COFキャリアテープ、COFキャリアテープの製造方法、およびCOF型半導体装置の製造方法
【課題】長尺な絶縁フィルムテープ上に配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープにあって、配線パターンの間隔をなくすか減少するかして、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図る。
【解決手段】長尺な絶縁フィルムテープ1上に、配線パターン3が、長さ方向に繰り返し形成されており、半導体チップ搭載後に、搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれる。そのようなCOFキャリアテープ12において、打ち抜き時に同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されたとき、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターン4が、所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されている。
【解決手段】長尺な絶縁フィルムテープ1上に、配線パターン3が、長さ方向に繰り返し形成されており、半導体チップ搭載後に、搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれる。そのようなCOFキャリアテープ12において、打ち抜き時に同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されたとき、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターン4が、所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性を有する長尺な絶縁フィルムテープの表面に、プリント配線技術によって、配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されているCOFキャリアテープ、およびその製造方法に関する。ならびに、その配線パターンに接続し、好ましくはフリップチップ実装することにより、絶縁フィルムテープ上に半導体チップを搭載して半導体装置を製造するCOF型半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、電子機器の軽薄短小化、高機能化、高密度化がますます進んでいる。例えば、液晶パネルについても、大型化、高精細化、高コントラスト化が進み、それにともない液晶ドライバの多ピン化、ファインピッチ化が進んでいる。このような背景の下、例えば液晶ドライバなどの実装方式として、狭く複雑な空間に実装するのに有利なCOF(chip on film)キャリアテープに半導体チップを搭載した、COF型半導体装置を用いた実装方式が多く採用されている。
【0003】
図9(A)ないし(E)には、従来のCOFキャリアテープの製造工程を示す。
この製造工程では、図9(A)に示すように、絶縁フィルムテープ211の表面に導電体層212を設けた導体積層フィルム215を用意し、図9(B)に示すように両縁に沿ってスプロケットホール214を金型などを用いて打ち抜き形成する。
【0004】
COFキャリアテープに設けられるスプロケットホールの大きさおよび位置は、JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格(旧、EIAJ(日本電子機械工業)規格)によって、COFキャリアテープの各規格テープ幅に応じて、図10および次の表1のように規定されていて、これらの値に基づき製造されている。
【0005】
【表1】
【0006】
次いで、図9(C)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともに、導電体層212の表面にフォトレジストを塗布して乾燥させることによりフォトレジスト膜219を形成した後、スプロケットホール214で位置決めし、フォトマスク220を用いて紫外光線218により露光を行う。次に、図9(D)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともに、現像を行ってエッチングレジスト221を形成する。
【0007】
その後、図9(E)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともにエッチングを行い、さらにエッチングレジスト221を除去して、絶縁フィルムテープ211の表面に、半導体接続端子部216と外部接続端子部217を有する同一の配線パターン213を、長さ方向に繰り返し設けたCOFキャリアテープ222を形成する。
【0008】
図11には、このようにして形成したCOFキャリアテープ222の平面を示す。
図において、スプロケットホール214は、後に前記半導体接続端子部216に接続して半導体チップを搭載するとき、位置決めに用いられる。そのため、配線パターン213は、スプロケットホール214に対して、相対的に同じ位置関係になるように正確に位置決めして形成されている。
【0009】
ところで、スプロケットホール214は、半導体チップを搭載するときの位置決めだけでなく、COFキャリアテープ222の製造段階においても搬送や位置決めを行うために用いるものであり、搬送するためにはスプロケットの歯をスプロケットホールに嵌合させ、スプロケットを回転させて搬送を行っていた。また、位置決めには、位置決めピンをスプロケットホールに挿入して、機械的に強制して位置決めを行っていた。
【0010】
ところが、COFキャリアテープは、可撓性が必要なため、絶縁フィルムテープ211の厚さが12.5〜50μmと薄い。このため、機械的な強度が弱く、スプロケットや位置決めピンを用いて搬送や位置決めを行った場合、スプロケットホール214にキズや変形が生じてしまい、位置精度が悪くなる問題があった。そこで、現在では、スプロケットホール214にキズや変形を生じないようにするために、搬送ローラを用いて搬送を行い、位置決めはスプロケットホール214を光学式認識装置で認識して後、位置を制御して位置決めを行う方法が広く用いられている。
【0011】
ここで、図11に基づき、スプロケットホール214と配線パターン213との相対位置関係について説明する。まず、スプロケットホール214のピッチをP(前記JEITA規格の表1によりP=Pnom=4.75mm)とし、単位配線パターン長をA1とする。このとき、単位配線パターン長A1が、スプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる状態の場合は、配線パターン213の形成には有効に使用されない不要領域223が発生する。図11の場合は、A1=(P×2)+(α+β)になっており、A1>P×2の状態にある。このため、単位配線パターンピッチをB1とすると、B1=P×3だけ必要になる。そして、配線パターン213には、有効に使用されない不要領域223の長さの不要領域長S1が発生する。
【0012】
ところで、不要領域長S1の値は、単位配線パターン長A1によって決定され、単位配線パターン長A1が、スプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と一致した場合、すなわちA1=P×nの場合、不要領域長S1はS1=0になり、不要領域223は発生しない。しかし、単位配線パターン長A1が僅かでもスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と異なる場合、すなわちA1>P×nまたはA1<P×nの場合には、不要領域長S1は、P>S1>0の値の範囲で発生する。ここで、単位配線パターン長A1が僅かにスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍より小さかった場合には、僅かに小さい分のみが不要領域長S1となる。しかし、単位配線パターン長A1が僅かでもスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍より大きかった場合には、単位配線パターンピッチはさらにP×1だけ増やす必要があり、大きな不要領域長S1が発生してしまう。そのため、図11に示す+(α+β)の値が小さいほど不要領域長S1の値は大きくなる。
【0013】
このように、COFキャリアテープ222の長さ方向に対して、不要領域223の不要領域長S1が発生した場合、その不要領域223の部分にも製造コストはかかっている。そのため、単位配線パターン長A1に対する不要領域長S1の割合が大きくなるほど、COFキャリアテープの製造コストが割高となる問題がある。
【0014】
ここで、単位配線パターン長をA、必要とする単位配線パターンピッチをBとして、Bに対するAの割合を長さの有効率Cとすると、C=(B÷A)×100(%)の関係式が成り立ち、この長さの有効率Cが悪くなるほど、COFキャリアテープ222の製造コストが高くなる。ここで、単位配線パターン長Aに対して、必要な単位配線パターンピッチBと長さの有効率Cの関係を数値で表したものを表2に示す(表中のPはスプロケットホールのピッチである)。
【0015】
【表2】
【0016】
この表から、単位配線パターン長Aが単位配線パターンピッチBと同じ場合は、長さの有効率が100(%)になるが、単位配線パターン長Aが単位配線パターンピッチBと僅かでも異なる場合は、長さの有効率Cが100(%)未満となる。そして、単位配線パターン長AがスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍より大きくなる値が小さいほど長さの有効率は悪くなる。また、単位配線パターン長AがスプロケットホールのピッチP×1(P=4.75mm)よりも小さい場合は、単位配線パターン長Aの値が小さくなるほど、長さの有効率は悪くなる。また、さらに単位配線パターンピッチBをグループ分けした場合、単位配線パターンピッチBの値が小さいグループほど、長さの有効率が悪くなる傾向になる。
【0017】
これらのことから、上述したような従来のCOFキャリアテープ222では、単位配線パターン長Aの値によっては、長さの有効率Cが悪くなり、製造コストが高くなってしまう問題があった。
【0018】
このように不要領域が発生するためにコスト高になる問題を解消すべく、例えば特許文献1に示されるように、配線パターンに突起部がある場合には、隣接して配置される配線パターンの突起部同士がお互いに隣接するように配置して、不要領域の面積を小さくする方法がある。例えば図12に示すレイアウトで、配線パターン213が配置されると、不要領域152が生じる。
【0019】
ところが、図13に示すように、配線パターンの突起部同士が隣接するようにして、配線パターン101a・101bが互いに180°回転した向きで配置されるようにする。このようにすると、複数の配線パターン101を異なる方向に向けてレイアウトすることにより、同一方向にレイアウトする従来の構成に比べて、テープキャリアの長さ方向に対してより多くの配線パターン101を搭載することができ、テープ面積の有効活用が図れる。
【0020】
そして、図12に示すような従来のレイアウトの構成では、不要領域152が生じ、所定の長さLのテープキャリアにおいて配線パターンの取れる数は3個である。これに対し、図13に示す構成では、不要領域103が生じているものの、その面積は上記不要領域152に比べ非常に小さく、同じく所定長さLにおいて配線パターンの取れ数は4個となる。このようにして、長さの有効率を良くして、製造コストの安いテープキャリアが得られる。
