)を2N水酸化ナトリウム溶液(50mL)に溶解させ、イソヘキサン(50mL)を加え、氷水浴中で冷却しながら撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.0mL、約12mmol)を滴下し、冷却しながら10分間撹拌した。(5R)−(3−(4−クロロベンゾイル−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(1.1g、2.3mmol)をアセトニトリル(30mL)に溶解させ、この反応混合物に加え、30分間激しく撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄した。有機相を集め、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させ、シリカゲルカラム(イソヘキサン−酢酸エチル)で精製し、標題の化合物(590mg、70%収率)を得た。MS(m/z):366(M+1)。
【0170】
基本的に調製例116の方法により以下の化合物を調製した。
【表10】

【0171】
(実施例1)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン トシレート
【化63】

および
(実施例2)
(3S,5S)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン トシレート
【化64】

(±)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(2.19g;4.09mmol)を酢酸(15mL)に溶解させ、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.77g、12.27mmol)を加えた。周囲温度で12時間撹拌した。氷/水(50mL)に注ぎ込み、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(20mL×3)、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で油状物までエバポレーションした。SCX−2イオン交換樹脂カートリッジ(メタノール、次いでメタノール中の2M NHで溶出)、次いでシリカゲルカラムでのクロマトグラフィ(酢酸エチル/iso−ヘキサンで溶出)で精製し、標題の化合物をラセミ混合物(1.60g、73%)として得た。MS(m/z):538.2(M+1)。
【0172】
6方向に通じるカラム・溶媒切り替え装置を備えたBerger Minigramシステムで超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)分析を行った。Berger Multigram IIシステムでSFC精製を行った。両システムに、Mettler−Toledo AutoChem(Leicester、UK)から供給されたKnauer可変波長UV検出器を備え付けた。同様にMettler−Toledo AutoChemによって供給されたBerger GDS−3000システムによって、液体COを実験室に送達した。
【0173】
30%メタノール/プロパン−2−アミンを含む超臨界二酸化炭素で溶出するADHカラムでの超臨界流体クロマトグラフィによってラセミ混合物を分離して、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(0.62g、47.6%)(10%イソプロピルアルコール/プロパン−2−アミンを含む超臨界二酸化炭素で溶出、保持時間0.65分、MS(m/z):538.2(M+1))を得た。イソプロピルアルコール中でp−トルエンスルホン酸(219mg、1当量)を用いてp−トルエンスルホン酸塩を調製し、結晶を濾過した。H NMR(400.13MHz,MeOD):δ 9.08(d,J=2.0Hz,1H),8.41(dd,J=2.2,8.6Hz,1H),7.94(d,J=8.3Hz,1H),7.72(d,J=8.3Hz,2H),7.41−7.37(m,2H),7.23−7.05(m,8H),5.21(dd,J=6.1,9.3Hz,1H),4.36(dd,J=8.6,11.5Hz,1H),2.83−2.76(m,1H),2.38(s,3H),2.26(s,3H),2.22−2.11(m,1H),2.01(d,J=1.5Hz,6H)。加えて、(3S,5S)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(m−トリル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(0.58g、45.1%)(10%イソプロピルアルコール/プロパン−2−アミンを含む超臨界二酸化炭素で溶出、保持時間1.03分、MS(m/z):538.2(M+1))も得た。イソプロピルアルコール中でp−トルエンスルホン酸(205mg、1当量)を用いてp−トルエンスルホン酸塩を調製し、結晶を濾過した。H NMR(400.13MHz,MeOD):δ 9.08(d,J=2.2Hz,1H),8.40(dd,J=2.2,8.3Hz,1H),7.95(d,J=8.3Hz,1H),7.72(d,J=8.1Hz,2H),7.40−7.37(m,2H),7.23(d,J=8.1Hz,2H),7.18−7.14(m,3H),7.09−7.02(m,3H),5.21(dd,J=6.1,9.3Hz,1H),4.35(dd,J=8.6,11.2Hz,1H),2.84−2.77(m,1H),2.38(s,3H),2.26(s,3H),2.22−2.10(m,1H),2.01(d,J=1.7Hz,6H)。
【0174】
基本的に実施例1および実施例2の方法により以下の化合物を調製した。
【表11】






















