EPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用
本発明は有効量の(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)の少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をヒト又は動物に投与することを特徴とする、肥満、太りすぎの状態の治療及び/予防のため、又は体重減少の調節のための方法に関する。また、本発明は体重減少を調節するため、また肥満又は太りすぎの状態の治療及び予防のための医療製品の製造のための上記脂肪酸組成物の使用に関する。更に、本発明はまた体重減少を調節し、支援するため、また体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの製造のための、EPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。更に、本発明はまた肥満、太りすぎの状態の非医療的処置のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するための、EPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を含むダイエット製品を含む。最後に、本発明はダイエット製品に上記脂肪酸組成物を補給する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は幾つかの局面を含む。本発明の第一の局面によれば、体重減少を調節するため、体重増加を予防するためかつ肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための新規医療製品の使用が開示される。本発明の第二の局面によれば、肥満、太りすぎの状態の治療及び/又は予防のため或いは体重減少を調節するための方法が開示される。本発明の第三の局面によれば、体重減少を調節し、支援するためかつ/又はヒト又は動物の体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの使用が開示される。更に、本発明の第四の局面によれば、肥満、太りすぎの状態の非医療的処置のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加の予防のためのダイエット製品(dietary product)が開示される。更に、本発明の第五の局面によれば、体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のためのダイエット食品(dietary food stuff)又は食物サプリメントの使用が開示される。最後に、本発明の第六の局面によれば、ダイエット食品を補給する方法が開示される。上記局面は下記の特徴:(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物、或いはEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をサプリメント製品に添加する工程の少なくとも一つに基づいている。
【背景技術】
【0002】
多くの個体が今日の工業化された世界中で最も普通の栄養障害であると今考えられている症状である、太りすぎ及び肥満になりつつある。太りすぎ及び肥満は25又は30を越える体格指数(body-mass index)により特定し得る。正常な値は18から25までの範囲である。米国では、人口の34%が太りすぎであり、別の27%が肥満である。これは米国の全人口の60%より多くが体重問題(これはおそらく心血管疾患についての全てのリスク因子である、重度の健康問題、例えば、高血圧及び上昇した血液脂質を生じる)を有すると同定し得るものを有することを意味する。
太りすぎ及び肥満はエネルギー摂取とエネルギー使用の間の不均衡により引き起こされる。工業化された世界では、我々はあまりにも多くを食し、あまりにも少なく肉体的活動にかかわる傾向がある。しかしながら、これらの条件下で太るようになる可能性は、スリムな個体が太りすぎである個体と同じ条件下で存在するという事実により証明されるように、各自について同じではない。更に、栄養因子が遺伝子発現を調節し得るという思いがけないことは肥満を治療するための新規な治療の別法を開発する可能性を開拓していた。肥満を治療し、体脂肪蓄積を減少することを目的とする治療戦略における重大な問題はこのような戦略が代謝エネルギーを貯蔵し、栄養が乏しい期間の生存を支援するために関係する強力かつ多くのメカニズムに対して作用することである。
脂肪組織中に一旦貯蔵されると、代謝エネルギーは高い食物摂取の負のエネルギーバランスの条件下、即ち、絶食及び/又は肉体運動中にのみ放出される。重要なことに、これらの条件下の組織のエネルギー含量の損失は、脂肪組織細胞からの脂肪酸の増大された分泌と、組織脂質の異化作用(これは絶食中に増大する)の両方から生じる(Wang Tら, Obesity Research 11:880-887, 2003)。
脂肪は脂肪酸を含み、脂肪は最もカロリーの密な栄養である。高脂肪食が過剰の体重増加に関連しているが、全ての脂肪が同等であるとは限らない。胃腸道中で、脂肪がリパーゼにより脂肪酸に分解され、腸の細胞に吸収される。腸の細胞、リンパ系及び肝臓中で、脂肪複合体が生成されて脂肪酸を輸送する。循環中に、これらの脂肪酸がリパーゼにより放出されて細胞に入り、又は細胞膜に組み込まれるようになる。殆どの脂肪酸がエネルギーに使用されるが、或る種の、特にポリ不飽和脂肪酸が細胞のタンパク質(これらは順に核に入り、遺伝子をオフ及びオンにする)と相互作用することを含むその他の機能を有する。これらの遺伝子はグルコース及び脂肪からのエネルギー生成を調節するのに重要なタンパク質をコードすることが知られている。
【0003】
脂肪酸はそれらの三次元構造を異にし、これは分子の鎖長及び存在する二重結合の数により決められる。最も普通の食物脂肪は中間鎖から長鎖までの脂肪酸である。飽和脂肪酸は二重結合を有さず、直線の分子をもたらす。二重結合が存在する場合、120度の角度が生じられる。こうして、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)は飽和脂肪酸と較べた場合に完全に異なる空間分解能を有する。脂肪酸間の三次元構造の相違はPUFAが細胞に対するシグナル伝達剤として作用し、遺伝子転写をオフ又はオンに切り替えることができるが、飽和脂肪酸が認識されず、効果を有しないことを意味する。実験熱量計では、全ての脂肪がそれらの飽和又は不飽和の性質にかかわらず1グラム当り9kcalのエネルギーを発生するが、食事の一部である場合に、PUFAは飽和脂肪酸と較べて代謝エネルギー生成及び体重増加に関して完全に異なる正味の効果を生じる。こうして、飽和脂肪酸は人体における主要なエネルギー源であり、一方、PUFAは異なる機能を果たす。PUFAは主として種子、木の実又は魚油に由来する。それらは鎖末端から3個、6個又は9個の炭素原子だけ離れて位置されるそれらの最初の二重結合を有し得る。こうして、それらはオメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸及びオメガ-9脂肪酸、又はn-3脂肪酸、n-6脂肪酸及びn-9脂肪酸として知られている。ヒトはこれらの脂肪酸を必須の食物成分にする3位又は6位に二重結合を有する脂肪酸を合成することができない。或る場合には、PUFAの両方の型が同じ作用を有し得る。一例は肝臓中で脂質合成を抑制すると同時に肝臓及び骨格筋中で脂肪酸酸化をアップレギュレートするPUFAの効果である。また、PUFAは解糖酵素及び脂質生合成酵素をコードする肝臓遺伝子の転写を減少することが実証されていた。こうして、肝臓及び筋肉中の遺伝子発現に関するPUFAの効果が増大された代謝及び減少された脂肪貯蔵をもたらし、体重増加を防止することを助ける。エネルギー変換は主として細胞内のミトコンドリアに位置される。ミトコンドリアは中間鎖脂肪酸及び短鎖脂肪酸を優先的に酸化する。放出されたエネルギーがATPに変換され、これが多数のエネルギー依存プロセスに使用される。しかしながら、ミトコンドリアのエネルギー変換は100%有効ではなく、代謝エネルギーの一部が熱として放出される。ミトコンドリアのエネルギー変換の効率はミトコンドリアの未結合タンパク質により調節される。更に、PUFAはまた代謝エネルギー変換のための別の部位、即ち、細胞膜内にまた配置されるペルオキシソームに影響する。ミトコンドリアの主な役割はエネルギーに富むATPの生成であるが、ペルオキシソームは熱の発生に一層活性であるとともに、ミトコンドリア中のそれらの更なる酸化の前にポリ不飽和長鎖脂肪酸を短くする。その正味の効果は脂肪蓄積を増大することに代えて増大された熱の発生である。PUFAはペルオキシソームの量及び活性を増大するペルオキシソーム増殖物質である。
【0004】
更に、絶食中に、脂肪過多、脂肪細胞のエネルギー含量の低下をもたらす主要な生理学的状況はミトコンドリアの未結合タンパク質2のアップレギュレーションのような、幾つかのメカニズムにより減少し得る(Millet Lら, J. Clin. Invest. 100:2665-2670, 1997; Vidal-Puig A.ら, Obesity Research 7:133-140, 1999を参照のこと)。更に、ラットにおける食物オメガ-3 PUFAによる腹部脂肪の減少が脂肪組織中の未結合タンパク質2及び3の発現の増大されたレベルと関連していることが示されていた(Oudart H.ら, Int. J. Obesity and Metab. Disord. 24 Supp 1:S130, 2000; Hun C.S.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 259:85-90, 1999)。更に、健康な成人における魚油による可視脂肪の6g/日の置換が脂肪質量を減少し、基底脂質酸化を増大することがまた示されていたが(Couet C, Delarue J, Ritz P, Antoine J-M及びLamisse F, 1997, International Journal of Obesity 21: 637-643)、同時に魚油は体重減少に有意な効果を有しなかった。最後に、US 2003203004 A1は体重の管理に有益である短鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を含む組成物を記載している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に基づいて、幾つかの局面が特許請求の範囲に示される。これらの局面は以下のとおりである。
1. 体重減少を調節するため、体重増加の予防のためかつ/又は肥満もしくは太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための新規医療製品の使用。
2. 肥満、太りすぎの状態の治療及び/又は予防のため又は体重減少の調節及び/又は体重増加の予防のための方法。
3. 体重減少を調節し、支援すること及び/又はヒトもしくは動物の体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの使用。
4. 肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加を抑制するためのダイエット製品。
5. 体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加を予防するためのダイエット食品又は食物サプリメントの使用。
6. ダイエット食品を補給するための方法。
上記局面は下記の特徴の少なくとも一つに基づいている。
・(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物。
・(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をサプリメント製品に添加する工程。
【0006】
本発明の第一の局面によれば、本発明は体重減少を調節するため、肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のためかつ/又は体重増加の予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。本発明に至る研究から、本発明の脂肪酸組成物がマウスで体重減少をもたらし、高脂肪(HF)食、所謂HF肥満促進食で飼育されたマウスで体重増加を予防することが驚くことにわかった。
好ましい実施態様において、本発明は体重減少を調節するため、肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のためかつ/又は体重増加の予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である)の使用に関する。Xは整数又は非整数の一つであることを注目されたい。
更に、本発明に至る研究から、体重減少に関する本発明の最も好ましい効果がDHAに富む脂肪酸組成物により達成されることがわかった。本明細書中の“富む”という用語は多かれ少なかれ主としてDHA、又はその誘導体を含む脂肪酸組成物(EPAなし)、及びDHA≧EPAの量の場合の脂肪酸組成物を含む。更に、本明細書中の“量”という用語は脂肪酸組成物の重量又は容積に関する。更に、所望の薬理学的かつ/又は治療上の効果が本発明の脂肪酸組成物により得られてもよい。
加えて、先に知られたように、食物減少単独はヒトの体重減少を有効にもたらさないであろう。好適には、本発明の治療はカロリー制限(絶食)、食餌療法及び肉体の運動の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせと組み合わされ、これがヒト又は動物の体重減少及び/又は体重増加の抑制をもたらし得る。ダイエット、即ち、カロリーの減少は動物又はヒトを本発明の脂肪酸組成物の効果に一層感受性にするために設計されることが好ましい。
更に、これは肥満又は太りすぎの状態を治療し、かつ/又は予防する目的のためだけでなく、体重減少を調節し、支援し(好ましくはカロリー摂取の低減と組み合わせての、体重調節、体重減少に役立つ作用)そして好ましくは肥満又は太りすぎの状態の発生下の、体重増加の予防の目的のための本発明の脂肪酸組成物を含む医薬品、食品及び/又はダイエット製品についての将来の市場を開拓する。
【0007】
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA及びDHA、又はこれらの誘導体は1:1から1:8までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA:DHA比は約1:1から1:6までである。更に、本発明はまたDHA製品又はDHA誘導体製品である脂肪酸組成物を投与することを含む。
別の実施態様において、本発明の組成物中の脂肪酸はエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも一つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する。好ましい実施態様において、脂肪酸組成物はトリグリセリド形態の、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の組み合わせを含む。
別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも一つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる。それ故、本発明は、例えば、DHA含有微生物油並びに微生物源からのDHA含有油と海洋源からのEPA含有油の混合物の少なくとも一つを含む脂肪酸組成物を含む。更に、本発明の脂肪酸組成物は更にまたアラキドン酸(ARA)、ドコサペンタエン酸、ヘンエイコサペンタエン酸及びオクタデカテントラエン酸もしくはこれらの誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。EPA及び/又はDHA、或いはこれらの誘導体の少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造されることが好適である。更に、別の実施態様において、脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造される。
【0008】
更に、脂肪酸組成物は、例えば、ピル又は軟質カプセルの形態で、ヒト又は動物に、好ましくは経口で、投与されることが指摘されるべきである。しかしながら、本発明の医療製品はまた有効成分が有効に吸収され、例えば、静脈内、皮下又は筋肉内で利用し得る場合にはいずれかのその他の経路による投与のために製造されてもよい。
本発明の好ましい実施態様において、治療又は医療製品の摂取はヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。カロリー摂取の低減はまた肉体的運動と組み合わされることが好適である。ヒト又は動物への、本発明の医療製品の投与がカロリー摂取の低減と協力して行なわれる場合、体重の低下が一層有効であろう。更に、上記のことはまた太りすぎ又は肥満のヒト又は動物で体重増加の予防をもたらす。
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療は少なくとも5%のカロリー制限と組み合わされる。脂肪酸組成物による治療は10〜15%のカロリー制限と組み合わされることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施態様において、EPA及びDHA、これらの誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物がヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される。これは1日の食事の全脂質含量の10%から40%までが本発明の脂肪酸組成物により置換されてもよいことを意味する。脂肪酸組成物の日用量を特定する別の方法が先に示されていることを注目されたい。
