説明

CM検索方法、CM検索結果受給方法、CM検索装置、CM検索結果受給装置及びCM録画予約システム

【課題】キーワード等のある条件に合致するCMをサーバに問い合わせることにより、ユーザが希望のCMを視聴できるようにする。
【解決手段】CM情報サーバ103が、テレビジョン放送から検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースを作成しておき、ユーザ102からネットワーク101を介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記データベース内を検索し、コマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して上記ユーザ102に送信する。上記ユーザ102は、テレビジョン放送から検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM情報サーバ103から送られてきた特徴量と一致するコマーシャルメッセージを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコマーシャルメッセージの検索を行うCM検索方法、CM検索結果受給方法、CM検索装置、CM検索結果受給装置及びCM録画予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン放送では、消費者に対する有効な広告手段として、コマーシャルメッセージ(以下CMとする)を番組本編と共に放送している。ところが、一般的にCMには時間的制約があり、商品やサービスの情報を十分に消費者に提供できているとは言い難い。それを補うため、店頭にて商品を展示したり、カタログを頒布したりしている。又、現在ではインターネットが一般的に普及しているため、自らのWebサイトを設け、そこで情報提供を行っている企業も少なくない。一方、消費者としても、CMの商品、登場する俳優、使われている楽曲など、放送されたCMに関する情報を得たいという欲求があり、店頭で実際に商品を見るだけでなく、カタログや、インターネット等を利用している。
【0003】
しかしながら、現状、テレビジョン放送にて放送されたCMを視聴した消費者が、そのCMに関連する情報を得るためには、そのCMの企業名や商品名を書き留め、店頭や、インターネット等で改めて調べる必要がある。インターネットが普及している現在では様々な情報を間単に検索できる環境が整っているものの、改めて検索するという作業は煩雑な作業であり、そもそも短いCMの中で検索に必要なキーワード等の情報を得ることができるか否かという問題も存在する。
【0004】
このような煩雑さを解消するため、例えば、放送されたCMの履歴をサーバにて逐次作成し、ユーザはCMが放送された時刻と放送チャネルをそのサーバに送信することでCMに関する情報を取得できる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、入力信号から所定の時間間隔で発生する信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間を検出し、その候補区間内又はその前後の入力信号から第1の信号らしさを表わす特徴量を抽出し、その特徴量に基づき第1の信号の区間を検出することにより、例えば、TV放送信号に含まれるコマーシャルメッセージ部分を高精度に検出又は検索可能とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、記録された映像信号及び/又は音響信号から、ユーザの所望の再生位置を検索して再生するための手法として、映像信号及び/又は音響信号を記録する際に、その特徴ベクトルについても記録し、また、記録された映像信号及び/又は音響信号を再生する際に、例えばユーザが指定する信号位置に対応する特徴ベクトルを登録しておき、記録手段に記録されている特徴ベクトルから、登録された特徴ベクトルの少なくとも1つとの相関値が所定の閾値を超える特徴ベクトルを検出し、その検出された特徴ベクトルに基づいて再生点を設定して当該再生点から映像信号及び/又は音響信号を再生する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−10237号公報
【特許文献2】特開2002−16873号公報
【特許文献3】特開2003−339010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、一方で、ある条件を出発点としてその条件に合致するCMを如何に簡単にユーザが取得できるようにするかという問題が存在する。例えば、ある俳優が出演しているCMを集めたいという欲求に対して、録画してあるCMをユーザ自身がひとつひとつ確認しなければならない。更に、例えば、シリーズ物のCMのように、ユーザがまだ視聴したことのない特定のCMを視聴したいという欲求に対して、いつ放送されるか分からないCMのために、ユーザ自身がテレビジョン放送を延々と視聴しなければならない。番組本編は番組表によって放送時刻と放送チャネルを手軽に調べられるが、CMの放送時刻や放送チャネルは一般には公開されていない。これらの問題の解決を図る上で注意しなければならない点がある。それはCMも著作物であるということである。つまり、インターネット等を通じてCMの映像そのものを権利者の許可なくやりとりすることは、権利上の問題が否定できない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の問題点に鑑み、キーワード等のある条件に合致するCMをサーバに問い合わせ、サーバはそのCMの特徴量をユーザに回答し、ユーザがその特徴量を使って希望のCMを視聴できるようにすることにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、ある条件に合致するCMの録画予約をそのCMの特徴量によって行うことができるようにすることにある。
【0011】
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るCM検索方法は、CM検索装置が、テレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースを作成しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して上記CM検索結果受給装置に送信し、上記CM検索結果受給装置が、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信しコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを選択することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るCM録画予約方法は、CM検索装置が、テレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースを作成しