説明

CCR2のピペリジルアクリルアミドアンタゴニスト

本発明は、式Iの化合物を含む。
【化1】


式中、R1、R2、R3、R4、R5及びXは、明細書に定義されている通りである。本発明はまた、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を含み、ここで上記症候群、障害又は疾患は、急性、反復性又は慢性ブドウ膜炎などのブドウ膜炎である。本発明はまた、治療上の有効量の少なくとも1種の、式Iの化合物を投与することによって、哺乳類においてCCR2活性を阻害する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学誘引サイトカイン受容体2(CCR2)に対するアンタゴニストである置換されたジピペリジン化合物、医薬組成物及びこれらの使用方法を目的とする。より詳細には、CCR2アンタゴニストは、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するのに有用な置換されたピペリジルアクリルアミド化合物である。
【背景技術】
【0002】
CCR2はGPCRファミリーの受容体のメンバーであり、GPCRファミリーの受容体は全て既知のケモカイン受容体であり、単核細胞とメモリーTリンパ球により発現される。CCR2シグナル伝達カスケードは、ホスホリパーゼ(PLCβ2)、プロテインキナーゼ(PKC)及び脂質キナーゼ(PI−3キナーゼ)の活性化を伴う。
【0003】
化学誘引サイトカイン(すなわち、ケモカイン)は、比較的小さなタンパク質(8〜10kD)であり、これは細胞の移動を促進する。ケモカインファミリーは、第一の高度に保存されたシステインと第二の高度に保存されたシステインとの間のアミノ酸残基の数に基づいて4つのサブファミリーに分けられる。
【0004】
単球走化性タンパク質−1(MCP−1)は、CCケモカインサブファミリー(ここで、CCは、隣接する第一及び第二システインを有するサブファミリーを表す)のメンバーであり、細胞表面ケモカイン受容体2(CCR2)に結合する。MCP−1は強力な走化性因子であり、CCR2に結合後、単球とリンパ球とが炎症部位に移動する(走化性)のを媒介する。MCP−1はまた、心筋細胞、血管内皮細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞、メサンギウム細胞、肺胞細胞、T−リンパ球、マクロファージ及びこれらに類するものにより発現される。
【0005】
単球が炎症組織に入り、マクロファージに分化した後、単球分化は、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−1(IL−1)、IL−8(CXCケモカインサブファミリーのメンバー、ここで、CXCは第一システインと第二システインとの間の1つのアミノ酸残基)、IL−12、アラキドン酸代謝産物(例えば、PGE2及びLTB4)、酸素由来のフリーラジカル、マトリックスメタロプロテイナーゼ及び補体成分などの複数の炎症誘発モジュレーターの二次供給源を提供する。
【0006】
慢性炎症性疾患の動物モデル研究は、アンタゴニストによるMCP−1とCCR2の間の結合の阻害が炎症反応を抑制することを立証している。MCP−1とCCR2の間の相互作用は、乾癬、ブドウ膜炎、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症、クローン病、腎炎、臓器移植拒絶反応、肺線維症、腎不全、糖尿病及び糖尿病合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性微小血管症、結核、類肉腫症、侵襲性ブドウ球菌感染症、白内障手術後の炎症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性ぜんそく、歯周病、歯周炎、歯肉炎、歯肉疾患、拡張型心筋症、心筋梗塞、心筋炎、慢性心不全、血管狭窄、再狭窄、再潅流障害、糸球体腎炎、固形腫瘍及び癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、ホジキン病、並びに、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌及び胃癌などの炎症性疾患病理に関係付けられている(Rollins B J「Monocyte chemoattractant protein 1:a potential regulator of monocyte recruitment in inflammatory disease」Mol.Med.Today,1996,2:198、及び、Dawson J,et al.「Targeting monocyte chemoattractant protein−1 signaling in disease」Expert Opin.Ther.Targets,2003 Feb.7(1):35〜48を参照されたい)。
【0007】
単球移動は、MCP−1アンタゴニスト(MCP−1の抗体又は可溶性不活性フラグメントのいずれか)により阻害され、関節炎、ぜんそく及びブドウ膜炎の発生を阻害することが示されている。MCP−1及びCCR2ノックアウト(KO)マウスはどちらも炎症病巣中への単球浸潤の有意な減少を示している。加えて、このようなKOマウスは、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE、ヒトMSモデル)、ゴキブリアレルゲンに誘発されるぜんそく、アテローム性動脈硬化症及びブドウ膜炎の発生に耐性である。関節リウマチ及びクローン病患者は、MCP−1発現及び浸潤マクロファージの数における減少に関連して、投与レベルにおいて、TNF−αアンタゴニスト(例えば、モノクローナル抗体及び可溶性受容体)での治療中に改善している。
【0008】
MCP−1は、季節性及び慢性アレルギー性鼻炎の病原に関連付けられており、チリダニアレルギーを有するほとんどの患者の鼻粘膜に見出されている。MCP−1はまた、インビトロで好塩基球からのヒスタミン放出を誘発することが判明している。アレルギー状態の間、アレルゲンとヒスタミンはどちらも、アレルギー性鼻炎を有するヒトの鼻粘膜においてMCP−1及び他のケモカインの発現を引き起こす(すなわち、上方制御する)ことが分かっており、このような患者における正のフィードバック・ループの存在を示唆する。
【0009】
MCP−1に誘発されて単球及びリンパ球が炎症部位へ移動することから生じるCCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療及び軽減するために、小分子CCR2アンタゴニストに対する必要は存在したままである。
【0010】
引用した全ての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式Iの化合物を含む。
【0012】
【化1】

式中、
1は、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3及び−OHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H又は−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、上記−C(1〜4)アルキル及び上記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F、−Cl、ヘテロアリール(イミダゾール−2−イルなど)又はフェニルで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3又は−OHであり、
4は、−F、−Cl、−OCH3であるか、又は隣接するR3と一緒になってメチリデンアセタールを形成してもよく、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、式Iの化合物を含む。
【0014】
【化2】

式中、
1は、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、
−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3及び−OHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H、−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、上記−C(1〜4)アルキル及び上記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F、−Cl、ヘテロアリール(イミダゾール−2−イルなど)又はフェニルで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3又は−OHであり、
4は、−F、−Cl、−OCH3であるか、又は隣接するR3と一緒になってメチリデンアセタールを形成してもよく、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0015】
本発明の別の実施形態では、
1は、
【0016】
【化3】

【0017】
これらのうちの任意のものは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3及び−OHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H、
【0018】
【化4】

【0019】
−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、上記−C(1〜4)アルキル及び上記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F、−Cl又はフェニルで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2又は−OHであり、
4は、−F、−Cl、−OCH3であるか、又は隣接するR3と一緒になってメチリデンアセタールを形成してもよく、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0020】
本発明の別の実施形態では、
1は、
【0021】
【化5】

