説明

FPD実装装置および位置合わせ画像検出方法

【課題】アライメントマーク画像の近隣に類似画像が存在する場合であっても、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等によって類似画像位置を正規のアライメントマークとして誤検出することを防止する位置合わせ手段を有するFPD実装装置および位置合わせ画像検出方法を提供する。
【解決手段】本発明は、セカンドアライメントマーク画像や補助マーク画像を用いることなく、相関係数を低く設定してアライメントマーク画像位置と類似画像位置を含めて取得し、位置相関からアライメントマーク画像位置を認識することで、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等により相関率が低下した場合であってもアライメントマーク画像位置を正確に検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、FPD(Flat Panel Display)実装装置に係り、特に、FPDの部材の位置決めが不可欠であって、部材の表面または裏面画像から位置決めを実施するFPD実装装置および位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、液晶セルの周縁部に対して、ドライバICを搭載したTCP(Tape Carrier Package)からなるTAB(Tape Automated Bonding)が実装されるが、このTABを液晶セルに実装するために、ACF(異方性導電膜:Anisotropic Conductive Film )が用いられ、液晶セルとTABとの間にACFを介して熱圧着する。ここで、TABに形成される出力リードのピッチは微細化の傾向にあり、極めて微細なピッチ間隔のものが用いられるようになってきている。
【0003】
従って、液晶セルにTABを実装する際には、両者を極めて厳格に位置合わせして接合しなければ、液晶セル側の電極とTAB側の出力リードを電気的に接続できなくなる場合も生じる。
両者を厳格に位置合わせするために、アライメントマークと呼ばれる位置決めマークが各部材に設けられており、このアライメントマークを光源や照明レンズや対物レンズ等の光学系と、CCDカメラ等から構成された撮像手段を用い、各アライメントマークを個別的に検出し、ズレ量を算出して各部材の位置決めを行う。
【0004】
位置決めの際に、アライメントマークの検出には、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、補助パターンを用意しておき、目標とする位置検出マーク(アライメントマーク)が識別できない場合、他の位置検出用マークと補助パターンを用いて得られた周辺のマークと、目標とする位置検出マークとの位置関係から当該目標とする位置検出マークを識別する方法が開示されている。
【0005】
あるいは、特許文献2には、画像化した位置合わせマークを検出して、検出した画像に基づいて、対象とするワークを搭載するステージを角度方向(θ回転)、あるいはX,Y方向に移動して位置合わせをする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−46244号公報
【特許文献2】特開2004−296921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献2で示すような位置合わせマークを画像化する方法においては、アライメントマークの検出は、予め記憶しているアライメントマーク教示画像と被検索画像と相関係数からパターンマッチング等の手法で被検索画像内に存在するアライメントマーク画像位置を検索し、最高相関率となるアライメントマーク教示画像位置を検出する。しかし、アライメントマークの近隣に類似画像が存在する場合、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等によってアライメントマーク教示画像との相関率が低下し、相関率が「アライメント画像 < 類似画像」となる場合があり、最高相関率を有する画像位置をアライメント画像位置とする手法では、類似画像位置をアライメントマーク教示画像位置とする誤検出の可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、アライメントマーク画像の近隣に類似画像が存在する場合であっても、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等によって類似画像位置を正規のアライメントマークとして誤検出することを防止する手段を有するFPD実装装置および位置合わせ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明のFPD実装装置の主な特徴は、以下の通りである。