本発明の別の好ましい実施態様において、DHA、もしくはその誘導体、又はEPAとDHAの組み合わせを含む脂肪酸組成物が脂肪酸組成物1〜15gの日用量を与える量で投与される。更に好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物2〜10gが毎日投与され、最も好ましい実施態様において、前記脂肪酸2〜8g(毎日)が投与される。実験で示されたように、本発明の脂肪酸組成物の効果は高用量で格別強いと考えられる。本発明の医療製品もしくは医薬組成物又は医薬製剤はまたその他の物質、例えば、不活性ビヒクル、又は医薬上許されるアジュバント、担体、防腐剤等を含んでもよく、これらは当業者に公知である。本発明の脂肪酸組成物はまた液体形態で投与されてもよい。更に、医療製品はペット又はウマの如き動物に投与されてもよい。
【0009】
本発明の第二の局面によれば、本発明は有効量の(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をヒト又は動物に投与することを特徴とする、肥満、及び太りすぎの状態の治療及び/予防のため、又は体重減少の調節及び/又は体重増加の予防のための方法に関する。本明細書中、“有効量”はまた脂肪酸組成物の治療上又は医薬上の活性な量を含む。この表現は所望の薬理学的効果及び/又は治療効果をもたらす前記脂肪酸組成物の用量に関する。所望の薬理学的効果及び/又は治療効果は、上記のように、本発明の脂肪酸組成物により得られる。
その方法の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物はDHA、その誘導体、又はEPAとDHAの組み合わせを含み、その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である。この方法は前記と同じ利点及び可能性をもたらす。こうして、上記実施態様は肥満、太りすぎの治療及び/又は予防に関する本発明の方法のためかつ/又は体重を調節し、かつ/又は減少するためそしてまた好ましくは太りすぎ又は肥満のヒト又は動物の、体重増加の予防のためにまた含まれる。更に、本発明の方法の別の実施態様において、体重を減少させる目的で、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される。
【0010】
本発明の第三の局面によれば、本発明は体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。本発明に至る研究から、本発明の脂肪酸組成物はマウスの体重減少をもたらし、高脂肪(HF)食、所謂HF肥満促進食で飼育されたマウスで体重増加を防止することが驚くことにわかった。
特別な実施態様において、本発明は体重を調節するため、かつ体重減少を支援するためかつ/又は体重増加を抑制又は遅延するための食品又は食物サプリメントの製造のための、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体と、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である)の使用に関する。体重減少に関する本発明の最も好ましい効果はまたDHA、その誘導体、又はDHAに富み、即ち、EPAに関してDHAの多い脂肪酸組成物の使用により達成される。体重を低下し、体重減少を調節し、支援すること及び/又は体重増加の予防の少なくとも一つのための食品を製造し、販売することの一つの利点はこのような食品が人々に一層容易に利用しやすいことである。彼らは好ましくは健康ストアー及び/又はスーパーマーケットで製品又はサプリメントを購入し、彼らは医師を訪問する必要がない。
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中の、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体は1:1から1:8までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA:DHA比は約1:1から1:6までである。本発明の別の実施態様において、脂肪酸組成物はDHA製品、又はDHA誘導体製品である。
更に、別の実施態様において、本発明の組成物中の脂肪酸はエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも一つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する。好ましい実施態様において、脂肪酸組成物はトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む。
別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つから得られる。それ故、食品又は食物サプリメントは、例えば、DHA含有微生物油並びに微生物源からのDHA含有油と海洋源からのEPA含有油の混合物の少なくとも1つを含む脂肪酸組成物を含む。更に、本発明の脂肪酸組成物は更にまた前記のようなその他の脂肪酸を含んでもよい。好適には、EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される。
【0011】
更に、食品又は食物サプリメントの別の実施態様において、脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造される。更に、脂肪酸組成物は、好ましくは経口で、ヒト又は動物に投与されることが指摘されるべきである。しかしながら、本発明の食品又は食物サプリメントはまた有効成分が有効に吸収され、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、鼻内、直腸、膣又は局所で利用し得る場合にいずれかのその他の経路による投与のために製造されてもよい。脂肪酸組成物はまた少なくとも液体油を含むエマルションの一部であってもよく、食品又は食物サプリメントが液体栄養剤又は飲料として投与される。
本発明の好ましい実施態様において、食品又は食物サプリメントの摂取がヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。本明細書中、動物はペット又はウマである。カロリー摂取の低減はまた肉体的運動と組み合わされることが好適である。ヒト又は動物への、本発明の食品又は食物サプリメントの投与がカロリー摂取の低減と協力して起こる場合、体重の低下が一層有効であろう。更に、体重増加の予防のための別の実施態様において、食品又は食物サプリメントの摂取はヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。軽度のカロリー制限、好ましくは毎日の食事におけるカロリーの5〜20%の低減、及び本発明の脂肪酸組成物の投与は、体重増加の予防に関する累積的効果を有すると考えられる。こうして、本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療が少なくとも5%のカロリー制限と組み合わされる。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療は10〜15%のカロリー制限と組み合わされる。上記に鑑みて、FDAによる永続的な体重減少の定義(これは1年にわたって10%の低下である)を満足することが可能であり得る。本発明に至る研究から、約10%のカロリー制限、及び本発明の脂肪酸組成物による治療の組み合わせが肥満の動物の体重増加を予防することが驚くことにわかった。
【0012】
本発明の別の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物についての毎日の食事の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される。これは毎日の食事の全脂質含量の10%から40%までが本発明の脂肪酸組成物により置換し得ることを意味する。
本発明の別の好ましい実施態様において、DHA又はEPAとDHAの組み合わせを含む脂肪酸組成物が前記脂肪酸組成物1g〜15gの日用量を与える量で投与される。更に好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物2〜10gが毎日投与され、最も好ましい実施態様において、前記脂肪酸2〜6g(1日あたり)が投与される。前記のように、本発明の脂肪酸組成物の効果は、好ましくは体重減少に関して、高用量で格別に強いと考えられる。更に、低用量の本発明の脂肪酸組成物による太りすぎ又は肥満の動物又はヒトの治療は体重増加の抑制又は予防をもたらすことに注目されたい。
別の好ましい実施態様において、食品又は食物サプリメントはカプセル、好ましくはゼラチンカプセル(そのカプセルが風味をつけられる)の形態である。この実施態様はまたカプセルを含み、カプセル及びカプセル化脂肪酸組成物、好ましくは魚油の両方が風味をつけられる。上記のようにカプセルに風味をつけることにより、製品が使用者に一層魅力的になるであろう。
更に、ヒトは絶食中にのみ体重を失うように設計されない。体重を失うことに理にかなった戦略はまた個体に基づいたエネルギー消費の手段及びダイエットのアドバイスを考慮すべきである。
こうして、本発明の第四の局面によれば、本発明は肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加の予防のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を含むダイエット製品に関する。
【0013】
本発明の好ましい実施態様において、ダイエット製品は肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加を抑制するために、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)の組み合わせを含む脂肪酸組成物を含み、その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である。脂肪酸組成物中の主な有効成分はDHA、又はその誘導体であることが好ましい。
本発明の別の実施態様において、ダイエット製品は体重ウォッチング(weight-watching)製品又はスリム化(slimming)製品である。
ダイエット製品の別の実施態様において、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。
ダイエット製品の別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる。脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造されることが好ましい。ダイエット製品の摂取がヒトに対してカロリー摂取の低減と組み合わされ、かつ/又は体重減少効果を促進し、増大するために肉体的活動と一緒に組み合わされることが好適である。
ダイエット製品の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について毎日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される。
更に、ダイエット製品が本発明の脂肪酸組成物を含む、バー(bar)、スナック又は、例えば、飲料であってもよい。
【0014】
本発明の第五の局面によれば、本発明はヒトの体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加を予防するためのダイエット製品の製造における、EPA、又はその誘導体、及びDHA、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。
好ましい実施態様において、体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重を調節し、体重減少を支援するためのダイエット製品の製造における、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:Xであり、Xが1以上である)の使用。更に、本発明に至る研究から、体重減少及び体重増加の予防の両方に関する本発明の最も好ましい効果はDHAに富む脂肪酸組成物により達成される。本発明の脂肪酸組成物の一つの特別な使用は脂肪酸組成物をサプリメント製品に混入することである。
本発明の第六の局面によれば、本発明はEPA、又はその誘導体、及びDHA、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を、好ましくはヒトの体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のためのサプリメント製品に添加する工程を含むことを特徴とするダイエット製品を補給する方法に関する。
ダイエット製品を補給するための方法の好ましい実施態様において、本発明は(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である)をサプリメント製品、例えば、体重ウォッチング製品又はスリム化製品に添加する工程に関する。
市場におけるダイエット製品の殆どが少量の飽和脂肪酸を含む。本発明は本発明の脂肪酸組成物を新しい又は既存のダイエット製品に混入する可能性を開拓する。本発明の好ましい実施態様において、魚油がダイエット製品に混入される。こうして、これは市場にダイエット製品を届けるのに一層速い方法であるかもしれず、その製品は体重減少を支援し、調節し、かつ/又は誘発するという目的を有する。更に、体重減少の治療及び/又は予防のため又は体重増加を抑制するための、有効量の脂肪酸組成物(その主な有効成分は(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む)を含む体重調節剤がまた本明細書に含まれる。
【0015】
更に、過剰の量の体脂肪を有する、肥満は30以上の体格指数と本明細書で定義され、一方、太りすぎは25を超える体格指数と定義される。肥満はまたしばしば節約遺伝子型と記載される、遺伝的素因のためである内臓肥満又は一般の肥満を含む。ライフサイクル及び環境、例えば、高脂肪含量もしくは高カロリー含量を有する食事、又は運動の欠如により生じた肥満がまた本明細書に記載されたように治療し得る。本明細書に使用される“治療”という用語は治癒目的又は軽減目的を有する治療及び肥満又は太りすぎ状態の治療の両方が急性又は慢性であり得ることを意味する。慢性治療は数週又は数年より多くにわたって続く治療を意味する。更に、本発明はまた本発明の脂肪酸組成物を投与することによる体重増加の予防を含む。本明細書に使用される体重増加の予防という用語はまた体重増加を抑制し、減量を行なう又は調節することを意味する。
以下の研究及び実施例において、添付図面が参考にされ、全ての図はマウスについて行なわれた研究に関する。これらの研究はEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が体重を低下し、かつ/又は或る条件下でまた体重増加を予防することを実証するために行なわれた。本明細書中、添付図面が参考にされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の幾つかの好ましい実施態様が、EPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む、脂肪酸組成物による治療が、体重を減少させ、かつ/又は体重の増加を予防することを実証するために行なわれた。
第一の好ましい実施態様において、体重に関する、約20%のEPA及び50%のDHA(重量比)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果が研究された。
第二の好ましい実施態様において、体重減少に関する、DHAに富む、オメガ-3脂肪酸組成物(本明細書中、約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物として表される)の用量の効果が研究された。本発明の第三の実施態様において、DHA濃縮オメガ-3製品、EPA製品及びオメガ-6脂肪酸を含む植物油の間の効果の潜在的な相違が、研究された。本発明の第四の実施態様及び第五の実施態様において、DHA濃縮オメガ-3製品及びEPA濃縮オメガ-3製品のみの間の効果の潜在的な相違が、研究された。
本発明の第六の実施態様において、肥満及び体重増加の予防に関するオメガ-3脂肪酸組成物の効果が、研究された。
最後に、第七の研究において、肥満を発生する条件下の体重減少並びにカロリー制限及びオメガ-3脂肪酸組成物の間の累積的効果が、評価された。
【実施例】
【0017】
<マウスについて行なわれた実験>
第七の異なる実験をマウスについて行なって体重を低下するため、かつ/又は体重増加を予防するための種々の治療を調べた。
研究1-5において、成体の雄のマウス(C57BL/6Jマウス)を半合成高脂肪食の異なる型(その場合、夫々の研究における脂肪成分を変更した)にランダムに指定した。二つの最後の研究では、成体の雄のマウス(C57BL/6Jマウス)を肥満促進HF(高脂肪)食(35%wt/wtの全脂質含量)(その場合、脂肪成分を変更した)にランダムに指定した。
〔研究1:体重減少〕