【0021】
また、別の特許文献2には、前記JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格によって規定されているフィルムキャリアテープの幅の各規格テープ幅に対して形成する配線パターンの形成領域の幅寸法を大きくすることを可能にして、フィルムキャリアテープのコスト削減を図ることができる方法である。
【0022】
具体的には、図14(A)ないし(E)に示すような製造工程により形成される。まず、図14(A)に示すように、絶縁フィルムテープ311上に導電体層312を形成した積層フィルムを用意し、絶縁フィルムテープ311の幅方向両側を搬送ローラで挟んで搬送位置決めした後、図14(B)に示すように、配線パターン形成領域に亘ってフォトレジストを塗布してフォトレジスト材料塗布層319Aを形成する。その後、搬送ローラで絶縁フィルムテープ311の位置決めを行った後、フォトマスク320Aを介して露光・現像することで、図14(C)に示すような配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322を形成する。
【0023】
次いで、配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322をマスクパターンとして導電体層312をエッチング液で溶解して除去した後、配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322をアルカリ溶液で溶解除去することにより、図14(D)に示すように、配線パターン313およびスプロケット形成用位置決めマーク323を形成する。ここで、スプロケット形成用位置決めマーク323は、スプロケットホール314の開口に収まる十字状となるように形成されている。図15には、その状態の平面を示す。
【0024】
続いて、図14(E)に示すように、例えばソルダーレジスト層318を形成する。その後、搬送ローラで絶縁フィルムテープ311の位置決めを行った後、例えば自動認識装置を用いてスプロケット形成用位置決めマーク323を認識し、パンチングなどによって絶縁フィルムテープ311およびスプロケットホール形成用位置決めマーク323を貫通してスプロケットホール314を形成することにより、フィルムキャリアテープ310Aが完成する。このような方法によりスプロケットホール314の列間の幅寸法による制限をなくして絶縁フィルムテープ311のパターン形成領域の幅寸法を大きくすることができるため、フィルムキャリアテープの製造コストを削減することができる。
【0025】
【特許文献1】特許第3558921号公報
【特許文献2】特許第3750113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
ところが、前記特許文献1の方法による、図13に示すような従来のテープキャリアでは、配線パターンの突起部同士が隣接するようにして、配線パターン101a・101bが互いに180°回転した向きで配列されていて、配線パターン101a・101bが組み合わされた状態で1つの単位配線パターン長A2になっている。そして、後に行われる、配線パターン101a・101bに半導体チップを接続して搭載するときの位置決めには、前記JEITA規格に基づき形成された、スプロケットホールを用いて行われるのが一般的である。そのため、配線パターン101a・101bが組み合わされた状態のものは、スプロケットホールに対して、相対的に位置決めされた位置に設けられる。
【0027】
そのため、単位配線パターン長A2の値がスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる場合は、不要領域が発生する。例えば、図16に示すようにA3=(P×8)+(α+β)のような状態の場合には、単位配線パターンピッチB3は、B3=(P×9)だけ必要になり、不要領域長S3が発生する。そのため、長さの有効率が悪くなり、製造コストが高くなる問題があった。
【0028】
また、別の前記特許文献2の方法による、図14および図15に示すような方法では、スプロケット形成用位置決めマーク323を形成した後、スプロケット形成用位置決めマーク323を認識し、パンチングなどによって絶縁フィルムテープ311およびスプロケットホール形成用位置決めマーク323を貫通してスプロケットホール314を形成する方法である。
【0029】
このようにして形成されるフィルムキャリアテープは、後に行なわれる、配線パターンに半導体チップを接続して搭載するとき、位置決めのために前記JEITA規格に基づき形成された、スプロケットホールを用いるのが一般的である。そのため、配線パターンは、スプロケットホールに対して、相対的に位置決めされた位置に設けられている。
【0030】
よって、単位配線パターン長A4の値がスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる場合は、不要領域が発生する。例えば、図15に示すようにA4=(P×3)+(α+β)のような状態の場合には、単位配線パターンピッチB4は、B4=(P×4)だけ必要になり、その結果、不要領域長S4が発生する。そのため、フィルムキャリアテープ310Aの長さ方向に関しては、有効率が悪くなり、製造コストが高くなる問題があった。
【0031】
そこで、この発明の目的は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープにあって、配線パターンの間隔をなくすか減少するかして、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから個々の配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
かかる目的を達成すべく、この発明の第1の態様は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されており、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれるCOFキャリアテープにおいて、打ち抜き時に同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されたとき、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターンが、所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されているものである。
【0033】
ここで、認識パターンは、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されているとよく、このとき絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されている認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されているとよい。また、認識パターンは、絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されているとよい。一方、配線パターンと認識パターンの組合せは、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されているとよい。
【0034】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第2の態様は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法において、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれるときに、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターンが、絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、配線パターンとともに、所定搬送長さごとに、COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されるものである。
【0035】
ここで、認識パターンは、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されるとよく、このとき絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されるとよい。一方、配線パターンと認識パターンの組合せは、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されるとよい。
【0036】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第3の態様は、第2の態様のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造されたCOFキャリアテープが、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めされてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載される。その後、COFキャリアテープが、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるものである。
【0037】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第4の態様は、第2の態様のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、
次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープが、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めされてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、分割COFキャリアテープが、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるものである。
【発明の効果】
【0038】
この発明の第1の態様によれば、長尺な絶縁フィルムテープ上に、配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープにあって、打ち抜き領域外に、認識パターンが所定搬送長さごとに形成されているので、半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて搬送されるとき、認識パターンが、例えば光学式のパターン認識装置により認識されて位置決めされる。故に、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0039】
ここで、認識パターンが、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されていると、COFキャリアテープを傾きなく位置決めすることができる。このとき、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されていると、スプロケットホールを有する従来のCOFキャリアテープの製造装置において設置されている自動位置認識装置を、位置変えなどを行う必要なく、そのまま使用することができる。