【0010】
基準パターンが設けられた基板に対して該基準パターンを照準として位置合わせを行い所望の位置に電子部品を搭載する位置合わせ手段を有するFPD実装装置において、位置合わせ手段は、基準パターンと該基準パターンの近傍に配置された複数の類似パターンとを含む被検出パターンを画像化した被検索画像を作成する手段と、被検索画像から該基準パターンを含む領域を切り出してアライメントマーク教示画像として保存する手段と、被検索画像を構成する前記類似パターンおよび基準パターンのそれぞれとアライメントマーク教示画像との画像形状の一致度を表わす相関率を算出する手段と、第1の相関率を設定し、該第1の相関率以上の相関率を有する前記類似パターンおよび基準パターンの画像の一覧表を作成する手段とを有し、一覧表に基づいて、被検索画像の中から基準パターンに対応するアライメントマーク用画像を選定し、該アライメントマーク用画像を基準にして位置合わせを行うことを特徴とする。
【0011】
本願発明の位置合わせ画像検出方法の主な特徴は、以下の通りである。
【0012】
基準パターンが設けられた基板に対して該基準パターンを照準として位置合わせを行い所望の位置に電子部品を搭載する位置合わせ画像検出方法において、基準パターンと該基準パターンの近傍に配置された複数の類似パターンとを含む被検出パターンを画像化した被検索画像を作成するステップと、被検索画像から該基準パターンを含む領域を切り出してアライメントマーク教示画像として保存するステップと、被検索画像を構成する類似パターンおよび基準パターンのそれぞれとアライメントマーク教示画像との画像形状の一致度を表わす相関率を算出するステップと、第1の相関率を設定し、該第1の相関率以上の相関率を有する類似パターンおよび基準パターンの画像の一覧表を作成するステップと、一覧表に基づいて、被検索画像の中から基準パターンに対応するアライメントマーク用画像を選定し、該アライメントマーク用画像を基準にして位置合わせを行うステップとを有することを特徴とする位置合わせ画像検出方法。
即ち、本発明は、セカンドアライメントマーク画像や補助マーク画像を用いることなく、相関係数を低く設定してアライメントマーク画像位置と類似画像位置を含めて取得し、位置相関からアライメントマーク画像位置を認識することで、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等により相関率が低下した場合であってもアライメントマーク画像位置を正確に検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アライメントマーク画像の近隣に類似画像が存在する場合であっても、アライメントマーク画像の「よごれ」、「欠け」、「輝度ムラ」等によって類似画像位置を正規のアライメントマークとして誤検出することを防止する手段を有するFPD実装装置および位置合わせ方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実装装置の検出部を示す概略的構成図である。
【図2】被検索画像からアライメントマーク教示画像を作成する説明図である。
【図3A】従来技術による正常検索の説明図である。
【図3B】図3A(b)の被検索画像におけるアライメントマーク教示画像と(a)に示すアライメントマーク教示画像との相関率・位置情報等の検索結果を示す表である。
【図4A】従来技術による誤検出の説明図である。
【図4B】図4A(b)の被検索画像におけるアライメントマーク教示画像と(a)に示すアライメントマーク教示画像との相関率・位置情報等の検索結果を示す表である。
【図5A】教示位置相関を作成するためのアライメントマーク画像と被検索画像の説明図である。
【図5B】図5Aにおけるアライメントマーク画像を低相関率で検索し、教示位置相関を作成した結果を示す表である。
【図6】教示位置相関から多角形A群・教示位置相関多角形情報を作成する説明である。
