説明

DPP−IV阻害剤とグリタゾンの直接圧縮製剤および方法

98.5−100%純粋であり得るジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(以後DPP−IVと呼ぶ)は、所望の、硬度、崩壊能および許容される溶解特性を有する、錠剤およびカプセル剤のような固体形投与形態に、グリタゾンおよび特異的賦形剤と共に直接圧縮できる高用量薬剤である。DPP−IVは本質的に圧縮性ではなく、故に製剤問題が存在する。製剤に使用する賦形剤は、薬剤および打錠混合物の流動および稠密化特性を促進する。最適流動は、均質な金型充填および重量制御を提供する。使用する結合剤は、DPP−IVを直接圧縮法を使用して圧縮することを可能にする十分な凝集特性を確実にする。製造された錠剤は許容されるインビトロ溶解プロファイルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤化合物およびグリタゾンの錠剤、とりわけ直接圧縮により形成された錠剤、その製造法、新規医薬製剤、および錠剤に直接圧縮可能なDPP−IV阻害剤およびグリタゾン製剤を含む、新規打錠用粉末(tableting powder)に関する。本発明は、さらに活性成分および特異的賦形剤を新規製剤に混合し、次いで該製剤を直接圧縮錠剤に直接圧縮することによる錠剤の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が主に対象とする好ましいDPP−IV阻害剤化合物を以下に記載する:
本文脈において“DPP−IV阻害剤”はまた、DPP−IV阻害剤の活性代謝物およびプロドラッグのようなその活性代謝物およびプロドラッグも意図する。“代謝物”は、DPP−IV阻害剤が代謝されたときに産生されるDPP−IV阻害剤の活性誘導体である。“プロドラッグ”は、DPP−IV阻害剤に代謝されるか、またはDPP−IV阻害剤と同じ代謝物(複数もある)に代謝されるいずれかの化合物である。
【0003】
DPP−IV阻害剤は、当分野で既知である。例えば、DPP−IV阻害剤は、いずれの場合も、例えばWO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241、WO95/15309、WO01/72290、WO01/52825、WO9310127、WO9925719、WO9938501、WO9946272、WO9967278およびWO9967279に一般的におよび具体的に開示されている。
【0004】
好ましいDPP−IV阻害剤は、以下の特許出願に記載されている;WO02053548、とりわけ化合物1001から1293および実施例1から124、WO02067918、とりわけ化合物1000から1278および2001から2159、WO02066627、とりわけ記載された実施例、WO02/068420、とりわけ実施例IからLXIIIに具体的に挙げられた化合物および記載の対応する類似体、さらに好ましい化合物は、IC50を記載する表に記載の2(28)、2(88)、2(119)、2(136)、WO02083128、とりわけ実施例1から13、US2003096846、とりわけ具体的に記載の化合物、WO2004/037181、とりわけ実施例1から33および請求項3から5の化合物、WO0168603、とりわけ実施例1から109の化合物、EP1258480、とりわけ実施例1から60の化合物、WO0181337、とりわけ実施例1から118の化合物、WO02083109、とりわけ実施例1Aから1D、WO030003250、とりわけ実施例1から166、最も好ましくは1から8の化合物、WO03035067、とりわけ実施例に記載の化合物、WO03/035057、とりわけ実施例に記載の化合物、US2003216450、とりわけ実施例1から450、WO99/46272、とりわけ請求項12、14、15および17の化合物、WO0197808、とりわけ請求項2の化合物、WO03002553、とりわけ実施例1から33の化合物、WO01/34594、とりわけ実施例1から4に記載の化合物、WO02051836、とりわけ実施例1から712、EP1245568、とりわけ実施例1から7、EP1258476、とりわけ実施例1から32、US2003087950、とりわけ記載の実施例、WO02/076450、とりわけ実施例1から128、WO03000180、とりわけ実施例1から162、WO03000181、とりわけ実施例1から66、WO03004498、とりわけ実施例1から33、WO0302942、とりわけ実施例1から68、US6482844、とりわけ記載の実施例、WO0155105、とりわけ実施例1および2に記載の化合物、WO0202560、とりわけ実施例1から166、WO03004496、とりわけ実施例1から103、WO03/024965、とりわけ実施例1から54、WO0303727、とりわけ実施例1から209、WO0368757、とりわけ実施例1から88、WO03074500、とりわけ実施例1から72、実施例4.1から4.23、実施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、WO02038541、とりわけ実施例1から53、WO02062764、とりわけ実施例1から293、好ましくは実施例95の化合物(2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミドヒドロクロライド)、WO02308090、とりわけ実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1から6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90頁の実施例7−1から7−7、91から95頁の実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実施例10−1から10−20、US2003225102、とりわけ化合物1から115、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、ba)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、WO0214271、とりわけ実施例1から320およびUS2003096857、WO2004/052850、とりわけ実施例1から42および請求項1の化合物のような具体的に記載の化合物、DE10256264A1、とりわけ実施例1から181および請求項5の化合物のような記載の化合物、WO04/076433、とりわけ表Aに記載のような具体的に記載の化合物、好ましくは表Bのような具体的に記載の化合物、好ましくは化合物IからXXXXVII、または請求項6から49の化合物、WO04/071454、とりわけ具体的に記載の化合物、例えば化合物1から53または表IaからIfの化合物、または請求項2から55の化合物、WO02/068420、とりわけ化合物IからLXIIIまたは実施例Iおよび類似体1から140または実施例2および類似体1から174または実施例3および類似体1、または実施例4から5、または実施例6および類似体1から5、または実施例7および類似体1−3、または実施例8および類似体1、または実施例9、または実施例10および類似体1から531のような具体的に記載の化合物、好ましいのは、請求項13の化合物、WO03/000250、とりわけ化合物1から166、好ましくは実施例1から9の化合物のような具体的に記載の化合物、WO03/024942、とりわけ化合物1から59、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9のような具体的に記載の化合物、WO03024965、とりわけ化合物1から54のような具体的に記載の化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の化合物のような具体的に記載の化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から209のような具体的に記載の化合物、WO03/000250、とりわけ化合物1から166のような具体的に記載の化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/024942、とりわけ化合物1から59のような具体的に記載の化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、WO03024965、とりわけ化合物1から54のような具体的に記載の化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の化合物のような具体的に記載の化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から209の化合物のような具体的に記載の化合物、WO0238541、WO0230890、2001年2月16日出願の米国仮出願09/788,173(代理人ファイル番号LA50)とりわけ記載の実施例、WO99/38501、とりわけ記載の実施例、W099/46272、とりわけ記載の実施例およびDE19616486A1、とりわけval−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジド、およびイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのフマル酸塩、WO0238541、とりわけ実施例1から53の化合物のような具体的に記載の化合物、WO03/002531、とりわけ具体的に記載の化合物、好ましくは9から13頁に記載の化合物、最も好ましくは実施例1から46の化合物およびさらに好ましくは実施例9の化合物、米国特許6,395,767、好ましくは実施例1から109の化合物、最も好ましくは実施例60の化合物。
【0005】
さらに好ましいDPP−IV阻害剤は、米国特許6124305およびUS6107317、国際特許出願、公開WO9819998、WO9515309およびWO9818763に開示の特異例;例えば1[2−[(5−シアノ(eyano)ピリジン−2−イル)アミノエチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよび(2S)−I−[(2S)−2アニリノ(arnino)−3,3−ジメチルブタノイル]−2−ピロリジンカルボニトリルを含む。
【0006】
WO9819998は、N−(N'−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、特に1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンを開示する。WO03/002553に記載の好ましい化合物は9から11頁に挙げられ、引用により本明細書に包含する。公開特許出願WO0034241および公開特許US6110949は、N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジンおよびN−(置換グリシル)−4−シアノピロリジンを各々開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に請求項1から4に記載のものである。特にこれらの出願は、化合物1−[[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(別名LAF237)を記載する。
【0007】
WO9515309は、DPP−IVの阻害剤としてアミノ酸2−シアノピロリジンアミドを開示し、そしてWO9529691は、アルファ−アミノアルキルホスホン酸のジエステルのペプチジル誘導体、特にプロリンまたは関連構造を有する誘導体を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に表1から8に記載のものである。WO01/72290において、目的のDPP−IV阻害剤は実施例1および請求項1、4および6に記載のものである。WO9310127は、DPP−IV阻害剤として有用なプロリンボロン酸エステルを開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に実施例1から19に記載のものである。公開特許出願WO9925719は、ストレプトマイセス微生物の培養により製造したDPP−IV阻害剤であるスルフォスチンを開示する。WO9938501は、N−置換4から8員ヘテロ環式環を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、請求項15から20に記載のものである。
【0008】
WO9946272は、DPP−IVの阻害剤としてリン酸化合物を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に請求項1から23に記載のものである。
【0009】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO03/057200の14から27頁に開示の式I、IIまたはIIIの化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は、28および29頁に具体的に記載の化合物である。
【0010】
公開特許出願WO9967278およびWO9967279は、DPP−IVプロドラッグおよびA−B−C(ここで、CはDPP−IVの安定または不安定阻害剤である)の形の阻害剤を開示する。
【0011】
好ましくは、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VII
【化1】

〔式中、
jは0、1または2であり;
Rεは、天然アミノ酸の側鎖であり;そして
Rεは低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0012】
本発明の非常に好ましい態様において、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VIIa
【化2】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0013】
例えば式VIIまたはVIIaのN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミン、およびそれらの製造法は、H.U. Demuth et al. in J. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2、129−142頁、とりわけ130−132頁に記載されている。
【0014】
最も好ましくは本阻害剤は、遊離形または酸付加塩形の、式(I)
【化3】