第一の研究では、体重に関するEPA及びDHAを含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果を研究した。約20%のEPA及び50%のDHAを含む混合物を使用した。標準飼育食(4%脂肪)で飼育された成体雄マウス(C57BL/6Jマウス)のグループ(n=7)を半合成高脂肪(20%脂肪)食の4種の異なる型の一つにランダムに指定した(その場合、脂肪成分はグループ1)ラード(L)、グループ2)ラード+EPAX2050TG(L+FO:EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)、グループ3)アマニ油(18:3n-3は全脂質の約50%を形成する;Ln)及びグループ4)アマニ油+EPAX2050TG(Ln+FO;EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)であった)。本明細書中のFOはこれらの研究に使用された種々のEPA濃厚物及びDHA濃厚物(例えば、DHAの高いEPAX対EPAの高いEPAX)を意味することを注目のこと。動物を1ヶ月中に上記の異なる食事で飼育し、EPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む飼料の組成を図1Aに示す。研究後に、全体重がグループ2(L+FO)vs.グループ1(L)、及びグループ4(Ln+FO)vs.グループ3(Ln)で低下され、その差は図1Bから明らかなように、グループ4vs.3で統計上有意であった。治療前のマウスの体重は全てのグループで同様であった。アマニ油+EPAX2050TGを与えられたマウスはアマニ油のみを与えられたマウスと較べて体重で約10%減少した。
この研究はEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物(DHA≧EPAの量)による治療が体重減少をもたらすことを示す。
【0018】
〔研究2:体重減少〕
第二の研究では、体重の低下に関するEPA及びDHAの組み合わせ(約20%のEPA及び50%のDHA)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の用量の効果を研究した。標準食(standard chow diet)(4%脂肪)による成体雄マウスのグループ(n=7)を2ヶ月にわたって三つの異なる半合成高脂肪(20%脂肪)の一つにランダムに指定した。この実験では、グループ1)に本明細書の脂肪成分として、アマニ油(Ln)を与え、グループ2)にアマニ油+高用量のEPAX2050TG(Ln+FO;EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)を与え、またグループ3)にアマニ油+低用量のEPAX2050TG(Ln+FO低;EPAX2050TGは全脂質含量の15%w/wを形成した)を与えた。アマニ油のみ(Ln)並びに高用量のEPAX2050TGと一緒のアマニ油(Ln+FO)及び低用量のEPAX2050TGと一緒のアマニ油(Ln+FO低)を含む食餌の組成を図2Aに示す。研究の終了時に、全体重が図2Bから明らかなように、グループ2、即ち、高用量のEPAX2050TGとともにアマニ油を与えられたグループのみで低下された。
第二の研究の結果はDHA≧EPAの重量比の脂肪酸組成物を与えられたグループの体重減少でもって、第一の研究と一致する。更に、本研究からの結果はまた非常に低い用量のDHAに富む脂肪酸組成物の投与が高脂肪食で飼育されたラットの体重の有意な低下を生じなかったことを示す。
【0019】
〔研究3:体重減少〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)として表される)、EPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGとして表される)及びオメガ-6脂肪酸を含む植物油の間の効果の潜在的な相違を研究した。標準食(4%脂肪)で飼育した成体雄マウス(C57BL/6Jマウス)のグループ(n=7)を半合成高脂肪(20%脂肪)食の6種の異なる型の一つに指定し、この場合、脂肪成分はグループ1)アマニ油(植物オメガ-3)(Ln)、グループ2)トウモロコシ油(植物オメガ-6)(K)、グループ3)EPAX1050(高DHA)(D)、グループ4)EPAX4510TG(高EPA)(E)、グループ5)トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びグループ6)トウモロコシ油+EPAX4510TG(K+E)であった。標準食で管理された一つの対照グループ(-ST)をまた入れた。動物を2ヶ月中異なる食事で飼育した。食事の組成を図3A及び3Bに示す。図3Cに見られるように、食物消費は治療の8週中に1日当り及び動物当り約70KJであった。図3D中の結果は少なくともEPA及びDHA又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が体重減少をもたらすことを示す。体重減少がEPAX1050TG(DHAに富む脂肪酸組成物)で飼育された動物で得られたが、トウモロコシ油に加えての(製品により形成された全脂肪含量の44%)EPAX4510TG(EPAに富む脂肪酸組成物)ではそれ程ではなかった。しかしながら、EPAX1050TG(高DHA)の効果はEPAX4510と較べて強かった。更に、トウモロコシ油+EPAX1050TG(高DHA)で飼育されたマウスの体重は重量で約15%だけ減少した。動物は脂質成分のみとしてのEPAX1050TG(高DHA)のみを含む高脂肪(20%)半合成食を許容しない。EPAX1050TGで飼育した7匹のマウスのうちの1匹のみがその食事で4週より長く生存した。そのマウスはスリムになった。EPAX4510TGのみを含む食事で飼育したマウスの全てが生存したが、不健康に見えた。
第三の研究の結果は約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(DHAに富む脂肪酸組成物)の体重減少効果が約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAに富む)と較べて強かったことを示す。更に、トウモロコシ油による体重減少がアマニ油中に約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(第一の実験及び第二の実験における)による低下と同様であり、ラード中に約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(第一の実験における)による低下よりも強かった。もう一度、上記は好ましくはDHA≧EPAの、DHAに富む製品を使用する最良の様式を記載する。これらの結果はまた植物油(オメガ-3及びオメガ-6の両方)及び飽和脂肪(ラード)と較べて海洋源のオメガ-3製品の特別な体重減少効果を示唆する。
【0020】
〔研究4:体重減少に関するEPAに富む脂肪酸組成物対DHAに富む脂肪酸組成物の効果〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)と表される)及びEPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGと表される)の間の効果の潜在的な相違を研究した。生後4ヶ月で、固形食(chow diet)で飼育されたマウスを2グループ(n=7)に分け、その脂肪含量の44%(wt/wt)をEPAX4510TG(EPAに富む)又はEPAX1050TG(DHAに富む)により置換したトウモロコシ油(20%wt/wtの全脂質含量)をベースとする半合成HF食で飼育した。夫々の食餌について2ヶ月後に、食餌へのオメガ-3PUFA製品の両方の型の添加が体重の低下をもたらした。下記の表1を参照のこと。
【0021】
【表1】
b HFと較べた統計上の有意差
【0022】
表1:トウモロコシ油をベースとする半合成HF食で飼育されたマウスの体重に関するオメガ-3PUFAの効果
しかしながら、DHAに富む製品EPAX1050TGは体重減少に関してEPAX4510TGと較べて強い効果を示した。更に、この研究の結果はDHAに富むEPAXの影響された体重減少効果を支援する有意な効果を確かめる。
【0023】
〔研究5:DNAの減少に関するEPAに富む脂肪酸組成物対DHAに富む脂肪酸組成物の効果〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)と表される)及びEPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGと表される)の間の効果の更なる潜在的な相違を研究した。生後4ヶ月で、固形食で飼育されたマウスを3グループ(n=7)に分け、その脂肪含量の30%(wt/wt)をEPAX4510TG(EPAに富む;ハッチ付きバー)もしくはEPAX2050TG(DHAに富む;黒いバー)により置換したアマニ油(アルファ-リノール酸が全脂質の約50%を構成する)をベースとする半合成HF食、又は半合成HF食単独(開いたバー)で飼育した。夫々の食餌について1ヶ月後に、DNAを分析した。食餌へのDHAに富むオメガ-3PUFA製品(EPAX2050TG)の添加はDNAの減少をもたらし、これは脂肪細胞の数の減少を示し得る。図4を参照のこと。
こうして、本発明のDHA濃厚物及び/又はDHAに富む脂肪酸組成物はDNAの減少をもたらし、これは脂肪組織中の脂肪細胞の数の減少(即ち、脂肪細胞が死滅される)を示すと考えられる。
【0024】
〔研究6:体重増加及び肥満の予防〕
この第六の研究では、肥満及び体重の増加の予防に関するEPAとDHAの組み合わせ(約20%のEPA及び50%のDHA)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果を研究した。成体C57BL/6J雄マウスのグループ(n=7)を水及び主脂質成分としてのヒマワリ油で濃縮され、かつわずかな量のLCオメガ-3PUFAを含む通常の固形食に自由に接近させて制御された環境(20℃、12時間の明暗サイクル、午前6:00から照明)中に収容した。生後4ヶ月(-2週)で、固形食をHF(高脂肪)食又は所謂肥満促進HF食(全脂質含量35%wt/wt)により置換した。食餌組成について図5Aを参照のこと。HF複合食のエネルギー密度は22.3kJ/gであった。マウスにHF(高脂肪)複合食を与えた時、それらは固形食で管理されたよりも極めて高速で体重を増加し始めた。2週後(0週)、動物を5サブグループに分け、更に変更のないHF複合食(●)、又はEPAX2050TG(DHAに富む)によるその脂肪含量の15%(wt/wt;即ち、EPA+DHAによる9%の食餌脂質;○)又は44%(wt/wt;即ち、EPA+DHAにより形成された26%の脂質;▲)の置換によるHF複合食で随時飼育した。下記の表2を参照のこと。
【0025】
【表2】
a)異なる製品中のEPA及びDHAの量が製品100g中のg EPA/ g DHAとして表される。
b)オメガ-3PUFA製品により置換された食餌中の脂質成分の%(wt/wt)。
c)HF複合食(35%wt/wtの全脂質含量)及び脂質成分の一部がEPAX1050製品により置換された。
【0026】
カロリー制限(CR)養生法(同じ食餌で随時飼育されたマウスと較べた場合に30%のカロリー制限)のマウスをHF複合食単独(△)又は食餌中の脂質の15%(wt/wt)がEPAX1050TGにより形成された食餌(即ち、食餌各100g中の脂質35gのうちの約3g(脂質の約9%)がEPA/DHAにより置換された;■)で飼育した。
この研究の結果を図5Bに示す。重量増加がHF食による馴化の約2週後に明らかであり、その実験の次の5週以内に約6.5gに達した。体重増加はHF複合食のみで飼育されたマウスと較べて食餌中の15%の脂質がオメガ-3製品EPAX1050TG(DHAに富む)により置換されたHF複合食で飼育されたマウスで約2.7g低かった。これは低用量のオメガ-3製品(食餌の脂肪含量のわずかに15%w/w)でさえもが随時飼育されたマウスで肥満の発生を遅延したことを記載する。EPAX1050TGによる脂質の44%の置換は5週の飼育期間にわたって約3gの体重の正味の損失をもたらした。これらの条件下で、オメガ-3グループは5週の治療中に体重を失い、一方、対照グループ(レギュラーHF食)は体重を増加した。上記はレギュラーHF肥満促進食に添加されたオメガ-3製品の用量依存効果を示し、肥満の発生の条件下で低用量のDHAに富む脂肪酸組成物でさえもが治療の5週後に既に体重の増加を減少した。また、図5C中の要約を参照のこと。
【0027】
またその研究から明らかであるように、HF複合食で飼育された動物における30%のカロリー制限が治療の5週中に体重の正味の損失をもたらし、一方、CR動物の食餌中のEPAX1050の混合は30%CRの動物と較べて体重損失に関する小さい広範な効果、即ち、体重減少に関する累積的効果を有する。それ故、CRとオメガ-3製品の間の相互作用が更なる研究で更に詳しく調べられるであろう。また、オメガ-3製品による食餌の脂質の置換が動物の食物消費に影響しないと考えられることに注目されたい。
更に、この研究からの結果は低用量のDHAに富む脂肪酸組成物の投与が体重増加の有意な抑制又は予防をもたらすことを示す。高用量のDHAに富む脂肪酸組成物は肥満を発生する条件下で体重増加の有意な抑制又は予防及び体重減少効果の両方を示す。こうして、食事性肥満に関する体重の増加を相殺するのに必要とされるEPAX1050TGの用量はHF半合成食で比較的安定な体重を維持する動物で体重を減少させるのに必要とされる用量よりも低い。明らかに、肥満の発生は生物をEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物の体重減少作用に一層感受性にする。更に、上記実験は長鎖オメガ-3脂肪酸を含むHF複合食で飼育されたマウスにおける肥満の有意な減少を実証する。この研究はEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物(DHA≧EPAの量)による肥満、又は太りすぎの動物の治療がまた体重増加の予防をもたらすことを示す。体重増加を予防する効果はまた肥満又は太りすぎの状態の予防を意味する。
【0028】
〔研究7:肥満を発生する条件下の体重減少、及びカロリー制限(CR)とオメガ-3脂肪酸組成物の累積的効果〕
先の研究では、肥満を発生する条件下の体重減少に関するカロリー制限及びDHAに富む脂肪酸組成物の効果が充分に評価されなかった。それ故、マウスの肥満の発生中の、カロリー制限とオメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含むDHA濃縮オメガ-3製品(EPAX1050TG)と表される)の間の相互作用に関する相補研究を行なった。C57BL/6J雄マウスのグループ(n=7)を水及び標準食に自由に接近させて制御された環境(20℃、12時間の明暗サイクル、午前6:00から照明)中に収容した。生後4ヶ月で、動物を肥満促進HF(高脂肪)食にランダムに指定した。食餌組成について図4Aを参照のこと。上記食餌での馴化後の2週後(週0)、動物を4グループに分けた:a)随時のHF複合食、b)(a)と較べて10%のカロリー制限によるHF複合食、c)食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換されたHF複合食により随時飼育、及びd)食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換され、かつ食物の量が(a)と較べて10%だけ制限されたHF複合食により随時飼育。動物を5週中に異なる食餌で飼育した。
図6中の結果は肥満を発生する条件下のEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が肥満促進HF食のみで飼育されたマウスに関して体重の増加を有意に減少することを示す。先の研究と対照的に、温和なカロリー制限が肥満の発生を減少した。本明細書中、随時のHFと随時のHF+EPAXの間の差は統計上有意である(対のt検定、P<0.03)。更に、その二つの治療の組み合わせ(即ち、食物の量の10%が制限され、かつ食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換された)は対照のHF食で飼育されたマウスと較べて体重増加の予防をもたらす累積的効果を有する。
第七の研究の結果はDHAに富む脂肪酸組成物がHF複合食で飼育され、即ち、過剰の量の高脂肪含有食餌を消費するヒトの肥満を近似する条件下で飼育された動物の肥満の発生に関してカロリー制限(CR)の効果を高めることを示す。高食物摂取は動物又はヒトをEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物の作用に感受性にし、EPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物並びにカロリー制限の体重増加の予防に関する累積的効果が生じるのに必要であると考えられる。これはEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物が体重を減少させるだけでなく、体重の増加及び肥満を予防し得ることを記載する。もう一度、本発明の最良の様式は、好ましくはDHA≧EPAの、DHAに富む製品を使用することにより達成し得る。更に、これらの結果はまたヒトについてカロリー制限の一層管理しやすい食事療法を開拓する。何とならば、結果が低レベルのカロリー制限で既に効果を示すからである。
【0029】
<脂肪酸組成物の用量>
用量に関して、マウスからの結果は、食餌中の本発明の脂肪酸組成物、例えば、EPA及びDHA又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸の相対的含量に関する限り、ヒトに外挿し得る。先の研究では、20%(w/w)の脂肪を含む半合成食が使用され、脂質含量の少なくとも約28%が本発明の脂肪酸組成物により置換された場合(本発明の脂肪酸組成物の添加による)に、体重減少に関する効果が得られ、一方、本発明の脂肪酸組成物が食餌の脂質含量の9%を形成した場合には体重減少に殆ど効果がなかった。これらの食餌は脂質からエネルギーの40%を与えた。