【0175】
(実施例34)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化65】

トリフルオロ酢酸(3.5mL、46.1mmol)を、トルエン(24mL)および水(9.6mL)中の(R)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(4.8g、9.22mmol)の二相系混合物に滴下した。周囲温度で60分間撹拌した。(R)−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオン(LC MS 77%、保持時間=4.08分、方法3、MS(m/z):416(M−1)の顕著な生成を観察した。水層を分離し、トルエン層を水、pH7緩衝液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。酢酸(4.23mL、73.8mmol)および1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(3.77g、18.4mmol)を、(R)−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンを含んでいるトルエン溶液に加えた。55℃に18時間加熱した。(R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(LC MS 100%、保持時間=5.26分、方法3、MS(m/z):604(M+1)の顕著な生成を観察した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。この粗(R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを酢酸(46mL)に溶解させ、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.16g、18.4mmol)を加えた。周囲温度で15分間撹拌した。減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(5−50% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、再びシリカゲルクロマトグラフィ(0−1% メタノール−ジクロロメタン)により精製し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−[3−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(2.36g、42%)を透明な無色の油状物として得た。MS(m/z):606(M+1)。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ 8.98(d,1H,J=2.2Hz),8.26(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.82(d,1H,J=8.4Hz),7.58(d,2H,J=8.8Hz),7.52(d,2H,J=8.4Hz),7.20(dd,1H,J=7.4,7.4Hz),6.97(dd,1H,J=2.0,2.0Hz),6.89(d,1H,J=7.9Hz),6.84(dd,1H,J=7.9,2.2Hz),5.17(dd,1H,J=9.7,6.2Hz),4.72−4.61(m,2H),3.48−3.41(m,1H),2.88(d,1H,J=4.8Hz),2.71−2.63(m,1H),1.68(dd,1H,J=22.0,10.5Hz),1.51(s,3H),1.47(s,3H)。塩形成:トシレート:1当量のp−トルエンスルホン酸一水和物を加え、メタノール−イソプロパノールから結晶化させた。収率82%、MS(m/z):606。
【0176】
基本的に実施例34の方法により以下の化合物を調製した。
【表12】











【0177】
(実施例49)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン トシレート
【化66】

トリフルオロ酢酸(83.5mL、1.10mol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(175g、828mmol)を、トルエン(2.80L)中の3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−(R)−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(288g、552mmol)のスラリーに窒素雰囲気下で加えた。45分間撹拌し、酢酸(200mL)を加えた。3時間撹拌した後、トリフルオロ酢酸(100mL)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(56g、265mmol)を加えた。周囲温度で24時間撹拌した後、このスラリーを35℃に加熱した。2時間後、混合物を周囲温度まで冷却し、カニューレによって水(3.0L)に移した。MTBE(2.0L)で希釈し、この二相系混合物を撹拌し、水相を捨てた。この有機層を水(2.0L)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2.0L)で洗浄した。有機層を減圧下(10torr(約1.3kPa)、30℃)で油状物まで濃縮し、イソプロピルアルコール(2.0L)に溶解させた。生成した溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(100.7g、518mmol)および水(200mL)を加えた。このスラリーを65℃に加熱し、周囲温度までゆっくり冷却し、12時間撹拌した。このスラリーを濾過し、沈殿物を酢酸イソプロピル(250mL)で洗浄した。白色固体を窒素プレスで5時間乾燥し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン トシレート(298g、82%)を得た:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 10.10(1H,br),9.08(1H,d,J=4Hz),8.39(1H,dd,J=4,8Hz),8.04(1H,d,J=8Hz),7.49(2H,m),7.38(2H,m),7.21−7.28(7H,m),7.10(2H,m),5.21(1H,dd,J=4,8Hz),4.27(1H,br s),2.69(1H,m),2.26(3H,s),2.02(1H,m),1.85(6H,m);MS(m/z):524.2(M+1)。
【0178】
(実施例50)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)エチルアミノ]−5−(3−シクロプロポキシフェニル)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン−2−オン
【化67】