であり、これらのうちの任意のものは、所望により、
−F、−Cl、−CF3、−CN、−OH、−OC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキル及び−C(1〜4)アルキルOHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H、
【0022】
【化6】

【0023】
−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、上記−C(1〜4)アルキル及び上記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F又は−Clで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、Cl又は−OCH3であり、
4は、−F、−Cl、−OCH3であるか、又は隣接するR3と一緒になってメチリデンアセタールを形成してもよく、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0024】
本発明の別の実施形態では、
1は、
【0025】
【化7】

であり、
2は、H、
【0026】
【化8】

【0027】
−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、上記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OHで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、Cl又は−OCH3であり、
4は、−F、Cl又は−OCH3であり、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0028】
本発明の別の実施形態では、
1は、
【0029】
【化9】

であり、
2は、H、C(1〜4)アルキル、ジヒドロキシプロピル又は
【0030】
【化10】

であり、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、Fであり、
4は、Fであり、
5は、Fであり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0031】
本発明の別の実施形態は、
【0032】
【化11】

からなる群から選択される化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である。
【0033】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物及び製薬上許容できるキャリアを含む医薬組成物である。
【0034】
本発明の別の実施形態は、本明細書の実施例セクションに列挙された化合物及び製薬上許容できるキャリアを含む医薬組成物である。
【0035】
本発明はまた、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するための方法を提供する。
【0036】
本発明はまた、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するための方法を提供し、ここで、この症候群、障害又は疾患は、MCP−1発現の上昇若しくはMCP−1過剰発現に関連し、又は、MCP−1発現の上昇若しくはMCP−1過剰発現に関連する症候群、障害又は疾患に伴う炎症状態である。
【0037】
本発明は、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、眼の障害、ブドウ膜炎、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、腎炎、臓器移植拒絶反応、肺線維症、腎不全、糖尿病及び糖尿病合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性微小血管症、結核、慢性閉塞性肺疾患、類肉腫症、侵襲性ブドウ球菌感染症、白内障手術後の炎症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく、歯周病、歯周炎、歯肉炎、歯肉疾患、拡張型心筋症、心筋梗塞、心筋炎、慢性心不全、血管狭窄、再狭窄、再潅流障害、糸球体腎炎、固形腫瘍及び癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、ホジキン病、並びに、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌及び胃癌からなる群から選択される。
【0038】
本発明は、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、眼の障害、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく及び歯周病からなる群から選択される。
【0039】
本発明は、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、並びに、歯周炎、歯肉炎及び歯肉疾患からなる群から選択される歯周病からなる群から選択される。
【0040】
本発明は、その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物、又はその組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、急性ブドウ膜炎、反復性ブドウ膜炎、慢性ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく、歯周炎、歯肉炎又は歯肉疾患からなる群から選択される。
【0041】
本発明は、その必要がある対象において、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、1つ以上の抗炎症剤、抗感染剤又は免疫抑制剤との組み合わせ療法で対象に有効量の請求項1に記載の化合物、又はその組成物若しくは医薬品を投与することを含み、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、並びに、歯周炎、歯肉炎及び歯肉疾患からなる群から選択される歯周病からなる群から選択される。
【0042】
本発明は、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、急性、反復性又は慢性ブドウ膜炎などのブドウ膜炎である。
【0043】
本発明は、その必要がある対象に有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法を提供し、ここで、上記症候群、障害又は疾患は、前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎又は全ブドウ膜炎などのブドウ膜炎である。
【0044】
本発明はまた、有効量の少なくとも1種の、式Iの化合物を投与することによって、哺乳類のCCR2活性を阻害する方法にも関する。
【0045】
定義
用語「アルキル」は、特に指示がない限り12個以下の炭素原子、好ましくは6個以下の炭素原子からなる直鎖及び分岐鎖両方のラジカルを指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0046】
用語「ヘテロアリール」は、5〜7員の単環式又は8〜10員の二環式芳香環系を指し、その任意の環は、N、O又はS(ここで、窒素及びイオウ原子は、任意の許容された酸化状態で存在することができる)から選択される1〜4個のヘテロ原子から構成されていてよい。例には、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、チアゾリル及びチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
用語「部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリール」は、環の1つが1つ以上の水素原子により飽和されている上記のような8〜10員二環式ヘテロアリール基を指す。例には、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル及びメチレンジオキシフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
用語「へテロ原子」は、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子(ここで、窒素及びイオウ原子は、任意の許容された酸化状態で存在することができる)を指す。
【0049】
用語「メチリデンアセタール」は、官能基
【0050】
【化12】