全脂質含量(食餌中)に関する本発明の脂肪酸組成物の相対的含量は、体重減少の効果に関する限り、絶対的摂取よりも重要であり得る。それ故、本発明の一実施態様は食餌中の全脂質の少なくとも1/3を本発明のDHA及びEPAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物により置換することである。以下に示される幾つかの妥当な想像上のシナリオを参照のこと。
1.ヒトは低カロリー食に関して脂肪からの18%のカロリーで1000kcal/日を消費する。全脂質摂取20gの28%を本発明の脂肪酸組成物により置換するために、ヒトは脂肪酸組成物5,6g/日を必要とする。
体重減少の効果におけるカロリー制限と本発明の脂肪酸組成物の間の推定された相乗効果により、食餌の脂質中の低濃度の脂肪酸組成物がまた体重減少に関する効果を示す。
本発明の別の好ましい実施態様において、食餌中の脂質含量の少なくとも15%が本発明の脂肪酸組成物により置換される。これは脂肪からの18%のカロリーを含む1000kcal/日の非常に低いカロリー食中の、1日当り約3gの脂肪酸組成物を意味する。
【0030】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の肥満もしくは太りすぎの状態、又は体重調節のため及び/又は体重増加の予防のための治療及び/又は予防は、ヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。カロリー低下の食事療法が肉体的活動と組み合わされることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施態様において、前記のカロリー摂取の低減は肥満患者(成人)の短くかつ強い治療について、少なくとも800kcal(1日当り2520KJ)以下に低下される。更に好ましい実施態様において、EPA、その誘導体、及びDHA、又はそのいずれかの誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む前記脂肪酸組成物が、ヒトについて毎日の食餌の全脂質含量の10%から40%まで(に相当する)の日用量で投与される。更に、改善された結果を得るために、食餌の脂質含量がそのエネルギー含量の少なくとも15%に低下されてもよい。本発明の脂肪酸組成物は1〜5年までの期間にわたって、分けられた用量で、毎日投与されることが好ましい。一方、本発明の脂肪酸組成物の用量はまた、例えば、エスキモー又は同様の原住民により消費されるオメガ-3脂肪酸の量に関係するかもしれない。それ故、本発明の別の実施態様において、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む前記脂肪酸組成物が前記脂肪酸組成物1g〜15gの日用量を与える量で投与される。1〜10gの量が更に好ましく、1日当り2〜6gの量が最も好ましい。
【0031】
<考察>
結果はEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物が体重を低下し、かつ/又は体重増加を予防することを示す。DHAに富む本発明の製品の体重減少効果はDHAより多いEPAを含む製品と較べて強い。更に、特別な体重減少効果及び体重増加の予防は海洋源の本発明の脂肪酸組成物から得られることが好ましい。更に、結果、用量の計算及び商業上の価値に基づいて、本発明の脂肪酸組成物の使用はカロリー低減の食事療法と協力して進められてもよい。更に、カロリー制限と組み合わされた本発明の脂肪酸組成物の累積的効果が高い食物摂取及び太りすぎの状態又は肥満の発生の条件下で得られる。また、本発明の脂肪酸組成物を投与することによりヒト及び動物の両方について同じ体重減少効果及び/又は体重増加の予防を予想することが明らかである。
【0032】
更に、本発明のDHA濃厚物及び/又はDHAに富む脂肪酸組成物は脂肪組織中の脂肪細胞の数を減少し得る。
本発明の脂肪酸組成物、好ましくはDHAに富む脂肪酸組成物の投与による体重の低下及び/又は体重増加の予防は、少なくとも一部、ヒト又は動物中の脂肪組織細胞内の脂質(脂肪酸)の増大された酸化から生じ得る。こうして、好ましくはDHAに富む、脂肪酸組成物は、体脂肪の蓄積を阻止すると考えられる脂肪細胞中の代謝スイッチを誘導する。そのスイッチはミトコンドリアの酸化能を調節する遺伝子の誘導により脂肪細胞との本発明の脂肪酸組成物、好ましくはDHAに富む脂肪酸組成物の直接の相互作用により活性化し得る。ミトコンドリアの生合成を編成する転写因子(PGC1及びNRF1)が関係していると考えられる。遺伝子発現の変化が脂肪細胞中の、脂質を含む、種々の基質の酸化に重要であるミトコンドリア成分の増大された含量をもたらすと考えられる。更に、本発明の脂肪酸は脂肪組織中の脂肪酸酸化及び合成の活性の間の比を増大し、こうして代謝スイッチを活性化し得る。
本発明は示された実施態様及び実施例に限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】マウスの異なるグループに与えられたEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む半合成高脂肪食(20%w/wの脂肪)の組成を示す。
【図1B】EPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む食餌並びにEPAX2050TGを含むラード(L+FO)又はEPAX2050TGを含まないラード(L)を含む食餌による治療の1ヶ月後の全体重を示す。
【図2A】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、高用量のEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)及び低用量のEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO低)を含む半合成高脂肪食(20%w/wの脂肪)の組成を示す。
【図2B】治療の2ヶ月後の全体重を示す。
【図3A】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、トウモロコシ油(K)、EPAX1050TG(高DHA)(D)、EPAX4510TG(高EPA)(E)、トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びトウモロコシ油+EPAX4510(K+E)を含む半合成高脂肪(20%の脂肪)食の組成(単位%w/w)、標準食(ST)及び半合成食の夫々の組成(単位:食餌の全エネルギー含量の%)を示す。
【図3B】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、トウモロコシ油(K)、EPAX1050TG(高DHA)(D)、EPAX4510TG(高EPA)(E)、トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びトウモロコシ油+EPAX4510(K+E)を含む半合成高脂肪(20%の脂肪)食の組成(単位%w/w)、標準食(ST)及び半合成食の夫々の組成(単位:食餌の全エネルギー含量の%)を示す。
【図3C】治療の8週中の1日当り1動物当りの食物消費を示す。
【図3D】対照グループ(ST)と較べた治療の2ヶ月後の全体重を示す。
【図4】DNAの減少を示す。
【図5A】標準食(ST)、レギュラーHF(高脂肪)食、所謂肥満促進食、及び半合成高脂肪(20%の脂肪)食のエネルギー含量を示す。
【図5B】更なる変更のない(●)又はその脂肪含量の15%(○)もしくは44%(▲)をEPAX1050TG(DHAに富む)により置換した、HF複合食で随時飼育されたマウス、或いはHF複合食単独(△)又は食餌中の脂質の15%がEPAX1050TGにより形成された食餌(■)で飼育されたカロリー制限(CR)養生法のマウスの体重減少及び体重の増加の予防を示す。
【図5C】肥満の発生の条件下のレギュラーHF肥満促進食に添加されたオメガ-3製品の用量依存効果を示す。
【図6】体重に関するEPAX1050TG及び10%のカロリー制限の効果を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は幾つかの局面を含む。本発明の第一の局面によれば、体重減少を調節するため、体重増加を予防するためかつ肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための新規医療製品の使用が開示される。本発明の第二の局面によれば、肥満、太りすぎの状態の治療及び/又は予防のため或いは体重減少を調節するための方法が開示される。本発明の第三の局面によれば、体重減少を調節し、支援するためかつ/又はヒト又は動物の体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの使用が開示される。更に、本発明の第四の局面によれば、肥満、太りすぎの状態の非医療的処置のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加の予防のためのダイエット製品(dietary product)が開示される。更に、本発明の第五の局面によれば、体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のためのダイエット食品(dietary food stuff)又は食物サプリメントの使用が開示される。最後に、本発明の第六の局面によれば、ダイエット食品を補給する方法が開示される。上記局面は下記の特徴:(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物、或いはEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をサプリメント製品に添加する工程の少なくとも一つに基づいている。
【背景技術】
【0002】
多くの個体が今日の工業化された世界中で最も普通の栄養障害であると今考えられている症状である、太りすぎ及び肥満になりつつある。太りすぎ及び肥満は25又は30を越える体格指数(body-mass index)により特定し得る。正常な値は18から25までの範囲である。米国では、人口の34%が太りすぎであり、別の27%が肥満である。これは米国の全人口の60%より多くが体重問題(これはおそらく心血管疾患についての全てのリスク因子である、重度の健康問題、例えば、高血圧及び上昇した血液脂質を生じる)を有すると同定し得るものを有することを意味する。
太りすぎ及び肥満はエネルギー摂取とエネルギー使用の間の不均衡により引き起こされる。工業化された世界では、我々はあまりにも多くを食し、あまりにも少なく肉体的活動にかかわる傾向がある。しかしながら、これらの条件下で太るようになる可能性は、スリムな個体が太りすぎである個体と同じ条件下で存在するという事実により証明されるように、各自について同じではない。更に、栄養因子が遺伝子発現を調節し得るという思いがけないことは肥満を治療するための新規な治療の別法を開発する可能性を開拓していた。肥満を治療し、体脂肪蓄積を減少することを目的とする治療戦略における重大な問題はこのような戦略が代謝エネルギーを貯蔵し、栄養が乏しい期間の生存を支援するために関係する強力かつ多くのメカニズムに対して作用することである。
脂肪組織中に一旦貯蔵されると、代謝エネルギーは高い食物摂取の負のエネルギーバランスの条件下、即ち、絶食及び/又は肉体運動中にのみ放出される。重要なことに、これらの条件下の組織のエネルギー含量の損失は、脂肪組織細胞からの脂肪酸の増大された分泌と、組織脂質の異化作用(これは絶食中に増大する)の両方から生じる(Wang Tら, Obesity Research 11:880-887, 2003)。
脂肪は脂肪酸を含み、脂肪は最もカロリーの密な栄養である。高脂肪食が過剰の体重増加に関連しているが、全ての脂肪が同等であるとは限らない。胃腸道中で、脂肪がリパーゼにより脂肪酸に分解され、腸の細胞に吸収される。腸の細胞、リンパ系及び肝臓中で、脂肪複合体が生成されて脂肪酸を輸送する。循環中に、これらの脂肪酸がリパーゼにより放出されて細胞に入り、又は細胞膜に組み込まれるようになる。殆どの脂肪酸がエネルギーに使用されるが、或る種の、特にポリ不飽和脂肪酸が細胞のタンパク質(これらは順に核に入り、遺伝子をオフ及びオンにする)と相互作用することを含むその他の機能を有する。これらの遺伝子はグルコース及び脂肪からのエネルギー生成を調節するのに重要なタンパク質をコードすることが知られている。
【0003】
脂肪酸はそれらの三次元構造を異にし、これは分子の鎖長及び存在する二重結合の数により決められる。最も普通の食物脂肪は中間鎖から長鎖までの脂肪酸である。飽和脂肪酸は二重結合を有さず、直線の分子をもたらす。二重結合が存在する場合、120度の角度が生じられる。こうして、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)は飽和脂肪酸と較べた場合に完全に異なる空間分解能を有する。脂肪酸間の三次元構造の相違はPUFAが細胞に対するシグナル伝達剤として作用し、遺伝子転写をオフ又はオンに切り替えることができるが、飽和脂肪酸が認識されず、効果を有しないことを意味する。実験熱量計では、全ての脂肪がそれらの飽和又は不飽和の性質にかかわらず1グラム当り9kcalのエネルギーを発生するが、食事の一部である場合に、PUFAは飽和脂肪酸と較べて代謝エネルギー生成及び体重増加に関して完全に異なる正味の効果を生じる。こうして、飽和脂肪酸は人体における主要なエネルギー源であり、一方、PUFAは異なる機能を果たす。PUFAは主として種子、木の実又は魚油に由来する。それらは鎖末端から3個、6個又は9個の炭素原子だけ離れて位置されるそれらの最初の二重結合を有し得る。こうして、それらはオメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸及びオメガ-9脂肪酸、又はn-3脂肪酸、n-6脂肪酸及びn-9脂肪酸として知られている。ヒトはこれらの脂肪酸を必須の食物成分にする3位又は6位に二重結合を有する脂肪酸を合成することができない。或る場合には、PUFAの両方の型が同じ作用を有し得る。一例は肝臓中で脂質合成を抑制すると同時に肝臓及び骨格筋中で脂肪酸酸化をアップレギュレートするPUFAの効果である。また、PUFAは解糖酵素及び脂質生合成酵素をコードする肝臓遺伝子の転写を減少することが実証されていた。こうして、肝臓及び筋肉中の遺伝子発現に関するPUFAの効果が増大された代謝及び減少された脂肪貯蔵をもたらし、体重増加を防止することを助ける。エネルギー変換は主として細胞内のミトコンドリアに位置される。ミトコンドリアは中間鎖脂肪酸及び短鎖脂肪酸を優先的に酸化する。放出されたエネルギーがATPに変換され、これが多数のエネルギー依存プロセスに使用される。しかしながら、ミトコンドリアのエネルギー変換は100%有効ではなく、代謝エネルギーの一部が熱として放出される。ミトコンドリアのエネルギー変換の効率はミトコンドリアの未結合タンパク質により調節される。更に、PUFAはまた代謝エネルギー変換のための別の部位、即ち、細胞膜内にまた配置されるペルオキシソームに影響する。ミトコンドリアの主な役割はエネルギーに富むATPの生成であるが、ペルオキシソームは熱の発生に一層活性であるとともに、ミトコンドリア中のそれらの更なる酸化の前にポリ不飽和長鎖脂肪酸を短くする。その正味の効果は脂肪蓄積を増大することに代えて増大された熱の発生である。PUFAはペルオキシソームの量及び活性を増大するペルオキシソーム増殖物質である。
【0004】
更に、絶食中に、脂肪過多、脂肪細胞のエネルギー含量の低下をもたらす主要な生理学的状況はミトコンドリアの未結合タンパク質2のアップレギュレーションのような、幾つかのメカニズムにより減少し得る(Millet Lら, J. Clin. Invest. 100:2665-2670, 1997; Vidal-Puig A.ら, Obesity Research 7:133-140, 1999を参照のこと)。更に、ラットにおける食物オメガ-3 PUFAによる腹部脂肪の減少が脂肪組織中の未結合タンパク質2及び3の発現の増大されたレベルと関連していることが示されていた(Oudart H.ら, Int. J. Obesity and Metab. Disord. 24 Supp 1:S130, 2000; Hun C.S.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 259:85-90, 1999)。更に、健康な成人における魚油による可視脂肪の6g/日の置換が脂肪質量を減少し、基底脂質酸化を増大することがまた示されていたが(Couet C, Delarue J, Ritz P, Antoine J-M及びLamisse F, 1997, International Journal of Obesity 21: 637-643)、同時に魚油は体重減少に有意な効果を有しなかった。最後に、US 2003203004 A1は体重の管理に有益である短鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を含む組成物を記載している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に基づいて、幾つかの局面が特許請求の範囲に示される。これらの局面は以下のとおりである。
1. 体重減少を調節するため、体重増加の予防のためかつ/又は肥満もしくは太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための新規医療製品の使用。
2. 肥満、太りすぎの状態の治療及び/又は予防のため又は体重減少の調節及び/又は体重増加の予防のための方法。
3. 体重減少を調節し、支援すること及び/又はヒトもしくは動物の体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの使用。