トリフルオロ酢酸(1.5mL、20mmol)を、トルエン(10mL)および水(4mL)中の(R)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5−(3−シクロプロポキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(1.92g、4.01mmol)の混合物に加えた。周囲温度で60分間撹拌した。(R)−5−(3−シクロプロポキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンの顕著な生成を観察した。LCMS、保持時間=4.14分、方法3、MS(m/z):376.0(M+)、374.0(M−1)。トルエン(10mL)中の1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(1.2g、5.9mmol)の溶液をこの反応溶液に加えた。次いで、酢酸(1.9mL、33mmol)を加えた。50℃で14時間加熱した。減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(0−10%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、(R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−シクロプロポキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを褐色フォーム状物として得た。LCMS、保持時間=5.40分、方法3、MS(m/z):562.0(M+)、560.0(M−1)。(R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−シクロプロポキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(1.09g、1.94mmol)を酢酸(20mL)に溶解させ、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(240mg、3.8mmol)を加えた。周囲温度で1時間撹拌した。減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0−15%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−シクロプロポキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(645mg、59%)を白色フォーム状物として得た。LCMS、保持時間=5.04分、方法3 MS(m/z):564.0(M+1)。
【0179】
基本的に実施例50の方法により以下の化合物を調製した。
【表13】



【0180】
(実施例55)
(5R)−3−[1−メチル−1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン L−酒石酸塩
【化68】

(5R)−3−ジアゾ−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(295mg、0.81mmol)および1−メチル−1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミン(0.6g、3.5mmol)を乾燥トルエン(8mL)中に溶解させた。窒素下で撹拌し、45℃に加熱した。酢酸ロジウム二量体二水和物(40mg、0.09mmol)を加えた。45℃で30分間撹拌し、反応混合物を減圧下で濃縮した。SCX−2イオン交換樹脂カートリッジ(メタノール、次いでメタノール中の2M NHで溶出)、次いでシリカゲルカラムでのクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノールで溶出)によって精製し、標題の化合物をジアスレテオマー混合物(330mg、80%)として得た。
【0181】
(機器分析)
6方向に通じるカラム・溶媒切り替え装置を備えたBerger Minigram システムで超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)分析を行った。Berger Multigram IIシステムでSFC精製を行った。両システムに、Mettler−Toledo AutoChem(Leicester、UK)から供給されたKnauer可変波長UV検出器を備え付けた。同様にMettler−Toledo AutoChemによって供給されたBerger GDS−3000システムによって、液体COを実験室に送達した。25% メタノール/プロパン−2−アミンを含む超臨界二酸化炭素で溶出して、ADHカラムでの超臨界流体クロマトグラフィによってジアスレテオマー混合物を分離した。メタノール中で酒石酸(1当量)を用いて酒石酸塩を調製し、溶媒の蒸発によってその塩を単離し、実施例56および実施例57を得た。
【0182】
(実施例56)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン L−酒石酸塩
【化69】

H NMR(400.13MHz,MeOD):δ 8.58(s,1H),8.10(d,J=8.3Hz,1H),7.45−7.39(m,3H),7.31−7.26(m,1H),7.16(d,J=8.3Hz,2H),7.08(d,J=7.8Hz,1H),7.01(d,J=9.8Hz,1H),6.94(t,J=8.3Hz,1H),5.16(t,J=7.6Hz,1H),4.54(s,2H),3.59(t,J=9.3Hz,1H),2.85−2.65(m,1H),1.81(q,J=10.9Hz,1H),1.60(s,6H)。収率63%、保持時間0.71分、酒石酸塩。
【0183】
(実施例57)
(3S,5R)−3−[1−メチル−1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン L−酒石酸塩
【化70】