を指す。
【0051】
医学での使用のために、本発明の化合物の塩は、非毒性の「製薬上許容できる塩」を指す。FDA認可の製薬上許容できる塩(International J.Pharm.1986,33,201〜217;J.Pharm.Sci.,1977,Jan,66(1),p1を参照)には、製薬上許容できる酸性/陰イオン又は塩基性/陽イオンの塩が挙げられる。
【0052】
製薬上許容できる酸性/陰イオンの塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩(glyceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩及びトリエチオジドが挙げられるが、これらに限定されない。有機又は無機の酸には、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、シュウ酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サッカリン酸又はトリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
製薬上許容できる塩基性/陽イオンの塩には、アルミニウム、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トロメタン又は「TRIS」としても知られる)、アンモニア、ベンザチン、t−ブチルアミン、カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、クロロプロカイン、コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、シクロへキシルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、リチウム、LiOMe、L−リジン、マグネシウム、メグルミン、NH3、NH4OH、N−メチル−D−グルカミン、ピペリジン、カリウム、カリウム−t−ブトキシド、水酸化カリウム(水溶液)、プロカイン、キニーネ、ナトリウム、炭酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム(SEH)、水酸化ナトリウム又はトリエタノールアミン(TEA)又は亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
使用方法
本発明は、その必要がある対象に有効量の式(I)の化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を投与することを含む、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するための方法を目的とする。
【0055】
本発明の方法に関して用語「投与」は、式(I)の化合物、又はその形成物、組成物若しくは医薬品を使用することにより、本明細書に記載しているような症候群、障害又は疾患を、治療学的又は予防学的に、予防、治療又は軽減するための方法を意味する。このような方法は、有効量の上記化合物、化合物形成物、組成物若しくは医薬品を、一連の治療の異なる時点で又は組み合わせ形式で同時に、投与することを含む。本発明の方法は、既知の治療学的処置レジメンを全て包含するものとして理解されるものである。
【0056】
用語「対象」は、治療、観察又は実験の対象体であり、MCP−1発現の上昇又はMCP−1過剰発現に関連する症候群、障害若しくは疾患の発生の危険を負っている(又は感受性を有している)、動物、典型的には哺乳類、典型的にはヒトであり得る患者、あるいは、MCP−1発現の上昇又はMCP−1過剰発現に関連する症候群、障害若しくは疾患に伴う炎症状態を有する患者を指す。
【0057】
用語「有効量」は、研究者、獣医、医者又は他の臨床医が探求している、組織系、動物又はヒトに、生物学的又は医薬的反応(症候群、障害又は疾患の症状の、予防、治療又は軽減を含む)を引き出す活性化合物又は薬剤の量を意味する。
【0058】
用語「ブドウ膜炎」は、通常、眼に関与する任意の炎症性疾患を指す。ブドウ膜炎は、炎症が存在する眼の部分に基づいて異なるサブタイプに臨床学的に分類することができる(百分率は、これらの分類区分に該当することが知られる患者についてのものである):前部(51%)、中間部(13%)、後部(20%)又は全(16%)、並びに、疾患の過程により、急性(16%)、反復性(26%)又は慢性(58%)。前部ブドウ膜炎を有するもの(・19%)は、積極的な治療にもかかわらず、単眼視力喪失(9%)、両眼視力喪失(2%)、又は、単眼若しくは両眼視力損傷(8%)といった回復不能な視覚障害を最終的に生じる。ブドウ膜炎のほとんどの場合は特発性であるが、既知の原因には、感染(例えば、トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス及びこれらに類するもの)若しくは、全身性炎症の要素としての発生、及び/又は、自己免疫疾患(例えば、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連脊椎関節症、類肉腫症及びこれらに類するもの)が挙げられる。(HLA−B27、すなわち、ヒト白血球抗原B*27は、第6染色体上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のB遺伝子座によりコードされるクラスI抗原であり、T細胞に対する微生物抗原を呈する。HLA−B27は、血清反応陰性脊椎関節炎と呼ばれる特定の自己免疫疾患のセットに強く関連する。)
CCR2阻害剤として用いられる場合、本発明の化合物は、約0.5mg〜約10g、好ましくは約0.5mg〜約5gの範囲の用量内において、一日の摂取量を一回で又は分割して有効量で投与してよい。投与量は、投与経路、レシピエントの健康状態、体重及び年齢、治療頻度並びに平行した非関連治療の存在などの要因の影響を受ける。
【0059】
本発明の化合物又はその医薬組成物の治療上の有効量が、所望の効果に応じて変化することもまた当業者には明らかである。したがって、投与される最適用量は、当業者によって容易に決定することができ、かつ使用される具体的な化合物、投与方法、調製物の強度及び病状の進行と共に変化する。更に、被験体の年齢、体重、食事及び投与時間を含む、治療されている具体的な被験体に関連する因子は、結果として適切な治療用濃度に用量を調節するために必要になる。上記投与量は、したがって、平均的な場合の代表例である。無論、より多い又はより少ない投与量がよい場合、個々の例が存在し得、このようなものは、本発明の範囲内である。
【0060】
式Iの化合物は、任意の既知の製薬上許容できるキャリアを含む医薬組成物へと処方してよい。代表的キャリアとしては、任意の好適な溶剤、分散媒、コーティング材、抗菌及び抗カビ剤並びに等張剤が挙げられるが、これらに限定されない。形成物の構成成分でもあることができる代表的な賦形剤としては、充填剤、結合剤、崩壊剤及び潤滑剤が挙げられる。
【0061】
式Iの化合物の製薬上許容できる塩としては、無機又は有機の酸類又は塩基類から形成される、従来の非毒性塩類又は四級アンモニウム塩類が挙げられる。このような酸添加塩(acid addition salts)の例としては、アセテート、アジパート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、シトレート、カンホレート、ドデシルサルフェート、塩酸塩、臭化水素酸塩、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニトレート、オキザラート、ピバレート、プロピオネート、サクシネート、サルフェート及びタータラートが挙げられる。塩基性塩(Base salts)としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミノ塩などの有機塩基を備えた塩並びにアルギニンなどのアミノ酸を備えた塩が挙げられる。更に、塩基性窒素含有基は、例えば、ハロゲン化アルキルによって四級化されてよい。
【0062】
本発明の医薬組成物は、それらの使用目的を達成する任意の手段によって投与してよい。例としては、非経口の、皮下の、静脈内の、筋肉内の、腹腔内の、経皮的な、口又は目を経由しての投与が挙げられる。あるいは又は同時に、投与は経口経路によってよい。非経口的投与のための好適な処方としては、水溶性形態の活性化合物(例えば、水溶性塩)の水溶液、酸性溶液、アルカリ性溶液、デキストロース水溶液、等張性炭水化物溶液及びシクロデキストリン包接錯体が挙げられる。
【0063】
本発明は更に、製薬上許容できるキャリアを本発明の化合物のいずれかと共に混合することからなる医薬組成物の製造方法を包含する。更に、本発明は、製薬上許容できるキャリアを本発明の化合物のいずれかと混合することによって製造される医薬組成物を含む。本明細書で使用する用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含んでなる形成物、並びに直接的又は間接的に特定の成分の特定の量の組み合わせから生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0064】
多形体及び溶媒和物
更に、本発明の化合物は、1種以上の多形体又は非晶質結晶性(amorphous crystalline)形態を有してよく、かつ本発明の範囲に含まれるものとする。加えて、化合物は、例えば水(すなわち、水和物)又は一般有機溶媒と共に溶媒和物を形成してよい。本明細書で使用するとき、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と1種以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、イオン結合及び共有結合の度合いが変化することを伴う。特定の場合には、溶媒和物は、例えば、1種以上の溶媒分子が結晶固形物の結晶格子内に組み込まれた場合に、単離することができる。用語「溶媒和物」は、溶液相及び分離可能な溶媒和物の両方を包含することを意図する。好適な溶媒和物の非限定例としては、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。
【0065】
本発明は、本発明の化合物の多形体及び溶媒和物をその範囲内に包含することを意図する。それゆえに、本発明の治療方法における用語「投与」は、本発明の化合物、あるいは、具体的に開示したものではなくとも、明らかに本発明の範囲内に含まれるであろう多形体又はその溶媒和物を用いて、本明細書に記述する症候群、障害又は疾患を治療、改善又は予防する手段を包含する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、医薬品として使用されるための実施例又は式Iに記載の化合物に関する。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、CCR2活性の上昇又は不適切なCCR2活性に関連する疾患治療用の医薬品の調製のために、実施例又は式Iに記載の化合物を使用することに関する。
【0068】
本発明はその範囲に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。概してそのようなプロドラッグは、必要な化合物に容易にインビボで変換され得る化合物の機能的誘導体である。すなわち、本発明の治療法では、用語「投与」は、記載する種々の障害の、具体的に開示する化合物を用いた、又は具体的には開示しないともよいが、患者に投与された後にインビボで特定の化合物に転換する化合物を用いた治療を包含すべきである。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来手順は、例えば、「Design of Prodrugs」(Ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985)に述べられている。
【0069】
本発明の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらはしかるべくエナンチオマーとして存在することができる。化合物が2以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在することができる。全てのそのような異性体及びその混合物が本発明の範囲に包含される。
【0070】
本発明による化合物の調製方法が、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、例えば分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば標準的な技術、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学的に活性な酸と共に塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行ってそれらの成分であるエナンチオマーに分割することができる。化合物は、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成と、その後のクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去により分割することもできる。代替的に、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてもよい。
【0071】
本発明の化合物を生じさせる過程のいずれかを行っている間に、関係する分子のいずれかが有する敏感又は反応性基を保護する必要がありそして/又はその方が望ましい可能性がある。これは、「Protective Groups in Organic Chemistry」(J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973)、及び、T.W.Greene & P.G.M.Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons,1991)に記載されているものなどの従来の保護基により達成され得る。保護基は、続く都合のよい段階で、当技術分野にて公知の方法を用いて除去されうる。
【0072】
一般的な反応スキーム
本発明の代表的な化合物は、以下に記載される一般的合成方法に従って合成することができる。式Iの化合物は、当業者に既知の方法により調製することができる。以下の反応スキームは、本発明の代表的な実施例であるということのみを意味し、本発明の限定であることは全く意味しない。
【0073】
【化13】