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して上記CM検索結果受給装置に送信し、上記CM検索結果受給装置が、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画予約し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るCM検索装置は、テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースに格納しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介してCM検索結果受給装置に送信する制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るCM検索結果受給装置は、テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介してCM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを選択する制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係るCM録画予約システムは、テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースに格納しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介してCM検索結果受給装置に送信する制御を行う制御手段とを備えるCM検索装置と、テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画予約し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画する制御を行う制御手段とを備えるCM検索結果受給装置とからなることを特徴とする。
【0017】
本発明では、キーワードに合致するCMをネットワーク上のサーバにて検索する際、検索結果を検索されたCMの特徴量でユーザに返し、それを受け取ったユーザは自身が使用する録画再生装置内で、その特徴量をキーとしてCMの検索を行うことにより、サーバはユーザに対してCMそのものを返さなくても、同様の効果を得ることができる。
【0018】
また、本発明では、サーバから受け取った特徴量と一致するCMを録画する録画予約方法により、放送時刻や放送チャネルが分からないCMの録画予約が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0020】
本発明は、例えば図1に示すような構成のCM録画予約システム100に適用される。
【0021】
図1は、CM録画予約システム100全体の接続状態を示す概念図である。
【0022】
このCM録画予約システム100は、 インターネット101に接続された複数のユーザ102,・・・102及びCM情報サーバ103と、テレビジョン放送を送信する放送局106からなる。
【0023】
CM情報サーバ103はサーバ104とデータベース105からなり、サーバ104により放送局106から放送されるテレビジョン放送を受信し、受信したテレビジョン放送からCMを検出し、新規のCMが放送された場合、そのCMをデータベース105に登録する。サーバ104の管理者は新規に登録されたCMの企業名や商品名、楽曲や出演俳優などの付加情報(以下CM付加情報とする)を収集しデータベース105に登録する。ユーザ102,・・・102は放送局106から放送されるテレビジョン放送を受信し、録画すると同時に受信したテレビジョン放送からCMを検出し、新規のCMが放送された場合、そのCMの付加情報をCM情報サーバ103に問い合わせる。サーバ104は、問い合わせられたCMをデータベース105内で検索し、検索結果をユーザに通知する。
【0024】
ユーザ102,・・・102(以下まとめてユーザ102という)が、インターネット101を経由してCM情報サーバ103にCM付加情報を問い合わせる際、ユーザ102側からサーバ104側に送信するデータは、CMの映像(画像と音声)そのものではなく、CMの映像の特徴量とする。近年では映像圧縮技術が進歩しており、非圧縮の場合と比較して小さなデータ量で映像を表現することが可能である。しかしながら、映像データは依然としてデータ量が多く、映像データそのものを検索のために送信することは非現実的である。又、CMの映像にも著作権等の権利があり、CMを送信することは権利上の問題が発生する可能性がある。そこで、CMの映像から、そのCMの特徴を表現する特徴量を抽出し、その特徴量を映像の代わりに用いる。つまり、特徴量とはもとの映像よりもデータサイズが極めて小さく、かつ、元の映像を区別できるだけの独立性を持つものとする。そのような特徴量の例としては、上記特許文献3にて公開されている映像信号の所定時間区間内における少なくとも1枚のフレームの平均画像の画素値をベクトル化したものの時系列や、上記平均画像を所定のブロック単位の小画像に分割し、当該小画像の画素値をベクトル化したものの時系列などがある。
【0025】
ここで、CM付加情報を提供するCMサーバ103の概念構成を図2のブロック図に示す。
【0026】
すなわち、CMサーバ103は、図1ではサーバ104とデータベース105を合わせたものに該当し、テレビジョン放送を受信する放送受信部201、テレビジョン放送の映像信号やチャネル情報、放送モード情報等映像信号に付随する情報が上記放送受信部201から供給される制御部202、この制御部202に接続された記憶部203、データベース204、ネットワーク制御部205、出力制御部206及び入力制御部207などからなる。
【0027】
放送受信部201はテレビジョン放送を受信し、映像信号やチャネル情報、放送モード情報等映像信号に付随する情報を制御部202へ送る。
【0028】
制御部202は、放送受信部201から得た映像信号からCMを検出するためのプログラムを記憶部203から読み出し、CM検出を開始する。このCM検出を行うための方法は、例えば特許文献2に詳しく記載されている方法が適用可能である。例えばTV放送信号の本編とコマーシャルメッセージ部分のように、本編信号とコマーシャルメッセージ信号(第1の信号)よりなるTV放送信号の音声及び/又は映像信号から、所定の必須条件に基づき、信号が特徴的パターンを示すCM候補区間を抽出し、それらCM候補区間に対して、幾つかの特徴からCMらしさを表わす指標である付加条件を検出し、抽出した付加条件を総合してCMの判定を行うことにより、精度良く個々のCMの検出を行う。また、上記検出する付加条件の一部又は全部を記録し、TV放送信号や記録された他のCM候補と比較することより、TV放送信号又はそれが記録されたデータベースから所望のCMを検索することもできる。但し、必ずしもこの方法でなくとも、CM一つ一つを正確に検出することができる方法であれば良い。
【0029】