H NMR(400.13MHz,MeOD):δ 8.55(s,1H),8.55(s,1H),8.06(d,J=8.1Hz,1H),7.65(d,J=7.8Hz,2H),7.42(d,J=8.3Hz,1H),7.34−7.30(m,1H),7.22(d,J=8.3Hz,2H),6.99−6.92(m,3H),5.42(d,J=9.0Hz,1H),4.54(s,2H),3.62(t,J=8.9Hz,1H),2.49−2.41(m,1H),2.19−2.14(m,1H),1.55(s,6H)。収率9.7%、保持時間1.26分、酒石酸塩。
【0184】
基本的に実施例55、実施例56および実施例57の方法により以下の化合物を調製した。
【表14】



【0185】
(実施例62)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−シクロプロピル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
【化71】

(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−1−(4−ブロモ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(1.25mmol;750mg)、シクロプロピルボロン酸(1.62mmol;139mg)、三塩基性リン酸カリウムN−水和物(4.36mmol;925mg)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(124.51μmol;34mg)をトルエン(5mL)および水(275μL)に溶解させ、この溶液を5分間脱気し、窒素雰囲気下に置いた。Pd(OAc)(62μmol;14mg)を加え、混合物を90℃で一晩加熱した。酢酸エチル(50mL)で希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を水、1N HCl、飽和含水重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、茶色残渣まで真空中で濃縮した。残渣を、0〜>50%酢酸エチルを含むヘキサンの勾配を用いてシリカでのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、標題の化合物(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−シクロプロピル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(1.13mmol;639.00mg;91.07%収率)を得た。LC/MS m/z 564.2(M+1)、Tr=4.87分(方法3)。
【0186】
(CBおよびCB生体外機能分析)
抗体捕捉SPA GTP−γ−35S結合
例示した化合物を試験した。GTP−γ35S結合を、以前に記載された(DeLappら、1999)修飾抗体捕捉技法を使用して96ウェル形式で測定した。それぞれCBまたはCBを発現するCHO細胞膜またはSf9細胞膜(Applied Cell Sciences、メリーランド州、ゲイサーズバーグ;PerkinElmer Life Sciences、マサチューセッツ州、ボストン;以前に記載されたようにして(DeLappら、1999)調製した)、例示した化合物および500pM GTP−γ−35S(PerkinElmer Life Sciences、マサチューセッツ州、ボストン)を、GTP−結合試験緩衝液(20mM Hepes、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.4)中で30分間、短時間インキュベーションした(すべて室温でインキュベーションした)。完全な作動薬(メタナンダミド(methanandamide))の飽和用量の存在下で拮抗薬用量反応を行った。0.27% Nonidet P40界面活性剤(Roche、インディアナ州、インディアナポリス)、抗Gi抗体(1:300の最終希釈;Covance、ニュージャージー州、プリンストン)、および1.25mg 抗ウサギ抗体シンチレーション近接アッセイビーズ(GE Healthcare、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)を含有する混合物を加え、プレートを封鎖し、さらに3時間培養した。Beckman GS−6R遠心分離機を使用して、プレートを700×gで10分間遠心分離し、Wallac MicroBeta TriLuxシンチレーションカウンタ(PerkinElmer、マサチューセッツ州、ボストン)を使用して1ウェルあたり1分間カウントした。
【0187】
データを解析するために、まず全てのウェルから背景を差し引いた。作動薬/逆作動薬用量反応データを全作動薬(メタナンダミド)反応に対して規格化することによって、作動薬有効性(%)を決定した。メタナンダミドの飽和濃度で生成した結果に対して規格化することにより、拮抗薬の阻害%データを算出した。データを、Activity Base and XLFit3(IDBS、カリフォルニア州、エメリービル)を用いた4パラメータのロジスティック換算フィット(logistic reduced fit)を使用して解析した。K値を、Cheng−Prusoff関係式の修正版:K=IC50/(1+[作動薬]/EC50)(式中、IC50は置換曲線の4パラメータフィットから決定し、[作動薬]=完全作動薬のEC50であり、EC50は完全作動薬濃度反応曲線の4パラメータフィットから決定する)(ChengおよびPrusoff 1973)を使用して決定した。平均のK値を、少なくとも3つの独立した測定値の平均±その平均の標準誤差(SEM)として算出した。表15は、ヒトまたはラットのCB受容体を発現するCHO細胞またはヒトCB受容体を発現するSf9細胞における実施例49の拮抗薬/逆作動薬特性をまとめたものである。このデータは、実施例49はラットおよびヒトの両方の受容体において強力なCB拮抗薬/逆作動薬であり、かつヒトのCB受容体の拮抗作用が低いことを示す。実施例49(表16)は、この化合物が生体外でのCB受容体の基礎的な常時活動を低下させたことを示すゼロ未満の作動薬有効性によって証拠付けられるとおり、ヒトのCB受容体における逆作動薬である。
【0188】
例示した化合物(表17)は、ヒトのCB受容体のわずかの低い親和性拮抗作用/逆作動しか伴わない、強力なヒトおよびラットのCB拮抗作用/逆作動を示した。本発明の例示した化合物は、ヒトのCB受容体の低い拮抗作用を伴う、ラットおよびヒトの両方の受容体における強力なCB拮抗薬/逆作動薬である。本発明の例示した化合物は、この化合物が生体外でのCB受容体の基礎的な常時活動を低下させたことを示すゼロ未満の作動薬有効性によって証拠付けられるとおり、ヒトのCB受容体における逆作動薬である。
【0189】
参考文献
DeLapp NW, McKinzie JH, Sawyer BD, Vandergriff A, Falcone J, McClure DおよびFelder CC (1999). Determination of [35S]guanosine−5’−O−(3−thio)triphosphate binding mediated by cholinergic muscarinic receptors in membranes from Chinese hamster ovary cells and rat striatum using an anti−G protein scintillation proximity assay(抗Gタンパク質シンチレーション近接アッセイを使用したチャイニーズハムスター卵巣細胞由来およびラット線条体由来の膜におけるコリン作動性ムスカリン受容体に媒介される[35S]グアノシン−5’−O−(3−チオ)三リン酸結合の測定). J Pharmacol Exp Ther 289:946−955。
Cheng YCおよびPrusoff WH. 1973. Relationship between the inhibition constant (Ki) and the concentration of inhibitor which causes 50 per cent inhibition (I50) of an enzymatic reaction(阻害定数(Ki)と酵素反応の50%阻害(I50)を引き起こす阻害剤濃度との関係). Biochem Pharmacol 22:3099−3108。
【表15】