【図7A】教示位置相関を作成するためのアライメントマーク画像と被検索画像の説明図である。
【図7B】図7Aにおけるアライメントマーク画像を低相関率で検索し、検索位置相関を作成した結果を示す表である。
【図8】検索位置相関から多角形B群・検索位置相関多角形情報を作成する説明である。
【図9】多角形A群・教示位置相関多角形情報と多角形B群・検索位置相関多角形情報からアライメントマーク画像位置を認識する説明である。
【図10】教示情報作成処理を示すフローチャートである。
【図11】被検索画像と教示画像の比較判定処理を示すフローチャートである。
【図12】教示情報を作成するための操作画面である。
【図13】教示情報を作成するための操作画面に検索位置を表示した画面である。
【図14】教示情報を作成するための操作画面に位置相関多角形情報を表示した画面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実装装置の検出部の概略的構成図であって、カメラ101の直下に位置決めされた被位置検索部材100をカメラ101で撮影し、撮影した画像を画像メモリ111に取り込み、画像メモリ111に記憶された画像情報から被検索画像112を作成する構成となっている。さらに、上記検出部は、その他に、被検索画像112に基づいて、アライメントマーク教示画像、アライメントマーク相関係数、位置相関情報、位置相関多角形情報などを作成する教示情報作成部113と、教示情報作成部113の情報を記憶する教示情報記憶部114と、アライメントマーク教示画像やアライメントマーク相関係数などの情報の比較を実行する比較部115と、比較部115の結果を基にして判定を行う判定部116と、判定結果を出力する結果出力部117などを備えている。
【0016】
図2に、教示情報作成部113において、教示情報を作成する手順を説明する。
先ず、アライメントマーク教示画像(や相関係数や位置相関情報など)の教示情報を作成する場合は、図1で示す被検索画像112を教示情報作成部113に入力し、図2に示す被検索画像112のアライメントマーク画像位置400を矩形に切り出し、アライメントマーク教示画像401と切り出し位置を教示情報記憶部114に記憶する。
【0017】
図3Aの(a)に、位置合わせに適した基準パターンを予め準備して、それをカメラ101などの撮像機器にて画像化して画像メモリ111に記憶させたアライメントマーク教示画像200を図示する。
また、図3Aの(b)は、基板上に配置され位置合わせの際に用いる上記の基準パターンのほかに一群のアライメント用パターン(201〜204)を画像化したもので、位置合わせの際に検索の対象となる被検索画像を示す。
【0018】
図3Bで示す表1は、上述したように予め記憶しているアライメントマーク教示画像200が存在する位置を、パターンマッチング等の手法で検索し、被検索画像における各画像(201〜204)ごとに教示画像に対する相関率・位置情報等を算出し、検索結果として出力した表である。この表は、相関率10%以上に該当する相関率を有する画像を選出して、その位置情報を表にしたものである。例えば、位置201に対する相関率は、92.4%であり、位置202に対する相関率は、70.5%で、10%以上の相関率で一番低い位置204に対する相関率は、12.1%である。本例では、相関率10%以上に該当する画像は4つであり、最高の相関率は、位置201の画像であり、アライメントマーク教示画像の位置に相当する。
【0019】
図4A(a)、(b)は、上述した図3A(a)、(b)にそれぞれ対応するものであるが、図3A(b)で示す検索対象パターン201は、正常なパターン形状を示すが、図4Aの(b)の場合は、検索対象パターン301の一部が欠けている例を示している。この欠けは、パターン自身の欠損の場合にも、当該パターンの表面に異物などが付着した場合にも画像化した場合に見られる。いずれにせよ、画像化した場合には、パターンの一部が欠損している。
【0020】
図4Bで示す表2は、表1で述べたように、予め記憶しているアライメントマーク教示画像200が存在する位置を、パターンマッチング等の手法で検索し、被検索画像における各画像(301〜304)ごとに教示画像に対する相関率・位置情報等を算出し、検索結果として出力した表である。
【0021】