〔式中、
Rは置換アダマンチルであり;そして
nは0から3である。〕
のN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジンである。
【0015】
用語“置換アダマンチル”は、アルキル、−ORまたは−NR(ここで、R、RおよびRは独立して水素、アルキル、(C−Cアルカノイル)、カルバミル、または−CO−NRであり、ここで、RおよびRは独立してアルキル、非置換または置換アリールであり、ここで、RおよびRの一方はさらに水素であるか、またはRおよびRは一緒になってC−Cアルキレンである)から選択される、1個以上、例えば、2個の置換基で置換されたアダマンチル、すなわち、1−または2−アダマンチルを意味する。
【0016】
用語“アリール”は、好ましくはフェニルを意味する。置換フェニルは、好ましくは、例えば、アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上、例えば2個の置換基で置換されたフェニルである。
【0017】
用語“アルコキシ”は、アルキル−O−を意味する。
用語“ハロゲン”または“ハロ”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
用語“アルキレン”は、2個から7個の炭素原子、好ましくは3個から6個の炭素原子、最も好ましくは5個の炭素原子の直鎖架橋を意味する。
【0018】
本発明の化合物の好ましいグループは、アダマンチル上の置換基が橋頭または橋頭に隣接したメチレンに結合している式(I)の化合物である。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭に結合している式(I)の化合物において、アダマンチル上のR'置換基は好ましくは3−ヒドロキシである。グリシル−2−シアノピロリジン部分が橋頭に隣接したメチレンに結合している式(I)の化合物において、アダマンチル上のR'置換基は好ましくは5−ヒドロキシである。
【0019】
本発明、とりわけ、遊離形または薬学的に許容される酸付加塩の形の、式(IA)または(IB)
【化4】

〔式中、
R'はヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−CアルカノイルオキシまたはRN−CO−O−を意味し、ここで、RおよびRは独立してC−Cアルキルまたは、非置換であるかもしくはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されたフェニルであり、そして、Rはさらに水素であるか;またはRおよびRは一体となってC−Cアルキレンを意味し;そして
R''は水素を意味するか;または
R'およびR''は独立してC−Cアルキルを意味する。〕
の化合物に関する。
【0020】
これらのDPP−IV阻害剤式(I)の化合物、(IA)または(IB)は既知であり、2000年12月26日発行の米国特許6,166,063およびWO01/52825に記載されている。特に記載されているのは(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2yl)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)である。それらは遊離形または酸付加塩形で存在できる。薬学的に許容される、すなわち、非毒性でかつ生理学的に許容される、塩が好ましいが、他の塩も、例えば、本発明の化合物の単離または精製に有用である。好ましい酸付加塩は塩酸塩であるが、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、乳酸および酢酸の塩も使用できる。
【0021】
好ましいDPP−IV阻害剤は、Mona Patelおよび同僚ら(Expert Opinion Investig Drugs. 2003 Apr;12(4):623-33)のパラグラフ5に記載のもの、とりわけP32/98、K−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728およびその他であり、この文献は、とりわけ記載のDPP−IV阻害剤を引用により本明細書に包含させる。
【0022】
FE−999011は、化合物番号18として、特許出願WO95/15309、14頁に開示されている。
【0023】
他の好ましい阻害剤は、米国特許6,395,767(実施例60の化合物)の化合物BMS−477118(また特許出願WO2004/052850の2頁の式Mとして記載の(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、ベンゾエート(1:1)としても既知)および対応する遊離塩基、特許出願WO2004/052850の3頁の式Mとして記載の(lS,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M')およびその一水和物(M”)である。
【0024】
他の好ましい阻害剤は、WO03/002531(実施例9)に記載の化合物GSK23A、別名(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリルヒドロクロライドである。
【0025】
他の非常に好ましい本発明のDPP−IV阻害剤は、国際特許出願WO02/076450(とりわけ実施例1から128)およびWallace T. Ashton(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14(2004)859-863)、とりわけ化合物1および表1および2に記載の化合物である。好ましい化合物は、式
【化5】

の化合物21e(表1)である。
【0026】
P32/98またはP3298(CAS number: 251572-86-8)、別名3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンは、以下
【化6】

に示すような3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンおよび(2E)−2−ブテンジオエート(2:1)混合物として使用でき、ProbiodrugのWO99/61431に、そして化合物P93/01として記載されている。
【0027】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO02/083128に、例えば請求項1から5に記載の化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は、実施例1から13および請求項6から10に具体的に記載の化合物である。
【0028】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO2004/037169に(とりわけ実施例1から48に記載のもの)、WO02/062764に(とりわけ実施例1から293に記載のもの、さらに好ましいのは、7頁に記載の化合物3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド)、およびまた特許出願WO2004/024184、とりわけ参考実施例1から4に記載されている。
【0029】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は特許出願WO03/004498、とりわけ実施例1から33に記載され、そして最も好ましくは実施例7に記載され、MK−0431としても既知の式
【化7】

の化合物である。
【0030】
好ましいDPP−IV阻害剤はまた特許出願WO2004/037181に、とりわけ実施例1から33に記載され、最も好ましくは請求項3から5に記載の化合物である。
【0031】
好ましいDPP−IV阻害剤は、N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン、N(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N'−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−トレオ−イソロイシルピロリジン、およびL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよびその薬学的塩である。
【0032】
とりわけ好ましいのは、式
【化8】

の1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド(DPP728)、とりわけその二塩酸塩、
および式
【化9】