【表16】

【0190】
強制水泳試験(FST)
NIH雄性Swissマウス(Harlan Sprague−Dawley、体重20〜25g)を試験の7〜10日前に入手した。1ケージあたり12匹のマウスを収容した。25〜30gの体重の動物を試験した。試験当日、投薬の少なくとも1時間前に動物を試験室に運び、投薬を開始し、各投薬の間に6〜8分間の間隔を空け、マウスが経口によりビヒクルまたは例示した化合物のいずれかを受け取るようにし、その後、マウスを無菌のケージに入れた(1ケージあたり4匹のマウス)。前処理時間に依存して、それに対応して試験を開始した。
【0191】
マウスのFST:
NIH−Swissマウスを、6cmまで22〜25℃の水を入れた無菌のプラスチックの円筒(直径:10cm;高さ:25cm)に6分間入れた。6分間の試験のうちの最後の4分間、不動性時間を記録した。マウスは、身動きせず浮いているかまたはその頭を水の上に保つために必要な動作だけを行っているときに、動けないとみなした。
【0192】
データ、不動性(秒)をJMPデータシートにコピーし、ANOVA−Dunnett試験によって解析した。最少有効用量(MED)を、ビヒクル対照に対して統計的に有意な不動性時間の低下が観察される化合物の最少用量として記録した。
【0193】
バイオアベイラビリティ
バイオアベイラビリティを評価するための方法は、当該分野で高く評価されている。かかる参考文献は、Medicinal Research Reviews 第21巻 第5号 382−396(2001)である。
【0194】
表17に例示した化合物は以下の生物学的データを有する。
【表17】