表2は、表1と同様に、相関率10%以上に該当する相関率を有する画像を選出して、その位置情報を表にしたものである。例えば、位置301に対する相関率は、69.8%であり、位置302に対する相関率は、70.5%で、10%以上の相関率で一番低い位置304に対する相関率は、12.1%である。本例では、相関率10%以上に該当する画像は4つであり、最高の相関率は、位置302の画像であり、アライメントマーク教示画像ではなく、類似画像の位置に相当する。従って、最高相関率を有する画像を選出すると、誤認識する結果となることを示している。
【0022】
図3Aの(a)に示すように、部材をカメラで撮影した被検索画像に対し、予め記憶しているアライメントマーク教示画像200が存在する位置をパターンマッチング等の手法で検索し、表1に示すように教示画像との相関率・位置情報等を検索結果として出力する。相関係数によって複数の検索結果を得た場合は、表1の201に示す最高相関率(92.4%)の検索結果を検索位置として識別する」などの手法が知られている。
【0023】
しかし、最高相関率で識別した場合、アライメントマーク教示画像の近隣に類似画像が存在する場合、たとえば、図4Aの(b)で示すアライメントマーク教示画像301のように「欠け」等がある場合、教示画像との相関率が表2の301で示すように69.8%と低下する。
【0024】
一方、図4Aの(b)で示す類似画像302は、表2の302で示すように70.5%となり、最高相関率を持つ画像位置をアライメントマーク画像位置と決定する手法では、図4Aの302で示す類似画像位置をアライメントマーク画像位置としてしまう誤検出の問題が生じることがある。
【0025】
ここで、アライメントマーク教示画像200とは、FPD基板に電子部材などを位置合わせ(アライメント)して取り付ける際に、両者の位置(X方向、Y方向、あるいは回転方向)を精度良く行うために設けられた位置合わせに適した基準パターンであって、通常は、FPD基板の周辺領域、特にコーナー付近に配置されている。このパターンを画像として記憶装置に取り込んだものをアライメントマーク教示画像と称することにする。また、類似画像とは、上記パターンの近隣に配置され、当該パターンを構成する画像要素(形状)の一部、またはそれに類似する画像要素で構成されたパターンで、これを画像として記憶装置に取り込んだものを類似画像と称することにする。類似画像を構成するパターンは、位置合わせをより高精度に行うために設けられるものである。
【0026】
また、ここで用いる相関率とは、アライメントマーク教示画像に対して、対象としている被検索画像が一致している程度を表す比率を%で示したものである。なお、後述する相関係数を100倍すると、相関率になる。
【0027】
なお、後述する低相関率とは、所定の相関率を有する画像を選出する場合に、選出の基準となる相関率を指すものとし、本例では、10%の場合を例示している。
【0028】
図5Aに示すように、アライメントマーク教示画像に対する類似画像を検索するため、記憶したアライメントマーク教示画像401と被検索画像と低相関係数を図1で示す比較部115に入力し、類似画像を含むマッチング画像位置と相関率を出力し、図5Bで示す表3に示すように類似画像位置をアライメントマーク画像切り出し位置からの相対距離(X,Y)に変換し、教示位置相関として教示情報記憶部114に記憶する。
【0029】
表3において、位置501に対応するアライメントマーク位置を、相対原点(0,0)とし、その相対原点からの各画像の原点を位置(X,Y)で示している。例えば、位置502では、(0,150)であり、位置503では、(150、10)などとなっている。
【0030】
次に、図6について説明する。教示位置相関からアライメントマーク画像位置を含む3点位置を順次抽出し、3点位置を三角形の頂点として重心を算出し、重心位置からアライメントマーク画像位置となる頂点を起点とする時計廻りまたは反時計廻りに閉じた三角形A群を作成し、各頂点の相対位置と内角の角度と各辺の長さを三角形の特徴とする教示位置相関多角形情報を教示情報記憶部114に記憶する。
【0031】
例えば、図6に示すように、表3に示す教示位置相関(501、502、503、504)から重心に対して反時計廻りに閉じた三角形を多角形A群とした[三角形501−502−503]からなるA群1(601)、[三角形501−502−504]からなるA群2(602)、[三角形501−504−503]からなるA群3(603)の3種が教示位置相関多角形情報となる。
【0032】