の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)、
およびL−トレオ−イソロイシルチアゾリジン(Probiodrugの化合物コード:上記の通りP32/98)、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩である。
【0033】
DPP728およびLAF237は非常に好ましい化合物であり、WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1に具体的に開示されている。DPP−IV阻害剤P32/98(上記参照)は、Diabetes 1998, 47, 1253-1258に具体的に記載されている。DPP728およびLAF237は、WO98/19998の20頁またはWO00/34241に記載の通り製剤できる。LAF237投与のための好ましい製剤は、米国仮出願60/604274に記載されている。
【0034】
用語“ビルダグリプチン”は全ての結晶形態を包含し、好ましくはビルダグリプチンの結晶形“A”である。
【0035】
ビルダグリプチンの本結晶形(結晶“形A”)は、約16.6°、17.1°、17.2°+/−0.3° 2−シータにピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられ、または約12.0°、13.5°、16.6°、17.1°、17.2°、20.1°、22.5°、27.4°、28.1°、+/−0.3° 2−シータにピークを有するX線回折パターンにより特徴付けられる。このような結晶形態は、国際特許出願PCT/US2006/001473に記載されている。
とりわけ好ましいのは、経口で活性なDPP−IV阻害剤である。
【0036】
適当なグリタゾンは、例えば、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドル−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾル−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297)である。好ましいのはピオグリタゾン、ロシグリタゾンおよびトログリタゾンである。
【0037】
ACTOS(登録商標)(ピオグリタゾン)の用量は、単剤で、またはスルホニルウレア、メトホルミン、またはインスリンと組み合わせて1日1回45mgを超えてはならない。メトホルミンと組み合わせたACTOSは、1日1回15mgまたは30mgで開始する。ACTOSは15mg、30mg、および45mg錠剤で利用可能である。
【0038】
AVANDIA(登録商標)(ロシグリタゾン)は、4mgの出発用量で1日1回投与または分割して朝と晩に投与するかのいずれかで投与し得る。処置8から12週後に、FPGの低下により決定して、不適切に応答する患者には、用量を単剤療法として1日8mgに増加させるか、またはメトホルミンと組み合わせる。AVANDIAの用量は、1回量または1日2回分割量で1日8mgを超えてはならない。AVANDIAは2mg、4mg、および8mg錠剤で入手可能である。
【0039】
いずれの場合も、特に請求項の化合物および作業実施例の最終生成物の場合、最終生成物、医薬製剤および請求項の対象は、本明細書に記載の公報および特許出願の引用により本明細書に包含させる。
【0040】
DPP−IV阻害剤化合物またはグリタゾン、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、1種以上の薬学的に許容される担体および、所望により、1種以上の他の慣用の医薬アジュバントと組み合わせてよく、経腸的に、例えば、経口で、錠剤、カプセル剤、カプレット剤などの形で、または非経腸的に、例えば、静脈内に、滅菌注射可能溶液または懸濁液の形で投与する。経腸および非経腸組成物は、慣用の手段により製造できる。
【0041】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)の化合物またはグリタゾン、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、DPP−IV阻害が仲介する状態の処置に有効な量の活性物質を含む経腸および非経腸医薬組成物に製剤でき、このような組成物は単位投与形態であり、そしてこのような組成物は薬学的に許容される担体を含む。
【0042】
DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)の化合物(その下位範囲および実施例の各々を含む)は、エナンチオマー純粋な形で、例えば、>98%、好ましくは>99%で;またはエナンチオマーと共に、例えば、ラセミ形で投与できる。上記投与範囲は、エナンチオマーを除く式(I)の化合物に基づく。
【0043】
DPP−IVを阻害するその能力の観点から、DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)の化合物、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、DPP−IV阻害が仲介する状態の処置に有用である。上記および文献における発見に基づき、ここに開示の化合物はインスリン非依存性真性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植片移植およびカルシトニン骨粗鬆症のような状態の処置に有用である。加えて、GLP−1およびGLP−2のようなグルカゴン様ペプチドの役割およびそれらのDPP−IV阻害との関連に基づき、本明細書に開示の化合物は、例えば、鎮静または不安緩解作用をもたらすのに、または術後異化変化およびストレスに対するホルモン応答の減弱に、または心筋梗塞後の致死率または罹病率の低下に、またはGLP−1および/またはGLP−2レベルが仲介し得る上記効果に関連する状態の処置に有用であることが期待される。
【0044】
より具体的に、例えば、DPP−IV阻害剤化合物、例えば式(I)の化合物、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩、経口グルコース負荷に対する初期インスリン応答を改善し、故に、インスリン非依存性真性糖尿病の処置に有用である。
【0045】
本発明に有用なDPP−IV阻害剤化合物、とりわけ式I、IAまたはIB(ビルダグリプチン)の化合物は、吸湿性であり、安定性の問題が存在し、本質的に圧縮可能ではない。結果として、自由に流動し、そして許容されるインビトロ溶解プロファイルを有する強い錠剤に直接圧縮できる凝集性の組成物を提供する必要がある。錠剤は、医薬物質を、適当な増量剤と共にまたはなしで含む固体投与医薬形態として定義され得る。それらは、活性成分および加工における補助のためおよび製品の性質を改善するために選択されたある種の賦形剤を含む製剤の圧縮または稠密化(compaction)により製造される。錠剤は被覆されていてもされていなくてもよく、粉末、結晶材料から製造される。それらは種々の希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動促進剤および多くの場合、着色剤を含む。使用する賦形剤は、それらが行う機能に従い分類される。例えば、流動促進剤は、ホッパー中および錠剤金型への粉末混合の流動を改善するために使用し得る。
【0046】
19世紀の後半から錠剤は広く使用されており、医薬投与形態の大半は錠剤として販売されている。投与形態としての錠剤の人気の大きな理由は、単純さ、低費用および製造即とである。他の理由は、製品の安定性、包装、輸送および分配の簡便さを含む。患者または消費者のために、錠剤は投与の簡便さ、正確な投与量の容易さ、コンパクトさ、携帯性、味の穏やかさ、投与の容易さおよび洗練された特有の見かけを提供する。
【0047】
錠剤は、プレインの、フィルムまたは糖被覆され分割された、型押しされた、重層されたすなわち二層(例えば本製剤は該錠剤の一層のみを示す)または持続放出であり得る。二番目の層は、例えばコア錠剤を囲むコーティング層の形の形であり得る。それらは種々のサイズ、形および色に製造できる。錠剤は嚥下され、咀嚼されまたは口腔でもしくは舌下で溶解され得る。それらは、局部(local)または局所(topical)投与のために水に溶解し得る。滅菌錠剤は、通常非経腸溶液のために、および皮膚下のインプラントのために使用される。
【0048】
活性または治療成分に加えて、錠剤は賦形剤として既知の多くの不活性物質を含み得る。それらは最終錠剤においてそれらが果たす役割に従い分類され得る。一次組成物は増量剤、結合剤、滑剤および流動促進剤を含む。完成した錠剤に物理的性質を与える他の賦形剤は着色剤、およびチュワブル錠の場合香味剤である。賦形剤無しでは、ほとんどの薬剤および医薬成分は錠剤に直接圧縮できない。これは、主に、ほとんどの薬剤の乏しい流動性および凝集特性のためである。典型的に、賦形剤を、圧縮する物質に良好な流動および圧縮特性を提供するために製剤に添加する。このような特性は、湿式造粒、スラッギング、噴霧乾燥球形化または結晶化のような前処置段階を介してこのような賦形剤に与えられる。
【0049】
滑剤は、典型的に打錠物質がパンチに接着するのを防止し、錠剤圧縮中の摩擦を最小にし、そして圧縮錠剤を金型から除くのを可能にするために添加する。このような滑剤は、一般に最終錠剤混合物に、通常1重量%未満の量で包含される。
【0050】
加えて、錠剤はしばしば希釈剤を含み、これは混合物のバルク重量を増加させ、圧縮のための粒子サイズをもたらすために添加する。これは、薬剤の用量が相対的に少ないときにしばしば必要である。
【0051】
錠剤における他の一般的に使用されるクラスの賦形剤は結合剤である。結合剤は、粉末物質に凝集性性質を与える薬剤である。一般的に使用される結合剤は、デンプン、およびスクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースのような糖類である。
【0052】
崩壊剤は、錠剤が許容される割合の崩壊を有することを確実にするためにしばしば包含される。典型的崩壊剤は、デンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩である。
【0053】
賦形剤の他の望ましい特性は、以下を含む:
・低圧縮力で製造すべき強い錠剤を可能にする高圧縮率;
・製剤中の他の賦形剤の流動を改善できる良好な流動特性;および
・凝集性(錠剤が加工、輸送および出荷中に砕けるのを防止するため)。
【0054】
圧縮錠剤の製造のために3つの商業的に重要な方法がある:湿式造粒、直接圧縮および乾燥造粒(スラッギングまたはローラー圧縮)。製造方法および賦形剤のタイプは、錠剤製剤に、錠剤の急速な圧縮を可能にする望む物理的特徴を与えるために選択する。圧縮後、錠剤は、外観、硬度、崩壊能および許容される溶解プロファイルのような多くの付加的特性を有するべきである。増量剤および他の賦形剤の選択は、薬剤の化学的および物理的特性、加工中の混合物の行動および最終錠剤の特性に依存する。プレフォーミュレーション試験を行い、提案された賦形剤との活性成分の化学的および物理的適合性を決定する。
【0055】
薬剤の特性、その投与形態および操作の経済性が、最良の打錠方法の選択を決定する。一般に、湿式造粒および直接圧縮両方が、錠剤の開発において使用される。
【0056】
乾燥造粒方法は、構成成分の一方、薬剤または希釈剤のいずれかが、打錠に十分な凝集特性を有するとき、使用し得る。本方法は、成分の混合、スラッギング、乾燥篩過、潤滑化および圧縮から成る。
【0057】
湿式造粒法は、粉末混合物を打錠のために適当な流動および凝集特性を有する顆粒に変換するために使用する。本方法は、粉末を適当な混合機で混合し、続いて剪断下に混合粉末に造粒液を添加し、顆粒を得ることから成る。この湿った塊を、次いで適当な篩を通して篩い、トレイ乾燥または流動床乾燥により乾燥させる。あるいは、この湿った塊を乾燥させ、ミルを通してよい。全体的な方法は、秤量、乾燥粉末混合、湿式造粒、乾燥、製粉、混合潤滑化および圧縮を含む。
【0058】
一般に、粉末は、硬く、強い顆粒を形成するために十分な接着または凝集特性を有しない。ほとんどの粉末の乏しい凝集特性のために、結合剤が粉末粒子を一緒に結合させるのに通常必要である。熱および水分感受性の薬剤は、通常湿式造粒を使用して製造できない。高い製造費用のため、多数の加工工程および加工時間が問題である。湿式造粒はまた、微結晶性セルロースのようなある種の医薬賦形剤の圧縮性を低下させることも知られている。
【0059】
直接圧縮は、粉末物質が、薬剤の物理的および化学的特性を変えることなく直接圧縮されるとい、相対的に速い方法と見なされる。活性成分(複数もある)、直接圧縮賦形剤ならびに流動促進剤および滑剤のような他の補助物質を、ツイン・シェル・ブレンダーまたは類似の低剪断装置中で根号し、その後錠剤に圧縮する。このタイプの混合は、“薬学的に許容される”投与形態の製造のために必須であると信じされてきた。ある製薬科学者は、滑剤の製剤への添加を注意深く制御しなければならないと信じている。従って、滑剤は、通常顆粒に穏やかな混合により添加される。滑剤と顆粒の長時間の混合が、得られる錠剤の硬度および崩壊時間に相当影響し得るとも臣事されている。滑剤と顆粒成分の過剰な混合は、顆粒の防水の原因となり得、錠剤硬度または圧縮錠剤の強度を低下する。これらの理由のため、高剪断混合条件が直接圧縮投与形態の製造には用いられていない。
【0060】
直接圧縮の利点は、混合の均一性、関与する少ない製造工程(すなわち、全方法は、粉末の秤量、混合および圧縮を含む)、故に少ない費用;熱および水分の除外、主粒子解離および物理的安定性を含む。
【0061】
医薬製造者は、速い加工時間および費用利点のために、湿式または乾燥造粒法よりも直接圧縮技術の使用を優先する。しかしながら、直接圧縮は、通常薬剤または活性成分が、薬学的に許容される錠剤の形成に必要な物理的特徴を有する状況に限定される。しかしながら、多くの成分が必要な特性を有しないため、1種以上の賦形剤を、直接圧縮が使用できる前に活性成分と組み合わせなければならない。製剤に添加した各賦形剤が、最終製品の錠剤サイズを増加させるため、製造者は、圧縮錠剤当たり低用量の活性成分を含む製剤に、直接圧縮法の使用をしばしば制限する。
【0062】
高用量薬剤を含む固体投与形態、すなわち、薬剤それ自体が、圧縮錠剤重量のかなりの部分を構成する形態は、薬剤それ自体が、直接圧縮すべき成分のために十分な物理的特徴、例えば、凝集性を有するときのみ直接圧縮され得る。
【0063】
例えば、DPP−IV阻害剤、例えば式(I)の化合物は高用量薬剤と見なされる。ほとんどの錠剤製剤は、錠剤当たり70−85重量%のDPP−IV阻害剤を含む。この高用量薬剤は、直接圧縮のためのそのむしろ乏しい物理的特徴と一緒になって、最終錠剤を製造するための方法として直接圧縮の使用が許容されない。加えて、本活性成分は、湿式造粒法の使用に対して影響する他の因子である水の存在下で乏しい安定性を有する。
【0064】
錠剤製造の方法としての直接圧縮の他の制限は、圧縮錠剤のその可能性のあるサイズである。活性成分の量が多いならば、製剤者は、所望の量の活性成分を含む許容されるサイズの錠剤を達成するために活性成分と他の賦形剤の湿式造粒を選択し得る。湿式造粒に必要な増量剤、結合剤または他の賦形剤の量は、湿式造粒の方法が錠剤の望む物理的特性に寄与するため、直接圧縮よりも少ない。
【0065】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、固体投与形態のための直接圧縮賦形剤として医薬業界で利用されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは加工されたセルロースであり、固体投与形態からの薬剤放出を制御する。
【0066】
少ない加工時間および費用のような直接圧縮の利点にもかかわらず、湿式造粒は、固体投与形態の製造のための産業において広く使用されている。湿式造粒は、湿式造粒が製剤中の種々の物理的特徴に関連する何らかの問題に打ち勝つための大きな機会を有するため、しばしば直接圧縮よりも好ましい。これは、許容される固体投与形態を得るために必須の必要な流動および凝集特性を有する物質を提供する。
【0067】
直接圧縮と比較した湿式造粒の普及は、少なくとも3つの利点に基づく。第一に、湿式造粒は、特に疎水性原体の場合に、圧縮すべき物質に良好な湿潤特性を提供する。親水性賦形剤の添加は、疎水性薬剤をより親水性にし、崩壊および溶解問題を減らす。第二に、固体投与形態の内容物均一性が、全ての顆粒が通常同量の薬剤を含むため、一般に湿式造粒で改善される。最後に、賦形剤からの薬剤(複数もある)の分離が避けられる。
【0068】
分離は直接圧縮で可能性のある問題である。圧縮すべき顆粒を含む粒子のサイズおよび形は、湿式造粒法を通して最適化される。これは、乾燥固体を湿式造粒したとき、結合剤が粒子を一緒に“くっつけ”、その結果それらが球状顆粒に凝集するためである。
【0069】
湿式造粒により一般に提供される利点にもかかわらず、水存在下での化合物の不安定性のため、高用量の、例えば式(I)で定義されるようなDPP−IV阻害剤を含む直接圧縮錠剤が望まれている。製造者が高用量DPP−IV阻害剤錠剤を直接圧縮により製造することを可能にする技術および医薬賦形剤について本産業における要求がある。
【0070】
ビルダグリプチンが高用量薬剤であり、直接圧縮のために乏しい物理的特徴を有するため、最終錠剤を製造するために、それを他の抗糖尿病性化合物、例えばグリタゾンと組み合わせることが非常に困難である。
【発明の開示】
【0071】
DPP−IV阻害剤をグリタゾンと組み合わせて含む自由に流動する、凝集性の、錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末の形の製剤を提供することが、本発明の目的である。
【0072】