制御部202がCMを検出した場合、その検出されたCMが既にデータベース204に登録済みか否か検索するためのプログラムを記憶部203から読み出し、データベース204内を検索する。検出されたCMと同じCMがデータベース内に見つからなかった場合は、制御部202は検出されたCMの映像とその特徴量をデータベース204に登録する。データベース204に登録されるCMは、例えば、図3に示すような付加情報登録待ちCMリストと付加情報登録済みCMリストが考えられる。制御部202は、新たに登録するCMをまず付加情報登録待ちCMリストに登録し、サーバ管理者にその旨を伝える。伝える方法は、例えば、出力制御部206にて図示しないモニタ等外部出力部にその旨のメッセージを表示することで行う。例えば、表示画面は、図13のように、付加情報登録待ちCMリストに登録されているCMの一覧を画面に並べて表示する形式とする。サーバ管理者は画面下部の「前の候補」ボタンや「次の候補」ボタンを操作することで、付加情報登録待ちCMリスト内のCMを次々に確認することができる。付加情報登録待ちCMリストに新たにCMが登録されたことを知った管理者は、データベース204に記憶されているそのCMの映像を確認し、企業名や商品名や俳優など、そのCMの付加情報となる情報を図示しない手段によって収集し、図示しないキーボード等の外部入力部を用いてCMサーバ103に入力する。例えば、管理者が付加情報を入力する際の表示画面は、図14のように、付加情報の項目と入力欄1402〜1405を画面に並べて表示する形式とする。サーバ管理者は、各項目の入力欄1402〜1405に情報を入力する。制御部202は入力された付加情報を入力制御部207経由で取得し、データベース204に登録する。例えば図3に示すような付加情報登録待ちCMリスト内のCMで付加情報が入力されたCMは、付加情報登録待ちCMリストから付加情報登録済みCMリストに移される。付加情報登録済みCMリストに登録されているCMをサーバ管理者が確認するために、例えば、図13のような画面に付加情報登録済みCMリストのCMが一覧表示され、サーバ管理者がその中から特定のCMを選択すると、例えば、図15のような画面が表示される。図15では、画面1501に、CMの付加情報を表示する領域1503とそのCMの映像を表示する領域1502がある構成である。CMの付加情報を表示する領域1503に、サーバ管理者が入力した付加情報が表示される。
【0030】
ユーザ102からのCMの問い合わせは、制御部202がネットワーク制御部205経由で受け付ける。ユーザ102から送信されてくるCMを特定するための情報は、キーワードである。制御部202は、問い合わせのキーワードに合致するCMがデータベースに登録されているか否か検索するためのプログラムを記憶部203から読み出し、データベース204内を検索する。問い合わせのキーワードに合致するCMが付加情報登録済みCMリスト内に見つかった場合は、そのCMの特徴量を、見つからなかった場合は見つからなかったということを、ネットワーク制御部205を経由してユーザ102に送信する。キーワードに合致するCMが見つかった場合に、CMサーバ103からユーザ102に送信する情報には、見つかったCMの特徴量の他に、企業名や商品名、登場する俳優や楽曲等の付加情報を加えても良い。
【0031】
ここで、上記CMサーバ103における制御部202による新規CMの登録処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0032】
すなわち、新規CMの登録処理では、先ずステップS401において、テレビジョン放送を受信する。放送がアナログの場合は、デジタル化しておく。
【0033】
ステップS402では、受信したテレビジョン放送の映像信号からCMを検出する。
【0034】
ステップS403では、ステップS402でCMが検出されたか否かを判定する。このステップS403における判定結果がYes、すなわち、CMが検出された場合は、ステップS404へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、CMが検出されなかった場合は、ステップS401へ戻る。
【0035】
ステップS404では、検出されたCMから特徴量を求め、その特徴量によってデータベース204内を検索し、上記検出されたCMが既にデータベース204に登録されているか否かを判定する。このステップS404における判定結果がNo、すなわち、検出されたCMと同じCMがデータベース204に登録されていなかった場合は、ステップS405へ進み、また、判定結果がYes、すなわち、既に登録されていた場合は、ステップS401へ戻る。
【0036】
ステップS405では、検出されたCMの映像とその特徴量をデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに登録する。登録後は、ステップS401へ戻って処理を続ける。
【0037】
次に、上記CMサーバ103におけるデータベース204内の付加情報登録待ちCMリストに対する処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】
すなわち、付加情報登録待ちCMリストに対する処理では、先ず、ステップS501において、データベース内の付加情報登録待ちCMリストに新たなCMが登録されているか否かを判定する。そして、ステップS501における判定結果がYes、すなわち、新たなCMが登録されている場合は、ステップS502へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、登録されていない場合は、処理を終了する。
【0039】
ステップS502では、付加情報登録待ちCMリストに登録されているCMをサーバ管理者に提示する。提示処理は、制御部202がデータベース204内の付加情報登録待ちCMリストを出力制御部206を経由して図示しないモニタ等の外部出力部に表示することによって行う。外部出力部に表示される画面は、例えば、図13のように付加情報登録待ちCMリスト内のCMを一覧で表示するような構成である。
【0040】
次のステップS503では、付加情報登録待ちCMリストを確認した管理者が図示しない方法によって収集した付加情報を、キーボード等の外部入力部によって入力する。入力処理は、例えば、制御部202が入力制御部207を経由して図示しないキーボード等の外部入力部から入力された付加情報を制御部202がデータベース204内の付加情報登録待ちCMリストの該当CMと関連付けることによって行う。入力処理の際、入力を支援するためにモニタ等の外部出力部に表示する画面は、例えば、図14のような、付加情報の項目とその入力欄1402〜1405を並べて表示する構成である。
【0041】
さらに、ステップS504では、付加情報が入力されたCMを付加情報登録待ちCMリストから付加情報登録済みCMリストに移動し、処理を終了する。
【0042】
なお、図5に示す一連の処理は、新規のCMがデータベースに登録されるたびに開始される設定でも良いし、時間を決めて、例えば1時間ごとに開始される設定でも良いし、もしくは、管理者が開始を指示する設定でも良い。
【0043】