【0074】
式A−1のアクリル酸(式中、R3、R4及びR5は、式Iに定義されている通りである)は、EDCI(1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)などのカップリング剤及びHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)などの添加剤を使用して、化合物A−4とカップリングして、式A−5の化合物を提供することができる。化合物A−4は、Boc
【0075】
【化14】

の場合には酸条件、又は、Cbz
【0076】
【化15】

の場合には水素化条件、のいずれか、を使用して、市販のA−3の脱保護により得ることができる。式A−1のアクリル酸は、市販されているか、又は、既知の方法により容易に合成されるか、のいずれかである(Adams,R.;Mathieu,Jean.J.Am.Chem.Soc.1948,70,2120〜2122)。
【0077】
あるいは、式A−1のアクリル酸は、DCM(ジクロロメタン)などの有機溶媒中で、好ましくは還流下で、チオニルクロリド、PCl3、PCl5又はオキサリルクロリドなどの好適なクロリン源と反応して、対応する酸クロリドA−2を生じてもよい。DCMなどの有機溶媒中において、TEA(トリエチルアミン)又はDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)などの有機塩基の存在下、A−2とA−4とを反応させると、アミドA−5が生じる。式A−5のアミドは、一般的スキームDに示すように、式Iの化合物に転化してもよい。
【0078】
中間体B−7は、スキームBに概略が示されている手順に従って調製され得る。式B−7の化合物は、式Iの化合物の合成に使用される(R1は、インドリル又はピロール縮合ヘテロアリールである)。
【0079】
【化16】

【0080】
市販されているか又は科学文献に報告されているプロトコルにより調製されるかのいずれかのピペリジンB−1は、Green,T.W.,Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」(Wiley−Interscience)及びその参考文献に記載の手順を使用して、Boc(又はCbz及び他のカルバメート)により保護されて、式B−2の化合物を生じてもよい。次に、式B−2の化合物の芳香族窒素は、トシル又はメシル基を使用して保護されて、B3を生じる。当業者であれば、芳香族窒素上の保護基が、ピペリジンの窒素上の保護基(Boc、Cbz及びこれらに類するもの)の除去プロセス中にも残ることを認識するであろう。
【0081】
式B−3の化合物中のピペリジンの窒素上の保護基は、既知の方法により選択的に除去され得る。例えば、Bocの場合には、DCM、ジオキサン及びこれに類するものなどの有機溶媒中での、TFA(トリフルオロ酢酸)又はHCl及びこれに類するものなどの有機又は無機酸によって、あるいは、Cbzの場合には、メタノール、THF(テトラヒドロフラン)化合物及びこれに類するものなどの有機溶媒中での、パラジウム及びこれに類するものなどの触媒の存在下での水素化によって、B−3の溶液を処理すると、式B−4の化合物が生じる。
【0082】
式B−4の化合物は、プロトン酸(HClなど)の存在下、亜硝酸塩(NaNO2又はKNO2など)でニトロソ化されて、B−5を生じ得る(Maria,G.,et.al.J.Org.Chem.,1997,62,5619〜5622)。
【0083】
既知の方法により、芳香族窒素上の保護基を除去すると、B−6を生じる(Green,T.W.,Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」(Wiley−Interscience)及びその参考文献)。ジエチルエーテル又はTHFなどの有機溶媒中でLiAlH4などの還元剤によりB−6のニトロソを還元すると、式B−7の化合物が生じる(Seebach,D.,et.al.Synthesis,1979,6,423〜424)。
【0084】
あるいは、当業者であれば、式B−5の化合物を一工程で式B−7の化合物に直接転換することができる。例えば、ジエチルエーテル又はTHFなどの有機溶媒によるB−5の溶液は、0℃などの低温でLiAlH4などの還元剤で処理されて、続いて、還流及び後処理されて、化合物B−7を生じ得る。
【0085】
中間体C−3は、スキームCに概略が示されている手順に従って調製され得る。式C−3の化合物は、式Iの化合物の合成に使用される(式中、R1は、インドリル及びピロール縮合ヘテロアリールのいずれでもない)。
【0086】
【化17】

【0087】
市販されているか又は科学文献に報告されているプロトコルにより調製されるかのいずれかの式C−1のA4置換ピペリジンは、プロトン酸(HClなど)の存在下、亜硝酸塩(NaNO2又はKNO2)を使用して、式C−2の対応する化合物にニトロソ化され得る(Maria,G.,et.al.,J.Org.Chem.,1997,62,5619〜5622)。次に、ジエチルエーテル又はTHFなどの有機溶媒中でLiAlH4などの還元剤により式C−2のニトロソ−ピペリジンを還元すると、式C−3の化合物が生じる(Seebach,D.,et.al.Synthesis,1979,6,423〜424)。
【0088】
目的化合物(I−a)(式Iの化合物の代表、式中、Xは直接結合である)は、下記のスキームDに概略が示されるプロセスに従って調製され得る。
【0089】
【化18】

【0090】
式B−7又はC−3の化合物は、水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物源の存在下、DCM、DCE(ジクロロエタン)又はTHFなどの溶媒若しくは溶媒混合物中で、化合物A−5と反応して、式D−1の化合物を生じ得る(Abdel−Magid,Ahmed F.,et.al.,J.Org.Chem.,1996,61,3849〜3862)。
【0091】
D−1が式Iの化合物である場合(式中、R2は、Hである)、これは更に誘導体化され得る。D1は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物源の存在下、DCM、DCE又はTHFなどの溶媒若しくは溶媒混合物中で、好適なアルデヒド又はケトンと反応して、目的化合物I−aを生じる(式中、R2は、Hではない)。
【0092】
【化19】

