説明

CNT成長用基板及びCNTの製造方法

【課題】相対的に長さの長いCNTを連続成長させることが可能なCNT成長用基板及びこれを用いたCNTの製造方法を提供すること。
【解決手段】ガス透過性を有する陽極酸化アルミナ膜12と、陽極酸化アルミナ膜12の表面に形成されたガス透過性を有する多孔質保護層16と、多孔質保護層16の上に担持されたCNT成長用触媒14とを備えたCNT成長用基板20、及び、このようなCNT成長用基板20の表面に炭素源を含む原料ガスを供給し、CNT成長用基板20の表面にCNT30を成長させる成長工程を備えたCNTの製造方法。CNT成長用基板は、陽極酸化アルミナ膜12を支持する多孔質基材22をさらに備えているものが好ましい。また、成長工程は、CNT成長用基板20のCNT成長用触媒14の担持面から裏面に向かって原料ガスを供給するものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CNT成長用基板及びCNTの製造方法に関し、さらに詳しくは、相対的に長さの長いCNTの製造に適したCNT成長用基板、及び、このようなCNT成長用基板を用いたCNTの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は、黒鉛の一層に相当するグラフェンシート(炭素原子が六角網目状に配列したシート)を筒状に丸めた立体構造を持つ。CNTは、1枚の円筒状グラフェンシートからなる単層CNTと、複数枚の円筒状グラフェンシートが同心円状に重なった多層CNTとがある。また、合成された未処理のCNTの先端は、通常、「キャップ」と呼ばれる半球状のグラファイト層で閉じられた構造になっている。
【0003】
CNTは、nmスケールの直径と、μm〜cmスケールの長さを有しており、アスペクト比が極めて大きく、先端の曲率半径が数nm〜数十nmと極めて小さいという特徴がある。CNTは、機械的に強靱で、化学的・熱的安定性に優れ、円筒部のらせん構造に応じて金属にも半導体にもなるという特徴がある。そのため、CNTは、発光デバイス用の電子配線材料、放熱材料、繊維材料、電子放出源(面光源)、トランジスタ材料、電子顕微鏡用の電子放出源(点光源)、あるいは、SPM用の探針等への応用が期待されている。
【0004】
CNTを合成する方法には、
(1)Arや水素等の気体雰囲気中において炭素棒間でアーク放電を行わせ、陰極上にCNTを堆積させるアーク放電法、
(2)触媒を混ぜたグラファイトの表面にYAGレーザー等の強いパルス光を当て、これにより発生した炭素の煙を電気炉で加熱し、反応管の側壁にCNTを堆積させるレーザー蒸発法、
(3)触媒金属微粒子上で炭素化合物(例えば、メタン、アセチレン、ベンゼンなど)を熱分解させる化学気相成長法、
などが知られている。
【0005】
(1)及び(2)の合成法により得られるCNTは、結晶品質は高いが、合成効率が低い。また、集合組織もランダムであり、触媒金属がCNT間に分散しているため、合成されたCNTを各種の用途に応用する際には触媒金属の除去工程が必要になる。
(3)の方法は、炭化水素系のガスと金属触媒を化学反応させ、CNTを合成する方法である。この方法は、さらに、
(3−a)触媒金属を気相中に流動させてCNTを成長させる方法と、
(3−b)触媒金属を基板上に担持させてCNTを成長させる方法と、
に分けられる。
【0006】
(3−a)の方法では、高効率に合成できる利点がある一方、得られるCNTの組織は、(1)及び(2)の方法と同様にランダムであり、触媒金属の除去工程が必要になる。一方、(3−b)の方法の大きな特徴は、一方向に整列したCNTの組織が得られることである。このような組織の場合、触媒金属の多くは基板に付着したままであり、CNT間にはほとんど存在せず、触媒金属を除去する工程が不要な場合がほとんどである。また、一方向に整列したCNTは、CNTの優れた性質を有効に利用しやすいという利点がある。さらに、このような成長方法では、CNTの成長条件を制御しやすく、長尺のCNTを得ることも可能である(非特許文献1参照)。しかしながら、一般的に(3−b)の方法は、(3−a)の方法に比較して合成効率が低いという問題がある。
【0007】
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、セラミックスハニカム上に多孔質セラミックス基板を接着し、多孔質セラミックス基板の表面に水熱反応により形成されたゼオライト膜を形成し、ゼオライト膜の表面に金属触媒を担持し、金属触媒が担持されている面の反対側から炭素原子を含む原料ガスを供給し、CNTを気相合成するCNTの製造方法が開示されている。