【0040】
また、認識パターンが、絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されていると、同じプリント配線技術を用いて、配線パターン形成時に同時に認識パターンも形成することができ、従来のように金型を用いてスプロケットホールを形成しないから、金型による加工工程を必要とせず、また金型による打ち抜き時に生じるバリやヒゲも発生しないから、品質がよく、かつ製作を容易とすることができる。配線パターンが、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されていると、多条にして、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【0041】
また、この発明の第2の態様によれば、長尺な絶縁フィルムテープ上に、配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法にあって、認識パターンが、絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、配線パターンとともに、所定搬送長さごとに、COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されるので、半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて搬送されるとき、認識パターンが、例えば光学式のパターン認識装置により認識されて位置決めされる。故に、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0042】
ここで、認識パターンが、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されると、COFキャリアテープを傾きなく位置決めすることができる。このとき、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されると、スプロケットホールを有する従来のCOFキャリアテープの製造装置において設置されている自動位置認識装置を、位置変えなどを行う必要なく、そのまま使用することができる。また、配線パターンが、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されると、多条に形成して後にカットすることにより、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【0043】
また、この発明の第3の態様によれば、上述した第2の態様により製造されたCOFキャリアテープに半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが、所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるので、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0044】
また、この発明の第4の態様によれば、上述した第2の態様により製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、次いでその組ごとに分割された分割COFキャリアテープに半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが、所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるので、多条に形成して後にカットすることにより、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態について説明する。
図1(A)ないし(E)には、この発明によるCOFキャリアテープの製造工程の一例を示す。
【0046】
この発明による製造工程では、図1(A)に示すような長尺な絶縁フィルムテープ1の表面に導電体層2をベタ状に設けた導体積層フィルム5を用意する。絶縁フィルムテープ1としては、一般には、厚さが12.5〜50μmのポリイミドを使用する。例えば、宇部興産(株)製の商品名「ユーピレックス」や、東レ・デュポン(株)製の商品名「カプトン」などを用いる。そして、そのような絶縁フィルムテープ1の片面上に、スパッタ法や電解めっき法を用いて金属で形成された導電体層2を形成する。図示例では、スパッタ法と電解銅めっき法の組み合わせにより導電体層2を形成した、住友金属鉱山(株)製の商品名「エスパーフレックス」を使用した。
【0047】
この他にも、導電体層2を構成する銅箔にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布して後、乾燥・硬化した、新日鉄化学(株)製の商品名「エスパネックス」などを用いることができる。なお、絶縁フィルムテープ1としては、上述したポリイミドに代えて、ポリエチレンやポリエステルなどを用いることもできる。
【0048】
次に、図1(B)に示すように、搬送ローラを用いて導体積層フィルム5を搬送するとともに、導電体層2の表面にロールコータなどを用いてフォトレジストを一様に塗布した後、乾燥硬化させて、フォトレジスト膜9を形成する。
【0049】
次に、図1(C)に示すように、搬送ローラを用いて導体積層フィルム5を搬送するとともに位置決めし、フォトマスク10を介して紫外光線8をフォトレジスト膜9に照射する。この照射をさらに、導体積層フィルム5を所定量搬送するごとに位置決めして、導体積層フィルム5の長さ方向に繰り返し行う。このとき、所定量、つまり位置決めした位置から次の位置決め位置までの距離は、後に形成される配線パターン同士が極力接近または接続するように設定する。そして、位置決め位置から次の位置決め位置までの距離を、単位配線パターンピッチBとする。この単位配線パターンピッチBが、所定搬送長さに相当する。
【0050】
次に、図1(D)に示すように、搬送ローラを用いて所定搬送長さ搬送を行うとともに、現像を行ってエッチングレジスト11を形成する。さらに、図1(E)に示すように、エッチングを行って、半導体接続端子6と外部接続端子7とを有する同一の配線パターン3を絶縁フィルムテープ1の長さ方向に繰り返し形成するとともに、認識パターン4と補強パターン2aを形成し、アルカリ溶液などを用いてエッチングレジスト11を除去する。図示例では、前記導電体層2の材料に銅を用いたため、エッチング液には塩化第2鉄溶液のエッチング液を用いてエッチングを行う。このようにして、プリント配線技術を用いて、絶縁フィルムテープ1上に認識パターン4を配線パターン3と同時に形成する。
【0051】
このとき形成する認識パターン4は、配線パターン3を挟んで、絶縁フィルムテープ1の幅方向両側の打ち抜き領域外に形成する。認識パターンの周囲の銅箔を残し、認識パターンの形状に銅箔を除去して形成しても良いし、または認識パターンの周囲の銅箔を除去し、認識パターンの形状に銅箔を残して形成しても良い。また、このとき、補強パターン2aは残るようにしても良いし、残らないように除去しても良い。さらに、認識パターンの形状は、用いる光学式認識装置の特性に適した形状にして設けることが好ましい。このような工程を経ることで、COFキャリアテープ12を形成する。また、このようにして形成したCOFキャリアテープ12のいくつかの態様を、図2、図3および図4に示す。
【0052】
ここで、図2に示すCOFキャリアテープ12は、単位配線パターン長A5と単位配線パターンピッチB5を同じにした場合のもので、このときの不要領域長S5は、S5=0となり、不要領域が発生しない。
【0053】
また、図3に示すCOFキャリアテープ12は、配線パターン3が1つおきに180°回転して配置し、向かい合った2つの配線パターン3も組み合わせを1つの配線パターンとみなし、これに対して相対する所定の位置に認識パターン4を形成したもので、このとき単位配線パターン長A6と単位配線パターンピッチB6を同じにした場合のもので、この場合も前記と同様に不要領域長S6は、S6=0となり不要領域が発生しない。
【0054】
またさらに、図4に示すCOFキャリアテープ12は、後に行う単位配線パターン毎の打ち抜き時に、単位配線パターンを打ち抜いて残る部分の補強を目的として、必要最小限の不要領域長S7を設けたものである。このとき、単位配線パターンピッチB7は、単位配線パターン長A7に不要領域長S7を加え、B7=A7+S7の状態にする。この場合、製造コストを安くするために、不要領域長S7は、極力小さくすることが良く、できれば0.5〜1.0mm程度にすることが好ましい。
【0055】
それから、図示は省略するが、後述するごとく搭載する半導体チップとの接続目的や、絶縁フィルムテープ1上の配線パターン3の防錆目的で、配線パターン3の表面には錫めっきまたは金めっきを行うが、この例では錫めっきを行う。また、図示は省略するが、配線パターン3の保護を目的としたソルダーレジストを、半導体接続端子6および外部接続端子7を除く配線パターン3の所定の部分にスクリーン印刷法などで塗布して加熱硬化させて設けても良い。このソルダーレジストは、前記配線パターンの表面に行う錫めっきや金めっきの前に行っても良くまた後に行っても良い。
【0056】
このようにして、COFキャリアテープ12を製造することで、絶縁フィルムテープ1上に配線パターン3を詰めて設けて、絶縁フィルムテープ1の長さ方向に発生する不要領域を減少しまたはなくすことができるため、絶縁フィルムテープ1の長さ有効率を高めて無駄をなくし、製造コストの安いCOFキャリアテープの製造方法を提供することができる。
【0057】
いま、図4に示すように、認識パターンを絶縁フィルムテープの幅方向両側に複数組連なって設け、認識パターン4の一方の中心から他方の認識パターン4の中心までのセンター間寸法をHとし、絶縁フィルムテープ1のテープ幅をD2とする。すると、センター間寸法Hは、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格であるJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格に合わせて形成されているとよい。すなわち、D2=34.975±0.2mmの範囲に有る場合は、31.82±0.04mmとすることが好ましい。また、D2=48.175±0.2mmの範囲に有る場合は、H=42.177±0.07mmまたはH=44.86±0.07mmの範囲のいずれか1つに設けることが好ましい。そして、D2=69.950±0.2mmの範囲に有る場合は、H=63.949±0.08mmの範囲に設けることが好ましい。
【0058】
このようにして設けた認識パターン4の位置は、従来のCOFキャリアテープにJEITA規格に基づき設けられた、スプロケットホールの幅方向の位置と同一である。そのため、従来の製造装置に設置された光学式などの自動位置認識装置を用いて認識パターン4を認識させることができる。また、このとき、自動位置認識装置の位置を変えるなどの段取りを行う必要もない。
【0059】