4. 肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加を抑制するためのダイエット製品。
5. 体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加を予防するためのダイエット食品又は食物サプリメントの使用。
6. ダイエット食品を補給するための方法。
上記局面は下記の特徴の少なくとも一つに基づいている。
・(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物。
・(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をサプリメント製品に添加する工程。
【0006】
本発明の第一の局面によれば、本発明は体重減少を調節するため、肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のためかつ/又は体重増加の予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。本発明に至る研究から、本発明の脂肪酸組成物がマウスで体重減少をもたらし、高脂肪(HF)食、所謂HF肥満促進食で飼育されたマウスで体重増加を予防することが驚くことにわかった。
好ましい実施態様において、本発明は体重減少を調節するため、肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のためかつ/又は体重増加の予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である)の使用に関する。Xは整数又は非整数の一つであることを注目されたい。
更に、本発明に至る研究から、体重減少に関する本発明の最も好ましい効果がDHAに富む脂肪酸組成物により達成されることがわかった。本明細書中の“富む”という用語は多かれ少なかれ主としてDHA、又はその誘導体を含む脂肪酸組成物(EPAなし)、及びDHA≧EPAの量の場合の脂肪酸組成物を含む。更に、本明細書中の“量”という用語は脂肪酸組成物の重量又は容積に関する。更に、所望の薬理学的かつ/又は治療上の効果が本発明の脂肪酸組成物により得られてもよい。
加えて、先に知られたように、食物減少単独はヒトの体重減少を有効にもたらさないであろう。好適には、本発明の治療はカロリー制限(絶食)、食餌療法及び肉体の運動の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせと組み合わされ、これがヒト又は動物の体重減少及び/又は体重増加の抑制をもたらし得る。ダイエット、即ち、カロリーの減少は動物又はヒトを本発明の脂肪酸組成物の効果に一層感受性にするために設計されることが好ましい。
更に、これは肥満又は太りすぎの状態を治療し、かつ/又は予防する目的のためだけでなく、体重減少を調節し、支援し(好ましくはカロリー摂取の低減と組み合わせての、体重調節、体重減少に役立つ作用)そして好ましくは肥満又は太りすぎの状態の発生下の、体重増加の予防の目的のための本発明の脂肪酸組成物を含む医薬品、食品及び/又はダイエット製品についての将来の市場を開拓する。
【0007】
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA及びDHA、又はこれらの誘導体は1:1から1:8までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA:DHA比は約1:1から1:6までである。更に、本発明はまたDHA製品又はDHA誘導体製品である脂肪酸組成物を投与することを含む。
別の実施態様において、本発明の組成物中の脂肪酸はエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも一つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する。好ましい実施態様において、脂肪酸組成物はトリグリセリド形態の、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の組み合わせを含む。
別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも一つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる。それ故、本発明は、例えば、DHA含有微生物油並びに微生物源からのDHA含有油と海洋源からのEPA含有油の混合物の少なくとも一つを含む脂肪酸組成物を含む。更に、本発明の脂肪酸組成物は更にまたアラキドン酸(ARA)、ドコサペンタエン酸、ヘンエイコサペンタエン酸及びオクタデカテントラエン酸もしくはこれらの誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。EPA及び/又はDHA、或いはこれらの誘導体の少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造されることが好適である。更に、別の実施態様において、脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造される。
【0008】
更に、脂肪酸組成物は、例えば、ピル又は軟質カプセルの形態で、ヒト又は動物に、好ましくは経口で、投与されることが指摘されるべきである。しかしながら、本発明の医療製品はまた有効成分が有効に吸収され、例えば、静脈内、皮下又は筋肉内で利用し得る場合にはいずれかのその他の経路による投与のために製造されてもよい。
本発明の好ましい実施態様において、治療又は医療製品の摂取はヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。カロリー摂取の低減はまた肉体的運動と組み合わされることが好適である。ヒト又は動物への、本発明の医療製品の投与がカロリー摂取の低減と協力して行なわれる場合、体重の低下が一層有効であろう。更に、上記のことはまた太りすぎ又は肥満のヒト又は動物で体重増加の予防をもたらす。
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療は少なくとも5%のカロリー制限と組み合わされる。脂肪酸組成物による治療は10〜15%のカロリー制限と組み合わされることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施態様において、EPA及びDHA、これらの誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物がヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される。これは1日の食事の全脂質含量の10%から40%までが本発明の脂肪酸組成物により置換されてもよいことを意味する。脂肪酸組成物の日用量を特定する別の方法が先に示されていることを注目されたい。
本発明の別の好ましい実施態様において、DHA、もしくはその誘導体、又はEPAとDHAの組み合わせを含む脂肪酸組成物が脂肪酸組成物1〜15gの日用量を与える量で投与される。更に好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物2〜10gが毎日投与され、最も好ましい実施態様において、前記脂肪酸2〜8g(毎日)が投与される。実験で示されたように、本発明の脂肪酸組成物の効果は高用量で格別強いと考えられる。本発明の医療製品もしくは医薬組成物又は医薬製剤はまたその他の物質、例えば、不活性ビヒクル、又は医薬上許されるアジュバント、担体、防腐剤等を含んでもよく、これらは当業者に公知である。本発明の脂肪酸組成物はまた液体形態で投与されてもよい。更に、医療製品はペット又はウマの如き動物に投与されてもよい。
【0009】
本発明の第二の局面によれば、本発明は有効量の(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、又はその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物をヒト又は動物に投与することを特徴とする、肥満、及び太りすぎの状態の治療及び/予防のため、又は体重減少の調節及び/又は体重増加の予防のための方法に関する。本明細書中、“有効量”はまた脂肪酸組成物の治療上又は医薬上の活性な量を含む。この表現は所望の薬理学的効果及び/又は治療効果をもたらす前記脂肪酸組成物の用量に関する。所望の薬理学的効果及び/又は治療効果は、上記のように、本発明の脂肪酸組成物により得られる。
その方法の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物はDHA、その誘導体、又はEPAとDHAの組み合わせを含み、その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である。この方法は前記と同じ利点及び可能性をもたらす。こうして、上記実施態様は肥満、太りすぎの治療及び/又は予防に関する本発明の方法のためかつ/又は体重を調節し、かつ/又は減少するためそしてまた好ましくは太りすぎ又は肥満のヒト又は動物の、体重増加の予防のためにまた含まれる。更に、本発明の方法の別の実施態様において、体重を減少させる目的で、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される。
【0010】
本発明の第三の局面によれば、本発明は体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のための食品又は食物サプリメントの製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。本発明に至る研究から、本発明の脂肪酸組成物はマウスの体重減少をもたらし、高脂肪(HF)食、所謂HF肥満促進食で飼育されたマウスで体重増加を防止することが驚くことにわかった。
特別な実施態様において、本発明は体重を調節するため、かつ体重減少を支援するためかつ/又は体重増加を抑制又は遅延するための食品又は食物サプリメントの製造のための、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体と、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である)の使用に関する。体重減少に関する本発明の最も好ましい効果はまたDHA、その誘導体、又はDHAに富み、即ち、EPAに関してDHAの多い脂肪酸組成物の使用により達成される。体重を低下し、体重減少を調節し、支援すること及び/又は体重増加の予防の少なくとも一つのための食品を製造し、販売することの一つの利点はこのような食品が人々に一層容易に利用しやすいことである。彼らは好ましくは健康ストアー及び/又はスーパーマーケットで製品又はサプリメントを購入し、彼らは医師を訪問する必要がない。
本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中の、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体は1:1から1:8までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物中のEPA:DHA比は約1:1から1:6までである。本発明の別の実施態様において、脂肪酸組成物はDHA製品、又はDHA誘導体製品である。
更に、別の実施態様において、本発明の組成物中の脂肪酸はエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも一つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する。好ましい実施態様において、脂肪酸組成物はトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む。
別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つから得られる。それ故、食品又は食物サプリメントは、例えば、DHA含有微生物油並びに微生物源からのDHA含有油と海洋源からのEPA含有油の混合物の少なくとも1つを含む脂肪酸組成物を含む。更に、本発明の脂肪酸組成物は更にまた前記のようなその他の脂肪酸を含んでもよい。好適には、EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される。
【0011】
更に、食品又は食物サプリメントの別の実施態様において、脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造される。更に、脂肪酸組成物は、好ましくは経口で、ヒト又は動物に投与されることが指摘されるべきである。しかしながら、本発明の食品又は食物サプリメントはまた有効成分が有効に吸収され、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、鼻内、直腸、膣又は局所で利用し得る場合にいずれかのその他の経路による投与のために製造されてもよい。脂肪酸組成物はまた少なくとも液体油を含むエマルションの一部であってもよく、食品又は食物サプリメントが液体栄養剤又は飲料として投与される。
本発明の好ましい実施態様において、食品又は食物サプリメントの摂取がヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。本明細書中、動物はペット又はウマである。カロリー摂取の低減はまた肉体的運動と組み合わされることが好適である。ヒト又は動物への、本発明の食品又は食物サプリメントの投与がカロリー摂取の低減と協力して起こる場合、体重の低下が一層有効であろう。更に、体重増加の予防のための別の実施態様において、食品又は食物サプリメントの摂取はヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。軽度のカロリー制限、好ましくは毎日の食事におけるカロリーの5〜20%の低減、及び本発明の脂肪酸組成物の投与は、体重増加の予防に関する累積的効果を有すると考えられる。こうして、本発明の好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療が少なくとも5%のカロリー制限と組み合わされる。更に好ましい実施態様において、脂肪酸組成物による治療は10〜15%のカロリー制限と組み合わされる。上記に鑑みて、FDAによる永続的な体重減少の定義(これは1年にわたって10%の低下である)を満足することが可能であり得る。本発明に至る研究から、約10%のカロリー制限、及び本発明の脂肪酸組成物による治療の組み合わせが肥満の動物の体重増加を予防することが驚くことにわかった。
【0012】
本発明の別の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物についての毎日の食事の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される。これは毎日の食事の全脂質含量の10%から40%までが本発明の脂肪酸組成物により置換し得ることを意味する。
本発明の別の好ましい実施態様において、DHA又はEPAとDHAの組み合わせを含む脂肪酸組成物が前記脂肪酸組成物1g〜15gの日用量を与える量で投与される。更に好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物2〜10gが毎日投与され、最も好ましい実施態様において、前記脂肪酸2〜6g(1日あたり)が投与される。前記のように、本発明の脂肪酸組成物の効果は、好ましくは体重減少に関して、高用量で格別に強いと考えられる。更に、低用量の本発明の脂肪酸組成物による太りすぎ又は肥満の動物又はヒトの治療は体重増加の抑制又は予防をもたらすことに注目されたい。
別の好ましい実施態様において、食品又は食物サプリメントはカプセル、好ましくはゼラチンカプセル(そのカプセルが風味をつけられる)の形態である。この実施態様はまたカプセルを含み、カプセル及びカプセル化脂肪酸組成物、好ましくは魚油の両方が風味をつけられる。上記のようにカプセルに風味をつけることにより、製品が使用者に一層魅力的になるであろう。
更に、ヒトは絶食中にのみ体重を失うように設計されない。体重を失うことに理にかなった戦略はまた個体に基づいたエネルギー消費の手段及びダイエットのアドバイスを考慮すべきである。
こうして、本発明の第四の局面によれば、本発明は肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加の予防のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、その誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、その誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を含むダイエット製品に関する。
【0013】
本発明の好ましい実施態様において、ダイエット製品は肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のためかつ/又は体重減少を支援し、調節するためかつ/又は体重増加を抑制するために、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)の組み合わせを含む脂肪酸組成物を含み、その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である。脂肪酸組成物中の主な有効成分はDHA、又はその誘導体であることが好ましい。
本発明の別の実施態様において、ダイエット製品は体重ウォッチング(weight-watching)製品又はスリム化(slimming)製品である。
ダイエット製品の別の実施態様において、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で組成物中に存在する。