*hCB1 SPA GTPγ35S Sf9 膜 22.7ug タンパク質/ウェル 拮抗薬

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCH
e)メチル、
f)−SOCH
g)−CF、および
h)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
(a)−H、
(b)ハロ、
(c)−CF
(d)−(C−C)アルキル、
(e)シクロプロピル、
(f)−O−シクロプロピル、
(g)−SCF
(h)−OCF
(i)−OCHCF
(j)−CN、および
(k)−O−(C−C)アルキル
からなる群から選択される少なくとも1つの置換基であり、
は独立に、
a)−H、
b)−CF
c)−(C−C)アルキル、
d)シクロプロピル、
e)−OCH
f)ハロ、および
g)フェニル
からなる群から選択される少なくとも1つの置換基であり、
およびRの各々は独立に、水素、メチル、およびエチルからなる群から選択されるか、またはRおよびRはともにその各々が結合する炭素と一緒になってシクロプロピル環を形成してもよい)
の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項2】

【化2】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
J)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF、または
b)シクロプロピル
から選択される)
の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項3】

【化3】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF
b)−シクロプロピル、および
c)ハロからなる群から選択される)
の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項4】

【化4】

(式中、R
a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
j)−CNからなる群から選択され、
は独立に、
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、
は、
a)−CF、または
b)−シクロプロピル
から選択される)
の構造を有する、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項5】

【化5】

(式中、

a)−H、
b)ハロ、
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCH
f)メチル、
g)イソプロピル、
h)シクロプロピル、
i)−CF、および
j)−CN
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−O−シクロプロピル、
b)−SCF
c)−OCF
d)−OCHF
e)−OCHCF、および
f)−OCFCF
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

d)−CF、または
e)−シクロプロピル
から選択される)
の構造を有する、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項6】

【化6】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CN
からなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF
b)−シクロプロピル、および
c)ハロ
からなる群から選択される)
の構造を有する、請求項3に記載の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項7】

【化7】

(式中、

a)−OCFおよび
b)−OCHF
からなる群から選択され、
は独立に、
a)−H、
b)ハロ、
c)−フッ素置換(C−C)アルキル、
d)−(C−C)アルキル、および
e)−CNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基であり、

a)−CF
b)−シクロプロピル、および
c)ハロ
からなる群から選択される)
の構造を有する、請求項3に記載の化合物またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項8】

【化8】

の中間体。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩と、薬理学的に許容できる担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項10】
治療に使用するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項11】
過剰な食物摂取に関連する摂食障害、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療において使用するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項12】
体重増加、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療において、抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて使用するための、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項13】
過剰な食物摂取に関連する摂食障害、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療のための薬物の製造における、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用。
【請求項14】
体重増加、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、および非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加から選択される障害の治療のための併用療法において使用するための薬物であって、前記薬物が抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて投与される、薬物の製造のための、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用。
【請求項15】
哺乳動物における、肥満症、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、禁煙中に観察される治療によって発現した体重増加である病状の治療方法であって、前記哺乳動物に有効量の、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を抗精神病薬と同時に組合せて、個別に組合せて、または連続的に組合せて投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記病状が過剰な食物摂取に関連する摂食障害である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記病状が肥満症である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記病状が統合失調症である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記病状が統合失調症に関連する認識機能障害である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記病状が薬物乱用またはアルコール依存症である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記病状が禁煙である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記病状が禁煙中に観察される治療によって発現した体重増加である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
哺乳動物における、統合失調症、体重増加、肥満症、統合失調症に関連する認識機能障害、薬物乱用またはアルコール依存症、禁煙、非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加である病状の治療方法であって、前記哺乳動物に有効量の請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
【請求項24】
前記病状が統合失調症である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記病状が体重増加である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記病状が肥満症である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記病状が統合失調症に関連する認識機能障害である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記病状が薬物乱用またはアルコール依存症である、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記病状が禁煙である、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記病状が非定型抗精神病薬を用いた治療中に観察される治療によって発現した体重増加である、請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2010−507590(P2010−507590A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533586(P2009−533586)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/082042
【国際公開番号】WO2008/070306
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】