なお、導体積層フィルムの幅がCOFキャリアテープのテープ幅D2の2倍以上のものを用意して、前記図1(A)ないし(E)に示す製造工程を行って、配線パターンと認識パターンの組合せを絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成し、多条のCOFキャリアテープを形成する。それから、その多条のCOFキャリアテープを長さ方向にカットして組ごとに分割する。次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープを、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送するごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めしてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップを搭載し、その後、分割COFキャリアテープを、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めし、個々の配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が形成するようにしてもよい。
【0060】
このようにすると、絶縁フィルムテープの長さ方向に発生する不要領域を減少またはなくしたCOFキャリアテープ12を複数同時に形成し、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層の製造コストの安いCOFキャリアテープ12を製造することができる。
【0061】
図5(A)ないし(E)には、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープ12を用いてCOF型半導体装置を製造する製造工程を示す。
【0062】
まず、図5(A)に示すように、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープ12を用意する。次に、ローラなどを用いてCOFキャリアテープ12を所定搬送長さ搬送し、認識パターン4を光学式認識装置で認識して位置決めし、この位置決めにより、相対的に位置決めされた位置関係にある配線パターン3を間接的に位置決めする。
【0063】
次に、図5(B)に示すように、配線パターン3の所定の部分を用いて認識して位置決めするとともに半導体チップ15を位置決めし、100℃〜150℃に設定した加熱ステージ13の上に順次セットする。そして、半導体15に形成された金バンプ14と配線パターン3の半導体接続端子6とを対向して、400℃〜500℃に加熱したボンディングツール16を用いて熱と圧力とを加える。これにより、例えば金バンプ14と、錫めっきされた半導体接続端子6とをAu−Sn共晶接合して、フリップチップ実装して絶縁フィルムテープ1の上に半導体チップ15を搭載する。
【0064】
その後、COFキャリアテープ12を搬送ローラで所定搬送長さ搬送するとともに順次位置決めしながら、図5(C)に示すように、塗布用ノズル18から吐出する封止樹脂17を半導体15の周囲に沿うように塗布して、毛細管現象により浸透して半導体チップ15と絶縁フィルムテープ1との間に充填し、さらに加熱硬化した状態を図5(D)に示す。また、この状態の平面図を図6に示す。
【0065】
そして、搬送ローラで長さ方向に所定搬送長さ搬送されるごとに打ち抜き領域外に形成される認識パターン4を、光学式などのパターン認識装置を用いて認識して順次位置決めし、図5(E)に示すように、単位配線パターン3ごとに金型などを用いて打ち抜いてCOF型半導体装置19を形成する。
図7および図8には、単位配線パターン3ごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置19を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す。
【0066】
まず、図7は、単位配線パターン長A5と単位配線パターンピッチB5が同じ値で、不要領域長S5はS5=0、すなわち不要領域がない場合を示す。このように、不要領域がない場合、金型の打ち抜き寸法が単位配線パターン長A5と同じにすると、配線パターン3を打ち抜くときの位置決め精度の誤差により、先に打ち抜き済みの切断部20の部分を再度打ち抜くことになり、バリやヒゲ状のカスが発生してしまう。そこで、このような問題が発生しないようにするために、金型による打ち抜き寸法E1は、図7に示すように、単位配線パターン長A5よりも大きくすることが好ましい。
【0067】
また、図8は、単位配線パターン3ごとに打ち抜くとき、単位配線パターン3を打ち抜いて残る部分の補強を目的にして、必要最小限の不要領域長S7を設けたものである。単位配線パターンピッチB7は、単位配線パターン長A7に不要領域長S7を加えた状態、すなわちB7=A7+S7にした状態にする。このときの金型による打ち抜き寸法E2は、単位配線パターン長A7と同じ値に設定する。また、不要領域長S7は、前記補強の効力を確保できる範囲で、かつ金型による打ち抜きに支障がない範囲で極力小さく設定する。できれば、0.5〜1.0mm程度にして、製造コストを安くすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(A)ないし(E)は、この発明によるCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図2】図1による製造工程に基づき製造されたCOFキャリアテープの一例の平面図である。
【図3】他例の平面図である。
【図4】さらに他例の平面図である。
【図5】(A)ないし(E)には、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープを用いてCOF型半導体装置を製造する製造工程図である。
【図6】その半導体チップを搭載して樹脂封止後の状態における平面図である。
【図7】図2に示すCOFキャリアテープに半導体チップを搭載後、単位配線パターンごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す平面図である。
【図8】図4に示すCOFキャリアテープに半導体チップを搭載後、単位配線パターンごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す平面図である。
【図9】(A)ないし(E)は、従来のCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図10】JEITA規格を説明するため、COFキャリアテープの平面図である。
【図11】図9に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープの平面図である。
【図12】従来の別のCOFキャリアテープの平面図である。
【図13】従来のさらに別のCOFキャリアテープの平面図である。
【図14】(A)ないし(E)は、従来の別のCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図15】その製造工程途中の平面図である。
【図16】従来のさらに別のCOFキャリアテープの平面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 絶縁フィルムテープ
2 導電体層
2a 補強パターン
3 配線パターン
4 認識パターン
5 導体積層フィルム
6 半導体接続端子
7 外部接続端子
8 紫外光線
9 フォトレジスト膜
10 フォトマスク
11 エッチングレジスト
12 COFキャリアテープ
13 加熱ステージ
14 金バンプ
15 半導体
16 ボンディングツール
17 封止樹脂
18 塗布用ノズル
19 COF型半導体装置
20 切断部
P スプロケットホールのピッチ
A 単位配線パターン長
B 単位配線パターンピッチ(所定搬送長さ)
E 打ち抜き寸法
S 不要領域長
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性を有する長尺な絶縁フィルムテープの表面に、プリント配線技術によって、配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されているCOFキャリアテープ、およびその製造方法に関する。ならびに、その配線パターンに接続し、好ましくはフリップチップ実装することにより、絶縁フィルムテープ上に半導体チップを搭載して半導体装置を製造するCOF型半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、電子機器の軽薄短小化、高機能化、高密度化がますます進んでいる。例えば、液晶パネルについても、大型化、高精細化、高コントラスト化が進み、それにともない液晶ドライバの多ピン化、ファインピッチ化が進んでいる。このような背景の下、例えば液晶ドライバなどの実装方式として、狭く複雑な空間に実装するのに有利なCOF(chip on film)キャリアテープに半導体チップを搭載した、COF型半導体装置を用いた実装方式が多く採用されている。
【0003】
図9(A)ないし(E)には、従来のCOFキャリアテープの製造工程を示す。
この製造工程では、図9(A)に示すように、絶縁フィルムテープ211の表面に導電体層212を設けた導体積層フィルム215を用意し、図9(B)に示すように両縁に沿ってスプロケットホール214を金型などを用いて打ち抜き形成する。
【0004】
COFキャリアテープに設けられるスプロケットホールの大きさおよび位置は、JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格(旧、EIAJ(日本電子機械工業)規格)によって、COFキャリアテープの各規格テープ幅に応じて、図10および次の表1のように規定されていて、これらの値に基づき製造されている。
【0005】
【表1】
【0006】
次いで、図9(C)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともに、導電体層212の表面にフォトレジストを塗布して乾燥させることによりフォトレジスト膜219を形成した後、スプロケットホール214で位置決めし、フォトマスク220を用いて紫外光線218により露光を行う。次に、図9(D)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともに、現像を行ってエッチングレジスト221を形成する。
【0007】
その後、図9(E)に示すように、スプロケットホール214を用いて搬送するとともにエッチングを行い、さらにエッチングレジスト221を除去して、絶縁フィルムテープ211の表面に、半導体接続端子部216と外部接続端子部217を有する同一の配線パターン213を、長さ方向に繰り返し設けたCOFキャリアテープ222を形成する。
【0008】
図11には、このようにして形成したCOFキャリアテープ222の平面を示す。
図において、スプロケットホール214は、後に前記半導体接続端子部216に接続して半導体チップを搭載するとき、位置決めに用いられる。そのため、配線パターン213は、スプロケットホール214に対して、相対的に同じ位置関係になるように正確に位置決めして形成されている。
【0009】
ところで、スプロケットホール214は、半導体チップを搭載するときの位置決めだけでなく、COFキャリアテープ222の製造段階においても搬送や位置決めを行うために用いるものであり、搬送するためにはスプロケットの歯をスプロケットホールに嵌合させ、スプロケットを回転させて搬送を行っていた。また、位置決めには、位置決めピンをスプロケットホールに挿入して、機械的に強制して位置決めを行っていた。
【0010】