ダイエット製品の別の実施態様において、EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる。脂肪酸組成物が海産油、例えば、魚油から製造されることが好ましい。ダイエット製品の摂取がヒトに対してカロリー摂取の低減と組み合わされ、かつ/又は体重減少効果を促進し、増大するために肉体的活動と一緒に組み合わされることが好適である。
ダイエット製品の好ましい実施態様において、前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について毎日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される。
更に、ダイエット製品が本発明の脂肪酸組成物を含む、バー(bar)、スナック又は、例えば、飲料であってもよい。
【0014】
本発明の第五の局面によれば、本発明はヒトの体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加を予防するためのダイエット製品の製造における、EPA、又はその誘導体、及びDHA、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用に関する。
好ましい実施態様において、体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重を調節し、体重減少を支援するためのダイエット製品の製造における、(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:Xであり、Xが1以上である)の使用。更に、本発明に至る研究から、体重減少及び体重増加の予防の両方に関する本発明の最も好ましい効果はDHAに富む脂肪酸組成物により達成される。本発明の脂肪酸組成物の一つの特別な使用は脂肪酸組成物をサプリメント製品に混入することである。
本発明の第六の局面によれば、本発明はEPA、又はその誘導体、及びDHA、又はその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を、好ましくはヒトの体重減少を調節し、支援するためかつ/又は体重増加の予防のためのサプリメント製品に添加する工程を含むことを特徴とするダイエット製品を補給する方法に関する。
ダイエット製品を補給するための方法の好ましい実施態様において、本発明は(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体、或いは(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)と(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)、又はその誘導体の組み合わせを含む脂肪酸組成物(その脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比は1:Xであり、Xは1以上である)をサプリメント製品、例えば、体重ウォッチング製品又はスリム化製品に添加する工程に関する。
市場におけるダイエット製品の殆どが少量の飽和脂肪酸を含む。本発明は本発明の脂肪酸組成物を新しい又は既存のダイエット製品に混入する可能性を開拓する。本発明の好ましい実施態様において、魚油がダイエット製品に混入される。こうして、これは市場にダイエット製品を届けるのに一層速い方法であるかもしれず、その製品は体重減少を支援し、調節し、かつ/又は誘発するという目的を有する。更に、体重減少の治療及び/又は予防のため又は体重増加を抑制するための、有効量の脂肪酸組成物(その主な有効成分は(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体、及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む)を含む体重調節剤がまた本明細書に含まれる。
【0015】
更に、過剰の量の体脂肪を有する、肥満は30以上の体格指数と本明細書で定義され、一方、太りすぎは25を超える体格指数と定義される。肥満はまたしばしば節約遺伝子型と記載される、遺伝的素因のためである内臓肥満又は一般の肥満を含む。ライフサイクル及び環境、例えば、高脂肪含量もしくは高カロリー含量を有する食事、又は運動の欠如により生じた肥満がまた本明細書に記載されたように治療し得る。本明細書に使用される“治療”という用語は治癒目的又は軽減目的を有する治療及び肥満又は太りすぎ状態の治療の両方が急性又は慢性であり得ることを意味する。慢性治療は数週又は数年より多くにわたって続く治療を意味する。更に、本発明はまた本発明の脂肪酸組成物を投与することによる体重増加の予防を含む。本明細書に使用される体重増加の予防という用語はまた体重増加を抑制し、減量を行なう又は調節することを意味する。
以下の研究及び実施例において、添付図面が参考にされ、全ての図はマウスについて行なわれた研究に関する。これらの研究はEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が体重を低下し、かつ/又は或る条件下でまた体重増加を予防することを実証するために行なわれた。本明細書中、添付図面が参考にされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の幾つかの好ましい実施態様が、EPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む、脂肪酸組成物による治療が、体重を減少させ、かつ/又は体重の増加を予防することを実証するために行なわれた。
第一の好ましい実施態様において、体重に関する、約20%のEPA及び50%のDHA(重量比)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果が研究された。
第二の好ましい実施態様において、体重減少に関する、DHAに富む、オメガ-3脂肪酸組成物(本明細書中、約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物として表される)の用量の効果が研究された。本発明の第三の実施態様において、DHA濃縮オメガ-3製品、EPA製品及びオメガ-6脂肪酸を含む植物油の間の効果の潜在的な相違が、研究された。本発明の第四の実施態様及び第五の実施態様において、DHA濃縮オメガ-3製品及びEPA濃縮オメガ-3製品のみの間の効果の潜在的な相違が、研究された。
本発明の第六の実施態様において、肥満及び体重増加の予防に関するオメガ-3脂肪酸組成物の効果が、研究された。
最後に、第七の研究において、肥満を発生する条件下の体重減少並びにカロリー制限及びオメガ-3脂肪酸組成物の間の累積的効果が、評価された。
【実施例】
【0017】
<マウスについて行なわれた実験>
第七の異なる実験をマウスについて行なって体重を低下するため、かつ/又は体重増加を予防するための種々の治療を調べた。
研究1-5において、成体の雄のマウス(C57BL/6Jマウス)を半合成高脂肪食の異なる型(その場合、夫々の研究における脂肪成分を変更した)にランダムに指定した。二つの最後の研究では、成体の雄のマウス(C57BL/6Jマウス)を肥満促進HF(高脂肪)食(35%wt/wtの全脂質含量)(その場合、脂肪成分を変更した)にランダムに指定した。
〔研究1:体重減少〕
第一の研究では、体重に関するEPA及びDHAを含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果を研究した。約20%のEPA及び50%のDHAを含む混合物を使用した。標準飼育食(4%脂肪)で飼育された成体雄マウス(C57BL/6Jマウス)のグループ(n=7)を半合成高脂肪(20%脂肪)食の4種の異なる型の一つにランダムに指定した(その場合、脂肪成分はグループ1)ラード(L)、グループ2)ラード+EPAX2050TG(L+FO:EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)、グループ3)アマニ油(18:3n-3は全脂質の約50%を形成する;Ln)及びグループ4)アマニ油+EPAX2050TG(Ln+FO;EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)であった)。本明細書中のFOはこれらの研究に使用された種々のEPA濃厚物及びDHA濃厚物(例えば、DHAの高いEPAX対EPAの高いEPAX)を意味することを注目のこと。動物を1ヶ月中に上記の異なる食事で飼育し、EPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む飼料の組成を図1Aに示す。研究後に、全体重がグループ2(L+FO)vs.グループ1(L)、及びグループ4(Ln+FO)vs.グループ3(Ln)で低下され、その差は図1Bから明らかなように、グループ4vs.3で統計上有意であった。治療前のマウスの体重は全てのグループで同様であった。アマニ油+EPAX2050TGを与えられたマウスはアマニ油のみを与えられたマウスと較べて体重で約10%減少した。
この研究はEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物(DHA≧EPAの量)による治療が体重減少をもたらすことを示す。
【0018】
〔研究2:体重減少〕
第二の研究では、体重の低下に関するEPA及びDHAの組み合わせ(約20%のEPA及び50%のDHA)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の用量の効果を研究した。標準食(standard chow diet)(4%脂肪)による成体雄マウスのグループ(n=7)を2ヶ月にわたって三つの異なる半合成高脂肪(20%脂肪)の一つにランダムに指定した。この実験では、グループ1)に本明細書の脂肪成分として、アマニ油(Ln)を与え、グループ2)にアマニ油+高用量のEPAX2050TG(Ln+FO;EPAX2050TGは全脂質含量の44%w/wを形成した)を与え、またグループ3)にアマニ油+低用量のEPAX2050TG(Ln+FO低;EPAX2050TGは全脂質含量の15%w/wを形成した)を与えた。アマニ油のみ(Ln)並びに高用量のEPAX2050TGと一緒のアマニ油(Ln+FO)及び低用量のEPAX2050TGと一緒のアマニ油(Ln+FO低)を含む食餌の組成を図2Aに示す。研究の終了時に、全体重が図2Bから明らかなように、グループ2、即ち、高用量のEPAX2050TGとともにアマニ油を与えられたグループのみで低下された。
第二の研究の結果はDHA≧EPAの重量比の脂肪酸組成物を与えられたグループの体重減少でもって、第一の研究と一致する。更に、本研究からの結果はまた非常に低い用量のDHAに富む脂肪酸組成物の投与が高脂肪食で飼育されたラットの体重の有意な低下を生じなかったことを示す。
【0019】
〔研究3:体重減少〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)として表される)、EPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGとして表される)及びオメガ-6脂肪酸を含む植物油の間の効果の潜在的な相違を研究した。標準食(4%脂肪)で飼育した成体雄マウス(C57BL/6Jマウス)のグループ(n=7)を半合成高脂肪(20%脂肪)食の6種の異なる型の一つに指定し、この場合、脂肪成分はグループ1)アマニ油(植物オメガ-3)(Ln)、グループ2)トウモロコシ油(植物オメガ-6)(K)、グループ3)EPAX1050(高DHA)(D)、グループ4)EPAX4510TG(高EPA)(E)、グループ5)トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びグループ6)トウモロコシ油+EPAX4510TG(K+E)であった。標準食で管理された一つの対照グループ(-ST)をまた入れた。動物を2ヶ月中異なる食事で飼育した。食事の組成を図3A及び3Bに示す。図3Cに見られるように、食物消費は治療の8週中に1日当り及び動物当り約70KJであった。図3D中の結果は少なくともEPA及びDHA又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が体重減少をもたらすことを示す。体重減少がEPAX1050TG(DHAに富む脂肪酸組成物)で飼育された動物で得られたが、トウモロコシ油に加えての(製品により形成された全脂肪含量の44%)EPAX4510TG(EPAに富む脂肪酸組成物)ではそれ程ではなかった。しかしながら、EPAX1050TG(高DHA)の効果はEPAX4510と較べて強かった。更に、トウモロコシ油+EPAX1050TG(高DHA)で飼育されたマウスの体重は重量で約15%だけ減少した。動物は脂質成分のみとしてのEPAX1050TG(高DHA)のみを含む高脂肪(20%)半合成食を許容しない。EPAX1050TGで飼育した7匹のマウスのうちの1匹のみがその食事で4週より長く生存した。そのマウスはスリムになった。EPAX4510TGのみを含む食事で飼育したマウスの全てが生存したが、不健康に見えた。
第三の研究の結果は約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(DHAに富む脂肪酸組成物)の体重減少効果が約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAに富む)と較べて強かったことを示す。更に、トウモロコシ油による体重減少がアマニ油中に約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(第一の実験及び第二の実験における)による低下と同様であり、ラード中に約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(第一の実験における)による低下よりも強かった。もう一度、上記は好ましくはDHA≧EPAの、DHAに富む製品を使用する最良の様式を記載する。これらの結果はまた植物油(オメガ-3及びオメガ-6の両方)及び飽和脂肪(ラード)と較べて海洋源のオメガ-3製品の特別な体重減少効果を示唆する。
【0020】
〔研究4:体重減少に関するEPAに富む脂肪酸組成物対DHAに富む脂肪酸組成物の効果〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)と表される)及びEPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGと表される)の間の効果の潜在的な相違を研究した。生後4ヶ月で、固形食(chow diet)で飼育されたマウスを2グループ(n=7)に分け、その脂肪含量の44%(wt/wt)をEPAX4510TG(EPAに富む)又はEPAX1050TG(DHAに富む)により置換したトウモロコシ油(20%wt/wtの全脂質含量)をベースとする半合成HF食で飼育した。夫々の食餌について2ヶ月後に、食餌へのオメガ-3PUFA製品の両方の型の添加が体重の低下をもたらした。下記の表1を参照のこと。
【0021】
【表1】
b HFと較べた統計上の有意差
【0022】
表1:トウモロコシ油をベースとする半合成HF食で飼育されたマウスの体重に関するオメガ-3PUFAの効果
しかしながら、DHAに富む製品EPAX1050TGは体重減少に関してEPAX4510TGと較べて強い効果を示した。更に、この研究の結果はDHAに富むEPAXの影響された体重減少効果を支援する有意な効果を確かめる。
【0023】
〔研究5:DNAの減少に関するEPAに富む脂肪酸組成物対DHAに富む脂肪酸組成物の効果〕
この研究では、DHA濃縮オメガ-3製品(本明細書中、約20%のEPA及び50%のDHAを含む脂肪酸組成物(EPAX1050TG濃厚物)と表される)及びEPA製品(EPAに富む、本明細書中、約45%のEPA及び10%のDHAを含む脂肪酸組成物;EPAX4510TGと表される)の間の効果の更なる潜在的な相違を研究した。生後4ヶ月で、固形食で飼育されたマウスを3グループ(n=7)に分け、その脂肪含量の30%(wt/wt)をEPAX4510TG(EPAに富む;ハッチ付きバー)もしくはEPAX2050TG(DHAに富む;黒いバー)により置換したアマニ油(アルファ-リノール酸が全脂質の約50%を構成する)をベースとする半合成HF食、又は半合成HF食単独(開いたバー)で飼育した。夫々の食餌について1ヶ月後に、DNAを分析した。食餌へのDHAに富むオメガ-3PUFA製品(EPAX2050TG)の添加はDNAの減少をもたらし、これは脂肪細胞の数の減少を示し得る。図4を参照のこと。
こうして、本発明のDHA濃厚物及び/又はDHAに富む脂肪酸組成物はDNAの減少をもたらし、これは脂肪組織中の脂肪細胞の数の減少(即ち、脂肪細胞が死滅される)を示すと考えられる。
【0024】
〔研究6:体重増加及び肥満の予防〕
この第六の研究では、肥満及び体重の増加の予防に関するEPAとDHAの組み合わせ(約20%のEPA及び50%のDHA)を含むオメガ-3脂肪酸組成物の効果を研究した。成体C57BL/6J雄マウスのグループ(n=7)を水及び主脂質成分としてのヒマワリ油で濃縮され、かつわずかな量のLCオメガ-3PUFAを含む通常の固形食に自由に接近させて制御された環境(20℃、12時間の明暗サイクル、午前6:00から照明)中に収容した。生後4ヶ月(-2週)で、固形食をHF(高脂肪)食又は所謂肥満促進HF食(全脂質含量35%wt/wt)により置換した。食餌組成について図5Aを参照のこと。HF複合食のエネルギー密度は22.3kJ/gであった。マウスにHF(高脂肪)複合食を与えた時、それらは固形食で管理されたよりも極めて高速で体重を増加し始めた。2週後(0週)、動物を5サブグループに分け、更に変更のないHF複合食(●)、又はEPAX2050TG(DHAに富む)によるその脂肪含量の15%(wt/wt;即ち、EPA+DHAによる9%の食餌脂質;○)又は44%(wt/wt;即ち、EPA+DHAにより形成された26%の脂質;▲)の置換によるHF複合食で随時飼育した。下記の表2を参照のこと。