図7A(a)(b)に、被検索画像に存在するアライメントマーク画像位置を記憶したアライメントマーク教示画像を用いて検索する場合を示す。たとえば、図1で示す教示情報記憶部114から取り出したアライメントマーク教示画像401と被検索画像と低相関係数を比較部115に入力し、類似画像を含むマッチング画像位置と相関率を検索位置相関として出力する(図7Bを参照)。
【0033】
図7Bには、図7A(a)における検索位置701を検索位置の原点(0,0)とし、その原点からの相対原点の位置を表示している。例えば、位置702における相対原点は、(1,148)などとなる。
【0034】
さらに、図8において、図6で示した教示多角形に対応する検索多角形について以下に述べる。
図7Bで示した検索位置相関から各点を起点とする3点位置を順次抽出し、3点位置を三角形の頂点として重心を算出し、重心位置から任意の頂点を起点とする時計回りまたは反時計回りに閉じた三角形B群を作成し、各頂点の相対位置と内角の角度と各辺の長さを三角形の特徴として検索位置相関多角形情報として出力する。
【0035】
たとえば、図8に示すように、表4に示す検索位置相関(表4の701、702、703、704を参照)から重心に対して反時計廻りに閉じた三角形を多角形B群とする場合は、[三角形701−702−703]からなるB群1(801)、[三角形701−702−704]からなるB群2(802)、[三角形701−704−703]からなるB群3(803)、[三角形702−704−703]からなるB群4(804)の4種が検索位置相関多角形情報となる。
【0036】
さらに、比較部115の出力結果である検索位置相関多角形情報と教示情報記憶部114から取り出した教示位置相関多角形情報を判定部116に入力し、判定部116では、図9に示すように、三角形A群の1つの画像、A群1(601)と三角形B群1(801)、B群2(802)、B群3(803)、B群4(804)の画像を順次マッチングを行い、±5%以内の誤差なら一致とし、一致した三角形A群1(601)の各辺の長さと各頂点の内角と、三角形B群1(801)の各辺の長さと各頂点の内角の相関から、三角形B群1(801)のアライメントマーク画像位置に相当する頂点位置(B群1(801)における701)を算出し、アライメントマーク画像位置として結果を出力する。
【0037】
なお、三角形A群に複数の教示位置相関多角形情報が存在する場合は、三角形A群の教示位置相関多角形情報を順次変更し、検索位置相関多角形情報と一致する検索位置相関多角形情報を求めるため、複数の教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報の組み合わせが得られる。
【0038】
図10は、教示情報作成処理を示すフローチャートである。
先ず、教示情報作成の処理を開始する(ステップ1000)。次に、カメラ101で部材(被位置検索部材)100の画像を画像メモリ111に取り込み(ステップ1001)、引き続いて、被検索画像を作成する(ステップ1002)。被検索画像からアライメントマーク教示画像を切り取り、アライメントマーク教示画像として画像保管する(ステップ1003)。被検索画像と低相関係数とアライメントマーク教示画像を比較判定し類似を含めて検索結果を出力する(ステップ1004)。次に、検索結果が3つ以上か否かを判定する(ステップ1005)。判定の結果、3つ以上でない場合は、教示情報作成の処理を終了する(ステップ1008)。3つ以上の場合は、検索原点位置以外の検索結果位置(原点からの相対距離)を教示位置相関情報として記憶する(ステップ1006)。次に、教示位置相関から教示多角形・A群を作成し、多角形の位置と内角・各辺の寸法等の特徴値を教示位置相関多角形情報として記憶する(ステップ1007)。最後に、教示情報作成の処理を終了する(ステップ1008)。
【0039】
図11は、被検索画像と教示画像の比較判定処理を示すフローチャートである。
先ず、位置検索を行う(ステップ1100)。次に、カメラ101で部材(被位置検索部材)100の画像を画像メモリ111に取り込み(ステップ1101)、引き続いて、被検索画像を作成する(ステップ1102)。被検索画像と低相関係数とアライメントマーク教示画像を比較判定し類似を含めて検索結果を位置相関とする(ステップ1103)。
【0040】