ところが、COFキャリアテープは、可撓性が必要なため、絶縁フィルムテープ211の厚さが12.5〜50μmと薄い。このため、機械的な強度が弱く、スプロケットや位置決めピンを用いて搬送や位置決めを行った場合、スプロケットホール214にキズや変形が生じてしまい、位置精度が悪くなる問題があった。そこで、現在では、スプロケットホール214にキズや変形を生じないようにするために、搬送ローラを用いて搬送を行い、位置決めはスプロケットホール214を光学式認識装置で認識して後、位置を制御して位置決めを行う方法が広く用いられている。
【0011】
ここで、図11に基づき、スプロケットホール214と配線パターン213との相対位置関係について説明する。まず、スプロケットホール214のピッチをP(前記JEITA規格の表1によりP=Pnom=4.75mm)とし、単位配線パターン長をA1とする。このとき、単位配線パターン長A1が、スプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる状態の場合は、配線パターン213の形成には有効に使用されない不要領域223が発生する。図11の場合は、A1=(P×2)+(α+β)になっており、A1>P×2の状態にある。このため、単位配線パターンピッチをB1とすると、B1=P×3だけ必要になる。そして、配線パターン213には、有効に使用されない不要領域223の長さの不要領域長S1が発生する。
【0012】
ところで、不要領域長S1の値は、単位配線パターン長A1によって決定され、単位配線パターン長A1が、スプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と一致した場合、すなわちA1=P×nの場合、不要領域長S1はS1=0になり、不要領域223は発生しない。しかし、単位配線パターン長A1が僅かでもスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍と異なる場合、すなわちA1>P×nまたはA1<P×nの場合には、不要領域長S1は、P>S1>0の値の範囲で発生する。ここで、単位配線パターン長A1が僅かにスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍より小さかった場合には、僅かに小さい分のみが不要領域長S1となる。しかし、単位配線パターン長A1が僅かでもスプロケットホール214のピッチPの正数(n)倍より大きかった場合には、単位配線パターンピッチはさらにP×1だけ増やす必要があり、大きな不要領域長S1が発生してしまう。そのため、図11に示す+(α+β)の値が小さいほど不要領域長S1の値は大きくなる。
【0013】
このように、COFキャリアテープ222の長さ方向に対して、不要領域223の不要領域長S1が発生した場合、その不要領域223の部分にも製造コストはかかっている。そのため、単位配線パターン長A1に対する不要領域長S1の割合が大きくなるほど、COFキャリアテープの製造コストが割高となる問題がある。
【0014】
ここで、単位配線パターン長をA、必要とする単位配線パターンピッチをBとして、Bに対するAの割合を長さの有効率Cとすると、C=(B÷A)×100(%)の関係式が成り立ち、この長さの有効率Cが悪くなるほど、COFキャリアテープ222の製造コストが高くなる。ここで、単位配線パターン長Aに対して、必要な単位配線パターンピッチBと長さの有効率Cの関係を数値で表したものを表2に示す(表中のPはスプロケットホールのピッチである)。
【0015】
【表2】
【0016】
この表から、単位配線パターン長Aが単位配線パターンピッチBと同じ場合は、長さの有効率が100(%)になるが、単位配線パターン長Aが単位配線パターンピッチBと僅かでも異なる場合は、長さの有効率Cが100(%)未満となる。そして、単位配線パターン長AがスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍より大きくなる値が小さいほど長さの有効率は悪くなる。また、単位配線パターン長AがスプロケットホールのピッチP×1(P=4.75mm)よりも小さい場合は、単位配線パターン長Aの値が小さくなるほど、長さの有効率は悪くなる。また、さらに単位配線パターンピッチBをグループ分けした場合、単位配線パターンピッチBの値が小さいグループほど、長さの有効率が悪くなる傾向になる。
【0017】
これらのことから、上述したような従来のCOFキャリアテープ222では、単位配線パターン長Aの値によっては、長さの有効率Cが悪くなり、製造コストが高くなってしまう問題があった。
【0018】
このように不要領域が発生するためにコスト高になる問題を解消すべく、例えば特許文献1に示されるように、配線パターンに突起部がある場合には、隣接して配置される配線パターンの突起部同士がお互いに隣接するように配置して、不要領域の面積を小さくする方法がある。例えば図12に示すレイアウトで、配線パターン213が配置されると、不要領域152が生じる。
【0019】
ところが、図13に示すように、配線パターンの突起部同士が隣接するようにして、配線パターン101a・101bが互いに180°回転した向きで配置されるようにする。このようにすると、複数の配線パターン101を異なる方向に向けてレイアウトすることにより、同一方向にレイアウトする従来の構成に比べて、テープキャリアの長さ方向に対してより多くの配線パターン101を搭載することができ、テープ面積の有効活用が図れる。
【0020】
そして、図12に示すような従来のレイアウトの構成では、不要領域152が生じ、所定の長さLのテープキャリアにおいて配線パターンの取れる数は3個である。これに対し、図13に示す構成では、不要領域103が生じているものの、その面積は上記不要領域152に比べ非常に小さく、同じく所定長さLにおいて配線パターンの取れ数は4個となる。このようにして、長さの有効率を良くして、製造コストの安いテープキャリアが得られる。
【0021】
また、別の特許文献2には、前記JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格によって規定されているフィルムキャリアテープの幅の各規格テープ幅に対して形成する配線パターンの形成領域の幅寸法を大きくすることを可能にして、フィルムキャリアテープのコスト削減を図ることができる方法である。
【0022】
具体的には、図14(A)ないし(E)に示すような製造工程により形成される。まず、図14(A)に示すように、絶縁フィルムテープ311上に導電体層312を形成した積層フィルムを用意し、絶縁フィルムテープ311の幅方向両側を搬送ローラで挟んで搬送位置決めした後、図14(B)に示すように、配線パターン形成領域に亘ってフォトレジストを塗布してフォトレジスト材料塗布層319Aを形成する。その後、搬送ローラで絶縁フィルムテープ311の位置決めを行った後、フォトマスク320Aを介して露光・現像することで、図14(C)に示すような配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322を形成する。
【0023】
次いで、配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322をマスクパターンとして導電体層312をエッチング液で溶解して除去した後、配線パターン用レジストパターン321Aおよびスプロケット用レジストパターン322をアルカリ溶液で溶解除去することにより、図14(D)に示すように、配線パターン313およびスプロケット形成用位置決めマーク323を形成する。ここで、スプロケット形成用位置決めマーク323は、スプロケットホール314の開口に収まる十字状となるように形成されている。図15には、その状態の平面を示す。
【0024】
続いて、図14(E)に示すように、例えばソルダーレジスト層318を形成する。その後、搬送ローラで絶縁フィルムテープ311の位置決めを行った後、例えば自動認識装置を用いてスプロケット形成用位置決めマーク323を認識し、パンチングなどによって絶縁フィルムテープ311およびスプロケットホール形成用位置決めマーク323を貫通してスプロケットホール314を形成することにより、フィルムキャリアテープ310Aが完成する。このような方法によりスプロケットホール314の列間の幅寸法による制限をなくして絶縁フィルムテープ311のパターン形成領域の幅寸法を大きくすることができるため、フィルムキャリアテープの製造コストを削減することができる。
【0025】
【特許文献1】特許第3558921号公報
【特許文献2】特許第3750113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
ところが、前記特許文献1の方法による、図13に示すような従来のテープキャリアでは、配線パターンの突起部同士が隣接するようにして、配線パターン101a・101bが互いに180°回転した向きで配列されていて、配線パターン101a・101bが組み合わされた状態で1つの単位配線パターン長A2になっている。そして、後に行われる、配線パターン101a・101bに半導体チップを接続して搭載するときの位置決めには、前記JEITA規格に基づき形成された、スプロケットホールを用いて行われるのが一般的である。そのため、配線パターン101a・101bが組み合わされた状態のものは、スプロケットホールに対して、相対的に位置決めされた位置に設けられる。
【0027】
そのため、単位配線パターン長A2の値がスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる場合は、不要領域が発生する。例えば、図16に示すようにA3=(P×8)+(α+β)のような状態の場合には、単位配線パターンピッチB3は、B3=(P×9)だけ必要になり、不要領域長S3が発生する。そのため、長さの有効率が悪くなり、製造コストが高くなる問題があった。
【0028】
また、別の前記特許文献2の方法による、図14および図15に示すような方法では、スプロケット形成用位置決めマーク323を形成した後、スプロケット形成用位置決めマーク323を認識し、パンチングなどによって絶縁フィルムテープ311およびスプロケットホール形成用位置決めマーク323を貫通してスプロケットホール314を形成する方法である。
【0029】
このようにして形成されるフィルムキャリアテープは、後に行なわれる、配線パターンに半導体チップを接続して搭載するとき、位置決めのために前記JEITA規格に基づき形成された、スプロケットホールを用いるのが一般的である。そのため、配線パターンは、スプロケットホールに対して、相対的に位置決めされた位置に設けられている。
【0030】
よって、単位配線パターン長A4の値がスプロケットホールのピッチPの正数(n)倍と僅かでも異なる場合は、不要領域が発生する。例えば、図15に示すようにA4=(P×3)+(α+β)のような状態の場合には、単位配線パターンピッチB4は、B4=(P×4)だけ必要になり、その結果、不要領域長S4が発生する。そのため、フィルムキャリアテープ310Aの長さ方向に関しては、有効率が悪くなり、製造コストが高くなる問題があった。
【0031】
そこで、この発明の目的は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープにあって、配線パターンの間隔をなくすか減少するかして、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから個々の配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