許容される溶解プロファイル、ならびに許容される硬度の程度および粉砕に対する抵抗性、ならびに短崩壊時間を有する、単位投与形態のDPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む直接圧縮錠剤の提供が、本発明のさらなる目的である。
【0073】
単位投与形態に直接圧縮による、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む圧縮錠剤の製造方法の提供が、本発明のさらなる目的である。
【0074】
本発明は、適切な硬度、速い崩壊時間および許容される溶解パターンを有する錠剤に直接打錠可能な、グリタゾンである第二活性成分を含む打錠用粉末の形の、直接打錠される、自由に流動する粒状DPP−IV阻害剤製剤を提供する。
【0075】
活性成分に加えて、本打錠用粉末は賦形剤として既知の多くの不活性物質を含む。それらは、最終錠剤においてそれらが有する役割に従い分類され得る。一次組成物は、増量剤、結合剤または希釈剤、滑剤、崩壊剤および流動促進剤を含む。完成した錠剤に物理的性質を与える他の賦形剤は、着色剤、およびチュワブル錠の場合香味剤である。典型的に、賦形剤を、圧縮する物質に良好な流動および圧縮特性を提供するために製剤に添加する。
【0076】
好ましい本発明の製剤は以下を含む:DPP−IV阻害剤化合物およびグリタゾンである活性成分、微結晶性セルロースおよびラクトースである結合剤または希釈剤、デンプングリコール酸ナトリウムである崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムである滑剤。
【0077】
1種、2種、3種またはそれ以上の希釈剤を選択し得る。薬学的に許容される増量剤および薬学的に許容される希釈剤の例は、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロースおよびタルクを含むが、これらに限定されない。増量剤および/または希釈剤は、例えば、組成物の約15%から約40重量%の量で存在し得る。好ましい希釈剤は、繊維質の植物材料からパルプとして得られるアルファ−セルロースの希鉱酸溶液での制御された加水分解により製造される微結晶性セルロースを含む。加水分解に続き、本ヒドロセルロースは濾過により精製され、水性スラリーを噴霧乾燥して、広いサイズ分布の乾燥した、多孔性粒子を形成する。適当な微結晶性セルロースは、約20nmから約200nmの平均粒子サイズを有する。微結晶性セルロースは数社から入手可能である。適当な微結晶性セルロースは、FMC Corporationにより製造されたAvicel PH 101、Avicel PH 102、Avicel PH 103、Avicel PH 105およびAvicel PH 200を含む。本発明の実施に際して特に好ましいのは、最小の表面積および細孔構造を有するAvicel PH 102である。好ましくは、微結晶性セルロースは錠剤製剤に約20%から約70重量%の量で存在する。この物質の他の好ましい範囲は、約23%から約55重量%であり;さらに他の好ましい範囲は約30%から約48重量%である。
【0078】
他の希釈剤はラクトースである。好ましくは、ラクトースを製剤前に約50μmから約500μmの平均粒子サイズを有するように挽く。ラクトースは、錠剤製剤に約5%から約40重量%の量で存在でき、約18%から約35重量%であってよく、最も好ましくは約20%から約25重量%であり得る。
【0079】
1種、2種、3種またはそれ以上の崩壊剤を選択できる。薬学的に許容される崩壊剤の例はデンプン;粘土;セルロース;アルギネート;ガム;架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルシウムカルボキシメチルセルロースおよび架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース;大豆ポリサッカライド;およびグアーガムを含むが、これらに限定されない。崩壊剤は、存在するならば、例えば、組成物の重量の約0.5%から約20%、例えば、約0.5%から約10%、例えば、約7%の量で存在し得る。崩壊剤はまた錠剤製剤の任意であるが、有用な成分である。崩壊剤は、錠剤が許容される崩壊の割合を有することを確実にする。典型的崩壊剤は、デンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩を含む。デンプングリコール酸ナトリウムは、この製剤のための好ましい崩壊剤である。好ましくは、崩壊剤は、存在するならば、錠剤製剤に、約0.5%から約10重量%の量で存在でき、そして約0.5%から約4重量%の量であってよく、そして最も好ましくは約1.5%から約2.5重量%であってよい。
【0080】
1種、2種、3種またはそれ以上の滑剤を選択できる。薬学的に許容される滑剤および薬学的に許容される流動促進剤の例は、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、三塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、粉末セルロースおよび微結晶性セルロースを含むが、これらに限定されない。本滑剤は、例えば、組成物の約0.1%から約5重量%の量で存在でき;一方、流動促進剤は、例えば、約0.1%から約10重量%の量で存在できる。滑剤は、典型的に打錠物質がパンチに接着するのを防止し、錠剤圧縮中の摩擦を最小にし、そして圧縮錠剤を金型から除くのを可能にするために添加する。Sこのような滑剤は、一般に最終錠剤混合物に、通常1重量%未満の量で包含される。滑剤成分は疎水性でも親水性でもよい。このような滑剤の例は、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを含む。ステアリン酸マグネシウムは、圧縮および錠剤の排出中の金型壁と錠剤混合物の摩擦を低下させる。それは錠剤のパンチおよび金型への付着の防止を助ける。ステアリン酸マグネシウムはまたホッパー中のおよび金型への粉末の流動も助ける。450−550ミクロンの粒子サイズ範囲および1.00−1.80g/mLの密度範囲を有する。打錠混合中、それは安定であり、重合化しない。好ましい滑剤、ステアリン酸マグネシウムもまた製剤中に用いる。好ましくは、滑剤は、錠剤製剤中に約0.25%から約6%の量で存在し;また好ましいのは約0.5%から約4重量%のレベルであり;そして最も好ましくは約0.1%から約2重量%である。他の可能な滑剤はタルク、ポリエチレングリコール、シリカおよび硬化植物油を含む。本発明の任意の態様において、本滑剤は製剤には存在しないが、製剤に直接添加するよりも金型またはパンチ上に噴霧する。
【0081】
コーンデンプン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルモノおよびジステアレート、ソルビトール、マンニトール、ゼラチン、天然または合成ガム、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギネート、デキストラン、アカシアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントなどのような他の慣用の固体増量剤または担体、希釈剤、結合剤、滑剤、崩壊剤、着色および香味剤を、所望により用い得る。
【0082】
薬学的に許容される結合剤の例は、デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;ポリサッカライド;およびゼラチンを含むが、これらに限定されない。結合剤は、例えば、組成物の約10%から約40重量%の量で存在できる。
【0083】
有用な賦形剤のさらなる例は、Handbook of pharmaceutical excipients, 3rd edition, Edited by A.H.Kibbe, Published by:American Pharmaceutical Association, Washington DC, ISBN:0-917330-96-X, またはHandbook of Pharmaceutical Excipients(4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher:Science and Practiceに記載されており、これらは引用により本明細書に包含させる。
【0084】
故に、第一の態様において、本発明は;
(a)i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはビルダグリプチン、およびii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾンまたはロシグリタゾンから成る2種の活性成分;
(b)薬学的に許容される希釈剤を含み、
ここで、単位投与形態において、乾燥重量を基にして活性成分(例えばビルダグリプチン+ピオグリタゾン)の重量対希釈剤の錠剤重量比が0.2から1.5、好ましくは0.4から1.2、最も好ましくは0.4から1である、
医薬組成物を提供する。
【0085】
少なくとも1種の希釈剤が微結晶性セルロースであり、そして単位投与形態において、乾燥重量を基にして活性成分(例えばビルダグリプチン+poグリタゾン)対微結晶性セルロースの錠剤重量比が1.9から0.4、好ましくは1.6から0.5、最も好ましくは1.5から0.6である、上記の組成物。
【0086】
20から120mgのLAF237、好ましくは25から100mgのLAF237またはその薬学的に許容される酸付加塩を含む、上記の組成物。
25、50、100または150mgのビルダグリプチンを含む、上記の組成物。
2から60mgのグリタゾン、好ましくは2から45mgのグリタゾン、またはその薬学的に許容される酸付加塩を含む、上記の組成物。
【0087】
好ましくは7.5から45mgのピオグリタゾンまたは0.5から8mgのロシグリタゾンを含む、上記の組成物。
7.5、15、30または45mgのピオグリタゾンを含むか、または0.5、1、2、4または8mgのロシグリタゾンを含む、上記の組成物。
【0088】
希釈剤が微結晶性セルロースおよびラクトースから選択される、好ましくは微結晶性セルロースおよびラクトースが組成物中に存在する、上記の組成物。
【0089】
以下をさらに含む、上記の組成物;
(c)乾燥重量を基にして0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により、
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤。
【0090】
好ましくは、以下をさらに含む上記の組成物;
(c)乾燥重量を基にして0−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により、
(d)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤。
【0091】
上記比率は、活性成分(DPP−IV阻害剤およびグリタゾン)および希釈剤について乾燥重量を基にして得られる。
単位投与形態は、カプセル剤、錠剤、顆粒、チュワブル錠、などの任意の種類の医薬投与形態である。
【0092】
さらなる態様において、本発明は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして5−65%、好ましくは10−60%重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0093】
好ましくは、本発明は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0094】
最も好ましくは、本発明は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして25−55重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0095】
最も好ましくは、本発明は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして30−50重量%の2種の活性成分
を含む、ここに記載の医薬組成物に関する。
【0096】
最も好ましくは、本発明は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして30−50重量%の2種の活性成分;
および
(b)乾燥重量を基にして45−75%または50−70重量%の薬学的に許容される希釈剤;
を含む、ここに記載の医薬組成物に関する。
【0097】
DPP−IV阻害剤が活性成分の20%から95%、好ましくは活性成分の30%から85%または35から80%に相当する、上記組成物。
【0098】
グリタゾンがピオグリタゾンであり、そしてDPP−IV阻害剤がビルダグリプチンであり、ビルダグリプチンが活性成分の30%から85%、および好ましくは活性成分の35%から80%に相当する、上記組成物。
【0099】
本明細書において、薬学的に許容される希釈剤に対する言及は、少なくとも1種の希釈剤を意味し、例えば2種または3種の希釈剤の混合物もまた包含する。
【0100】
i)微結晶性セルロースおよびラクトースから選択される1種の希釈剤
ii)2種の希釈剤微結晶性セルロースおよびラクトース、
iii)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース、
iv)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容されるラクトース;または
v)乾燥重量を基にして23−55%、好ましくは30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロースおよび乾燥重量を基にして7−33%、好ましくは15−25重量%のラクトース
を含む、上記組成物。
【0101】
最も好ましくは、Avicel PH 102のような微結晶性セルロースおよびラクトースから選択される1種または2種の希釈剤を含む、上記組成物。
【0102】
0.5−20%または0.5−10%、好ましくは0.5−6%または乾燥重量を基にして0.5−4%または1.5−2.5重量%の薬学的に許容される崩壊剤を含む、上記組成物。
【0103】
さらなる好ましい態様において、ここに記載の組成物は、乾燥重量を基にして0.5−4重量%の薬学的に許容される崩壊剤を含む。
【0104】
0.1−10%好ましくは乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤を含む、上記組成物。
【0105】
本明細書において、薬学的に許容される崩壊剤に対する言及は、少なくとも1種の崩壊剤を意味し、例えば2種または3種の崩壊剤の混合物も包含する。
【0106】
本明細書において、薬学的に許容される滑剤に対する言及は、少なくとも1種の滑剤を意味し、例えば2種または3種の滑剤の混合物も包含する。
【0107】
最も好ましくは、ここに記載の医薬組成物は薬学的に許容される滑剤(d)を含む。
【0108】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましいグリタゾンはピオグリタゾンおよびロシグリタゾンであり、好ましい希釈剤は微結晶性セルロースまたはラクトースまたは好ましくは微結晶性セルロースとラクトースの組み合わせであり、好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、そして好ましい滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0109】
好ましい組成物における特定の成分は以下である(以下を含む):
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして23−55重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして7−33重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0110】
好ましい組成物における特定の成分は以下である(以下を含む):
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0111】
他の好ましい組成物は以下である(以下を含む):
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして25−55%、好ましくは30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして23−55%、好ましくは30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして7−33%、好ましくは15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)0−4%好ましくは0−2.5%または乾燥重量を基にして1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.5−4%、好ましくは0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0112】
乾燥重量を基にして約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、上記組成物。
崩壊剤が存在しない、上記組成物。
乾燥重量を基にして0.5−20%、好ましくは0.5−4重量%の崩壊剤、好ましくはデンプングリコール酸ナトリウムを含む、上記組成物。
【0113】
さらなる態様において、本発明は、薬学的に許容される滑剤(d)が所望によってのみ製剤に包含される、上記組成物のいずれかに関する。しかし、好ましくは本薬学的に許容される滑剤(d)は組成物に包含される。