次に、上記CMサーバ104におけるユーザ102からのCM付加情報問い合わせに対する処理について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
すなわち、ユーザ102からのCM付加情報問い合わせに対する処理では、先ず、ステップS601において、ユーザ102からのCM問い合わせがあるか否かを判定する。そして、ステップS601における判定結果がYes、すなわち、問い合わせがある場合は、ステップS602へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、問い合わせがない場合は、ステップS601へ戻る。
【0045】
ステップS602では、ユーザより送信されたキーワードにてデータベース内の付加情報登録済みCMリスト内を検索する。検索処理は、例えば、制御部202がネットワーク制御部205を経由して問い合わせキーワードを受け取り、そのキーワードでデータベース204内の付加情報登録済みCMリストを検索することによって行う。
【0046】
次のステップS603では、問い合わせキーワードと合致する付加情報を持つCMがデータベース内に見つかったか否かを判定する。そして、このステップS603における判定結果がYes、すなわち、見つかった場合は、ステップS604へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、見つからなかった場合は、ステップS605へ進む。
【0047】
ステップS604では、見つかったCMの特徴量をCM問い合わせ元のユーザに送信し、ステップS601へ戻る。
【0048】
また、ステップS605では、CMが見つからなかったことを伝える情報をCM問い合わせ元ユーザに送信し、ステップS601へ戻る。CM問い合わせ元ユーザへの情報の送信処理は、例えば、制御部202がネットワーク制御部205を経由してユーザに送信することによって行う。
【0049】
次に、CM付加情報を利用する録画再生装置700の概念構成を図7のブロック図に示す。
【0050】
この録画再生装置700は、テレビジョン放送を受信する放送受信部701、上記放送受信部701から映像信号が供給される制御部702、この制御部702に接続された記憶部703、データベース704、ネットワーク制御部705、出力制御部706、入力制御部707及び映像記憶部708などからなる。
【0051】
放送受信部701はテレビジョン放送を受信し、出力制御部706を経由して受信した映像を図示しないモニタ等外部出力部に出力する。ユーザは、この外部出力部によって受信している放送番組を視聴する。
【0052】
テレビジョン放送の録画を行う場合は、キーボードやマウスやリモコン等、図示しない外部入力部によってユーザが指示を入力し、制御部702は入力制御部707を経由してその入力を受け取る。
【0053】
制御部702はユーザより指示された放送チャネルの放送番組を放送受信部701から得て、映像記憶部708に記憶する。同時に、制御部702は、放送受信部701から得た映像信号からCMを検出するためのプログラムを記憶部703から読み出し、CM検出を開始する。
【0054】
このCM検出を行うための方法は、例えば特許文献2に詳しく記載されている方法が適用可能である。例えばTV放送信号の本編とコマーシャルメッセージ部分のように、本編信号とコマーシャルメッセージ信号(第1の信号)よりなるTV放送信号の音声及び/又は映像信号から、所定の必須条件に基づき、信号が特徴的パターンを示すCM候補区間を抽出し、それらCM候補区間に対して、幾つかの特徴からCMらしさを表わす指標である付加条件を検出し、抽出した付加条件を総合してCMの判定を行うことにより、精度良く個々のCMの検出を行う。また、上記検出する付加条件の一部又は全部を記録し、TV放送信号や記録された他のCM候補と比較することより、TV放送信号又はそれが記録されたデータベースから所望のCMを検索することもできる。但し、必ずしもこの方法でなくとも、CM一つ一つを正確に検出することができる方法であれば良い。
【0055】
制御部702がCMを検出した場合、その検出されたCMが既にデータベース704に登録済みか否か検索するためのプログラムを記憶部703から読み出し、データベース704内を検索する。検出されたCMと同じCMがデータベース704内に見つからなかった場合は、制御部702は検出されたCMの映像(及び/又は、録画番組におけるCMの映像の記録位置)とその特徴量をデータベース704に登録する。データベース704に登録されるCMは、例えば、図3に示すような付加情報登録待ちCMリストと付加情報登録済みCMリストが考えられる。制御部702は、新たに登録するCMをまず付加情報登録待ちCMリストに登録する。
【0056】
録画番組をユーザが視聴する場合は、キーボードやマウスやリモコン等、図示しない外部入力部によってユーザが指示を入力し、制御部702は入力制御部707を経由してその入力を受け取る。制御部702はユーザより指示された録画番組を映像記憶部708から読み取り、出力制御部706を経由して図示しないモニタ等外部出力部に出力する。ユーザはこれによって録画番組を視聴することができる。
【0057】
ユーザがCMに関して検索する場合は、キーボードやマウスやリモコン等、図示しない外部入力部によってユーザが検索のためのキーワード等の指示を入力し、制御部702は入力制御部707を経由してその入力を受け取る。制御部702は、ユーザより指示されたキーワードをネットワーク制御部705を経由してCMサーバ103に送信する。CMサーバ103からの回答はネットワーク制御部705を経由して制御部702に届く。回答として、CMサーバ103からCMの特徴量が送信されてきた場合は、制御部702はその特徴量でデータベース704内の付加情報登録待ちCMリスト、及び、付加情報登録済みCMリストを検索するためのプログラムを記憶部703から読み込み、データベース704内を検索し、特徴量が一致したCMを出力制御部706を経由して図示しないモニタ等の外部出力部に出力することでユーザに伝える。データベース704内の付加情報登録待ちCMリストに該当するCMがある場合はその該当CMを付加情報登録済みCMリストに移す。ユーザに検索結果を伝えるためにモニタ等外部出力部に表示する画面は、例えば、図20のように、画面2001内に検索の結果キーワードに該当するCMのリストを表示する領域2003とCMの映像を表示する領域2002から構成される。更に、そのCMの付加情報を表示する領域2004やCMのリスト2003から再生するCMをユーザが選ぶための操作領域2005が加わった構成でも良い。
【0058】
ここで、ユーザが使用する録画再生装置700での新規CMの登録処理について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0059】
すなわち、新規CMの登録処理では、先ず、ステップS801において、テレビジョン放送を受信し、放送がアナログの場合は、デジタル化し、必要があれば受信映像を録画する。
【0060】