かかる目的を達成すべく、この発明の第1の態様は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されており、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれるCOFキャリアテープにおいて、打ち抜き時に同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されたとき、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターンが、所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されているものである。
【0033】
ここで、認識パターンは、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されているとよく、このとき絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されている認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されているとよい。また、認識パターンは、絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されているとよい。一方、配線パターンと認識パターンの組合せは、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されているとよい。
【0034】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第2の態様は、長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法において、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれるときに、例えば光学式のパターン認識装置により認識される認識パターンが、絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、配線パターンとともに、所定搬送長さごとに、COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されるものである。
【0035】
ここで、認識パターンは、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されるとよく、このとき絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されるとよい。一方、配線パターンと認識パターンの組合せは、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されるとよい。
【0036】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第3の態様は、第2の態様のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造されたCOFキャリアテープが、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めされてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載される。その後、COFキャリアテープが、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるものである。
【0037】
また、上述した目的を達成すべく、この発明の第4の態様は、第2の態様のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、
次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープが、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めされてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、分割COFキャリアテープが、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるものである。
【発明の効果】
【0038】
この発明の第1の態様によれば、長尺な絶縁フィルムテープ上に、配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープにあって、打ち抜き領域外に、認識パターンが所定搬送長さごとに形成されているので、半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて搬送されるとき、認識パターンが、例えば光学式のパターン認識装置により認識されて位置決めされる。故に、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0039】
ここで、認識パターンが、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されていると、COFキャリアテープを傾きなく位置決めすることができる。このとき、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されていると、スプロケットホールを有する従来のCOFキャリアテープの製造装置において設置されている自動位置認識装置を、位置変えなどを行う必要なく、そのまま使用することができる。
【0040】
また、認識パターンが、絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されていると、同じプリント配線技術を用いて、配線パターン形成時に同時に認識パターンも形成することができ、従来のように金型を用いてスプロケットホールを形成しないから、金型による加工工程を必要とせず、また金型による打ち抜き時に生じるバリやヒゲも発生しないから、品質がよく、かつ製作を容易とすることができる。配線パターンが、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されていると、多条にして、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【0041】
また、この発明の第2の態様によれば、長尺な絶縁フィルムテープ上に、配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法にあって、認識パターンが、絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、配線パターンとともに、所定搬送長さごとに、COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されるので、半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが搬送ローラなどを用いて搬送されるとき、認識パターンが、例えば光学式のパターン認識装置により認識されて位置決めされる。故に、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0042】
ここで、認識パターンが、配線パターンを挟んで、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されると、COFキャリアテープを傾きなく位置決めすることができる。このとき、絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されると、スプロケットホールを有する従来のCOFキャリアテープの製造装置において設置されている自動位置認識装置を、位置変えなどを行う必要なく、そのまま使用することができる。また、配線パターンが、絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されると、多条に形成して後にカットすることにより、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【0043】
また、この発明の第3の態様によれば、上述した第2の態様により製造されたCOFキャリアテープに半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが、所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるので、COFキャリアテープが搬送されるとき、従来のようにスプロケットホールなどのピッチ間隔単位で位置決めされるのではないから、絶縁フィルムテープ上に配線パターンを詰めて設けて、配線パターンの間隔をなくしまたは減少して形成することができ、最終的に長尺な絶縁フィルムテープから配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が製造されるとき、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、コストの低減を図ることができる。
【0044】
また、この発明の第4の態様によれば、上述した第2の態様により製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、次いでその組ごとに分割された分割COFキャリアテープに半導体チップ搭載後に、COFキャリアテープが、所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されるので、多条に形成して後にカットすることにより、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態について説明する。
図1(A)ないし(E)には、この発明によるCOFキャリアテープの製造工程の一例を示す。
【0046】
この発明による製造工程では、図1(A)に示すような長尺な絶縁フィルムテープ1の表面に導電体層2をベタ状に設けた導体積層フィルム5を用意する。絶縁フィルムテープ1としては、一般には、厚さが12.5〜50μmのポリイミドを使用する。例えば、宇部興産(株)製の商品名「ユーピレックス」や、東レ・デュポン(株)製の商品名「カプトン」などを用いる。そして、そのような絶縁フィルムテープ1の片面上に、スパッタ法や電解めっき法を用いて金属で形成された導電体層2を形成する。図示例では、スパッタ法と電解銅めっき法の組み合わせにより導電体層2を形成した、住友金属鉱山(株)製の商品名「エスパーフレックス」を使用した。
【0047】
この他にも、導電体層2を構成する銅箔にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布して後、乾燥・硬化した、新日鉄化学(株)製の商品名「エスパネックス」などを用いることができる。なお、絶縁フィルムテープ1としては、上述したポリイミドに代えて、ポリエチレンやポリエステルなどを用いることもできる。
【0048】
次に、図1(B)に示すように、搬送ローラを用いて導体積層フィルム5を搬送するとともに、導電体層2の表面にロールコータなどを用いてフォトレジストを一様に塗布した後、乾燥硬化させて、フォトレジスト膜9を形成する。
【0049】