【0114】
圧縮錠剤、とりわけ直接圧縮錠剤のために好ましく、上記組成物は乾燥重量を基にして10から40%、最も好ましくは15から30重量%の、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、とりわけLAF237を含む。
【0115】
上記の慣用の固体増量剤または担体のようなさらなる慣用の賦形剤を、所望によりここに記載の製剤に添加できる。
【0116】
上記製剤は、医薬錠剤、例えば圧縮錠剤または好ましくは直接圧縮錠剤、カプレットまたはカプセル剤の製造に特に適し、物理的技術の分野の当業者により要求される必要な物理的特徴、溶解および薬剤放出プロファイルを提供する。故に、さらなる態様において、本発明は、医薬錠剤、カプレット剤またはカプセル剤の製造のための、特に造粒、直接圧縮および乾燥造粒(スラッギングまたはローラー圧縮)のための、上記のいずれかの製剤の使用を提供する。
【0117】
上記製剤はまた錠剤、とりわけ圧縮錠剤および非常に好ましくは直接圧縮錠剤の製造に特に有用である。
【0118】
特に上記製剤により得た錠剤は、とりわけ直接圧縮錠剤または下記の直接圧縮錠剤の形に加工されたとき、非常に少ない低破砕性問題、非常に良好な破壊強度、改善された製造ロバスト性、最適錠剤厚対錠剤重量比(直接圧縮錠剤)、製剤、とりわけ直接圧縮錠剤中の少ない水、英国薬局方1988に従う良好な分散崩壊時間DT、良好な分散品質。
【0119】
DPP−IV阻害剤およびグリタゾンの直接圧縮の本発明は、混合および圧縮を含む。賦形剤のグレードの選択は、
粉末混合物の均一性ならびにDPP−IV阻害剤およびグリタゾンの内容均一性を可能にする範囲内の粒子サイズを維持することを考慮する。それは、直接圧縮中のホッパーにおける粉末の分離を防止する。これらの賦形剤を使用する利点は、それらが粉末混合物に圧縮性、凝集性および流動性を与えることである。加えて、直接圧縮の使用は、競争できる単位製造費用、貯蔵寿命を提供し、熱および水分の除外を可能にし、主粒子解離、物理的安定性を可能にし、そして粒子サイズ均一性を確実にする。
【0120】
主張する組成物の上記利点は、例えばローラー圧縮または湿式造粒またはカプセル充填に非常にも有用である。
【0121】
ここに記載の医薬組成物の開発において、出願人は;
i)DPP−IV阻害剤を含む粒子が、250μm未満、好ましくは10から250μmの粒子サイズ分布を有する、および/または
ii)錠剤の水分含量が、1週間25℃および60%部屋湿度(RH)の後に10%未満である、および/または
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである、および/または
iv)錠剤中のグリタゾン粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から250μmであるとき;
圧縮錠剤、とりわけ直接圧縮錠剤が特に有利であることを見出した。
【0122】
故に、本発明は、直接圧縮医薬錠剤への打錠を不可能とするか非常に困難とする物理特性を有する、遊離形または酸付加塩形のグリタゾンおよびDPP−IV阻害剤を含む圧縮医薬錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。好ましいDPP−IV阻害剤は、LAF237である。
【0123】
故に、第一の態様(a)において、本発明は、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして、錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が250μm未満または好ましくは10から250μmである、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0124】
本発明は、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が10μmより大きい、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0125】
用語“少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%”は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%および最も好ましくは少なくとも90%を意味する。
用語“少なくとも少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%”は少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%および最も好ましくは少なくとも45%を意味する。
【0126】
特に本発明は、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmである、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0127】
第二の態様(b)において、本発明は、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして、錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mg、好ましくは0.01から0.03mm/mgである、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤を含む。
【0128】
上記第一および第二の態様(a)および(b)の組み合わせは、良好な稠密化特性を有する圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤を提供する。
【0129】
故に、本発明はまた、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が250μm未満または好ましくは10から250μmであり、そして
ii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgであり、
好ましくは;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmであり、そして
ii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgである、
圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤にも関する。
【0130】
第三の態様において、本発明は、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が250μm未満、好ましくは10から250μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、1週間25℃および60%RHの後に10%未満、例えば1.5−8%であり、そして
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである、
圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。
【0131】
好ましくは、本発明はDPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、1週間25℃および60%RHの後に10%未満、例えば1.5−8%であり、そして
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである、
圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0132】
好ましくは、本発明は、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、1週間25℃および60%RHの後に7%未満、例えば2−7%であり、
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである、
圧縮錠剤最も好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0133】
好ましくは、本発明は、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%、好ましくは35%および最も好ましくは45%が50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、1週間25℃および60%RHの後に7%未満、例えば2−7%であり、
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.01から0.03mm/mgである、
圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤に関する。
【0134】
ここに記載の圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤の好ましい態様において、錠剤中のグリタゾン粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が250μm未満、好ましくは10から250μmである。
【0135】
非常に好ましい局面において、上記3つの態様、すなわち圧縮錠剤および直接圧縮錠剤は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして5−65%、好ましくは10−60重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤
を含む医薬組成物のような、ここに記載の組成物を含む。
【0136】
好ましくは、医薬組成物は;
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
を含む。
【0137】
好ましくは、DPP−IV粒子、とりわけLAF237粒子は、70%を超えるDPP−IV阻害剤、最も好ましくは90%または95%を超える、およびさらに好ましくは98%を超えるDPP−IV阻害剤を含む。
【0138】
好ましくは、LAF237粒子は70%を超えるLAF237、最も好ましくは90%または95%を超えるおよびさらに好ましくは98%を超えるLAF237を含む。
【0139】
DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237の選択した粒子サイズ分布は、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む錠剤の最良の稠密化を提供するために特に重要である。上記の通り適切に選択されたグリタゾンの粒子サイズ分布も、錠剤の稠密化を改善する。
【0140】
さらなる好ましい態様において、選択した賦形剤(b)、(c)および/または(d)の粒子サイズ分布は、DPP−IV阻害剤粒子、好ましくはLAF237粒子の粒子サイズ分布と同等である。
【0141】
用語“同等”は、錠剤中の賦形剤の粒子サイズ分布が5から400μm、または10から300μm、好ましくは10から250μmにあることを意味する。
【0142】
適合する粒子サイズ分布の好ましい賦形剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipientws(4th edition), Edited by Raymond C Rowe - Publisher:Science and Practiceから選択できる。
【0143】
薬剤の粒子サイズ、例えばLAF237粒子サイズは、結晶化、乾燥および/または製粉/篩いにより制御する(非限定的例は以下に記載する)。粒子サイズはまた、ローラー圧縮および製粉/篩いを使用して細かくできる。適切な粒子サイズの製造は既知であり、“Pharmaceutical dosage forms: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartz (Chapter 3: SIZE REDUCTION)”のような文献に記載されている。
【0144】
多くの粒子サイズを研究し、ここに記載の特異的サイズ範囲が、直接稠密化のための予期されない良好な結果を提供することが判明した。
【0145】
分析的篩いによる粒子サイズ分布推算:粒子サイズ分布を、当業者に既知の方法である篩分析、光子相関分光学またはレーザー回折(international standart ISO 13320-1)、または電子センシング・ゾーン、光障害、沈降または顕微鏡を使用して測定する。篩いは、粒子サイズ分布により粉末を分類する最も古い方法の一つである。このような方法は既知であり、何らかの分析化学教科書のような文献に、または米国食品医薬品局(FDA)施行規則を記載する米国薬局方(USP)発行USP−NF(2004-Chapter 786-(The United States Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, MD))により記載されている。使用した技術は、例えばPharmaceutical dosage forms: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartzに記載され、よい例である。それは別の方法も記載する(187頁):電子センシング・ゾーン、光障害、空気浸透、ガスまたは液体中の沈降。
【0146】
粒子サイズの空気ジェット篩い測定において、篩上の物質が流動するように、空気を回転しているスリットから、篩を通して上方に通す。同時に陰圧を篩の底に適用し、それは微粒子を回収デバイスに移動させる。サイズ分析および平均粒子サイズの決定は、連続的に一個の篩を使用することによりサイズ分布の微細末端から粒子を除こうことにより行う。この詳細について“Particle Size Measurement”, 5th Ed. , p 178, vol. 1; T. Allen, Chapman & Hall, London, UK, 1997も参照のこと。当業者には、サイズ測定それ自体、故に慣用の特性である。
【0147】
錠剤の水分含量は、乾燥減量法またはカール・フィッシャー法を使用して測定でき、これらは当業者に既知の方法である(例えば水分含量は、サーモグラム測定(thermogrametry)による乾燥減量により測定できる)。このような方法は既知であり、何らかの分析化学教科書(J.A. Dean, Analytical Chemistry Handbook, Section 19, McGraw-Hill, New York, 1995)のような文献に、または米国食品医薬品局(FDA)施行規則を記載する米国薬局方(USP)発行USP−NF(2004)((2004 - USP-Chapter 921))により記載されている。
【0148】
錠剤厚は、定規、ノギス、ねじゲージまたは寸法測定のための何らかの電気的方法を使用して測定できる。我々は錠剤厚をmmでトリ、錠剤重量mgで割って比率を得た。このような方法は既知であり、何らかの分析化学教科書のような文献に、または米国食品医薬品局(FDA)施行規則を記載する米国薬局方(USP)発行USP−NF(2004)により記載されている。
【0149】
本発明は、特に、DPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、水中で5から15分の時間以内に分散でき、ここに定義の分散錠についての英国薬局方に従い710μmメッシュ孔の篩を通すことができる、圧縮錠剤または直接圧縮錠剤を提供する。
【0150】
本発明に従う、ならびに水中に速く分散可能な錠剤は、分散時間および分散品質(すなわち710μm篩を通る)について、分散錠のための英国薬局方(B.P.)試験に合うとの付加的利点を有する。
【0151】
好ましくは本発明の錠剤の分散時間は15分未満、より好ましくは12分未満および最も好ましくは10分未満である。
【0152】
本発明の錠剤のさらなる利点は、相対的に細かい分散が形成されるため、錠剤が短い溶解時間を有し、故に薬剤がより速く血中に吸収され得ることである。さらに、本発明の錠剤により得られる速い分散時間および相対的に細かい分散は、また嚥下可能錠剤についても有利である。故に、本発明の錠剤は水中への分散およびまた直接の嚥下のための両方のために提供できる。飲み込みを意図する本発明の錠剤は、好ましくは嚥下を助けるためにフィルムコートされる。
【0153】
さらなる態様において、本発明は、分散がグリタゾン原体または粒子および遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含むDPP−IV阻害剤粒子、とりわけLAF237粒子を含み、ここで、錠剤中のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が10から250mmであり、
そして
i)0から10分で、85から99.5%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分で活性成分の90から99.5%が放出される、
好ましくは
i)0から10分で、88から99.5%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分で95から99.5%の活性成分が放出される、
または好ましくは
i)0から10分で、89から94%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分で96から99%の活性成分が放出される、
改善された溶解率(薬剤の溶解)を有する圧縮錠剤に関する。
【0154】