次のステップS802では、受信したテレビジョン放送の映像信号からCMを検出する。
【0061】
次のステップS803では、ステップS802でCMが検出されたか否かを判定する。そして、このステップS803での判定結果がYes、すなわち、CMが検出された場合は、ステップS804へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、CMが検出されなかった場合は、ステップS801へ戻る。
【0062】
ステップS804では、検出されたCMから特徴量を求め、その特徴量によってデータベース内を検索し、上記検出されたCMが既にデータベースに登録されているか否かを判定する。そして、このステップS804での判定結果がNo、すなわち、検出されたCMと同じCMがデータベースに登録されていなかった場合は、ステップS805へ進み、判定結果がYes、すなわち、既に登録されていた場合は、ステップS801へ戻る。
【0063】
ステップS805では、検出されたCMの映像とその特徴量をデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに登録する。登録後は、ステップS801へ戻って処理を続ける。
【0064】
上記図8のフローチャートに示した新規CMの登録処理の流れでは、まずCMを検出し、その後で検出されたCMの特徴量を求めている。これを図に示すと図18の(A)のようになる。テレビジョン放送の映像信号1801からCM1802を検出し、その検出されたCMの特徴量1803を後から計算する。
【0065】
これ対して、図18の(B)に示すように、テレビジョン放送の映像信号1804からCMや番組本編の区別なく特徴量1805を計算すると同時にCM位置を検出し、計算された特徴量の中からCMに該当する部分1806を切り出すという方法も考えられる。この場合、図8のフローチャートに示した新規CMの登録処理の流れは以下のようになる。
【0066】
すなわち、ステップS801では、テレビジョン放送を受信し、放送がアナログの場合は、デジタル化し、必要があれば受信映像を録画する。更に、受信映像の特徴量を計算し、必要があれば録画映像と共に記憶する。ステップS802では、受信したテレビジョン放送の映像信号からCMを検出する。ステップS803では、ステップS802でCMが検出されたか否かを判定する。このステップS803における判定結果がYes、すなわち、CMが検出された場合は、ステップS804へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、CMが検出されなかった場合は、ステップS801へ戻る。ステップS804では、検出されたCMの特徴量をステップS801で計算した特徴量から抜き出し、その特徴量によってデータベース内を検索して、上記検出されたCMが既にデータベースに登録されているか否かを判定する。このステップS804における判定結果がNo、すなわち、検出されたCMと同じCMがデータベースに登録されていなかった場合は、ステップS805へ進み、また、判定結果がYes、すなわち、既に登録されていた場合は、ステップS801へ戻る。ステップS805では、検出されたCMの映像とその特徴量をデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに登録する。登録後は、ステップS801へ戻って処理を続ける。
【0067】
次に、ユーザが使用する録画再生装置700がCMサーバ103にCM情報を問い合わせる処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、CM情報をCMサーバ103から取得することをユーザが指示した場合に実行される。
【0068】
このCM情報の問い合わせ処理では、先ず、ステップS901において、ユーザがキーワードを入力する。入力処理は、例えば、ユーザがキーボードやマウスやリモコン等の図示しない外部入力装置から入力したキーワード等の検索情報を制御部702が入力制御部707を経由して取得する。
【0069】
ステップS902では、入力されたキーワードをCMサーバ103に送信する。送信処理は、例えば、制御部702がネットワーク制御部705を経由してCMサーバにキーワードを送信する。
【0070】
ステップS903では、CMサーバから送信されてきたCMの特徴量を受信する。受信処理は、例えば、制御部702がネットワーク制御部705を経由してCMサーバからCMの特徴量を受信する。
【0071】
ステップS904では、CMサーバ103から送信されてきた情報に、問い合わせたキーワードに合致するCMの特徴量が含まれているか否かを判定する。このステップS904における判定結果がYes、すなわち、特徴量が含まれている場合は、ステップS905へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、特徴量が含まれていない場合は、ユーザにCMの特徴量が得られなかった旨を伝え、処理を終了する。ユーザに伝える処理は、例えば、制御部702が出力制御部706を経由して図示しないモニタ等外部出力部に出力することにより行う。
【0072】
ステップS905では、サーバから送信されてきた特徴量と一致する特徴量を持つCMをCMリストから検索する。検索処理は、例えば、制御部702が検索のためのプログラムを記憶部703から読み出し、CMサーバ103から取得した特徴量と一致する特徴量を持つCMをデータベース704内から検索することによって行う。
【0073】
ここで、検索の概要を図21を参照して説明する。ユーザ102がCMサーバ103に送信したキーワードに合致するCMの特徴量がCMサーバ103からインターネット101を経由してユーザ102に送信されてくる。図21に示す例では、キーワードに合致したCMは5つあり、その5つのCMの特徴量が、特徴量A、特徴量B、特徴量C、特徴量D、特徴量Eである。そしてこれら5つの特徴量とCMリスト内のCMの特徴量を比較し、一致したものがあれば、それがキーワードに合致したCMということになる。CMサーバ103から送信されてきた特徴量であるにも拘わらず、CMリスト内のどのCMの特徴量とも一致しない特徴量が存在する可能性がある。図21に示す例では、特徴量Dがこれに当たる。これは、ユーザ102が使用する録画再生装置700内に、まだ該当するCMが録画されていないときに起こり得る。
【0074】
ステップS906では、CMサーバ103から取得した特徴量に基づく検索結果をユーザに伝えると共に、キーワードを含む付加情報を付加情報登録待ちCMリスト内の該当CMと関連付け、該当CMを付加情報登録済みCMリストへ移す。ユーザに伝える処理は、例えば、制御部702が出力制御部706を経由して、モニタ等の図示しない外部出力部に、例えば、図22のような画面を表示することによって行う。図22は、図21の例の結果の表示例である。検索結果の表示領域2203には、CMサーバ103からの検索結果である5のCMがリストされている。但し、特徴量Aを持つCM A、特徴量Bを持つCM B、特徴量Cを持つCM C,特徴量Eを持つCM Eは、ユーザ102の使用する録画再生装置700内にその映像が存在したため、黒印の付いているが、特徴量Dを持つCM Dはユーザ102の使用する録画再生装置700内に存在しないため、他のCMと区別し、白印が付いている。ユーザは操作領域2005を利用して検索されたCMを映像表示領域2002にて再生することができる。勿論、映像が録画されていないCM Dは再生できない。