同文献には、多孔体の裏面側から原料ガスを供給することにより、原料ガスを常に安定に触媒に供給できるので、触媒上にCNTを連続的に成長させることができ、安定した長繊維化が可能となる点が記載されている。
【0008】
また、特許文献2には、触媒粒子を担持した陽極酸化アルミナ膜、第1の電極、及び、第2の電極を所定の間隔を隔てて配置し、第2の電極から第1の電極に向かって原料ガスを流しながら第1の電極と第2の電極の間でプラズマを発生させ、原料ガスの流れの方向に沿ってCNTを成長させるCNTの製造方法が開示されている。
同文献には、第1の電極と第2の電極との間でプラズマを発生させることにより、CNTの合成温度をより低くすることができる点が記載されている。
【0009】
【非特許文献1】J.Phys.Chem.C, 111(5), 1929-1934, 2007
【特許文献1】特開2005−29436号公報
【特許文献2】特開2007−161512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した(3−b)の方法は、一般に、CNTの成長とともに基板上の触媒がCNTに覆われてしまう。そのため、原料ガスが触媒に供給されにくくなるためにCNTの成長速度が次第に遅くなり、やがてCNTの成長は止まる。これに対し、特許文献1、2に開示されている方法を用いると、触媒が担持されている面の反対側から原料ガスが供給されるので、CNTを連続的に成長させることができるとされている。
【0011】
しかしながら、ゼオライト膜は、細孔が小さい(0.4〜0.8nm)だけでなく、一方向に配向した細孔構造を有していないので、CNT成長に必要な十分なガス透過性を有していない。また、CNT成長用基板に適するような十分な膜厚を有するゼオライトの自立膜を作製することは一般に困難である。
一方、陽極酸化アルミナ膜は、膜面に垂直方向に配列する筒状の細孔構造を有し、十分なガス透過性があり、自立膜も「アノディスク」として市販されており、入手が容易である。しかしながら、陽極酸化アルミナ膜上にCNT成長用触媒を担持してCNT成長を行うと、触媒金属と陽極酸化アルミナ膜とが反応し、CNTの成長が阻害されやすい。また、反応によって陽極酸化アルミナ膜自体も変質し、割れやすくなるという問題がある。その理由として、陽極酸化アルミナ膜は、液中・低温で作製されるために、結晶性が低いこと、及び微量の水分を含んでいることに起因するものと考えられる。
【0012】
さらに、触媒を担持する多孔質膜は、原料ガスを透過させる際の抵抗を小さくするためには薄い方がよい。しかしながら、多孔質膜を薄くすると、多孔質膜に原料ガスを透過させる際、多孔質膜の両面間に圧力差が生じる。そのため、多孔質膜が薄くなるほど、割れやすくなるという問題がある。
これに対し、特許文献1に記載されているように、ハニカムセラミックスに多孔質膜を接着すれば、圧力による多孔質膜の割れを抑制することができる。しかしながら、CNT成長の際には、CNT成長用基板の温度は800℃程度に上昇するので、耐熱性の高い接着剤を用いたとしても、多孔質膜とハニカムセラミックス間に熱応力が生じ、多孔質膜が剥がれやすくなる。特に、触媒担持面と反対側(ハニカムセラミックス側)から原料ガスを流した時には、圧力差によって多孔質膜の割れや剥がれがさらに起きやすくなるという問題がある。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、相対的に長さの長いCNTを連続成長させることが可能なCNT成長用基板及びこれを用いたCNTの製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、触媒と触媒を担持する多孔質膜との反応を抑制し、CNTを連続成長させることが可能なCNT成長用基板及びこれを用いたCNTの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、CNT成長過程で触媒を担持する多孔質膜の割れや剥がれが生じることのないCNT成長用基板及びこれを用いたCNTの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明に係るCNT成長用基板は、
ガス透過性を有する陽極酸化アルミナ膜と、
前記陽極酸化アルミナ膜の表面に形成されたガス透過性を有する多孔質保護層と、
前記多孔質保護層の上に担持されたCNT成長用触媒と
を備えていることを要旨とする。
前記CNT成長用基板は、前記陽極酸化アルミナ膜を支持する多孔質基材をさらに備えているものが好ましい。
また、本発明に係るCNTの製造方法は、
本発明に係るCNT成長用基板の表面に炭素源を含む原料ガス供給し、前記CNT成長用基板の表面にCNTを成長させる成長工程
を備えていることを要旨とする。