薬剤溶解率(放出%)を測定するためのパドル法を1000mlの0.01N HClと共に使用する。このような方法は既知であり、何らかの分析化学教科書のような文献に、または米国食品医薬品局(FDA)施行規則を記載する米国薬局方(USP)発行USP−NF(2004-Chapter 711)により記載されている。
【0155】
本発明はまたDPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含み、ここで、
i)錠剤中の、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が、10から250μmの粒子サイズ分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が1週間25℃および60%RHの後に10%未満であり、そして
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである;
単位投与形態の圧縮錠剤の製造法であって:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末(tableting powder)の形のDPP−IV阻害剤およびグリタゾン製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237、遊離形または酸付加塩形の;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして5−65%、好ましくは10−60重量%の2種の活性成分;
(ii)および希釈剤、所望により崩壊剤および/または滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤;そして
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤/グリタゾン錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する
ことを含む、方法も提供する。
【0156】
好ましくは、上記方法は以下を含む:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末の形のDPP−IV阻害剤製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(iv)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤;そして
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する。
【0157】
最も好ましくは、法方法は以下を含む:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末のDPP−IV阻害剤製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(iv)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤;そして
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する。
【0158】
好ましくは工程(a)で使用する混合した組成物は、ここに記載の好ましい製剤から選択する。
【0159】
好ましいDPP−IV阻害剤はLAF237であり、好ましいグリタゾンはピオグリタゾンおよびロシグリタゾンであり、好ましい希釈剤は微結晶性セルロースまたはラクトースまたは好ましくは微結晶性セルロースとラクトースの組み合わせであり、好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、そして好ましい滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0160】
最良の態様において、本方法は以下を含む:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末のDPP−IV阻害剤製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして23−55重量%または好ましくは30−48重量%の薬学的に許容されるAvicel PH 102のような微結晶性セルロース;
(iii)乾燥重量を基にして7−33重量%または好ましくは15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量を基にして0−10重量%または好ましくは1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により
(v)乾燥重量を基にして0.25−6重量%または好ましくは0.5−4重量%の薬学的に許容されるステアリン酸マグネシウム;および
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤/グリタゾン錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する。
【0161】
本発明はまたDPP−IV阻害剤およびグリタゾンを含む、単位投与形態の圧縮錠剤の製造方法であって:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末の形のDPP−IV阻害剤製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして30−32重量%、乾燥重量を基にして20−60%好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして23−55重量%または好ましくは30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース(Avicel PH 102);
(iii)乾燥重量を基にして7−33重量%または好ましくは15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量を基にして1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および
(v)乾燥重量を基にして0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム;そして
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤/グリタゾン錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する。
【0162】
圧縮工程(b)の前に、基本的な脱凝集(delumping)、すなわち、何らかの塊/ケーキを除去するために、好ましくは篩い工程を製剤に適用する。
【0163】
さらなる態様において、本発明は、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンが上記圧縮錠剤について定義の粒子サイズ分布を有する、上記組成物のいずれかに関する。
【0164】
故に、さらなる態様において、本発明は、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンを含む粒子を含み、ここで;
i)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも40%、好ましくは60%が250μm未満である、および/または
ii)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも40%、好ましくは60%が10から250μmである、および/または
iii)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%が10から250μmである、および/または
iv)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%または少なくとも35%が50から150μmである、
ここに記載の組成物に関する。
【0165】
さらなる態様において、上記製剤中の医薬賦形剤の粒子サイズ分布は5から400μmである。
【0166】
他の態様において、本発明は、上記医薬組成物を含むカプセル剤に関し、ここで、好ましくは;
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が10から500μmの粒子サイズ分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が1週間25℃および60%RHの後に10%未満である。
【0167】
DPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を、遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子の60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が10から250μmの粒子サイズ分布を有する形で使用する、記載の方法。
【0168】
より好ましくは上記医薬組成物を含み、そして好ましくは;
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子の少なくとも60%、好ましくは80%および最も好ましくは90%が10から250μmの粒子サイズ分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が1週間25℃および60%RHの後に5%未満である。
【0169】
この最終製品は、慣用の打錠または類似の機械により錠剤、カプセル剤などの形に製剤する。
【0170】
最も好ましくは、ここに記載の製剤、錠剤、圧縮錠剤または方法のためのDPP−IV阻害剤は1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩から選択される。
【0171】
最も好ましくは、DPP−IV阻害剤は1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル(LAF237またはビルダグリプチン)である。好ましくは25および100mgのビルダグリプチン、好ましくは25、50、または100mgのビルダグリプチンまたはその塩である。
【0172】
最も好ましくは、ここに記載の製剤、錠剤、圧縮錠剤または方法のためのグリタゾンは、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンまたはそれらの塩から選択される。好ましくは2および60mgのグリタゾン好ましくは2および45mgのグリタゾン、またはその薬学的に許容される酸付加塩である。好ましくは7.5および45mgのピオグリタゾンおよび0.5から8mgのロシグリタゾンまたは7.5、15、30または45mgのピオグリタゾンおよび0.5、1、2、4または8mgのロシグリタゾン、8.25、33または49.5mgのピオグリタゾンHCl塩である。
【0173】
(c)0.5−20%、好ましくは0.5−6%、最も好ましくは乾燥重量を基にして0.5−4%または1.5−2.5重量%の薬学的に許容される崩壊剤例えばデンプングリコール酸ナトリウム;および/または
(d)0.1−10%、好ましくは0.25−6%、または乾燥重量を基にして0.5−4重量%の薬学的に許容される滑剤例えばステアリン酸マグネシウム;
を含む、ここに記載の組成物、錠剤またはカプセル剤。
【0174】
本発明はまた、さらなる治療剤、例えばメトホルミンのような抗糖尿病剤が製剤に添加されている、ここに記載の医薬製剤または錠剤も包含する。
【0175】
ここに記載の医薬製剤または錠剤は多層または2層錠剤の形であり得る。このような多または2層錠剤は、例えば、第二の層に、さらなる治療剤、例えばメトホルミンまたはグリタゾン、例えばピオグリタゾンまたはロシグリタゾン、またはスルホニルウレアのような抗糖尿病剤を含み得る。
ここに記載の製剤または錠剤は、同じまたは他の治療剤、例えばメトホルミンのような抗糖尿病剤を含む粒子をさらに含み得る。
【0176】
糖尿病のための該治療剤(抗糖尿病剤)は、例えば、インスリン製剤(例えば、ウシまたはブタ膵臓から抽出した動物インスリン製剤;遺伝子操作したsing E. coliまたは酵母中で合成したヒトインスリン製剤;亜鉛インスリン;亜鉛プロタミンインスリン;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例えば、INS−1など))、インスリン抵抗性改善剤(例えばピオグリタゾンヒドロクロライド、ロシグリタゾン(マレエート)、GI−262570、レグリキサン(JTT−501)、ネトグリタゾン(MCC−555)、YM−440、KRP−297、CS−011、FK−614、Ragaglitazar(NN−622)、Tesaglitazar(AZ−242)、DMS−298585、EML−16336、WO99/58510に記載の化合物(例えば、(E)−4−[4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸))、PPARγアゴニスト、PPARγアンタゴニスト、PPARγ/αデュアル・アゴニスト、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えばボグリボース、アカルボース、Migritol、Emiglytate、ビグアナイド剤(例えば、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン(Buformine)またはそれらの塩)(例えば塩酸塩、フマル酸塩(furmarate)、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤(スルホニルウレア剤(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、Glymepyride、Glypizide、グリブゾールなど)、レパグリニド、Senaglinide、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそれらのカルシウム塩水和物)、GLP−1受容体アゴニスト(例えば、GLP−1、NN−2211、AC−2993(exedin−4)、BIM−51077、Alb(8,35)h GLP−1(7,37)NH)、アミリンアゴニスト(例えば、Plamlintide、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例えばバナジウム酸)、β3アゴニスト(例えば、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、SB−226552、AJ−9677、BMS−196085、AZ40140)、糖新生(neosugar)阻害剤(例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、ソマトスタチン受容体アゴニスト)、ナトリウム−グルコース共輸送体(SGLT)阻害剤(例えば、T−1095)などを含む。
【0177】
さらなる局面において、本発明は、インスリン非依存性真性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植片移植、カルシトニン−骨粗鬆症、心不全、障害されたグルコース代謝、IGT(耐糖能障害)、アルツハイマー病およびパーキンソン病のような神経変性疾のような状態の処置、高脂血症の調節、高脂血症と関連する状態の調節またはVLDL、LDLおよびLp(a)レベル低下のため、心血管または腎臓疾患、例えば糖尿病性心筋症、左または右心室肥大、動脈および/または大血管における肥大性内側肥厚、腸間膜血管肥大、糸球体間質肥大、神経変性障害および認知障害のため、鎮静または不安緩解作用をもたらすため、術後異化変化およびストレスに対するホルモン応答の減弱のため、心筋梗塞後の致死率または罹病率の低下のため、GLP−1および/またはGLP−2レベルが仲介し得る上記効果に関連する状態の処置のための、記載の製剤、カプセル剤、錠剤、圧縮錠剤、直接圧縮錠剤の使用に関する。
【0178】
各場合に、特に化合物請求項、作業実施例の最終製品、最終製品の対象、分析法および測定法(例えばUSP文献)、正しい粒子サイズを得る方法、医薬製剤、賦形剤および請求項は、記載の文献または特許出願を本明細書に引用することにより、本明細書に包含させる。
本発明を以下の実施例によりさらに説明する:
【0179】
実施例1
25mg ビルダグリプチン錠剤サイズ(直接圧縮錠剤)を製造するために、7kgのバッチサイズを、単位あたり以下に従う量を使用して製造する:25mg/単位の化合物1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルおよび15mg/単位のピオグリタゾンを35.1mgの微結晶性セルロース、17.5mg 無水ラクトースおよび1.6mg デンプングリコール酸ナトリウムと混合する。これらの成分を、市販のビン・ブレンダー中で一緒に予め混合し、次いで500μmまたは850μm篩で篩う。本混合物を再びビン・ブレンダーで混合し、次いで25mg錠剤サイズあたり0.8mg ステアリン酸マグネシウムをもたらすのに必要量のステアリン酸マグネシウムを添加する。各工程の混合を、約150−450回転で行い、混合物の均質性を確実にする。再びビン・ブレンダー中の混合後、本混合物を慣用の打錠機で打錠する。混合物は、所望の錠剤サイズへの優れた圧縮性を有する粉末である。
【0180】
実施例2
上記実施例1と同じ方法を適用して、25から100mgのビルダグリプチンおよび7.5から45mgのピオグリタゾンを含む以下の錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤を製造できる。
以下の表中の重量はmgで示す。
【表1】