【0093】
市販されているか又は科学文献(Xia,Mingde,et.al.米国特許出願公開第2006/0069123(A1)号、p77)に報告されているプロトコルにより調製されるかのいずれかの式E−1の化合物の、有機溶媒(THFなど)での溶液は、塩基(LiHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド))で処理され、続いて、求電子物質(TMSCl(トリメチルシリルクロリド)など)により処理される。得られる混合物は、更に、THFなどの有機溶媒中で、NBS(N−ブロモコハク酸イミド)、NCS(N−クロロコハク酸イミド)又は臭素などのハロゲン化試薬と反応して、式E−2の化合物を生じる(式中、Xは、ブロモ又はクロロである)(Chan,T.H.,Wallace,I.H.M.,Tetrahedron Letters,1982,23,799〜802)。
【0094】
化合物E−2の溶液は、およそ室温において水性試薬溶液(THF、メタノールなどの溶媒又はこれらの混合物中のLiOHなど)により加水分解されて、次に、(HClなどの酸を使用して)酸性化されて、式E−3の化合物を生じ得る。
【0095】
目的化合物(I−b)(式Iの化合物の代表、式中、XはCHCOOHである)は、下記のスキームFに概略が示されるプロセスに従って調製され得る。
【0096】
【化20】

【0097】
化合物B−7又はC−3と、TEA(トリエチルアミン)又はDIPEAなどの塩基と、の溶液(アセトニトリルなど)は、好ましくは還流下で、アセトニトリルなどの溶媒での化合物E−3の溶液と反応して、ラセミ化合物I−bを生じ得る。ラセミ化合物I−bは、当業者に既知の従来の解像技術を使用して、クロマトグラフィーにより分離され得る。
【0098】
あるいは、化合物B−7又はC−3と、TEA又はDIPEAなどの塩基と、の溶液(アセトニトリルなど)は、好ましくは還流下で、アセトニトリルなどの溶媒での化合物E−2の溶液と反応して、ラセミ混合物として化合物F−1を生じ得る。式F−1の化合物は、およそ室温において塩基条件下(THF、MeOH(メタノール)などの溶媒又はこれらの混合物中のLiOHなど)で加水分解されて、化合物I−bを生じ得る。ラセミ化合物I−bは、当業者に既知の従来の解像技術を使用して、クロマトグラフィーにより分離され得る。
【0099】
具体的実施例
(実施例1)
【0100】
【化21】

【0101】
A.ピペリジン−4−オン。4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物1a)(2.03g、10mmol)の、DCM(6mL)での溶液にTFA(6mL)を滴下して加えた。反応液を室温(rt)で3時間(h)にわたって撹拌し、揮発性成分を蒸発により除去した。より多くのDCMを加え、再び蒸発させたところ、TEA塩として化合物1bを生じた。LC/MS:C59NO:m/z 100.0(M+1)。
【0102】
B.3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリロイルクロリド。3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリル酸(化合物1c)(Aldrichから購入)(2.02g、10mmol)の、DCM(20mL)での溶液を室温で5分間にわたって撹拌し、次に、SOCl2(1.5mL、20mmol)を加えた。この反応混合物を還流下で2時間にわたって加熱し、蒸発させて、揮発性成分を除去した。より多くのDCMを加え、再び蒸発させて、更なる精製を行わずに次の工程のための粗化合物1dを生じさせた。
【0103】
C.1−[3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリロイル]−ピペリジン−4−オン。0℃において、1b(10mmol)、TEA(4.18mL、30mmol)の、DCM(28mL)での溶液に、1d(10mmol)の、DCM(4mL)での溶液を滴下して加えた。0℃で15分(min)にわたって攪拌した後、混合物を室温で一晩攪拌した。反応液をH2Oの添加により反応停止させ、有機相を1NのHCl、H2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:EtOAc(エチルアセテート)/ヘキサン、1/1)により精製したところ、化合物1e、2.08g、73%を生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.56〜7.60(1H,d)、7.14〜7.18(2H,m)、6.84〜6.88(1H,d)、3.88〜4.09(4H,m)、2.55〜2.58(4H,t);LC/MS:C14123NO2:m/z 284.3(M+1)。
【0104】
(実施例2)
【0105】
【化22】