前記成長工程は、前記CNT成長用基板の前記CNT成長用触媒の担持面から裏面に向かって前記原料ガスを供給するものが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
CNT成長用触媒と陽極酸化アルミナ膜との間に多孔質保護層を形成することによって、触媒−陽極酸化アルミナ膜間の反応が抑制され、CNT成長が可能となる。その際、多孔質保護層が一定の膜厚以下である場合には、多孔質保護層に陽極酸化アルミナ膜の貫通孔が受け継がれるため、多孔質保護層を含めた基板全体のガス透過性が同時に保持される。その結果、基板にガスを透過させながらCNT成長を行うことが可能となる。
さらに、陽極酸化アルミナ膜の触媒担持面と反対側の面を多孔質基材で支持し、原料ガスを触媒担持面から反対側に透過させることにより、陽極酸化アルミナ膜の割れや剥がれを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. CNT成長用基板]
本発明に係るCNT成長用基板は、陽極酸化アルミナ膜と、多孔質保護層と、CNT成長用触媒と、多孔質基材とを備えている。
【0017】
[1.1 陽極酸化アルミナ膜]
陽極酸化アルミナ膜は、アルミニウム膜を酸性溶液中(例えば、20%の硫酸水溶液)に浸漬し、アルミニウム膜を陽極として、電圧を印加することにより製造することができる。この時、印加電圧を制御すると、ナノ細孔の直径や密度を任意に制御することができる。陽極酸化アルミナの場合、印加電圧を制御することによって、直径:10〜300nm、密度:5×108〜2×1011個/cm2程度のナノ細孔を形成することができる。
さらに、印加電圧を制御することによって、筒状のナノ細孔が膜を貫通し、陽極酸化アルミナ膜にガス透過性を付与することができる。陽極酸化アルミナ膜のガス透過性は、ナノ細孔の直径及び密度により制御することができる。
陽極酸化アルミナ膜の厚さ、並びに、ナノ細孔の直径及び密度は、目的に応じて最適なものを選択すればよい。
【0018】
[1.2 多孔質保護層]
多孔質保護層は、陽極酸化アルミナ膜とCNT成長用触媒との反応を抑制するためのものであり、陽極酸化アルミナ膜の表面に形成される。
多孔質保護膜は、CNT成長用触媒との反応を抑制可能な材料からなるものであればよい。このような材料としては、具体的には、
(1) SiO2、ムライト(Al613Si12)などの二酸化ケイ素を主成分とする材料、
(2) Al23(スパッタ膜)、TiN、ニッケル基合金(例えば、インコネル(登録商標))、MgO、グラファイト、
などがある。
特に、二酸化ケイ素を主成分とする材料は、CNT成長用触媒との反応性が低いので、多孔質保護層の材料として好適である。また、スパッタしたAl23は、触媒の活性を維持するので、多孔質保護層の材料として好適である。
【0019】
多孔質保護層の厚さは、CNTの成長速度に影響を及ぼす。一般に、多孔質保護層の厚さが薄くなりすぎると、陽極酸化アルミナ膜とCNT成長触媒との反応を抑制する効果が小さくなる。両者の反応を抑制するためには、多孔質保護層の厚さは、50nm以上が好ましい。多孔質保護層の厚さは、さらに好ましくは、60nm以上、さらに好ましくは、70nm以上である。
一方、多孔質保護層の厚さが厚くなりすぎると、多孔質保護層のガス透過性が低下し、CNTの成長速度が低下する。従って、多孔質保護層の厚さは、300nm以下が好ましい。多孔質保護層の厚さは、さらに好ましくは、200nm以下、さらに好ましくは、150nm以下である。
【0020】
陽極酸化アルミナ膜の表面に多孔質保護層を形成する方法としては、
(1) アルコキシド、界面活性剤などの液体原料を含む溶液を陽極酸化アルミナ膜に塗布し、液体原料を重縮合させることにより多孔質保護層を形成する湿式法、
(2) 物理気相成長法、化学気相成長法などを用いて、陽極酸化アルミナ膜の表面に多孔質保護層を形成する乾式法、
がある。
特に、物理気相成長法、化学気相成長法などの乾式法は、多孔質保護層に陽極酸化アルミナ膜の貫通孔が受け継がれ、多孔質保護層を含めた基板全体のガス透過性が同時に保持されるので、多孔質保護層の形成方法として特に好適である。
【0021】
[1.3 CNT成長用触媒]
CNT成長用触媒は、多孔質保護層の上に担持される。
CNT成長用触媒の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な組成を選択する。CNT成長用触媒としては、一般に、
(1)Fe、Co及びNiから選ばれるいずれか1以上の第1元素を含む金属、合金又は酸化物、
(2)第1元素に加えて、4A族元素(Ti、Zr、Hf)及び5A族元素(V、Nb、Ta)から選ばれる1以上の第2元素を含む金属、合金又は酸化物、