Mcc:微結晶性セルロース
Pio:ピオグリタゾン
Laf:ビルダグリプチン
Wt:重量
MgSt:ステアリン酸マグネシウム
【0181】
好ましい別法において、デンプングリコール酸ナトリウム(USP、Ph.Eur − Explotab)のような崩壊剤を、本明細書に記載の量で上記錠剤に包含させる。好ましくは約2%のデンプングリコール酸ナトリウム(USP、Ph.Eur)も上記製剤に包含させる。
【0182】
錠剤Aは、さらに2mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、107.5mgの総重量を有する。
錠剤Bは、さらに2.5mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、130.5mgの総重量を有する。
錠剤Cは、さらに2.8mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、145.8mgの総重量を有する。
錠剤Dは、さらに4.5mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、230.5mgの総重量を有する。
錠剤Eは、さらに4.8mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、245.8mgの総重量を有する。
錠剤Fは、さらに8.4mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、430.4mgの総重量を有する。
錠剤Gは、さらに8.7mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含んでよく、444.7mgの総重量を有する。
【0183】
【表2】

【表3】

PIO/HCl:ピオグリタゾンHCl塩:1.1塩比率補正(比=ピオグリタゾンHCl/ピオグリタゾン遊離塩基)。本明細書において、活性成分を塩の形で使用するとき、比率補正を行っている
【0184】
主張する他の好ましい製剤を以下に記載する
【表4】