【0025】
【表2】
a)異なる製品中のEPA及びDHAの量が製品100g中のg EPA/ g DHAとして表される。
b)オメガ-3PUFA製品により置換された食餌中の脂質成分の%(wt/wt)。
c)HF複合食(35%wt/wtの全脂質含量)及び脂質成分の一部がEPAX1050製品により置換された。
【0026】
カロリー制限(CR)養生法(同じ食餌で随時飼育されたマウスと較べた場合に30%のカロリー制限)のマウスをHF複合食単独(△)又は食餌中の脂質の15%(wt/wt)がEPAX1050TGにより形成された食餌(即ち、食餌各100g中の脂質35gのうちの約3g(脂質の約9%)がEPA/DHAにより置換された;■)で飼育した。
この研究の結果を図5Bに示す。重量増加がHF食による馴化の約2週後に明らかであり、その実験の次の5週以内に約6.5gに達した。体重増加はHF複合食のみで飼育されたマウスと較べて食餌中の15%の脂質がオメガ-3製品EPAX1050TG(DHAに富む)により置換されたHF複合食で飼育されたマウスで約2.7g低かった。これは低用量のオメガ-3製品(食餌の脂肪含量のわずかに15%w/w)でさえもが随時飼育されたマウスで肥満の発生を遅延したことを記載する。EPAX1050TGによる脂質の44%の置換は5週の飼育期間にわたって約3gの体重の正味の損失をもたらした。これらの条件下で、オメガ-3グループは5週の治療中に体重を失い、一方、対照グループ(レギュラーHF食)は体重を増加した。上記はレギュラーHF肥満促進食に添加されたオメガ-3製品の用量依存効果を示し、肥満の発生の条件下で低用量のDHAに富む脂肪酸組成物でさえもが治療の5週後に既に体重の増加を減少した。また、図5C中の要約を参照のこと。
【0027】
またその研究から明らかであるように、HF複合食で飼育された動物における30%のカロリー制限が治療の5週中に体重の正味の損失をもたらし、一方、CR動物の食餌中のEPAX1050の混合は30%CRの動物と較べて体重損失に関する小さい広範な効果、即ち、体重減少に関する累積的効果を有する。それ故、CRとオメガ-3製品の間の相互作用が更なる研究で更に詳しく調べられるであろう。また、オメガ-3製品による食餌の脂質の置換が動物の食物消費に影響しないと考えられることに注目されたい。
更に、この研究からの結果は低用量のDHAに富む脂肪酸組成物の投与が体重増加の有意な抑制又は予防をもたらすことを示す。高用量のDHAに富む脂肪酸組成物は肥満を発生する条件下で体重増加の有意な抑制又は予防及び体重減少効果の両方を示す。こうして、食事性肥満に関する体重の増加を相殺するのに必要とされるEPAX1050TGの用量はHF半合成食で比較的安定な体重を維持する動物で体重を減少させるのに必要とされる用量よりも低い。明らかに、肥満の発生は生物をEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物の体重減少作用に一層感受性にする。更に、上記実験は長鎖オメガ-3脂肪酸を含むHF複合食で飼育されたマウスにおける肥満の有意な減少を実証する。この研究はEPA及びDHAを含む脂肪酸組成物(DHA≧EPAの量)による肥満、又は太りすぎの動物の治療がまた体重増加の予防をもたらすことを示す。体重増加を予防する効果はまた肥満又は太りすぎの状態の予防を意味する。
【0028】
〔研究7:肥満を発生する条件下の体重減少、及びカロリー制限(CR)とオメガ-3脂肪酸組成物の累積的効果〕
先の研究では、肥満を発生する条件下の体重減少に関するカロリー制限及びDHAに富む脂肪酸組成物の効果が充分に評価されなかった。それ故、マウスの肥満の発生中の、カロリー制限とオメガ-3製品(本明細書中、約10%のEPA及び50%のDHAを含むDHA濃縮オメガ-3製品(EPAX1050TG)と表される)の間の相互作用に関する相補研究を行なった。C57BL/6J雄マウスのグループ(n=7)を水及び標準食に自由に接近させて制御された環境(20℃、12時間の明暗サイクル、午前6:00から照明)中に収容した。生後4ヶ月で、動物を肥満促進HF(高脂肪)食にランダムに指定した。食餌組成について図4Aを参照のこと。上記食餌での馴化後の2週後(週0)、動物を4グループに分けた:a)随時のHF複合食、b)(a)と較べて10%のカロリー制限によるHF複合食、c)食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換されたHF複合食により随時飼育、及びd)食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換され、かつ食物の量が(a)と較べて10%だけ制限されたHF複合食により随時飼育。動物を5週中に異なる食餌で飼育した。
図6中の結果は肥満を発生する条件下のEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物による治療が肥満促進HF食のみで飼育されたマウスに関して体重の増加を有意に減少することを示す。先の研究と対照的に、温和なカロリー制限が肥満の発生を減少した。本明細書中、随時のHFと随時のHF+EPAXの間の差は統計上有意である(対のt検定、P<0.03)。更に、その二つの治療の組み合わせ(即ち、食物の量の10%が制限され、かつ食餌の脂肪含量の15%がEPAX1050TGにより置換された)は対照のHF食で飼育されたマウスと較べて体重増加の予防をもたらす累積的効果を有する。
第七の研究の結果はDHAに富む脂肪酸組成物がHF複合食で飼育され、即ち、過剰の量の高脂肪含有食餌を消費するヒトの肥満を近似する条件下で飼育された動物の肥満の発生に関してカロリー制限(CR)の効果を高めることを示す。高食物摂取は動物又はヒトをEPA及びDHAの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物の作用に感受性にし、EPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを含む脂肪酸組成物並びにカロリー制限の体重増加の予防に関する累積的効果が生じるのに必要であると考えられる。これはEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物が体重を減少させるだけでなく、体重の増加及び肥満を予防し得ることを記載する。もう一度、本発明の最良の様式は、好ましくはDHA≧EPAの、DHAに富む製品を使用することにより達成し得る。更に、これらの結果はまたヒトについてカロリー制限の一層管理しやすい食事療法を開拓する。何とならば、結果が低レベルのカロリー制限で既に効果を示すからである。
【0029】
<脂肪酸組成物の用量>
用量に関して、マウスからの結果は、食餌中の本発明の脂肪酸組成物、例えば、EPA及びDHA又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸の相対的含量に関する限り、ヒトに外挿し得る。先の研究では、20%(w/w)の脂肪を含む半合成食が使用され、脂質含量の少なくとも約28%が本発明の脂肪酸組成物により置換された場合(本発明の脂肪酸組成物の添加による)に、体重減少に関する効果が得られ、一方、本発明の脂肪酸組成物が食餌の脂質含量の9%を形成した場合には体重減少に殆ど効果がなかった。これらの食餌は脂質からエネルギーの40%を与えた。
全脂質含量(食餌中)に関する本発明の脂肪酸組成物の相対的含量は、体重減少の効果に関する限り、絶対的摂取よりも重要であり得る。それ故、本発明の一実施態様は食餌中の全脂質の少なくとも1/3を本発明のDHA及びEPAの少なくとも1つ又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物により置換することである。以下に示される幾つかの妥当な想像上のシナリオを参照のこと。
1.ヒトは低カロリー食に関して脂肪からの18%のカロリーで1000kcal/日を消費する。全脂質摂取20gの28%を本発明の脂肪酸組成物により置換するために、ヒトは脂肪酸組成物5,6g/日を必要とする。
体重減少の効果におけるカロリー制限と本発明の脂肪酸組成物の間の推定された相乗効果により、食餌の脂質中の低濃度の脂肪酸組成物がまた体重減少に関する効果を示す。
本発明の別の好ましい実施態様において、食餌中の脂質含量の少なくとも15%が本発明の脂肪酸組成物により置換される。これは脂肪からの18%のカロリーを含む1000kcal/日の非常に低いカロリー食中の、1日当り約3gの脂肪酸組成物を意味する。
【0030】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の肥満もしくは太りすぎの状態、又は体重調節のため及び/又は体重増加の予防のための治療及び/又は予防は、ヒト又は動物についてカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる。カロリー低下の食事療法が肉体的活動と組み合わされることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施態様において、前記のカロリー摂取の低減は肥満患者(成人)の短くかつ強い治療について、少なくとも800kcal(1日当り2520KJ)以下に低下される。更に好ましい実施態様において、EPA、その誘導体、及びDHA、又はそのいずれかの誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む前記脂肪酸組成物が、ヒトについて毎日の食餌の全脂質含量の10%から40%まで(に相当する)の日用量で投与される。更に、改善された結果を得るために、食餌の脂質含量がそのエネルギー含量の少なくとも15%に低下されてもよい。本発明の脂肪酸組成物は1〜5年までの期間にわたって、分けられた用量で、毎日投与されることが好ましい。一方、本発明の脂肪酸組成物の用量はまた、例えば、エスキモー又は同様の原住民により消費されるオメガ-3脂肪酸の量に関係するかもしれない。それ故、本発明の別の実施態様において、EPA及びDHA、又はこれらの誘導体の少なくとも1つ、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含む前記脂肪酸組成物が前記脂肪酸組成物1g〜15gの日用量を与える量で投与される。1〜10gの量が更に好ましく、1日当り2〜6gの量が最も好ましい。
【0031】
<考察>
結果はEPA及びDHAの少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物が体重を低下し、かつ/又は体重増加を予防することを示す。DHAに富む本発明の製品の体重減少効果はDHAより多いEPAを含む製品と較べて強い。更に、特別な体重減少効果及び体重増加の予防は海洋源の本発明の脂肪酸組成物から得られることが好ましい。更に、結果、用量の計算及び商業上の価値に基づいて、本発明の脂肪酸組成物の使用はカロリー低減の食事療法と協力して進められてもよい。更に、カロリー制限と組み合わされた本発明の脂肪酸組成物の累積的効果が高い食物摂取及び太りすぎの状態又は肥満の発生の条件下で得られる。また、本発明の脂肪酸組成物を投与することによりヒト及び動物の両方について同じ体重減少効果及び/又は体重増加の予防を予想することが明らかである。
【0032】
更に、本発明のDHA濃厚物及び/又はDHAに富む脂肪酸組成物は脂肪組織中の脂肪細胞の数を減少し得る。
本発明の脂肪酸組成物、好ましくはDHAに富む脂肪酸組成物の投与による体重の低下及び/又は体重増加の予防は、少なくとも一部、ヒト又は動物中の脂肪組織細胞内の脂質(脂肪酸)の増大された酸化から生じ得る。こうして、好ましくはDHAに富む、脂肪酸組成物は、体脂肪の蓄積を阻止すると考えられる脂肪細胞中の代謝スイッチを誘導する。そのスイッチはミトコンドリアの酸化能を調節する遺伝子の誘導により脂肪細胞との本発明の脂肪酸組成物、好ましくはDHAに富む脂肪酸組成物の直接の相互作用により活性化し得る。ミトコンドリアの生合成を編成する転写因子(PGC1及びNRF1)が関係していると考えられる。遺伝子発現の変化が脂肪細胞中の、脂質を含む、種々の基質の酸化に重要であるミトコンドリア成分の増大された含量をもたらすと考えられる。更に、本発明の脂肪酸は脂肪組織中の脂肪酸酸化及び合成の活性の間の比を増大し、こうして代謝スイッチを活性化し得る。
本発明は示された実施態様及び実施例に限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】マウスの異なるグループに与えられたEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む半合成高脂肪食(20%w/wの脂肪)の組成を示す。
【図1B】EPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)又はEPAX2050TGを含まないアマニ油(Ln)を含む食餌並びにEPAX2050TGを含むラード(L+FO)又はEPAX2050TGを含まないラード(L)を含む食餌による治療の1ヶ月後の全体重を示す。
【図2A】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、高用量のEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO)及び低用量のEPAX2050TGを含むアマニ油(Ln+FO低)を含む半合成高脂肪食(20%w/wの脂肪)の組成を示す。
【図2B】治療の2ヶ月後の全体重を示す。
【図3A】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、トウモロコシ油(K)、EPAX1050TG(高DHA)(D)、EPAX4510TG(高EPA)(E)、トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びトウモロコシ油+EPAX4510(K+E)を含む半合成高脂肪(20%の脂肪)食の組成(単位%w/w)、標準食(ST)及び半合成食の夫々の組成(単位:食餌の全エネルギー含量の%)を示す。
【図3B】マウスの異なるグループに与えられた、アマニ油(Ln)、トウモロコシ油(K)、EPAX1050TG(高DHA)(D)、EPAX4510TG(高EPA)(E)、トウモロコシ油+EPAX1050TG(K+D)、及びトウモロコシ油+EPAX4510(K+E)を含む半合成高脂肪(20%の脂肪)食の組成(単位%w/w)、標準食(ST)及び半合成食の夫々の組成(単位:食餌の全エネルギー含量の%)を示す。
【図3C】治療の8週中の1日当り1動物当りの食物消費を示す。
【図3D】対照グループ(ST)と較べた治療の2ヶ月後の全体重を示す。
【図4】DNAの減少を示す。
【図5A】標準食(ST)、レギュラーHF(高脂肪)食、所謂肥満促進食、及び半合成高脂肪(20%の脂肪)食のエネルギー含量を示す。
【図5B】更なる変更のない(●)又はその脂肪含量の15%(○)もしくは44%(▲)をEPAX1050TG(DHAに富む)により置換した、HF複合食で随時飼育されたマウス、或いはHF複合食単独(△)又は食餌中の脂質の15%がEPAX1050TGにより形成された食餌(■)で飼育されたカロリー制限(CR)養生法のマウスの体重減少及び体重の増加の予防を示す。
【図5C】肥満の発生の条件下のレギュラーHF肥満促進食に添加されたオメガ-3製品の用量依存効果を示す。
【図6】体重に関するEPAX1050TG及び10%のカロリー制限の効果を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重減少を調節するため、体重増加を予防するため、かつ肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用。
【請求項2】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
EPA及びDHAの組み合わせが1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項1記載の使用。
【請求項4】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項1記載の使用。
【請求項5】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項1記載の使用。
【請求項6】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項1記載の使用。
【請求項7】
脂肪酸組成物が海産油から製造される、請求項1記載の使用。
【請求項8】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項1記載の使用。
【請求項9】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に経口投与される、請求項1記載の使用。
【請求項10】
治療がヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる、請求項1記載の使用。
【請求項11】
脂肪酸組成物が、ヒト又は動物に対して1日の食餌の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される、請求項1記載の使用。
【請求項12】
脂肪酸組成物がヒトに対して前記脂肪酸組成物を1〜15g、好ましくは2〜6gの日用量を与える量で投与される、請求項1記載の使用。
【請求項13】
有効量の(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を、ヒト又は動物に投与することを特徴とする、肥満、太りすぎの状態を治療及び/又は予防するため、又は体重減少を調節するため及び/又は体重増加を予防するための方法。