【0106】
A.4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。4−(3−インド)ピペリジン(化合物2a)(Tyger Scientific Inc.から購入)(1.0g、5mmol)とジ−tert−ブチルジカルボネート(1.36g、6.25mmol)とK2CO3(2.19g、15.9mmol)の、THF(80mL)及びH2O(40mL)での溶液を60℃で22時間にわたって撹拌した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(1.1g、5mmol)及びK2CO3(0.7g、5mmol)の別のバッチを加え、混合物を60度で更に5時間にわたって撹拌した。室温に冷却し、2つの相を分離し、水相をEtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去したところ、白色固体2bとして生成物を生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.01(1H,s)、7.62〜7.64(1H,d)、7.36〜7.38(1H,d)、7.17〜7.21(1H,td)、7.09〜7.13(1H,td)、6.95〜6.96(1H,d)、4.18〜4.30(2H,m)、2.85〜3.20(3H,m)、2.02〜2.06(2H,d)、1.65〜1.68(2H,m)、1.53(9H,s);LC/MS:C182422:m/z 300.7(M+1)。
【0107】
B.4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インドール−3−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。2b(5mmol)の、トルエン(15mL)での懸濁液に、テトラブチルアンモニウム水素スルファート(TBAHS)(0.26g、0.75mmol)と50%水性NaOH溶液(15mL)とパラ塩化トルエンスルホニル(TsCl)(1.43 g、7.5mmol)をこの順序で加えた。混合物を、室温において16時間にわたって激しく攪拌した。分離後、水相をEtOAcで抽出した。集めた有機相を1NのHCl、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:EtOAc/ヘキサン、3/7)により精製したところ、2cを生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.97〜7.99(1H,d)、7.72〜7.74(2H,d)、7.50〜7.52(1H,d)、7.20〜7.32(5H,m)、4.18〜4.30(2H,m)、2.83〜2.89(3H,m)、2.33(3H,s)、1.97〜2.00(2H,d)、1.56〜1.66(2H,qd)、1.49(9H,s);LC/MS:C253024S:m/z 455.2(M+1)。
【0108】
C.3−ピペリジン−4−イル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インドール。2c(1.98g、4.3mmol)の、DCM(10mL)での溶液にTFA(6mL)を加え、混合物を室温において3時間にわたって撹拌した。揮発性成分を除去した後、残留物をEtOAcに溶解させ、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去し、蒸発させて乾燥状態にしたところ、白色の泡として生成物2dを生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.98〜8.00(1H,d)、7.73〜7.76(2H,m)、7.51〜7.53(1H,d)、7.29〜7.33(2H,m)、7.20〜7.24(3H,m)、3.79(1H,s)、3.29〜3.32(2H,d)、2.85〜2.94(3H,m)、2.33(3H,s)、2.04〜2.08(2H,d)、1.72〜1.83(2H,qd);LC/MS:C202222S:m/z 355.2(M+1)。
【0109】
D.3−(1−ニトロソ−ピペリジン−4−イル)−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インドール。2d(1.62g、4.57mmol)の、CHCl3(20mL)での溶液に、5Mの水性HCl溶液(4.34mL)及びNaNO2(1.58g、22.9mmol)を少しずつ加えた。添加が完了した後、混合物を室温において一晩にわたって激しく撹拌した。有機層を分離し、水相をCHCl3で洗浄した。集めた有機相を飽和NaHCO3溶液、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去したところ、黄色の泡として生成物2eを生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.99〜8.01(1H,d)、7.73〜7.76(2H,m)、7.50〜7.52(1H,m)、7.31〜7.36(2H,m)、7.21〜7.27(3H,m)、5.15〜5.20(1H,m)、4.89〜4.94(1H,m)、3.81〜3.89(1H,dt)、3.11〜3.18(1H,tt)、2.68〜2.75(1H,td)、2.28〜2.37(4H,m)、2.09〜2.15(1H,m)、1.83〜1.94(1H,qd)、1.50〜1.61(1H,qd);LC/MS:C202133S:m/z 384.1(M+1)。
【0110】
E.4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イルアミン。1Mのリチウムアルミニウム水素化物の、THF(5.5mL、5.5mmol)での溶液を、2e(1.5g、3.9mmol)のTHF(10mL)での溶液に0℃おいて滴下により加えた。添加が完了した後、混合物を室温において30分間にわたって撹拌し、Ar下で一晩にわたって還流させた。次に、EtOH(エタノール、1mL)及びH2O(3mL)を注意深く加えることにより、混合物を加水分解し、濾過した。溶液をEtOAcで洗浄した。集めた濾液を2NのNaOH及び食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去し、蒸発させて乾燥状態にしたところ、生成物2fを生じた。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ7.55〜7.57(1H,d)、7.30〜7.32(1H,d)、6.95〜7.08(3H,m)、3.21〜3.24(2H,d)、2.81〜2.84(1H,m)、2.40〜2.45(2H,t)、2.01〜2.09(2H,m)、1.84〜1.94(2H,m);LC/MS:C13173:m/z 216.2(M+1)。
【0111】
(実施例3)
【0112】
【化23】

【0113】
A.1−{4−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。2f(0.65g、3mmol)及び1e(0.85mmol)の、DCE(8mL)及びTHF(2mL)での懸濁液をHOAc(酢酸)(0.26mL、4.5mmol)及びNaBH(OAc)3(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム)(0.95g、4.5mmol)で処理し、混合物を一晩にわたって撹拌した。溶媒を除去した後に、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:EtOAc/ヘキサン、4/5)により精製したところ、3aを生じた。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ10.75(1H,s)、7.79〜7.83(2H,dd)、7.52〜7.54(1H,d)、7.31〜7.39(3H,m)、7.03〜7.09(2H,m)、6.93〜6.97(1H,m)、4.06〜4.08(2H,m)、2.98〜3.18(5H,m)、2.65〜2.78(1H,m)、2.27〜2.33(2H,m)、1.92〜1.95(2H,m)、1.70〜1.81(4H,m)、1.20〜1.38(2H,m);LC/MS:C272934O:m/z 483.2(M+1)。
【0114】
(実施例4)
【0115】
【化24】

【0116】
A.1−(4−{[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−メチル−アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。化合物3a(0.05g、0.1mmol)とホルムアルデヒド(H2O中に37%、0.48g、0.6mmol)とNaBH(OAc)3(0.15g、0.7mmol)との混合物を、DCE(2mL)とHOAc(0.1mL)とTHF(1mL)との中で室温において3日間にわたって撹拌した。水処理及びHPLC精製を行い、その後、NaHCO3溶液により中和したところ、黄色の固体として4aを生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.13(1H,s)、7.62〜7.64(1H,d)、7.45〜7.49(1H,d)、7.35〜7.37(1H,d)、7.08〜7.20(4H,m)、6.95〜6.96(1H,d)、6.83〜6.87(1H,d)、4.27〜4.34(1H,d)、3.92〜3.95(1H,d)、3.27〜3.32(1H,t)、3.14〜3.19(1H,t)、2.91〜2.94(2H,d)、2.58〜2.78(4H,m)、2.39(3H,s)、1.94〜2.08(3H,m)、1.74〜1.83(3H,m)、1.55〜1.66(2H,m);LC/MS:C283134O:m/z 497.3(M+1)。
【0117】
B.1−(4−{エチル−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。ホルムアルデヒドの代わりにアセトアルデヒドを使用することにより、化合物4bを実施例4の手順Aに従って調製した。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.10(1H,s)、7.61〜7.63(1H,d)、7.45〜7.49(1H,d)、7.34〜7.36(1H,d)、7.07〜7.19(4H,m)、6.95〜6.96(1H,d)、6.83〜6.87(1H,d)、4.47〜4.50(1H,d)、4.10〜4.15(2H,q)、4.01〜4.04(1H,d)、3.89〜3.96(1H,m)、3.20〜3.26(1H,t)、2.70〜2.98(6H,m)、2.01〜2.04(2H,d)、1.65〜1.89(6H,m)、1.12〜1.16(3H、t);LC/MS:C293334O:m/z 511.3(M+1)。
【0118】
C.1−(4−{[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−イソブチル−アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。ホルムアルデヒドの代わりに2−メチル−プロピオンアルデヒドを使用することにより、化合物4cを実施例4の手順Aに従って調製した。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ8.04(1H,s)、7.60〜7.62(1H,d)、7.47〜7.50(1H,d)、7.34〜7.36(1H,d)、7.07〜7.19(4H,m)、6.95〜6.96(1H,d)、6.84〜6.88(1H,d)、4.60〜4.64(1H,d)、4.05〜4.09(1H,q)、3.14〜3.20(1H,t)、2.92〜2.98(2H,m)、2.63〜2.83(6H,m)、2.45〜2.48(2H,dd)、1.99〜2.05(3H,m)、1.66〜1.88(5H,m)、0.92〜0.93(6H,d);LC/MS:C313734O:m/z 539.3(M+1)。
【0119】
D.1−(4−{2,3−ジヒドロキシ−プロピル[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。[]ホルムアルデヒドの代わりに2,3−ジヒドロ−プロピオンアルデヒドを使用することにより、化合物4dを実施例4の手順Aに従って調製した。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.04(1H,s)、7.41〜7.54(4H,m)、7.30〜7.32(1H,d)、7.20〜7.23(1H,d)、7.04〜7.08(1H,m)、6.94〜6.98(2H,m)、4.60〜4.64(1H,d)、4.27〜4.31(1H,d)、3.77〜3.82(2H,m)、3.54〜3.64(2H,m)、3.15〜3.28(3H,m)、2.73〜2.89(6H,m)、2.08〜2.14(2H,d)、1.86〜1.95(2H,m)、1.73〜1.83(2H,,m)、1.53〜1.64(2H,m);LC/MS:C3035343:m/z 557.0(M+1)。
【0120】
E.1−(4−{1H−イミダゾール−2−イルメチル)−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−プロペノン。ホルムアルデヒドの代わりに1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドを使用することにより、化合物4eを実施例4の手順Aに従って調製した。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ7.39〜7.52(4H,m)、7.29〜7.31(1H,d)、7.18〜7.21(1H,d)、7.02〜7.07(3H,m)、6.93〜6.97(2H,m)、4.39〜4.43(1H,d)、4.15〜4.19(1H,d)、4.07〜4.10(3H,m)、3.21〜3.30(1H,t)、3.10〜3.13(2H,d)、2.86〜2.94(2H,m)、2.63〜2.71(3H,m)、1.93〜2.03(3H,m)、1.78〜1.84(2H,m)、1.53〜1.59(2H,m);LC/MS:C313336O:m/z 563.3(M+1)。
【0121】
(実施例5)
【0122】
【化25】