次に検索結果を判定する(ステップ1104)。検索結果数が2つまたは無しの場合は検出エラーを表示する(ステップ1107)。1つの場合は、検索位置をアライメントマーク位置とする(ステップ1109)。
【0041】
3つ以上の場合は、位置相関から多角形・B群を作成し、多角形の位置と内角・各辺の寸法等の特徴値を求める(ステップ1105)。次に、教示位置相関の教示多角形・A群と検索結果の多角形・B群で一致する多角形を識別し、多角形・B群のアライメントマーク位置に相当する位置を求め、アライメントマーク位置とする(ステップ1106)。最後に、位置検索の処理を終了する(ステップ1108)。
【0042】
ここで、処理速度を重視した場合では最初に一致した教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報の組み合わせから算出したアライメントマーク画像位置を結果として出力し、精度重視の場合ではマッチング精度の最も高い教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報の組み合わせで算出したアライメントマーク画像位置を結果として出力し、最高精度重視の場合では全ての教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報との組み合わせで求めたアライメントマーク画像位置の平均値をアライメントマーク画像位置として出力する。
【0043】
なお、この説明で教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報の説明に三角形を用いたが、四角形や五角形などの多角形を用いて教示位置相関多角形情報と検索位置相関多角形情報のマッチングからアライメントマーク画像位置を求めることもできる。
【0044】
さらに、図12は、本発明装置の実施構成であって教示情報を作成するために操作部118に表示し、操作を行うための操作画面900であり、被検索画像表示領域901と教示画像表示領域902と相関係数設定領域903と教示レシピ名設定領域904と教示レシピ読み込みボタン905と教示レシピ保管ボタン906と検索ボタン910と教示位置相関リスト920と教示位置相関リスト項目削除ボタン921と教示位置相関リスト項目削除取消ボタン922と教示位置相関多角形情報作成ボタン923と教示位置相関多角形情報リスト930で構成する。
【0045】
被検索画像表示領域901は、図1で説明したようにカメラ直下に位置決めされた被位置検索部材100をカメラ101で撮影し、画像メモリ111に取り込み、画像メモリの画像情報から被検索画像112を作成した画像もしくは教示情報記憶部114から教示レシピ名904と教示レシピ読み込みボタンによって読み込んだ被検索画像を表示する。
【0046】
教示画像表示領域902には、被検索画像から切り取った教示画像もしくは教示情報記憶部114から教示レシピ名904と教示レシピ読み込みボタンによって読み込んだ教示画像を表示する。
【0047】
相関係数設定領域903は、被検索画像に存在する教示画像位置を検索する際の相関係数を設定する領域であって、キーボードから数値入力もしくは教示情報記憶部114から教示レシピ名904と教示レシピ読み込みボタンによって読み込んだ相関係数を表示する。
【0048】
教示レシピ名設定領域904は、教示情報記憶部114に保管する教示情報のレシピ名を設定する領域であって、キーボードから文字列を入力する。
【0049】
教示レシピ読み込みボタン905は、教示レシピ名設定領域904で指定したレシピ名の教示情報を教示情報記憶部114から読み込む起動ボタンであって、読み込みを行う際にマウスでクリックする。
【0050】
教示レシピ保管ボタン906は、教示情報を教示レシピ名設定領域904で指定したレシピ名で保管する起動ボタンであって、保管する際にマウスでクリックする。
【0051】
検索ボタン910は、被検索画像901と教示画像902と相関係数903を比較部115に入力し、検索を実施する起動ボタンであって、マウスでクリックする。
【0052】
教示位置相関リスト920は、検索ボタン910のクリックによって検索を実施した結果を表示する領域であって、教示位置相関リスト920の1行または複数行を選択すると図13に示すように選択した行の検索位置を被検索画像表示領域901に表示する。
【0053】