などがある。
【0022】
触媒中に含まれる第1元素と第2元素の比率は、触媒活性度に影響を与える。Fe等の8〜10族元素に4A族元素又は5A族元素を添加することによって触媒活性が向上するのは、Ti等の4A族元素及びV等の5A族元素は、いずれも炭素との親和力が強く、炭化物が形成される際に熱を発生するためと考えられる。このような効果を得るためには、第2元素の含有量(=第2元素の原子数×100/(第1元素の原子数+第2元素の原子数))は、2at%以上が好ましい。
一方、第2元素の含有量が過剰になると、触媒活性度はかえって低下する。従って、第2元素の含有量は、50at%以下が好ましい。
なお、触媒活性度を向上させる効果に加えて、4A族元素(特に、Ti)にはCNTの成長速度を増大させる効果があり、5A族元素(特に、V)には合成されたCNTの直径制御性を向上させる効果がある。
【0023】
CNT成長触媒の担持量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な担持量を選択する。一般に、触媒担持量が多くなるほど、単位面積当たりのCNTの本数密度が多くなる。一方、触媒担持量が過剰になると、原料ガスの供給が不十分となり、CNTの成長速度が低下する。
【0024】
[1.4 多孔質基材]
多孔質基材は、陽極酸化アルミナ膜を支持するためのものである。多孔質基材は、必ずしも必要ではないが、陽極酸化アルミナ膜の表裏面に大きな差圧が発生する場合において、陽極酸化アルミナ膜を多孔質基材で支持すると、陽極酸化アルミナ膜の破損を抑制することができる。
【0025】
多孔質基材の材質は、陽極酸化アルミナ膜を支持することができ、しかもCNT合成時に反応、変質等が生じないものであれば良い。
また、多孔質基材は、陽極酸化アルミナ膜の裏面に実質的に無損失で原料ガスを供給することができ、あるいは、陽極酸化アルミナ膜を透過した原料ガスを実質的に無損失で排出することができる程度の大きさの貫通細孔を有するものであれば良い。
このような多孔質基材としては、具体的には、
(1) コージェライト、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、リン酸チタン、アルミニウムチタネート、アルミノシリケート等からなるハニカムセラミックス、
(2) 炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、シリカ、マグネシア等からなる焼結体、
などがある。
【0026】
多孔質支持体は、陽極酸化アルミナ膜の触媒を担持した面と反対側の面を支持する。多孔質基材と陽極酸化アルミナ膜とは、耐熱性のある接着剤で接着しても良く、あるいは、単に重ね合わせるだけでも良い。特に、後述するように、触媒担持面から裏面に向かって原料ガスを供給する場合には、多孔質基材の上に陽極酸化アルミナ膜を単に重ね合わせるだけで良い。
【0027】
[2. CNT成長用基板の製造方法]
[2.1 CNT成長用触媒]
CNT成長用触媒は、Fe、Co、Ni等の遷移金属を主成分とした微粒子が適当であり、その作製法として、これらの金属のスパッタや蒸着、又はこれらの金属の前駆体の塗布後に熱処理やプラズマ処理を施す方法などがある。また、金属源、アルコール及び有機物を有機溶媒中で混合し、不活性雰囲気下において溶液を所定の温度に加熱することにより、予め大きさの揃った微粒子触媒を合成することができる。大きさの揃った微粒子触媒を用いると、直径の揃ったCNTを成長させることができる。以下に、大きさの揃った微粒子触媒の製造方法について説明する。
【0028】
金属源としては、具体的には、
(1) Fe(III)アセチルアセトナート、Fe(II)アセチルアセトナート、Co(II)アセチルアセトナート、Co(III)アセチルアセトナート、Ni(II)アセチルアセトナートなどの第1元素を含む有機錯体、
(2) 酢酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、酢酸ニッケル(II)などの第1元素を含む有機酸塩、
(3) VOアセチルアセトナート、TiOアセチルアセトナート、Zrトリフルオロアセチルアセトナート、Hfトリフルオロアセチルアセトナート、Tiジイソプロポオキサイドビステトラメチルヘプタンジオネートなどの第2元素を含む有機錯体、
(4) シュウ酸チタン、硫酸チタン、酸化硫酸バナジウム、硫酸バナジウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ハフニウムなどの第2元素を含む有機酸塩、
などがある。