【請求項14】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項13記載の方法。
【請求項16】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項13記載の方法。
【請求項17】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つから得られる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項13記載の方法。
【請求項20】
脂肪酸組成物をヒト又は動物に経口投与する、請求項13記載の方法。
【請求項21】
治療をヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なう、請求項13記載の方法。
【請求項22】
脂肪酸組成物をヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与する、請求項13記載の方法。
【請求項23】
体重減少を調節し、支援するため及び/又は体重増加の予防用の食品又は食物サプリメントを製造するための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらいずれかの組み合わせを含む、脂肪酸組成物の使用。
【請求項24】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項23記載の使用。
【請求項25】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項23記載の使用。
【請求項26】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、トリグリセリド形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項23記載の使用。
【請求項27】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態で存在するEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項23記載の使用。
【請求項28】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項23記載の使用。
【請求項29】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項23記載の使用。
【請求項30】
脂肪酸組成物が海産油から製造される、請求項23記載の使用。
【請求項31】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に経口投与される、請求項23記載の使用。
【請求項32】
体重の調節、体重増加の予防及び脂肪の減少が、ヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる、請求項23記載の使用。
【請求項33】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に対して1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される、請求項23記載の使用。
【請求項34】
食品又は食物サプリメントがゼラチンカプセルの形態であり、前記カプセルが風味付けされている、請求項23記載の使用。
【請求項35】
脂肪酸組成物が液体又はエマルションであり、食品又は食物サプリメントが飲料として投与される、請求項23記載の使用。
【請求項36】
DHA又はEPAとDHAとの組み合わせを含む脂肪酸組成物が、脂肪酸組成物1〜15g、好ましくは2〜6gの日用量を与える量でヒトに投与される、請求項23記載の使用。
【請求項37】
肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のため及び/又は体重減少を支援し、調節するため及び/又は体重増加の予防のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を含む、ダイエット製品。
【請求項38】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項39】
主な有効成分がDHAである、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項40】
体重ウォッチング製品又はスリム化製品である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項41】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で組成物中に存在する、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項42】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項43】
脂肪酸組成物が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項44】
ダイエット製品の摂取がヒトについてカロリー摂取の低減と組み合わされ、かつ/又は肉体的活動と一緒に組み合わされる、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項45】
前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について毎日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項46】
バー、スナック又は飲料である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項47】
体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重減少を調節し、支援するためのダイエット製品の製造における、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用。
【請求項48】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項47記載の使用。
【請求項49】
(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重減少を調節し、支援するためのサプリメント製品に添加する工程を含むことを特徴とするダイエット製品を補給する方法。
【請求項50】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項49記載の方法。
【請求項51】
脂肪酸組成物を液体形態で提供し、又はサプリメント製品に混入されている、エマルションとして提供する、請求項49記載の方法。
【請求項1】
体重減少を調節するため、体重増加を予防するため、かつ肥満又は太りすぎの状態の治療及び/又は予防のための医療製品の製造のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用。
【請求項2】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
EPA及びDHAの組み合わせが1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項1記載の使用。
【請求項4】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項1記載の使用。
【請求項5】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項1記載の使用。
【請求項6】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項1記載の使用。
【請求項7】
脂肪酸組成物が海産油から製造される、請求項1記載の使用。
【請求項8】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項1記載の使用。
【請求項9】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に経口投与される、請求項1記載の使用。
【請求項10】
治療がヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる、請求項1記載の使用。
【請求項11】
脂肪酸組成物が、ヒト又は動物に対して1日の食餌の全脂質含量の10〜40%の日用量で投与される、請求項1記載の使用。
【請求項12】
脂肪酸組成物がヒトに対して前記脂肪酸組成物を1〜15g、好ましくは2〜6gの日用量を与える量で投与される、請求項1記載の使用。
【請求項13】
有効量の(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を、ヒト又は動物に投与することを特徴とする、肥満、太りすぎの状態を治療及び/又は予防するため、又は体重減少を調節するため及び/又は体重増加を予防するための方法。
【請求項14】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項13記載の方法。
【請求項16】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項13記載の方法。
【請求項17】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態のEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つから得られる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項13記載の方法。
【請求項20】
脂肪酸組成物をヒト又は動物に経口投与する、請求項13記載の方法。
【請求項21】
治療をヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なう、請求項13記載の方法。
【請求項22】
脂肪酸組成物をヒト又は動物について1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与する、請求項13記載の方法。
【請求項23】
体重減少を調節し、支援するため及び/又は体重増加の予防用の食品又は食物サプリメントを製造するための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらいずれかの組み合わせを含む、脂肪酸組成物の使用。
【請求項24】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項23記載の使用。
【請求項25】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で脂肪酸組成物中に存在する、請求項23記載の使用。
【請求項26】
脂肪酸組成物中の脂肪酸がエステル化形態、トリグリセリド形態、エチルエステル形態、塩形態及び遊離酸形態の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせで存在する、請求項23記載の使用。
【請求項27】
脂肪酸組成物がトリグリセリド形態で存在するEPAとDHAの組み合わせを含む、請求項23記載の使用。
【請求項28】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項23記載の使用。
【請求項29】
EPA及び/又はDHAの少なくとも一部が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項23記載の使用。
【請求項30】
脂肪酸組成物が海産油から製造される、請求項23記載の使用。
【請求項31】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に経口投与される、請求項23記載の使用。
【請求項32】
体重の調節、体重増加の予防及び脂肪の減少が、ヒト又は動物に対してカロリー摂取の低減と一緒に行なわれる、請求項23記載の使用。
【請求項33】
脂肪酸組成物がヒト又は動物に対して1日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される、請求項23記載の使用。
【請求項34】
食品又は食物サプリメントがゼラチンカプセルの形態であり、前記カプセルが風味付けされている、請求項23記載の使用。
【請求項35】
脂肪酸組成物が液体又はエマルションであり、食品又は食物サプリメントが飲料として投与される、請求項23記載の使用。
【請求項36】
DHA又はEPAとDHAとの組み合わせを含む脂肪酸組成物が、脂肪酸組成物1〜15g、好ましくは2〜6gの日用量を与える量でヒトに投与される、請求項23記載の使用。
【請求項37】
肥満、太りすぎの状態の非医療的処置及び/又は予防のため及び/又は体重減少を支援し、調節するため及び/又は体重増加の予防のための、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を含む、ダイエット製品。
【請求項38】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項39】
主な有効成分がDHAである、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項40】
体重ウォッチング製品又はスリム化製品である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項41】
EPA及びDHAの組み合わせが約1:1から1:8までのEPA:DHA比、好ましくは1:1から1:6までのEPA:DHA比で組成物中に存在する、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項42】
EPA及びDHAの少なくとも1つが植物源、微生物源及び動物源の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせから得られる、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項43】
脂肪酸組成物が海産油、好ましくは魚油から製造される、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項44】
ダイエット製品の摂取がヒトについてカロリー摂取の低減と組み合わされ、かつ/又は肉体的活動と一緒に組み合わされる、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項45】
前記脂肪酸組成物がヒト又は動物について毎日の食事の全脂質含量の少なくとも10%に相当する日用量で投与される、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項46】
バー、スナック又は飲料である、請求項37記載のダイエット製品。
【請求項47】
体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重減少を調節し、支援するためのダイエット製品の製造における、(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物の使用。
【請求項48】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項47記載の使用。
【請求項49】
(全-Zオメガ-3)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)若しくはその誘導体及び(全-Zオメガ-3)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(DHA)若しくはその誘導体の少なくとも1つ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む脂肪酸組成物を体重増加の予防のためかつ/又はヒトの体重減少を調節し、支援するためのサプリメント製品に添加する工程を含むことを特徴とするダイエット製品を補給する方法。
【請求項50】
脂肪酸組成物中のEPA:DHAの重量比が1:X(Xは1以上である)である、請求項49記載の方法。
【請求項51】
脂肪酸組成物を液体形態で提供し、又はサプリメント製品に混入されている、エマルションとして提供する、請求項49記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【公表番号】特表2007−514733(P2007−514733A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544592(P2006−544592)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004178
【国際公開番号】WO2005/060954
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506209798)プロノヴァ バイオケア アクティーゼルスカブ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004178
【国際公開番号】WO2005/060954
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506209798)プロノヴァ バイオケア アクティーゼルスカブ (4)
【Fターム(参考)】
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