【0185】
実施例3:上記および実施例に従い製造した錠剤を以下の通り試験し得る。
錠剤評価法
1.平均錠剤重量。20個の錠剤を、化学てんびんで秤量し、平均錠剤重量を計算する。
2.錠剤破壊強度(kilo bond-kp)。5個の錠剤を、Schleuniger破砕強度試験テスターを使用して個々に試験し、平均破壊強度を計算する。
3.破砕性(損失%)。正確に秤量した10個の錠剤を、Roche Friabilatorを使用した10分破砕性に付す。錠剤を脱塵し、再秤量し、破砕性のための重量損失を、最初の重量のパーセントとして計算する。
4.分散崩壊時間DT(英国薬局方, 1988, Volume II, page 895-BP 1988に定義の分散錠のための試験)。6個の錠剤を、分散錠のための上記BP試験に従い試験する(ディスク無し)。これは、19°−21℃の温度で水を使用する。
5.分散品質。分散錠のための分散試験のBP分散均一性試験(BP 1988 Volume II page 895)に従い、2個の錠剤を100mlの水に19°−21℃で入れ、分散させる。
【0186】
顆粒評価法
1.乾燥減量(LOD)。顆粒の残存水分含量(LOD)を、製造者の方法に従い操作する、90℃に設定したComputrac水分分析器を使用して3−4g サンプルで決定する。
2.重量メジアン直径(WMD)。顆粒の10g サンプルを、2分、適当なパルスで篩い、そして、製造者の指示に従い、Allen Bradley音波篩で篩いを十分にする。300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、53μmおよび40μmの篩を使用する。WMDを、コンピュータプログラムを使用して、サイズ下サイズ分布累積パーセントから計算する。
【0187】
実施例4:
改善された製造ロバスト性
予備的稠密性評価を種々の製剤ならびにLAF237+(ピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)と種々の賦形剤、例えば微結晶性セルロース(Avicel PH102)の混合物を使用して、Carverプレスで行う。
データは、圧力のレベル(圧縮力)を増加させながら圧縮している、我々が主張する組成物が、錠剤強度のかなり有用な増加を示すことを証明する。特に、例えば(LAF237+ピオグリタゾン)およびAvicelの混合物は、錠剤強度のかなり有用な増加を示す。これらの結果は、稠密性の観点から、微結晶性セルロース、例えばAvicelが、LAF237およびグリタゾン、例えばピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせるべき好ましい賦形剤であることを示す。増加させた圧力(圧縮力)で、我々の主張している製剤および選択範囲は、錠剤強度のかなり有用な増加を示す。
【0188】
稠密性試験(D. Becker、私信)を、圧力および移動センサーを上部および下部パンチに備えた、Korsch single station pressで行う。
これらのデータから、LAF237+(ピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)錠剤が、優れた稠密性を有する相当量の増量剤で希釈しない限り、乏しい錠剤硬度/粉砕強度を有する傾向が非常にあることが明らかに示される。我々の主張している製剤および選択班には、必要な稠密性を提供するのに特に適する。微結晶性セルロース、例えばAvicelは、この点で増量剤の良い選択肢である。
【0189】
実施例5:破砕性
6種の異なる設定をしたManesty Betapressを使用して評価を行う:66−90rpm(63,000−86,000TPH)の設定のひずみ速度設定および7.5−15kNの力。試験は、250mg錠剤については9mm直径のおよび310mg錠剤については10mm直径のFlat-faced Beveled-edge(FFBE)ツーリングを使用する(試験錠剤の重量に依存して他の直径を使用する)。9および10mm FFBE錠剤両方が100mgのLAF237および同一錠剤厚を有するように総錠剤重量を選択した。破砕性、圧縮プロファイル、ひずみ速度プロファイルおよび重量変化が測定結果である。試験設計および本試験から得られた破砕性結果を使用して、硬度の結果に影響する変数(製剤中の粒子サイズ分布、錠剤重量、錠剤厚および重量、錠剤中の水分含量等)を決定する。
【0190】
実施例6:機械的負荷(粒子サイズ分布)
所望の粒子サイズ範囲の物質を、何らかの形態のビルダグリプチン、例えば無定形ビルダグリプチンから、機械的負荷により製造できる。この負荷は、衝撃、剪断または圧縮により媒介される。市販の粉砕装置のほとんどにおいて、これらの原理の組み合わせが行われる。ビルダグリプチンについて、好ましくは機械的衝撃またはジェットミルを使用する。最も好ましい機械的衝撃ミルは、種々のビーター、篩、ライナーを備えるか、またはピン・プレートを備える。我々の目的のために、好ましくはプレートビーターおよびスリット篩5×2.5cmを備えた衝撃ミルを使用する。衝撃速度は、何らかのバッチ間変化に適応するために、20から100m/s(末端速度で)の間で変化しなければならない。我々の場合、約40−50m/sのビーターの末端速度を使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして5−65重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤;
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%、好ましくは25−55%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.25−10重量%の薬学的に許容される滑剤;
を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして25−55重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤;
を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして30−50重量%の2種の活性成分;
を含む、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして30−50重量%の2種の活性成分;
および
(b)乾燥重量を基にして45−75%または50−70重量%の薬学的に許容される希釈剤;
を含む、請求項1から2のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
乾燥重量を基にして40−80%または45−75重量%の薬学的に許容される希釈剤;
を含む、請求項1から2のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
DPP−IV阻害剤が活性成分の20%から95%、好ましくは活性成分の30%から85%または35から80%に相当する、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
グリタゾンがピオグリタゾンであり、そしてDPP−IV阻害剤がビルダグリプチンであり、そしてビルダグリプチンが活性成分の30%から85%、好ましくは活性成分の35%から80%に相当する、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
i)微結晶性セルロースおよびラクトースから選択される1種の希釈剤
ii)2種の希釈剤微結晶性セルロースおよびラクトース、
iii)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース、
iv)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容されるラクトース;または
v)乾燥重量を基にして23−55%、好ましくは30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロースおよび乾燥重量を基にして7−33%、好ましくは15−25重量%のラクトース;
を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
乾燥重量を基にして0.5−20%、好ましくは0.5−6%または0.5−4重量%の薬学的に許容される崩壊剤を含む、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
乾燥重量を基にして0.1−10%、好ましくは0.25−6%または0.5−4重量%の薬学的に許容される滑剤を含む、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%または30−50重量%の2種の活性成分;(b)乾燥重量を基にして23−55重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして7−33重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60%または30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
(a)
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして25−55%、好ましくは30−50重量%の2種の活性成分;
(b)乾燥重量を基にして23−55%、好ましくは30−48重量%の薬学的に許容される微結晶性セルロース;
(c)乾燥重量を基にして7−33%、好ましくは15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量を基にして0−4%、好ましくは0−2.5重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により、
(e)乾燥重量を基にして0.5−4%、好ましくは0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
乾燥重量を基にして約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項12から14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
崩壊剤が存在しない、請求項1から15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
乾燥重量を基にして1−4重量%の崩壊剤、好ましくはデンプングリコール酸ナトリウムを含む、請求項1から15のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩から選択される、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
DPP−IV阻害剤が1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請求項1から18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
グリタゾンがピオグリタゾンまたはロシグリタゾンから選択される、請求項1から19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る2種の活性成分を含み、
ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして、錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満である、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項22】
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る2種の活性成分を含み、
ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして、錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mg、好ましくは0.01から0.03mm/mgである、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項23】
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る2種の活性成分を含み、
ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から250μmであり、そして
ii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01から0.03mm/mgである、
圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項24】
i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
ii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る2種の活性成分を含み、
ここで、分散が遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、好ましくはLAF237を含む粒子を含み、そして;
i)錠剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から250μmであり、
ii)錠剤の水分含量が1週間25℃および60%RHの後に10%未満であり、そして
iii)錠剤厚対錠剤重量比が0.002から0.06mm/mgである、
圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項25】
錠剤中の粒子サイズ分布が50から150μmである、請求項21から24のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項26】
錠剤中のグリタゾン粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から250μmである、請求項21から25のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項27】
錠剤の水分含量が1週間25℃および60%RHの後に5%未満である、請求項21から26のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項28】
錠剤厚対錠剤重量比が0.01から0.03mm/mgである、請求項21から27のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項29】
錠剤中のDPP−IVの粒子サイズ分布の少なくとも60%または少なくとも80%が10から250μmである、請求項15から28のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項30】
錠剤中のDPP−IVの粒子サイズ分布の少なくとも25%または少なくとも35%が50から150μmである、請求項15から29のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項31】
錠剤が請求項1から20のいずれかに記載の組成物を含む、請求項21から30のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項32】
i)0から10分で活性成分の85から99.5%が放出され、そして
ii)10から15分で活性成分の90から99.5%が放出される、
圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項33】
錠剤中の医薬賦形剤の粒子サイズ分布が5から400μmである、請求項21から31のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項34】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩から選択される、請求項21から33のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項35】
DPP−IV阻害剤がN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジンが1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請求項21から33のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項36】
直接圧縮錠剤である、請求項21から35のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤。
【請求項37】
グリタゾンがピオグリタゾンまたはロシグリタゾンから選択される、請求項21から36のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項38】
請求項1から20のいずれかに記載の組成物の固体投与形態。
【請求項39】
錠剤である、請求項38記載の固体投与形態。
【請求項40】
カプセル剤である、請求項38記載の固体投与形態。
【請求項41】
圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤である、請求項1から20のいずれかに記載の組成物の固体投与形態。
【請求項42】
単位投与形態の請求項21から36のいずれかに記載の直接圧縮錠剤の製造法であって:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末(tableting powder)の形の製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る乾燥重量を基にして5−65%、好ましくは10−60重量%の2種の活性成分;そして
(ii)希釈剤、崩壊剤および滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤;そして
(b)単位投与形態の圧縮錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する
ことを含む、方法。
【請求項43】
単位投与形態の請求項21から36のいずれかに記載の直接圧縮錠剤の製造法であって:
(a)錠剤に直接圧縮可能な打錠用粉末の形のDPP−IV阻害剤製剤を形成させるために、乾燥重量を基にして、以下の重量%の成分を混合し:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして20−60重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして30−95%、好ましくは40−80重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量を基にして0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および所望により、
(iv)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤;そして
(b)単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害剤錠剤を形成させるために工程(a)中に製造した製剤を圧縮する
ことを含む、方法。
【請求項44】
混合された製剤が:
(i)
1)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤;
2)遊離形または酸付加塩形のグリタゾン、好ましくはピオグリタゾン;
から成る、乾燥重量を基にして22−55%または好ましくは30−50重量%の2種の活性成分;
(ii)乾燥重量を基にして23−55重量%または好ましくは30−48重量%の薬学的に許容されるAvicel PH 102のような微結晶性セルロース;
(iii)乾燥重量を基にして7−33重量%または好ましくは15−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量を基にして0−10重量%または好ましくは1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および所望により
(v)乾燥重量を基にして0.25−6重量%または好ましくは0.5−4重量%の薬学的に許容されるステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
工程(a)に使用する混合された組成物が請求項1から20に記載の組成物から選択される、請求項42記載の方法。
【請求項46】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩から成る群から選択される、請求項43から45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
DPP−IV阻害剤が1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請求項43から45のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
グリタゾンがピオグリタゾンまたはロシグリタゾンから選択される、請求項43から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
(a)i)遊離形または酸付加塩形のDPP−IV阻害剤、およびii)遊離形または酸付加塩形のグリタゾンから成る2種の活性成分;
(b)薬学的に許容される希釈剤を含み、
ここで、単位投与形態において、乾燥重量に基づく活性成分の重量対希釈剤の錠剤重量比が0.2から1.5、好ましくは0.4から1.2、最も好ましくは0.4から1である、
医薬組成物。
【請求項50】
少なくとも1種の希釈剤が微結晶性セルロースであり、ここで、単位投与形態において、乾燥重量に基づく活性成分の重量対微結晶性セルロースの錠剤重量比が1.9から0.4、好ましくは1.6から0.5、最も好ましくは1.5から0.6である、請求項49記載の医薬組成物。
【請求項51】
微結晶性セルロースに加えてラクトースを希釈剤として含む、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項52】
DPP−IV阻害剤が1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりいずれの場合もその薬学的塩から選択される、請求項49から51のいずれかに記載の組成物。
【請求項53】
DPP−IV阻害剤が1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請求項49から51のいずれかに記載の組成物。
【請求項54】
グリタゾンがピオグリタゾンまたはロシグリタゾンから選択される、請求項49から53のいずれかに記載の組成物。
【請求項55】
(c)乾燥重量を基にして0.5−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および/または
(d)乾燥重量を基にして0.1−10重量%の薬学的に許容される滑剤
をさらに含む、請求項49から54のいずれかに記載の組成物。
【請求項56】
(c)乾燥重量を基にして0.5−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および/または
(d)乾燥重量を基にして0.25−6重量%の薬学的に許容される滑剤
をさらに含む、請求項49から54のいずれかに記載の組成物。
【請求項57】
(c)乾燥重量を基にして0.5−4%または1.5−2.5重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および/または
(d)乾燥重量を基にして0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム
をさらに含む、請求項49から54のいずれかに記載の組成物。
【請求項58】
請求項49から57のいずれかに記載の組成物を含む、請求項21から41のいずれかに記載の圧縮医薬錠剤。
【請求項59】
錠剤である、請求項49から57のいずれかに記載の組成物。
【請求項60】
カプセル剤である、請求項49から57のいずれかに記載の組成物。
【請求項61】
20から120mg、好ましくは25から100mgの1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩を含む、請求項1から41または49から60のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項62】
25、50、100または150mgの1−[3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル(ビルダグリプチン)またはその薬学的に許容される酸付加塩を含む、請求項1から41または49から61のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項63】
7.5から45mgのピオグリタゾンまたは0.5から8mgのロシグリタゾンを含む、請求項1から41または49から62のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項64】
7.5、15、30または45mgのピオグリタゾンまたは0.5、1、2、4または8mgのロシグリタゾンを含む、請求項1から41または49から62のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項65】
7.5から45mgのピオグリタゾンまたは0.5から8mgのロシグリタゾンを含む、請求項62に記載の組成物または錠剤。
【請求項66】
7.5、15、30または45mgのピオグリタゾンまたは0.5、1、2、4または8mgのロシグリタゾンを含む、請求項62に記載の組成物または錠剤。
【請求項67】
分散がDPP−IV阻害剤、とりわけビルダグリプチンまたはその薬学的に許容される酸付加塩を含む粒子を含み、ここで;
i)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも40%、好ましくは60%が250μm未満である、および/または
ii)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも40%、好ましくは60%が10から250μmである、および/または
iii)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%が10から250μmである、および/または
iv)製剤中の粒子サイズ分布の少なくとも25%または少なくとも35%が50から150μmである、
請求項1から66のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項68】
製剤中の医薬賦形剤の粒子サイズ分布が5から400μmである、請求項67記載の組成物または錠剤。
【請求項69】
DPP−IV阻害剤がビルダグリプチンまたはその薬学的に許容される酸付加塩である、請求項1から68のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項70】
製剤が多層または2層錠剤である、請求項1から69のいずれかに記載の医薬錠剤製剤。
【請求項71】
8.25、33または49.5mgのピオグリタゾンHCl塩を含む、請求項1から41または49から70のいずれかに記載の組成物または錠剤。
【請求項72】
製剤が多層または2層錠剤の形であり、該さらなる層がメトホルミン、スルホニルウレアまたはグリタゾンを含む、請求項1から69のいずれかに記載の組成物または錠剤。

【公表番号】特表2008−543767(P2008−543767A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515929(P2008−515929)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/022336
【国際公開番号】WO2006/135693
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】