金属源には、上述したいずれか1種の化合物を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。金属源として2種以上の化合物を用いる場合、金属源の配合比は、目的に応じて最適なものを選択すれば良い。
【0029】
アルコールは、金属源を還元し、有機溶媒中において金属イオン又はMOイオン(Mは金属)を非イオンの状態にするための還元剤である。還元剤には、1種類のアルコールを用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
還元剤として使用可能なアルコールとしては、具体的には、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,2−テトラデカンジオールなどがある。
【0030】
有機物は、有機酸、有機アミン及び/又はチオールからなる。有機物には、1種類の有機酸、有機アミン又はチオールを用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。有機物は、生成した粒子の表面に配位し、保護層となる。
保護層は、主として、微粒子を合成する際に微粒子の凝集を抑制し、粒子径を均一にする作用、及び、後述する分散液中に分散させる際に微粒子の凝集を抑制する作用を有する。このような効果を得るためには、有機物は、相対的に長さ(分子長)の長いものが好ましい。また、保護層は、1種類の有機物からなるものでも良く、あるいは、2種以上の有機物からなるものでも良い。特に、2種以上の有機物を保護層として用いると、微粒子の粒子径が安定化し、均一化するという利点がある。
【0031】
有機酸としては、具体的には、RCOOH、RSOH、RPOHなどの脂肪酸(Rは、アルキル鎖(CH3(CH2)x−)を表す)がある。
有機アミンとしては、具体的には、RNH2、R2NH、R3Nなどの脂肪アミン(Rは、アルキル鎖(CH3(CH2)x−)を表す)などがある。
チオールとしては、具体的には、R−SH(Rは、アルキル鎖(CH3(CH2)x−)を表す)などがある。
合成時に使用する有機酸としては、特に、オレイン酸、カプロン酸、ラウリン酸、酪酸、リノール酸などが好適である。
また、合成時に使用する有機アミンとしては、特に、オレイルアミン、ヘキシルアミン、ラウリルアミンなどが好適である。
微粒子の粒子径を安定化させるためには、有機物には、オレイン酸とオレイルアミンを組み合わせて用いるのが好ましい。また、粒子によっては(金の場合)、チオールが使われる場合もある。
【0032】
有機溶媒は、上述した金属源、アルコール及び有機物を溶解可能なものであればよい。また、溶液は、後述するように所定の温度に加熱されるので、沸点が200℃以上である溶媒を用いるのが好ましい。有機溶媒としては、具体的には、オクチルエーテル、フェニルエーテルなどがある。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0033】
溶液中における金属源の濃度は、作製しようとする微粒子の直径、標準偏差等に応じて最適な濃度を選択する。一般に、希薄溶液を用いると、粒径のそろった均一な微粒子が得られる。金属源に加える有機溶媒の量は、金属源の種類にもよるが、通常、金属源1mmolに対して、10〜50mL程度である。
アルコール(還元剤)は、上述したように溶液中に含まれる金属イオン又はMOイオンに電子を与え、非イオンの状態にするためのものである。金属イオン又はMOイオンが還元されると、これらが互いに集まって微粒子を形成する。還元剤の添加量は、金属源及びその他の原料の種類にもよるが、通常、溶液中に含まれる金属イオン又はMOイオンのモル数の1〜20倍程度である。
有機物は、溶液中において金属イオン又はMOイオンと結合すると考えられている。この溶液中にさらに還元剤が加えられると、金属イオン又はMOイオンが還元されて微粒子状に凝集すると同時に、微粒子の周囲が保護層で被覆された状態となる。有機物の添加量は、金属源及びその他の原料の種類にもよるが、通常、溶液中に含まれる金属イオン又はMOイオンのモル数の1〜10倍程度である。
【0034】
原料を溶解・混合して均一な溶液とした後、この溶液を加熱する。溶液の加熱は、溶液中で生成した微粒子の酸化を防ぐために不活性雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下など)で行う。
加熱温度は、使用する原料の種類や目的とする直径に応じて、最適な温度を選択する。一般に、加熱温度が低すぎると、原料間の反応が不十分となる。原料間の反応を効率よく進行させるためには加熱温度は、180℃以上が好ましい。
一方、加熱温度が高すぎると、微粒子の凝集が進行し、粒子の直径が不均質になる。従って、加熱温度は、300℃以下が好ましい。