【0123】
A.ブロモ−{1−[3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリロイル]−ピペリジン−4−イル}−酢酸メチルエステル。冷却した(−78℃)LiHMDSの溶液(THF中に1.0M)の中に、Xia,Mingde;Wachter,Michael P.;Pan,Meng;Demong,Duane E.;Pollack,Scott K.の米国特許出願公開(2005年)第2006069123号、76ページに記載の手順に従って調製された5a(6.83g、20mmol)の、THF(70mL)での溶液を滴下により30分間加えた。−78℃において1時間にわたって撹拌した後、TMS−Cl(5.06mL、60mmol)を滴下により加えた。この溶液を−78℃において更に2時間にわたって撹拌し、THF(10mL)中の臭素(1.03mL、20mmol)を滴下により加えることで反応停止させた。次に、反応混合物をEtOAc(150mL)と飽和NaHCO3溶液(150mL)との溶液に注入した。2つの相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。集めた有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。蒸発により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:EtOAc/ヘキサン、3/7)により精製したところ、化合物5bを生じた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ7.47〜7.51(1H,d)、7.11〜7.15(2H,t)、6.79〜6.83(1H,d)、4.74〜4.81(1H,m)、4.05〜4.07(1H,d)、3.80(3H,s)、3.10〜3.20(1H,m)、2.66〜2.72(1H,m)、2.16〜2.24(2H,m)、1.72〜1.79(2H,m)、1.26〜1.36(2H,m);LC/MS:C1717r3NO3:m/z 420.0(M+1)。
【0124】
B.ブロモ−{1−[3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリロイル]−ピペリジン−4−イル}−酢酸。5b(0.7g、1.67mmol)の、MeOH(13mL)及びTHF(4.4mL)での撹拌溶液に、LiOH(0.2g、8.35mmol)のH2O(4.4mL)での溶液を滴下により加えた。薄層クロマトグラフィー(tlc)が出発物質が残っていないと示すまで、混合物を室温において撹拌した。揮発性成分を蒸発により除去し、固体を濾過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥させたところ、白色の固体として5cを生じた。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ13.4(1H,s)、7.79〜7.83(2H,t)、7.33〜7.44(2H,m)、4.47〜4.54(1H,t)、4.33〜4.35(1H,d)、3.08〜3.13(1H,m)、2.66〜2.73(1H,m)、2.09〜2.12(1H,m)、1.91〜1.99(1H,m)、1.68〜1.75(2H,m)、1.16〜1.29(2H,m);LC/MS:C1615r3NO3:m/z 406.0(M+1)。
【0125】
C.[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イルアミノ]−{1−[3−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−アクリロイル]−ピペリジン−4−イル}−酢酸。CH3CN(1mL)中の2f(0.012g、0.054mmol)と5c(0.02g、0.049mmol)とTEA(0.01mL、0.065mmol)との混合物を還流下で5時間にわたって加熱した。溶媒を除去し、HPLCにより精製したところ、THF塩としてラセミ化合物5dを生じた。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ7.39;LC/MS:C2931343:m/z 541.3(M+1)。
【0126】
インビトロ生物学的データ
本発明の化合物は、種々の代表的生物学的試験にかけられた。
【0127】
これらの試験結果は、非限定的な方式で本発明を示すことが意図されている。
【0128】
THP−1細胞におけるMCP−1受容体結合アッセイ
ヒト単球細胞系統THP−1細胞をAmerican Type Culture Collection(Manassas,Va.,USA)から得た。37℃の加湿5%CO2雰囲気中で10%のウシ胎児血清を補充したRPMI−1640(RPMI:Roswell Park Memorial Institute Medium−細胞培養増殖培地)でTHP−1細胞を増殖させた。細胞密度を0.5×106細胞数/mLの間に維持した。
【0129】
未標識のMCP−1(R & D Systems(Minneapolis,Minn.))か又は試験化合物のいずれかが様々な濃度で存在する中で、96ウェルプレートで30℃において2時間にわたって、THP−1細胞を0.5nMの125Iで標識されたMCP−1(Perkin−Elmer Life Sciences,Inc.(Boston,Mass.))と共に培養した。次に、細胞をフィルタープレート上に採取し、20μLのMicroscint 20を各ウェルに加えた。プレートをTopCount NXT,Microplate Scintillation & Luminescence Counter(Perkin−Elmer Life Sciences,Inc.(Boston,Mass.))で計数した。全ての値からブランク値(緩衝液のみ)を減算し、薬剤処理値を分散媒処理値と比較した。1μMの冷却MCP−1を非特異性結合に使用した。
【0130】
表1は、本発明の試験化合物のために得られた、CCR2へのMCP−1の結合の阻害に関するIC50値を列挙する。IC50値が特定の化合物について得られなかったところでは、阻害パーセントが25μMの試験濃度において提供される。表1 MCP−1結合阻害IC50(μM)
【0131】
【表1】