【0075】
ここで、以上の説明のように、キーワードに合致するCMの特徴量をサーバから取得しても、ユーザ102が使用する録画再生装置700内にその特徴量を持つCMが録画されていなければ、ユーザはそのCMを視聴することはできない。
【0076】
しかしながら、CMサーバ103から取得した特徴量を利用することによって、その特徴量を持つCMを取得することが可能な場合がある。例えば、図22において、検索結果表示領域2203のCM Dをユーザが選択すると、図23のような画面が表示されることとする。画面2301にメッセージ表示領域2302が表示され、CM Dを録画予約するか否か判断をユーザに求める。ユーザが「はい」を選択すると、録画予約が行われる。CMは放送される時刻や放送チャネルが一般には分からないが、例えば、図24に示すフローによってCMの録画予約が可能である。
【0077】
まずステップS2401では、録画したいCMに適切な放送チャネルを選択し、受信する。一般的なCMでは民放ならどこでも良いが、放送局自身のCMや、特定の番組のCMでは、その放送局以外では放送されないため、放送チャネルを特定する必要がある場合がある。このための情報は、CMサーバから特徴量と共に送信してもらうことにより効率が良くなる。更に、放送される時間帯が特定できる場合はその情報もCMサーバから送信してもらうことにより効率が良くなる。
【0078】
次のステップS2402では、受信チャネルの映像からCMを検出する。
【0079】
ステップS2403では、検出されたCMの特徴量を計算し、ステップS2404では、計算された特徴量と録画予約されたCMの特徴量を比較して一致するか否かを判定する。そして、このステップS2404における判定結果がYes、すなわち、特徴量が一致する場合は、ステップS2405へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、特徴量が一致しない場合は、ステップS2402へ戻る。
【0080】
何度ステップS2402へ戻って処理を繰り返しても、録画予約されたCMの特徴量と一致するCMが得られない場合、ステップS2401へ戻って、受信する放送チャネルを変更したり、時間帯を変更したりすることも考えられる。
【0081】
ステップS2405では、録画予約したCMの特徴量が一致する特徴量を持つCMを録画する。これによって、何時、どの放送チャネルで放送されるか分からないCMの予約録画を行うことが可能になる。録画予約されたCMが録画されると、例えば、図25のように、検索結果表示領域2503のCM Dも黒印になり、ユーザが視聴できるようになる。
【0082】
ここで、上述の図9に示したCM問い合わせ動作を示すフローチャートでは、ユーザがキーワードを入力すると、すぐにそのキーワードでサーバに問い合わせを行っていたが、図19に示すように、まずユーザ102が使用する録画再生装置700内のデータベースで検索するという方法も考えられる。
【0083】
CMサーバ103にCM問い合わせを何度か行った状況であれば、問い合わせたCMの付加情報が得られており、その付加情報は付加情報登録済みCMリストに登録されている。よって、必ずしも条件に合致する全てのCMを必要としない場合や、ネットワークに接続できない環境では、ユーザ102が使用する録画再生装置700内のデータベースだけでCMの検索を行うことも可能である。そのための処理フローは図19のようになる。 この場合、先ずステップS1901では、ユーザがキーワードを入力する。
【0084】
次のステップS1902では、付加情報登録済みCMリスト内で、キーワードに合致する付加情報を持つCMを検索する。
【0085】
次のステップS1903では、キーワードが合致するCMを出力して終了する。この後、必要に応じて、CMサーバ103にCM問い合わせを行えばよい。
【0086】
次に、ユーザ102の使用する録画再生装置700とCMサーバ103の間のやりとりについて、図10を参照して説明する。
【0087】
手順1) CMの特徴量を取得するために、ユーザ102の録画再生装置700からCMサーバ103へCM検索のためのキーワードが送信される。
【0088】
手順2) CMサーバ103は、受信したキーワードをキーとしてCMサーバ内のデータベースを検索する。
【0089】
手順3) CMサーバ103は、検索した結果、キーワードが合致するCMが見つかった場合は、そのCMの特徴量をユーザの録画再生装置102へ送信する。キーワードが合致するCMが見つからなかった場合は、CMが見つからなかったという旨の情報をユーザの録画再生装置700へ送信する。キーワードに合致するCMが見つかった場合、CMサーバ103からユーザ102へ送信する情報には必ずそのCMの特徴量が含まれる。この情報に、更に、そのCMの企業名や商品名、登場する俳優や楽曲などの付加情報を含める構成でも良い。
【0090】
手順4) ユーザ102の録画再生装置700は、CMサーバ103から受信した情報にCMの特徴量が含まれている場合は、その特徴量と一致する特徴量を持つCMをデータベースから検索し、その検索結果をユーザに提示し、同時に、ユーザ102の録画再生装置700内のデータベースにキーワードを含む付加情報を登録する。受信した情報にCMの特徴量が含まれていない場合は、ユーザにキーワードと合致するCMが得られなかった旨を提示する。
【0091】
以上説明した例では、ユーザ102の使用する録画再生装置700内にもCMの付加情報を記憶するデータベースを構築する構成を示したが、必ずしもこの構成にする必要はなく、検索が必要になるたびにCMサーバ103に問い合わせる構成とすることも可能である。又、CMサーバ103において、付加情報はCMサーバ管理者が図示しない方法で収集した付加情報をCMサーバ103に入力する構成を示したが、必ずしもこの構成にする必要はなく、例えば、図13のような画面にて、Web上にCMのリストを公開し、Webに接続している特定又は不特定の者によって、例えば、図14のような画面を利用して、その付加情報がネットワークを介して入力される構成とすることも可能である。この場合、システム全体の接続状態の概念図は図11のようになり、図1に示した接続状態の概念図に、情報入力者1107,・・・,1107(以下まとめて情報入力者1107とする)が追加された構成となる。
【0092】
ここで、このCM録画予約システム1000におけるCMサーバ103のデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに対する処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0093】