教示位置相関リスト項目削除ボタン921は、教示位置相関リスト920の不要な情報を削除する際の起動ボタンであって、教示マーク切り出し位置を除く教示位置相関リスト920の1行または複数行を選択し、教示位置相関リスト項目削除ボタン921をマウスでクリックすると教示位置相関リスト920から選択した行を削除する。削除する際には、削除取消が可能なように削除した情報を一時記憶しておく。
【0054】
教示位置相関リスト項目削除取消ボタン922は、教示位置相関リスト項目削除ボタン921によって削除した教示位置相関リスト920の行を復元する際の起動ボタンであって、マウスでクリックすると1つ前に教示位置相関リスト項目削除ボタン921によって削除した教示位置相関リスト920の行を復元し、削除情報を除去する。なお削除取消は、教示位置相関リスト項目削除取消ボタン922毎に1つ遡った削除を取消すことが可能である。
【0055】
教示位置相関多角形情報作成ボタン923は、教示位置相関リスト920から教示位置相関多角形情報を作成する際の起動ボタンであって、マウスでクリックすると教示位置相関多角形情報を作成し、教示位置相関多角形情報リスト930に詳細情報を表示する。
【0056】
教示位置相関多角形情報リスト930は、教示位置相関多角形情報作成ボタン923によって作成された教示位置相関多角形情報であって、教示位置相関多角形情報リスト930の1行または複数行を選択すると図14に示すように選択した行の教示位置相関多角形情報を被検索画像表示領域901に表示する。
【0057】
なお、図12では、操作画面900を1つの画面として構成しているが、画面内の機能毎に複数の画面を作成し、同時に表示することで同じ機能にすることができる。
【符号の説明】
【0058】
100:被位置検索部材、
101:カメラ、
111:画像メモリ、
112:被検索画像、
113:教示情報作成部、
114:教示情報記憶部、
115:比較部、
116:判定部、
117:結果出力、
118:操作部(モニタ,キーボード,マウス)、
200:アライメントマーク教示画像、
201:アライメントマーク教示画像の検索結果1、
202:アライメントマーク教示画像の検索結果2、
203:アライメントマーク教示画像の検索結果3、
204:アライメントマーク教示画像の検索結果4、
301:アライメントマーク教示画像の検索結果1(マーク欠けある場合)、
302:アライメントマーク教示画像の検索結果2、
303:アライメントマーク教示画像の検索結果3、
304:アライメントマーク教示画像の検索結果4、
400:被検索画像内のアライメントマーク位置、
401:アライメントマーク教示画像、
501:教示位置1(アライメントマーク位置)、
502:教示位置2(類似画像位置)、
503:教示位置3(類似画像位置)、
504:教示位置4(類似画像位置)、
601:教示多角形・A群1、
602:教示多角形・A群2、
603:教示多角形・A群3、
701:検索位置1、
702:検索位置2、
703:検索位置3、
704:検索位置4、
801:検索多角形・B群1、
802:検索多角形・B群2、
803:検索多角形・B群3、
804:検索多角形・B群4、
900:操作画面、
901:被検索画像表示領域、
902:教示画像表示領域、
903:相関係数設定領域、
904:教示レシピ名設定領域、
905:教示レシピ読み込みボタン、
906:教示レシピ保管ボタン、
910:検索ボタン、
920:教示位置相関リスト、
921:教示位置相関リスト項目削除ボタン、
922:教示位置相関リスト項目削除取消ボタン、
923:教示位置相関多角形情報作成ボタン、
930:教示位置相関多角形情報リスト、
940:被検索画像表示領域における教示位置相関の表示、
941:被検索画像表示領域における教示位置相関多角形の表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準パターンが設けられた基板に対して該基準パターンを照準として位置合わせを行い所望の位置に電子部品を搭載する位置合わせ手段を有するFPD実装装置において、
前記位置合わせ手段は、
前記基準パターンと該基準パターンの近傍に配置された複数の類似パターンとを含む被検出パターンを画像化した被検索画像を作成する手段と、
前記被検索画像から該基準パターンを含む領域を切り出してアライメントマーク教示画像として保存する手段と、
前記被検索画像を構成する前記類似パターンおよび基準パターンのそれぞれと前記アライメントマーク教示画像との画像形状の一致度を表わす相関率を算出する手段と、