【0132】
THP−1細胞におけるMCP−1誘導によるカルシウム可動化
ポリ−Dリジンでコーティングした透明な底の黒い96ウェルプレートにTHP−1細胞を8×105細胞数/mL(100μL/ウェル)の密度で採取する。45分間にわたって細胞に5μMのfluo−3を装填する。fluo−3を洗い流し、15分間にわたって様々な濃度の試験化合物と共に細胞を培養する。0.2μMのMCP−1を加えたときのカルシウムイオン濃度の変化をFLIPRを使用して測定し、分散媒と比較する。
【0133】
THP−1細胞におけるMCP−1誘導による遊走
MCP−1誘導による遊走を24ウェル遊走チャンバにおいて行わせた。MCP−1(0.1μg/mL)を下のチャンバに加え、100μLのTHP−1細胞(1×107細胞数/mL)を上のチャンバに加える。様々な濃度の試験化合物を上下のチャンバに加える。細胞を37℃及び5%のCO2において3時間にわたって遊走させておく。下のチャンバに移動する細胞のアリコートを取り、計数し、次に分散媒と比較する。
【0134】
コラーゲン誘導関節炎モデル
コラーゲン誘導関節炎モデルIマウスにおいて、第0日にDBA1マウスをウシII型コラーゲンで免疫化させ、第21日にリポ多糖体(LPS)を注射(皮下)し、第20日〜第35日に25mg/kg、50mg/kg又は100mg/kgのいずれかで試験化合物を投与(腹腔内、1日2回)する。体重をモニターし、臨床疾患スコアを第20日から始めて2〜3日毎に記録する。
【0135】
マウスにおけるオボアルブミン誘導型アレルギー性鼻炎の阻害
ミョウバン中に乳化させたオボアルブミン(OVA)の腹腔内注射(第0日、第5日、第14日、第21日)によりBALB/cマウスを感光性にする(マウス群は、各々OVAの経鼻投与(第22〜35日、第38日)を行われる)。対照群のマウスは、等量の分散媒を経鼻投与される。鼻の症状(くしゃみ及び前足で鼻をこする動作の回数)を最後の経鼻投与(第38日)に続く5分間で計数する。
【0136】
前述の明細書は、例示を目的として提供される実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれる全ての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

式中、
1は、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールであり、ここで、前記フェニル、ナフチル、ヘテロアリール又は部分飽和ベンゾ縮合ヘテロアリールは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3及び−OHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H、−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、前記−C(1〜4)アルキル及び前記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F、−Cl、ヘテロアリール又はフェニルで置換され、
Xは直接結合又はCHCO2Hであり、
3は、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2、−NHCOCH3又は−OHであり、
4は、−F、−Cl、−OCH3であるか、又は隣接するR3と一緒になってメチリデンアセタールを形成してもよく、
5は、−F、Cl又は−OCH3であり、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩である、化合物。
【請求項2】
式中、
1が、
【化2】

又はインドリルであり、
これらのうちの任意のものは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2
−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、
−CONHC(1〜4)アルキル、−SO2NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2、−CONH2、−SO2NH2
−NHCOCH3及び−OHからなる群から選択される最大3個の置換基で置換されてもよく、
2は、H、
【化3】

−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、前記−C(1〜4)アルキル及び前記
−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F、−Cl、ヘテロアリール又はフェニルで置換され、
3は、−F、−Cl、−CF3、−CN、−C(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルOH、−C(1〜4)アルキルNH2、−C(1〜4)アルキルNHC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキルN(C(1〜4)アルキル)2、−NO2、−NHC(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、−NH2又は−OHである、請求項1に記載の化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩。
【請求項3】
式中、
1は、
【化4】

であり、これらのうちの任意のものは、所望により、−F、−Cl、−CF3、−CN、−OH、−OC(1〜4)アルキル、−C(1〜4)アルキル及び−C(1〜4)アルキルOHであってもよく、
2は、H、
【化5】

−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、前記−C(1〜4)アルキル及び前記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OH、−NH2、−F又は−Clで置換され、
3は、−F、Cl又は−OCH3である請求項2に記載の化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩。
【請求項4】
式中、
1は、
【化6】

であり、
2は、H、
【化7】

−C(1〜4)アルキル又は−C(1〜4)アルキル−OHであり、ここで、前記−C(1〜4)アルキル−OHは、所望により、−OHで置換され、
4は、−F、Cl又は−OCH3である、請求項3に記載の化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩。
【請求項5】
式中、
1は、
【化8】

であり、
2は、H、C(1〜4)アルキル、ジヒドロキシプロピル又は
【化9】

であり、
3は、Fであり、
4は、Fであり、
5は、Fである、請求項4に記載の化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩。
【請求項6】
【化10】

からなる群から選択される化合物、
並びに、これらの溶媒和物、水和物及び製薬上許容できる塩。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物及び製薬上許容できるキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容できる担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造するプロセス。
【請求項10】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するための方法。
【請求項11】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、CCR2媒介炎症症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減するための方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、MCP−1発現の上昇若しくはMCP−1過剰発現に関連し、又は、MCP−1発現の上昇若しくはMCP−1過剰発現に関連する症候群、障害又は疾患に伴う炎症状態である、方法。
【請求項12】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、予防、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、眼の障害、ブドウ膜炎、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、腎炎、臓器移植拒絶反応、肺線維症、腎不全、糖尿病及び糖尿病合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性微小血管症、結核、慢性閉塞性肺疾患、類肉腫症、侵襲性ブドウ球菌感染症、白内障手術後の炎症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく、歯周病、歯周炎、歯肉炎、歯肉疾患、拡張型心筋症、心筋梗塞、心筋炎、慢性心不全、血管狭窄、再狭窄、再潅流障害、糸球体腎炎、固形腫瘍及び癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、ホジキン病、並びに、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌及び胃癌からなる群から選択される、方法。
【請求項13】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、眼の障害、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく及び歯周病からなる群から選択される、方法。
【請求項14】
その必要がある対象に請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、並びに、歯周炎、歯肉炎及び歯肉疾患からなる群から選択される歯周病からなる群から選択される、方法。
【請求項15】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、急性ブドウ膜炎、反復性ブドウ膜炎、慢性ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、アレルギー性ぜんそく、歯周炎、歯肉炎又は歯肉疾患からなる群から選択される、方法。
【請求項16】
症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、1つ以上の抗炎症剤、抗感染剤又は免疫抑制剤と組み合わせてその必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含み、前記症候群、障害又は疾患が、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、並びに、歯周炎、歯肉炎及び歯肉疾患からなる群から選択される歯周病からなる群から選択される、方法。
【請求項17】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、急性、反復性又は慢性ブドウ膜炎などのブドウ膜炎である、方法。
【請求項18】
その必要がある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を、治療又は軽減する方法であって、前記症候群、障害又は疾患が、前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎又は全ブドウ膜炎などのブドウ膜炎である、方法。

【公表番号】特表2011−525532(P2011−525532A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516472(P2011−516472)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/047895
【国際公開番号】WO2010/008761
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】