ステップS1201では、データベース内の付加情報登録待ちCMリストに新たなCMが登録されているか否かを判定する。そして、このステップS1201における判定結果がYes、すなわち、新たなCMが登録されている場合は、ステップS1202へ進み、また、判定結果がNo、すなわち、登録されていない場合は、処理を終了する。
【0094】
ステップS1202では、付加情報登録待ちCMリストに登録されているCMをネットワーク上の情報入力者に提示する。提示処理は、例えば、制御部202がデータベース204内の付加情報登録待ちCMリストをネットワーク制御部205を経由して図示しないネットワーク上の情報入力者のモニタ等の出力部に表示することによって行う。情報入力者の出力部に表示される画面は、例えば、図13のように付加情報登録待ちCMリスト内のCMを一覧で表示するような構成である。
【0095】
ステップS1203では、付加情報登録待ちCMリストを確認した情報入力者が図示しない方法によって収集した付加情報を、キーボード等の入力部によって入力する。入力処理は、例えば、制御部202がネットワーク制御部205を経由して図示しないネットワーク上の情報入力者のキーボード等の入力部から入力された付加情報を制御部202がデータベース204内の付加情報登録待ちCMリストの該当CMと関連付けることによって行う。入力処理の際、入力を支援するためにネットワーク上の情報入力者のモニタ等の出力部に表示する画面は、例えば、図14のような、付加情報の項目とその入力欄1402〜1405を並べて表示する構成である。
【0096】
ステップS1204では、付加情報が入力されたCMを付加情報登録待ちCMリストから付加情報登録済みCMリストに移動し、処理を終了する。
【0097】
なお、図12に示す一連の処理は、新規のCMがデータベースに登録されるたびに開始される設定でも良いし、時間を決めて、例えば1時間ごとに開始される設定でも良いし、もしくは、情報入力者が開始を指示する設定でも良い。
【0098】
なお、上述の実施の形態では、上記特許文献3の特徴量を仮定して説明したが、本願発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば画像に関しては図16に示すような方法によって求まる量を特徴量としても良い。
【0099】
図16では、画像の特徴量の例を示している。NTSC方式の場合、1秒間の映像は約30枚の画像から成っている。1枚の画像は図16の(A)のように水平が720画素、垂直が480画素であり、1画素はRGBの3つの値から構成されている。RGBがそれぞれ1バイトで表現されている場合、1枚の画像は約1メガバイト(720×480×3=1036800)のデータ量となる。例えば、15秒のCMの場合、約450枚の画像から成るため、約450メガバイトのデータ量となる。映像圧縮技術MPEG2で低レート、例えば2Mbpsで圧縮した場合でも、15秒では約4メガバイトのデータ量となる。対して、図16の(B)のように、画像の輝度のヒストグラムを利用すると、1枚の画像を11バイトで表現できる。この例では、各画素の輝度が0〜255の値と仮定し、輝度値を16等分してそのヒストグラムをとり、各値を1バイトで表現できるように正規化している。更に、黒(0付近)と白(255付近)の出現頻度は高くないのでそれらの付近5バンド分を捨てることとした。この場合、15秒では約5キロバイトとなる。図16の(B)のような特徴量では、この特徴量から元のCMを想像することはできないが、同じCMからは同じ特徴量が求まり、異なるCMからは高い確率で異なる特徴量が求まる。
【0100】
テレビジョン放送で放送されたCMが新規CMであるか否かは、そのCMが既にデータベース105に登録されているか否かによって判断できる。つまり、放送されたCMをキーにしてデータベース105内を検索し、同じCMが見つかればキーにしたCMは新規CMではなく、同じCMが見つからなければキーにしたCMは新規CMであると判断できる。このCMの検索には、CMの映像そのものではなく、ユーザ102に送信するようなCMの特徴量を利用する。例えば、図17において、CM1701がデータベースに登録済みのCMか否かを検索する場合、CM1701の映像データとデータベース内のCM1703、CM1705、CM1707、CM1709の映像データを比較する代わりそれらCMの特徴量との比較を行う。つまり、CM1701の映像データから特徴量1702を求める。同様に、データベース内のCMにおいても各々の特徴量1704、1706、1708、1710を求めておく。比較は、CM1701の特徴量1702とデータベース内の特徴量1704,1706,1708,1710にて行う。図17の例では、特徴量1702と特徴量1708が一致しているので、CM1701とCM1707は同じものであり、CM1701は既にデータベースに登録されていると判断できる。CMの映像の代わりにCMの特徴量で検索するという方法は、検索に使用するデータ量が圧倒的に少量で済むため、高速な検索処理を実現する。特徴量をキーとし、その特徴量と一致する特徴量をデータベース105内から高速に検索する技術に関しては上記特許文献3に詳しく記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を適用したCM録画予約システムの構成を示すブロック図である。
【図2】CM付加情報を提供するCMサーバの概念構成を示すブロック図である。
【図3】データベースに登録されるCMの付加情報登録待ちCMリストと付加情報登録済みCMリストを模式的に示す図である。
【図4】上記CMサーバにおける制御部による新規CMの登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記CMサーバにおけるデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに対する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記CMサーバにおけるユーザからのCM付加情報問い合わせに対する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】CM付加情報を利用する録画再生装置の概念構成を示すブロック図である。
【図8】上記録画再生装置での新規CMの登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】上記録画再生装置がCMサーバにCM情報を問い合わせる処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】上記録画再生装置とCMサーバの間のやりとりを模式的に示す図である。
【図11】本発明を適用したの他の接続状態の概念図である。
【図12】上記CM録画予約システムにおけるCMサーバのデータベース内の付加情報登録待ちCMリストに対する処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】付加情報登録待ちCMリストに登録されているCMの一覧の表示画面を示す図である。