次に、図1(C)に示すように、搬送ローラを用いて導体積層フィルム5を搬送するとともに位置決めし、フォトマスク10を介して紫外光線8をフォトレジスト膜9に照射する。この照射をさらに、導体積層フィルム5を所定量搬送するごとに位置決めして、導体積層フィルム5の長さ方向に繰り返し行う。このとき、所定量、つまり位置決めした位置から次の位置決め位置までの距離は、後に形成される配線パターン同士が極力接近または接続するように設定する。そして、位置決め位置から次の位置決め位置までの距離を、単位配線パターンピッチBとする。この単位配線パターンピッチBが、所定搬送長さに相当する。
【0050】
次に、図1(D)に示すように、搬送ローラを用いて所定搬送長さ搬送を行うとともに、現像を行ってエッチングレジスト11を形成する。さらに、図1(E)に示すように、エッチングを行って、半導体接続端子6と外部接続端子7とを有する同一の配線パターン3を絶縁フィルムテープ1の長さ方向に繰り返し形成するとともに、認識パターン4と補強パターン2aを形成し、アルカリ溶液などを用いてエッチングレジスト11を除去する。図示例では、前記導電体層2の材料に銅を用いたため、エッチング液には塩化第2鉄溶液のエッチング液を用いてエッチングを行う。このようにして、プリント配線技術を用いて、絶縁フィルムテープ1上に認識パターン4を配線パターン3と同時に形成する。
【0051】
このとき形成する認識パターン4は、配線パターン3を挟んで、絶縁フィルムテープ1の幅方向両側の打ち抜き領域外に形成する。認識パターンの周囲の銅箔を残し、認識パターンの形状に銅箔を除去して形成しても良いし、または認識パターンの周囲の銅箔を除去し、認識パターンの形状に銅箔を残して形成しても良い。また、このとき、補強パターン2aは残るようにしても良いし、残らないように除去しても良い。さらに、認識パターンの形状は、用いる光学式認識装置の特性に適した形状にして設けることが好ましい。このような工程を経ることで、COFキャリアテープ12を形成する。また、このようにして形成したCOFキャリアテープ12のいくつかの態様を、図2、図3および図4に示す。
【0052】
ここで、図2に示すCOFキャリアテープ12は、単位配線パターン長A5と単位配線パターンピッチB5を同じにした場合のもので、このときの不要領域長S5は、S5=0となり、不要領域が発生しない。
【0053】
また、図3に示すCOFキャリアテープ12は、配線パターン3が1つおきに180°回転して配置し、向かい合った2つの配線パターン3も組み合わせを1つの配線パターンとみなし、これに対して相対する所定の位置に認識パターン4を形成したもので、このとき単位配線パターン長A6と単位配線パターンピッチB6を同じにした場合のもので、この場合も前記と同様に不要領域長S6は、S6=0となり不要領域が発生しない。
【0054】
またさらに、図4に示すCOFキャリアテープ12は、後に行う単位配線パターン毎の打ち抜き時に、単位配線パターンを打ち抜いて残る部分の補強を目的として、必要最小限の不要領域長S7を設けたものである。このとき、単位配線パターンピッチB7は、単位配線パターン長A7に不要領域長S7を加え、B7=A7+S7の状態にする。この場合、製造コストを安くするために、不要領域長S7は、極力小さくすることが良く、できれば0.5〜1.0mm程度にすることが好ましい。
【0055】
それから、図示は省略するが、後述するごとく搭載する半導体チップとの接続目的や、絶縁フィルムテープ1上の配線パターン3の防錆目的で、配線パターン3の表面には錫めっきまたは金めっきを行うが、この例では錫めっきを行う。また、図示は省略するが、配線パターン3の保護を目的としたソルダーレジストを、半導体接続端子6および外部接続端子7を除く配線パターン3の所定の部分にスクリーン印刷法などで塗布して加熱硬化させて設けても良い。このソルダーレジストは、前記配線パターンの表面に行う錫めっきや金めっきの前に行っても良くまた後に行っても良い。
【0056】
このようにして、COFキャリアテープ12を製造することで、絶縁フィルムテープ1上に配線パターン3を詰めて設けて、絶縁フィルムテープ1の長さ方向に発生する不要領域を減少しまたはなくすことができるため、絶縁フィルムテープ1の長さ有効率を高めて無駄をなくし、製造コストの安いCOFキャリアテープの製造方法を提供することができる。
【0057】
いま、図4に示すように、認識パターンを絶縁フィルムテープの幅方向両側に複数組連なって設け、認識パターン4の一方の中心から他方の認識パターン4の中心までのセンター間寸法をHとし、絶縁フィルムテープ1のテープ幅をD2とする。すると、センター間寸法Hは、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格であるJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)規格に合わせて形成されているとよい。すなわち、D2=34.975±0.2mmの範囲に有る場合は、31.82±0.04mmとすることが好ましい。また、D2=48.175±0.2mmの範囲に有る場合は、H=42.177±0.07mmまたはH=44.86±0.07mmの範囲のいずれか1つに設けることが好ましい。そして、D2=69.950±0.2mmの範囲に有る場合は、H=63.949±0.08mmの範囲に設けることが好ましい。
【0058】
このようにして設けた認識パターン4の位置は、従来のCOFキャリアテープにJEITA規格に基づき設けられた、スプロケットホールの幅方向の位置と同一である。そのため、従来の製造装置に設置された光学式などの自動位置認識装置を用いて認識パターン4を認識させることができる。また、このとき、自動位置認識装置の位置を変えるなどの段取りを行う必要もない。
【0059】
なお、導体積層フィルムの幅がCOFキャリアテープのテープ幅D2の2倍以上のものを用意して、前記図1(A)ないし(E)に示す製造工程を行って、配線パターンと認識パターンの組合せを絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成し、多条のCOFキャリアテープを形成する。それから、その多条のCOFキャリアテープを長さ方向にカットして組ごとに分割する。次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープを、搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送するごとに、例えば光学式のパターン認識装置により認識パターンを認識して順次位置決めしてから、配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップを搭載し、その後、分割COFキャリアテープを、同様に搬送ローラなどを用いて所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により認識パターンを認識することにより順次位置決めし、個々の配線パターンごとに打ち抜いて半導体装置が形成するようにしてもよい。
【0060】
このようにすると、絶縁フィルムテープの長さ方向に発生する不要領域を減少またはなくしたCOFキャリアテープ12を複数同時に形成し、製造効率を高めるとともに、絶縁フィルムテープの長さの有効率を高めて無駄をなくし、より一層の製造コストの安いCOFキャリアテープ12を製造することができる。
【0061】
図5(A)ないし(E)には、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープ12を用いてCOF型半導体装置を製造する製造工程を示す。
【0062】
まず、図5(A)に示すように、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープ12を用意する。次に、ローラなどを用いてCOFキャリアテープ12を所定搬送長さ搬送し、認識パターン4を光学式認識装置で認識して位置決めし、この位置決めにより、相対的に位置決めされた位置関係にある配線パターン3を間接的に位置決めする。
【0063】
次に、図5(B)に示すように、配線パターン3の所定の部分を用いて認識して位置決めするとともに半導体チップ15を位置決めし、100℃〜150℃に設定した加熱ステージ13の上に順次セットする。そして、半導体15に形成された金バンプ14と配線パターン3の半導体接続端子6とを対向して、400℃〜500℃に加熱したボンディングツール16を用いて熱と圧力とを加える。これにより、例えば金バンプ14と、錫めっきされた半導体接続端子6とをAu−Sn共晶接合して、フリップチップ実装して絶縁フィルムテープ1の上に半導体チップ15を搭載する。
【0064】
その後、COFキャリアテープ12を搬送ローラで所定搬送長さ搬送するとともに順次位置決めしながら、図5(C)に示すように、塗布用ノズル18から吐出する封止樹脂17を半導体15の周囲に沿うように塗布して、毛細管現象により浸透して半導体チップ15と絶縁フィルムテープ1との間に充填し、さらに加熱硬化した状態を図5(D)に示す。また、この状態の平面図を図6に示す。
【0065】
そして、搬送ローラで長さ方向に所定搬送長さ搬送されるごとに打ち抜き領域外に形成される認識パターン4を、光学式などのパターン認識装置を用いて認識して順次位置決めし、図5(E)に示すように、単位配線パターン3ごとに金型などを用いて打ち抜いてCOF型半導体装置19を形成する。
図7および図8には、単位配線パターン3ごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置19を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す。
【0066】
まず、図7は、単位配線パターン長A5と単位配線パターンピッチB5が同じ値で、不要領域長S5はS5=0、すなわち不要領域がない場合を示す。このように、不要領域がない場合、金型の打ち抜き寸法が単位配線パターン長A5と同じにすると、配線パターン3を打ち抜くときの位置決め精度の誤差により、先に打ち抜き済みの切断部20の部分を再度打ち抜くことになり、バリやヒゲ状のカスが発生してしまう。そこで、このような問題が発生しないようにするために、金型による打ち抜き寸法E1は、図7に示すように、単位配線パターン長A5よりも大きくすることが好ましい。
【0067】
また、図8は、単位配線パターン3ごとに打ち抜くとき、単位配線パターン3を打ち抜いて残る部分の補強を目的にして、必要最小限の不要領域長S7を設けたものである。単位配線パターンピッチB7は、単位配線パターン長A7に不要領域長S7を加えた状態、すなわちB7=A7+S7にした状態にする。このときの金型による打ち抜き寸法E2は、単位配線パターン長A7と同じ値に設定する。また、不要領域長S7は、前記補強の効力を確保できる範囲で、かつ金型による打ち抜きに支障がない範囲で極力小さく設定する。できれば、0.5〜1.0mm程度にして、製造コストを安くすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(A)ないし(E)は、この発明によるCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図2】図1による製造工程に基づき製造されたCOFキャリアテープの一例の平面図である。
【図3】他例の平面図である。
【図4】さらに他例の平面図である。
【図5】(A)ないし(E)には、図1に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープを用いてCOF型半導体装置を製造する製造工程図である。
【図6】その半導体チップを搭載して樹脂封止後の状態における平面図である。