【0035】
溶解・混合条件及び加熱条件を最適化すると、合成された微粒子の直径及び標準偏差を制御することができる。具体的には、製造条件を最適化することにより、保護層を除いた真の直径(コア直径)が0.5〜15nm(あるいは、0.5〜5nm)、コア直径の標準偏差が1.0nm以下(あるいは、0.5nm以下)である触媒が得られる。
【0036】
[2.2 CNT成長用基板]
所定の細孔径、厚さ、寸法等を有する陽極酸化アルミナ膜の表面に、湿式法又は乾式法を用いて多孔質保護層を形成する。例えば、スパッタ法を用いて多孔質保護層を形成する場合、スパッタ時間を制御することにより、多孔質保護層の膜厚を任意に制御することができる。
次に、多孔質保護層の上に、触媒粒子を分散させた分散液を塗布し、分散媒を除去する。この時、分散液に含まれる触媒粒子の濃度、分散液の塗布回数等を制御すると、多孔質保護層表面の触媒担持量を制御することができる。また、多孔質保護層の上にスパッタや蒸着を用いて触媒粒子を担持させても良く、あるいは、触媒金属の前駆体を塗布後、熱処理やプラズマ処理を施すことにより、触媒粒子を形成しても良い。
さらに、必要に応じて、陽極酸化アルミナ膜の裏面に多孔質支持体を接着又は接触させれば、本発明に係るCNT成長用基板が得られる。
【0037】
[3. CNTの製造方法]
本発明に係るCNT成長用基板の製造方法は、本発明に係るCNT成長用基板の表面に炭素源を含むガスを供給し、CNT成長用基板の表面にCNTを成長させる成長工程を備えている。
【0038】
炭素源には、エチレン、アセチレン、メタン、エタン、プロパン等の炭化水素ガス、エタノール、メタノール等のヒドロキシ化合物、一酸化炭素などを用いることができる。炭素源には、これらのいずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、原料ガスには、炭素源ガス+還元ガス+キャリアガスの混合ガスを用いても良く、あるいは、これにさらに酸化ガスを加えた混合ガスを用いても良い。このような混合ガスを用いると、長時間、触媒活性が維持される場合がある。この場合、還元ガスとして水素など、キャリアガスとしてArやHeなど、酸化ガスとしてH2OやO2などを用いるのが好ましい。
【0039】
CNTの合成は、具体的には、以下のようにして行う。すなわち、CNT成長用基板を反応容器に入れ、常圧あるいは所定の圧力(例えば、10-5Torr(1.3×10-3Pa)以下)まで減圧する。次いで、加熱装置を用いて、CNT成長用基板を合成温度まで昇温させる。合成温度は、500〜900℃が好ましい。CNT成長用基板が合成温度に達したところで、反応ガス供給装置を用いて数分〜数時間、キャリアガスと炭素源とを所定の流量比で圧力を調整しながら流すと、触媒粒子を起点としてCNTを成長させることができる。
【0040】
本発明に係るCNT成長用基板は、ガス透過性を有している。従って、原料ガスは、陽極酸化アルミナ膜の触媒担持面から裏面に向かって流しても良く、あるいは、裏面から触媒担持面に向かって流しても良い。特に、陽極酸化アルミナ膜の裏面を多孔質支持体で支持する場合には、触媒担持面から裏面に向かって原料ガスを流すのが好ましい。触媒担持面から裏面に向かって原料ガスを流すことによって、陽極酸化アルミナ膜の剥離を抑制することができ、多孔質支持体との接着も不要となる。
【0041】
[4. CNT成長用基板及びCNTの製造方法の作用]
陽極酸化アルミナ膜は、膜面に対して垂直方向に貫通する筒状の細孔構造を有している。しかも、細孔径及び細孔密度は、陽極酸化条件を制御することにより制御することができる。そのため、陽極酸化アルミナ膜は、CNT製造用基板として好適である。
しかしながら、図1(a)に示すように、ナノ細孔12aを有する陽極酸化アルミナ膜12の表面にCNT成長用触媒14を直接、担持させたCNT成長用基板10を用いてCNTの合成を行うと、基板10が高温に加熱されたときに陽極酸化アルミナ膜12とCNT成長用触媒14とが反応し、CNTの成長が阻害されやすい。また、反応によって陽極酸化アルミナ膜12自体も変質し、割れやすくなる。これは、陽極酸化アルミナ膜12は液中・低温で作製されるために、結晶性が低いこと、及び微量の水分を含んでいることに起因すると考えられる。
【0042】
これに対し、図1(b)に示すように、ナノ細孔12aを有する陽極酸化アルミナ膜12の表面に多孔質保護層16を形成し、その上にCNT成長用触媒14を担持させた本発明に係るCNT成長用基板20を用いてCNTの合成を行うと、CNT成長用基板20が高温に加熱されても多孔質保護層16によって陽極酸化アルミナ膜12とCNT成長用触媒14との反応が抑制される。そのため、触媒14を起点として、CNT30を連続的に成長させることが可能となる。