【図14】管理者が付加情報を入力する際の表示画面を示す図である。
【図15】ユーザにCM付加情報を伝えるためにモニタ等外部出力部に表示する画面を示す図である。
【図16】画像に関する特徴量を示す図である。
【図17】特徴量による検索の例を示す図である。
【図18】テレビジョン放送の映像信号ら特徴量を切り出す例を示す図である。
【図19】ユーザが使用する録画再生装置のCM検索動作の手順を示すフローチャートである。
【図20】上記録画再生装置の表示画面例を示す図である。
【図21】上記録画再生装置での特徴量による検索の概要を示す図である。
【図22】上記録画再生装置の表示画面例を示す図である。
【図23】上記録画再生装置の表示画面例を示す図である。
【図24】上記録画再生装置のCM予約録画動作を示すフローチャートである。
【図25】上記録画再生装置の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
100,1000 CM録画予約システム、101 インターネット、102,102,・・・102 ユーザ、103 CM情報サーバ、104 サーバ、105 データベース、106 放送局、201 放送受信部、202 制御部、203 記憶部、204 データベース、205 ネットワーク制御部、206 出力制御部、207 入力制御部、700 録画再生装置、701 放送受信部、702 制御部、703 記憶部、704 データベース、705 ネットワーク制御部、706 出力制御部、707 入力制御部、708 映像記憶部、1107,1107,・・・1107 情報入力者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CM検索装置が、テレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースを作成しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して上記CM検索結果受給装置に送信し、
上記CM検索結果受給装置が、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信しコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを選択する
ことを特徴とするCM検索方法。
【請求項2】
CM検索装置の管理者に対して当該CM検索装置がCM付加情報の入力を求めることを特徴とする請求項1記載のCM検索方法。
【請求項3】
ネットワークに接続された特定又は不特定の者に対してCM検索装置がCM付加情報の入力を求めることを特徴とする請求項1記載のCM検索方法。
【請求項4】
CM検索結果受給装置がネットワークを介して受信したCM特徴量と付加情報を保存することを特徴とする請求項1記載のCM検索方法。
【請求項5】
CM検索装置が、テレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースを作成しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して上記CM検索結果受給装置に送信し、
上記CM検索結果受給装置が、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画予約し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画する
ことを特徴とするCM録画予約方法。
【請求項6】
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、
上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースに格納しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介してCM検索結果受給装置に送信する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするCM検索装置。
【請求項7】
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、
検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介してCM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信しコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを選択する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするCM検索結果受給装置。
【請求項8】
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、上記テレビジョン放送受信手段により受信されたテレビジョン放送からコマーシャルメッセージを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、コマーシャルメッセージの付加情報の入力を受け付けて、算出したコマーシャルメッセージの特徴量と該コマーシャルメッセージの付加情報とを対応付けたデータベースに格納しておき、CM検索結果受給装置からネットワークを介して送られてくるキーワードをキーとしたコマーシャルメッセージの検索要求に応じて、上記キーワードをキーとして上記データベース内を検索し、データベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介してCM検索結果受給装置に送信する制御を行う制御手段とを備えるCM検索装置と、
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、検索するコマーシャルメッセージのキーワードをキーとした検索要求をネットワークを介して上記CM検索装置に送信して、上記CM検索装置によりデータベースから検索されたコマーシャルメッセージの特徴量をネットワークを介して受信し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画予約し、テレビジョン放送からCMを検出し、検出したコマーシャルメッセージの特徴量を算出し、上記CM検索装置からネットワークを介して受信したコマーシャルメッセージの特徴量と算出した特徴量が一致するコマーシャルメッセージを録画する制御を行う制御手段とを備えるCM検索結果受給装置と
からなることを特徴とするCM録画予約システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−237879(P2006−237879A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47800(P2005−47800)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】