第1の相関率を設定し、該第1の相関率以上の相関率を有する前記類似パターンおよび基準パターンの画像の一覧表を作成する手段と、を有し、
前記一覧表に基づいて、前記被検索画像の中から前記基準パターンに対応するアライメントマーク用画像を選定し、該アライメントマーク用画像を基準にして位置合わせを行うことを特徴とするFPD実装装置。
【請求項2】
前記第1の相関率は、該第1の相関率以上の相関率を有する前記被検索画像の総計が複数となるように設定されることを特徴とする請求項1記載のFPD実装装置。
【請求項3】
該第1の相関率以上の相関率を有する前記被検索画像が一つの場合は、それをアライメント用画像として用いることを特徴とする請求項1記載のFPD実装装置。
【請求項4】
該第1の相関率以上の相関率を有する前記被検索画像が3つ以上の場合は、
前記アライメントマーク画像および前記類似パターンを画像化した類似画像のそれぞれの座標原点の相対位置相関から多角形を生成し、該多角形の特徴を教示する教示多角形を生成する手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載のFPD実装装置。
【請求項5】
前記教示多角形間の特徴のマッチングを行い、一致した多角形の頂点の位置相関からアライメントマーク画像位置を認識する手段を有することを特徴とする請求項4記載のFPD実装装置。
【請求項6】
前記被検索画像の原点を基準として、前記アライメントマーク教示画像および前記複数の類似画像のそれぞれの原点の相対位置を算出する手段と、
算出したそれぞれの原点から少なくとも3点を抽出し、抽出された各点を頂点とする多角形を求める手段と、
該多角形を前記それぞれの原点の組合せの数だけ実行を繰り返す手段とを有し、
前記被検索画像の原点を含む多角形を基準として、アライメントマーク画像位置を認識することを特徴とする請求項4記載のFPD実装装置。
【請求項7】
基準パターンが設けられた基板に対して該基準パターンを照準として位置合わせを行い所望の位置に電子部品を搭載する位置合わせ画像検出方法において、
前記基準パターンと該基準パターンの近傍に配置された複数の類似パターンとを含む被検出パターンを画像化した被検索画像を作成するステップと、
前記被検索画像から該基準パターンを含む領域を切り出してアライメントマーク教示画像として保存するステップと、
前記被検索画像を構成する前記類似パターンおよび基準パターンのそれぞれと前記アライメントマーク教示画像との画像形状の一致度を表わす相関率を算出するステップと、
第1の相関率を設定し、該第1の相関率以上の相関率を有する前記類似パターンおよび基準パターンの画像の一覧表を作成するステップと、
前記一覧表に基づいて、前記被検索画像の中から前記基準パターンに対応するアライメントマーク用画像を選定し、該アライメントマーク用画像を基準にして位置合わせを行うステップとを有することを特徴とする位置合わせ画像検出方法。
【請求項8】
該第1の相関率以上の相関率を有する前記被検索画像が3つ以上の場合は、
前記アライメントマーク画像および前記類似パターンを画像化した類似画像のそれぞれの座標原点の相対位置相関から多角形を生成し、該多角形の特徴を教示する教示多角形を生成するステップと、
前記教示多角形間の特徴のマッチングを行い、一致した多角形の頂点の位置相関からアライメントマーク画像位置を認識するステップとを有することを特徴とする請求項7記載の位置合わせ画像検出方法。
【請求項9】
前記被検索画像の原点を基準として、前記アライメントマーク教示画像および前記複数の類似画像のそれぞれの原点の相対位置を算出するステップと、
算出したそれぞれの原点から少なくとも3点を抽出し、抽出された各点を頂点とする多角形を求めるステップと、
該多角形を前記それぞれの原点の組合せの数だけ実行を繰り返すステップとを有し、
前記被検索画像の原点を含む多角形を基準として、アライメントマーク画像位置を認識することを特徴とする請求項7記載の位置合わせ画像検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−255826(P2012−255826A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127357(P2011−127357)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】