さらに、多孔質保護層16を形成する場合において、形成方法及び形成条件を最適化すると、多孔質保護層16に陽極酸化アルミナ膜12の貫通孔が受け継がれる。そのため、多孔質保護層16を含めた基板20全体のガス透過性が同時に保持され、基板20にガスを透過させながらCNT成長を行うことが可能となる。
【0043】
このようなCNT成長用基板20は、単独で用いることもできる。しかしながら、陽極酸化アルミナ膜12のナノ細孔12aの直径及び密度、並びに、CNTの成長条件によっては、陽極酸化アルミナ膜12の両面に大きな差圧が発生する場合がある。このような場合には、図2(a)に示すように、陽極酸化アルミナ膜12/多孔質保護層16/CNT成長用触媒14からなる積層体20’の裏面がハニカムセラミックスのような多孔質支持体22で支持されたCNT成長用基板40を用いるのが好ましい。
【0044】
しかしながら、このようなCNT成長用基板40を用いてCNTの合成を行う場合において、図2(a)に示すように、原料ガスを積層体20’の裏面から供給すると、積層体20’が表裏面の差圧によって、多孔質支持体22から剥離したり、積層体20’が破損する場合がある。この問題を解決するために、積層体20’と多孔質支持体22を耐熱性の高い接着剤で接着することも考えられる。しかながら、接着剤の接着力にも限界があるので、原料ガスの供給圧力にも限界がある。CNTの成長速度は、原料ガスの圧力にも依存するので、裏面から原料ガスを流す方法は、合成条件の自由度が小さくなる。
【0045】
これに対し、図2(b)に示すように、触媒が担持された面から裏面に向かって原料ガスを流すと、積層体20’の剥離や破損を抑制することができる。しかも、積層体20’はガス透過性を有しているので、CNT30の成長が進行しても、CNT成長用触媒14まで原料ガスを供給するのが容易化する。そのため、CNT30の成長速度の低下を最小限に抑制することができ、長尺のCNT30を合成することができる。
【実施例】
【0046】
(実施例1、比較例1)
[1. 試料の作製]
[1.1 触媒分散液の作製]
Feアセチルアセトナート、TiOアセチルアセトナート、1,2−ヘキサデカンジオール、オレイン酸及びオレイルアミン、並びに、オクチルエーテルを不活性ガス雰囲気下において所定の比率で混合し、これを250℃で30分間反応させた。反応終了後、室温に冷却し、遠心分離により触媒微粒子(Fe−Ti−Oナノ粒子)を得た。これをヘキサンに加えて触媒分散液を作製した。
【0047】
[1.2 CNT成長用基板の作製]
市販の陽極酸化アルミナ膜(アノディスク、ワットマン製、細孔径20nm、直径43mm)上に、スパッタ装置を用いてSiO2膜を形成した。出力は300Wとし、スパッタ時間は1〜20分間とした。さらに、SiO2膜表面に[1.1]で作製した触媒分散液を塗布し、Fe−Ti−Oナノ粒子を担持させた(実施例1)。
比較として、市販の陽極酸化アルミナ膜の表面にFe−Ti−Oナノ粒子を直接、担持させた基板も作製した(比較例1)。
【0048】
[2. 実験方法]
[2.1 SiO2膜の膜厚]
電子顕微鏡により、SiO2スパッタ膜の膜厚の測定及び組織観察を行った。
[2.2 ガス透過性]
Fe−Ti−Oナノ粒子を担持する前の基板を治具に固定し、基板全体を数Paの真空状態に保持した。次いで、基板に各種ガス(水素、アセチレン、アルゴン)を一定流量透過させた際の両面間の圧力差を測定した。ガス透過能(%)は、この圧力差をSiO2スパッタ膜なし時の圧力差で標準化した値で表した。
[2.3 CNTの合成]
CNT成長用チャンバ内にCNT成長用基板を設置し、水素気流中、3kPa(比較例1の場合は、266Pa)で700℃まで昇温した。次いで、チャンバ内にアセチレンを導入し、30分間保持した。なお、アセチレンは、チャンバ内に導入するだけで、基板中へのガス透過は行わなかった。
【0049】
[3. 結果]
[3.1 スパッタ膜厚]
図3に、スパッタ膜厚のスパッタ時間依存性を示す。図3に示すように、スパッタ膜厚は、スパッタ時間と直線的な関係となった。スパッタ膜の組織観察を行った結果、スパッタ膜厚が薄い(約50nm)と、図4(a)に示すように、陽極酸化アルミナ膜の細孔形状を引き継いで、SiO2膜にも細孔が観察された。一方、スパッタ膜厚が厚い(約210nm)と、図4(b)に示すように、明確な細孔構造が認められなくなった。
【0050】
[3.2 ガス透過性及びCNTの成長高さ]