【図7】図2に示すCOFキャリアテープに半導体チップを搭載後、単位配線パターンごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す平面図である。
【図8】図4に示すCOFキャリアテープに半導体チップを搭載後、単位配線パターンごと金型を用いて打ち抜いて、COF型半導体装置を形成するときの打ち抜き途中の状態を示す平面図である。
【図9】(A)ないし(E)は、従来のCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図10】JEITA規格を説明するため、COFキャリアテープの平面図である。
【図11】図9に示す製造工程により製造されたCOFキャリアテープの平面図である。
【図12】従来の別のCOFキャリアテープの平面図である。
【図13】従来のさらに別のCOFキャリアテープの平面図である。
【図14】(A)ないし(E)は、従来の別のCOFキャリアテープの製造工程図である。
【図15】その製造工程途中の平面図である。
【図16】従来のさらに別のCOFキャリアテープの平面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 絶縁フィルムテープ
2 導電体層
2a 補強パターン
3 配線パターン
4 認識パターン
5 導体積層フィルム
6 半導体接続端子
7 外部接続端子
8 紫外光線
9 フォトレジスト膜
10 フォトマスク
11 エッチングレジスト
12 COFキャリアテープ
13 加熱ステージ
14 金バンプ
15 半導体
16 ボンディングツール
17 封止樹脂
18 塗布用ノズル
19 COF型半導体装置
20 切断部
P スプロケットホールのピッチ
A 単位配線パターン長
B 単位配線パターンピッチ(所定搬送長さ)
E 打ち抜き寸法
S 不要領域長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されており、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれるCOFキャリアテープにおいて、
打ち抜き時に前記所定搬送長さ搬送されたとき、パターン認識装置により認識される認識パターンが、前記所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されていることを特徴とする、COFキャリアテープ。
【請求項2】
前記認識パターンが、前記配線パターンを挟んで、前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項3】
前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されている認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項4】
前記認識パターンが、前記絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項5】
前記配線パターンと前記認識パターンの組合せが、前記絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項6】
長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法において、
前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、前記COFキャリアテープが長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれるときに、パターン認識装置により認識される認識パターンが、前記絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、前記配線パターンとともに、前記所定搬送長さごとに、前記COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されることを特徴とする、COFキャリアテープの製造方法。
【請求項7】
前記認識パターンが、前記配線パターンを挟んで、前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項8】
前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されることを特徴とする、請求項6または7に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項9】
前記配線パターンと前記認識パターンの組合せが、前記絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか1に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれか1に記載のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造されたCOFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識して順次位置決めされてから、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、前記COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されることを特徴とする、COF型半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、
次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識して順次位置決めされてから、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、前記分割COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されることを特徴とする、COF型半導体装置の製造方法。
【請求項1】
長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、長さ方向に繰り返し形成されており、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれるCOFキャリアテープにおいて、
打ち抜き時に前記所定搬送長さ搬送されたとき、パターン認識装置により認識される認識パターンが、前記所定搬送長さごとに、打ち抜き領域外に形成されていることを特徴とする、COFキャリアテープ。
【請求項2】
前記認識パターンが、前記配線パターンを挟んで、前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項3】
前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されている認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項4】
前記認識パターンが、前記絶縁フィルムテープ上に、プリント配線技術によって形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項5】
前記配線パターンと前記認識パターンの組合せが、前記絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1に記載のCOFキャリアテープ。
【請求項6】
長尺な絶縁フィルムテープ上に、同一の配線パターンが、プリント配線技術を用いて長さ方向に繰り返し形成されるCOFキャリアテープの製造方法において、
前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップ搭載後に、前記COFキャリアテープが長さ方向に所定搬送長さ搬送されて順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれるときに、パターン認識装置により認識される認識パターンが、前記絶縁フィルムテープ上にプリント配線技術を用いて、前記配線パターンとともに、前記所定搬送長さごとに、前記COFキャリアテープの打ち抜き領域外に形成されることを特徴とする、COFキャリアテープの製造方法。
【請求項7】
前記認識パターンが、前記配線パターンを挟んで、前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項8】
前記絶縁フィルムテープの幅方向両側に形成される認識パターンのセンター間寸法が、各規格テープ幅寸法に応じて、スプロケットホールのセンター間寸法を規定する既定規格に合わせて形成されることを特徴とする、請求項6または7に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項9】
前記配線パターンと前記認識パターンの組合せが、前記絶縁フィルムテープの幅方向に並べて複数組形成されることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか1に記載のCOFキャリアテープの製造方法。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれか1に記載のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造されたCOFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識して順次位置決めされてから、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、前記COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されることを特徴とする、COF型半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載のCOFキャリアテープの製造方法を用いて製造された多条のCOFキャリアテープが、長さ方向にカットされて組ごとに分割され、
次いで、その組ごとに分割された分割COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識して順次位置決めされてから、前記配線パターンにそれぞれ接続して半導体チップが搭載され、
その後、前記分割COFキャリアテープが、前記所定搬送長さ搬送されるごとに、パターン認識装置により前記認識パターンを認識することにより順次位置決めされ、個々の前記配線パターンごとに打ち抜かれて半導体装置が形成されることを特徴とする、COF型半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−205172(P2008−205172A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39282(P2007−39282)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(391022186)新藤電子工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(391022186)新藤電子工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
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