図5に、スパッタ膜厚の異なる基板のガス透過性及びCNTの成長高さを示す。図5に示すように、スパッタ時間が長くなるに従い、ガスの透過性が低下していく傾向が観察された。特に、膜厚が50nmと70nmの間に大きな差が認められた。水素の透過率が最も高く、次いで、アセチレン、アルゴンの順となった。また、スパッタ膜の厚さが300nm程度になると、いずれのガスもほとんど透過しないことがわかった。さらに、基板両面間の圧力差が3〜5kPaになると、基板が圧力差に耐えられずに割れることがわかった。
【0051】
図6に、SiO2スパッタした陽極酸化アルミナ膜に成長したCNTの断面写真を示す。CNTの成長実験を行った結果、図5及び図6に示すように、スパッタ膜厚が25nm(スパッタ時間:1min)では、ほとんどCNTは成長しなかった。スパッタ膜厚が50〜70nm(スパッタ時間:2〜3min)に増加すると、急激にCNTの成長高さが増大した。スパッタ膜厚が70nm以上(スパッタ時間:2min以上)の試料では、陽極酸化アルミナ膜の表面の黒色化は認められず、基板の割れも起きなかった。
【0052】
(実施例2)
[1. 試料の作製及び実験方法]
実施例1で作製したSiO2スパッタ膜付き陽極酸化アルミナ膜の裏面に、ハニカムセラミックス(自動車用触媒担体に用いられるコージェライトハニカム)を接触配置させた状態で、治具に固定した。基板全体を数Paの真空状態に保持した後、スパッタ膜が形成されている面から、基板に水素ガスを透過させていき、徐々にその流量を増加させ、基板の両面間に圧力を生じさせた。
[2. 結果]
基板両面間の圧力差がおよそ10kPaに増大しても、基板は割れることがなく、圧力差の増大に従い、ガスの流量も2〜3倍に増大できた。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るCNT成長用基板は、CNTを合成するための基板として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1(a)は、従来のCNT成長用基板の断面模式図であり、図2(b)は、本発明に係るCNT成長用基板の断面模式図及びCNTの成長過程を示す模式図である。
【図2】図2(a)は、CNT成長用基板の触媒担持面の反対面側から原料ガスを流した状態を示す断面模式図であり、図2(b)は、CNT成長用基板の触媒担持面側から原料ガスを流した状態を示す断面模式図である。
【図3】SiO2スパッタ膜の膜厚のスパッタ時間依存性を示す図である。
【図4】SO2スパッタした陽極酸化アルミナ膜の断面SEM写真(スパッタ時間:(a)2min、(b)10min)である。
【図5】陽極酸化アルミナ膜上のSiO2スパッタ膜厚の膜厚と、ガス透過能及びCNT成長高さとの関係を示す図である。
【図6】SiO2スパッタした陽極酸化アルミナ膜に成長したCNTの断面写真(スパッタ時間:(a)1min、(b)3min、(c)5min、(d)7min)である。
【符号の説明】
【0056】
20、40 CNT成長用基板
14 CNT成長用触媒
16 多孔質保護層
22 多孔質支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス透過性を有する陽極酸化アルミナ膜と、
前記陽極酸化アルミナ膜の表面に形成されたガス透過性を有する多孔質保護層と、
前記多孔質保護層の上に担持されたCNT成長用触媒と
を備えたCNT成長用基板。
【請求項2】
前記多孔質保護層は、主成分が二酸化ケイ素である請求項1に記載のCNT成長用基板。
【請求項3】
前記多孔質保護層は、厚さが50〜300nmである請求項1又は2に記載のCNT成長用基板。
【請求項4】
前記多孔質保護層は、物理気相成長法又は化学気相成長法を用いて前記陽極酸化アルミナ膜表面に形成されたものである請求項1から3までのいずれかに記載のCNT成長用基板。
【請求項5】
前記陽極酸化アルミナ膜を支持する多孔質基材をさらに備えた請求項1から4までのいずれかに記載のCNT成長用基板。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかに記載のCNT成長用基板の表面に炭素源を含む原料ガスを供給し、前記CNT成長用基板の表面にCNTを成長させる成長工程を備えたCNTの製造方法。
【請求項7】
前記成長工程は、前記CNT成長用基板の前記CNT成長用触媒の担持面から裏面に向かって前記原料ガスを供給するものである請求項6に記載のCNTの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−119414(P2009−119414A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298517(P2007−298517)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】